JP2021067791A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレードの異常の検知精度を向上する。【解決手段】画像形成装置は、像担持体と、像担持体の表面の異物を除去するブレードと、像担持体を帯電する帯電部材と、帯電部材に印加する第1の電圧を生成する第1の電圧生成部と、像担持体に第1の電圧と逆極性の第2の電圧を印加する印加部材と、第2の電圧を生成する第2の電圧生成部と、帯電部材から像担持体へ流れる帯電電流を検知する電流検知部と、電流検知部が所定の閾値より低い帯電電流を検知した場合、ブレードの異常を判定する判定部と、ブレードの正常時に流れる帯電電流の分布とブレードの異常時に流れる帯電電流の分布とを重複させない電圧差を有する第1の電圧と第2の電圧とを、第1の電圧生成部と第2の電圧生成部とにそれぞれ生成させる制御部とを有し、閾値は、正常時に流れる帯電電流の分布と、異常時に流れる帯電電流の分布との間に設定される。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
例えば、電子写真方式の画像形成装置は、高電圧に帯電した帯電部材によりドラム状の感光体を帯電させ、帯電した感光体を露光して静電潜像を形成し、静電潜像をトナーで現像して記録紙に転写することで画像を形成する。画像の転写後に感光体の表面に残ったトナーや紙粉等は、先端部が感光体と接触したクリーニングブレードにより除去される。
クリーニングブレードは、弾性を有するため、感光体の回転による感光体との摩擦によりめくれるおそれがある。万一、クリーニングブレードがめくれて帯電部材と干渉し、帯電部材が感光体から離れてしまうと、感光体の帯電不良が発生し、正常な画像を形成できなくなる。そこで、帯電部材から感光体に流れる帯電電流を検知する機構を設け、検知した帯電電流が閾値以下の場合、クリーニングブレードの異常を検知して、画像を形成する動作を停止する手法が提案されている(特許文献1)。
帯電電流は、帯電部材や感光体の抵抗値の製造ばらつき、温度・湿度、帯電部材の汚れの付着による抵抗値の上昇、または、感光体表面の削れによる抵抗値の低下等により変化する。そして、クリーニングブレードが正常なときの帯電電流のばらつきの分布と、クリーニングブレードが異常なときの帯電電流のばらつきの分布とが重複する場合、クリーニングブレードの異常を閾値により検知することが困難になる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ブレードの異常の検知精度を向上することを目的とする。
上記技術的課題を解決するため、本発明の一形態の画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体の表面に接触し、弾性を有し、前記像担持体の表面の異物を除去するブレードと、前記像担持体を帯電する帯電部材と、前記帯電部材に印加する第1の電圧を生成する第1の電圧生成部と、前記像担持体に第1の電圧と逆極性の第2の電圧を印加する印加部材と、前記第2の電圧を生成する第2の電圧生成部と、前記帯電部材から前記像担持体へ流れる帯電電流を検知する電流検知部と、前記像担持体に前記第1の電圧および前記第2の電圧を印加中、前記電流検知部が所定の閾値より低い前記帯電電流を検知した場合、前記ブレードの異常を判定する判定部と、前記ブレードの正常時に流れる前記帯電電流の分布と前記ブレードの異常時に流れる前記帯電電流の分布とを重複させない電圧差を有する前記第1の電圧と前記第2の電圧とを、前記第1の電圧生成部と前記第2の電圧生成部とにそれぞれ生成させる制御部とを有し、前記閾値は、前記正常時に流れる前記帯電電流の分布と、前記異常時に流れる前記帯電電流の分布との間に設定される。
ブレードの異常の検知精度を向上することができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成を示す説明図である。 図1に示した画像形成装置において、帯電に関するハードウェア構成を示すブロック図である。 図2に示した制御基板の機能を示す機能ブロック図である。 正常な状態の研磨ブレードと、めくれた状態の研磨ブレードとの状態を示す説明図である。 画像形成装置により画像を印刷する場合の転写電流に対する帯電電流の変化の例を示す説明図である。 図1に示した画像形成装置の印刷動作において、研磨ブレードのめくれを判定するシーケンス図である。 図1に示した画像形成装置の印刷動作において、研磨ブレードのめくれを判定する別のシーケンス図である。 図1に示した画像形成装置による印刷動作の一例を示すフロー図である。 本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置において、帯電に関するハードウェア構成を示すブロック図である。 図9に示した画像形成装置の動作の一例を示すフロー図である。 本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置により画像を印刷する場合の転写電流に対する帯電電流の変化の例を示す説明図である。 図11で説明した画像形成装置の印刷動作において、研磨ブレードのめくれを判定するシーケンス図である。 本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置において、帯電に関するハードウェア構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照して実施の形態の説明を行う。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置101の構成を示す説明図である。なお、図1においては、説明を分かりやすくするために画像形成装置101の主要な要素のみを示している。
画像形成装置101は、ドラム状の感光体10、帯電ローラ12、露光部14、現像部16、転写ローラ18、中間転写ベルト20、除電部22、クリーニングブレード24、研磨ブレード26および高圧電源30、40を有している。そして、画像形成装置101は、電子写真方式により画像を形成する。感光体10は、像担持体の一例であり、帯電ローラ12は、帯電部材の一例であり、転写ローラ18は、印加部材の一例または転写部材の一例である。中間転写ベルト20は、転写媒体の一例である。
高圧電源30は、高圧直流電圧と高圧交流電圧を重畳して高電圧(例えば、負電圧)を生成し、生成した高電圧を帯電ローラ12に印加する。高圧電源40は、高電圧(例えば、正電圧)を生成し、生成した高電圧を転写ローラ18に印加する。
帯電ローラ12は、感光体10に接触または数十ミクロン程度の距離をもって近接しており、高圧電源30から印加された高電圧により、感光体10の表面と帯電ローラ12の表面との間に放電を発生させる。これにより、感光体10の表面が一様に所定の電位に帯電される。なお、図1において、感光体10は時計回りに回転し、帯電ローラ12および転写ローラ18は、反時計回りに回転する。
露光部14は、画像信号に応じて感光体10の表面を露光することで、感光体10上に静電潜像を形成する。現像部16は、感光体10上に形成された静電潜像を現像することで、トナー像を感光体10上に形成する。転写ローラ18は、高圧電源40から印加された高電圧により感光体10上のトナー像を中間転写ベルト20に転写する。中間転写ベルト20に転写されたトナー像は、図示しない転写部によって用紙等の記録材に転写された後、図示しない定着機構によって定着される。これにより、記録材上に画像が形成される。なお、直接転写方式の場合、中間転写ベルト20の代わりに記録材が配置され、感光体10上のトナー像が記録材に直接転写される。以下の説明では、画像形成装置が画像を形成することを、印刷とも称する。
除電部22は、感光体10上のトナー像が中間転写ベルト20に転写された後、感光体10の表面の電荷を除去する。なお、画像形成装置101は、除電部22を持たなくてもよい。クリーニングブレード24は、弾性を有し、先端部が斜めに感光体10に接触しており、記録紙への転写後に感光体10に残ったトナーや紙粉等の異物を掻き取って回収することで、感光体10を清掃する。研磨ブレード26は、弾性を有し、研磨層を含み、先端部が斜めに感光体10に接触しており、感光体10上の表面に付着した異物を研磨により取り除くことで、感光体10を清掃する。
なお、カラー画像を形成する画像形成装置は、図1において中間転写ベルト20の上側の要素を、イエロー色、マゼンダ色、シアン色、ブラック色毎に有しており、4色に共通に設けられる中間転写ベルトに各色のトナー像を順次重ねて転写する。この後、中間転写ベルト上でフルカラーになったトナー像は、転写部によって用紙等の記録材に転写された後、定着機構によって定着される。本実施形態および後続の実施形態は、カラー画像を形成する画像形成装置にも適用可能である。
図2は、図1に示した画像形成装置101において、帯電に関するハードウェア構成を示すブロック図である。画像形成装置101は、図1に示した高圧電源30、40を制御する制御基板50を有する。
制御基板50は、CPU(Central Processing Unit)52等のコントローラと、CPUが実行する制御プログラムや制御プログラムで使用する各種パラメータやデータを記憶するメモリ54と、比較部56とを有する。例えば、CPU52は、制御プログラムを実行することで、画像形成装置101全体の動作を制御する。メモリ54は、例えば、読み書き可能なフラッシュメモリ、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)等である。なお、メモリ54は、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)とデータ等を記憶するRAM等とにより構成されてもよい。以下で説明する制御基板50の動作は、例えば、CPU52が実行する制御プログラムにより実現される。
制御基板50は、高圧電源30、40を制御する制御信号をそれぞれ生成する。また、制御基板50は、高圧電源30内の帯電電流検知部34から受けた帯電電流帰還信号を演算し、高圧電源30に出力する制御信号であるPWM(Pulse Width Modulation)信号値に反映する処理を行う。制御基板50は、研磨ブレード26がめくれていない正常時に流れる帯電電流の分布と、研磨ブレード26がめくれた異常時に流れる帯電電流の分布とを重複させない電圧差を有する高電圧を、高圧電源30、40に生成させる制御部の一例である。帯電電流の分布については、図5で説明する。
比較部56は、感光体10へ高電圧を印加して画像を形成する印刷動作において、帯電電流帰還信号により示される帯電電流値を所定の閾値と比較し、帯電電流値が閾値より低い場合、研磨ブレード26の形状異常(めくれ)が発生したと判定する。すなわち、比較部56は、研磨ブレード26のめくれにより帯電ローラ12の帯電不良が発生したと判定する。
比較部56は、高圧電源30から帯電ローラ12に高電圧を印加中に、帯電電流検知部34が所定の閾値より低い帯電電流を検知した場合、研磨ブレード26のめくれ(すなわち、研磨ブレード26の異常)を判定する判定部の一例である。この実施形態では、高圧電源30への制御信号を生成するための帯電電流帰還信号を利用して、研磨ブレード26のめくれを検知することができる。このため、高圧電源30は、既存のものを利用することができる。
制御基板50は、研磨ブレード26のめくれの発生を判定した場合、印刷動作を停止し、ブレードめくれの発生をユーザに報知する処理を行う。この後、制御基板50は、めくれた研磨ブレード26を正常な状態に戻すために、感光体10を逆回転(図1の反時計回り)する制御を行ってもよい。なお、比較部56の機能は、CPU52が実行する制御プログラムにより実現されてもよい。
高圧電源30は、帯電バイアス生成部32と帯電電流検知部34とを有する。帯電バイアス生成部32は、画像形成装置101内に配置される制御基板50から出力されるPWM信号等の制御信号に対応する大きさとタイミングで、帯電ローラ12に印加する高電圧(帯電バイアス)を生成する。例えば、帯電バイアスは、負電圧である。帯電バイアス生成部32は、第1の電圧生成部の一例である。
帯電電流検知部34は、帯電ローラ12から感光体10へ流れる電流である帯電電流を検知し、検知した帯電電流を帯電電流帰還信号に変換して、制御基板50に出力する。制御基板50は、帯電電流帰還信号に基づいて、制御信号を調整し、所望の帯電バイアスを高圧電源30に生成させる。
帯電ローラ12から感光体10に流れる帯電電流Icは、式(1)で表すことができる。
Ic∝(Vc−Vd0)/Z ‥(1)
式(1)において、Vcは帯電バイアスを示し、Vd0は、帯電前の感光体10の表面電位を示し、Zは、帯電ローラ12と感光体10のグラウンドとの間のインピーダンスを示す。そして、帯電電流Icは、帯電バイアスVcと帯電前の感光体10の表面電位との差を、帯電ローラ12と感光体10のグラウンドとの間のインピーダンスZで除した値に比例する。
高圧電源40は、転写バイアス生成部42を有する。転写バイアス生成部42は、制御基板50から出力される制御信号に基づいて帯電バイアスとは逆極性(すなわち、正電圧)の高電圧(転写バイアス)を生成し、生成した高電圧を転写ローラ18に印加する。転写バイアス生成部42は、第2の電圧生成部の一例である。
なお、高圧電源40は、転写バイアスを生成するものに限らず、高圧電源30が生成する高電圧と逆極性の高電圧を生成するものであればよい。また、高圧電源40は、転写バイアス生成部42とは別に、高圧電源30が生成する高電圧と逆極性の高電圧を生成する電圧生成部を有してもよい。さらに、図2では、高圧電源30、40は、それぞれ別のブロック(例えば、基板)に分かれているが、1つのブロック(1枚の基板)から帯電バイアス、および、帯電バイアスと逆極性を有する高電圧を生成する構成としてもよい。
図3は、図2に示した制御基板50の機能を示す機能ブロック図である。なお、図3に示す機能は、画像形成装置101の機能のうち、本実施形態に関する機能を実現する機能を示している。また、図3に示す機能は、CPU52が実行する制御プログラムにより実現されるが、機能の一部がロジック回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
制御基板50は、印刷動作制御部501、電流算出部502、判定部503および報知部504を有する。印刷動作制御部501は、画像形成装置101の全体を制御して、印刷動作の開始、終了、および印刷動作中の各種制御を行う。例えば、印刷動作制御部501は、高圧電源30に高電圧を生成させる制御信号を生成し、高圧電源40に高電圧を生成させる制御信号を生成する。
電流算出部502は、帯電電流検知部34からの帯電電流帰還信号を用いて帯電電流を算出する。判定部503は、電流算出部502が算出した帯電電流を閾値と比較し、研磨ブレード26の異常が発生したか否かを判定する。報知部504は、判定部により研磨ブレード26の異常が判定された場合、研磨ブレード26の異常の発生をユーザに報知する。
図4は、正常な状態の研磨ブレード26と、めくれた状態の研磨ブレード26との状態を示す説明図である。
正常な状態において、クリーニングブレード24および研磨ブレード26は、例えば、感光体10の回転方向に対して逆らう向きに、先端部を感光体10の表面に接触させてそれぞれ配置されている(正常な状態)。研磨ブレード26は、帯電ローラ12に対して、感光体10の回転方向の上流側(図4の左側)に配置され、クリーニングブレード24は、研磨ブレード26のさらに上流側に配置される。
正常な状態では、クリーニングブレード24および研磨ブレード26は、互いに平行である。そして、クリーニングブレード24は、記録紙への転写後に感光体10に残ったトナーT(粒子)等の異物を掻き取って回収し、研磨ブレード26は、異物が回収された後の感光体10の表面を研磨する。
研磨ブレード26のめくれは、研磨ブレード26を感光体10の回転方向に移動させようとする力(摩擦力)が、研磨ブレード26が形状を維持しようとする弾性力を超えた場合に発生する。研磨ブレード26のめくれにより、研磨ブレード26の先端は、例えば、帯電ローラ12と感光体10との隙間に入り込み、帯電ローラ12は、研磨ブレード26により感光体10から離れる方向に押される。これにより、帯電ローラ12の表面と感光体10の表面とが対向する距離は、正常な状態に比べて大きくなる。
このため、研磨ブレード26のめくれが発生すると、帯電ローラ12からの帯電バイアスが感光体10へ適切に印加されず、帯電不良が発生する。帯電不良が発生した場合、画像形成領域の全面にトナーが付着し、いわゆる全面ベタ画像が印刷される。これにより、ユーザの意図しない画像が印刷されるだけでなく、定着機構に多量のトナーが搬送されることにより定着機構が故障するおそれがあり、画像形成装置101内にトナーが飛散するおそれがある。このような不具合を抑止するため、研磨ブレード26のめくれを確実に検知し、画像形成装置101を停止させる必要がある。
なお、画像形成装置101は、クリーニングブレード24および研磨ブレード26の変わりに、クリーニングブレード24のみを有してもよい。この場合、クリーニングブレード24は、図4の研磨ブレード26の位置に配置される。また、以下の説明において、研磨ブレード26をクリーニングブレード24と読み替えることで、各実施形態が実現される。
図5は、画像形成装置101により画像を印刷する場合の転写電流に対する帯電電流の変化の例を示す説明図である。以下では、電流および電圧は、絶対値として説明する。例えば、電流および電圧の上昇、増加は、絶対値が大きくなることを示し、電流および電圧の低下、減少は、絶対値が小さくなることを示す。転写電流は、転写ローラ18から感光体10へ流れる電流を示し、転写バイアスは、転写電流の増加に依存して増加する。
図5では、帯電電流は、図2に示した帯電電流帰還信号から算出される計算値を示し、転写電流は、図2に示した高圧電源40により制御される電流値である。すなわち、転写バイアスは定電流制御される。ただし、転写バイアスは定電流制御により生成されるとは限らない。
正常時の波形は、図4の左側に示した正常な状態での特性を示す。異常時の波形は、図4の右側に示した研磨ブレード26がめくれた状態での特性を示す。換言すれば、異常時の波形は、研磨ブレード26が帯電ローラ12と感光体10との間に挟まり、帯電ローラ12と感光体10とが電気的に絶縁された状態(物理的に離れた状態)での特性を示す。
各波形において、実線は標準値を示し、破線は、標準値に対して特性がばらつく範囲を最大値と最小値とで示している。すなわち、正常時および異常時のそれぞれにおいて、帯電電流は、最大値を示す破線と最小値を示す破線との間の範囲に分布する。また、一点鎖線は、帯電電圧のばらつき(分布)を考慮した場合に、正常時の波形と異常時の波形とを区別可能な場合に設定可能な閾値の例を示す。
例えば、帯電ローラ12の抵抗値が高い場合、感光体10の膜厚が大きい場合、低温または低湿の場合、帯電電流は減少する。帯電ローラ12の抵抗値は、製造ばらつきを有するとともに、使用に伴う異物等の付着により増加する。また、感光体10の膜厚は、製造ばらつきを有するとともに、印刷動作の実行に伴い感光体10の表面が徐々に削られて薄くなる。
研磨ブレード26がめくれていない正常時には、転写電流の増加に伴い帯電電流も増加する。これは、式(1)に示したように、帯電前の感光体10の表面電位Vd0が、帯電バイアスVcと逆極性の転写バイアスの増加により増加することで、帯電電流Icが増加するためである。一方、研磨ブレード26がめくれた異常時には、帯電電流は、転写電流に依存せずにほぼ一定になる。これは、研磨ブレード26のめくれにより、式(1)に示したインピーダンスZがほぼ無限大になるため、帯電前の感光体の表面電位Vd0に関わらず、帯電電流が流れないためである。なお、異常時の帯電電流の標準値が0μAではく、約6μAと算出されるのは、回路構成上、オフセットが付加されることによるものである。
例えば、転写電流が14μAに設定された場合、正常時の帯電電流(標準値)と異常時の帯電電流(標準値)との差は約15μAである。このため、例えば、閾値を、正常時の帯電電流(標準値)と異常時の帯電電流(標準値)との中間の13.5μAに設定することで、標準値では、帯電電流が13.5μAより低くなった場合に研磨ブレード26のめくれを検知することができる。
しかしながら、帯電電流のばらつきを考慮すると、正常時の帯電電流の最小値は約6μAであり、異常時の帯電電流の最大値は約21μAである。このため、閾値を13.5μAに設定した場合、研磨ブレード26がめくれていない正常時にも、めくれが検知されてしまうおそれがあり、また、研磨ブレード26がめくれていても、めくれが検知されないおそれがある。したがって、転写電流が14μAに設定された場合、研磨ブレード26のめくれを正しく検知するための閾値を設定することができない。
一方、転写電流の設定値を30μAより大きくした場合、正常時の帯電電流のばらつきの分布と異常時の帯電電流のばらつきの分布とを離すことができるため、一点鎖線で示すように閾値を設定することができる。例えば、転写電流の設定値を50μAにした場合、正常時の帯電電流(標準値)と異常時の帯電電流(標準時)の差は約50μAとなる。
このときの正常時の帯電電流の最小値(約38μA)と異常時の帯電電流の最大値(約20μA)との差は18μAである。このため、研磨ブレード26のめくれを検知するための閾値を設定することができる。例えば、閾値を29μAに設定することで、正常時の帯電電流に対するマージンと、異常時の帯電電流に対するマージンとをそれぞれ9μA確保することができる。
すなわち、図2に示した制御基板50は、研磨ブレード26の正常時と異常時とにそれぞれ流れる帯電電流のばらつきの分布を互いに重複させない電圧差を有する高電圧を、帯電バイアス生成部32と転写バイアス生成部42とにそれぞれ生成させる。これにより、制御基板50は、転写電流を50μAに設定した場合であって、帯電電流帰還信号から算出した帯電電流が29μAより低い場合、研磨ブレード26のめくれを検知することができる。
なお、図5は、帯電ローラ12、感光体10および転写ローラ18のある組み合わせによる特性を示しており、使用する部材が異なれば、インピーダンスも変わるため、特性も変化する。また、使用する部材のインピーダンスにより、帯電電流帰還信号に基づいて算出される帯電電流値や、帯電電流の転写電流に対する依存性は変化する。
さらに、使用する部材のインピーダンスは、温湿度条件や部材の特性の経時変化により変化する。このため、予め予測した経時変化と部材の使用時間とに応じて、転写バイアスおよび帯電バイアスの一方または両方を補正することで、研磨ブレード26のめくれの検知感度を維持または向上させてもよい。さらに、予め予測した経時変化と部材の使用時間とに応じて、閾値を補正してもよい。
図6は、図1に示した画像形成装置101の印刷動作において、研磨ブレード26のめくれを判定するシーケンス図である。画像形成装置101は、例えば、判定方法Aまたは判定方法Bのいずれかを実行する。図6は、複数枚の用紙の印刷動作が連続して実行される例を示す。単一(1枚)の用紙の印刷動作を実行する例は、図7に示す。印刷動作中、帯電バイアスは、負値に設定され、転写バイアスは、正値に設定される。
なお、図1に示したように、帯電ローラ12と転写ローラ18とは、感光体10を挟んで互いに対向する位置に配置される。このため、用紙毎の印刷動作において、感光体10の外周の1地点である印刷開始点に帯電バイアスが印加されてから転写バイアスが印加されるまで、感光体10が半回転する時間が掛かる。
したがって、用紙毎の印刷動作において、帯電バイアスが感光体10に印加される期間である帯電印加期間と、転写バイアスが感光体10に印加される期間である転写印加期間とは、感光体10の回転の半周期分ずれる。換言すれば、転写印加期間は、帯電印加期間に対して感光体10の回転の半周期だけ遅れる。
判定方法Aでは、制御基板50は、図5に示した転写電流の設定値(例えば、50μA)を転写印加期間中に維持し、設定値に対応する転写バイアスを高圧電源40に生成させる。そして、制御基板50は、用紙の2枚目を印刷する帯電印加期間(2)を開始後、転写印加期間中に、所定の頻度で帯電電流帰還信号から算出される帯電電流値を閾値と比較し、研磨ブレード26のめくれを判定する。
判定方法Bでは、制御基板50は、転写印加期間が終了する前の所定期間、転写電流を図5に示した設定値(例えば、50μA)に設定し、設定値に対応する転写バイアスを一時的に高圧電源40に生成させる。これにより、転写バイアスは、転写印加期間が終了する前の所定期間に、一時的に上昇する。転写印加期間における上記所定期間までの期間、例えば、転写電流は図5に示した標準値(例えば、14μA)に設定される。各転写印加期間が終了する前の所定期間は、感光体10への静電潜像の形成に影響しない期間である。
例えば、転写電流を設定値に設定する所定の期間は、トナー像の中間転写ベルト20への転写を完了後に設定される。そして、判定方法Bでは、制御基板50は、上記所定期間において帯電電流帰還信号から算出される帯電電流値が閾値より低い場合、研磨ブレード26のめくれを判定する。
判定方法Aでは、印刷動作中、帯電電流を常に閾値と比較できるため、研磨ブレード26のめくれを検知した場合、すぐに印刷動作を停止することができ、定着機構の故障や、画像形成装置101内へのトナーの飛散を確実に抑止できる。判定方法Bでは、実質的な印刷動作の期間、定着電流は標準値に設定されるため、従来と同様の印刷制御を実行することができる。また、研磨ブレード26のめくれを検知した場合、次の印刷動作は実行されないため、定着機構の故障や、画像形成装置101内へのトナーの飛散を抑止することができる。
図7は、図1に示した画像形成装置の印刷動作において、研磨ブレードのめくれを判定する別のシーケンス図である。図6と同様の動作については、詳細な説明は省略する。図7は、単一(1枚)の用紙の印刷動作を実行する例を示す。
単一の用紙を印刷する場合、制御基板50は、判定方法A、Bのいずれにおいても、感光体10が半回転する時間に相当する帯電印加期間の後、転写印加期間が終了するまで帯電バイアスの印加を継続する(帯電印加継続期間)。転写バイアスを印加する転写印加期間の長さは、図6と同じである。これにより、図6の1枚目の印刷と同様に、転写印加期間の後半に帯電電流帰還信号から算出される帯電電流値を閾値と比較することが可能になり、研磨ブレード26のめくれを判定することができる。
図8は、図1に示した画像形成装置101による印刷動作の一例を示すフロー図である。例えば、図8に示すフローは、図2のCPU52が実行する制御プログラムにより実現され、印刷動作の開始とともに開始される。
まず、ステップS10において、CPU52は、帯電電流検知部34から受信する帯電電流帰還信号を用いて帯電電流を算出する。次に、ステップS12において、CPU52は、算出した帯電電流を閾値と比較し、帯電電流が閾値より低い場合、ステップS14の処理を実施し、帯電電流が閾値以上の場合、ステップS20の処理を実施する。
なお、図6および図7の判定方法Aでは、CPU52は、ステップS10、S12を印刷動作が終了するまで繰り返し実施し、帯電電流が閾値より低い場合、ステップS14の処理を実施する。図6および図7の判定方法Bでは、CPU52は、印刷動作が終了する前の所定期間にステップS10、S12を実施する。また、ステップS12の判定は、図2に示した比較部56により実施されてもよい。
ステップS14において、CPU52は、研磨ブレード26の異常(めくれ)を判定する。次に、ステップS16において、CPU52は、印刷動作を停止する。次に、ステップS18において、CPU52は、研磨ブレード26のめくれの発生をユーザに報知し、印刷動作の処理を終了する。なお、CPU52は、めくれた研磨ブレード26を正常な状態に戻すために、感光体10を逆回転してもよい。
一方、ステップS20において、CPU52は、研磨ブレード26の異常がないため、印刷動作を終了まで継続し、印刷動作の処理を終了する。
以上、第1の実施形態では、転写バイアスを増加し、研磨ブレード26の正常時の帯電電流と、研磨ブレード26の異常時の帯電電流との差を広げることで、研磨ブレード26のめくれの誤検知を抑止することができる。この結果、研磨ブレード26のめくれの検知精度を向上することができる。例えば、制御基板50は、正常時の帯電電流の分布と異常時の帯電電流の分布とが重複しない高電圧を、帯電バイアス生成部32と転写バイアス生成部42とにそれぞれ生成させる。既存の帯電バイアス生成部32と転写バイアス生成部42とを制御して、帯電電流の差を広げることができるため、ハードウェアを変更することなく、図6から図8に示した制御を行うことができる。
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置102において、帯電に関するハードウェア構成を示すブロック図である。図2と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。画像形成装置102の主要な要素は、図1と同様である。
この実施形態の画像形成装置102は、感光体10と帯電ローラ12とに近接する領域に温湿度センサ60を有する。温湿度センサ60は、温湿度検知部の一例である。温湿度センサ60は、感光体10または帯電ローラ12の周囲の温度と湿度とを取得し、取得した温度と湿度とを示す温湿度情報を含む温湿度信号を制御基板50に出力する。制御基板50は、温湿度信号に基づいて、感光体10または帯電ローラ12の周囲の温度と湿度とを検知する。
帯電ローラ12を介して高圧電源30から感光体10へ流れる帯電電流は、湿度が低いほど減少し、温度が低いほど減少し、湿度が高いほど増加し、温度が高いほど増加する。例えば、温度、湿度の一方または両方が低下し、帯電電流が減少した場合、図5に示した正常時の帯電電流の分布は、異常時の帯電電流の分布に近づき、閾値に対するマージンが減少する。最悪の場合、図5に示した正常時の帯電電流の分布と異常時の帯電電流の分布とが重なるおそれがあり、研磨ブレード26のめくれを正しく検知できないおそれがある。なお、以下では、温度、湿度の一方または両方を、温湿度と称する。
温湿度の低下時に閾値に対するマージンが減少することを抑止するため、制御基板50は、温湿度が、温湿度の標準値より低下したことを検知した場合、温湿度の低下量に応じて、印刷動作時に帯電ローラ12に印加する帯電バイアスを上昇させる。例えば、制御基板50は、温度または湿度の一方がそれぞれの標準値より低下した場合、温度または湿度が所定量低下する毎に、帯電バイアスを調整する調整量(上昇量)を求め、調整量だけ高い帯電バイアスを帯電バイアス生成部32に生成させる。
これにより、温湿度が低下した場合にも、正常時の帯電電流を図5に示した正常時の帯電電流と同じにすることができる。したがって、正常時の帯電電流の分布と異常時の帯電電流の分布の閾値に対するマージンが低下することを抑止することができ、研磨ブレード26のめくれの検知精度が低下することを抑止することができる。
なお、制御基板50は、温度および湿度と、設定する帯電バイアスとの関係を示す対応表をメモリ54に保持し、対応表にしたがって設定する帯電バイアスを求めてもよい。あるいは、制御基板50は、温度および湿度から、設定する帯電バイアスを算出する関係式の係数をメモリ54に保持し、関係式による演算を実行して、設定する帯電バイアスを求めてもよい。
なお、温度、湿度の一方または両方が上昇し、帯電電流が増加した場合、閾値に対するマージンは増加する。このため、制御基板50は、温度、湿度の一方または両方の上昇を検知した場合、マージンを増加するために、閾値を増加させてもよい。
制御基板50の機能ブロックは、図3に示した機能ブロックに、温湿度信号が示す温度と湿度とから、帯電バイアスの調整値を求める帯電バイアス調整部が追加される。
図10は、図9に示した画像形成装置102の動作の一例を示すフロー図である。図8と同様の処理については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。この実施形態では、図8のステップS10の前に、ステップS6、S8が実施される。ステップS10からS20の処理は、図8と同様である。例えば、図10に示すフローは、図9のCPU52が実行する制御プログラムにより実現され、印刷動作の開始とともに開始される。
まず、ステップS6において、CPU52は、温湿度が標準値より低下した場合、ステップS8の処理を実施し、温湿度が標準値以上の場合、ステップS10の処理を実施する。ステップS8において、CPU52は、温湿度の所定量の低下毎に、帯電バイアスを所定の調整量だけ上昇させた後、ステップS10の処理を実施する。これにより、温湿度が低下した場合にも、正常時の帯電電流の分布を図5に示した正常時の帯電電流の分布と同じにすることができる。なお、ステップS8において、CPU52は、帯電バイアスの上昇量に応じて、閾値を上昇させてもよい。
また、この実施形態においても、図6に示した判定方法Aまたは判定方法Bのいずれかが採用される。複数(複数枚)の印刷動作が連続して実行される場合、ステップS6およびステップS8は、最初の印刷動作のみで実施される。印刷動作のその他の特徴は、図6の説明と同様である。
以上、第2の実施形態では、上述した第1の実施形態の効果に加えて、正常時の帯電電流の分布と異常時の帯電電流の分布とが温湿度の低下により重なることを抑止することができ、研磨ブレード26のめくれの検知精度が低下することを抑止することができる。
なお、制御基板50は、温湿度が標準値より低下した場合、帯電バイアスを上昇させることなく、転写バイアスを上昇させてよい。あるいは、制御基板50は、温湿度が標準値より低下した場合、帯電バイアスと転写バイアスとの上昇を両方行ってもよい。なお、帯電バイアス(負値)の上昇と、転写バイアス(正値)の上昇とにより、帯電バイアスと転写バイアスの電圧差は大きくなる。
(第3の実施形態)
図11は、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置により画像を印刷する場合の転写電流に対する帯電電流の変化の例を示す説明図である。画像形成装置の構成は、図1および図2に示した画像形成装置101の構成と同様である。以下、この実施形態の画像形成装置を便宜上、画像形成装置103と称する。
画像形成装置103は、印刷時に帯電ローラ12に印加する帯電バイアスの値と、印刷時に転写ローラ18に印加する転写バイアスの値が、第1の実施形態と相違している。例えば、図2に示した帯電バイアス生成部32は、第1の実施形態の帯電電流(標準値で20μA)よりも多い帯電電流(標準値で50μA)を生成するために、帯電バイアスを第1の実施形態よりも増加する。また、図2に示した転写バイアス生成部42は、第1の実施形態の転写電流(50μA)よりも少ない転写電流(14μA;設定値)により転写バイアスを生成する。
このときの正常時の帯電電流の最小値(約36μA)と異常時の帯電電流の最大値(約20μA)との差は16μAである。このため、第1の実施形態と同様に、ばらつきを考慮しても正常時と異常時との帯電電流の分布が重なることはなく、研磨ブレード26のめくれを検知するための閾値を設定することができる。
例えば、閾値を28μAに設定することで、正常時の帯電電流に対するマージンと、異常時の帯電電流に対するマージンとをそれぞれ8μA確保することができる。すなわち、図2に示した制御基板50は、帯電電流帰還信号から算出した帯電電流が28μAより低い場合、研磨ブレード26のめくれを検知することができる。
なお、転写電流を14μAから増加させることで、印刷時の帯電バイアスと転写バイアスの差を広げることができ、閾値に対する正常時の帯電電流の最小値と異常時の帯電電流の最大値とのマージンを、さらに大きくすることができる。例えば、転写電流を30μAに設定した場合、正常時の帯電電流の最小値は、約50μAになり、異常時の帯電電流の最大値は、約20μAである。このため、閾値を35μAに設定することで、正常時の帯電電流に対するマージンと、異常時の帯電電流に対するマージンとをそれぞれ15μA確保することができる。
図12は、図11で説明した画像形成装置103の印刷動作において、研磨ブレード26のめくれを判定するシーケンス図である。図6と同じ動作については、詳細な説明は省略する。画像形成装置103は、複数(複数枚)の用紙の印刷動作を連続して実行する場合、図12に示す判定方法Aまたは判定方法Bのいずれかを実行する。判定方法Aは、帯電バイアスが図6の判定方法Aの帯電バイアスより増加され、転写バイアスが図6の判定方法Aの転写バイアスより減少されることを除き、図6の判定方法Aと同様である。判定方法Aでは、転写電流に対する帯電電流の特性は、図11に示したものになる(例えば、転写電流=14μA)。
判定方法Bでは、制御基板50は、印刷動作が終了する前の所定期間、帯電バイアスを一時的に増加させる。また、制御基板50は、印刷動作中、転写電流を、図11に示した設定値(例えば、14μA)に維持する。このため、判定方法Bでの転写バイアスの波形は、判定方法Aの転写バイアスの波形と同じになる。
これにより、帯電バイアスと転写バイアスとの電圧差は、印刷動作が終了する前の所定期間に、一時的に大きくなり、転写電流に対する帯電電流は、図11の転写電流=14μAの特性になる。また、印刷動作期間における上記所定期間までの期間に、転写電流に対する帯電電流は、図5の転写電流=14μAの特性になる。例えば、上記所定の期間は、トナー像の中間転写ベルト20への転写を完了後に設定される。
図6と同様に、判定方法Aでは、研磨ブレード26のめくれを検知した場合、すぐに印刷動作を停止することができ、定着機構の故障や、画像形成装置101内へのトナーの飛散を確実に抑止できる。判定方法Bでは、実質的な印刷動作の期間、定着電流は標準値に設定されるため、従来と同様の印刷制御を実行することができる。また、研磨ブレード26のめくれを検知した場合、次の印刷動作は実行されないため、定着機構の故障や、画像形成装置101内へのトナーの飛散を抑止することができる。
なお、画像形成装置102の印刷動作のフローは、図8と同様である。但し、判定方法Aでは、CPU52は、ステップS10、S12を印刷動作が終了するまで繰り返し実施し、帯電電流が閾値より低い場合、ステップS14の処理を実施する。図12の判定方法Bでは、CPU52は、印刷動作が終了する前の所定期間にステップS10、S12を実施する。
なお、単一(1枚)の用紙の印刷動作を実行する場合の判定方法Aのシーケンスは、帯電バイアスが図7より増加され、転写バイアスが図7より減少されることを除き、図7に示した判定方法Aのシーケンスと同様である。また、単一(1枚)の用紙の印刷動作を実行する場合の判定方法Bのシーケンスは、転写バイアスを一時的に増加させる代わりに帯電バイアスを一時的に減少させることを除き、図7に示した判定方法Bのシーケンスと同様である。
以上、第3の実施形態では、上述した第1の実施形態の効果に加えて、帯電バイアスを増加させることで、正常時と異常時との帯電電流の分布が重なることを抑止することができ、研磨ブレード26のめくれを検知するための閾値を設定することができる。さらに、転写バイアスを増加することで、閾値に対する正常時の帯電電流に対するマージンと、異常時の帯電電流に対するマージンとを大きくすることができる。この結果、研磨ブレード26のめくれの検知精度をさらに向上することができる。
なお、第3の実施形態の画像形成装置103に、図7に示した温湿度センサ60を設け、第2の実施形態で説明した制御を追加してもよい。
(第4の実施形態)
図13は、本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置104において、帯電に関するハードウェア構成を示すブロック図である。図2と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。画像形成装置104の主要な要素は、図1と同様である。
この実施形態の画像形成装置104では、制御基板50は、帯電ローラ12と感光体10とから走行距離信号をそれぞれ受信し、走行距離信号が示す走行距離を積算する。走行距離を積算する制御基板50(CPU52)は、積算部の一例である。帯電ローラ12が出力する走行距離信号に基づいて積算された走行距離は、帯電ローラ12が感光体10の外周を走行した距離を示す。感光体10が出力する走行距離信号に基づいて積算された走行距離は、感光体10が帯電ローラ12の外周を走行した距離を示す。
なお、帯電ローラ12および感光体10の走行距離の関係が分かっている場合は、帯電ローラ12および感光体10の走行距離を、帯電ローラ12および感光体10の走行距離のいずれかから算出可能である。このため、制御基板50は、帯電ローラ12および感光体10の一方のみから走行距離信号を受信してもよい。また、感光体10の表面と帯電ローラ12の表面とが接触しており、感光体10の走行距離と帯電ローラ12の走行距離が実質的に同じ場合にも、制御基板50は、帯電ローラ12および感光体10のいずれかから走行距離信号を受信してもよい。
例えば、帯電ローラ12は、走行距離が増加するにしたがい、外周の表面に付着する汚れが増加することで、抵抗値が増加する。一方、感光体10は、走行距離が増加するにしたがい、外周の表面が削れていくことで膜厚が薄くなるため、抵抗値が減少する。帯電ローラ12および感光体10の走行距離の増加により、帯電ローラ12と感光体10のグラウンドとの間のインピーダンスが増加するか減少するかは、予め評価される。
そして、制御基板50は、走行距離の増加により、帯電ローラ12と感光体10のグラウンド間のインピーダンスが増加することが判明した場合、走行距離の増加により、閾値に対する正常時の帯電電流のマージンが減少することを抑止する処理を行う。例えば、制御基板50は、走行距離に応じて、帯電バイアスを増加させることで、帯電電流を増加させてもよく、走行距離に応じて、転写電流を増加させて転写バイアスを増加させることで、帯電電流を相対的に増加させてもよい。さらに、制御基板50は、帯電電流の増加に応じて、閾値を上げてもよい。
画像形成装置104の印刷動作のフローは、ステップS6で、温湿度の変わりに、走行距離を判定することを除き、図10と同様である。すなわち、この実施形態では、図10のステップS6では、CPU52は、走行距離に基づいて、帯電バイアスを増加させるか否かを判定する。そして、帯電バイアスの増加を判定した場合、ステップS8の処理を実施し、帯電バイアスの増加を判定しない場合、ステップS10の処理を実施する。なお、ステップS6およびステップS8は、走行距離の増加により、帯電ローラ12と感光体10のグラウンド間のインピーダンスが増加する場合に実施される。
また、画像形成装置104の印刷動作において、研磨ブレード26のめくれを判定するシーケンス図は、図6および図7と同様である。なお、複数(複数枚)の印刷動作が連続して実行される場合、ステップS6およびステップS8は、最初の印刷動作のみで実施される。
以上、第4の実施形態では、上述した第1の実施形態の効果に加えて、帯電ローラ12および感光体10の走行距離の増加により、閾値に対する正常時の帯電電流のマージンが減少することを抑止することができる。なお、この実施形態の走行距離による帯電バイアスの制御を図11および図12に示した第3の実施形態の画像形成装置103に適用してもよい。また、第4の実施形態の画像形成装置104に図8に示した温湿度センサ60を設け、第2の実施形態で説明した制御を追加してもよい。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10 感光体
12 帯電ローラ
14 露光部
16 現像部
18 転写ローラ
20 中間転写ベルト
22 除電部
24 クリーニングブレード
26 研磨ブレード
30 高圧電源
32 帯電バイアス生成部
34 帯電電流検知部
40 高圧電源
42 転写バイアス生成部
50 制御基板
52 CPU
54 メモリ
56 比較部
101、102、103、104 画像形成装置
特開2013−195945号公報

Claims (5)

  1. 像担持体と、
    前記像担持体の表面に接触し、弾性を有し、前記像担持体の表面の異物を除去するブレードと、
    前記像担持体を帯電する帯電部材と、
    前記帯電部材に印加する第1の電圧を生成する第1の電圧生成部と、
    前記像担持体に第1の電圧と逆極性の第2の電圧を印加する印加部材と、
    前記第2の電圧を生成する第2の電圧生成部と、
    前記帯電部材から前記像担持体へ流れる帯電電流を検知する電流検知部と、
    前記像担持体に前記第1の電圧および前記第2の電圧を印加中、前記電流検知部が所定の閾値より低い前記帯電電流を検知した場合、前記ブレードの異常を判定する判定部と、
    前記ブレードの正常時に流れる前記帯電電流の分布と前記ブレードの異常時に流れる前記帯電電流の分布とを重複させない電圧差を有する前記第1の電圧と前記第2の電圧とを、前記第1の電圧生成部と前記第2の電圧生成部とにそれぞれ生成させる制御部とを有し、
    前記閾値は、前記正常時に流れる前記帯電電流の分布と、前記異常時に流れる前記帯電電流の分布との間に設定される、画像形成装置。
  2. 前記印加部材は、前記像担持体に付着した粒子を、前記像担持体と前記印加部材との間に配置される転写媒体に転写させる転写部材である、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記像担持体または前記帯電部材の周囲の温湿度情報を取得する温湿度検知部を有し、
    前記制御部は、前記温湿度検知部が取得した温湿度情報に基づいて、前記第1の電圧生成部および前記第2の電圧生成部の一方または両方に、前記第1の電圧および前記第2の電圧の一方または両方を調整させ、あるいは、前記第1の電圧および前記第2の電圧の一方または両方の調整に加えて、前記閾値を調整する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記像担持体の走行距離および前記帯電部材の走行距離の一方または両方を積算する積算部を有し、
    前記制御部は、前記積算部が積算した走行距離に基づいて、前記第1の電圧生成部および前記第2の電圧生成部の一方または両方に、前記第1の電圧および前記第2の電圧の一方または両方を調整させ、あるいは、前記第1の電圧および前記第2の電圧の一方または両方の調整に加えて、前記閾値を調整する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記第2の電圧生成部は、前記像担持体への像の形成時に、前記第1の電圧との間の電圧差が前記第2の電圧より小さい第3の電圧を生成し、前記像担持体への像の形成に影響しない期間に前記第2の電圧を生成する、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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