JP2021067485A - 海底地殻変動観測装置 - Google Patents

海底地殻変動観測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】錘部による海底の堆積物の圧密において、収束に要する時間を短縮する。【解決手段】海底地殻変動観測装置は、海底に設置される錘部2を有する。錘部2は、略板状または略ブロック状の錘部本体21と、錘部本体21を上下方向に貫通する排出孔22と、排出孔22の内部または下開口222に設けられ、海底の堆積物の粒子の当該排出孔22内への進入を抑制する進入抑制部23とを有する。これにより、錘部2が海底のシルト、粘土、砂等の堆積物上に設置された際に、排出孔22の内部が堆積物の粒子で埋まることを抑制して、排出孔22から堆積物の間隙水を適切に排出することができる。その結果、錘部2による堆積物の圧密において、収束に要する時間を短縮することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、海底地殻変動観測装置に関する。
従来、地殻変動の観測は、陸上においてGPSを用いて行うことが一般的である。近年、原子力発電所の停止基準を定める等の目的で、海底での火山活動に伴う地殻変動の観測技術が求められている。例えば、イタリア国立地球物理学火山学研究所(INGV)では、海洋観測システムMEDUSA(Multiparametric Elastic-beacon Devices and Underwater Sensors Acquisition system)を用いて、地震活動および海底地盤の動きが監視されている(非特許文献1参照)。MEDUSAでは、海底に設置されるコンクリート製の錘部に鋼線の一端が接続される。鋼線の他端には、水中フロートが接続され、海水面から突出する上部にはGPS受信機等が設けられる。
なお、特許文献1では、海底地盤変位計測方法が開示されている。当該方法では、海底地盤上の観測点に計測基盤が定置され、フロート付きの連繋体が計測基盤に連結される。計測を行う際には、GPS受信機等を含む海底地盤測定装置が連繋体に連結され、当該装置の基点について三次元測位が行われる。そして、上記基点から計測基盤までの長さを、測知された標高値から差し引くことにより、当該観測点における海底地盤の標高値が求められる。また、特許文献2では、浮魚礁用アンカーが開示されている。当該アンカーでは、上下方向に貫通孔が設けられることにより、落下途中および着床時の姿勢安定性が向上する。
特開平8−35836号公報 特開2004−73016号公報
"MEDUSA"、[online]、2019年、イタリア国立地球物理学火山学研究所(INGV)、[2019年10月3日検索]、インターネット<URL:http://portale2.ov.ingv.it/medusa/>
ところで、海底の地殻変動の観測を精度よく行うには、海底に設置した錘部と、海水面よりも上方に位置する測位部とを含む装置全体が、海底地盤と一体となって動く必要がある。しかしながら、錘部がシルト、粘土、砂等の堆積物上に設置された場合(海底地盤が軟弱である場合)、錘部の直下において、間隙水の流出による堆積物の体積変化、すなわち、堆積物の圧密(海底地盤の圧密)が発生し、収束するまでに長時間を要する。この場合、観測点である錘部の位置が、長時間に亘って圧密沈下により変化し、地殻変動の観測精度が低下してしまう。したがって、錘部による海底の堆積物の圧密において、収束(地盤の安定化)に要する時間を短縮する手法が求められている。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、錘部による海底の堆積物の圧密において、収束に要する時間を短縮することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、海底地殻変動観測装置であって、海底に設置される錘部と、一端が前記錘部に接続され、他端に浮体が設けられる緊張係留方式の係留部と、前記係留部の前記他端に接続され、海水面から突出する支持体と、前記支持体に取り付けられ、衛星測位システムを利用して三次元測位を行う測位部とを備え、前記錘部が、略板状または略ブロック状の錘部本体と、前記錘部本体を上下方向に貫通する排出孔と、前記排出孔の内部または下開口に設けられ、前記海底の堆積物の粒子の前記排出孔内への進入を抑制する進入抑制部とを有する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の海底地殻変動観測装置であって、前記排出孔に設けられる前記進入抑制部が、濾過シートを有する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の海底地殻変動観測装置であって、前記排出孔に設けられる前記進入抑制部が、前記排出孔の下開口に設けられる前記濾過シートと、前記濾過シートにより前記排出孔内に保持される礫とを有する。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の海底地殻変動観測装置であって、前記排出孔の上開口に設けられる網状蓋部をさらに備える。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の海底地殻変動観測装置であって、前記排出孔の少なくとも上部において、前記上下方向に垂直な断面の面積が、上方に向かって漸次小さくなる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の海底地殻変動観測装置であって、前記錘部本体が、前記排出孔の下部が形成される本体ベース部と、前記本体ベース部の上面に取り付けられるとともに、前記排出孔の上部を形成する開口形成部とを有し、前記排出孔の前記下部において前記上下方向に垂直な断面の形状が前記上下方向に一定であり、前記排出孔の前記上部において前記上下方向に垂直な断面の面積が、上方に向かって漸次小さくなる。
本発明によれば、錘部が海底のシルト、粘土、砂等の堆積物上に設置された際に、排出孔の内部が堆積物の粒子で埋まることを抑制して、排出孔から堆積物の間隙水を適切に排出することができる。その結果、錘部による堆積物の圧密において、収束に要する時間を短縮することができる。
海底地殻変動観測装置の構成を示す図である。 錘部を示す断面図である。 比較例の錘部を示す断面図である。 錘部の他の例を示す断面図である。 錘部の他の例を示す断面図である。 錘部の他の例を示す断面図である。 錘部の他の例を示す断面図である。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る海底地殻変動観測装置1の構成を示す図である。海底地殻変動観測装置1は、後述の錘部2が海底のシルト、粘土、砂等の堆積物上に設置され、海底地盤と一体となって動く錘部2の変位を観測する装置である。
海底地殻変動観測装置1は、錘部2と、係留部3と、支持体4と、測位部5とを備える。錘部2は、海底に設置されるアンカー(シンカー)であり、略板状または略ブロック状である。錘部2の重量は、例えば、数十トンである。錘部2については後述する。係留部3は、接続部31と、浮体32とを備える。例えば、接続部31は上下方向(重力方向)に延びる鋼管であり、当該鋼管の両端は密閉されている。接続部31の下端は、ユニバーサルジョイント33を介して錘部2の上面に接続される。接続部31は、錘部2に対して回動可能であり、かつ、ユニバーサルジョイント33を支点として傾斜可能である。
接続部31の上端は、略円柱状の浮体32に接続される。浮体32は、海水面よりも下方に配置され、水没している。図1では、接続部31の下端が係留部3の一端であり、浮体32が係留部3の他端である。係留部3の他端、すなわち浮体32には、上下方向に延びる支持体4が接続される。支持体4は、例えば鋼管である。係留部3では、接続部31により浮体32が海水面よりも下方に引き込まれており、浮体32の重力に対してかかる余剰な浮力により接続部31において上下方向の張力が発生する。これにより、緊張係留方式の係留部3が、上下方向に沿う直線状に延びた状態となる。このようにして、海底地殻変動観測装置1の水平方向の位置が安定した状態で、支持体4が海水面から突出する。接続部31は、鋼鉄以外の材料により形成される管状部材であってもよく、ワイヤ、チェーン、繊維ロープ等の係留索であってもよい。また、支持体4は、管状以外であってもよい。
支持体4には、上部構造である測位部5が取り付けられる。測位部5は、制御部、GPSアンテナおよびGPS受信機を備え、全地球測位システム(GPS)を利用して三次元測位を行う。すなわち、GPSアンテナおよびGPS受信機により、所定の測定点の三次元位置が取得される。測位部5では、GPS以外の衛星測位システムを利用して三次元測位が行われてもよい。海底地殻変動観測装置1では、上記測定点と錘部2との間の距離が既知であり、当該距離および測定点の三次元位置を用いて、観測点である錘部2の三次元位置が算出可能である。錘部2の三次元位置の算出は、CPU等により実現される上記制御部により行われてもよく、外部の演算部により行われてもよい。好ましい測位部5は、傾斜センサをさらに備える。傾斜センサでは、支持体4の傾斜角度が取得される。この場合、錘部2の三次元位置を算出する際に、傾斜角度を用いて錘部2の三次元位置(例えば、重力方向の位置)が補正される。
図1の測位部5は、ソーラーパネルおよび蓄電池をさらに備える。ソーラーパネルにて発生した電気エネルギは、蓄電部において蓄電(充電)される。蓄電部は、測位部5の各構成に電気的に接続され、電気エネルギを供給する。測位部5は、無線送受信機をさらに備えてもよい。この場合、測定点の三次元位置(または錘部2の三次元位置)は、無線送受信機により外部の受信機に送信される。測定点の三次元位置は、測位部5が有する記憶部にて記憶されてもよい。
なお、図1の浮体32では、上下方向の厚さが水平方向の幅(直径)よりも大きいが、水平方向の幅が上下方向の厚さよりも十分に大きい略円板状(扁平形状)の浮体32が採用されてもよい。このような浮体32では、図1の浮体32と同じ浮力を作用させる場合でも、水平方向の投影面積を小さくして、波による流体力を小さくすることが可能となる。これにより、海底地殻変動観測装置1の変位が小さくなり、安定性の高い測位が可能となる。
錘部2は、錘部本体21と、複数の排出孔22とを備える。錘部本体21は、略板状または略ブロック状であり、例えば鋼鉄またはコンクリートにより形成される。一例では、錘部本体21は、一辺が数メートル(m)の矩形の板状であり、錘部本体21の厚さは、数十センチメートル(cm)である。複数の排出孔22は、錘部本体21に形成され、錘部本体21を上下方向に貫通する。錘部本体21の上面において、複数の排出孔22は均一に分散して設けられることが好ましい。複数の排出孔22は、規則的に配列されてもよく、不規則に設けられてもよい。各排出孔22は、上開口221と、下開口222とを備える。上開口221は、錘部本体21の上面に設けられる。下開口222は、錘部本体21の下面に設けられる。本明細書において、排出孔22の上開口221は、錘部本体21の上面に位置する部分のみならず、当該上面から下方に向かってやや内側に位置する部分も含む。同様に、排出孔22の下開口222は、錘部本体21の下面に位置する部分のみならず、当該下面から上方に向かってやや内側に位置する部分も含む。上下方向に沿って錘部2を見た場合に、上開口221および下開口222の形状は、例えば円形であり、楕円形状や矩形状となっていてもよい。典型的には、排出孔22は上下方向に平行に設けられるが、排出孔22が上下方向に対して傾斜してもよい。
図2は、錘部2を示す断面図であり、上下方向に平行な錘部2の断面を示している。図2の例では、各排出孔22の直径は、上下方向に略一定であり、上開口221および下開口222は、同じ大きさである。複数の排出孔22の内部には、複数の濾過容器24がそれぞれ設けられる。各濾過容器24は、有蓋かつ有底の略筒状である。濾過容器24は、例えばストレーナであり、上濾過部241と、下濾過部242と、容器周側部243とを備える。上濾過部241はシート状であり、容器周側部243の上端に全周に亘って接続する。下濾過部242もシート状であり、容器周側部243の下端に全周に亘って接続する。濾過容器24は、排出孔22に挿入され、ボルトまたは溶接等により錘部本体21に対して固定される。上濾過部241は、排出孔22の上開口221のおよそ全体に広がる。下濾過部242は、排出孔22の下開口222のおよそ全体に広がる。後述するように、錘部2を海底に沈める際に、または、錘部2を海底に設置した後に、濾過容器24が排出孔22から外れることがない場合には、濾過容器24は、必ずしもボルトまたは溶接等により錘部本体21に対して固定される必要はない。例えば、容器周側部243の上端から外側に広がる環状のフランジ部が設けられ、当該フランジ部が錘部本体21の上面により支持された状態で、濾過容器24が排出孔22に嵌め込まれてもよい。
上濾過部241および下濾過部242は、例えば金網またはパンチングプレートにより形成される濾過シートであり、複数の網目(または開口)が2次元に配列される。複数の網目の形状は、四角形または円形等、任意の形状であってよい。上濾過部241および下濾過部242において、網目の最小幅は、例えば2ミリメートル(mm)以下であり、好ましくは0.005〜0.075mmである。当該最小幅は、後述の礫25の粒径(2mm以上)よりも小さいことが好ましい。当該最小幅が、後述する堆積物の粒子の粒径よりも小さくてもよい。濾過容器24内には、濾過部である礫25が収容される。排出孔22内では、礫25が下濾過部242により下側から保持される。図2の例では、容器周側部243も、上濾過部241および下濾過部242と同様に、金網またはパンチングプレートにより形成されるが、容器周側部243は、必ずしも網状である必要はない。また、礫25を排出孔22内に保持するという観点では、上濾過部241および容器周側部243が省略されてもよい。
海底の所定の観測点において地殻変動の観測を行う際には、まず、支持体4および係留部3が接続された錘部2を海底に沈めることにより、錘部2が海底の観測点に設置される(置かれる)。海底地盤には、シルト、粘土または砂等の堆積物が堆積しており、錘部本体21の下面が堆積物上に接触する。本明細書では、砂の粒径は、2mm未満かつ0.075mm以上であり、シルトの粒径は、0.075mm未満かつ0.005mm以上であり、粘土の粒径は、0.005mm未満であるものとする。
既述のように、排出孔22の下開口222には、下濾過部242が設けられる。本実施の形態では、下濾過部242の網目の最小幅は、観測点における堆積物の粒子の粒径よりも大きいが、下濾過部242の存在により、海底の堆積物の粒子が下開口222を通過して排出孔22内に進入することが抑制される。なお、下濾過部242の網目に関しては、水が網目を介して通過できれば堆積物の粒子の粒径より小さくてもよい。また、排出孔22内の礫25により、堆積物の粒子が排出孔22内に進入することがさらに抑制される。このように、各排出孔22では、下濾過部242および礫25により、堆積物の粒子の排出孔22内への進入を抑制する(邪魔する)進入抑制部23が実現される。錘部2では、進入抑制部23を設けた貫通孔が、排出孔22となる。
海底地盤は、錘部2の重量により圧縮され、錘部2の直下において堆積物の間隙水が外部に流出する。また、間隙水の流出による堆積物の体積変化、すなわち、堆積物の圧密(海底地盤の圧密)が発生し、錘部2が沈下する。このとき、図2中に矢印A1で示すように、錘部本体21の下面側で地中から染み出す間隙水は、排出孔22を介して海底地盤から排出される。これにより、堆積物の圧密が促進される。錘部2による堆積物の圧密がおよそ収束すると、錘部2の沈下が停止し、地盤が安定化する。その後、錘部2は海底地盤と一体となって動くため、地殻変動の観測を精度よく行うことが可能となる。
ここで、錘部本体において複数の排出孔が設けられない比較例の錘部について説明する。比較例の錘部では、錘部本体の下面側で地中から染み出す間隙水が、錘部本体を通過することができない。したがって、錘部本体の直下の堆積物における間隙水は、錘部本体よりも外側の位置まで移動した後、海底地盤から排出される。その結果、堆積物の圧密が収束するまでに長時間を要してしまう。
図3に示す他の比較例の錘部8では、錘部本体81に複数の排出孔82が設けられるが、各排出孔82には進入抑制部23は設けられない。他の比較例の錘部8では、下開口821から排出孔82内に堆積物の粒子が進入し、排出孔82が堆積物の粒子で詰まってしまう。この場合、排出孔82内の堆積物の粒子には錘部8による圧力が作用しないため、錘部8の直下の堆積物の粒子(錘部8による圧力が作用している粒子)とは異なり、排出孔82内の堆積物の粒子において水の移動が生じにくくなる。したがって、海底地盤からの間隙水が排出孔82を通過しにくくなり、堆積物の圧密が収束するまでに長時間を要してしまう。
これに対し、海底地殻変動観測装置1では、図2のように各排出孔22に対して、堆積物の粒子の進入を抑制する進入抑制部23が設けられる。これにより、錘部2が堆積物上に設置された際に、排出孔22の内部が堆積物の粒子で埋まることを抑制して、排出孔22から堆積物の間隙水を適切に排出することができる。その結果、錘部2による堆積物の圧密において、収束(地盤の安定化)に要する時間を短縮することができる。
また、各進入抑制部23が、排出孔22の下開口222に設けられる下濾過部242と、下濾過部242により排出孔22内に保持される礫25とを備える。これにより、排出孔22の内部が堆積物の粒子で埋まることをさらに抑制することができる。さらに、各排出孔22の上開口221に、網状蓋部である上濾過部241が設けられることにより、排出孔22の上開口221から内部への堆積物の粒子の進入を抑制することができる。
図4は、錘部2の他の例を示す図である。図4の錘部2では、錘部本体21が、本体ベース211と、複数の開口形成部212とを備える。本体ベース211は、略板状または略ブロック状である。本体ベース211には、複数の排出孔22の下部223が形成される。排出孔22の下部223において上下方向に垂直な断面の形状は、例えば円形である。当該断面の形状は、上下方向に一定であり、本体ベース211では、排出孔22の下部223を容易に形成することが可能である。
複数の開口形成部212は、本体ベース211の上面において複数の排出孔22の下部223にそれぞれ対向する位置に配置される。各開口形成部212は、当該上面にボルトまたは溶接等により取り付けられる。開口形成部212は、略筒状であり、排出孔22の下部223から上方に連続する孔部213を形成する。すなわち、開口形成部212の孔部213は、排出孔22の上部となり、孔部213の上開口は、排出孔22の上開口221である。孔部213の形状は、例えば略円錐台状である。孔部213の直径は、上方(上開口221)に向かって漸次小さくなる。図4の錘部2では、開口形成部212の孔部213の上開口(排出孔22の上開口221)に、上濾過部241が設けられる。排出孔22の下開口222に、下濾過部242が設けられる。また、排出孔22内には礫25が設けられ、下濾過部242により保持される。下濾過部242および礫25により、進入抑制部23が実現される。
図4の錘部2では、図2の錘部2と同様に、錘部2の直下における堆積物の間隙水が排出孔22を介して排出される。既述のように、排出孔22の上部(開口形成部212の孔部213)では、上下方向に垂直な断面の面積が、上方に向かって漸次小さくなっており、上開口221の近傍において、間隙水の流速が速くなる。その結果、上開口221の近傍に、圧力が周囲よりも低い低圧領域R1(図4中に破線で示す領域)が形成される。このように、上開口221の近傍における圧力を低くすることにより、錘部2の直下の堆積物からの排出孔22を介した間隙水の排出を促進することができる。
海底地殻変動観測装置1では、図5に示すように、上下方向に垂直な断面の面積が、下開口222から上開口221に向かって漸次小さくなる排出孔22が採用されてもよい。この場合も、上開口221の近傍における圧力を低くして、堆積物からの間隙水の排出を促進することが可能である。図4および図5の例から明らかなように、間隙水の排出を促進するには、各排出孔22(一の排出孔22のみであってもよい。)の少なくとも上部において、上下方向に垂直な断面の面積が上方に向かって漸次小さくなっていればよい。
ところで、錘部本体21の重量は大きく、かつ、厚さも比較的大きいため、錘部本体21において、上下方向に垂直な断面の面積が漸次変化する図5のような排出孔22を形成することは容易ではない。これに対し、図4の錘部2では、本体ベース211において、断面形状が一定である排出孔22の下部223が形成され、各開口形成部212において、断面の面積が上開口に向かって漸次小さくなる孔部213が形成される。これにより、上部において断面積が漸次小さくなる排出孔22を容易に形成することが可能となる。
上記海底地殻変動観測装置1では様々な変形が可能である。
錘部2の設計によっては、図6に示すように、錘部本体21の下面のおよそ全体を覆う下濾過部242aが設けられてもよい。この場合、下濾過部242aにおいて、排出孔22に対向する部分が、進入抑制部23の構成要素として、排出孔22の下開口222に設けられていると捉えることができる。図6では、排出孔22内において礫25が省略されており、進入抑制部23が、下濾過部242aの上記部分のみにより実現される。すなわち、進入抑制部23が排出孔22の下開口222のみに設けられる。また、図2の錘部2では、排出孔22の内部において下開口222よりも上方に、下濾過部242が配置されてもよい。この場合、進入抑制部23は、排出孔22の内部のみに設けられ、下開口222には設けられない。以上のように、錘部2では、排出孔22の内部または下開口222に進入抑制部23が設けられていればよい。
ところで、下濾過部242を下開口222よりも上方に配置する場合、下濾過部242の位置が下開口222から上方に離れるに従って、排出孔22の内部に堆積物の多くの粒子が進入しやすくなる。したがって、排出孔22の内部が堆積物の粒子で埋まることをより確実に抑制するには、下濾過部242は、下開口222と上開口221との間の中央よりも下方に配置されることが好ましく、下開口222近傍に配置されることがより好ましい。進入抑制部23の設計によっては、排出孔22の内部において、シート状の濾過部が多段に設けられてもよい。
進入抑制部23では、金網またはパンチングプレートにより形成される濾過シート(下濾過部242)に代えて、各種繊維等により形成されるシート状のフィルタが濾過シートとして用いられてもよい。いずれの濾過シートも、比較的安価であるとともに、排出孔22に容易に設けることが可能である。進入抑制部23の他の例としては、ネットや木網のようなものに礫25を設けたものであってもよい。また、排出孔22の内部にて礫25を保持する場合に、礫25が当該内部の全体に充填される必要はなく、例えば、下濾過部242の極近傍のみに、礫25が設けられてもよい。さらに、繊維濾過材(例えば、日立造船株式会社製の商品名:まりも(登録商標))等、礫25以外の材料(例えば、ビー玉やブロックのようなもの)が排出孔22内で保持されてもよい。礫25または繊維濾過材等は、濾過シートを用いない手法により排出孔22に保持されてもよい。錘部2では、一の排出孔22に濾過シートを含む進入抑制部23が設けられ、他の一の排出孔22に濾過シートを含まない進入抑制部23が設けられてもよい。
図6のように、錘部本体21の上面のおよそ全体を覆う上濾過部241aが設けられてもよい。この場合、上濾過部241aにおいて排出孔22に対向する部分が、網状蓋部として、排出孔22の上開口221に設けられていると捉えることができる。網状蓋部は、海底地殻変動観測装置1が設けられる観測点の周囲の条件等によっては省略されてもよい。また、一の排出孔22に網状蓋部が設けられ、他の一の排出孔22では、網状蓋部が省略されてもよい。
図7に示すように、錘部2において、比較的大きい1つの排出孔22のみが設けられてもよい。この場合も、排出孔22から堆積物の間隙水を適切に排出して、錘部2による堆積物の圧密において、収束に要する時間を短縮することができる。以上のように、錘部2では、少なくとも1つの排出孔22が設けられていればよい。なお、図7では、係留部3の図示を省略している。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 海底地殻変動観測装置
2 錘部
3 係留部
4 支持体
5 測位部
21 錘部本体
22 排出孔
23 進入抑制部
25 礫
32 浮体
211 本体ベース
212 開口形成部
213 (開口形成部の)孔部
221 上開口
222 下開口
223 (排出孔の)下部
241,241a 上濾過部
242,242a 下濾過部

Claims (6)

  1. 海底地殻変動観測装置であって、
    海底に設置される錘部と、
    一端が前記錘部に接続され、他端に浮体が設けられる緊張係留方式の係留部と、
    前記係留部の前記他端に接続され、海水面から突出する支持体と、
    前記支持体に取り付けられ、衛星測位システムを利用して三次元測位を行う測位部と、
    を備え、
    前記錘部が、
    略板状または略ブロック状の錘部本体と、
    前記錘部本体を上下方向に貫通する排出孔と、
    前記排出孔の内部または下開口に設けられ、前記海底の堆積物の粒子の前記排出孔内への進入を抑制する進入抑制部と、
    を有することを特徴とする海底地殻変動観測装置。
  2. 請求項1に記載の海底地殻変動観測装置であって、
    前記排出孔に設けられる前記進入抑制部が、濾過シートを有することを特徴とする海底地殻変動観測装置。
  3. 請求項2に記載の海底地殻変動観測装置であって、
    前記排出孔に設けられる前記進入抑制部が、
    前記排出孔の下開口に設けられる前記濾過シートと、
    前記濾過シートにより前記排出孔内に保持される礫と、
    を有することを特徴とする海底地殻変動観測装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の海底地殻変動観測装置であって、
    前記排出孔の上開口に設けられる網状蓋部をさらに備えることを特徴とする海底地殻変動観測装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の海底地殻変動観測装置であって、
    前記排出孔の少なくとも上部において、前記上下方向に垂直な断面の面積が、上方に向かって漸次小さくなることを特徴とする海底地殻変動観測装置。
  6. 請求項5に記載の海底地殻変動観測装置であって、
    前記錘部本体が、
    前記排出孔の下部が形成される本体ベース部と、
    前記本体ベース部の上面に取り付けられるとともに、前記排出孔の上部を形成する開口形成部と、
    を有し、
    前記排出孔の前記下部において前記上下方向に垂直な断面の形状が前記上下方向に一定であり、
    前記排出孔の前記上部において前記上下方向に垂直な断面の面積が、上方に向かって漸次小さくなることを特徴とする海底地殻変動観測装置。
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