JP2021067406A - 微粒子処理システム、微粒子処理制御装置及び微粒子処理制御プログラム - Google Patents

微粒子処理システム、微粒子処理制御装置及び微粒子処理制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】人の行動等をトリガとして電気機器を自動的に動作させて建物内のアレルゲン等の微粒子を手間なく除去することができる微粒子処理システム、微粒子処理制御装置及び微粒子処理制御プログラムを提供する。【解決手段】微粒子処理制御装置2は、移動式空気清浄機3、洗濯乾燥機4、ドアセンサ5及び人感センサ6の情報に基づいて建物100の人の行動を認識する行動認識部と、行動認識部が認識した人の行動に応じて微粒子処理制御装置2、移動式空気清浄機3を制御して、当該微粒子処理制御装置2、移動式空気清浄機3の動作によって当該制御を行わなかった場合に比べて空気中等の微粒子を低減させる。【選択図】図1

Description

本発明は、微粒子処理システム、微粒子処理制御装置及び微粒子処理制御プログラムに関する。
本技術分野の背景技術として、特開2017−62093号公報(特許文献1)には、「清浄した空気を本体上部に設けられた吹出口から上方向に吹出す空気清浄機であって、吹出口には、一方の長辺側を軸支した板体であって、この吹出口を開閉する風向板を備え、風向板は、吹出口側の面に、他方の長辺側に向けて気流の吹出し方向を第一分流と第二分流に分ける分流部と、短辺に沿って立設した側壁部とを有し、吹出口の中央部から他方の長辺と短辺が成すコ?ナー部へ向けてそれぞれ偏向されて吹出す構成にした空気清浄機を提供する。」と記載されている(要約参照)。
特開2004−251497号公報(特許文献2)には、「空気清浄機は、吸込口と吹出口との間を連通する通風路と、この通風路内を通過する空気に正負両方のイオンを放出するイオン発生装置とを備える。イオン発生装置から吹出口に至る部分の通風路内における正負それぞれのイオン濃度が、平均1×105個/cm3以上であり、かつイオン発生装置から吹出口に至る部分の通風路を1秒以上かけて空気が通過するように空気清浄機が構成されている。」と記載されている(要約参照)。
特開2017−18381号公報(特許文献3)には、「清浄システムには、空気清浄機と掃除機とを含む。掃除機稼働状態検出部は掃除機の稼働状態を検出し、塵埃センサが空気中に含まれる浮遊粒子の量を検出する。空気清浄機は、掃除機稼働状態検出部が検出した掃除機の稼働状態と、塵埃センサの検出する浮遊粒子の量とに基づいて、掃除機が稼働している部屋と、空気清浄機が設置されている部屋とが同じであるかどうかを判断し、同じであると判断すると、空気清浄能力を高める。」と記載されている(要約参照)。
特開2007−113852号公報(特許文献4)には、「建物等の玄関近傍に設けられた壁体内部にチャンバーを配設し、前記チャンバーに、単数又は複数の縦長形状の吹き出し開口部を形成し、前記チャンバーに、吹き出し方向が可変である可変吹き出し開口部を具備し、前記可変吹き出し開口部を、地面若しくは床面から150cm以上190cm以下の高さまでの間に配設した。」と記載されている(要約参照)。
特開2017−62093号公報 特開2004−251497号公報 特開2017−18381号公報 特開2007−113852号公報
例えば、建物内のアレルゲン等を除去する手段として、空気中のアレルゲン等を集塵して空気を清浄する空気清浄機と、アレルゲンを失活させる空気調節装置として、前記特許文献1〜4の技術が知られている。
しかしながら、特許文献1〜4の技術では、建物内のアレルゲン等を手間なく除去又は失活させるのには不十分であった。
そこで、本発明は、建物内のアレルゲン等の微粒子を手間なく除去等することができる微粒子処理システム、微粒子処理制御装置及び微粒子処理制御プログラムを提供する。
上記課題を解決するため、本発明は、建物内で使用される1又は複数台の電気機器と、前記電気機器が外部と通信を行う第1通信部と、前記建物内に設置される1又は複数台のセンサと、前記センサが外部と通信を行う第2通信部と、前記第1通信部及び前記第2通信部から間接的又は直接的に前記電気機器及び前記センサの情報を取得する第3通信部と、前記第3通信部で取得した前記電気機器及び前記センサのうちの少なくとも一つの情報に基づいて前記建物内の人の行動を認識する行動認識部と、前記行動認識部が認識した前記行動に応じて前記電気機器を前記第3通信部と前記第1通信部とを介して制御して、当該電気機器の動作によって当該制御を行わなかった場合に比べて前記建物内の微粒子を低減させ又は不活性化するようにする制御部とを備えていることを特徴とする。
別の本発明は、建物内で使用される1又は複数台の電気機器が外部と通信を行う第1通信部及び前記建物内に設置される1又は複数台のセンサが外部と通信を行う第2通信部から間接的又は直接的に前記電気機器及び前記センサの情報を取得する第3通信部と、前記第3通信部で取得した前記電気機器及び前記センサのうちの少なくとも一つの情報に基づいて前記建物内の人の行動を認識する行動認識部と、前記行動認識部が認識した前記行動に応じて前記電気機器を前記第3通信部と前記第1通信部とを介して制御して、当該電気機器の動作によって当該制御を行わなかった場合に比べて前記建物内の微粒子を低減させ又は不活性化するようにする制御部とを備えていることを特徴とする。
別の本発明は、建物内で使用される1又は複数台の電気機器が外部と通信を行う第1通信部及び前記建物内に設置される1又は複数台のセンサが外部と通信を行う第2通信部から間接的又は直接的に前記電気機器及び前記センサの情報を取得する第3通信部で取得した前記電気機器及び前記センサのうちの少なくとも一つの情報に基づいて前記建物内の人の行動を認識する行動認識処理と、前記行動認識処理で認識した前記行動に応じて前記電気機器を前記第3通信部と前記第1通信部とを介して制御して、当該電気機器の動作によって当該制御を行わなかった場合に比べて前記建物内の微粒子を低減させ又は不活性化するようにする制御処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、建物内のアレルゲン等の微粒子を手間なく除去等することができる微粒子処理システム、微粒子処理制御装置及び微粒子処理制御プログラムを提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本実施例1に係る微粒子処理システムの概略のシステム構成図である。 本実施例1に係る微粒子処理システムの微粒子処理制御装置の電気的な接続を示すブロック図である。 本実施例1に係る微粒子処理システムのホームサーバの電気的な接続を示すブロック図である。 本実施例1に係る微粒子処理システムの移動式空気清浄機の概略構成を示す斜視図である。 本実施例1に係る微粒子処理システムの微粒子処理制御装置が微粒子処理制御プログラムに基づいて実現する機能を示す機能ブロック図である。 本実施例1に係る微粒子処理システムにおける微粒子処理制御装置の制御部が実行する処理の内容を示すフローチャートである。 本実施例1に係る微粒子処理システムにおける居住者のスケジュールと移動式空気清浄機及び洗濯乾燥機の動作との関連を示すタイミングチャートである。 本実施例2に係る微粒子処理システムの概略のシステム構成図である。 本実施例2に係る微粒子処理システムにおける居住者のスケジュールと移動式空気清浄機及び洗濯乾燥機の動作との関連を示すタイミングチャートである。 本実施例3に係る微粒子処理システムの移動式空気清浄機の斜視図である。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
花粉症等のアレルギー症状は、建物内にアレルゲンが存在することが原因で引き起こされる。アレルゲンとはアレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を起こすアレルギー(異常敏感症)誘発物質の総称であり、花粉(スギ、ヒノキ等の花粉)やダニ、またそれらが粉砕されたオービクルや、ハウスダスト、などの粒径が1〜100μm程度の微粒子である。アレルゲンの他に呼吸器疾患の原因となる黄砂、砂塵、PM2.5なども含めて、建物内に存在する微粒子は健康のために低減又は不活性化する等、処理する必要がある。
以下、前記特許文献1〜4に記載の装置の課題について説明する。
まず、特許文献1に開示の空気清浄機では、床上に堆積した微粒子を集塵・除去することはできないという課題がある。また、当該空気清浄機では、室内の空気の流れない領域の微粒子を集塵することができないという課題もある。
特許文献2の空気調節装置は、アレルゲンが失活する割合は下がるという課題がある。
特許文献3に開示の清浄システムでは、掃除機が稼働する領域に空気清浄機を設置しておく必要があるという課題がある。また、当該清浄システムは、適切な性能を発揮するためには使用者の手間を要して煩雑であるという課題もある。
特許文献4に記載の花粉除去機では、居住空間が狭くなるという課題がある。また、この花粉除去機は、衣服に付着した花粉を全て除去できるものではなく、逆に建物内に花粉を巻き散らすことがあるという課題がある。
以下では、これらの課題を解消して、手間なくアレルギー症状を抑制等することができる微粒子処理システム、微粒子処理制御装置及び微粒子処理制御プログラムの実施例について複数例説明する。
図1は、本実施例1に係る微粒子処理システムの概略のシステム構成図である。微粒子処理システム1は、微粒子処理制御装置(クラウドサーバ)2、ホームサーバ10、1又は複数台の電気機器(本例では移動式空気清浄機3及び洗濯乾燥機4)、1又は複数台のセンサ(本例ではドアセンサ5及び人感センサ6)などから構成される。微粒子処理制御装置2は、インターネット(図示せず)を介して、ホームサーバ10や外部クラウドサーバ7と通信を行うことができる。
ホームサーバ10、移動式空気清浄機3、洗濯乾燥機(乾燥機)4、ドアセンサ5及び人感センサ6は、建物100に設置されている。図1においては、建物100を概略の屋内平面図で示している。すなわち、建物100は住宅の一例であるが、本例では、玄関101、リビング(リビングダイニング)102、キッチン103、洗面所104、浴室105を備えている。また、図1の平面図には図示していないが、2階スペースに住人の寝室が存在する。各部屋は壁106で仕切られている。玄関101には、屋内と屋外の間を人が行き来するための玄関ドア111が設けられている。玄関101とリビング102との間、また、洗面所104とリビング102との間にも、人が行き来することができる屋内ドア112,113がそれぞれ設けられている。図1に示した建物100の例はあくまでも一例であり、様々な間取りの建物に微粒子処理システム1を適用することができる。
本例では、玄関101に玄関ドア111の開閉を検出するドアセンサ5が設置されている。また、例えば、人が最も集まりやすいリビング102内において、例えば、キッチン103寄りの壁際には、人を感知する人感センサ6が設置されている。さらに、例えば、洗面所104には洗濯物を洗濯し、乾燥する洗濯乾燥機4が設置されている。ホームサーバ10は、例えば、人の邪魔になりにくいキッチン103の一角に設置されている。移動式空気清浄機3は、建物100内を移動するので、建物100内での設置位置は決められていない。移動式空気清浄機3は、建物100内の空気を吸引し、その空気中の微粒子を除去して、当該除去後の空気を吹き出す装置である(移動式空気清浄機3の詳細については後記)。
インターネット上のクラウドシステムである外部クラウドサーバ7には、それぞれ情報提供源であるスケジューラシステム8と、天気予報システム9とを含んでいる。
図2は、微粒子処理制御装置2の電気的な接続を示すブロック図である。微粒子処理制御装置2は、1又は複数台のクラウドサーバから構成されるが、図2では便宜上1台のサーバ装置として図示する。すなわち、微粒子処理制御装置2を1台のサーバとしてみたとき、この微粒子処理制御装置2は、各種演算を行い、微粒子処理制御装置2の各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)11を備えている。CPU11には、CPU11の作業エリアとなるRAM(Random Access Memory)12と、BIOS(Basic Input Output System)等を記憶したROM13と、各種データを記憶する不揮発性の記憶装置である磁気記憶装置(HDD)14とが接続されている。また、CPU11には、インターネット(図示せず)を介して、ホームサーバ10や外部クラウドサーバ7と通信を行うための第3通信部、第4通信部となる通信制御装置15と、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)等の各種メディアである記憶媒体16のデータを読み取る光ディスク装置等の記憶媒体読取装置17とが接続されている。さらに、CPU11には、キーボード、マウス等の入力装置18と、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置19とが接続されている。磁気記憶装置14には、微粒子処理制御プログラム20がセットアップされている。微粒子処理制御装置2を1台のサーバとしてみたとき、この微粒子処理制御プログラム20は、インターネット等からダウンロードして磁気記憶装置14にセットアップしてもよいし、記憶媒体16から記憶媒体読取装置17により読み取って磁気記憶装置14にセットアップしてもよい。
微粒子処理制御装置2は、微粒子処理制御プログラム20に基づいて動作し、後記する各種の処理を実行する。すなわち、微粒子処理制御装置2は、ホームサーバ10から各種の情報を取得し、ホームサーバ10に各種の情報を送信する。さらに、微粒子処理制御装置2は、外部クラウドサーバ7から各種の情報を取得する。
図3は、ホームサーバ10の電気的な接続を示すブロック図である。ホームサーバ10は、各種演算を行い、ホームサーバ10の各部を集中的に制御するCPU21を備えている。CPU21には、CPU21の作業エリアとなるRAM22と、BIOS等を記憶したROM23と、各種データを記憶する不揮発性の記憶装置である磁気記憶装置(HDD)24とが接続されている。また、CPU21には、インターネットを介して微粒子処理制御装置2と通信を行い、あるいは、移動式空気清浄機3、洗濯乾燥機4、ドアセンサ5及び人感センサ6と通信を行うための通信制御装置25とが接続されている。磁気記憶装置24には、ホームサーバプログラム30がセットアップされている。ホームサーバプログラム30は、インターネット等からダウンロードして磁気記憶装置24にセットアップしてもよいし、光ディスク装置等の記憶媒体読取装置をホームサーバ10が備えているときは、CD,DVD等の記憶媒体から記憶媒体読取装置により読み取って磁気記憶装置24にセットアップしてもよい。通信制御装置25は、通信相手となる各機器にそれぞれ対応した複数種類の通信インターフェイス(I/F)から構成されていてもよい。ホームサーバ10は通信制御装置25を介して他のパーソナルコンピュータやスマートフォンなどの情報端末装置から制御することが可能である。さらに、CPU21には、キーボード、マウス等の入力装置と、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置とが接続されていてもよい。
図1に戻り、移動式空気清浄機3、洗濯乾燥機4は、それぞれ第1通信部となる通信制御装置3a,4aを備えている。通信制御装置3a,4aはホームサーバ10と通信を行う。この場合の通信方式は、無線通信でも有線通信でもよいが、移動式空気清浄機3は建物100内を移動するため、また洗濯乾燥機4は設置作業を容易にするため、原則的に無線通信であることが好ましい。
ドアセンサ5及び人感センサ6は、それぞれ第2通信部となる通信制御装置5a,6a(図1参照)を備えている。通信制御装置5a,6aは、ホームサーバ10の通信制御装置25と通信を行う。この場合の通信方式についても、無線通信でも有線通信でもよい。
なお、建物100内に設置するセンサの数、種類、設置場所は様々に実施することができる。また、洗濯乾燥機4は、洗濯機能を備えない乾燥機であってもよい。移動式空気清浄機3も移動しない固定設定の空気清浄機であってもよいし、加湿器等の空気清浄以外の機能を備えていてもよい。また、本発明における電気機器として、例えば前記特許文献2の空気調節装置のように建物100内の微粒子を除去する又は不活性化する他の電気機器を用いるようにしてもよい。
ホームサーバ10は、移動式空気清浄機3、洗濯乾燥機4、ドアセンサ5、人感センサ6から各種情報を取得し、移動式空気清浄機3、洗濯乾燥機4に各種制御信号を出力する。また、ホームサーバ10は、微粒子処理制御装置2とインターネットを介して通信を行う。
なお、本実施例1では、微粒子処理制御装置2がホームサーバ10を介して間接的に移動式空気清浄機3、洗濯乾燥機4、ドアセンサ5、人感センサ6から情報を取得し、また、移動式空気清浄機3、洗濯乾燥機4に制御信号を出力している。しかし、ホームサーバ10は省略し、通信制御装置3a,4a,5a,6aが直接インターネットを介して微粒子処理制御装置2と通信を行うようにしてもよい。すなわち、微粒子処理制御装置2が直接的に移動式空気清浄機3、洗濯乾燥機4、ドアセンサ5、人感センサ6と通信を行うようにしてもよい。また、この場合に、ホームサーバ10は省略し、微粒子処理制御装置2をホームサーバとして建物100内に設置してもよい。あるいは、微粒子処理制御装置2をホームサーバ10と一体にして建物100内に設置してもよい。あるいは、微粒子処理制御装置2を移動式空気清浄機3又は洗濯乾燥機4に設けてもよい。
図4は、移動式空気清浄機3の概略構成を示す斜視図である。移動式空気清浄機3は、建物100内を図1の破線矢印で例示するように移動しながら、室内の空気中等から微粒子を除去する装置である。移動式空気清浄機3は、例えば略円筒形の筐体形状をしている。移動式空気清浄機3は、図示しないモータを駆動源とする一対の駆動輪31を備えている。また、図4に図示されていないが、移動式空気清浄機3は従動輪も備えている。これらの車輪によって、移動式空気清浄機3は床上で支持されたまま床上を走行する。駆動輪31は操舵輪でもあり、所定の操舵機構の操作によって移動式空気清浄機3が走行する方向を任意に変更することができる。移動式空気清浄機3の駆動電源は内蔵されている充電式のバッテリー32である。移動式空気清浄機3は、内蔵されている遠心羽根車33の回転によって、筐体側面に設けられた側面吸気口34及び筐体底部に設けられた底面吸気口35から外部の空気を吸い込み、内部の図示しない所定流路を通過させて、筐体上部の排気口36から排出する。このときに吸い込む空気の流れは図4中に矢印で示している。移動式空気清浄機3が内蔵するフィルタ37は、外部から吸い込んだ空気中から花粉等の微粒子を除去する。移動式空気清浄機3は、マッピングセンサ38によって周囲の状況を認識し、これに基づいて自律走行する。移動式空気清浄機3は、図示しないマイクロコンピュータによって制御される。
移動式空気清浄機3は、側面吸気口34から空気中に浮遊する微粒子を集塵し、底面吸気口35から床付近に浮遊する微粒子や床上に堆積している微粒子を集塵することができる。底面吸気口35付近にはブラシ(図示せず)等を備え、流体力だけではなく機械力も合わせて微粒子を集塵することで、流体力だけでは集塵できなかった床上に堆積、付着した微粒子を集塵できる。
また、移動式空気清浄機3は、マッピングセンサ38により、建物100内の形状、地図と自機の位置を推定することができるため、駆動輪31によって建物100を自律的に走行しながら微粒子を吸引、集塵することで、建物100内の床上に堆積した微粒子と、建物100内の空気中に浮遊する微粒子とを、まとめて集塵することが可能である。ここで、マッピングセンサ38は、距離を測定する距離センサや、画像を処理可能な画像センサなど、周囲を認識できるセンサであれば様々なセンサを用いることができる。
洗濯乾燥機4は、衣類等の洗濯及び乾燥を行うことができるが、図示しない洗濯槽を回転させながら洗濯槽内の衣類に風を吹き付けることにより、衣類に付着した花粉等の微粒子を除去できる花粉モードを備えている。衣類から除去された微粒子は、図示しない風路途中の図示しないフィルタで集塵したり、風路の先にある図示しない排水管から排水と一緒に水で流したりすることで、外部に飛散させたり衣類に再付着させずに廃棄できる。
図5は、微粒子処理制御装置が微粒子処理制御プログラムに基づいて実現する機能を示す機能ブロック図である。微粒子処理制御装置2は、それがクラウドサーバとして建物100内にある場合も、ホームサーバ10と一体又は別体として建物100内にある場合も、微粒子処理制御プログラム20に基づいて行動認識部41及び制御部42の機能を実現する。
行動認識部41は、移動式空気清浄機3、洗濯乾燥機4、ドアセンサ5、人感センサ6のうちの少なくとも一つの情報に基づいて建物100内の人の行動を認識する(行動認識処理)。
制御部42は、行動認識部41が認識した人の行動に応じて移動式空気清浄機3及び洗濯乾燥機4の少なくとも一方を前記の通信を介して制御する。制御部42は、これによって当該移動式空気清浄機3及び洗濯乾燥機4の少なくとも一方の動作によって当該制御を行わなかった場合に比べて建物100内の微粒子が少なくなるように又は不活性化するようにする(制御処理)。
以下では、行動認識部41及び制御部42によって行われる処理の詳細について具体的に説明する。
まず、行動認識部41が行う処理(行動認識処理)について説明する。行動認識部41は、現時点でのドアセンサ5、人感センサ6からの検出情報、移動式空気清浄機3、洗濯乾燥機4の運転状況から、建物100内における人の行動を認識することが可能である。例えば、行動認識部41は、ドアセンサ5によって人が玄関ドア111を開けて外出又は帰宅する行動を認識したり、人感センサ6によって人がリビング102に居てリラックスしている行動を認識したり、洗濯乾燥機4を人が操作している現在洗濯中であるという行動を認識することができる。これらの認識データは、磁気記憶装置14に格納して保存することができる。
また、行動認識部41は、過去に保存した前記のような行動の状態やそれを学習することにより、現在や未来の人の行動をさらに詳細に推測することも可能である。例えば、ドアセンサ5がドアの開閉を検出しただけでは、外出なのか帰宅なのかを判断できない。しかし、ドアセンサ5が反応して玄関ドア111が開いた後に人感センサ6がリビング102に人がいることを検知した場合には、行動認識部41は、人が帰宅したという行動を認識できる。行動認識部41は、逆に建物100(リビング102)内に人がいなくなってから玄関ドア111が開くと人が外出したという行動を認識できる。また、毎日特定の時間帯に同じ状態を検出することを学習すると、行動認識部41は、平日の朝の時間帯に玄関ドア111が開くと人の外出、平日の夜の時間帯に玄関ドア111が開くと人が帰宅など、人の行動を推測することが可能となる。また建物100内に居住している人の生活パターンを学習することで、平日は朝何時ごろ外出して何時ごろ帰宅するのか、夜に洗濯乾燥機4を動作させる場合には衣類の洗濯乾燥を行う場合であることや、夜の時間帯に入浴することなどを、行動認識部41は認識することができる。すなわち、行動認識部41は、ドアセンサ5、人感センサ6の取得する情報や移動式空気清浄機3及び洗濯乾燥機4の運転状況に曜日や時間の情報を付加することで一定の人の行動パターンを現在及び未来に渡って推測することができる。
行動認識部41は、外部クラウドサーバ7のスケジューラシステム8の情報を使用すると、例えば、当該スケジューラシステム8において個人や勤務先で使用者が自己のスケジュールを入力していると、その情報と連携して当該使用者の未来の行動を推測することも可能である。また、行動認識部41は、勤務状況により人の帰宅が早まったり遅くなったりする場合には、それを加味して帰宅時間を推定するなど、スケジューラシステム70の情報と連携して人の行動を推測することも可能である。
次に、制御部42が行う処理(制御処理)について具体的に説明する。図6は、制御部42が実行する処理の内容を示すフローチャートである。図7は、使用者のスケジュールと移動式空気清浄機3及び洗濯乾燥機4の動作との関連を示すタイミングチャートである。
微粒子処理制御装置2が実行する処理は、移動式空気清浄機3及び洗濯乾燥機4のメイン電源を投入することにより開始して(微粒子処理制御装置2、ホームサーバ10は動作している前提)、基本的には当該メイン電源投入中は常に制御をし続ける。よって、移動式空気清浄機3及び洗濯乾燥機4のメイン電源を入れてから切るまで図6のフローチャートに示す処理を繰り返し実行することとなる。また、建物100に居住している使用者A、使用者Bの平日夜を想定した夕方から深夜までのスケジュールと、それと関連付けた移動式空気清浄機3及び洗濯乾燥機4の動作を図7に示す。
まず、図6のフローチャートについて説明する。まず、行動認識部41は、天気予報システム9から、建物100が存在する地域におけるその日の天気予報情報、花粉飛散情報を取得する(S1)。天気予報システム9は、各地の天気予報に関する情報を提供するサーバである。その後、図6の処理が終了するまでS1以下の処理を継続する。すなわち、行動認識部41は、S1で取得した情報も加味し、前記に例示したような手段によって居住者A、居住者Bの行動を認識する(S2)。そして、行動認識部41が、全ての居住者が外出という行動をとったと認識したときは(S3のYes)、制御部42が、移動式空気清浄機3(空清)に建物100の全体を移動しつつの空気清浄を行わせる(S4)。
行動認識部41が、居住者の誰もが外出という行動をとらないと認識したときは(S3のNo)、何れかの居住者が帰宅という行動をとったか否かを判断する(S5)。行動認識部41が、何れかの居住者が帰宅という行動をとったと判断したときは(S5のYes)(帰宅あり)、制御部42が、移動式空気清浄機3を玄関101に移動させて玄関101で空気清浄を行わせる(S6)。これは、アレルゲンが帰宅する居住者とともに建物100外から入ってくるからである。
行動認識部41が、居住者の誰も帰宅という行動をとらなかったと判断したときは(S5のNo)(帰宅なし)、何れかの居住者が入浴という行動をとったか否かを判断する(S7)。何れかの居住者が入浴という行動をとったときは(S7のYes)(入浴あり)、制御部42が、移動式空気清浄機3を洗面所104に移動させて洗面所104で空気清浄を行わせる(S8)。また、制御部42は、洗濯乾燥機4を前記の花粉モードで動作させ、衣類に付着した微粒子を洗濯乾燥機4によっても除去する(衣類は入浴前に入浴者が洗濯乾燥機4内に入れる)(S8)。
行動認識部41が、何れの居住者も入浴という行動をとらなかったと判断したときは(S7のNo)(入浴なし)、全ての居住者が就寝という行動をとったか否かを判断する(S9)。S3,S5,S7においてNoで、人感センサ6でリビング102に誰も人を感知しないときは、図1には図示していない2階の寝室に全員移動したと認められるので、全員就寝したと判断することができる。
行動認識部41が、何れかの居住者が就寝という行動をとらず、リビング102に居ると判断したときは(S9のNo)、移動式空気清浄機3をリビング102に移動して、リビング102において空気清浄を行う(S10)。つまり、居住者の居るリビング102のアレルゲンを処理する。行動認識部41は、S4,S6,S8,S10の空気清浄によって当該空気清浄の対象領域における微粒子の除去が完了したときは(S11のYes)、S1に戻る。なお、移動式空気清浄機3、洗濯乾燥機4とも周知のセンサによって微粒子を略除去できたことを検知することができる。行動認識部41は、微粒子の除去が完了していないときは(S11のNo)、S2に戻る。
一方、制御部42は、全ての居住者が就寝という行動をとったと判断したときは(S9のYes)、移動式空気清浄機3及び洗濯乾燥機4の動作を停止し、これらのメイン電源を切る(S12)。
なお、これらの処理を実行する際、S1で取得した天気予報情報、花粉飛散情報を活用することができる。すなわち、屋外の花粉の飛散量が多いのか否か、当日の天気が晴れなのか雨なのかなどの情報に沿って、その後のアレルゲン、花粉除去の方針を設定する。例えば、晴れていて花粉の飛散量が多い場合には、外出時に衣服に多くの花粉が付着していることが想定されることから、衣類の花粉除去を念入りに行う必要があると判断する。逆に花粉の飛散量が少ない場合には、衣服への付着は少ないと判断する。これによって、制御部42は、移動式空気清浄機3の吸入空気量を高めたり(花粉量が多い)、低めたり(花粉量が少ない)、洗濯乾燥機4の花粉モードのレベルを高めたり低めたり制御することができる。
図7を参照して具体的に説明する。17〜18時のように、行動認識部41が居住者は全員外出していると認識すると、制御部42が移動式空気清浄機3を建物100内全体で移動しながら空気清浄、床上堆積アレルゲン等の微粒子の集塵除去を行う。移動式空気清浄機3の動作は、建物100内の微粒子の量が略問題ないレベルまで低減した後は停止する。
次に、19時台や20時台のように、行動認識部41が何れかの居住者が帰宅することを認識すると、帰宅するタイミング(玄関ドア111の開)時間に合わせて移動式空気清浄機3が玄関101に移動し、玄関101で空気清浄を行うことで、居住者の衣服に付着したアレルゲン等の微粒子を集塵除去する。
次に、20時30分頃に居住者Aが入浴する場合、移動式空気清浄機3は洗面所104に移動して着替え時に衣服から舞い上がるアレルゲン等の微粒子を集塵除去する。また、その衣服を洗濯乾燥機4に入れると、洗濯乾燥機4は入浴に伴う着替え時であることから居住者Aは花粉除去を希望していると推定し、花粉モードで運転を行うことで、衣類に付着したアレルゲン等の微粒子を除去する。同様に、居住者Bが入浴する場合にも、移動式空気清浄機3は洗面所104にかけつけ、洗濯乾燥機4は花粉モードで運転を行う。
次に、リビング102で何れかの居住者がリラックスしていると認識すると、移動式空気清浄機3はリビング102の空気清浄を行い、居住者全員の就寝後には移動式空気清浄機3及び洗濯乾燥機4は動作を停止する。なお、23時頃には、居住者が洗濯乾燥機4で洗濯乾燥を行っている。
以上説明した本実施例1によれば、検知した人の行動等をトリガとして移動式空気清浄機3、洗濯乾燥機4といった電気機器を自動的に動作させて建物内のアレルゲン等の微粒子を手間なく除去することができる。すなわち、必要な場所、必要なタイミングで移動式空気清浄機3、洗濯乾燥機4を自動的に動作させて微粒子を効果的に除去することができる。
この場合に、人の未来の行動を予測したり、あるいは、外部クラウドサーバ7から得られた情報を参照することで、必要な場所、必要なタイミング、必要なモードで移動式空気清浄機3、洗濯乾燥機4を効果的に動作させることができる。
また、移動式空気清浄機3は移動するため、建物100内の空気の流れない領域の微粒子も集塵することができる。
また、移動式空気清浄機3は底面吸気口35があるため、床上に堆積した微粒子も集塵・除去することができる。
さらに、移動式空気清浄機3は部屋間が閉鎖されていない(屋内ドア112や113が開いている)建物100内に存在する微粒子も効果的に集塵することができる。
そのうえ、移動式空気清浄機3の動作や、洗濯乾燥機4の花粉モードの制御は微粒子処理制御装置2が制御するため、移動式空気清浄機3や、洗濯乾燥機4の電源を入れ、あるいは操作する必要がないため居住者に煩雑な手間をかけることがない。
また、移動式空気清浄機3は常に玄関101等に位置しているわけではなく、必要なときだけ位置しているため、建物100内における居住空間が狭くなることがない。
さらに、洗濯乾燥機4の花粉モードによって衣服に付着した花粉も効果的に除去することができる。
以上のようにして建物100内及び衣服に付着したアレルゲン等の微粒子を除去することで、建物100内に居住している居住者のアレルギー症状等を緩和することができる。
ここで図6に示すフローチャートと図7に示すスケジュールでは動作の一例を示したが、移動式空気清浄機3や洗濯乾燥機4の稼働状況は人の行動に合わせて動くものであれば、居住者の好みに応じて他の動作を行ってもよい。
例えば、移動式空気清浄機3を就寝中にも稼働したい場合には、就寝中に寝室で稼働させることも可能であり、その場合は寝室の床上堆積アレルゲンを除去するので、翌朝のアレルゲンの舞い上がりが抑制されて、モーニングアタックと呼ばれる起床時のアレルギー症状を緩和することができる。
また、洗濯乾燥機4は居住者の入浴のたびに花粉モードで動作する設定になっているが、2人分の衣類をまとめて花粉モードで動作させてもよいし、洗濯乾燥しても良い衣類である場合はまとめて洗濯乾燥してもよい。水を使用して洗濯乾燥することにより、空気の流れでアレルゲンを除去する花粉モードよりもさらに多くのアレルゲンを衣服から除去することが可能である。
また、移動式空気清浄機3に代えて特許文献2に例示される空気調節装置を移動式とすれば、アレルゲンを効果的に不活性化することが可能となる。
以下の各実施例において、前記実施例1と同様の部材等には、実施例1と同様の符号を用い、詳細な説明は省略する。
図8は、本実施例2に係る微粒子処理システムの概略のシステム構成図である。図9は、居住者のスケジュールと移動式空気清浄機及び洗濯乾燥機の動作との関連を示すタイミングチャートである。本実施例2の微粒子処理システム1Aが実施例1と異なるのは、まず、微粒子処理制御装置2をホームサーバ10とし、単独でのホームサーバ10を省略している点である。建物100内の各センサ、各電気機器は、直接、ホームサーバである微粒子処理制御装置2と通信を行う。また、電気機器として空気調和機51と、ハンディ掃除機52が追加されている。そして、各電気機器には詳細は後記するがそれぞれ様々なセンサが設けられている。そのため、微粒子処理制御装置2と通信を行う各電気機器に設けられた通信制御装置3a,4a,51a,52aは、第1通信部と第2通信部とを兼用している。通信制御装置51a,52aは、それぞれ空気調和機51、ハンディ掃除機52に設けられている。以下、本実施例2について実施例1と異なる点を中心に詳細に説明する。
本実施例1における空気調和機51は、人の行動に合わせて稼働や停止のタイミングを制御することができる。そのため、常時稼働させておく場合に比べて使用する電力を削減するとともに、適切に稼働と停止を切り替えることで建物100内の空気温度や湿度を一定に保ち、居住者が住居内で快適に過ごすことができる。また、空気調和機51は内部に温度センサ53を備え、温度センサ53で検知する温度に応じて制御パターンを変えることができる。例えば図9に示すように、居住者の外出時には基本的に空気調和機51は停止しているが、スケジューラシステム8等にアクセスするなどして行動認識部41が居住者の帰宅時間を検知することにより、当該帰宅時間の少し前から空気調和機51が稼働を始めるように制御部42が制御することで、居住者の帰宅時には建物100内を快適な温度にすることができる。
ここで、温度センサ53で検知した建物100内の温度が快適な温度と大きく異なる温度である場合には、空気調和機51が居住者の帰宅のしばらく前から稼働するのに対し、建物100内の温度がある程度快適な温度に近い場合には居住者の帰宅の直前に稼働すればよい。これらの稼働時間や稼働状況についても、制御部42が行動認識部41の判断に基づいて制御することが可能であり、空気調和機51で使用する電力量を最低限に抑えた上で居住者の帰宅時に建物100内を快適な温度に保つことができる。
本実施例2におけるハンディ掃除機52は居住者が操作することで電源が入切されるが、人の行動に合わせて稼働モードを切り替えることができる。例えば、図8に記載されているように(玄関101で)居住者の帰宅時にハンディ掃除機52を使用することを行動認識部41が検知した場合には、当該帰宅時に居住者の衣服に付着しているアレルゲン等を除去する目的での使用であると行動認識部41は自動的に判断し、制御部42によってアレルゲンを周囲にまき散らさずに吸引し集塵する花粉除去モードでのハンディ掃除機52の運転を行なわせる。この場合、ハンディ掃除機52は、例えば衣服を叩くなどして機械力を与えて低速の空気流れで吸引することで衣服に付着したアレルゲン等を除去することができる。また、食事時にハンディ掃除機52を使用する場合には、食べこぼしや飛散した食品を集塵する目的での使用であると行動認識部41が判断し、制御部42は、ハンディ掃除機52に、水分や粉状の食品も全て集塵できるよう高速な空気流れで吸引する強力モードでの運転を行なわせる。
また、本実施例2のハンディ掃除機52は接触センサ54を搭載しており、ハンディ掃除機52で吸引する対象の硬度を検知することができることから、吸引対象が床やテーブルなどの硬い物体なのか、衣服やカーテンなどの柔らかい物体なのかによって、制御部42は、モードを切り替えることも可能である。例えば、リビング102で硬い物体の吸引を行う場合には、制御部42は、細かいゴミを残さず集塵するように強力モードでハンディ掃除機52を動作させたり、あるいは柔らかい物体の吸引を行う場合にはカーテンやソファ等に付着したアレルゲンを除去する花粉除去モードで動作させることで、建物100内のアレルゲンやゴミを適切に除去することができる。
本実施例2における移動式空気清浄機3は、空気中あるいは床上に堆積しているアレルゲンの量を検知することができるダストセンサ55を搭載している。移動式空気清浄機3は移動しながらダストセンサ55で移動式空気清浄機3の存在位置における微粒子の量を計測できる。そのため、移動式空気清浄機3の位置とダストセンサ55の計測データとをマッピングすることにより、建物100内の微粒子分布を計測することができる。移動式空気清浄機3は計測した微粒子分布に基づいて動作することにより、例えば微粒子が多く存在する場所や部屋は時間をかけて念入りに掃除し、微粒子があまり存在しない場所や部屋は簡単に掃除して電力を節約することにより、より効果的に建物100内の微粒子を除去することが可能である。
また、移動式空気清浄機3は居住者の帰宅を行動認識部41が検知して玄関101に移動した際に、ダストセンサ55により玄関101付近の微粒子量の時間変化を計測し、外部からアレルゲン等の微粒子が持ち込まれそうになっている場合にはそれを察知して音声やランプ点灯等の手段によって居住者に報知して微粒子除去を促すことができる。移動式空気清浄機3により報知を受けた居住者は、玄関101又は屋外で衣服を叩いたりハンディ掃除機52を使用したりして衣服に付着した微粒子を除去し、また玄関101に舞い上がる微粒子は移動式空気清浄機3により集塵、除去することにより、建物100外から建物100に持ち込まれるアレルゲン等の微粒子の量を削減することができる。
また、ダストセンサ55が建物100内全体で計測した建物100内の微粒子分布の内容を微粒子処理制御装置2が居住者のスマートフォンやタブレットなどの携帯情報端末に送信すれば、建物内の微粒子分布を可視化することができる。
また、ダストセンサ55以外にも人を検知するセンサやカメラ等が移動式空気清浄機3に搭載されていれば、人がどこにいるのかを検知することが可能となる。よって、建物100内を居住者が移動するのに従って、常に人の傍について移動することにより、常に居住者の周囲の空気中に浮遊するアレルゲン等の微粒子を除去することにより、さらにアレルギー症状緩和の効果を高めることが可能である。
以上のように、空気調和機51に設けられた温度センサ53、ハンディ掃除機52に設けられた接触センサ54など、各電気機器がその内部に搭載したセンサを利用した例を説明したが、本実施例2の微粒子処理システム1Aによれば、これらのセンサを、それを搭載している電気機器だけではなく、別の電気機器の動作に利用することも可能である。
例えば、空気調和機51に搭載された温度センサ53が遠方の温度を検知できるサーモパイルのようなセンサであれば、リビング102に設置された空気調和機51はリビング102内部の温度分布から、人がどこにいるのかを検知することが可能である。センサの検知情報を行動認識部41が処理して制御部42が移動式空気清浄機3に指示することで、移動式空気清浄機3は、人がいる場所に追従して動作することが可能となり、人の周囲における空気中のアレルゲンを適切に除去することができる。
また、空気調和機51に例えば画像を処理できる画像センサが搭載されていれば、空気調和機51が設置された部屋の形状や建物内の間取り、また移動式空気清浄機3の位置などを画像センサの画像から推定することができる。よって、移動式空気清浄機3のマッピングセンサ38の情報と合わせて処理することで、より高精度に建物100内の情報を取得し、高効率で微粒子の除去を行うことができる。
また、例えば、外部の天気予報システム9から花粉の飛散量が多い情報を受信した場合や、移動式空気清浄機3に搭載されたダストセンサ55により衣服に付着したアレルゲン等の微粒子が多いことを検知した場合には、洗濯乾燥機4を使用する場合に居住者に花粉モードでの使用を促したり、あるいは自動的に花粉モードで運転することが可能となる。
また、建物100内に設けられた単体のセンサだけではなく電気機器に搭載したセンサを活用することで、行動認識部41による人の行動認識精度を上げることができる。
例えば、人感センサ6だけではなく前記した空気調和機51に搭載された温度センサ53を活用することで、室内に人が居るかどうかだけではなく、人の活動量や活動状態を検出することが可能である。
また、洗濯乾燥機4は、多くの場合、浴室105の隣の洗面所104に設置されるため、洗濯乾燥機4に搭載した湿度センサ56により浴室105から排出される湿度変化を検知することで浴室105にドアセンサを搭載しなくても浴室105のドア開閉を検知し、人の入浴時間であることを認識することが可能である。
以上のように本実施例2の微粒子処理システム1Aによれば、電気機器内に備えたセンサにより取得した情報を、そのセンサを備えていない別の電気機器の制御に適用することが可能である。
また、ハンディ掃除機52が稼動する玄関101等に移動式空気清浄機3が移動して動作することにより、ハンディ掃除機52の気流によって空気中に巻き上げられた微粒子を集塵することができる。
その他、本実施例2では、前記した実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
図10は、本実施例3に用いる移動式空気清浄機の斜視図である。本実施例3の微粒子処理システムが実施例1と異なるのは、本実施例3に用いる移動式空気清浄機3Aが前記の移動式空気清浄機3と構成の一部が異なる点である。
本実施例3の移動式空気清浄機3Aは、本体上面にノズル61を設け、ノズル61の吹出口62から空気を吹き出しできる構造である(排気口36から排気を取り込んで吹き出す)点が移動式空気清浄機3と異なる。吹出口62から空気を吹き出すことで、ノズル61の近傍にある物体に付着した微粒子を除去することができる。例えば、外出先から居住者が帰宅したときに移動式空気清浄機3Aが玄関101に移動した場合、吹出口62を当該居住者の衣服に向けて空気を吹き出すことにより、衣服に付着した微粒子を落とし、その後、衣服から落ちた微粒子を側面吸気口34や底面吸気口35から集塵することで、アレルゲン等の微粒子を除去することが可能である。また、衣服を洗濯乾燥機4に収納せずにハンガーにかけてクローゼットなどに収納する場合にも、クローゼット内部に移動式空気清浄機3Aが入ることができれば、衣服に吹出口62からの空気を吹き付けて微粒子を除去、集塵することが可能である。建物100内に設けられたカーテンやソファなどの布製品に付着した微粒子も同様に落として集塵除去することが可能である。
ただし、空気を吹き付けても衣服等の布製品の表面に付着した微粒子の一部しか落とすことができないため、実施例1,2のように洗濯乾燥機4やハンディ掃除機52を用いて微粒子を除去した方がより微粒子を除去する効果が高い。
以上のように、本実施例3の移動式空気清浄機3は、床上に堆積した微粒子と空中に浮遊する微粒子に加えて、物体に付着した微粒子を除去し集塵することが可能である。
その他、本実施例3によれば実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
例えば、居住者が所持しているスマートフォンなどの携帯端末装置には、GPS(Global Positioning System)機能が内蔵されている。そこで、その携帯端末装置からの居住者の位置情報からわかる居住者の帰宅に合わせて移動式空気清浄機3が玄関101で待っていてもよい(待ち伏せ)。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれ機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、磁気記憶装置(HDD)に限らず、メモリや、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又はICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
1 微粒子処理システム
2 微粒子処理制御装置
3 移動式空気清浄機(空気清浄機、電気機器)
3a,4a 通信制御装置(第1通信部、第2通信部)
4 洗濯乾燥機(乾燥機、電気機器)
5 ドアセンサ(センサ)
5a,6a 通信制御装置(第2通信部)
6 人感センサ(センサ)
7 外部クラウドサーバ
8 スケジューラシステム(情報提供源)
9 天気予報システム(情報提供源)
15 通信制御装置(第3通信部、第4通信部)
20 微粒子処理制御プログラム
41 行動認識部
42 制御部
51 空気調和機(電気機器)
52 ハンディ掃除機(電気機器)
51a,52a 通信制御装置(第1通信部、第2通信部)
53 温度センサ(センサ)
54 接触センサ(センサ)
55 ダストセンサ(センサ)
56 湿度センサ(センサ)
100 建物

Claims (13)

  1. 建物内で使用される1又は複数台の電気機器と、
    前記電気機器が外部と通信を行う第1通信部と、
    前記建物内に設置される1又は複数台のセンサと、
    前記センサが外部と通信を行う第2通信部と、
    前記第1通信部及び前記第2通信部から間接的又は直接的に前記電気機器及び前記センサの情報を取得する第3通信部と、
    前記第3通信部で取得した前記電気機器及び前記センサのうちの少なくとも一つの情報に基づいて前記建物内の人の行動を認識する行動認識部と、
    前記行動認識部が認識した前記行動に応じて前記電気機器を前記第3通信部と前記第1通信部とを介して制御して、当該電気機器の動作によって当該制御を行わなかった場合に比べて前記建物内の微粒子を低減させ又は不活性化するようにする制御部とを備えていることを特徴とする微粒子処理システム。
  2. 通信によって前記建物以外の情報提供源から所定の情報を取得する第4通信部を備え、
    前記制御部は、前記行動認識部が認識した前記行動に加えて前記第4通信部で取得した前記所定の情報に基づいて前記電気機器を制御することを特徴とする請求項1に記載の微粒子処理システム。
  3. 前記行動認識部は、前記電気機器及び前記センサのうちの少なくとも一つの情報に基づいて前記人の未来の行動を予測し、
    前記制御部は、前記未来の行動の予測結果にも基づいて前記電気機器を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の微粒子処理システム。
  4. 前記1又は複数台のセンサのうち少なくとも一部は、前記電気機器に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかの一項に記載の微粒子処理システム。
  5. 前記1又は複数台の電気機器のうち少なくとも1台は空気清浄機であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかの一項に記載の微粒子処理システム。
  6. 前記空気清浄機のうちの少なくとも1台は移動式空気清浄機であることを特徴とする請求項5に記載の微粒子処理システム。
  7. 前記1又は複数台の電気機器のうち少なくとも1台は乾燥機であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかの一項に記載の微粒子処理システム。
  8. 建物内で使用される1又は複数台の電気機器が外部と通信を行う第1通信部及び前記建物内に設置される1又は複数台のセンサが外部と通信を行う第2通信部から間接的又は直接的に前記電気機器及び前記センサの情報を取得する第3通信部と、
    前記第3通信部で取得した前記電気機器及び前記センサのうちの少なくとも一つの情報に基づいて前記建物内の人の行動を認識する行動認識部と、
    前記行動認識部が認識した前記行動に応じて前記電気機器を前記第3通信部と前記第1通信部とを介して制御して、当該電気機器の動作によって当該制御を行わなかった場合に比べて前記建物内の微粒子を低減させ又は不活性化するようにする制御部とを備えていることを特徴とする微粒子処理制御装置。
  9. 通信によって前記建物以外の情報提供源から所定の情報を取得する第4通信部を備え、
    前記制御部は、前記行動認識部が認識した前記行動に加えて、前記第4通信部で取得した前記所定の情報に基づいて前記電気機器を制御することを特徴とする請求項8に記載の微粒子処理制御装置。
  10. 前記行動認識部は、前記電気機器及び前記センサのうちの少なくとも一つの情報に基づいて前記人の未来の行動を予測し、
    前記制御部は、前記未来の行動の予測結果にも基づいて前記電気機器を制御することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の微粒子処理制御装置。
  11. 建物内で使用される1又は複数台の電気機器が外部と通信を行う第1通信部及び前記建物内に設置される1又は複数台のセンサが外部と通信を行う第2通信部から間接的又は直接的に前記電気機器及び前記センサの情報を取得する第3通信部で取得した前記電気機器及び前記センサのうちの少なくとも一つの情報に基づいて前記建物内の人の行動を認識する行動認識処理と、
    前記行動認識処理で認識した前記行動に応じて前記電気機器を前記第3通信部と前記第1通信部とを介して制御して、当該電気機器の動作によって当該制御を行わなかった場合に比べて前記建物内の微粒子を低減させ又は不活性化するようにする制御処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする微粒子処理制御プログラム。
  12. 前記制御処理では、前記行動認識処理で認識した前記行動に加えて、通信によって前記建物以外の上表提供源から所定の情報を取得する第4通信部で取得した前記所定の情報に基づいて前記電気機器を制御することを特徴とする請求項11に記載の微粒子処理制御プログラム。
  13. 前記行動認識処理では、前記電気機器及び前記センサのうちの少なくとも一つの情報に基づいて前記人の未来の行動を予測し、
    前記制御処理では、前記未来の行動の予測結果にも基づいて前記電気機器を制御することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の微粒子処理制御プログラム。
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