JP2021067065A - 荷揚げ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、中高層の足場を組み立てるには、使用されるパイプ等の資材を高所まで運搬する必要があり、その際、ウインチ等により資材を載せた荷台をガイドレール等の垂直棒状部材に沿って昇降させる荷揚げ(荷上げ)装置が用いられることがある。
この荷揚げ装置においては、ウインチ等の吊り上げ用ワイヤーロープが切れる等により資材を載せた荷台が落下するのを防止するため、種々の落下防止機構が取り付けられる。
例えば、特許文献1(特開2002−81205号公報)には、仮設構造物に固定する一条のガイドレールと、このガイドレールに沿って上下動可能となる昇降部材と、ガイドレールの上端部に取り付けて昇降部材を上下動させる吊り上げ手段と、前記昇降部材の水平部に旋回可能となるよう取り付けた荷物載置部材とからなり、上記荷物載置部材と昇降部材に、荷物載置部材を昇降部材に対して固定化するためのロック機構を設けた仮設構造物の荷上げ装置(特許文献1[請求項1])が記載され、この仮設構造物の荷上げ装置には、前記昇降部材の上端に吊り上げ手段のワイヤーと連結する落下防止機構が設けられ、この落下防止機構が、昇降部材の上端に吊りハンガーを上下方向に揺動可能となるよう枢止し、該吊りハンガーの先端に吊り上げ手段との連結部と、後端に吊りハンガーの水平状態でガイドレールに対して遊嵌し、吊りハンガーの傾動時にガイドレールに食い込むように作用するガイドレールへの外嵌部を設け、吊りハンガーに傾動する方向の弾性を付勢して形成されている(同[請求項5])。
しかしながら、引用文献1の荷上げ装置においては、ガイドレールは角形の鋼管であり、落下防止機構の外嵌部は、ガイドレールの周面に沿って線接触ないし面接触しながら食い込むようになっているため、外嵌部がガイドレールの周面を滑って下方に移動しやすく、落下防止機能を十分に発揮できないという問題が生ずる。
また、引用文献1の落下防止機構においては、吊りハンガーを枢止する軸(軸71)が設けられており、荷上げ装置のワイヤーに切断が生じた場合、ばねの弾性で吊りハンガーが軸(軸71)を中心に搖動(回転)して傾斜し、これにより外嵌部がガイドレールの周面に押し付けられるようになっているため、外嵌部をガイドレールの周面に強く押し付けることができず、外嵌部がガイドレールの周面を滑って下方に移動しやすく、落下防止機能を十分に発揮できないという問題も生ずる。
しかしながら、引用文献2の荷上げ装置においては、引用文献1の荷上げ装置と同様にガイドレールは角形の鋼管であり、ストッパの噛合突起がガイドレールの角部と接触して昇降部材の移動を規制するようになっているため、ストッパに噛合突起が設けられているものの、ストッパはガイドレールの角部としか接触せず、ストッパがガイドレールの角部を滑って下方に移動しやすく、落下防止機能を十分に発揮できないという問題が生ずる。
また、引用文献2の落下防止機構においては、ストッパの本体を回動させる回転軸が設けられており、ワイヤーの切断など、ワイヤーの張力が開放されたときは、ストッパの本体が回転軸周りに回動し、これによりストッパの噛合突起ガイドレールの角部に押し付けられるようになっているため、ストッパの噛合突起をガイドレールの角部に強く押し付けることができず、ストッパの噛合突起がガイドレールの角部を滑って下方に移動しやすく、落下防止機能を十分に発揮できないという問題も生ずる。
図1は、本発明の荷揚げ装置と、荷揚げ装置を含む荷揚げシステム全体の構成を表した斜視図であり、図中、1は荷揚げシステム、2は荷揚げ装置、3は吊り上げ装置のフック部、4はワイヤロープ、10は調整箱、20、20’は昇降体、30はクランプ、40は資材運搬体、50は第1案内パイプ、60は第2案内パイプ、70は支柱であり、各図において、Xは左右方向、Yは前後方向、Zは上下方向である。
図1に示すように、荷揚げシステム1は、荷揚げ装置2、フック部3を備えた吊り上げ装置、荷揚げ装置2を吊り上げるためのワイヤロープ4、荷揚げ装置2昇降を案内する第1案内パイプ50、第2案内パイプ60、及び、第1案内パイプ50と第2案内パイプ60を支える支柱60から構成される。
また、本発明の荷揚げ装置2は、調整箱10とこれに連結される資材運搬体40より構成される。
図2は、図1に示す調整箱10の平面図、図3は、図1に示す調整箱10の正面図、図4は、図1に示す調整箱10の背面図、図5は、図1に示す調整箱10の左側面図、図6は、図1に示す調整箱10の右側面図であり、図7は、調整箱10の枠体と案内枠を背面側から見た斜視図、図8は、調整箱10に組み込まれるかぎ状板を正面から見た斜視図である。
図中、11は箱枠体、11aは上面板、11bは正面板、11cは底面板、11d、11eは切欠き、11f、11gは挿通穴、11hはフック用穴、12a〜12dは案内枠、13はかぎ状板、13aはロック部、13bは平板部、13cは切欠き、13dは挿通穴、14はアイボルト、14aはリング、14bは軸部、14cはナット、14dは座金、15はコイルバネ、15a、15bはフック、16はリング棒、17は取付板、25は固定ボルト、26はナット、31はクランプ本体、32はクランプ片、33、34はピン、35は締付ボルト、36はナット、37は取付ボルト、38はナットである。
調整箱10は、箱枠体11、案内枠12a〜12d、かぎ状板13、アイボルト14、コイルバネ15、リング棒16、昇降体20及びクランプ30等から構成され、これらは全て金属製である。
図7等に示すように、箱枠体11は、上面板11a、正面板11b及び底面板11cを備え、上面板11aには切欠き11dと挿通穴11fが設けられ、底面板11cには切欠き11eと挿通穴11gとフック用穴11hが設けられ、正面板11bの左端寄りの位置には挿通穴(図示せず)が設けられている。
そして、上面板11aと底面板11cの間には、本発明の案内部材となる案内枠12a、12b、12c、12dが、溶接等により取り付けられている。
かぎ状板13は、本発明のロック部材となるもので、図8等に示すように、切欠き13cが形成されたコの字状のロック部13aとこれに連続する平板部13bとからなり、平板部13bには挿通穴13dが設けられている。
アイボルト14は、本発明の係合部となるリング14aと軸部14bを備え、軸部14bの先端は、ナット14cが螺合するネジ部となっている。
そして、かぎ状板13の平板部13bの下面側の右端中央にリング棒16が取り付けられ、本発明の付勢部材となるコイルバネ15の上側のフック15aがリング棒16に引っ掛けられ、コイルバネ15の下側のフック15bが箱枠体11の底面板11cのフック用穴11hが引っ掛けられ、コイルバネ15が、箱枠体11とかぎ状板13に組み付けられる。
これにより、アイボルト14のリング14aに引っ掛けられたワイヤロープ4が引き上げられると、アイボルト14が持ち上げられ、ナット14cによってかぎ状板13も持ち上げられてコイルバネ15が伸長され、かぎ状板13の上面が箱枠体11の上面板11aの下面に接して、かぎ状板13と箱枠体11がワイヤロープ4により引き上げられて上昇することとなる。
図9は、昇降体20を表した図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は背面図、同図(c)は右側面図、同図(d)は同図(b)のX−X断面図である。
図中、21はフレーム、21aはフレーム本体、21bは端部、21cはリング部、21dは穴、22は第1ボールベアリング、23は第2ボールベアリング、24は割りピン、GAは間隙部である。
昇降体20は、C字状のフレーム21、一対の第1ボールベアリング22、一対の第2ボールベアリング23、割りピン24を備えた構造となっている。
フレーム21は、本発明のリング状のフレームとなるもので、断面が円形のフレーム本体21a、端部21b、端部21bと対向する位置にあるリング部21cから構成され、リング部21cには穴21dが形成されている。
左側のフレーム本体21aの端部21bと右側のフレーム本体21aの端部21bは、離間して間隙部GAを形成している。
第1ボールベアリング22は、本発明の第1の回転体となるもので、フレーム本体21aのリング部21c側に嵌め込まれ、対になって互いに向き合うように配置されている。
第2ボールベアリング23は、本発明の第2の回転体となるもので、フレーム本体21aの端部21bにはめ込まれ、対になって互いに向き合うように配置されている。
この場合、端部21bの外径は、フレーム本体21aの外径より若干小さく、端部21bが段付き部となり、第2ボールベアリング23がフレーム本体21a側に移動しないようになっている。
割りピン24は、第2ボールベアリング23の脱落を防止するもので、端部21bの先端部に設けられたピン穴に挿入されている。
そして、穴21dが挿通穴11gと一致するように、フレーム21が箱枠体11の底面板11c上に配置され、固定ボルト25が穴21dと挿通穴11gに挿通され、ナット26が固定ボルト25に螺合され、これにより昇降体20が箱枠体11に固定される。
また、図1に示す昇降体20’は、昇降体20と同一構造であるが、そのリング部21cは、固定ボルト25とナット26により、挿通穴11gと同じ挿通穴が設けられたL字状の取付板17に固定される。
このように昇降体20、20’を一対の第1ボールベアリング22、一対の第2ボールベアリング23を備えた構造とすることにより、昇降体20、20’が昇降(移動)する第1案内パイプ50と第2案内パイプ60(後述する)を、断面が円形のパイプとすることができる。
この場合、間隙部GAの間隔は、第1案内パイプ50と第2案内パイプ60の周面に取り付けられた腕部(後述する)の幅よりも広く、昇降体20、20’が、第1案内パイプ50と第2案内パイプ60の腕部を通過することができるようになっている。
クランプ30は、図2〜図6に示すように、クランプ本体31、クランプ片32、取付ボルト37等を備えている。
クランプ30おいては、クランプ本体31の左端側には、クランプ片32の左端側がピン33により回転可能に連結され、クランプ本体31の右端側には、ピン34により締付ボルト35が回転可能に取り付けられ、クランプ本体31の背面側には、取付ボルト37が外側に突出して取り付けられている。
そして、取付ボルト37を箱枠体11の正面板11bの左端寄りの位置に設けられた挿通穴に挿通し、取付ボルト37にナット38を螺合させて締め付けることにより、クランプ30が箱枠体11に取付固定される。
また、昇降体20’が固定された取付板17にも、取付ボルト37とナット38により、クランプ30が取付固定される。
この場合、クランプ本体31とクランプ片32で資材運搬体40の垂直パイプ(後述する)を挟み込み、クランプ本体31の右端側とクランプ片32の右端側を対向させ、締付ボルト35をクランプ片32の右端側の切欠きに通し、ナット36を締付ボルト35に螺合させ締め付けることにより、クランプ30を資材運搬体40の垂直パイプに挟持固定することができる。
図10は、資材運搬体40を構成する垂直枠と水平枠を表した図で、同図(a)は垂直枠の斜視図、同図(b)は垂直枠の平面図、同図(c)は水平枠の斜視図であり、図中、41は垂直枠、42は垂直パイプ、43a〜43dはポケット金具、44a〜44dはポケット部、45は水平枠、46は水平パイプ、47a、47bはくさび部である。
垂直枠41は、くさび式足場(くさび緊結式足場)に使用される短い支柱であり、垂直パイプ42とポケット金具43a〜43d等から構成される。
ポケット金具43a〜43dは水平断面がコの字状をしており、4個のポケット金具43a〜43dが垂直パイプ42の円周方向に段差を持って90度置きに配置され、ポケット金具43a〜43dと垂直パイプ42の円周面との間にポケット部44a〜44dが形成されている。
水平枠45は、くさび式足場の支柱と組み合わせて使用される手摺であり、水平パイプ46はとくさび部47a、47b等から構成される。
そして、4本の垂直枠41を直方体のコーナーに配置し、隣り合う垂直枠41の対向するポケット部44a〜44dに、水平枠45のくさび部47a、47bを嵌め込むことにより、図1に示す資材運搬体40が組み立てられる。
また、図1に示すように、資材運搬体40を構成する4本の垂直枠41のうち、左奥側の垂直枠41の垂直パイプ42の上側を、箱枠体11に取付固定されたクランプ30で挟持固定し、同じ垂直パイプ42の下側を、取付板17に取付固定されたクランプ30で挟持固定し、右奥側の垂直枠41の垂直パイプ42の上側と下側を取付板17に取付固定されたクランプ30で挟持固定し、これにより、資材運搬体40に、箱枠体11あるいは取付板17を介して、合計4個の昇降体20、20’が取り付けられる。
このようにして構成された資材運搬体40には、足場を構成する各種資材、具体的には、支柱、手摺、踏板等が載せられる。
図11は、第1案内パイプ50、第2案内パイプ60及び支柱70を表した図であり、同図(a)は第1案内パイプ50斜視図、同図(b)は第1案内パイプ50の一部拡大縦断面図、同図(c)は第2案内パイプ60の斜視図、同図(d)は支柱70の斜視図であり、図中、51、61、71は垂直パイプ、52、62は腕部、53、63はくさび部、54は引っ掛り部、72はポケット金具である。
第1案内パイプ50は、本発明の垂直棒状部材となるもので、断面が円形の長尺の垂直パイプ51とその周面に取り付けられた腕部52、腕部52の先端部に取り付けられたくさび部52とから構成され、垂直パイプ51の周面には、凹みからなる多数の引っ掛り部54が設けられている。
第2案内パイプ60は、第1案内パイプ50と同様に、断面が円形の長尺の垂直パイプ61とその周面に取り付けられた腕部62、腕部62の先端部に取り付けられたくさび部62から構成され、垂直パイプ61の周面には、第1案内パイプ50のような引っ掛り部は設けられていない。
支柱70は、くさび式足場の支柱であり、長尺の垂直パイプ71とその周面に取り付けられたポケット金具72とから構成され、ポケット金具72は、垂直枠41のポケット金具43a〜43dと同様に、垂直パイプ71の円周方向に段差を持って90度置きに4個配置され、各ポケット金具72と垂直パイプ51の円周面との間にポケット部が形成されている。
そして、2本の支柱70が地面に立設され、図1に示すように、一方の支柱70のポケット金具72のポケット部に、くさび部52が嵌め込まれて支柱70に第1案内パイプ50が取り付けられ、他方の支柱70のポケット金具72のポケット部に、くさび部62が嵌め込まれて支柱70に第2案内パイプ60が取り付けられる。
次に、図1に示す荷揚げシステム1と荷揚げ装置2の動作について説明する。
まず、地面に立設された2本の支柱70の一方に第1案内パイプ50を取り付け、他方の支柱70に第2案内パイプ60を取り付ける。
また、資材運搬体40の奥側の2本の垂直パイプ42に、昇降体20が固定された箱枠体11と昇降体20’が固定された3個の取付板17を取付固定する。
さらに、昇降体20、昇降体20’を、第1案内パイプ50と第2案内パイプ60に通す(第1ボールベアリング22と第2ボールベアリング23の間に第1案内パイプ50と第2案内パイプ60が位置するようにする)。
この状態で調整箱10のアイボルト14のリング14aにワイヤロープ4の一端を係合させ、ワイヤロープ4を他端を吊り上げ装置のフック部3に引っ掛け、吊り上げ装置によりワイヤロープ4を引き上げる。
これにより、調整箱10が吊り上げられ、昇降体20、昇降体20’が第1案内パイプ50と第2案内パイプ60に沿って上昇し、資材運搬体40が上昇する。
そして、ワイヤロープ4が切れる等して吊り上げ装置の吊り上げが解除された場合、コイルバネ15の引っ張りによってかぎ状板13が案内枠12a〜12dに案内されて傾斜し、ロック部13aが第1案内パイプ50の周面を挟み込むようにして周面に押し付けられ、これにより調整箱10の下降が停止し、資材運搬体40の落下が防止される。
今、アイボルト14のリング14aにワイヤロープ4の一端を係合し、ワイヤロープ4を吊り上げ装置で引き上げると、図12(a)に示すように、アイボルト14は、引き上げ力Wで持ち上げられ、軸部14bに取り付けられたナット14cがかぎ状板13の下面を押し上げ、かぎ状板13が水平になってその上面が、箱枠体11の上面板11aの下面に接触し、これにより、調整箱10が吊り上げられ、昇降体20が第1案内パイプ50に沿って、昇降体20’が第1案内パイプ50と第2案内パイプ60に沿って上昇し、資材運搬体40が上昇する。
そして、調整箱10が吊り上げられて運搬体40が上昇している状態において、ワイヤロープ4が切れる等して調整箱10の吊り上げが解除されると、図12(b)に示すように、アイボルト14が自重で下がり、コイルバネ15の引っ張りによって、リング棒16が下方に引っ張られてかぎ状板13が案内枠12a〜12dに案内されて傾斜し、ロック部13aの切欠き13cが第1案内パイプ50の周面を挟み込むようにしてその周面に押し付けられ、これにより調整箱10の下降が停止し、資材運搬体40の落下が防止される。
この場合、かぎ状板13の切欠き13cが押し付けられる第1案内パイプ50の断面は円形であるため、断面が角形のパイプに比べて、かぎ状板13の切欠き13cをより強く第1案内パイプ50の周面に押し付けることができ、調整箱10の下降を確実に停止させ、資材運搬体40の落下を確実に防止することができる。
また、かぎ状板13は回転せずに傾斜して切欠き13cが第1案内パイプ50の周面に押し付けられることから、資材運搬体40の自重がかぎ状板13に作用し、より強く切欠き13cが第1案内パイプ50の周面に押し付けられ、調整箱10の下降を確実に停止させ、資材運搬体40の落下を確実に防止することができる。
さらに、資材運搬体40に載せた資材の重量が大きいと、第1案内パイプ50の周面に押し付けられたロック部13aの切欠き13cがその周面上を滑って、調整箱10が下降するが、切欠き13cが第1案内パイプ50の周面に設けられた引っ掛り部54に引っ掛って調整箱10が下降が食い止められ、資材運搬体40の落下が確実に防止される。
図13は、図1に示す荷揚げシステム1とは異なる構成の荷揚げシステム全体の構成を表した斜視図であり、図中、1’は荷揚げシステム、2’は荷揚げ装置、10’は調整箱であり、Xは左右方向、Yは前後方向、Zは上下方向であり、図1に示す荷揚げシステム1を構成する装置、部材と同じものには同一の符号を付す。
図13に示す荷揚げシステム1’は、荷揚げシステム1とほぼ同じ構成であるが、資材運搬体40の右奥の垂直パイプ42には、昇降体20’とクランプ30が固定された取付板17に代えて、昇降体20とクランプ30が固定された調整箱10’が取り付けられ、右側の支柱70には、第2案内パイプ60に代えて第1案内パイプ50が取り付けられている点で、荷揚げシステム1と異なっている。
すなわち、図1の荷揚げ装置2は、1個の調整箱10を備え、吊り上げ装置のフック部3に引っ掛けられたワイヤロープ4で調整箱10が吊り上げられて資材運搬体40が上昇するのに対して、図13の荷揚げ装置2’は、2個の調整箱10、10’を備え、吊り上げ装置のフック部3に引っ掛けられたワイヤロープ4で調整箱10と調整箱10’が吊り上げられて資材運搬体40が上昇することとなる。
図14に示すように、調整箱10’は、調整箱10に比べて、箱枠体11’が箱枠体11と左右対称の構造となっている点が異なるだけで他の構成は同じである。
すなわち、箱枠体11’は、箱枠体11と同じように、上面板、正面板及び底面板を備え、上面板には切欠きと挿通穴が設けられ、底面板には切欠きと挿通穴とフック用穴が設けられているが、上面板に設けられた挿通穴は箱枠体11’の左側に位置し、上面板と底面板に設けられた切欠きは箱枠体11’の右側に位置している。
これにより、調整箱10’においては、かぎ状板13は、ロック部13が箱枠体11’の右側に位置するように配置され、箱枠体11’の左側にアイボルト14が取り付けられ、箱枠体11’の右側に昇降体20とクランプ20が取り付けられ、調整箱10と調整箱10’は左右対称構造となっている。
よって、図13に示すように、荷揚げシステム1’(荷揚げ装置2’)においては、調整箱10と調整箱10’の各々のアイボルト14のリング14aにワイヤロープ4の一端が係合され、吊り上げ装置のフック部3に引っ掛けられたワイヤロープ4で調整箱10と調整箱10’が吊り上げられることから、資材運搬体40の左右のバランスが図られて、よりスムーズに昇降体20が第1案内パイプ50に沿って移動して運搬体40が上昇することとなる。
この場合、調整箱10と調整箱10’を吊り上げるワイヤロープ4のいずれか一方が切れる等して、その吊り上げが解除されても、他方のワイヤロープ4で調整箱10と調整箱10’の他方が吊り上げが継続され、運搬体40の落下が防止される。
また、調整箱10と調整箱10’を吊り上げるワイヤロープ4の両方が同時に切れる等して、両方の吊り上げが同時に解除されると、調整箱10と調整箱10’の各かぎ状板13はコイルバネ15により引っ張られて、各ロック部13aの切欠き13cが各第1案内パイプ50の周面を挟み込むようにして周面に押し付けられるが、運搬体40は左右いずれかに傾き、調整箱10と調整箱10’の各かぎ状板13が傾く方向は、互いに反対方向であることから、運搬体40が傾いた方向と同じ方向に傾いたかぎ状板13には、運搬体40の自重により、より傾かせる力が作用し、そのかぎ状板13が第1案内パイプ50の周面に食い込む力(押し付けられる力)が増加し、第1案内パイプ50の周面に設けられた引っ掛り部54にかぎ状板13の切欠き13cが引っ掛ることと相俟って、運搬体40の落下が一層確実に防止される。
2 荷揚げ装置
3 吊り上げ装置のフック部
4 ワイヤロープ
10 調整箱
11 箱枠体
11a 上面板
11b 正面板
11c 底面板
11d、11e 切欠き
11f、11g 挿通穴
11h フック用穴
12a〜12d 案内枠
13 かぎ状板
13a ロック部
13b 平板部
13c 切欠き
13d 挿通穴
14 アイボルト
14a リング
14b 軸部
14c ナット
14d 座金
15 コイルバネ
15a、15b フック
16 リング棒
17 取付板、
20、20’ 昇降体
21 フレーム
21a フレーム本体
21b 端部
21c リング部
21d 穴
22 第1ボールベアリング
23 第2ボールベアリング
24 割りピン
25 固定ボルト
26 ナット
30 クランプ
31 クランプ本体
32 クランプ片
33、34 ピン
35 締付ボルト
36 ナット
37 取付ボルト
38 ナット
40 資材運搬体
41 垂直枠
42 垂直パイプ
43a〜43d ポケット金具
44a〜44d ポケット部
45 水平枠
46 水平パイプ
47a、47b くさび部
50 第1案内パイプ
51 垂直パイプ、
52 腕部
53 くさび部
54 引っ掛り部
60 第2案内パイプ
61 垂直パイプ
62 腕部
63 くさび部
70 支柱
71垂直パイプ
72 ポケット金具
GA 間隙部
Claims (5)
- 断面が円形の垂直棒状部材に沿って昇降する調整箱と、該調整箱に連結された資材運搬体とを備えた荷揚げ装置であって、
前記調整箱は、前記垂直棒状部材の周面上を昇降する昇降体と、前記資材運搬体の落下を防止する落下防止機構とを備え、
前記落下防止機構は、
前記調整箱を吊り上げる吊り上げ装置の吊り上げ部材に係合する係合部と、
前記吊り上げ部材の吊り上げが解除されたときに、前記垂直棒状部材の周面を挟み込むように該周面に押し付けられるロック部材と、
前記ロック部材を傾斜させて前記垂直状棒部材の周面に前記ロック部材を押し付ける付勢部材と、
前記ロック部材が傾斜するのを案内する案内部材と
を備えたことを特徴とする荷揚げ装置。 - 前記昇降体は、
間隙部を有するリング状のフレームと、
前記垂直棒状部材の周面に当接可能なように前記フレームに取り付けられた一対の円筒状の回転体であって、向き合うように配置された第1の回転体と、
前記第1の回転体が前記垂直棒状部材の周面に当接する位置と前記垂直棒状部材の中心を挟んで対向する位置において前記垂直棒状部材の周面に当接可能なように前記フレームに取り付けられた一対の円筒状の回転体であって、向き合うように配置された第2の回転体と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の荷揚げ装置。 - 前記垂直棒状部材の周面には、前記吊り上げ部材の吊り上げが解除されたときに該周面に押し付けられた前記ロック部材が滑り落ちるのを防止する引っ掛り部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の荷揚げ装置。
- 前記調整箱は、間隔を空けて設置された一対の前記垂直棒状部材の各々に沿って昇降するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載した荷揚げ装置。
- 前記吊り上げ部材の吊り上げが解除されたときに、前記一対の垂直棒状部材に配置された一方の前記調整箱の前記ロック部材は、前記一対の垂直棒状部材に配置された他方の前記調整箱の前記ロック部材が傾く方向とは反対方向に傾くようになっていることを特徴とする請求項4記載の荷揚げ装置。
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