JP2021064591A - 被覆粒子及びそれを含む導電性材料、並びに被覆粒子の製造方法 - Google Patents

被覆粒子及びそれを含む導電性材料、並びに被覆粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導通信頼性及び絶縁性に両立して優れる被覆粒子を提供すること。【解決手段】本発明の被覆粒子1は、表面が導電性を有する導電性粒子5と、該導電性粒子5を被覆する絶縁層6とを備える。絶縁層6が、非導電性の第1の材料61と非導電性の第2の材料62とを含む。第1の材料61と第2の材料62とは、25℃、pH7の条件で測定されたゼータ電位の極性が互いに反対である。第1の材料61及び第2の材料62は、それぞれ独立して、イオン性基を有する有機ポリマーからなるか、又は無機化合物からなることも好適である。【選択図】図2

Description

本発明は、被覆粒子及びそれを含む導電性材料、並びに被覆粒子の製造方法に関する。
樹脂粒子の表面にニッケルや金などの導電性皮膜を形成させた導電性粒子は、導電性接着剤、異方性導電膜、異方性導電接着剤等の導電性材料として使用されている。
近年、電子機器類の一層の小型化に伴い、電子回路の回路幅やピッチはますます小さくなっている。それに伴って、上述の導電性材料に用いられる導電性粒子として、その粒径が小さなものが求められている。このような小さな粒径の導電性粒子を使用した場合、その接続性を高めるためには導電性材料中の導電性粒子の配合量を増加させなければならない。しかし、導電性粒子の配合量を増加させると、意図しない方向への導通、すなわち対向電極間とは異なる方向への導通によって短絡が生じてしまい、意図しない方向における絶縁性が得難いことが問題となっている。
このような問題を解決するために、導電性粒子の表面を絶縁性の物質で被覆して、導電性粒子の導電性皮膜どうしの接触を防止した絶縁層被覆導電性粒子が提案されている。このような構成の被覆粒子は、通常、該被覆粒子を電極間で熱圧着することで絶縁性粒子が溶融、変形又は剥離して導電性粒子の表面が露出し、これにより電極間での導通が可能となるが、該絶縁性粒子の構成成分を検討することにより、導通信頼性などの特性を改良する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、接続信頼性を高めるために、金属に対して結合性を有する官能基を介して、有機化合物により部分的に絶縁性粒子を被覆した被覆粒子が記載されている。
また特許文献2には、正電荷を帯びる官能基を有する高分子電解質を用いて、カルボキシル基を表面に有する導電性粒子の表面の少なくとも一部を高分子電解質で被覆した後、負電荷を帯びる官能基を表面に有する絶縁性粒子を用いて、高分子電解質を介して導電性粒子と絶縁性粒子とを付着させた被覆粒子が記載されている。
国際公開2002/035555号パンフレット 特開2014−132567号公報
しかし、特許文献1に記載の粒子のように、金属に対して結合性を有する官能基を有する絶縁性粒子を構成成分としただけでは、導電性粒子の表面を十分に被覆することができなかったり、電子回路の製造時に絶縁性粒子が導電性粒子の表面から意図せず脱落したりする問題があった。また、特許文献2に記載の粒子のように、導電性粒子の表面を高分子電解質で処理した後に絶縁性粒子を付着することは、工程が煩雑になり、且つ所望の導通性が発現できない問題があった。
したがって、本発明の目的は、前記課題を解決した導通信頼性及び絶縁信頼性を高めることのできる被覆粒子を提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、電荷の異なる二種の非導電性材料を導電性粒子の絶縁層に用いると、導電性粒子との密着性が高くなり、その結果、絶縁信頼性を保ちつつ導通信頼性も向上することを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、表面が導電性を有する導電性粒子と、該導電性粒子を被覆する絶縁層とを備え、
前記絶縁層が、非導電性の第1の材料と非導電性の第2の材料とを含み、
第1の材料と第2の材料とは、25℃、pH7の条件で測定されたゼータ電位の極性が互いに反対である被覆粒子を提供するものである。
また本発明は、前記被覆粒子と、絶縁性樹脂とを含む導電性材料を提供するものである。
また本発明は、非導電性の第1の材料と非導電性の第2の材料とを含む絶縁層形成組成物と、導電性粒子とを混合して、第1の材料及び第2の材料を含む絶縁層を該導電性粒子の表面に形成する工程を備え、
第1の材料及び第2の材料は、25℃、pH7の条件で測定されたゼータ電位の極性が互いに反対であるものを用いる、被覆粒子の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、導通信頼性及び絶縁性に優れる被覆粒子を提供することができる。
図1は、被覆粒子の一実施形態を示す断面の模式図である。 図2(a)ないし(d)は、被覆粒子の一実施形態における該粒子の表面近傍の拡大模式図である。
以下、本発明の被覆粒子を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1に示すように、被覆粒子1は、表面が導電性を有する導電性粒子5と、導電性粒子5を被覆する絶縁層6とを備える。導電性粒子5は、少なくとも該粒子の表面が導電性を有していればよく、導電性粒子5が導電性材料で一体形成された態様、及び、非導電性材料若しくは導電性材料の外表面に導電性材料を更に配して、表面が導電性を有するものとした態様の双方が包含される。
図1に示す導電性粒子5は、非導電性材料又は導電性材料からなる芯材2の表面に、導電性材料からなる導電性皮膜3が形成されることによって、粒子表面が導電性を有するものとなっている。同図に示すような構成となっていることによって、電子回路の形成時における電気的接続の際に、被覆粒子に適度な弾性を発現させつつ、電極との導通性を高めることができる。以下の説明では、芯材2の表面に導電性材料からなる導電性皮膜3が形成された導電性粒子5を例にとり説明する。
同図に示す導電性皮膜3は、芯材2の粒子表面の全体を満遍なく連続して被覆していてもよく、或いは、導電性が確保できる限りにおいて、芯材2の粒子表面の一部のみを被覆していてもよい。前者の場合、導電性粒子5は、芯材2の粒子表面の全域が金属によって完全に被覆されて、芯材2の粒子表面が露出していない状態になっている。後者の場合、導電性粒子5は、その表面が下地である芯材の構成成分からなる部位と、金属からなる部位とから構成される。導電性皮膜3が芯材2の粒子表面の一部のみを被覆している場合、被覆部位が連続した皮膜であってもよく、海島状に不連続な皮膜であってもよく、又はこれらの組み合わせであってもよい。また、導電性皮膜3は、単層構造であってもよく、複数層からなる積層構造であってもよく、又はこれらの構造の組み合わせであってもよい。いずれの場合であっても、導電性皮膜3は、芯材2の表面に直接密着して形成されていることが好ましい。
芯材2の構成成分としては、無機物及び有機物を特に制限なく用いることができる。芯材の形状は特に制限はないが、好ましくは粒子状である。粒子状の芯材の形状は、例えば、球状、繊維状、中空状、板状、針状、不定形状等が挙げられる。これらのうち、粒子の充填性及び芯材への導電性皮膜の形成を効率よく行う観点から、好ましくは球状である。芯材は、その表面に複数の突起を有するものであってもよい。以下の説明では、特に断りのない限り、芯材として、粒子状の芯材(芯材粒子)を用いた実施形態として説明する。
芯材2に用いられる無機物としては、例えば金、銀、銅、ニッケル、パラジウム等の金属又はこれらの合金、ハンダ等の金属化合物、ガラス、セラミック、シリカ、金属又は非金属の酸化物の無水物又は含水物、アルミノ珪酸塩を含む金属珪酸塩、金属炭化物、金属窒化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属リン酸塩、金属硫化物、金属酸塩、金属ハロゲン化物及び炭素等が挙げられる。これらは単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。
芯材2に用いられる有機物としては、例えば、天然繊維、天然樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリブテン、ポリアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルニトリル、ポリアセタール、アイオノマー、ポリエステル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等の熱可塑性樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらは単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。
芯材2は、上述した無機物又は有機物のいずれか一方からなる材質で構成されていてもよく、これに代えて、無機物及び有機物の双方からなる材質で構成されていてもよい。芯材2が無機物及び有機物の双方からなる材質で構成されている場合、芯材2における無機物及び有機物の存在態様としては、例えば、無機物からなるコアと、該コアの表面を被覆する有機物からなるシェルとを備える態様、あるいは、有機物からなるコアと、該コアの表面を被覆する無機物からなるシェルとを備える態様等のコアシェル型の構成等が挙げられる。これらのほか、一つの芯材2の粒子中に、無機物と有機物とが混合されているか、あるいはランダムに融合しているブレンド型の構成等が挙げられる。
特に、芯材2は、有機物からなる材質で構成されていることが好ましく、樹脂を用いることがより好ましく、熱可塑性樹脂を用いることが更に好ましい。このような材質からなる芯材を用いることによって、粒子どうしの分散安定性を高めることができ、また、電子回路の電気的接続の際に、適度な弾性を発現させて導通性を高めることができる。
導電性粒子5の表面に導電性を発現させるために用いられる導電性材料としては、例えば金、白金、銀、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、コバルト、インジウム、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、クロム、パラジウム、タングステン、モリブデン等の金属又はこれらの合金、ITO、ハンダ等の金属化合物等が挙げられる。これらの材料は単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。図1に示す実施形態においては、これらの導電性材料を、導電性皮膜3に用いることができる。
導電時の電気抵抗を低くしつつ、後述する絶縁層6との密着性を高める観点から、導電性粒子5の表面は、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム及びハンダから選ばれる少なくとも一種の導電性材料を含んで構成されることが好ましく、ニッケル、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル合金、金合金、銀合金、銅合金及びパラジウム合金から選ばれる少なくとも一種の導電性材料を、導電性粒子5の表面を含むことが更に好ましい。つまり、図1に示す導電性皮膜3は、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム及びハンダから選ばれる少なくとも一種を含んで構成されることが好ましく、ニッケル、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル合金、金合金、銀合金、銅合金及びパラジウム合金から選ばれる少なくとも一種からなることが更に好ましい。同様の観点から、導電性皮膜3が、複数層からなる積層構造である場合には、該導電性皮膜の最外層が、ニッケル、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル合金、金合金、銀合金、銅合金及びパラジウム合金から選ばれる少なくとも一種からなることが更に好ましい。
導電性粒子5の形状は、芯材粒子の形状にもよるが、特に制限はない。導電性粒子5の形状としては、例えば、球状、繊維状、中空状、板状、針状、不定形状等が挙げられる。これらのうち、充填性及び接続性を優れたものとする観点から、導電性粒子5の形状は、球状であるか、又は表面に突起を有する形状であることが好ましい。導電性粒子が表面に突起を有する形状である場合、表面に複数の突起を有することが好ましく、球の表面に複数の突起を有することが更に好ましい。導電性粒子5が複数の突起を有する形状である場合、導電性粒子5の突起は、複数の突起を有する芯材粒子によって形成されていてもよく、芯材粒子が突起を有さず、導電性皮膜3が複数の突起を有することによるものであってもよい。
導電性粒子5がその表面に突起を有する場合、突起の高さは、好ましくは20nm以上500nm以下、更に好ましくは50nm以上400nm以下である。突起の数は、導電性粒子5の粒径にもよるが、導電性粒子5一つ当たり、好ましくは1個以上20000個以下、更に好ましくは5個以上5000個以下であることが、導電性粒子の導電性を一層向上させる点で有利である。また、突起の基部の長さは、好ましくは5nm以上500nm以下、更に好ましくは10nm以上400nm以下である。突起の基部の長さは、粒子の断面視における電子顕微鏡像を用いて測定したときに、突起が形成されている部位における導電性粒子の表面に沿う長さをいい、突起の高さは、突起の基部から突起頂点までの最短距離をいう。なお、一つの突起に複数の頂点がある場合は、最も高い頂点をその突起の高さとする。突起の基部の長さ及び突起の高さは、電子顕微鏡により観察された20個の異なる粒子について測定した算術平均値とする。
芯材2に導電性皮膜3を形成する場合、導電性皮膜3の厚さは、好ましくは0.001μm以上2μm以下、更に好ましくは0.01μm以上1.5μm以下である。導電性皮膜3が複数層からなる積層構造である場合、導電性皮膜3の積層構造全体の厚さが上述した範囲であればよい。また、導電性粒子が後述する突起を有する場合、突起の高さは、ここでいう導電性皮膜の厚さに含まないものとする。導電性皮膜の厚さは、例えば測定対象の被覆粒子を2つに切断し、その切り口の断面をSEM観察して測定することができる。
絶縁層6は、導電性粒子5の表面を被覆している。図1に示す被覆粒子1は、導電性皮膜3の表面に絶縁層6が配されて、導電性粒子5の表面を被覆する形態となっている。
絶縁層6は、非導電性の第1の材料61と、非導電性の第2の材料62とを含んで構成されている。本発明に用いられる第1の材料及び第2の材料は、25℃、pH7の条件で測定されたゼータ電位の極性が互いに反対であることを特徴の一つとしている。すなわち、上述の条件で測定した第1の材料のゼータ電位が正の値であり、且つ第2の材料のゼータ電位は負の値であるように構成されているか、又は上述の条件で測定した第1の材料のゼータ電位が負の値であり、第2の材料のゼータ電位が正の値であるように構成されている。このような材料を用いて絶縁層を形成することによって、各材料61,62の表面の電荷が異なっているので、電気的引力により、絶縁層を構成する両材料61,62どうしの密着性が高まり、緻密な絶縁層を形成することができる。これに加えて、絶縁層6全体が有する電荷に起因する電気的引力によって、絶縁層6と導電性粒子5との密着性を高めることができ、且つ導電性粒子5からの絶縁層6の意図しない剥離や脱落が効果的に防止される。その結果、被覆粒子の絶縁信頼性が高いものとなる。
詳細には、第1の材料及び第2の材料のうちいずれか一方を水等の分散媒に分散させて分散液とし、該分散液を25℃、pH7とした条件でゼータ電位をそれぞれ測定したときに、第1の材料のゼータ電位の極性と、第2の材料のゼータ電位の極性とが互いに反対となっている。本発明においては、25℃、pH7の条件で両材料のゼータ電位を測定することが被覆粒子の絶縁信頼性を一層高める点で好ましいが、第1の材料又は第2の材料の分散液を25±1℃、且つpH7.0±0.5の条件でそれぞれ測定したときに、第1の材料のゼータ電位の極性と、第2の材料のゼータ電位の極性とが互いに反対となっていれば、本発明の効果は十分に奏される。
これらの材料のゼータ電位は、例えば、ゼータ電位測定装置(マルバーン・パナリティカル社製、ゼータサイザーナノ Z)を用いて、レーザードップラー式電気泳動法によって測定することができる。ゼータ電位の測定における分散媒は、イオン交換水をフィルター濾過した純水、または蒸留水を用いることができ、好ましくは純水である。また必要に応じて、pHを上述の範囲に調整するためのpH調整剤として、硝酸、塩酸、酢酸等の酸や、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、又はアンモニア水等のアルカリを用いてもよい。
導電性粒子5からの絶縁層6の意図しない剥離や脱落を防いで、被覆粒子の絶縁信頼性を一層高める観点から、第1の材料61について、25℃、pH7の条件で測定したときのゼータ電位は、その絶対値が0.1mV以上150mV以下であることが好ましく、1mV以上100mV以下であることがより好ましく、5mV以上90mV以下であることが更に好ましく、10mV以上80mV以下であることがより更に好ましい。
同様の観点から、第2の材料62について、25℃、pH7の条件で測定したときのゼータ電位は、その絶対値が0.1mV以上150mV以下であることが好ましく、1mV以上100mV以下であることがより好ましく、5mV以上90mV以下であることが更に好ましく、10mV以上80mV以下であることがより更に好ましい。
絶縁層6をより緻密に形成して、被覆粒子の絶縁信頼性を一層高める観点から、第1の材料61のゼータ電位と、第2の材料62のゼータ電位との差の絶対値は、各材料61,62のゼータ電位の極性が異なることを条件として、0.2mV以上300mV以下であることが好ましく、2mV以上200mV以下であることがより好ましく、10mV以上180mV以下であることが更に好ましく、20mV以上160mV以下であることがより更に好ましい。
このようなゼータ電位を有する非導電性の第1の材料及び第2の材料としては、それぞれ独立して、例えば有機ポリマーや、無機化合物等の非導電性材料を、単独で又は二種以上組み合わせて用いることができる。これらの材料の詳細は後述する。
絶縁層6は、導電性粒子5の表面全体を満遍なく連続して被覆していてもよく、或いは導電性粒子5の表面の一部のみを被覆していてもよい。前者の場合、導電性粒子5は、導電性皮膜の表面全域が絶縁層6によって完全に被覆されて、導電性粒子5の表面が露出していない状態になっている。後者の場合、導電性粒子5は、その表面が下地である芯材2及び導電性皮膜3の少なくとも一種からなる部位と、絶縁層6からなる部位とから構成される。絶縁層6が導電性粒子5の表面の一部のみを被覆している場合、被覆部位が連続していてもよく、海島状に不連続に被覆していてもよく、又はこれらの組み合わせであってもよい。
詳細には、被覆粒子1における絶縁層6の形成態様は、例えば以下に示す(i)ないし(iii)のいずれかの形態が挙げられる。
(i)図2(a)及び(b)に示すように、第1の材料61からなる表面を有する複数の絶縁性粒子6a(以下、この粒子を「第1絶縁性粒子6a」ともいう。)と、第2の材料62からなる表面を有する複数の絶縁性粒子6b(以下、この粒子を「第2絶縁性粒子6b」ともいう。)とが、導電性粒子5の表面に層状に配置された形態。
(ii)図2(c)に示すように、複数の第1絶縁性粒子6aと、第2の材料62からなる皮膜6cとが、導電性粒子5の表面に配置された形態。
(iii)図2(d)に示すように、第1の材料61及び第2の材料62を含む複合皮膜6dが導電性粒子5の表面に配置された形態。
図2(a)及び(b)に示すように、絶縁層6に絶縁性粒子を含む場合、該絶縁性粒子の形状は、例えば球状、繊維状、中空状、板状、針状又は不定形状であり得る。また、絶縁性粒子はその表面に多数の突起を有するものであってもよい。導電性粒子への付着性及び絶縁性粒子の製造の容易性の観点から、絶縁性粒子は球状のものであることが好ましい。また絶縁性粒子は、少なくとも粒子の表面が第1の材料61又は第2の材料62によって構成されていればよく、絶縁性粒子が第1の材料61のみ若しくは第2の材料62のみで一体形成された態様、及び非導電性材料若しくは導電性材料の表面が第1の材料61若しくは第2の材料62で被覆された態様の双方が包含される。
図2(c)及び(d)に示すように、絶縁層6が皮膜を有する場合、皮膜の厚みは均一であってもよく、不均一であってもよい。また、絶縁層6における皮膜は、連続していてもよく、海島状に不連続であってもよく、又はこれらの組み合わせであってもよい。
以上の構成を有する被覆粒子によれば、ゼータ電位の極性が異なる複数の材料を用いて絶縁層を形成することによって、被覆粒子どうしの分散性を高めることができる。また、被覆粒子を電子回路の電気接続に用いる異方性導電接着剤等の導電性材料に用いたときに、該導電性材料中の被覆粒子の配合量を増加させた場合でも、緻密な絶縁層と、導電性粒子との密着性が高いものとなるので、意図しない導通を防いで、優れた絶縁性を発現することができる。これに加えて、電子回路の形成にあたり、被覆粒子を含む導電性材料を電極間で熱圧着したときに、絶縁層が溶融、変形、剥離、又は導電性粒子表面を移動して、熱圧着された部分において導電性を有する導電性粒子の表面を露出させることができるので、目的とする導通方向への導通を十分に確保でき、導通信頼性を高めることができる。また、被覆粒子における熱圧着方向以外の方向を向く表面部分は、絶縁性粒子による導電性粒子表面の被覆状態が概ね維持されているので、意図しない方向への導通を防いで、絶縁性が維持されるものとなる。
上述した効果を一層効果的に奏する観点から、上述したゼータ電位の極性が互いに反対であることを前提として、第1の材料61は、構造中にイオン性基を有する有機ポリマーからなるか、又は無機化合物からなることが好ましい。同様の観点から、第2の材料62は、構造中にイオン性基を有する有機ポリマーからなるか、又は無機化合物からなることが好ましい。
第1の材料61と、第2の材料62との組み合わせとして、(a)第1の材料61及び第2の材料62がともにイオン性基を有する有機ポリマーからなる態様、(b)第1の材料61がイオン性基を有する有機ポリマーからなり、第2の材料62が無機化合物からなる態様、(c)第1の材料61が無機化合物からなり、第2の材料62がイオン性基を有する有機ポリマーからなる態様、及び、(d)第1の材料61及び第2の材料62がともに無機化合物からなる態様が挙げられる。イオン性基は、正の電荷を有するカチオン性の官能基(以下、これを「カチオン性基」ともいう。)、又は、負の電荷を有するアニオン性の官能基(以下、これを「アニオン性基」ともいう。)である。
これらのうち、電子回路の形成時において被覆粒子を含む導電性材料と電極とを熱圧着したときに、絶縁層に溶融、変形、又は剥離等を発生させやすくして、導電性粒子が有する導電性をより効果的に発現させる観点から、第1の材料61及び第2の材料62のうち少なくとも一方がイオン性基を有する有機ポリマーからなることがより好ましく、第1の材料61及び第2の材料62の双方がイオン性基を有する有機ポリマーからなることが更に好ましい。つまり、第1の材料61と第2の材料62との組み合わせは、上述の(a)ないし(c)のいずれかの態様であることがより好ましく、(a)の態様であることが更に好ましい。
また、第1の材料61及び第2の材料62の双方がイオン性基を有する有機ポリマーからなる態様によって絶縁層が形成されている場合、第1の材料61又は第2の材料62がカチオン性基を有する有機ポリマーからなることが好ましい。同様に、第1の材料61又は第2の材料62がアニオン性基を有する有機ポリマーからなることも好ましい。
特に、第1の材料61がカチオン性基を有する有機ポリマーからなり、且つ第2の材料62がアニオン性基を有する有機ポリマーからなる態様であるか、又は、第1の材料61がアニオン性基を有する有機ポリマーからなり、且つ第2の材料62がカチオン性基を有する有機ポリマーからなる態様であることが一層好ましい。このような構成であることによって、絶縁層6を構成する第1の材料61及び第2の材料62のゼータ電位の極性をより簡便に調整することができる。また、各材料におけるゼータ電位の極性の違いによって、第1の材料61どうしの間に第2の材料62が配置されやすくなるので、その結果、緻密な絶縁層を得ることができ、目的とする導通方向以外の方向での絶縁性が向上する。これに加えて、絶縁層6と導電性粒子5との密着性を高めて、絶縁層の被覆率が高い被覆粒子を製造できるとともに、導電性粒子からの絶縁層の意図しない剥離や脱落が効果的に防止される。
上述のとおり、絶縁層6の形成に用いられる有機ポリマーは、非導電性であることを条件として、ポリマーの構造中にイオン性基を含む化合物をモノマー成分として含んでいる。イオン性基を含む化合物は、架橋性モノマーであってもよく、非架橋性モノマーであってもよい。つまり、架橋性モノマー及び非架橋性モノマーの少なくとも一種がイオン性基を有する化合物を用いて、有機ポリマーが形成されていることが好ましい。「モノマー成分」とは、有機ポリマー中のモノマーに由来する構造を指し、モノマーから誘導される成分である。モノマーを重合に供することによって、該モノマー成分を構成単位として含む有機ポリマーが形成される。
イオン性基は、絶縁層を構成する有機ポリマーの界面に存在することが好ましい。また、イオン性基は、有機ポリマーを構成するモノマー成分に化学結合していることが好ましい。イオン性基が有機ポリマーの界面に存在するか否かは、イオン性基を有する有機ポリマーを含む絶縁層を導電性粒子の表面に形成したときに、走査型電子顕微鏡観察によって絶縁層が導電性粒子の表面に付着しているか否かによって判断することができる。
カチオン性基としては、例えば、ホスホニウム基、アンモニウム基、スルホニウム基等のオニウム系官能基や、アミノ基等が挙げられる。これらのうち、導電性粒子5及び絶縁層6、並びに絶縁層6の構成材料どうしの密着性を高めて、絶縁性と導通信頼性とを高いレベルで兼ね備えた被覆粒子を形成する観点から、オニウム系官能基であることが好ましく、アンモニウム基又はホスホニウム基であることがより好ましく、ホスホニウム基であることが更に好ましい。
オニウム系官能基は、下記一般式(1)で表されるものが好ましく挙げられる。
Figure 2021064591
(式中、Xはリン原子、窒素原子、又は硫黄原子であり、Rは同じであっても異なっていてもよく、水素原子、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、又はアリール基である。nは、Xが窒素原子、リン原子の場合は1であり、Xが硫黄原子の場合は0である。*は結合手である。)
カチオン性基に対する対イオンとしては、例えばハロゲン化物イオンが挙げられる。ハロゲン化物イオンの例としては、Cl、F、Br、Iが挙げられる。
式(1)中、Rで表される直鎖状のアルキル基としては、例えば炭素数1以上20以下の直鎖状アルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
式(1)中、Rで表される分岐鎖状のアルキル基としては、例えば炭素数3以上8以下の分岐鎖状アルキル基が挙げられ、具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、イソヘキシル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、エチルヘキシル基等が挙げられる。
式(1)中、Rで表される環状のアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基といったシクロアルキル基等が挙げられる。
式(1)中、Rで表されるアリール基としては、フェニル基、ベンジル基、トリル基、o−キシリル基等が挙げられる。
一般式(1)中、Rは、炭素数1以上12以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数1以上10以下のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1以上8以下のアルキル基であることが更に好ましい。また、一般式(1)中、Rが直鎖状アルキル基であることも更に好ましい。オニウム系官能基がこのような構成となっていることによって、絶縁層6と導電性粒子5との密着性を高めて絶縁性を確保するとともに、熱圧着時における導通信頼性を一層高めることができる。
モノマーの入手及びポリマーの合成を容易にするとともに、絶縁層の製造効率を高める観点から、絶縁層を構成するカチオン性基を有する有機ポリマーは、下記一般式(2)又は一般式(3)で表される構成単位を有することが好ましい。
Figure 2021064591
(式中、X、R及びnは前記一般式(1)と同義である。mは0以上5以下の整数である。Anは一価のアニオンを示す。)
Figure 2021064591
(式中、X、R及びnは前記一般式(1)と同義である。Anは一価のアニオンを示す。mは1以上5以下の整数である。Rは、水素原子又はメチル基である。)
式(2)及び式(3)中のRの例としては、上述した一般式(1)中のRの官能基の説明が適宜適用される。イオン性基は、式(2)のベンゼン環のCH基に対しパラ位、オルト位、メタ位の何れに結合していてもよく、パラ位に結合することが好ましい。式(2)及び式(3)中、一価のAnとしてはハロゲン化物イオンが好適に挙げられる。ハロゲン化物イオンの例としては、Cl、F、Br、Iが挙げられる。
また、一般式(2)において、mは0以上2以下の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、1が特に好ましい。一般式(3)においてmは1以上3以下が好ましく、1又は2がより好ましく、2が最も好ましい。
カチオン性基を有する有機ポリマーは、例えばオニウム系の官能基を有し且つエチレン性不飽和結合を有するモノマーに由来する成分を含んで構成されることが好ましい。モノマーの入手及びポリマーの合成を容易にし、絶縁層の製造効率を高める観点から、カチオン性基を有する有機ポリマーは、非架橋性モノマーに由来する成分を含むことも好ましい。
オニウム系の官能基を有し且つエチレン性不飽和結合を有する非架橋性モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N,N−トリメチル−N−2−メタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド等のアンモニウム基含有モノマー;メタクリル酸フェニルジメチルスルホニウムメチル硫酸塩等のスルホニウム基を有するモノマー;4−(ビニルベンジル)トリエチルホスホニウムクロライド、4−(ビニルベンジル)トリメチルホスホニウムクロライド、4−(ビニルベンジル)トリブチルホスホニウムクロライド、4−(ビニルベンジル)トリオクチルホスホニウムクロライド、4−(ビニルベンジル)トリフェニルホスホニウムクロライド、2−(メタクロイルオキシエチル)トリメチルホスホニウムクロライド、2−(メタクロイルオキシエチル)トリエチルホスホニウムクロライド、2−(メタクロイルオキシエチル)トリブチルホスホニウムクロライド、2−(メタクロイルオキシエチル)トリオクチルホスホニウムクロライド、2−(メタクロイルオキシエチル)トリフェニルホスホニウムクロライド等のホスホニウム基を有するモノマーなどが挙げられる。これらの非架橋性モノマーは、単独で又は二種以上含まれていてもよい。
絶縁層6の形成に用いられる有機ポリマーが有するアニオン性基としては、例えばカルボキシ基、水酸基、チオール基、スルホン酸基、リン酸基、アミド基、シアノ基、硫酸エステル基等が挙げられる。これらのうち、導電性粒子5及び絶縁層6、並びに絶縁層6中の構成材料どうしの密着性を高めて、絶縁性と導通信頼性とを高いレベルで兼ね備えた被覆粒子とする観点から、カルボキシ基、スルホン酸基又はリン酸基であることが好ましく、カルボキシ基又はスルホン酸基であることがより好ましい。
前記カルボキシ基又はスルホン酸基を有するモノマーとしては、下記一般式(4)で表されるものが好ましく挙げられる。一般式(4)は、E体であってもよく、Z体であってもよい。
Figure 2021064591
式(4)中、R11、R12、R13、及びR14は、それぞれ独立して、水素原子、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、アリール基、又は、カルボキシ基、スルホン酸基若しくはこれらの塩であり、R11、R12、R13、及びR14のうち少なくとも一つは、カルボキシ基、スルホン酸基又はこれらの塩である。
式(4)中、R21、R22、R23、及びR24は、それぞれ独立して、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキレン基、アリーレン基、−NH−CO−で表される基、又は−CO−NH−で表される基である。R21、R22、R23、及びR24は、同じであってもよく、異なっていてもよい。a、b、c及びdは、それぞれ独立して、0以上8以下の整数である。a、b、c及びdが2以上の整数である場合、連結し得るR21、R22、R23、及びR24で表される基はそれぞれ、同じ基が結合した繰り返し単位であってもよく、異なる基が結合していてもよい。R21、R22、R23、及びR24の少なくとも一つがアリーレン基である場合、該アリーレン基に結合し得るR11、R12、R13、及びR14は、オルト位、メタ位、パラ位のいずれに結合していてもよい。
式(4)中、R11、R12、R13、及びR14並びにR21、R22、R23、及びR24で表される直鎖状のアルキル基としては、例えば炭素数1以上20以下の直鎖状アルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。これらの基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよい。また、これらの基は、無置換であってもよく、置換基が導入されていてもよい。あるいは、骨格中の炭素原子の一部が酸素又は窒素で置換されていてもよい。置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、ニトリル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基や、ブロモ基などのハロゲン等が挙げられる。
式(4)中、R11、R12、R13、及びR14で表される分岐鎖状のアルキル基としては、例えば炭素数3以上8以下の分岐鎖状アルキル基が挙げられ、具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、イソヘキシル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、エチルヘキシル基等が挙げられる。
式(4)中、R11、R12、R13、及びR14で表される環状のアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基といったシクロアルキル基等が挙げられる。
式(4)中、R11、R12、R13、及びR14で表されるアリール基としては、フェニル基、ベンジル基、トリル基、o−キシリル基等が挙げられる。
式(4)中、R21、R22、R23、及びR24で表される基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等のアルキレン基、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基等のフェニレン基、−NH−CO−で表される基、−CO−NH−で表される基等が挙げられる。これらの基は、無置換であってもよく、置換基が導入されていてもよい。あるいは、骨格中の炭素原子の一部が酸素又は窒素で置換されていてもよい。置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、ニトリル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基や、ブロモ基などのハロゲン等が挙げられる。
また、一般式(4)において、a、b、c及びdは、それぞれ独立して、0以上8以下の整数が好ましく、0以上6以下がより好ましく、0以上4以下が特に好ましい。
式(4)で表される前記カルボキシ基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−アセトアミドアクリル酸、アリル(メタ)アクリル酸、(E)−3−(3−アミノフェニル)アクリル酸、(E)−3−(4−アミノフェニル)アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリル酸、2−ベンジルアクリル酸、ブチル(メタ)アクリル酸、t−ブチル(メタ)アクリル酸、2−シアノエチル(メタ)アクリル酸、シクロヘキシル(メタ)アクリル酸、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリル酸、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリル酸又はこれらのNa塩、K塩等のアルカリ金属塩等が挙げられる。
前記スルホン酸基を有するモノマーとしては、例えば、ビニルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸又はこれらのNa塩、K塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。
絶縁層を構成する有機ポリマーにおいては、モノマー成分の全てにイオン性基が結合したものであってもよく、あるいは、有機ポリマーの全構成単位中の一部にイオン性基が結合していてもよい。有機ポリマーの全構成単位中の一部にイオン性基が結合している場合、イオン性基が結合したモノマー成分の割合は、第1の材料及び第2の材料においてそれぞれ独立して、0.01モル%以上99モル%以下であることが好ましく、0.02モル%以上95モル%以下であることがより好ましい。ここで、有機ポリマー中のモノマー成分の数は、一つのエチレン性不飽和結合に由来する構造を一つのモノマーの構成単位としてカウントする。イオン性基が架橋性モノマー及び非架橋性モノマーの双方に含まれる場合、モノマー成分の割合はその総量とする。
絶縁層を構成する有機ポリマーは、二種以上のモノマー成分を構成単位として含むコポリマーであることが好ましく、該モノマー成分のうち少なくとも一種が構造中にエステル結合を有することが更に好ましい。これにより、ポリマーのガラス転移温度を好適に低いものとしやすく、特に、絶縁層を絶縁性粒子を含む態様で形成したときに、該絶縁性粒子と導電性粒子との接触面積を高めて密着性を高めることができるとともに、被覆粒子間での絶縁性をより高いものとすることができる。上述のコポリマーとしては、例えば一種以上の架橋性モノマーと、一種以上の非架橋性モノマーとの重合体とすることができる。
構造中にエステル結合を有するモノマー成分としては、一個のエチレン性不飽和結合と、エステル結合とを構造中に併せ持つ非架橋性モノマーに由来するものが挙げられる。そのようなモノマーとしては、例えば、プロピオン酸ビニル、ビニルベンゾエート等のビニルエステルや(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸のエステル等が挙げられる。とりわけ構造中にエチレン性不飽和結合及びエステル結合を併せ持つ重合性化合物としては、その構造中に、−COOR又は−OCOR(R及びRはアルキル基)で表される基を有するものが好ましく、とりわけ、これらの基がHC=CH*、又はHC=C(CH)*(*は、上記の−COOR又は−OCORで表される基における結合手の結合先である)に結合した化合物が好ましい。R及びRとしては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素原子数が1以上12以下であることが好ましく、2以上10以下であることがより好ましい。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
絶縁性粒子のガラス転移温度を好適な範囲とする観点や、重合反応進行時に生成した絶縁性粒子が、熱によって溶融し反応容器の壁面に付着することなく取り出せる観点から、絶縁層を構成する有機ポリマーにおいて、全構成単位中、構造中にエステル結合を有する構成単位の割合は、第1の材料及び第2の材料においてそれぞれ独立して、0.1モル%以上30モル%以下であることが好ましく、1モル%以上25モル%以下であることがより好ましい。ここでいう構造中にエステル結合を有する構成単位の好ましい例は、例えば以下の一般式(5)で表される。
Figure 2021064591
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rは−COOR又は−OCORで表される基である。)
絶縁層6を構成する第1の材料及び第2の材料のうち少なくとも一方に有機ポリマーを含む場合、ポリマー中に非架橋性モノマー成分を含むことが好ましい。非架橋性モノマー成分とは、ポリマー中の構造における、非架橋性モノマーから誘導される成分である。絶縁層に含まれる非架橋性モノマー成分は、構造中に重合性エチレン性不飽和結合を一個のみ有する化合物を用い、該化合物を含むモノマー組成物を重合して得られる成分であって、該化合物に由来する構造を有することを指す。
有機ポリマーを構成可能な非架橋性モノマー成分としては、スチレン類、オレフィン類、エステル類、α,β不飽和カルボン酸類、アミド類、ニトリル類などの化合物を非架橋性ポリマーとして用い、該化合物から誘導されるものが挙げられる。スチレン類としては、スチレン、o−,m−又はp−メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン等の核置換スチレンやα−メチルスチレン、α−クロロスチレン、β−クロロスチレンなどのスチレン誘導体等が挙げられる。オレフィン類としては、エチレン、プロピレン等が挙げられる。エステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルベンゾエート等のビニルエステル、及び、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸のエステル等が挙げられる。α,β不飽和カルボン酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等が挙げられる。これらα,β不飽和カルボン酸の塩もα,β不飽和カルボン酸類に含まれる。アミド類としては、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。ニトリル類としては、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは更に置換されていてもよく、置換基としては、ホスホニウム基、アミノ基、第4級アンモニウム基、アミド基、スルホニウム基、スルホン酸基、チオール基、カルボキシル基、リン酸基、シアノ基、アルデヒド基、エステル基、カルボニル基等が挙げられる。これらの非架橋性モノマーは、単独で又は二種以上含まれていてもよい。
絶縁層におけるポリマーの重合率を適度なものとして、絶縁層と導電性粒子との密着性を高めるとともに、球状の絶縁性粒子を効率よく生産可能にする観点から、非架橋性モノマー成分のモノマーが、スチレン、o−,m−又はp−メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル及び(メタ)アクリル酸フェニルから選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、イオン性基を含む非架橋性モノマーで構成されることが更に好ましい。つまり、非架橋性モノマー成分は、上述した非架橋性モノマーの少なくとも一種に由来するものであることが好ましい。
絶縁層に含まれうる有機ポリマーにおける非架橋性ポリマー成分は、任意の割合で含有することができる。有機ポリマーの重合率を適度なものとし、導電性粒子との密着性を高めるとともに、球状の絶縁性粒子を効率よく生産可能にする観点から、有機ポリマーにおける非架橋性ポリマー成分の含有割合は、0.1質量%以上99質量%以下が好ましく、1質量%以上95質量%以下がさらに好ましい。
絶縁層6を構成する第1の材料及び第2の材料のうち少なくとも一方が有機ポリマーからなる場合、架橋性モノマー成分を含むことが好ましい。架橋性モノマー成分とは、ポリマーを形成する構造であって、構造中に二個以上の重合性エチレン性不飽和結合を有する化合物を用い、該化合物を含むモノマーの組成物を重合して得られる成分であって、後述する架橋性モノマーから誘導される成分である。
有機ポリマーを構成可能な架橋性モノマー成分としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;メタクリル酸アリル、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアネート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステル、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物等の二個以上の重合性エチレン性不飽和結合を有する化合物を架橋性モノマーとして含み、該化合物から誘導されるものを挙げることができる。これらは単独で又は二種以上含まれていてもよい。有機ポリマーが複数種の架橋性ポリマー成分を含む場合、ポリマーにおける架橋性ポリマー成分の構成単位の存在態様は、コポリマーとして、ランダムであってもよく、交互であってもよく、ブロックであってもよい。
これらのうち、ポリマー中における架橋性モノマー成分のモノマーが、ジビニルベンゼン、メタクリル酸アリル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート及び1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。つまり、架橋性モノマー成分は、上述した架橋性モノマーの少なくとも一種に由来するものであることが好ましい。このような架橋性モノマー成分を絶縁層に含有させることによって、被覆粒子における導電性粒子と絶縁層との密着性を高めて被覆粒子間の絶縁性を更に高めるとともに、被覆粒子を電子回路を構成する導電性材料として用いたときの導通信頼性を一層高めることができる。
絶縁層に含まれうる有機ポリマーにおける架橋性ポリマー成分は、任意の割合で含有することができる。被覆粒子間の絶縁性と、被覆粒子を導電性材料として用いたときの導通信頼性とを両立して優れたものとする観点から、有機ポリマーにおける架橋性ポリマー成分の含有割合は、0.1質量%以上90質量%以下が好ましく、0.2質量%以上80質量%以下がさらに好ましい。
絶縁層6を構成する第1の材料及び第2の材料のうち少なくとも一方が無機化合物からなる場合、無機化合物としては、例えば二酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化チタン等を用いることができる。
絶縁層に含まれる第1の材料61と第2の材料62との質量比率は第1の材料:第2の材料=50:50〜99:1であることが好ましく、60:40〜98:2であることが更に好ましい。このような質量比率で絶縁層に第1の材料及び第2の材料が存在することによって、被覆粒子間の絶縁性と、被覆粒子を導電性材料として用いたときの導通信頼性とを両立して優れたものとすることができる。第1の材料61と第2の材料62との質量比率は、例えば後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
次に、被覆粒子における絶縁層の形成態様について詳細に説明する。上述のとおり、被覆粒子1における絶縁層6は、(i)第1絶縁性粒子6aと、第2絶縁性粒子6bとが、導電性粒子5の表面に層状に配置された形態であり得る。すなわち、本形態における被覆粒子1は、ゼータ電位の極性が互いに反対である材料からなる絶縁性粒子6a,6bが導電性粒子5の表面に複数存在することによって、絶縁層6が形成されているものである。絶縁層がこのような構成であっても、本発明の効果は十分に奏される。
本形態における第1の材料及び第2の材料の配置態様としては、例えば、(i−a)第1絶縁性粒子6aが第1の材料61のみから構成され、第2絶縁性粒子6bが第2の材料62のみから構成された組み合わせ、(i−b)第1の材料以外の材料からなる芯粒子の表面を第1の材料61で被覆した第1絶縁性粒子6aと、第2の材料62のみから構成された第2絶縁性粒子6bとの組み合わせ、(i−c)第1の材料61のみから構成された第1絶縁性粒子6aと、第2の材料以外の材料からなる芯粒子の表面を第2の材料62で被覆した第2絶縁性粒子6bとの組み合わせ、又は、(i−d)第1の材料以外の材料からなる芯粒子の表面を第1の材料61で被覆した第1絶縁性粒子6aと、第2の材料以外の材料からなる芯粒子の表面を第2の材料62で被覆した第2絶縁性粒子6bとの組み合わせ等が挙げられる。
これらのうち、絶縁層6は、前記(i−a)の態様であることが好ましい。つまり、本形態における絶縁層6は、第1の材料61のみからなる第1絶縁性粒子6aと、第2の材料62のみからなる第2絶縁性粒子6bとを有することが好ましい。このような構成とすることによって、被覆粒子1の製造コストを下げつつ、製造効率を高めることができる。また、第1の材料61どうしの間に第2の材料62が配置されやすくなるので、その結果、緻密な絶縁層を得ることができ、目的とする導通方向以外の方向での絶縁性が向上する。これに加えて、導電性粒子と絶縁層との密着性を高くすることができ、被覆粒子を含む導電性材料と電極との圧着の際に、目的とする導通方向以外の方向への絶縁性を維持しつつ、目的とする導通方向への導通信頼性をより効果的に発現させることができる。
絶縁層6を二種以上の絶縁性粒子で形成する場合、各絶縁性粒子は、導電性粒子5の粒子径よりも小さいものであることが、目的とする導通方向以外の方向への絶縁性を維持しつつ、目的とする導通方向への導通信頼性をより効果的に発現させる点で好ましい。
第1絶縁性粒子6a及び第2絶縁性粒子6bの粒子径は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。粒子径が互いに同じである各絶縁性粒子6a,6bを用いることによって、各絶縁性粒子6a,6bが導電性粒子5の表面に均一に被覆されやすくなるので、導電性接着剤や異方性導電膜中での被覆粒子の凝集が抑えられ、該粒子が均一的に配列されやすくなるといった効果が奏されるとともに、導電性粒子と絶縁層との密着性を高くして、絶縁性を高めることができる。
これに代えて、第1絶縁性粒子6aの平均粒子径D1は、導電性粒子5の平均粒子径D3よりも小さいことを前提として、第2絶縁性粒子6bの平均粒子径D2よりも大きいことが好ましい。絶縁性粒子の平均粒子径が互いに異なっていることによって、第1の材料61どうしの間に第2の材料62が配置されやすくなるので、絶縁層6中の空隙を少なくして緻密な絶縁層を形成することができる。その結果、対向電極間とは異なる方向での短絡を発生させることなく目的とする導通方向以外の方向での絶縁性が一層向上する。
所望の方向への絶縁性と導通信頼性とを両立して優れたものとする観点から、第1絶縁性粒子6aの平均粒子径D1は、好ましくは80nm以上3000nm以下、更に好ましくは100nm以上2000nm以下である。同様の観点から、第2絶縁性粒子6bの平均粒子径D2は、好ましくは10nm以上120nm以下、更に好ましくは15nm以上80nm以下である。また同様の観点から、導電性粒子5の平均粒子径D3は、好ましくは0.1μm以上50μm以下、更に好ましくは0.5μm以上30μm以下である。第3ポリマーを含む絶縁性粒子を含む場合、上述の第2絶縁性粒子の平均粒子径に関する説明が適宜適用される。
上述した平均粒子径D1ないしD3は、走査型電子顕微鏡を用いて、測定対象の粒子を200個測定したときの粒子径の平均値である。走査型電子顕微鏡画像において測定対象の粒子が球状である場合、粒子径は、粒子の二次元投影像を横断する線分のうち最も大きい長さ(最大長さ)をいう。本形態における絶縁層の厚みは、絶縁性粒子のうち、最も平均粒子径が大きい絶縁性粒子の平均粒子径を絶縁層の厚みとみなすことができる。
上述した(i)の態様に代えて、被覆粒子1における絶縁層6は、(ii)複数の第1絶縁性粒子6aと、第2の材料62からなる皮膜6cとが、導電性粒子5の表面に配置された形態であり得る。本形態では、第1絶縁性粒子6aと皮膜6cとが接触して配されており、絶縁層6における第1絶縁性粒子6aと皮膜6cとの境界は明瞭である。また、皮膜6cは好ましくは連続皮膜である。絶縁層がこのような構成であっても、本発明の効果は十分に奏される。本形態における第1絶縁性粒子6aは、前記(i)の形態における第1絶縁性粒子6aに関する説明が適宜適用される。
前記(ii)の絶縁層の形態としては、例えば、(ii−1)導電性粒子5の表面が皮膜6cによって被覆され、且つ皮膜6cの外面に第1絶縁性粒子6aが複数配されている形態や、(ii−2)導電性粒子5の表面に第1絶縁性粒子6aが複数配されて粒子層を形成し、該粒子層の表面に皮膜6cが配されている形態等が挙げられる。前記(ii−1)の場合、被覆粒子1の最表面に配置されている第1絶縁性粒子6aは、皮膜6cの外表面上にのみ存在していてもよく、第1絶縁性粒子6aの一部又は全部が皮膜6c中に埋没して、第1絶縁性粒子6aどうしの隙間に皮膜6cが配されていてもよく、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。特に、導電性粒子5と絶縁層6との密着性を高めるとともに、絶縁層6による被覆粒子1の被覆率を高めて、意図しない方向への導通を一層効果的に防ぐ観点から、第1絶縁性粒子6aどうしの隙間に皮膜6cが配された形態であることが一層好ましい。
第1絶縁性粒子6aと皮膜6cとによって絶縁層6を形成したときの各材料の組み合わせとしては、例えば、(ii−a)イオン性基を有する有機ポリマーからなる表面を有する第1絶縁性粒子6aと、イオン性基を有する有機ポリマーからなる皮膜6cとの組み合わせ、(ii−b)イオン性基を有する有機ポリマーからなる表面を有する第1絶縁性粒子6aと、無機化合物からなる皮膜6cとの組み合わせ、(ii−c)無機化合物からなる第1絶縁性粒子6aと、イオン性基を有する有機ポリマーからなる皮膜6cとの組み合わせ、又は、(ii−d)無機化合物からなる第1絶縁性粒子6aと、無機化合物からなる皮膜6cとの組み合わせ等が挙げられる。これらのうち、所望の方向への絶縁性と導通信頼性とを両立して優れたものとする観点から、本形態における絶縁層は、前記(ii−a)の形態であることが好ましい。つまり、イオン性基を有する有機ポリマーからなる表面を有する第1絶縁性粒子6aと、イオン性基を有する有機ポリマーからなる皮膜6cとの組み合わせであることが好ましい。本形態における皮膜6cは、その厚みが均一であってもよく、不均一であってもよい。
同様の観点から、皮膜6cの厚みは、第1絶縁性粒子6aの平均粒子径D1よりも小さいことが好ましく、詳細には、より好ましくは10nm以上120nm以下、更に好ましくは15nm以上80nm以下である。皮膜6cの厚みが不均一である場合、皮膜6cの厚みは、その最大の厚みと最小の厚みとの双方が上述の範囲であればよい。本形態における絶縁層6の厚みは、例えば、皮膜6cが形成された被覆粒子を2つに切断し、その切り口の断面をSEM観察する方法で測定することができる。
上述した(i)及び(ii)の態様に代えて、絶縁層6は、第1の材料61及び第2の材料62を含む複合皮膜6dが導電性粒子5の表面に配置された形態であり得る。すなわち、本形態における絶縁層6は、第1の材料61及び第2の材料62が均一又は不均一に混合された複合皮膜6dである。また、複合皮膜6dは好ましくは連続皮膜である。図2(d)に示す複合皮膜6dは、説明の便宜上、第1の材料61及び第2の材料62の境界が明瞭に表されているが、本形態の複合皮膜6dに含まれる各材料61,62の境界は不明瞭になっていてもよい。本形態において、複合皮膜6dにおける各材料61,62は均一に相溶して存在していてもよく、皮膜中で各材料61,62の存在割合が異なる部位を有するように不均一に存在していてもよい。複合皮膜6dは、その厚みが均一であってもよく、不均一であってもよい。絶縁層がこのような構成であっても、本発明の効果は十分に奏される。
所望の方向への絶縁性と導通信頼性とを両立して優れたものとする観点から、複合皮膜6dの厚みは、その最大値が、好ましくは80nm以上3000nm以下、更に好ましくは100nm以上2000nm以下であり、その最小値が、好ましくは10nm以上120nm以下、更に好ましくは15nm以上80nm以下である。複合皮膜6dからなる絶縁層6の厚みは、上述の(ii)の形態と同様の方法で測定することができる。
絶縁層に絶縁性粒子を含む場合、絶縁性粒子の粒度分布は幅がある。一般に、粉体の粒度分布の幅は、下記計算式(I)で示される変動係数(Coefficient of Variation、以下「C.V.」とも記載する)により表わされる。
C.V.(%)=(標準偏差/平均粒子径)×100・・・(I)
このC.V.が大きいということは粒度分布に幅があることを示し、一方、C.V.が小さいということは粒度分布がシャープであることを示す。本実施形態の被覆粒子は、C.V.が好ましくは0.1%以上20%以下、より好ましくは0.5%以上19%以下の絶縁性粒子を用いることが望ましい。C.V.がこの範囲であることにより、絶縁性粒子を含む絶縁層の厚みを均一にできる利点がある。
被覆粒子1に、芯材2の表面に導電性皮膜3が形成された導電性粒子5を用いる場合、絶縁層6のガラス転移温度は、芯材2のガラス転移温度よりも低いことが好ましい。このような構成とすることで、絶縁層6と導電性粒子5との密着性及び付着性を高めることができる。
芯材として粒子状の有機物を用いる場合、ガラス転移温度を有しないか、或いは、そのガラス転移温度は100℃超であることが、異方導電接続工程において芯材粒子の形状が維持されやすいことや導電性皮膜を形成する工程において芯材粒子の形状を維持しやすい点から好ましい。また芯材粒子がガラス転移温度を有する場合、ガラス転移温度は、200℃以下であることが、異方導電接続において導電性粒子が軟化しやすく接触面積が大きくなることで導通が取りやすくなる点から好ましい。この観点から、芯材粒子がガラス転移温度を有する場合、ガラス転移温度は、100℃超180℃以下であることがより好ましく、100℃超160℃以下であることが特に好ましい。ガラス転移温度は、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
芯材粒子として有機物を用いる場合において、その有機物が高度に架橋した樹脂であるときは、ガラス転移温度は下記実施例に記載の方法にて200℃まで測定を試みても、ほとんど観測されない。本明細書中ではこのような粒子を、ガラス転移点を有しない粒子ともいう。前記のこのようなガラス転移温度を有しない芯材粒子材料の具体例としては、前記で例示した有機物を構成する単量体に架橋性の単量体を併用して共重合させて得ることができる。
同様の観点から、芯材がガラス転移温度を有する場合、絶縁層のガラス転移温度と芯材のガラス転移温度との差は、160℃以下であることが好ましく、120℃以下であることがより好ましく、100℃以下であることが特に好ましい。また、絶縁層のガラス転移温度と芯材のガラス転移温度との差は、5℃以上であることが好ましく、10℃以上であることがより好ましい。
ガラス転移温度の測定方法は、例えば以下の方法が挙げられる。
示差走査熱量計「STAR SYSTEM」(METTLER TOLEDO社製)を用いて、試料0.04〜0.06gを、200℃まで昇温し、その温度から降温速度5℃/minで25℃まで冷却した。次いで試料を昇温速度5℃/minで昇温し、熱量を測定した。ピークが観測されるときはそのピークの温度を、ピークが観測されずに段差が観測されるときは該段差部分の曲線の最大傾斜を示す接線と該段差の高温側のベースラインの延長線との交点の温度をガラス転移温度とした。
以下に、被覆粒子の好適な製造方法について説明する。本製造方法は、非導電性の第1の材料61及び非導電性の第2の材料62を含む絶縁層形成組成物と、導電性粒子5とを混合して、導電性粒子5の表面に第1の材料61及び第2の材料62を含む絶縁層6を形成させる工程を有する。以下の説明では、説明の便宜上、第1の材料61及び第2の材料62がともに有機ポリマーからなる場合を例にとり説明する。本製造方法の一実施形態として、イオン性基を有するモノマー組成物をそれぞれ重合させて、ゼータ電位の極性が互いに反対である非導電性の有機ポリマーを少なくとも二種形成し、これらのポリマーと導電性粒子とを混合して、導電性粒子5の表面に第1の材料61及び第2の材料62を含む絶縁層6を形成させる。
まず、導電性粒子を用意する。芯材2の表面に導電性皮膜3を形成して導電性粒子5とする場合、芯材の表面に導電性皮膜を形成する方法としては、例えば、芯材粒子に対して、蒸着法、スパッタ法、メカノケミカル法、ハイブリダイゼーション法等を利用する乾式法、電解めっき法、無電解めっき法等を利用する湿式法が挙げられ、これらの方法は単独で又は複数組み合わせて行うことができる。これに代えて、導電性粒子は、市販のものを用いてもよい。
また、上述の工程の前若しくは後、又は上述の工程と同時に、イオン性基を有するモノマー組成物をそれぞれ重合させて、イオン性基を有する非導電性の有機ポリマーを複数形成する。このような有機ポリマーをそれぞれ製造する場合には、例えば、カチオン性基又はアニオン性基を構造中に有するモノマーを含むモノマー組成物を作製し、該モノマー組成物をそれぞれ重合に供すればよい。
絶縁層の所望の物性に応じて、モノマー組成物には、架橋性モノマー及び非架橋性モノマーの少なくとも一種を含むことも好ましい。このようなモノマー組成物とすることによって、形成される絶縁層の表面に、好ましくは絶縁性粒子の表面にイオン性基を有するものを製造することができる。
重合方法としては、例えば乳化重合、ソープフリー乳化重合、分散重合、懸濁重合等が挙げられる。これらのうち、単分散の粒子状のポリマーを界面活性剤を使用せずに効率良く得る観点から、ソープフリー乳化重合によって重合することが好ましい。ソープフリー乳化重合の場合、重合開始剤としては、水溶性開始剤が用いられる。重合は窒素やアルゴン等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。ゼータ電位の極性が互いに反対である非導電性の有機ポリマーをそれぞれ形成するためには、電荷の異なるイオン性基を含有するモノマーを含むモノマー組成物をそれぞれ重合させることによって行うことができる。
詳細には、第1の材料として、カチオン性基及びアニオン性基のうち一方を構造中に有するモノマーを含むモノマー組成物を重合させて一方の有機ポリマー(以下、これを「第1ポリマー」ともいう。)を製造する。これとともに、第2の材料として、カチオン性基及びアニオン性基のうち他方を構造中に有するモノマーを含むモノマー組成物を重合させて他方の有機ポリマー(以下、これを「第2ポリマー」ともいう。)を製造すればよい。本工程によって得られる各有機ポリマーの形状は、好ましくは粒子状である。これによって、第1の材料61である第1ポリマーのみからなる第1絶縁性粒子と、第2の材料62である第2ポリマーのみからなる第2絶縁性粒子が形成される。必要に応じて、本工程によって得られた各有機ポリマーは、篩分け、洗浄等の後工程を行ってもよい。
次に、上述の工程で得られた異なる電荷を有する各有機ポリマーと導電性粒子とを混合して、導電性粒子の表面に異なる電荷を有する各有機ポリマーを含む絶縁層を備える被覆粒子を得る。上述の有機ポリマーからなる第1絶縁性粒子及び第2絶縁性粒子を用いた場合、例えば、二種の絶縁性粒子と、導電性粒子とを混合して、導電性粒子5の表面に、第1ポリマーのみからなる絶縁性粒子と、第2ポリマーのみからなる絶縁性粒子とを含む絶縁層6を備える被覆粒子を形成させる。
上述のポリマーとして前記第1ポリマー及び第2ポリマーの二種の絶縁性粒子を用いた場合、例えば、第1ポリマー及び第2ポリマーの仕込みの比率は、質量比で第1ポリマー:第2ポリマー=1:99〜99:1が好ましく、5:95〜95:5が更に好ましい。この範囲であると、絶縁層を好適に形成することができる。
絶縁性粒子と導電性粒子との混合は、分散媒中にこれらの粒子を加えて分散液とすることが好ましい。分散媒としては、水、有機溶媒及びこれらの混合物が挙げられ、水、エタノール、又はエタノールと水との混合液が好ましく用いられる。
絶縁性粒子と導電性粒子との混合方法は、例えば以下の混合方法(A)ないし(C)が挙げられる。いずれの場合であっても、図2(a)又は(b)に示す被覆形態を有する被覆粒子1を製造することができる。
(A)一方の絶縁性粒子と導電性粒子とを任意の順序で分散媒に分散させた中間反応液中で中間被覆粒子を形成した後、他方の絶縁性粒子を該中間反応液に更に添加し分散させて、目的とする被覆粒子を形成する。
(B)二種の絶縁性粒子、又は導電性粒子を分散媒に分散させて中間分散液とし、該中間分散液に他方の粒子を添加して、目的とする被覆粒子を形成する。
(C)二種の絶縁性粒子並びに導電性粒子を分散媒に同時に混合して、目的とする被覆粒子を形成する。
これらのうち、イオン性基の電気的引力に起因した第1絶縁性粒子及び第2絶縁性粒子の意図しない凝集を防いで、均一且つ被覆率の高い絶縁層を形成させる観点から、前記(A)に示す混合方法で粒子の混合を行うことが好ましい。
分散液は無機塩、有機塩又は有機酸を含有することが、絶縁層の被覆率が一定以上の被覆粒子を得やすい点から好ましい。無機塩、有機塩又は有機酸としては、陰イオンを解離するものが好適に用いられる。陰イオンとしては、Cl、F、Br、I、SO 2−、CO 2−、NO 、COO、RCOO(Rは有機基)等が好適である。無機塩としては、例えばNaCl、KCl、LiCl、MgCl、BaCl、NaF、KF、LiF、MgF、BaF、NaBr、KBr、LiBr、MgBr、BaBr、NaI、KI、LiI、MgI、BaI、NaSO、KSO、LiSO、MgSO、NaCO、NaHCO、KCO、KHCO、LiCO、LiHCO、MgCO、NaNO、KNO、LiNO、MgNO、BaNO等を用いることができる。また有機塩としては、シュウ酸Na、酢酸Na、クエン酸Na、酒石酸Na等を用いることができる。有機酸としてはグリシン等のアミノ酸や、コハク酸、シュウ酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸等を用いることができる。
好ましい無機塩、有機塩及び有機酸の濃度は、導電性粒子表面積において絶縁性粒子が占める被覆面積としてどの程度とするかにより異なるが、導電性粒子混合後の分散液中において、例えば、0.1mmol/L以上100mmol/L以下となる濃度であると、好適な被覆率を有し、また絶縁性粒子が単層である被覆粒子を得やすいために好ましい。この観点から、当該分散液中の無機塩、有機塩及び有機酸の濃度は1.0mmol/L以上80mmol/L以下であることが特に好ましい。
絶縁性粒子と導電性粒子とを含む分散液において、導電性粒子は質量基準で100ppm以上100000ppm以下含有されていることが好ましく、500ppm以上80000ppm以下含有されていることがより好ましい。また、絶縁性粒子は、質量基準で10ppm以上50000ppm以下含有されていることが好ましく、250ppm以上30000以下含有されていることがより好ましい。絶縁性粒子として、上述した第1絶縁性粒子及び第2絶縁性粒子のように二種以上の粒子を用いる場合は、これらの質量の合計が上述した範囲であればよい。
品質が一定な被覆粒子を得る観点から、分散液の温度は、絶縁性粒子と導電性粒子との混合時において、20℃以上100℃以下であることが好ましく、40℃以上100℃以下であることが更に好ましい。特に、最も低いガラス転移温度を有するポリマーのガラス転移温度をTg(℃)としたときに、分散液の温度は、Tg−30℃以上Tg+30℃以下であることが好ましい。この範囲であると、絶縁性粒子がその形状を維持しながら導電性粒子の表面に密着しやすくなる。特に、絶縁性粒子と、導電性粒子との親和性をより一層高めることができるので、被覆率が十分に高い被覆粒子を製造することができる。
分散液における分散時間は、好ましくは0.1時間以上24時間以下とすることによって、絶縁性粒子と導電性粒子とを十分に付着させることができる。この間、分散液を撹拌することが好ましい。この後、必要に応じて、分散液の固形分を、洗浄、乾燥することによって、絶縁性粒子が導電性粒子の表面に付着した被覆粒子が得られる。このように得られた被覆粒子は、導電性粒子の表面に、互いに電荷の異なる第1ポリマー及び第2ポリマーの二種の絶縁性粒子が複数付着した絶縁層が形成されているものである。
絶縁層に連続皮膜を形成する場合には、上述した二種の絶縁性粒子が導電性粒子の表面に複数付着した被覆粒子に対して、有機溶媒による処理を行うか、又は加熱処理を行うことによって、二種の絶縁性粒子のうち少なくとも一方を流動性が高い状態にして、導電性粒子の表面を膜状に被覆した絶縁層を形成することができる。絶縁層を膜状に形成することによって、絶縁層と導電性粒子との密着性をより高くすることができ、絶縁性がより高いものとなる。
また、絶縁性粒子が導電性粒子表面に付着した被覆粒子は、その分散液に有機溶剤を添加することによっても、絶縁性粒子を流動状態にすることができるため、導電性粒子表面を膜状に被覆することができる。絶縁性粒子を溶解させる場合、この有機溶剤としてはテトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。有機溶剤の添加量としては、絶縁性粒子が脱落することなく均一な膜状を形成しやすい点から、分散液中の被覆粒子1質量部に対して1質量部以上100質量部以下であることが好ましく、5質量部以上50質量部以下であることがより好ましい。添加温度としては、絶縁性粒子が脱落することなく均一な膜を形成しやすい点から、10℃以上100℃以下が好ましく、20℃以上80℃以下がより好ましい。また添加してから膜状にさせる時間としては、均一な膜を形成させる点から、0.1時間以上24時間以下であることが好ましい。このようにして、図2(c)に示すように、絶縁性粒子6aと皮膜6cとを有する絶縁層を好適に形成することができる。有機溶剤の添加によって絶縁性粒子を流動状態とする場合、粒子の形態が残存した絶縁層を形成させるためには、例えば第1の材料及び第2の材料のうち一方に有機溶剤に耐性を有する材料を用いればよい。
被覆粒子を加熱する方法としては、絶縁性粒子を導電性粒子表面に付着させた後の分散液を加温する方法や、得られた被覆粒子を水などの溶媒中に再度分散させて、該溶媒中で加温する方法、得られた被覆粒子を不活性ガスなどの気相中で加温する方法等が挙げられる。加熱温度としては、絶縁性粒子が脱落することなく均一な膜を形成しやすい点から、絶縁性粒子を構成する最も低いガラス転移温度を有するポリマーのガラス転移温度をTg(℃)としたときに、Tg+1℃以上Tg+60℃以下が好ましく、Tg+5℃以上Tg+50℃以下がより好ましく、Tg+15℃超であることが最も好ましい。加熱時間としては、均一な膜を形成しやすい点から、0.1時間以上24時間以下であることが好ましい。また、被覆粒子を気相中で加温する場合、その圧力条件は大気圧下、減圧下又は加圧下で行うことができる。このようにして、図2(d)に示すように、二種以上の構成材料を含む複合皮膜6dを有する絶縁層を好適に形成することができる。
導電性粒子表面を膜状に被覆した被覆粒子は、連続皮膜をより安定化させるために、アニーリング処理を行ってもよい。アニーリング処理の方法としては、被覆粒子を不活性ガスなどの気相中で加温する方法等が挙げられる。加熱温度としては、絶縁性粒子を構成する最も低いガラス転移温度を有するポリマーのガラス転移温度をTg(℃)としたときに、Tg+1℃以上Tg+60℃以下が好ましく、Tg+5℃以上Tg+50℃以下がより好ましい。加熱雰囲気としては特に制限されず、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気又は空気等の酸化性雰囲気において、大気圧下、減圧下又は加圧下の何れの条件で行うこともできる。
第1の材料61及び第2の材料62のうち少なくとも一方に無機化合物を用いる場合、例えば、ゼータ電位の極性が異なる二種の無機化合物粒子と、導電性粒子とを混合して、反応させればよい。無機化合物粒子と、導電性粒子との混合方法は、上述した混合方法(A)ないし(C)のいずれかを採用することができる。
以上、好ましい製造方法を説明したが、本発明の被覆粒子は他の製造方法によっても製造することができる。例えば、イオン性基を有しない絶縁性粒子を予め重合反応により製造し、得られた絶縁性粒子をイオン性基を有する化合物と反応させる等して、絶縁性粒子表面にイオン性基を有する非導電性材料を導入し、その後、該絶縁性粒子と導電性粒子とを混合して反応させてもよい。
以上のようにして得られた被覆粒子は、絶縁性を有する第1の材料61と、絶縁性を有する第2の材料62とを含んで構成され、かつ各材料61,62のゼータ電位の極性が異なるような絶縁層を有することで、導通信頼性を保ちつつ導電性粒子との密着性が高まったものとなる。本発明の被覆粒子は、導電性接着剤、異方性導電膜、異方性導電接着剤等の導電性材料として好適に使用される。これらの導電性材料は、本発明の被覆粒子と、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の絶縁性樹脂とを含んでおり、好ましくはこれらが混合されてなる。導電性材料は、必要に応じて、樹脂硬化剤や有機溶剤を更に含んでいてもよい。
以下、本発明を実施例により説明する。しかしながら本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。例中の特性は下記の方法により測定した。
(1)平均粒子径
測定対象の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(絶縁性粒子は倍率100000倍、導電性粒子は倍率10000倍、被覆粒子は倍率10000倍)から、任意に200個の粒子を抽出して、それらについて上記の粒子径を測定し、その算術平均値を平均粒子径とした。
(2)C.V.(変動係数)
前記平均粒子径の測定から、下記式により求めた。
C.V.(%)=(標準偏差/平均粒子径)×100
(3)ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量測定装置(METTLER TOLEDO社製、STAR SYSTEM)にて昇降温速度5℃/min、窒素雰囲気下、測定温度25℃から200℃までの熱量変化を上記の手順で測定した。
(4)絶縁層の最大厚み
絶縁層の最大厚みは、上述した方法で測定した。
(5)絶縁層における第1の材料及び第2の材料の含有質量比
第1の材料を含む第1絶縁性粒子及び第2の材料を含む第2絶縁性粒子を用いた場合において、下記式により各絶縁性粒子の質量を算出し、その割合を含有比とした。なお、絶縁性粒子を皮膜に加工した被覆粒子は、皮膜にする前の粒子の状態で測定した値を含有比とした。
絶縁性粒子の含有量(質量部)=体積(cm)×比重(g/cm)×個数
体積:上述の方法で測定した平均粒子径から絶縁性粒子を球体と見立てて体積を求めた。
比重:比重測定装置(Micromeritics社製、AccuPyc II 1340)で絶縁性粒子の比重を測定した。
個数:被覆粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(倍率10000倍)において、任意に20個の粒子を抽出して、それらに付着している第1絶縁性粒子及び第2絶縁性粒子のそれぞれの個数をカウントした。
〔実施例1〕
[工程1.第1の材料の製造]
長さ60mmの撹拌羽根を取り付けた200mLの4つ口フラスコに、純水を100mL投入した。その後、架橋性モノマーとしてジビニルベンゼンモノマー(新日鉄住金株式会社製)15.0mmol、非架橋性モノマーとしてスチレンモノマー(関東化学(株)社製)30.0mmol、及びn−ブチルアクリレート(関東化学(株)社製)5.3mmol、4−(ビニルベンジル)トリエチルホスホニウムクロライド(日本化学工業(株)社製)0.03mmol、並びに重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(和光純薬工業社製、V−50)0.50mmolを投入した。窒素を15分間通気し、溶存酸素を追い出した後、60℃に昇温し、6時間保持して重合反応を進行させた。重合後の微粒子の分散液を目開き150μmのSUS篩にかけ、凝集物を除去した。凝集物を除去した分散液を、遠心分離機(日立工機(株)社製、CR−21N)にて20,000rpm、20分間の条件にて遠心分離して微粒子を沈降させ、上澄み液を除去した。得られた固形物に純水を加えて洗浄して、非導電性の第1の材料61を得た。本工程で製造された第1の材料61は、ポリ(スチレン/ジビニルベンゼン/n−ブチルアクリレート/4−(ビニルベンジル)トリエチルホスホニウムクロライド)の有機ポリマーのみからなる球状の第1絶縁性粒子であった。得られた第1絶縁性粒子は、これを純水に分散させて、25℃、pH7.0の分散液とし、上述の測定装置で該分散液を測定したときのゼータ電位が+50mVであり、粒子表面が正電荷を有していた。第1絶縁性粒子の平均粒子径は220nmであり、C.V.が9.7%であった。
[工程2.第2の材料の製造]
上述した第1の材料の製造工程において、ジビニルベンゼン量を0.25mmolとし、4−(ビニルベンジル)トリエチルホスホニウムクロライドに代えて、ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.03mmolとし、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(和光純薬工業社製、V−50)に代えて、ペルオキソ二硫酸カリウムとした以外は工程1と同じ方法で第2の材料を製造した。本工程で製造された第2の材料62は、ポリ(スチレン/ジビニルベンゼン/n−ブチルアクリレート/ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム)の有機ポリマーのみからなる球状の第2絶縁性粒子であった。得られた第2絶縁性粒子は、これを純水に分散させて、25℃、pH7.0の分散液とし、上述の測定装置で該分散液を測定したときのゼータ電位が−45mVであり、粒子表面が負電荷を有していた。第2絶縁性粒子の平均粒子径は200nmであり、C.V.が9.5%であった。
[工程3.被覆粒子の製造]
芯材として、架橋性のアクリル樹脂(ガラス転移温度:120℃)からなる球状粒子を用い、該芯材粒子の表面に厚さが0.125μmのニッケルからなる導電性皮膜を有する、平均粒子径が3μmであり、表面が平滑な導電性粒子(Niめっき粒子;日本化学工業株式会社製)を用意した。前記Niめっき粒子5.0gに純水100mLを投入し、撹拌してNiめっき粒子の分散液を得た。この分散液に、第1絶縁性粒子25mgと、NaSOとを添加して第1絶縁性粒子を含む中間反応液とし、これを40℃で30分間撹拌した。中間反応液中、第1絶縁性粒子の固形分濃度は、質量基準で5000ppmであり、NaSOの濃度は5mmol/Lであった。その後、固液分離して新たな純水を加え洗浄する操作を3回繰り返した。洗浄後、純水100mLを投入し撹拌して得られた中間反応液に、第2絶縁性粒子25mgを添加して第2絶縁性粒子を含む反応液とし、これを40℃で30分間撹拌した。反応液中、第2絶縁性粒子の固形分濃度は、質量基準で5000ppmであった。上澄み液を除去後、固液分離して新たな純水を加え洗浄する操作を3回繰り返した後、50℃で真空乾燥して被覆粒子を得た。得られた被覆粒子は、導電性粒子5の表面に二種の複数の絶縁性粒子が均一かつ緻密に配列されていた。被覆粒子の平均粒子径は3.4μmであった。得られた被覆粒子における絶縁性粒子の被覆率を下記方法にて求めた。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
実施例1において、工程3の被覆粒子の製造工程の条件を平均高さ0.1μmの多数の突起部を有するNiめっき粒子に変更した他は、実施例1と同様に被覆粒子を製造した。得られた被覆粒子は、図2(b)に示すように、導電性粒子の表面に第1絶縁性粒子6aが複数配された粒子層を有し、第1絶縁性粒子6aからなる粒子層の外面に第2絶縁性粒子6bが複数配されているものであった。被覆粒子の平均粒子径は3.4μmであった。
〔実施例3〕
実施例1で得られた被覆粒子1.0gを、純水20mL中に投入して分散液を得た。この分散液にテトラヒドロフラン10mLを加え、室温で6時間撹拌した。撹拌終了後、目開きが2μmのメンブレンフィルターにより固形物を分離して乾燥して、導電性粒子の表面に平均粒子径が220nmの第1絶縁性粒子6aと、第1絶縁性粒子6aどうしの隙間を厚さ50nmの皮膜6cによって被覆した絶縁層6を有する被覆粒子1を得た。得られた被覆粒子1は、図2(c)に示すように、導電性粒子5の表面に複数の第1絶縁性粒子6aと、各第1絶縁性粒子6aの隙間に連続した皮膜6cが形成されているものであった。被覆粒子の平均粒子径は3.4μmであった。
〔比較例1〕
実施例1において、第2絶縁性粒子を用いずに、第1絶縁性粒子のみで被覆粒子を製造した他は、実施例1と同様に被覆粒子を製造した。得られた被覆粒子は、導電性粒子の表面に一種の絶縁性粒子が複数配されているものであった。被覆粒子の平均粒子径は3.4μmであった。
〔比較例2〕
実施例1において、第1絶縁性粒子を用いずに、第2絶縁性粒子のみで被覆粒子を製造した他は、実施例1と同様に被覆粒子を製造した。得られた被覆粒子は、導電性粒子の表面に一種の絶縁性粒子が複数配されているものであった。被覆粒子の平均粒子径は3.4μmであった。
〔被覆率の評価〕
実施例及び比較例で得られた被覆粒子の被覆率を以下の方法によって算出した。すなわち、被覆粒子のSEM写真画像の反射電子組成(COMPO)像を自動画像解析装置(株式会社ニレコ製、ルーゼックス(登録商標)AP)に取り込み、前記COMPO像における20個の被覆粒子を対象として被覆粒子の被覆率を算出した。被覆率が高いほど、絶縁層が緻密に形成されていることを示す。結果を表1に示す。
〔密着度の評価〕
実施例及び比較例で得られた被覆粒子1gを純水100mLに加え、超音波装置(VELVO−CLEAR社製、VS−D100)にて発振周波数24kHzの条件で超音波処理を2分間行って得られた被覆粒子を、前記被覆率の評価と同じ方法で被覆率を算出し、下記式により密着度を算出して密着性の評価とした。密着度の数値が高いほど、超音波処理による絶縁性粒子の脱落が少ないので、導電性粒子と絶縁性粒子との密着性が高いことを意味する。結果を表1に示す。
密着度(%)=(超音波処理後の被覆率/超音波処理前の被覆率)×100
〔導通性及び絶縁性の評価〕
実施例及び比較例の被覆粒子を用いて、導通性及び絶縁性の評価を以下の方法で行った。
[導通性の評価]
エポキシ樹脂100質量部、硬化剤150質量部及びトルエン70質量部を混合した絶縁性接着剤と、実施例及び比較例で得られた被覆粒子15質量部とを混合して、絶縁性ペーストを得た。このペーストをシリコーン処理ポリエステルフィルム上にバーコーターを用いて塗布し、その後、ペーストを乾燥させて、フィルム上に薄膜を形成した。得られた薄膜形成フィルムを、全面がアルミニウムを蒸着させたガラス基板と、銅パターンが50μmピッチに形成されたポリイミドフィルム基板との間に配して、電気接続を行った。この基板間の導通抵抗を測定することで、被覆粒子の導通性を室温下(25℃・50%RH)で評価した。抵抗値が低いほど被覆粒子の導通性が高いものであると評価できる。被覆粒子の導通性評価は、抵抗値が2Ω未満であるものを「非常に良好」(表1中、記号「○」で示す。)とし、抵抗値が2Ω以上5Ω未満であるものを「良好」(表1中、記号「△」で示す。)とし、抵抗値が5Ω以上であるものを「不良」(表1中、記号「×」で示す。)とした。結果を表1に示す。
[絶縁性の評価]
微小圧縮試験機MCTM−500(株式会社島津製作所製)を用いて、20個の被覆粒子を対象として、負荷速度0.5mN/秒の条件で実施例及び比較例の被覆粒子を圧縮し、抵抗値が検出されるまでの圧縮変位を測定することで被覆粒子の絶縁性を評価した。抵抗値が検出されるまでの圧縮変位が大きいほど、被覆粒子の絶縁性が高いものであると評価できる。被覆粒子の絶縁性評価は、抵抗値が検出されるまでの圧縮変位の算術平均値が10%以上であるものを「非常に良好」(表1中、記号「○」で示す。)とし、圧縮変位の算術平均値が3%超10%未満であるものを「良好」(表1中、記号「△」で示す。)とし、圧縮変位の算術平均値が3%以下であるものを「不良」(表1中、記号「×」で示す。)とした。結果を表1に示す。
Figure 2021064591
表1に示すように、本発明の被覆粒子は、絶縁層の被覆率且つ密着性が高く形成されているので、絶縁性に優れるとともに、導通信頼性にも優れていることが判る。

Claims (16)

  1. 表面が導電性を有する導電性粒子と、該導電性粒子を被覆する絶縁層とを備え、
    前記絶縁層が、非導電性の第1の材料と非導電性の第2の材料とを含み、
    第1の材料と第2の材料とは、25℃、pH7の条件で測定されたゼータ電位の極性が互いに反対である被覆粒子。
  2. 第1の材料がイオン性基を有する有機ポリマーからなるか、又は無機化合物からなる請求項1に記載の被覆粒子。
  3. 第2の材料がイオン性基を有する有機ポリマーからなるか、又は無機化合物からなる請求項1又は2に記載の被覆粒子。
  4. 前記絶縁層が、第1の材料からなる表面を有する複数の第1絶縁性粒子と、第2の材料からなる表面を有する複数の第2絶縁性粒子とを含む請求項1ないし3のいずれか一項に記載の被覆粒子。
  5. 第1絶縁性粒子の平均粒子径が、第2絶縁性粒子の平均粒子径よりも大きい、請求項4に記載の被覆粒子。
  6. 前記絶縁層が、第1の材料からなる表面を有する複数の第1絶縁性粒子と、第2の材料からなる皮膜とを含む請求項1ないし3のいずれか一項に記載の被覆粒子。
  7. 第1絶縁性粒子どうしの隙間に前記皮膜が配されている請求項6に記載の被覆粒子。
  8. 第1の材料又は第2の材料がカチオン性基を有する有機ポリマーからなる請求項1ないし7のいずれか一項に記載の被覆粒子。
  9. 前記カチオン性基がアンモニウム基又はホスホニウム基である請求項8に記載の被覆粒子。
  10. 第1の材料又は第2の材料がアニオン性基を有する有機ポリマーからなる請求項1ないし7のいずれか一項に記載の被覆粒子。
  11. 前記アニオン性基がカルボキシ基、スルホン酸基又はリン酸基である請求項10に記載の被覆粒子。
  12. 前記有機ポリマー中の前記カチオン性基及び前記アニオン性基が結合したモノマー成分の割合が、0.01モル%以上99モル%以下である請求項8ないし11のいずれか一項に記載の被覆粒子。
  13. 前記導電性粒子の表面が、ニッケル、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル合金、金合金、銀合金、銅合金及びパラジウム合金から選ばれる少なくとも一種からなる請求項1ないし12のいずれか一項に記載の被覆粒子。
  14. 請求項1ないし13のいずれか一項に記載の被覆粒子と、絶縁性樹脂とを含む導電性材料。
  15. 非導電性の第1の材料と非導電性の第2の材料とを含む絶縁層形成組成物と、導電性粒子とを混合して、第1の材料及び第2の材料を含む絶縁層を該導電性粒子の表面に形成する工程を備え、
    第1の材料及び第2の材料は、25℃、pH7の条件で測定されたゼータ電位の極性が互いに反対であるものを用いる、被覆粒子の製造方法。
  16. 前記第1の材料及び前記第2の材料は、ともにイオン性基を有する有機ポリマーである、請求項15に記載の被覆粒子の製造方法。

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