JP2021063958A - フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】センサーが受発光する光を透過しつつ意匠性の高いフィルムの提供。【解決手段】少なくとも一方の面が、波長900〜1000nmおよび1500〜1600nmの光の透過率が70%以上であり、分光測色計の反射物体色測定で測定される彩度が20以上であるフィルムで、ポリエステル樹脂(樹脂A)を主成分とする層(A層)と、前記樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂(樹脂B)を主成分とする層(B層)を交互に51層以上積層した積層構成部を有することで目的の透過率が得られる。【選択図】なし
Description
本発明は、赤外線を透過する高彩度のフィルムおよび光学センサーに関する。
赤外線を用いたセンサーや通信技術は、家電製品のリモコンによる操作、携帯電話やノートパソコンによる情報伝達、3Dテレビ用シャッターメガネの操作や、自動車の自動運転に活用されるLiDAR(Light Detection and Ranging)など、様々な用途で用いられている。これらの用途では、赤外線受発光部を保護する観点から、カバーパネルが設置されている。しかしながら、カバーパネルが透明である場合、赤外線受発光部が外部から視認されてしまい、意匠性に影響がある。そこで、赤外線受発光部が見えなくなるように、可視光を遮断し赤外光を透過する黒色または暗色の色素を含んだカバーパネルが用いられてきた。しかし、この方法では黒色または暗色しか用いることができないため、意匠に制約があった。
この問題に対して、In、Sn、Zn等を島状に蒸着することによって赤外光を透過しつつ金属調の意匠性を持った赤外線透過カバーパネルが提案されている(特許文献1)。
また、金属酸化物を蒸着した多層膜を用いて可視光の反射率スペクトルを任意に制御し、意匠性を向上させた赤外線受発光部が提案されている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献1などに記載されている金属を蒸着する方法では、可視光の反射率スペクトルは蒸着厚みと材料で決まるため、任意に制御することが難しく、自由に意匠性を施すことは困難であった。
また、一般的に金属酸化物の多層膜は蒸着回数を減らすために、屈折率差の大きな物質が用いられる。しかしながら、屈折率差が大きくなると、多層膜中の各層それぞれの反射率スペクトルの幅が広くなる問題がある。そのため、特許文献2などに記載されている方法では、特定の色のみを反射するような、急峻な反射率スペクトルを作り出すことは非常に困難である。また、携帯電話やノートパソコン等では電磁波を用いた通信も行なわれるため、カバーパネルが電磁波を透過しない場合、機器の設計や意匠性に制限が加わる。そのため、電磁波を透過するカバーパネルが必要とされている。
本発明の課題は、かかる問題を解決するべく、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高いフィルムを提供することを課題としている。
上記課題を解決するために本発明は次のような構成を有する。
すなわち、少なくとも一方の面が、波長900〜1000nmおよび1500〜1600nmの光の透過率が70%以上であり、分光測色計の反射物体色測定で測定される彩度が20以上であるフィルム。
本発明によって、センサーからの光を透過しながらも意匠性の高いフィルムを得ることができる。
以下に本発明について詳細を述べるが、本発明は以下の実施例を含む実施の形態に限定して解釈されるものではなく、発明の目的を達成できて、かつ、発明の要旨を逸脱しない範囲内においての種々の態様は当然本発明の範囲に含まれる。
本発明のフィルムは、少なくとも一方の面が、波長900〜1000nmおよび1500〜1600nmの光の透過率が70%以上であることが必要である。赤外線を用いるセンサー波長としては、家電製品のリモコンの場合であれば940〜950nmの波長が用いられ、LiDARセンサーの場合であれば900〜910nmや1550nm等の波長が用いられる。そのため、波長900〜1000nmおよび1500〜1600nmの光の透過率を70%以上とすると、センサーの反応の阻害を抑制することができる。波長900〜1000nmおよび1500〜1600nmの透過率は、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
また、本発明のフィルムは、波長380nm〜780nmの範囲の光の平均透過率が30%以下であることが好ましい。波長380nm〜780nmの範囲の光の平均透過率が30%以下とすると、本発明のフィルムをセンサーの受発光部に用いた際、センサー受発光部が外部から視認されることを防止しつつ、センサーが受発光する波長の光を透過することでセンサーの機能を維持することができる。より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
また、本発明のフィルムは、分光測色計の反射物体色測定で測定される彩度が20以上であることが必要である。彩度をこのような構成とすることで、色付きが豊かで、意匠性の高いフィルムとすることが出来る。より好ましくは50以上、更に好ましくは70以上である。
本発明のフィルムにおいて、彩度を前述の範囲とする方法は特に限られるものでは無いが、例えば、フィルムに着色樹脂、着色剤、有機溶剤などにより着色した層(着色層)を設けることなどが挙げられる。
本発明のフィルムの着色層の形成に用いられる着色樹脂組成物は、樹脂、着色剤および有機溶剤を含有することが好ましい。
樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、カルド樹脂、シロキサン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリイミド前駆体、ポリアミド樹脂、ノボラック樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩酢ビ樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ニトロセルロース、環化ゴム、塩化ゴム、ロジン、ロジン誘導体などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、着色樹脂組成物の貯蔵安定性や着色膜の耐熱性の観点から、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、シロキサン樹脂が好ましい。
着色剤としては、例えば、有機顔料、無機顔料又は染料が挙げられるが、着色膜の耐熱性、信頼性および耐光性を向上させるためには、有機顔料、無機顔料が好ましい。
有機顔料としては、例えば、ジケトピロロピロール系顔料;アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料;銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料;キナクリドン系顔料;ジオキサジン系顔料;ペリノン系顔料;ペリレン系顔料;チオインジゴ系顔料;イソインドリン系顔料;イソインドリノン系顔料;キノフタロン系顔料;スレン系顔料;金属錯体系顔料などが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、黒色酸化鉄、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレットなどが挙げられる。
染料としては、例えば、アゾ染料、アントラキノン染料、縮合多環芳香族カルボニル染料、インジゴイド染料、カルボニウム染料、フタロシアニン染料、メチン染料、ポリメチン染料などが挙げられる。
黒色の着色剤としては、例えば、黒色有機顔料、混色有機顔料、無機顔料等が挙げられる。黒色有機顔料としては、例えば、カーボンブラック、ペリレンブラック、アニリンブラック、ベンゾフラノン系顔料などが挙げられる。混色有機顔料としては、赤、青、緑、紫、黄色、マゼンダ、シアンなどの色を有する2種以上の顔料を混色して疑似黒色化したものが挙げられる。黒色無機顔料としては、例えば、グラファイト;チタン、銅、鉄、マンガン、コバルト、クロム、ニッケル、亜鉛、カルシウム、銀等の金属の微粒子;上記金属の酸化物、複合酸化物、硫化物、窒化物、酸窒化物などが挙げられる。
白色の着色剤としては、例えば、二酸化チタン、炭酸バリウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、二酸化珪素などが挙げられる。
本発明に用いる着色樹脂組成物の製造方法としては、例えば、分散機を用いて樹脂、着色剤、必要に応じて有機溶剤を含有する樹脂溶液を分散させ、着色剤濃度の高い着色剤分散液を予め調製しておき、さらに樹脂や、必要に応じて感光剤などの他の成分を添加して撹拌する方法が好ましい。必要に応じて濾過を行ってもよい。
樹脂、着色剤、必要に応じて有機溶剤を含有する樹脂溶液を分散させる分散機としては、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー、3本ロールミル、高速度衝撃ミルなどが挙げられる。これらの中でも、分散効率化および微分散化のため、ビーズミルが好ましい。ビーズミルとしては、例えば、コボールミル、バスケットミル、ピンミル、ダイノーミルなどが挙げられる。ビーズミルのビーズとしては、例えば、チタニアビーズ、ジルコニアビーズ、ジルコンビーズが挙げられる。
本発明のフィルムにおいて、着色層は、上記着色樹脂組成物の硬化又は乾燥により形成される膜であることが好ましい。着色樹脂組成物において樹脂に架橋性基が含有される場合、架橋性基は熱および/または光により架橋され、実質的に残存していないことが好ましい。かかる着色膜は、透明基材上に、着色樹脂組成物の塗膜を形成し、熱風オーブン等により加熱処理することにより得ることができる。
本発明の着色樹脂組成物における着色剤の含有量は、固形成分の総合計含有量100重量部に対して、1〜60重量部が好ましい。ここで、固形成分とは樹脂および着色剤とする。着色剤の含有量を1重量部以上とすることにより、より薄膜で可視光遮光性を向上させることができる。着色剤の含有量は、10重量部以上がより好ましい。一方、着色剤の含有量を60重量部以下とすることにより、着色剤の分散安定性を向上させることができる。また、着色膜と他の基材との界面における入射光の反射を抑制し、近赤外線透過性をより向上させることができる。着色剤の含有量は、40重量部以下が好ましく、17重量部以下がより好ましい。
有機溶剤としては、例えば、エーテル類、アセテート類、エステル類、ケトン類、芳香族炭化水素類、アミド類、アルコール類などが挙げられる。
エーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。アセテート類としては、例えば、ブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノールアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3―メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、1,4−ブタンジオールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等が挙げられる。エステル類としては、例えば、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、蟻酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等が挙げられる。ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等が挙げられる。芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレンなどが挙げられる。アミド類としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。アルコール類としては、例えば、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンタノ−ル、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジアセトンアルコール等などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、着色剤をより分散安定化させるため、アセテート類が好ましい。有機溶剤中におけるアセテート類の含有量は、50〜100重量%が好ましく、70〜100重量%がより好ましい。
本発明のフィルムの着色層の形成に用いられる着色樹脂組成物は、さらに高分子分散剤を含有することが好ましい。
高分子分散剤とは、顔料表面への化学的結合または吸着作用を有する顔料親和性基と、親溶媒性を有する高分子鎖または基とを併せ持つものをいう。高分子分散剤は、後述の湿式メディア分散処理において、顔料の分散媒への濡れ性を向上させて顔料の解凝集を促進し、立体障害および/または静電反発効果により粒度および粘度を安定化させ、さらに、着色樹脂組成物の貯蔵時あるいは塗布時の色分離の発生を抑制する効果を奏する。
高分子分散剤としては、例えば、ポリエステル系高分子分散剤、アクリル系高分子分散剤、ポリウレタン系高分子分散剤、ポリアリルアミン系高分子分散剤、カルボジイミド系分散剤、ポリアミド系高分子分散剤などが挙げられる。これらの中でも、アクリル系高分子分散剤、ポリアミド系高分子分散剤がより好ましい。ポリアミド系高分子分散剤としては、ポリエステル鎖からなる側鎖を複数有する櫛型構造のものが好ましく、より具体的には、ポリアルキレンイミンなどの多数の窒素原子を有する構造を主鎖に有し、その窒素原子を介してアミド結合したポリエステル鎖の側鎖を複数有する化合物とが好ましい。このような櫛型構造のポリアミド系分散剤としては、例えば、“DISPERBYK”(登録商標)2200(ビックケミー社製)、“SOLSPERSE”(登録商標)11200、28000(いずれもルーブリゾール(株)製))などが挙げられる。
高分子分散剤は、アミン価が1mgKOH/g以上であり酸価が1mgKOH/g未満である分散剤、酸価が1mgKOH/g以上でありアミン価が1mgKOH/g未満である分散剤、アミン価が1mgKOH/g以上であり酸価が1mgKOH/g以上である分散剤、アミン価が1mgKOH/g未満であり酸価が1mgKOH/g未満である分散剤に分類される。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、アミン価が1mgKOH/g以上である分散剤が好ましい。
アミン価が1mgKOH/g以上であり酸価が1mgKOH/g未満である高分子分散剤としては、例えば、“DISPERBYK”(登録商標)102,160,161,162,2163,164,2164,166,167,168,2000,2050,2150,2155,9075,9077、“BYK”(登録商標)−LP N6919,“DISPERBYK”−LP N21116,“DISPERBYK”−LP N21234(以上、いずれもビックケミー社製)、“EFKA”(登録商標)4015,4020,4046,4047,4050,4055,4060,4080,4300,4330,4340,4400,4401,4402,4403,4800(以上、いずれもBASF社製)、“アジスパー”(登録商標)PB711(味の素ファインテクノ(株)製)、“SOLSPERSE”13240,13940,20000,71000,76500(以上、いずれもルーブリゾール(株)製)などが挙げられる。
アミン価が1mgKOH/g以上であり酸価が1mgKOH/g以上である高分子分散剤としては、例えば、“DISPERBYK”142,145,2001,2010,2020,2025,9076、Anti−Terra−205(以上、いずれもビックケミー社製)、“SOLSPERSE”24000(ルーブリゾール(株)社製)、“アジスパー”PB821,PB880,PB881(以上、いずれも味の素ファインテクノ(株)製)、“SOLSPERSE”9000,11200,13650,24000SC,24000GR,32000,32500,32550,326000,33000,34750,35100,35200,37500,39000、56000(ルーブリゾール(株)製)などが挙げられる。
高分子分散剤の含有量は、分散安定性を向上させる観点から、後述する着色剤100重量部に対して、10重量部以上が好ましく、20重量部以上がより好ましい。一方、高分子分散剤の含有量は、着色膜の耐熱性や密着性を向上させる観点から、着色剤100重量部に対して、100重量部以下が好ましく、60重量部以下がより好ましい。
本発明のフィルムの着色層の形成に用いられる着色樹脂組成物は、熱架橋剤を含有してもよい。熱架橋剤を含有することにより、最終的に得られる塗膜強度を向上させることができる。熱架橋剤としては、アルコキシメチル基および/またはメチロール基を2つ以上有する化合物、エポキシ基を2つ以上有する化合物などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明のフィルムの着色層の形成に用いられる着色樹脂組成物は、レベリング剤を含有してもよい。レベリング剤を含有することにより、塗布性や着色膜の表面平滑性を向上させることができる。レベリング剤としては、例えば、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン等の陰イオン界面活性剤;ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレート等の非イオン界面活性剤;ポリジメチルシロキサン等を主骨格とするシリコーン系界面活性剤;フッ素系界面活性剤などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。界面活性剤の市販品としては、例えば、“BYK”−302、“BYK”−333、“BYK”−3550、“BYK”−392(以上、いずれもビックケミー社製)が挙げられる。
本発明のフィルムの着色層の形成に用いられる着色樹脂組成物は、樹脂としてアルカリ可溶性樹脂を含有し、さらに感光剤を含有することにより、感光性を付与することができる。露光マスクを介したパターン露光により露光部のアルカリ溶解性を低下させて、アルカリ現像液により未露光部を除去してパターン形成する、いわゆるネガ型の感光性を有してもよいし、露光マスクを介したパターン露光により露光部のアルカリ溶解性を未露光部のアルカリ溶解性よりも高くし、アルカリ現像液により露光部を除去してパターン形成する、いわゆるポジ型の感光性を有してもよい。
着色層は、印刷層、ハードコート層、ポリマー層もしくは、接着層であることが好ましい。印刷層の形成方法としては、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、パッド印刷、凸版印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷等が挙げられる。ハードコート層の形成方法としては、グラビアコート、ロールコート、リバースロールコート、ロールドクタコート、バーコート、カーテンフローコート、ダイコート、スピンコート、エアドクタコート等を用いて顔料や染料を分散させた塗剤を塗布する方法が挙げられる。ポリマー層の形成方法としては、顔料や染料を分散させたポリマーフィルムを積層する方法が挙げられ、その方法として、インサート成形や、ウェットラミネート法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、テープラミネート法等の接着剤を用いた方法が挙げられる。接着層としては、ウェットラミネート法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、テープラミネート法等に用いられる接着層として、顔料や染料を分散させたものを用いることや、顔料や染料を分散させたプライマー層(接着促進層)を設けること等などが挙げられる。プライマー層の形成方法として、グラビアコート、ロールコート、リバースロールコート、ロールドクタコート、バーコート、カーテンフローコート、ダイコート、スピンコート、エアドクタコート等を用いて顔料や染料を分散させた塗剤を塗布する方法が挙げられる。また、プライマー層には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の高分子、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤等の架橋剤、シリカ粒子等の無機粒子等が含まれることが好ましい。
本発明のフィルムは、少なくとも一方の表面について、30%以上の反射率が波長幅20nm以上にわたって連続する反射帯域を少なくとも一つ有することが好ましい。より好ましくは50%以上、さらに好ましくは80%以上であり、反射率が高いほど彩度が高く、意匠性に優れるフィルムとすることができる。
また、本発明のフィルムは、前述の着色層を少なくとも一方の表層に有することが好ましい。また、少なくとも一方の表層に着色層を有する場合、着色層を有する表面について、30%以上の反射率が波長幅20nm以上にわたって連続する反射帯域を少なくとも一つ有することが好ましい。
本発明のフィルムの好ましい態様としては、可視光を遮断する部分を有するが、前記着色層は可視光領域の特定の波長のみを反射または吸収することによって着色していることから、着色層とは別に可視光を遮断する部分を有することが好ましい。また、可視光を遮断する部分は可視光の波長全体を遮断するために、無色に近いことが求められる。そのため、本発明のフィルムにおいて、着色層と、着色層とは反対面の分光測色計の反射物体色測定で測定した色差が20よりも高いことが好ましい。色差(ΔE)は下記式(1)で示される。より好ましくは、50以下であり、さらに好ましくは70以上である。色差を20よりも高くすることによって、着色層とは別に可視光を遮断することが可能となり、意匠性の向上も図ることができる。このような構成とするためには、フィルムに前記着色層と、後述の積層構成部を有することで達成できる。
(ここで、L1 *、a1 *、b1 *は着色層のCIE1976色空間におけるL*,a*,b*値、L2 *、a2 *、b2 *は着色層とは反対の面のCIE1976色空間におけるL*,a*,b*値である。)
本発明のフィルムは、30%以上の反射率が波長幅20nm以上にわたって連続する反射帯域を少なくとも一つ有することが好ましい。
本発明のフィルムは、30%以上の反射率が波長幅20nm以上にわたって連続する反射帯域を少なくとも一つ有することが好ましい。
上記のように30%以上の反射率が波長幅20nm以上にわたって連続する反射帯域を少なくとも一つ有し、波長900〜1000nmおよび1500〜1600nmの透過率が70%以上とするためには、本発明のフィルムに、ポリエステル樹脂(樹脂A)を主成分とする層(A層)と、前記樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂(樹脂B)を主成分とする層(B層)を交互に51層以上積層した積層構成部を有することが好ましい。ポリエステル樹脂は一般的に熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂と比べて安価であり、かつ公知の溶融押出により簡便かつ連続的にシート化することができることから、低コストで積層構成部を得ることが可能となる。
また、本発明のフィルムにおいては、前記樹脂Aと前記樹脂Bは異なる樹脂であることが好ましい。ここでいう異なるとは、樹脂Aと樹脂Bが異なる融点または結晶化温度を有することを表し、異なる融点または結晶化温度とは、後述の測定方法によって求められる融点と結晶化温度のいずれかが3℃以上異なることをいう。なお、一方の樹脂が融点を有しており、もう一方の樹脂が融点を有していない場合や、一方の樹脂が結晶化温度を有しており、もう一方の樹脂が結晶化温度を有していない場合も異なる融点または結晶化温度を有することを表す。異なる融点および結晶化温度を有することがより好ましい。また、本発明のフィルムにおける積層構成部は、前記A層と前記B層が交互に51層以上積層されてなる必要がある。ここでいう交互に積層されてなるとは、A層とB層が厚み方向に規則的な配列で積層されていることをいい、A(BA)n(nは自然数)といったように規則的な配列で積層されたものである。このように光学的性質の異なる樹脂が交互に積層されることにより、各層の屈折率の差と層厚みとの関係よって特定される特定の波長の光を反射させることが可能となる。また、積層する層数が多いほど広い帯域に渡り高い反射率を得ることが出来る。好ましくは101層以上であり、より好ましくは201層以上である。前述の干渉反射は、層数が増えるほどより広い波長帯域の光に対して高い反射率を達成できるようになり、高い光線カット性能を備えた積層構成部が得られるようになる。また、層数に上限はないものの、層数が増えるに従い製造装置の大型化に伴う製造コストの増加や、フィルム厚みが厚くなることでのハンドリング性の悪化が生じるために、現実的にはそれぞれ1000層以内が実用範囲となる。
本発明のフィルムに含まれる積層構成部においては、少なくとも一方のフィルム表面が、波長380nm〜780nmの範囲の光の平均反射率が70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。この特性に加えて、波長900〜1000nmおよび1500〜1600nmの光を反射せず、透過率が70%以上となるようにすることが好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上とすることが好ましい。このようなフィルムは、光学特性の異なる2種以上の樹脂の面内屈折率の差を大きくすることにより実現できるので、二軸延伸フィルムとする場合は結晶性であるポリエステル樹脂からなる層と、延伸時に非晶性を保持もしくは熱処理工程で融解される低屈折率の共重合ポリエステルからなる層が交互に積層された積層構成部とすることが好ましい。
本発明のフィルムの前記樹脂A、樹脂Bに用いられるジカルボン酸構成成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸(1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸)、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。ジオール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールおよびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。この中でもジカルボン酸成分としてテレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分としてエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを由来として重合されることが好ましい。A層とB層の屈折率差を大きくするために、一方の樹脂は非晶性樹脂であることが好ましい。樹脂Aと樹脂Bの好ましい組み合わせとしては、樹脂Aとしてポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートの共重合体、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレートの1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合体が挙げられる。
本発明のフィルムにおいては、A層とB層の面内平均屈折率の差が0.05以上であることが好ましい。より好ましくは0.10以上であり、さらに好ましくは0.15以上0.35以下である。面内平均屈折率の差が0.05より小さい場合には、反射率が50%以上となる反射帯域を有することが困難となることがある。この達成方法の例としては、ポリエステル樹脂Aが結晶性であり、かつポリエステル樹脂Bが非晶性もしくは非晶性熱可塑性樹脂と結晶性熱可塑性樹脂の混合物であることである。この場合、フィルムの製造における延伸、熱処理工程において容易に屈折率差を設けることが可能となる。面内平均屈折率の差が0.35より大きい場合には、樹脂の積層性が悪化し積層そのものが困難になり、また耐熱性やハンドリング性に劣ったフィルムとなる。
本発明のフィルムは、示差走査熱量測定により求められる融解熱量が5J/g以上であることが好ましい。より好ましくは10J/g以上であり、更に好ましくは20J/g以上である。このような構成とすることで、結晶性の高い樹脂からなるフィルムとすることができ、A層とB層の屈折率差をより高くすることが出来る。このようなフィルムとするためには、樹脂Aと樹脂Bのうち、屈折率の高い方の樹脂の結晶性を高くすることが好ましい。
本発明のフィルムは、フィルムの着色層とは反対の面に、ペリレン系顔料を含む黒色層を有することが好ましい。一般的に黒色または暗色の色を作る場合は、複数の色素を混合させる必要がある。そのため、色素の混合ムラによって色ムラが起こる可能性がある。一方、ペリレン系顔料は可視光を均一に吸収し、赤外線透過率が高いことを特徴としており、1成分のみで良い特徴がある。このような構成とすることで、前記の波長380nm〜780nmの範囲の光の平均透過率を30%以下とすることが容易となり、30%よりも更に低くすることができる。
本発明のフィルムは、450MHz〜300GHzの周波数範囲における最大電磁波損失が10dB以下であることが好ましい。より好ましくは1dB以下であり、さらに好ましくは0.1dB以下である。携帯電話は800MHz帯、1.5GHz帯、1.9GHz帯、2.0GHz帯の電磁波を、無線LANでは2.4〜2.5GHz帯、5〜5.8GHz帯、ミリ波レーダーでは30〜300GHz帯、5G通信では3.6〜6GHz、28GHzが使用されており、その他の周波数帯においても使用または使用予定がある。一般的に赤外線通信と電磁波通信両方を行なう機器は多数存在するため、赤外線カバーパネルが電磁波を通さない場合、赤外線カバーパネルに電磁波透過用の窓を設けるか、電磁波通信部を赤外線通信部と離れた位置に設計する必要がある。しかし、意匠性や装置設計に制限が加わるため好ましくなく、装置を小型化する場合はさらに好ましくない。本発明のフィルムは、450MHz〜300GHzの周波数範囲における最大電磁波損失が10dB以下であり上記の問題が発生することがないため、意匠性が高く、自由な装置設計、さらには装置の小型化に最適である。450MHz〜300GHzの周波数範囲における最大電磁波損失を10dB以下にする方法は、本発明のフィルムの材料として誘電体を用いることであり、前述の材料からなる構成とすることで達成できる。
本発明のフィルムを用いた好ましい例として、赤外線発光部または、赤外線受光部の外部からの視認を防止するように配置された構成を有する赤外線遠隔操作機器が挙げられる。
別の好ましい例としては、センサー受発光部の外部からの視認を防止するように、本発明のフィルムが配置された構成を有する小型通信機器などの電子機器、赤外線感知器が挙げられる。
更に好ましい例としては、ピーク波長Anmの光を受光して動作するセンサー受光部と、センサー受光部に設けられたフィルムを含むカバー部材からなる光学センサーであって、前記フィルムの少なくとも一方の面が、波長Anmでの透過率が70%以上であり、分光測色計の反射物体色測定で測定される彩度が20以上である光学センサーが挙げられる。赤外線を利用するセンサーは前述の通り、リモコンやLiDERセンサーなどセンサーの種類に応じて異なる波長の光が用いられる。そのため、ピーク波長Anmの光を受光して動作するセンサー受光部を有するセンサーに使用される本発明のフィルムは、波長Anmでの透過率が70%以上であることが好ましい。より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。なお、ここでいうカバー部材とはセンサー受光部をカバーするために設けられる部材を指し、センサー受光部を外部から視認されないように用いられる本発明のフィルムを積層することが好ましい。フィルムを積層する方法としては、接着剤や粘着剤を用いることや、インサート成型することが挙げられる。カバー部材の材料としては、波長900〜1000nmおよび1500〜1600nmの光の透過率が70%以上であることが好ましく、ガラスやポリカードネートが好ましい。
以下、本発明について、実施例を用いて具体的に説明する。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
物性値の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
物性値の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
(1)分光反射率・透過率
5cm×5cmで切り出したサンプルを日立製作所製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)に付属の積分球を用いた基本構成で反射率・透過率測定を行った。反射率測定では、装置付属の酸化アルミニウムの副白板を基準として、相対反射率として算出した。反射率測定では、サンプルの長手方向を上下方向にして、積分球の後ろに設置した。透過率測定では、サンプルの長手方向を上下方向にして、積分球の前に設置した。測定条件:スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/分で測定し、方位角0度における反射率を得た。
5cm×5cmで切り出したサンプルを日立製作所製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)に付属の積分球を用いた基本構成で反射率・透過率測定を行った。反射率測定では、装置付属の酸化アルミニウムの副白板を基準として、相対反射率として算出した。反射率測定では、サンプルの長手方向を上下方向にして、積分球の後ろに設置した。透過率測定では、サンプルの長手方向を上下方向にして、積分球の前に設置した。測定条件:スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/分で測定し、方位角0度における反射率を得た。
(2)電磁波損失
ネットワークアナライザとして、Agilent Technologies製(PNA N5250C)を用いた。450MHz〜15GHzの電磁波損失は同軸管法を用いて測定し、40GHz〜110GHzの電磁波損失はJISR1679に記載の方法を用いて測定した。測定された50MHz〜15GHz及び40GHz〜110GHzの周波数範囲における電磁波損失の最大値を値として採用した。
ネットワークアナライザとして、Agilent Technologies製(PNA N5250C)を用いた。450MHz〜15GHzの電磁波損失は同軸管法を用いて測定し、40GHz〜110GHzの電磁波損失はJISR1679に記載の方法を用いて測定した。測定された50MHz〜15GHz及び40GHz〜110GHzの周波数範囲における電磁波損失の最大値を値として採用した。
(3)彩度・色差
コニカミノルタセンシング株式会社製、分光測色計CM−3600dを用いた。測定径φ8mmのターゲットマスク(CM−A106)条件下で、反射物体色測定モードでSCI方式でL*,a*,b*値および彩度を測定し、n数5の平均値を求め、着色層と、着色層とは反対面の色差を前記式(1)に基づき求めた。なお、白色校正板、およびゼロ校正ボックスは下記のものを用いて校正を行った。なお、測色値の計算に用いる光源はD65を選択した。
白色校正板 :CM−A103
ゼロ校正ボックス:CM−A104
(3)光学センサー応答性
Leishen Intelligent System製のLiDERセンサー「C16 700B」を用いた。実施例および比較例で得られたフィルムをセンサーの一部に貼り合わせ、貼り合わせた部分と貼り合わせていない部分でスキャンされた画像の違いを比較し、以下の基準に基づき評価した。〇以上を良好な結果とした。
コニカミノルタセンシング株式会社製、分光測色計CM−3600dを用いた。測定径φ8mmのターゲットマスク(CM−A106)条件下で、反射物体色測定モードでSCI方式でL*,a*,b*値および彩度を測定し、n数5の平均値を求め、着色層と、着色層とは反対面の色差を前記式(1)に基づき求めた。なお、白色校正板、およびゼロ校正ボックスは下記のものを用いて校正を行った。なお、測色値の計算に用いる光源はD65を選択した。
白色校正板 :CM−A103
ゼロ校正ボックス:CM−A104
(3)光学センサー応答性
Leishen Intelligent System製のLiDERセンサー「C16 700B」を用いた。実施例および比較例で得られたフィルムをセンサーの一部に貼り合わせ、貼り合わせた部分と貼り合わせていない部分でスキャンされた画像の違いを比較し、以下の基準に基づき評価した。〇以上を良好な結果とした。
◎:貼り合わせた部分と貼り合わせていない部分で違いが見られない。
○:貼り合わせた部分と貼り合わせていない部分で違いがわずかに見られる。
×:貼り合わせた部分と貼り合わせていない部分で明確に異なる。
(合成例1 アクリル樹脂(P−1)の合成)
特許第3120476号明細書の実施例1に記載の方法により、メチルメタクリレート/メタクリル酸/スチレン共重合体(重量比30/40/30)を合成した。得られた共重合体100重量部に対し、グリシジルメタクリレート40重量部を付加させ、精製水で再沈し、濾過および乾燥することにより、重量平均分子量15,000、酸価110mgKOH/gのアルカリ可溶性のアクリル樹脂(P−1)を得た。なお、アクリル樹脂の酸価は、アクリル樹脂1gを中和するのに要した水酸化カリウムの量(mg)とし(単位:mgKOH/g)、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)「HLC−8220GPC」(東ソー(株)製試験装置)を用いて、キャリヤーをテトラヒドロフランとして、ポリスチレン換算により測定した。
特許第3120476号明細書の実施例1に記載の方法により、メチルメタクリレート/メタクリル酸/スチレン共重合体(重量比30/40/30)を合成した。得られた共重合体100重量部に対し、グリシジルメタクリレート40重量部を付加させ、精製水で再沈し、濾過および乾燥することにより、重量平均分子量15,000、酸価110mgKOH/gのアルカリ可溶性のアクリル樹脂(P−1)を得た。なお、アクリル樹脂の酸価は、アクリル樹脂1gを中和するのに要した水酸化カリウムの量(mg)とし(単位:mgKOH/g)、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)「HLC−8220GPC」(東ソー(株)製試験装置)を用いて、キャリヤーをテトラヒドロフランとして、ポリスチレン換算により測定した。
(製造例1 塗料Aの製造)
青色顔料としてC.I.Pigment Blue15:6 120g、合成例1により得られたアクリル樹脂(P−1)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)35重量%溶液171g、高分子分散剤としてポリアミド系高分子分散剤“DISPERBYK”2200(BYK−2200)20gおよびPGMEA689gをタンクに仕込み、ホモミキサーで20分撹拌し、予備分散液を得た。ビーズ径1.0mmφのジルコニアビーズを75体積%充填した遠心分離セパレーターを具備した寿工業(株)製分散機ウルトラアペックスミルUAM015に、得られた予備分散液を供給し、回転速度8m/sで90分間分散を行い、固形分濃度20重量%、着色剤/(樹脂+高分子分散剤)(重量比)=60/40の着色剤分散液DP−1を得た。27.08gの着色剤分散液(DP−1)に、アクリルポリマー(P−1)のPGMEA35重量%溶液を29.83g、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)を8.74g、密着改良剤としてKBM5103(信越化学(株)製)を0.4g、界面活性剤としてシリコーン系界面活性剤“BYK”333(ビックケミー社製)のPGMEA10重量%溶液0.3gを33.65gのPGMEAに溶解した溶液を添加して、全固形分濃度25重量%、全固形分100重量部に対する着色剤の含有量が13重量部の塗料Aを得た。
青色顔料としてC.I.Pigment Blue15:6 120g、合成例1により得られたアクリル樹脂(P−1)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)35重量%溶液171g、高分子分散剤としてポリアミド系高分子分散剤“DISPERBYK”2200(BYK−2200)20gおよびPGMEA689gをタンクに仕込み、ホモミキサーで20分撹拌し、予備分散液を得た。ビーズ径1.0mmφのジルコニアビーズを75体積%充填した遠心分離セパレーターを具備した寿工業(株)製分散機ウルトラアペックスミルUAM015に、得られた予備分散液を供給し、回転速度8m/sで90分間分散を行い、固形分濃度20重量%、着色剤/(樹脂+高分子分散剤)(重量比)=60/40の着色剤分散液DP−1を得た。27.08gの着色剤分散液(DP−1)に、アクリルポリマー(P−1)のPGMEA35重量%溶液を29.83g、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)を8.74g、密着改良剤としてKBM5103(信越化学(株)製)を0.4g、界面活性剤としてシリコーン系界面活性剤“BYK”333(ビックケミー社製)のPGMEA10重量%溶液0.3gを33.65gのPGMEAに溶解した溶液を添加して、全固形分濃度25重量%、全固形分100重量部に対する着色剤の含有量が13重量部の塗料Aを得た。
(製造例2 塗料Bの製造)
青色顔料としてC.I.Pigment Blue15:6の代わりに、赤色顔料としてC.I.Pigment Red254を用いた以外は製造例1と同様にして、塗料Bを得た。
青色顔料としてC.I.Pigment Blue15:6の代わりに、赤色顔料としてC.I.Pigment Red254を用いた以外は製造例1と同様にして、塗料Bを得た。
(製造例3 塗料Cの製造)
青色顔料としてC.I.Pigment Blue15:6の代わりに、黄色顔料としてC.I.Pigment Yellow138を用いた以外は製造例1と同様にして、塗料Cを得た。
青色顔料としてC.I.Pigment Blue15:6の代わりに、黄色顔料としてC.I.Pigment Yellow138を用いた以外は製造例1と同様にして、塗料Cを得た。
(製造例4 塗料Dの製造)
青色顔料としてC.I.Pigment Blue15:6の代わりに、緑色顔料としてC.I.Pigment Green58を用いた以外は製造例1と同様にして、塗料Dを得た。
青色顔料としてC.I.Pigment Blue15:6の代わりに、緑色顔料としてC.I.Pigment Green58を用いた以外は製造例1と同様にして、塗料Dを得た。
(製造例5 塗料Eの製造)
青色顔料としてC.I.Pigment Blue15:6の代わりに、黒色顔料としてペリレン系のBASF社製Paliogen Black S 0084を用いた以外は製造例1と同様にして、塗料Eを得た。
青色顔料としてC.I.Pigment Blue15:6の代わりに、黒色顔料としてペリレン系のBASF社製Paliogen Black S 0084を用いた以外は製造例1と同様にして、塗料Eを得た。
(実施例1)
A層を構成する結晶性の熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂Aとも称する)としてポリエチレンテレフタレートを用い、またB層を構成する熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂Bとも称する)としてポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジメタノール成分33mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート)を用いた。熱可塑性樹脂AおよびBを、それぞれの押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A/熱可塑性樹脂B=1/1.07になるように計量しながら、901層フィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に901層積層された積層体とした。A層が451層、B層が450層からなる厚み方向に交互に積層され、A層とB層の層厚みは380nmから780nm波長範囲の反射率スペクトルが平坦となるように設計し、それぞれ表層から反対側の表層に向かって連続的に変化するように積層した。次いで、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを、90℃、延伸倍率3.5倍で縦延伸を行い、両端部をクリップで把持するテンターに導き110℃、4.3倍横延伸した後、230℃で熱処理を施し、約5%のTDリラックスを実施し、厚み103μmの積層構成部を得た。この積層構成部に、着色層として、塗料Aをメタバーを用いて3μmの層厚みで塗布し、80℃の熱風オーブンで2分間乾燥させて着色層を形成した。このようにして得られた積層フィルムは、着色層側に青色の光沢感を持ち、反対面には金属調の光沢を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
A層を構成する結晶性の熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂Aとも称する)としてポリエチレンテレフタレートを用い、またB層を構成する熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂Bとも称する)としてポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジメタノール成分33mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート)を用いた。熱可塑性樹脂AおよびBを、それぞれの押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A/熱可塑性樹脂B=1/1.07になるように計量しながら、901層フィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に901層積層された積層体とした。A層が451層、B層が450層からなる厚み方向に交互に積層され、A層とB層の層厚みは380nmから780nm波長範囲の反射率スペクトルが平坦となるように設計し、それぞれ表層から反対側の表層に向かって連続的に変化するように積層した。次いで、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを、90℃、延伸倍率3.5倍で縦延伸を行い、両端部をクリップで把持するテンターに導き110℃、4.3倍横延伸した後、230℃で熱処理を施し、約5%のTDリラックスを実施し、厚み103μmの積層構成部を得た。この積層構成部に、着色層として、塗料Aをメタバーを用いて3μmの層厚みで塗布し、80℃の熱風オーブンで2分間乾燥させて着色層を形成した。このようにして得られた積層フィルムは、着色層側に青色の光沢感を持ち、反対面には金属調の光沢を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
(実施例2)
塗料Aの代わりに塗料Bを用いた以外は、実施例1と同様の条件にてフィルムを作製した。得られたフィルムは赤色の光沢感を持ち、反対面には金属調の光沢を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
塗料Aの代わりに塗料Bを用いた以外は、実施例1と同様の条件にてフィルムを作製した。得られたフィルムは赤色の光沢感を持ち、反対面には金属調の光沢を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
(実施例3)
塗料Aの代わりに塗料Cを用いた以外は、実施例1と同様の条件にてフィルムを作製した。得られたフィルムは黄色の光沢感を持ち、反対面には金属調の光沢を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
塗料Aの代わりに塗料Cを用いた以外は、実施例1と同様の条件にてフィルムを作製した。得られたフィルムは黄色の光沢感を持ち、反対面には金属調の光沢を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
(実施例4)
塗料Aの代わりに塗料Dを用いた以外は、実施例1と同様の条件にてフィルムを作製した。得られたフィルムは緑色の光沢感を持ち、反対面には金属調の光沢を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
塗料Aの代わりに塗料Dを用いた以外は、実施例1と同様の条件にてフィルムを作製した。得られたフィルムは緑色の光沢感を持ち、反対面には金属調の光沢を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1で得た積層フィルムの着色層とは反対面に、塗料Eをメタバーを用いて3μmの層厚みで塗布し、80℃の熱風オーブンで2分間乾燥させて黒色層を形成した。得られたフィルムは赤色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
実施例1で得た積層フィルムの着色層とは反対面に、塗料Eをメタバーを用いて3μmの層厚みで塗布し、80℃の熱風オーブンで2分間乾燥させて黒色層を形成した。得られたフィルムは赤色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
(実施例6)
塗料Aの代わりに塗料Bを用いた以外は、実施例5と同様の条件にてフィルムを作製した。得られたフィルムは赤色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
塗料Aの代わりに塗料Bを用いた以外は、実施例5と同様の条件にてフィルムを作製した。得られたフィルムは赤色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
(実施例7)
塗料Aの代わりに塗料Cを用いた以外は、実施例5と同様の条件にてフィルムを作製した。得られたフィルムは黄色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
塗料Aの代わりに塗料Cを用いた以外は、実施例5と同様の条件にてフィルムを作製した。得られたフィルムは黄色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
(実施例8)
塗料Aの代わりに塗料Dを用いた以外は、実施例5と同様の条件にてフィルムを作製した。得られたフィルムは緑色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
塗料Aの代わりに塗料Dを用いた以外は、実施例5と同様の条件にてフィルムを作製した。得られたフィルムは緑色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
(実施例9)
樹脂A、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、固有粘度0.65)を用いて単膜のPETフィルムを得て、積層構成部の代わりに用いた以外は実施例5と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムは青色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
樹脂A、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、固有粘度0.65)を用いて単膜のPETフィルムを得て、積層構成部の代わりに用いた以外は実施例5と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムは青色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
(実施例10)
樹脂A、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、固有粘度0.65)を用いて単膜のPETフィルムを得て、積層構成部の代わりに用いた以外は実施例6と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムは赤色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
樹脂A、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、固有粘度0.65)を用いて単膜のPETフィルムを得て、積層構成部の代わりに用いた以外は実施例6と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムは赤色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
(実施例11)
樹脂A、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、固有粘度0.65)を用いて単膜のPETフィルムを得て、積層構成部の代わりに用いた以外は実施例6と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムは黄色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
樹脂A、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、固有粘度0.65)を用いて単膜のPETフィルムを得て、積層構成部の代わりに用いた以外は実施例6と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムは黄色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
(実施例12)
樹脂A、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、固有粘度0.65)を用いて単膜のPETフィルムを得て、積層構成部の代わりに用いた以外は実施例6と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムは緑色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
樹脂A、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、固有粘度0.65)を用いて単膜のPETフィルムを得て、積層構成部の代わりに用いた以外は実施例6と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムは緑色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、可視光を遮断し、センサー光を透過する意匠性の高い積層フィルムであった。結果を表1に示す。
(実施例13)
樹脂A、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、固有粘度0.65)を用いて単膜のPETフィルムを得て、積層構成部の代わりに用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムは青色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、センサー光を透過するが、可視光を透過し反対側が透けて見える積層フィルムであった。結果を表2に示す。
樹脂A、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、固有粘度0.65)を用いて単膜のPETフィルムを得て、積層構成部の代わりに用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムは青色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、センサー光を透過するが、可視光を透過し反対側が透けて見える積層フィルムであった。結果を表2に示す。
(実施例14)
樹脂A、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、固有粘度0.65)を用いて単膜のPETフィルムを得て、積層構成部の代わりに用いた以外は実施例2と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムは赤色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、センサー光を透過するが、可視光を透過し反対側が透けて見える積層フィルムであった。結果を表2に示す。
樹脂A、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、固有粘度0.65)を用いて単膜のPETフィルムを得て、積層構成部の代わりに用いた以外は実施例2と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムは赤色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、センサー光を透過するが、可視光を透過し反対側が透けて見える積層フィルムであった。結果を表2に示す。
(実施例15)
樹脂A、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、固有粘度0.65)を用いて単膜のPETフィルムを得て、積層構成部の代わりに用いた以外は実施例3と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムは黄色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、センサー光を透過するが、可視光を透過し反対側が透けて見える積層フィルムであった。結果を表2に示す。
樹脂A、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、固有粘度0.65)を用いて単膜のPETフィルムを得て、積層構成部の代わりに用いた以外は実施例3と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムは黄色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、センサー光を透過するが、可視光を透過し反対側が透けて見える積層フィルムであった。結果を表2に示す。
(実施例16)
樹脂A、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、固有粘度0.65)を用いて単膜のPETフィルムを得て、積層構成部の代わりに用いた以外は実施例4と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムは緑色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、センサー光を透過するが、可視光を透過し反対側が透けて見える積層フィルムであった。結果を表2に示す。
樹脂A、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、固有粘度0.65)を用いて単膜のPETフィルムを得て、積層構成部の代わりに用いた以外は実施例4と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムは緑色の光沢感を持ち、反対面には黒色の層を持つフィルムとなった。彩度が高く、センサー光を透過するが、可視光を透過し反対側が透けて見える積層フィルムであった。結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1の積層構成部のみからなるフィルムを得た。可視光を遮断し、センサー光を透過するが、彩度が低く意匠性の低い積層フィルムであった。物性結果を表2に示す。
実施例1の積層構成部のみからなるフィルムを得た。可視光を遮断し、センサー光を透過するが、彩度が低く意匠性の低い積層フィルムであった。物性結果を表2に示す。
(比較例2)
着色層を設けない以外は、実施例5と同様にして積層フィルムを得た。可視光を遮断し、センサー光を透過するが、彩度が低く意匠性の低い積層フィルムであった。結果を表2に示す。
着色層を設けない以外は、実施例5と同様にして積層フィルムを得た。可視光を遮断し、センサー光を透過するが、彩度が低く意匠性の低い積層フィルムであった。結果を表2に示す。
(比較例3)
着色層を設けない以外は、実施例9と同様にして積層フィルムを得た。可視光を遮断し、センサー光を透過するが、彩度が低く意匠性の低い積層フィルムであった。結果を表2に示す。
着色層を設けない以外は、実施例9と同様にして積層フィルムを得た。可視光を遮断し、センサー光を透過するが、彩度が低く意匠性の低い積層フィルムであった。結果を表2に示す。
(比較例4)
ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムに、厚さ8nmの銀蒸着を施し、銀蒸着
面と反対側に、着色層として塗料Eをメタバーを用いて3μmの層厚みで塗布し、80℃の熱風オーブンで2分間乾燥させて着色層を形成した。得られたフィルムは光沢感を持った黒色であったが、電磁波損失が大きいものであった。結果を表2に示す。
ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムに、厚さ8nmの銀蒸着を施し、銀蒸着
面と反対側に、着色層として塗料Eをメタバーを用いて3μmの層厚みで塗布し、80℃の熱風オーブンで2分間乾燥させて着色層を形成した。得られたフィルムは光沢感を持った黒色であったが、電磁波損失が大きいものであった。結果を表2に示す。
本発明は、可視光を遮断し、センサーによる光を透過する意匠性の高いフィルムに関するものである。また本発明のフィルムは、センサー受光部又は、赤外線受発光部を有する、遠隔操作機器、小型通信機器、電子機器の部材として好適なものである。
Claims (10)
- 少なくとも一方の面が、波長900〜1000nmおよび1500〜1600nmの光の透過率が70%以上であり、分光測色計の反射物体色測定で測定される彩度が20以上であるフィルム。
- 波長380nm〜780nmの範囲の光の平均透過率が30%以下である請求項1に記載のフィルム。
- 少なくとも一方の表面について、30%以上の反射率が波長幅20nm以上にわたって連続する反射帯域を少なくとも一つ有する、請求項1または2に記載のフィルム。
- 一方のフィルム面と、もう一方のフィルム面の色差が20よりも高い請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム。
- ポリエステル樹脂(樹脂A)を主成分とする層(A層)と、前記樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂(樹脂B)を主成分とする層(B層)を交互に51層以上積層した積層構成部を有する請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム。
- 着色層を少なくとも一方の表層に有する積層フィルムであって、前記着色層を有する表面側から測定される反射率が、30%以上の反射率が波長幅20nm以上にわたって連続する反射帯域を少なくとも一つ有する請求項1〜5のいずれかに記載のフィルム。
- 450MHz〜300GHzの周波数範囲における最大電磁波損失が10dB以下である請求項1〜6のいずれかに記載のフィルム。
- ピーク波長Anmの光を受光して動作するセンサー受光部と、センサー受光部に設けられたフィルムを含むカバー部材からなる光学センサーであって、前記フィルムの少なくとも一方の面が、波長Anmでの透過率が70%以上であり、分光測色計の反射物体色測定で測定される彩度が20以上である光学センサー。
- 波長900〜1000nmおよび1500〜1600nmの範囲の光の平均透過率が70%以下であるフィルムを含む請求項8に記載の光学センサー。
- 波長380nm〜780nmの範囲の光の平均透過率が30%以下であるフィルムを含む請求項8または9に記載の光学センサー。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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JP (1) | JP2021063958A (ja) |
-
2019
- 2019-10-17 JP JP2019189947A patent/JP2021063958A/ja active Pending
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