JP2021063827A - Ns3捕捉ペプチドを使用して対象の抗hcv抗体を検出するアッセイ - Google Patents

Ns3捕捉ペプチドを使用して対象の抗hcv抗体を検出するアッセイ Download PDF

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Abstract

【課題】NS3捕捉ペプチドを使用して試料中で対象の抗HCV抗体を検出するための方法、キットおよび組成物を提供する。【解決手段】少なくとも2つのNS3ヘリカーゼ(NS3h)捕捉ペプチドおよび少なくとも2つのコンジュゲートペプチド(例えば、NS3hコンジュゲートペプチド)が一緒に用いられ、これにより1ステップタイプのアッセイにおいて広いダイナミックレンジの対象の抗体検出が可能になる。また、還元剤を使用せずにNS3特異的対象の抗体を検出する方法が提供される。さらに、NS3特異的対象の抗体はNS3コンジュゲートペプチドの「ダブルショット」(例えば、洗浄の前と後の両方で試料に添加されるコンジュゲートペプチド)を用いて検出される。【選択図】なし

Description

本開示はNS3捕捉ペプチドを使用して試料中の対象の抗HCV抗体を検出するための方法、キット、および組成物を提供する。ある種の実施形態では、少なくとも2つのNS3ヘリカーゼ(NS3h)捕捉ペプチドおよび少なくとも2つのコンジュゲートペプチド(例えば、NS3hコンジュゲートペプチド)が一緒に用いられ、これにより1ステップタイプのアッセイにおいて広いダイナミックレンジの対象の抗体検出が可能になる。他の実施形態では、還元剤を使用せずにNS3特異的対象の抗体を検出する方法が提供される。いくつかの実施形態では、NS3特異的対象の抗体はNS3コンジュゲートペプチドの「ダブルショット」(例えば、洗浄の前と後の両方で試料に添加されるコンジュゲートペプチド)を用いて検出される。
WHOの統計によれば、世界中で1億7000万もの人が、肝臓のウイルス感染であるC型肝炎ウイルス(HCV)に感染している。HCVに感染している人の75−85%が慢性感染まで進行し、これらの症例のおおよそ20%が感染の20年後肝硬変または肝細胞癌腫を含む慢性C肝炎の合併症を発症する。HCV感染に対する現在推奨される治療はインターフェロンとリバビリン薬の組合せであるが、前記治療はすべての症例で効果的であるわけではなく、C型肝炎関連末期疾患では肝臓移植の必要が示される。現在、HCV感染を予防するためのワクチンは入手可能ではなく、したがって、感染を避けるためのあらゆる予防策を講じなければならない。したがって、感度の良いHCV検出アッセイが公衆安全にとって重要である。
本開示はNS3捕捉ペプチドを使用して試料中の対象の抗HCV抗体を検出するための方法、キット、および組成物を提供する。ある種の実施形態では、少なくとも2つのNS3ヘリカーゼ(NS3h)捕捉ペプチドおよび少なくとも2つのコンジュゲートペプチド(例えば、NS3hコンジュゲートペプチド)が一緒に用いられ、これにより1ステップタイプのアッセイにおいて広いダイナミックレンジの対象の抗体検出が可能になる。他の実施形態では、還元剤を使用せずにNS3特異的対象の抗体を検出する方法が提供される。いくつかの実施形態では、NS3特異的対象の抗体はNS3hコンジュゲートペプチドの「ダブルショット」(例えば、洗浄の前と後の両方で試料に添加されるコンジュゲートペプチド)を用いて検出される。
いくつかの実施形態では、対象においてC型肝炎ウイルス(HCV)感染を検出する方法であって、a)最初の生体試料(例えば、血液、血漿、血清、精液、等)を第1と第2のNS3h(NS3ヘリカーゼ)捕捉ペプチドおよび第1と第2の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチド(例えば、HS3h特異的コンジュゲートペプチド)に接触させて、最初の生体試料、第1と第2のNS3h捕捉ペプチドおよび第1と第2のコンジュゲートペプチドを含む混合生体物質を作製するステップであって、第1と第2のNS3h捕捉ペプチドは:i)それぞれが少なくとも1つのHCV NS3ヘリカーゼエピトープをコードするアミノ酸配列を含み;ii)異なるアミノ酸配列を有し(例えば、長さまたは配列の違いのような少なくとも1つのアミノ酸差を有する。)、最初の生体試料が対象の抗体を含有すると疑われており、対象の抗体は生体試料中で精製された形態ではないステップ、b)第1のNS3h捕捉ペプチドが対象の抗体のうちの少なくとも1つに特異的に結合して第1の捕捉複合体を形成し、第1(または第2)のコンジュゲートペプチドが第1の捕捉複合体中の対象の抗体に結合して第1の検出可能な複合体を形成し、第2のNS3h捕捉ペプチドが対象の抗体のうちの少なくとも1つに特異的に結合して第2の捕捉複合体を形成し、第2(または第1)のコンジュゲートペプチドが第2の捕捉複合体中の対象の抗体に結合して第2の検出可能な複合体を形成するような条件下で混合生体試料をインキュベートするステップ;c)混合生体試料を洗浄して洗浄された試料を作製するステップ;ならびにd)第1および/または第2の検出可能な複合体の存在を検出し、それによって対象における過去または現在のHCV感染の存在を検出するステップを含み、混合生体試料中の第1と第2のNS3h捕捉ペプチド両方の存在が、第1または第2のNS3h捕捉ペプチドのみを使用する場合と比べて対象の抗体を検出する(例えば、定性的にまたは定量的に)ためのダイナミックレンジを広げる方法が本明細書では提供される。
ある種の実施形態では、本開示は、a)i)それぞれが少なくとも1つのHCV NS3ヘリカーゼエピトープをコードするアミノ酸配列を含み;ii)異なるアミノ酸配列を有し、iii)生体試料中の少なくとも1つの対象の抗体に結合して捕捉複合体を形成することができる第1と第2のNS3h捕捉ペプチドおよびb)捕捉複合体中の対象の抗体に結合することができる第1と第2のコンジュゲートペプチドを含むキットまたはシステムを提供する。ある種の実施形態では、キットおよびシステムは、c)対象の抗体を含有する生体試料をさらに含み、対象の抗体は生体試料中で精製された形態ではない。
さらなる実施形態では、a)i)それぞれが少なくとも1つのHCV NS3ヘリカーゼエピトープをコードするアミノ酸配列を含み;ii)異なるアミノ酸配列を有し、iii)生体試料中の少なくとも1つの対象の抗体に結合して捕捉複合体を形成することができる第1と第2のNS3h捕捉ペプチドおよびb)捕捉複合体中の対象の抗体に結合することができる第1と第2のコンジュゲートペプチドを含む組成物が本明細書では提供される。ある種の実施形態では、組成物は、c)対象の抗体を含有する生体試料をさらに含み、対象の抗体は生体試料中で精製された形態ではない。他の実施形態では、組成物には界面活性剤がないまたは検出できるほどにはない。
特定の実施形態では、対象においてC型肝炎ウイルス(HCV)感染を検出する方法であって、a)i)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1および/またはドメイン2に少なくとも80%または90%の配列同一性(例えば、少なくとも80%...90%...95%...98%...99.5%...または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、400または350または300アミノ酸長以下(例えば、400...375...325...300...275...250...225...200...または180アミノ酸長以下)である第1のNS3h捕捉ペプチド;ii)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1、2および3を含む完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも85%または90%または95%(例えば、少なくとも85%...90%...94%...97%...99%...99.5%...99.9%...または100%)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のNS3h捕捉ペプチドに、対象の抗体を含有すると疑われている試料を接触させるステップ、ならびにb)第1のNS3h捕捉ペプチドが対象の抗体のうちの少なくとも1つに特異的に結合して第1の複合体を形成し、第2のNS3h捕捉ペプチドが対象の抗体のうちの少なくとも1つに特異的に結合して第2の複合体を形成するような条件下で試料をインキュベートするステップ、ならびにc)第1および/または第2の複合体の存在を検出し、それによって対象において過去または現在のHCV感染の存在を検出するステップを含む方法が本明細書では提供される。特定の実施形態では、試料中の第2のNS3h捕捉ペプチドと一緒の第1のNS3h捕捉ペプチドの存在は、第2のNS3hペプチドのみを使用する場合と比べて対象の抗体を定性的に検出するための上のダイナミックレンジを広げる。
ある種の実施形態では、a)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1および/またはドメイン2に少なくとも80%または90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、400または350または300または225アミノ酸長以下である第1のNS3h捕捉ペプチド;b)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1、2および3を含む完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも85%または95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のNS3h捕捉ペプチドを含むキットおよびシステムが本明細書では提供される。
ある種の実施形態では、キットおよびシステムは、第1と第2のNS3h捕捉ペプチドがその内部にある第1の容器をさらに含む。他の実施形態では、第1の容器は界面活性剤がないまたは実質的にない。他の実施形態では、キットおよびシステムは固体支持体(例えば、微粒子)をさらに含む。他の実施形態では、キットおよびシステムは固体支持体がその内部にある第2の容器をさらに含む。さらなる実施形態では、キットおよびシステムは第1の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチド(例えば、第1または第2のNS3h捕捉ペプチドにより捕捉される対象の抗体に結合することになる。)をさらに含む。ある種の実施形態では、第1の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドは、i)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1に少なくとも80%または90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ii)250または200アミノ酸長以下であり、iii)検出可能な標識を含む。追加の実施形態では、キットおよびシステムは第2の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチド(例えば、第1または第2のNS3h捕捉ペプチドにより捕捉される対象の抗体に結合することになる。)をさらに含む。ある種の実施形態では、第2の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドは、i)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1、2および3を有する完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも80%または90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ii)検出可能な標識を含む。いくつかの実施形態では、キットおよびシステムは第1と第2のNS3hコンジュゲートペプチドがその内部にある第2(または第3)の容器をさらに含む。特定の実施形態では、第2の容器は界面活性剤がないまたは実質的にない。
ある種の実施形態では、キットおよびシステムは第1の抗HCV抗体をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の抗HCV抗体は抗コアHCV抗体または抗NS3もしくはNS4抗体である。他の実施形態では、第1の抗HCV抗体は固体支持体結合部分を含む。さらなる実施形態では、キットおよびシステムは第2の抗HCV抗体をさらに含む。ある種の実施形態では、第2の抗HCV抗体は抗コアHCV抗体である。いくつかの実施形態では、キットおよびシステムは第2の抗HCV抗体がその内部にある第2の容器をさらに含む。ある種の実施形態では、キットおよびシステムはHCVコア捕捉ペプチドをさらに含む。追加の実施形態では、HCVコア捕捉ペプチドは固体支持体結合部分を含む。他の実施形態では、キットおよびシステムはHCV検出可能に標識されたコンジュゲートコアペプチドをさらに含む。
ある種の実施形態では、本開示は、a)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1および/またはドメイン2に少なくとも80%または90%(例えば、80%...90%...95%...99%...99.5%)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、250または350アミノ酸長以下(例えば、250...300...または350以下)である第1のNS3h捕捉ペプチド、ならびにb)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1、2および3を含む完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも90%または95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のNS3h捕捉ペプチドを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は以下の成分:c)固体支持体;d)第1の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチド;e)第2の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチド;f)第1の抗HCV抗体;g)検出可能に標識されている第2の抗HCV抗体;h)HCVコア捕捉ペプチド;およびi)検出可能に標識されたHCVコアコンジュゲートペプチドのうちの少なくとも1つをさらに含む。特定の実施形態では、組成物はこの成分のうちの少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたは7つ全てを有する。
ある種の実施形態では、配列番号1−16のいずれか1つにおけるアミノ酸配列を含むもしくはからなる少なくとも1つのペプチド、または配列番号1−16のいずれか1つに少なくとも95%(例えば、95%...98%...99%...または99.5%)の配列同一性を有するペプチドを含む組成物が本明細書では提供される。
いくつかの実施形態では、対象においてC型肝炎ウイルス(HCV)感染を検出する方法であって、a)対象の抗体を含有すると疑われる試料を、少なくとも1つのHCV NS3エピトープをコードするアミノ酸配列を含むNS3捕捉ペプチドに接触させるステップであって、接触が外来性の還元剤(すなわち、試料中に天然には存在しない還元剤)を試料に添加しない、または存在しないような条件下で行われるステップ、b)試料をNS3捕捉ペプチドが対象の抗体のうちの少なくとも1つに特異的に結合して第1の複合体を形成するような条件下でインキュベートするステップであって、インキュベートが外来性の還元剤が試料中に存在しないような条件下で行われるステップ、ならびにc)第1の複合体の存在を検出し、それによって対象において過去または現在のHCV感染の存在を検出するステップであって、検出が外来性の還元剤が存在しないような条件下で行われるステップを含む方法が本明細書では提供される。
ある種の実施形態では、生体試料、NS3捕捉ペプチド、検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドおよび複数の対象の抗体を含む組成物を含み、NS3捕捉ペプチドとコンジュゲートペプチドが少なくとも1つの対象の抗体に結合し、組成物に外来性還元剤がない、キット、システムおよび組成物が本明細書では提供される。
いくつかの実施形態では、対象においてC型肝炎ウイルス(HCV)感染を検出する方法であって、a)最初の生体試料を第1のNS3捕捉ペプチドと第1のコンジュゲートペプチドに接触させて、最初の生体試料、第1のNS3捕捉ペプチドおよび第1のコンジュゲートペプチドを含む混合生体物質を作製するステップであって、NS3捕捉ペプチドが少なくとも1つのHCV NS3ヘリカーゼエピトープをコードするアミノ酸配列を含み、最初の生体試料が対象の抗体を含有すると疑われており、対象の抗体が生体試料中で精製された形態ではないステップ、b)混合生体試料を、NS3捕捉ペプチドが対象の抗体のうちの少なくとも1つに特異的に結合して捕捉複合体を形成しコンジュゲートペプチドが捕捉複合体中の対象の抗体に結合して検出可能な複合体を形成するような条件下でインキュベートするステップ、ならびにc)混合生体試料を洗浄して洗浄された試料を作製するステップ、d)追加量のコンジュゲートペプチドまたは捕捉複合体中の対象の抗体に特異的に結合する異なるコンジュゲートペプチドを添加するステップ、ならびにe)検出可能な複合体の存在を検出し、それによって対象において過去のまたは現在のHCV感染の存在を検出するステップを含む方法が本明細書では提供される。さらなる実施形態では、コンジュゲートペプチドはNS3h(HCVのNS3hヘリカーゼ)の少なくとも1つのエピトープに結合する。
ある種の実施形態では、第2のNS3h捕捉ペプチドのアミノ酸配列の長さは第1のNS3h捕捉ペプチドの少なくとも1.5または2倍(例えば、長さは少なくとも1.5...3.0...4.0...5.0倍またはそれよりも長い。)である。いくつかの実施形態では、第1と第2のコンジュゲートエピトープはNS3hエピトープに特異的である。さらなる実施形態では、第1のNS3h捕捉ペプチドはHCV NS3ヘリカーゼドメイン1に少なくとも80%または90%(例えば、80%...87%...94%...98%...99%...または95.5%)の配列同一性を有しており、250アミノ酸長以下である。さらなる実施形態では、第1のNS3h捕捉ペプチドはHCV NS3ヘリカーゼドメイン2に少なくとも80%または90%の配列同一性を有しており、250アミノ酸長以下(例えば、250...225...200...または180アミノ酸長以下)である。追加の実施形態では、第2のNS3h捕捉ペプチドはドメイン1、2および3を有する完全長NS3ヘリカーゼに少なくとも90%または95%(例えば、90%...94%...96%...または99%)の配列同一性を有する。ある種の実施形態では、第2のNS3h捕捉ペプチドはドメイン1、2および3を有する完全長NS3ヘリカーゼ配列を含む。さらなる実施形態では、第2のNS3h捕捉ペプチドのアミノ酸配列は完全長HCVヘリカーゼに少なくとも99%の配列同一性を有する。追加の実施形態では、第2のNS3h捕捉ペプチドのアミノ酸配列はドメイン1、2および3を有する完全長NS3ヘリカーゼ配列を含む。さらなる実施形態では、第2のNS3h捕捉ペプチドはNS3ヘリカーゼ天然構造(すなわち、変性していない構造)を有する。
いくつかの実施形態では、試料はHCV粒子またはこの断片を含有しているとさらに疑われており、方法は、HCV粒子またはこの断片に結合している第1の抗HCV捕捉抗体を含む第3の複合体が形成されるように、試料を第1の抗HCV捕捉抗体に接触させるステップをさらに含む。他の実施形態では、第1の捕捉抗HCV抗体は抗コアHCV抗体である。追加の実施形態では、第1の抗HCV抗体は固体支持体結合部分を含む。追加の実施形態では、方法は、第3の複合体中でHCV粒子またはこの断片に結合する第2の抗HCV抗体(例えば、コンジュゲート抗体)に試料を接触させるステップをさらに含み、第2の抗HCV抗体は検出可能に標識されている。さらなる実施形態では、第2の抗HCV抗体は抗コアHCV抗体である。いくつかの実施形態では、方法は第3の複合体を検出するステップをさらに含む。
ある種の実施形態では、コンジュゲートペプチドまたはコンジュゲート抗体によるいかなる検出にも先立って、試料は洗浄される。いくつかの実施形態では、方法は試料を第1のHCVコアペプチド(例えば、コア捕捉ペプチド)に接触させるステップをさらに含み、第1のコアペプチドは対象の抗体のうちの少なくとも1つに特異的に結合して第4の複合体を形成する。追加の実施形態では、第1のHCVコアペプチドは、配列番号12に示されるアミノ酸配列または配列番号12に95%もしくはそれよりも多い同一性を有するアミノ酸配列を含むまたはからなる。さらなる実施形態では、第1のHCVコアペプチドは固体支持体結合部分を含む。
追加の実施形態では、方法は試料を第2のHCVコアペプチド(例えば、コンジュゲートペプチド)に接触させるステップをさらに含み、第2のHCVコアペプチドは検出可能に標識されており、第2のHCVコアペプチドは第4の複合体の一部として対象の抗体に結合する。ある種の実施形態では、方法は第4の複合体の存在を検出するステップをさらに含む。追加の実施形態では、方法は試料を固体支持体(例えば、マイクロビーズ、等)に接触させるステップをさらに含む。さらなる実施形態では、固体支持体はアビジンまたは他の結合分子で被覆されている。
追加の実施形態では、方法は、第1の複合体の一部として対象の抗体に結合する第1の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドに試料を接触させるステップをさらに含み、第1の複合体の存在を検出するステップが第1の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドを検出することを含む。さらなる実施形態では、第1の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドは、i)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1に少なくとも80%...90%...または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ii)300...200...または180アミノ酸長以下であり、iii)検出可能な標識を含む。
ある種の実施形態では、方法は第2の複合体の一部として対象の抗体に結合する第2の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドに試料を接触させるステップをさらに含み、第2の複合体の存在を検出するステップが第2の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドを検出することを含む。他の実施形態では、第2の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドは完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも80%...90%...または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。追加の実施形態では、第1のNS3h捕捉ペプチドは180アミノ酸長以下である。さらなる実施形態では、第1のNS3h捕捉ペプチドは配列番号2もしくは配列番号3のアミノ酸配列を含むもしくはからなり、または第1のNS3ペプチドは配列番号2もしくは配列番号3に90%...もしくは95%の同一性を有する。追加の実施形態では、第1のNS3h捕捉ペプチドは配列番号2または配列番号3由来の少なくとも100連続アミノ酸(例えば、少なくとも100...125...または135)を含むまたはからなる。
さらなる実施形態では、第2のNS3h捕捉ペプチドは完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも90%...または95%の配列同一性を有する。ある種の実施形態では、第2のNS3h捕捉ペプチドは完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも99%の配列同一性を有する。他の実施形態では、第2のNS3h捕捉ペプチドは配列番号5もしくは配列番号7のアミノ酸配列を含むもしくはからなり、または第2のNS3捕捉ペプチドは配列番号5もしくは配列番号7に90%...もしくは95%の配列同一性を有する。追加の実施形態では、第2のNS3h捕捉ペプチドは配列番号5または配列番号7由来の少なくとも300...350連続アミノ酸を含むまたはからなる。
さらなる実施形態では、第1のコンジュゲートペプチドはHCV NS3ヘリカーゼのドメイン1に少なくとも90%...または95%の同一性を有する。他の実施形態では、第1のコンジュゲートペプチドは180アミノ酸長以下である。他の実施形態では、第1のコンジュゲートペプチドは配列番号2もしくは配列番号3のアミノ酸配列を含むもしくはからなり、または第1のコンジュゲートペプチドは配列番号2もしくは配列番号3に95%の同一性を有する。追加の実施形態では、第2のコンジュゲートペプチドは完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも95%の配列同一性を有する。他の実施形態では、第2のコンジュゲートペプチドは完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも99%の配列同一性を有する。ある種の実施形態では、第2のコンジュゲートペプチドは配列番号5もしくは配列番号7のアミノ酸配列を含むもしくはからなり、または第2のコンジュゲートペプチドは配列番号5もしくは配列番号7に95%の同一性を有する。
いくつかの実施形態では、HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1は、1a、1b、2a、2b、2c、2d、3a、3b、3c、3d、3e、3f、4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h、4i、4j、5aおよび6aからなる群から選択されるHCV遺伝子型由来である。さらなる実施形態では、完全長HCV NS3ヘリカーゼは、1a、1b、2a、2b、2c、2d、3a、3b、3c、3d、3e、3f、4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h、4i、4j、5aおよび6aからなる群から選択されるHCV遺伝子型由来である。他の実施形態では、対象はヒトである。追加の実施形態では、固体支持体結合部分はビオチンを含む。さらなる実施形態では、方法は、検出可能な標識からのシグナルを誘発するトリガー溶液を試料に添加するステップをさらに含む。
図1A:標準番号付けに従ってHCVのアミノ酸1192−1356を含み、ヘリカーゼドメイン1のすべて(1207−1356)およびNS3プロテアーゼのわずかな部分(119201207)を含むNS3−D1と名付けられる例となるペプチドのアミノ酸配列を示す図である。特にN末端ヒスチジンタグ付(例えば、タンパク質精製のために)のNS3−D1捕捉ペプチド(配列番号2)のアミノ酸配列を示している。図1B:標準番号付けに従ってHCVのアミノ酸1192−1356を含み、ヘリカーゼドメイン1のすべて(1207−1356)およびNS3プロテアーゼのわずかな部分(1192−1207)を含むNS3−D1と名付けられる例となるペプチドのアミノ酸配列を示す図である。NS3−D1のビオチン化バージョン(配列番号3)(例えば、このペプチドがアビジン被覆マイクロビーズに結合できるように)を示している。図1C:アミノ酸1205−1356である「NS3−D1,DelN15」と名付けられた例となる配列を示す図である。特にC末端にビオチン配列が付いた例となるペプチドNS3−D1,delN15−Cbt(v2e)のアミノ酸配列、配列番号1を示している。図1D:アミノ酸1205−1356である「NS3−D1,DelN15」と名付けられた例となる配列を示す図である。特にC末端に、標識化目的のためアクリジニル化BSAに結合するように設計されている「XC9」配列を有する例となるペプチドNS3−D1,delN15−XC9のアミノ酸配列、配列番号13を示している。図1E:アミノ酸1205−1356である「NS3−D1,DelN15」と名付けられた例となる配列を示す図である。N末端ヒスチジンタグ付のNS3−D1,delN15のアミノ酸配列(配列番号14)を与えている。 図2A:3つのドメイン全てが付いた完全長HCV NS3ヘリカーゼを含む例となるNS3hペプチドNS3−(DeltaN15)(アミノ酸1205−1658)の核酸およびアミノ酸配列を示す図である。特にNS3h(deltaN15)の核酸配列(配列番号4)を示す図である。図2B:3つのドメイン全てが付いた完全長HCV NS3ヘリカーゼを含む例となるNS3hペプチドNS3−(DeltaN15)(アミノ酸1205−1658)の核酸およびアミノ酸配列を示す図である。NS3h(deltaN15)のアミノ酸配列(配列番号5)を示す図である。 図2C:3つのドメイン全てが付いた完全長HCV NS3ヘリカーゼを含む例となるNS3hペプチドNS3−(DeltaN15)(アミノ酸1205−1658)の核酸およびアミノ酸配列を示す図である。C末端ビオチンタグをコードするNS3h(deltaN15)−Cbt(v2e)の核酸配列(配列番号6)を示す図である。図2D:3つのドメイン全てが付いた完全長HCV NS3ヘリカーゼを含む例となるNS3hペプチドNS3−(DeltaN15)(アミノ酸1205−1658)の核酸およびアミノ酸配列を示す図である。C末端ビオチンタグを含むNS3h(deltaN15)−Cbt(v2e)のアミノ酸配列(配列番号7)を示す図である。 図2E:3つのドメイン全てが付いた完全長HCV NS3ヘリカーゼを含む例となるNS3hペプチドNS3−(DeltaN15)(アミノ酸1205−1658)の核酸およびアミノ酸配列を示す図である。C末端XC9配列をコードするNS3h(deltaN15)−XC9の核酸配列(配列番号8)を示す図である。図2F:3つのドメイン全てが付いた完全長HCV NS3ヘリカーゼを含む例となるNS3hペプチドNS3−(DeltaN15)(アミノ酸1205−1658)の核酸およびアミノ酸配列を示す図である。標識化目的のためにアクリジニル化BSAに結合するように設計されたXC9配列をコードするNS3h(deltaN15)−XC9のアミノ酸配列(配列番号9)を示す図である。 図3A:アミノ酸1192−1457(NS3領域)、1−150(コア領域)、およびGSGSHHHHHH(ヒスチジンタグ)の融合物である融合ペプチド9NB45Hの核酸配列(配列番号10)を示す図である。この配列は、例えば、キャリブレーターまたは対照配列として有用である。図3B:アミノ酸1192−1457(NS3領域)、1−150(コア領域)、およびGSGSHHHHHH(ヒスチジンタグ)の融合物である融合ペプチド9NB45Hのアミノ酸配列(配列番号11)を示す図である。この配列は、例えば、キャリブレーターまたは対照配列として有用である。 34位および48位に欠失のあるアミノ酸15−68である例となるコアペプチドのアミノ酸配列(配列番号12)を示す図である。 図1−4に記載される配列の配列アライメントおよびHCVのNS3領域における単離物P26664を示す図である。このアライメントはプロテアーゼの一部、ならびにHS3ヘリカーゼのドメイン1、2および3の位置を示している。 図1−4に記載される配列の配列アライメントおよびHCVのNS3領域における単離物P26664を示す図である。このアライメントはプロテアーゼの一部、ならびにHS3ヘリカーゼのドメイン1、2および3の位置を示している。 図Aは33核酸配列(配列番号15)を示す。図Bは33Cアミノ酸配列(配列番号16)を示す。
定義
本明細書で使用される用語「試料」はその最も広い意味で使用される。本明細書で使用される「生体試料」には、生体または以前の生体由来の物質の任意の量が含まれるがこれらに限定されない。そのような生体には、ヒト、マウス、ラット、サル、イヌ、ウサギおよび他の動物が含まれるがこれらに限定されない。そのような物質には血液(例えば、全血またはこの成分)、血漿、血清、尿、唾液、羊水、滑液、内皮細胞、白血球、単球、他の細胞、器官、組織、骨髄、リンパ節および脾臓が含まれるがこれらに限定されない。
用語「抗体(Ab)」(単数および複数)とは、モノクローナル抗体(mAb(単数または複数))、ポリクローナル抗体(pAbs(複数))、多特異性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体(完全または部分的ヒト化;可変領域の一部が非ヒト配列由来の対応する配列により置き換えられており、改変可変領域がヒト抗体の定常領域の少なくとも一部に連結されているヒト抗体の改変可変領域を含むポリペプチド)、動物抗体(トリ(例えば、アヒルまたはガチョウ)、サメ、クジラ、および非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラット、マウス、等)または非ヒト霊長類(例えば、サル、チンパンジー、等)を含む哺乳動物のようなしかしこれらに限定されない。)、組換え抗体、キメラ抗体(cAb;別の宿主種由来の抗体定常領域の少なくとも一部に連結されている1つの宿主種由来の抗体の重および軽鎖可変領域のすべてまたは一部を含むポリペプチド)、一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、Fab断片、F(ab’)断片、Fab’−SH断片、F(ab’)2断片、Fd断片、Fv断片、一本鎖Fv断片(「scFv」)、ジスルフィド連結Fv断片(「sdFv」)、dAb断片、ダイアボディ、単離された相補性決定領域(CDR)および抗イディオタイプ(「抗Id」)抗体、二機能性または二重ドメイン抗体(例えば、二重可変ドメイン抗体、またはDVD−IgG)、ならびに上記のいずれかの機能的に活性なエピトープ結合断片(または抗原的に反応性の断片)のことである。特に、抗体には免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子、すなわち、本明細書の(n)においてさらに記載される分析物結合部位および本明細書においてさらに記載される変異体を含有する分子の免疫学的に活性な(または抗原的に反応性の)断片が含まれる。免疫グロブリン分子は、いかなる種類(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスでも可能である。バイオディスプレイを使用して調製されたコンビナトリー抗体ライブラリーのスクリーニングを介して増加されたまたは改善された親和性(すなわち、KD、kdまたはka)を有する抗体は「親和性成熟抗体」と呼ばれる。簡潔さのために、分析物に対する抗体は「抗分析物抗体」または単に「分析物抗体」(例えば、抗HCV抗体またはHCV抗体)のいずれかであると本明細書では呼ばれることが多い。
本記述では、アッセイ「成分(単数および複数)」および「少なくとも1つの成分」とは、例えば、捕捉抗体、捕捉ペプチド(例えば、第1と第2のNS3h捕捉抗体)、検出またはコンジュゲート抗体、対照、キャリブレーター、一連のキャリブレーター、感受性パネル、容器、緩衝液、希釈剤、塩、酵素、酵素の補因子、検出試薬、前処理試薬/溶液、基質(例えば、溶液として)、停止溶液ならびに本明細書に記載される方法および当技術分野で公知の他の方法に従って、患者の尿、血清または血漿試料のような検査試料のアッセイのためのキット中に含まれることが可能な同類のもののことである。したがって、本開示の文脈では、「少なくとも1つの成分」および「成分(単数および複数)」は、本明細書に記載され、任意選択的に固体支持体上に固定化されるポリペプチドを含むことが可能である。いくつかの成分は、溶液であるまたはアッセイにおいて使用するための再構成のために凍結乾燥されることが可能である。
本開示のアッセイを行う際には、対照を使用するのが有用であり得る。「対照」とは、抗HCV抗体を含有しない(「負の対照」)または抗HCV抗体を含有する(「正の対照」)ことが分かっている組成物のことである。正の対照は既知の濃度の抗HCV抗体を含むことが可能である。「対照」、「正の対照」および「キャリブレーター」は、既知の濃度の抗HCV抗体を含む組成物を指すため本明細書では互換的に使用することができる。「正の対照」を使用すればアッセイ性能特徴を確立することが可能であり、試薬(例えば、分析物)の完全性の有用な指標になる。
「エピトープ(単数および複数)」および「目的のエピトープ」とは、認識されて抗体またはこの抗原的に反応性の断片のような特定の結合パートナー上の相補的部位に結合することが可能な任意の分子(例えば、本明細書に記載されるNS3抗原)上の部位(複数可)のことである。エピトープは、特定の結合パートナー上の相補的部位に結合することが分かっている抗原(またはこの断片)の領域の正確なアミノ酸残基で構成されている。抗原断片は1つよりも多いエピトープを含有することが可能である。
本明細書に記載されているアッセイ、キットおよび組成物では、アッセイの1つまたは他の成分は検出可能な標識を含むことができる。用語「標識」および「検出可能な標識」とは、抗体と分析物のような特異的な結合対のメンバー間の反応を検出可能にするために抗体または分析物のような特異的な結合パートナーに結合している部分のことであり、そのように標識されている特異的な結合パートナー、例えば、抗体または分析物は「検出可能に標識されている」と呼ばれる。標識は視覚的または機器的手段により検出可能であるシグナルを発生することが可能である。種々の標識には、色素原のようなシグナル発生物質、蛍光化合物、化学発光化合物、放射性化合物および同類のものが含まれる。標識の代表的な例には、光を発生する部分、例えば、アクリジニウム化合物および蛍光を発生する部分、例えば、フルオレセインが含まれる。他の標識は本明細書に記載されている。この点に関して、部分それ自体は検出可能に標識されていないこともあるがさらに別の部分と反応すると検出可能になることがある。「検出可能に標識されている」の使用は、後者のタイプの検出可能な標識化を包含することを意図されている。
「連結配列」とは、1つ以上の目的のポリペプチド配列(例えば、完全長、断片、等)に接続されている天然のまたは人工のポリペプチド配列のことである。用語「接続された」とは、目的のポリペプチド配列への連結配列の結合のことである。そのようなポリペプチド配列は好ましくは、1つ以上のペプチド結合により結合される。連結配列は約4から約50アミノ酸の長さを有することが可能である。好ましくは、連結配列の長さは約6から約30アミノ酸である。天然の連結配列は、アミノ酸置換、付加または欠失により改変して人工的な連結配列を作製することが可能である。例となる連結配列には以下が含まれるがこれらに限定されない:(i)6つのヒスチジン残基を含有する6×Hisタグのようなヒスチジン残基(Hisタグ)は、目的のポリペプチドおよび抗体の単離および精製を促進するための連結配列として有用である。(ii)Hisタグのようなエンテロキナーゼ切断部位は目的のタンパク質および抗体の単離および精製において使用される。多くの場合、エンテロキナーゼ切断部位は、目的のタンパク質および抗体の単離および精製においてHisタグと一緒に使用される。当技術分野では種々のエンテロキナーゼ切断部位が知られている。(iii)種々の配列を使用して一本鎖可変領域断片の軽鎖および/または重鎖可変領域を連結するまたは接続することが可能である。他の連結配列の例は、Bird et al.、Science 242:423−426頁(1988);Huston et al.、PNAS USA 85:5879−5883頁(1988);およびMcCafferty et al.、Nature 348:552−554頁(1990)に見出すことが可能である。連結配列は、薬物の付着または固体支持体への付着のような追加の機能のために改変することも可能である。本開示の文脈では、mAbは、例えば、Hisタグ、エンテロキナーゼ切断部位、または両方のような連結配列を含有することが可能である。
「患者」および「対象」は、トリ(例えば、アヒルまたはガチョウ)、サメ、クジラ、ならびに非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラットおよびマウス)および霊長類(例えば、サル、チンパンジーおよびヒト)を含む哺乳動物のような動物を指すために本明細書では互換的に使用することができる。好ましくは、患者または対象は、HCV感染のリスクがあるヒトまたはHCVに感染しているヒトのようなヒトである。
本明細書に記載される免疫アッセイの結果の解析では、ある一定レベルの検出をカットオフレベルとして含むのが有用であり得る。「所定のカットオフ」および「所定のレベル」とは一般に、アッセイ結果を所定のカットオフ/レベルに対して比べることにより診断/予防/治療有効性結果を評価するのに使用されるアッセイカットオフ値のことであり、所定のカットオフ/レベルは種々の臨床パラメータ(例えば、疾患の重症度、進行/非進行/改善、等)にすでに連結されているまたは関連付けられている。本開示は例となる所定のレベルを提供することができるが、カットオフ値は免疫アッセイの性質(例えば、用いられる抗体、等)に応じて変動することがあることは周知である。本明細書の開示を他の免疫アッセイに適応して、本開示に基づいてそれら他の免疫アッセイについての免疫アッセイ特異的カットオフ値を得ることはさらに十分当業者の能力の範囲内である。所定のカットオフ/レベルの正確な値はアッセイ間で変動することがあるが、本明細書に記載される相関関係は一般に適用可能であるはずである。
下記のように、いくつかの実施形態では検査試料の前処理を提供するのが望ましい場合がある。本明細書に記載される診断アッセイにおいて使用される「前処理試薬」、例えば、溶解、沈殿および/または可溶化試薬は、検査試料中に存在するいかなる細胞も溶解させるおよび/またはいかなる分析物も可溶化させる試薬である。本明細書でさらに記載されるように、前処理はすべての試料に必要なわけではない。とりわけ、分析物(すなわち、抗HCV抗体)を可溶化するには、試料中に存在するいかなる内在性結合タンパク質からも分析物を放出させる必要がある。前処理試薬は均一である(分離ステップを必要としない。)または不均一である(分離ステップを必要とする。)場合がある。不均一前処理試薬を使用すれば、アッセイのその次のステップに進むことに先立って、検査試料からいかなる沈殿分析物結合タンパク質も除去される。前処理試薬は任意選択的に、(a)1種以上の溶媒および塩、(b)1種以上の溶媒、塩および界面活性剤、(c)界面活性剤、(d)界面活性剤および塩、または(e)細胞溶解および/もしくは分析物の可溶化に適した任意の試薬もしくは試薬の組合せを含むことが可能である。
アッセイは厳密な品質管理も受けることができる。本明細書に記載される免疫アッセイおよびキットという文脈において「品質管理試薬」には、キャリブレーター、対照および感受性パネル(sensitivity panel)が含まれるがこれらに限定されない。「キャリブレーター」または「標準」は典型的には、抗体または分析物のような分析物の濃度の内挿のためのキャリブレーション(標準)曲線を確立するために使用される(例えば、複数のような1つ以上)。代わりに、所定の陽性/陰性カットオフに近い単一キャリブレーターを使用することが可能である。複数のキャリブレーター(すなわち、1つよりも多いキャリブレーターまたはキャリブレーター(複数可)の変化量)を、「感受性パネル」を含むように組み合わせて使用することが可能である。
用語「試料」、「検査試料」および「患者試料」は本明細書では互換的に使用することができる。尿、血清、血漿、羊水、脳脊髄液、胎盤細胞もしくは組織、内皮細胞、白血球または単球の試料のような試料は、患者から得られるまま直接使用することが可能である、または本明細書で考察されるある様式でまたは当技術分野で公知である他の方法で試料の特性を改変するために、濾過、蒸留、抽出、濃縮、遠心分離、妨害成分の不活化、試薬の添加および同類のものによりのように前処理することが可能である。好ましくは、試料は尿、血清または血漿である。
いくつかのアッセイでは、アッセイの較正を提供するのが望ましい場合がある。「一連の較正組成物」とは、既知の濃度の抗HCV抗体を含む複数の組成物のことであり、組成物のそれぞれは抗HCV抗体の濃度が他の組成物とは一連に異なる。
本明細書全体を通じて、NS3h抗原および/または他の試薬は固体支持体または固相に結合されることができ、この用語は両方が互換的に使用されることが認められる。用語「固相」とは、不溶性であるまたはその後の反応により不溶性にすることが可能な任意の物質のことである。固相は捕捉剤を引き付け固定化するその固有の能力で選ぶことが可能である。代わりに、固相は、捕捉剤を引き付け固定化する能力を有する連結剤をこれに付着させることが可能である。連結剤は、例えば、捕捉剤それ自体に関してまたは捕捉剤にコンジュゲートされた荷電物質に関して正反対の電荷を帯びた荷電物質を含むことが可能である。一般に、連結剤は、固相に固定化(付着)されていて、結合反応を通じて捕捉剤を固定化する能力のある任意の結合パートナー(好ましくは特異的な)であることができる。連結剤は、アッセイの実施前にまたはアッセイの実施中に固相物質への捕捉剤の間接的結合を可能にする(例えば、フライタイプアッセイ上の捕捉)。固相は、例えば、試験管、マイクロタイターウェル、シート、ビーズ、微粒子、チップ、および当業者には公知である他の構成物を含めて、例えば、プラスチック、誘導体化プラスチック、磁性または非磁性金属、ガラスまたはシリコンであることが可能である。
本明細書に記載されるアッセイ、キットおよび組成物のある種の記述では、NS3、NS4もしくはコア抗原またはHCV抗体のいずれでも特異的結合パートナーと呼ぶのが有用である場合がある。「特異的結合パートナー」は特異的結合対のメンバーである。特異的結合対は、化学的または物理的手段を通じて互いに特異的に結合する2つの異なる分子を含む。したがって、一般的免疫アッセイの抗原と抗体の特異的結合対に加えて、他の特異的結合対は、ビオチンとアビジン(またはストレプトアビジン)、炭水化物とレクチン、相補的ヌクレオチド配列、エフェクターと受容体分子、補因子と酵素、酵素阻害剤と酵素、および同類のものを含むことが可能である。さらに、特異的結合対は、元々の特異的結合メンバーの類似体であるメンバー、例えば、分析物類似体を含むことが可能である。免疫反応性特異的結合メンバーには、単離されたものでも組換え的に産生されたものでも、抗原、抗原断片ならびにモノクローナルおよびポリクローナル抗体を含む抗体、ならびにこれらの複合体、断片および変異体(変異体の断片を含む。)が含まれる。特異的結合対(例えば、抗原(またはこの断片)と抗体(またはこの抗原的に反応性の断片))のメンバー間の相互作用という文脈での用語「特異的な」および「特異性」とは、相互作用の選択的反応性のことである。語句「に特異的に結合する」および類似の語句とは、所与の抗原(またはこの断片)に特異的に結合し他の実体には特異的に結合しない抗体の能力(またはこの抗原的に反応性の断片)のことである。
本開示は、NS3捕捉ペプチドを使用して試料中の対象の抗HCV抗体を検出するための方法、キットおよび組成物を提供する。ある種の実施形態では、少なくとも2つのNS3ヘリカーゼ(NS3h)捕捉ペプチドおよび少なくとも2つのコンジュゲートペプチド(例えば、NS3hコンジュゲートペプチド)が一緒に用いられ、これにより1ステップタイプのアッセイにおいて広いダイナミックレンジの対象の抗体検出が可能になる。他の実施形態では、還元剤を使用せずにNS3特異的対象抗体を検出する方法が提供される。いくつかの実施形態では、NS3特異的対象抗体はNS3コンジュゲートペプチドの「ダブルショット」(例えば、洗浄の前と後の両方で試料に添加されるコンジュゲートペプチド)を用いて検出される。
ある種の実施形態では、第1のNS3h捕捉ペプチドはヘピカウイルス(Hepicavirus)(例えば、HCV)NS3ヘリカーゼタンパク質の実質的にドメイン1のみ(例えば、アミノ酸1192−1356または1205−1356)で構成されており、第2のNS3h捕捉ペプチドはNS3ヘリカーゼタンパク質の実質的に3つ全てのドメイン(例えば、アミノ酸1207−1654)で構成されている。次に、これら2種類のタンパク質は、高タイターHCV抗NS3抗体を含有する試料がドメイン1 NS3捕捉タンパク質により検出され低タイターAb試料が完全長NS3ヘリカーゼペプチドにより検出されるように、1ステップ免疫アッセイフォーマット(捕捉とコンジュゲートペプチドの両方がいかなる洗浄にも先立って試料に同時にまたはだいたい同時に添加される。)において適切なレベルで添加することができる。いくつかの実施形態では、第1と第2のNS3h捕捉ペプチドはC末端にビオチンを含有し(例えば、アビジン被覆ビーズに結合するように)、第2のセットの類似するかまたは同一のタンパク質はコンジュゲートタンパク質として使用されて捕捉された抗体を検出する。そのようなコンジュゲートペプチドはアクリジニル化BSAにコンジュゲートさせることができる。ある種の実施形態では、これら4つのペプチド(2つは捕捉で2つはコンジュゲート)は、HCV NS3タンパク質に対する抗体の検出のために1ステップタイプ免疫アッセイにおいて使用される。
下の実施例1に示されるように、2種類のNS3h捕捉ペプチドを使用するおかげで、2つのNS3h捕捉タンパク質が一斉に使用される場合、抗体を検出するための1ステップ免疫アッセイのダイナミックレンジを広げることが可能になる。例えば、NS3hドメイン1タンパク質はより高い濃度の抗体を含有する試料を検出し、完全長ヘリカーゼタンパク質はより低い濃度の抗体を含有する試料を検出する。
一般に、1ステップ免疫アッセイは2ステップアッセイよりも感度と精度に優れている傾向があるが、1ステップフォーマットの欠点は「フック効果」である。患者試料中に高濃度の分析物を含有する試料は、捕捉および検出分子の入力を圧倒してしまい、アッセイ応答の減少をもたらし不正確に低い結果を出す。定性アッセイでは、減少した結果はカットオフを下回り誤った負の結果を生じることがある。本開示は、ある種の実施形態において、抗体の検出のための1ステップアッセイでの「フック効果」という問題を解決する。本開示は、例えば、分子量がもっと小さな2番目のタンパク質を添加することにより、例えば、抗体検出の上部ダイナミックレンジを広げることによって既知のものに改良を加える。特定の実施形態では、これによりアッセイ配置も簡略化され、HCV Ag/Abコンボフォーマットの安定性を改善する。
ある種の実施形態では、本記述の方法、キットおよび組成物は少なくとも第1のおよび/または第2のNS3h捕捉抗体を用いる。いくつかの実施形態では、NS3h捕捉ペプチドは、図1−2および5に示されているアミノ酸配列を含むまたはからなるアミノ酸配列を有する。そのようなアミノ酸配列(例えば、これらの図の配列またはこれらの変異体に75%...85%...95%...または99%の配列同一性を有する配列)のもっと長い、もっと短いまたは突然変異されたバージョンを含むこれらのペプチドの変異体も用いることができる。ある種の実施形態では、第1のNS3h捕捉ペプチドは主に、HCV NS3hドメイン1もしくはドメイン2のみ、またはドメイン1とドメイン2の両方で構成されている。HCV NS3ヘリカーゼの一般に認められている境界は以下の:NS3ヘリカーゼドメイン1−およそ1207−1356(181−330);NS3ヘリカーゼドメイン2−およそ1357−1507(331−481);およびNS3ヘリカーゼドメイン3−およそ1508−1654(482−626)であることが認められている。ある種の実施形態では、追加のNS3ペプチドまたはこれらの変異体は、「HCV Antigen−Antibody Combination Assay and Methods and Compositions for use therein」という題の米国特許出願公開第20140272933号および「HCV NS3 Recombinant Antigens and Mutants Thereof for Improved Antibody Detection」という題の米国特許出願公開第20140272932号に提供されており、前記特許文献は両方とも、そこに開示されるNS3ペプチド配列を含めて、参照によりその全体を本明細書に明確に組み込む。
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるアッセイはコア抗原に対する抗体の存在をさらに検出する。使用することができると考えられるいくつかの例となるコア抗原には、コアタンパク質のDNA結合ドメイン(アミノ酸1−125)に由来する抗原が含まれる。さらに他の好ましいコア抗原は、コアタンパク質のアミノ酸残基134−171に位置するコアの脂質結合ドメイン(MGYIPLVGAPLGGAARALAHGVRVLEDGVNYATGNLPG;配列番号17)にまたは、欠失または他の変化(34および48に欠失のある配列番号12参照)のあるもしくはなしの15位−68位に由来する。したがって、コア抗原は固相支持体上に被覆しておよび/または溶液相で使用して、ヒト血清または血漿中に存在しHCVのコア領域に対する抗体を捕捉することが可能である。好ましくは、そのようなコア抗原は、HCV組合せ免疫アッセイにおいて検査試料中に存在するコア抗原の検出のために使用されるコンジュゲート抗体による検出を逃れることが可能である。したがって、検査試料中に存在し同じHCVコンボアッセイフォーマットにおいても同定されると予想される抗コア抗体を検出するのと同時に検査試料中に存在する両コア抗原を検出する組合せ免疫アッセイを実施することが可能である。
本明細書全体を通じて認められるように、本開示の方法は一般には免疫アッセイ法である。例となる実施形態では、そのような方法は目的の分子(例えば、検査試料中に存在する特定の抗体または検査試料中に存在する可能性がある特定の抗原のような)を単離するための方法を含む。そのような単離を促進するために、目的の分子は、例えば、タグ結合パートナーに接触する精製タグを含むまたはこれに付着されている。このように精製タグとタグ結合パートナーの会合を使用して目的の分子を分子の混合物から分離することができる。精製タグは同じまたは類似する構造を有する部分を含むことが可能である。ある種の実施形態では、親和性タグのタギング部分は、任意選択的に単、二重、三重結合、芳香族炭素−炭素結合、ならびに炭素−窒素結合、窒素−窒素結合、炭素−酸素結合、炭素−硫黄結合、リン−酸素結合、リン−窒素結合、およびこれらの任意の組合せを含む、線形、分岐または環状配置で単結合により直接または安定な化学結合の連結を介して機能的タグと会合させることが可能である。ある種の実施形態では、タギング部分と機能的タグの間の会合は、エーテル、チオエーテル、カルボキサミド、スルホンアミド、尿素またはウレタン部分を含む。ある種の実施形態では、連結はポリアルキレン鎖、すなわち、線形または分岐配置の炭素−炭素結合を含む。他の実施形態では、連結はポリエチレングリコール部分を含むポリアルキレンオキシド鎖を含む。親和性タグの例には、ビオチン、ジゴキシゲニン(Dig)、ジニトロフェノール(DNP)、亜鉛フィンガー、フッ化ポリマー、およびポリヒスチジンモチーフのようなポリペプチド配列が含まれるがこれらに限定されない。
親和性タグは、いくつかの実施形態では、親和性タグと親和性タグに引き付けられるまたは結合する官能基の結合または引力に頼ることにより、目的の分子を単離するのに有利に使用される。いくつかの実施形態では、固体基材はタグ結合パートナーで誘導体化されて、タグに対する親和性を有する。いくつかの実施形態では、結合パートナーは親和性基材上に固定化することができる。用語「親和性基材」は、分子の精製タグと強力で好ましくは可逆的相互作用を形成することができる結合パートナーに結合している不動のマトリックスまたは支持体を指すことが可能である。親和性基材は樹脂、ビーズ、粒子、膜、ゲルを含むことが可能である。結合パートナーは精製タグを特異的に認識するまたは結合する。特異的結合パートナーは親和性タグに依存することになるが、荷電部分ならびに受容体−リガンド、抗体−抗原、炭水化物−レクチン、およびビオチン−ストレプトアビジン(またはアビジン、ニュートラアビジンもしくは抗ビオチン抗体)のような結合対のうちの1つのメンバーを含む。
特定の実施形態では、免疫アッセイにおいて使用される抗原のいずれかもしくはすべてのCもしくはN末端のいずれかはビオチン化してもよいし、または親和性タグとしてビオチン結合部分(例えば、アビジンまたはストレプトアビジンまたはニュートラアビジンまたは抗ビオチン)を含んでいてもよい。これらのペプチドはビオチン化されたまたはアビジン/ストレプトアビジンコンジュゲートされたペプチドであり、捕捉抗原として働くことになる。同様に、抗原は検出標識で代わりに標識してもよく、その場合、抗原は検出抗原として働くことになる。検出および捕捉抗原は同じ基礎アミノ酸配列を有していてもよく、または代わりに異なる配列を有していてもよい。例となる実施形態では、捕捉抗原は、ビオチン結合パートナー(すなわち、アビジンまたはストレプトアビジン)を有する固体支持体へのこの結合を促進するためにCまたはN末端のいずれかでビオチン化されている。例となる産生目的で、ビオチン化ペプチドは25℃でIPTG誘導システムを介してイー・コリBL2L(DE3)細胞において組換え的に発現される。C末端またはN末端ビオチン化でのインサイチュビオチン化は、所望のペプチドを発現しているHCV発現プラスミドとイー・コリ由来のBirA遺伝子を含有する第2のプラスミドを用いてBL2L(DE3)細胞を同時形質転換することにより成し遂げられる(Weiss et al.(1994)Protein Expression&Purif、14:751−755頁;Schatz et al.(1993)Biotechnology、11:1138−1143頁)。組換えタンパク質の精製は、金属触媒酸化およびタンパク質の凝集を妨げることが明らかにされている二価陽イオンキレート剤を使用して実施される。タンパク質安定性は、EDTAまたは関連する二価陽イオンキレート剤を精製中に使用される緩衝液および最終貯蔵緩衝液または免疫アッセイにおいて使用される緩衝液に添加すると著しく改善される。
ある種の実施形態では、試料中の対象の抗体の存在を判定することに加えて、アッセイは試料中の1つ以上のHCV抗原の存在も判定する。そのような実施形態では、モノクローナル抗HCV抗体を使用して検査試料から抗原を捕捉し、次にさらにコンジュゲート抗体を使用して既に捕捉されている抗原の存在を検出するのが望ましいことになる。この試みに使用することができる抗体が数多く市販されている。具体的には、そのような抗体は好ましくは検査試料中のコア抗原の存在を判定する。コア抗原に対する抗体は当業者には公知であり、例えば、米国特許出願公開第20120009196号および米国特許出願公開第20140272931号に記載される抗体を含む。前記特許文献は両方とも参照によりその全体を本明細書に組み込む。
特定の例となる実施形態では、組合せ免疫アッセイにおいて使用される抗体は検査試料中のHCVコアタンパク質またはこの断片を検出するように設計された抗体である。そのような抗体はDNA結合ドメイン、脂質結合ドメインまたは完全コアタンパク質を検出することができる。いくつかの実施形態では、免疫アッセイにおいて使用される検出抗体はコアペプチドの脂質結合ドメインに対するものである。さらに他の実施形態では、組合せアッセイにおいて使用される抗HCVコア抗体は、例えば、C11−3、C11−7、C11−9およびC11−14であってよい(米国特許第6,727,092号;Morota,et al、J.Virol.Meth.、2009年、157:8−14頁に記載されている。)。
本発明の特定のアッセイでは、免疫アッセイはNS3h特異的対象の抗体、コア抗原を少なくとも検出し、検査試料中のコア抗体も検出する。そのような実施形態では、確実に、捕捉抗原は抗コア抗体を捕捉するように設計され、好ましくは特異的なモノクローナル抗体に対する結合領域である既知のエピトープにある種の欠失または置換を含み、それにより、HCVコア抗原検出のために使用されるモノクローナル抗体がこれらの改変されたコア抗原を検出できないがにもかかわらず検査試料から完全コア抗原は検出するようにすることは、必須ではないが望ましいものとなる。捕捉抗体として使用される例となる抗コア抗体は、米国特許第6,727,092号ならびにMorota,et al、J.Virol.Meth.、2009年、157:8−14頁に記載されている抗体AOT3、C11−3、C11−7、C11−9およびC11−14を含む。
特定の実施形態では、本明細書に記載される抗原および抗体は、HCVにすでに感染していると疑われている検査試料中に見出される複数のHCV成分の検出のために設計された組合せ免疫アッセイにおいて免疫診断試薬として使用するために想定されている。免疫診断試薬(これらが抗体であれ抗原であれ)は、HCVのNS3領域、HCVのコア抗原、HCVのNS4領域またはこれらの組合せならびにこれらの領域のうちの1つ以上に対する抗HCV抗体を含むがこれらに限定されないHCV抗原の検出のために設計された組合せ免疫アッセイにおいて使用することができるように、本明細書に記載される抗原ポリペプチドおよび抗体で構成されることになる(典型的には組み合わせて)。捕捉目的のために、免疫診断試薬を構成する抗原および/または抗体は、例えば、微粒子(例えば、磁気粒子)、ビーズ、試験管、マイクロタイタープレート、キュベット、膜、足場分子、フィルム、濾紙、ディスクまたはチップのような固体支持体上に被覆することが可能である。この点に関して、免疫診断試薬が抗原の組合せ(例えば、異なるHCVタンパク質または同じHCVタンパク質の異なる断片に対するものである。)を含む場合、抗原は同じ固体支持体上に同時に被覆することが可能である、または別々の固体支持体上でも可能である。同様に、免疫診断試薬が検査試料から1つ以上の抗原を捕捉するのに使用されることになる1つ以上の抗体を含む場合、そのような抗体は同じ固体支持体上に同時に被覆することが可能である、または別々の固体支持体上でも可能である。
注目すべきことに、免疫診断試薬は検出可能な標識で標識することも捕捉もしくは検出を可能にする特異的パートナーで標識することもできる。例えば、標識は、フルオロフォア、放射性部分、酵素、ビオチン/アビジン標識、発色団、化学発光標識、または同類のもののような検出可能な標識であり得る。そのような標識は下でさらに詳細に説明される。
さらに、本発明は本明細書に記載される免疫診断試薬を含むHCV診断キットの調製を想定しており、検査試料中のHCVの存在を判定するための免疫アッセイにおける免疫診断試薬の使用のための説明書をさらに含むことができる。例えば、キットは免疫アッセイにより抗HCV抗体(例えば、検査試料中の抗NS3h抗体)について検査試料をアッセイするための説明書を含むことが可能である。ある種の実施形態は検査試料をアッセイするために化学発光微粒子免疫アッセイを用いるが、本開示の免疫アッセイにおいて使用される抗原および抗体は、検査試料中のHCVの存在を判定するために当業者に公知の他のいかなる免疫アッセイフォーマットにおいても使用することができることは理解されるべきである。説明書は書面またはディスク、CD,DVD、もしくは同類のもののようなコンピュータ可読形態でも可能である。代わりにまたはさらに、キットはキャリブレーターもしくは対照、例えば、精製された、および任意選択的に凍結乾燥された抗HCV抗体もしくは抗原、ならびに/またはアッセイを行うための少なくとも1つの容器(例えば、組合せ免疫アッセイの捕捉成分(抗原および/または抗体)のうちの1つ以上で前々から被覆しておくことが可能なチューブ、マイクロタイタープレートまたはストリップ)、ならびに/またはそのうちのいずれか1つは濃縮溶液、検出可能な標識(例えば、酵素標識)のための基質溶液もしくは停止溶液として提供することが可能であるアッセイ緩衝液もしくは洗浄緩衝液のような緩衝液を含むことが可能である。好ましくは、キットはすべての成分、すなわち、アッセイを実施するのに必要である試薬、標準物質、緩衝液、希釈剤、等を含む。特定の実施形態では、すべての成分は、免疫アッセイが固体支持体が捕捉部分(例えば、ビオチン化抗原またはビオチン化抗体)の結合を可能にする薬剤で被覆されている捕捉オンザフライタイプの免疫アッセイとして実施されるようにキット中に個々に提供され、キットは個々の捕捉と検出抗原対およびビオチン化補足抗体コンジュゲートのそれぞれを1つの容器にさらに含み、第2の容器は検出抗体コンジュゲートを提供することが好ましい。アッセイを行うための説明書は、抗HCV抗体を定量化する目的で標準曲線または参照標準を作製するための説明書も含むことが可能である。
抗IgG抗体および抗IgM抗体のような本明細書のキットまたはシステムにおいて提供されるいかなる抗体も、フルオロフォア、放射性部分、酵素、ビオチン/アビジン標識、発色団、化学発光標識、もしくは同類のもののような検出可能な標識を組み込むことも可能である、またはキットは、抗体もしくは抗体(例えば、検出抗体)を検出するための試薬を標識するためのおよび/または分析物もしくは分析物を検出するための試薬を標識するための試薬を含むことが可能である。抗体、キャリブレーターおよび/もしくは対照は別々の容器に提供されるまたは適切なアッセイフォーマット中に、例えば、マイクロタイタープレート中に前分注しておくことが可能である。一実施形態では、2つの容器が提供される。第1の容器には、それぞれの対中の第1の抗原が所与のHCVタンパク質(例えば、NS3h)由来のビオチン化されている捕捉抗原であり、それぞれの対中の第2の抗原が第1の抗原と同じタンパク質由来の検出抗原であるが検出可能な標識で標識されている(例えば、第2の抗原はアクリジニル化されている。)少なくとも第1、第2および/または第3の対の抗原、ならびに検査試料から1つ以上のHCV抗原を検出するために設計された1つ以上のビオチン化抗体が提供され、第2の容器には第1の容器からビオチン化抗体により捕捉される抗原の検出のためのコンジュゲーションパートナーを形成する抗体が提供される。第1の容器中に複数のビオチン化抗体が存在する場合、コンジュゲーションパートナーを形成する複数の抗体は、単一の容器にまたはコンジュゲート抗体を検出する異なる抗原ごとに個々の容器に存在していてもよいことが想定されている。
ある種の実施形態では、キットは品質管理成分(例えば、感受性パネル、キャリブレーターおよび陽性対照)を含む。品質管理試薬の調製は当技術分野では周知であり、種々の免疫診断製品の挿入シート上に記載されている。感受性パネルメンバーは任意選択的にアッセイ性能特徴を確立するために使用され、さらに任意選択的に免疫アッセイキット試薬の完全性およびアッセイの標準化の有用な指標である。
キットは、緩衝液、塩、酵素、酵素補因子、基質、検出試薬および同類のもののような、診断アッセイを行うためにまたは品質管理評価を促進するために必要な他の試薬も含むことができる。検査試料の単離および/または処理のための緩衝液および溶液(例えば、前処理試薬)のような他の成分もキットに含めることが可能である。キットは1つ以上の他の対照をさらに含むことが可能である。キットの成分のうちの1つ以上を凍結乾燥させることが可能であり、その場合、キットは凍結乾燥成分の再構成に適した試薬をさらに含むことが可能である。
キットの種々の成分は必要に応じて適切な容器、例えば、マイクロタイタープレートで提供することができる。キットは試料を保持するまたは保管するための容器(例えば、試料用の容器またはカートリッジ)をさらに含むことが可能である。必要に応じて、キットは任意選択的に反応容器、混合容器および試薬または検査試料の調製を促進する他の成分も含有することが可能である。キットは、注射器、ピペット、鉗子、計量スプーンまたは同類のもののような検査試料を入手するのを手助けするための1つ以上の器具も含むことが可能である。
ある種の実施形態では、検出可能な標識は少なくとも1つのアクリジニウム化合物である。そのような実施形態では、キットは少なくとも1つのアクリジニウム−9−カルボキサイミド、少なくとも1つのアクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステルまたはこれらの任意の組合せを含むことが可能である。検出可能な標識が少なくとも1つのアクリジニウム化合物である場合、キットは、緩衝液、溶液および/または少なくとも1つの塩基性溶液のような過酸化水素の供給源も含むことが可能である。免疫診断試薬中では抗体検出のための抗原は検出可能に標識することができ、そのような試薬と共に使用するためにキット中に提供されるいかなる抗体も検出可能に標識することができることは理解されるべきである。
ある種の実施形態では、キットは、磁気粒子、ビーズ、試験管、マイクロタイタープレート、キュベット、膜、足場分子、フィルム、濾紙、ディスクまたはチップのような固体支持体相を含有することが可能である。
本開示は、検査試料中の抗HCV抗体または抗HCV抗体とHCV抗原の存在、量または濃度を決定するための免疫アッセイ法を提供する。当技術分野で公知のいかなる適切なアッセイも、そのようなアッセイがHCV抗体を検出するための抗原のうちの1つ以上を使用する限りそのような方法において使用することが可能である。そのようなアッセイの例には、サンドイッチ免疫アッセイ(例えば、放射性同位元素検出(放射免疫アッセイ(RIA))および酵素検出(酵素免疫アッセイ(EIA)または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)(例えば、Quantikine ELISAアッセイ、R&D System、Minneapolis、Minn.)を含むモノクローナル−ポリクローナルサンドイッチ免疫アッセイ)、競合阻害免疫アッセイ(例えば、フォワードおよびリバース)、蛍光偏光免疫アッセイ(FPIA)、EMIT法、生物発光共鳴エネルギー転移(BRET)および均一化学発光アッセイ、等のような免疫アッセイを含むがこれらに限定されない。
特定の実施形態では、組換え抗原(例えば、NS3h抗原)は捕捉試薬として(例えば、抗原のアミノ−またはカルボキシ−末端がビオチンタグを含むような抗原を使用することにより)または抗原が直接的にもしくは間接的にアクリジニウムで標識されている検出(コンジュゲート)試薬として使用することができる。間接的標識化は、SMCCタイプのリンカーを介してタンパク質内の不対システイン残基の遊離のチオールに共有結合されているアクリジニル化BSAの使用を用いることができる。そのような間接的標識化を促進するために、本開示の免疫アッセイにおいて使用されるある種の抗原は、C末端に追加のシステイン残基を含むようにさらに改変することが容易にできる。
典型的には、免疫アッセイは1ステップまたは2ステップフォーマットで実施される。1ステップアッセイにおいて溶液中に形成される免疫複合体の捕捉のための固相試薬には、例えば、ビオチン化部分(例えば、HCV抗体の捕捉のためのビオチン化抗原)を捕捉する抗ビオチンモノクローナル抗体、ストレプトアビジンまたはニュートラアビジンが含まれる。
SELDIベースの免疫アッセイでは、抗HCV抗体またはHCV抗原に特異的に結合する捕捉試薬は予備活性化タンパク質チップアレイのような質量分析プローブの表面に付着される。次に、抗HCV抗体または抗原はバイオチップ上に特異的に捕捉され、捕捉された部分は質量分析法により検出される。代わりに、抗HCV抗体は捕捉試薬から溶出され従来のMALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)によりまたはSELDIにより検出することが可能である。化学発光微粒子免疫アッセイ、特にARCHITECH(登録商標)自動分析装置(Abbott Laboratories、Abbott Park、Ill.)を用いる免疫アッセイは、複数の抗原の組合せ(好ましくは、2つ以上のNS3h抗原)を容易に用いることができる特定の免疫アッセイの例である。受身血液凝集アッセイのような凝集アッセイも使用することが可能である。凝集アッセイでは、抗原−抗体反応は凝集またはクランピングにより検出される。受身血液凝集アッセイでは、赤血球は抗原で被覆され被覆された赤血球は凝集アッセイで使用される。
尿、血液、血清および血漿ならびに他の体液を収集する、取り扱うおよび処理するための当技術分野で周知の方法は、例えば、免疫診断試薬が複数の抗原を含む場合に本開示の実践においておよび/または抗HCV抗体免疫アッセイキットにおいて使用される。検査試料は目的のポリペプチドに加えて、抗体、抗原、ハプテン、ホルモン、薬物、酵素、受容体、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドのような部分をさらに含むことが可能である。例えば、試料は対象から得られる全血試料であって可能である。検査試料、特に全血が本明細書に記載される免疫アッセイに先立って、例えば前処理試薬を用いて処理されることが必要であるかまたは望ましいことがある。前処理が必要ではない場合でさえ(例えば、大半の尿試料)、前処理は任意選択的に単に便宜上行うことが可能である(例えば、商業プラットフォーム上のレジメンの一部として)。
前処理試薬は、本明細書に記載される免疫アッセイおよびキットと一緒に使用するのに適した任意の1つ以上の溶媒(例えば、メタノールおよびエチレングリコール)と塩、(b)1つ以上の溶媒、塩および界面活性剤、(c)界面活性剤または(d)界面活性剤と塩を含む。前処理試薬は当技術分野で公知であり、そのような前処理は、例えば、文献(例えば、Yatscoff et al.、Abbott TDx Monoclonal Antibody Assay Evaluated for Measuring Cyclosporine in Whole Blood、Clin.Chem.36:1969−1973頁(1990)、およびWallemacq et al.、Evaluation of the New AxSYM Cyclosporine Assay:Comparison with TDx Monoclonal Whole Blood and EMIT Cyclosporine Assays、Clin.Chem.45:432−435頁(1999)参照)に記載されているならびに/または市販されているAbbott TDx、AxSYM(登録商標)およびARCHITECT(登録商標)分析機器(Abbott Laboratories、Abbott Park、Ill.)上でのアッセイのために使用されるように用いることが可能である。さらに、前処理は、Abbottの米国特許第5,135,875号、欧州特許出願公開第0471293号、2006年12月29日提出の米国特許仮出願第60/878,017号および米国特許出願公開第2008/0020401号に記載されている通りに行うことが可能である(前処理に関するその教唆について参照によりその全体を組み込む。)。前処理試薬は不均一薬剤でも均一薬剤でも可能である。
不均一前処理試薬を使用する場合は、前処理試薬は分析物結合タンパク質(例えば、抗HCV抗体に結合することが可能なタンパク質または試料中に存在する抗HCV抗体形態に結合することが可能な抗原)を沈殿させる。そのような前処理ステップは、沈殿した分析物結合タンパク質から前処理剤を試料に添加することにより形成された混合物の上澄みを分離することによりいかなる分析物結合タンパク質も取り除くことを含む。そのようなアッセイでは、いかなる結合タンパク質も欠く混合物の上澄みがアッセイでは使用され、直に抗体捕捉ステップに進む。
均一前処理試薬を使用する場合は、そのような分離ステップはない。検査試料と前処理試薬の全混合物を、抗HCV抗体に対する標識された特異的結合パートナー(例えば、抗原)またはHCV抗原に対する標識された特異的結合パートナー(例えば、抗体)に接触させる。そのようなアッセイのために用いられる前処理試薬は典型的には、第1の特異的結合パートナーによる捕捉前にまたは捕捉中に、前処理された検査試料混合物に希釈される。そのような希釈にもかかわらず、一定量の前処理試薬(例えば、5Mのメタノールおよび/または0.6のメチレングリコール)が捕捉中に検査試料混合物中にまだ存在している(または残っている。)。
不均一フォーマットでは、対象から検査試料が得られた後、第1の混合物が調製される。混合物は抗HCV抗体について評価されている検査試料および第1の特異的捕捉結合パートナーを含有しており、検査試料中に含有される第1の特異的捕捉結合パートナーと任意の抗HCV抗体は第1の特異的捕捉結合パートナー−抗HCV抗体複合体を形成する。第1の特異的捕捉結合パートナーはNS3抗原であってよい。同様に、本明細書で提供されるアッセイは、第2と第3の特異的捕捉結合パートナーも含有することができ、これら第2と第3の特異的捕捉結合パートナーは、検査試料中に存在する抗HCV抗体と第2と第3の特異的捕捉結合パートナー−抗HCV抗体複合体を形成する。そのような第2、第3および第4の抗原は、コア抗原、NS3、NS4、NS5およびこれらの部分からなる群から選択される少なくとも1つのHCV抗原のうちの1つ以上であってよい。
さらに、免疫アッセイは、少なくとも1つのNS3h捕捉抗原を含むことに加えて、検査試料中に存在する抗原と抗HCV抗体−第3または第4の特異的結合パートナー複合体を形成するように、検査試料中に見出される特異的結合パートナー(すなわち、検査試料中に見出される抗原またはHCVタンパク質)と特異的な複合体を形成することになる少なくとも1つの抗HCV捕捉抗体を含むことができる。ある種の実施形態では、この特異的結合対は検査試料中のコア抗原を検出する対であり、したがって、結合対は検査試料中の抗原(コア)の検出のための抗コア抗体である。
検査試料と種々の特異的結合パートナーを添加して混合物を形成する順序は変わることができる。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、等の特異的捕捉結合パートナー(すなわち、抗原)と任意の抗HCV捕捉抗体は固相上に固定化されている。さらに他の実施形態では、これらの成分はどれも固定化されていないが、代わりにすべてが同時に検査試料に添加されて固相上への捕捉を引き起こす。免疫アッセイにおいて使用される固相は、磁気粒子、ビーズ、試験管、マイクロタイタープレート、キュベット、膜、足場分子、フィルム、濾紙、ディスクまたはチップのようなしかしこれらに限定されない当技術分野で公知のいかなる固相でも可能である。
特異的捕捉結合パートナーと検査試料中に見出されるこのそれぞれの抗HCV抗体および任意の抗HCV捕捉抗体(例えば、抗コア)と検査試料中に見出されるこのそれぞれのHCV抗原またはHCVタンパク質の間で免疫複合体が形成された後、いかなる非結合の抗HCV抗体またはHCV抗原/タンパク質も当技術分野で公知の任意の技法を使用して複合体から取り除かれる。例えば、非結合の抗HCV抗体または抗原は洗浄により取り除くことが可能である。しかし、検査試料中に存在するすべての抗HCV抗体および抗原がそれぞれ特異的な結合パートナーおよび任意の抗HCV捕捉抗体により結合されるように、特異的結合パートナーおよび任意の抗HCV抗体は、それぞれ検査試料中に存在する任意の抗HCV抗体および抗原よりも超過して存在しているのが望ましい。
いかなる非結合の抗HCV抗体および抗原も取り除かれた後、第1の特異的検出結合パートナー(例えば、コンジュゲート)を混合物に添加して、第1の特異的捕捉結合パートナー−抗HCV抗体−第1の特異的検出結合パートナー複合体を形成することによって検出が達成される。第1の特異的検出結合パートナーは、標識された抗原(例えば、NS3h抗原)または抗IgG抗体または抗IgM抗体であってもよい。さらに、第1の特異的検出結合パートナーは上記の検出可能な標識で標識化されているか、またはこれを含有してもよい。
当技術分野で公知であるいかなる適切な検出可能な標識でも、検出可能な標識のうちの任意の1つ以上として使用することが可能である。例えば、検出可能な標識は、放射性標識(H、125I、35S、14C、32Pおよび33Pのような)、酵素標識(西洋ワサビパーオキシダーゼ、アルカリパーオキシダーゼ、グルコース6リン酸脱水素酵素および同類のもののような)、化学発光標識(アクリジニウムエステル、チオエステルまたはスルホンアミド;ルミノール、イソルミノール、フェナンスリジニウム(phenanthridinium)エステルおよび同類のもののような)、蛍光標識(フルオレセイン(例えば、5−フルオレセイン、6−カルボキシフルオレセイン、3’6−カルボキシフルオレセイン、5(6)−カルボキシフルオレセイン、6−ヘキサクロロ−フルオレセイン、6−テトラクロロフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネートおよび同類のもの))、ローダミン、フィコビリンタンパク質、R−フィコエリトリン、量子ドット(例えば、硫化亜鉛キャッピングされたセレン化カドミウム)、温度測定標識または免疫ポリメラーゼ連鎖反応標識が可能である。標識、標識化法および標識の検出の入門書は、Polak and Van Noorden、Introduction to Immunocytochemistry、2nd ed.、Springer Verlag、N.Y.(1997)およびHaugland、Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(1996)に見られ、後者はMolecular Probes、Inc.、Eugene、Oreg.により出版されているハンドブックとカタログの複合本である。蛍光標識はFPIAにおいて使用することが可能である(例えば、米国特許第5,593,896号、米国特許第5,573,904号、米国特許第5,496,925号、米国特許第5,359,093号および米国特許第5,352,803号参照。これら特許文献はこれにより参照によりその全体を組み込む。)。アクリジニウム化合物は均一化学発光アッセイにおいて検出可能標識として使用することが可能である(例えば、Adamczyk et al.、Bioorg.Med.Chem.Lett.16:1324−1328頁(2006);Adamczyk et al.、Bioorg.Med.Chem.Lett.4:2313−2317頁(2004);Adamczyk et al.、Biorg.Med.Chem.Lett.14:3917−3921頁(2004);およびAdamczyk et al.、Org.Lett.5:3779−3782頁(2003)参照)。
例となるアクリジニウム化合物はアクリジニウム−9−カルボキサミドである。アクリジニウム−9−カルボキサミドを調製するための方法はMattingly、J.Biolumin.Chemilumin.6:107−114頁(1991);Adamczyk et al.、J.Org.Chem.63:5636−5639頁(1998);Adamczyk et al.、Tetrahedron 55:10899−10914頁(1999);Adamczyk et al.、Org.Lett.1:779−781頁(1999);Adamczyk et al.、Bioconjugate Chem.11:714−724頁(2000);Mattingly et al.、In Luminescence Biotechnology:Instruments and Applications;Dyke、K.V.Ed.;CRC Press:Boca Raton、pp.77−105頁(2002);Adamczyk et al.、Org.Lett.5:3779−3782頁(2003);ならびに米国特許第5,468,646号、米国特許第5,543,524号および米国特許第5,783,699号に記載されている(これらの文献はそれぞれが前記方法に関する教唆について参照によりその全体を本明細書に組み込む。)。
別の例となるアクリジニウム化合物はアクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステルである。式IIのアクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステルの例は、10−メチル−9−(フェノキシカルボニル)アクリジニウムフルオロスルホン酸(Cayman Chemical、Ann Arbor、Mich.から入手可能)である。アクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステルを調製するための方法は、McCapra et al.、Photochem.Photobiol.4:1111−21頁(1965);Razavi et al.、Luminescence 15:245−249頁(2000);Razavi et al.、Luminescence 15:239−244頁(2000);および米国特許第5,241,070号に記載されている(前記文献はそれぞれが前記方法に関する教唆について参照によりその全体を本明細書に組み込む。)。そのようなアクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステルは、シグナルの強度および/またはシグナルの迅速性の点から、少なくとも1つのオキシダーゼによる分析物の酸化において生成される過酸化水素についての効率的な化学発光指示薬である。アクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステルの化学発光放出の経過は迅速に、すなわち1秒未満で完了するが、アクリジニウム−9−カルボキサミド化学発光放出は2秒を超えて伸びる。しかし、アクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステルはタンパク質の存在下ではその化学発光特性を失う。したがって、この使用にはシグナル発生および検出中はタンパク質が存在しないことが必要である。試料中のタンパク質を分離するかまたは除去するための方法は当業者には周知であり、限外濾過、抽出、沈殿、透析、クロマトグラフィーおよび/または消化を含むがこれらに限定されない(例えば、Wells、High Throughput Bioanalytical Sample Preparation.Methods and Automation Strategies、Elsevier(2003)参照)。検査試料から除去されるかまたは分離されるタンパク質の量は、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%が可能である。アクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステルおよびこの使用に関するさらなる詳細は、2007年4月9日提出され、2008年10月9日に米国特許出願公開第2008/0248493号として公開された米国特許仮出願第11/697,835号に記載されている。アクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステルは、脱気無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはコール酸ナトリウム水溶液のような任意の適切な溶媒に溶解させることが可能である。
化学発光アッセイはAdamczyk et al.、Anal.Chim.Acta 579(1):61−67頁(2006)に記載される方法に従って実施することが可能である。いかなる適切なアッセイフォーマットでも使用することが可能であるが、マイクロプレートケミルミノメーター(Mithras LB−940、Berthold Technologies U.S.A.、LLC、Oak Ridge、Tenn.)は、少量の複数の試料のアッセイを迅速に可能にする。ケミルミノメーターには96ウェルブラックポリスチレンマイクロプレート(Costar#3792)を使用して複数の試薬注射器を備え付けることが可能である。それぞれの試料は別々のウェル中に添加され、続いて、用いられるアッセイのタイプによって決定される他の試薬を同時に/順次添加することが可能である。アクリジニウムアリールエステルを用いる中性または塩基性溶液中での疑似塩基の形成は、酸性化によってのように回避されるのが望ましい。次に、化学発光応答はウェルごとに記録される。これに関して、化学発光応答を記録する時間は一部、用いられる試薬と特定のアクリジニウムの添加の間の遅延に依存することになる。
過酸化水素は混合物中においてインサイチュで生成されるまたは上記のアクリジニウム化合物の添加前に、と同時にもしくは後に混合物に提供されるもしくは供給されることが可能である。過酸化水素は当業者には明らかであるようにいくつかの方法で、インサイチュで生成することが可能である。代わりに、過酸化水素の供給源を混合物に添加するだけで可能である。例えば、過酸化水素の供給源は、過酸化水素を含有することが分かっている1つ以上の緩衝液または他の溶液で可能である。これに関しては、過酸化水素の溶液を添加するだけで可能である。少なくとも1つの塩基性溶液を試料に同時にまたは順次添加すると、抗HCV抗体(捕捉は抗原を用いてである。)または抗原(捕捉は抗体を用いてである。)の存在を示す検出可能なシグナル、すなわち、化学発光シグナルが発生される。塩基性溶液は少なくとも1つの塩基を含有し、10より大きいまたは等しい、好ましくは12より大きいまたは等しいpHを有する。塩基性溶液の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび炭酸水素カルシウムを含むがこれらに限定されない。試料に添加される塩基性溶液の量は塩基性溶液の濃度に依存する。使用される塩基性溶液の濃度に基づいて、当業者であれば試料に添加される塩基性溶液の量を簡単に決定することが可能である。
発生される化学発光シグナルは当業者に公知のルーチンな技法を使用して検出することが可能である。発生されるシグナルの強度に基づいて、試料中の抗HCV抗体および/または抗原の量を定量することが可能である。具体的には、試料中の抗HCV抗体および/または抗原の量は発生するシグナルの強度に比例する。存在する抗HCV抗体および/または抗原の量は、発生した光の量と抗HCV抗体および/もしく抗原についての標準曲線を比べることによりまたは参照標準と比べることにより定量することが可能である。標準曲線は、既知の濃度の抗HCV抗体の連続希釈液または溶液を使用して、質量分析、重量測定法および当技術分野で公知の他の技法により作成することが可能である。
抗HCV抗体および/または抗原免疫アッセイは当技術分野で公知のいかなる適切なフォーマットを使用しても行うことが可能である。一般的に言えば、ある種の実施形態では、抗HCV抗体について検査されている(例えば、これを含有すると疑われている。)試料は捕捉抗原ならびに標識された抗IgGおよび抗IgM抗体のような少なくとも1つの検出コンジュゲートペプチドまたはコンジュゲート抗体(第2の検出抗体または第3の検出抗体で可能である。)に、同時にまたは順次およびいかなる順序でも接触させることが可能である。同様に、抗原の存在についての検査は検査試料中の抗原に結合する捕捉された抗体に接触させることが可能であり、次に結合した抗原は検出抗体により検出することができる。
例えば、検査試料は先ず少なくとも2つのNS3h捕捉抗原に、次に(順次)少なくとも1つの検出抗体に接触させることが可能である。代わりに、検査試料は先ず少なくとも1つの検出抗体に、次に(順次)少なくとも2つのNS3h捕捉抗原に接触させることが可能である。さらに別の代案では、検査試料は捕捉抗原および検出抗体に同時に接触させることが可能である。サンドイッチアッセイフォーマットでは、抗HCV抗体(またはこの断片)を含有すると疑われている試料は、第1の捕捉抗原/抗HCV抗体複合体および第2の抗原/抗HCV抗体複合体の形成を可能にする条件下で、先ず少なくとも2つのNS3h捕捉抗原に接触させる。ある種のアッセイでは、同じことが繰り返されるまたは第2、第3またはそれ以上の捕捉抗原と同時に行われる。サンドイッチアッセイでは、抗原、好ましくは、少なくとも2つのNS3h捕捉抗原は、検査試料中で予測される抗HCV抗体の最大量よりもモル過剰量で使用される。例えば、mLの緩衝液(例えば、微粒子コーティング緩衝液)当たり約5μgから約1mgの抗原を使用することが可能である。
小分析物を測定するのに使用されることが多い競合的阻害免疫アッセイは連続および古典的フォーマットを含む。連続競合的阻害免疫アッセイでは、少なくとも1つまたは少なくとも2つのNS3h捕捉抗原がマイクロタイタープレートのウェル上に被覆される。目的の抗体(単数または複数)を含有する試料がウェルに添加されると、目的の抗体は捕捉抗原に結合する。洗浄後、既知の量の標識された(例えば、ビオチンまたは西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP))抗体がウェルに添加される。酵素標識に対する基質はシグナルを発生するのに必要である。HRPに対する適切な基質の例は、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)である。洗浄後、標識された抗体により発生されるシグナルは測定され、試料中の抗体の量に反比例する。古典的競合的阻害免疫アッセイでは、目的の抗体に対する抗原がマイクロタイタープレートのウェル上に被覆される。しかし、連続競合的阻害免疫アッセイとは違って、目的の抗体(すなわち、抗HCV抗体)を含有する試料および標識された抗体はウェルに同時に添加される。試料中のいかなる抗体も捕捉抗原への結合を巡って標識された抗体と競合する。洗浄後、標識された分析物により発生されるシグナルは測定され、これは、試料中の分析物の量に反比例する。
他の実施形態では、検査試料を少なくとも1つまたは少なくとも2つのNS3h捕捉抗原に接触させるに先立って、捕捉抗原を、検査試料からの第1と第2の抗原/抗HCV抗体複合体の分離を促進する固体支持体に結合させることが可能である。捕捉抗原が結合される基材は、試料からの捕捉抗原−抗HCV抗体複合体の分離を促進するいかなる適切な固体支持体または固相でも可能である。例には、マイクロタイタープレート、試験管、多孔質ゲル(例えば、シリカゲル、アガロース、デキストランまたはゼラチン)、ポリマーフィルム(例えば、ポリアクリルアミド)、ビーズ(例えば、ポリスチレンビーズまたは磁気ビーズ)、フィルター/膜のストライプ(例えば、ニトロセルロースまたはナイロン)、微粒子(例えば、ラテックス粒子、着磁性微粒子(例えば、酸化第二鉄または酸化クロムコアおよびホモまたはヘテロポリマーコートおよび約1−10ミクロンの半径を有する微粒子))のようなプレートのウェルを含む。基材は、抗原に結合する適切な表面親和性および検出抗体による接近を可能にする十分な多孔度を有する適切な多孔性物質を含むことが可能である。微多孔性物質が一般には好ましいが、水和状態のゼラチン状物質を使用することが可能である。そのような多孔質基材は好ましくは約0.01から約0.5mm、好ましくは約0.1mmの厚みのあるシート形態である。ポアサイズはかなり変動することがあるが、好ましくはポアサイズは約0.025から約15ミクロン、さらに好ましくは約0.15から約15ミクロンである。そのような基材の表面は、基材への抗体の共有結合を引き起こす化学的過程により活性化することが可能である。一般的に抗原の基材への疎水性力を通じた吸着により非可逆的結合が生じる;代わりに、化学カップリング剤または他の手段を使用して抗原を基材に共有結合させることが、そのような結合が抗HCV抗体に結合する抗原の能力を妨げない限り可能である。
他の実施形態では、検査試料由来の抗HCV抗体は、予め抗原を被覆させている微粒子に結合させることが可能である。必要に応じて、それぞれに抗HCV抗体を結合させることが可能である、本明細書に記載される1つ以上または2つ以上のNS3h抗原のような1つ以上の捕捉試薬は、固相の異なる物理的またはアドレス可能な位置に付着させることが可能である(例えば、バイオチップ配置でのような(例えば、米国特許第6,225,047号、国際公開第99/51773号;米国特許第6,329,209号、国際公開第00/56934号および米国特許第5,242,828号参照))。捕捉試薬が固体支持体としての質量分析プローブに付着されている場合、プローブに結合している抗HCV抗体の量はレーザー脱離イオン化質量分析により検出することが可能である。代わりに、単一カラムに1つ以上の捕捉試薬で誘導体化されている異なるビーズを充填し、それによって一か所で抗HCV抗体を捕捉することが可能である(抗体誘導体化ビーズベースの技術、例えば、LuminexのxMAP技術(Austin、Tex.)参照)。
ある種の実施形態では、抗HCV抗体についてアッセイされている検査試料を少なくとも1つまたは少なくとも2つのNS3h抗原に接触させた後、混合物は第1と第2の抗原−抗HCV抗体複合体の形成を可能にするようにインキュベートされる。インキュベーションは、例えば、約4.5から約10.0までのpHで、約2℃から約45℃までの温度で、および少なくとも約1分から約18時間までもしくは約1から約24分までの期間、または約4から約18分間実行することが可能である。
ある種の実施形態では、少なくとも1つの検出抗体が用いられ検出可能な標識を含有する。検出可能な標識は、(第1のまたは複数の)捕捉抗原/抗HCV抗体/(第2のまたは複数の)検出抗体複合体の形成に先立って、と同時にまたは後で少なくとも1つの検出抗体に結合させることが可能である。当技術分野で公知のいかなる検出可能な標識でも使用することが可能である(Polak and Van Noorden(1997)およびHaugland(1996)を含む上の考察を参照)。検出可能な標識は直接またはカップリング剤を通じて抗体(または検出可能な標識を含むことができる抗原)に結合させることが可能である。使用可能なカップリング剤の例はEDAC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、ハイドロクロライド)であり、これはSigma−Aldrich、St.Louis、Moから市販されている。使用可能な他のカップリング剤は当技術分野では公知である。検出可能な標識を抗体に結合させるための方法は当技術分野では公知である。さらに、CPSP−アクリジニウムエステル(すなわち、9−[N−トシル−N−(3−カルボキシプロピル)]−10−(3−スルフォプロピル)アクリジニウムカルボキサミド)またはSPSP−アクリジニウムエステル(すなわち、N10−(3−スルフォプロピル)−N−(3−スルフォプロピル)−アクリジニウム−9−カルボキサミド)のような、抗体への検出可能な標識のカップリングを促進する末端基を既に含有している多くの検出可能な標識を購入するまたは合成することが可能である。
第1と第2(またはそれ以上)の捕捉抗原/抗HCV抗体/標識されたコンジュゲート抗原複合体は、標識の定量化に先立って検査試料の残りから分離することが可能であるが、分離しなくてもよい。例えば、捕捉抗原がウェルまたはビーズのような固体支持体に結合している場合、分離は液体(検査試料の)を固体支持体との接触から取り除くことにより達成することが可能である。代わりに、捕捉抗原が固体支持体に結合している場合、これを抗HCV抗体含有試料および標識されたコンジュゲートペプチドと同時に接触させて複合体を形成し、続いて液体(検査試料)を固体支持体との接触から取り除くことが可能である。捕捉抗原が固体支持体に結合していない場合、複合体は標識の量の定量化のために検査試料から取り除かれる必要はない。
検出複合体(例えば、捕捉抗原/対象の抗体/標識されたコンジュゲート抗原)の形成後、複合体中の標識の量は当技術分野で公知の技法を使用して定量化することができる。例えば、酵素標識が使用される場合、標識された複合体は発色のような定量化できる反応を与える標識に対する基質と反応させる。標識が放射性標識である場合、標識はシンチレーションカウンターを使用して定量化される。標識が蛍光標識である場合、標識を1つの色の光(「励起波長」として知られている。)で刺激しこの刺激に応答して標識により発せられる別の色(「発光波長」として知られる。)を検出することにより標識は定量化される。標識が化学発光標識である場合、発せられる光を視覚的にまたはルミノメーター、x線フィルム、高速写真フィルム、CCDカメラ、等を使用することによって検出することにより標識は定量化される。複合体中の標識の量が定量化された後、検査試料中の抗HCV抗体または抗原の濃度は、例えば、既知の濃度の抗HCV抗体または抗原の連続希釈液を使用して作成された標準曲線を使用することにより決定される。抗HCV抗体またはHCV抗原の連続希釈液を使用すること以外、標準曲線は重量測定で、質量分析によりおよび当技術分野で公知の技法により作成することが可能である。
ARCHITECT(登録商標)分析機器を用いる化学発光微粒子アッセイでは、コンジュゲート希釈pHは一般的には約6.0+/−0.2であるべきであり、微粒子コーティング緩衝液は室温(すなわち、約17から約27℃に)維持されるべきであり、微粒子コーティング緩衝液pHは約6.5+/−0.2であるべきであり、微粒子希釈pHは約6.5+/−0.2であるべきである。固体は、約0.15%未満、約0.14%未満、約0.13%未満、約0.12%未満または約0.10%のような約0.11%未満のような約0.2%未満であることが好ましい。
市販されている抗HCV抗体ならびに抗IgGおよび抗IgM抗体はアッセイおよびこのキットの方法において使用することが可能である。市販されている抗体にはAbnova(Walnut、Calif.、and Taiwan)およびGenWay Biotech、Inc.(San Diego、Calif.)から入手可能な抗体が含まれる。抗HCV抗体の調製に関しては欧州特許出願公開第2099825号も参照されたい。いかなる適切な対照組成物でも抗HCV抗体およびHCV抗原免疫アッセイにおいて使用することが可能である。対照組成物は一般には抗HCV抗体および既知の抗原および任意の望ましい添加物を含む。
一般に、所定のレベルは、抗HCV抗体について検査試料をアッセイすると得られる結果を評価するためのベンチマークとして用いることが可能である。一般に、そのような比較をする際には、分析物の存在、量もしくは濃度と疾患、障害もしくは状態(例えば、子癇前症または循環器疾患)の特定の段階もしくはエンドポイントとのまたは特定の兆候との連関もしくは関連付けができるのに十分な回数および適切な条件下で特定のアッセイを行うことにより所定のレベルは得られる。典型的には、所定のレベルは参照対象(または対象の集団)のアッセイを用いて得られる。
特に、疾患進行および/または処置をモニターするために用いられる所定のレベルに関して、抗HCV抗体の量または濃度は「変化なし」、「好ましい」(または「好ましく変化」)、または「好ましくない」(または「好ましくない変化」)でもよい。「上昇した」または「増加した」とは、典型的なもしくは通常のレベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)よりも高い、または別の基準レベルもしくは範囲(例えば、もっと早期のまたは基線レベル)よりも高い検査試料中の量または濃度のことである。用語「低下した」または「減少した」とは、典型的なもしくは通常のレベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)よりも低い、または別の基準レベルもしくは範囲(例えば、もっと早期のまたは基線レベル)よりも低い検査試料中の量または濃度のことである。用語「変化した」とは、典型的なもしくは通常のレベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)を超えて、または別の基準レベルもしくは範囲(例えば、もっと早期のまたは基線レベル)を超えて変化している(増加しているまたは減少している。)試料中の量または濃度のことである。
抗HCV抗体またはHCV抗原についての典型的なまたは通常のレベルまたは範囲は標準慣行に従って定義される。いくつかの例での抗HCV抗体および/またはHCV抗原のレベルは非常に低くいために、いわゆる変化したレベルまたは変化は、典型的なもしくは通常のレベルもしくは範囲、または基準レベルもしくは範囲と比べた場合に、実験誤差または試料変動では説明できないいかなる純変化があるときでも起きたと見なすことが可能である。このように、特定の試料中で測定されるレベルは、いわゆる正常な対象由来の類似する試料において決定されるレベルまたはレベルの範囲と比較される。この文脈では、「正常な対象」は、例えば、検出可能な肝炎に罹っていない個人であり、「正常な」(「対照」と名付けられることもある。)患者または集団は、例えば、検出可能な肝炎を示していない患者または集団(複数可)である。さらに、抗HCV抗体およびHCV抗原が日常的にはヒト集団の大多数で高レベルで見出されることはないことを考慮すると、「正常な対象」は、実質的に検出可能な増加したまたは上昇した量または濃度の抗HCV抗体またはHCV抗原がない個人と見なすことが可能であり、「正常な」(「対照」と名付けられることもある。)患者または集団とは実質的に検出可能な増加したまたは上昇した量または濃度の抗HCV抗体を示さない患者または集団(複数可)である。「一見すると正常な対象」は、抗HCV抗体またはHCV抗原が評価されたことがないまたは評価されているところである対象である。分析物のレベルは、分析物が通常は検出できない(例えば、通常のレベルがゼロである、または正常な集団の約25から約75パーセンタイルの範囲内である。)が、検査試料では検出されるとき、ならびに分析物が検査試料中で通常のレベルよりも高く存在しているときには「上昇している」と言われる。したがって、とりわけ、本開示は、例えば、本明細書で定義される、肝炎を有するまたは有するリスクがある対象を求めるスクリーニングの方法を提供する。
したがって、本明細書に記載される方法を使用すれば、対象が肝炎を有するまたは発症するリスクがあるかどうかを判定することも可能である。具体的には、そのような方法は、(a)対象由来の検査試料中の抗HCV抗体の濃度または量を決定するステップ(例えば、本明細書に記載される方法を使用して);および(b)ステップ(a)において決定された抗HCV抗体の濃度または量を所定のレベルと比較するステップを含み、ステップ(a)において決定された抗HCV抗体および/またはHCV抗原の濃度または量が所定のレベルに関して好ましい場合には、対象は肝炎を有していないまたはこのリスクがないと判定される。しかし、ステップ(a)における抗HCV抗体の濃度または量が所定のレベルに関して好ましくない場合は、対象は肝炎を有しているまたはこのリスクがあると判定される。
ある種の実施形態では、本明細書に記載される方法を使用すれば、1種以上の医薬組成物を用いた処置を受けている対象において処置をモニターすることが可能である。具体的には、そのような方法は、対象が1種以上の医薬組成物を投与される前に対象由来の第1の検査試料を提供することを含む。次に、対象由来の第1の検査試料中の抗HCV抗体(および任意選択的にHCV抗原)の濃度または量が決定される(例えば、本明細書に記載される少なくとも1つのまたは少なくとも2つのNS3h捕捉ペプチド法を使用して)。抗HCV抗体の濃度または量が決定された後、次に任意選択的に抗HCV抗体の濃度または量が所定のレベルと比較される。第1の検査試料において決定された抗HCV抗体の濃度または量が所定のレベルよりも低い場合、対象は1種以上の医薬組成物を用いた処置を受けない。しかし、第1の検査試料において決定された抗HCV抗体の濃度または量が所定のレベルよりも高い場合、対象は一定期間、1種以上の医薬組成物を用いた処置を受ける。対象が1種以上の医薬組成物を用いた処置を受ける期間は当業者出れば決めることが可能である(例えば、期間は約7日から約2年、好ましくは約14日から約1年が可能である。)。
1種以上の医薬組成物を用いた処置の経過中、次に第2およびそれに続く検査試料が対象から入手される。検査試料の数および前記検査試料が対象から得られる時間は重要ではない。例えば、第2の検査試料は対象が1種以上の医薬組成物を初めて投与された7日後に入手してもよく、第3の検査試料は対象が1種以上の医薬組成物を初めて投与された2週間後に入手してもよく、第4の検査試料は対象が1種以上の医薬組成物を初めて投与された3週間後に入手してもよく、第5の検査試料は対象が1種以上の医薬組成物を初めて投与された4週間後に入手してもよい、等である。
それぞれの第2またはそれに続く検査試料が対象から入手された後、抗HCV抗体(および任意選択的にHCV抗原)の濃度または量が第2またはそれに続く検査試料において決定される。次に、第2およびそれに続く検査試料のそれぞれにおいて決定された抗HCV抗体および/またはHCV抗原の濃度または量は、第1の検査試料(例えば、最初に任意選択的に所定のレベルと比較された検査試料)において決定された抗HCV抗体および/またはHCV抗原の濃度または量と比較される。ステップ(c)において決定される抗HCV抗体および/またはHCV抗原の濃度または量がステップ(a)において決定された抗HCV抗体および/またはHCV抗原の濃度または量と比べた場合に好ましいなら、対象の疾患は停止した、後退したまたは改善したと判定され、対象はステップ(b)の1種以上の医薬組成物を投与され続けるべきである。しかし、ステップ(c)で決定される濃度もしくは量がステップ(a)において決定された抗HCV抗体および/もしくはHCV抗原の濃度もしくは量と比べた場合に変化していないもしくは好ましくない場合には、対象の疾患は続いている、進行しているもしくは悪化していると判定され、対象はステップ(b)で対象に投与された1種以上の医薬組成物のさらに高い濃度で処置されるべきである、または対象はステップ(b)で対象に投与された1種以上の医薬組成物とは異なる1種以上の医薬組成物で処置されるべきである。具体的には、対象は、前記対象の抗HCV抗体および/またはHCV抗原レベルを減少させるまたは低下させるために対象が既に受けていた1種以上の医薬組成物とは異なる1種以上の医薬組成物で処置されることが可能である。
一般的には、反復検査を行う(例えば、疾患進行および/または処置への応答をモニターする。)ことができるアッセイでは、第2またはそれに続く検査試料は、第1の検査試料が対象から得られた後の適度な時期に入手される。具体的には、対象由来の第2の検査試料は、第1の検査試料が対象から得られた数分、数時間、数日、数週または数年後に入手することが可能である。例えば、第2の検査試料は、対象由来の第1の検査試料が得られた約1分、約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約60分、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、約8週、約9週、約10週、約11週、約12週、約13週、約14週、約15週、約16週、約17週、約18週、約19週、約20週、約21週、約22週、約23週、約24週、約25週、約26週、約27週、約28週、約29週、約30週、約31週、約32週、約33週、約34週、約35週、約36週、約37週、約38週、約39週、約40週、約41週、約42週、約43週、約44週、約45週、約46週、約47週、約48週、約49週、約50週、約51週、約52週、約1.5年、約2年、約2.5年、約3.0年、約3.5年、約4.0年、約4.5年、約5.0年、約5.5年、約6.0年、約6.5年、約7.0年、約7.5年、約8.0年、約8.5年、約9.0年、約9.5年または約10.0年後の時期に対象から入手することが可能である。疾患進行をモニターするために使用される場合、上記アッセイは急性状態に罹っている対象において疾患の進行をモニターするのに使用することが可能である。重症治療状態としても知られる急性状態とは、例えば、心血管系または排泄系を含む急性の生命を脅かす疾患または他の重大な病状のことである。典型的には、重症治療状態とは病院ベースの施設(救急室、集中治療室、外傷センターまたは他の救急治療施設を含むがこれらに限定されない。)において重大な医療介入または医療補助者もしくは他の現場ベースの医療関係者による投薬を必要とする状態のことである。重症治療状態では、一般に、もっと短い時間枠、すなわち、数分、数時間または数日(例えば、約1分、約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約60分、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日または約7日)以内に反復モニタリングが行われ、最初のアッセイは同様に一般にもっと短い時間枠、例えば、疾患または状態の開始から約数分、数時間または数日以内に行われる。
アッセイは、慢性または非急性状態に罹っている対象において疾患の進行をモニターするのにも使用することが可能である。非重症治療または非急性状態とは、例えば、心血管系および/または排泄系を含む急性の生命を脅かす疾患または他の重大な病状以外の状態のことである。典型的には、非急性状態はもっと長期のまたは慢性持続時間の状態を含む。非急性状態では、反復モニタリングは一般には、もっと長い時間枠、例えば、数時間、数日、数週または数年(例えば、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、約8週、約9週、約10週、約11週、約12週、約13週、約14週、約15週、約16週、約17週、約18週、約19週、約20週、約21週、約22週、約23週、約24週、約25週、約26週、約27週、約28週、約29週、約30週、約31週、約32週、約33週、約34週、約35週、約36週、約37週、約38週、約39週、約40週、約41週、約42週、約43週、約44週、約45週、約46週、約47週、約48週、約49週、約50週、約51週、約52週、約1.5年、約2年、約2.5年、約3.0年、約3.5年、約4.0年、約4.5年、約5.0年、約5.5年、約6.0年、約6.5年、約7.0年、約7.5年、約8.0年、約8.5年、約9.0年、約9.5年または約10.0年)で行われ、最初のアッセイは同様に一般にもっと長い時間枠、例えば、疾患または状態の開始から約数時間、数日、数か月または数年以内に行われる。
さらに、本明細書に記載されるアッセイは、第1の検査試料が尿、血清または血漿のような1つの供給源から得られる対象から得られる第1の検査試料を使用して実施することが可能である。次に、任意選択的に上のアッセイは、第2の検査試料が別の供給源から得られる対象から得られる第2の検査試料を使用して繰り返すことが可能である。例えば、第1の検査試料が尿から得られた場合、第2の検査試料は血清または血漿から得ることが可能である。第1の検査試料と第2の検査試料を使用するアッセイから得られる結果は比較することが可能である。この比較を使用すれば対象における疾患または状態の状況を評価することが可能である。
さらに、本開示は、肝炎に罹りやすいまたは罹っている対象が処置から利益を得るかどうかを判定する方法にも関する。特に、本開示はHCVコンパニオン診断法および製品に関する。したがって、本明細書に記載される「対象における疾患の処置をモニターする」方法はさらに任意選択的に、治療の候補を選択するまたは特定することも包含することが可能である。したがって、特定の実施形態では、本開示は、肝炎を有するまたはこのリスクのある対象が治療の候補であるかどうかを判定する方法も提供する。一般には、対象は肝炎のある症状を経験したことがあるまたは肝炎を有するもしくはこのリスクがあると実際に診断されたことのあるならびに/または本明細書に記載される好ましくない濃度もしくは量の抗HCV抗体もしくはこの断片および/もしくはHCV抗原を示している対象である。
キットおよびシステム(またはこの成分)、ならびに本明細書に記載される免疫アッセイにより検査試料中の抗HCV抗体および/またはHCV抗原の濃度を決定する方法は、例えば、米国特許第5,089,424号および米国特許第5,006,309号に記載されているおよび、例えば、ARCHITECT(登録商標)としてAbbott Laboratories(Abbott Park、Ill.)より市販されている種々の自動化および半自動化システム(固相が微粒子を含むシステムを含む。)において使用するために適応させることが可能である。非自動化システム(例えば、ELISA)と比べた場合の自動化または半自動化システム間の違いの一部は、第1の特異的結合パートナー(例えば、抗原)が付着する基材(サンドイッチ形成および分析物反応性に影響を与えることがある。)ならびに捕捉、検出および/または任意選択の洗浄ステップの長さおよびタイミングを含む。ELISAのような非自動化フォーマットは試料と捕捉試薬と一緒の比較的長いインキュベーション時間(例えば、約2時間)を必要とすることがあるが、自動化または半自動化フォーマット(例えば、ARCHITECT(登録商標)、Abbott Laboratories)は比較的短いインキュベーション時間(例えば、ARCHITECT(登録商標)でおおよそ18分)であることがある。同様に、ELISAのような非自動化フォーマットはコンジュゲート試薬のような検出抗体を比較的長いインキュベーション時間(例えば、約2時間)インキュベートすることがあるが、自動化または半自動化フォーマット(例えば、ARCHITECT(登録商標))は比較的短いインキュベーション時間(例えば、ARCHITECT(登録商標)でおおよそ4分)であることがある。Abbott Laboratoriesから入手可能な他のプラットフォームは、AxSYM(登録商標)、IMx(登録商標)(例えば、米国特許第5,294,404号参照、前記特許文献はこれにより参照によりその全体を組み込む。)、PRISM(登録商標)、EIA(ビーズ)およびQuantum.TM.II、ならびに他のプラットフォームを含むがこれらに限定されない。さらに、アッセイ、キットおよびキット成分は他のフォーマット、例えば、電気化学的または他の携帯もしくはポイントオブケアアッセイシステム上で用いることが可能である。本開示は、例えば、サンドイッチ免疫アッセイを実施する市販のAbbott Point of Care(i−STAT(登録商標)、Abbott Laboratories)電気化学免疫アッセイシステムに適用可能である。免疫センサならびにその製造方法および単回使用検査装置の操作は、例えば、米国特許第5,063,081号、米国特許出願公開第2003/0170881号、米国特許出願公開第2004/0018577号、米国特許出願公開第2005/0054078号および米国特許出願公開第2006/0160164号に記載されている。前記特許文献はこれに関するその教唆について参照によりその全体を組み込む。
[実施例1]
異なるHCV抗体タイター検出のための単数対複数のNS3ペプチドHCVアッセイ
本実施例は、単一NS3ペプチド(種々のサイズおよびドメイン数を有する。)を用いるHCVアッセイと、完全長NS3ヘリカーゼペプチド、およびドメイン1のみのNS3ペプチドの両方を用いる組合せHCVアッセイとの間の異なるHCV抗体タイター検出の比較を記述している。この研究の結果は下の表1に示されている。
Figure 2021063827
上の表1の第2の欄では、ARCHITECT抗HCVアッセイは以下の通りに行われた。第1ステップでは、10μLのヒト試料、90μLのアッセイ特異的希釈液ならびにHCV NS3、コアおよびNS4抗原で被覆された50μLの微粒子を反応容器に添加し、ボルテックスし、18分間インキュベートする。このインキュベーションに続いて、微粒子は磁石を使用して反応容器の側面に隔離され、その間反応上澄みは取り除かれる。これに続いて微粒子は水/界面活性剤液で洗浄される。この第1ステップ中、HCV抗原−抗体複合体が形成され微粒子上に捕捉される。第2ステップでは、洗浄に続いて直ちに、アクリジニル化抗ヒトIgGおよびIgM抗体を含有する50μLの試薬を反応容器に添加し、ボルテックスし、4分間インキュベートさせておく。このステップ中、アクリジニウム:抗ヒトIgGおよびIgMコンジュゲートは、第1ステップにおいて形成されたHCV抗原−抗体複合体にさらに結合する。インキュベーションに続いて、微粒子は磁石を使用して反応容器の側面に隔離され、反応上澄みは取り除かれる。これに続いて微粒子は水/界面活性剤液で洗浄される。洗浄された粒子は塩基性過酸化水素含有溶液に懸濁されてアクリジニウムを活性化し、微粒子上に結合したコンジュゲートの量に比例する発光出力(相対的発光単位またはRLUで)を同時測定する。結果は上の表1に報告されており、これによれば、患者試料中の抗体のタイターが高くなるのに応じて、S/COは表の上から下に向かって漸進的に高くなっている。
上の表2の3番目の欄では、ARCHITECT単一マーカーコアAgアッセイは以下の通りに行われた。第1ステップでは、110μLのヒト試料、25μLのアッセイ特異的希釈液、ストレプトアビジン被覆微粒子を含有する50μLの試薬およびビオチン化抗コアMAb(C11−7)を含有する25μLの試薬を反応容器に添加し、ボルテックスし、18分間インキュベートする。この第1ステップの間、ビオチン:抗コアMAb:コアAg複合体が形成され微粒子上に捕捉される。このインキュベーションに続いて、微粒子は磁石を使用して反応容器の側面に隔離され、その間反応上澄みは取り除かれる。これに続いて微粒子は水/界面活性剤液で洗浄される。第2ステップでは、洗浄に続いて直ちに、アクリジニル化抗コアMAb(C11−9およびC11−14)を含有する50μLの試薬を反応容器に添加し、ボルテックスし、4分間インキュベートさせておく。このステップ中、アクリジニウム:抗コアMAbコンジュゲートは第1ステップにおいて形成されたビオチン:抗コアMAb:コアAg複合体にさらに結合する。インキュベーションに続いて、微粒子は磁石を使用して反応容器の側面に隔離され、反応上澄みは取り除かれる。これに続いて微粒子は水/界面活性剤液で洗浄される。洗浄された粒子は塩基性過酸化水素含有溶液に懸濁されてアクリジニウムを活性化し、微粒子上に結合したコンジュゲートの量に比例する発光出力(相対的発光単位またはRLUで)を同時測定する。結果は上の表1に報告されており、これによれば、これら3つの試料においては検出可能なレベルのコアAgは存在しない。
上の表1の欄4−7では、ARCHITECT単一マーカー抗体アッセイは以下の通りに行われた。第1ステップでは、110μLのヒト試料、アクリジニル化HCV抗原(NS3h−D1(1192−1356)、NS3h−DelN15(1205−1658)、9NB49(1192−1457)またはコアペプチド(15−68、34および48に欠失あり。)のいずれか)を含有する25μLの試薬、ストレプトアビジン被覆微粒子を含有する50μLの試薬およびビオチン化HCV抗原(NS3h−D1(1192−1356)、NS3h−DelN15(1205−1658)、9NB49(1192−1457)またはコアペプチド(15−68、34および48に欠失あり。)のいずれか)を含有する25μLの試薬を反応容器に添加し、ボルテックスし、18分間インキュベートする。この第1ステップの間、ビオチン:抗原−HCV抗体−アクリジニウム:抗原複合体が形成され微粒子上に捕捉される。このインキュベーションに続いて、微粒子は磁石を使用して反応容器の側面に隔離され、その間反応上澄みは取り除かれる。これに続いて微粒子は水/界面活性剤液で洗浄される。第2ステップでは、洗浄に続いて直ちに、洗浄溶液を含有する50μLの試薬を反応容器に添加し、ボルテックスし、4分間インキュベートさせておく。インキュベーションに続いて、微粒子は磁石を使用して反応容器の側面に隔離され、反応上澄みは取り除かれる。これに続いて微粒子は水/界面活性剤液で洗浄される。洗浄された粒子は塩基性過酸化水素含有溶液に懸濁されてアクリジニウムを活性化し、微粒子上に結合したコンジュゲートの量に比例する発光出力(相対的発光単位またはRLUで)を同時測定する。結果は上の表1に報告されており、これによれば、NS3h−DelN15(1205−1658)タンパク質を利用しているアッセイは第1の2つの試料の最も低い抗体タイターを検出することが可能であるが、NS3h−D1、9NB49およびコアペプチドを使用しているアッセイは検出することができない。最も高い抗体タイターの最後の試料はNS3h−DelN15タンパク質またはコアペプチドを使用するアッセイでは検出することができないが、9NB49およびNS3h−D1タンパク質を使用するアッセイでは検出することができる。さらに、NS3h−D1タンパク質はこの最後の試料について9NB49タンパク質よりも大きな反応性を示している。
上の表1の最後の欄では、HCV Ag/Abコンボアッセイが行われた。重要なことに、このアッセイは、ヘリカーゼドメインの3つ全てを含有する(例えば、低タイター抗体試料を定量的におよび定性的に(ある種のカットオフを用いて)検出するために)抗原およびヘリカーゼのドメイン1のみを含有する(例えば、高タイター抗体試料を定量的におよび定性的に検出するために)抗原を含む2つの異なるタイプのNS3抗原を使用する。第1ステップでは、110μLのヒト試料、アクリジニル化HCV NS3抗原(NS3h−D1(1192−1356)とNS3h−DelN15(1205−1658)の両方)、およびコア抗原(15−68、34および48に欠失あり。)を含有する25μLの試薬、ストレプトアビジン被覆微粒子を含有する50μLの試薬ならびにビオチン化抗コアMAb(C11−7)、ビオチン化HCV NS3抗原(NS3h−D1(1192−1356)とNS3h−DelN15(1205−1658)の両方)およびビオチン化コア抗原(15−68、34および48に欠失あり。)を含有する25μLの試薬を反応容器に添加し、ボルテックスし、18分間インキュベートする。この第1ステップの間、ビオチン:抗原−HCV抗体−アクリジニウム:抗原複合体同様にビオチン:抗HCV MAb−HCVコアAg複合体が形成され微粒子上に捕捉される。このインキュベーションに続いて、微粒子は磁石を使用して反応容器の側面に隔離され、その間反応上澄みは取り除かれる。これに続いて微粒子は水/界面活性剤液で洗浄される。第2ステップでは、洗浄に続いて直ちに、アクリジニル化抗コアMAb(C11−9およびC11−14)を含有する50μLの試薬を反応容器に添加し、ボルテックスし、4分間インキュベートさせておく。このステップ中、アクリジニウム:抗HCV MAbコンジュゲートはステップ1で形成されたビオチン:抗原−HCV抗体−アクリジニウム:抗原複合体にさらに結合する。インキュベーションに続いて、微粒子は磁石を使用して反応容器の側面に隔離され、反応上澄みは取り除かれる。これに続いて微粒子は水/界面活性剤液で洗浄される。洗浄された粒子は塩基性過酸化水素含有溶液に懸濁されてアクリジニウムを活性化し、微粒子上に結合したコンジュゲートの量に比例する発光出力(相対的発光単位またはRLUで)を同時測定する。結果は上の表1に報告されており、これによれば、NS3h−DelN15とNS3h−D1タンパク質がコンボアッセイ中に組み合わされると3つの試料すべてが検出され、単一NS3タンパク質だけと比べた場合より大きな範囲の試料抗体濃度を可能にする。
さらなる研究では、連続希釈シリーズの6つの高タイターHCV Ab陽性試料が、2つのNS3タンパク質を利用した2つの異なる1ステップ抗HCV NS3アッセイにわたって検査された。下の表2に示されるNS3hアッセイは、3つ全てのNS3ヘリカーゼドメインを有するNS3h−DelN15(1205−1658)タンパク質を利用した。下の表2に示されるNS3h−D1アッセイは、NS3ヘリカーゼのドメイン1のみを包含するNS3h−D1(1192−1356)を使用した。この検査の結果は下の表2に示されている。
Figure 2021063827
表2に示されるように、単一NS3ドメイン(D1)で構成された1ステップアッセイはより高い濃度のAbを検出したが、より低い濃度は検出しなかった。高抗体タイターよりもむしろより低い抗体濃度を検出する完全長NS3hタンパク質で構成されたアッセイではこの正反対のことが当てはまる。
本出願において言及される出版物および特許はすべて参照により本明細書に組み込む。本発明の記載されている方法および組成物の種々の改変および変動は本発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者には明らかである。本発明は特定の好ましい実施形態に関連して説明されてきたが、主張される本発明はそのような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないことは理解されるべきである。実際、当業者に明らかである本発明を実行するための記載されている様式の種々の改変は以下の特許請求の範囲内であることが意図されている。

Claims (85)

  1. 対象においてC型肝炎ウイルス(HCV)感染を検出する方法であって、
    a)最初の生体試料を第1と第2のNS3h捕捉ペプチドおよび第1と第2の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドに接触させて、前記最初の生体試料、前記第1と第2のNS3h捕捉ペプチドおよび前記第1と第2のコンジュゲートペプチドを含む混合生体物質を作製するステップであって、
    前記第1と第2のNS3h捕捉ペプチドは:i)それぞれが少なくとも1つのHCV NS3ヘリカーゼエピトープをコードするアミノ酸配列を含み;および、ii)異なるアミノ酸配列を有し、
    前記最初の生体試料が対象の抗体を含有すると疑われており、前記対象の抗体は生体試料中で精製された形態ではないステップ、
    b)前記第1のNS3h捕捉ペプチドが前記対象の抗体のうちの少なくとも1つに特異的に結合して第1の捕捉複合体を形成し、前記第1のコンジュゲートペプチドが前記第1の捕捉複合体中の前記対象の抗体と結合して第1の検出可能な複合体を形成し、
    前記第2のNS3h捕捉ペプチドが前記対象の抗体のうちの少なくとも1つに特異的に結合して第2の捕捉複合体を形成し、前記第2のコンジュゲートペプチドが前記第2の捕捉複合体中の前記対象の抗体に結合して第2の検出可能な複合体を形成するような条件下で前記混合生体試料をインキュベートするステップ;
    c)前記混合生体試料を洗浄して洗浄された試料を作製するステップ;ならびに
    d)前記第1および/または第2の検出可能な複合体の存在を検出し、それによって前記対象における過去または現在のHCV感染の存在を検出するステップ
    を含み、
    前記混合生体試料中の前記第1と第2のNS3h捕捉ペプチド両方の存在が、前記第1または第2のNS3h捕捉ペプチドのみを使用する場合と比べて前記対象の抗体を定性的に検出するためのダイナミックレンジを広げる方法。
  2. 前記第2のNS3h捕捉ペプチドの前記アミノ酸配列が前記第1のNS3h捕捉ペプチドの少なくとも2倍の長さである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1と第2のコンジュゲートエピトープがNS3hエピトープに特異的である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1のNS3h捕捉ペプチドがHCV NS3ヘリカーゼドメイン1に少なくとも90%の配列同一性を有し、250アミノ酸長以下である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1のNS3h捕捉ペプチドがHCV NS3ヘリカーゼドメイン2に少なくとも90%の配列同一性を有し、250アミノ酸長以下である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第2のNS3h捕捉ペプチドがドメイン1、2および3を有する完全長NS3ヘリカーゼに少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記第2のNS3h捕捉ペプチドがドメイン1、2および3を有する完全長NS3ヘリカーゼ配列を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記第2のNS3h捕捉ペプチドの前記アミノ酸配列が前記完全長HCVヘリカーゼに少なくとも99%の配列同一性を有する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記第2のNS3h捕捉ペプチドの前記アミノ酸配列がドメイン1、2および3を有する完全長NS3ヘリカーゼ配列を含む、請求項1に記載の方法。
  10. a)i)それぞれ少なくとも1つのHCV NS3ヘリカーゼエピトープをコードするアミノ酸配列を含み;ii)異なるアミノ酸配列を有し、iii)生体試料中の少なくとも1つの対象の抗体に結合して捕捉複合体を形成することができる第1と第2のNS3h捕捉ペプチド;および
    b)前記捕捉複合体中の前記対象の抗体に結合することができる第1と第2のコンジュゲートペプチド
    を含むキットまたはシステム。
  11. c)前記対象の抗体を含有する前記生体試料をさらに含み、前記対象の抗体は前記生体試料中で精製された形態ではない、請求項10に記載のキットまたはシステム。
  12. a)i)それぞれ少なくとも1つのHCV NS3ヘリカーゼエピトープをコードするアミノ酸配列を含み;ii)異なるアミノ酸配列を有し、iii)生体試料中の少なくとも1つの対象の抗体に結合して捕捉複合体を形成することができる第1と第2のNS3h捕捉ペプチド;および
    b)前記捕捉複合体中の前記対象の抗体に結合することができる第1と第2のコンジュゲートペプチド
    を含む組成物。
  13. c)前記対象の抗体を含有する前記生体試料をさらに含み、前記対象の抗体は前記生体試料中で精製された形態ではない、請求項12に記載の組成物。
  14. 対象においてC型肝炎ウイルス(HCV)感染を検出する方法であって、
    a)i)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1および/またはドメイン2に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、350アミノ酸長以下である第1のNS3h捕捉ペプチド;
    ii)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1、2および3を含む完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のNS3h捕捉ペプチド
    に、対象の抗体を含有すると疑われている試料を接触させるステップ、ならびに
    b)前記第1のNS3h捕捉ペプチドが前記対象の抗体の少なくとも1つに特異的に結合して第1の複合体を形成し、前記第2のNS3h捕捉ペプチドが前記対象の抗体の少なくとも1つに特異的に結合して第2の複合体を形成するような条件下で前記試料をインキュベートするステップ、ならびに
    c)前記第1および/または第2の複合体の存在を検出し、それによって前記対象における過去または現在のHCV感染の存在を検出するステップ
    を含む方法。
  15. 前記試料中の、第2のNS3h捕捉ペプチドに加えて前記第1のNS3h捕捉ペプチドの存在が、前記第2のNS3hペプチドのみを使用する場合と比べて前記対象の抗体を定性的に検出するための上のダイナミックレンジを広げる、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第1のNS3h捕捉ペプチドが前記ドメイン1に少なくとも90%の配列同一性を有し、250アミノ酸長以下である、請求項14に記載の方法。
  17. 前記第1のNS3h捕捉ペプチドが前記ドメイン2に少なくとも90%の配列同一性を有し、250アミノ酸長以下である、請求項14に記載の方法。
  18. 前記第2のNS3h捕捉ペプチドがドメイン1、2および3を有する完全長NS3ヘリカーゼに少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項14に記載の方法。
  19. 前記第2のNS3h捕捉ペプチドがドメイン1、2および3を有する完全長NS3ヘリカーゼ配列を含む、請求項14に記載の方法。
  20. 前記第2のNS3h捕捉ペプチドの前記アミノ酸配列が前記完全長HCVヘリカーゼに少なくとも99%の配列同一性を有する、請求項14に記載の方法。
  21. 前記第2のNS3h捕捉ペプチドがNS3ヘリカーゼ天然構造を有する、請求項14に記載の方法。
  22. 前記試料がHCV粒子またはこの断片を含有するとさらに疑われており、前記方法が、第3の複合体が形成され、前記第3の複合体がHCV粒子またはこの断片に結合している第1の抗HCV抗体を含むように前記試料を前記第1の抗HCV抗体に接触させるステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  23. 前記第1の抗HCV抗体が抗コアHCV抗体である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記第1の抗HCV抗体が固体支持体結合部分を含む、請求項22から23に記載の方法。
  25. 前記試料を、前記第3の複合体中の前記HCV粒子またはこの断片に結合する第2の抗HCV抗体に接触させるステップをさらに含み、前記第2の抗HCV抗体が検出可能に標識されている、請求項22から24に記載の方法。
  26. 前記第2の抗HCV抗体が抗コアHCV抗体である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記第3の複合体を検出するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
  28. 前記試料を第1のHCVコアペプチドに接触させるステップをさらに含み、前記第1のコアペプチドが前記対象の抗体のうちの少なくとも1つに特異的に結合して第4の複合体を形成する、請求項14から27に記載の方法。
  29. 前記第1のHCVコアペプチドが配列番号12に示されるアミノ酸配列を含むまたはからなる、請求項28に記載の方法。
  30. 前記第1のHCVコアペプチドが固体支持体結合部分を含む、請求項28から29に記載の方法。
  31. 前記試料を第2のHCVコアペプチドに接触させるステップをさらに含み、前記第2のHCVコアペプチドが検出可能に標識されており、前記第2のHCVコアペプチドが前記第4の複合体の一部として前記対象の抗体に結合する、請求項28から30に記載の方法。
  32. 前記第4の複合体の存在を検出するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記試料を固体支持体に接触させるステップをさらに含む、請求項14から32に記載の方法。
  34. 前記固体支持体がマイクロビーズを含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記固体支持体がアビジンで被覆されている、請求項33に記載の方法。
  36. 前記試料を、前記第1の複合体の一部として前記対象の抗体に結合する第1の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドに接触させるステップをさらに含み、前記第1の複合体の存在の前記検出が前記第1の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドを検出することを含む、請求項14から35に記載の方法。
  37. 前記第1の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドが、i)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ii)200アミノ酸長以下であり;および、iii)検出可能な標識を含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記試料を、前記第2の複合体の一部として前記対象の抗体に結合する第2の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドに接触させるステップをさらに含み、前記第2の複合体の存在の前記検出が前記第2の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドを検出することを含む、請求項14から37に記載の方法。
  39. 前記第2の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドが前記完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項38に記載の方法。
  40. 前記第1のNS3h捕捉ペプチドが180アミノ酸長以下である、請求項14に記載の方法。
  41. 前記第1のNS3h捕捉ペプチドが配列番号2もしくは配列番号3のアミノ酸配列を含むもしくはからなる、または前記第1のNS3ペプチドが配列番号2もしくは配列番号3に95%の同一性を有する、請求項14に記載の方法。
  42. 前記第1のNS3h捕捉ペプチドが配列番号2または配列番号3由来の少なくとも100連続アミノ酸を含むまたはからなる、請求項14に記載の方法。
  43. 前記第2のNS3h捕捉ペプチドが前記完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項14に記載の方法。
  44. 前記第2のNS3h捕捉ペプチドが前記完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも99%の配列同一性を有する、請求項43に記載の方法。
  45. 前記第2のNS3h捕捉ペプチドが配列番号5もしくは配列番号7のアミノ酸配列を含むもしくはからなる、または前記第2のNS3h捕捉ペプチドが配列番号5もしくは配列番号7に95%の配列同一性を有する、請求項14に記載の方法。
  46. 前記第2のNS3h捕捉ペプチドが配列番号5または配列番号7由来の少なくとも300連続アミノ酸を含むまたはからなる、請求項14に記載の方法。
  47. 前記第1のコンジュゲートペプチドがHCV NS3ヘリカーゼのドメイン1に少なくとも95%同一性を有する、請求項36に記載の方法。
  48. 前記第1のコンジュゲートペプチドが180アミノ酸長以下である、請求項36に記載の方法。
  49. 前記第1のコンジュゲートペプチドが配列番号2もしくは配列番号3のアミノ酸配列を含むもしくはからなる、または前記第1のコンジュゲートペプチドが配列番号2もしくは配列番号3に95%の同一性を有する、請求項36に記載の方法。
  50. 前記第2のコンジュゲートペプチドが前記完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項38に記載の方法。
  51. 前記第2のコンジュゲートペプチドが前記完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも99%の配列同一性を有する、請求項50に記載の方法。
  52. 前記第2のコンジュゲートペプチドが配列番号5もしくは配列番号7のアミノ酸配列を含むもしくはからなる、または前記第2のコンジュゲートペプチドが配列番号5もしくは配列番号7に95%の同一性を有する、請求項38に記載の方法。
  53. HCV NS3ヘリカーゼの前記ドメイン1が、1a、1b、2a、2b、2c、2d、3a、3b、3c、3d、3e、3f、4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h、4i、4j、5aおよび6aからなる群から選択されるHCV遺伝子型由来である、請求項14から53に記載の方法。
  54. 前記完全長HCV NS3ヘリカーゼが、1a、1b、2a、2b、2c、2d、3a、3b、3c、3d、3e、3f、4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h、4i、4j、5aおよび6aからなる群から選択されるHCV遺伝子型由来である、請求項14から53に記載の方法。
  55. 前記対象がヒトである、請求項14に記載の方法。
  56. 前記固体支持体結合部分がビオチンを含む、請求項24および30に記載の方法。
  57. トリガー溶液を前記試料に添加するステップをさらに含み、前記トリガー溶液が前記検出可能な標識からのシグナルを誘発する、請求項24および30に記載の方法。
  58. a)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1および/またはドメイン2に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、350アミノ酸長以下である前記第1のNS3h捕捉ペプチド;ならびに
    b)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1、2および3を含む完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のNS3h捕捉ペプチド
    を含むキットまたはシステム。
  59. 第1の容器をさらに含み、前記第1と第2のNS3h捕捉ペプチドが前記第1の容器の内側にある、請求項58に記載のキットまたはシステム。
  60. 前記第1の容器には界面活性剤がないまたは実質的にない、請求項59に記載のキットまたはシステム。
  61. 固体支持体をさらに含む、請求項58に記載のキットまたはシステム。
  62. 前記固体支持体が微粒子を含む、請求項61に記載のキットまたはシステム。
  63. 第2の容器をさらに含み、前記固体支持体が前記第2の容器の内側にある、請求項61に記載のキットまたはシステム。
  64. 第1の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドをさらに含む、請求項58から63に記載のキットまたはシステム。
  65. 前記第1の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドが、i)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ii)200アミノ酸長以下であり;および、iii)検出可能な標識を含む、請求項64に記載のキットまたはシステム。
  66. 第2の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドをさらに含む、請求項58から65に記載のキットまたはシステム。
  67. 前記第2の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドが、i)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1、2および3を有する完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、および、ii)検出可能な標識を含む、請求項66に記載のキットまたはシステム。
  68. 第2の容器をさらに含み、前記第1と第2のNS3hコンジュゲートペプチドが前記第2の容器の内側にある、請求項66に記載のキットまたはシステム。
  69. 前記第2の容器には界面活性剤がないまたは実質的にない、請求項68に記載のキットまたはシステム。
  70. 第1の抗HCV抗体をさらに含む、請求項58に記載のキットまたはシステム。
  71. 前記第1の抗HCV抗体が抗コアHCV抗体である、請求項70に記載のキットまたはシステム。
  72. 前記第1の抗HCV抗体が固体支持体結合部分を含む、請求項70から71に記載のキットまたはシステム。
  73. 第2の抗HCV抗体をさらに含む、請求項70から72に記載のキットまたはシステム。
  74. 前記第2の抗HCV抗体が抗コアHCV抗体である、請求項73に記載のキットまたはシステム。
  75. 第2の容器をさらに含み、前記第2の抗HCV抗体が前記第2の容器の内側にある、請求項73に記載のキットまたはシステム。
  76. HCVコア捕捉ペプチドをさらに含む、請求項58に記載のキットまたはシステム。
  77. 前記HCVコア捕捉ペプチドが固体支持体結合部分を含む、請求項75に記載のキットまたはシステム。
  78. HCV検出可能に標識されたコンジュゲートコアペプチドをさらに含む、請求項75から76に記載のキットまたはシステム。
  79. a)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1および/またはドメイン2に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、350アミノ酸長以下である第1のNS3h捕捉ペプチド;ならびに
    b)HCV NS3ヘリカーゼのドメイン1、2および3を含む完全長HCV NS3ヘリカーゼに少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む第2のNS3h捕捉ペプチド
    を含む組成物。
  80. c)固体支持体;
    d)第1の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチド;
    e)第2の検出可能に標識されたコンジュゲートペプチド;
    f)第1の抗HCV抗体;
    g)検出可能に標識されている第2の抗HCV抗体;
    h)HCVコア捕捉ペプチド;および
    i)検出可能に標識されたHCVコアコンジュゲートペプチド
    のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項78に記載の組成物。
  81. 前記組成物が前記成分のうちの少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたは7つ全てを有する、請求項79に記載の組成物。
  82. 対象においてC型肝炎ウイルス(HCV)感染を検出する方法であって、
    a)対象の抗体を含有すると疑われる試料を、少なくとも1つのHCV NS3エピトープをコードするアミノ酸配列を含むNS3捕捉ペプチドに接触するステップであって、前記接触が還元剤を前記試料に添加しないような条件下で行われるステップ、
    b)前記試料を前記NS3捕捉ペプチドが前記対象の抗体のうちの少なくとも1つに特異的に結合して第1の複合体を形成するような条件下でインキュベートするステップであって、前記インキュベートが外来性の還元剤が前記試料中に存在しない条件下で行われるステップ、および
    c)前記第1の複合体の存在を検出し、それによって前記対象における過去または現在のHCV感染の存在を検出するステップであって、前記検出が外来性の還元剤が存在しない条件下で行われるステップ
    を含む方法。
  83. 生体試料、NS3捕捉ペプチド、検出可能に標識されたコンジュゲートペプチドおよび複数の対象の抗体を含む組成物を含むキット、システムまたは組成物であって、前記NS3捕捉ペプチドおよび前記コンジュゲートペプチドが少なくとも1つの対象の抗体に結合し、前記組成物に外来性還元剤がない、キット、システムまたは組成物。
  84. 対象においてC型肝炎ウイルス(HCV)感染を検出する方法であって、
    a)最初の生体試料を第1のNS3捕捉ペプチドと第1のコンジュゲートペプチドに接触させて、前記最初の生体試料、前記第1のNS3捕捉ペプチドおよび前記第1のコンジュゲートペプチドを含む混合生体物質を作製するステップであって、
    前記NS3捕捉ペプチドが少なくとも1つのHCV NS3ヘリカーゼエピトープをコードするアミノ酸配列を含み、
    前記最初の生体試料が対象の抗体を含有すると疑われており、前記対象の抗体が前記生体試料中で精製された形態ではないステップ、
    b)前記混合生体試料を、前記NS3捕捉ペプチドが前記対象の抗体のうちの少なくとも1つに特異的に結合して捕捉複合体を形成し、前記コンジュゲートペプチドが前記捕捉複合体中の前記対象の抗体に結合して検出可能な複合体を形成するような条件下でインキュベートするステップ、
    c)前記混合生体試料を洗浄して洗浄された試料を作製するステップ、
    d)追加量の前記コンジュゲートペプチドまたは前記捕捉複合体中の前記対象の抗体に特異的に結合する異なるコンジュゲートペプチドを添加するステップ、
    e)前記検出可能な複合体の存在を検出し、それによって前記対象における過去または現在のHCV感染の存在を検出するステップ
    を含む方法。
  85. 前記コンジュゲートペプチドがNS3hの少なくとも1つのエピトープに結合する、請求項83に記載の方法。
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