JP2021063721A - センサ付き構造部材 - Google Patents
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Abstract
Description
歪みゲージは、構造部材の外面における微小範囲の歪みを検出することはできるが、広範囲の歪みを検出するのは困難である。
仮に、構造部材の外面において比較的広範囲を検出対象として歪みを検出しようとすると、その検出対象の面に多数の歪みゲージを設ける必要がある。歪みゲージそれぞれには信号を取り出すためのリード線が接続されるため、多数の歪みゲージを設ければ、多数のリード線を配線する必要が生じ、構成が複雑化してしまう。
つまり、弾性部材に伝搬する構造部材本体に生じる歪みを、弾性部材を変形させる凹部の内面を通じて検出することができる。この結果、例えば、歪みゲージを用いた場合と比較して、構造部材本体の歪みを広範囲から検出することができる。
この場合、弾性部材を構造部材本体の全周に亘らせることができる。よって、センサを構造部材本体の周囲のうちの任意の位置に配置することが可能となり、構造部材本体に生じる歪みをより詳細に検出することができる。
この場合、センサを静電容量型センサとして構成できる。よって、センサの静電容量の変化から弾性部材の変形を検出し、構造部材本体の歪みを検出することができる。
弾性部材の外面側は、構造部材本体の歪みに起因する弾性部材の変形が最も大きく現れる。このため、一対の電極層を弾性部材の外面に沿って設けることで、センサの感度が高められる。
この場合、コイルのインダクタンスの変化から弾性部材の変形を検出し、構造部材本体の歪みを検出することができる。
〔第1実施形態について〕
図1は、第1実施形態に係るセンサ付き構造部材を示す図である。
このセンサ付き構造部材1は、円柱形状の部材であり、例えば、機械装置等を構成する構造部材として用いることができる。
図1中、センサ付き構造部材1は、構造部材本体2と、センサ4とを備える。構造部材本体2は、機械構造用鋼や、アルミニウム合金、樹脂等によって円柱形状に形成された部材であり、上述の構造部材として用いられる部材である。
センサ4は、構造部材本体2に設けられており、構造部材本体2に対して外力が作用したときに構造部材本体2に生じる歪みを検出する機能を有する。
構造部材本体2には、弾性部材5が、周方向に沿って環状に設けられている。
センサ4は、弾性部材5に設けられている。本実施形態のセンサ4は、弾性部材5の変形を静電容量の変化として検出する静電容量型センサである。
検出回路8は、センサ4からの出力を受け付け、構造部材本体2の歪みを示す出力信号を処理装置10へ与える。処理装置10は、与えられた出力信号に基づいた情報処理を行う。
構造部材本体2には、構造部材本体2の円筒状の外面2aから内方へ向かって凹む凹部12が設けられている。
凹部12は、外面2aの周方向に沿って全周に亘って環状に設けられている。
弾性部材5は、凹部12に充填されている。なお、図2では、各部の理解を容易にするために、弾性部材5を省略して示している。
弾性部材5は、凹部12に充填されることで、環状に形成される。また、弾性部材5は、構造部材本体2の外面2aに対して面一となるように形成される。
弾性部材5は、誘電性を有する弾性素材により形成される。誘電性を有する弾性素材としては、シリコーンゴムや、ウレタンゴム、ニトリルゴム等のエラストマーが用いられる。
センサ4は、一対のシート部材14を含む。一対のシート部材14は、例えば、銅箔により形成されるシート状(帯状)の部材であり、弾性部材5によって保持される。一対のシート部材14には、リード線6が接続される。
図3(a)及び図3(b)に示すように、凹部12に充填された弾性部材5は、凹部12の内面を構成する底面12a、及び内側面12bに密着している。また、弾性部材5の外面5aは、構造部材本体2の外面2aに対して面一に形成されている。
一対の端子部18は、一対のシート部材14において弾性部材5の外面5aから外部へ突出している他端部分により構成される。一対の端子部18は、センサ本体16からの信号を取り出すための端子であり、リード線6が接続される。
一対の電極層20は、上述のように一対のシート部材14の一部であり、銅箔により構成される。よって、一対の電極層20は、弾性部材5の弾性変形に応じて弾性変形可能である。一対の電極層20は、一対の電極層20の面方向が構造部材本体2の軸方向に直交する面に沿うように配置されている。なお、電極層20の面方向とは、シート状の電極層20の一面及びその裏面が広がる方向をいう。
誘電層22は、弾性部材5と同じ弾性素材により形成されており、弾性部材5の一部からなる。
センサ本体16は、面状であるので、弾性部材5が3次元的に変形したとしても、その変形を検出することができる。
センサ本体16は、この構造部材本体2の歪みに起因する弾性部材5の変形を検出し、静電容量の変化として出力する。これにより、センサ本体16は、構造部材本体2の歪みを検出することができる。
本実施形態では、このような弾性部材5の3次元的な変形を弾性部材5に埋め込まれたセンサ本体16によって検出するので、構造部材本体2に生じる歪みを、弾性部材5を介して検出することができる。
つまり、構造部材本体2の歪みを、弾性部材5を変形させる凹部12の底面12a及び内側面12bを通じて検出することができる。この結果、例えば、歪みゲージを用いて構造部材本体2の歪みを検出する場合と比較して、構造部材本体2の歪みを広範囲から検出することができる。
これに対して、本実施形態では、多数のセンサを配置する必要がなく、簡易な構成で構造部材本体2の歪みを広範囲から検出することができるので、低コスト化が可能である。
弾性部材5に生じる軸方向に沿う変形は、構造部材本体2に軸方向に沿った引張応力又は圧縮応力が作用したとき、及び構造部材本体2に曲げ応力が作用したときに生じる。
弾性部材5に生じる前記交差方向に沿う変形は、構造部材本体2に軸方向周りにねじり応力が作用したときに生じる。
図4に示すように、センサ4に接続される検出回路8は、電圧印加回路8aと、出力回路8bとを含む。
電圧印加回路8aは、センサ本体16が有する一対の電極層20のうちの一方の電極層20に接続されており、一方の電極層20に所定周波数の交流電圧を印加する。
出力回路8bは、一対の電極層20のうちの他方の電極層20に接続されている。他方の電極層20からは、一方の電極層20に印加される交流電圧に応じた信号であるセンサ信号が出力される。
出力回路8bは、このセンサ信号を受け付け、センサ信号に対して整流、包絡線検波等を行い、センサ本体16の静電容量の変化を示す出力信号を出力し、処理装置10へ与える。
処理装置10は、出力信号が与えられると、与えられた出力信号から、出力データを取得し、前記テーブルを参照することで、歪みデータを取得し、外部へ出力することができる。
また、処理装置10が、出力信号の信号レベルと、静電容量値とを対応付けるためのデータを記憶している場合、処理装置10は、センサ本体16の静電容量を求めることができる。
本変形例では、センサ4を構造部材本体2の周方向に沿って複数(図例では3つ)設けた場合を示している。
本変形例では、各センサ4は、センサ本体16のみによって構成されており、全体が弾性部材5の内部に埋め込まれている。
この場合、周方向に沿って複数のセンサ4を配置したので、構造部材本体2に生じる歪みについてより多くの情報を得ることができ、構造部材本体2の歪みをより詳細に検出することができる。
本変形例では、センサ4を弾性部材5の外面5aに沿って線状に設けた場合を示している。
本変形例では、アーチ状に形成された2つのセンサ4を組み合わせることで、構造部材本体2の周方向ほぼ全周に亘ってセンサ4が配置されている。
この場合においても、周方向に沿って配置された各センサ4から構造部材本体2に生じる歪みについてより多くの情報を得ることができ、構造部材本体2の歪みをより詳細に検出することができる。
図6(a)は、第2実施形態に係るセンサ付き構造部材1を示す図であり、図6(b)は、図6(a)中のB−B線における矢視断面図である。
本実施形態のセンサ付き構造部材1は、構造部材本体2が板状である点、及び凹部12が板状の構造部材本体2の一面2eに設けられている点において、第1実施形態と相違する。
本実施形態のセンサ4(センサ本体16)は、凹部12のほぼ全域に亘る大きさの矩形状とされており、凹部12に充填された弾性部材5によって保持されている。センサ4(一対の電極層20)は、一面2eにほぼ平行となるように設けられている。
本実施形態においても、構造部材本体2のたわみやねじれによって生じる構造部材本体2の歪みをセンサ4によって詳細に検出することができる。
図7(a)及び図7(b)は、第3実施形態に係るセンサ付き構造部材1を示す図である。図7(a)は、構造部材本体2の径方向に沿った断面図、図7(b)は、構造部材本体2の軸方向に沿った断面図である。なお、図7(a)では、弾性部材5を省略して示している。
本実施形態のセンサ付き構造部材1は、センサ4が、コイル30を含み、このコイル30のインダクタンスの変化に基づいて弾性部材5の変形を検出するように構成されている点において、第1実施形態及び第2実施形態と相違する。
コイル30は、直径0.1mm以下のエナメル線をらせん状に形成した部材である。コイル30は、弾性部材5に埋め込まれて保持される。なお、図7(a)及び図7(b)では、コイル30の大きさを実際よりも大きく誇張して示している。
本実施形態のセンサ4は、コイル30が変形することによってインダクタンスに変化が生じる。これにより、センサ4は、弾性部材5の変形をインダクタンスの変化として出力する。
さらに、弾性部材5に含まれる磁性材料32は、コイル30周囲の透磁率を高めるので、コイル30が変形することによるインダクタンスの変化を相対的に大きくすることができる。これにより、センサ4は、弾性部材5の微小な変形をインダクタンスの変化として出力することができる。
処理装置10は、与えられた出力信号から、歪みデータを取得し、外部へ出力する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることはない。
上記第1実施形態及び第3実施形態では、構造部材本体2を円柱形状に形成した場合を例示したが、構造部材本体2の形状は、特に限定されることはなく、角柱形状であってもよいし、異形断面を有する柱形状であってもよい。
2e 一面 4 センサ 5 弾性部材
5a 外面 12 凹部 12a 底面
12b 内側面 20 電極層 22 誘電層
30 コイル 32 磁性材料
Claims (5)
- 外面から内方へ向かって凹む凹部が設けられた構造部材本体と、
前記凹部に充填された弾性部材と、
前記弾性部材に埋め込まれ、前記弾性部材の変形を検出する1又は複数のセンサと、を備える
センサ付き構造部材。 - 前記凹部は、前記外面全周に亘って環状に設けられる
請求項1に記載のセンサ付き構造部材。 - 前記弾性部材は、誘電性を有する弾性素材により構成され、
前記1又は複数のセンサは、弾性変形可能であるとともに前記弾性部材の内部において互いに対向する一対の電極層と、前記弾性部材の一部からなり前記一対の電極層間に介在した誘電層と、を含む
請求項1又は請求項2に記載のセンサ付き構造部材。 - 前記一対の電極層は、前記弾性部材の外面に沿って設けられる
請求項3に記載のセンサ付き構造部材。 - 前記1又は複数のセンサは、前記弾性部材に含められた粉状又は繊維状の磁性材料と、前記弾性部材の内部に設けられたコイルと、を含む
請求項1に記載のセンサ付き構造部材。
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