JP2021062967A - 糸巻取装置及び糸捕捉方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パッケージからの糸の捕捉を効率良く行う。【解決手段】自動ワインダは、巻取部と、パッケージ駆動モータと、上糸捕捉パイプと、ユニット制御部と、を備える。巻取部は、糸を巻き取ってパッケージを形成する。パッケージ駆動モータは、パッケージを回転駆動させ、当該パッケージの回転方向を切換可能である。上糸捕捉パイプは、巻取部により巻き取られている糸の分断状態が発生した場合に、パッケージから糸を吸引することにより捕捉する。ユニット制御部は、パッケージ駆動モータを制御する。ユニット制御部は、上糸捕捉パイプが上糸の捕捉を開始した場合に、パッケージが、糸の巻取方向へ回転する正回転と、正回転の回転量よりも大きい回転量だけ前記巻取方向とは逆方向へ回転する逆回転と、を正回転又は逆回転から開始する往復運動を、パッケージに行わせる。【選択図】図6
Description
本発明は、糸巻取装置及び糸捕捉方法に関する。
従来から、糸を巻き取ってパッケージを形成する糸巻取装置が知られている。特許文献1は、この種の糸巻取装置である自動ワインダを開示する。
特許文献1の自動ワインダにおいては、巻取ユニットが、給糸ボビンから紡績糸を解舒して、所定量の糸を巻取パッケージに巻き返して巻取パッケージを形成する。この際、巻取ユニットは、給糸ボビンから供給された糸が途中で切れると、サクションマウスにより巻取パッケージ側の糸を吸引捕捉して、糸継装置に導き、糸継装置により糸継ぎを行う。ここで、サクションマウスは、パッケージ側の糸を吸引捕捉して、糸端を巻取パッケージから引き出す(所謂、口出し)。サクションマウスによる巻取パッケージ側の糸の吸引捕捉に際しては、巻取パッケージが所定回転数(又は所定時間)だけ正方向(巻取方向)に回転し、その後に当該巻取パッケージが正方向と逆方向に回転するようになっている。サクションマウスを巻取パッケージに近づけた状態で巻取パッケージを正方向に回転する回転量と、同じ状態で巻取パッケージを逆方向に回転する回転量と、の関係については、特許文献1で特に言及されていない。
特許文献1の自動ワインダは、糸の巻き返し時に糸が給糸ボビン側と巻取パッケージとの間で糸切れが生じた場合、サクションマウスを巻取パッケージに近づけた状態で巻取パッケージを正方向に回転させ、その後に逆方向に回転させれば、サクションマウスは糸の中間部ではなく端部から吸引捕捉ができることを想定するものである。しかし、例えば、糸の毛羽が多いために巻取パッケージの糸が当該パッケージの表面部に強く引っ掛かっている状態では、前述のように巻取パッケージを単に正方向と逆方向とに回転させつつ糸の端部に吸引作用を与えたとしても、巻取パッケージの糸の引っ掛かりを解消することができず、これにより糸を捕捉することができないことがあった。この場合、オペレータの手によって巻取パッケージ側の糸を解舒する解舒作業が必要となるので、オペレータの手間が増加する。しかも、オペレータが解舒作業を行うまで巻取ユニットによる巻取パッケージの形成を停止せざるを得ないので、巻取ユニットの稼動効率の低下を招く。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、パッケージからの糸の捕捉を効率良く行うことにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の糸巻取装置が提供される。即ち、この糸巻取装置は、巻取部と、駆動部と、糸捕捉部と、制御部と、を備える。前記巻取部は、糸を巻き取ってパッケージを形成する。前記駆動部は、前記パッケージを回転駆動させ、当該パッケージの回転方向を切換可能である。前記糸捕捉部は、前記巻取部により巻き取られている糸の分断状態が発生した場合に、前記パッケージから糸を吸引することにより捕捉する。前記制御部は、前記駆動部を制御する。前記制御部は、前記糸捕捉部が前記パッケージ側の糸の捕捉を開始した場合に、前記パッケージが、糸の巻取方向へ回転する正回転と、前記正回転の回転量よりも大きい回転量だけ前記巻取方向とは逆方向へ回転する逆回転と、を前記正回転又は前記逆回転から開始する往復運動を、前記パッケージに行わせる。
これにより、パッケージを往復運動させることで、パッケージ側の糸に対して、糸捕捉部の捕捉作用等による良好な刺激を与えることができる。しかも、往復運動においては正回転の回転量よりも大きい回転量だけパッケージを逆回転させるので、パッケージ側の糸に対して非対称的な刺激が糸捕捉部等によって加えられ、かつ、糸の解舒を促すことが期待できる。従って、糸がパッケージの表面に強く引っ掛かっていても、その引っ掛かりを容易に解消して、パッケージ側の糸を効率良く捕捉することができる。
前記の糸巻取装置においては、前記制御部は、前記往復運動を複数回繰り返す往復繰返し運動を前記パッケージに行わせることが好ましい。
これにより、糸の引っ掛かりを解消する機会を複数回確保できるので、パッケージ側の糸を捕捉し易くすることができる。また、往復運動が1回完了する毎にパッケージは段階的に逆回転するので、パッケージ側の糸に対して一層多様な刺激を糸捕捉部によって与えることができ、また、パッケージの外周の広い領域に対して糸捕捉部を作用させることができる。
前記の糸巻取装置においては、前記制御部は、前記往復運動の累積により、前記パッケージが最初の前記往復運動の開始時点から少なくとも1周逆回転するまで前記往復繰返し運動を前記パッケージに行わせることが可能であることが好ましい。
これにより、往復繰返し運動によって、糸捕捉部をパッケージの外周の全体に対して作用させることができる。
前記の糸巻取装置においては、前記制御部は、前記パッケージに前記往復繰返し運動を少なくとも1回行わせた後、前記糸捕捉部による糸の捕捉が失敗した場合、前記パッケージを正回転及び逆回転させる回転速度を遅くして再び前記往復繰返し運動を行わせる。
これにより、糸の捕捉が難しいことが予想される状況下では往復繰返し運動における往復運動の回転速度が自動的に遅くなるので、その後に糸を捕捉できる確率を高めることができる。
前記の糸巻取装置においては、前記制御部は、前記往復繰返し運動において、前記パッケージに前記往復運動を少なくとも1回行わせた後、前記糸捕捉部による糸の捕捉が失敗した場合、前記パッケージを正回転及び逆回転させる回転速度を遅くして再び前記往復運動を行わせることが好ましい。
これにより、糸の捕捉が難しいことが予想される状況下では往復運動の回転速度が自動的に遅くなるので、その後に糸を捕捉できる確率を高めることができる。
前記の糸巻取装置においては、前記制御部が前記往復繰返し運動を前記パッケージに行わせる時に前記パッケージを正回転及び逆回転させる回転速度は、糸を巻き取ってパッケージを形成する際の前記パッケージの回転速度よりも遅いことが好ましい。
これにより、パッケージ側の糸の捕捉のために、糸捕捉部をパッケージに対して効果的に作用させることができる。
前記の糸巻取装置においては、前記往復繰返し運動における1回の前記往復運動に含まれる前記正回転における前記パッケージの回転量が1回転量以内であることが好ましい。
これにより、パッケージの往復運動の回転量が比較的小さいので、糸巻取装置から生じる振動等を低減することができる。
前記の糸巻取装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この糸巻取装置は、前記糸捕捉部内に糸が存在するか否かを検出する検出部を備える。前記制御部は、前記検出部に前記糸捕捉部が前記往復繰返し運動の実行と並行して前記糸捕捉部内に糸が存在するか否かの検知動作を実行させ、前記検出部の検出結果に基づいて前記糸捕捉部による糸の捕捉が成功したと判定した場合、前記往復繰返し運動を終了させる。前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて前記糸捕捉部による糸の捕捉が成功していないと判定した場合でも、前記往復運動の実行回数又は前記往復繰返し運動の開始時点からの経過期間が予め設定された制限値に達したときは前記糸捕捉部による糸の捕捉が失敗したと判断し、前記往復繰返し運動を終了させる。
これにより、糸捕捉部がパッケージ側の糸の捕捉に成功した後、次の動作を円滑に開始することができる。また、前記糸捕捉部による糸の捕捉が成功する可能性が低い場合に、パッケージの無駄な往復運動を防止することができる。
前記の糸巻取装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この糸巻取装置は、アラーム部を備える。前記アラーム部は、前記往復運動の実行回数又は前記往復繰返し運動の開始時点からの経過期間が前記制限値に達したために前記往復繰返し運動が終了した場合に、アラームを発する。
これにより、前記糸捕捉部による糸の捕捉に今後成功する可能性が低いために往復繰返し運動が終了したことを、オペレータ等に速やかに知らせることができる。
前記の糸巻取装置は、前記パッケージの往復繰返し運動が行われていることを通知する通知部を備えることが好ましい。
これにより、パッケージ側の糸の捕捉のために往復繰返し運動が行われていることを、周囲が容易に把握することができる。
本発明の第2の観点によれば、以下の糸捕捉方法が提供される。即ち、この糸捕捉方法は、巻取工程と、捕捉工程と、を含む。前記巻取工程は、糸を巻き取ってパッケージを形成する。前記捕捉工程は、前記巻取工程の途中で糸の分断状態が発生した場合に、糸継ぎのために、前記パッケージから糸を捕捉して引き出す。前記捕捉工程では、前記パッケージが、糸の巻取方向へ回転する正回転と、前記正回転の回転量よりも大きい回転量だけ前記巻取方向とは逆方向へ回転する逆回転と、からなる往復運動を複数回実行する。
これにより、パッケージを往復運動させることで、パッケージ側の糸に対して、糸捕捉部等による良好な刺激を与えることができる。しかも、往復運動においては正回転の回転量よりも大きい回転量だけパッケージを逆回転させるので、パッケージ側の糸に対して非対称的な刺激が糸捕捉部等によって加えられ、かつ、糸の解舒を促すことが期待できる。更には、往復運動により糸の引っ掛かりを解消する機会を複数回確保できる。従って、糸がパッケージの表面に強く引っ掛かっていても、その引っ掛かりを容易に解消して、パッケージ側の糸を効率良く捕捉することができる。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る自動ワインダ100の全体的な構成を示す概略正面図である。
図1に示す自動ワインダ(糸巻取装置)100は、並べて配置された複数のワインダユニット10と、ブロアボックス70と、機台制御装置80と、玉揚装置90と、を備える。
ブロアボックス70の内部には、図略のブロアが配置されている。このブロアは、各ワインダユニット10にブロアダクトを介して負圧を供給するための負圧源として機能する。
機台制御装置80は、操作キー(操作部)81と、ディスプレイ(アラーム部、通知部)82と、を備え、それぞれのワインダユニット10と通信可能に構成されている。自動ワインダ100のオペレータは、操作キー81を操作することにより、所定の設定値を入力したり適宜の制御方法を選択したりすることができる。これにより、複数のワインダユニット10を集中的に管理することができる。また、機台制御装置80は、玉揚装置90の動作を制御する。ディスプレイ82は、各ワインダユニット10の糸12の巻取状況、及び、発生した異常の内容等を表示することができる。
玉揚装置90は、ワインダユニット10においてパッケージ20が満巻(規定量の糸12が巻き取られた状態)となった場合に、当該ワインダユニット10の位置まで走行し、満巻であるパッケージ20を取り外すとともに、空の巻取ボビン22をセットするように構成されている。
次に、図2及び図3を参照して、ワインダユニット10の構成について説明する。図2は、ワインダユニット10の概略的な構成を示す正面図及びブロック図である。図3は、ワインダユニット10において糸12の分断状態が発生した場合に、糸端を糸継装置3に案内する様子を示す側面図である。
図2に示すように、各ワインダユニット10は、給糸部1と巻取部2とを有する巻取ユニット本体40と、ユニット制御部(制御部)50と、を備えている。このワインダユニット10は、給糸部1に供給された給糸ボビン11の糸12を解舒して、解舒された糸12をトラバース(綾振り)しながら巻取ボビン22に巻き取り、パッケージ20を形成する。なお、以下の説明においては、パッケージ20に関し、糸12を巻き取る巻取方向の回転を「正回転」と称し、その逆方向の回転を「逆回転」と称することがある。
ユニット制御部50は、例えば、CPUと、ROMと、を備える。ROMには、巻取ユニット本体40の各構成を制御するためのプログラムや制御テーブル等が記憶されている。CPUは、このROMに記憶されたプログラムを実行する。
給糸部1は、図略の搬送トレイに載せられた給糸ボビン11を所定の位置で支持し、この給糸ボビン11から糸12を解舒させることができる。この給糸部1は、給糸ボビン11から全ての糸12が解舒されると、空になった給糸ボビン11を排出して、図略の給糸ボビン供給装置から新しい給糸ボビン11の供給を受けることができる。なお、給糸部1は、上記のような搬送トレイ式に限られず、例えば、マガジンから供給された給糸ボビンを所定の位置で支持して糸12を解舒して供給するマガジン式の給糸部であっても良い。
巻取部2は、巻取ユニット本体40の上部に設けられている。巻取部2は、巻取ボビン22を保持可能に構成されたクレードル21と、糸12をトラバースさせるとともに巻取ボビン22を回転させるための巻取ドラム(綾振ドラム)23と、巻取ドラム23を回転駆動させる第1モータ(駆動部)29と、を備えている。巻取ドラム23の外周面には螺旋状の綾振溝27が形成されており、第1モータ29が巻取ドラム23を回転させると、給糸部1における給糸ボビン11から解舒された糸12は綾振溝27によって一定の幅でトラバースされながら巻取ボビン22に巻き取られる。これにより、一定の巻幅を有する、所定の長さの(又は所定の重さの)パッケージ20を形成することができる。この場合、第1モータ29は、パッケージ20を回転駆動させることができ、当該パッケージ20の回転方向を切り換えることができる。
ワインダユニット10においては、給糸部1と巻取部2との間の糸走行経路中に、解舒補助装置13と、張力付与装置14と、下糸捕捉パイプ4と、糸継装置3と、糸監視装置19と、上糸捕捉パイプ(糸捕捉部)5と、が配置されている。
解舒補助装置13は、給糸ボビン11の芯管に被せることが可能な規制部材13aを備えている。規制部材13aは、略筒状に構成されており、給糸ボビン11の糸層上部に形成されたバルーンに接触するように配置されている。なお、バルーンとは、給糸ボビン11から解舒される糸12が遠心力によって振り回されている部分のことである。
このバルーンに対して規制部材13aを接触させることにより、当該バルーンの部分の糸12に対してテンションを付与し、糸12が過度に振り回されることを防止する。これにより、当該糸12を給糸ボビン11から適切に解舒させることができる。
張力付与装置14は、走行する糸12に所定のテンションを付与するものである。本実施形態において、張力付与装置14は、固定の櫛歯に対して可動の櫛歯を配置するゲート式の構成となっている。可動の櫛歯は、櫛歯同士が噛み合わせ状態となるように付勢されている。
噛み合わせ状態の櫛歯の間を屈曲させながら糸12を通過させることにより、当該糸12に対して適度なテンションを付与してパッケージ20の品質を高めることができる。ただし、張力付与装置14は上記ゲート式のものに限らず、例えばディスク式のものを採用することができる。
下糸捕捉パイプ4は、給糸部1と巻取部2との間で糸12が何らかの理由(糸切れ又は糸切断等)により分断状態となったときに、給糸ボビン11側の糸12(糸端)を吸引して捕捉し、その後に糸継装置3に案内することができる。
具体的には、下糸捕捉パイプ4は、パイプ軸41を中心にして回動可能に構成されている。下糸捕捉パイプ4の先端には、吸引口42が形成されている。下糸捕捉パイプ4には、適宜の負圧源が接続されており、その吸引口42に吸引流を作用させることができる。
この構成で、糸12の分断状態が発生した場合は、下糸捕捉パイプ4の吸引口42が図3の二点鎖線で示す位置で糸12のうち給糸部1側の糸である下糸を捕捉し、その後、下糸捕捉パイプ4がパイプ軸41を中心にして上方へ回動することで糸継装置3に下糸を案内する。
糸継装置3は、糸12が上記の分断状態となったときに、給糸部1側の糸12(糸端)と、巻取部2側の糸12(糸端)と、を糸継ぎするものである。本実施形態において、糸継装置3は、圧縮空気により発生させた旋回空気流によって糸端同士を撚り合わせるスプライサ装置として構成されている。ただし、糸継装置3としては前記スプライサ装置に限らず、例えばディスク式のスプライサや機械式の糸結び装置であるノッタ等を採用することができる。
糸監視装置19は、走行する糸12の太さ等を適宜のセンサで監視することにより、糸欠陥を検出する。また、糸監視装置19は、糸切れ、即ち糸走行経路における糸12の有無も検出する。糸監視装置19の近傍には、当該糸監視装置19が糸欠陥を検出したときに直ちに糸12を切断するためのカッタ24が設けられている。
上糸捕捉パイプ5は、糸12が上記の分断状態となったときに、巻取部2側の糸12(糸端)を吸引して捕捉し、捕捉した糸12を糸継装置3に案内することができる。
具体的には、上糸捕捉パイプ5は、軸51を中心にして回動可能に構成されている。上糸捕捉パイプ5の先端には、サクションマウス52が形成されている。上糸捕捉パイプ5には、前述のブロアダクトが接続されており、そのサクションマウス52に吸引流を作用させることができる。
このサクションマウス52は、パッケージ20の巻き幅を含むように細長く形成されている。これにより、パッケージ20の外周面に対して、その巻き幅方向全体にわたって吸引流を作用させることができる。
上糸捕捉パイプ5のサクションマウス52とブロアダクトとの間には、図略のシャッタ部材が配置されている。前記シャッタ部材は、ユニット制御部50により開閉制御される。このシャッタ部材を開閉させることにより、サクションマウス52における吸引流の発生/停止を切り換えることができる。
上糸捕捉パイプ5には、第2モータ62の出力軸が連結されている。第2モータ62はユニット制御部50に電気的に接続されている。ユニット制御部50は、第2モータ62を制御して、第2モータ62の回転を開始/停止させたり、回転方向を変更したりすることができる。
この構成で、糸12の分断状態が発生した場合は、上糸捕捉パイプ5のサクションマウス52は、図3の二点鎖線で示す上糸捕捉位置で、糸12のうち巻取部2側の糸である上糸を捕捉する。その後、上糸捕捉パイプ5が軸51を中心にして図3の実線で示す糸継位置へ回動することで、糸継装置3に上糸を案内する。
ワインダユニット10には、糸検出センサ(検出部)53が設けられている。糸検出センサ53は、上糸捕捉パイプ5が糸を捕捉したか否かを検出する。具体的には、糸検出センサ53は、上糸捕捉パイプ5の内部に糸(糸端)が存在するか否かを検出する。糸検出センサ53は、ユニット制御部50に電気的に接続されている。糸検出センサ53は、例えば光センサとして構成することができる。糸検出センサ53は、巻取部2の近傍に配置されている。糸検出センサ53は公知の光センサとして構成されており、図示しない投光部及び受光部を備える。上糸捕捉パイプ5の一部は、光を透過可能な透明部材によって構成されている。上糸捕捉パイプ5が上糸捕捉位置にあるときに、糸検出センサ53の投光部は、透明部材を介して、光を上糸捕捉パイプ5の内部に照射することができる。上糸捕捉パイプ5の内部に糸12が存在する場合、糸検出センサ53の受光部は、糸12で反射した光を受光することができる。糸検出センサ53が設けられていない場合は、サクションマウス52を一度下降させることにより糸監視装置19が、上糸捕捉パイプ5が糸を捕捉したか否かを検出する。この場合、糸監視装置19が上糸捕捉パイプ5の糸捕捉部内に糸が存在するか否かを検出する検出部として機能する。
以上により、ワインダユニット10は、巻取ボビン22に糸12を巻き付けてパッケージ20を形成することができる。
次に、図2及び図3を参照して、給糸部1と巻取部2との間で糸12の分断状態が発生した場合に、分断された糸12を糸継ぎして巻取りを再開するまでのワインダユニット10の動作について説明する。
ワインダユニット10において、糸12の分断状態が発生したとき、分断された糸12のうちパッケージ20側(巻取部2側)の糸端は、慣性回転するパッケージ20に巻き取られる。糸12が分断状態となる原因としては、糸監視装置19が糸欠陥を検出したために糸12がカッタ24によって自動的に切断されること、偶発的に生じた大きな張力により糸12が切れること等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、以下の説明では、パッケージ20側の糸端を上糸端と称することがある。
ユニット制御部50は、第2モータ62に駆動信号を送り、上糸捕捉パイプ5を、そのサクションマウス52がパッケージ20に接近するように上方へ旋回させ、図3の二点鎖線で示す上糸捕捉位置まで移動させる。その結果、上糸捕捉パイプ5のサクションマウス52は、パッケージ20の表面と所定間隔をあけた状態でほぼ対面する位置に移動する。
サクションマウス52が上糸捕捉位置に至ると、ユニット制御部50は、第1モータ29に駆動信号を送り、パッケージ20を、糸の巻取方向とは逆の方向、即ち糸解舒方向へ回転(逆回転)させる。また、ユニット制御部50は、上糸捕捉パイプ5は、サクションマウス52に吸引空気流を発生させる。これにより、サクションマウス52の吸引作用、及びパッケージ20の逆回転によって、上糸端がパッケージ20から解舒され得る。パッケージ20の表面上に存在する上糸端は、サクションマウス52との対面部分を通過するときに、当該吸引空気流の作用によって上糸捕捉パイプ5内に吸い込まれる。一方、上述のパッケージ20を逆回転させて上糸端を吸引補捉する捕捉動作によっても上糸端がパッケージ20から解舒されなかった場合には、パッケージ20の逆回転をいったん停止させた後、再び逆回転させて、上糸捕捉パイプ5による捕捉動作を前記と同様に行う。パッケージ20の逆回転及び上糸捕捉パイプ5による捕捉動作を所定回数行っても依然として上糸端がパッケージ20から解舒されなかった場合は、ユニット制御部50がパッケージ20を少なくとも1回は往復回転運動させて、上糸捕捉パイプ5による捕捉動作を同様に行う。この往復回転運動についての詳細は後述する。
一方、分断された糸12のうち給糸ボビン11側(給糸部1側)の糸端は、下糸捕捉パイプ4の先端に発生している吸引空気流によって捕捉される。なお、以下の説明では、給糸ボビン11側の糸端を下糸端と称することがある。
上糸端と下糸端とが捕捉された後、ユニット制御部50は、第2モータ62に駆動信号を送り、上糸捕捉パイプ5を図3の太線矢印に示すように下方へ旋回させる。更に、ユニット制御部50は、下糸捕捉パイプ4を太線矢印に示すように上方へ旋回させる。これにより、上糸捕捉パイプ5により捕捉された上糸端と、下糸捕捉パイプ4により捕捉された下糸端とが、糸継装置3に案内される。
その後、糸継装置3により上糸端と下糸端とを用いた糸継ぎが行われる。給糸部1と巻取部2の間で糸12が連続状態となると、ユニット制御部50は、第1モータ29を制御してパッケージ20を正回転させ、糸12の巻取りを再開する。
次に、図4を参照して、巻取工程におけるワインダユニット10の動作について詳細に説明する。図4は、ワインダユニット10においてパッケージ20を形成するために行われる処理を示すフローチャートである。
糸12をパッケージ20に巻き取る巻取工程が行われるとき、ユニット制御部50は、給糸部1から巻取部2までの糸走行経路中において、糸12の分断状態が発生したか否かを判定する(ステップS101)。本実施形態においては、ユニット制御部50は、糸12が有ることを示す信号が糸監視装置19から入力されたか否かにより、糸12の分断状態が発生したか否かを判定する。また、糸監視装置19が糸欠点を検出してカッタ24により糸12をカットした場合は、そのカット信号を元に糸12の分断状態が発生したか否かを判定する。
糸12の分断状態が発生していないと判定した場合(ステップS101,No)、ユニット制御部50は、パッケージ20を所定の巻取速度(糸が巻き取られる際のパッケージ20の回転速度)で正回転させる(ステップS108)。即ち、パッケージ20が形成されるように糸12の巻取りが行われる。
一方、糸12の分断状態が発生したと判定した場合(ステップS101,Yes)、ユニット制御部50は、上糸捕捉パイプ5による上糸端の捕捉(捕捉工程)を開始する(ステップS102)。
捕捉のための動作を具体的に説明すると、ユニット制御部50は先ず、直ちにパッケージ20の回転を停止するように、第1モータ29を制御する。また、ユニット制御部50は、上糸捕捉パイプ5の上方への旋回を開始させる。その結果、サクションマウス52が図3の二点鎖線で示す上糸捕捉位置に至る。なお、ユニット制御部50は、上糸捕捉パイプ5とブロアダクトとを接続する経路に配置された前記シャッタ部材を、上糸捕捉パイプ5が上方への旋回を開始した時点で開く。上糸捕捉パイプ5のサクションマウス52は、パッケージ20の表面に接近した上糸捕捉位置で、吸引流をパッケージ20の表面に作用させることができる。
更に、ユニット制御部50は、第1モータ29に信号を送り、パッケージ20の逆回転を開始させる。ユニット制御部50は、上糸捕捉パイプ5を上側に回動させた状態で、パッケージ20を所定の回転量だけ逆回転させる。サクションマウス52が吸引流をパッケージ20の表面に作用させた状態でパッケージ20が逆回転することで、上糸の解舒、及び、上糸端のサクションマウス52による吸引が促される。
パッケージ20を所定の回転量だけ逆回転させても、上糸端が上糸捕捉パイプ5によって捕捉されない場合も考えられる。この場合、ユニット制御部50は、パッケージ20の逆回転をいったん停止させた後、再びパッケージ20を逆回転させ、上糸端の上糸捕捉パイプ5による捕捉を試みる。ユニット制御部50は、パッケージ20の逆回転を伴う上糸端の捕捉の試行を、その試行回数が所定の上限値に達するまで繰り返す。この上限値は適宜定めることができ、1回であっても複数回であっても良い。
ユニット制御部50は、上糸端の捕捉の試行が1回行われる毎に、糸検出センサ53から入力される信号を適宜のタイミングで監視する。上糸捕捉パイプ5内に糸が有ることを示す信号が糸検出センサ53から入力されると、上糸端の捕捉をこれ以上試みる必要はないので、ユニット制御部50はステップS102の処理を、途中であっても直ちに終了する。
その後、ユニット制御部50は、上糸捕捉パイプ5による上糸端の捕捉に成功したか否かを判定する(ステップS103)。この判定は、糸検出センサ53が出力する糸検出信号に基づいて行うことができる。
上糸捕捉パイプ5による上糸端の捕捉に成功したと判定した場合(ステップS103,Yes)、ユニット制御部50は、糸継装置3に糸継ぎを行わせる(ステップS104)。具体的には、ユニット制御部50は、パッケージ20の逆転を継続しながら上糸捕捉パイプ5を下方へ回動して、上糸端を糸継装置3に案内する。また、ユニット制御部50は、下糸捕捉パイプ4がパイプ軸41を中心にして上方へ回動して、下糸を糸継装置3に案内する。この状態で、糸継装置3によって上糸と下糸とが糸継ぎされる。これとほぼ同時に、ユニット制御部50は、上糸捕捉パイプ5とブロアダクトとを接続する経路に配置された前記シャッタ部材を閉じ、サクションマウス52における吸引流を停止させる。
所定回数の試行によっても上糸捕捉パイプ5による上糸端の捕捉に失敗したと判定した場合(ステップS103,No)、ユニット制御部50は、第1モータ29に信号を送り、パッケージ20の逆回転を終了させ、パッケージ20の往復運動を開始させる(ステップS105)。なお、捕捉が失敗する原因としては、糸の毛羽の多さ等によって上糸端がパッケージ20の表面部に強く引っ掛かること等が挙げられるが、これに限定されない。
ユニット制御部50は、まず、パッケージ20を正回転させる。パッケージ20を所定の第1回転量だけ回転させた後、ユニット制御部50は、パッケージ20の回転方向を切り換えて、パッケージ20を所定の第2回転量だけ逆回転させる。
ここで、ユニット制御部50は、パッケージ20の回転時間及び回転速度等の制御を行い、往復運動における第1回転量(パッケージ20の正回転の回転量)に比べて第2回転量(パッケージ20の逆回転の回転量)を大きくする。正回転の回転量よりも逆回転の回転量が大きくなる限り、具体的な回転時間及び回転速度等は特に限定されない。
このように、本実施形態では、1回の往復運動において、正回転の回転量よりも逆回転の回転量が大きくなっている。従って、上糸は、パッケージ20の正転時よりも逆転時の方が大きなストロークで振られ、この意味で、上糸に対する刺激に変化が生まれる。また、往復運動の範囲内でサクションマウス52が上糸に対して様々な位置から吸引流を作用させるのに加えて、サクションマウス52による吸引流を、逆回転側(言い換えれば、上糸の解舒を促す側)に偏った非対称な形で上糸に作用させることができる。この結果、上糸への独特な刺激によるほぐし効果を得ることができる。これにより、上糸がパッケージ20の表面に強く引っ掛かっていた場合でも高い確率で引っ掛かりを解消して、上糸端を上糸捕捉パイプ5によって捕捉することができる。
以下、図5(a)に示す例で説明する。図5(a)では、上糸の途中部に毛羽が生じていて、この毛羽部分がパッケージ20の表面に引っ掛かっている。説明の便宜のため、図5において毛羽部分は、小さな4角形のマークで示されている。図5(a)の状態では、上糸のうち、パッケージ20の表面に付着した毛羽部分より先端側の一部が、上糸捕捉位置にあるサクションマウス52によって吸引されている。しかし、毛羽部分の引っ掛かりが強いため、サクションマウス52が作用させる吸引流によっても、当該毛羽部分をパッケージ20の表面から剥がすことができない。図5(a)において、上糸は、サクションマウス52よりも上方にある毛羽部分の位置を境に屈曲された状態となっている。
この状態からパッケージ20を正回転させると、毛羽部分がサクションマウス52に近づく向きに移動する。図5(b)には、正回転が完了し、毛羽部分がサクションマウス52にほぼ対面している状態が示されている。上糸に生じていた屈曲は、毛羽部分の移動の過程で伸ばされる。以上により、毛羽の位置より先端側の上糸のうち多くの部分がサクションマウス52に吸引されるので、吸引流が、より強い力で上糸を引っ張ることができる。
図5(b)の状態からパッケージ20を逆回転させると、毛羽部分は、再びサクションマウスから離れる向きに移動する。上糸は毛羽部分を境に再び屈曲しようとするが、サクションマウス52が上糸を既に毛羽部分の近傍まで吸引しているので、吸引流の作用によって当該上糸は強く引っ張られている。従って、毛羽部分の移動に伴って、当該毛羽部分に対して、パッケージ20の表面から引き剥がす方向(言い換えれば、上糸を解舒する方向)の強い力が上糸を介して作用する。また、パッケージ20の正回転の回転量よりも逆回転の回転量の方が大きいため、毛羽部分に対する上記の強力な引き剥がし作用が、毛羽部分の長い移動ストロークにわたって加えられる。この結果、図5(c)に示すように、高い確率で毛羽部分をパッケージ20から引き剥がして上糸捕捉パイプ5に吸引することができる。
本実施形態では、第1回転量は、パッケージ20の1回転量以内の回転量に設定されている。即ち、往復運動におけるパッケージ20の正回転時の回転量は、360°以内の値である。第2回転量は、パッケージ20の1回転量以内であっても良いし、パッケージ20の1回転量を上回っても良い。
また、ユニット制御部50は、往復運動におけるパッケージ20の回転速度を、パッケージ20における糸12の巻取速度よりも遅くなるように制御する。往復運動におけるパッケージ20の回転速度は、正回転時と逆回転時とで同じであっても良いし、異なっていても良い。
パッケージ20を上記のように往復運動させても、上糸端が上糸捕捉パイプ5によって捕捉されない場合も考えられる。この場合、ユニット制御部50は、再びパッケージ20を往復運動させ、上糸端の上糸捕捉パイプ5による捕捉を試みる。ユニット制御部50は、パッケージ20の往復運動を伴う上糸端の捕捉の試行を、その試行回数が所定の上限値に達するまで繰り返す。この上限値は適宜定めることができる。
上糸端の捕捉の試行が1回行われる毎に、ユニット制御部50は、糸検出センサ53から入力される信号を適宜のタイミングで監視する。上糸捕捉パイプ5内に糸が有ることを示す信号が糸検出センサ53から入力されると、上糸端の捕捉をこれ以上試みる必要はないので、ユニット制御部50はステップS105の処理を、途中であっても直ちに終了する。
上糸端の捕捉の試行回数の上限値が2回以上であり、1回目の往復運動で糸検出センサ53が上糸端を検出しなかった場合には、パッケージ20は、2回以上の往復運動(往復繰返し運動)を行うことになる。
上述したように、1回の往復運動において、パッケージ20の正回転の回転量よりも逆回転の回転量が大きくなっている。従って、往復運動が行われる毎に、パッケージ20は結果的に、両方向の回転量の差分だけ逆回転した状態となる。これは、パッケージ20が往復繰返し運動を行う場合に、サクションマウス52に対する上糸の位置が、1回の往復運動毎に逆転側にズレることを意味する。従って、サクションマウス52の吸引流によって上糸が受ける刺激が更に多様になるので、パッケージ20の表面に対する上糸の引っ掛かりをより効果的に解消することができる。更に、1回の往復運動での両方向の回転量の差分が小さい場合でも、往復運動を何回も繰り返すことにより逆回転を累積させて、結果的にパッケージ20を多くの回転量(例えば、10回転量)逆回転させることができる。このように、上糸の捕捉に成功するまでパッケージ20の往復運動を単純に繰り返すだけで、サクションマウス52による吸引流をパッケージ20の全体にわたって作用させることができ、また、上糸に対するほぐし作用を、バリエーションを伴って反復的に得ることができる。この結果、従来の構成ではオペレータの手作業によって取り除く必要があった上糸の強い引っ掛かりを自動的に解消して上糸を捕捉することができるので、著しい省力化を実現することができる。
上糸端の捕捉の試行回数の上限値(言い換えれば、往復運動の回数に関する制限値)は、適宜定めることができ、例えば100回とすることができる。この上限値は、往復運動によって累積されるパッケージ20の逆回転量が1周以上となるように定められることが好ましい。これにより、サクションマウス52をパッケージ20の外周の全体に作用させることができるので、上糸端を捕捉できる確率を高めることができる。
その後、ユニット制御部50は、上糸捕捉パイプ5による上糸端の捕捉に成功したか否かを判定する(ステップS106)。この処理は、ステップS103の処理と同様である。上糸捕捉パイプ5による上糸端の捕捉に成功したと判定した場合(ステップS106,Yes)、ユニット制御部50は、糸継装置3に糸継ぎを行わせる(ステップS104)。
所定回数の試行の結果、上糸捕捉パイプ5による上糸端の捕捉に依然として失敗したと判定した場合(ステップS106,No)、ユニット制御部50は、機台制御装置80のディスプレイ82にアラームを表示させた後、動作を停止する(ステップS107)。上糸の捕捉の失敗がある程度連続して発生した時点で往復運動を打ち切って停止することで、パッケージ20の無駄な回転を回避し、省エネルギーを実現することができる。また、ディスプレイ82のアラーム表示が行われることで、パッケージ20の表面に強力に付着した上糸端をオペレータが手作業で引き剥がすように促すことができる。
糸継装置3による糸継ぎが行われた後、ユニット制御部50は、第1モータ29に対して駆動信号を送り、パッケージ20を正回転させる。これにより、パッケージ20への糸12の巻取りが行われる(ステップS108)。
その後、ユニット制御部50は、例えば、ワインダユニット10において糸12の巻取りを停止する必要がある他の異常が発生した場合、又は、オペレータによりワインダユニット10の停止が指示された場合に、処理を終了する(ステップS109,Yes)。ユニット制御部50は、このような状況が発生しなければ(ステップS109,No)、上記のステップS101〜S108を繰返し実行する。
次に、図6に示すタイミングチャートを参照して、巻取工程におけるワインダユニット10の動作について説明する。図6は、ワインダユニット10におけるパッケージ20の回転制御の一例を示すタイミングチャートである。
糸12の分断状態が発生した場合、ユニット制御部50は、直ちにパッケージ20の回転を停止するように第1モータ29を制御する。
その後、図6の時刻t0のタイミングで、ユニット制御部50は、上糸捕捉パイプ5を上方へ旋回させる。その結果、時刻t1のタイミングで、サクションマウス52が上糸捕捉位置に至る。
この時刻t1のタイミングで、ユニット制御部50が、第1モータ29に信号を送り、パッケージ20の逆回転を開始させる。パッケージ20の逆回転は、時刻t1から所定時間が経過するまで行われる。図6では、パッケージ20の逆回転を伴う上糸端の捕捉の試行が時刻t1,t2,t3においてそれぞれ行われ、何れにおいても糸の捕捉に失敗した場合が示されている。
図6の例では、パッケージ20の逆回転を伴う上糸端の捕捉に関し、試行の上限回数は3回に設定されている。試行の上限回数に達したため、ユニット制御部50は、時刻t4のタイミングで第1モータ29に信号を送り、パッケージ20の往復運動を開始させる。上糸端の捕捉に成功するまで、パッケージ20の往復運動は、時刻t4,t5,t6,・・・に示すように繰返し行われる。
ユニット制御部50は、時刻t4の時点から、糸の捕捉に成功したか否かを監視している。図6の例では、パッケージ20の往復運動を40回以上繰返した結果、時刻t50のタイミングで上糸端の捕捉に成功したと初めて判定された場合が示されている。ユニット制御部50は、時刻t50より後の適宜のタイミングまでパッケージ20の逆転を継続した後、第1モータ29に信号を送り、パッケージ20を停止させる。また、時刻t50のタイミングで、ユニット制御部50は、上糸捕捉パイプ5を下方へ旋回させる。その結果、時刻t51のタイミングで、サクションマウス52が糸継位置に至る。その後、糸継装置3による糸継ぎが行われる。
糸継ぎが終了したタイミングである時刻t52で、ユニット制御部50は、第1モータ29に信号を送り、パッケージ20の正回転を開始させる。これにより、糸の巻取りが行われる。
パッケージ20の往復運動の速度は、往復繰返し運動の最初から最後まで一定であっても良いし、途中で変化しても良い。例えば、パッケージ20の往復運動を伴う糸捕捉の試行に3回連続して失敗した時刻t7以降において、ユニット制御部50は、当初の往復運動時(時刻t4から時刻t7まで)におけるパッケージ20の回転速度よりも遅い回転速度でパッケージ20を正回転及び逆回転させるように、再び往復運動を行わせることもできる。この結果、パッケージ20の往復運動の速度は段階的に減少する。上糸の捕捉に失敗した時点で、パッケージ20の表面に上糸が強く引っ掛かっていることが疑われるが、その後に往復運動の回転速度を低下させることで、サクションマウス52の吸引流による上糸への作用を強めて、上糸の捕捉に成功する確率を高めることができる。
本実施形態では、このようにパッケージ20の往復運動が実行される場合、ユニット制御部50は、パッケージ20を往復運動させている旨を、機台制御装置80のディスプレイ82を用いて通知する。この通知は、例えば適宜のメッセージをディスプレイ82に表示することで実現できるが、これに限定されない。オペレータは、ディスプレイ82の表示内容により、状況の変化(糸の分断及びその対応)に早期に気付くことができる。
以上に説明したように、本実施形態の自動ワインダ100は、巻取部2と、第1モータ29と、上糸捕捉パイプ5と、ユニット制御部50と、を備える。巻取部2は、糸12を巻き取ってパッケージ20を形成する。第1モータ29は、パッケージ20を回転駆動させ、当該パッケージ20の回転方向を切換可能である。上糸捕捉パイプ5は、巻取部2により巻き取られている糸12の分断状態が発生した場合に、パッケージ20から糸端を吸引することにより捕捉する。ユニット制御部50は、第1モータ29を制御する。ユニット制御部50は、上糸捕捉パイプ5が上糸端の捕捉を開始した場合に、この上糸捕捉による糸端の捕捉が成功するまで、パッケージ20が、糸12の巻取方向へ回転する正回転と、正回転の回転量よりも大きい回転量だけ糸12の巻取方向とは逆方向へ回転する逆回転と、を正回転から開始する往復運動を、パッケージ20に行わせる。
これにより、パッケージ20を往復運動させることで、上糸に対して、上糸捕捉パイプ5の捕捉作用等による良好な刺激を与えることができる。しかも、往復運動においては正回転の回転量よりも大きい回転量だけパッケージ20を逆回転させるので、上糸に対して非対称的な刺激が上糸捕捉パイプ5によって加えられ、かつ、上糸の解舒を促すことが期待できる。従って、上糸がパッケージ20の表面に強く引っ掛かっていても、その引っ掛かりを容易に解消して、上糸を効率良く捕捉することができる。
また、本実施形態のワインダユニット10において、ユニット制御部50は、必要に応じて、往復運動を複数回繰り返す往復繰返し運動をパッケージ20に行わせる。
これにより、糸の引っ掛かりを解消する機会を複数回確保できるので、上糸を捕捉し易くすることができる。また、往復運動が1回完了する毎にパッケージ20は段階的に逆回転するので、上糸に対して一層多様な刺激を上糸捕捉パイプ5(サクションマウス52)によって与えることができ、また、パッケージ20の外周の広い領域に対して上糸捕捉パイプ5を作用させることができる。
また、本実施形態のワインダユニット10において、ユニット制御部50は、往復運動の累積により、パッケージ20が最初の往復運動の開始時点から少なくとも1周逆回転するまで2回以上の往復運動をパッケージ20に行わせることが可能である。
これにより、往復繰返し運動によって、上糸捕捉パイプ5をパッケージ20の外周の全体に対して作用させることができる。
また、本実施形態の自動ワインダ100において、ユニット制御部50は、パッケージ20に往復繰返し運動を少なくとも1回行わせた後、上糸捕捉パイプ5による上糸の捕捉が失敗した場合、パッケージ20を正回転及び逆回転させる回転速度を遅くして再び往復運動を行わせるように構成することもできる。
この場合、上糸の捕捉が難しいことが予想される状況下では往復繰返し運動における往復運動の回転速度が自動的に遅くなるので、その後に上糸を捕捉できる確率を高めることができる。
また、本実施形態の自動ワインダ100において、ユニット制御部50は、往復繰返し運動において、パッケージ20に往復運動を少なくとも1回行わせた後、上糸捕捉パイプ5による上糸の捕捉が失敗した場合、パッケージ20を正回転及び逆回転させる回転速度を遅くして再び往復運動を行わせるように構成することもできる。
この場合、上糸の捕捉が難しいことが予想される状況下では往復運動の回転速度が自動的に遅くなるので、その後に上糸を捕捉できる確率を高めることができる。
また、本実施形態の自動ワインダ100において、ユニット制御部50が往復繰返し運動をパッケージ20に行わせる時(ステップS105)にパッケージ20を正回転及び逆回転させる回転速度は、糸12を巻き取ってパッケージ20を形成する際(ステップS108)のパッケージ20の回転速度よりも遅い。
これにより、上糸の捕捉のために、上糸捕捉パイプ5をパッケージ20に対して効果的に作用させることができる。
また、本実施形態の自動ワインダ100において、往復繰返し運動における1回の往復運動に含まれる前記正回転におけるパッケージ20の回転量が1回転量以内である。
これにより、パッケージ20の往復運動の回転量が比較的小さいので、自動ワインダ100から生じる振動等を低減することができる。
また、本実施形態の自動ワインダ100は、上糸捕捉パイプ5内に糸が存在するか否かを検出する糸検出センサ53を備える。ユニット制御部50は、糸検出センサ53に上糸捕捉パイプ5が往復繰返し運動の実行と並行して上糸捕捉パイプ5内に糸が存在するか否かの検知動作を実行させ、糸検出センサ53の検出結果に基づいて上糸捕捉パイプ5による糸の捕捉が成功したと判定した場合、往復繰返し運動を終了させる。また、ユニット制御部50は、糸検出センサ53の検出結果に基づいて上糸捕捉パイプ5による糸の捕捉が成功していないと判定した場合でも、往復運動の実行回数が予め設定された制限値に達したときは上糸捕捉パイプ5による糸の捕捉が失敗したと判断し、往復繰返し運動を終了させる。
これにより、上糸捕捉パイプ5が上糸の捕捉に成功した後、次の動作を円滑に開始することができる。また、上糸捕捉パイプ5による上糸の捕捉が成功する可能性が低い場合に、パッケージ20の無駄な往復運動を防止することができる。
また、本実施形態の自動ワインダ100は、ディスプレイ82を備える。ディスプレイ82は、往復運動の実行回数が前記制限値に達したために往復繰返し運動が終了した場合に、アラームを発する。
これにより、上糸捕捉パイプ5による糸の捕捉に今後成功する可能性が低いために往復繰返し運動が終了したことを、オペレータ等に速やかに知らせることができる。
また、本実施形態の自動ワインダ100は、ディスプレイ82を備える。ディスプレイ82は、パッケージ20の往復繰返し運動が行われていることを通知する。
これにより、上糸の捕捉のためにパッケージ20の往復繰返し運動が行われていることを、周囲のオペレータ等が容易に把握することができる。
また、本実施形態の自動ワインダ100(ワインダユニット10)を用いた糸捕捉方法は、巻取工程と、捕捉工程と、を含む。前記巻取工程は、糸12を巻き取ってパッケージ20を形成する。前記捕捉工程は、前記巻取工程の途中で糸12の分断状態が発生した場合に、糸継ぎを行うために、前記パッケージ20から糸を引き出して捕捉する。前記捕捉工程では、パッケージ20が、糸12の巻取方向へ回転する正回転と、正回転の回転量よりも大きい回転量だけ糸12の巻取方向とは逆方向に回転する逆回転と、からなる往復運動を複数回実行する、パッケージ20の往復運動が行われる。
これにより、上糸がパッケージ20の表面に強く引っ掛かっていても、その引っ掛かりを容易に解消して、上糸を効率良く捕捉することができる。
次に、図7を参照して、第2実施形態の自動ワインダ100について説明する。図7は、第2実施形態に係る自動ワインダ100のワインダユニット10の概略的な構成を示す正面図及びブロック図である。なお、第2実施形態の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
本実施形態の自動ワインダ100は、複数のワインダユニット10が、それぞれ、巻取ドラム23が綾振溝27を有する構成の巻取部2ではなく、トラバース装置123を有する構成の巻取部2xを備える点で相違する。即ち、巻取部2xは、巻取ボビン22を装着可能に構成されたクレードル121と、接触ローラ122と、トラバース装置123と、を備えている。
クレードル121は、巻取ボビン22(パッケージ20)を着脱可能に保持する。クレードル121は、ワインダユニット10の正面側及び背面側に回動(旋回)可能に構成されている。クレードル121の回動によって、巻取ボビン22への糸12の巻取りに伴うパッケージ20の糸層径の増大を吸収することができる。即ち、糸12が巻き取られることによりパッケージ20の糸層径が変化しても、当該パッケージ20の表面を接触ローラ122に対して適切に接触させることができる。
クレードル121には、例えばサーボモータで構成されパッケージ駆動モータ(駆動部)125が設けられている。巻取部2xは、このパッケージ駆動モータ125によって巻取ボビン22が回転駆動させられることにより、当該巻取ボビン22の表面(又はパッケージ20の表面)に糸12を巻き取る。
パッケージ駆動モータ125の回転軸は、巻取ボビン22がクレードル121に支持されたときに、当該巻取ボビン22と相対回転不能に連結される(いわゆるダイレクトドライブ方式)。パッケージ駆動モータ125は、ユニット制御部50に電気的に接続されている。ユニット制御部50は、パッケージ駆動モータ125を制御して、パッケージ駆動モータ125の回転を開始/停止させたり、回転方向及び回転速度を変更したりすることができる。
接触ローラ122は、回転可能に設けられており、巻取ボビン22の表面又はパッケージ20の表面に下側から接触可能に構成されている。接触ローラ122は、巻取ボビン22又はパッケージ20の重量の少なくとも一部を支えることができる。
トラバース装置123は、トラバースアーム131と、トラバース駆動モータ132と、を備える。トラバースアーム131は、回転可能に設けられており、その先端に糸12を保持することができる。トラバース駆動モータ132は、トラバースアーム131を駆動する。トラバース駆動モータ132は、ユニット制御部50に電気的に接続されている。ユニット制御部50がパッケージ駆動モータ125と連動してトラバース駆動モータ132を往復回転駆動させることにより、パッケージ20に巻き取られる糸12を所定の綾角で綾振ることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記の実施形態では、糸12の分断状態が発生した後、パッケージ20を往復運動させる前に、パッケージ20の逆回転を行っているが、このようなパッケージ20の逆回転は省略しても良い。即ち、糸12の分断状態が発生した後、直ちにパッケージ20を往復運動させても良い。
パッケージ20の往復運動において正回転を先に行うか、逆回転を先に行うかは、任意に選択することができる。
図6の時刻t1からt4までに示すパッケージ20の逆回転と、時刻t4以降に示すパッケージ20の往復繰返し運動と、の間に、パッケージ20を適宜の方向に適宜の回転量だけ回転させつつ上糸捕捉パイプ5によって上糸端を捕捉する試行が1又は複数回行われても良い。例えば、特許文献1に示すようなパッケージ20の正回転及び逆回転が、時刻t4の前に行われても良い。パッケージ20の表面に上糸捕捉パイプ5を作用させる場合に、上糸端ではなく、上糸において弛んだ途中部だけがサクションマウス52に吸引される状態が生じることがある。特許文献1に開示されたパッケージ20の回転を行うことで、そのような状態を解消することができる。図6の時刻t4以降の往復繰返し運動によって上糸端の捕捉を試みる場合、上糸端の捕捉に成功するまで長時間を要し、ワインダユニット10の稼動効率を低下させる場合もある。従って、パッケージ20の往復繰返し運動に移行する前に、パッケージ20を様々に回転させて上糸端の捕捉を試みることは有益である。
パッケージ20の往復繰返し運動の制限は、往復運動の回数に代えて、往復繰返し運動を開始してからの経過期間に基づいて定めることもできる。
パッケージ20の往復運動が行われている状態は、ディスプレイ82に代えて、例えば、機台制御装置80に別途設けたランプによって通知することもできる。この通知は、それぞれのワインダユニット10が備えるランプ又はブザー等を動作させることで行うこともできる。図4のステップS107で説明したアラームも同様に、ディスプレイ82以外の適宜の方法で実現することができる。
第2実施形態では、巻取部2xに、クレードル21を回動させてパッケージ20を接触ローラ122から離間させることができるリフトアップ機構を設け、このリフトアップ機構がパッケージ20を接触ローラ122から離すようにリフトアップさせた状態で、ユニット制御部50がパッケージ20を往復運動させるように構成しても良い。
また、上記実施形態では、上糸端の捕捉の試行回数の上限値(往復運動の回数に関する制限値)を、例えば100回とする構成を説明したがこれには限られない。例えば、上糸端の捕捉の試行回数の上限値を50回とし、それを2セット繰返しでも良い。セットを分けることにより、上糸端の捕捉の連続試行がいったん途切れるので、2セット目では1セット目と異なる往復運動による刺激を与えることができる。これにより上糸捕捉の成功率アップが期待できる。
上述の教示を考慮すれば、本発明が多くの変更形態及び変形形態をとり得ることは明らかである。従って、本発明が、添付の特許請求の範囲内において、本明細書に記載された以外の方法で実施され得ることを理解されたい。
2,2x 巻取部
5 上糸捕捉パイプ(糸捕捉部)
12 糸
20 パッケージ
29 第1モータ(駆動部)
50 ユニット制御部(制御部)
53 糸検出センサ(検出部)
82 ディスプレイ(通知部)
100 自動ワインダ(糸巻取装置)
125 パッケージ駆動モータ(駆動部)
5 上糸捕捉パイプ(糸捕捉部)
12 糸
20 パッケージ
29 第1モータ(駆動部)
50 ユニット制御部(制御部)
53 糸検出センサ(検出部)
82 ディスプレイ(通知部)
100 自動ワインダ(糸巻取装置)
125 パッケージ駆動モータ(駆動部)
Claims (11)
- 糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取部と、
前記パッケージを回転駆動させ、当該パッケージの回転方向を切換可能な駆動部と、
前記巻取部により巻き取られている糸の分断状態が発生した場合に、前記パッケージから糸を吸引することにより捕捉する糸捕捉部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記糸捕捉部が前記パッケージ側の糸の捕捉を開始した場合に、前記パッケージが、糸の巻取方向へ回転する正回転と、前記正回転の回転量よりも大きい回転量だけ前記巻取方向とは逆方向へ回転する逆回転と、を前記正回転又は前記逆回転から開始する往復運動を、前記パッケージに行わせることを特徴とする糸巻取装置。 - 請求項1に記載の糸巻取装置であって、
前記制御部は、前記往復運動を複数回繰り返す往復繰返し運動を前記パッケージに行わせることを特徴とする糸巻取装置。 - 請求項2に記載の糸巻取装置であって、
前記制御部は、前記往復運動の累積により、前記パッケージが最初の前記往復運動の開始時点から少なくとも1周逆回転するまで前記往復繰返し運動を前記パッケージに行わせることが可能であることを特徴とする糸巻取装置。 - 請求項3に記載の糸巻取装置であって、
前記制御部は、前記パッケージに前記往復繰返し運動を少なくとも1回行わせた後、前記糸捕捉部による糸の捕捉が失敗した場合、前記パッケージを正回転及び逆回転させる回転速度を遅くして再び前記往復繰返し運動を行わせることを特徴とする糸巻取装置。 - 請求項3に記載の糸巻取装置であって、
前記制御部は、前記往復繰返し運動において、前記パッケージに前記往復運動を少なくとも1回行わせた後、前記糸捕捉部による糸の捕捉が失敗した場合、前記パッケージを正回転及び逆回転させる回転速度を遅くして再び前記往復運動を行わせることを特徴とする糸巻取装置。 - 請求項2から5までの何れか一項に記載の糸巻取装置であって、
前記制御部が前記往復繰返し運動を前記パッケージに行わせる時に前記パッケージを正回転及び逆回転させる回転速度は、糸を巻き取ってパッケージを形成する際の前記パッケージの回転速度よりも遅いことを特徴とする糸巻取装置。 - 請求項2から6までの何れか一項に記載の糸巻取装置であって、
前記往復繰返し運動における1回の前記往復運動に含まれる前記正回転における前記パッケージの回転量が1回転量以内であることを特徴とする糸巻取装置。 - 請求項2から5までの何れか一項に記載の糸巻取装置であって、
前記糸捕捉部内に糸が存在するか否かを検出する検出部を備え、
前記制御部は、前記検出部に前記糸捕捉部が前記往復繰返し運動の実行と並行して前記糸捕捉部内に糸が存在するか否かの検知動作を実行させ、前記検出部の検出結果に基づいて前記糸捕捉部による糸の捕捉が成功したと判定した場合、前記往復繰返し運動を終了させ、
前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて前記糸捕捉部による糸の捕捉が成功していないと判定した場合でも、前記往復運動の実行回数又は前記往復繰返し運動の開始時点からの経過期間が予め設定された制限値に達したときは前記糸捕捉部による糸の捕捉が失敗したと判断し、前記往復繰返し運動を終了させることを特徴とする糸巻取装置。 - 請求項8に記載の糸巻取装置であって、
アラーム部を備え、
前記アラーム部は、前記往復運動の実行回数又は前記往復繰返し運動の開始時点からの経過期間が前記制限値に達したために前記往復繰返し運動が終了した場合に、アラームを発することを特徴とする糸巻取装置。 - 請求項2から9までの何れか一項に記載の糸巻取装置であって、
前記パッケージの往復繰返し運動が行われていることを通知する通知部を備えることを特徴とする糸巻取装置。 - 糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取工程と、
前記巻取工程の途中で糸の分断状態が発生した場合に、糸継ぎのために、前記パッケージから糸を捕捉して引き出す捕捉工程と、
を含み、
前記捕捉工程では、前記パッケージが、糸の巻取方向へ回転する正回転と、前記正回転の回転量よりも大きい回転量だけ前記巻取方向とは逆方向へ回転する逆回転と、からなる往復運動を複数回実行することを特徴とする糸捕捉方法。
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