JP2021062461A - 復元機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】手動利器やロボットアームやドアクローザーなどにおいて、安全性や美観に優れた復元機構を提供すること。【解決手段】この復元機構は、一方体11と他方体21を揺動自在に一体化した構造であり、一方体11と他方体21のいずれも、支点部14、24と作用部17、27が隣接しており、支点部14、24同士を重ねるように配置することで、支点部14、24を中心として一方体11や他方体21は揺動可能になる。そして支点部14、24には、揺動の軸線方向に沿って伸びる帯状の駆動片20を組み込み、その一端側は一方体11に取り付け、他端側は他方体21に取り付け、駆動片20のネジリによる反力で一方体11と他方体21を付勢する。駆動片20は内部に覆い隠されるため美観に優れ、従来のペンチのリターンスプリングのように異物が絡み付く恐れがなく、安全性にも優れている。【選択図】 図1
Description
本発明は、手動利器などを所定の状態に維持するための復元機構に関する。
ハサミやペンチなどの手動利器は、ほぼ同一形状の二要素で構成され、それらが支点軸を介して一体化されており、個々の要素は、相手方に対して自在に揺動可能である。このように、二要素が支点軸を介して揺動自在に一体化された構造は、様々な分野で使用されているが、その中には、この二要素が閉じた状態や開いた状態を維持できるよう、バネなどの弾性部材を組み込んだものがある。その具体例として図12のようなペンチが挙げられ、柄部の付け根付近に組み込まれたリターンスプリングにより、柄部が開いた状態を維持できる。なお同様の構造は、洗濯バサミやドアクローザーやロボットアームなどにも導入されている。
このように、手動利器などを一定の方向に付勢する機能は、以前から広く普及しており、その例として後記の特許文献1が挙げられる。この文献では、一対の握柄をピンで一体化した手動利器セットが開示されており、鋏刃などが抜き差し可能であることを特徴としている。そして握柄の先端側には、差込式取付部を設けてあり、そこに鋏刃やドライバービットを取り付けることができる。さらにこの文献の各図には、握柄を離間方向に揺動付勢するため、バネを組み込むことが開示されている。
次の特許文献2では、付勢に用いるバネの組み付けや取り外しなどを容易に実施可能で、使い勝手の良好な手動利器が開示されている。この手動利器は、一対の作動片で構成され、作動片同士を開放方向に付勢するバネを備えている。そしてバネは、線材をU字状に成形したもので、その中央にローラを嵌合してあるほか、その両端部を直角に折り曲げ、それを作動片の握りに形成した支持孔に挿入してある。支持孔は、握りの厚さ方向に伸びているが、その中間部分は切り欠きとしてあり、必然的に支持孔は、切り欠きを挟んで二箇所に分断される。そのため切り欠きがバネの端部の出入り口となり、バネの脱着作業を容易に行うことができる。
そのほか特許文献3では、刃部の納めや引き出しの際、節度感を得ることができ、しかも全体の組付けを簡単に行うことができる折畳式手動利器が開示されている。この手動利器は、刃部の後端側に回動部材を一体化してあり、この回動部材に対して柄部材を揺動自在に取り付けた構造で、回動部材と柄部材との回動を実現するため、いずれか一方には円形凹所を形成し、相手方にはこれに嵌合する円形突条を形成してある。しかも円形突条内にはΩ字状のスプリングを収納してあり、対する円形凹所の内面には、このスプリングの端部を係止する凹みを形成してある。そしてスプリングが凹みから離れている場合、スプリングは円形凹所に押圧されて変形しており、その反力で回動部材と柄部材との間に摩擦が生じ、節度感を得ることができる。
先の図12のように、ペンチなどに組み込まれるリターンスプリングは、外部に露出していることが多い。そのためリターンスプリングに異物が絡み付き、正常な開閉を阻害する恐れがあるほか、この絡み付いた異物で指などを負傷する危険性もある。また電気工事の際、このような異物によって想定外の電気回路が構成され、重大な事故を引き起こす危険性もある。したがってリターンスプリングは、外部に露出させることなく覆い隠したい場合がある。他にも、美観を向上させるため、リターンスプリングを覆い隠したい場合もあれば、構造上、リターンスプリングの組み込みが難しい場合もある。
洗濯バサミなど、バネの反力を用いて何らかを挟み込むような物品において、その挟み込みの力を一段と増大させたいことがある。その場合、単純にバネを固く(ばね定数を増大)すれば力を増大できるが、必然的にバネを変形させる際に大きな力が必要になり、取り扱いが難しくなるほか、誤って身体が挟み込まれると負傷する恐れもある。そこでバネを固くすることなく、挟み込みの力を増大できることが望ましい。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、手動利器やロボットアームやドアクローザーなどにおいて、安全性や美観に優れた復元機構の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、一方体と他方体を揺動自在に一体化した構造であり、前記一方体および前記他方体は、いずれも支点部と作用部とを有し、前記一方体および前記他方体は、その前記支点部同士が重なるように配置してあり、該支点部を中心として該一方体および該他方体は個別に揺動可能であり、前記作用部は、前記支点部に隣接して配置してあり、前記一方体と前記他方体との揺動の中心部には、揺動の軸線方向に沿って伸びる帯状の駆動片を組み込んであり、該駆動片の一端側は該一方体に取り付けてあり、該駆動片の他端側は該他方体に取り付けてあり、該駆動片のネジリによる反力で該一方体と該他方体が所定の配置となるように付勢されていることを特徴とする復元機構である。
本発明は、手動利器や洗濯バサミなど、類似した形状の二要素を揺動自在に一体化した物品に組み込まれる復元機能であり、この復元機能によって二要素が付勢され、所定の状態を維持する。なお本発明においては、この二要素を一方体および他方体と称するものとする。必然的に一方体と他方体は似た形状になるが、完全に一致させる必要はなく、用途などによっては一方体と他方体で形状が大きく異なることもある。
一方体および他方体は、いずれも支点部および作用部と称する区画を有するものとする。そのうち支点部は、一方体と他方体を揺動自在に一体化する役割を担い、一方体や他方体の中央付近や端部付近に配置される。しかも支点部は、一方体側と他方体側の双方が重なるように配置され、さらに双方を貫く軸などにより、一方体と他方体が一体化されるほか、この軸によって双方が揺動可能になる。なお支点部の構造によっては、棒状の軸が存在しない場合もある。
作用部は、支点部から離れて配置され、様々な物品を挟み込むための部位である。したがって本発明をペンチに導入した場合、くわえ部が作用部に相当するほか、本発明を洗濯バサミに導入した場合、作用部で洗濯物などを挟み込む。なお支点部や作用部との名称は、テコの原理(支点・作用点・力点)に基づいており、本発明では支点部を中心として作用部が揺動する。
駆動片は、リターンスプリングとして機能する帯状のもので、一方体と他方体との揺動の中心部で軸線方向に沿って配置し、その一端側を一方体に取り付け、他端側を他方体に取り付ける。そのため一方体と他方体のいずれかを変位させると、駆動片がねじられ、その反力によって一方体と他方体を元の状態に復元することができる。したがって駆動片は、一方体と他方体の支点部同士が重なり合う箇所の内部に収容され、一方体や他方体から外方に突出することはない。また駆動片は帯状であるため、双方の支点部には、駆動片の端部が嵌まり込む溝などを設けるだけで、回転力の伝達が可能である。なお駆動片の材質については、合成樹脂や繊維強化プラスチックや金属など、強度と耐久性に優れたものを用いることが望ましい。
このように、一方体と他方体で構成される手動利器などにおいて、その支点部に帯状の駆動片を組み込み、ねじりを加えられた駆動片の反力を用いた復元機構を導入することで、従来のリターンスプリングが不要になる。しかも駆動片は、支点部の内部に収容できるため、リターンスプリングに異物が絡み付くといったトラブルを回避できる。またリターンスプリングが不要であるため、各部の形状の自由度が高まり、美観を向上させることもできる。
請求項2記載の発明は、作用部での挟み込みを強化するためのもので、一方体および他方体には、支点部を基準として作用部の反対側に力点部を有しており、一方体の力点部には棒状に突出する舌片を設け、他方体の力点部には舌片と接触可能なカムストッパを設け、カムストッパには舌片の先端部を係止可能な保持溝を形成してあり、作用部同士を密着させる方向に力点部同士を変形させることで舌片が保持溝に嵌まり込み、力点部同士が一体化されることでこの変形を維持できることを特徴とする。
この発明は、作用部同士を強く密着させるためのもので、これまでの支点部と作用部に加え、力点部も関与する。力点部は、支点部を挟んで作用部と対向するように配置され、人の行為などによって外力が与えられる。したがって本発明を洗濯バサミに導入する場合、指などで押し込む部位が力点部になる。加えて力点部には、対向するように舌片とカムストッパを設けることで、力点部同士が弾性変形した状態を保持し、作用部同士を強く密着させることができる。
舌片は、一方体の力点部に設ける棒状のもので、一方体と他方体の双方の力点部の中間に配置するほか、一方体と他方体との揺動の軸線方向に沿って伸びるものとする。対するカムストッパは、他方体の力点部に設けるブロック状のもので、カムストッパの周囲に舌片の先端部が接触するよう、双方の位置関係を調整する。そしてカムストッパには、舌片の先端部を係止できるよう、切り込み状の保持溝を設ける。
保持溝は、力点部同士を弾性変形させた際、舌片の先端部が嵌まり込み、対向する力点部同士を接続し、この弾性変形を維持する役割を担う。ただしこの状態の後、力点部をより強力に変形させると、舌片は保持溝から離脱し、自在に移動できるようになる。さらに保持溝は、一個のカムストッパについて、一箇所ではなく複数箇所とすることもできる。このように複数箇所とする場合、力点部の弾性変形量を段階的に変化させることができ、作用部での挟み込みの力を調整可能になる。そのほか、舌片とカムストッパを最適に配置するため、力点部から板などを突出させ、その先端付近に舌片やカムストッパを設けることがある。
請求項1記載の発明のように、一方体と他方体で構成される手動利器などにおいて、その支点部に帯状の駆動片を組み込み、ねじりを加えられた駆動片の反力を用いた復元機構を導入することで、従来のリターンスプリングが不要になる。しかも駆動片は、支点部の内部に収容できるため、リターンスプリングに異物が絡み付くといったトラブルを回避できる。またリターンスプリングが不要であるため、各部の形状の自由度が高まり、美観を向上させることもできる。当然ながら本発明は、手動利器のほか、洗濯バサミやロボットアームやドアクローザーなど、様々な分野に展開することができる。
請求項2記載の発明のように、一方体の力点部に舌片を設けるほか、他方体の力点部にカムストッパを設け、カムストッパの保持溝に舌片が嵌まり込むことで、力点部同士が弾性変形した状態を維持できる。このように力点部同士が弾性変形した状態を維持することで、作用部同士が強く密着する。したがってこの構造を洗濯バサミに導入するならば、洗濯物などをより強固に挟み込み、脱落などの不具合を避けることができる。なお一個のカムストッパについて、保持溝を一箇所ではなく複数箇所とするならば、作用部同士が密着する力を調整可能になる。
図1は、本発明による復元機構を組み込んだペンチの形状例を示している。このペンチは、ほぼ対称形である一方体11と他方体21を揺動自在に一体化したもので、一方体11は、支点部14を挟んで力点部13と作用部17が対向するように配置してあり、そのうち力点部13は柄部に相当しており、また作用部17はくわえ部に相当している。そして他方体21についても同様の構造で、支点部24を挟んで力点部23と作用部27が対向している。さらに、一方体11と他方体21の双方の支点部14、24は、図の上下方向に重なるように配置され、支点部14、24を中心としてそれぞれが相手方に対して自在に揺動可能である。ただし揺動の範囲には構造上の限度があり、作用部17、27は、所定の角度を超えて開くことはできない。
双方の支点部14、24の内部には、帯状の駆動片20を配置してある。駆動片20は、双方の作用部17、27が開いた状態を維持するリターンスプリングとして機能しており、外部からネジリを加えられると、これに対する反力が発生する。また駆動片20を収容するため、支点部14、24の内部には円断面で有底の空洞16、26を設けてあり、さらに駆動片20の端部を差し込むため、結合溝15、25も設けてある。結合溝15、25は、駆動片20の横断面に応じた矩形断面であり、結合溝15、25に駆動片20を差し込むだけで回転力が伝達される。当然ながら結合溝15、25は、揺動の中心に配置してある。
図1の上方には、作用部17、27が閉じた状態を描いてある。この時、内部の駆動片20は、図1の左下に描くように、大きくねじられた状態になっており、その反力で一方体11および他方体21を付勢している。そして外部からの拘束がなくなると、駆動片20による反力で一方体11と他方体21が揺動し、作用部17、27が開いた状態に復元する。なお実際には、一方体11と他方体21との分離を防ぐため、支点部14、24同士を加締め構造で一体化するなどの対策が必要になる。
図2は、図1の一方体11および他方体21の支点部14、24付近を拡大したものである。一方体11と他方体21が円滑に揺動できるよう、力点部13、23と支点部14、24との境界や、作用部17、27と支点部14、24との境界は、揺動の中心と同心に揃う曲面としてある。また駆動片20の両端部は、結合溝15、25に差し込まれるが、駆動片20は、一方体11と他方体21を一体化する役割も担っている。そのため駆動片20の両端部は、接着などで支点部14、24と強固に一体化してある。
図3は、本発明による復元機構を組み込んだロボットアームの形状例を示している。このロボットアームは、コンピュータ制御によって自在に移動可能なアーム本体38に加え、一方体31および他方体41などで構成され、様々な物を摘み上げることができる。そして一方体31と他方体41は、いずれも力点部33、43と支点部34、44と作用部37、47で構成され、支点部34、44によって双方が揺動自在に一体化されている。この支点部34、44の構造については、先の図1と全く同じであり、内部に駆動片40を組み込んであり、その一端部が結合溝45に差し込まれている。また作用部37、47の先端付近は直角に屈曲しており、双方の先端面が向かい合っており、その間で様々な物を摘み上げることができる。なお駆動片40は、対向する作用部37、47を開放する方向に反力を発生する。
力点部33、43については、一方体31と他方体41で形状が大きく異なり、一方体31側の力点部33は直線状に伸びており、その一端側がアーム本体38と一体化している。そのため一方体31は、アーム本体38と一体で移動する。対して他方体41の力点部43は、クランク状に屈曲しており、その支点部44付近を除いて一方体31から離れており、その空間に直動シリンダ49を配置してある。直動シリンダ49は、対向する力点部33、43を引き寄せる機能を有し、これにより、作用部37、47で物を摘み上げることができる。なお対向する作用部37、47を開放する際は、駆動片40で生じる反力を用いる。このように、ロボットアームに本発明を導入することで、直動シリンダ49などは、一方向(押し方向または引き方向)だけに動作可能であればよく、動力源が簡素化されるため、コストダウンや信頼性の向上を期待できる。
図4は、図3と同様、本発明による復元機構を組み込んだロボットアームの形状例を示しているが、ここでの一方体32および他方体42は、支点部34、44の先に力点部33、43と作用部37、47の両方を集約配置してある。本発明による復元機構は、先の図3のように、支点部34、44を挟んで作用部37、47と力点部33、43を対向配置する場合のほか、この図のように、支点部34、44の先に力点部33、43と作用部37、47を隣接配置する場合もある。さらにこの図では、双方の力点部33、43を跨ぐように直動シリンダ49を配置してある。直動シリンダ49は、対向する力点部33、43を引き寄せる機能を有し、これにより、作用部37、47で物を摘み上げることができる。なお対向する作用部37、47を開放する際は、駆動片40で生じる反力を用いる。そのほか一方体32については、その支点部34を図の左側に突出させ、アーム本体38に接続している。
図5は、本発明による復元機構を組み込んだ洗濯バサミの形状例を示している。この洗濯バサミは、一方体51と他方体71を揺動自在に一体化した構造で、一方体51と他方体71のいずれも、力点部53、73と作用部57、77との間に支点部54、55、74、75を設けてあるほか、作用部57、77の先端側については、洗濯物などを挟み込むための部位であり、挟み板69、89と称している。なお作用部57、77同士は途中で交差している。そのため、一方体51の作用部57は途中で左右両側に分かれており、対して他方体71の作用部77は、その間を通過できるよう、途中で横幅を狭めてある。
一方体51の支点部54、55は、力点部53と作用部57との境界から他方体71に向けて突出する壁状のもので、そのうち図の手前側の支点部54の先端付近には、外側に突出する円断面の凸部66を設けてあるほか、その裏側には結合溝67を設けてある。また図の奥側の支点部55の先端付近には、凸部66と同心に揃う丸穴65を設けてある。次に他方体71の支点部74、75は、力点部73と作用部77との境界から一方体51に向けて突出する壁状のもので、そのうち図の手前側の支点部75の先端付近には、一方体51の凸部66を嵌め込むため、丸穴86を設けてある。対して図の奥側の支点部74の先端付近には、一方体51の丸穴65に嵌まり込む凸部85を設けてあるほか、その裏側には結合溝87を設けてある。このように左右二箇所で凸部66、85が丸穴86、65に嵌まり込むことで、一方体51と他方体71は揺動自在に一体化する。
駆動片70は、対向する結合溝67、87を結ぶように配置され、一方体51と他方体71を付勢する。また結合溝67、87は、凸部66、85や丸穴65、86と同心で配置され、しかも駆動片70の端部が結合溝67、87に差し込まれることで、回転力の伝達が実現する。なおこの洗濯バサミでは、駆動片70が完全に覆い隠される訳ではないが、その周囲は支点部54、55、74、75などで覆い隠され、その存在を認識することは難しい。
一方体51の力点部53には、他方体71に向けて伸びる突出板61を設けてあり、その先端部から舌片62が伸びている。舌片62は、突出板61に対して直交しており、しかも一方体51と他方体71との揺動の軸線方向と平行している。また他方体71の力点部73には、一方体51に向けて伸びる突出板81を設けてあり、その先端付近には、所定の厚さを有するカムストッパ82を取り付けてある。そして舌片62の先端部は、カムストッパ82の周囲を回るように配置してあり、さらにカムストッパ82には、舌片62の先端部を拘束するため、V字状に切り込まれた保持溝83を設けてある。この保持溝83で舌片62が拘束された際は、これらを介し、一方体51と他方体71の双方の力点部53、73が接続され、一体化された状態になる。
図6は、図5の各要素を一体化した状態を示し、図の上方では対向する挟み板69、89が開いており、図の下方では閉じている。先の図5において、支点部54、74の凸部66、85を丸穴86、65に嵌め込むと、一方体51と他方体71が揺動自在に一体化するほか、ねじられた駆動片70で生じる反力により、対向する挟み板69、89は閉じた状態を維持する。そして挟み板69、89を開く際は、対向する力点部53、73を押し広げればよい。なおこの図では、舌片62とカムストッパ82が接触しておらず、この時点では何らの機能も発揮していない。
図7は、図6の洗濯バサミの舌片62とカムストッパ82の機能を示している。先の図6の下方に描いてあるように、対向する挟み板69、89が閉じている場合、舌片62とカムストッパ82は接触しておらず、この時点では何らの機能も発揮していない。しかしこの状態で対向する力点部53、73を指などで挟み込むと、力点部53、73が弾性変形し、やがて図7の上方に描くように、舌片62の先端部がカムストッパ82の保持溝83に嵌まり込み、対向する力点部53、73が接続され、その弾性変形が維持される。その結果、挟み板69、89同士が強く密着し、洗濯物などをより強固に挟み込むことができる。なお、舌片62が保持溝83に嵌まり込んだ際は、各部の配置により、舌片62全体が湾曲している。
その後、挟み板69、89同士を引き離したい場合、改めて力点部53、73同士を指などで挟み込み、舌片62を保持溝83から離脱させる。その際、舌片62の湾曲が解消されて直線状に復元し、保持溝83から遠ざかる。この状態で対向する力点部53、73の挟み込みを解除すると、舌片62は保持溝83に接触することなくカムストッパ82の近傍を通過し、やがて先の図6の下方のような状態に復元する。このように舌片62とカムストッパ82を設けることで、洗濯バサミに新たな機能を付加することができる。
これまでに普及している洗濯バサミの付勢には、金属線を加工したリングやコイルスプリングが用いられることが多い。そのため用途を終えて処分する際は、このようなリングやコイルスプリングを分離する必要があった。しかし本発明では、駆動片70の素材として合成樹脂を選択することも可能であり、処分の際、駆動片70を分離する作業も不要である。
図8は、本発明による復元機構を組み込んだ洗濯バサミについて、図5とは異なる形状例を示している。この図の洗濯バサミについても、先の図5と同様、一方体52と他方体72が揺動自在に一体化した構造で、この一方体52と他方体72のいずれも、力点部53、73と作用部57、77との間に支点部54、55、74、75を設けてあるほか、作用部57、77の先端側については、洗濯物などを挟み込むための部位であり、挟み板69、89と称している。ただしこの図では、対向する作用部57、77が交差しておらず、一般の洗濯バサミと同様の構造になっている。なお支点部54、55、74、75と駆動片70の構成については、図5と全く同じであり、ねじられた駆動片70で生じる反力により、挟み板69、89同士が密着した状態を維持する。
力点部53、73の端部付近は単純な帯状ではなく、相手方に向けて突出する操作部68、88を設けてある。この操作部68、88は、先端側が直角に屈曲したL字状で、その先端側同士を指で挟み込むことで、力点部53、73同士を遠ざける方向に弾性変形させることができる。なお図8の下方には、カムストッパ82とその周辺の拡大図を描いてある。このカムストッパ82は、先の図5とは異なり、保持溝83が上下二箇所に配置してあり、いずれの位置でも舌片62を嵌め込むことができる。
図9は、図8の洗濯バサミの力点部53、73同士を接近させ、挟み板69、89を開いた状態である。一方体52と他方体72は自在に揺動可能であり、対向する力点部53、73を指などで押して接近させると、挟み板69、89が開いた状態になる。その際、駆動片70は一段とねじられた状態になり、その反力で挟み板69、89を閉じることができる。この図のように、挟み板69、89を開いた状態では、舌片62は何らの機能も発揮することはない。なお図の下方には、支点部54、55が揺動する様子を描いてある。
図10は、図8の洗濯バサミの力点部53、73同士を引き離し、舌片62をカムストッパ82の保持溝83に嵌め込んだ状態を示している。この図では、洗濯物などを一段と強固に挟み込むため、駆動片70で生じる反力のほか、一方体52や他方体72の弾性変形による反力も用いている。そのため双方の操作部68、88の先端側を指で挟み込み、力点部53、73同士を意図的に遠ざけ、舌片62をカムストッパ82の保持溝83に嵌め込んでいる。その結果、対向する力点部53、73が舌片62などを介して一体化され、力点部53、73の弾性変形が維持され、挟み板69、89が強固に密着する。なお図の下方には、カムストッパ82とその周辺の拡大図を描いてある。このカムストッパ82には、上下二箇所に保持溝83を設けてあるが、ここでは下方の保持溝83に舌片62が嵌まり込んでいる。この状態では、舌片62とカムストッパ82との配置により、舌片62全体が湾曲している。
図11は、図10の後、力点部53、73同士を一段と引き離した状態を示している。先の図10において、双方の操作部68、88の先端側をより強力に挟み込むと、力点部53、73同士が一段と引き離され、舌片62は、上方の保持溝83に嵌まり込む。その結果、力点部53、73は、大きく弾性変形した状態を維持し、挟み板69、89はより強固に密着し、洗濯物などの離脱をほぼ完全に防ぐことができる。なおこの状態の後、挟み板69、89の密着を解除したい場合、双方の操作部68、88の先端側を瞬間的に接近させ、舌片62をカムストッパ82から離脱させる。これによって舌片62は、直線状に復元し、舌片62の先端部は、カムストッパ82の両側面のうち、保持溝83の反対側に移動するため、以降、舌片62とカムストッパ82が接触することはない。したがって、力点部53、73同士の移動が規制されることもなく、挟み板69、89を開くことができる。
11 一方体(ペンチ)
13 力点部(柄部)
14 支点部
15 結合溝
16 空洞
17 作用部(くわえ部)
20 駆動片
21 他方体(ペンチ)
23 力点部(柄部)
24 支点部
25 結合溝
26 空洞
27 作用部(くわえ部)
31 一方体(ロボットアーム)
32 一方体(ロボットアーム)
33 力点部
34 支点部
37 作用部
38 アーム本体
40 駆動片
41 他方体(ロボットアーム)
42 他方体(ロボットアーム)
43 力点部
44 支点部
45 結合溝
47 作用部
49 直動シリンダ
51 一方体(洗濯バサミ)
52 一方体(洗濯バサミ)
53 力点部
54 支点部(結合溝と凸部のある方)
55 支点部(丸穴のある方)
57 作用部
61 突出板
62 舌片
65 丸穴
66 凸部
67 結合溝
68 操作部
69 挟み板
70 駆動片
71 他方体(洗濯バサミ)
72 他方体(洗濯バサミ)
73 力点部
74 支点部(結合溝と凸部のある方)
75 支点部(丸穴のある方)
77 作用部
81 突出板
82 カムストッパ
83 保持溝
85 凸部
86 丸穴
87 結合溝
88 操作部
89 挟み板
13 力点部(柄部)
14 支点部
15 結合溝
16 空洞
17 作用部(くわえ部)
20 駆動片
21 他方体(ペンチ)
23 力点部(柄部)
24 支点部
25 結合溝
26 空洞
27 作用部(くわえ部)
31 一方体(ロボットアーム)
32 一方体(ロボットアーム)
33 力点部
34 支点部
37 作用部
38 アーム本体
40 駆動片
41 他方体(ロボットアーム)
42 他方体(ロボットアーム)
43 力点部
44 支点部
45 結合溝
47 作用部
49 直動シリンダ
51 一方体(洗濯バサミ)
52 一方体(洗濯バサミ)
53 力点部
54 支点部(結合溝と凸部のある方)
55 支点部(丸穴のある方)
57 作用部
61 突出板
62 舌片
65 丸穴
66 凸部
67 結合溝
68 操作部
69 挟み板
70 駆動片
71 他方体(洗濯バサミ)
72 他方体(洗濯バサミ)
73 力点部
74 支点部(結合溝と凸部のある方)
75 支点部(丸穴のある方)
77 作用部
81 突出板
82 カムストッパ
83 保持溝
85 凸部
86 丸穴
87 結合溝
88 操作部
89 挟み板
Claims (2)
- 一方体と他方体を揺動自在に一体化した構造であり、
前記一方体および前記他方体は、いずれも支点部と作用部とを有し、
前記一方体および前記他方体は、その前記支点部同士が重なるように配置してあり、該支点部を中心として該一方体および該他方体は個別に揺動可能であり、
前記作用部は、前記支点部に隣接して配置してあり、
前記一方体と前記他方体との揺動の中心部には、揺動の軸線方向に沿って伸びる帯状の駆動片を組み込んであり、該駆動片の一端側は該一方体に取り付けてあり、該駆動片の他端側は該他方体に取り付けてあり、該駆動片のネジリによる反力で該一方体と該他方体が所定の配置となるように付勢されていることを特徴とする復元機構。 - 前記一方体および前記他方体には、前記支点部を基準として前記作用部の反対側に力点部を有しており、
前記一方体の前記力点部には棒状に突出する舌片を設け、前記他方体の前記力点部には該舌片と接触可能なカムストッパを設け、該カムストッパには該舌片の先端部を係止可能な保持溝を形成してあり、前記作用部同士を密着させる方向に該力点部同士を変形させることで該舌片が該保持溝に嵌まり込み、該力点部同士が一体化されることでこの変形を維持できることを特徴とする請求項1記載の復元機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019189806A JP2021062461A (ja) | 2019-10-16 | 2019-10-16 | 復元機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019189806A JP2021062461A (ja) | 2019-10-16 | 2019-10-16 | 復元機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021062461A true JP2021062461A (ja) | 2021-04-22 |
Family
ID=75487078
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019189806A Pending JP2021062461A (ja) | 2019-10-16 | 2019-10-16 | 復元機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021062461A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5988028A (ja) * | 1982-11-09 | 1984-05-21 | 早川 定夫 | 摘果用ハサミ |
JPH055076U (ja) * | 1991-07-09 | 1993-01-26 | 関東日邦ミシン株式会社 | 鋏 |
JP2006051257A (ja) * | 2004-08-16 | 2006-02-23 | Kaneshige Baba | 布団挟み |
-
2019
- 2019-10-16 JP JP2019189806A patent/JP2021062461A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5988028A (ja) * | 1982-11-09 | 1984-05-21 | 早川 定夫 | 摘果用ハサミ |
JPH055076U (ja) * | 1991-07-09 | 1993-01-26 | 関東日邦ミシン株式会社 | 鋏 |
JP2006051257A (ja) * | 2004-08-16 | 2006-02-23 | Kaneshige Baba | 布団挟み |
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