JP2004042214A - 動作表出装置、手指機構及びロボットハンド - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数を削減して動作制御を容易にし外力による破損を防止し、高い安全性を付与する。
【解決手段】第1のワイヤ11と、第2のワイヤ12と、第1の球状部材13と、第2の球状部材14と、先端部材15と、連結部材16と、終端部材17とを備え、先端部材15と終端部材17との間に球状部材と連結部材とをこの順番に交互に配置し、各部材を第1のワイヤ11及び第2のワイヤ12で連結する。このとき、第1の球状部材13が第1関節をなし、第2の球状部材14が第2関節をなす。これにより、手指機構の内側(手のひら側)に導通された第1のワイヤ11と手指機構の外側(手の甲側)に導通された第2のワイヤ12との送り出し及び引き戻しにより「指を曲げる」及び「指を伸ばす」の動作が可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】第1のワイヤ11と、第2のワイヤ12と、第1の球状部材13と、第2の球状部材14と、先端部材15と、連結部材16と、終端部材17とを備え、先端部材15と終端部材17との間に球状部材と連結部材とをこの順番に交互に配置し、各部材を第1のワイヤ11及び第2のワイヤ12で連結する。このとき、第1の球状部材13が第1関節をなし、第2の球状部材14が第2関節をなす。これにより、手指機構の内側(手のひら側)に導通された第1のワイヤ11と手指機構の外側(手の甲側)に導通された第2のワイヤ12との送り出し及び引き戻しにより「指を曲げる」及び「指を伸ばす」の動作が可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動作表出装置、手指機構及びロボットハンドに関し、特に、部品点数を削減して動作制御を容易にした動作表出装置、手指機構及びロボットハンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近では、人間のパートナーとして生活を支援する、すなわち住環境その他の日常生活上の様々な場面における人的活動を支援する実用ロボットの開発が進められている。このような実用ロボットは、産業用ロボットとは異なり、人間の生活環境の様々な局面において、個々に個性の相違した人間、又は様々な環境への適応方法を自ら学習する能力を備えている。例えば、犬、猫のように4足歩行の動物の身体メカニズムやその動作を模した「ペット型」ロボット、或いは、2足直立歩行を行う動物の身体メカニズムや動作をモデルにしてデザインされた「人間型」又は「人間形」ロボット(Humanoid Robot)等の脚式移動ロボットは、既に実用化されつつある。
【0003】
これらの脚式移動ロボットは、産業用ロボットと比較してエンターテインメント性を重視した様々な動作を行うことができるため、エンターテインメントロボットと呼称される場合もある。これらロボット装置は、人間の生活環境の様々な局面において活躍することが期待されているため、より精巧な動作や高い安全性が求められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、動物を模したロボットの尻尾等の構造や人間の手を模したロボットハンドの構造に関する報告は数多くあるが、より動物及び人間的な動作を実現しようとすれば、構造を複雑化してしまう。そうなると、全体のサイズが大型化し、動作には複雑な制御理論を適用する必要があった。
【0005】
しかし、家庭用エンターテインメントロボットは、小型軽量、低コストが必須条件であり、さらには人間の傍らで動作する性質上、外力によって破損しない強度を持ちつつも周囲の人間を傷つけない程度の剛性及び発生トルク(力量)等といった人間に対する高い安全性が要求される。
【0006】
そこで本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、部品点数を削減して動作制御を容易にし、外力による破損を防止し、高い安全性を有する動作表出装置、手指機構及びロボットハンドを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明に係る動作表出装置は、第1のワイヤと、第2のワイヤと、n個の球状部材と、先端部材と、n−1個の連結部材と、終端部材と、駆動手段とを備え、先端部材と終端部材との間に球状部材と連結部材とがこの順番に交互に配置され、各部材が第1のワイヤ及び第2のワイヤで連結され、終端部材から導出される第1のワイヤのワイヤ端部及び第2のワイヤのワイヤ端部が駆動手段に連結され、駆動手段は、第1のワイヤ及び第2のワイヤの一方を送り出すとともに他方を引っ張ることを特徴とする。
【0008】
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る手指機構は、第1のワイヤと、第2のワイヤと、第1の球状部材と、第2の球状部材と、先端部材と、連結部材と、終端部材と、駆動手段とを備え、先端部材と終端部材との間に球状部材と連結部材とがこの順番に交互に配置され、各部材が第1のワイヤ及び第2のワイヤで連結され、終端部材から導出される第1のワイヤのワイヤ端部及び第2のワイヤのワイヤ端部が駆動手段に連結され、該駆動手段は、第1のワイヤ及び第2のワイヤの一方を送り出すとともに他方を引っ張ることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係るロボットハンドは、上述した手指機構を複数有し、駆動手段によって、終端部材から導出される第1のワイヤのワイヤ端部及び第2のワイヤのワイヤ端部が連結され、一方を送り出すとともに他方を引っ張ることを特徴とする。
【0010】
上述の動作表出装置、手指機構、ロボットハンドでは、先端部材の先端部に第1のワイヤ及び第2のワイヤを固定するワイヤ固定部を有する緩衝手段を設け、第1のワイヤ及び第2のワイヤを緩衝手段に固定することが好ましい。
【0011】
また、第1のワイヤ及び第2のワイヤは、回転中心からの長さが異なるアームを介して駆動手段に連結することが好ましく、この場合は、アーム長によって第1のワイヤ及び第2のワイヤの送り出しの長さ及び引っ張りの長さを調整すればよい。
【0012】
さらに、第1のワイヤ及び第2のワイヤは、径の異なるプーリを介して駆動手段に連結することもできる。この場合、径長を異ならせることによって巻き取られるワイヤ長が変えられるため、第1のワイヤ及び第2のワイヤの送り出しの長さ及び引っ張りの長さが調整できる。
【0013】
さらに具体的な各部材の構成として、球状部材の各々には、第1のワイヤが案内される第1のガイド溝及び第2のワイヤが案内される第2のガイド溝を設ける。
【0014】
先端部材には、第1のワイヤが固定される第1のワイヤ固定部と、第2のワイヤが固定される第2のワイヤ固定部と、この先端部材の中心軸に垂直に形成された端面を外縁とする凹部であって球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された先端部材凹部と、この端面を中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる先端部材傾斜面とを設け、さらに内部に第1のワイヤを導通する第1の先端部ワイヤ孔及び第2のワイヤを導通する第2の先端部ワイヤ孔とを設ける。
【0015】
連結部材の各々には、一方の端部に、この連結部材の中心軸に垂直に形成された第1の端面を外縁とする凹部であって球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された第1の連結部材凹部と、第1の端面をこの連結部材の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる第1の連結部材傾斜面とを設け、他方の端部に、この連結部材の中心軸に垂直に形成された第2の端面を外縁とする凹部であって球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された第2の連結部材凹部と、この連結部材本体に対して第1の連結部材傾斜面と同一側にあって第2の端面をこの連結部材の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる第2の連結部材傾斜面とを設け、さらに内部に第1のワイヤを導通する第1の連結部ワイヤ孔及び第2のワイヤを導通する第2の連結部ワイヤ孔を設ける。
【0016】
終端部材には、この終端部材の中心軸に垂直に形成された端面を外縁とする凹部であって球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された終端部材凹部と、端面をこの終端部材の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる終端部材傾斜面とを設け、さらに内部に第1のワイヤを導通する第1の終端部ワイヤ孔及び第2ワイヤを導通する第2の終端部ワイヤ孔とを設ける。
【0017】
そして、これら各部材を、先端部材の先端部材凹部を第1の球状部材に摺接させ、連結部材の第1の連結部材凹部を第1の球状部材に摺接させて第1の球状部材を先端部材凹部と第1の連結部材凹部とで摺動自在に挟持し、連結部材の第2の連結部材凹部を第2の球状部材に摺接させ、終端部材の終端部材凹部を第2の球状部材に摺接させて第2の球状部材を第2の連結部材凹部と終端部材凹部とで摺動自在に挟持することを繰り返して球状部材と連結部材とを交互に連結する。
【0018】
このとき第1のワイヤを先端部材の第1のワイヤ固定部から第1の先端部ワイヤ孔内を導通して延長し、第1の球状部材の第1のガイド溝に案内する。また、第2のワイヤを第2のワイヤ固定部から第2の先端部ワイヤ孔内を導通して延長し、第2の球状部材の第2のガイド溝に案内する。さらに第1のワイヤを第1の連結部ワイヤ孔に導通して第2の球状部材の第1のガイド溝に案内し、第2のワイヤを第2の連結部ワイヤ孔に導通して第2の球状部材の第2のガイド溝に案内して、各球状部材と連結部材とを先端部材と連結部材と終端部材の各中心軸と、先端部材傾斜面と第1及び第2の連結部材傾斜面と終端部材傾斜面との位置が一致するように各部材を連結する。
【0019】
駆動手段が各部材の中心軸に平行に第1のワイヤ又は第2のワイヤの何れかを引っ張ると同時に他方のワイヤを送り出すとき、各部材が中心軸に沿って鉛直に連結された状態から先端部材傾斜面と連結部材傾斜面、及び/又は連結部材傾斜面と終端部材傾斜面とが互いに当接するまでの領域を可動領域として、引っ張られるワイヤ側に曲折する。
【0020】
ここで、手指機構以外の一般的な動作表出装置として用いる場合には、先端部材に、先端部材傾斜面が設けられた位置の反対位置に第2の先端部材傾斜面を設け、連結部材に、第1の連結部材傾斜面及び第2の連結部材傾斜面が設けられた位置の反対位置に第3の連結部材傾斜面及び第4の連結部材傾斜面を設けてもよい。
【0021】
また、先端部材傾斜面、第1の連結部材傾斜面、第2の連結部材傾斜面及び終端部材傾斜面の端面に対する角度を変更することもできる。このとき、先端部材の連結部材に対する可動範囲、及び/又は連結部材の終端部材に対する可動範囲が調整できる。
【0022】
ロボットハンドの場合、手指機構毎に駆動手段が設けられていてもよい。1つの駆動手段によって駆動する場合には、複数の手指機構のうち、第1の手指機構と第2の手指機構の該第1の手指機構の第2のワイヤと該第2の手指機構の第1のワイヤとを連結し、第2の手指機構の第2のワイヤと第3の手指機構の第1のワイヤとを連結するというように、隣り合って設けられた各手指機構の第1のワイヤと第2のワイヤとが全体として環状になるように連結し、この環状ワイヤの一部を送り出す又は引き戻すようにすることが好ましい。
【0023】
また、ここで、第1のワイヤ及び第2のワイヤは、先端部材の固定位置で折り返され、駆動手段に第1のワイヤの両端部と第2のワイヤの両端部とが連結されるようにもできる。この場合、球状部材に、第1のガイド溝と平行な第3のガイド溝と第2のガイド溝と平行な第4のガイド溝とを設け、先端部材の第1のワイヤ固定部及び第2のワイヤ固定部を並列した2つのワイヤ孔とする。また、先端部材には、第1の先端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第3の先端部ワイヤ孔と第2の先端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第4の先端部ワイヤ孔とを設け、連結部材には、第1の連結部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第3の連結部ワイヤ孔と第2の連結部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第4の連結部ワイヤ孔とを設け、終端部材には、第1の終端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第3の終端部ワイヤ孔と第2の終端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第4の終端部ワイヤ孔とを設ける。
【0024】
またこのとき、第1のワイヤは、第1の終端部ワイヤ孔に導通し、第n番目の球状部材の第1のガイド溝に案内し第n−1番目の連結部材の第1の連結部ワイヤ孔に導通し、球状部材の第1のガイド溝と連結部材の第1の連結部ワイヤ孔に交互に順次案内した後、第1の先端部ワイヤ孔に導通して第1の固定部の一方のワイヤ孔から導出して折り返す。そして、他方のワイヤ孔から挿入し、第3の先端部ワイヤ孔に導通して第2の球状部材の第3のガイド溝に案内し、第1の連結部材の第3の連結部ワイヤ孔に導通し、球状部材の第3のガイド溝と連結部材の第3の連結部ワイヤ孔に交互に順次案内した後、第3の終端部ワイヤ孔から導出する。
【0025】
また、第2のワイヤを、第2の終端部ワイヤ孔に導通し、第n番目の球状部材の第2のガイド溝に案内して第n−1番目の連結部材の第2の連結部ワイヤ孔に導通し、球状部材の第2のガイド溝と連結部材の第2の連結部ワイヤ孔に交互に順次案内した後、第2の先端部ワイヤ孔に導通して第2の固定部の一方のワイヤ孔から導出して折り返す。そして、他方のワイヤ孔から挿入し、第4の先端部ワイヤ孔に導通して第2の球状部材の第4のガイド溝に案内し、第1番目の連結部材の第4の連結部ワイヤ孔に導通し、球状部材の第4のガイド溝と連結部材の第4の連結部ワイヤ孔に交互に順次案内した後、第4の終端部ワイヤ孔から導出する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
本発明の具体例として示す動作表出装置は、複数の屈曲可動部を少ない部品点数により構成し、さらにその制御方法も簡素化したものであり、本明細書では動作表出装置の中でも、特に、人間の生活環境の様々な局面において、個々に個性の相違した人間又は様々な環境への適応方法を自ら学習する能力を備え、エンターテインメント性を重視した様々な動作を行うことができるヒューマノイドロボットのロボットハンドに適用した場合について図面を参照にして詳細に説明する。
【0028】
図1(a)乃至図1(b)に、本具体例として示すロボットハンド1の「指」である手指機構本体部分の基本的な構造を示す。手指機構10は、第1のワイヤ11と、第2のワイヤ12と、第1の球状部材13と、第2の球状部材14と、先端部材15と、連結部材16と、終端部材17とを備えており、先端部材15と終端部材17との間に球状部材と連結部材とがこの順番に交互に配置され、各部材が第1のワイヤ11及び第2のワイヤ12で連結されている。先端部材15のさらに先端部分には、ワイヤ固定部を保護するとともに「指先」を構成する保護カバー18が取り付けられている。
【0029】
したがって、手指機構10は、第1の球状部材13が第1関節をなし、第2の球状部材14が第2関節をなしている。これにより、手指機構の内側(手のひら側)に導通された第1のワイヤ11と手指機構の外側(手の甲側)に導通された第2のワイヤ12との送り出し及び引き戻しにより「指を曲げる」及び「指を伸ばす」の動作が可能である。
【0030】
本具体例のロボットハンド1は、上述のような手指機構を複数有して構成され、各手指機構の終端部材から導出される第1のワイヤ11及び第2のワイヤ12のワイヤ端部が、後述する駆動部に連結されている。上述の手指機構をロボットハンドに適用した場合、手を「握る」及び「開く」の動作が可能となる。なお、図1(a)乃至図1(c)では、説明の便宜上、各部材の連結関係が分かり易いように各部材を指先方向に離間して示している。
【0031】
続いて、個々の部材に関して具体的に説明する。
【0032】
第1の球状部材11、第2の球状部材12には、第1のワイヤ11及び第2のワイヤ12が案内されるガイド溝が設けられている。本具体例では、特に、ワイヤが先端部で折り返して固定することで、結果として手指機構の内側(手のひら側)と手指機構の外側(手の甲側)とでそれぞれ2本ずつのワイヤにより連結されている。この手指機構の内側(手のひら側)と手指機構の外側(手の甲側)の計4本のワイヤにより、「指を曲げる」及び「指を伸ばす」の動作が可能となっている。
【0033】
具体的には第1の球状部材13は、図1(a)、(b)に示すように第1のガイド溝131と平行な第3のガイド溝131aと第2のガイド溝132と平行な第4のガイド溝132aとを有している。また、先端部材の第1のワイヤ固定部151及び第2のワイヤ固定部152は、並列した2つのワイヤ孔として形成されている。
【0034】
また、図示しないが、先端部材15には、手のひら側にこの先端部材15の内部を貫通して設けられた第1の先端部ワイヤ孔が設けられ、さらにこの第1の先端部ワイヤ孔に平行に第3の先端部ワイヤ孔が設けられている。手の甲側に相当する位置にも同様に第2の先端部ワイヤ孔と第4の先端部ワイヤ孔とが並列して設けられている。 連結部材16にもまた、手のひら側に第1の連結部ワイヤ孔と第3の連結部ワイヤ孔とが並列して設けられ、手の甲側に第2の連結部ワイヤ孔と第4の連結部ワイヤ孔とが並列して設けられている。終端部材17も同様に、手のひら側の内部に第1の終端部ワイヤ孔と第3の終端部ワイヤ孔とが並列して設けられ、手の甲側の内部に第2の終端部ワイヤ孔と第4の終端部ワイヤ孔とが並列して設けられている。
【0035】
このように各ワイヤを2重にすることによって、後述の図6に示すように、過負荷によって強引に動かされた場合であっても、もとの状態に復旧する際に部材の脱落等がなく、スムースな復旧が期待できる。
【0036】
先端部材15は、第1のワイヤ11が固定される第1のワイヤ固定部151と、第2のワイヤ12が固定される第2のワイヤ固定部152とを有している。また、先端部材15は、この先端部材15の中心軸に垂直な端面153を外縁とする凹部であって第1の球状部材13の表面曲率と略同率に湾曲された先端部材凹部154と、端面153を中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる先端部材傾斜面155とを有している。先端部材15の内部には、図1には図示しないが、上述した第1のワイヤ11を導通する第1の先端部ワイヤ孔と第3の先端部ワイヤ孔、第2の先端部ワイヤ孔と第4の先端部ワイヤ孔とが設けられている。
【0037】
連結部材16は、一方の端部に、この連結部材16の中心軸に垂直に形成された第1の端面161を外縁とする凹部であって第1の球状部材13の表面曲率と略同率に湾曲された第1の連結部材凹部162と、第1の端面161をこの連結部材16の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる第1の連結部材傾斜面163とを有している。また、他方の端部に、この連結部材16の中心軸に垂直に形成された第2の端面164を外縁とする凹部であって第2の球状部材14の表面曲率と略同率に湾曲された第2の連結部材凹部165と、この連結部材本体に対して第1の連結部材傾斜面163と同一側(手のひら側)にあって第2の端面164をこの連結部材16の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる第2の連結部材傾斜面166とが設けられている。さらに図1には図示しないが、上述のように、内部に第1の連結部ワイヤ孔と第3の連結部ワイヤ孔、第2の連結部ワイヤ孔と第4の連結部ワイヤ孔167とが設けられている。
【0038】
終端部材17は、この終端部材17の中心軸に垂直に形成された端面171を外縁とする凹部であって球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された終端部材凹部172が設けられている。また、端面をこの終端部材17の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる終端部材傾斜面173とが設けられている。また、上述したように図1には図示しないが、内部に第1の終端部ワイヤ孔と第3の終端部ワイヤ孔、第2の終端部ワイヤ孔と第4の終端部ワイヤ孔とが設けられている。
【0039】
そして、これら各部材を以下のように組み付ける。
【0040】
先端部材15の先端部材凹部154を第1の球状部材表面に摺接させ、連結部材16の第1の連結部材凹部162を第1の球状部材表面に摺接させて第1の球状部材13を先端部材凹部154と第1の連結部材凹部162とで摺動自在に挟持し、連結部材16の第2の連結部材凹部165を第2の球状部材14に接触させ、終端部材17の終端部材凹部172を第2の球状部材14に接触させて第2の球状部材14を第2の連結部材凹部165と終端部材凹部172とで摺動自在に挟持することを繰り返して球状部材と連結部材16とを交互に連結する。
【0041】
このとき第1のワイヤ11は、第1の終端部ワイヤ孔から挿入され、第2の球状部材14の第1のガイド溝141内を通って第1の連結部ワイヤ孔に導かれ、第1の球状部材13の第1のガイド溝131に沿って延長された後、第1の先端部ワイヤ孔を通って第1のワイヤ固定部151の一方のワイヤ孔から導出される。第1のワイヤ11は、ここで折り返され、他方のワイヤ孔から挿入され、第3の先端部ワイヤ孔を通って第1の球状部材13の第3のガイド溝131aに沿って延長され、第3の連結部ワイヤ孔を通って第2の球状部材14の第3のガイド溝141aに案内され、第3の終端部ワイヤ孔から導出される。
【0042】
また、第2のワイヤ12は、第2の終端部ワイヤ孔から挿入され、第2の球状部材14の第2のガイド溝142内を通って第2の連結部ワイヤ孔に導かれ、第1の球状部材13の第2のガイド溝132に沿って延長された後、第2の先端部ワイヤ孔を通って第2のワイヤ固定部152の一方のワイヤ孔から導出される。第2のワイヤ12は、ここで折り返され、他方のワイヤ孔から挿入され、第4の先端部ワイヤ孔を通って第1の球状部材13の第4のガイド溝132aに沿って延長され、第4の連結部ワイヤ孔を通って第2の球状部材14の第4のガイド溝142aに案内され、第4の終端部ワイヤ孔から導出される。
【0043】
このようにワイヤによって各部材を連結する際には、各球状部材、連結部材16、先端部材15及び終端部材17の各中心軸と、先端部材傾斜面155と第1の連結部材傾斜面163、及び第2の連結部材傾斜面166と終端部材傾斜面173との位置が一致するようにする。
【0044】
図2及び図3に手指機構10がワイヤの動きに応じて「曲げ伸ばし動作」する様子が示されている。図2には手指機構10の外観が、図3(a)乃至図3(b)には手指機構10の断面が示されている。手のひら側内部に導通している第1のワイヤ11が引かれるとともに手の甲側内部に導通している第2のワイヤ12が送り出されると、手指機構10は手のひら側に折り曲げられる。
【0045】
第1のワイヤ11が引かれるとき、第1の先端部材傾斜面155と第1の連結部材傾斜面163とが当接するまでの範囲、及び第2の連結部材傾斜面165と終端部材傾斜面173とが当接するまでの範囲が、指を折り曲げる際の可動領域となる。一方、この手指機構10が折り曲げ位置にある状態から第2のワイヤ12が引かれると伸ばされ、先端部材の端面と連結部材の第1の端面とが当接する位置及び連結部材の第2の端面と終端部材の端面とが当接する位置で動きが規制される。したがって、各傾斜面の端面に対する切欠角度を変更することによって、関節の可動範囲を調整することができる。
【0046】
また、手指機構といった限定的な使用ではなく一般的な屈曲動作を表現するための動作表出装置として用いる場合、第1の先端部材傾斜面、第1の連結部材傾斜面、第2の連結部材傾斜面、終端部材傾斜面の反対側に図1(c)に破線で示すような切欠面(傾斜面)を設けると、第2のワイヤを引くときの可動領域を拡げることができる。
【0047】
以上説明した手指機構10では、先端部材15の先端部、保護カバー18内部に緩衝機構19を設けるとよい。第1のワイヤ11及び第2のワイヤ2は、この緩衝機構19の一部に固定する。
【0048】
緩衝機構19の一例を図4(a)乃至図4(c)、図5(a)及び図5(b)に示す。図4(a)は、緩衝機構を備える手指機構を一部可視的に示した図、図4(b)は、手指機構の正面図、図4(c)は、手指機構の側面図である。また、図5(a)及び図5(b)に、緩衝機構の緩衝動作を示す。
【0049】
緩衝機構19は、第1のフランジ191と第2のフランジ192と芯材193とコイルばね194とを有し、第2のフランジ192において先端部材15と接合されているものがあげられる。第2のフランジ192と一体化された芯材193にコイルばね194を装着し第1のフランジ191をコイルばね194に固定する。第1のワイヤ11及び第2のワイヤ12を第1のフランジ191に連結する。
【0050】
例えば、ロボットハンド1が物体を握るときを考えると、図5(a)及び図5(b)に示すように、第1のワイヤ11が引かれれば、指は曲がるが物体に接触した時点で動かなくなる。本具体例では緩衝機構19を備えることにより、この状態からさらにワイヤを引くことができる。ワイヤが引かれると、第1のフランジ191が第2のフランジ192方向に引っ張られて指の屈曲角度はそのままで、ばねが圧縮され、ばね張力が発生する。これがロボットハンド1の握力となる。
【0051】
また、図6に示すように、該手指機構10が所定量伸びた状態或いは曲がった状態で外部から過負荷がかかり、強引に動かされた場合であっても、緩衝機構19によってばねの圧縮分の余裕ができるため、関節が適度に曲がる。また、極端な負荷によって部材間が引き延ばされ、一時的に「脱臼」するような事態になっても、コイルばね194の張力により極めて簡単に以前の位置まで復旧でき、破損防止になる。
【0052】
なお、ここで説明した緩衝機構の構造は、特に上述の構成に限定されない。緩衝機構を備えるほかワイヤ自体に弾性材料を用いることでも同様の利点が得られる。
【0053】
この手指機構10は、駆動モータ20を備えている。第1のワイヤ11及び第2のワイヤ12は、駆動モータ20に繋がれて、駆動モータ20の回動運動により巻き取られ、又は送り出される。そのため、この手指機構10のより正確な「曲げ伸ばし動作」のためには、ワイヤの巻き取り量と送り出し量とを等しくすることが重要である。ところが、図7に示すように、手のひら側に配置される第1のワイヤ11と手の甲側に配置される第2のワイヤ12とでは、巻き取られる(送り出される)長さが異なってしまう。すなわち、図中に示すB,B′は、B>B′である。
【0054】
そこで、球状部材に形成されるガイド溝の深さを変えて、手のひら側と手の甲側とで引っ張られるワイヤ長を略同一にする。具体的には、図8に示すように、先端部材15の中心軸と第1の先端部ワイヤ孔及び第3の先端部ワイヤ孔との距離Aと、中心軸と第2の先端部ワイヤ孔及び第4の先端部ワイヤ孔との距離A′とを調節することにより、引っ張られるワイヤ長BとB′とを等しくしている。
【0055】
駆動モータ20において、同一の回転量でワイヤ長を調整する方法としては、駆動モータ20の出力部に回動中心からの長さが異なったアームを設ける方法がある。図9(a)乃至図9(b)に示す例は、駆動モータ20に短アーム201と長アーム202とを備える場合である。手のひら側に配置される第1のワイヤ11の方が引き出し量が多いため、第1のワイヤ11を長アーム202に繋ぎ、引き出し量が少ない第2のワイヤ12を短アーム201に繋ぐ。これにより駆動モータ20を同一回転量にして「曲げ伸ばし動作」が行える。
【0056】
またこの他にも、駆動モータ20の出力部回動中心に径の異なるプーリを設ける方法がある。図10(a)乃至図10(b)に示す例は、駆動モータ20に大径プーリ203と小径プーリ204とを備える場合である。手のひら側に配置される第1のワイヤ11の方が引き出し量が多いため、第1のワイヤ11を大径プーリ203に巻き、引き出し量が少ない第2のワイヤ12を小径プーリ204に巻く。これにより駆動モータ20を同一回転量にして「曲げ伸ばし動作」が行える。
【0057】
特に、出力部がプーリの場合、図11に示すように手指機構10がプーリの回転中心軸205を中心としてどの位置に配置してもワイヤの長さは変わらないため、駆動モータ20対して手指機構10の配置位置を変えても手指機構10の動作に支障がないという利点がある。
【0058】
図12には、プーリを備えた手指機構10を並列に用いて構成されたロボットハンドが示されている。この場合、上述したように駆動モータ20対して手指機構10の配置位置を変えても手指機構10の動作に支障がないため、並設する際の微妙な手指の角度(指の開き具合)の微調整が可能になる。また、親指に相当する位置にも同一の手指機構が適用できるため、パーツの統一化が図れ製造する上でのコスト削減にも繋がる。手指機構毎に駆動モータを用いることによって、各指を独立して動かすことができる。
【0059】
また、手指機構10を用いてロボットハンド1を構成する際には、図13に示すように、ロボットハンド1を構成する全ての手指機構の第1のワイヤ及び第2のワイヤを環状に接続することもできる。
【0060】
具体的には、各指の間にプーリ21a〜21eを設置してワイヤを折り返す。また、各指先にもプーリ22a〜22eを設置する。ここでは、指先部に上述した緩衝機構が設けられていてもよい。手のひら部分に設けられるプーリ21fを駆動部により可動にすることによって、1つの駆動部により指全体が曲げ伸ばしできる。この構成とした場合、各指を独立して動かすことは困難であるが、負荷の軽い指から順に動作するため、特に、異径物体を把持するような場合には、屈曲量や把持力等を調整しなくとも、ロボットハンドが被把持物体の形状に合わせて自ずと変形し適度な力量で把持できるという利点がある。
【0061】
ここでは、上述の例のようにプーリ21fの位置を駆動モータとし、ここで出力部のプーリによりワイヤを巻き取る方式にすることもできる。
【0062】
なお、図13には、図面の明瞭化のため、第1のワイヤに相当する手のひら側への「曲げ動作」のためのワイヤのみ示しているが、実際は、第2のワイヤに相当する手の甲側への「伸ばし動作」のためのワイヤも備えている。
【0063】
したがって、以上説明したように、本発明の手指機構によれば、手指を構成する各部材をワイヤによって、いわゆる「数珠繋ぎ」にすることにより、可動部、特に関節部毎にギア機構や駆動部を設けることなく屈曲屈折動作を可能とし、少ない部品点数で簡単にロボットハンドの関節機構を構成することができる。また、この制御も簡素化できる。
【0064】
また、手指先端のワイヤ固定部にばね張力を与えることより、このばね張力に応じた握力を付与できるとともに、外部からの過負荷に対して一定の許容範囲を設けることができる。また、外力による破損防止、ユーザに対しての安全対策ができる。
【0065】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0066】
例えば、先端部材15と第1の球状部材13とを、また連結部材16と第2の球状部材14とをそれぞれ一体化してもよい。或いは第1の球状部材13と連結部材16とを、また第2の球状部材14と終端部材17とをそれぞれ一体化してもよい。このとき、図6に示すような「ねじれ状態」が生じても、第1の球状部材13と第2の球状部材14が脱落する心配がなくなる。
【0067】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る動作表出装置は、第1のワイヤと、第2のワイヤと、n個の球状部材と、先端部材と、n−1個の連結部材と、終端部材と、駆動手段とを備え、先端部材と終端部材との間に球状部材と連結部材とがこの順番に交互に配置され、各部材が第1のワイヤ及び第2のワイヤで連結され、終端部材から導出される第1のワイヤのワイヤ端部及び第2のワイヤのワイヤ端部が駆動手段に連結され、駆動手段が第1のワイヤ及び第2のワイヤの一方を送り出すとともに他方を引っ張るという構成にすることにより、可動部毎に複雑なギア機構を用いることなく屈曲屈折動作を可能とし、部品点数を削減して動作制御を容易にするとともに製造コストを削減し、外力による破損を防止できる。また、ユーザに対して高い安全性を付与できる。
【0068】
また、以上説明したように、本発明に係る手指機構は、第1のワイヤと、第2のワイヤと、第1の球状部材と、第2の球状部材と、先端部材と、連結部材と、終端部材と、駆動手段とを備え、先端部材と終端部材との間に球状部材と連結部材とがこの順番に交互に配置され、各部材が第1のワイヤ及び第2のワイヤで連結され、終端部材から導出される第1のワイヤのワイヤ端部及び第2のワイヤのワイヤ端部が駆動手段に連結され、該駆動手段が第1のワイヤ及び第2のワイヤの一方を送り出すとともに他方を引っ張る構成にすることにより、関節部毎に複雑なギア機構を用いることなくスムースな屈曲屈折動作を可能とし、部品点数を削減して動作制御を容易にするとともに製造コストを削減し、外力による破損を防止できる。また、ユーザに対して高い安全性を付与できる。
【0069】
また、本発明に係るロボットハンドは、第1のワイヤと、第2のワイヤと、第1の球状部材と、第2の球状部材と、先端部材と、連結部材と、終端部材とを備え、先端部材と終端部材との間に球状部材と連結部材とがこの順番に交互に配置され、各部材が第1のワイヤ及び第2のワイヤで連結された手指機構を複数有し、終端部材から導出される第1のワイヤのワイヤ端部及び第2のワイヤのワイヤ端部が連結され、一方を送り出すとともに他方を引っ張る駆動手段を備えることにより、関節部毎に複雑なギア機構を用いることなくスムースな屈曲屈折動作を可能とし、部品点数を削減して動作制御を容易にするとともに製造コストを削減し、外力による破損を防止できる。また、ユーザに対して高い安全性を付与できる。
【0070】
以上説明した本発明では、先端部材の先端部に第1のワイヤ及び第2のワイヤを固定するワイヤ固定部を有する緩衝手段を設け、第1のワイヤ及び第2のワイヤを緩衝手段に固定するにより、緩衝手段のばね張力に応じた適度な握力を付与できる。また、緩衝手段を設けることにより、過負荷が加わった際でも破損防止になる。
【0071】
また、第1のワイヤ及び第2のワイヤを回転中心からの長さが異なるアームを介して駆動手段に連結することによって、第1のワイヤ及び第2のワイヤの送り出しの長さ及び引っ張りの長さをアーム長を変えることで調整できる。或いは、第1のワイヤ及び第2のワイヤを径の異なるプーリを介して駆動手段に連結することによって、第1のワイヤ及び第2のワイヤの送り出しの長さ及び引っ張りの長さをプーリ径を変えることにより調整できる。
【0072】
また、先端部材傾斜面、第1の連結部材傾斜面、第2の連結部材傾斜面及び終端部材傾斜面の端面に対する角度を変更することによって、先端部材の連結部材に対する可動範囲、及び/又は連結部材の終端部材に対する可動範囲を調整できる。
【0073】
さらに、手指機構以外の一般的な動作表出装置として用いる場合には、先端部材に、先端部材傾斜面が設けられた位置の反対位置に第2の先端部材傾斜面を設け、連結部材に、第1の連結部材傾斜面及び第2の連結部材傾斜面が設けられた位置の反対位置に第3の連結部材傾斜面及び第4の連結部材傾斜面を設けることによって、第2のワイヤを引いたときの可動領域が拡がる。
【0074】
また、ロボットハンドの場合、手指機構毎に駆動手段が設けることもできる。1つの駆動手段によって駆動する場合、複数の手指機構のうち、第1の手指機構と第2の手指機構の該第1の手指機構の第2のワイヤと該第2の手指機構の第1のワイヤとを連結し、第2の手指機構の第2のワイヤと第3の手指機構の第1のワイヤとを連結するというように、隣り合って設けられた各手指機構の第1のワイヤと第2のワイヤとが全体として環状になるように連結し、この環状ワイヤの一部を送り出す又は引き戻すようにすることによって、1つの駆動部により指全体が曲げ伸ばしできる。さらに、この構成とした場合、負荷の軽い指から順に動作するため、特に、異径物体を把持するような場合には、屈曲量や把持力等を調整しなくとも、ロボットハンドが被把持物体の形状に合わせて自ずと変形し適度な力量で把持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本具体例として示すロボットハンドの手指機構の斜視図であり、(b)は、上記手指機構の正面図であり、(c)は、上記手指機構の側面図である。
【図2】手指機構がワイヤの動きに応じて「曲げ伸ばし動作」する様子を模式的に示す外観図である。
【図3】手指機構がワイヤの動きに応じて「曲げ伸ばし動作」する様子を模式的に示す断面図である。
【図4】(a)は、緩衝機構を備える手指機構を一部可視的に示した斜視図であり、(b)は、上記手指機構の正面図であり、(c)は、上記手指機構の側面図である。
【図5】(a)は、緩衝機構が働いている様子を一部可視的にして表した手指機構の斜視図であり、(b)は、上記緩衝機構の緩衝動作を説明する図である。
【図6】上記手指機構が極端な負荷によって一時的に「脱臼」した様子を説明する図である。
【図7】上記手指機構において、手のひら側に配置されるワイヤと手の甲側に配置されるワイヤの巻き取られる長さの違いを説明する図である。
【図8】部材のワイヤ孔及び球状部材のワイヤ溝の位置を工夫した手指機構の断面図である。
【図9】(a)は、長さの異なるアームを備える駆動モータにより駆動される手指機構を説明する斜視図であり、(b)は、上記手指機構の正面図であり、(c)は、上記手指機構の側面図である。
【図10】(a)は、径の異なるプーリを備える駆動モータにより駆動される手指機構を説明する斜視図であり、(b)は、上記手指機構の正面図であり、(c)は、上記手指機構の側面図である。
【図11】駆動モータに対する手指機構の取付位置が可変であることを説明する図である。
【図12】プーリを備える駆動モータを用いた手指機構により構成されるロボットハンドの概略を説明する図である。
【図13】手指機構に環状ワイヤを用いて構成したロボットハンドの概略を説明する図である。
【符号の説明】
1 ロボットハンド、10 手指機構、11 第1のワイヤ、12 第2のワイヤ、13 第1の球状部材、14 第2の球状部材、15 先端部材、16 連結部材、17 終端部材、18 保護カバー、19 緩衝機構、20 駆動モータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、動作表出装置、手指機構及びロボットハンドに関し、特に、部品点数を削減して動作制御を容易にした動作表出装置、手指機構及びロボットハンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近では、人間のパートナーとして生活を支援する、すなわち住環境その他の日常生活上の様々な場面における人的活動を支援する実用ロボットの開発が進められている。このような実用ロボットは、産業用ロボットとは異なり、人間の生活環境の様々な局面において、個々に個性の相違した人間、又は様々な環境への適応方法を自ら学習する能力を備えている。例えば、犬、猫のように4足歩行の動物の身体メカニズムやその動作を模した「ペット型」ロボット、或いは、2足直立歩行を行う動物の身体メカニズムや動作をモデルにしてデザインされた「人間型」又は「人間形」ロボット(Humanoid Robot)等の脚式移動ロボットは、既に実用化されつつある。
【0003】
これらの脚式移動ロボットは、産業用ロボットと比較してエンターテインメント性を重視した様々な動作を行うことができるため、エンターテインメントロボットと呼称される場合もある。これらロボット装置は、人間の生活環境の様々な局面において活躍することが期待されているため、より精巧な動作や高い安全性が求められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、動物を模したロボットの尻尾等の構造や人間の手を模したロボットハンドの構造に関する報告は数多くあるが、より動物及び人間的な動作を実現しようとすれば、構造を複雑化してしまう。そうなると、全体のサイズが大型化し、動作には複雑な制御理論を適用する必要があった。
【0005】
しかし、家庭用エンターテインメントロボットは、小型軽量、低コストが必須条件であり、さらには人間の傍らで動作する性質上、外力によって破損しない強度を持ちつつも周囲の人間を傷つけない程度の剛性及び発生トルク(力量)等といった人間に対する高い安全性が要求される。
【0006】
そこで本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、部品点数を削減して動作制御を容易にし、外力による破損を防止し、高い安全性を有する動作表出装置、手指機構及びロボットハンドを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明に係る動作表出装置は、第1のワイヤと、第2のワイヤと、n個の球状部材と、先端部材と、n−1個の連結部材と、終端部材と、駆動手段とを備え、先端部材と終端部材との間に球状部材と連結部材とがこの順番に交互に配置され、各部材が第1のワイヤ及び第2のワイヤで連結され、終端部材から導出される第1のワイヤのワイヤ端部及び第2のワイヤのワイヤ端部が駆動手段に連結され、駆動手段は、第1のワイヤ及び第2のワイヤの一方を送り出すとともに他方を引っ張ることを特徴とする。
【0008】
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る手指機構は、第1のワイヤと、第2のワイヤと、第1の球状部材と、第2の球状部材と、先端部材と、連結部材と、終端部材と、駆動手段とを備え、先端部材と終端部材との間に球状部材と連結部材とがこの順番に交互に配置され、各部材が第1のワイヤ及び第2のワイヤで連結され、終端部材から導出される第1のワイヤのワイヤ端部及び第2のワイヤのワイヤ端部が駆動手段に連結され、該駆動手段は、第1のワイヤ及び第2のワイヤの一方を送り出すとともに他方を引っ張ることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係るロボットハンドは、上述した手指機構を複数有し、駆動手段によって、終端部材から導出される第1のワイヤのワイヤ端部及び第2のワイヤのワイヤ端部が連結され、一方を送り出すとともに他方を引っ張ることを特徴とする。
【0010】
上述の動作表出装置、手指機構、ロボットハンドでは、先端部材の先端部に第1のワイヤ及び第2のワイヤを固定するワイヤ固定部を有する緩衝手段を設け、第1のワイヤ及び第2のワイヤを緩衝手段に固定することが好ましい。
【0011】
また、第1のワイヤ及び第2のワイヤは、回転中心からの長さが異なるアームを介して駆動手段に連結することが好ましく、この場合は、アーム長によって第1のワイヤ及び第2のワイヤの送り出しの長さ及び引っ張りの長さを調整すればよい。
【0012】
さらに、第1のワイヤ及び第2のワイヤは、径の異なるプーリを介して駆動手段に連結することもできる。この場合、径長を異ならせることによって巻き取られるワイヤ長が変えられるため、第1のワイヤ及び第2のワイヤの送り出しの長さ及び引っ張りの長さが調整できる。
【0013】
さらに具体的な各部材の構成として、球状部材の各々には、第1のワイヤが案内される第1のガイド溝及び第2のワイヤが案内される第2のガイド溝を設ける。
【0014】
先端部材には、第1のワイヤが固定される第1のワイヤ固定部と、第2のワイヤが固定される第2のワイヤ固定部と、この先端部材の中心軸に垂直に形成された端面を外縁とする凹部であって球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された先端部材凹部と、この端面を中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる先端部材傾斜面とを設け、さらに内部に第1のワイヤを導通する第1の先端部ワイヤ孔及び第2のワイヤを導通する第2の先端部ワイヤ孔とを設ける。
【0015】
連結部材の各々には、一方の端部に、この連結部材の中心軸に垂直に形成された第1の端面を外縁とする凹部であって球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された第1の連結部材凹部と、第1の端面をこの連結部材の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる第1の連結部材傾斜面とを設け、他方の端部に、この連結部材の中心軸に垂直に形成された第2の端面を外縁とする凹部であって球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された第2の連結部材凹部と、この連結部材本体に対して第1の連結部材傾斜面と同一側にあって第2の端面をこの連結部材の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる第2の連結部材傾斜面とを設け、さらに内部に第1のワイヤを導通する第1の連結部ワイヤ孔及び第2のワイヤを導通する第2の連結部ワイヤ孔を設ける。
【0016】
終端部材には、この終端部材の中心軸に垂直に形成された端面を外縁とする凹部であって球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された終端部材凹部と、端面をこの終端部材の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる終端部材傾斜面とを設け、さらに内部に第1のワイヤを導通する第1の終端部ワイヤ孔及び第2ワイヤを導通する第2の終端部ワイヤ孔とを設ける。
【0017】
そして、これら各部材を、先端部材の先端部材凹部を第1の球状部材に摺接させ、連結部材の第1の連結部材凹部を第1の球状部材に摺接させて第1の球状部材を先端部材凹部と第1の連結部材凹部とで摺動自在に挟持し、連結部材の第2の連結部材凹部を第2の球状部材に摺接させ、終端部材の終端部材凹部を第2の球状部材に摺接させて第2の球状部材を第2の連結部材凹部と終端部材凹部とで摺動自在に挟持することを繰り返して球状部材と連結部材とを交互に連結する。
【0018】
このとき第1のワイヤを先端部材の第1のワイヤ固定部から第1の先端部ワイヤ孔内を導通して延長し、第1の球状部材の第1のガイド溝に案内する。また、第2のワイヤを第2のワイヤ固定部から第2の先端部ワイヤ孔内を導通して延長し、第2の球状部材の第2のガイド溝に案内する。さらに第1のワイヤを第1の連結部ワイヤ孔に導通して第2の球状部材の第1のガイド溝に案内し、第2のワイヤを第2の連結部ワイヤ孔に導通して第2の球状部材の第2のガイド溝に案内して、各球状部材と連結部材とを先端部材と連結部材と終端部材の各中心軸と、先端部材傾斜面と第1及び第2の連結部材傾斜面と終端部材傾斜面との位置が一致するように各部材を連結する。
【0019】
駆動手段が各部材の中心軸に平行に第1のワイヤ又は第2のワイヤの何れかを引っ張ると同時に他方のワイヤを送り出すとき、各部材が中心軸に沿って鉛直に連結された状態から先端部材傾斜面と連結部材傾斜面、及び/又は連結部材傾斜面と終端部材傾斜面とが互いに当接するまでの領域を可動領域として、引っ張られるワイヤ側に曲折する。
【0020】
ここで、手指機構以外の一般的な動作表出装置として用いる場合には、先端部材に、先端部材傾斜面が設けられた位置の反対位置に第2の先端部材傾斜面を設け、連結部材に、第1の連結部材傾斜面及び第2の連結部材傾斜面が設けられた位置の反対位置に第3の連結部材傾斜面及び第4の連結部材傾斜面を設けてもよい。
【0021】
また、先端部材傾斜面、第1の連結部材傾斜面、第2の連結部材傾斜面及び終端部材傾斜面の端面に対する角度を変更することもできる。このとき、先端部材の連結部材に対する可動範囲、及び/又は連結部材の終端部材に対する可動範囲が調整できる。
【0022】
ロボットハンドの場合、手指機構毎に駆動手段が設けられていてもよい。1つの駆動手段によって駆動する場合には、複数の手指機構のうち、第1の手指機構と第2の手指機構の該第1の手指機構の第2のワイヤと該第2の手指機構の第1のワイヤとを連結し、第2の手指機構の第2のワイヤと第3の手指機構の第1のワイヤとを連結するというように、隣り合って設けられた各手指機構の第1のワイヤと第2のワイヤとが全体として環状になるように連結し、この環状ワイヤの一部を送り出す又は引き戻すようにすることが好ましい。
【0023】
また、ここで、第1のワイヤ及び第2のワイヤは、先端部材の固定位置で折り返され、駆動手段に第1のワイヤの両端部と第2のワイヤの両端部とが連結されるようにもできる。この場合、球状部材に、第1のガイド溝と平行な第3のガイド溝と第2のガイド溝と平行な第4のガイド溝とを設け、先端部材の第1のワイヤ固定部及び第2のワイヤ固定部を並列した2つのワイヤ孔とする。また、先端部材には、第1の先端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第3の先端部ワイヤ孔と第2の先端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第4の先端部ワイヤ孔とを設け、連結部材には、第1の連結部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第3の連結部ワイヤ孔と第2の連結部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第4の連結部ワイヤ孔とを設け、終端部材には、第1の終端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第3の終端部ワイヤ孔と第2の終端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第4の終端部ワイヤ孔とを設ける。
【0024】
またこのとき、第1のワイヤは、第1の終端部ワイヤ孔に導通し、第n番目の球状部材の第1のガイド溝に案内し第n−1番目の連結部材の第1の連結部ワイヤ孔に導通し、球状部材の第1のガイド溝と連結部材の第1の連結部ワイヤ孔に交互に順次案内した後、第1の先端部ワイヤ孔に導通して第1の固定部の一方のワイヤ孔から導出して折り返す。そして、他方のワイヤ孔から挿入し、第3の先端部ワイヤ孔に導通して第2の球状部材の第3のガイド溝に案内し、第1の連結部材の第3の連結部ワイヤ孔に導通し、球状部材の第3のガイド溝と連結部材の第3の連結部ワイヤ孔に交互に順次案内した後、第3の終端部ワイヤ孔から導出する。
【0025】
また、第2のワイヤを、第2の終端部ワイヤ孔に導通し、第n番目の球状部材の第2のガイド溝に案内して第n−1番目の連結部材の第2の連結部ワイヤ孔に導通し、球状部材の第2のガイド溝と連結部材の第2の連結部ワイヤ孔に交互に順次案内した後、第2の先端部ワイヤ孔に導通して第2の固定部の一方のワイヤ孔から導出して折り返す。そして、他方のワイヤ孔から挿入し、第4の先端部ワイヤ孔に導通して第2の球状部材の第4のガイド溝に案内し、第1番目の連結部材の第4の連結部ワイヤ孔に導通し、球状部材の第4のガイド溝と連結部材の第4の連結部ワイヤ孔に交互に順次案内した後、第4の終端部ワイヤ孔から導出する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
本発明の具体例として示す動作表出装置は、複数の屈曲可動部を少ない部品点数により構成し、さらにその制御方法も簡素化したものであり、本明細書では動作表出装置の中でも、特に、人間の生活環境の様々な局面において、個々に個性の相違した人間又は様々な環境への適応方法を自ら学習する能力を備え、エンターテインメント性を重視した様々な動作を行うことができるヒューマノイドロボットのロボットハンドに適用した場合について図面を参照にして詳細に説明する。
【0028】
図1(a)乃至図1(b)に、本具体例として示すロボットハンド1の「指」である手指機構本体部分の基本的な構造を示す。手指機構10は、第1のワイヤ11と、第2のワイヤ12と、第1の球状部材13と、第2の球状部材14と、先端部材15と、連結部材16と、終端部材17とを備えており、先端部材15と終端部材17との間に球状部材と連結部材とがこの順番に交互に配置され、各部材が第1のワイヤ11及び第2のワイヤ12で連結されている。先端部材15のさらに先端部分には、ワイヤ固定部を保護するとともに「指先」を構成する保護カバー18が取り付けられている。
【0029】
したがって、手指機構10は、第1の球状部材13が第1関節をなし、第2の球状部材14が第2関節をなしている。これにより、手指機構の内側(手のひら側)に導通された第1のワイヤ11と手指機構の外側(手の甲側)に導通された第2のワイヤ12との送り出し及び引き戻しにより「指を曲げる」及び「指を伸ばす」の動作が可能である。
【0030】
本具体例のロボットハンド1は、上述のような手指機構を複数有して構成され、各手指機構の終端部材から導出される第1のワイヤ11及び第2のワイヤ12のワイヤ端部が、後述する駆動部に連結されている。上述の手指機構をロボットハンドに適用した場合、手を「握る」及び「開く」の動作が可能となる。なお、図1(a)乃至図1(c)では、説明の便宜上、各部材の連結関係が分かり易いように各部材を指先方向に離間して示している。
【0031】
続いて、個々の部材に関して具体的に説明する。
【0032】
第1の球状部材11、第2の球状部材12には、第1のワイヤ11及び第2のワイヤ12が案内されるガイド溝が設けられている。本具体例では、特に、ワイヤが先端部で折り返して固定することで、結果として手指機構の内側(手のひら側)と手指機構の外側(手の甲側)とでそれぞれ2本ずつのワイヤにより連結されている。この手指機構の内側(手のひら側)と手指機構の外側(手の甲側)の計4本のワイヤにより、「指を曲げる」及び「指を伸ばす」の動作が可能となっている。
【0033】
具体的には第1の球状部材13は、図1(a)、(b)に示すように第1のガイド溝131と平行な第3のガイド溝131aと第2のガイド溝132と平行な第4のガイド溝132aとを有している。また、先端部材の第1のワイヤ固定部151及び第2のワイヤ固定部152は、並列した2つのワイヤ孔として形成されている。
【0034】
また、図示しないが、先端部材15には、手のひら側にこの先端部材15の内部を貫通して設けられた第1の先端部ワイヤ孔が設けられ、さらにこの第1の先端部ワイヤ孔に平行に第3の先端部ワイヤ孔が設けられている。手の甲側に相当する位置にも同様に第2の先端部ワイヤ孔と第4の先端部ワイヤ孔とが並列して設けられている。 連結部材16にもまた、手のひら側に第1の連結部ワイヤ孔と第3の連結部ワイヤ孔とが並列して設けられ、手の甲側に第2の連結部ワイヤ孔と第4の連結部ワイヤ孔とが並列して設けられている。終端部材17も同様に、手のひら側の内部に第1の終端部ワイヤ孔と第3の終端部ワイヤ孔とが並列して設けられ、手の甲側の内部に第2の終端部ワイヤ孔と第4の終端部ワイヤ孔とが並列して設けられている。
【0035】
このように各ワイヤを2重にすることによって、後述の図6に示すように、過負荷によって強引に動かされた場合であっても、もとの状態に復旧する際に部材の脱落等がなく、スムースな復旧が期待できる。
【0036】
先端部材15は、第1のワイヤ11が固定される第1のワイヤ固定部151と、第2のワイヤ12が固定される第2のワイヤ固定部152とを有している。また、先端部材15は、この先端部材15の中心軸に垂直な端面153を外縁とする凹部であって第1の球状部材13の表面曲率と略同率に湾曲された先端部材凹部154と、端面153を中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる先端部材傾斜面155とを有している。先端部材15の内部には、図1には図示しないが、上述した第1のワイヤ11を導通する第1の先端部ワイヤ孔と第3の先端部ワイヤ孔、第2の先端部ワイヤ孔と第4の先端部ワイヤ孔とが設けられている。
【0037】
連結部材16は、一方の端部に、この連結部材16の中心軸に垂直に形成された第1の端面161を外縁とする凹部であって第1の球状部材13の表面曲率と略同率に湾曲された第1の連結部材凹部162と、第1の端面161をこの連結部材16の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる第1の連結部材傾斜面163とを有している。また、他方の端部に、この連結部材16の中心軸に垂直に形成された第2の端面164を外縁とする凹部であって第2の球状部材14の表面曲率と略同率に湾曲された第2の連結部材凹部165と、この連結部材本体に対して第1の連結部材傾斜面163と同一側(手のひら側)にあって第2の端面164をこの連結部材16の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる第2の連結部材傾斜面166とが設けられている。さらに図1には図示しないが、上述のように、内部に第1の連結部ワイヤ孔と第3の連結部ワイヤ孔、第2の連結部ワイヤ孔と第4の連結部ワイヤ孔167とが設けられている。
【0038】
終端部材17は、この終端部材17の中心軸に垂直に形成された端面171を外縁とする凹部であって球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された終端部材凹部172が設けられている。また、端面をこの終端部材17の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる終端部材傾斜面173とが設けられている。また、上述したように図1には図示しないが、内部に第1の終端部ワイヤ孔と第3の終端部ワイヤ孔、第2の終端部ワイヤ孔と第4の終端部ワイヤ孔とが設けられている。
【0039】
そして、これら各部材を以下のように組み付ける。
【0040】
先端部材15の先端部材凹部154を第1の球状部材表面に摺接させ、連結部材16の第1の連結部材凹部162を第1の球状部材表面に摺接させて第1の球状部材13を先端部材凹部154と第1の連結部材凹部162とで摺動自在に挟持し、連結部材16の第2の連結部材凹部165を第2の球状部材14に接触させ、終端部材17の終端部材凹部172を第2の球状部材14に接触させて第2の球状部材14を第2の連結部材凹部165と終端部材凹部172とで摺動自在に挟持することを繰り返して球状部材と連結部材16とを交互に連結する。
【0041】
このとき第1のワイヤ11は、第1の終端部ワイヤ孔から挿入され、第2の球状部材14の第1のガイド溝141内を通って第1の連結部ワイヤ孔に導かれ、第1の球状部材13の第1のガイド溝131に沿って延長された後、第1の先端部ワイヤ孔を通って第1のワイヤ固定部151の一方のワイヤ孔から導出される。第1のワイヤ11は、ここで折り返され、他方のワイヤ孔から挿入され、第3の先端部ワイヤ孔を通って第1の球状部材13の第3のガイド溝131aに沿って延長され、第3の連結部ワイヤ孔を通って第2の球状部材14の第3のガイド溝141aに案内され、第3の終端部ワイヤ孔から導出される。
【0042】
また、第2のワイヤ12は、第2の終端部ワイヤ孔から挿入され、第2の球状部材14の第2のガイド溝142内を通って第2の連結部ワイヤ孔に導かれ、第1の球状部材13の第2のガイド溝132に沿って延長された後、第2の先端部ワイヤ孔を通って第2のワイヤ固定部152の一方のワイヤ孔から導出される。第2のワイヤ12は、ここで折り返され、他方のワイヤ孔から挿入され、第4の先端部ワイヤ孔を通って第1の球状部材13の第4のガイド溝132aに沿って延長され、第4の連結部ワイヤ孔を通って第2の球状部材14の第4のガイド溝142aに案内され、第4の終端部ワイヤ孔から導出される。
【0043】
このようにワイヤによって各部材を連結する際には、各球状部材、連結部材16、先端部材15及び終端部材17の各中心軸と、先端部材傾斜面155と第1の連結部材傾斜面163、及び第2の連結部材傾斜面166と終端部材傾斜面173との位置が一致するようにする。
【0044】
図2及び図3に手指機構10がワイヤの動きに応じて「曲げ伸ばし動作」する様子が示されている。図2には手指機構10の外観が、図3(a)乃至図3(b)には手指機構10の断面が示されている。手のひら側内部に導通している第1のワイヤ11が引かれるとともに手の甲側内部に導通している第2のワイヤ12が送り出されると、手指機構10は手のひら側に折り曲げられる。
【0045】
第1のワイヤ11が引かれるとき、第1の先端部材傾斜面155と第1の連結部材傾斜面163とが当接するまでの範囲、及び第2の連結部材傾斜面165と終端部材傾斜面173とが当接するまでの範囲が、指を折り曲げる際の可動領域となる。一方、この手指機構10が折り曲げ位置にある状態から第2のワイヤ12が引かれると伸ばされ、先端部材の端面と連結部材の第1の端面とが当接する位置及び連結部材の第2の端面と終端部材の端面とが当接する位置で動きが規制される。したがって、各傾斜面の端面に対する切欠角度を変更することによって、関節の可動範囲を調整することができる。
【0046】
また、手指機構といった限定的な使用ではなく一般的な屈曲動作を表現するための動作表出装置として用いる場合、第1の先端部材傾斜面、第1の連結部材傾斜面、第2の連結部材傾斜面、終端部材傾斜面の反対側に図1(c)に破線で示すような切欠面(傾斜面)を設けると、第2のワイヤを引くときの可動領域を拡げることができる。
【0047】
以上説明した手指機構10では、先端部材15の先端部、保護カバー18内部に緩衝機構19を設けるとよい。第1のワイヤ11及び第2のワイヤ2は、この緩衝機構19の一部に固定する。
【0048】
緩衝機構19の一例を図4(a)乃至図4(c)、図5(a)及び図5(b)に示す。図4(a)は、緩衝機構を備える手指機構を一部可視的に示した図、図4(b)は、手指機構の正面図、図4(c)は、手指機構の側面図である。また、図5(a)及び図5(b)に、緩衝機構の緩衝動作を示す。
【0049】
緩衝機構19は、第1のフランジ191と第2のフランジ192と芯材193とコイルばね194とを有し、第2のフランジ192において先端部材15と接合されているものがあげられる。第2のフランジ192と一体化された芯材193にコイルばね194を装着し第1のフランジ191をコイルばね194に固定する。第1のワイヤ11及び第2のワイヤ12を第1のフランジ191に連結する。
【0050】
例えば、ロボットハンド1が物体を握るときを考えると、図5(a)及び図5(b)に示すように、第1のワイヤ11が引かれれば、指は曲がるが物体に接触した時点で動かなくなる。本具体例では緩衝機構19を備えることにより、この状態からさらにワイヤを引くことができる。ワイヤが引かれると、第1のフランジ191が第2のフランジ192方向に引っ張られて指の屈曲角度はそのままで、ばねが圧縮され、ばね張力が発生する。これがロボットハンド1の握力となる。
【0051】
また、図6に示すように、該手指機構10が所定量伸びた状態或いは曲がった状態で外部から過負荷がかかり、強引に動かされた場合であっても、緩衝機構19によってばねの圧縮分の余裕ができるため、関節が適度に曲がる。また、極端な負荷によって部材間が引き延ばされ、一時的に「脱臼」するような事態になっても、コイルばね194の張力により極めて簡単に以前の位置まで復旧でき、破損防止になる。
【0052】
なお、ここで説明した緩衝機構の構造は、特に上述の構成に限定されない。緩衝機構を備えるほかワイヤ自体に弾性材料を用いることでも同様の利点が得られる。
【0053】
この手指機構10は、駆動モータ20を備えている。第1のワイヤ11及び第2のワイヤ12は、駆動モータ20に繋がれて、駆動モータ20の回動運動により巻き取られ、又は送り出される。そのため、この手指機構10のより正確な「曲げ伸ばし動作」のためには、ワイヤの巻き取り量と送り出し量とを等しくすることが重要である。ところが、図7に示すように、手のひら側に配置される第1のワイヤ11と手の甲側に配置される第2のワイヤ12とでは、巻き取られる(送り出される)長さが異なってしまう。すなわち、図中に示すB,B′は、B>B′である。
【0054】
そこで、球状部材に形成されるガイド溝の深さを変えて、手のひら側と手の甲側とで引っ張られるワイヤ長を略同一にする。具体的には、図8に示すように、先端部材15の中心軸と第1の先端部ワイヤ孔及び第3の先端部ワイヤ孔との距離Aと、中心軸と第2の先端部ワイヤ孔及び第4の先端部ワイヤ孔との距離A′とを調節することにより、引っ張られるワイヤ長BとB′とを等しくしている。
【0055】
駆動モータ20において、同一の回転量でワイヤ長を調整する方法としては、駆動モータ20の出力部に回動中心からの長さが異なったアームを設ける方法がある。図9(a)乃至図9(b)に示す例は、駆動モータ20に短アーム201と長アーム202とを備える場合である。手のひら側に配置される第1のワイヤ11の方が引き出し量が多いため、第1のワイヤ11を長アーム202に繋ぎ、引き出し量が少ない第2のワイヤ12を短アーム201に繋ぐ。これにより駆動モータ20を同一回転量にして「曲げ伸ばし動作」が行える。
【0056】
またこの他にも、駆動モータ20の出力部回動中心に径の異なるプーリを設ける方法がある。図10(a)乃至図10(b)に示す例は、駆動モータ20に大径プーリ203と小径プーリ204とを備える場合である。手のひら側に配置される第1のワイヤ11の方が引き出し量が多いため、第1のワイヤ11を大径プーリ203に巻き、引き出し量が少ない第2のワイヤ12を小径プーリ204に巻く。これにより駆動モータ20を同一回転量にして「曲げ伸ばし動作」が行える。
【0057】
特に、出力部がプーリの場合、図11に示すように手指機構10がプーリの回転中心軸205を中心としてどの位置に配置してもワイヤの長さは変わらないため、駆動モータ20対して手指機構10の配置位置を変えても手指機構10の動作に支障がないという利点がある。
【0058】
図12には、プーリを備えた手指機構10を並列に用いて構成されたロボットハンドが示されている。この場合、上述したように駆動モータ20対して手指機構10の配置位置を変えても手指機構10の動作に支障がないため、並設する際の微妙な手指の角度(指の開き具合)の微調整が可能になる。また、親指に相当する位置にも同一の手指機構が適用できるため、パーツの統一化が図れ製造する上でのコスト削減にも繋がる。手指機構毎に駆動モータを用いることによって、各指を独立して動かすことができる。
【0059】
また、手指機構10を用いてロボットハンド1を構成する際には、図13に示すように、ロボットハンド1を構成する全ての手指機構の第1のワイヤ及び第2のワイヤを環状に接続することもできる。
【0060】
具体的には、各指の間にプーリ21a〜21eを設置してワイヤを折り返す。また、各指先にもプーリ22a〜22eを設置する。ここでは、指先部に上述した緩衝機構が設けられていてもよい。手のひら部分に設けられるプーリ21fを駆動部により可動にすることによって、1つの駆動部により指全体が曲げ伸ばしできる。この構成とした場合、各指を独立して動かすことは困難であるが、負荷の軽い指から順に動作するため、特に、異径物体を把持するような場合には、屈曲量や把持力等を調整しなくとも、ロボットハンドが被把持物体の形状に合わせて自ずと変形し適度な力量で把持できるという利点がある。
【0061】
ここでは、上述の例のようにプーリ21fの位置を駆動モータとし、ここで出力部のプーリによりワイヤを巻き取る方式にすることもできる。
【0062】
なお、図13には、図面の明瞭化のため、第1のワイヤに相当する手のひら側への「曲げ動作」のためのワイヤのみ示しているが、実際は、第2のワイヤに相当する手の甲側への「伸ばし動作」のためのワイヤも備えている。
【0063】
したがって、以上説明したように、本発明の手指機構によれば、手指を構成する各部材をワイヤによって、いわゆる「数珠繋ぎ」にすることにより、可動部、特に関節部毎にギア機構や駆動部を設けることなく屈曲屈折動作を可能とし、少ない部品点数で簡単にロボットハンドの関節機構を構成することができる。また、この制御も簡素化できる。
【0064】
また、手指先端のワイヤ固定部にばね張力を与えることより、このばね張力に応じた握力を付与できるとともに、外部からの過負荷に対して一定の許容範囲を設けることができる。また、外力による破損防止、ユーザに対しての安全対策ができる。
【0065】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0066】
例えば、先端部材15と第1の球状部材13とを、また連結部材16と第2の球状部材14とをそれぞれ一体化してもよい。或いは第1の球状部材13と連結部材16とを、また第2の球状部材14と終端部材17とをそれぞれ一体化してもよい。このとき、図6に示すような「ねじれ状態」が生じても、第1の球状部材13と第2の球状部材14が脱落する心配がなくなる。
【0067】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る動作表出装置は、第1のワイヤと、第2のワイヤと、n個の球状部材と、先端部材と、n−1個の連結部材と、終端部材と、駆動手段とを備え、先端部材と終端部材との間に球状部材と連結部材とがこの順番に交互に配置され、各部材が第1のワイヤ及び第2のワイヤで連結され、終端部材から導出される第1のワイヤのワイヤ端部及び第2のワイヤのワイヤ端部が駆動手段に連結され、駆動手段が第1のワイヤ及び第2のワイヤの一方を送り出すとともに他方を引っ張るという構成にすることにより、可動部毎に複雑なギア機構を用いることなく屈曲屈折動作を可能とし、部品点数を削減して動作制御を容易にするとともに製造コストを削減し、外力による破損を防止できる。また、ユーザに対して高い安全性を付与できる。
【0068】
また、以上説明したように、本発明に係る手指機構は、第1のワイヤと、第2のワイヤと、第1の球状部材と、第2の球状部材と、先端部材と、連結部材と、終端部材と、駆動手段とを備え、先端部材と終端部材との間に球状部材と連結部材とがこの順番に交互に配置され、各部材が第1のワイヤ及び第2のワイヤで連結され、終端部材から導出される第1のワイヤのワイヤ端部及び第2のワイヤのワイヤ端部が駆動手段に連結され、該駆動手段が第1のワイヤ及び第2のワイヤの一方を送り出すとともに他方を引っ張る構成にすることにより、関節部毎に複雑なギア機構を用いることなくスムースな屈曲屈折動作を可能とし、部品点数を削減して動作制御を容易にするとともに製造コストを削減し、外力による破損を防止できる。また、ユーザに対して高い安全性を付与できる。
【0069】
また、本発明に係るロボットハンドは、第1のワイヤと、第2のワイヤと、第1の球状部材と、第2の球状部材と、先端部材と、連結部材と、終端部材とを備え、先端部材と終端部材との間に球状部材と連結部材とがこの順番に交互に配置され、各部材が第1のワイヤ及び第2のワイヤで連結された手指機構を複数有し、終端部材から導出される第1のワイヤのワイヤ端部及び第2のワイヤのワイヤ端部が連結され、一方を送り出すとともに他方を引っ張る駆動手段を備えることにより、関節部毎に複雑なギア機構を用いることなくスムースな屈曲屈折動作を可能とし、部品点数を削減して動作制御を容易にするとともに製造コストを削減し、外力による破損を防止できる。また、ユーザに対して高い安全性を付与できる。
【0070】
以上説明した本発明では、先端部材の先端部に第1のワイヤ及び第2のワイヤを固定するワイヤ固定部を有する緩衝手段を設け、第1のワイヤ及び第2のワイヤを緩衝手段に固定するにより、緩衝手段のばね張力に応じた適度な握力を付与できる。また、緩衝手段を設けることにより、過負荷が加わった際でも破損防止になる。
【0071】
また、第1のワイヤ及び第2のワイヤを回転中心からの長さが異なるアームを介して駆動手段に連結することによって、第1のワイヤ及び第2のワイヤの送り出しの長さ及び引っ張りの長さをアーム長を変えることで調整できる。或いは、第1のワイヤ及び第2のワイヤを径の異なるプーリを介して駆動手段に連結することによって、第1のワイヤ及び第2のワイヤの送り出しの長さ及び引っ張りの長さをプーリ径を変えることにより調整できる。
【0072】
また、先端部材傾斜面、第1の連結部材傾斜面、第2の連結部材傾斜面及び終端部材傾斜面の端面に対する角度を変更することによって、先端部材の連結部材に対する可動範囲、及び/又は連結部材の終端部材に対する可動範囲を調整できる。
【0073】
さらに、手指機構以外の一般的な動作表出装置として用いる場合には、先端部材に、先端部材傾斜面が設けられた位置の反対位置に第2の先端部材傾斜面を設け、連結部材に、第1の連結部材傾斜面及び第2の連結部材傾斜面が設けられた位置の反対位置に第3の連結部材傾斜面及び第4の連結部材傾斜面を設けることによって、第2のワイヤを引いたときの可動領域が拡がる。
【0074】
また、ロボットハンドの場合、手指機構毎に駆動手段が設けることもできる。1つの駆動手段によって駆動する場合、複数の手指機構のうち、第1の手指機構と第2の手指機構の該第1の手指機構の第2のワイヤと該第2の手指機構の第1のワイヤとを連結し、第2の手指機構の第2のワイヤと第3の手指機構の第1のワイヤとを連結するというように、隣り合って設けられた各手指機構の第1のワイヤと第2のワイヤとが全体として環状になるように連結し、この環状ワイヤの一部を送り出す又は引き戻すようにすることによって、1つの駆動部により指全体が曲げ伸ばしできる。さらに、この構成とした場合、負荷の軽い指から順に動作するため、特に、異径物体を把持するような場合には、屈曲量や把持力等を調整しなくとも、ロボットハンドが被把持物体の形状に合わせて自ずと変形し適度な力量で把持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本具体例として示すロボットハンドの手指機構の斜視図であり、(b)は、上記手指機構の正面図であり、(c)は、上記手指機構の側面図である。
【図2】手指機構がワイヤの動きに応じて「曲げ伸ばし動作」する様子を模式的に示す外観図である。
【図3】手指機構がワイヤの動きに応じて「曲げ伸ばし動作」する様子を模式的に示す断面図である。
【図4】(a)は、緩衝機構を備える手指機構を一部可視的に示した斜視図であり、(b)は、上記手指機構の正面図であり、(c)は、上記手指機構の側面図である。
【図5】(a)は、緩衝機構が働いている様子を一部可視的にして表した手指機構の斜視図であり、(b)は、上記緩衝機構の緩衝動作を説明する図である。
【図6】上記手指機構が極端な負荷によって一時的に「脱臼」した様子を説明する図である。
【図7】上記手指機構において、手のひら側に配置されるワイヤと手の甲側に配置されるワイヤの巻き取られる長さの違いを説明する図である。
【図8】部材のワイヤ孔及び球状部材のワイヤ溝の位置を工夫した手指機構の断面図である。
【図9】(a)は、長さの異なるアームを備える駆動モータにより駆動される手指機構を説明する斜視図であり、(b)は、上記手指機構の正面図であり、(c)は、上記手指機構の側面図である。
【図10】(a)は、径の異なるプーリを備える駆動モータにより駆動される手指機構を説明する斜視図であり、(b)は、上記手指機構の正面図であり、(c)は、上記手指機構の側面図である。
【図11】駆動モータに対する手指機構の取付位置が可変であることを説明する図である。
【図12】プーリを備える駆動モータを用いた手指機構により構成されるロボットハンドの概略を説明する図である。
【図13】手指機構に環状ワイヤを用いて構成したロボットハンドの概略を説明する図である。
【符号の説明】
1 ロボットハンド、10 手指機構、11 第1のワイヤ、12 第2のワイヤ、13 第1の球状部材、14 第2の球状部材、15 先端部材、16 連結部材、17 終端部材、18 保護カバー、19 緩衝機構、20 駆動モータ
Claims (27)
- 第1のワイヤと、
第2のワイヤと、
n個の球状部材と、
先端部材と、
n−1個の連結部材と、
終端部材と、
駆動手段とを備え、
上記先端部材と上記終端部材との間に球状部材と連結部材とがこの順番に交互に配置され、各部材が上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤで連結され、
上記終端部材から導出される第1のワイヤのワイヤ端部及び第2のワイヤのワイヤ端部が上記駆動手段に連結され、上記駆動手段は、上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤの一方を送り出すとともに他方を引っ張ることを特徴とする動作表出装置。 - 上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤは、先端部材の固定位置で折り返され、上記駆動手段には、上記第1のワイヤの両端部と上記第2のワイヤの両端部とが連結されることを特徴とする請求項1記載の動作表出装置。
- 上記先端部材の先端部に緩衝手段を備え、
上記緩衝手段は、上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤを固定するワイヤ固定部を有し、
上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤは、上記緩衝手段に固定されていることを特徴とする請求項1記載の動作表出装置。 - 上記駆動手段は、回転中心からの長さが異なるアームを有し、該アーム長によって、上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤの送り出しの長さ及び引き戻しの長さが調整されることを特徴とする請求項1記載の動作表出装置。
- 上記駆動手段は、径の異なるプーリを有し、該径長により巻き取られるワイヤ長を変えて、上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤの送り出しの長さ及び引き戻しの長さが調整されることを特徴とする請求項1記載の動作表出装置。
- 上記n個の球状部材の各々は、上記第1のワイヤが案内される第1のガイド溝及び上記第2のワイヤが案内される第2のガイド溝を有し、
上記先端部材は、上記第1のワイヤが固定される第1のワイヤ固定部と、上記第2のワイヤが固定される第2のワイヤ固定部と、この先端部材の中心軸に垂直に形成された端面を外縁とする凹部であって上記球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された先端部材凹部と、この端面を中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる先端部材傾斜面と、内部に設けられ上記第1のワイヤを導通する第1の先端部ワイヤ孔及び第2のワイヤを導通する第2の先端部ワイヤ孔とを有し、
上記n−1個の連結部材の各々は、一方の端部に、この連結部材の中心軸に垂直に形成された第1の端面を外縁とする凹部であって上記球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された第1の連結部材凹部と、上記第1の端面をこの連結部材の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる第1の連結部材傾斜面とを有し、他方の端部に、この連結部材の中心軸に垂直に形成された第2の端面を外縁とする凹部であって上記球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された第2の連結部材凹部と、この連結部材本体に対して上記第1の連結部材傾斜面と同一側にあって第2の端面をこの連結部材の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる第2の連結部材傾斜面とを有し、内部に設けられ上記第1のワイヤを導通する第1の連結部ワイヤ孔及び第2のワイヤを導通する第2の連結部ワイヤ孔を有し、
上記終端部材は、この終端部材の中心軸に垂直に形成された端面を外縁とする凹部であって上記球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された終端部材凹部と、上記端面をこの終端部材の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる終端部材傾斜面と、内部に設けられ上記第1のワイヤを導通する第1の終端部ワイヤ孔及び第2ワイヤを導通する第2の終端部ワイヤ孔とを有し、
上記先端部材の先端部材凹部を第1の球状部材に摺接させ、上記連結部材の第1の連結部材凹部を上記第1の球状部材に摺接させて上記第1の球状部材を上記先端部材凹部と上記第1の連結部材凹部とで摺動自在に挟持し、
上記連結部材の第2の連結部材凹部を第2の球状部材に摺接させ、上記終端部材の終端部材凹部を上記第2の球状部材に摺接させて上記第2の球状部材を上記第2の連結部材凹部と上記終端部材凹部とで摺動自在に挟持することを繰り返して球状部材と連結部材とを交互に連結し、
上記先端部材の第1のワイヤ固定部から第1の先端部ワイヤ孔を導通して延長された第1のワイヤを上記第1の球状部材の第1のガイド溝に案内し、上記第2のワイヤ固定部から第2の先端部ワイヤ孔を導通して延長された第2のワイヤを上記第2の球状部材の第2のガイド溝に案内し、上記第1のワイヤを上記第1の連結部ワイヤ孔に導通して上記第2の球状部材の第1のガイド溝に案内し、上記第2のワイヤを上記第2の連結部ワイヤ孔に導通して上記第2の球状部材の第2のガイド溝に案内して、n個の球状部材と連結部材とを上記先端部材と上記連結部材と上記終端部材の各中心軸と、上記先端部材傾斜面と上記第1及び第2の連結部材傾斜面と上記終端部材傾斜面との位置が一致するように各部材を連結し、上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤを上記駆動手段に連結し、
上記駆動手段が上記中心軸に平行に上記第1のワイヤ又は第2のワイヤの何れかを送り出すとともに他方を引っ張るとき、上記先端部材及び各連結部材が上記終端部材に対して引っ張られるワイヤ側に曲折し、上記各部材が中心軸に沿って鉛直に連結された状態から先端部材傾斜面と連結部材傾斜面、及び/又は連結部材傾斜面と終端部材傾斜面とが互いに当接するまでの領域を可動領域とすることを特徴とする請求項1記載の動作表出装置。 - 上記球状部材は、上記第1のガイド溝と平行な第3のガイド溝と上記第2のガイド溝と平行な第4のガイド溝とを有し、
上記先端部材の第1のワイヤ固定部及び上記第2のワイヤ固定部は、並列した2つのワイヤ孔として設けられ、
上記先端部材は、上記第1の先端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第3の先端部ワイヤ孔と上記第2の先端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第4の先端部ワイヤ孔とを有し、
上記連結部材は、上記第1の連結部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第3の連結部ワイヤ孔と上記第2の連結部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第4の連結部ワイヤ孔とを有し、
上記終端部材は、上記第1の終端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第3の終端部ワイヤ孔と上記第2の終端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第4の終端部ワイヤ孔とを有し、
上記第1のワイヤは、上記第1の終端部ワイヤ孔に導通され、第n番目の球状部材の第1のガイド溝に案内されて上記第n−1番目の連結部材の第1の連結部ワイヤ孔に導通され、球状部材の第1のガイド溝と連結部材の第1の連結部ワイヤ孔に交互に順次案内された後、上記第1の先端部ワイヤ孔に導通されて上記第1の固定部の一方のワイヤ孔から導出されて折り返され、他方のワイヤ孔から挿入され、上記第3の先端部ワイヤ孔に導通されて上記第2の球状部材の第3のガイド溝に案内され、上記第1の連結部材の第3の連結部ワイヤ孔に導通され、球状部材の第3のガイド溝と連結部材の第3の連結部ワイヤ孔に交互に順次案内された後、上記第3の終端部ワイヤ孔から導出されており、
上記第2のワイヤは、上記第2の終端部ワイヤ孔に導通され、第n番目の球状部材の第2のガイド溝に案内されて上記第n−1番目の連結部材の第2の連結部ワイヤ孔に導通され、球状部材の第2のガイド溝と連結部材の第2の連結部ワイヤ孔に交互に順次案内された後、上記第2の先端部ワイヤ孔に導通されて上記第2の固定部の一方のワイヤ孔から導出されて折り返され、他方のワイヤ孔から挿入され、上記第4の先端部ワイヤ孔に導通されて上記第2の球状部材の第4のガイド溝に案内され、上記第1番目の連結部材の第4の連結部ワイヤ孔に導通され、球状部材の第4のガイド溝と連結部材の第4の連結部ワイヤ孔に交互に順次案内された後、上記第4の終端部ワイヤ孔から導出されており、
上記駆動手段には、上記第1の固定部のワイヤ孔で絡げ折り返された第1のワイヤの2つのワイヤ端部と、上記第2の固定部のワイヤ孔で絡げ折り返された第2のワイヤの2つのワイヤ端部とが連結されていることを特徴とする請求項6記載の動作表出装置。 - 上記先端部材には、上記先端部材傾斜面が設けられた位置の反対位置に第2の先端部材傾斜面が形成され、
上記連結部材には、上記第1の連結部材傾斜面及び上記第2の連結部材傾斜面が設けられた位置の反対位置に第3の連結部材傾斜面及び第4の連結部材傾斜面が形成され、
上記終端部材には、上記終端部材傾斜面が設けられた位置の反対位置に第2の終端部材傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項6記載の動作表出装置。 - 上記先端部材傾斜面、上記第1の連結部材傾斜面、上記第2の連結部材傾斜面及び上記終端部材傾斜面の端面に対する角度を変更し、上記先端部材の連結部材に対する可動範囲、及び/又は上記連結部材の上記終端部材に対する可動範囲を調整することを特徴とする請求項6記載の動作表出装置。
- 第1のワイヤと、
第2のワイヤと、
第1の球状部材と、
第2の球状部材と、
先端部材と、
連結部材と、
終端部材と、
駆動手段とを備え、
上記先端部材と上記終端部材との間に球状部材と連結部材とがこの順番に交互に配置され、各部材が上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤで連結され、
上記終端部材から導出される第1のワイヤのワイヤ端部及び第2のワイヤのワイヤ端部が上記駆動手段に連結され、該駆動手段は、上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤの一方を送り出すとともに他方を引っ張ることを特徴とする手指機構。 - 上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤは、先端部材の固定位置で折り返され、上記駆動手段には、上記第1のワイヤの両端部と上記第2のワイヤの両端部とが連結されることを特徴とする請求項10記載の手指機構。
- 上記先端部材の先端部に緩衝手段を備え、
上記緩衝手段は、上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤを固定するワイヤ固定部を有し、
上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤは、上記緩衝手段に固定されていることを特徴とする請求項10記載の手指機構。 - 上記駆動手段は、回転中心からの長さが異なるアームを有し、該アーム長によって、上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤの送り出しの長さ及び引き戻しの長さが調整されることを特徴とする請求項10記載の手指機構。
- 上記駆動手段は、径の異なるプーリを有し、該径長により巻き取られるワイヤ長を変えて、上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤの送り出しの長さ及び引き戻しの長さが調整されることを特徴とする請求項10記載の手指機構。
- 上記第1の球状部材は、上記第1のワイヤが案内される第1のガイド溝及び上記第2のワイヤが案内される第2のガイド溝を有し、
上記第2の球状部材は、上記第1のワイヤが案内される第1のガイド溝及び上記第2のワイヤが案内される第2のガイド溝を有し、
上記先端部材は、上記第1のワイヤが固定される第1のワイヤ固定部と、上記第2のワイヤが固定される第2のワイヤ固定部と、この先端部材の中心軸に垂直に形成された端面を外縁とする凹部であって上記第1の球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された先端部材凹部と、この端面を中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる先端部材傾斜面と、内部に設けられ上記第1のワイヤを導通する第1の先端部ワイヤ孔及び第2のワイヤを導通する第2の先端部ワイヤ孔とを有し、
上記連結部材は、一方の端部に、この連結部材の中心軸に垂直に形成された第1の端面を外縁とする凹部であって上記第1の球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された第1の連結部材凹部と、上記第1の端面をこの連結部材の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる第1の連結部材傾斜面とを有し、他方の端部に、この連結部材の中心軸に垂直に形成された第2の端面を外縁とする凹部であって上記第2の球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された第2の連結部材凹部と、この連結部材本体に対して上記第1の連結部材傾斜面と同一側にあって第2の端面をこの連結部材の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる第2の連結部材傾斜面とを有し、内部に設けられ上記第1のワイヤを導通する第1の連結部ワイヤ孔及び第2のワイヤを導通する第2の連結部ワイヤ孔を有し、
上記終端部材は、この終端部材の中心軸に垂直に形成された端面を外縁とする凹部であって上記第2の球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された終端部材凹部と、上記端面をこの終端部材の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる終端部材傾斜面と、内部に設けられ上記第1のワイヤを導通する第1の終端部ワイヤ孔及び第2ワイヤを導通する第2の終端部ワイヤ孔とを有し、
上記先端部材の先端部材凹部を上記第1の球状部材に摺接させ、上記連結部材の第1の連結部材凹部を上記第1の球状部材に摺接させて上記第1の球状部材を上記先端部材凹部と上記第1の連結部材凹部とで摺動自在に挟持し、
上記連結部材の第2の連結部材凹部を上記第2の球状部材に摺接させ、上記終端部材の終端部材凹部を上記第2の球状部材に摺接させて上記第2の球状部材を上記第2の連結部材凹部と上記終端部材凹部とで摺動自在に挟持し、
上記先端部材の第1のワイヤ固定部から第1の先端部ワイヤ孔を導通して延長された第1のワイヤを上記第1の球状部材の第1のガイド溝に案内し、上記第2のワイヤ固定部から第2の先端部ワイヤ孔を導通して延長された第2のワイヤを上記第1の球状部材の第2のガイド溝に案内し、上記第1のワイヤを上記第1の連結部ワイヤ孔に導通して上記第2の球状部材の第1のガイド溝に案内し、上記第2のワイヤを上記第2の連結部ワイヤ孔に導通して上記第2の球状部材の第2のガイド溝に案内して、上記先端部材と上記連結部材と上記終端部材の各中心軸と、上記先端部材傾斜面と上記第1及び第2の連結部材傾斜面と上記終端部材傾斜面との位置が一致するように各部材を連結し、上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤを上記駆動手段に連結し、
上記駆動手段が上記中心軸に平行に上記第1のワイヤ又は第2のワイヤの何れかを送り出すとともに他方を引っ張るとき、上記先端部材及び上記連結部材が上記終端部材に対して引っ張られるワイヤ側に曲折し、上記各部材が中心軸に沿って鉛直に連結された状態から上記先端部材傾斜面と上記連結部材傾斜面、及び/又は上記連結部斜面と上記終端部斜面とが互いに当接するまでの範囲を可動範囲とすることを特徴とする請求項10記載の手指機構。 - 上記球状部材は、上記第1のガイド溝と平行な第3のガイド溝と上記第2のガイド溝と平行な第4のガイド溝とを有し、
上記先端部材の第1のワイヤ固定部及び上記第2のワイヤ固定部は、並列した2つのワイヤ孔として設けられ、
上記先端部材は、上記第1の先端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第3の先端部ワイヤ孔と上記第2の先端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第4の先端部ワイヤ孔とを有し、
上記連結部材は、上記第1の連結部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第3の連結部ワイヤ孔と上記第2の連結部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第4の連結部ワイヤ孔とを有し、
上記終端部材は、上記第1の終端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第3の終端部ワイヤ孔と上記第2の終端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第4の終端部ワイヤ孔とを有し、
上記第1のワイヤは、上記第1の終端部ワイヤ孔に導通され、第2の球状部材の第1のガイド溝に案内されて上記第1の連結部ワイヤ孔に導通され、上記第1の球状部材の第1のガイド溝を案内された後、上記第1の先端部ワイヤ孔に導通されて上記第1の固定部の一方のワイヤ孔から導出されて折り返され、他方のワイヤ孔から挿入され、上記第3の先端部ワイヤ孔に導通されて上記第1の球状部材の第3のガイド溝に案内され、上記第3の連結部ワイヤ孔に導通されて上記第2の球状部材の第3のガイド溝の案内され、上記第3の終端部ワイヤ孔から導出されており、
上記第2のワイヤは、上記第2の終端部ワイヤ孔に導通され、第2の球状部材の第2のガイド溝に案内されて上記第2の連結部ワイヤ孔に導通され、上記第1の球状部材の第2のガイド溝を案内された後、上記第2の先端部ワイヤ孔に導通されて上記第2の固定部の一方のワイヤ孔から導出されて折り返され、他方のワイヤ孔から挿入され、上記第4の先端部ワイヤ孔に導通されて上記第1の球状部材の第4のガイド溝に案内され、上記第4の連結部ワイヤ孔に導通されて上記第2の球状部材の第4のガイド溝の案内され、上記第4の終端部ワイヤ孔から導出されており、
上記駆動手段には、上記第1の固定部のワイヤ孔で絡げ折り返された第1のワイヤの2つのワイヤ端部と、上記第2の固定部のワイヤ孔で絡げ折り返された第2のワイヤの2つのワイヤ端部とが連結されていることを特徴とする請求項15記載の手指機構。 - 上記先端部材傾斜面、上記第1の連結部材傾斜面、上記第2の連結部材傾斜面及び上記終端部材傾斜面の端面に対する角度を変更し、上記先端部材の連結部材に対する可動範囲、及び/又は上記連結部材の上記終端部材に対する可動範囲を調整することを特徴とする請求項15記載の手指機構。
- 第1のワイヤと、第2のワイヤと、第1の球状部材と、第2の球状部材と、先端部材と、連結部材と、終端部材とを備え、上記先端部材と上記終端部材との間に球状部材と連結部材とがこの順番に交互に配置され、各部材が上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤで連結された手指機構を複数有し、
上記終端部材から導出される第1のワイヤのワイヤ端部及び第2のワイヤのワイヤ端部が連結され、一方を送り出すとともに他方を引っ張る駆動手段を備えることを特徴とするロボットハンド。 - 上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤは、上記先端部材の固定位置で折り返され、上記駆動手段には、上記第1のワイヤの両端部と上記第2のワイヤの両端部とが連結されることを特徴とする請求項18記載のロボットハンド。
- 上記手指機構は、
上記先端部材の先端部に緩衝手段を備え、
上記緩衝手段は、上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤを固定するワイヤ固定部を有し、
上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤは、上記緩衝手段に固定されていることを特徴とする請求項18記載のロボットハンド。 - 上記駆動手段は、回転中心からの長さが異なるアームを有し、該アーム長によって、上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤの送り出しの長さ及び引き戻しの長さが調整されることを特徴とする請求項18記載のロボットハンド。
- 上記駆動手段は、径の異なるプーリを有し、該径長により巻き取られるワイヤ長を変えて、上記第1のワイヤ及び上記第2のワイヤの送り出しの長さ及び引き戻しの長さが調整されることを特徴とする請求項18記載のロボットハンド。
- 上記第1の球状部材は、上記第1のワイヤが案内される第1のガイド溝及び上記第2のワイヤが案内される第2のガイド溝を有し、
上記第2の球状部材は、上記第1のワイヤが案内される第1のガイド溝及び上記第2のワイヤが案内される第2のガイド溝を有し、
上記先端部材は、上記第1のワイヤが固定される第1のワイヤ固定部と、上記第2のワイヤが固定される第2のワイヤ固定部と、この先端部材の中心軸に垂直に形成された端面を外縁とする凹部であって上記第1の球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された先端部材凹部と、この端面を中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる先端部材傾斜面と、内部に設けられ上記第1のワイヤを導通する第1の先端部ワイヤ孔及び第2のワイヤを導通する第2の先端部ワイヤ孔とを有し、
上記連結部材は、一方の端部に、この連結部材の中心軸に垂直に形成された第1の端面を外縁とする凹部であって上記第1の球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された第1の連結部材凹部と、上記第1の端面をこの連結部材の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる第1の連結部材傾斜面とを有し、他方の端部に、この連結部材の中心軸に垂直に形成された第2の端面を外縁とする凹部であって上記第2の球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された第2の連結部材凹部と、この連結部材本体に対して上記第1の連結部材傾斜面と同一側にあって第2の端面をこの連結部材の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる第2の連結部材傾斜面とを有し、内部に設けられ上記第1のワイヤを導通する第1の連結部ワイヤ孔及び第2のワイヤを導通する第2の連結部ワイヤ孔を有し、
上記終端部材は、この終端部材の中心軸に垂直に形成された端面を外縁とする凹部であって上記第2の球状部材の表面曲率と略同率に湾曲された終端部材凹部と、上記端面をこの終端部材の中心軸に対して所定角度で斜めに切り欠いてできる終端部材傾斜面と、内部に設けられ上記第1のワイヤを導通する第1の終端部ワイヤ孔及び第2ワイヤを導通する第2の終端部ワイヤ孔とを有し、
上記先端部材の先端部材凹部を上記第1の球状部材に摺接させ、上記連結部材の第1の連結部材凹部を上記第1の球状部材に摺接させて上記第1の球状部材を上記先端部材凹部と上記第1の連結部材凹部とで摺動自在に挟持し、
上記連結部材の第2の連結部材凹部を上記第2の球状部材に摺接させ、上記終端部材の終端部材凹部を上記第2の球状部材に摺接させて上記第2の球状部材を上記第2の連結部材凹部と上記終端部材凹部とで摺動自在に挟持し、
上記先端部材の第1のワイヤ固定部から第1の先端部ワイヤ孔を導通して延長された第1のワイヤを上記第1の球状部材の第1のガイド溝に案内し、上記第2のワイヤ固定部から第2の先端部ワイヤ孔を導通して延長された第2のワイヤを上記第1の球状部材の第2のガイド溝に案内し、上記第1のワイヤを上記第1の連結部ワイヤ孔に導通して上記第2の球状部材の第1のガイド溝に案内し、上記第2のワイヤを上記第2の連結部ワイヤ孔に導通して上記第2の球状部材の第2のガイド溝に案内して、上記先端部材と上記連結部材と上記終端部材の各中心軸と、上記先端部材傾斜面と上記第1及び第2の連結部材傾斜面と上記終端部材傾斜面との位置が一致するように各部材を連結し、
上記中心軸に平行に上記第1のワイヤ又は第2のワイヤの何れかが巻き取られると同時に他方のワイヤが送り出されるとき、上記先端部材及び上記連結部材が上記終端部材に対して引っ張られるワイヤ側に曲折し、上記各部材が中心軸に沿って鉛直に連結された状態から上記先端部材傾斜面と上記連結部材傾斜面、及び/又は上記連結部斜面と上記終端部斜面とが互いに当接するまでの範囲を可動範囲とする手指機構を複数有し、
上記各手指機構の上記第1のワイヤ及び第2のワイヤの何れかを送り出すとともに他方を引っ張る駆動手段を備えることを特徴とする請求項18記載のロボットハンド。 - 上記手指機構の各々において、
上記球状部材は、上記第1のガイド溝と平行な第3のガイド溝と上記第2のガイド溝と平行な第4のガイド溝とを有し、
上記先端部材の第1のワイヤ固定部及び上記第2のワイヤ固定部は、並列した2つのワイヤ孔として設けられ、
上記先端部材は、上記第1の先端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第3の先端部ワイヤ孔と上記第2の先端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第4の先端部ワイヤ孔とを有し、
上記連結部材は、上記第1の連結部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第3の連結部ワイヤ孔と上記第2の連結部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第4の連結部ワイヤ孔とを有し、
上記終端部材は、上記第1の終端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第3の終端部ワイヤ孔と上記第2の終端部ワイヤ孔と平行に内部を貫通した第4の終端部ワイヤ孔とを有し、
上記第1のワイヤは、上記第1の終端部ワイヤ孔に導通され、第2の球状部材の第1のガイド溝に案内されて上記第1の連結部ワイヤ孔に導通され、上記第1の球状部材の第1のガイド溝を案内された後、上記第1の先端部ワイヤ孔に導通されて上記第1の固定部の一方のワイヤ孔から導出されて折り返され、他方のワイヤ孔から挿入され、上記第3の先端部ワイヤ孔に導通されて上記第1の球状部材の第3のガイド溝に案内され、上記第3の連結部ワイヤ孔に導通されて上記第2の球状部材の第3のガイド溝の案内され、上記第3の終端部ワイヤ孔から導出されており、
上記第2のワイヤは、上記第2の終端部ワイヤ孔に導通され、第2の球状部材の第2のガイド溝に案内されて上記第2の連結部ワイヤ孔に導通され、上記第1の球状部材の第2のガイド溝を案内された後、上記第2の先端部ワイヤ孔に導通されて上記第2の固定部の一方のワイヤ孔から導出されて折り返され、他方のワイヤ孔から挿入され、上記第4の先端部ワイヤ孔に導通されて上記第1の球状部材の第4のガイド溝に案内され、上記第4の連結部ワイヤ孔に導通されて上記第2の球状部材の第4のガイド溝の案内され、上記第4の終端部ワイヤ孔から導出されており、
上記駆動手段には、上記第1の固定部のワイヤ孔で絡げ折り返された第1のワイヤの2つのワイヤ端部と、上記第2の固定部のワイヤ孔で絡げ折り返された第2のワイヤの2つのワイヤ端部とが連結されていることを特徴とする請求項23記載のロボットハンド。 - 上記先端部材傾斜面、上記第1の連結部材傾斜面、上記第2の連結部材傾斜面及び上記終端部材傾斜面の端面に対する角度を変更し、上記先端部材の連結部材に対する可動範囲、及び/又は上記連結部材の上記終端部材に対する可動範囲を調整することを特徴とする請求項23記載のロボットハンド。
- 上記手指機構毎に駆動手段が設けられていることを特徴とする請求項18記載のロボットハンド。
- 上記駆動手段は、1つであり、
上記複数の手指機構のうち、第1の手指機構と第2の手指機構の該第1の手指機構の第2のワイヤと該第2の手指機構の第1のワイヤが連結され、上記第2の手指機構の第2のワイヤと第3の手指機構の第1のワイヤとが連結され、隣り合って設けられた各手指機構の第1のワイヤと第2のワイヤとが全体として環状になるように連結されており、
該駆動手段は、環状ワイヤの一部を送り出す又は引き戻すことを特徴とする請求項18記載のロボットハンド。
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