JP2021062385A - タンディッシュ内溶鋼のシール方法 - Google Patents
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Rは、前記シール空間の上端の直径(m)又は前記シール空間の上端の等面積円相当径(m)であり、
hは、前記シール空間の上端の高さから前記ガス吐出孔までの鉛直方向距離(m)であり、
Vは、前記シール空間の体積(m3)である。
本発明者らの研究から、「大気巻き込み」に影響する4つのパラメータがあることがわかった。この4つのパラメータを変えることにより、タンディッシュ内に巻き込まれる大気の量(以下、「大気巻き込み性」と称する)が変化することがわかった。
また、この4つのパラメータを用いて得られた「巻き込み指数A」によって、「大気巻き込み性」を評価できることがわかった。この「巻き込み指数A」を用いることにより、非定常時のタンディッシュ内の溶鋼の酸化を抑制できるという知見が得られた。
以下、上記知見を得るために行った実験について説明する。
1)ケース1
図1及び図2に、ケース1のシール部材30及びタンディッシュ1を示している。ケース1では、シール部材30として、シールパイプ21及び耐火シール材23、24、25を用いた。
・R(以下、「シール空間開口部内径R」と称する。)は、シール空間A1の上端の直径(m)又はシール空間A1の上端の等面積円相当径(m)である。
シール空間A1の上端は、円形でもよく、円形でなくてもよい。
シール空間A1の上端が円形である場合、シール空間開口部内径Rはシール空間A1の上端の直径(m)である。
シール空間A1の上端が円形でない場合、シール空間開口部内径Rはシール空間A1の上端の等面積円相当径(m)である。
シール空間開口部内径Rは、シール部材30の上端の開口30aの直径(m)又はシール部材30の上端の開口30aの等面積円相当径(m)でもある。シール部材30の上端は、3つの耐火シール材23、24、25のうち最上段の耐火シール材25の上端である。
・h(以下、「ガス吐出孔深さh」と称する。)は、シール空間A1の上端の高さからガス吐出孔41aまでの鉛直方向距離(m)である。シール空間A1の上端の高さは、シール部材30の上端と同じ高さである。
・Tは、シール空間A1の上端からタンディッシュ1内の溶鋼浴面Msまでの鉛直方向距離(m)である。
・Uは、シール空間A1の上端の高さからシール部材30の下端の高さまでの鉛直方向距離(m)である。シール部材30の下端は、シールパイプ21の下端である。
耐火シール材23、24、25が同じ構成である場合、耐火シール材23の厚さはiであり、耐火シール材24の厚さはiである。
・Iは、耐火シール材23、24、25の合計厚さ(m)である。耐火シール材23、24、25が同じ構成である場合、I=3iである。
耐火シール材の数を増減させることにより、Iを変えることができる。Iが変わることにより、T及びUが変わる。
V=π(R/2)2×T
ここで、πは円周率であり、
Rは、シール部材30の上端の開口30aの直径(m)である。
シール空間A1が円柱状でないとき、例えば、シール空間A1の上端が円形でないとき、「シール空間A1」の体積Vを以下の式から算出してもよい。
V=π(R/2)2×T
ここで、Rは、シール空間A1の上端の等面積円相当径(m)である。
図3及び図4に、ケース2のシール部材130及びタンディッシュ1を示している。ケース2では、シール部材130として、シールボックス121及び耐火シール材23、24、25を用いた。
・シール空間開口部内径Rは、シール空間A2の上端の直径(m)又はシール空間A2の上端の等面積円相当径(m)である。
シール空間A2の上端は、円形でもよく、円形でなくてもよい。
シール空間A2の上端が円形である場合、シール空間開口部内径Rはシール空間A2の上端の直径(m)である。
シール空間A2の上端が円形でない場合、シール空間開口部内径Rはシール空間A2の上端の等面積円相当径(m)である。
シール空間開口部内径Rは、シール部材130の上端の開口130aの直径(m)又はシール部材130の上端の開口130aの等面積円相当径(m)でもある。シール部材130の上端は、3つの耐火シール材23、24、25のうち最上段の耐火シール材25の上端である。
・ガス吐出孔深さh(h11)は、シール空間A2の上端の高さからガス吐出孔141aまでの鉛直方向距離(m)である。シール空間A2の上端の高さは、シール部材130の上端の高さと同じ高さである。
・ガス吐出孔深さh(h12)は、シール空間A2の上端の高さからガス吐出孔142aまでの鉛直方向距離(m)である。
・r(r12)は、ガス吐出孔142aの直径(m)である。
・Tは、シール空間A2の上端からタンディッシュ1内の溶鋼浴面Msまでの鉛直方向距離(m)である。
V=耐火シール材23、24、25に囲まれた空間の体積(m3)
+シールボックス121に囲まれた空間の体積(m3)
+タンディッシュ1内の溶鋼が存在しない空間の体積(m3)
本発明者らは、シール部材の上端が開放されている時(非定常時)の「大気巻き込み」について研究した。その結果、下記4つのパラメータが「大気巻き込み」に影響することがわかった。
i)ガス流速v(m/sec)
ii)シール空間開口部内径R(m)
iii)ガス吐出孔深さh(m)
iv)シール空間の体積V(m3)
水モデル実験酸素濃度と実機のシール空間の酸素濃度(実機酸素濃度)は異なる。これは、以下の理由からである。
一方、水モデル実験では、溶鋼の代わりに水を用いるため、実機のようにタンディッシュ内の温度が高くならない。ここに不活性ガスを吹き込んだ場合、不活性ガスは膨張しない。そのため、水モデル実験では、実機の場合より、タンディッシュ内に大気が巻き込まれやすい。
上記より、水モデル実験酸素濃度は、実機酸素濃度より高い。そこで、水モデル実験酸素濃度から実機酸素濃度を推測し、実機酸素濃度の推測値(実機換算酸素濃度)を得ることとした。
上述した表1の水モデル実験と同じ方法で水モデル実験を実施し、シール空間の酸素濃度を測定した。
当業者の常法通りに、転炉を用いた一次精錬、及び、取鍋精錬炉(LF)を用いた二次精錬を実施した。その後、ブルーム連続鋳造機にて、当業者の常法通りに高炭素鋼を鋳造した。鋳造中、シール空間の上端が開放された時(非定常時)、シール空間の酸素濃度の推移を測定した。酸素濃度の測定は、シール部材の上端の高さから200mm下の位置で行った。酸素濃度は増加していき、ある酸素濃度に到達すると、酸素濃度は殆ど変化しない。表2には、変化しなくなった酸素濃度を示している。また、非定常時はタンディッシュに溶鋼が供給されないため、鋳造を進めるにつれて溶鋼浴面が低下する。これによりシール空間の体積Vが増加していく。表2には、シール空間の上端を開放した瞬間の体積(非定常状態開始時)を示している。シール空間の上端を開放した瞬間の体積は、非定常時においてシール空間の体積が最も小さいときの体積である。
Cy=0.0061Cx2−0.0089Cx・・・(a)
ここで、Cxは水モデル実験酸素濃度(%)であり、
Cyは実機酸素濃度(%)である。
上記近似式(a)により、水モデル実験酸素濃度から実機酸素濃度を推測することができる。
上述した大気巻き込み性に影響する4つのパラメータ(ガス流速v、ガス吐出孔深さh、シール空間体積V、シール空間開口部内径R(表1参照))は、大気巻き込み性に以下のような影響を与える。
・ガス流速vが速いほど、不活性ガス流の周囲の大気がタンディッシュ内に巻き込まれやすい。
・シール空間開口部内径Rが大きいほど、タンディッシュ内に大気が巻き込まれやすい。
・ガス吐出孔深さhが深いほど、ガス吐出流がシール空間の上端の開口から遠ざかるため、タンディッシュ内に大気が巻き込まれにくい。
・シール空間体積Vが大きいほど、タンディッシュ内に巻き込まれた大気の影響が小さい。
Cy=0.0373A−0.0806 ・・・(2)
上記より、非定常時、タンディッシュ内酸素濃度が0.5%未満であれば、タンディッシュ内の酸化が抑制されると考えられる。
直線βは、下記(3)式によって示される。
Cy=0.0373A+0.2060 ・・・(3)
2 タンディッシュ本体
3 タンディッシュ蓋
10 注入室
21 シールパイプ
21a 筒部
21b フランジ
23、24、25 耐火シール材
30、130 シール部材
30a、130a 開口
41、141、142 ガス吐出管
41a、141a、142a 開口(ガス吐出孔)
121 シールボックス
A1、A2 シール空間
Ms 溶鋼浴面
Claims (1)
- タンディッシュ内の溶鋼をシールする方法であり、
取鍋からタンディッシュへ注入される溶鋼の周囲にシール部材が配置され、
前記シール部材の上端が開放されている時、前記シール部材の上端の開口からタンディッシュ内溶鋼浴面までのシール部材及び/又はタンディッシュに囲まれたシール空間に、前記シール空間に配置されたガス吐出孔から不活性ガスを20(Nm3/hr)以上の流量で吹き込むとともに、下記(1)式で示される巻き込み指数Aを15.56未満とすることを特徴とするタンディッシュ内溶鋼のシール方法。
Rは、前記シール空間の上端の直径(m)又は前記シール空間の上端の等面積円相当径(m)であり、
hは、前記シール空間の上端の高さから前記ガス吐出孔までの鉛直方向距離(m)であり、
Vは、前記シール空間の体積(m3)である。
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