JP2021062162A - 走査型眼底撮影装置 - Google Patents

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Takayoshi Suzuki
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理 遠藤
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Abstract

【課題】走査光学系における眼底面収差及び瞳面収差の改善された走査型眼底撮影装置を提供する。【解決手段】走査型眼底撮影装置100は、走査光学系2を用いて第1光源10からの光を走査して被検眼50の眼底50bに投光し、眼底50bからの反射光を受光して眼底50bを撮影する。走査光学系2が、第1光源10からの光を第1方向に走査する第1走査部20と、第1走査部20で走査された光を第1方向と交差する第2方向に走査する第2走査部23と、第1走査部20と第2走査部23との間に配置された走査リレーレンズ部21、22と、を備える。第1走査部20及び第2走査部23が瞳共役面に配置されており、走査リレーレンズ部21、22が、その中間部に眼底共役面24を持つとともに該眼底共役面24を挟んで二つのレンズ群21、22を有し、二つのレンズ群21、22のそれぞれが色収差及び球面収差を補正する。【選択図】図3

Description

本発明は、光を二次元走査して眼底に投光し、眼底からの反射光を受光して眼底を撮影する走査型眼底撮影装置に関する。
レーザー光を水平方向と垂直方向に二次元走査し、その二次元走査されたレーザー光で眼底を照明し、眼底からの反射光を受光して眼底を撮影する走査型眼底撮影装置が知られている。
眼底の広範囲を撮影するために、光学系の構成を改善して、走査角度を広くした走査型眼底撮影装置を実現する様々な提案が従来よりなされている。例えば特許文献1には、一方向(水平方向)にレーザー光を高速走査する第1走査デバイスとそれと直交する方向(垂直方向)にレーザー光を低速走査する第2走査デバイスでレーザー光を2次元走査し、2次元走査されたレーザー光を広角の凹面鏡で反射させて眼底に投光する構成を備えた眼底撮影装置が開示されている。
特許第3490088号公報
ところで、走査型眼底撮影装置においては、走査光学系(における走査リレーレンズ部や対物レンズ部)で発生する眼底面収差が悪ければ撮影画像の解像度が悪くなり、瞳面収差が悪ければ撮影画像の明るさが足りなくなるおそれがあるため、走査光学系での眼底面収差や瞳面収差を改善する収差補正が必要となってくる。しかしながら、一般にレンズの収差補正は、軸上光線は容易であり、軸外光線ほど難しくなるため、走査光線が光軸から離れた場所を通過する走査角度の広い走査型眼底撮影装置においては収差補正が難しいという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、走査光学系における眼底面収差及び瞳面収差の改善された走査型眼底撮影装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、走査光学系を用いて第1光源からの光を走査して被検眼の眼底に投光し、前記眼底からの反射光を受光して前記眼底を撮影する走査型眼底撮影装置であって、前記走査光学系が、前記第1光源からの光を第1方向に走査する第1走査部と、前記第1走査部で走査された光を前記第1方向と交差する第2方向に走査する第2走査部と、前記第1走査部と前記第2走査部との間に配置された走査リレーレンズ部と、を備え、前記第1走査部及び前記第2走査部が瞳共役面に配置されており、前記走査リレーレンズ部が、その中間部に眼底共役面を持つとともに該眼底共役面を挟んで二つのレンズ群を有し、前記二つのレンズ群のそれぞれが色収差及び球面収差を補正することを特徴とする走査型眼底撮影装置を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)によれば、眼底共役面が中間部に来るように二つのレンズ群を配置して走査リレーレンズ部を構成し、それぞれのレンズ群が色収差及び球面収差を補正するように構成することにより、走査光学系における眼底面収差及び瞳面収差の改善された走査型眼底撮影装置を提供することができる。
上記発明(発明1)においては、前記二つのレンズ群が前記眼底共役面からみて同じレンズであることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)においては、前記二つのレンズ群のそれぞれが接合レンズを含むことが好ましい(発明3)。
前記走査リレーレンズ部で発生する眼底面収差と瞳面収差には色収差成分が多く含まれている。色収差はレンズの屈折率が波長によって異なることで生じるが、この色収差を補正するには、屈折率の波長依存性の異なる性質を持つ二つの硝材を貼り合わせてなる接合レンズを用いることが効果的である。この点、上記発明(発明3)によれば、眼底共役面が中間部に来るように同じ形状を持つ二つのレンズ群を配置して走査リレーレンズ部を構成し、それぞれのレンズ群が接合レンズを含むように構成することにより、走査光学系における眼底面色収差の改善された走査型眼底撮影装置を提供することができる。
上記発明(発明3)においては、前記二つのレンズ群のそれぞれにおいて、前記瞳共役面に最も近い位置に前記接合レンズが配置されていることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明1〜4)においては、前記二つのレンズ群のそれぞれが非球面レンズを含むことが好ましい(発明5)。
走査リレーレンズ部で発生する眼底面収差及び瞳面収差は、個々のレンズ面の屈折で生じる球面収差の積算の結果である。この点、上記発明(発明5)によれば、眼底共役面が中間部に来るように同じ形状を持つ二つのレンズ群を配置して走査リレーレンズ部を構成し、それぞれのレンズ群が非球面レンズを含むように構成することにより、少ないレンズ枚数で少ないレンズ面数の構成により球面レンズで発生する球面収差を補正する作用を持つ走査リレーレンズ部を実現することができ、その結果コストを抑えつつ透過率の高い、走査光学系における眼底面収差及び瞳面収差の改善された走査型眼底撮影装置を提供することができる。
上記発明(発明5)においては、前記二つのレンズ群のそれぞれにおいて、光線有効径が最も大きくなる位置に前記非球面レンズが配置されていることが好ましい(発明6)。
上記発明(発明1〜6)においては、前記二つのレンズ群が前記眼底共役面を挟んで対称に配置されていることが好ましい(発明7)。
上記発明(発明1〜7)においては、前記走査光学系が前記第2走査部の走査角に応じて点灯制御される内部固視灯用の第2光源を更に備え、前記第2光源が前記走査リレーレンズ部の前記眼底共役面の近傍かつ前記走査リレーレンズ部の光軸から外れた位置に配置されていることが好ましい(発明8)。
従来、被検眼の撮影部位を固定するための内部固視灯を走査型眼底撮影装置に設ける場合、撮影光学系とは別に内部固視灯のための光学系を設けていたため、装置全体の光学系が複雑な構成となってしまい、装置が大型化してしまうという問題があった。上記発明(発明8)によれば、撮影光学系の一部である走査リレーレンズ部の途中に内部固視灯用の第2光源を配置することにより、新たに内部固視灯のための光学系を設ける必要がなくなるため、装置全体の光学系の構成を単純化することができ、装置の小型化が可能となる。また、撮影動作を邪魔することなく被検者の固視を安定させることができる。
上記発明(発明1〜8)においては、前記走査光学系が前記第1走査部で走査された光のうち前記眼底の撮影範囲外の光を走査開始点の信号として検出するための光学素子を更に備え、前記光学素子が前記走査リレーレンズ部の中間部に配置されていることが好ましい(発明9)。
走査型眼底撮影装置においては、第1走査部の走査開始を検出し、その検出信号を使って眼底反射光の受光信号に基づき眼底像を構築する必要がある。このとき、第1走査部の走査開始点の検出には、第1走査部の走査光の一部を抜き取るミラーを第1走査部と走査リレーレンズ部との間に配置し、抜き出した走査光を受光素子で検出する方法が用いられる。当該ミラーは眼底撮影光束に空間的に干渉しないように配置する必要があるが、第1走査部と走査リレーレンズ部とが近い場合、ミラーを配置することが空間的に難しくなる。また、第1走査部が高速回転するため、光学調整作業に危険が伴うこともある。上記発明(発明9)によれば、走査リレーレンズ部の中間部、特に眼底共役面付近では眼底撮影光束が狭くなるため、眼底の撮影範囲外の光を検出するための光学素子を自由度高く配置することができ、また、走査リレーレンズ部の中間部は高速回転する第1走査部から空間的に十分離れているため、光学調整作業に危険を伴うこともなくなる。
本発明によれば、走査光学系における眼底面収差及び瞳面収差の改善された走査型眼底撮影装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る走査型眼底撮影装置の光学構成図である。 同第1実施形態に係る走査型眼底撮影装置の機能ブロック図である。 同第1実施形態に係る走査型眼底撮影装置の走査光学系の光学構成図である。 同第1実施形態における瞳面収差の改善状況を示す説明図である。 同第1実施形態における眼底面収差の改善状況を示す説明図である。 視度調整動作におけるピントと明るさの最良状態のずれについての説明図である。 視度調整動作におけるピントと明るさの最良状態のずれが解消された状態についての説明図である。 本発明の第2実施形態に係る走査型眼底撮影装置の走査光学系(走査光学系内に内部固視灯を配置)の光学構成図である。 同第2実施形態における内部固視灯用光源の点灯制御方法を示す説明図である。 同第2実施形態に係る走査型眼底撮影装置の走査光学系(走査光学系内に内部固視灯を配置)の変形例の光学構成図である。 本発明の第3実施形態に係る走査型眼底撮影装置の走査光学系(第1走査部の走査開始点を検出するための機構を配置)の光学構成図である。 同第3実施形態に係る走査型眼底撮影装置の走査光学系(第1走査部の走査開始点を検出するための機構を配置)の変形例の光学構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明される実施形態は例示であり、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
<第1実施形態>
走査型眼底撮影装置においては、走査光学系(における走査リレーレンズ部や対物レンズ部)で発生する眼底面収差が悪ければ撮影画像の解像度が悪くなり、瞳面収差が悪ければ走査光が虹彩でブロックされて眼底に到達しない光線が発生することで撮影画像の明るさが足りなくなるおそれがあるため、走査光学系での眼底面収差や瞳面収差を改善する収差補正が必要となってくる。しかしながら、一般にレンズの収差補正は、軸上光線は容易であり、軸外光線ほど難しくなるため、走査光線が光軸から離れた場所を通過する走査角度の広い走査型眼底撮影装置においては収差補正が難しいという問題がある。この問題を解決すべく、本実施形態に係る走査型眼底撮影装置では、眼底共役面が中間部に来るように同じ形状を持つ二つのレンズ群を配置して走査リレーレンズ部を構成し、それぞれのレンズ群が非球面レンズを含むように構成されることを特徴としている。
図1に示すように、本実施形態に係る走査型眼底撮影装置100では、レーザー光源10からのレーザー光は、集光レンズ11を通過して眼底共役面と共役な位置に配置された投光ピンホール12に入射する。集光レンズ11で絞られたレーザー光は投光系フォーカスレンズ(コリメートレンズ)13により平行光束にされ、光路分割ミラー(ロッドミラー)14に入射する。集光レンズ11、投光ピンホール12、投光系フォーカスレンズ13は、レーザー光源10から射出した光をスポット状の照明光として被検眼50の瞳50aを介して眼底50bに投光する投光光学系1を構成している。
光路分割ミラー14に入射したレーザー光はそこで反射されて測定対象となる被検眼50方向に方向を変え、第1走査デバイス20に入射されて横方向(水平方向)に高速走査される。高速に走査されたレーザー光は、第1走査リレーレンズ群21、第2走査リレーレンズ群22を介して第2走査デバイス23に入射され、第1走査デバイス20の走査方向と交差する方向、すなわち縦方向(垂直方向)に低速走査される。第1走査デバイス20は、例えばミラー面を6個有するポリゴンミラーで、紙面に垂直な回転軸を中心に回転してレーザー光を水平に走査する。一方、第2走査デバイス23は、例えば走査方向が第1走査デバイス20と90度異なるガルバノミラーで、レーザー光を垂直に走査する。第1走査デバイス20及び第2走査デバイス23の二つの走査デバイスで測定光を走査することにより、測定光は被検眼眼底を2次元的に走査することが可能となる。第1走査デバイス20、第1走査リレーレンズ群21、第2走査リレーレンズ群22、第2走査デバイス23は、走査光学系2を構成している。第1走査デバイス20、第2走査デバイス23は反射ミラーであるため、反射後の光線は折り返して描くべきであるが、図1では透過光線として描いている。これは反射光線の形で描くことで、光線図が複雑になることを避けるためである。
走査光学系2で水平、垂直方向に走査されたレーザー光は、第1対物レンズ群30と第2対物レンズ群31で構成された対物レンズ光学系3に入射する。第1走査デバイス20及び第2走査デバイス23で2次元的に走査されたレーザー光は、照明走査光として対物レンズ光学系3を経て被検眼50の瞳50aに入射し眼底50bに投影される。眼底50bはレーザー光で水平方向と垂直方向にラスタスキャンされ、走査領域内の眼底50bがレーザー光により照明される。
眼底50bに投影されたレーザー光は眼底50bで反射され、その反射光は、同じ光路を逆方向に進み、対物レンズ光学系3を通過する。対物レンズ光学系3は、その第1対物レンズ群30と第2対物レンズ群31間に、眼底共役面32が存在するように、構成されており、当該眼底共役面32に、眼底像が形成される。
対物レンズ光学系3を通過したレーザー光は、走査光学系2で垂直、水平方向に逆走査され、走査光学系2に入射する前の光線より太い光束を持つ光線となって光路分割ミラー14に入射する。光路分割ミラー14は、中心が光軸に一致して配置され、ミラー外部からの反射光を受光光学系4に通すので、光路を投光光路と受光光路に分割する。一方、光路分割ミラー14より被検眼側の光路は投光光学系1並びに受光光学系4に対して共通な光路となっている。
受光光学系4は、受光系フォーカスレンズ40、遮光部材41、受光ピンホール42、受光素子43から構成され、光路分割ミラー14を通過した眼底50bからの反射光は、受光系フォーカスレンズ40、受光ピンホール42を通過して、受光素子43で受光される。受光ピンホール42は、眼底50bと共役な位置近傍に配置され、遮光部材41は、被検眼の前眼部50a、例えば瞳あるいは水晶体と共役な位置近傍に配置され、対物レンズ光学系3のレンズ面からの有害反射光を遮光して中心スポット像(偽像)の発生を回避する。
受光素子43は、例えばフォトダイオードで構成され、ラスタスキャンされた眼底50bの各点の反射光の輝度情報を画像処理部44に送る。画像処理部44は、眼底50bの走査位置とその反射光の輝度情報から眼底像を構築する。このように構築された眼底像は、図示されていないが、記憶装置に格納されたり、ディスプレイに表示されたり、あるいはプリンターにより印刷される。
ここで、カラー眼底画像を撮影するために、実際にはレーザー光源10は赤色光を発する赤色レーザー光源、緑色光を発する緑色レーザー光源、青色光を発する青色レーザー光源及び近赤外光を発する近赤外レーザー光源の四つの光源で構成され、受光素子43はそれに応じて赤色光を受光する受光素子、緑色光を受光する受光素子、青色光を受光する受光素子及び近赤外光を受光する受光素子の四つの受光素子で構成されるが、図1には図示しておらず、本実施形態ではその説明を省略する。なお、近赤外光は後述する連続撮影モードで用いられ、可視光である赤色光、緑色光及び青色光は後述するカラー画像撮影モードで用いられる。
図2は本実施形態に係る走査型眼底撮影装置100の内部構成を示すブロック図である。走査型眼底撮影装置100は、レーザー光源10の光量制御や投光系フォーカスレンズ13のフォーカス制御等を行う投光部200と、第1走査デバイス20及び第2走査デバイス23の駆動制御等を行う走査部300と、受光系フォーカスレンズ40のフォーカス制御等を行う受光部400と、画像処理部44を制御して眼底画像の生成等を行う画像取り込み部500と、前眼部照明(不図示)や後述する内部固視灯の点灯制御等を行う照明部600と、各部を制御する制御部700と、タッチパネル等によって各種情報入力が可能な入力部800とを備えており、各部間には制御信号又はデータ信号を伝送するためにバスが設けられている。また、制御部700には、撮影した眼底画像等を取り込み、表示・記憶等が可能な外部端末900が接続されている。制御部700によって各部を介して走査型眼底撮影装置100の各種制御が行われる。
図3は走査型眼底撮影装置100の走査光学系2の詳細を示す光学構成図である。走査光学系2において、第1走査デバイス20と第2走査デバイス23とはいずれも被検眼の前眼部50a、例えば瞳あるいは水晶体と共役な位置、すなわち瞳共役面に配置されている。また、第1走査リレーレンズ群21及び第2走査リレーレンズ群22は第1走査デバイス20と第2走査デバイス23との間に配置されており、第1走査リレーレンズ群21と第2走査リレーレンズ群22との中間部に眼底共役面24が存在するように構成されている。第1走査リレーレンズ群21と第2走査リレーレンズ群22とが同じ形状を持ち、眼底共役面24を挟んで対称に配置されている。
第1走査リレーレンズ群21は非球面レンズ21aと接合レンズ21bとを備える。光線有効径が最も大きくなる位置に非球面レンズ21aを配置することが球面収差補正に対して最も効果的であるため、図3においては、非球面レンズ21aが眼底共役面24に最も近い位置(第2走査リレーレンズ群22側)に、接合レンズ21bが瞳共役面に最も近い位置(第1走査デバイス20側)に配置されている。また、第2走査リレーレンズ群22も非球面レンズ22aと接合レンズ22bとを備え、非球面レンズ22aが眼底共役面24に最も近い位置(第1走査リレーレンズ群21側)に、接合レンズ22bが瞳共役面に最も近い位置(第2走査デバイス23側)に配置されている。
このように眼底共役面24が中間部に来るように同じ形状を持つ二つのレンズ群である第1走査リレーレンズ群21及び第2走査リレーレンズ群22を配置して走査リレーレンズ部を構成し、それぞれのレンズ群が非球面レンズ21a、22aを含むように構成することにより、走査リレーレンズ部で発生する球面収差を効率よく補正することが可能になり、少ないレンズ枚数で少ないレンズ面数の構成を備えた走査リレーレンズ部を実現することができ、その結果コストを抑えつつ透過率の高い、走査光学系2における眼底面収差及び瞳面収差の改善された走査型眼底撮影装置を提供することができる。また、それぞれのレンズ群が非球面レンズ21a、22aに加えて接合レンズ21b、22bを含むように構成することにより、走査リレーレンズ部で発生する色収差を効率よく補正することが可能になり、走査光学系2における眼底面色収差の改善された走査型眼底撮影装置を提供することができる。前述の接合レンズ21b、22bは、効率よく色収差を補正するために、屈折率の波長依存性の異なる性質を持つ二つの硝材を貼り合わせた構造としている。
なお、第1走査リレーレンズ群21及び第2走査リレーレンズ群22は、全体として色収差及び球面収差を補正可能な構成であればよい。つまり、第1走査リレーレンズ群21、第2走査リレーレンズ群22のそれぞれで、色収差及び球面収差の両方を補正してもよい。上記構成はその一例であり、その意味において第1走査リレーレンズ群21と第2走査リレーレンズ群22とが同じ形状である必要はなく、眼底共役面24からみて実質的に同じ特性を持つレンズであればよい。また、第1走査リレーレンズ群21、第2走査リレーレンズ群22のいずれか一方で主に色収差を補正し、もう一方で主に球面収差を補正可能に構成してもよい。この場合、通常、第1走査リレーレンズ群21と第2走査リレーレンズ群22とは形状も含めて異なる特性を持つこともある。
第1走査デバイス20は、第1走査デバイス20及び制御部700に接続された駆動手段(不図示)によって回転駆動されることにより、レーザー光が横方向(水平方向)に高速走査されて第1走査リレーレンズ群21に入射される。第1走査デバイス20は、例えば1秒間に6600回の連続走査を行うように駆動手段によって駆動される。
第2走査デバイス23は、第2走査デバイス23及び制御部700に接続された駆動手段(不図示)によって往復駆動されることにより、レーザー光が縦方向(垂直方向)に低速走査されて対物レンズ光学系3に入射される。第2走査デバイス23は、例えば連続撮影モードでは1秒間に15回の走査を行い、眼底画像撮影モードでは0.5秒間に1回の走査を行うように駆動手段によって駆動される。
続いて、本実施形態に係る走査型眼底撮影装置100を用いて眼底画像を得る方法について説明する。本実施形態に係る走査型眼底撮影装置100は、制御部700によって、近赤外光によって眼底画像を撮影する連続撮影モードと、可視光である赤色光、緑色光及び青色光によってカラーの眼底画像を撮影する眼底画像撮影モードとを切り替え可能に構成されている。
連続撮影モードでは、第1走査デバイス20及び第2走査デバイス23が連続走査している状態でレーザー光源10から近赤外光が照射され、近赤外の眼底観察画像が制御部700に接続された外部端末900にライブ表示される。この近赤外光による連続撮影モードを用いて眼底像のアライメント及びフォーカス調整を行う。
アライメント状態を確認した後、撮影ボタン(不図示)を押すことにより連続撮影モードから眼底画像撮影モードに切り替える。眼底画像撮影モードでは、赤色光、緑色光、青色光が同時に眼底50bに照明され、各色の眼底からの反射光を同時に受光して撮影し、得られた赤色撮影画像データ、緑色撮影画像データ、青色撮影画像データを画像合成することにより、カラーの眼底画像データが生成される。
具体的には、撮影ボタンが押されると、第2走査デバイス23の連続走査が一時的に停止し、第2走査デバイス23が撮影開始位置に移動する。そして、近赤外レーザー光源が消灯し、代わりに赤色レーザー光源、緑色レーザー光源、青色レーザー光源が同時に点灯し、第2走査デバイス23が再び動き始めてカラー眼底画像の撮影が開始される。カラー眼底画像の1回の撮影は、例えば0.5秒間の縦方向走査により3300×3300の画像データを赤色光、緑色光、青色光のそれぞれについて同時に取得する。得られた赤色眼底画像データ、緑色眼底画像データ、青色眼底画像データを合成し、ガンマ処理等を施してカラーの眼底画像データが生成される。
眼底画像の撮影が終了すると、赤色レーザー光源、緑色レーザー光源、青色レーザー光源が消灯し、赤外の眼底観察画像が外部端末900にライブ表示される状態に戻る。
本実施形態に係る走査光学系2の構成により、瞳面収差及び眼底面収差が改善されることを、図4及び図5を用いて説明する。図4は、当該走査リレーレンズ部による瞳面収差の改善状況を示す説明図であり、図5は、当該走査リレーレンズ部による眼底面収差の改善状況を示す説明図である。
具体的に説明すると、図4は、第1走査リレーレンズ群及び第2走査リレーレンズ群からなる走査リレーレンズ部のみを対象として、第1走査リレーレンズ群及び第2走査リレーレンズ群に非球面レンズも接合レンズも使用しない場合と、第1走査リレーレンズ群及び第2走査リレーレンズ群に非球面レンズ及び接合レンズを使用した場合それぞれの光学シミュレーションを行い、瞳共役面での横収差を評価した結果を比較したものである。
図4(a)は第1走査リレーレンズ群及び第2走査リレーレンズ群に非球面レンズも接合レンズも使用しない場合、(b)は第1走査リレーレンズ群及び第2走査リレーレンズ群に非球面レンズ及び接合レンズを使用した場合であり、第1走査デバイスの走査ミラー面を物点として、第1走査リレーレンズ群の有効径全体を通るように検査光を入射させ、瞳共役面(収差評価面)での横収差をグラフ化している。図4(a)及び(b)の右側の横収差図における縦軸の収差スケールは1mmであり、4本の線は上からそれぞれ入射する光線の波長を490nm、560nm、650nm、780nmとした場合の横収差を示している。
図4の評価結果によれば、色収差は(a)と(b)とで同レベルであるが、収差図はフラットであるほど収差が少ないことを示すので、横収差は(a)よりも(b)の方がよいことがわかる。つまり、第1走査リレーレンズ群及び第2走査リレーレンズ群に非球面レンズ及び接合レンズを使用した場合、第1走査リレーレンズ群及び第2走査リレーレンズ群に非球面レンズも接合レンズも使用しない場合よりも瞳面収差が改善していることになる。
また、図5は、第1走査リレーレンズ群及び第2走査リレーレンズ群からなる走査リレーレンズ部のみを対象として、第1走査リレーレンズ群及び第2走査リレーレンズ群に非球面レンズも接合レンズも使用しない場合と、第1走査リレーレンズ群及び第2走査リレーレンズ群に非球面レンズ及び接合レンズを使用した場合それぞれの光学シミュレーションを行い、眼底共役面での横収差を評価した結果を比較したものである。
図5(a)は第1走査リレーレンズ群及び第2走査リレーレンズ群に非球面レンズも接合レンズも使用しない場合、(b)は第1走査リレーレンズ群及び第2走査リレーレンズ群に非球面レンズ及び接合レンズを使用した場合であり、物点を無限遠として所定の光束径の平行光束を検査光として第1走査リレーレンズ群に入射させ、無収差の模擬眼の眼底面(収差評価面)に結像する光線の収差をグラフ化している。このとき、第1走査デバイスで走査して第1走査リレーレンズ群に入射するようにシミュレートすることにより、各走査角における眼底面収差を得ることができる。図5(a)及び(b)の右側の横収差図における縦軸の収差スケールは1mmであり、4本の線は上からそれぞれ入射する光線の波長を490nm、560nm、650nm、780nmとした場合の横収差を示している。また、図中の収差評価面におけるA点は走査角0度、B点は走査角11度、C点は走査角17度、D点は走査角22度の結像点であり、図5(a)及び(b)の右側には各点(走査角)における横収差図が示されている。
図5の評価結果によれば、色収差、横収差いずれも(a)よりも(b)の方がよいことがわかる。つまり、第1走査リレーレンズ群及び第2走査リレーレンズ群に非球面レンズ及び接合レンズを使用した場合、第1走査リレーレンズ群及び第2走査リレーレンズ群に非球面レンズも接合レンズも使用しない場合よりも眼底面収差が改善していることになる。
ここで、被検眼の視度調整操作を行うために、一般に走査型眼底撮影装置には視度調節機構が設けられる。本実施形態では、投光光学系1には投光系フォーカスレンズ13が、受光光学系4には受光系フォーカスレンズ40が視度調節のために設けられている。従来、投光光学系に設けられたフォーカスレンズと受光光学系に設けられたフォーカスレンズとは光軸に沿って連動して等量移動させているが、例えばそれぞれのフォーカスレンズの基準位置が最適でないケースも光学調整上発生する。理想的な視度調整状態は、全ての視度調整範囲において、ピントが最良でありかつ撮影画像の明るさも最良であることであるが、光学調整が最良でない場合には、ピントは最良であるが画像の明るさが最良ではない、という現象が発生してしまうという問題がある。
この問題を解決するために、本実施形態に係る走査型眼底撮影装置100では、投光光学系1が投光系フォーカスレンズ13(第1視度調整機構)を、受光光学系4が受光系フォーカスレンズ40(第2視度調整機構)を備えており、投光系フォーカスレンズ13及び受光系フォーカスレンズ40の視度調整時の動作が連動しない光学調整モードを実行可能なように構成されている。具体的には、光学調整時には、光学調整モードにして投光系フォーカスレンズ13及び受光系フォーカスレンズ40を連動させず、それぞれ独立してフォーカスレンズを移動させることができるようにし、光学調整後は光学調整モードをオフにして、投光系フォーカスレンズ13及び受光系フォーカスレンズ40を連動させることができるようにする。これにより、まずは光学調整モードにして、投光系フォーカスレンズ13及び受光系フォーカスレンズ40を連動させず、それぞれ独立して二つのフォーカスレンズを移動させることにより、ピントと画像の明るさの最良条件を揃えた上で、光学調整モードを解除し、投光系フォーカスレンズ13及び受光系フォーカスレンズ40を連動させて視度調整動作を行うことができる。
光学調整モードを用いた視度調整により撮影画像のピントと明るさを最良条件に揃えることについて、図6及び図7を用いて説明する。光学調整したが投光系フォーカスレンズ13及び受光系フォーカスレンズ40の基準位置が少しずれている場合に、視度0diopter([D])を撮影したときの撮影画像のピント及び撮影画像の明るさの点数結果を示したものが図6である。図6のグラフの横軸は視度調整の位置であり、縦軸は撮影画像のピント及び撮影画像の明るさを点数化した数値である。数値が高いほど点数がよいことを示している。
図6に示すように、ピントが最良である視度は0[D]となっているため、投光系フォーカスレンズ13のレンズ位置の調整は最適に行われていると判断される。しかし、撮影画像の明るさの最良状態は0[D]ではなく−2[D]であり、ずれがあるため、このままでは視度0[D]においては撮影画像のピントは最良状態であっても明るさは最良状態にはないことになる。
上述の光学調整モードを用いることにより、投光系フォーカスレンズ13及び受光系フォーカスレンズ40の二つのフォーカスレンズを連動させず、独立して移動させることができるため、投光系フォーカスレンズ13の基準位置は0[D]のまま固定し、受光系フォーカスレンズ40のみ基準位置を−2[D]だけずらすことが可能である。このような光学調整を行なった結果を示したものが図7であり、グラフの縦軸及び横軸は図6と同じである。図7によれば、視度0[D]において撮影画像のピント及び明るさ両方が最良状態にあることがわかる。
このように、光学調整時には、光学調整モードにして投光系フォーカスレンズ13及び受光系フォーカスレンズ40を連動させず、それぞれ独立してフォーカスレンズを移動させることができるようにし、光学調整後は光学調整モードをオフにして、投光系フォーカスレンズ13及び受光系フォーカスレンズ40を連動させることができるようにすることにより、撮影画像のピント及び明るさ両方が最良状態になった状態で視度調整ができるようになる。また、医師や被検者が投光系フォーカスレンズ13及び受光系フォーカスレンズ40の調整を連動で行うか独立に行うかを切り替え可能に構成することにより、撮影画像の明るさとピントとを独立に調整することが可能になるので、例えば被検眼の病変部位が全体の網膜から浮き上がっている場合には、医師が意図した場所にピントを合わせつつ、フォーカスを調整することとは独立して、眼底撮影画像の明るさの最良状態を探し出すことも可能となる。
<第2実施形態>
従来、被検眼の撮影部位を固定するための内部固視灯を走査型眼底撮影装置に設ける場合、撮影光学系とは別に内部固視灯のための光学系を設けていたため、装置全体の光学系が複雑な構成となってしまい、装置が大型化してしまうという問題があった(例えば特開2017−070635号公報には、被検眼に内部固視灯を投影するための投影光学系を撮影光学系とは別に設けた眼科装置が開示されている。)。この問題を解決すべく、本実施形態に係る走査型眼底撮影装置では、内部固視灯のための投影光学系を別途設けず、走査光学系が第2走査部の走査角に応じて点灯制御される内部固視灯用光源を更に備え、内部固視灯用光源が走査リレーレンズ部の眼底共役面の近傍かつ走査リレーレンズ部の光軸から外れた位置に配置されるように構成されることを特徴としている。
図8は本実施形態に係る走査型眼底撮影装置100の走査光学系2Aの光学構成図であり、(a)は走査光学系2Aを上(鉛直方向)から見た図、(b)は走査光学系2Aを横(水平方向)から見た図である。本実施形態に係る走査型眼底撮影装置100の走査光学系2A以外の構成は第1実施形態と同様であるため、図示及びその詳細な説明を省略する。
走査光学系2Aは、第1走査デバイス20、第1走査リレーレンズ群21、第2走査リレーレンズ群22、第2走査デバイス23及び一つの内部固視灯用光源25を備えるように構成されている。走査光学系2Aにおいても、第1実施形態と同様に、第1走査デバイス20と第2走査デバイス23とはいずれも被検眼の前眼部50a、例えば瞳あるいは水晶体と共役な位置、すなわち瞳共役面に配置されている。また、第1走査リレーレンズ群21及び第2走査リレーレンズ群22は第1走査デバイス20と第2走査デバイス23と間に配置されており、第1走査リレーレンズ群21と第2走査リレーレンズ群22との中間部に眼底共役面24が存在するように構成されている。第1走査リレーレンズ群21と第2走査リレーレンズ群22とが同じ形状を持ち、眼底共役面24を挟んで対称に配置されている。第1走査デバイス20、第1走査リレーレンズ群21、第2走査リレーレンズ群22及び第2走査デバイス23の構成は第1実施形態と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
走査光学系2Aにおいて、内部固視灯用光源25は、第1走査リレーレンズ群21及び第2走査リレーレンズ群22からなる走査リレーレンズ部の中間部にある眼底共役面24の近傍、かつ眼底を撮影する走査光束の障害とならないように、当該走査リレーレンズ部の光軸から外れた位置に配置されている。具体的には本実施形態では、内部固視灯用光源25は、図8(a)に示すように、平面視で走査リレーレンズ部の中間部にある眼底共役面24上かつ走査リレーレンズ部の光軸上で、図8(b)に示すように、側面視で走査リレーレンズ部の光軸から下方向に距離dだけ外れた位置に配置されている。
内部固視灯用光源25は、第2走査デバイス23の走査角に応じて点灯制御され、これにより被検者が走査型眼底撮影装置100の対物レンズ鏡筒を覗いたときに、対物レンズ上に内部固視灯が見える位置を所望の位置に調整することができる。
図9を用いて内部固視灯用光源25の点灯制御方法を説明する。対物レンズ面34の中央付近に内部固視灯が点滅するようにするためには、第2走査デバイス23の往復駆動中、予め計算した所定の走査角度にて内部固視灯用光源25を瞬間点灯させ、それ以外の走査角度では内部固視灯用光源25を消灯させるように、制御部700によって第2走査デバイス23の動作に同期させて内部固視灯用光源25を点灯制御する。
例えば、図9(a)に示すように、対物レンズ鏡筒33の対物レンズ面34上の中心部、すなわち対物レンズ光学系3の光軸上に内部固視灯Lが点滅するようにしたい場合を想定すると、内部固視灯用光源25が走査リレーレンズ部の光軸から下方向に距離dだけ外れた位置に配置されているため、図9(b)に示すように、第2走査デバイス23が走査角0度になったときではなく、距離dのずれに合わせて走査角0度からθだけずれた走査角度になったときに内部固視灯用光源25を点灯時間tだけ点灯させる。このように内部固視灯用光源25の点灯制御を第2走査デバイス23の走査角に応じて行うことにより、対物レンズ光学系3の光軸上に内部固視灯Lを点滅表示させることができる。
内部固視灯用光源25の点灯タイミングを決定するための第2走査デバイス23の走査角度を変更すると、図9(a)に示された内部固視灯の点灯位置を縦方向に任意に変更することができる。また、内部固視灯用光源25の点灯時間を変えることにより、対物レンズ面34上に表示される内部固視灯のサイズを変更することができる。このような変更は、検者が入力部800を用いて制御部700に対して走査角度のずれθや点灯時間tの指定を行うことにより実現できる。
このように撮影光学系の一部である走査リレーレンズ部の途中に内部固視灯用の第2光源を配置することにより、新たに内部固視灯のための光学系を設ける必要がなくなるため、装置全体の光学系の構成を単純化することができ、装置の小型化が可能となる。また、撮影動作を邪魔することなく被検者の固視を安定させることができる。
(変形例)
図10は本実施形態に係る走査型眼底撮影装置100の走査光学系の変形例(走査光学系2Aa)の光学構成図であり、(a)は走査光学系2Aaを上(鉛直方向)から見た図、(b)は走査光学系2Aaを横(水平方向)から見た図である。この変形例では、内部固視灯用光源が一つではなく複数配置される。走査光学系2Aaは、第1走査デバイス20、第1走査リレーレンズ群21、第2走査リレーレンズ群22、第2走査デバイス23及び五つの内部固視灯用光源25a、25b、25c、25d、25eを備えるように構成されている。なお、内部固視灯用光源を五つとしたのは例示であり、これに限られるものではない。
走査光学系2Aaにおいて、内部固視灯用光源25a、25b、25c、25d、25eは、第1走査リレーレンズ群21及び第2走査リレーレンズ群22からなる走査リレーレンズ部の中間部にある眼底共役面24の近傍、かつ眼底を撮影する走査光束の障害とならないように、当該走査リレーレンズ部の光軸から外れた位置に配置されている。具体的には、本実施形態では、内部固視灯用光源25a、25b、25c、25d、25eは、図10(a)に示すように、平面視で走査リレーレンズ部の中間部にある眼底共役面24上に、第1走査デバイス20の走査方向と平行な方向に一列に並んでおり、図10(b)に示すように、側面視で走査リレーレンズ部の光軸から下方向に距離d1だけ外れた位置に配置されている。
内部固視灯用光源25a、25b、25c、25d、25eは、第2走査デバイス23の走査角に応じて点灯制御され、これにより被検者が走査型眼底撮影装置100の対物レンズ鏡筒を覗いたときに、対物レンズ上に内部固視灯が見える位置を所望の位置に調整することができる。内部固視灯用光源25a、25b、25c、25d、25eの点灯制御方法は、図9を用いて上述した通りであるが、本変形例のように複数の内部固視灯用光源25a、25b、25c、25d、25eを第1走査デバイス20の走査方向と平行な方向に一列に並べて配置し、そのうちどの内部固視灯用光源を点灯させるかを選択することにより、図9(a)の対物レンズ面34に示された内部固視灯の点灯位置を横方向の複数の位置から選択的に変更することができる。
<第3実施形態>
走査型眼底撮影装置においては、第1走査部の走査開始を検出し、その検出信号を使って眼底からの反射光の受光信号から眼底像を構築する必要がある。このとき、第1走査部の走査開始点の検出には、第1走査部の走査光の一部を抜き取るミラーを第1走査部と走査リレーレンズ部との間に配置し、抜き出した走査光を受光素子で検出する方法が用いられる。眼底撮影に支障が出ないよう、当該ミラーは眼底撮影光束に空間的に干渉しないように配置する必要があるが、第1走査部と走査リレーレンズ部とが近い場合、ミラーを配置することが空間的に難しくなる。また、第1走査部が高速回転するため、光学調整作業に危険が伴うこともある。
この問題を解決すべく、本実施形態に係る走査型眼底撮影装置では、走査光学系が第1走査デバイスで走査された光のうち眼底の撮影範囲外の光を検出するための光学素子(走査開始点検出用受光素子)を更に備え、その光学素子が走査リレーレンズ部の中間部に配置されていることを特徴としている。
図11は本実施形態に係る走査型眼底撮影装置100の走査光学系2Bの光学構成図であり、走査光学系2Bを上(鉛直方向)から見た図である。本実施形態に係る走査型眼底撮影装置100の走査光学系2B以外の構成は第1実施形態と同様であるため、図示及びその詳細な説明を省略する。
走査光学系2Bは、第1走査デバイス20、第1走査リレーレンズ群21、第2走査リレーレンズ群22、第2走査デバイス23及び走査開始点検出用受光素子26を備えるように構成されている。走査光学系2Bにおいても、第1実施形態と同様に、第1走査デバイス20と第2走査デバイス23とはいずれも被検眼の前眼部50a、例えば瞳あるいは水晶体と共役な位置、すなわち瞳共役面に配置されている。また、第1走査リレーレンズ群21及び第2走査リレーレンズ群22は第1走査デバイス20と第2走査デバイス23と間に配置されており、第1走査リレーレンズ群21と第2走査リレーレンズ群22との中間部に眼底共役面24が存在するように構成されている。第1走査リレーレンズ群21と第2走査リレーレンズ群22とが同じ形状を持ち、眼底共役面24を挟んで対称に配置されている。第1走査デバイス20、第1走査リレーレンズ群21、第2走査リレーレンズ群22及び第2走査デバイス23の構成は第1実施形態と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
走査光学系2Bにおいて、走査開始点検出用受光素子26は、第1走査リレーレンズ群21及び第2走査リレーレンズ群22からなる走査リレーレンズ部の中間部にある眼底共役面24の近傍、かつ眼底を撮影する走査光束の障害とならないように、当該走査リレーレンズ部の光軸から外れた位置に配置されている。具体的には本実施形態では、走査開始点検出用受光素子26は、図11に示すように、平面視で走査リレーレンズ部の中間部にある眼底共役面24の近傍にあり、第1走査デバイス20で走査された光のうち眼底の撮影範囲外の光を検出するように配置されている。走査リレーレンズ部の中間部、特に眼底共役面24付近では眼底撮影光束が狭くなるため、眼底の撮影範囲外の位置に走査された光を検出するための走査開始点検出用受光素子26を自由度高く配置することができ、また、走査リレーレンズ部の中間部は高速回転する第1走査デバイス20から空間的に十分離れているため、光学調整作業に危険を伴うこともなくなる。
(変形例)
図12は本実施形態に係る走査型眼底撮影装置100の走査光学系の変形例(走査光学系2Ba)の光学構成図であり、走査光学系2Baを上(鉛直方向)から見た図である。この変形例では、平面視で走査リレーレンズ部の中間部にある眼底共役面24の近傍に受光素子を配置するのではなくミラー27aを配置し、ミラー27aで反射した反射光を、第1走査デバイス20で走査された光のうち眼底の撮影範囲外の光として検出すべく、走査リレーレンズ部から外れたところに走査開始点検出用受光素子27bを配置している。
このように、第1走査デバイス20で走査された光のうち眼底の撮影範囲外の位置に走査された光を検出するための光学素子として走査リレーレンズ部の中間部に配置する光学素子を、当該検出対象の光を直接検出する光学素子とはせず、当該検出対象の光を反射するミラー27aとし、当該ミラー27aで反射された光を走査リレーレンズ部から外れたところに配置された走査開始点検出用受光素子27bで検出する構成としてもよい。
以上、本発明に係る眼底撮影装置について図面に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変更実施が可能である。第2実施形態及び第3実施形態については、必ずしも第1実施形態が前提となるものではなく、また、それぞれの実施形態に含まれる構成が他の実施形態に含まれる構成と組み合わせて実施されてもよい。
100 走査型眼底撮影装置
1 投光光学系
2 走査光学系
20 第1走査デバイス(第1走査部)
21 第1走査リレーレンズ群
22 第2走査リレーレンズ群
23 第2走査デバイス(第2走査部)
24 眼底共役面
25 内部固視灯
26 走査開始点検出用受光素子(光学素子)
3 対物光学系
4 受光光学系

Claims (9)

  1. 走査光学系を用いて第1光源からの光を走査して被検眼の眼底に投光し、前記眼底からの反射光を受光して前記眼底を撮影する走査型眼底撮影装置であって、
    前記走査光学系が、前記第1光源からの光を第1方向に走査する第1走査部と、前記第1走査部で走査された光を前記第1方向と交差する第2方向に走査する第2走査部と、前記第1走査部と前記第2走査部との間に配置された走査リレーレンズ部と、を備え、
    前記第1走査部及び前記第2走査部が瞳共役面に配置されており、
    前記走査リレーレンズ部が、その中間部に眼底共役面を持つとともに該眼底共役面を挟んで二つのレンズ群を有し、
    前記二つのレンズ群のそれぞれが色収差及び球面収差を補正することを特徴とする走査型眼底撮影装置。
  2. 前記二つのレンズ群が前記眼底共役面からみて同じレンズであることを特徴とする、請求項1に記載の走査型眼底撮影装置。
  3. 前記二つのレンズ群のそれぞれが接合レンズを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の走査型眼底撮影装置。
  4. 前記二つのレンズ群のそれぞれにおいて、前記瞳共役面に最も近い位置に前記接合レンズが配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の走査型眼底撮影装置。
  5. 前記二つのレンズ群のそれぞれが非球面レンズを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の走査型眼底撮影装置。
  6. 前記二つのレンズ群のそれぞれにおいて、光線有効径が最も大きくなる位置に前記非球面レンズが配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の走査型眼底撮影装置。
  7. 前記二つのレンズ群が前記眼底共役面を挟んで対称に配置されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の走査型眼底撮影装置。
  8. 前記走査光学系が前記第2走査部の走査角に応じて点灯制御される内部固視灯用の第2光源を更に備え、
    前記第2光源が前記走査リレーレンズ部の前記眼底共役面の近傍かつ前記走査リレーレンズ部の光軸から外れた位置に配置されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の走査型眼底撮影装置。
  9. 前記走査光学系が前記第1走査部で走査された光のうち前記眼底の撮影範囲外の光を走査開始点の信号として検出するための光学素子を更に備え、
    前記光学素子が前記走査リレーレンズ部の中間部に配置されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の走査型眼底撮影装置。
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