JP2021061867A - 核酸合成のための方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】核酸合成のための方法および装置の提供。【解決手段】本発明は、酵素および特別に設計されたヌクレオチド類似体を使用して、ポリヌクレオチド、例えばDNAならびにRNAを合成する改善された方法を提供する。本発明の方法を使用して、ポリヌクレオチドの特異的配列を、水性環境において核酸鋳型を使用せずに1塩基毎にde novoで合成することができる。ヌクレオチド類似体は、非修飾の3’OHを有するので、すなわち「天然の」デオキシリボースおよびリボース分子で見つかるので、類似体により生体系への組み込みに適している天然のポリヌクレオチドを得られる。【選択図】なし

Description

本出願は、2014年10月17日に提出された米国仮特許出願62/069,067
号および2014年8月18日に提出された米国仮特許出願62/038,604号への
優先権を主張する。上記出願のそれぞれの内容は、その全体が参照として本明細書に援用
される。
本発明は、所望の配列を持つポリヌクレオチドを、鋳型を必要とせずに(de nov
oで)合成する方法および装置に関する。このように、本発明は、研究、遺伝子工学なら
びに遺伝子治療用の様々な配列および様々な長さのポリヌクレオチドのライブラリを作製
する能力を提供する。
遺伝子工学は、遺伝物質の内容を決定するための道具および所望の遺伝物質を構築する
ための道具を必要としている。遺伝物質の内容を決定するための道具は、1000ドル未
満で、約1日で全ヒトゲノムを配列決定することを可能にした。(Life Technologies、
記者発表:Benchtop Ion Proton(商標) Sequencer、2012年1月10日を参照の
こと)。対照的に、所望の遺伝物質を構築するための道具、例えば、de novoでD
NA合成するための道具は、同じ速さで改善されてこなかった。評価の基準として、過去
25年の間、核酸塩基配列決定の費用(1塩基当たり)は、1/10,000,000未
満に低下したが、de novoでの小さい核酸の合成費用(1塩基当たり)は、1/1
0の低下であった。DNA合成における進歩の不足は、翻訳ゲノミクス、すなわち、それ
によって個々の配列変動の役割が決定され、その役割を使用して治療的処置が開発される
ものの速さを現在限定している。
現在のところ、大部分のde novo核酸配列は、30年より前に開発された固相ホ
スホラミダイト技術を使用して合成されている。その技術は、天然(または、非天然)の
核酸塩基に対応するホスホラミダイト試薬から作られる配列の連続的な脱保護および合成
を含む。しかしながら、長さが200塩基対(bp)を超える核酸は高い率の破損および
副反応を経験するため、ホスホラミダイト核酸合成は長さが限定される。さらに、ホスホ
ラミダイト合成は有毒性副産物を産生し、この廃棄物の処分が核酸合成機の利用可能性を
限定し、契約オリゴ生産の費用を増加させる。(オリゴヌクレオチド合成の一年の需要は
、アセトニトリル、トリクロロ酢酸、トルエン、テトラヒドロフランおよびピリジンを含
む、300,000ガロンを超える有害な化学廃棄物の原因であると推定されている。Le
Proustら、Nucleic Acids Res.、38巻(8号)、2522〜2540頁、(2010
年)を参照のこと、その全体を参照により本明細書に組み込む)。したがって、より効率
的で費用効果があるオリゴヌクレオチド合成の方法が必要とされる。
Life Technologies、記者発表:Benchtop Ion Proton(商標) Sequencer、2012年1月10日 LeProustら、Nucleic Acids Res.、38巻(8号)、2522〜2540頁、(2010年)
本発明は、核酸合成の改善された方法を提供する。本発明の方法は、より速い、de
novoでのより長いポリヌクレオチドの合成を提供する。このように、本発明は、特注
品の核酸を合成する全体の費用を劇的に減少させる。本発明の方法は、ヌクレオチジルト
ランスフェラーゼ酵素を使用して切断可能なリンカーによって阻害剤と結合されている非
修飾の3’ヒドロキシルを有するヌクレオチド類似体を組み込む、ポリヌクレオチドの鋳
型非依存的合成に関する。阻害剤のため、合成は各新しい塩基の付加と同時に停止し、そ
こで、リンカーが切断され、阻害剤が分離され、天然に存在するヌクレオチドと本質的に
同一のポリヌクレオチドが残る(すなわち、酵素によってさらなるヌクレオチド組み込み
の基質と認識される)。
本発明は、本発明の方法を利用して、特注品のポリヌクレオチドを生産するための装置
をさらに含む。本発明の装置は、水性条件およびヌクレオチド類似体の複数の供給源を提
供する1つまたは複数のバイオリアクタを含む。バイオリアクタは、例えば、貯蔵槽、フ
ローセルまたはマルチウェルプレートであることができる。固体支持体から開始して、ヌ
クレオチジルトランスフェラーゼ、例えば、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランス
フェラーゼ(TdT)または鋳型の指示なしでDNAもしくはRNA鎖を伸長させる他の
任意の酵素の天然の活性による連続したヌクレオチド付加により、ポリヌクレオチドはリ
アクタ中で成長する。リンカーの切断により、天然のポリヌクレオチドが、固体支持体上
に曝露される。配列が完成したら、支持体は切り離され、天然に見られるものと本質的に
同等のポリヌクレオチドが残る。いくつかの実施形態において、装置は、ヌクレオチド付
加後に溶液を回収し、その後のヌクレオチド付加に溶液を再使用することによってヌクレ
オチド類似体溶液を再利用するように設計されている。したがって、より少ない廃棄物が
産生され、1塩基当たりの全体の費用は、技術水準の方法と比較して削減される。特定の
実施形態において、バイオリアクタは、微小流体デバイスを含むおよび/またはインクジ
ェット印刷技術を使用することができる。
終了基(terminating group)は、例えば、荷電部分または立体化学
的阻害剤を含むことができる。一般に、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素が機能的
立体構造をとることを防止する大きな巨大分子を使用して、オリゴヌクレオチド合成を阻
害することができる。そのような巨大分子には、ポリマー、ポリペプチド、ポリペプトイ
ドおよびナノ粒子が挙げられ得る。巨大分子は、ヌクレオチジルトランスフェラーゼの活
性部位への接近を物理的に遮断するのに十分大きくなければならず、反応速度論を負に変
えるほど大きくあってはならない。巨大分子は、後述する種々の連結分子を使用してヌク
レオチド類似体に連結することができる。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド合成は、各ヌクレオチド類似体の付
加の後だが、終了基を切断する前に、1つまたは複数の合成されたオリゴヌクレオチドに
3’エキソヌクレアーゼを導入することを含み得る。終了基は、3’エキソヌクレアーゼ
が、切断されていないヌクレオチド類似体が首尾よく付加されたオリゴヌクレオチドに作
用するのを遮断することができるが、阻害剤が首尾よく付加されなかったオリゴヌクレオ
チドは3’エキソヌクレアーゼによって除去されることになる。この様式において、本発
明は、工程中の品質管理を可能にし、合成後精製の必要性を排除することができる。
本発明の他の態様は、以下の図および詳細な説明の考慮により当業者には明らかである

本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
オリゴヌクレオチドを合成する方法であって、前記方法は、
ヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素の存在下、核酸鋳型の非存在下で、固体支持体に
付着しているオリゴヌクレオチドをヌクレオチド類似体に曝露し、その結果前記ヌクレオ
チド類似体が前記オリゴヌクレオチドに組み込まれるステップを含み、
前記ヌクレオチド類似体は、阻害剤が切断可能なリンカーの切断によって除去されるまで
前記阻害剤へ前記切断可能なリンカーによって結合されるヌクレオチドを含み、前記阻害
剤は前記ヌクレオチジルトランスフェラーゼが前記オリゴヌクレオチドへのヌクレオチド
またはさらなるヌクレオチド類似体の組み込みを触媒することを立体配置的に防止する、
方法。
(項目2)
前記ヌクレオチド類似体が、以下の構造
Figure 2021061867

Figure 2021061867

Figure 2021061867

を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記ヌクレオチド類似体が、以下の構造
Figure 2021061867

Figure 2021061867

Figure 2021061867

を含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記阻害剤が、以下の構造
Figure 2021061867

(式中、n=1、2、3、4、5、6、7、8、9または10)
を含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記阻害剤が、ポリペプトイドを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記阻害剤が、ポリマーを含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記ポリマーが、ポリエチレングリコールを含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記阻害剤が、タンパク質である、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記阻害剤が、ナノ粒子である、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記阻害剤が、直径50Å超の巨大分子である、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記固体支持体に付着している前記核酸が、pH約6.5〜8.5を有する水溶液の存
在下で前記ヌクレオチド類似体に曝露される、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記固体支持体に付着している前記核酸が、約35〜39℃の温度で水溶液の存在下で
前記ヌクレオチド類似体に曝露される、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記固体支持体が、ビーズ、ウェルまたはPEGである、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記核酸が、一本鎖である、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記切断可能なリンカーが、前記ヌクレオチド類似体から切断されるときに環状の副産
物を形成する部分を含む、項目1に記載の方法。
(項目16)
天然のヌクレオチドを産生するために前記切断可能なリンカーを切断するステップと;
ヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素の存在下、核酸鋳型の非存在下で、前記天然の
ヌクレオチドを第2のヌクレオチド類似体に曝露するステップと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記オリゴヌクレオチドをエキソヌクレアーゼ酵素に曝露するステップをさらに含む、
項目1に記載の方法。
(項目18)
前記ヌクレオチド類似体および前記ヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素を含む水溶
液を提供するステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記阻害剤が、荷電部分を含む、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記ヌクレオチド類似体が、リボース糖またはデオキシリボース糖を含む、項目1に記
載の方法。
(項目21)
ヌクレオチド基質が、アデニン、グアニン、シトシン、チミンおよびウラシルからなる
群から選択される塩基を含む、項目1に記載の方法。
(項目22)
前記ヌクレオチジルトランスフェラーゼが、配列番号1、配列番号3、または配列番号
5と少なくとも約90%同一のタンパク質配列を含む、項目1に記載の方法。
(項目23)
前記ヌクレオチジルトランスフェラーゼが、配列番号2、配列番号4、または配列番号
6と少なくとも約90%同一のヌクレオチド配列を有する生物に由来する、項目1に記載
の方法。
(項目24)
前記ヌクレオチド類似体が、液滴で送達される、項目1に記載の方法。
図1Aは、N−4位で連結された切断可能なターミネーターを有するデオキシシチジン三リン酸(dCTP)類似体の種類を示す図である。 図1Bは、図1AのdCTP類似体から切断可能なターミネーターを切断して、「天然の」dCTPおよび環状脱離分子を得ることを示す図である。 図2Aは、N−6位で連結された切断可能なターミネーターを有するデオキシアデノシン三リン酸(dATP)類似体の種類を示す図である。 図2Bは、図2AのdATP類似体から切断可能なターミネーターを切断して、「天然の」dATPおよび環状脱離分子を得ることを示す図である。 図3Aは、N−2位で連結された切断可能なターミネーターを有するデオキシグアノシン三リン酸(dGTP)類似体の種類を示す図である。 図3Bは、図3AのdGTP類似体から切断可能なターミネーターを切断して、「天然の」dGTPおよび環状脱離分子を得ることを示す図である。 図4Aは、N−3位で連結された切断可能なターミネーターを有するデオキシチミジン三リン酸(dTTP)類似体の種類を示す図である。 図4Bは、図4AのdTTP類似体から切断可能なターミネーターを切断して、「天然の」dTTPおよび環状脱離分子を得ることを示す図である。 図5Aは、N−3位で連結された切断可能なターミネーターを有するデオキシウリジン三リン酸(dUTP)類似体の種類を示す図である。 図5Bは、図5AのdUTP類似体から切断可能なターミネーターを切断して、dUTPおよび環状離脱分子を得ることを示す図である。 図6は、デオキシシチジンのN−4位に遮断Asp−Asp分子を接続しているシュタウディンガーリンカーを有する例示的なデオキシシチジン三リン酸(dCTP)類似体ならびにその後水性条件下でシュタウディンガーリンカーを切断してdCTPおよび脱離基を得ることを示す図である。 図7Aは、N−4位で連結された切断可能なターミネーターを有するシチジン三リン酸(rCTP)類似体の種類を示す図である。 図7Bは、図7AのrCTP類似体から切断可能なターミネーターを切断して、「天然の」rCTPおよび環状脱離分子を得ることを示す図である。 図8Aは、N−6位で連結された切断可能なターミネーターを有するアデノシン三リン酸(rATP)類似体の種類を示す図である。 図8Bは、図8AのrATP類似体から切断可能なターミネーターを切断して、「天然の」rATPおよび環状脱離分子を得ることを示す図である。 図9Aは、N−2位で連結された切断可能なターミネーターを有するグアノシン三リン酸(rGTP)類似体の種類を示す図である。 図9Bは、図9AのrGTP類似体から切断可能なターミネーターを切断して、「天然の」rGTPおよび環状脱離分子を得ることを示す図である。 図10Aは、N−3位で連結された切断可能なターミネーターを有するチミジン三リン酸(rTTP)類似体の種類を示す図である。 図10Bは、図10AのrTTP類似体から切断可能なターミネーターを切断して、「天然の」rTTPおよび環状脱離分子を得ることを示す図である。 図11Aは、N−3位で連結された切断可能なターミネーターを有するウリジン三リン酸(rUTP)類似体の種類を示す図である。 図11Bは、図11AのrUTP類似体から切断可能なターミネーターを切断して、rUTPおよび環状脱離分子を得ることを示す図である。 図12は、シチジンのN−4位に遮断Asp−Asp分子を接続しているシュタウディンガーリンカーを有する例示的なシチジン三リン酸(rCTP)類似体ならびにその後水性条件下でシュタウディンガーリンカーを切断してrCTPおよび脱離基を得ることを示す図である。 図13は:(a)切断可能なターミネーター、dN*TP−OHを含むヌクレオチド三リン酸類似体の組み込み、および(b)終了させる遮断基(*で示される)を除去し、そのために次のdN*TP−OHを組み込むことが可能になることを含む、例示的な末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)媒介ポリヌクレオチド合成サイクルを示す図である。N=A、G、CまたはTである。 図14は、様々な数のメチレン架橋を含む切断可能なリンカーを持つ例示的なヌクレオチド類似体を示す図である。 図15は、システイン残基を含む切断可能なリンカーを持つ例示的なヌクレオチド類似体を示す図である。 図16Aは、単一のリン酸基を含む陰イオン阻害剤を持つ例示的なヌクレオチド類似体を示す図である。 図16Bは、2つのリン酸基を含む陰イオン阻害剤を持つ例示的なヌクレオチド類似体を示す図である。 図16Cは、3つのリン酸基を含む陰イオン阻害剤を持つ例示的なヌクレオチド類似体を示す図である。 図17は、例示的な微小流体ポリヌクレオチド合成デバイスを示す図である。 図18は、本発明における使用に適する例示的なポリペプトイド阻害剤を示す図である。 図19は、オリゴヌクレオチド合成サイクルの間に適切に終了しなかったオリゴヌクレオチドを消化するための3’エキソヌクレアーゼの使用について記述する流れ図である。
本発明は、酵素および核酸類似体を使用してポリヌクレオチド、例えばDNAならびに
RNAを合成するための改善した方法を提供する。開示された方法を使用して、ポリヌク
レオチドの特定の配列を、水性環境において核酸鋳型を使用せずに1塩基毎にde no
voで合成することができる。さらに、ヌクレオチド類似体は、「天然の」デオキシリボ
ースおよびリボース分子で見つかる非修飾の3’ヒドロキシルを有するので、阻害剤(本
明細書では切断可能なリンカーを介して付着しているターミネーターまたは終了基ともい
う)が塩基から除去されると、類似体は「天然の」ヌクレオチドになる。例えば、自己排
除リンカーまたは修飾リン酸基を持つヌクレオチドを含む他のヌクレオチド類似体もまた
使用することもできる。ほとんどの例において、遮断基は、実質的な追加の分子が残らな
いように設計されており、すなわち、酵素によって「天然の」ヌクレオチドとして認識さ
れる「痕跡のない」ヌクレオチドが残るように設計されている。したがって、合成の終結
時に、最後の遮断基を除去したら、合成したポリヌクレオチドは、同じ配列を持つ天然に
存在するポリヌクレオチドと化学的および構造的に同等になる。したがって、合成された
ポリヌクレオチドが生化学的経路または代謝に干渉することになる懸念なしに、合成ポリ
ヌクレオチドを生物系に組み込むことができる。
有用なオリゴ−およびオリゴデオキシヌクレオチド、特に長いオリゴヌクレオチド(<
5000nt)を鋳型なしに酵素的に合成するために本発明のプロセスおよび類似体を使
用することができる。産物は、使用されるイニシエーターによって一本鎖または部分的に
二本鎖であり得る。長いオリゴヌクレオチドの合成は、高効率の組み込みおよび高効率の
可逆的なターミネーター除去を必要とする。固体支持体に結合しているイニシエーターは
、使用者が定義した配列の短い断片または使用者が定義した一本鎖産物が除去される汎用
のイニシエーターのいずれかである短い一本鎖DNA配列からなる。
一態様において、開示された方法は、市販のヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素、
例えばターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)を利用して、段
階的な方式でヌクレオチド類似体からポリヌクレオチドを合成する。ヌクレオチド類似体
は:
NTP−リンカー−阻害剤
の形態のものであり、そこで、NTPはヌクレオチド三リン酸(すなわち、dNTPまた
はrNTP)であり、リンカーは塩基のピリジンまたはピリミジン間の切断可能なリンカ
ーであり、阻害剤は、酵素が次のヌクレオチドを組み込むことを防止する基である。各ス
テップにおいて、新しいヌクレオチド類似体が、成長中のポリヌクレオチド鎖に組み込ま
れ、阻害基(inhibitor group)によって、酵素がさらなるヌクレオチド
を付加することが遮断される。酵素が止まったら、過剰なヌクレオチド類似体を成長中の
鎖から除去することができ、阻害剤をNTPから切断することができ、鎖に次のヌクレオ
チドを付加するために新しいヌクレオチド類似体を導入することができる。このステップ
を連続して繰り返すことにより、所望の長さおよび配列のヌクレオチド配列をすばやく構
築することができる。ポリヌクレオチド合成にヌクレオチジルトランスフェラーゼを使用
する長所には:1)鋳型非依存的重合において一本鎖(ss)開始プライマーを使用する
3’伸長活性、2)高効率の様式でプライマーを伸長させて数千のヌクレオチドを付加す
る能力、および3)効率的な基質としての多種多様な修飾および置換NTPの受容、が挙
げられる。加えて、本発明は、ヌクレオチジルトランスフェラーゼの基質であるイニシエ
ーター配列を使用することができる。イニシエーターは、固体支持体に付着され、酵素の
結合部位として用いられる。イニシエーターは、好ましくは酵素に対する汎用のイニシエ
ーター、例えばホモポリマー配列であり、固体支持体上で再利用可能であり、形成された
オリゴヌクレオチドがイニシエーターから切断可能である。
本発明の方法は、合成核酸、例えば、ホスホラミダイト合成されたDNAオリゴを現在
使用する種々の適用に非常に適切である。例えば、本発明の方法で合成されるポリヌクレ
オチドは、核酸増幅用のプライマー、特異的なマーカーの検出用のハイブリダイゼーショ
ンプローブおよび遺伝子工学のためのプラスミドへの組み込みのために使用することがで
きる。しかしながら、開示された方法は、より速い速度、および水性環境でより長い合成
鎖のヌクレオチドを産生するので、開示された方法はまた、ハイスループット適用、例え
ば細胞内アッセイにおける遺伝的変動の発現のスクリーニングならびに合成生物学にも役
に立つ。さらに、本発明の方法は、次世代適用、例えば合成読取り/書込み記憶装置とし
てDNAを使用すること、またはDNAから完全に(もしくは部分的に)合成される巨視
的材料を作製することに必要とされる機能を提供することになる。
本発明および本明細書に述べた系は、デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(R
NA)を含めたポリヌクレオチドの合成を提供する。「天然の」ヌクレオチド、例えばD
NAならびにRNAの合成経路は、一般的な核酸塩基、例えば、アデニン(A)、グアニ
ン(G)、シトシン(C)、チミン(T)およびウラシル(U)の文脈で述べられている
が、本発明の方法を、汎用塩基を組み込んだヌクレオチド、例えば3−ニトロピロール2
’−デオキシヌクレオシド(deoxynucloside)および5−ニトロインドール2’−デオキ
シヌクレオシド、アルファホスホロチオエート(phosphorothiolate)、ホスホロチオエ
ートヌクレオチド三リン酸、または他の所望の特性、例えば蛍光を有するプリンもしくは
ピリミジンコンジュゲートを含めた、いわゆる「非天然の」ヌクレオチドに適用し得るこ
とは理解されよう。プリンおよびピリミジン塩基の他の例には、ピラゾロ[3,4−d]
ピリミジン、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キ
サンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6−メチル
誘導体および他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2−プロピル誘導体および
他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミンおよび2−チオシトシン、5−
プロピニルウラシルおよびシトシン、6−アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5−ウ
ラシル(シュードウラシル(pseudouracil))、4−チオウラシル、8−ハ
ロ(例えば、8−ブロモ)、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロ
キシルおよび他の8−置換アデニンおよびグアニン、5−ハロ特に5−ブロモ、5−トリ
フルオロメチルおよび他の5−置換ウラシルおよびシトシン、7−メチルグアニンおよび
7−メチルアデニン、8−アザグアニンおよび8−アザアデニン、デアザグアニン、7−
デアザグアニン、3−デアザグアニン、デアザアデニン、7−デアザアデニン、3−デア
ザアデニン、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、イミダゾ[1,5−a]1,3,5ト
リアジノン、9−デアザプリン、イミダゾ[4,5−d]ピラジン、チアゾロ[4,5−
d]ピリミジン、ピラジン−2−オン、1,2,4−トリアジン、ピリダジン;ならびに
、1,3,5トリアジンが挙げられる。いくつかの例において、無反応性であるが、およ
そ同等の塩基、すなわち、他のタンパク質、すなわち、トランスクリプターゼと反応せず
、したがって配列情報の影響を塩基の構造効果から分離することができる塩基を有するヌ
クレオチド配列を産生することは有用であり得る。
類似体
本発明は、式NTP−リンカー−阻害剤を有する、水性環境においてポリヌクレオチド
を合成するためのヌクレオチド類似体を提供する。NTP−リンカー−阻害剤形態の類似
体に関して、NTPは、任意のヌクレオチド三リン酸、例えばアデノシン三リン酸(AT
P)、グアノシン三リン酸(GTP)、シチジン三リン酸(CTP)、チミジン三リン酸
(TTP)、ウリジン三リン酸(UTP)、ヌクレオチド三リン酸、デオキシアデノシン
三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、デオキシシチジン三
リン酸(dCTP)、デオキシチミジン三リン酸(dTTP)またはデオキシウリジン三
リン酸(dUTP)であり得る。
リンカーは、阻害剤をNTPに連結し、切断され得る任意の分子部分であることができ
る。例えば、リンカーは、周囲環境のpHを調整することによって切断できる。リンカー
はまた、所定の温度で活性化されるが、別の温度で不活性化される酵素によって切断する
こともできる。いくつかの実施形態において、リンカーはジスルフィド結合を含む。
リンカーは、例えば、光切断可能な、求核性または求電子性の切断部位を含むことがで
きる。切断が特定の波長の光によって活性化される光切断可能なリンカーには、ベンゾイ
ン、ニトロベラトリル、フェナシル、ピバロイル、シシル(sisyl)、2−ヒドロキシ−
シンナミル(cinamyl)、クマリン−4−イル−メチルまたは2−ニトロベンジルに基づ
くリンカーが含まれ得る。
求核性切断部位の例としては、フッ化物イオン切断可能なシリコン−酸素結合または塩
基性溶液中で切断できるエステルが挙げられる。求電子的に切断されるリンカーとしては
、トリチル、tert−ブチルオキシカルボニル基、アセタール基、ならびにp−アルコ
キシベンジルエステルおよびアミドを含むことができる酸誘導切断部位が挙げられ得る。
特定の態様において、図15に示すように切断可能なリンカーは、システイン残基を含む
ことができる。
炭素における付着では、ポリメラーゼ阻害基の除去後に残りの痕跡が存在するので、リ
ンカーは、例えば、シトシンのN4、チミンのN3もしくはO4、グアニンのN2もしく
はN3およびアデニンのN6、またはウラシルのN3もしくはO4に付着させることがで
きる。リンカーは、典型的には長さ少なくとも約10オングストロームのオーダー、例え
ば、長さ少なくとも約20オングストローム、例えば、長さ少なくとも約25オングスト
ロームであり、したがって、阻害剤をピリジンまたはピリミジンから十分に遠くすること
ができ、それにより酵素は、付着している糖骨格を介してポリヌクレオチド鎖にNTPを
結合できるようになる。いくつかの実施形態において、切断可能なリンカーは、成長中の
ヌクレオチド鎖に対して特に無反応性である環状分子を形成するので、自己環化する。
特定の態様において、図14および図16A〜Cに示すように切断可能なリンカーは、
NTPまたはジスルフィド結合の阻害剤側に、例えば、1、2、3もしくは4つのメチレ
ン架橋を含めた様々な数のメチレン架橋を含むことができる。これらのメチレン架橋を使
用して、NTPと阻害剤との間の間隙を増加させることができる。上記したように、阻害
剤が、NTPと合成されたポリヌクレオチドとの結合に干渉するのを防止するために、切
断可能なリンカーの長さを選択することができる。本発明のいくつかの実施形態において
、荷電基からNTPまでの距離は、次のヌクレオチド組み込みを阻害する効果に重要な役
割を果たす。
例えば、阻害剤として荷電部分を使用するいくつかの実施形態において、荷電部分はN
TPから約5〜約60結合離れることができる。いくつかの他の実施形態において、阻害
剤の荷電部分は、NTPから約10〜約40結合離れることができる。いくつかの他の実
施形態において、阻害剤の荷電部分は、NTPから約10〜約35結合離れることができ
る。いくつかの他の実施形態において、阻害剤の荷電部分は、NTPから約10〜約30
結合離れることができる。いくつかの他の実施形態において、阻害剤の荷電部分は、NT
Pから約10〜約20結合離れている。荷電部分とNTPとの間の結合の数は、追加のメ
チレン架橋を含むことにより増加し得る。
ヌクレオチド類似体は、酵素による次のヌクレオチドの結合を阻害するNTPに連結さ
れた任意の部分を含むことができる。阻害基は、荷電基、例えば荷電アミノ酸であること
ができ、または阻害基は、周囲条件によって荷電されるようになる基であることができる
。いくつかの実施形態において、阻害剤は、負に荷電しているまたは負に荷電するように
なることが可能な部分を含むことができる。例えば、阻害剤は、図16A〜Cに示すよう
にリン酸基の鎖(例えば、1、2または3リン酸)を含むことができ、追加のリン酸は、
阻害剤の全体の陰イオン荷電を増加させる。他の実施形態において、阻害基は正に荷電し
ているまたは正に荷電するようになることが可能である。いくつかの他の実施形態におい
て、阻害剤はアミノ酸またはアミノ酸類似体である。阻害剤は、2〜20単位のアミノ酸
もしくは類似体のペプチド、2〜10単位のアミノ酸もしくは類似体のペプチド、3〜7
単位のアミノ酸もしくは類似体のペプチド、3〜5単位のアミノ酸または類似体のペプチ
ドであることができる。いくつかの実施形態において、阻害剤は、Glu、Asp、Ar
g、HisおよびLys、ならびにその組み合わせ(例えば、Arg、Arg−Arg、
Asp、Asp−Asp、Asp、Glu、Glu−Glu、Asp−Glu−Asp、
Asp−Asp−GluまたはAspAspAspAspなど)からなる群から選択され
る基を含む。ペプチドまたは基は、同じもしくは異なるアミノ酸もしくは類似体の組み合
わせであることができる。特定の実施形態において、ペプチド阻害剤をアセチル化して、
遊離アミノ基の誤った結合を防ぐことができる。阻害基はまた、酵素の活性部位中の残基
と反応し、したがって酵素による次のヌクレオチドの結合に干渉する基を含むこともでき
る。阻害剤は、−COO、−NO、−PO、−PO、−SO、または−NR
らなる群から選択される荷電基を有することができ、各Rは、Hもしくはアルキル基であ
ることができる。他の実施形態において、阻害剤部分は、−PO4基を含まない。
特定の態様において、ターミネーターまたは阻害剤は、立体化学的阻害基を含むことが
できる。そのような立体化学的阻害基は、NTP−リンカー−阻害剤(すなわち、ヌクレ
オチド類似体)がオリゴヌクレオチドの遮断されていない3’OHに組み込まれることを
可能にすることができ、前記組み込みは、ヌクレオチジルトランスフェラーゼによって触
媒される。立体化学的阻害基は、組み込まれたヌクレオチド類似体の遮断されていない3
’OHへのヌクレオチドまたはさらなるヌクレオチド類似体の組み込みを物理的に遮断す
ることができる。立体化学的阻害剤はまた、3’エンドヌクレアーゼが、ヌクレオチド類
似体に作用すること、したがって、切断されていないヌクレオチド類似体が組み込まれた
オリゴヌクレオチドに作用することを遮断することもできる。
立体化学的阻害剤には、例えば、化学ポリマー、ナノ粒子、ポリ−N−置換グリシン(
ペプトイド)またはタンパク質を挙げることができる。本発明の立体化学的阻害剤は、例
えば、20Å超、30Å超、40Å超、50Å超、60Å超、70Å超、80Å超、90
Å超、100Å超、110Å超、120Å超、130Å超、140Å超または150Å超
を含めた種々のサイズであることができる。好ましい実施形態において、立体化学的阻害
剤は、単分散または実質的に単分散であり得る。立体化学的阻害剤は、水溶性であり、立
体構造的に制限され得る(すなわち、強固な形態またはやや強固な形態)。特定の態様に
おいて、阻害剤のサイズまたは立体構造のために、立体化学的阻害剤は、関連するヌクレ
オチジルトランスフェラーゼ酵素の活性部位への接近を物理的に遮断することになる。好
ましい実施形態において、立体化学的阻害剤は、非天然のバイオインスパイアードポリマ
ー、例えばポリペプトイドまたは非天然のポリペプチドを含むことができる。
特定の態様において、自己集合性ポリペプトイド配列を、立体化学的阻害剤として使用
することができる。ペプトイドモノマーは、N−置換グリシン骨格にしばしば基づく。骨
格は水素結合ドナーがないので、ポリペプトイドは容易に処理され、他方で二次構造、例
えばらせんはなお形成可能である。ポリペプトイドはまた、一般に化学的ならびに熱的に
安定しているが、ペプチドと同様の極性および側鎖を可能にする有益な特性も提供する。
本発明による自己集合性ポリペプトイド立体化学的阻害剤は、単一のペプトイドらせんに
自己集合して、特に直径0.3μm、0.4μm、0.5μm、0.6μm、0.7μm
、0.8μm、0.9μm、1.0μm、1.5μm、2μm、2.5μm、3μmまた
は3.5μmを含むマイクロメーター範囲のマイクロスフェアを形成することができる。
特定の態様において、立体化学的阻害剤は、C−α−分枝状側鎖、N−アリール側鎖、N
−1−ナフチルエチル側鎖または安定ならせん構造を形成することができる他の形態を持
つペプトイドを含むことができる。ペプトイド立体化学的阻害剤の例を図18に示す。図
18は、本発明による立体化学的阻害剤として使用できる分枝状ポリ−N−メトキシエチ
ルグリシンを例示する。特定の実施形態において、立体化学的阻害剤は、リンカー基、例
えば、本明細書に記載の切断可能な連結基に容易に結合される反応基を含むことができる
他の実施形態において、立体化学的阻害剤は、ポリマー、例えば生体適合性ポリマーを
含むことができる。ポリマーは、異なるポリマーのブロックを含むことができ、その結果
、水性環境に曝露された際にそのブロックが所望の巨視的構造、例えば球体を形成するよ
う。例えば、ポリマーが、水に添加されるとミセル構造に自己集合するように、コポリマ
ーは、親水性および疎水性のブロックのブロックを含むことができる。いくつかの実施形
態において、疎水性ブロックは、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジメチルシロキサ
ン(PDMS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)またはポリ乳酸(PLA)から
選択することができる。親水性ブロックは、ポリエチレングリコール(PEG)または他
のポリアルコールを含むことができる。
他の実施形態において、阻害剤は、ヌクレオチジルトランスフェラーゼの活性を遮断す
るために充分なサイズのナノ粒子を含むことができる。そのようなナノ粒子は、例えば、
金、銀、ケイ素、酸化セリウム、酸化鉄、二酸化チタン、窒化ケイ素、ホウ化ケイ素また
はシリカ、例えば、メソ多孔性シリカを含むことができる。他の実施形態において、ナノ
粒子は、炭素または半導体を含む高度に秩序化された(highly−ordered)
分子構造、例えばフラーレン、例えばバッキーボールおよびナノチューブを包含すること
ができる。
立体化学的阻害剤は、阻害剤に連結されるヌクレオチドおよびヌクレオチジルトランス
フェラーゼ酵素との適合性を提供するために荷電を有さなくても、または正もしくは負に
荷電してもよく、その結果阻害剤は、NTP類似体の5’末端における組み込み反応に干
渉しない。立体化学的阻害剤は、所望の立体構造、荷電または付着部位を提供するために
種々のアミノ酸残基を組み込むことができる。
NTP−リンカー−阻害剤型のヌクレオチド類似体の例を図1Aに示す。図1Aの類似
体は、糖環上に遮断されていない、非修飾3’−OHを提供し、一方でジスルフィド(−
S−S−)結合によってdCTPのN4位に連結された阻害基(−Asp−Asp−)を
含む。全てのリンカー原子(第2の組み込み阻害部分を含む)を除去することができ、そ
れにより新生DNA鎖を天然のヌクレオチドに戻すことができるようにリンカーが構築さ
れる。図1Bに示すように、水性還元剤、例えばトリス(2−カルボキシエチル)ホスフ
ィン(TCEP)またはジチオトレイトール(DTT)を使用して、−S−S−結合を切
断することができ、その結果阻害剤機能が喪失する(脱遮断)。図1Bに示すように、自
己環化リンカーを組み込むことができ、その結果ヌクレオチド合成の終結時に試薬溶液か
ら容易に除去される環状の酸化型テトラヒドロチオフェン脱離基が生じる。
図1AのdCTP類似体を合成する例示的なスキームを、以下のスキーム1Aおよび1
Bに示す:
Figure 2021061867

Figure 2021061867
スキーム1Aおよび1Bと類似の方式で、NTP−リンカー−阻害剤型のヌクレオチド
類似体はまた、リンカー−阻害剤部分をアデニンのN6(図2)、グアニンのN2(図3
)、チミンのN3(図4)またはウラシルのN3(図5)に付着させることによって形成
することもでき、それによって「天然に存在する」dNTPおよびデオキシウラシルヌク
レオチド(dUTP)の類似体を提供することができる。dUTPが幅広く使用される可
能性は低いが、合成は化学に基づいて平易である。
本発明は、スキーム1Aおよび1Bの連結化学に限定されないが、カルバミン酸、アミ
ドまたは他の自己排除連結もまた利用することも可能である。例えば、スキーム2に示す
ように、ヌクレオチドはまた、シュタウディンガーリンカーで調製することもできる。
Figure 2021061867
Asp−Asp遮断基に対するシュタウディンガーリンカー(スキーム2)で創出され
るデオキシシチジン三リン酸(dCTP)類似体を図6に示す。図6に示すように、シュ
タウディンガーdCTP類似体は、アジドおよびトリフェニルホスフィンの添加により水
性条件で切断を受ける。上で記載し、図1〜図5に例示した通り、図6に示すシュタウデ
ィンガー類似体はまた、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ、例えばTdTを使用するヌ
クレオチド伸長に適している。図中では明確に示さないが、当業者は、適当な反応物と共
にスキーム2を使用して、完全なde novoヌクレオチド合成に必要とされるシュタ
ウディンガーリンカーを有する他のヌクレオチド類似体を産生することができる。図6と
類似の方式で、スキーム2のヌクレオチド類似体は、シュタウディンガー部分をアデニン
のN6、グアニンのN2、チミンのN3またはウラシルのN3に付着させることによって
形成することができ、それによって「天然に存在する」dNTPおよびデオキシウラシル
ヌクレオチド(dUTP)の類似体を提供する。
例えば図7〜図10に示す通り、適当なリボヌクレオチド反応物を用いて開始すること
により、スキーム1Aの方法論を使用して対応するリボヌクレオチド類似体を産生するこ
とができる。図12に示すように、例えば、CTP類似体を含めた必要とされるリボヌク
レオチド類似体を形成するために、スキーム2を使用してシュタウディンガーリンカーを
含むリボヌクレオチド類似体はまた創出され得る。さらに、リボヌクレオチドの類似体の
全て、すなわち、C、A、T、G、Uは、スキーム2と同様の反応を使用して形成するこ
とができる。
酵素
本発明の方法は、ヌクレオチジルトランスフェラーゼを利用して、ポリヌクレオチドに
ヌクレオチド類似体を組み付ける。ヌクレオチジルトランスフェラーゼとしては、関連す
るトランスフェラーゼおよびポリメラーゼ酵素のいくつかのファミリーが挙げられる。い
くつかのヌクレオチジルトランスフェラーゼは、リボヌクレオチドより効率的にデオキシ
リボヌクレオチドを重合し、いくつかのヌクレオチジルトランスフェラーゼは、デオキシ
リボヌクレオチドより効率的にリボヌクレオチドを重合し、いくつかのヌクレオチジルト
ランスフェラーゼは、およそ同じ速度でリボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチ
ドを重合する。
本発明に特に重要(import)なことは、ポリメラーゼ活性を有するトランスフェ
ラーゼ、例えばターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)は、ヌ
クレオチド鎖の3’末端へのデオキシリボヌクレオチドの付加を触媒する能力があり、そ
れによってDNAヌクレオチドの鎖長が増加する。TdTは、DNA鎖の成長末端への1
〜2つのリボヌクレオチドの付加しか触媒しないことになり、これは部位特異的DNA−
RNAキメラポリヌクレオチドの構築に有用になり得る。特に、操作した大腸菌から供給
される仔ウシ胸腺TdTは、本発明での使用に適しており、市販品、例えばThermo
Scientific(ピッツバーグ、PA)から入手可能である。仔ウシTdTに対
応するアミノ酸配列を、配列番号1として表1に挙げる。
Figure 2021061867

仔ウシTdTに対応するヌクレオチド配列を、配列番号2として表2に挙げる。
Figure 2021061867

Figure 2021061867
市販のTdTは、本発明の方法での使用に適しているが、例えば、配列番号1と少なく
とも95%共通のアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号1と少なくとも98%共通の
アミノ酸配列を有する、例えば、配列番号1と少なくとも99%共通のアミノ酸配列を有
する改変TdTを、本発明の方法で使用することができる。適当なヌクレオチジルトラン
スフェラーゼを発現する生物は、配列番号2と少なくとも95%共通の、例えば、配列番
号2と少なくとも98%共通の、例えば、配列番号2と少なくとも99%共通の核酸配列
を含むことができる。いくつかの例において、改変TdTは、ポリヌクレオチドのより効
率的な生成をもたらすか、または鎖長のより良好な制御が可能になることになる。TdT
に対する他の改変は、酵素の遊離特質を変化させ、それによって水性還元剤、例えばTC
EPまたはDTTの必要性を減少させ得る。
RNAポリヌクレオチドの合成の場合、大腸菌ポリ(A)ポリメラーゼのようなヌクレ
オチジルトランスフェラーゼを使用して、リボヌクレオチドイニシエーターの3’末端へ
のリボヌクレオチドの付加を触媒することができる。他の実施形態において、大腸菌ポリ
(U)ポリメラーゼは、本発明の方法での使用により適している場合がある。大腸菌ポリ
(A)ポリメラーゼと大腸菌ポリ(U)ポリメラーゼとの両方とも、New Engla
nd Biolabs(イプスウィッチ、MA)から入手可能である。これらの酵素を、
3’が遮断されていない可逆的ターミネーターリボヌクレオチド(ribonuclotide)三リ
ン酸(rNTP)と使用して、RNAを合成することができる。特定の実施形態において
、RNAは、3’遮断、2’遮断、もしくは2’−3’遮断rNTPおよびポリ(U)ポ
リメラーゼまたはポリ(A)ポリメラーゼを使用して合成することができる。大腸菌ポリ
(A)ポリメラーゼならびに大腸菌ポリ(U)ポリメラーゼのアミノ酸配列およびヌクレ
オチド配列を下に複製する。改変大腸菌ポリ(A)ポリメラーゼまたは改変大腸菌ポリ(
U)ポリメラーゼは、本発明の方法での使用に適している場合がある。例えば、配列番号
3と少なくとも95%共通のアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号3と少なくとも9
8%共通のアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号3と少なくとも99%共通のアミノ
酸配列を有する酵素を、本発明の方法で使用することができる。適当な酵素を発現する生
物は、配列番号4と少なくとも95%共通の、例えば、配列番号4と少なくとも98%共
通の、例えば、配列番号4と少なくとも99%共通の核酸配列を含むことができる。ある
いは、配列番号5と少なくとも95%共通のアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号5
と少なくとも98%共通のアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号5と少なくとも99
%共通のアミノ酸配列を有する酵素を、本発明の方法で使用することができる。適当な酵
素を発現する生物は、配列番号6と少なくとも95%共通の、例えば、配列番号6と少な
くとも98%共通の、例えば、配列番号6と少なくとも99%共通の核酸配列を含むこと
ができる。
Figure 2021061867

大腸菌ポリ(A)ポリメラーゼに対応するヌクレオチド配列を、配列番号4として表4に
挙げる。
Figure 2021061867

Figure 2021061867

大腸菌ポリ(U)ポリメラーゼに対応するヌクレオチド配列を、配列番号6として表6に
挙げる。
Figure 2021061867
前述の通り、ヌクレオチド類似体と結合されている阻害剤は、トランスフェラーゼ、例
えば、TdTがポリヌクレオチドから遊離されないまたは他の類似体が成長中の鎖に組み
込まれることを防止することになる。荷電部分により、より良好な阻害を得られるが、研
究は阻害剤の特定の化学的性質が、特に重要なわけではないことを示唆している。例えば
、リン酸と酸性ペプチドとの両方を使用して、酵素活性を阻害することができる。例えば
、Bowersら、Nature Methods、第6巻、(2009年)593〜95頁および米国特許
第8,071,755号を参照のこと、その両方を、その全体を本明細書において参照に
より援用する。いくつかの実施形態において、阻害剤は、単一のアミノ酸または−(As
p)のようなジペプチドを含むことになるが、実験的に決定した第1のヌクレオチド組
み込みならびに第2のヌクレオチド組み込みの速度に基づいて、必要とされるようにその
部分のサイズおよび電荷を調整することができる。すなわち、他の実施形態は、より多く
のもしくは異なる荷電アミノ酸または他の生体適合性荷電分子を使用することができる。
ヌクレオチド合成の他の方法を使用して、ヌクレオチジルトランスフェラーゼまたは改
変ヌクレオチジルトランスフェラーゼ使用する鋳型非依存的方式で、de novoでオ
リゴヌクレオチドを作ることができる。一実施形態において、ポリメラーゼ/トランスフ
ェラーゼ酵素が3’非修飾dNTP類似体のリン酸に対する修飾に遭遇したときにヌクレ
オチド付加を中断するように、ポリメラーゼ/トランスフェラーゼ酵素を改変することが
できる。このスキームは、ヌクレオチド類似体のリン酸末端を修飾する脱遮断試薬/反応
を必要とし、脱遮断試薬/反応は、次のヌクレオチド組み込みのために新生鎖を解放する
。この手法の好ましい実施形態は、ヌクレオチドのプリン/ピリミジン塩基の修飾が許容
されるものの、リン酸(アルファ、ベータまたはガンマ)でだけ修飾されているヌクレオ
チド類似体を使用する。
いくつかの実施形態において、次のヌクレオチド類似体付加の前に、3’エキソヌクレ
アーゼを使用して、阻害剤で適切に終了しなかったオリゴヌクレオチドを除去することが
有利になり得る。特に、適切に終了したオリゴヌクレオチドだけを作るようにヌクレオチ
ド類似体の阻害剤を選択して、ヌクレオチジルトランスフェラーゼおよび3’エキソヌク
レアーゼの活性を阻害することができる。この品質管理技術を使用することで、得られた
オリゴヌクレオチド配列の純度が改善される。いくつかの実施形態において、そのような
品質管理手段の使用は、合成後精製の必要性を打ち消すことができる。この技術は図19
に図式的に表され、そこで過剰なヌクレオチド類似体を除去するための洗浄ステップ後か
つリンカー切断の前に3’エキソヌクレアーゼを導入する。図19に示すように、そのよ
うな清掃ステップは、望ましくない長さおよび/または配列のものであるオリゴヌクレオ
チドの数を減少させることになる。
鋳型依存的でないポリメラーゼ/トランスフェラーゼ酵素を使用する別の実施形態は、
タンパク質工学またはタンパク質進化を使用して酵素を改変し、それにより各単一ヌクレ
オチド組み込みの後に新生鎖に堅く結合し不活性のままにし、したがって、ポリメラーゼ
/トランスフェラーゼが遊離試薬/条件を使用して鎖から遊離される時間まで次のどんな
組み込みも防止することである。そのような改変は、可逆的ターミネーターdNTPの代
わりに天然の非修飾dNTPの使用が可能になるように選択する。遊離試薬は、高い塩緩
衝液、変性剤などであり得る。遊離条件は、高温、撹拌などであり得る。例えば、TdT
のループ1およびSD1領域に対する突然変異が、鋳型非依存的活性からより多くの鋳型
依存的活性に活性を劇的に変えることが示された。対象の特異的変異としては、それだけ
には限らないがΔ384/391/392、デルループ1(386→398)、L39
8A、D339A、F401A、およびQ402K403C404→E402R403S
404が挙げられる。組み込み後にTdT酵素を堅く結合する(すなわち、1回だけのタ
ーンオーバー)目的を達成するための他の手段としては、K261、R432およびR4
54を包含するがこれに限定されないイニシエーター鎖の3つのリン酸の結合に関与する
残基への突然変異が挙げられ得る。
鋳型依存的でないポリメラーゼ/トランスフェラーゼ酵素を使用する別の実施形態は、
タンパク質工学またはタンパク質進化を使用して、高効率で3’遮断可逆的ターミネータ
ーを受容するように酵素を改変することである。ほとんどの天然に存在するポリメラーゼ
/トランスフェラーゼ酵素は、酵素の活性部位における立体化学的制約のため、3’遮断
可逆的ターミネーターを組み込まないことになる。酵素の活性部位における単一または数
個いずれかのアミノ酸残基の改変は、上に記述したプロセスと完全に類似のプロセスにお
いて、支持体に結合しているイニシエーターへの3’遮断可逆的ターミネーターの高効率
の組み込みを可能にし得る。組み込み後に、3’可逆的終端が、脱遮断試薬/条件により
除去され、したがって次の制御された伸長反応の準備が整った完全に天然の(痕跡のない
)一本鎖分子が生成される。次に来るdNTPの3’−OHの近くに残基があることは、
TdTが、デオキシリボヌクレオチド三リン酸と同程度に容易にリボヌクレオチド三リン
酸を組み込む傾向を説明しており;β1とβ2との間、特にR334、ループ1およびα
13とα14との間、特にR454を含むがこれに限定されない残基は、3’可逆的ター
ミネーター基の容積を収容し、それの効率的な組み込みを可能にする突然変異誘発の有望
な標的である。特定の実施形態において、3’可逆的ターミネーターを収容するために作
製されるこれらの残基改変を補償するにはさらなるアミノ酸変化が必要となる場合がある
。鋳型依存的ポリメラーゼを使用する別の実施形態は、3’遮断または3’が遮断されて
いないdNTP類似体のいずれかを、固体支持体に付着している複数のプライマー−鋳型
対と共に使用することであり、鋳型は、使用者によって指定される4つの塩基のうちいず
れかのポリメラーゼ媒介プライマー伸長を支持する核酸類似体である。
鋳型依存的でないポリメラーゼ/トランスフェラーゼ酵素を使用する別の実施形態は、
タンパク質工学またはタンパク質進化を使用して酵素を改変し、類似体特異的な様式で4
つの異なるヌクレオチドのそれぞれもしくはさらに異なる修飾ヌクレオチド類似体の使用
を最適化することができる。ヌクレオチド特異的またはヌクレオチド類似体特異的酵素バ
リアントを操作して、所望のポリヌクレオチドの合成費用をさらに減少させるKの減少
もしくは付加速度の向上のような所望の生化学的性状を持たせることができる。
固体状態合成
本発明の方法は、種々の反応条件下で実施することができるが、所望のポリヌクレオチ
ドの順序正しい構築および回収は、ほとんどの場合、ポリヌクレオチドが成長できる固体
支持体を必要とすることになる。いくつかの実施形態において、方法は、固体支持体上で
のポリヌクレオチドの酵素媒介合成を包含する。上述のNTP、リンカーおよび阻害剤類
似体と組み合わせて使用する場合、例えば、水性環境においてTdTまたはポリ(A)ポ
リメラーゼを使用することによりDNAならびにRNAの特定のポリヌクレオチド配列を
構築することが可能になる。図13に示すように、TdTを使用して、段階的な方式でポ
リヌクレオチド配列を伸長することにより特注品のポリヌクレオチドの段階的な構築を行
うことができる。前に述べた通り、各NTP類似体の阻害基は、酵素にヌクレオチドの付
加を止めさせる。各ヌクレオチド伸長ステップ後に、リンカーを切断することにより阻害
剤を除去する前に、反応物を固体支持体から洗い流し、続いて新たな反応物を添加し、サ
イクルが新たに開始できるようにする。
特定の実施形態において、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ媒介ヌクレオチド類似体
伸長ステップの後かつ阻害剤切断の前に、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配
列が3’エキソヌクレアーゼに曝露されるさらなる品質管理ステップを組み込むことがで
きる。3’エキソヌクレアーゼは、遮断されていない3’OHを持つオリゴヌクレオチド
またはポリヌクレオチド鎖を分解することができる。特定の態様において、切断されてい
ない阻害剤(例えば、立体化学的阻害剤)は、3’エキソヌクレアーゼが、切断されてい
ないヌクレオチド類似体を首尾よく組み込んだ鎖を分解することを物理的に遮断すること
ができる。そのような品質管理ステップは、所望のヌクレオチド類似体を組み込みを首尾
よく行っていないオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドだけを分解することができ
、それにより、完成した合成した配列におけるどんな誤りも排除され、合成後配列確認の
必要性が潜在的に除去される。3’エキソヌクレアーゼ曝露後の、阻害剤切断ステップを
実施する前に酵素を洗い流すことができる。
3’エキソヌクレアーゼは、所望のヌクレオチド類似体が首尾よく付加されなかった鎖
を短縮または完全に分解することによって作用することができる。所与のサイクルで酵素
的に伸長できなかった鎖は、リンカー切断ステップの前に末端巨大分子−dNMPコンジ
ュゲートを有さないことになる。この段階で3’エキソヌクレアーゼが導入されると、「
失敗」鎖は、長さが短縮されるまたはモノヌクレオチドリン酸まで潜在的に完全に分解さ
れることになるが、完全長鎖は分解から保護され得る。長い(>500塩基)合成DNA
の収率は、各および全てのサイクルにおいて起こる高効率の反応によって決まり;酵素的
伸長と脱遮断/自己排除ステップとの両方が、定量的収率近くで起こらなければならない
。伸長効率が定量的レベルより低い(すなわち、伸長されず、したがって天然の非修飾の
末端ヌクレオチドを持つ鎖がある)場合、酵素的伸長ステップの後だが巨大分子ターミネ
ーター切断ステップの前における3’エキソヌクレアーゼの導入は、新生鎖純度に肯定的
な影響がある。
*反対に、それらの鎖が巨大分子ターミネーターによってなお保護されており、次の伸
長ステップの間に伸長することができないために脱遮断/排除ステップが、定量的レベル
より低い場合、3’エキソヌクレアーゼステップは、合成の品質に影響を与えない。した
がって3’エキソヌクレアーゼステップの追加による合成の品質の実際の改善は、実験的
に決定することしかできないので、追加の費用およびサイクル時間の価値がある場合に判
定が行われる。既存のホスホラミダイト法によって作製される長いODNの費用の多くが
合成後と関係する。
nサイクルの伸長−除去−脱遮断−洗浄の終結時に、完成した全長、一本鎖ポリヌクレ
オチドは完全であり、固体支持体から切断され、適用、例えばDNA配列決定またはPC
Rにその後使用するために回収することができる。あるいは、適用、例えばハイブリダイ
ゼーション分析、タンパク質またはDNA親和性捕捉にその後使用するために完成した、
全長、一本鎖ポリヌクレオチドを固体支持体に付着したままにすることができる。他の実
施形態において、部分的に二本鎖のDNAを、イニシエーターとして使用することができ
、その結果二本鎖ポリヌクレオチドが合成される。
本発明の方法での使用に適している固体支持体としては、ビーズ、スライド、ペグ(p
eg)またはウェルを含めたガラスおよびシリカ支持体が挙げられ得る。いくつかの実施
形態において、支持体を別の構造、例えばポリマーウェルプレートまたはピペットチップ
につなぐことができる。いくつかの実施形態において、固体支持体は、さらなる磁気特性
を有することができ、したがって磁石を使用して支持体を操るまたはある位置から除去す
ることが可能になる。他の実施形態において、固体支持体は、シリカで被覆したポリマー
であることができ、それにより自動処理に役に立つ種々の構造形状を形成することが可能
になる。
合成機
開示した方法の効率を利用して、水相DNA合成機を構築し、それにより実質的量の所
望のポリヌクレオチドを産生することができる。一実施形態において、合成機は、記述さ
れたNTP類似体試薬、すなわち、dCTP、dATP、dGTPおよびdTTPの4つ
のウェルならびにTdTをポリヌクレオチド成長をもたらすために十分な濃度で含むこと
になる。複数の開始配列を、例えば、実験室ロボットを使用して4つのウェルの各々に繰
り返し浸漬されるように設計されている固体支持体に付着させることができる。ロボット
は、ヌクレオチド付加の間に洗浄緩衝液で固体支持体をすすぎ、脱遮断薬剤に支持体を曝
露することによって連結基を切断し、次の所望のヌクレオチドのウェルへ固体支持体を移
動させる前に2度固体支持体を洗浄するようにさらにプログラムできる。単純なプログラ
ミングを用いて、数時間で、有害廃棄物を実質的に減らして有用な量の所望のヌクレオチ
ド配列を創出することが可能になる。慎重に制御された条件下での継続的合成により、数
千塩基対の長さのポリヌクレオチドの合成が可能になることになる。完了したら、伸長産
物を、固体支持体から遊離させ、その後完成したヌクレオチド配列として使用することが
できる。
高度に並列化された実施形態は、96または384ウェルいずれかの形式のペグ(pe
g)上にある一連のイニシエーター−固体支持体からなることができ、ペグ(peg)は
個々に格納もしくは下降させることができ、その結果ペグ(peg)を指標付けして、制
御された方式でウェル中にある液体に接触させることができる。したがって、合成機は、
無作為にアドレス可能なペグ(peg)デバイス、ペグ(peg)デバイスと同じ形式(
96または384間隔)の4つの酵素−dNTP類似体貯蔵槽、ペグ(peg)デバイス
と同じ形式(96または384間隔)のさらなる試薬貯蔵槽(洗浄、脱遮断など)、およ
び使用者がプログラム可能な制御されている方式であるが、ランダムアクセス方式の1つ
の貯蔵槽からもう一方へペグ(peg)デバイスを移動させる輸送機構(例えば、実験室
ロボット)からなることができる。内容物は、各ポリヌクレオチド合成の費用を減少させ
るために全ての合成プロセスを通して再使用されるので、4つの酵素−dNTP貯蔵槽の
それぞれの混入を避けるように注意しなければならない。
代替の実施形態において、試薬(例えば、ヌクレオチド類似体、酵素、緩衝液)は、固
体支持体間で移動され、試薬を再利用することが可能になる。例えば、貯蔵槽ならびにポ
ンプシステムは、オリゴヌクレオチドが形成されることになる1つまたは複数の反応器間
で4つの異なるヌクレオチド類似体溶液、洗浄緩衝液および/または還元剤溶液を移動さ
せることができる。反応器およびポンプは、慣用的なものであることができ、またはデバ
イスは微小流体を使用して構築することができる。無水でない(水性の)性質のプロセス
であるため、水への曝露を無くすために使用されるハードウェアの設計という特別な注意
を払う必要はない。合成プロセスは、蒸発の損失を制御するための予防措置だけ用いて行
われ得る。高度に並列化された実施形態は、同じ整合形式の一連のウェルにつなぐことが
できる96または384ウェルいずれかの形式のペグ(peg)上にある一連の一体化し
たイニシエーター−固体支持体からなることができる。各ウェルは実際に、適当な弁を持
つ4つの酵素−dNTP類似体貯蔵槽およびさらなる試薬貯蔵槽(洗浄、脱遮断など)に
より送り込まれる反応チャンバーである。酵素−dNTP反応物を、各ポリヌクレオチド
合成の費用を減少させるために合成プロセス全体を通して再使用するので、流体工学論理
で、各伸長反応後に元の方式で酵素−dNTP反応物を回収するための措置を設ける。他
の実施形態において、ピペットチップの系を使用して、試薬を添加し、除去することがで
きる。
特定の態様において、ポリヌクレオチドは、微小流体デバイスおよび/またはインクジ
ェット印刷技術を使用して合成することができる。例示的な微小流体ポリヌクレオチド合
成デバイスを、例示目的で図17に示すが、正確な縮尺ではない。調整器257を含む微
小流体チャネル255は、反応チャンバー251に貯蔵槽253を結合させ、調整器25
7を含む排出チャネル259は、反応チャンバー251から廃棄物を排出することができ
る。ポリヌクレオチド合成のための微小流体デバイスは、例えば、チャネル255、貯蔵
槽253および/または調整器257を含むことができる。ポリヌクレオチド合成は、微
小流体の反応チャンバー251内で起こることができ、反応チャンバー251は、多数の
アンカー固定され、合成されたヌクレオチドイニシエーターを含むことができ、反応チャ
ンバー251は、反応チャンバー内面にアンカー固定もしくは結合されたビーズまたは他
の基質を含むことができ、NTP類似体もしくはポリヌクレオチドイニシエーターを遊離
可能に結合することができる。反応チャンバー251は、少なくとも1つの取入れチャネ
ルおよび1つの排出チャネル259を含むことができ、その結果試薬を反応チャンバー2
51に添加し、除去することができる。微小流体デバイスは、各それぞれのNTP類似体
に対して貯蔵槽253を含むことができる。これらのNTP類似体貯蔵槽253の各々は
また、適当な量のTdTまたは鋳型の指示なしでDNAもしくはRNA鎖を伸長させる他
の任意の酵素を含むこともできる。さらなる貯蔵槽253は、リンカー/阻害剤切断およ
び洗浄のための試薬を含有することができる。これらの貯蔵槽253は、別々のチャネル
255を用いて反応チャンバー251と結合することができ、反応チャンバー251への
各チャネル255を通る試薬の流れは、ゲート、弁、圧力調整器または他の手段を使用す
ることにより個々に調整することができる。排出チャネル259を通る反応チャンバー2
51からの流れは、同様に調整することができる。
特定の例において、試薬、特にNTP類似体−酵素試薬は、再利用することができる。
ゲート、弁、圧力調整器または他の手段を使用して逆流を誘導することにより、試薬を、
それを入れた同じチャネル255を介して反応チャンバー251からそれぞれの貯蔵槽2
53に引き戻すことができる。あるいは、試薬を、独立した戻りチャネルを介して反応チ
ャンバー251からそれぞれの貯蔵槽253に戻すことができる。微小流体デバイスは、
上記のゲート、弁、圧力または他の調整器257を操作することができる制御器を含むこ
とができる。
例示的な微小流体ポリヌクレオチド合成反応は、反応チャンバー251に所望の酵素−
NTP類似体試薬を流すステップと;設定時間後に酵素−NTP類似体試薬を排出チャネ
ル259または戻りチャネルを介して反応チャンバー251から除去するステップと;反
応チャンバー251に洗浄試薬を流すステップと;洗浄試薬を、排出チャネル259を通
して反応チャンバー251から除去するステップと;反応チャンバー251に脱遮断また
は切断試薬を流すステップと;脱遮断または切断試薬を排出チャネル259もしくは戻り
チャネルを介して反応チャンバー251から除去するステップと;反応チャンバー251
に洗浄試薬を流すステップと;洗浄試薬を、排出チャネル259を通して反応チャンバー
251から除去するステップと;反応チャンバー251に合成しようとする所望の配列の
次のNTPを含む酵素−NTP類似体試薬を流すステップと;所望のポリヌクレオチドが
合成されるまで繰り返すステップとを含むことができる。所望のポリヌクレオチドが合成
された後に、それを反応チャンバーアンカーまたは基質から遊離させ、排出チャネル25
9もしくは他の手段を介して回収することができる。
特定の態様において、NTP類似体、TdTおよび/もしくは他の酵素を含めた試薬お
よび化合物、ならびにリンカー/阻害剤切断および/もしくは洗浄用の試薬を、インクジ
ェット印刷技術またはピエゾ電気ドロップオンデマンド(DOD)インクジェット印刷技
術使用して反応チャンバー内に堆積させることができる。インクジェット印刷技術を使用
して液滴を形成することができ、その液滴を、空気によって反応チャンバー内に堆積させ
ることができる。試薬液滴は、ピコリットル〜ナノリットル規模の体積を有することがで
きる。液滴は、1Hz、10Hz、100Hz、1kHz、2kHzおよび2.5kHz
を含めた種々の周波数でインクジェット印刷技術を使用して導入することができる。様々
な試薬を、インクジェット印刷デバイス内部の別々の貯蔵槽に保管することができ、イン
クジェット印刷デバイスは、例えば、異なる反応チャンバーまたはチップ内のウェルを含
めた様々な離れた位置に様々な試薬の液滴を送達することができる。特定の実施形態にお
いて、インクジェットおよび微小流体技術は、組み合わせることができ、特定の試薬およ
び化合物をインクジェット印刷技術を介して反応チャンバーに送達し、他方で他を微小流
体チャネルまたは管によって送達する。インクジェット印刷デバイスは、処理装置と結合
された、少なくとも非一時的で、有形の記憶装置を含む計算デバイスによって制御するこ
とができる。計算デバイスは、例えば、タッチスクリーン、マウスもしくはキーボードを
含めた入力デバイスからの入力を受信し、インクジェット印刷デバイスが試薬の液滴を堆
積させる時間と場所、堆積させる試薬および/または堆積させる試薬の量を制御するよう
に操作可能であり得る。
特定の例において、所望のポリヌクレオチド配列を、入力デバイスよって計算デバイス
に入れることができ、計算デバイスは、上記の通り適当な順序で、適当なNTP類似体、
酵素、切断試薬および洗浄試薬を連続して堆積させることにより所望のポリヌクレオチド
配列を産生するために必要な反応を実行するように操作可能である。
合成後に、遊離した伸長産物を高分離能PAGEによって分析して、イニシエーターが
、対照と比較して予想された塩基数まで伸長されたかどうか決定することができる。回収
した合成DNAの一部はまた配列決定され、合成されたポリヌクレオチドが予想された配
列のものかどうか決定することもできる。
合成機は、比較的単純であり、ホスホラミダイト合成に必要な有毒成分を必要としない
ので、本発明の合成機は、研究機関、生命技術者(biotech)および病院にとって
広く利用できることになる。さらに、試薬を再使用/再利用できることは、産生される廃
棄物を減少させ、消耗品の費用を減少させるのに役立つことになる。発明者らは、本方法
およびシステムが、多数の適用、例えばDNA配列決定、PCRおよび合成生物学に有用
であることを予想する。
参照による援用
他の文書、例えば特許、特許出願、特許公報、学術誌、書籍、論文、ウェブコンテンツ
への参照および引用が、本開示の全体を通じて行われた。そのような文書の全ては、全て
の目的のためにその全体をここで参照により本明細書において援用する。
等価物
本明細書に示し、記載したものに加えて、本発明の様々な改変ならびにその多くのさら
なる実施形態は、本明細書に引用した科学および特許文献への言及を含めたこの文書の全
内容から当業者に明らかになる。本明細書における主題は、その様々な実施形態およびそ
の等価物における本発明の実施に適合し得る重要な情報、例示および指針を含有する。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
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