JP2022523711A - 核酸を合成するための再使用可能な開始剤 - Google Patents

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マシュー ティー. ホールデン,
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    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids

Abstract

本発明は、固体支持体にカップリングされた再生可能な開始剤を使用して、ポリヌクレオチド(例えば、DNAおよびRNA)を合成するための改善された方法を提供する。本発明の方法を使用すると、特定のポリヌクレオチド配列が、水性環境において、核酸鋳型を使用することなく、1塩基ずつデノボ合成され得る。本発明は、核酸合成のための改善された方法を提供する。本発明の方法は、より迅速でより長いポリヌクレオチドのデノボ合成を提供する。

Description

関連出願
本出願は、2019年1月29日出願の米国特許出願第16/261,229号(その内容は、その全体において本明細書に参考として援用される)の利益および優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、所望の配列を有するポリヌクレオチドを、鋳型の必要性なしに合成するための方法および装置に関する。
背景
大部分のデノボ核酸配列決定は、十分に確立された固相ホスホルアミダイト技術を使用して行われる。そのホスホルアミダイト技術は、天然の(または非天然の)核酸塩基に相当するホスホルアミダイト試薬から構築された配列の逐次的な脱保護および合成を要する。しかし、ホスホルアミダイト核酸合成は、長さが200塩基対(bp)より大きい核酸が、高い破損率および副反応を経験するという点において、長さに制限がある。さらに、ホスホルアミダイト合成は、毒性の副生成物を生じ、この廃棄物の処理は、核酸合成機の利用可能性を制限し、請負のオリゴヌクレオチド生成のコストを増大させる(オリゴヌクレオチド合成の年間需要は、300,000ガロン超の危険な化学廃棄物(アセトニトリル、トリクロロ酢酸、トルエン、テトラヒドロフラン、およびピリジンが挙げられる)の原因であると予測される)。LeProustら, Nucleic Acids Res., vol. 38(8), p.2522-2540, (2010)(その全体において本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。従って、オリゴヌクレオチド合成のより効率的かつ費用効果的な方法の必要性がある。
LeProustら,Nucleic Acids Res.(2010)vol.38(8)p.2522~2540
要旨
本発明は、核酸合成のための改善された方法を提供する。本発明の方法は、より迅速でより長いポリヌクレオチドのデノボ合成を提供する。よって、本発明は、特注の核酸合成の全体のコストを劇的に低減する。本発明の方法は、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素を使用して、切断可能なリンカーによってインヒビターにカップリングされたヌクレオチドアナログを組み込むことによる、ポリヌクレオチドの鋳型非依存性合成に関する。上記インヒビターが原因で、合成は、各々新たな塩基の付加に伴って一旦停止し、その際に上記リンカーが切断され、上記インヒビターを分離し、天然に存在する(すなわち、さらなるヌクレオチド組み込みのための基質として、上記酵素によって認識される)ヌクレオチドと本質的に同一のポリヌクレオチドを残す。
特に、本発明は、鋳型非依存性核酸合成のための再生可能な基質を提供する。デノボ合成は、固体支持体に結合された核酸開始剤で開始する。適切な酵素(例えば、ポリメラーゼ、例えば、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT))の存在下で、ヌクレオチドアナログは、オリゴヌクレオチドを作るために、上記核酸開始剤に付加される。上記ヌクレオチドアナログが、酵素による付加を、1ヌクレオチドの付加後に停止させる除去可能な終結基を含むことは、好ましい。除去可能な終結基は、上記核酸の塩基部分に、および/または上記核酸の3’ヒドロキシルに連結され得る。上記終結基および/または上記3’ブロッキング基の脱ブロックは、上記酵素の基質である新たな活性部位を作る。新たなヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログの付加に続いて、上記オリゴヌクレオチドは伸長される。
いくつかの場合において、上記核酸開始剤は、上記酵素の基質である3’部分を含む。放出剤は、上記3’部分を脱カップリングし、それによって、上記オリゴヌクレオチドを放出するために使用される、上記3’部分、上記核酸開始剤、および上記固体支持体は、新生オリゴヌクレオチドの放出後に再使用可能である。
本発明はさらに、特注のポリヌクレオチドの生成のために本発明の方法を利用する装置を含む。本発明の装置は、水性条件およびヌクレオチドアナログの複数の供給源を提供する1またはこれより多くのバイオリアクターを含む。上記バイオリアクターは、例えば、レザバ、フローセル、またはマルチウェルプレートであり得る。上記バイオリアクターは、核酸開始剤および切断可能な3’部分を有する固体支持体を含み得る。上記固体支持体から出発して、上記ポリヌクレオチドは、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ、例えば、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)、または鋳型の指示なしにDNAもしくはRNA鎖を伸長する任意の他の酵素の天然の活性を通じて、連続してヌクレオチドを付加することによって、上記リアクターの中で成長する。上記リンカーの切断の際に、天然のポリヌクレオチドは、上記固体支持体から放出される。上記配列が一旦完了すると、上記支持体は切断して除去されるか、または上記3’部分は、放出剤と接触され、天然において見出されるものに本質的に等しいポリヌクレオチドを残す。いくつかの実施形態において、上記装置は、ヌクレオチド付加後にヌクレオチドアナログ溶液を回収し、その後のヌクレオチド付加のためにそのヌクレオチドアナログ溶液を再使用することによって、そのヌクレオチドアナログ溶液をリサイクルするように設計される。従って、廃棄物の生成が少ないほど、1塩基あたりの全体のコストは、技術水準の方法と比較して低減される。ある特定の実施形態において、バイオリアクターは、微小流体デバイスを含み得る、および/またはインクジェット印刷技術を使用し得る。
終結基は、例えば、荷電部分または立体化学的インヒビターを含み得る。一般に、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素が機能的コンホメーションに達しないようにする大きな高分子は、オリゴヌクレオチド合成を阻害するために有用である、このような高分子としては、ポリマー、ポリペプチド、ポリペプトイド、およびナノ粒子が挙げられる。上記高分子は、ヌクレオチジルトランスフェラーゼの活性部位へのアクセスを物理的にブロックするために十分大きくあるべきであるが、反応動態を負に変化させるほど大きくはない。上記高分子は、以下で記載されるように、種々のリンカーのうちのいずれかを使用して、ヌクレオチドアナログに連結される。
3’-O-ブロックしたヌクレオチドアナログを使用する実施形態において、上記3’-O-ブロッキング基は、代表的には、小さくかつ容易に除去され、従って、改変された活性部位を有する操作された酵素に伴う使用を可能にする。例えば、上記3’-O-ブロッキング基は、アジドメチル、アミノ、またはアリル基を含み得る。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド合成は、各ヌクレオチドアナログを付加した後であるが、終結基を切断する前に、1またはこれより多くの合成したオリゴヌクレオチドへの3’エキソヌクレアーゼの導入を含み得る。上記終結基は、3’エキソヌクレアーゼが、ヌクレオチドアナログが付加された任意のオリゴヌクレオチドに対して作用するのをブロックすると同時に、ターミネーターを含むアナログを成功裡に付加しなかったオリゴヌクレオチドは、3’エキソヌクレアーゼによって除去される。この様式において、本発明は、プロセス内品質管理を可能にし、合成後精製の必要性を排除し得る。
本発明の他の局面は、以下の図面および詳細な説明を考慮すれば、当業者に明らかである。
図1Aは、N-4位置において切断可能なターミネーターが連結されたデオキシシチジン三リン酸(dCTP)アナログの属を示す。
図1Bは、「天然の」dCTPおよび環状脱離分子を達成する、図1AのdCTPアナログからの切断可能なターミネーターの切断を示す。
図2Aは、切断可能なターミネーターがN-6位置で連結されたデオキシアデノシン三リン酸(dATP)アナログの属を示す。
図2Bは、「天然の」dATPおよび環状脱離分子を達成する、図2AのdATPアナログからの上記切断可能なターミネーターの切断を示す。
図3Aは、切断可能なターミネーターがN-2位置で連結されたデオキシグアノシン三リン酸(dGTP)アナログの属を示す。
図3Bは、「天然の」dGTPおよび環状脱離分子を達成する、図3AのdGTPアナログからの上記切断可能なターミネーターの切断を示す。
図4Aは、切断可能なターミネーターがN-3位置で連結されたデオキシチミジン三リン酸(dTTP)アナログの属を示す。
図4Bは、「天然の」dTTPおよび環状脱離分子を達成する、図4AのdTTPアナログからの上記切断可能なターミネーターの切断を示す。
図5Aは、切断可能なターミネーターがN-3位置で連結されたデオキシウリジン三リン酸(dUTP)アナログの属を示す。
図5Bは、dUTPおよび環状脱離分子を達成する、図5AのdUTPアナログからの上記切断可能なターミネーターの切断を示す。
図6は、ブロッキングAsp-Asp分子をデオキシシチジンのN-4位置へと接続するStaudingerリンカーを有する例示的なデオキシシチジン三リン酸(dCTP)アナログ、ならびにdCTPおよび脱離基を達成する水性条件下でのStaudingerリンカーのその後の切断を示す。
図7Aは、切断可能なターミネーターがN-4位置で連結されたシチジン三リン酸(rCTP)アナログの属を示す。
図7Bは、「天然の」rCTPおよび環状脱離分子を達成する、図7AのrCTPアナログからの上記切断可能なターミネーターの切断を示す。
図8Aは、切断可能なターミネーターがN-6位置で連結されたアデノシン三リン酸(rATP)アナログの属を示す。
図8Bは、「天然の」rATPおよび環状脱離分子を達成する、図8AのrATPアナログからの切断可能なターミネーターの切断を示す。
図9Aは、切断可能なターミネーターがN-2位置で連結されたグアノシン三リン酸(rGTP)アナログの属を示す。;
図9Bは、「天然の」rGTPおよび環状脱離分子を達成する、図9AのrGTPアナログからの上記切断可能なターミネーターの切断を示す。
図10Aは、切断可能なターミネーターがN-3位置で連結されたチミジン三リン酸(rTTP)アナログの属を示す。
図10Bは、「天然の」rTTPおよび環状脱離分子を達成する、図10AのrTTPアナログからの上記切断可能なターミネーターの切断を示す。
図11Aは、切断可能なターミネーターがN-3位置で連結されたウリジン三リン酸(rUTP)アナログの属を示す。
図11Bは、rUTPおよび環状脱離分子を達成する、図11AのrUTPアナログからの上記切断可能なターミネーターの切断を示す。
図12は、ブロッキングAsp-Asp分子をシチジンのN-4位置へと接続するStaudingerリンカーを有する例示的なシチジン三リン酸(rCTP)アナログ、ならびにrCTPおよび脱離基を達成する水性条件下での上記Staudingerリンカーのその後の切断を示す。
図13は、以下を含む、例示的な末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)媒介性ポリヌクレオチド合成サイクルを示す:(a)切断可能なターミネーター、dNTP-OHを含むヌクレオチド三リン酸アナログの組み込み、および(b)終結ブロッキング基(によって示される)の除去、従って、次のdNTP-OH(ここでN=A、G、C、またはT)が組み込まれることを可能にする。
図14は、可変数のメチレン架橋を含む切断可能なリンカーを有する例示的なヌクレオチドアナログを示す。
図15は、システイン残基を含む切断可能なリンカーを有する例示的なヌクレオチドアナログを示す。
図16Aは、1個のホスフェート基を含むアニオン性インヒビターを有する例示的なヌクレオチドアナログを示す。
図16Bは、2個のホスフェート基を含むアニオン性インヒビターを有する例示的なヌクレオチドアナログを示す。
図16Cは、3個のホスフェート基を含むアニオン性インヒビターを有する例示的なヌクレオチドアナログを示す。
図17は、例示的な微小流体ポリヌクレオチド合成デバイスを示す。
図18は、本発明における使用に適した例示的なポリペプトイドインヒビターを示す。
図19は、3’エキソヌクレアーゼを使用して、オリゴヌクレオチド合成サイクル間に適切に終結しなかったオリゴヌクレオチドを消化することを記載するフローチャートを示す。
図20は、3’-O-ブロッキング基を有するヌクレオチド三リン酸アナログを使用するデノボオリゴヌクレオチドの合成を図示する。
図21は、適切な鋳型非依存性ポリメラーゼとともにデノボオリゴヌクレオチドを合成するために使用され得る4個の例示的な3’-O-ブロックされたヌクレオチドアナログを示す。
図22は、固体支持体にカップリングされた核酸への再使用可能な3’部分の組み込み、改変型TdTを使用する核酸の成長、およびデノボオリゴヌクレオチドの放出を図示する。
図23は、TdTでの3’-ポリUトラクトの酵素的設置、続いて、上記トラクトのUSER消化の結果を示す。
図24は、内部ポリUトラクトをUSER消化して、5’-単分散性切断生成物を生成することの結果を示す。
図25は、固相脱リン酸化およびTdT伸長結果を図示する。 図25は、固相脱リン酸化およびTdT伸長結果を図示する。
図26は、例示的な樹脂再生サイクルを示す。
図27は、例示的なインデックス鎖再生プロセスを示す。
詳細な説明
本発明は、酵素および核酸アナログを使用して、ポリヌクレオチド(例えば、DNAおよびRNA)を合成するための改善された方法を提供する。開示される方法を使用すると、特定のポリヌクレオチド配列が、1塩基ずつ、水性環境において、かつ核酸鋳型を使用することなくデノボ合成され得る。
ヌクレオチドアナログは、改変されていない3’ヒドロキシルを有してもよいし、3’-O-ブロッキング基を有していてもよいし、ホスフェートに放出可能に付着したブロッカーを有していてもよい。いずれにしても、上記ブロッキング基は、実質的なさらなる分子を残して離れないように設計される、すなわち、酵素によって「天然の」ヌクレオチドとして認識される「傷のない(scarless)」ヌクレオチドを残して離れるように設計される。従って、合成の完結時に、最後のブロッキング基を除去すると、その合成されたポリヌクレオチドは、同じ配列を有する天然に存在するポリヌクレオチドに、化学的におよび構造的に等しい。その合成ポリヌクレオチドは、従って、その合成されたポリヌクレオチドが、生化学的経路または代謝に干渉するという懸念なしに、生きている系へと組み込まれ得る。
本発明のプロセスおよびアナログは、オリゴヌクレオチドおよびオリゴデオキシヌクレオチドの、特に、長いオリゴヌクレオチド(<5000nt)の非鋳型媒介性の酵素的合成のために使用される。生成物は、使用される開始剤に依存して、1本鎖または部分的に2本鎖であり得る。長いオリゴヌクレオチドの合成は、高効率の組み込みおよび高効率の可逆的ターミネーター除去を必要とする。上記固体支持体に結合される開始剤は、ユーザー定義の配列の短い断片またはユニバーサル開始剤(そこからユーザー定義の1本鎖生成物が除去される)のいずれかである短い1本鎖DNA配列からなる。
1つの局面において、開示される方法は、市販のヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素(例えば、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT))を使用して、ヌクレオチドアナログから、1工程ずつの様式でポリヌクレオチドを合成する。上記ヌクレオチドアナログは、以下の形態:
NTP-リンカー-インヒビター
のものであり、ここでNTPは、ヌクレオチド三リン酸(すなわち、dNTPまたはrNTP)であり、上記リンカーは、塩基のピリジンまたはピリミジンとの間で切断可能なリンカーであり、上記インヒビターは、上記酵素が、続くヌクレオチドを組み込まないようにする基である。各工程において、新たなヌクレオチドアナログは、成長中のポリヌクレオチド鎖へと組み込まれ、その場合、上記酵素は、上記インヒビター基によって、さらなるヌクレオチドを付加することからブロックされる。上記酵素が一旦停止された後は、その過剰なヌクレオチドアナログは、上記成長中の鎖から除去され、上記インヒビターは上記NTPから切断され、新たなヌクレオチドアナログが次のヌクレオチドを上記鎖に付加するために導入され得る。上記工程を逐次的に反復することによって、所望の長さおよび配列のヌクレオチド配列を迅速に構築することが可能である。ヌクレオチジルトランスフェラーゼをポリヌクレオチド合成に使用する利点としては、1)鋳型非依存性重合において1本鎖(ss)開始プライマーを使用する3’-伸長活性、2)数千ものヌクレオチドの付加を生じる非常に効率的な様式においてプライマーを伸長する能力、および3)広く種々の改変されたおよび置換されたNTPを効率的な基質として受容すること、が挙げられる。
さらに、本発明は、ヌクレオチジルトランスフェラーゼの基質である開始剤配列を利用し得る。上記開始剤は、固体支持体に付着され、上記酵素の認識部位として働く。上記開始剤は、好ましくは、酵素のユニバーサル開始剤(例えば、ホモポリマー配列)であり、その形成されたオリゴヌクレオチドが上記開始剤から切断可能であることから、上記固体支持体上でリサイクル可能である。
本発明の方法は、合成核酸、例えば、ホスホルアミダイトで合成したDNAオリゴヌクレオチドを現在使用する種々の適用に十分に適している。例えば、本発明の方法を使用して合成されるポリヌクレオチドは、核酸増幅のためのプライマー、特異的マーカーの検出のためのハイブリダイゼーションプローブとして、および遺伝子操作用のプラスミドに組み込むために使用される。しかし、開示される方法は、より高速に、および水性環境においてより長い合成ヌクレオチド鎖を生成することから、開示される方法はまた、ハイスループット適用(例えば、細胞アッセイにおける遺伝的バリエーションの発現のためのスクリーニング)および合成生物学に適している。さらに、本発明の方法は、次世代適用のために必要とされる機能性(例えば、合成読み取り/書き込みメモリとしてDNAを使用する、またはDNAから完全に(または部分的に)合成される巨視的物質(macroscopic material)を作る)を提供する。
本明細書で記載される発明およびシステムは、デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)を含むポリヌクレオチドの合成を提供する。「天然の」ヌクレオチド(例えば、DNAおよびRNA)の合成経路は、一般的な核酸塩基(例えば、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)、およびウラシル(U))の文脈において記載されているが、本発明の方法が、ユニバーサル塩基(例えば、3-ニトロピロール 2’-デオキシヌクレオチドおよび5-ニトロインドール 2’-デオキシヌクレオチド、αホスホロチオレート(phosphorothiolate)、ホスホロチオレートヌクレオチド三リン酸、または他の所望の特性(例えば、蛍光)を有するプリンもしくはピリミジン結合体を組み込むヌクレオチドを含め、いわゆる「非天然」ヌクレオチドに適用され得ることは、理解されるべきである。プリンおよびピリミジン塩基の他の例としては、以下が挙げられる: ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6-メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよび他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-プロピニルウラシルおよびシトシン、6-アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5-ウラシル(プソイドウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ(例えば、8-ブロモ)、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシルおよび他の8-置換されたアデニンおよびグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチルおよび他の5-置換されたウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン、8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、デアザグアニン、7-デアザグアニン、3-デアザグアニン、デアザアデニン、7-デアザアデニン、3-デアザアデニン、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、イミダゾ[1,5-a]1,3,5 トリアジノン、9-デアザプリン、イミダゾ[4,5-d]ピラジン、チアゾロ[4,5-d]ピリミジン、ピラジン-2-オン、1,2,4-トリアジン、ピリダジン;ならびに1,3,5 トリアジン。いくつかの場合において、非反応性であるが、およそ等価な塩基、すなわち、他のタンパク質(すなわち、転写酵素)と反応せず、従って、配列情報の影響が、上記塩基の構造的効果から脱共役させることを可能にする塩基を有するヌクレオチド配列を生成することは、有用であり得る。
アナログ
本発明は、水性環境におけるポリヌクレオチドの合成のための、式 NTP-リンカー-インヒビターを有するヌクレオチドアナログを提供する。上記形態 NTP-リンカー-インヒビターというアナログに関しては、NTPは、任意のヌクレオチド三リン酸、例えば、アデノシン三リン酸(ATP)、グアノシン三リン酸(GTP)、シチジン三リン酸(CTP)、チミジン三リン酸(TTP)、ウリジン三リン酸(UTP)、ヌクレオチド三リン酸、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)、デオキシチミジン三リン酸(dTTP)、またはデオキシウリジン三リン酸(dUTP)であり得る。
上記リンカーは、上記インヒビターを上記NTPに繋ぐ任意の分子部分であり得、切断され得る。例えば、上記リンカーは、周囲の環境のpHを調節することによって切断され得る。上記リンカーはまた、所定の温度において活性化されるが、別の温度では不活性化される酵素によって切断され得る。いくつかの実施形態において、上記リンカーは、ジスルフィド結合を含む。
リンカーは、例えば、光切断可能な、求核性の、または求電子性の切断部位を含み得る。光切断可能なリンカー(ここで切断は、特定の光の波長によって活性化される)としては、ベンゾイン、ニトロベラトリル、フェナシル、ピバロイル、シリル(sisyl)、2-ヒドロキシ-シンナミル(cinamyl)、クマリン-4-イル-メチル、または2-ニトロベンジルベースのリンカーが挙げられ得る。
求核性切断部位の例としては、塩基性溶液中で切断され得るフッ化物イオン切断性ケイ素-酸素結合またはエステルが挙げられる。求電子的に切断されるリンカーとしては、トリチル、tert-ブチルオキシカルボニル基、アセタール基、ならびにp-アルコキシベンジルエステルおよびアミドを含み得る酸誘導性切断部位が挙げられ得る。ある特定の局面において、切断可能なリンカーは、図15に示されるように、システイン残基を含み得る。
上記リンカーは、例えば、シトシンのN4、チミンのN3もしくはO4、グアニンのN2もしくはN3、およびアデニンのN6、またはウラシルのN3もしくはO4において、付着され得る。なぜなら炭素における付着は、ポリメラーゼを阻害する基を除去した後に、残留する傷(scar)の存在を生じるからである。上記リンカーは、代表的には、少なくとも約10Å長、例えば、少なくとも約20Å長、例えば、少なくとも約25Å長程度であり、従って、上記インヒビターがピリミジンまたはピリミジンから十分遠くに存在することを可能にして、上記酵素が上記NTPを、上記付着した糖骨格を介してポリヌクレオチド鎖に結合することを可能にする。いくつかの実施形態において、上記切断可能なリンカーは、これらが、成長中のヌクレオチド鎖に対して特に非反応性である環分子を形成するという点において、自己環化する。
ある特定の局面において、切断可能なリンカーは、上記NTPまたはジスルフィド結合のインヒビター側に、可変数のメチレン架橋を含み得る(例えば、図14および16A~Cに示されるように、1個、2個、3個、または4個のメチレン架橋を含む)。これらのメチレン架橋は、上記NTPと上記インヒビターとの間の空間を増大させるために使用され得る。上記で注記されるように、上記切断可能なリンカーの長さは、上記インヒビターが合成されたポリヌクレオチドへの上記NTPのカップリングに干渉しないように、選択され得る。本発明のいくつかの実施形態において、荷電した基から上記NTPまでの距離は、その後のヌクレオチド組み込みを阻害するという有効性において重要な役割を果たす。
例えば、インヒビターとして荷電した部分を使用するいくつかの実施形態において、上記荷電した部分は、上記NTPから約5~約60結合離れていてもよい。いくつかの他の実施形態において、上記インヒビターの荷電した部分は、上記NTPから約10~約40結合離れていてもよい。いくつかの他の実施形態において、上記インヒビターの荷電した部分は、上記NTPから約10~約35結合離れていてもよい。いくつかの他の実施形態において、上記インヒビターの荷電した部分は、上記NTPから約10~約30結合離れていてもよい。いくつかの他の実施形態において、上記インヒビターの荷電した部分は、上記NTPから約10~約20結合離れていてもよい。上記荷電した部分と上記NTPとの間の結合の数は、さらなるメチレン架橋を含めることによって増大され得る。
上記ヌクレオチドアナログは、上記酵素による続くヌクレオチドのカップリングを阻害する上記NTPに連結された任意の部分を含み得る。上記阻害性の基は、荷電した基(例えば、荷電したアミノ酸)であり得るか、または上記阻害性の基は、周囲条件に依存して荷電される基であり得る。いくつかの実施形態において、上記インヒビターは、負に荷電しているかまたは負に荷電される能力がある部分を含み得る。例えば、インヒビターは、図16A~Cに示されるように、ホスフェート基の鎖(例えば、1個、2個、または3個のホスフェート)を含み得、ここでさらなるホスフェートは、上記インヒビターの全体のアニオン性の荷電を増大させる。他の実施形態において、上記インヒビター基は、正に荷電しているかまたは正に荷電される能力がある。いくつかの他の実施形態において、上記インヒビターは、アミノ酸またはアミノ酸アナログである。上記インヒビターは、2~20ユニットのアミノ酸またはアナログのペプチド、2~10ユニットのアミノ酸またはアナログのペプチド、3~7ユニットのアミノ酸またはアナログのペプチド、3~5ユニットのアミノ酸またはアナログのペプチドであり得る。いくつかの実施形態において、上記インヒビターは、Glu、Asp、Arg、His、およびLysからなる群より選択される基、ならびにこれらの組み合わせ(例えば、Arg、Arg-Arg、Asp、Asp-Asp、Asp、Glu、Glu-Glu、Asp-Glu-Asp、Asp-Asp-GluまたはAspAspAspAspなど)を含む。ペプチドまたは基は、同じまたは異なるアミノ酸またはアナログの組み合わせであり得る。ある特定の実施形態において、ペプチドインヒビターは、遊離アミノ基の不規則な結合(errant bonding)を止めさせるようにアセチル化され得る。上記阻害性の基はまた、上記酵素の活性部位における残基と反応する基を含み得、従って、上記酵素による続くヌクレオチドのカップリングに干渉する。上記インヒビターは、-COO、-NO、-PO,-PO、-SO、または-NR(ここで各Rは、Hまたはアルキル基であり得る)からなる群より選択される荷電した基を有し得る。他の実施形態において、上記インヒビター部分は、-PO基を含まない。
ある特定の局面において、ターミネーターまたはインヒビターは、立体化学的インヒビター基を含み得る。このような立体化学的インヒビター基は、上記NTP-リンカー-インヒビター(すなわち、ヌクレオチドアナログ)が、オリゴヌクレオチドのブロックされていない3’OH上に組み込まれることを可能にし得る(上記組み込みは、ヌクレオチジルトランスフェラーゼによって触媒される)。上記立体化学的インヒビター基は、上記組み込まれたヌクレオチドアナログのブロックされていない3’OHへのヌクレオチドまたはさらなるヌクレオチドアナログの組み込みを物理的にブロックし得る。立体化学的インヒビターはまた、3’エンドヌクレアーゼが、ヌクレオチドアナログに対して、よって、切断されていないヌクレオチドアナログが組み込まれたオリゴヌクレオチドに対して作用することをブロックし得る。
立体化学的インヒビターは、例えば、化学的ポリマー、ナノ粒子、ポリ-N-置換されたグリシン(ペプトイド)、またはタンパク質を含み得る。本発明の立体化学的インヒビターは、例えば、20Å超、30Å超、40Å超、50Å超、60Å超、70Å超、80Å超、90Å超、100Å超、110Å超、120Å超、130Å超、140Å超、または150Å超を含む種々のサイズであり得る。好ましい実施形態において、立体化学的インヒビターは、単分散性または実質的に単分散性であり得る。立体化学的インヒビターは、水溶性で、コンホメーション的に制約されていてもよい(すなわち、剛性または半剛性の形態)。ある特定の局面において、立体化学的インヒビターは、上記インヒビターのサイズまたはコンホメーションが原因で、関連するヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素の活性部位へのアクセスを物理的にブロックする。好ましい実施形態において、上記立体化学的インヒビターは、非天然の生物模倣ポリマー(bio-inspired polymer)(例えば、ポリペプトイドまたは非天然のポリペプチド)を含み得る。
ある特定の局面において、自己アセンブリするポリペプトイド配列は、立体化学的インヒビターとして使用され得る。ペプトイドモノマーはしばしば、N-置換されたグリシン骨格に基づく。上記骨格は、水素結合ドナーを欠いていることから、ポリペプトイドは、ヘリックスのような二次構造をなお形成し得ると同時に、容易に処理される。それらはまた、概して化学的におよび熱的に安定性であると同時に、ペプチドに類似の極性および側鎖を可能にするという有益な特性を提供する。本発明に従う自己アセンブリするポリペプトイド立体化学的インヒビターは、単一のペプトイドヘリックスを自己アセンブリして、とりわけ、.3μm、.4μm、.5μm、.6μm、.7μm、.8μm、.9μm、1.0μm、1.5μm、2μm、2.5μm、3μm、または3.5μmを含むマイクロメートル範囲の直径にあるマイクロスフェアを形成し得る。ある特定の局面において、立体化学的インヒビターは、C-α-分枝状側鎖、N-アリール側鎖、N-1-ナフチルエチル側鎖、または安定なヘリックス構造を形成し得る他の構成を有するペプトイドを含み得る。ペプトイド立体化学的インヒビターの例は、図18に示される。図18は、本発明に従う立体化学的インヒビターとして使用され得る分枝状ポリ-N-メトキシエチルグリシンを図示する。ある特定の実施形態において、立体化学的インヒビターは、リンカー基、例えば、上記で記載されるとおりの切断可能な連結基に容易に繋がれる反応性の基を含み得る。
他の実施形態において、立体化学的インヒビターは、ポリマー(例えば、生体適合性ポリマー)を含み得る、上記ポリマーは、異なるポリマーのブロックを含み得、その結果、上記ブロックは、所望の巨視的構造(例えば、水性環境に曝される場合のスフェア)を形成する。例えば、コポリマーは、親水性ブロックおよび疎水性ブロックを含み得、その結果、上記ポリマーは、水に添加された際にミセル状の構造へと自己アセンブリする。いくつかの実施形態において、上記疎水性ブロックは、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、またはポリラクチド(PLA)から選択され得る。上記親水性ブロックは、ポリエチレングリコール(PEG)または他の多価アルコールを含み得る。
他の実施形態において、上記インヒビターは、ヌクレオチジルトランスフェラーゼの活性をブロックするために十分なサイズのナノ粒子を含み得る。このようなナノ粒子は、例えば、金、銀、ケイ素、酸化セリウム、酸化鉄、二酸化チタン、窒化ケイ素、ホウ化ケイ素、またはシリカ(例えば、メソポーラスシリカ)を含み得る。他の実施形態において、上記ナノ粒子は、炭素を含む高次分子構造(例えば、フラーレン、例えば、バッキーボールおよびナノチューブ)、または半導体を含み得る。
立体化学的インヒビターは、荷電していなくてもよいし、連結されるヌクレオチドとの、およびヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素との適合性を提供するために、正に荷電していても負に荷電していてもよい。その結果、上記インヒビターは、NTPアナログの5’末端上での組み込み反応に干渉しない。立体化学的インヒビターは、所望のコンホメーション、電荷、または付着部位を提供するために、種々のアミノ酸残基を組み込み得る。
NTP-リンカー-インヒビターのタイプのヌクレオチドアナログの例は、図1Aに示される。図1A中のアナログは、糖環上のブロックされていない、改変されていない3’-OHを提供すると同時に、ジスルフィド(-S-S-)結合を通じてdCTPのN位置に連結された阻害性(-Asp-Asp-)基を含む。上記リンカーは、全てのリンカー原子(第2の組み込み阻害部分を含む)が除去され得、それによって、新生DNA鎖が天然のヌクレオチドに戻ることを可能にするように構築される。図1Bに示されるように、水性還元剤(例えば、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)またはジチオスレイトール(DTT))は、-S-S-結合を切断し、インヒビター機能の喪失(脱ブロック)を生じるために使用され得る。図1Bに示されるように、自己環化するリンカーは、組み込まれ得、ヌクレオチド合成の完結時に試薬溶液から容易に除去される環状酸化型テトラヒドロチオフェン脱離基を生じ得る。
図1AのdCTPアナログを合成するための例示的なスキームは、以下のスキーム1Aおよび1Bに示される:
Figure 2022523711000002
Figure 2022523711000003
スキーム1Aおよび1Bに類似の様式において、NTP-リンカー-インヒビターのタイプのヌクレオチドアナログはまた、上記リンカー-インヒビター部分を、アデニンのN6(図2)、グアニンのN2(図3)、チミンのN3(図4)、またはウラシルのN3(図5)に付着することによって形成され得、それによって、「天然に存在する」dNTP、ならびにデオキシウラシルヌクレオチド(dUTP)のアナログを提供する。dUTPが広範に使用される可能性は低いが、その合成は、化学的性質に基づいて簡単である。
本発明は、スキーム1Aおよび1Bの連結の化学的性質に限定されないが、カルバメート、アミド、または他の自己脱離性の連結(self-eliminating linkage)がまた、使用され得る。例えば、ヌクレオチドは、スキーム2に示されるように、Staudingerリンカーとともに調製され得る:
Figure 2022523711000004
Asp-Aspブロッキング基へのStaudingerリンカーを用いて作製されたデオキシシチジン三リン酸(dCTP)アナログ(スキーム2)は、図6に示される。図6に示されるように、上記Staudinger dCTPアナログは、アジドおよびトリフェニルホスフィンを添加して水性条件下で切断を受ける。図6に示されるStaudingerアナログはまた、上記に記載され、図1~5に例示されるように、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ(例えば、TdT)を使用するヌクレオチド伸長のために適切である。図中に明示的に示されないが、当業者は、完全なデノボヌクレオチド合成のために必要とされる場合、Staudingerリンカーを有する他のヌクレオチドアナログを生成するために、スキーム2を、適切な反応物とともに使用し得る。図6に類似の様式において、スキーム2のヌクレオチドアナログは、上記Staudinger部分を、アデニンのN6、グアニンのN2、チミンのN3、またはウラシルのN3に付着することによって形成され得、それによって、「天然に存在する」dNTP、ならびにデオキシウラシルヌクレオチド(dUTP)のアナログを提供する。
スキーム1Aの方法論は、例えば、図7~10に示されるように、適切なリボヌクレオチド反応物で開始することによって、相当するリボヌクレオチドアナログを生成するために使用され得る。上記Staudingerリンカーを含むリボヌクレオチドアナログはまた、図12に示されるように、必要とされるリボヌクレオチドアナログ(例えば、CTPアナログを含む)を形成するために、スキーム2を使用して作製され得る。さらに、上記リボヌクレオチドアナログの全て(すなわち、C、A、T、G、U)は、スキーム2に類似の反応を使用して形成され得る。
他の実施形態において、3’-O-ブロックされたヌクレオチドアナログは、3’-O-ブロックされたヌクレオチドアナログをオリゴヌクレオチドに組み込み得る改変型酵素とともに使用され得る。このような改変型酵素は、3’-O-ブロックされたdNTPアナログが、1工程ずつの方法において使用されることを可能にして、開始核酸をユーザー定義の配列へと伸長する(図20を参照のこと)。さらに、各ヌクレオチド伸長工程後に、その反応物が回収され得、上記固体支持体から元の試薬レザバに戻されてリサイクルされ得る。その工程がいったん完了したら、上記3’-O-ブロッキング基は除去され、サイクルが新たに開始されることを可能にする。伸長-回収-脱ブロック-洗浄のn回のサイクルに完結時には、全長の1本鎖ポリヌクレオチドが上記固体支持体から切断され、その後の使用のために単離される。種々の3’-O-ブロックされたデオキシヌクレオチドが使用され得るが、特定の3’-O-ブロッキング基の選択は、以下によって左右され得る:1)TdTによる基質利用を最大化するために最小の可能なかさ、および2)最短期間での、最も温和かつ好ましくは水性の条件での上記ブロッキング基の除去。
種々の3’-O-改変されたdNTPおよびNTPは、デノボ合成のために、開示されたタンパク質とともに使用され得る。いくつかの実施形態において、その好ましい除去可能な3’-O-ブロッキング基は、3’-O-アミノ、3’-O-アリルまたは3’-O-アジドメチルである。他の実施形態において、その除去可能な3’-O-ブロッキング部分は、O-フェノキシアセチル;O-メトキシアセチル;O-アセチル;O-(p-トルエン)-スルホネート;O-ホスフェート;O-ニトレート;O-[4-メトキシ]-テトラヒドロチオピラニル;O-テトラヒドロチオピラニル;O-[5-メチル]-テトラヒドロフラニル;O-[2-メチル,4-メトキシ]-テトラヒドロピラニル;O-[5-メチル]-テトラヒドロピラニル;およびO-テトラヒドロチオフラニルからなる群より選択される(米国特許第8,133,669号を参照のこと)。他の実施形態において、上記除去可能なブロッキング部分は、エステル、エーテル、カルボニトリル、ホスフェート、カーボネート、カルバメート、ヒドロキシルアミン、ボレート、ニトレート、糖、ホスホルアミド、ホスホルアミデート、フェニルスルフェネート、スルフェート、スルホンおよびアミノ酸からなる群より選択される(Metzker MLら. Nuc Acids Res. 1994;22(20):4259-67、米国特許第6,232,465号;同第7,414,116号;および同第7,279,563号(これらは全て、それらの全体において本明細書に参考として援用される)を参照のこと)。
図21は、4つの例示的な3’-O-ブロックされたdNTPアナログ、すなわち、3’-O-アジドメチル-dATP、3’-O-アジドメチル-dCTP、3’-O-アジドメチル-dGTP、および3’-O-アジドメチル-dTTPを示す。上記3’-O-ブロックされたdNTPアナログは、専門品の供給業者(例えば、Azco Biotech, Oceanside, CA)から購入され得る。相当する3’-O-ブロックされたリボヌクレオチドはまた、商業的に得られ得るので、特注のRNAオリゴヌクレオチドの作製を可能にし得る。
酵素
本発明の方法は、ヌクレオチジルトランスフェラーゼを使用して、上記ヌクレオチドアナログをポリヌクレオチドへとアセンブリする。ヌクレオチジルトランスフェラーゼは、関連するトランスフェラーゼおよびポリメラーゼ酵素のいくつかのファミリーを含む。いくつかのヌクレオチジルトランスフェラーゼは、デオキシリボヌクレオチドをリボヌクレオチドより効率的に重合し、いくつかのヌクレオチジルトランスフェラーゼは、リボヌクレオチドをデオキシリボヌクレオチドより効率的に重合し、いくつかのヌクレオチジルトランスフェラーゼは、リボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドを、およそ同じ速度で重合する。
本発明にとって特に重要なことには、ポリメラーゼ活性を有するトランスフェラーゼ(例えば、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT))は、ヌクレオチド鎖の3’末端へのデオキシリボヌクレオチドの付加を触媒し得、それによって、DNAヌクレオチドにおける鎖長を増大させ得る。TdTは、部位特異的DNA-RNAキメラポリヌクレオチドの構築において有用であり得るDNA鎖の成長中の末端に1~2個のリボヌクレオチドを付加することを触媒するのみである。特に、ウシ胸腺TdT(操作されたE.coliから供給される)は、本発明に伴う使用に適しており、Thermo Scientific(Pittsburgh, PA)のような商業的供給源から入手可能である。ウシTdTに相当するアミノ酸配列は、配列番号1として表1に列挙される。
Figure 2022523711000005
ウシTdTに相当するヌクレオチド配列は、配列番号2として表2に列挙される。
Figure 2022523711000006
Figure 2022523711000007
市販のTdTは、本発明の方法に伴う使用に適している一方で、改変型TdT(例えば、配列番号1と少なくとも95%共通するアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号1と少なくとも98%共通するアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号1と少なくとも99%共通するアミノ酸配列を有する)も、本発明の方法に伴って使用され得る。適切なヌクレオチジルトランスフェラーゼを発現する生物は、配列番号2と少なくとも95%共通する、例えば、配列番号2と少なくとも98%共通する、例えば、配列番号2と少なくとも99%共通する核酸配列を含み得る。いくつかの場合において、改変型TdTは、ポリヌクレオチドのより効率的な生成を生じるか、または鎖長のより良好な制御を可能にする。TdTに対する他の改変は、酵素の放出特徴を変化させ得、それによって、TCEPまたはDTTのような水性還元剤の必要性を低減し得る。
RNAポリヌクレオチドの合成のために、E.coli ポリ(A)ポリメラーゼのようなヌクレオチジルトランスフェラーゼは、リボヌクレオチド開始剤の3’末端へのリボヌクレオチドの付加を触媒するために使用され得る。他の実施形態において、E.coli ポリ(U)ポリメラーゼは、本発明の方法に伴う使用により適切であり得る。E.coli ポリ(A)ポリメラーゼおよびE.coli ポリ(U) ポリメラーゼはともに、New England Biolabs(Ipswich, MA)から市販される。これらの酵素は、RNAを合成するために、3’ブロックされていない可逆的ターミネーターリボヌクレオチド三リン酸(rNTP)とともに使用され得る。ある特定の実施形態において、RNAは、3’ブロックされた、2’ブロックされた、または2’-3’ブロックされたrNTPおよびポリ(U)ポリメラーゼまたはポリ(A)ポリメラーゼを使用して合成され得る。E.coli ポリ(A)ポリメラーゼおよびE.coli ポリ(U)ポリメラーゼのアミノ酸およびヌクレオチド配列は、以下に再現される。改変型E.coli ポリ(A)ポリメラーゼまたはE.coli ポリ(U)ポリメラーゼは、本発明の方法に伴う使用に適切であり得る。例えば、配列番号3と少なくとも95%共通するアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号3と少なくとも98%共通するアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号3と少なくとも99%共通するアミノ酸配列を有する酵素は、本発明の方法に伴って使用され得る。適切な酵素を発現する生物は、配列番号4と少なくとも95%共通する、例えば、配列番号4と少なくとも98%共通する、例えば、配列番号4と少なくとも99%共通する核酸配列を含み得る。あるいは、配列番号5と少なくとも95%共通するアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号5と少なくとも98%共通するアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号5と少なくとも99%共通するアミノ酸配列を有する酵素は、本発明の方法に伴って使用され得る。適切な酵素を発現する生物は、配列番号6と少なくとも95%共通する、例えば、配列番号6と少なくとも98%共通する、例えば、配列番号6と少なくとも99%共通する核酸配列を含み得る。
Figure 2022523711000008
E.coli ポリ(A)ポリメラーゼに相当するヌクレオチド配列は、配列番号4として表4に列挙される。
Figure 2022523711000009
Figure 2022523711000010
Figure 2022523711000011
E.coli ポリ(U)ポリメラーゼに相当するヌクレオチド配列は、配列番号6として表6に列挙される。
Figure 2022523711000012
上記で考察されるように、上記ヌクレオチドアナログにカップリングされたインヒビターは、上記トランスフェラーゼ(例えば、TdT)が上記ポリヌクレオチドから放出されないようにするか、または他のアナログが成長中の鎖に組み込まれないようにする。荷電した部分は、より良好な阻害を生じるが、研究から、上記インヒビターの特定の化学的性質は特段重要ではないことが示唆される。例えば、ホスフェートおよび酸性ペプチドはともに、酵素活性を阻害するために使用され得る。例えば、Bowersら, Nature Methods, vol. 6, (2009) p. 593-95、および米国特許第8,071,755号(これらはともに、それらの全体において本明細書に参考として援用される)を参照のこと。いくつかの実施形態において、上記インヒビターは、単一のアミノ酸または-(Asp)のようなジペプチドを含むが、その部分に関するサイズおよび電荷は、第1のヌクレオチド組み込みおよび第2のヌクレオチド組み込みの実験で決定された速度に基づいて、必要な場合には調節され得る。すなわち、他の実施形態は、より多くのもしくは異なる荷電したアミノ酸または他の生体適合性の荷電した分子を使用し得る。
ヌクレオチド合成の他の方法は、ヌクレオチジルトランスフェラーゼまたは改変型ヌクレオチジルトランスフェラーゼを使用して、鋳型非依存性様式において、デノボオリゴヌクレオチドを構築するために使用され得る。1つの実施形態において、上記ポリメラーゼ/トランスフェラーゼ酵素は、これらが3’-改変されていないdNTPアナログのホスフェートに対する改変に遭遇したときに、これらがヌクレオチド付加を停止するように改変され得る。このスキームは、後のヌクレオチド組み込みのための新生鎖を解放する、ヌクレオチドアナログのホスフェート末端を改変する脱ブロッキング試薬/反応を必要とする。このアプローチの好ましい実施形態は、ホスフェート(α、βまたはγ)においてのみ改変されたヌクレオチドアナログを使用するが、ヌクレオチドのプリン/ピリミジン塩基の改変も許容される。
いくつかの実施形態において、3’エキソヌクレアーゼを使用して、後のヌクレオチドアナログ付加の前に、インヒビターで適切に終結されていないオリゴヌクレオチドを除去することは、有利であり得る。特に、上記ヌクレオチドアナログのインヒビターは、ヌクレオチジルトランスフェラーゼおよび3’エキソヌクレアーゼの活性を阻害するように選択され得、その結果、適切に終結されたオリゴヌクレオチドのみが構築される。この品質管理技術を使用すると、その得られたオリゴヌクレオチド配列の純度は、改善される。いくつかの実施形態において、このような品質管理手段の使用は、合成後精製の必要性を打ち消し得る。この技術は、図19に模式的に示され、ここで3’エキソヌクレアーゼは、過剰なヌクレオチドアナログを除去する洗浄工程の後でかつリンカー切断の前に、導入される。このようなクリーニング工程(図19に示されるとおり)は、望ましくない長さおよび/または配列のものであるオリゴヌクレオチドの数を低減する。
非鋳型依存性ポリメラーゼ/トランスフェラーゼ酵素を使用するための別の実施形態は、タンパク質操作またはタンパク質進化を使用して、酵素を、しっかりと結合したままでありかつ各1個のヌクレオチド組み込み後に新生鎖に対して不活性であるように改変し、従って、ポリメラーゼ/トランスフェラーゼが、放出試薬(releasing agent)/条件の使用によって鎖から放出されるようなときまで、あらゆる後の組み込みを防止することに対するものである。このような改変は、可逆的ターミネーターdNTPの代わりに、天然の改変されていないdNTPの使用を可能にするために選択される。放出試薬は、高塩緩衝液、変性剤などであり得る。放出条件は、高温、撹拌などであり得る。例えば、TdTのLoop1およびSD1領域に対する変異は、鋳型非依存性活性に由来する活性を、より鋳型依存性活性のものに劇的に変更することが示された。目的の特異的変異としては、Δ3384/391/392、del loop1(386□398)、L398A、D339A、F401A、およびQ402K403C404□E402R403S404が挙げられるが、これらに限定されない。組み込み後のしっかりと結合している(すなわち、シングルターンオーバー)TdT酵素の目的を達成する他の手段は、開始剤鎖の3つのホスフェートの結合を担う残基(K261、R432、およびR454が挙げられるが、これらに限定されない)に対する変異を含み得る。
非鋳型依存性ポリメラーゼ/トランスフェラーゼ酵素を使用するための別の実施形態は、タンパク質操作またはタンパク質進化を使用して、3-ブロックされた可逆的ターミネーターを高効率で受容するように上記酵素を改変することである。天然に存在するポリメラーゼ/トランスフェラーゼ酵素は、酵素の活性部位における立体化学的制約に起因して、3’-ブロックされた可逆的ターミネーターを組み込まない。上記酵素の活性部位における単一のまたはいくつかのいずれかのアミノ酸を改変することは、上記で記載されるものに完全に類似のプロセスにおいて、3’-ブロックされた可逆的ターミネーターを支持体に結合した開始剤へと高効率的に組み込むことを可能にし得る。組み込み後に、上記3’-可逆的ターミネーターは、脱ブロック試薬/条件で除去されるので、その後の制御された伸長反応の準備のできた完全に天然の(傷のない)1本鎖分子を生成する。上記酵素は、リボヌクレオチド三リン酸を、デオキシリボヌクレオチド三リン酸と同程度に容易に組み込むことに関するTdTの傾向を説明する入来dNTPの3’-OHに近いアミノ酸を含む;β1とβ2との間のもの、特にR334、Loop1、およびα13とαal4との間のもの、特に、R454が挙げられるが、これらに限定されないアミノ酸は、3’-可逆的ターミネーター基のかさを収容し、それらの効率的組み込みを可能にする変異誘発の標的であるようである。ある特定の実施形態において、さらなるアミノ酸変化は、3’-可逆的ターミネーターを収容するために行われた変更を補償するために必要とされ得る。鋳型依存性ポリメラーゼを使用するための別の実施形態は、3’ブロックされたかまたは3’ブロックされていないかのいずれかのdNTPアナログを、固体支持体に付着された複数のプライマー-鋳型対とともに使用することであり、ここで上記鋳型は、ユーザーによって特定されるとおりの4つの塩基のうちのいずれかのポリメラーゼ媒介性プライマー伸長を支持する核酸アナログである。
いくつかの実施形態において、操作されたTdTは、3’-O-ブロックされたヌクレオチドアナログでの段階的合成を達成するために使用される。AutoDock(Molecular Graphics Laboratory, Scripps Research Institute, La Jolla, CA)を使用してTdTタンパク質の活性部位をモデル化することは可能である。この計算に基づくと、改変型TdT(Arg336およびArg454において変化を有する)は、3’-O-ブロックされたヌクレオチドアナログに対して酵素活性を有し得ると推定される。Gly452およびSer453は、cis-ペプチド結合コンホメーションで存在し(Delarueら, EMBO J.. 2002; 21(3):427-39(その全体において本明細書に参考として援用される)を参照のこと)、Arg336のグアニジウム基は、このコンホメーションの安定化を補助すると考えられる。Arg336によって提供される安定性は、この位置における置換が、改変型TdTタンパク質の反応性に負の影響を有する理由を説明する助けとなり得る。いくつかの場合において、位置336を改変することによって引き起こされる不安定性は、cis-ペプチド結合コンホメーションを安定化するために、プロリンを使用することによって克服され得る。しかし、Arg336が、例えば、アラニンまたはグリシンで置換される場合、TGSRモチーフ全体(位置451、452、435、454)はまた、この変化を補償するために改変されなければならない可能性がある。例えば、上記TGSRモチーフは、TPSRまたはTGPRへと改変され得る、別の実施形態において、3’-O-ブロッキング基の立体化学的かさを収容するためのArg454での置換は、Arg454でのグリシンまたはアラニンの置換を補償するために、α14領域に対するさらなる改変を必要とし得る。他の実施形態において、α11領域における他のアミノ酸の置換は、GSRモチーフの改変の代わりに、またはその改変に加えてのいずれかで、Arg336に対する置換を補償するために必要とされ得る。
Arg336およびArg454に対する改変は、3’-O-改変されたdNTPの結合相互作用を変化させ得るが、3’-O-改変されたdNTPとTdTとの改善された立体化学的相互作用を生じる置換を探索することはまた、必要であり得る。このような立体化学的改変はまた、コンピューターで探索され得る。残基Gly332、Gly333、Gly452、Thr451およびSer453は、3’-O-アジドメチルまたは3’-O-アリルのような3’-ブロッキング基の特別の立体化学的かさを許容するために、置換の潜在的標的でもある。3’-OHの1.2nm以内にある残基(例えば、Glu457、Ala510、Asp509、Arg508、Lys199、Ser196、Met192、またはLeu161)はまた、3’-O-ブロックされたdNTPの基質利用に潜在的に干渉し得、従って、Arg336およびArg454に加えて、またはこれらとの組み合わせにおいて、置換の標的である。位置508、509および510におけるアミノ酸置換に加えて、3’-O-ブロッキング基との干渉を除去するために、アミノ酸を欠失させることは必要であり得る。それらアミノ酸は、タンパク質のC末端付近に位置し、比較的構造化されていない領域に存在することから、それらは、1個ずつまたはまとめて、本明細書で記載される改変の代わりに、またはその改変との組み合わせてのいずれかで欠失され得る。
非鋳型依存性ポリメラーゼ/トランスフェラーゼ酵素を使用するための別の実施形態は、タンパク質操作またはタンパク質進化を使用して上記酵素を改変して、4つの異なるヌクレオチドまたはさらには異なる改変されたヌクレオチドアナログの各々の使用を、アナログ特異的な様式において最適化し得る。ヌクレオチド特異的またはヌクレオチドアナログ特異的酵素改変体は、所望のポリヌクレオチドの合成のコストをさらに低減する、低減したKmまたは増強された付加速度のような所望の生化学的属性を有するように操作され得る。
固体状態の合成
本発明の方法は、種々の反応条件下で実施され得るが、所望のポリヌクレオチドの整然とした構築および回収は、大部分において、上記ポリヌクレオチドが伸長され得る場所である固体支持体を必要とする。上記で考察されるNTP、リンカー、およびインヒビターアナログとともに使用される場合、水性環境において、例えば、TdTまたはポリ(A)ポリメラーゼを使用することによって、DNAおよびRNAの特定のポリヌクレオチド配列を構築することは、可能である。図13に示されるように、TdTは、ポリヌクレオチド配列を段階的様式において伸長することによって、特注のポリヌクレオチドの段階的構築をもたらすために使用され得る。先に考察されるように、各NTPアナログのインヒビター基は、ヌクレオチドの付加に伴って上記酵素を停止させる。各ヌクレオチド伸長工程の後に、その反応物は、上記リンカーを切断することによって上記インヒビターを除去する前に固体支持体から洗い流され、次いで、新たな反応物が付加され、そのサイクルが新たに開始することを可能にする。
ある特定の実施形態において、さらなる品質管理工程が組み込まれ得、ここでは上記オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ媒介性ヌクレオチドアナログ伸長工程の後かつインヒビター切断の前に、3’エキソヌクレアーゼに曝される。3’エキソヌクレアーゼは、ブロックされていない3’OHを有するオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド鎖を分解する。切断されていないインヒビター(例えば、立体化学的インヒビター)は、切断されていないヌクレオチドアナログが成功裡に組み込まれた鎖を、3’エキソヌクレアーゼが分解することを物理的にブロックし得る。このような品質管理工程は、以前の付加工程において所望のヌクレオチドアナログを成功裡に組み込まなかったオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドのみを分解し、それによって、最終の合成された配列におけるいかなる誤りをも排除する。3’エキソヌクレアーゼ曝露後に、上記酵素は、インヒビター切断工程を行う前に洗い流され得る。
上記3’エキソヌクレアーゼは、所望のヌクレオチドアナログを成功裡に付加しなかった鎖を短くするかまたは完全に分解することによって作用する。所定のサイクルにおいて酵素で伸長できなかった鎖は、リンカー切断工程の前に、末端高分子-dNMP結合体を有しない。3’-エキソヌクレアーゼがこの段階において導入される場合、全長鎖は、分解から保護され得ると同時に、「失敗」鎖は、長さが短くなるかまたは潜在的にモノヌクレオチドホスフェートへと完全に分解される。長い(>500塩基)合成DNAの収量は、各サイクルおよび全てのサイクルにおいて起こる非常に効率的な反応に依存する;酵素による伸長および脱ブロック/自己脱離工程はともに、よく似た定量的収量で起こらなければならない。酵素による伸長工程の後であるが、高分子ターミネーター切断工程の前に3’-エキソヌクレアーゼを導入することは、伸長効率が低い(すなわち、伸長されていない、従って、天然の改変されていない末端ヌクレオチドを有する鎖が存在する)場合、新生鎖の純度に正の影響を有する。
逆に、3’-エキソヌクレアーゼ工程は、脱ブロック/排除工程が、あまり定量的でない場合でも合成の品質に影響を有しない。なぜならそれら鎖は、高分子ターミネーターによってなお保護され、次の伸長工程の間に伸長されないからである。従って、3’-エキソヌクレアーゼ工程の追加に伴う合成の品質の実際の改善は、単に実験的に決定され得、次いで、さらなるコストおよびサイクルタイムに見合う価値があれば評価を行う。
伸長-除去-脱ブロック-洗浄のn回のサイクルの完結時には、最終的な全長の1本鎖ポリヌクレオチドが完成し、上記固体支持体から切断され、DNA配列決定またはPCRのような適用におけるその後の使用のために回収される。あるいは、最終的な全長の1本鎖ポリヌクレオチドは、ハイブリダイゼーション分析、タンパク質またはDNA親和性捕捉のような適用におけるその後の使用のために、上記固体支持体に付着されたままにされ得る。他の実施形態において、部分的に2本鎖のDNAは、開始剤として使用され得、2本鎖ポリヌクレオチドの合成を生じる。
いくつかの実施形態において、核酸開始剤は、放出剤の存在下にある場合、上記合成されたオリゴヌクレオチドを放出する3’部分を含む。この特徴は、概して図22に図示され、ここでは核酸開始剤(5’-開始剤-)は、個体状態の支持体(白丸)および放出可能な3’部分(白抜き星印)にカップリングされて示される。いくつかの実施形態において、上記開始剤は、1本鎖オリゴヌクレオチド(例えば、ダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、ヘキサマー、セプタマー、またはオクタマー)である。上記開始剤に付着された3’部分は、上記酵素(例えば、TdT、例えば、改変型TdT)の基質であることから、上記酵素は、さらなるヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログを段階的様式において付加し得る。各付加に伴って、上記合成されたオリゴヌクレオチドの長さが増大する。上記オリゴヌクレオチド合成が一旦完了すると、放出剤は、その3’部分を上記核酸開始剤から脱カップリングさせるために導入され得る。いくつかの実施形態において、上記3’部分は、リボヌクレオチド(例えば、A、C、G、またはUリボヌクレオチド)である。他の実施形態において、上記3’部分は、脱塩基デオキシリボースである。他の実施形態において、上記3’部分は、脱塩基リボースである。他の実施形態において、上記3’部分は、非ヌクレオシド5’-一リン酸である。上記放出剤は、塩基性溶液または金属イオンを含み得る。例えば、上記放出剤は、8より大きいpH、すなわち、8.5より大きいpH、すなわち、9.0より大きいpH、すなわち、9.5より大きいpHを有する濃NHOH溶液であり得る。いくつかの実施形態において、上記放出剤は酵素(例えば、タイプII制限ヌクレアーゼ)である。いくつかの実施形態において、上記酵素は、上記開始剤の核酸配列と特有に相互作用し、上記合成されたオリゴヌクレオチドを上記開始剤から溶解し、開始剤を残す。
一実施形態において、上記開始剤は、核酸ヘキサマーであり、上記3’部分は、リボヌクレオチド(例えば、アデノシン)である。例えば、N-4位置において連結された切断可能なターミネーターを含むヌクレオチドまたは3’-O-ブロックされた位置を有するヌクレオチドを使用して上記オリゴヌクレオチド合成がいったん完成すると、上記オリゴヌクレオチドは、上記結合したオリゴヌクレオチドを、およそpH8の水酸化アンモニウム溶液に曝すことによって放出され得る。次いで、上記合成されたオリゴヌクレオチドを含む塩基性溶液は、上記ヘキサマー開始剤を含む固体基材から分離され得る。次いで、上記固体基材は、新たなオリゴヌクレオチドの製作のために、上記開始剤および3’部分を調製するために洗浄および/または中和される。いくつかの実施形態において、上記末端リボヌクレオチドは、ホスファターゼまたはT4ポリヌクレオチドキナーゼの3’ホスファターゼ活性の使用に伴って、オリゴヌクレオチド合成の前に再生される。
いくつかの実施形態において、上記固体支持体および上記3’部分を含む核酸開始剤は、再使用可能であり、それによって、上記固体支持体にカップリングされた開始剤が、オリゴヌクレオチドの迅速合成のために何度も使用されることを可能にする。本発明の方法に伴う使用に適した固体支持体は、ガラスおよびシリカ支持体(ビーズ、スライド、ペグまたはウェルが挙げられる)を含み得る。いくつかの実施形態において、上記支持体は、別の構造(例えば、ポリマーウェルプレートまたはピペットチップ)に繋がれていてもよい。いくつかの実施形態において、上記固体支持体は、さらなる磁性特性を有し得、従って、上記支持体が、磁石を使用して操作されるかまたは一定の位置から除去されることを可能にする。他の実施形態において、上記固体支持体は、シリカコーティングされたポリマーであってもよく、それによって、自動化処理に適した種々の構造的形状の形成を可能にする。
基材材料の選択および開始剤と基材との間の共有結合の化学的性質は、上記構築物が、開始剤を失うことなく合成条件に耐える能力によってのみ制限される。好ましい実施形態は、全体の構築物安定性が、付着されたオリゴヌクレオチドの安定性でありかつ基材に依存しないように、上記開始剤より大きい化学的安定性の基材およびリンカーを利用する。いくつかの実施形態において、開始剤は、表面ヒドロキシル基を提示する材料から5’→3’方向において合成され得るが、好ましい実施形態において、上記開始剤は代わりに、密度および開始剤品質が正確に制御され得るように、上記基材にグラフトされる。
上記開始剤と上記基材との間の共有結合は、上記構築物の安定性を損なわない任意の結合であり得る。好ましい実施形態は、5’-アミン、5’-ヒドロキシル、5’-ホスフェート、5’-スルフヒドリル、または5’-ベンズアルデヒド基のいずれかを含むオリゴヌクレオチドと、上記基材上にホルミル、クロロメチル、エポキシド、アミン、チオール、アルケン、または末端C-F結合を含む表面または樹脂との間のカップリングを利用し得る。
いくつかの実施形態において、上記開始剤は、配列特異的切断ストラテジー(例えば、制限酵素、ウラシル特異的切除試薬(uracil specific excision reagent)(USER)、または任意の種々の配列特異的ヌクレアーゼを利用するもの)のためのエレメントを含み得る。他の実施形態において、これらのエレメントは、代わりに酵素により合成され得るか、または開始剤が樹脂にカップリングされた後に上記開始剤に付加され得る。このようなシナリオは、例えば、カップリングプロセスの間に表面官能基との潜在的な副反応を最小限にするために、上記開始剤が完全にチミジンから構成される場合に好ましいものであり得る。
図23は、短いポリウラシル(U)トラクトがTdTを使用して開始剤の3’末端に付加される液相例を示す。次いで、その得られた開始剤は、所望される場合にさらなる伸長反応のために使用されて、所望の配列を生成し得る。合成が完了したら、その新たに生成された配列は、内部のポリUトラクトにおいて切断されて、その新たな配列を元の開始剤から分離し得る。使用される30ヌクレオチドの開始剤は、以下の配列である:
Figure 2022523711000013
図23に示されるゲルは、レーン1において泳動させた開始剤を含む一方で、dUTPの1またはこれより多くの付加(すなわち、ポリウラシルトラクト)の後の開始剤は、レーン2において泳動させた。次いで、生成した配列を、10分間、30分間、および60分間にわたってUSER消化に供し、それぞれ、レーン3、4、および5において泳動させた。
図24は、内部ポリUトラクトを含む配列の切断が、5’-ホスフェートを有する均一な長さの単一生成物を生じることを示す。その切断プロセスは、樹脂に結合した開始剤に3’-ホスフェートを残し、これは、T4ポリヌクレオチドキナーゼ、アルカリホスファターゼまたは他の脱リン酸化プロセスでの処理で除去され得る(図25を参照のこと)。図24に示される例において切断された内部のポリUトラクト配列は、以下の配列のものである:
Figure 2022523711000014
この配列は、USER消化後に、以下の配列:
Figure 2022523711000015
の生成物を生じる。その得られた生成物を、USER消化の0分後、10分後、30分後、および60分後に、その生成物の成功裡の切断および均一な長さを示す図24に示されるように、レーン1、2、3、および4において泳動させた。レーン5において、以下の配列:
Figure 2022523711000016
のコントロールオリゴヌクレオチドを泳動させた。
図25は、例示的な固相脱リン酸化およびTdT伸長プロセスを示す。チャートは、固相伸長におけるTdT反応混合物の吸光度を示す。dNTPが上記樹脂に結合した開始剤に添加されるにつれて、それらは溶液から枯渇し、上清の吸光度を低減する。トレースAは、上記開始剤の3’末端が末端ホスフェートでブロックされている樹脂上での無視できる程度のdNTP組み込み速度を示す。トレースBは、このような開始剤をエビアルカリホスファターゼで15分間処理した後の組み込み速度を示す。トレースCは、ブロックされていない開始剤を使用する同じ条件下でのdNTP組み込み速度を示す。
合成された配列の切断の後、上記樹脂は、切断部位設置、合成、生成物除去、および再生の別のサイクルにおいて使用され得る。図26は、例示的な再生サイクルの概要を提供する。
他の実施形態において、上記切断部位設置は、上記開始剤オリゴヌクレオチドの酵素アクセス可能性を均質化するために使用され得る。酵素的合成サイクルの間に使用される各酵素は、潜在的に別個の最適負荷および表面からの間隔に伴うそれ自体の立体化学的フットプリントを有する。これは、段階的な付加の動態および酵素による切断プロセスからの収量に関して、予測外の挙動を生じ得る。いくつかの実施形態において、切断部位設置、切断、および再生の反復サイクルは、切断酵素および鋳型非依存性ポリメラーゼが、表面オリゴヌクレオチドの同じ集団にアクセスしているように、オリゴヌクレオチド合成の前に行われ得る。
いくつかの実施形態は、合成の間に鎖全体に複数の異なる切断部位を設置し得る。消化すると、切断部位間に位置する鎖の複雑なライブラリーが、樹脂から放出され得る。次いで、このような配列は、さらに増幅され得、当業者によって酵素によるアセンブリプロセスのために使用され得る。このアプローチは、表面上の比較的少ない異なる位置により多くの種々の配列フラグメントを生成するために、または合成の間に二次構造形成のリスクがある隣接する鎖の合成を回避するために、並行した合成スキームに特有に適している可能性がある。
他の実施形態において、切断部位設置は、ホスホルアミダイトベースのオリゴヌクレオチド合成において使用されるアセチル化に類似して、反応していない開始剤配列の除去を補助するために、酵素による伸長の各サイクルの直後に使用され得る。付加サイクルの間に伸長されない鎖は、ポリUトラクトの基質として作用する一方で、鎖ターミネーターを有する伸長した開始剤は基質として作用しない。合成サイクルの終了時に、オリゴヌクレオチドが支持体から放出され、失敗した付加を含む配列が完全サイズの生成物より短い長さへと同時に消化されるように、1回のUSER消化が行われる。失敗した配列はまた、ここでそれらの3’末端においてリン酸化され、さらなる酵素による伸長に反応しないようにされるという点においてよく似ている。次いで、全長配列は、選択的捕捉、単離、または富化を可能にする任意のエレメントを付加するために、伸長を受け得る。このようなエレメントは、ハイブリダイゼーションベースのアプローチによって単離され、その後消化され得るさらなるホモポリマートラクト(例えば、さらなるポリUトラクト)、または非共有結合的捕捉のためのビオチン化エレメントのいずれかであり得る。このアプローチは、長い(150nt+ オリゴヌクレオチド)、低サンプル量、または種々の長さの配列の複雑な混合物に適した、適切なクロマトグラフィー技術がないことを補償する。
さらなる実施形態は、高度にインデックスが付けられたDNAベースのデータ記録媒体のリサイクルを補助するために、切断部位設置を使用し得る。例は、図27に示される。このような場合に、5’-表面固定化配列は、短いポリAトラクトで終結される。十分な長さの末端3’-ポリU部位を生成する伸長は、ポリAストレッチの前にある開始剤のエレメントが鋳型依存性ポリメラーゼを使用して複製され得るように、ヘアピンを適切な条件下で折りたたむことを可能にする。上記配列は、次いで、その後のデータ書き込み操作において使用され得る遊離3’末端を残すように、新たなホモポリマートラクトで伸長され得る。書き込み工程が完了すると、ヘアピンリンカーは、その後、USER酵素で消化されて、データ鎖を放出し得ると同時に、鋳型開始剤を残して、3’-脱リン酸化工程、ポリU付加、および鋳型鎖の再コピーで再生され得る。DNAベースのデータ記録におけるホモポリマートラクトの使用は、共有に係る米国特許出願第15/994,335号(本明細書に参考として援用される)に記載される。
合成機
開示される方法の効率を利用するために、水性相DNA合成機は、実質的な量において所望のポリヌクレオチドを生成するように構成され得る。1つの実施形態において、合成機は、ポリヌクレオチド成長をもたらすために十分な濃度で、記載されるNTPアナログ試薬(すなわち、dCTP、dATP、dGTP、およびdTTP)の4個のウェル、ならびにTdTを含む。複数の開始配列は、例えば、実験ロボットを使用して、4つのウェルの各々に反復して浸されるように設計されている固体支持体に付着され得る。上記ロボットは、ヌクレオチド付加の間に洗浄緩衝液中で上記固体支持体をすすぎ、上記支持体を脱ブロッキング試薬に曝すことによって連結基を切断し、上記固体支持体を次の所望のヌクレオチドのウェルへと動かす前に、上記固体支持体を洗浄する(2回目)ようにさらにプログラムされ得る。単純なプログラミングを用いて、およそ数時間で、および有害な廃棄物を実質的に減少させて、有用な量の所望のヌクレオチド配列を作製することは可能である。注意深く制御された条件下で進行中の合成は、数千塩基対もの長さを有するポリヌクレオチドの合成を可能にする。完了すると、その伸長生成物は、固体支持体から放出され、放出されると、それらは、最終的なヌクレオチド配列として使用され得る。
高度に並行した実施形態は、個々に引き込まれ得るかまたは下げられ得る96ウェルまたは384ウェルフォーマットのいずれかにおいてペグ上で一連の開始剤-固体支持体からなり得る。その結果、上記ペグは、制御された様式において、ウェル中の液体を接触させるためにインデックスが付加され得る。従って、上記合成機は、無作為にアドレス指定可能なペグデバイス、上記ペグデバイス(96または384の間隔)と同じ様式にある4種の酵素-dNTPアナログレザバ、上記ペグデバイス(96または384の間隔)と同じ様式にあるさらなる試薬レザバ(洗浄、脱ブロッキングなど)、およびユーザーがプログラム可能な制御されているかランダムアクセス様式において、上記ペグデバイスを1つのレザバから別のレザバへと動かすための輸送機構(例えば、実験ロボット)からなり得る。上記4種の酵素-dNTPレザバの各々の汚染を回避するために注意が払われなければならない。なぜならその内容物は、各ポリヌクレオチド合成のコストを低減するために、合成プロセス全体を通して再使用されるからである。
代替の実施形態において、試薬(例えば、ヌクレオチドアナログ、酵素、緩衝液)は、固体支持体間で動かされ、試薬がリサイクルされることを可能にする。例えば、レザバおよびポンプのシステムは、上記オリゴヌクレオチドが中で形成されている1またはこれより多くの反応器の間で、4種の異なるヌクレオチドアナログ溶液、洗浄緩衝液、および/または還元剤溶液を動かし得る。上記反応器およびポンプは従来どおりであり得るか、または上記デバイスは、微小流体技術を使用して構築され得る。上記プロセスの性質が無水ではない(水性である)ことから、水への曝露を排除するために使用されるハードウェアのデザインにおいて、特別な注意を払う必要性はない。合成プロセスは、蒸発による喪失を制御する予防策さえあれば行われ得る。高度に並行した実施形態は、同じマッチング様式において一連のウェルにインターフェースで接続され得る96ウェルまたは384ウェルフォーマットのいずれかにおけるペグ上のモノリシックな一連の開始剤-固体支持体からなり得る。各ウェルは、実際には、適切なバルブで4種の酵素-dNTPアナログレザバおよびさらなる試薬レザバ(洗浄、脱ブロッキングなど)によって供給される反応チャンバであり得る。各伸長反応後に原始的な様式で上記酵素-dNTP反応物を回収する準備が、流体工学理論において行われ得る。なぜならそれらは、各ポリヌクレオチド合成のコストを低減するために、合成プロセス全体を通じて再使用されるからである。他の実施形態において、チップをピペット操作するシステムは、試薬を添加および除去するために使用され得る。
ある特定の局面において、ポリヌクレオチドは、微小流体デバイスおよび/またはインクジェット印刷技術を使用して合成され得る。例示的な微小流体ポリヌクレオチド合成デバイスは、図示する目的で図17に示されるが縮尺通りではない。微小流体チャネル255(レギュレーター257を含む)は、レザバ253を反応チャンバ251へと繋ぎ、出口チャネル259(レギュレーター257を含む)は、上記反応チャンバ251から廃棄物を排出し得る。ポリヌクレオチド合成のための微小流体デバイスは、例えば、チャネル255、レザバ253、および/またはレギュレーター257を含み得る。ポリヌクレオチド合成は、微小流体反応チャンバ251の中で起こり得る。この微小流体反応チャンバ251は、反応チャンバの内部表面にアンカーされるかまたは結合され、NTPアナログまたはポリヌクレオチド開始剤を放出可能に結合し得るビーズまたは他の基材を含み得る多くのアンカーされた合成されたヌクレオチド開始剤を含み得る。上記反応チャンバ251は、試薬が反応チャンバ251に添加および除去され得るように、少なくとも1個の取り入れ口および1個の出口チャネル259を含み得る。上記微小流体デバイスは、各それぞれのNTPアナログのためのレザバ253を含み得る。これらNTPアナログレザバ253の各々はまた、DNAまたはRNA鎖を鋳型の指示なしに伸長する、適切な量のTdTまたは任意の他の酵素を含み得る。さらなるレザバ253は、リンカー/インヒビター切断および洗浄のための試薬を含み得る。これらのレザバ253は、別個のチャネル255を介して反応チャンバ251に繋げられ得、各チャネル255を経て反応チャンバ251への試薬の流れは、ゲート、バルブ、圧力レギュレーター、または他の手段の使用を通じて個々に調節され得る。反応チャンバ251から、出口チャネル259を通る流れは、同様に調節され得る。
ある特定の場合に、試薬は、特に、NTPアナログ-酵素試薬はリサイクルされ得る。試薬は、反応チャンバ251から同じチャネル255を介して、それらそれぞれのレザバ253へと引き戻され得る。チャネル255を経て、試薬は、ゲート、バルブ、圧力レギュレーター、または他の手段を使用して逆流を誘導することによって入り得る。あるいは、試薬は、反応チャンバ251からそれらそれぞれのレザバ253へと、独立した戻りチャネルを介して戻され得る。上記微小流体デバイスは、上記のゲート、バルブ、圧力、または他のレギュレーター257を作動させ得るコントローラーを含み得る。
例示的な微小流体ポリヌクレオチド合成反応は、所望の酵素-NTPアナログ試薬を反応チャンバ251へと流す工程;設定された時間後に、酵素-NTPアナログ試薬を、反応チャンバ251から出口チャネル259または戻りチャネルを介して除去する工程;洗浄試薬を反応チャンバ251に流す工程;上記洗浄試薬を上記反応チャンバ251から出口チャネル259を通って除去する工程;脱ブロッキングまたは切断試薬を反応チャンバ251へと流す工程;上記脱ブロックまたは切断試薬を、反応チャンバ251から出口チャネル259または戻りチャネルを介して除去する工程;洗浄試薬を反応チャンバ251へと流す工程;上記洗浄試薬を反応チャンバ251から出口チャネル259を通して除去する工程;合成されるべき所望の配列における次のNTPを含む上記酵素-NTPアナログ試薬を、反応チャンバ251に流す工程;および所望のポリヌクレオチドが合成されるまで反復する工程を含み得る。所望のポリヌクレオチドが合成された後、これは、反応チャンバアンカーまたは基材から放出され得、出口チャネル259または他の手段を介して集められ得る。
ある特定の局面において、試薬および化合物(NTPアナログ、TdTおよび/または他の酵素、ならびにリンカー/インヒビター切断および/または洗浄のための試薬を含む)は、インクジェット印刷技術または圧電ドロップオンデマンド(DOD)インクジェット印刷技術を使用して、反応チャンバへと堆積され得る。インクジェット印刷技術は、空気中を経て反応チャンバへと、堆積され得る液滴を形成するために使用され得る。試薬液滴は、ピコリットルからナノリットルスケールの容積を有し得る。液滴は、1Hz、10Hz、100Hz、1kHz、2kHz、および2.5kHzを含む種々の周波数で、インクジェット印刷技術を使用して導入され得る。種々の試薬は、上記インクジェット印刷デバイス内の別個のレザバの中に貯蔵され得、上記インクジェット印刷デバイスは、種々の別個の位置(例えば、チップ内の異なる反応チャンバまたはウェルを含む)に種々の試薬の液滴を送達し得る。ある特定の実施形態において、インクジェットおよび微小流体技術は組み合わされ得、ここである特定の試薬および化合物は、反応チャンバへとインクジェット印刷技術を介して送達される間に、他のものは、微小流体チャネルまたはチューブを介して送達される。インクジェット印刷デバイスは、プロセッサに繋げられた少なくとも非一過性有形メモリを含むコンピューティングデバイスによって制御され得る。上記コンピューティングデバイスは、入力デバイス(例えば、タッチスクリーン、マウス、またはキーボードが挙げられる)からの入力を受容し、上記インクジェット印刷デバイスが試薬の液滴を堆積させる時および場所、堆積する試薬、および/または堆積される試薬量を制御するように作動可能であり得る。
ある特定の場合に、所望のポリヌクレオチド配列は、入力デバイスを通じてコンピューティングデバイスへと入力され得る。ここで上記コンピューティングデバイスは、適切なNTPアナログ、酵素、切断試薬、および洗浄試薬を、上記で記載されるとおりの適切な順序で逐次的に堆積させることによって、必要な反応を行って、所望のポリヌクレオチド配列を生成するように作動可能である。
合成後、放出された伸長生成物は、開始剤が、コントロールと比較して、認識される塩基数だけ伸長されているか否かを決定するために、高分解能PAGEによって分析され得る。回収された合成DNAの部分はまた、その合成されたポリヌクレオチドが認識される配列であるか否かを決定するために配列決定され得る。
上記合成機は比較的単純であり、ホスホルアミダイト合成のために必要とされる毒性の試薬を必要としないことから、本発明の合成機は、研究機関、バイオテクノロジー企業、および病院にとって広く利用できる。さらに、試薬を再使用/リサイクルする能力は、生成される廃棄物を低減し、消耗品のコストを低減する助けとなる。本発明者らは、上記方法およびシステムが、DNA配列決定、PCR、および合成生物学のような多くの適用において有用であることを認識する。
参照による援用
他の文書(例えば、特許、特許出願、特許公報、雑誌、書籍、論文、Webコンテンツ)への言及および引用は、本開示全体を通じて行われている。全てのこのような文書は、全ての目的のためにそれらの全体において本明細書に参考として援用される。
均等物
本発明の種々の改変およびその多くのさらなる実施形態は、本明細書で示されかつ記載されるものに加えて、本明細書で引用される科学文献および特許文献への言及を含め、この文書の全内容から当業者に明らかになる。本明細書中の主題は、本発明の種々の実施形態およびその均等物において、本発明の実施に適合され得る重要な情報、例示およびガイダンスを含む。

Claims (20)

  1. 固体支持体およびオリゴヌクレオチドを含む組成物であって、ここで前記オリゴヌクレオチドの5’末端は、前記固体支持体にカップリングされ、前記オリゴヌクレオチドは、配列特異的切断エレメントを含む、組成物。
  2. 前記オリゴヌクレオチドは、ホルミル、クロロメチル、エポキシド、アミン、チオール、アルケン、または末端C-F結合を含む前記固体支持体にカップリングされた5’-アミン、5’-ヒドロキシル、5’-ホスフェート、5’-スルフヒドリルまたは5’-ベンズアルデヒド基を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記オリゴヌクレオチドは、前記固体支持体に不可逆的にカップリングされる、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記配列特異的切断エレメントは、5’末端が前記固体支持体に不可逆的にカップリングされた後に、前記オリゴヌクレオチドに組み込まれる、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記配列特異的切断エレメントは、酵素により組み込まれる、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記配列特異的切断エレメントは、ポリUトラクトを含む、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記支持体にカップリングされたオリゴヌクレオチドは、前記支持体にカップリングされたオリゴヌクレオチドの3’末端からのオリゴヌクレオチド鎖合成の間に鋳型として作用するようにインデックスエレメントを含む、請求項1に記載の組成物。
  8. 再使用可能な固体支持体上でオリゴヌクレオチドを合成するための方法であって、前記方法は、
    固体支持体に付着させた核酸開始剤を、ポリメラーゼの存在下でヌクレオチドアナログに曝して、第1のオリゴヌクレオチドを作る工程であって、ここで前記核酸開始剤は、配列特異的切断エレメントを含む、工程;
    前記核酸開始剤と放出剤とを接触させて、前記配列特異的切断エレメントを切断し、前記第1のオリゴヌクレオチドを前記核酸開始剤から放出する工程;
    前記固体支持体に付着させた核酸開始剤の3’末端を脱リン酸化する工程;および
    前記配列特異的切断エレメントを酵素により再生する工程、
    を包含する、方法。
  9. 前記核酸開始剤は、ホルミル、クロロメチル、エポキシド、アミン、チオール、アルケン、または末端C-F結合を含む前記固体支持体に付着された5’-アミン、5’-ヒドロキシル、5’-ホスフェート、5’-スルフヒドリル、または5’-ベンズアルデヒド基を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記核酸開始剤は、前記固体支持体に不可逆的に付着される、請求項8に記載の方法。
  11. 前記配列特異的切断エレメントは、前記核酸開始剤の5’末端が前記固体支持体に不可逆的にカップリングされた後に、前記核酸開始剤に組み込まれる、請求項8に記載の方法。
  12. 前記配列特異的切断エレメントは、酵素により組み込まれる、請求項11に記載の方法。
  13. 前記配列特異的切断エレメントは、ポリUトラクトを含む、請求項8に記載の方法。
  14. 前記核酸開始剤は、インデックスエレメントを含み、前記方法は、
    前記核酸開始剤の3’末端を相補的ヌクレオチドアナログで前記核酸開始剤の3’配列へと伸長して、ヘアピン形成を可能にするために適切な条件下で前記第1のオリゴヌクレオチドを合成する工程;
    前記インデックスエレメントを鋳型として使用するヘアピン形成の後に、前記第1のオリゴヌクレオチドを伸長する工程、
    をさらに包含する、請求項8に記載の方法。
  15. 前記核酸開始剤の3’配列は、前記配列特異的切断エレメントに相補的である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ヘアピンに続くその1本鎖3’末端を作るために十分なスペーサーヌクレオチドを、前記第1のオリゴヌクレオチドに組み込む工程、
    をさらに包含する、請求項14に記載の方法。
  17. 前記核酸開始剤と放出剤とを接触させる前に、第2の配列特異的切断エレメントを前記第1のオリゴヌクレオチドの3’末端に組み込んで、第2の核酸開始剤を作る工程および前記第1のオリゴヌクレオチドに付着した前記第2の核酸開始剤を、ポリメラーゼの存在下でヌクレオチドアナログに曝して、第2のオリゴヌクレオチドを作製する工程をさらに包含し、
    ここで前記核酸開始剤および前記第2の核酸開始剤と、前記放出剤とを接触させる工程は、前記配列特異的切断エレメントおよび前記第2の配列特異的切断エレメントを切断し、前記第1のオリゴヌクレオチドおよび前記第2のオリゴヌクレオチドを前記核酸開始剤および前記第2の核酸開始剤から放出する、
    請求項8に記載の方法。
  18. 前記ポリメラーゼは、ヌクレオチジルトランスフェラーゼまたは改変型ヌクレオチジルトランスフェラーゼである、請求項8に記載の方法。
  19. 前記ポリメラーゼは、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)または改変型TdTである、請求項8に記載の方法。
  20. 前記ヌクレオチドアナログは、改変されていない3’-OHおよび切断可能な終結基を有し、前記切断可能な終結基は、後のヌクレオチジルトランスフェラーゼ活性をブロックするが、前記終結基の切断の際に、ヌクレオチジルトランスフェラーゼのヌクレオチド基質を生じる、請求項8に記載の方法。


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