JP2023521704A - 核酸を合成するための再利用可能なイニシエーター - Google Patents

核酸を合成するための再利用可能なイニシエーター Download PDF

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Abstract

本発明は、固体支持体にカップリングされた再生可能なイニシエーターを使用して、ポリヌクレオチド、例えば、DNAおよびRNAを合成するための改善された方法を提供する。本発明の方法を使用して、ポリヌクレオチドの特異的配列を、水性環境下、核酸鋳型を使用せずに、1塩基ごとにde novoで合成することができる。本発明は、鋳型の必要性なく、所望の配列を有するポリヌクレオチドを合成するための方法および装置に関する。

Description

関連出願
本出願は、2020年4月6日に出願された米国出願第16/841,214号の利益およびそれに対する優先権を主張し、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、鋳型の必要性なく、所望の配列を有するポリヌクレオチドを合成するための方法および装置に関する。
背景
ほとんどのde novo核酸配列決定は、十分に確立された固相ホスホルアミダイト技法を使用して行われている。ホスホルアミダイト技法は、天然(または、非天然)の核酸塩基に対応するホスホルアミダイト試薬から構築される配列の逐次的な脱保護および合成を含む。しかしながら、ホスホルアミダイト核酸合成は、200塩基対(bp)長より長い核酸が高い破損の割合および副反応を経験する点で、長さが限定されている。加えて、ホスホルアミダイト合成は、毒性の副生成物を生成し、この廃棄物の処分は、核酸合成機の利用可能性を限定し、契約オリゴヌクレオチド生成の費用を増加させる(オリゴヌクレオチド合成の一年の需要は、アセトニトリル、トリクロロ酢酸、トルエン、テトラヒドロフラン、およびピリジンを含む、300,000ガロンより多くの有害な化学廃棄物の原因であると推定されている。その全体が参照により本明細書に組み込まれるLeProust et al., Nucleic Acids Res., vol. 38(8), p.2522-2540, (2010)を参照されたい)。そのため、オリゴヌクレオチド合成のためのより効率的かつ費用効果が高い方法についての必要性が存在する。
LeProustら、Nucleic Acids Res.(2010)vol.38(8)p.2522~2540
概要
本発明は、核酸合成のための改善された方法を提供する。本発明の方法は、ポリヌクレオチドのより速くかつより長いde novoの合成を提供する。このように、本発明は、カスタム核酸合成の全費用を劇的に低減する。本発明の方法は、切断可能なリンカーによって阻害剤にカップリングされたヌクレオチドアナログを組み込むためにヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素を使用することによる、ポリヌクレオチドの鋳型非依存的合成を対象とする。阻害剤のため、合成は、それぞれの新しい塩基の付加とともに停止し、そして、リンカーは、切断され、阻害剤が分離され、天然に存在するヌクレオチドと本質的に同一であるポリヌクレオチドが残る(すなわち、酵素によって、さらなるヌクレオチド組み込みのための基質として認識される)。
特に、本発明は、鋳型非依存的核酸合成のための再生可能な基質を提供する。de novo合成は、固体支持体に結合している核酸イニシエーターにより開始する。好適な酵素、例えば、ポリメラーゼ、例えば、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)の存在下、ヌクレオチドアナログは、オリゴヌクレオチドを作出するために、核酸イニシエーターに付加される。ヌクレオチドアナログが、1つのヌクレオチドの付加後に停止する酵素的付加を引き起こす除去可能な終端基(terminating group)を含むことが好ましい。除去可能な終端基は、核酸の塩基部分および/または核酸の3’ヒドロキシルに連結され得る。終端基および/または3’ブロッキング基の脱ブロッキングは、酵素のための基質である新しい活性部位を作出する。新しいヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログのその後の付加により、オリゴヌクレオチドが伸長する。
一部の例では、核酸イニシエーターは、酵素のための基質である3’部分を含む。放出剤(release agent)は、3’部分を切り離すために使用され、それによって、オリゴヌクレオチドを放出する。3’部分、核酸イニシエーター、および固体支持体は、新生オリゴヌクレオチドの放出後に再利用可能である。
本発明は、さらに、カスタムポリヌクレオチドの生成のために本発明の方法を利用する装置を含む。本発明の装置は、水性条件およびヌクレオチドアナログの複数の供給源を提供する1つまたは複数のバイオリアクターを含む。バイオリアクターは、例えば、リザーバー、フローセル、またはマルチウェルプレートであってもよい。バイオリアクターは、核酸イニシエーターおよび切断可能な3’部分を有する固体支持体を含んでいてもよい。固体支持体から開始して、ポリヌクレオチドは、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ、例えば、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)または鋳型の指示なしでDNAもしくはRNA鎖を伸長させる他の任意の酵素の天然の活性による逐次的なヌクレオチドの付加によって、リアクター中で成長する。リンカーの切断の際に、天然のポリヌクレオチドが、固体支持体から放出される。配列が完成したら、支持体は切断されるか、または3’部分は放出剤と接触し、天然で見出されるものと本質的に同等のポリヌクレオチドが残る。一部の実施形態では、装置は、ヌクレオチド付加後に溶液を回収すること、およびその後のヌクレオチド付加のために溶液を再利用することによって、ヌクレオチドアナログ溶液をリサイクルするように設計される。そのため、より少ない廃棄物が生成し、1塩基あたりの全費用は、技術水準の方法と比較して、低減される。ある特定の実施形態では、バイオリアクターは、マイクロ流体デバイスを含んでいてもよく、および/またはインクジェット印刷技術を使用してもよい。
終端基は、例えば、荷電部分または立体的阻害剤を含んでいてもよい。一般に、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素が機能的コンフォメーションを達成することを防止する大きな高分子は、オリゴヌクレオチド合成を阻害するために有用に使用される。そのような高分子としては、ポリマー、ポリペプチド、ポリペプトイド、およびナノ粒子が挙げられる。高分子は、ヌクレオチジルトランスフェラーゼの活性部位への接近を物理的にブロックするのに十分大きくなければならず、反応動態を負に変更するように大きくてはならない。高分子は、下記に記載されるように、各種のリンカーのいずれかを使用して、ヌクレオチドアナログに連結される。
3’-O-ブロックされたヌクレオチドアナログを使用する実施形態では、3’-O-ブロッキング基は、典型的には、小さく、容易に除去され、そのため、修飾された活性部位を有する操作された酵素とともに使用することが可能になる。例えば、3’-O-ブロッキング基は、アジドメチル、アミノ、またはアリル基を含み得る。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド合成は、それぞれのヌクレオチドアナログの付加の後であるが、終端基を切断する前に、1つまたは複数の合成されたオリゴヌクレオチドへの3’エキソヌクレアーゼの導入を含んでいてもよい。終端基は、3’エキソヌクレアーゼが、ヌクレオチドアナログが付加された任意のオリゴヌクレオチドに対して作用するのをブロックするが、ターミネーターを含有するアナログが成功裏に付加されなかったオリゴヌクレオチドは、3’エキソヌクレアーゼによって除去される。この様式では、本発明は、プロセス中の品質管理を可能にし、合成後の精製の必要性を排除し得る。
本発明の他の態様は、以下の図および詳細な説明の考慮により、当業者に明らかである。
図1Aは、N-4位で連結された切断可能なターミネーターを有するデオキシシチジン三リン酸(dCTP)アナログの属を示す。図1Bは、「天然の」dCTPおよび環状脱離分子を得るための図1AのdCTPアナログからの切断可能なターミネーターの切断を示す。 図2Aは、N-6位で連結された切断可能なターミネーターを有するデオキシアデノシン三リン酸(dATP)アナログの属を示す。図2Bは、「天然の」dATPおよび環状脱離分子を得るための図2AのdATPアナログからの切断可能なターミネーターの切断を示す。 図3Aは、N-2位で連結された切断可能なターミネーターを有するデオキシグアノシン三リン酸(dGTP)アナログの属を示す。図3Bは、「天然の」dGTPおよび環状脱離分子を得るための図3AのdGTPアナログからの切断可能なターミネーターの切断を示す。 図4Aは、N-3位で連結された切断可能なターミネーターを有するデオキシチミジン三リン酸(dTTP)アナログの属を示す。図4Bは、「天然の」dTTPおよび環状脱離分子を得るための図4AのdTTPアナログからの切断可能なターミネーターの切断を示す。 図5Aは、N-3位で連結された切断可能なターミネーターを有するデオキシウリジン三リン酸(dUTP)アナログの属を示す。図5Bは、dUTPおよび環状脱離分子を得るための図5AのdUTPアナログからの切断可能なターミネーターの切断を示す。 図6は、デオキシシチジンのN-4位にブロッキングAsp-Asp分子を接続するシュタウディンガーリンカーを有する例示的なデオキシシチジン三リン酸(dCTP)アナログ、ならびにdCTPおよび脱離基を得るためのその後の水性条件下でのシュタウディンガーリンカーの切断を示す。 図7Aは、N-4位で連結された切断可能なターミネーターを有するシチジン三リン酸(rCTP)アナログの属を示す。図7Bは、「天然の」rCTPおよび環状脱離分子を得るための図7AのrCTPアナログからの切断可能なターミネーターの切断を示す。 図8Aは、N-6位で連結された切断可能なターミネーターを有するアデノシン三リン酸(rATP)アナログの属を示す。図8Bは、「天然の」rATPおよび環状脱離分子を得るための図8AのrATPアナログからの切断可能なターミネーターの切断を示す。 図9Aは、N-2位で連結された切断可能なターミネーターを有するグアノシン三リン酸(rGTP)アナログの属を示す。図9Bは、「天然の」rGTPおよび環状脱離分子を得るための図9AのrGTPアナログからの切断可能なターミネーターの切断を示す。 図10Aは、N-3位で連結された切断可能なターミネーターを有するチミジン三リン酸(rTTP)アナログの属を示す。図10Bは、「天然の」rTTPおよび環状脱離分子を得るための図10AのrTTPアナログからの切断可能なターミネーターの切断を示す。 図11Aは、N-3位で連結された切断可能なターミネーターを有するウリジン三リン酸(rUTP)アナログの属を示す。図11Bは、rUTPおよび環状脱離分子を得るための図11AのrUTPアナログからの切断可能なターミネーターの切断を示す。 図12は、シチジンのN-4位にブロッキングAsp-Asp分子を接続するシュタウディンガーリンカーを有する例示的なシチジン三リン酸(rCTP)アナログ、ならびにrCTPおよび脱離基を得るためのその後の水性条件下でのシュタウディンガーリンカーの切断を示す。 図13は、(a)切断可能なターミネーター、dNTP-OHを含むヌクレオチド三リン酸アナログの組み込み、および(b)終端ブロッキング基(によって示される)の除去であって、このようにして、次のdNTP-OHが組み込まれるのを可能にする、除去;を含む、例示的な末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)媒介ポリヌクレオチド合成サイクルを示し、ここで、N=A、G、C、またはTである。 図14は、可変数のメチレン架橋を含む切断可能なリンカーを有する例示的なヌクレオチドアナログを示す。 図15は、システイン残基を含む切断可能なリンカーを有する例示的なヌクレオチドアナログを示す。 図16Aは、単一のリン酸基を含むアニオン性阻害剤を有する例示的なヌクレオチドアナログを示す。図16Bは、2つのリン酸基を含むアニオン性阻害剤を有する例示的なヌクレオチドアナログを示す。図16Cは、3つのリン酸基を含むアニオン性阻害剤を有する例示的なヌクレオチドアナログを示す。 図17は、例示的なマイクロ流体ポリヌクレオチド合成デバイスを示す。 図18は、本発明における使用のために好適な例示的なポリペプトイド阻害剤を示す。 図19は、オリゴヌクレオチド合成サイクル間に適正に終了しなかったオリゴヌクレオチドを消化するための3’エキソヌクレアーゼの使用を記載するフローチャートを示す。 図20は、3’-O-ブロッキング基を有するヌクレオチド三リン酸アナログを使用するde novoオリゴヌクレオチドの合成を図示する。 図21は、好適な鋳型非依存的ポリメラーゼとのコンジュゲーションにおいてde novoオリゴヌクレオチドの合成のために使用することができる4種の例示的な3’-O-ブロックされたヌクレオチドアナログを示す。 図22は、固体支持体にカップリングされた核酸への再利用可能な3’部分の組み込み、改変TdTを使用する核酸の成長、およびde novoオリゴヌクレオチドの放出を図示する。 図23は、TdTによる3’-ポリUトラクトの酵素的設置、それに続くトラクトのUSER消化の結果を示す。 図24は、5’-単分散切断生成物を生成するための内部ポリUトラクトのUSER消化の結果を示す。 図25は、固相脱リン酸化およびTdT伸長の結果を図示する。 図26は、例示的な樹脂再生サイクルを示す。 図27は、例示的なインデックス鎖再生プロセスを示す。
詳細な説明
本発明は、酵素および核酸アナログを使用して、ポリヌクレオチド、例えば、DNAおよびRNAを合成するための改善された方法を提供する。開示される方法を使用して、ポリヌクレオチドの特異的配列を、水性環境下、核酸鋳型を使用せずに、1塩基ごとにde novoで合成することができる。
ヌクレオチドアナログは、未修飾3’ヒドロキシルを有していてもよく、または3’-O-ブロッキング基を有していてもよく、またはホスフェートに放出可能に付着したブロッカーを有していてもよい。任意の場合では、ブロッキング基は、実質的な追加分子を残さないように設計される、すなわち、酵素によって「天然の」ヌクレオチドとして認識される「跡のない(scarless)」ヌクレオチドが残るように設計される。そのため、合成の完了時に、最後のブロッキング基の除去の際に、合成されたポリヌクレオチドは、同じ配列を有する天然に存在するポリヌクレオチドと化学的および構造的に同等である。そのため、合成ポリヌクレオチドは、合成されたポリヌクレオチドが生化学的経路または代謝を妨げる懸念なく、生物系に組み込むことができる。
本発明のプロセスおよびアナログは、オリゴ-およびオリゴデオキシヌクレオチド、特に、長いオリゴヌクレオチド(<5000nt)の非鋳型媒介酵素合成のために使用される。生成物は、使用されるイニシエーターに応じて、一本鎖または部分的に二本鎖であり得る。長いオリゴヌクレオチドの合成は、高効率の組み込みおよび高効率の可逆的なターミネーターの除去を必要とする。固体支持体に結合したイニシエーターは、使用者が定めた配列の短片または使用者が定めた一本鎖生成物が除去される汎用のイニシエーターのいずれかである短い一本鎖DNA配列からなる。
一態様では、開示される方法は、市販のヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素、例えば、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)を用いて、ステップバイステップの方式でヌクレオチドアナログからポリヌクレオチドを合成する。ヌクレオチドアナログは:
NTP-リンカー-阻害剤
の形態のものであり、ここで、NTPは、ヌクレオチド三リン酸(すなわち、dNTPまたはrNTP)であり、リンカーは、塩基のピリジンまたはピリミジン間の切断可能なリンカーであり、阻害剤は、酵素が、その後のヌクレオチドを組み込むのを防止する基である。それぞれのステップで、新しいヌクレオチドアナログは、成長中のポリヌクレオチド鎖に組み込まれ、そして、酵素は、阻害剤基によって、さらなるヌクレオチドを付加することをブロックされる。酵素が停止したら、過剰なヌクレオチドアナログは、成長中の鎖から除去され、阻害剤は、NTPから切断され得、新しいヌクレオチドアナログが、鎖に次のヌクレオチドを付加するため導入され得る。このステップを逐次的に反復することによって、所望の長さおよび配列のヌクレオチド配列を迅速に構築することが可能である。ポリヌクレオチド合成のためにヌクレオチジルトランスフェラーゼを使用する利点としては、1)鋳型非依存的重合において、一本鎖(ss)開始プライマーを使用する3’-伸長活性、2)高効率の様式でプライマーを伸長させて、数千のヌクレオチドの付加をもたらす能力、および3)効率的な基質としての多種多様な修飾および置換NTPの許容が挙げられる。
加えて、本発明は、ヌクレオチジルトランスフェラーゼのための基質であるイニシエーター配列を使用することができる。イニシエーターは、固体支持体に付着され、酵素のための認識部位としての役割を果たす。イニシエーターは、好ましくは、酵素のための汎用のイニシエーター、例えば、ホモポリマー配列であり、固体支持体上でリサイクル可能であり、形成されたオリゴヌクレオチドは、イニシエーターから切断可能である。
本発明の方法は、合成核酸、例えば、ホスホルアミダイト合成されたDNAオリゴヌクレオチドを現在使用する種々の適用に非常に適している。例えば、本発明の方法を使用して合成されたポリヌクレオチドは、核酸増幅のためのプライマー、特異的マーカーの検出のためのハイブリダイゼーションプローブとして、および遺伝子工学のためのプラスミドへの組み込みのために使用される。しかしながら、開示される方法は、より速い速度および水性環境下でより長い合成鎖のヌクレオチドを生成するので、開示される方法は、それ自体が、ハイスループット適用、例えば、細胞アッセイにおける遺伝的変異の発現についてのスクリーニングならびに合成生物学にも役に立つ。さらにまた、本発明の方法は、次世代適用、例えば、合成の読み取り/書き込みメモリーとしてDNAを使用するため、またはDNAから完全に(または部分的に)合成される巨視的材料を作出するために必要な機能性を提供するであろう。
本発明および本明細書に記載されるシステムは、デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)を含むポリヌクレオチドの合成を提供する。DNAおよびRNAなどの「天然の」ヌクレオチドのための合成経路は、通常の核酸塩基、例えば、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)およびウラシル(U)の文脈中で記載される一方で、本発明の方法が、汎用塩基が組み込まれているヌクレオチド、例えば、3-ニトロピロール2’-デオキシヌクレオシド(deoxynucloside)および5-ニトロインドール2’-デオキシヌクレオシド、アルファホスホロチオエート(phosphorothiolate)、ホスホロチオエートヌクレオチド三リン酸、または他の所望の性質、例えば、蛍光を有するプリンもしくはピリミジンコンジュゲートを含む、いわゆる「非天然の」ヌクレオチドに適用され得ることが理解されるべきである。プリンおよびピリミジン塩基の他の例としては、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6-メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよび他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-プロピニルウラシルおよびシトシン、6-アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ(例えば、8-ブロモ)、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシルおよび他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ、特に、5-ブロモ、5-トリフルオロメチルおよび他の5-置換ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン、8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、デアザグアニン、7-デアザグアニン、3-デアザグアニン、デアザアデニン、7-デアザアデニン、3-デアザアデニン、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、イミダゾ[1,5-a]1,3,5トリアジノン、9-デアザプリン、イミダゾ[4,5-d]ピラジン、チアゾロ[4,5-d]ピリミジン、ピラジン-2-オン、1,2,4-トリアジン、ピリダジン、ならびに1,3,5トリアジンが挙げられる。一部の例では、非反応性であるが、およそ同等の塩基、すなわち、他のタンパク質、すなわち、トランスクリプターゼと反応せず、そのため、配列情報の影響を塩基の構造的効果から切り離すことを可能にする塩基を有する、ヌクレオチド配列を生成することは有用であり得る。
アナログ
本発明は、水性環境下でのポリヌクレオチドの合成のための、式NTP-リンカー-阻害剤を有するヌクレオチドアナログを提供する。NTP-リンカー-阻害剤の形態のアナログに関して、NTPは、任意のヌクレオチド三リン酸、例えば、アデノシン三リン酸(ATP)、グアノシン三リン酸(GTP)、シチジン三リン酸(CTP)、チミジン三リン酸(TTP)、ウリジン三リン酸(UTP)、ヌクレオチド三リン酸、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)、デオキシチミジン三リン酸(dTTP)、またはデオキシウリジン三リン酸(dUTP)であり得る。
リンカーは、阻害剤をNTPに連結し、切断され得る、任意の分子部分であり得る。例えば、リンカーは、周囲環境のpHを調整することによって、切断され得る。リンカーはまた、所与の温度で活性化されるが、別の温度で不活性化される酵素によって切断されてもよい。一部の実施形態では、リンカーは、ジスルフィド結合を含む。
リンカーは、例えば、光切断可能な、求核性または求電子性の切断部位を含んでいてもよい。切断が特定の波長の光によって活性化される光切断可能なリンカーとしては、ベンゾイン、ニトロベラトリル、フェナシル、ピバロイル、シリル(sisyl)、2-ヒドロキシ-シンナミル(cinamyl)、クマリン-4-イル-メチル、または2-ニトロベンジルに基づくリンカーが挙げられ得る。
求核性切断部位の例としては、フッ化物イオンで切断可能なケイ素-酸素結合、または塩基性溶液中で切断され得るエステルが挙げられる。求電子的に切断されるリンカーとしては、トリチル、tert-ブチルオキシカルボニル基、アセタール基、ならびにp-アルコキシベンジルエステルおよびアミドを含み得る酸誘導切断部位が挙げられ得る。ある特定の態様では、切断可能なリンカーは、図15に示されるように、システイン残基を含み得る。
炭素での付着が、ポリメラーゼを阻害する基の除去後に残る跡の存在をもたらすので、リンカーは、例えば、シトシンのN4、チミンのN3もしくはO4、グアニンのN2もしくはN3、およびアデニンのN6、またはウラシルのN3もしくはO4で付着することができる。リンカーは、典型的には、少なくとも約10オングストロームのオーダーの長さ、例えば、少なくとも約20オングストロームの長さ、例えば、少なくとも約25オングストロームの長さであり、このようにして、阻害剤をピリジンまたはピリミジンから十分に離すことを可能にして、酵素が、付着した糖骨格を介してポリヌクレオチド鎖にNTPを結合させるのを可能にする。一部の実施形態では、切断可能なリンカーは、成長中のヌクレオチド鎖に対して特に非反応性である環状分子を形成する点で、自己環化する。
ある特定の態様では、切断可能なリンカーは、図14および図16A~Cに示されるように、NTPまたはジスルフィド結合の阻害剤側において、例えば、1、2、3もしくは4つのメチレン架橋を含む、可変数のメチレン架橋を含み得る。これらのメチレン架橋は、NTPと阻害剤との間の空間を増加させるために使用され得る。上述のように、阻害剤が、NTPの合成されたポリヌクレオチドへのカップリングを妨げるのを防止するために、切断可能なリンカーの長さが選択され得る。本発明の一部の実施形態では、荷電基からNTPまでの距離は、その後のヌクレオチド組み込みを阻害する有効性において重要な役割を果たす。
例えば、阻害剤として荷電部分を使用する一部の実施形態では、荷電部分は、NTPから約5~約60結合離れていてもよい。一部の他の実施形態では、阻害剤の荷電部分は、NTPから約10~約40結合離れていてもよい。一部の他の実施形態では、阻害剤の荷電部分は、NTPから約10~約35結合離れることができる。一部の他の実施形態では、阻害剤の荷電部分は、NTPから約10~約30結合離れていてもよい。一部の他の実施形態では、阻害剤の荷電部分は、NTPから約10~約20結合離れている。荷電部分とNTPとの間の結合の数は、さらなるメチレン架橋を含むことによって増加し得る。
ヌクレオチドアナログは、酵素によるその後のヌクレオチドのカップリングを阻害するNTPに連結された任意の部分を含むことができる。阻害性基は、荷電基、例えば、荷電アミノ酸であり得るか、または阻害性基は、周囲条件に応じて荷電されるようになる基であり得る。一部の実施形態では、阻害剤は、負に荷電しているか、または負に荷電するようになることが可能な部分を含んでいてもよい。例えば、阻害剤は、図16A~Cに示されるように、ホスフェート基の鎖(例えば、1、2または3個のホスフェート)を含んでいてもよく、ここで、さらなるホスフェートは、阻害剤の全体的なアニオン電荷を増加させる。他の実施形態では、阻害剤基は、正に荷電しているか、または正に荷電するようになることが可能である。一部の他の実施形態では、阻害剤は、アミノ酸またはアミノ酸アナログである。阻害剤は、2~20単位のアミノ酸もしくはアナログのペプチド、2~10単位のアミノ酸もしくはアナログのペプチド、3~7単位のアミノ酸もしくはアナログのペプチド、3~5単位のアミノ酸またはアナログのペプチドであってもよい。一部の実施形態では、阻害剤は、Glu、Asp、Arg、His、およびLys、ならびにそれらの組合せ(例えば、Arg、Arg-Arg、Asp、Asp-Asp、Asp、Glu、Glu-Glu、Asp-Glu-Asp、Asp-Asp-Glu、またはAspAspAspAspなど)からなる群より選択される基を含む。ペプチドまたは基は、同じまたは異なるアミノ酸またはアナログの組合せであってもよい。ある特定の実施形態では、ペプチド阻害剤は、アセチル化されて、遊離アミノ基の誤った結合が阻止され得る。阻害性基はまた、酵素の活性部位中の残基と反応し、このようにして、酵素によるその後のヌクレオチドのカップリングを妨げる基を含んでいてもよい。阻害剤は、-COO、-NO、-PO、-PO、-SO、または-NR(式中、それぞれのRは、Hもしくはアルキル基であり得る)からなる群より選択される荷電基を有していてもよい。他の実施形態では、阻害剤部分は、-PO4基を含まない。
ある特定の態様では、ターミネーターまたは阻害剤は、立体的阻害剤基を含んでいてもよい。そのような立体的阻害剤基は、NTP-リンカー-阻害剤(すなわち、ヌクレオチドアナログ)がオリゴヌクレオチドのブロックされていない3’OHにおいて組み込まれるのを可能にし得、前記組み込みは、ヌクレオチジルトランスフェラーゼによって触媒される。立体的阻害剤基は、組み込まれたヌクレオチドアナログのブロックされていない3’OHにおけるヌクレオチドまたはさらなるヌクレオチドアナログの組み込みを物理的にブロックし得る。立体的阻害剤はまた、3’エンドヌクレアーゼが、ヌクレオチドアナログに作用すること、したがって、切断されていないヌクレオチドアナログが組み込まれているオリゴヌクレオチドにおいて作用することをブロックし得る。
立体的阻害剤としては、例えば、化学ポリマー、ナノ粒子、ポリN-置換グリシン(ペプトイド)、またはタンパク質が挙げられ得る。本発明の立体的阻害剤は、例えば、20Å超、30Å超、40Å超、50Å超、60Å超、70Å超、80Å超、90Å超、100Å超、110Å超、120Å超、130Å超、140Å超、または150Å超を含む、種々のサイズであり得る。好ましい実施形態では、立体的阻害剤は、単分散または実質的に単分散であり得る。立体的阻害剤は、水溶性であってもよく、コンフォメーション的に拘束されていてもよい(すなわち、剛性または半剛性の形態のもの)。ある特定の態様では、阻害剤のサイズまたはコンフォメーションのため、立体的阻害剤は、関連するヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素の活性部位への接近を物理的にブロックする。好ましい実施形態では、立体的阻害剤は、非天然の生体模倣(bio-inspired)ポリマー、例えば、ポリペプトイドまたは非天然のポリペプチドを含み得る。
ある特定の態様では、自己集合性ポリペプトイド配列を、立体的阻害剤として使用してもよい。ペプトイドモノマーは、多くの場合、N-置換グリシン骨格に基づく。骨格は水素結合ドナーを欠くので、ポリペプトイドは、容易に処理される一方で、二次構造、例えば、ヘリックスを依然として形成することが可能である。それらは、一般に、化学的および熱的に安定していながら、ペプチドと同様の極性および側鎖を可能にする有益な性質も提供する。本発明による自己集合性ポリペプトイド立体的阻害剤は、単一のペプトイドヘリックスに自己集合して、とりわけ、0.3μm、0.4μm、0.5μm、0.6μm、0.7μm、0.8μm、0.9μm、1.0μm、1.5μm、2μm、2.5μm、3μm、または3.5μmを含むマイクロメートル範囲の直径のマイクロスフェアを形成し得る。ある特定の態様では、立体的阻害剤は、C-α-分枝状側鎖、N-アリール側鎖、N-1-ナフチルエチル側鎖、または安定なヘリックス構造を形成することができる他の構造(formation)を有するペプトイドを含んでいてもよい。ペプトイド立体的阻害剤の例を図18に示す。図18は、本発明による立体的阻害剤として使用され得る分枝状ポリN-メトキシエチルグリシンを図示する。ある特定の実施形態では、立体的阻害剤は、リンカー基、例えば、本明細書に記載される切断可能な連結基に容易に接合される反応性基を含んでいてもよい。
他の実施形態では、立体的阻害剤は、ポリマー、例えば、生体適合性ポリマーを含んでいてもよい。ポリマーは、異なるポリマーのブロックを含んでいてもよく、その結果、ブロックは、水性環境に曝露された場合に、所望の巨視的構造、例えば、球(sphere)を形成する。例えば、ポリマーが、水への添加の際にミセル構造に自己集合するように、コポリマーは、親水性および疎水性ブロックのブロックを含んでいてもよい。一部の実施形態では、疎水性ブロックは、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、またはポリラクチド(PLA)から選択されてもよい。親水性ブロックは、ポリエチレングリコール(PEG)、または他の多価アルコールを含んでいてもよい。
他の実施形態では、阻害剤は、ヌクレオチジルトランスフェラーゼの活性をブロックするために十分なサイズのナノ粒子を含んでいてもよい。そのようなナノ粒子は、例えば、金、銀、ケイ素、酸化セリウム、酸化鉄、二酸化チタン、窒化ケイ素、ホウ化ケイ素、またはシリカ、例えば、メソ多孔性シリカを含んでいてもよい。他の実施形態では、ナノ粒子は、炭素または半導体を含む、高次の分子構造、例えば、フラーレン、例えば、バッキーボールおよびナノチューブを含んでいてもよい。
立体的阻害剤は、それが連結されるヌクレオチドとの適合性およびヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素との適合性を提供するように、電荷を有していなくてもよく、または正もしくは負に荷電していてもよく、その結果、阻害剤は、NTPアナログの5’末端における組み込み反応を妨げない。立体的阻害剤は、所望のコンフォメーション、電荷、または付着部位を提供するために、種々のアミノ酸残基を組み込み得る。
NTP-リンカー-阻害剤型のヌクレオチドアナログの例を図1Aに示す。図1Aにおけるアナログは、糖環上にブロックされていない未修飾3’-OHを提供しながら、ジスルフィド(-S-S-)結合によりdCTPのN位に連結された阻害性(-Asp-Asp-)基を含む。すべてのリンカー原子(第2の組み込みを阻害する部分を含む)を除去することができ、それによって、新生DNA鎖を天然のヌクレオチドに戻すことが可能になるように、リンカーが構築される。図1Bに示されるように、水性還元剤、例えば、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)またはジチオスレイトール(DTT)を使用して、-S-S-結合を切断することができ、阻害剤機能の喪失をもたらす(脱ブロッキング)。図1Bに示されるように、自己環化リンカーを組み込むことができ、ヌクレオチド合成の完了時に試薬溶液から容易に除去される環状の酸化されたテトラヒドロチオフェン脱離基を生じる。
図1AのdCTPアナログを合成するための例示的なスキームを、下記のスキーム1Aおよび1Bに示す。
Figure 2023521704000001
Figure 2023521704000002
スキーム1Aおよび1Bと類似する方式で、NTP-リンカー-阻害剤型のヌクレオチドアナログは、リンカー-阻害剤部分をアデニンのN6(図2)、グアニンのN2(図3)、チミンのN3(図4)、またはウラシルのN3(図5)に付着させることによって形成することもでき、それによって、「天然に存在する」dNTP、およびデオキシウラシルヌクレオチド(dUTP)のアナログを提供する。dUTPの広範な使用の可能性は低いが、合成は、化学に基づいて明快である。
本発明は、スキーム1Aおよび1Bの連結化学に限定されないが、しかしながら、カルバミメートとして、アミド、または他の自己排除連結(self-eliminating linkage)を利用することもできる。例えば、スキーム2に示されるように、ヌクレオチドは、シュタウディンガーリンカーを用いて調製することもできる。
Figure 2023521704000003
Asp-Aspブロッキング基に対するシュタウディンガーリンカー(スキーム2)を用いて作出されるデオキシシチジン三リン酸(dCTP)アナログを図6に示す。図6に示されるように、シュタウディンガーdCTPアナログは、アジドおよびトリフェニルホスフィンの添加により、水性条件下で切断を受ける。上記に記載され、図1~図5に例示されるように、図6に示されるシュタウディンガーアナログは、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ、例えば、TdTを使用するヌクレオチド伸長のためにも好適である。図において明確に示されないが、当業者は、適切な反応物とのコンジュゲーションにおいてスキーム2を使用して、完全なde novoヌクレオチド合成のために必要なシュタウディンガーリンカーを有する他のヌクレオチドアナログを生成することができる。図6と類似する方式で、スキーム2のヌクレオチドアナログは、シュタウディンガー部分をアデニンのN6、グアニンのN2、チミンのN3、またはウラシルのN3に付着させることによって形成することができ、それによって、「天然に存在する」dNTP、およびデオキシウラシルヌクレオチド(dUTP)のアナログを提供する。
例えば図7~図10に示されるように、適切なリボヌクレオチド反応物で開始することによって、スキーム1Aの方法論を使用して、対応するリボヌクレオチドアナログを生成することができる。図12に示されるように、例えば、CTPアナログを含む必要なリボヌクレオチドアナログを形成するために、スキーム2を使用して、シュタウディンガーリンカーを含むリボヌクレオチドアナログも作出され得る。さらにまた、リボヌクレオチドアナログのすべて、すなわち、C、A、T、G、Uは、スキーム2と同様の反応を使用して形成することができる。
他の実施形態では、3’-O-ブロックされたヌクレオチドアナログを、3’-O-ブロックされたヌクレオチドアナログをオリゴヌクレオチドに組み込むことができる改変酵素と一緒に使用することができる。そのような改変酵素は、3’-O-ブロックされたdNTPアナログを、使用者が定めた配列に開始核酸を伸長させるステップバイステップの方法において使用することを可能にする(図20を参照されたい)。さらにまた、それぞれのヌクレオチド伸長ステップの後、反応物は、固体支持体から回収およびリサイクルされて、元の試薬リザーバーに戻り得る。ステップが完了したら、3’-O-ブロッキング基が除去され、サイクルを新たに開始することが可能になる。伸長-回収-脱ブロック-洗浄のn回のサイクルの完了の際に、全長の一本鎖ポリデオキシヌクレオチドが、固体支持体から切断され、その後の使用のために単離される。種々の3’-O-ブロックされたデオキシヌクレオチドが使用され得るが、特定の3’-O-ブロッキング基の選択は、1)TdTによる基質利用を最大化するための最小の可能なかさ、および2)最短時間での、最も穏和で、かつ好ましくは水性条件でのブロッキング基の除去によって決まる。
種々の3’-O-修飾されたdNTPおよびNTPは、de novo合成のための開示されるタンパク質とともに使用され得る。一部の実施形態では、好ましい除去可能な3’-O-ブロッキング基は、3’-O-アミノ、3’-O-アリル、または3’-O-アジドメチルである。他の実施形態では、除去可能な3’-O-ブロッキング部分は、O-フェノキシアセチル、O-メトキシアセチル、O-アセチル、O-(p-トルエン)-スルホネート、O-ホスフェート、O-ニトレート、O-[4-メトキシ]-テトラヒドロチオピラニル、O-テトラヒドロチオピラニル、O-[5-メチル]-テトラヒドロフラニル、O-[2-メチル,4-メトキシ]-テトラヒドロピラニル、O-[5-メチル]-テトラヒドロピラニル、およびO-テトラヒドロチオフラニルからなる群より選択される(米国特許第8,133,669号を参照されたい)。他の実施形態では、除去可能なブロッキング部分は、エステル、エーテル、カルボニトリル、ホスフェート、カーボネート、カルバメート、ヒドロキシルアミン、ボラート、ニトレート、糖、ホスホルアミド、ホスホルアミデート、フェニルスルフェナート、スルフェート、スルホン、およびアミノ酸からなる群より選択される(Metzker ML et al. Nuc Acids Res. 1994;22(20):4259-67;米国特許第6,232,465号、米国特許第7,414,116号、および米国特許第7,279,563号を参照されたく、そのすべては、それらの全体が参照により組み込まれる)。
図21は、4種の例示的な3’-O-ブロックされたdNTPアナログ、すなわち、3’-O-アジドメチル-dATP、3’-O-アジドメチル-dCTP、3’-O-アジドメチル-dGTP、および3’-O-アジドメチル-dTTPを示す。3’-O-ブロックされたdNTPアナログは、専門的な供給業者、例えば、Azco Biotech、Oceanside、CAから購入することができる。対応する3’-O-ブロックされたリボヌクレオチドも商業的に入手することができ、このようにして、カスタムRNAオリゴヌクレオチドの作出が可能になる。
さまざまな実施形態では、本発明のヌクレオチドアナログは、以下の構造:
Figure 2023521704000004
を有し得る。
BGは、上記で議論されるものなどの3’-O-ブロッキング基を表す。ある特定の実施形態では、3’-O-ブロッキング基は、3’-ONO、3’-OCHCHCN、3’-OCH、3’-OPO、3’-OCHSSCH、および3’-ONHC(O)Hであり得る。ヌクレオチド-R基は、さまざまなリンカーおよびブロッキング基または他の修飾を含む上記で議論されるヌクレオチド基のいずれかであり得る。ある特定の実施形態では、Rは、H、アミド、カルバメート、または尿素であり得る。これらのR基のいずれかは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、ピバロイル、シクロヘキシル、シクロプロピル、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ピレニル、クリセニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、フラニル、チオフェニル、モルホリニル、ピペリジニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、またはビオチンにさらに連結されていてもよい。
完全なヌクレオチド-R基は、デオキシアデノシン、デオキシシチジン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、N6-修飾デオキシアデノシン、N4-修飾デオキシシチジン、N1-修飾デオキシチミジン、O6-修飾デオキシグアノシン、N1-修飾デオキシグアノシン、またはN2-修飾デオキシグアノシンを含み得る。
さまざまな実施形態では、ヌクレオチドアナログは、N4-修飾デオキシシチジン、またはO6、N1もしくはN2-修飾デオキシグアノシンのみであり得、それぞれ、3’-O-ブロッキング基をさらに含む。一部の実施形態では、ヌクレオチドアナログは、N4-修飾デオキシシチジン、またはN1-修飾デオキシチミジンのみであり得、それぞれ、3’-O-ブロッキング基をさらに含む。
一部の実施形態では、ヌクレオチドアナログは、N4-修飾デオキシシチジン、またはN6-修飾デオキシアデノシンのみであり得、それぞれ、3’-O-ブロッキング基をさらに含む。
一部の実施形態では、ヌクレオチドアナログは、O6、N1またはN2-修飾デオキシグアノシン、およびN6-修飾デオキシアデノシンまたはN1-修飾デオキシチミジンのみであり得、それぞれ、3’-O-ブロッキング基をさらに含む。
酵素
本発明の方法は、ヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いて、ヌクレオチドアナログをポリヌクレオチドに集合させる。ヌクレオチジルトランスフェラーゼとしては、関連するトランスフェラーゼおよびポリメラーゼ酵素のいくつかのファミリーが挙げられる。一部のヌクレオチジルトランスフェラーゼは、リボヌクレオチドよりも効率的にデオキシリボヌクレオチドを重合し、一部のヌクレオチジルトランスフェラーゼは、デオキシリボヌクレオチドよりも効率的にリボヌクレオチドを重合し、一部のヌクレオチジルトランスフェラーゼは、およそ同じ速度でリボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドを重合する。
本発明に特に重要なことには、ポリメラーゼ活性を有するトランスフェラーゼ、例えば、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)が、ヌクレオチド鎖の3’末端へのデオキシリボヌクレオチドの付加を触媒することができ、それによって、DNAヌクレオチドの鎖長が増加する。TdTは、DNA鎖の成長中の末端への1~2つのリボヌクレオチドの付加のみを触媒し、これは、部位特異的DNA-RNAキメラポリヌクレオチドの構築において有用であり得る。特に、操作されたE.coliから供給される仔ウシ胸腺TdTは、本発明での使用のために好適であり、商業的供給源、例えば、Thermo Scientific(Pittsburgh、PA)から入手可能である。仔ウシTdTに対応するアミノ酸配列を、配列番号1として表1に列挙する。
Figure 2023521704000005
仔ウシTdTに対応するヌクレオチド配列を、配列番号2として表2に列挙する。
Figure 2023521704000006
Figure 2023521704000007
市販のTdTは、本発明の方法での使用のために好適であるが、例えば、配列番号1と少なくとも95%共通のアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号1と少なくとも98%共通のアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号1と少なくとも99%共通のアミノ酸配列を有する改変TdTを、本発明の方法で使用してもよい。好適なヌクレオチジルトランスフェラーゼを発現する生物は、配列番号2と少なくとも95%共通の、例えば、配列番号2と少なくとも98%共通の、例えば、配列番号2と少なくとも99%共通の核酸配列を含んでいてもよい。一部の例では、改変TdTは、ポリヌクレオチドのより効率的な生成をもたらすか、または鎖長のより良好な制御を可能にする。TdTに対する他の改変は、酵素の放出特性を変化させ、それによって、水性還元剤、例えば、TCEPまたはDTTの必要性を減少させ得る。
RNAポリヌクレオチドの合成について、E.Coliポリ(A)ポリメラーゼのようなヌクレオチジルトランスフェラーゼを使用して、リボヌクレオチドイニシエーターの3’末端へのリボヌクレオチドの付加を触媒することができる。他の実施形態では、E.Coliポリ(U)ポリメラーゼは、本発明の方法での使用のためにより好適であり得る。E.Coliポリ(A)ポリメラーゼおよびE.Coliポリ(U)ポリメラーゼは両方とも、New England Biolabs(Ipswich、MA)から入手可能である。これらの酵素を、3’ブロックされていない可逆的ターミネーターリボヌクレオチド(ribonuclotide)三リン酸(rNTP)とともに使用して、RNAを合成してもよい。ある特定の実施形態では、RNAは、3’ブロックされた、2’ブロックされた、もしくは2’-3’ブロックされたrNTP、およびポリ(U)ポリメラーゼまたはポリ(A)ポリメラーゼを使用して合成されてもよい。E.Coliポリ(A)ポリメラーゼおよびE.Coliポリ(U)ポリメラーゼについてのアミノ酸およびヌクレオチド配列を下記に再現する。改変されたE.Coliポリ(A)ポリメラーゼまたはE.Coliポリ(U)ポリメラーゼは、本発明の方法での使用のために好適であり得る。例えば、配列番号3と少なくとも95%共通のアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号3と少なくとも98%共通のアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号3と少なくとも99%共通のアミノ酸配列を有する酵素を、本発明の方法で使用してもよい。好適な酵素を発現する生物は、配列番号4と少なくとも95%共通の、例えば、配列番号4と少なくとも98%共通の、例えば、配列番号4と少なくとも99%共通の核酸配列を含んでいてもよい。あるいは、配列番号5と少なくとも95%共通のアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号5と少なくとも98%共通のアミノ酸配列を有する、例えば、配列番号5と少なくとも99%共通のアミノ酸配列を有する酵素を、本発明の方法で使用してもよい。好適な酵素を発現する生物は、配列番号6と少なくとも95%共通の、例えば、配列番号6と少なくとも98%共通の、例えば、配列番号6と少なくとも99%共通の核酸配列を含んでいてもよい。
Figure 2023521704000008
E.coliポリ(A)ポリメラーゼに対応するヌクレオチド配列を、配列番号4として表4に列挙する。
Figure 2023521704000009
Figure 2023521704000010
Figure 2023521704000011
E.coliポリ(U)ポリメラーゼに対応するヌクレオチド配列を、配列番号6として表6に列挙する。
Figure 2023521704000012
上記で議論されるように、ヌクレオチドアナログにカップリングされた阻害剤は、トランスフェラーゼ、例えば、TdTが、ポリヌクレオチドから放出させないか、または他のアナログが成長中の鎖に組み込まれるのを防止させる。荷電部分は、より良好な阻害をもたらすが、しかしながら、研究は、阻害剤の特定の化学的特質が、特に重要ではないことを示唆する。例えば、ホスフェートおよび酸性ペプチドの両方を使用して、酵素活性を阻害することができる。例えば、Bowers et al., Nature Methods, vol. 6, (2009) p. 593-95および米国特許第8,071,755号を参照されたく、その両方とも、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、阻害剤は、単一のアミノ酸または-(Asp)のようなジペプチドを含むが、しかしながら、第1のヌクレオチドの組み込みおよび第2のヌクレオチドの組み込みの実験的に決定された速度に基づいて、必要により、その部分のサイズおよび電荷を調整することができる。すなわち、他の実施形態は、より多くのまたは異なる荷電アミノ酸または他の生体適合性荷電分子を使用し得る。
ヌクレオチド合成の他の方法を使用して、ヌクレオチジルトランスフェラーゼまたは改変ヌクレオチジルトランスフェラーゼを使用して、鋳型非依存的方式で、de novoオリゴヌクレオチドを構築してもよい。一実施形態では、ポリメラーゼ/トランスフェラーゼ酵素は、それらが3’未修飾dNTPアナログのホスフェートに対する修飾に遭遇した場合に、それらがヌクレオチド付加を停止するように、改変することができる。このスキームは、ヌクレオチドアナログのホスフェート末端を修飾する脱ブロッキング試薬/反応を必要とし、これは、その後のヌクレオチド組み込みのために新生鎖を解放する。この手法の好ましい実施形態は、ヌクレオチドのプリン/ピリミジン塩基の修飾が許容されるが、ホスフェート(アルファ、ベータ、またはガンマ)でのみ修飾されたヌクレオチドアナログを使用する。
一部の実施形態では、その後のヌクレオチドアナログ付加の前に、3’エキソヌクレアーゼを使用して、阻害剤で適正に終了しなかったオリゴヌクレオチドを除去することが有利であり得る。特に、適正に終了したオリゴヌクレオチドのみが構築されるように、ヌクレオチドアナログの阻害剤を選択して、ヌクレオチジルトランスフェラーゼおよび3’エキソヌクレアーゼの活性を阻害することができる。この品質管理技法を使用して、得られるオリゴヌクレオチド配列の純度が改善されるであろう。一部の実施形態では、そのような品質管理手段の使用は、合成後の精製についての必要性を否定し得る。この技法は、図19に模式的に表され、ここで、3’エキソヌクレアーゼは、過剰なヌクレオチドアナログを除去するための洗浄ステップ後およびリンカー切断の前に、導入される。図19に示されるように、そのような浄化ステップは、望ましくない長さおよび/または配列のものであるオリゴヌクレオチドの数を低減するであろう。
非鋳型依存的ポリメラーゼ/トランスフェラーゼ酵素を使用するための別の実施形態は、タンパク質工学またはタンパク質進化を使用して、酵素を改変し、それぞれの単一ヌクレオチド組み込みの後に新生鎖に堅固に結合し、かつ新生鎖に対して不活性のままにし、このようにして、ポリメラーゼ/トランスフェラーゼが放出試薬/条件の使用によって鎖から放出される時間まで、任意のその後の組み込みを防止することであろう。そのような改変は、可逆的ターミネーターdNTPの代わりに、天然の未修飾dNTPの使用を可能にするように選択されるであろう。放出試薬は、高塩緩衝液、変性剤などであり得る。放出条件は、高温、撹拌などであり得る。例えば、TdTのループ1およびSD1領域に対する変異は、活性を、鋳型非依存的活性からより高い鋳型依存的活性に劇的に変更することが示された。目的の特異的変異としては、限定されるものではないが、Δ384/391/392、del loop 1(386→398)、L398A、D339A、F401A、およびQ402K403C404→E402R403S404が挙げられる。組み込み後に堅固に結合する(すなわち、単一ターンオーバー)TdT酵素の目標を達成するための他の手段としては、限定されるものではないが、K261、R432、およびR454を含むイニシエーター鎖の3つのホスフェートへの結合の原因となる残基への変異が挙げられ得る。
非鋳型依存的ポリメラーゼ/トランスフェラーゼ酵素を使用するための別の実施形態は、タンパク質工学またはタンパク質進化を使用して、高効率で3-ブロックされた可逆的ターミネーターを許容するように酵素を改変することである。天然に存在するポリメラーゼ/トランスフェラーゼ酵素は、酵素の活性部位における立体的制約に起因して、3’-ブロックされた可逆的ターミネーターを組み込まない。酵素の活性部位における単一またはいくつかのアミノ酸を改変することで、上記に記載されるプロセスと完全に類似のプロセスにおいて、支持体に結合したイニシエーターへの3’-ブロックされた可逆的ターミネーターの高効率の組み込みを可能にし得る。組み込み後に、3’-可逆的ターミネーターは、脱ブロッキング試薬/条件で除去され、このようにして、その後の制御された伸長反応の準備ができている完全に天然の(跡のない)一本鎖分子が生成される。酵素は、入来dNTPの3’-OHに近いアミノ酸を含有し、これは、デオキシリボヌクレオチド三リン酸と同じくらい容易にリボヌクレオチド三リン酸を組み込むTdTの傾向を説明し、限定されるものではないが、β1とβ2との間、特に、R334、ループ1、およびα13とα14との間、特に、R454を含むアミノ酸は、3’-可逆的ターミネーター基のかさを収容し、それらの効率的な組み込みを可能にする、変異誘発のための標的である可能性が高い。ある特定の実施形態では、さらなるアミノ酸変化が、3’-可逆的ターミネーターを収容するために作製される変更を相殺するために必要であってもよい。鋳型依存的ポリメラーゼを使用するための別の実施形態は、3’ブロックされたか、または3’ブロックされていないdNTPアナログを、固体支持体に付着した複数のプライマー-鋳型対とともに使用することであり、ここで、鋳型は、使用者によって指定される4種の塩基のいずれかのポリメラーゼ媒介プライマー伸長を支持する核酸アナログである。
一部の実施形態では、操作されたTdTを使用して、3’-O-ブロックされたヌクレオチドアナログを用いる段階的合成が達成される。AutoDock(Molecular Graphics Laboratory、Scripps Research Institute、La Jolla、CA)を使用して、TdTタンパク質の活性部位をモデル化することが可能である。この算出に基づいて、Arg336およびArg454での変化を有する改変TdTが、3’-O-ブロックされたヌクレオチドアナログに対する酵素活性を有し得ると予測される。Gly452およびSer453が、シス-ペプチド結合コンフォメーションで存在し(その全体が参照により本明細書に組み込まれるDelarue et al, EMBO J., 2002; 21(3):427-39を参照されたい)、およびArg336のグアニジニウム基が、このコンフォメーションの安定化を支援すると思われる。Arg336によって提供された安定性は、この位置の置換が、改変TdTタンパク質の反応性に対して負の影響を有する理由を説明するのを助け得る。一部の例では、336位を改変することによって作出される不安定性は、シス-ペプチド結合コンフォメーションを安定化するためにプロリンを使用することによって克服され得る。しかしながら、Arg336が、例えば、アラニンまたはグリシンで置換されると、TGSRモチーフ全体(451位、452位、435位、454位)も、この変化を相殺するように改変される必要があり得る。例えば、TGSRモチーフは、TPSRまたはTGPRに改変されてもよい。別の実施形態では、3’-O-ブロッキング基の立体的かさを収容するためのArg454での置換は、Arg454でのグリシンまたはアラニンの置換を相殺するようにα14領域へのさらなる改変を必要としてもよい。他の実施形態では、α11領域における他のアミノ酸についての置換が、GSRモチーフの改変の代わりに、またはそれに加えて、Arg336に対する置換を相殺するように必要とされてもよい。
Arg336およびArg454への改変は、3’-O-修飾dNTPの結合相互作用を変化させ得るが、3’-O-修飾dNTPとTdTの改善された立体的相互作用をもたらすであろう置換を探索することも必要であり得る。そのような立体的改変は、コンピューター的に探索することもできる。残基Gly332、Gly333、Gly452、Thr451、およびSer453は、3’-O-アジドメチルまたは3’-O-アリルのような3’-ブロッキング基の追加の立体的かさを許容する置換のための潜在的な標的でもある。Glu457、Ala510、Asp509、Arg508、Lysl99、Serl96、Metl92、またはLeul61などの3’-OHの1.2nm以内にある残基はまた、3’-O-ブロックされたdNTPの基質利用を潜在的に妨げてもよく、したがって、Arg336およびArg454に加えて、またはそれと組み合わせて、置換のための標的である。508位、509位および510位でのアミノ酸置換に加えて、3’-O-ブロッキング基との干渉を除去するために、アミノ酸を欠失させることが必要であり得る。それらのアミノ酸は、タンパク質のC末端の近くに位置し、比較的組織化されていない領域に存在するので、それらは、上記に記載される改変の代わりに、またはそれと組み合わせて、単独でまたはまとめて欠失されてもよい。
非鋳型依存的ポリメラーゼ/トランスフェラーゼ酵素を使用するための別の実施形態は、タンパク質工学またはタンパク質進化を使用して、酵素を改変して、アナログ特異的な様式で4種の異なるヌクレオチドのそれぞれまたはさらに異なる修飾ヌクレオチドアナログの使用を最適化することができる。ヌクレオチド特異的またはヌクレオチドアナログ特異的酵素バリアントは、所望のポリヌクレオチドの合成の費用をさらに低減するであろうKの低減もしくは付加速度の増強のような所望の生化学的な属性を持つように操作することができる。
固体状態合成
本発明の方法は、種々の反応条件下で実施することができるが、しかしながら、所望のポリヌクレオチドの順序正しい構築および回収は、ほとんどの場合に、ポリヌクレオチドを伸長できる固体支持体を必要とする。上記で議論されたNTP、リンカーおよび阻害剤アナログと併用される場合、例えば、水性環境下でTdTまたはポリ(A)ポリメラーゼを使用することによって、DNAおよびRNAの特定のポリヌクレオチド配列を構築することが可能である。図13に示されるように、TdTを使用して、段階的な方式で、ポリヌクレオチド配列を伸長することによって、カスタムポリヌクレオチドの段階的な構築を生じさせることができる。前に議論されたように、それぞれのNTPアナログの阻害剤基は、酵素に、ヌクレオチドの付加を停止させる。それぞれのヌクレオチド伸長ステップ後に、反応物は、リンカーを切断することによる阻害剤の除去の前に、固体支持体から洗い流され、次いで、新しい反応物が添加され、サイクルを新たに開始することが可能になる。
ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ媒介ヌクレオチドアナログ伸長ステップの後かつ阻害剤切断の前に、3’エキソヌクレアーゼに曝露される追加の品質管理ステップが組み込まれてもよい。3’エキソヌクレアーゼは、ブロックされていない3’OHを有するオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド鎖を分解する。切断されていない阻害剤(例えば、立体的阻害剤)は、3’エキソヌクレアーゼが、切断されていないヌクレオチドアナログが成功裏に組み込まれた鎖を分解するのを物理的にブロックし得る。そのような品質管理ステップは、前の付加ステップにおいて所望のヌクレオチドアナログの組み込みが不成功に終わったオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドのみを分解し、それによって、完成した合成配列におけるあらゆるエラーを排除する。3’エキソヌクレアーゼ曝露後に、酵素は、阻害剤切断ステップを行う前に洗い流されてもよい。
3’エキソヌクレアーゼは、所望のヌクレオチドアナログが成功裏に付加されなかった鎖を短縮するかまたは完全に分解することによって作用する。所与のサイクルで酵素的に伸長するのに失敗した鎖は、リンカー切断ステップの前に、末端高分子-dNMPコンジュゲートを有さない。3’エキソヌクレアーゼがこの段階で導入されると、「失敗」鎖は、長さが短縮されるか、またはモノヌクレオチドリン酸まで潜在的に完全に分解されるが、全長鎖は、分解から保護され得る。長い(>500塩基)合成DNAの収率は、それぞれのおよびすべてのサイクルで起こる高効率の反応に依存し、酵素的伸長および脱ブロッキング/自己排除ステップの両方が、定量的収率近くで起こらなければならない。伸長の効率が低い(すなわち、伸長されず、したがって天然の未修飾末端ヌクレオチドを持つ鎖が存在する)場合、酵素的伸長ステップの後であるが、高分子ターミネーター切断ステップの前の3’エキソヌクレアーゼの導入は、新生鎖の純度に肯定的な影響を有する。
反対に、それらの鎖が、高分子ターミネーターによって依然として保護されており、次の伸長ステップの間に伸長することに失敗するので、脱ブロッキング/排除ステップが定量的レベル未満である場合、3’エキソヌクレアーゼステップは、合成の品質に影響を有さないであろう。そのため、3’エキソヌクレアーゼステップの追加による合成の品質の実際の改善は、実験的に決定することしかできず、その結果、評価は、追加の費用およびサイクル時間の価値がある場合に行われる。
3’-5’-エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素としては、上記で議論された3’-エキソヌクレアーゼ、および3’-エキソヌクレアーゼを有するポリメラーゼが挙げられる。例示的な3’-5’-エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素としては、ExoI、熱不安定性ExoI、およびExoT、Exo I、Exo T、熱不安定性Exo I、Exo II、Exo III、Exo IV、Exo V、Exo VII、Exo IX、Exo IX、TREX1、TREX2 RNase T、Pol d、Pol e、Pol g、POL3、POL2、MIP1、WRN、p53、MRE11、hRADl、RAD1、hRAD9、およびRad9が挙げられる。
nサイクルの伸長-除去-脱ブロッキング-洗浄の完了の際に、完成した全長の一本鎖ポリヌクレオチドは完全であり、固体支持体から切断され、DNA配列決定またはPCRなどの適用におけるその後の使用のために回収される。あるいは、完成した全長の一本鎖ポリヌクレオチドは、ハイブリダイゼーション分析、タンパク質またはDNA親和性捕捉などの適用におけるその後の使用のために、固体支持体に付着したままにすることができる。他の実施形態では、部分的に二本鎖のDNAを、イニシエーターとして使用することができ、二本鎖ポリヌクレオチドの合成をもたらす。
ある特定の実施形態では、ヌクレオチドアナログの付加サイクルは、固体支持体に付着したオリゴヌクレオチドを、ヌクレオチドアナログに、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素の存在下かつ核酸鋳型の非存在下、前記オリゴヌクレオチドへの前記アナログの組み込みのために十分な条件下で曝露するステップを含み得る。ヌクレオチドアナログは、3’-O-ブロッキング基を含むことができ、これは、前記ブロッキング基が除去されるまで、ヌクレオチジルトランスフェラーゼが、前記オリゴヌクレオチドへの天然ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログいずれかの付加を触媒するのを防止する。それぞれのヌクレオチドアナログの組み込みの後、オリゴヌクレオチドは、エキソヌクレアーゼ活性に対する耐性を付与しない第2のヌクレオチドアナログに曝露されてもよい。次いで、オリゴヌクレオチドは、3’-ブロッキング基の除去の前に、3’-5’-エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素に曝露されてもよい。所望の3’-O-ブロックされたヌクレオチドアナログが組み込まれなかった鎖は、代わりに、組み込まれた第2のヌクレオチドアナログを有するか、または何も有さない(エキソヌクレアーゼ活性に感受性の未修飾3’-OHが残っている)。したがって、3’-O-ブロッキング基の除去の前のエキソヌクレアーゼによる処理は、所望のヌクレオチドアナログが組み込まれなかったエラー鎖の消化をもたらす。第2のヌクレオチドアナログは、2’,3’-ジデオキシヌクレオチドおよび2’,3’-デヒドロヌクレオチドからなる群より選択される。
エキソヌクレアーゼ処理は、それぞれのヌクレオチドアナログの組み込みサイクルの後に起こってもよく、あるいは保留され、2つもしくはそれよりも多くのヌクレオチドアナログの組み込みの後、または最終のヌクレオチドアナログを組み込み、所望のオリゴヌクレオチド配列が完成した後(しかし、最終のブロッキング基の除去の前)にのみ行われてもよい。配列を終端させる第2のヌクレオチドアナログの場合では、所望の3’-O-ブロックされたヌクレオチドアナログが成功裏に組み込まれなかったエラー鎖は、鎖を終端させる第2のヌクレオチドによるさらなる伸長からブロックされ、したがって、組み込まれたさらなる3’-O-ブロックされたヌクレオチドアナログを有さない。したがって、エキソヌクレアーゼ処理が、最終の組み込みステップのために保留される場合であっても、途中で生じたあらゆるエラー鎖は、エキソヌクレアーゼ活性に感受性のままである。
11.付加サイクルが、ステップa)、b)、およびc)、それに続いて3’-ブロッキング基の除去ステップを含み、方法が、付加サイクルを2回またはそれよりも多く反復するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。ある特定の実施形態では、最終の組み込みステップは、3’-O-ブロッキング基およびビオチン改変を有するヌクレオチドアナログを付加することを含んでいてもよい。
一部の実施形態では、核酸イニシエーターは、放出剤の存在下である場合、合成されたオリゴヌクレオチドを放出する3’部分を含む。この特徴は、一般に、図22に図示され、ここで、核酸イニシエーター(5’-イニシエーター-)は、固体状態の支持体(白丸)および放出可能な3’部分(白星)にカップリングされて示される。一部の実施形態では、イニシエーターは、一本鎖オリゴヌクレオチド、例えば、二量体、三量体、四量体、五量体、六量体、七量体、または八量体である。イニシエーターに付着した3’部分は、酵素、例えば、TdT、例えば、改変TdTのための基質であるので、酵素は、段階的な方式で、さらなるヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログを付加することができる。それぞれの付加により、合成されたオリゴヌクレオチドの長さは増加する。オリゴヌクレオチド合成が完了したら、放出剤を導入して、3’部分を核酸イニシエーターから切り離させることができる。一部の実施形態では、3’部分は、リボヌクレオチド、例えば、A、C、G、またはUリボヌクレオチドである。他の実施形態では、3’部分は、脱塩基デオキシリボースである。他の実施形態では、3’部分は、脱塩基リボースである。他の実施形態では、3’部分は、非ヌクレオシド5’-一リン酸である。放出剤は、塩基性溶液または金属イオンを含んでいてもよい。例えば、放出剤は、8超のpH、すなわち、8.5超のpH、すなわち、9.0超のpH、すなわち、9.5超のpHを有する濃NHOH溶液であり得る。一部の実施形態では、放出剤は、酵素、例えば、II型制限ヌクレアーゼである。一部の実施形態では、酵素は、イニシエーターの核酸配列と独特に相互作用し、イニシエーターから合成されたオリゴヌクレオチドを溶解し、イニシエーターを残す。
ある実施形態では、イニシエーターは、核酸六量体であり、3’部分は、リボヌクレオチド、例えば、アデノシンである。例えば、N-4位で連結された切断可能なターミネーターを含むヌクレオチドまたは3’-O-ブロックされた位置を有するヌクレオチドを使用して、オリゴヌクレオチド合成が完了したら、オリゴヌクレオチドを、結合したオリゴヌクレオチドをおよそ8のpHの水酸化アンモニウム溶液に曝露することによって、放出させることができる。次いで、合成されたオリゴヌクレオチドを含有する塩基性溶液は、六量体イニシエーターを含む固体基材から分離することができる。次いで、固体基材は、洗浄および/または中和されて、新しいオリゴヌクレオチドの製造のためのイニシエーターおよび3’部分が調製される。一部の実施形態では、末端リボヌクレオチドは、ホスファターゼまたはT4ポリヌクレオチドキナーゼの3’ホスファターゼ活性の使用によりオリゴヌクレオチド合成の前に再生される。
一部の実施形態では、固体支持体、および3’部分を含む核酸イニシエーターは、再利用可能であり、それによって、固体支持体にカップリングされたイニシエーターを、オリゴヌクレオチドの迅速な合成のために何度も使用することを可能にする。本発明の方法での使用のために好適な固体支持体としては、ビーズ、スライド、ペグまたはウェルを含む、ガラスおよびシリカ支持体が挙げられ得る。一部の実施形態では、支持体は、別の構造体、例えば、ポリマーウェルプレートまたはピペットチップに係留されてもよい。一部の実施形態では、固体支持体は、追加の磁気的性質を有していてもよく、このようにして、支持体を、磁石を使用して操作するか、またはある位置から除去することを可能にする。他の実施形態では、固体支持体は、シリカでコーティングされたポリマーであってもよく、それによって、それ自体が自動処理に役に立つ種々の構造的形状の形成を可能にする。
基材の材料およびイニシエーターと基材との間の共有結合的連結化学の選択は、イニシエーターの喪失がない合成条件に耐える構築物の能力によってのみ制限される。好ましい実施形態は、構築物全体の安定性が、付着したオリゴヌクレオチドのものであって、基材に依存しないように、イニシエーターよりも化学的安定性が高い基材およびリンカーを利用する。一部の実施形態では、密度およびイニシエーターの質を正確に制御することができるように、イニシエーターが代わりに基材にグラフトされる好ましい実施形態により、イニシエーターは、表面ヒドロキシル基を提示する材料から、5’から3’の方向で合成され得る。
イニシエーターと基材との間の共有結合的連結は、構築物の安定性を損なわない任意の結合であり得る。好ましい実施形態は、5’-アミン、5’-ヒドロキシル、5’-ホスフェート、5’-スルフヒドリル、または5’-ベンズアルデヒド基のいずれかを含有するオリゴヌクレオチドと、基材上にホルミル、クロロメチル、エポキシド、アミン、チオール、アルケン、または末端C-F結合を含有する表面または樹脂との間のカップリングを利用し得る。
一部の実施形態では、イニシエーターは、配列特異的な切断戦略のためのエレメント、例えば、制限酵素、ウラシル特異的切除試薬(USER)、または任意の種々の配列特異的ヌクレアーゼを利用するものを含有していてもよい。他の実施形態では、代わりに、これらのエレメントは、樹脂にカップリングされた後に、酵素的に合成されてもよく、またはイニシエーターに付加されてもよい。そのようなシナリオは、例えば、カップリングプロセスの間に表面官能基との潜在的な副反応を最小化するために、イニシエーターが、もっぱらチミジンで構成される場合に、好ましくあり得る。
図23は、短いポリウラシル(U)トラクトが、TdTを使用して、イニシエーターの3’-末端に付加される溶液相の例を示す。次いで、得られるイニシエーターは、記載されるようなさらなる伸長反応のために使用されて、所望の配列が生成され得る。合成の完了の際に、新たに生成された配列は、内部ポリUトラクトで切断されて、元のイニシエーターから新しい配列が分離され得る。使用される30ヌクレオチドイニシエーターは、配列5’-TTATTATTATTATTAAAAAAGGCCAAAAAAのものである。図23に示されるゲルは、レーン1において流されたイニシエーターを含む一方で、dUTP(すなわち、ポリウラシルトラクト)の1または複数の付加後のイニシエーターは、レーン2において流された。次いで、生成された配列を、10、30、および60分間、USER消化に付し、それぞれ、レーン3、4、および5において流した。
図24は、内部ポリUトラクトを含有する配列の切断が、5’-ホスフェートを持つ均質な長さの単一生成物を生成することを示す。切断プロセスは、樹脂結合イニシエーター上に3’-ホスフェートを残し、これは、T4ポリヌクレオチドキナーゼ、アルカリホスファターゼ、または他の脱リン酸化プロセスでの処理により除去され得る(図25を参照されたい)。図24に表される例において切断された内部ポリUトラクト配列は、配列5’-TTAATTAATUUUUGTGAGCTTAATGTCCTTATGTのものであり、これは、USER消化後に、配列5’-phos-GTGAGCTTAATGTCCTTATGTの生成物をもたらした。得られる生成物は、図24に示されるように、レーン1、2、3、および4において、USER消化の0、10、30、および60分後に流し、成功裏の切断および生成物の均質な長さを示した。レーン5において、配列GTGAGCTTAATGTCCTTATGTの対照オリゴヌクレオチドを流した。
図25は、例示的な固相脱リン酸化およびTdT伸長プロセスを示す。チャートは、固相伸長におけるTdT反応混合物の吸光度を表す。dNTPが樹脂に結合したイニシエーターに付加される場合、それらは、溶液から枯渇し、上清の吸光度を低減する。トレースAは、イニシエーターの3’-末端が末端ホスフェートでブロックされている樹脂上でのdNTP組み込みの無視できる割合を示す。トレースBは、そのようなイニシエーターが、15分間エビアルカリホスファターゼで処理された後の組み込みの割合を示す。トレースCは、ブロックされていないイニシエーターを使用した同じ条件下でのdNTP組み込みの割合を示す。
合成された配列の切断後、次いで、樹脂は、切断部位の設置、合成、生成物除去、および再生の別のサイクルにおいて使用され得る。図26は、例示的な再生サイクルの概要を提供する。
他の実施形態では、切断部位の設置を使用して、イニシエーターのオリゴヌクレオチドの酵素的な接近性が均質にされ得る。酵素合成サイクルの間に使用されるそれぞれの酵素は、それ自身が、潜在的に別個の最適なローディングおよび表面からの間隔を伴う立体的なフットプリントを有する。これは、段階的付加の動態および酵素切断プロセスからの収率に関する予想外の挙動を生じさせ得る。一部の実施形態では、切断部位の設置、切断、および再生の反復サイクルは、切断酵素および鋳型非依存的ポリメラーゼが、表面オリゴヌクレオチドの同じ集団に接近するように、オリゴヌクレオチド合成の前に実施されてもよい。
一部の実施形態は、合成の間に、鎖全体にわたって複数の異なる切断部位を設置し得る。消化の際に、切断部位間に位置する鎖の複雑なライブラリーが樹脂から放出され得る。次いで、そのような配列は、さらに増幅することができ、当業者により酵素的集合プロセスのために使用することができる。この手法は、独特に、表面上の比較的少ない別個の場所での配列断片のより高い多様性を生じさせるために、または合成の間の二次構造形成の危険にさらす隣接する鎖の合成を回避するために、並列合成スキームに適していることがある。
他の実施形態では、切断部位の設置は、ホスホルアミダイトに基づくオリゴヌクレオチド合成において使用されるアセチル化と類似して、未反応のイニシエーター配列の除去において支援するために、酵素的伸長のそれぞれのサイクルの直後に使用されてもよい。付加サイクル間に伸長されていない鎖は、ポリUトラクトのための基質として作用するが、鎖ターミネーターを持つ伸長されたイニシエーターはそうではない。合成サイクルの最後に、単一USER消化を実施し、その結果、オリゴヌクレオチドが支持体から放出され、失敗した付加を含有する配列は、同時に、完全なサイズの生成物よりも短い長さに消化される。失敗した配列はまた、それらが、それらの3’-末端でここでリン酸化されるという点で、似ており、さらなる酵素的伸長に対してそれらを非反応性にする。次いで、全長配列は、伸長を受けて、選択的な捕捉、単離、または富化を可能にする任意のエレメントが付け加えられてもよい。そのようなエレメントは、追加のホモポリマートラクト、例えば、さらなるポリUトラクト(ハイブリダイゼーションに基づく手法によって単離され、その後消化され得る)、または非共有結合的捕捉のためのビオチン化されたエレメントのいずれかであり得る。この手法は、長い(150nt+オリゴヌクレオチド)、少ない試料の量、または可変の長さの配列の複雑な混合物のために好適な、好適なクロマトグラフィー技法の欠如を相殺する。
さらなる実施形態は、高度にインデックス化されたDNAに基づくデータ記録媒体のリサイクルを支援するために、切断部位の設置を用いてもよい。例を図27に示す。そのような場合では、5’-表面に固定された配列は、短いポリAトラクトで終端する。十分な長さの末端3’-ポリU部位を生成するための伸長は、適切な条件下でヘアピンの折り畳みを可能にし、その結果、ポリAストレッチに先行するイニシエーターのエレメントは、鋳型依存的ポリメラーゼを使用して複製され得る。次いで、配列を、新しいホモポリマートラクトで伸長して、自由な3’-末端を残し、これは、その後のデータ書き込み操作において使用することができる。書き込みステップの完了の際に、ヘアピンリンカーは、次いで、USER酵素で消化されて、データ鎖を放出することができるが、3’-脱リン酸化ステップ、ポリU付加、および鋳型鎖の再コピーにより再生される鋳型イニシエーターを残す。DNAに基づくデータ記録におけるホモポリマートラクトの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、共同所有の米国特許出願番号第15/994,335号に記載されている。
合成機
開示される方法の効率を十分に利用するために、水相DNA合成機を構築して、実質的な量の所望のポリヌクレオチドを生成することができる。一実施形態では、合成機は、記載されるNTPアナログ試薬、すなわち、dCTP、dATP、dGTP、およびdTTPの4種のウェル、ならびにポリヌクレオチド成長をもたらすのに十分な濃度のTdTを含む。複数の開始配列を、例えば、実験室ロボットを使用して、4種のウェルのそれぞれに反復して浸漬されるように設計された固体支持体に付着させることができる。ロボットは、ヌクレオチド付加の間に洗浄緩衝液で固体支持体をすすぎ、支持体を脱ブロッキング剤に曝露することによって連結基を切断し、次の所望のヌクレオチドのウェルに固体支持体を移動させる前に、2回目の洗浄を固体支持体にするように、さらにプログラムされ得る。単純なプログラミングにより、数時間で、有害な廃棄物の実質的な低減を伴って、有用な量の所望のヌクレオチド配列を作出することが可能である。注意深く制御された条件下で進行する合成は、数千の塩基対の長さを有するポリヌクレオチドの合成を可能にする。完了の際に、伸長生成物は、固体支持体から放出され、そして、それらを、完成したヌクレオチド配列として使用することができる。
高度に並列の実施形態は、96または384ウェルいずれかの形式のペグ上の一連のイニシエーター-固体支持体からなり得、これは、個々に、引き込められるかもしくは降下されることができ、その結果、ペグは、制御された方式でウェル中の液体と接触するようにインデックス化され得る、。したがって、合成機は、無作為にアドレス可能なペグデバイス、ペグデバイスと同じ形式(96または384間隔)の4種の酵素-dNTPアナログリザーバー、ペグデバイスと同じ形式(96または384間隔)の追加の試薬リザーバー(洗浄、脱ブロッキングなど)、および使用者がプログラム可能な制御されているが、ランダムなアクセス方式で1つのリザーバーから別のものにペグデバイスを移動させる輸送機構(例えば、実験室ロボット)からなり得る。内容物は、それぞれのポリヌクレオチド合成の費用を低減するために合成プロセス全体を通して再利用されるので、4種の酵素-dNTPリザーバーのそれぞれの混入を回避するように注意されなければならない。
代替の実施形態では、試薬(例えば、ヌクレオチドアナログ、酵素、緩衝液)は、固体支持体間で移動され、試薬をリサイクルすることを可能にする。例えば、リザーバーおよびにポンプのシステムは、オリゴヌクレオチドが形成される1つまたは複数のリアクター間で4種の異なるヌクレオチドアナログ溶液、洗浄緩衝液および/または還元剤溶液を移動させることができる。リアクターおよびポンプは、従来のものであり得るか、またはデバイスは、マイクロフルイディクスを使用して構築されてもよい。無水でない(水性の)特質のプロセスのため、水への曝露を排除するために使用されるハードウェアの設計において、特別な注意を払う必要はない。合成プロセスは、蒸発での損失を制御するための予防措置のみを用いて行うことができる。高度に並列の実施形態は、同じ一致する形式での一連のウェルに相互接続することができる96または384ウェルいずれかの形式のペグ上のモノシリックの一連のイニシエーター-固体支持体からなり得る。それぞれのウェルは、実際に、適切なバルブを有する4種の酵素-dNTPアナログリザーバー、および追加の試薬リザーバー(洗浄、脱ブロッキングなど)によって供給される反応チャンバーであろう。酵素-dNTP反応物が、それぞれのポリヌクレオチド合成の費用を低減するために、合成プロセス全体を通して再利用されるので、フルイディクスの論理で、それぞれの伸長反応後に初期の方式で酵素-dNTP反応物を回収するための準備が行われるであろう。他の実施形態では、ピペッティングチップのシステムを使用して、試薬を添加および除去することができる。
ある特定の態様では、ポリヌクレオチドは、マイクロ流体デバイスおよび/またはインクジェット印刷技術を使用して合成されてもよい。例示的なマイクロ流体ポリヌクレオチド合成デバイスを、例示目的のために図17に示すが、一定の拡大縮小比ではない。レギュレーター257を含むマイクロ流体チャネル255は、リザーバー253を反応チャンバー251に連結し、レギュレーター257を含む出口チャネル259は、反応チャンバー251から廃棄物を排出することができる。ポリヌクレオチド合成のためのマイクロ流体デバイスは、例えば、チャネル255、リザーバー253、および/またはレギュレーター257を含み得る。ポリヌクレオチド合成は、マイクロ流体の反応チャンバー251において起こり得、これは、いくつかの繋留された合成されたヌクレオチドイニシエーターを含んでいてもよく、これは、反応チャンバーの内面に繋留または結合されたビーズまたは他の基材(これは、NTPアナログもしくはポリヌクレオチドイニシエーターを放出可能に結合することができる)を含んでいてもよい。反応チャンバー251は、少なくとも1つの取込みおよび1つの出口チャネル259を含んでいてもよく、その結果、試薬は、反応チャンバー251に添加および除去され得る。マイクロ流体デバイスは、それぞれの個々のNTPアナログについてのリザーバー253を含んでいてもよい。これらのNTPアナログのリザーバー253のそれぞれはまた、適切な量のTdT、または鋳型の指示なしでDNAもしくはRNA鎖を伸長する任意の他の酵素を含んでいてもよい。追加のリザーバー253は、リンカー/阻害剤の切断および洗浄のための試薬を含有していてもよい。これらのリザーバー253は、別々のチャネル255を介して反応チャンバー251に連結することができ、反応チャンバー251へのそれぞれのチャネル255を通る試薬の流れは、ゲート、バルブ、圧力レギュレーター、または他の手段の使用により、個々に調節され得る。出口チャネル259を通る反応チャンバー251からの流れは、同様に、調節され得る。
ある特定の例では、試薬、特に、NTPアナログ-酵素試薬は、リサイクルされ得る。試薬は、ゲート、バルブ、圧力レギュレーターまたは他の手段を使用して逆流を誘導することによって、それらが入る同じチャネル255を介して反応チャンバー251からそれらの個々のリザーバー253に引き戻されてもよい。あるいは、試薬は、独立した戻りチャネルを介して反応チャンバー251からそれらの個々のリザーバー253に戻されてもよい。マイクロ流体デバイスは、上記に記載されるゲート、バルブ、圧力または他のレギュレーター257を操作することができるコントローラーを含んでいてもよい。
例示的なマイクロ流体ポリヌクレオチド合成反応は、反応チャンバー251に所望の酵素-NTPアナログ試薬を流すステップ;設定時間後に、酵素-NTPアナログ試薬を出口チャネル259または戻りチャネルを介して反応チャンバー251から除去するステップ;反応チャンバー251に洗浄試薬を流すステップ;洗浄試薬を、出口チャネル259を通して反応チャンバー251から除去するステップ;反応チャンバー251に脱ブロッキングまたは切断試薬を流すステップ;脱ブロッキングまたは切断試薬を出口チャネル259もしくは戻りチャネルを介して反応チャンバー251から除去するステップ;反応チャンバー251に洗浄試薬を流すステップ;洗浄試薬を、出口チャネル259を通して反応チャンバー251から除去するステップ;反応チャンバー251に合成される所望の配列における次のNTPを含む酵素-NTPアナログ試薬を流すステップ;および所望のポリヌクレオチドが合成されるまで反復するステップを含み得る。所望のポリヌクレオチドが合成された後、それは、反応チャンバーアンカーまたは基材から放出させ、出口チャネル259または他の手段を介して収集され得る。
ある特定の態様では、NTPアナログ、TdTおよび/または他の酵素を含む、試薬および化合物、ならびにリンカー/阻害剤の切断および/または洗浄のための試薬は、インクジェット印刷技術または圧電性ドロップオンデマンド(DOD)インクジェット印刷技術を使用して、反応チャンバーに堆積されてもよい。インクジェット印刷技術を使用して、液滴を形成することができ、それを、空気により反応チャンバーに堆積させることができる。試薬液滴は、ピコリットル~ナノリットルスケールの体積を有し得る。液滴は、1Hz、10Hz、100Hz、1kHz、2kHz、および2.5kHzを含む各種の周波数で、インクジェット印刷技術を使用して導入されてもよい。さまざまな試薬が、インクジェット印刷デバイス内の別々のリザーバーに保管され得、インクジェット印刷デバイスは、例えば、チップ内の異なる反応チャンバーまたはウェルを含む、さまざまな別々の位置にさまざまな試薬の液滴を送達し得る。ある特定の実施形態では、インクジェットおよびマイクロ流体技術は組み合わされてもよく、ここで、ある特定の試薬および化合物は、インクジェット印刷技術を介して反応チャンバーに送達される一方、他のものは、マイクロ流体チャネルまたは管を介して送達される。インクジェット印刷デバイスは、プロセッサーにカップリングされた少なくとも非一過性の有形メモリーを含むコンピューティングデバイスによって制御されてもよい。コンピューティングデバイスは、例えば、タッチスクリーン、マウスもしくはキーボードを含む入力デバイスからの入力を受信し、インクジェット印刷デバイスが、試薬の液滴を堆積する時間および場所、それを堆積する試薬、ならびに/または堆積される試薬の量を制御するように操作可能であり得る。
ある特定の例では、所望のポリヌクレオチド配列は、入力デバイスを通してコンピューティングデバイスに入力され得、ここで、コンピューティングデバイスは、上記に記載されるように、適切な順序で、適切なNTPアナログ、酵素、切断試薬、および洗浄試薬を逐次的に堆積させることによって、所望のポリヌクレオチド配列を生成するために必要な反応を行うように操作可能である。
合成後に、放出された伸長生成物を、高分解能PAGEによって分析して、イニシエーターが、対照と比較して、予想された塩基の数まで伸長されたかどうかを決定することができる。回収された合成DNAの一部はまた、配列決定されて、合成されたポリヌクレオチドが予想された配列のものであるかどうかが決定され得る。
合成機は、比較的単純であり、ホスホルアミダイト合成のために必要な有毒な構成要素を必要としないので、本発明の合成機は、研究機関、バイオテクノロジー企業、および病院にとって広く利用しやすい。加えて、試薬を再利用/リサイクルする能力は、生成する廃棄物を低減し、消耗品の費用を低減するのを助ける。本発明者らは、本方法およびシステムが、多数の適用、例えば、DNA配列決定、PCR、および合成生物学において有用であると予想する。
参照による組み込み
他の文書、例えば、特許、特許出願、特許公開、雑誌、書籍、論文、ウェブコンテンツへの参照および引用を、本開示全体を通して行った。そのような文書のすべては、すべての目的のために、それらの全体が、ここに参照により本明細書に組み込まれる。
均等物
本明細書に示され、記載したものに加えて、本発明のさまざまな改変およびその多くのさらなる実施形態は、本明細書に引用された科学文献および特許文献への言及を含む、本文書の全内容から当業者に明らかになるであろう。本明細書の主題は、そのさまざまな実施形態およびその均等物における本発明の実施に適合し得る重要な情報、例示、および指針を含む。

Claims (20)

  1. オリゴヌクレオチドを合成するための方法であって、前記方法は、
    固体支持体に付着したオリゴヌクレオチドを、ヌクレオチドアナログに、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素の存在下かつ核酸鋳型の非存在下、前記オリゴヌクレオチドへの前記アナログの組み込みのために十分な条件下で曝露するステップであって、前記ヌクレオチドアナログが、3’-O-ブロッキング基を含み、前記3’-O-ブロッキング基は、前記ブロッキング基が除去されるまで、前記ヌクレオチジルトランスフェラーゼが、前記オリゴヌクレオチドへの天然ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログいずれかの付加を触媒するのを防止する、ステップ、ならびに
    前記3’-O-ブロッキング基の除去の前に、前記オリゴヌクレオチドを、3’-5’-エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素に曝露するステップ
    を含む、方法。
  2. 前記ヌクレオチドアナログの構造が、
    Figure 2023521704000013
    を含み、式中、
    BGは、3’-ONO、3’-OCHCHCN、3’-OCH、3’-OPO、3’-OCHSSCH、および3’-ONHC(O)Hからなる群より選択される3’-O-ブロッキング基であり、
    Rは、H、アミド、カルバメート、および尿素からなる群より選択され、それぞれの場合に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、ピバロイル、シクロヘキシル、シクロプロピル、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ピレニル、クリセニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、フラニル、チオフェニル、モルホリニル、ピペリジニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、およびビオチンからなる群より選択されるメンバーに必要に応じて連結されている、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記ヌクレオチドアナログが、以下の構造:
    Figure 2023521704000014
    を含み、式中、
    BGは、3’-ONO、3’-OCHCHCN、3’-OCH、3’-OPO、3’-OCHSSCH、および3’-ONHC(O)Hからなる群より選択される3’-O-ブロッキング基であり、
    ヌクレオチド-Rは、デオキシアデノシン、デオキシシチジン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、N6-修飾デオキシアデノシン、N4-修飾デオキシシチジン、N1-修飾デオキシチミジン、O6-修飾デオキシグアノシン、N1-修飾デオキシグアノシン、およびN2-修飾デオキシグアノシンからなる群より選択される、
    請求項1に記載の方法。
  4. 前記3’-5’-エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素が、ExoI、熱不安定性ExoI、およびExoT、Exo I、Exo T、熱不安定性Exo I、Exo II、Exo III、Exo IV、Exo V、Exo VII、Exo IX、Exo IX、TREX1、TREX2 RNase T、Pol d、Pol e、Pol g、POL3、POL2、MIP1、WRN、p53、MRE11、hRADl、RAD1、hRAD9、およびRad9からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  5. ヌクレオチド-Rが、N4-修飾デオキシシチジン、O6-修飾デオキシグアノシン、Nl-修飾デオキシグアノシン、およびN2-修飾デオキシグアノシンからなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
  6. ヌクレオチド-Rが、N4-修飾デオキシシチジン、およびN1-修飾デオキシチミジンからなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
  7. ヌクレオチド-Rが、N4-修飾デオキシシチジン、およびN6-修飾デオキシアデノシンからなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
  8. ヌクレオチド-Rが、O6-修飾デオキシグアノシン、Nl-修飾デオキシグアノシン、N2-修飾デオキシグアノシン、N6-修飾デオキシアデノシン、およびN1-修飾デオキシチミジンからなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
  9. オリゴヌクレオチドを合成するための方法であって、前記方法は、
    a)固体支持体に付着したオリゴヌクレオチドを、ヌクレオチドアナログに、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素の存在下かつ核酸鋳型の非存在下、前記オリゴヌクレオチドへの前記アナログの組み込みのために十分な条件下で曝露するステップであって、前記ヌクレオチドアナログが、3’-O-ブロッキング基を含み、前記3’-O-ブロッキング基は、前記ブロッキング基が除去されるまで、前記ヌクレオチジルトランスフェラーゼが、前記オリゴヌクレオチドへの天然ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログいずれかの付加を触媒するのを防止する、ステップ、
    b)3’-ブロッキング基の除去の前に、前記オリゴヌクレオチドを、エキソヌクレアーゼ活性に対する耐性を付与しない第2のヌクレオチドアナログに曝露するステップ、ならびに
    c)前記3’-ブロッキング基の除去の前に、前記オリゴヌクレオチドを、3’-5’-エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素に曝露するステップ
    を含む、方法。
  10. 前記第2のヌクレオチドアナログが、2’,3’-ジデオキシヌクレオチドおよび2’,3’-デヒドロヌクレオチドからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 付加サイクルが、ステップa)、b)、およびc)、それに続いて前記3’-ブロッキング基の除去ステップを含み、前記方法が、前記付加サイクルを2回またはそれよりも多く反復するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  12. 付加サイクルが、ステップa)、およびb)、それに続いて前記3’-ブロッキング基の除去ステップを含み、前記方法が、
    前記付加サイクルを2回またはそれよりも多く反復するステップ、ならびに
    前記付加サイクルの最後の反復の後、ステップa)、b)、およびc)を含む最終サイクルを行うステップ
    をさらに含む、請求項9に記載の方法。
  13. 前記付加サイクルの最後の反復の後、前記オリゴヌクレオチドを、前記3’-O-ブロッキング基およびビオチン修飾を含む第3のヌクレオチドアナログに曝露するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記ヌクレオチドアナログの構造が、
    Figure 2023521704000015
    を含み、式中、
    BGは、3’-ONO、3’-OCHCHCN、3’-OCH、3’-OPO、3’-OCHSSCH、および3’-ONHC(O)Hからなる群より選択される3’-O-ブロッキング基であり、
    Rは、H、アミド、カルバメート、および尿素からなる群より選択され、それぞれの場合に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、ピバロイル、シクロヘキシル、シクロプロピル、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ピレニル、クリセニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、フラニル、チオフェニル、モルホリニル、ピペリジニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、およびビオチンからなる群より選択されるメンバーに必要に応じて連結されている、
    請求項9に記載の方法。
  15. 前記ヌクレオチドアナログが、以下の構造:
    Figure 2023521704000016
    を含み、式中、
    BGは、3’-ONO、3’-OCHCHCN、3’-OCH、3’-OPO、3’-OCHSSCH、および3’-ONHC(O)Hからなる群より選択される3’-O-ブロッキング基であり、
    ヌクレオチド-Rは、デオキシアデノシン、デオキシシチジン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、N6-修飾デオキシアデノシン、N4-修飾デオキシシチジン、N1-修飾デオキシチミジン、O6-修飾デオキシグアノシン、N1-修飾デオキシグアノシン、およびN2-修飾デオキシグアノシンからなる群より選択される、
    請求項9に記載の方法。
  16. 前記3’-5’-エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素が、ExoI、熱不安定性ExoI、およびExoT、Exo I、Exo T、熱不安定性Exo I、Exo II、Exo III、Exo IV、Exo V、Exo VII、Exo IX、Exo IX、TREX1、TREX2 RNase T、Pol d、Pol e、Pol g、POL3、POL2、MIP1、WRN、p53、MRE11、hRADl、RAD1、hRAD9、およびRad9からなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
  17. ヌクレオチド-Rが、N4-修飾デオキシシチジン、O6-修飾デオキシグアノシン、Nl-修飾デオキシグアノシン、およびN2-修飾デオキシグアノシンからなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
  18. ヌクレオチド-Rが、N4-修飾デオキシシチジン、およびN1-修飾デオキシチミジンからなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
  19. ヌクレオチド-Rが、N4-修飾デオキシシチジン、およびN6-修飾デオキシアデノシンからなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
  20. ヌクレオチド-Rが、O6-修飾デオキシグアノシン、Nl-修飾デオキシグアノシン、N2-修飾デオキシグアノシン、N6-修飾デオキシアデノシン、およびN1-修飾デオキシチミジンからなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
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