JP2021061450A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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邦雄 渡邊
奥山 正樹
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Abstract

【課題】チャージトラップ型のメモリートランジスターと周辺回路のMOSトランジスターとを同一基板に混載する場合に、メモリートランジスターの閾値電圧に及ぼすプロセスチャージの影響を低減すると共にMOSトランジスターの特性変動を抑制する。【解決手段】半導体装置は、基板上に順に配置された第1のシリコン酸化膜、第1のシリコン窒化膜、第2のシリコン酸化膜、第1のゲート電極を含むメモリートランジスターと、基板上に順に配置された第3のシリコン酸化膜及び第2のゲート電極を含むMOSトランジスターとを備え、メモリートランジスターが、第1のシリコン酸化膜の延在部と、第1のシリコン窒化膜に接する第2のシリコン窒化膜と、第4のシリコン酸化膜とが基板上に順に配置されたサイドウォールを有し、MOSトランジスターが、基板上に配置された第5のシリコン酸化膜を含むサイドウォールを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリー等の電気的に書き換え可能な不揮発性メモリーを内蔵する半導体装置、及び、その製造方法等に関する。
電気的に書き換え可能な不揮発性メモリーのタイプとして、フローティングゲート型とチャージトラップ型とが知られている。フローティングゲート型のメモリーは、メモリートランジスターの2層のゲート絶縁膜間にフローティングゲート電極が設けられており、フローティングゲート電極に電荷を蓄積することによってデータを記憶する。
これに対し、チャージトラップ型のメモリーは、メモリートランジスターのゲート絶縁膜が、シリコン酸化膜/シリコン窒化膜/シリコン酸化膜の積層構造(ONO構造)を有しており、シリコン基板側のシリコン酸化膜(トンネル膜)との界面近傍のシリコン窒化膜に存在する離散トラップに電荷を蓄積する。それにより、メモリートランジスターの閾値電圧が変化するので、データを記憶することができる。そのようなメモリートランジスターは、MONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)、又は、SONOS(Silicon Oxide Nitride Oxide Semiconductor)とも呼ばれている。
チャージトラップ型の場合には、絶縁膜であるシリコン窒化膜に電荷が蓄積されるので、フローティングゲート型と比較してトンネル膜の絶縁性が多少低下しても問題とならない。また、トンネル膜の膜厚を薄くすることが可能であることから、データの書込み電圧を低くすることができる。ただし、製造工程においてシリコン窒化膜に電荷が捕獲されたまま半導体装置の製造が終了すると、シリコン窒化膜に電荷が捕獲されていない状態と比較して閾値電圧が変動するという問題がある。
関連する技術として、特許文献1には、上記の問題を解決する不揮発性半導体メモリーが開示されている。特許文献1の図2に示されている不揮発性半導体メモリー200は、シリコン基板12と、シリコン基板12上に積層された第1のシリコン酸化膜20と、第1のシリコン酸化膜20上に積層された第1のシリコン窒化膜21と、第1のシリコン窒化膜21上に積層された第2のシリコン酸化膜22と、シリコン基板12上で第1のシリコン酸化膜20に隣接する第3のシリコン酸化膜30と、第1の部分が第1のシリコン窒化膜21に接すると共に第2の部分が第3のシリコン酸化膜30を介してシリコン基板12に接する第2のシリコン窒化膜23とを含む。
この構成によれば、第2のシリコン窒化膜23が第1のシリコン窒化膜21に接すると共に第3のシリコン酸化膜30を介してシリコン基板12に接するので、製造工程において第1のシリコン窒化膜21に捕獲された余分な電荷(プロセスチャージ)を、他の製造工程において第2のシリコン窒化膜23及び第3のシリコン酸化膜30を介してシリコン基板12に拡散することができる。従って、メモリートランジスターの閾値電圧に及ぼすプロセスチャージの影響を低減して、メモリーの高速化や低電圧化を図ることができる。
特開2013‐179122号公報(段落0013−0014、0037−0040、図2)
特許文献1の図2に示されている不揮発性半導体メモリー200のメモリートランジスターは、サイドウォール部分においても、第3のシリコン酸化膜30と第2のシリコン窒化膜23とシリコン酸化膜11とが積層されたONO構造を有している。そのようなメモリートランジスターと周辺回路のMOSトランジスターとを同一の半導体基板に混載する場合に、それらのトランジスターを同一のプロセスで製造すると、MOSトランジスターのサイドウォールにおいても同様のONO構造が形成され、このONO構造が寄生メモリーセルとして動作してしまう。
例えば、Pウェル内にNチャネルMOSトランジスターが形成されている場合に、MOSトランジスターのゲートに基準電位を印加すると共にドレインに高電位を印加すると、ホットキャリア(ホール)が発生し、ゲート電位に引かれて寄生メモリーセルのシリコン窒化膜にトラップされる。その結果、寄生メモリーセル直下の半導体基板の領域に電子が引き寄せられて部分的にN型の不純物濃度が高い状態と等価になり、PNジャンクションにおけるリーク電流が増加してMOSトランジスターの特性が変動する。
本発明の幾つかの態様は、チャージトラップ型のメモリートランジスターと周辺回路のMOSトランジスターとを同一の半導体基板に混載する場合に、メモリートランジスターの閾値電圧に及ぼすプロセスチャージの影響を低減すると共に、MOSトランジスターのサイドウォールに寄生メモリーセルが形成されることによる特性変動を抑制した半導体装置を提供することに関連している。また、本発明の他の幾つかの態様は、従来の半導体装置の製造工程に新たなフォトリソグラフィー工程を追加することなく、上記の半導体装置を製造できる半導体装置の製造方法等を提供することに関連している。
本発明の第1の態様に係る半導体装置は、半導体基板と、半導体基板上に順に配置された第1のシリコン酸化膜、第1のシリコン窒化膜、第2のシリコン酸化膜、及び、第1のゲート電極を含むメモリートランジスターと、半導体基板上に順に配置された第3のシリコン酸化膜及び第2のゲート電極を含むMOSトランジスターとを備え、メモリートランジスターが、第1のシリコン酸化膜の延在部と、第1のシリコン窒化膜に接する第2のシリコン窒化膜と、第4のシリコン酸化膜とが半導体基板上に順に配置されたサイドウォールを有し、MOSトランジスターが、半導体基板上に配置された第5のシリコン酸化膜を含むサイドウォールを有する。
本発明の第1の態様によれば、第1のシリコン窒化膜を含むONO構造上に第1のゲート電極を有し、プロセスチャージによって第1のシリコン窒化膜に捕獲された電荷をサイドウォールの第2のシリコン窒化膜を介して半導体基板等に拡散させることができるメモリートランジスターと、第3のシリコン酸化膜上に第2のゲート電極を有し、半導体基板上に配置された第5のシリコン酸化膜を含むサイドウォールに寄生メモリーセルが形成され難いMOSトランジスターとが、同一の半導体基板に混載される。従って、メモリートランジスターの閾値電圧に及ぼすプロセスチャージの影響を低減すると共に、MOSトランジスターのサイドウォールに寄生メモリーセルが形成されることによる特性変動を抑制した半導体装置を提供することができる。
ここで、第5のシリコン酸化膜が、第1のシリコン酸化膜の膜厚よりも厚い膜厚を有することが望ましい。さらに、第5のシリコン酸化膜が、第4のシリコン酸化膜の膜厚と略等しい膜厚を有することが望ましい。それにより、第5のシリコン酸化膜上にシリコン窒化膜が形成されたとしても、そのシリコン窒化膜に電荷が蓄積され難いので、MOSトランジスターのサイドウォールに寄生メモリーセルが形成され難くなる。
また、MOSトランジスターのサイドウォールが、第2のゲート電極の側面及び第3のシリコン酸化膜の側面に接する第3のシリコン窒化膜をさらに含んでも良い。その場合には、MOSトランジスターのサイドウォールに第3のシリコン窒化膜が含まれていても、第3のシリコン窒化膜から第2のゲート電極に電荷を拡散することができるので、MOSトランジスターのサイドウォールに寄生メモリーセルが形成され難くなる。
さらに、半導体装置が、半導体基板上に順に配置された第6のシリコン酸化膜及び第3のゲート電極を含む第2のMOSトランジスターをさらに備え、第2のMOSトランジスターが、半導体基板上に順に配置された第4のシリコン窒化膜及び第7のシリコン酸化膜を含むサイドウォールを有するようにしても良い。第2のMOSトランジスターのサイドウォールにおいては、第4のシリコン窒化膜が半導体基板上に直接配置されるので、第2のMOSトランジスターのサイドウォールに寄生メモリーセルが形成され難くなる。
その場合に、第4のシリコン窒化膜が、第2のシリコン窒化膜の膜厚と略等しい膜厚を有しても良い。それにより、第2のシリコン窒化膜と第4のシリコン窒化膜とを同時に形成して、半導体装置の製造工程を短縮することが可能となる。
また、MOSトランジスターに印加される電圧が、第2のMOSトランジスターに印加される電圧よりも高くても良い。このように、構造及び耐圧が異なる複数種類のMOSトランジスターを設けることにより、高電圧を要するメモリーセル駆動回路等に高耐圧のMOSトランジスターを用い、高電圧を要しないロジック回路等に低耐圧のMOSトランジスターを用いて、それぞれの回路の動作を適切化することができる。
以上において、少なくともメモリートランジスター上に、第2のシリコン窒化膜に接する第5のシリコン窒化膜が配置されていても良い。それにより、プロセスチャージによってメモリートランジスターの第1のシリコン窒化膜に捕獲された電荷を第2のシリコン窒化膜を介して第5のシリコン窒化膜にも拡散させて、メモリートランジスターの閾値電圧に及ぼすプロセスチャージの影響をさらに低減することができる。
本発明の第2の態様に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の第1の領域上に第1のシリコン酸化膜、第1のシリコン窒化膜、及び、第2のシリコン酸化膜を順に形成する工程(a)と、半導体基板の第2の領域上に第3のシリコン酸化膜を形成する工程(b)と、第2及び第3のシリコン酸化膜上に導電膜を形成する工程(c)と、導電膜をパターニングすることにより、第2のシリコン酸化膜上に第1のゲート電極を形成すると共に、第3のシリコン酸化膜上に第2のゲート電極を形成する工程(d)と、第1及び第2のゲート電極をマスクとして、平面視で第1のゲート電極の周囲に第1のシリコン酸化膜の一部が残るように、第1〜第3のシリコン酸化膜及び第1のシリコン窒化膜を部分的に除去する工程(e)と、第1のシリコン酸化膜及び第1のゲート電極上に、第1のシリコン窒化膜に接するように第2のシリコン窒化膜を形成すると共に、第2のゲート電極上に第3のシリコン窒化膜を形成する工程(f)と、第3のシリコン窒化膜の少なくとも一部を除去する工程(g)と、第2のシリコン窒化膜上に第4のシリコン酸化膜を形成すると共に、半導体基板の第2の領域上に第5のシリコン酸化膜を形成する工程(h)とを備える。
本発明の第2の態様によれば、第1のシリコン窒化膜を含むONO構造上に第1のゲート電極を有し、プロセスチャージによって第1のシリコン窒化膜に捕獲された電荷をサイドウォールの第2のシリコン窒化膜を介して半導体基板等に拡散させることができるメモリートランジスターと、第3のシリコン酸化膜上に第2のゲート電極を有し、サイドウォールの第3のシリコン窒化膜の少なくとも一部が除去されて寄生メモリーセルが形成され難いMOSトランジスターとが、同一の半導体基板に同時形成される。従って、メモリートランジスターの閾値電圧に及ぼすプロセスチャージの影響を低減すると共に、MOSトランジスターのサイドウォールに寄生メモリーセルが形成されることによる特性変動を抑制した半導体装置を製造することができる。
ここで、工程(g)が、少なくとも第2のシリコン窒化膜上にレジストを形成し、レジストをマスクとして第3のシリコン窒化膜をエッチングすることを含み、半導体装置の製造方法が、工程(g)と工程(h)との間で、少なくともレジスト及び第2のゲート電極をマスクとして、半導体基板の第2の領域に不純物を注入する工程をさらに備えるようにしても良い。
それにより、第3のシリコン窒化膜をエッチングするためのマスクとして用いられたレジストを、半導体基板の第2の領域に不純物を注入するためのマスクとして用いることができる。従って、従来の半導体装置の製造工程に新たなフォトリソグラフィー工程を追加することなく、上記の半導体装置を製造することができる。
また、第5のシリコン酸化膜が、第1のシリコン酸化膜の膜厚よりも厚い膜厚を有することが望ましい。それにより、第5のシリコン酸化膜上にシリコン窒化膜が形成されたとしても、そのシリコン窒化膜に電荷が蓄積され難いので、MOSトランジスターのサイドウォールに寄生メモリーセルが形成され難くなる。
さらに、工程(g)が、第2のゲート電極の側面及び第3のシリコン酸化膜の側面に接する第3のシリコン窒化膜を残すように、第3のシリコン窒化膜の一部を除去することを含んでも良い。その場合には、MOSトランジスターのサイドウォールに第3のシリコン窒化膜が含まれていても、第3のシリコン窒化膜から第2のゲート電極に電荷を拡散することができるので、MOSトランジスターのサイドウォールに寄生メモリーセルが形成され難くなる。
あるいは、工程(g)が、第3のシリコン窒化膜の全部を除去することを含んでも良い。第3のシリコン窒化膜の全部が除去される場合には、MOSトランジスターのサイドウォールに寄生メモリーセルが形成されなくなる。
以上において、半導体装置の製造方法が、半導体基板の第3の領域上に第6のシリコン酸化膜を形成する工程をさらに備え、工程(c)が、第6のシリコン酸化膜上に導電膜を形成することを含み、工程(d)が、導電膜をパターニングすることにより、第6のシリコン酸化膜上に第3のゲート電極を形成することを含み、工程(e)が、第3のゲート電極をマスクとして、平面視で第3のゲート電極の周囲に第6のシリコン酸化膜が残らないように第6のシリコン酸化膜を除去することを含み、工程(f)が、半導体基板及び第3のゲート電極上に第4のシリコン窒化膜を形成することを含み、工程(h)が、第4のシリコン窒化膜上に第7のシリコン酸化膜を形成することを含むようにしても良い。
それにより、第6のシリコン酸化膜上に第3のゲート電極を有し、サイドウォールの第4のシリコン窒化膜が半導体基板上に直接配置されて寄生メモリーセルが形成され難い第2のMOSトランジスターを、メモリートランジスター及びMOSトランジスターと共に同一の半導体基板に同時形成することができる。
また、半導体装置の製造方法が、少なくともメモリートランジスター上に、第2のシリコン窒化膜に接する第5のシリコン窒化膜を形成する工程をさらに備えるようにしても良い。それにより、プロセスチャージによってメモリートランジスターの第1のシリコン窒化膜に捕獲された電荷を第2のシリコン窒化膜を介して第5のシリコン窒化膜にも拡散させて、メモリートランジスターの閾値電圧に及ぼすプロセスチャージの影響をさらに低減することができる。
さらに、工程(g)が、半導体基板の第2の領域の一部を除去することを含んでも良い。それにより、MOSトランジスターのサイドウォールを構成する第5のシリコン酸化膜が半導体基板上に確実に形成されるので、サイドウォールの強度が向上する。又は、工程(e)が、半導体基板の第3の領域の一部を除去することを含むようにしても良い。それにより、第2のMOSトランジスターのサイドウォールを構成する第4のシリコン窒化膜が半導体基板上に確実に形成されるので、寄生メモリーセルがさらに形成され難くなる。
本発明の一実施形態に係る半導体装置の構成例を示す断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第1の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第2の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第3の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第4の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第5の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第6の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第7の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第8の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第9の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第10の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第11の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第12の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第13の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第14の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第15の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第16の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第17の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第18の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第19の工程における断面図。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の第20の工程における断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
本発明の一実施形態に係る半導体装置においては、チャージトラップ型のメモリートランジスターと、周辺回路のMOSトランジスターとが、同一の半導体基板に混載される。
<半導体装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の構成例を示す断面図である。この半導体装置は、半導体基板10と、半導体基板10に形成されたチャージトラップ型のメモリートランジスターQ1及び高耐圧のMOSトランジスターQ2とを備え、さらに、第2のMOSトランジスターとして低耐圧のMOSトランジスターQ3を備えても良い。それらのトランジスターQ1〜Q3は、素子分離領域20によって分離されても良い。
半導体基板10としては、例えば、P型又はN型の不純物を含むシリコン(Si)ウエハーが用いられる。半導体基板10の所定の領域には、N型又はP型のウェル領域11が形成されても良い。例えば、P型の不純物としては、ボロン(B)等が用いられ、N型の不純物としては、燐(P)又はアンチモン(Sb)等が用いられる。
図1に示すように、メモリートランジスターQ1は、半導体基板10の第1の領域101上に順に配置された第1のシリコン酸化膜(SiO2)31と、第1のシリコン窒化膜(Si34)41と、第2のシリコン酸化膜32と、第1のゲート電極51とを含んでいる。それにより、半導体基板10と第1のゲート電極51との間に、ONO構造を有するゲート絶縁膜が構成される。トランジスターQ1〜Q3のゲート電極は、例えば、不純物がドープされて導電性を有するポリシリコンで構成される。
一方、高耐圧のMOSトランジスターQ2は、半導体基板10の第2の領域102上に順に配置された第3のシリコン酸化膜33と、第2のゲート電極52とを含んでいる。第3のシリコン酸化膜33は、MOSトランジスターQ2のゲート絶縁膜を構成する。
また、メモリートランジスターQ1は、第1のゲート電極51及びゲート絶縁膜の両側にサイドウォールを有している。各々のサイドウォールにおいて、第1のシリコン酸化膜31の延在部31aと、第1のシリコン窒化膜41に接する第2のシリコン窒化膜42と、第4のシリコン酸化膜34とが、半導体基板10上に順に配置されている。
第2のシリコン窒化膜42は、半導体基板10の主面(図中の上面)に沿って延在する第1の部分42aと、半導体基板の主面に交わる面に沿って延在する第2の部分42bとを有しても良い。第1の部分42aは、第1のシリコン酸化膜31の延在部31aを介して半導体基板10に対向すると共に、第1のシリコン窒化膜41の側面に接している。第2の部分42bは、第1のゲート電極51の側面と、第2のシリコン酸化膜32の側面と、第1のシリコン窒化膜41の側面とに接している。あるいは、第2の部分42bが省略されても良い。
一方、高耐圧のMOSトランジスターQ2は、第2のゲート電極52及びゲート絶縁膜の両側にサイドウォールを有している。各々のサイドウォールは、半導体基板10上に配置された第5のシリコン酸化膜35を含んでいる。MOSトランジスターQ2のサイドウォールは、第2のゲート電極52の側面及び第3のシリコン酸化膜33の側面に接する第3のシリコン窒化膜43をさらに含んでも良い。また、半導体基板10と第3のシリコン窒化膜43との間には、第3のシリコン酸化膜33が延在しても良い。
低耐圧のMOSトランジスターQ3は、半導体基板10の第3の領域103上に順に配置された第6のシリコン酸化膜36と、第3のゲート電極53とを含んでいる。第6のシリコン酸化膜36は、MOSトランジスターQ3のゲート絶縁膜を構成する。また、MOSトランジスターQ3は、第3のゲート電極53及びゲート絶縁膜の両側にサイドウォールを有している。各々のサイドウォールは、半導体基板10上に順に配置された第4のシリコン窒化膜44と、第7のシリコン酸化膜37とを含んでいる。
第4のシリコン窒化膜44は、半導体基板10の主面に沿って延在する第1の部分44aと、半導体基板の主面に交わる面に沿って延在する第2の部分44bとを有しても良い。あるいは、第2の部分44bが省略されても良い。第4のシリコン窒化膜44の第1の部分44aは、第2のシリコン窒化膜42の第1の部分42aの膜厚と略等しい膜厚を有しても良い。それにより、第2のシリコン窒化膜42と第4のシリコン窒化膜44とを同時に形成して、半導体装置の製造工程を短縮することが可能となる。
半導体基板10内には、トランジスターQ1〜Q3のソース/ドレインを構成する不純物領域12〜15が形成されている。ここで、不純物領域12及び13は、サイドウォールの下方に位置する半導体基板10の表層に浅く形成されたソース/ドレインのエクステンション領域(拡張領域)であり、LDD(lightly doped drain:低濃度不純物ドレイン)とも呼ばれている。エクステンション領域は、トランジスターの種類によっては省略しても良い。
メモリートランジスターQ1の不純物領域12〜15は、第1のゲート電極51の下方に位置する半導体基板10のチャネル領域をゲート長方向(図中の左右方向)に挟んでいる。高耐圧のMOSトランジスターQ2の不純物領域12〜15は、第2のゲート電極52の下方に位置する半導体基板10のチャネル領域をゲート長方向に挟んでいる。低耐圧のMOSトランジスターQ3の不純物領域12〜15は、第3のゲート電極53の下方に位置する半導体基板10のチャネル領域をゲート長方向に挟んでいる。
さらに、トランジスターQ1〜Q3の不純物領域14及び15上にコバルト(Co)又はチタン(Ti)等の金属を堆積させてシリサイド化し、未反応の金属を除去することにより、不純物領域14及び15上にコバルトシリサイド(CoSi)又はチタンシリサイド(TiSi)等のメタルシリサイド層を設けても良い。
メモリートランジスターQ1は、チャージトラップ型の不揮発性メモリーセルを構成する。メモリートランジスターQ1において、トンネル膜としての第1のシリコン酸化膜31と、電荷蓄積層としての第1のシリコン窒化膜41と、ブロック膜としての第2のシリコン酸化膜32とが積層されて、ONO構造を構成する。
メモリートランジスターQ1は、電荷蓄積層に電荷を蓄積することによって閾値電圧が変化することにより、データを記憶することができる。ここで、トンネル膜が厚すぎる場合には、電荷蓄積層に電荷が蓄積され難くなり、トンネル膜が薄すぎる場合には、電荷蓄積層に蓄積された電荷が半導体基板10に放出され易くなるので、トンネル膜の膜厚を適切に設定する必要がある。
高耐圧のMOSトランジスターQ2のゲート絶縁膜である第3のシリコン酸化膜33は、低耐圧のMOSトランジスターQ3のゲート絶縁膜である第6のシリコン酸化膜36よりも厚く形成されている。従って、高耐圧のMOSトランジスターQ2に印加される電圧は、低耐圧のMOSトランジスターQ3に印加される電圧よりも高くすることができる。
高耐圧のMOSトランジスターQ2は、例えば、5Vの高電圧で動作し、不揮発性メモリーセルにデータの書き込み、消去、又は、読み出しを行わせるためのメモリーセル駆動回路(スイッチ回路を含む)等において用いられる。低耐圧のMOSトランジスターQ3は、例えば、1.8Vの低電圧で動作し、ロジック回路等において用いられる。
このように、構造及び耐圧が異なる複数種類のMOSトランジスターを設けることにより、高電圧を要するメモリーセル駆動回路等に高耐圧のMOSトランジスターQ2を用い、高電圧を要しないロジック回路等に低耐圧のMOSトランジスターQ3を用いて、それぞれの回路の動作を適切化することができる。
さらに、トランジスターQ1〜Q3上に、第5のシリコン窒化膜45が配置されても良い。トランジスターQ1〜Q3が形成された半導体基板10又は第5のシリコン窒化膜45上には、BPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)等の層間絶縁膜60が設けられている。層間絶縁膜60は、所定の位置に開口を有しており、層間絶縁膜60上に配置されたアルミニウム(Al)等の配線81〜83が、層間絶縁膜60の開口内に配置されたタングステン(W)等のプラグ71〜73を介して、トランジスターQ1〜Q3のゲート電極にそれぞれ接続されている。同様に、トランジスターQ1〜Q3のソース/ドレインにも、プラグを介して配線が接続される(図示せず)。このようにして、必要に応じて所定数の層間絶縁膜及び配線層が形成されている。
ところで、半導体装置の製造工程においては、プラズマを用いるエッチングやスパッタリング等の処理が多用される。その際に、メモリートランジスターQ1において、第1のシリコン酸化膜31と第2のシリコン酸化膜32とに挟まれた電荷蓄積層としての第1のシリコン窒化膜41に、プラズマ由来の電荷が注入されて捕獲される。本願においては、このような現象をプロセスチャージと呼ぶ。
一般に、メモリートランジスターのサイドウォールとしては厚いシリコン酸化膜が用いられるが、プロセスチャージが発生した場合には、シリコン酸化膜の絶縁性が高いので、プロセスチャージによって電荷蓄積層に捕獲された電荷を拡散させることが困難である。従って、電荷蓄積層に多くの電荷が捕獲されたまま半導体装置の製造が終了すると、メモリートランジスターの閾値電圧が変動してしまう。
これに対し、本実施形態に係る半導体装置においては、電荷蓄積層である第1のシリコン窒化膜41に接すると共に、トンネル膜である第1のシリコン酸化膜31の延在部31aを介して半導体基板10に対向する第2のシリコン窒化膜42が設けられている。シリコン窒化膜はシリコン酸化膜に比べて電気絶縁性が低いので、プロセスチャージによって第1のシリコン窒化膜41に捕獲された電荷を第2のシリコン窒化膜42を介して半導体基板10等に拡散させることができる。なお、第2のシリコン窒化膜42は、シリコン酸化膜よりも電気絶縁性の低い絶縁膜であれば良く、例えば、シリコン酸窒化膜であっても良い。
また、第1のシリコン酸化膜31の延在部31aの膜厚は、第1のシリコン窒化膜41の下方における第1のシリコン酸化膜31の膜厚よりも薄いことが望ましい。それにより、プロセスチャージによって第1のシリコン窒化膜41に捕獲された電荷を第2のシリコン窒化膜42を介して半導体基板10に拡散させる効果が大きくなる。好ましくは、第1のシリコン酸化膜31の延在部31aの膜厚が22Å以下で、第2のシリコン窒化膜42の膜厚が45Å以上の場合に、メモリートランジスターQ1の閾値電圧が0.5V〜0.6V付近に低下して安定するようになる。
さらに、少なくともメモリートランジスターQ1上に、第2のシリコン窒化膜42に接する第5のシリコン窒化膜45が配置されている場合には、プロセスチャージによってメモリートランジスターQ1の第1のシリコン窒化膜41に捕獲された電荷を第2のシリコン窒化膜42を介して第5のシリコン窒化膜45にも拡散させて、メモリートランジスターQ1の閾値電圧に及ぼすプロセスチャージの影響をさらに低減することができる。
ここで、第1のシリコン窒化膜41に捕獲された電荷の拡散は、加熱処理を行うことによって加速される。加熱処理としては、半導体基板10に注入された不純物の活性化、又は、不純物領域14及び15のシリサイド化等のように、半導体装置の製造工程において通常行われる加熱処理を利用しても良いし、又は、専用の加熱処理工程を設けても良い。
一方、高耐圧のMOSトランジスターQ2においては、メモリートランジスターQ1のサイドウォールと同様にONO構造のサイドウォールを設けると、ONO構造を有する寄生メモリーセルが形成されてしまう。その結果、ドレイン・ゲート間に高電圧を印加すると、ホットキャリアが寄生メモリーセルのシリコン窒化膜にトラップされ、PNジャンクションにおけるリーク電流が増加してMOSトランジスターQ2の特性が変動する。
そこで、本実施形態に係る半導体装置においては、第1のシリコン窒化膜41を含むONO構造上に第1のゲート電極51を有し、プロセスチャージによって第1のシリコン窒化膜41に捕獲された電荷をサイドウォールの第2のシリコン窒化膜42を介して半導体基板10等に拡散させることができるメモリートランジスターQ1と、第3のシリコン酸化膜33上に第2のゲート電極52を有し、半導体基板10上に配置された第5のシリコン酸化膜35を含むサイドウォールに寄生メモリーセルが形成され難いMOSトランジスターQ2とが、同一の半導体基板10に混載される。従って、メモリートランジスターQ1の閾値電圧に及ぼすプロセスチャージの影響を低減すると共に、MOSトランジスターQ2のサイドウォールに寄生メモリーセルが形成されることによる特性変動を抑制した半導体装置を提供することができる。
ここで、第5のシリコン酸化膜35が、第1のシリコン酸化膜31の膜厚よりも厚い膜厚を有することが望ましい。さらに、第5のシリコン酸化膜35が、第4のシリコン酸化膜34の膜厚と略等しい膜厚を有することが望ましい。それにより、第5のシリコン酸化膜35上にシリコン窒化膜が形成されたとしても、そのシリコン窒化膜に電荷が蓄積され難いので、MOSトランジスターQ2のサイドウォールに寄生メモリーセルが形成され難くなる。なお、「膜厚」とは、半導体基板10の主面と直交する方向における膜厚を意味する。
また、高耐圧のMOSトランジスターQ2のサイドウォールに第3のシリコン窒化膜43が含まれていても、第3のシリコン窒化膜43は、第2のゲート電極52の側面に接している。それにより、第3のシリコン窒化膜43から第2のゲート電極52に電荷を拡散することができるので、高耐圧のMOSトランジスターQ2のサイドウォールに寄生メモリーセルが形成され難くなる。
さらに、低耐圧のMOSトランジスターQ3は、半導体基板10上に順に配置された第4のシリコン窒化膜44及び第7のシリコン酸化膜37を含むサイドウォールを有している。このように、MOSトランジスターQ3のサイドウォールにおいては、第4のシリコン窒化膜44が半導体基板10上に直接配置されるので、MOSトランジスターQ3のサイドウォールに寄生メモリーセルが形成され難くなる。
なお、図1には、メモリートランジスターQ1〜MOSトランジスターQ3のサイドウォールにおいて、厚い形状を有する第4のシリコン酸化膜34、第5のシリコン酸化膜35、及び、第7のシリコン酸化膜37が示されているが、これらは、第2のシリコン窒化膜42と同様に膜状であっても良い。さらに、その上に、膜状又は厚いシリコン窒化膜が設けられても良い。ただし、このシリコン窒化膜は、第5のシリコン窒化膜45のように、第2のシリコン窒化膜42に接することが望ましい。また、第5のシリコン酸化膜35が膜状である場合においても、第5のシリコン酸化膜35が第1のシリコン酸化膜31の膜厚よりも厚い膜厚を有することが望ましい。
<半導体装置の製造方法>
次に、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法においては、チャージトラップ型のメモリートランジスターと、周辺回路のMOSトランジスターとが、同一の半導体基板に同時形成される。周辺回路のMOSトランジスターとしては、高耐圧のMOSトランジスターが形成され、さらに、第2のMOSトランジスターとして低耐圧のMOSトランジスターが形成されても良い。
図2〜図21は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の第1〜第20の工程における断面図である。半導体基板10としては、例えば、P型又はN型の不純物を含むシリコン(Si)ウエハーが用意される。例えば、P型の不純物としては、ボロン(B)等が用いられ、N型の不純物としては、燐(P)又はアンチモン(Sb)等が用いられる。
(素子分離領域形成)
図2に示す第1の工程において、半導体基板10の自然酸化膜がフッ化水素酸(HF)水溶液等で除去され、隣り合う複数の素子を互いに分離するための素子分離領域20が、例えば、STI(shallow trench isolation)法によって半導体基板10に形成される。なお、STI法の替りに、LOCOS(local oxidation of silicon)法等を用いても良い。その後、半導体基板10が、洗浄(例えば、RCA洗浄)される。RCA洗浄は、アンモニア及び過酸化水素水洗浄と塩酸及び過酸化水素水洗浄とを組み合わせたウェット洗浄である。
(ウェル形成)
次に、図3に示す第2の工程において、素子分離領域20が形成された半導体基板10上に、熱酸化処理等によってプレ酸化膜(シリコン酸化膜)21が形成される。プレ酸化膜21の膜厚は、例えば、100Å程度である。さらに、図4に示す第3の工程において、半導体基板10にN型又はP型のウェル領域11が形成されても良い。
次に、図5に示す第4の工程において、各トランジスターの閾値電圧を調整するために、トランジスターの型に応じた型のドーパント(不純物イオン)を、トランジスターの特性(閾値電圧)に応じたドーズ量で半導体基板10(ウェル領域11)に注入しても良い。例えば、メモリートランジスターが形成される第1の領域101にドーパントを注入する場合には、プレ酸化膜21上にレジストを塗布し、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィー法によって露光及び現像を行うことにより、レジストR1が形成される。
図5に示すように、レジストR1は、メモリートランジスターが形成される第1の領域101のプレ酸化膜21を露出すると共に、高耐圧のMOSトランジスターが形成される第2の領域102及び低耐圧のMOSトランジスターが形成される第3の領域103上のプレ酸化膜21を覆っている。
レジストR1をマスクとして使用し、半導体基板10(ウェル領域11)の第1の領域101にドーパントが注入される。その後、レジストR1が洗浄によって除去される。同様にして、半導体基板10の第2の領域102及び第3の領域103にドーパントを注入しても良い。
次に、図6に示す第5の工程において、第1の領域101のプレ酸化膜21が除去される。例えば、プレ酸化膜21上にレジストを塗布し、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィー法によって露光及び現像を行うことにより、第1の領域101のプレ酸化膜21を露出するレジストが、第2の領域102及び第3の領域103のプレ酸化膜21上に形成される。
このレジストをマスクとして使用し、第1の領域101のプレ酸化膜21が、例えば、BHF(フッ酸及びフッ化アンモニウムの水溶液)を用いてウェットエッチングされる。それにより、図6に示すように、第1の領域101において、半導体基板10(ウェル領域11)が露出する。その後、レジストが洗浄によって除去される。
(メモリートランジスターのONO膜形成)
次に、図7に示す第6の工程において、半導体基板10の第1の領域101上に、第1のシリコン酸化膜31と、第1のシリコン窒化膜41と、第2のシリコン酸化膜32とが順に形成される。
まず、半導体基板10の第1の領域101上に、トンネル膜となる第1のシリコン酸化膜31が形成される。具体的には、第1のシリコン酸化膜31は、半導体基板10の表面を熱酸化することによって形成されても良い。熱酸化処理は、例えば、酸化ガスとして乾燥酸素(O2)を用いるドライ酸化処理でも良いし、水蒸気(H2O)及び酸素又は窒素(N2)を用いる水蒸気酸化処理でも良い。熱酸化処理における温度範囲は、例えば、650℃〜900℃である。実際には、半導体基板10の第1の領域101の表面を熱酸化する際に、第2の領域102及び第3の領域103のプレ酸化膜21の膜厚も少しだけ増加する。
その後、第1のシリコン酸化膜31及びプレ酸化膜21上に、電荷蓄積層となる第1のシリコン窒化膜41が形成される。第1のシリコン窒化膜41は、例えば、反応ガスとしてアンモニア(NH3)及びジクロロシラン(Dichlorosilane:DCS、SiH2Cl2)を用いるCVD(chemical vapor deposition:化学蒸着)法によって形成される。なお、ジクロロシランの替りに、ヘキサクロロジシラン(Hexachlorodisilane:HCD、Si2Cl6)等を用いても良い。
その後、第1のシリコン窒化膜41上に、ブロック膜となる第2のシリコン酸化膜32が形成される。第2のシリコン酸化膜32は、例えば、反応ガスとしてジクロロシラン及び一酸化窒素(NO)を用いるCVD法によって形成される。高温下でCVD法によって形成されるシリコン酸化膜は、HTO(high temperature oxide)膜とも呼ばれる。なお、ジクロロシランの替りに、ヘキサクロロジシラン等を用いても良い。また、一酸化窒素の替りに二酸化窒素(NO2)等を用いても良い。
半導体基板10の第1の領域101上に順に形成される第1のシリコン酸化膜31、第1のシリコン窒化膜41、及び、第2のシリコン酸化膜32は、ONO膜とも呼ばれ、メモリートランジスターのゲート絶縁膜を構成する。ONO膜の合計の膜厚は、例えば、100Å〜130Åの範囲内である。
次に、図8に示す第7の工程において、ONO膜が選択的に除去される。例えば、第2のシリコン酸化膜32上にレジストを塗布し、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィー法によって露光及び現像を行うことにより、第1の領域101の第2のシリコン酸化膜32上にレジストR2が形成される。レジストR2は、第2の領域102及び第3の領域103の第2のシリコン酸化膜32を露出している。レジストR2をマスクとして使用し、第2の領域102及び第3の領域103における第2のシリコン酸化膜32、第1のシリコン窒化膜41、及び、プレ酸化膜21が、順次エッチングされる。
具体的には、第2の領域102及び第3の領域103の第2のシリコン酸化膜32及び第1のシリコン窒化膜41は、CDE(chemical dry etching)によって除去されても良い。また、第2の領域102及び第3の領域103のプレ酸化膜21は、ウェットエッチング(例えば、BHFエッチング)によって除去されても良い。それにより、第2の領域102及び第3の領域103において、半導体基板10(ウェル領域11)が露出する。その後、レジストR2が洗浄によって除去される。
(高耐圧トランジスターのゲート絶縁膜形成)
次に、図9に示す第8の工程において、半導体基板10の第2の領域102上に、高耐圧のMOSトランジスターのゲート絶縁膜となる第3のシリコン酸化膜33が形成される。第3のシリコン酸化膜33の膜厚は、例えば、100Å程度である。
例えば、ONO膜が形成された半導体基板10上に、熱酸化処理等によって、シリコン酸化膜が形成される。次に、シリコン酸化膜等が形成された半導体基板10上にレジストを塗布し、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィー法によって露光及び現像を行うことにより、半導体基板10の第1の領域101及び第3の領域103を露出するレジストが、半導体基板10の第2の領域102に形成される。このレジストをマスクとして使用し、不要なシリコン酸化膜がエッチングによって除去される。その結果、半導体基板10の第2の領域102上に第3のシリコン酸化膜33が形成される。その後、レジストが洗浄によって除去される。
(低耐圧トランジスターのゲート絶縁膜形成)
次に、図10に示す第9の工程において、半導体基板10の第3の領域103上に、低耐圧のMOSトランジスターのゲート絶縁膜となる第6のシリコン酸化膜36が、例えば、熱酸化処理等によって形成される。第6のシリコン酸化膜36の膜厚は、例えば、30Å程度である。
実際には、半導体基板10の表面を熱酸化する際に、第2の領域102の第3のシリコン酸化膜33の膜厚も少しだけ増加するが、第1の領域101の第2のシリコン酸化膜32の膜厚は、殆ど増加しない。なお、図9及び図10において、高耐圧トランジスターのゲート絶縁膜を形成した後に低耐圧トランジスターのゲート絶縁膜を形成したが、低耐圧トランジスターのゲート絶縁膜を形成した後に高耐圧トランジスターのゲート絶縁膜を形成しても良い。
(ゲート電極形成)
次に、図11に示す第10の工程において、第1の領域101の第2のシリコン酸化膜32、第2の領域102の第3のシリコン酸化膜33、及び、第3の領域103の第6のシリコン酸化膜36上に、導電膜50が形成される。例えば、導電膜50は、ノンドープのポリシリコン膜にドーパント(例えば、砒素等の不純物イオン)を注入して形成される。ノンドープのポリシリコン膜は、例えば、反応ガスとしてシラン(SiH4)を用いるCVD法によって形成される。あるいは、反応ガスとしてシラン(SiH4)及びホスフィン(PH3)を用いるCVD法によって導電膜50が形成されても良い。
次に、図12に示す第11の工程において、導電膜50(図11)をパターニングすることにより、第2のシリコン酸化膜32上に第1のゲート電極51が形成され、第3のシリコン酸化膜33上に第2のゲート電極52が形成され、第6のシリコン酸化膜36上に第3のゲート電極53が形成される。
例えば、図11に示す導電膜50上にレジストを塗布し、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィー法によって露光及び現像を行うことにより、第2のシリコン酸化膜32の一部、第3のシリコン酸化膜33の一部、及び、第6のシリコン酸化膜36の一部上にレジストが形成される。
このレジストをマスクとして使用し、導電膜50がドライエッチングされる。その際に、例えば、第3の領域103において導電膜50の下層に位置する第6のシリコン酸化膜36が露出したときに、ドライエッチングを終了するようにしても良い。その結果、図12に示すように、第1の領域101において第1のゲート電極51が形成され、第2の領域102において第2のゲート電極52が形成され、第3の領域103において第3のゲート電極53が形成される。その後、レジストが洗浄によって除去されても良い。
(低耐圧トランジスターのエクステンション領域形成)
次に、図13に示す第12の工程において、半導体基板10の第3の領域103に、低耐圧のMOSトランジスターのソース/ドレインのエクステンション領域となる不純物領域12及び13が形成される。即ち、第3の領域103の不純物領域12及び13を形成するために必要なドーパント(例えば、砒素又は燐等の不純物イオン)が、半導体基板10の第3の領域103に注入される。
具体的には、まず、図12に示す第1の領域101の第2のシリコン酸化膜32及び第1のゲート電極51、第2の領域102の第3のシリコン酸化膜33及び第2のゲート電極52、及び、第3の領域103の第6のシリコン酸化膜36及び第3のゲート電極53上にレジストが塗布される。さらに、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィー法によって露光及び現像を行うことにより、第3の領域103の第6のシリコン酸化膜36及び第3のゲート電極53を露出するレジストが形成される。
このレジスト及び第3のゲート電極53をマスクとして使用し、半導体基板10の第3の領域103の一部にドーパントが注入される。それにより、図13に示すように、平面視で第3のゲート電極53の周囲の半導体基板10の第3の領域103に、不純物領域12及び13が形成される。なお、本願において、「平面視」とは、半導体基板10の主面に垂直な方向から各部を透視することを言う。
その後、レジストが洗浄処理によって除去される。レジストの洗浄処理は、例えば、ウェット洗浄又はアッシング洗浄等によって行われる。ウェット洗浄は、例えば、RCA洗浄でも良いし、RCA洗浄中のアンモニア及び過酸化水素水洗浄だけでも良い。アッシング洗浄は、オゾン又は酸素等のガスとレジストとの化学反応によってレジストを剥離する光励起アッシング洗浄でも良いし、酸素ガスを高周波等によりプラズマ化させ、そのプラズマを利用してレジストを剥離するプラズマアッシング洗浄でも良い。
図13に示すように、レジストの洗浄処理によって、平面視で第1のゲート電極51の周囲の第2のシリコン酸化膜32及び第1のシリコン窒化膜41が完全に除去される。一方、平面視で第1のゲート電極51の周囲の第1のシリコン酸化膜31の上部が除去されるが、一部(下部)は除去されずに残る。また、平面視で第2のゲート電極52の周囲の第3のシリコン酸化膜33の上部が除去されるが、一部(下部)は除去されずに残る。あるいは、平面視で第2のゲート電極52の周囲の第3のシリコン酸化膜33が全て除去されても良い。さらに、平面視で第3のゲート電極53の周囲の第6のシリコン酸化膜36が完全に除去される。
このように、第1のゲート電極51及び第2のゲート電極52をマスクとして、平面視で第1のゲート電極51の周囲に第1のシリコン酸化膜31の一部が残り、平面視で第2のゲート電極52の周囲に第3のシリコン酸化膜33の一部が残るように、第1のシリコン酸化膜31〜第3のシリコン酸化膜33及び第1のシリコン窒化膜41が部分的に除去される。
また、図13に示す第12の工程において、平面視で第3のゲート電極53の周囲の半導体基板10の第3の領域103の一部(上部)が除去されても良い。それにより、図1に示すように、低耐圧のMOSトランジスターQ3のサイドウォールを構成する第4のシリコン窒化膜44が半導体基板10上に確実に形成されるので、寄生メモリーセルがさらに形成され難くなる。
(メモリートランジスターのエクステンション領域形成)
次に、図14に示す第13の工程及び図15に示す第14の工程において、半導体基板10の第1の領域101に、メモリートランジスターのソース/ドレインのエクステンション領域となる不純物領域12及び13が形成される。即ち、第1の領域101の不純物領域12及び13を形成するために必要なドーパント(例えば、砒素又は燐等の不純物イオン)が、半導体基板10の第1の領域101に注入される。
具体的には、まず、第1の領域101の第1のシリコン酸化膜31及び第1のゲート電極51、第2の領域102の第3のシリコン酸化膜33及び第2のゲート電極52、及び、半導体基板10の第3の領域103及び第3のゲート電極53上にレジストが塗布される。さらに、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィー法によって露光及び現像を行うことにより、図14に示すように、第1の領域101の第1のシリコン酸化膜31及び第1のゲート電極51を露出するレジストR3が形成される。
レジストR3及び第1のゲート電極51をマスクとして使用し、半導体基板10の第1の領域101の一部にドーパントが注入される。それにより、図15に示すように、平面視で第1のゲート電極51の周囲の半導体基板10の第1の領域101に、不純物領域12及び13が形成される。その後、レジストが洗浄処理によって除去される。このとき、第2のゲート電極52の周囲の第3のシリコン酸化膜33の膜厚は、50Å以下、さらに好ましくは、20Å以下になっている。
本実施形態において、第1のシリコン窒化膜41にホットキャリアを注入するために、第1の領域101の不純物領域12及び13におけるドーパントのドーズ量の範囲は、例えば、7×1014個/cm2以上である。
図15に示すように、第1のゲート電極51の周囲の第2のシリコン酸化膜32及び第1のシリコン窒化膜41が完全に除去されると共に、第1のゲート電極51の周囲の第1のシリコン酸化膜31の上部が除去されている。従って、第1の領域101の不純物領域12及び13を形成するために必要なドーパントを注入する際に、高精度にドーパントのドーズ量(不純物の濃度)を調整することができる。
その際に、第2のシリコン酸化膜32及び第1のシリコン窒化膜41による障害がなく、第1のシリコン酸化膜31による障害が少ないので、ドーパントの注入エネルギーが低下するように調整して、半導体基板10の第1の領域101(ウェル領域11)にドーパントを浅く注入することができる。
(サイドウォール形成1)
次に、図16に示す第15の工程において、第1の領域101〜第3の領域103に形成されたトランジスター上にシリコン窒化膜が形成される。即ち、第1の領域101の第1のシリコン酸化膜31及び第1のゲート電極51上に、第1のシリコン窒化膜41に接するように第2のシリコン窒化膜42が形成される。また、第2の領域102の第3のシリコン酸化膜33及び第2のゲート電極52上に、第3のシリコン窒化膜43が形成される。さらに、半導体基板10の第3の領域103及び第3のゲート電極53上に、第4のシリコン窒化膜44が形成される。
第2のシリコン窒化膜42と第4のシリコン窒化膜44とを同時に形成することにより、半導体基板10の主面に沿って延在する第2のシリコン窒化膜42の第1の部分と、半導体基板10の主面に沿って延在する第4のシリコン窒化膜44の第1の部分とが、略等しい膜厚を有することになる。
次に、第3のシリコン窒化膜43の少なくとも一部が除去される。例えば、図17に示す第16の工程において、第1の領域101の第2のシリコン窒化膜42及び第3の領域103の第4のシリコン窒化膜44上にレジストを塗布し、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィー法によって露光及び現像を行うことにより、第2のシリコン窒化膜42及び第4のシリコン窒化膜44上にレジストR4が形成される。レジストR4は、第3のシリコン窒化膜43を露出している。
次に、図18に示す第17の工程において、レジストR4及び第2のゲート電極52をマスクとして使用し、第3のシリコン窒化膜43をエッチングすることにより、第3のシリコン窒化膜43の少なくとも一部が除去される。エッチングとしては、ドライエッチングが好適である。
その際に、第2のゲート電極52及び第3のシリコン酸化膜33の側面の一部に第3のシリコン窒化膜43を残すように、第3のシリコン窒化膜43の一部を除去するようにしても良い。その場合には、図1に示すように、高耐圧のMOSトランジスターQ2のサイドウォールに第3のシリコン窒化膜43が含まれていても、第3のシリコン窒化膜43から第2のゲート電極52に電荷を拡散することができるので、MOSトランジスターQ2のサイドウォールに寄生メモリーセルが形成され難くなる。あるいは、第17の工程において、第3のシリコン窒化膜43の全部を除去するようにしても良い。第3のシリコン窒化膜43の全部が除去される場合には、MOSトランジスターQ2のサイドウォールに寄生メモリーセルが形成されなくなる。
また、第17の工程において、平面視で第2のゲート電極52の周囲の半導体基板10の第2の領域102の一部(上部)が除去されても良い。それにより、図1に示すように、高耐圧のMOSトランジスターQ2のサイドウォールを構成する第5のシリコン酸化膜35が半導体基板10上に確実に形成されるので、サイドウォールの強度が向上する。
(高耐圧トランジスターのエクステンション領域形成)
次に、図19に示す第18の工程及び図20に示す第19の工程において、半導体基板10の第2の領域102に、高耐圧のMOSトランジスターのソース/ドレインのエクステンション領域となる不純物領域12及び13が形成される。
即ち、図19に示すように、図17に示す第16の工程において形成されたレジストR4と、第2のゲート電極52とをマスクとして、第2の領域102の不純物領域12及び13を形成するために必要なドーパント(例えば、砒素又は燐等の不純物イオン)が、半導体基板10の第2の領域102に注入される。それにより、図20に示すように、平面視で第2のゲート電極52の周囲の半導体基板10の第2の領域102に、不純物領域12及び13が形成される。その後、レジストR4が洗浄処理によって除去される。
それにより、第3のシリコン窒化膜43をエッチングするためのマスクとして用いられたレジストR4を、半導体基板10の第2の領域102にドーパントを注入するためのマスクとして用いることができる。従って、従来の半導体装置の製造工程に新たなフォトリソグラフィー工程を追加することなく、本実施形態に係る半導体装置を製造することができる。
(サイドウォール形成2)
次に、図21に示す第20の工程において、第1の領域101の第2のシリコン窒化膜42上に第4のシリコン酸化膜34が形成され、半導体基板10の第2の領域102上に第5のシリコン酸化膜35が形成され、第3の領域103の第4のシリコン窒化膜44上に第7のシリコン酸化膜37が形成される。第5のシリコン酸化膜35は、第1のシリコン酸化膜31の膜厚よりも厚い膜厚を有することが望ましい。さらに、第5のシリコン酸化膜35が、第4のシリコン酸化膜34の膜厚と略等しい膜厚を有することが望ましい。
具体的には、例えば、CVD法によって、第1の領域101の第2のシリコン窒化膜42、半導体基板10の第2の領域102、及び、第3の領域103の第4のシリコン窒化膜44上に、シリコン酸化膜が形成される。その後、このシリコン酸化膜が形成された半導体基板10をドライエッチングすることにより、このシリコン酸化膜の一部と、第2のシリコン窒化膜42の一部と、第4のシリコン窒化膜44の一部とが除去される。それにより、図21に示すようなサイドウォールが、それぞれのトランジスターに形成される。
(ソース/ドレイン形成)
次に、第1のゲート電極51〜第3のゲート電極53及びサイドウォールをマスクとして使用し、半導体基板10の第1の領域101〜103にドーパント(例えば、砒素又は燐等の不純物イオン)が注入される。それにより、図1に示すように、平面視で第1のゲート電極51及びサイドウォールの周囲の半導体基板10の第1の領域101に、不純物領域14及び15が形成される。また、平面視で第2のゲート電極52及びサイドウォールの周囲の半導体基板10の第2の領域102に、不純物領域14及び15が形成される。さらに、平面視で第3のゲート電極53及びサイドウォールの周囲の半導体基板10の第3の領域103に、不純物領域14及び15が形成される。
例えば、不純物領域14は、ウェル領域11及び不純物領域12に、不純物領域12のドーズ量と同程度のドーズ量で不純物領域12のドーパントと同じ型のドーパントを深くイオン注入することによって形成される。同様に、不純物領域15は、ウェル領域11及び不純物領域13に、不純物領域13のドーズ量と同程度のドーズ量で不純物領域13のドーパントと同じ型のドーパントを深くイオン注入することによって形成される。これらの不純物領域14と不純物領域15とは、同じ工程において形成されても良い。さらに、不純物領域14及び15上にメタルシリサイド層が形成されても良い。
また、図1に示すように、トランジスターQ1〜Q3が形成された半導体基板10上に、第5のシリコン窒化膜45が形成されても良い。少なくともメモリートランジスターQ1上に、第2のシリコン窒化膜42に接する第5のシリコン窒化膜45を形成することにより、プロセスチャージによってメモリートランジスターの第1のシリコン窒化膜41に捕獲された電荷を第2のシリコン窒化膜42を介して第5のシリコン窒化膜45にも拡散させて、メモリートランジスターQ1の閾値電圧に及ぼすプロセスチャージの影響をさらに低減することができる。
(配線)
その後、トランジスターQ1〜Q3が形成された半導体基板10上に、所定の位置に開口を有する層間絶縁膜60が形成される。また、タングステン(W)等のプラグ71〜73が、層間絶縁膜60の開口内に形成され、第1のゲート電極51〜第3のゲート電極53にそれぞれ接続される。さらに、プラグ71〜73に接続されるアルミニウム(Al)等の配線81〜83が形成される。同様に、トランジスターQ1〜Q3のソース/ドレインにも、プラグを介して配線が接続される(図示せず)。このようにして、必要に応じて所定数の層間絶縁膜及び配線層が形成される。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法においては、第1のシリコン窒化膜41を含むONO構造上に第1のゲート電極51を有し、プロセスチャージによって第1のシリコン窒化膜41に捕獲された電荷をサイドウォールの第2のシリコン窒化膜42を介して半導体基板10等に拡散させることができるメモリートランジスターQ1と、第3のシリコン酸化膜33上に第2のゲート電極51を有し、サイドウォールの第3のシリコン窒化膜43の少なくとも一部が除去されて寄生メモリーセルが形成され難いMOSトランジスターQ2とが、同一の半導体基板10に同時形成される。従って、メモリートランジスターQ1の閾値電圧に及ぼすプロセスチャージの影響を低減すると共に、MOSトランジスターQ2のサイドウォールに寄生メモリーセルが形成されることによる特性変動を抑制した半導体装置を製造することができる。
また、第6のシリコン酸化膜36上に第3のゲート電極53を有し、サイドウォールの第4のシリコン窒化膜44が半導体基板10上に直接配置されて寄生メモリーセルが形成され難い第2のMOSトランジスターQ3を、メモリートランジスターQ1及びMOSトランジスターQ2と共に同一の半導体基板10に同時形成することができる。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野において通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
10…半導体基板、11…ウェル領域、12〜15…不純物領域、20…素子分離領域、21…プレ酸化膜、31…第1のシリコン酸化膜、31a…延在部、32…第2のシリコン酸化膜、33…第3のシリコン酸化膜、34…第4のシリコン酸化膜、35…第5のシリコン酸化膜、36…第6のシリコン酸化膜、37…第7のシリコン酸化膜、41…第1のシリコン窒化膜、42…第2のシリコン窒化膜、42a…第2のシリコン窒化膜の第1の部分、42b…第2のシリコン窒化膜の第2の部分、43…第3のシリコン窒化膜、44…第4のシリコン窒化膜、44a…第4のシリコン窒化膜の第1の部分、44b…第4のシリコン窒化膜の第2の部分、45…第5のシリコン窒化膜、50…導電膜、51〜53…ゲート電極、60…層間絶縁膜、71〜73…プラグ、81〜83…配線、Q1…メモリートランジスター、Q2…高耐圧のMOSトランジスター、Q3…低耐圧のMOSトランジスター、R1〜R4…レジスト

Claims (16)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に順に配置された第1のシリコン酸化膜、第1のシリコン窒化膜、第2のシリコン酸化膜、及び、第1のゲート電極を含むメモリートランジスターと、
    前記半導体基板上に順に配置された第3のシリコン酸化膜及び第2のゲート電極を含むMOSトランジスターと、を備え、前記メモリートランジスターが、前記第1のシリコン酸化膜の延在部と、前記第1のシリコン窒化膜に接する第2のシリコン窒化膜と、第4のシリコン酸化膜とが前記半導体基板上に順に配置されたサイドウォールを有し、前記MOSトランジスターが、前記半導体基板上に配置された第5のシリコン酸化膜を含むサイドウォールを有する、半導体装置。
  2. 前記第5のシリコン酸化膜が、前記第1のシリコン酸化膜の膜厚よりも厚い膜厚を有する、請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記第5のシリコン酸化膜が、前記第4のシリコン酸化膜の膜厚と略等しい膜厚を有する、請求項1又は2記載の半導体装置。
  4. 前記MOSトランジスターの前記サイドウォールが、前記第2のゲート電極の側面及び前記第3のシリコン酸化膜の側面に接する第3のシリコン窒化膜をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の半導体装置。
  5. 前記半導体基板上に順に配置された第6のシリコン酸化膜及び第3のゲート電極を含む第2のMOSトランジスターをさらに備え、前記第2のMOSトランジスターが、前記半導体基板上に順に配置された第4のシリコン窒化膜及び第7のシリコン酸化膜を含むサイドウォールを有する、請求項1〜4のいずれか1項記載の半導体装置。
  6. 前記第4のシリコン窒化膜が、前記第2のシリコン窒化膜の膜厚と略等しい膜厚を有する、請求項5記載の半導体装置。
  7. 前記MOSトランジスターに印加される電圧が、前記第2のMOSトランジスターに印加される電圧よりも高い、請求項5又は6記載の半導体装置。
  8. 少なくとも前記メモリートランジスター上に、前記第2のシリコン窒化膜に接する第5のシリコン窒化膜が配置されている、請求項1〜7のいずれか1項記載の半導体装置。
  9. 半導体基板の第1の領域上に第1のシリコン酸化膜、第1のシリコン窒化膜、及び、第2のシリコン酸化膜を順に形成する工程(a)と、
    前記半導体基板の第2の領域上に第3のシリコン酸化膜を形成する工程(b)と、
    前記第2及び第3のシリコン酸化膜上に導電膜を形成する工程(c)と、
    前記導電膜をパターニングすることにより、前記第2のシリコン酸化膜上に第1のゲート電極を形成すると共に、前記第3のシリコン酸化膜上に第2のゲート電極を形成する工程(d)と、
    前記第1及び第2のゲート電極をマスクとして、平面視で前記第1のゲート電極の周囲に前記第1のシリコン酸化膜の一部が残るように、前記第1〜第3のシリコン酸化膜及び前記第1のシリコン窒化膜を部分的に除去する工程(e)と、
    前記第1のシリコン酸化膜及び前記第1のゲート電極上に、前記第1のシリコン窒化膜に接するように第2のシリコン窒化膜を形成すると共に、前記第2のゲート電極上に第3のシリコン窒化膜を形成する工程(f)と、
    前記第3のシリコン窒化膜の少なくとも一部を除去する工程(g)と、
    前記第2のシリコン窒化膜上に第4のシリコン酸化膜を形成すると共に、前記半導体基板の第2の領域上に第5のシリコン酸化膜を形成する工程(h)と、を備える半導体装置の製造方法。
  10. 工程(g)が、少なくとも前記第2のシリコン窒化膜上にレジストを形成し、前記レジストをマスクとして前記第3のシリコン窒化膜をエッチングすることを含み、
    工程(g)と工程(h)との間で、少なくとも前記レジスト及び前記第2のゲート電極をマスクとして、前記半導体基板の第2の領域に不純物を注入する工程をさらに備える、請求項9記載の製造方法。
  11. 前記第5のシリコン酸化膜が、前記第1のシリコン酸化膜の膜厚よりも厚い膜厚を有する、請求項9又は10記載の製造方法。
  12. 工程(g)が、前記第2のゲート電極の側面及び前記第3のシリコン酸化膜の側面に接する前記第3のシリコン窒化膜を残すように、前記第3のシリコン窒化膜の一部を除去することを含む、請求項9〜11のいずれか1項記載の製造方法。
  13. 工程(g)が、前記第3のシリコン窒化膜の全部を除去することを含む、請求項9〜11のいずれか1項記載の製造方法。
  14. 前記半導体基板の第3の領域上に第6のシリコン酸化膜を形成する工程をさらに備え、
    工程(c)が、前記第6のシリコン酸化膜上に導電膜を形成することを含み、
    工程(d)が、前記導電膜をパターニングすることにより、前記第6のシリコン酸化膜上に第3のゲート電極を形成することを含み、
    工程(e)が、前記第3のゲート電極をマスクとして、平面視で前記第3のゲート電極の周囲に前記第6のシリコン酸化膜が残らないように前記第6のシリコン酸化膜を除去することを含み、
    工程(f)が、前記半導体基板及び前記第3のゲート電極上に第4のシリコン窒化膜を形成することを含み、
    工程(h)が、前記第4のシリコン窒化膜上に第7のシリコン酸化膜を形成することを含む、請求項9〜13のいずれか1項記載の製造方法。
  15. 少なくとも前記メモリートランジスター上に、前記第2のシリコン窒化膜に接する第5のシリコン窒化膜を形成する工程をさらに備える、請求項9〜14のいずれか1項記載の製造方法。
  16. 工程(g)が、前記半導体基板の第2の領域の一部を除去することを含み、又は、工程(e)が、前記半導体基板の第3の領域の一部を除去することを含む、請求項9〜15のいずれか1項記載の製造方法。
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