JP2021061287A - 有機電子デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性に優れた有機電子デバイスを提供する。【解決手段】基材上1に、有機活性層22を有する有機電子デバイス本体2、ポリシロキサン層3、接着樹脂層4をこの順に有する有機電子デバイスであって、基材1とポリシロキサン層3と接着樹脂層4とが直接積層された部位を有する有機電子デバイス。【選択図】図1

Description

本発明は有機電子デバイスに関する。
有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)、有機薄膜太陽電池、有機トランジスタ、有機キャパシタ等の有機電子デバイスは、大気環境中の水分や酸素によって劣化しやすい傾向にある。そのため、有機電子デバイスを水分や酸素から保護するために様々な封止手法が開発されている。
有機電子デバイスの封止方法としては、例えば、支持基板と、前記支持基板上に配置された第1電極層と、前記第1電極層上に配置され、有機物を含む活性層を有する光電変換層と、前記光電変換層上に配置された第2電極層と、前記光電変換層を覆うように前記第2電極層上に設けられ、無機化合物を含む第1中間層と、前記第1中間層を覆うように設けられ、熱および光の少なくとも一方で硬化する有機化合物の硬化物を含む第2中間層とを備える電池構造体と、前記電池構造体の前記第2中間層上に接着剤層を介して貼り合わされた封止基板とを具備する太陽電池(例えば、特許文献1参照)、基板上に配置された有機薄膜素子を封止してなる有機光デバイスの製造方法であって、基板上に配置された有機薄膜素子を無機保護層Aで被覆する工程1と、前記無機保護層Aで被覆された有機薄膜素子を含む領域を覆うように、カチオン重合性化合物と光カチオン重合開始剤又は熱カチオン重合開始剤とを含有するカチオン重合性樹脂組成物を塗工し、光照射又は加熱して前記カチオン重合性樹脂組成物を硬化させて有機保護層を形成する工程2と、前記樹脂保護層上及び樹脂保護層の外周部を覆うように無機保護層Bで被覆する工程3とを有することを特徴とする有機光デバイスの製造方法(例えば、特許文献2参照)、基板と、前記基板上に配置された透明電極層と、前記透明電極層上に配置された有機層と、前記有機層上に配置された金属電極層と、前記金属電極層上に配置されたパッシベーション層と、前記パッシベーション層上に配置された光硬化樹脂層と、前記光硬化樹脂層上に配置されたバリアフィルムとを備えることを特徴とする有機薄膜太陽電池(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
特開2016−157777号公報 特開2012−190612号公報 特開2016−51805号公報
近年、低コスト化や大量生産を目的に、常温大気圧下で作製可能なフレキシブルデバイスの需要が高まっており、有機電子デバイスにおいても、大掛かりな真空装置を用いることなく常温大気圧で作製できる、耐久性の高いプリンタブルデバイスの検討が進められている。しかしながら、特許文献1〜3に開示される太陽電池は、真空蒸着やプラズマCVDなど煩雑で大がかりな真空装置が必要であり、また、耐久性が不十分である課題があった。
そこで、本発明は、常温大気圧下で作製可能な、耐久性に優れた有機電子デバイスを提供することを課題とする。
本発明は、基材上に、有機活性層を有する有機電子デバイス本体、ポリシロキサン層、接着樹脂層をこの順に有する有機電子デバイスであって、基材とポリシロキサン層と接着樹脂層とが直接積層された部位を有する有機電子デバイスである。
本発明の有機電子デバイスは、耐久性に優れる。
本発明の有機電子デバイスの一態様の要部を示す拡大断面図である。 実施例および比較例において作製した有機薄膜太陽電池デバイスの耐久性評価における経過時間と規格化発電量を示すグラフである。 実施例1において作製した有機薄膜太陽電池デバイスを示す断面図である。 比較例1において作製した有機薄膜太陽電池デバイスを示す断面図である。
本発明の有機電子デバイスは、基材上に、有機活性層を有する有機電子デバイス本体、ポロシロキサン層および接着樹脂層をこの順に有する。さらに、有機電子デバイス本体から電気エネルギーを外部回路へ送るための引き出し電極を有してもよいし、接着樹脂層上にカバーガラスや対向基板を有してもよい。本発明の有機電子デバイスは、基材とポリシロキサン層と接着樹脂層とが直接積層された部位を有する。有機電子デバイス本体は、環境中の水分や酸素によって劣化しやすい有機活性層を有するが、本発明においては、ポリシロキサン層を有し、基材とポリシロキサン層と接着樹脂層とが直接接する部位を有することにより、ポリシロキサン層を介して基材と接着樹脂層との密着性を向上させ、基材と接着樹脂層との間からの水分と酸素の侵入を抑制し、有機電子デバイスの耐久性を向上させることができる。有機活性層の劣化をより抑制して有機電子デバイスの耐久性をより向上させる観点から、有機電子デバイス本体の基材と反対側の全面がポリシロキサン層により覆われ、ポリシロキサン層の有機電子デバイス本体と反対側の全面が接着樹脂層により覆われていることが好ましい。
基材は、有機電子デバイス本体を形成するデバイス形成面となる。基材の全面に有機電子デバイス本体が形成されていなくてもよく、デバイスが形成された部位とデバイスが形成されていない部位の面積比率は特に限定されない。
基材の水蒸気透過率(Water Vapor Transmission Rate)は、1.0×10−1g/m/day以下が好ましい。水蒸気透過率を低くすることにより、屋外で使用される場合であっても、基材の防水性能により、内部の有機電子デバイス本体を保護することができる。また、基材の可視光の全線透過率は、80%以上が好ましい。
前述の水蒸気透過率および全線透過率を有する基材の材料として、例えば、ガラスや、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンなどが挙げられる。基材としては、ガラス基板や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンなどのフィルムが好ましい。フレキシブルデバイス用途には、基材として、設置場所の選択性が高く、輸送コストを低減することができることから、超薄板ガラスや前記フィルムなどの可撓性基材が好ましく、フィルムがより好ましい。
有機電子デバイス本体は、有機活性層を有する。さらに他の層や部材を有してもよい。有機電子デバイス本体としては、例えば、有機EL、有機薄膜太陽電池、有機TFT、有機キャパシタなどが挙げられる。以下に、代表的な実施形態として、有機薄膜太陽電池を例に説明する。
有機薄膜太陽電池は、基材側から順に透明電極/有機活性層/対向電極を有する。有機活性層として、基材側から順に、電子輸送層/発電層/正孔輸送層と機能別に多層構造を有することが好ましい。有機薄膜太陽電池の厚みは、1μm以下が好ましい。
透明電極は、波長400〜700nmの範囲の光透過率が80%以上であることが好ましい。透明電極を構成する材料としては、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)、フッ素を含む酸化錫(Fluorine−doped Tin Oxide:FTO)、アルミニウム亜鉛酸化物(Aluminium Zinc Oxide:AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(Gallium Zinc Oxide:GZO)などの金属酸化物や、金、白金、銀、銅、錫、アルミニウム、モリブデン、チタン、タングステン、マンガン、ニッケル、コバルト等の金属や、グラファイト、グラファイト層間化合物、カーボンナノチューブ、グラフェン、ポリアニリンやその誘導体、ポリチオフェンやその誘導体などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよいし、これらの材料により構成される2層以上の積層構造を有してもよい。透明電極の厚みは、100〜300nmが好ましい。
電子輸送層を形成する材料としては、例えば、酸化亜鉛や酸化チタンなどの金属酸化物や、Poly[(9,9−bis(3’−(N,N−dimethylamino)propyl)−2,7−fluorene)−alt−2,7−(9,9−dioctylfluorene)]:PFNやPolyethileneimine、ethoxylated:PEIEなどの電子輸送性の高い有機材料が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。電子輸送層の厚みは、0.5〜50nmが好ましい。
発電層は、少なくとも電子供与性有機材料および電子受容性有機材料を含有する。これらを2種以上含有してもよい。発電層の構造としては、例えば、電子供与性有機材料と電子受容性有機材料の混合物を含む層からなる構造、電子供与性有機材料からなる層と電子受容性有機材料からなる層を積層した構造、電子供与性有機材料からなる層と電子受容性有機材料からなる層の間に、これらの混合物からなる層を積層した構造などが挙げられる。これらのうち、電子供与性有機材料と電子受容性有機材料の混合物を含む層からなる構造が好ましい。電子供与性有機材料と電子受容性有機材料の含有比率は特に限定されないが、電子供与性有機材料:電子受容性有機材料(ドナーアクセプター比)が、10:90〜60:40の範囲であることが好ましい。
電子供与性有機材料は、p型半導体特性を示す有機化合物であれば特に限定されない。例えば、ポリチオフェン系重合体、ベンゾチアジアゾール−チオフェン系共重合体、キノキサリン−チオフェン系共重合体、チオフェン−ベンゾジチオフェン系共重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体、ポリ−p−フェニレン系重合体、ポリフルオレン系重合体、ポリピロール系重合体、ポリアニリン系重合体、ポリアセチレン系重合体、ポリチエニレンビニレン系重合体などの共役系重合体、H2フタロシアニン、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン等のフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、トリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、オリゴチオフェン誘導体(ターチオフェン、クウォーターチオフェン、セキシチオフェン、オクチチオフェンなど)等の低分子有機化合物などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。上記の骨格構造を有する共役系重合体の中でも、広い光吸収波長領域と深いHOMO準位を有することから高い光電変換特性が得られることから、下記一般式(1)で表される構造を有する共役系重合体が好ましい。
Figure 2021061287
上記一般式(1)中、nは1以上の整数を表す。前記一般式(1)で表される構造を有する共役系重合体の数平均分子量は、30,000〜60,000が好ましい。
電子受容性有機材料は、n型半導体特性を示す有機物であれば特に限定されない。例えば、安定でキャリア移動度の高いn型半導体であるフラーレン誘導体が好ましく用いられる。フラーレン誘導体としては、例えば、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C94を始めとする無置換のものと、有機溶剤への溶解性を高めた置換誘導体として[6,6]−Pheyl−C61―Butyric Acid Methyl Ester:60PCBM、[6,6]−Pheyl−C71―Butyric Acid Methyl Ester:70PCBMなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
発電層の厚みは、電子供与性有機材料および電子受容性有機材料が光吸収によって光電変換を生じるために十分な厚さであればよく、材料によって異なるが、50nm〜500nmが好ましい。
正孔輸送層を形成する材料としては、例えば、ポリチオフェン系重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体、ポリフルオレン系重合体、ポリピロール重合体、ポリアニリン重合体、ポリフラン重合体、ポリピリジン重合体、ポリカルバゾール重合体などの導電性高分子や、フタロシアニン誘導体(HPc、CuPc、ZnPcなど)、ポルフィリン誘導体、アセン系化合物(テトラセン、ペンタセンなど)などのp型半導体特性を示す低分子有機化合物、グラフェンや酸化グラフェンなどの炭素化合物、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化バナジウム、酸化ジルコニウムなどの無機材料などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、ポリチオフェン系重合体であるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)にポリスチレンスルホン酸(PSS)が添加されたPEDOT:PSSが好ましい。正孔輸送層の厚みは、0.5〜50nmが好ましい。
対向電極は、光透過性を有していなくてもよく、発電量向上の観点から、特に可視光領域の光反射率が高く、正孔輸送層とオーミック接合する導電材料が好ましい。例えば、金、白金、銀、銅、鉄、亜鉛、錫、アルミニウム、インジウム、クロム、ニッケル、コバルトなどの金属が好ましい。これらを2種以上用いてもよい。対向電極の厚みは、導電性があれば十分であり、特に限定されない。
引き出し電極は、光透過性を有していなくてもよく、透明電極および/または対向電極と同一の材料から構成されていてもよいし、異なる材料から構成されていてもよい。外部回路と接点する観点から、特に電気伝導率が高く、水分や酸素に対するバリア性がより高く、透明電極および対向電極とオーミック接合する導電材料が好ましい。例えば、対向電極を構成する材料として例示した金属が好ましい。引き出し電極の厚みは、導電性と強度があれば十分であり、特に限定されない。
ポリシロキサン層は、基材と接着樹脂層との界面の静電的な作用によって密着性を向上させる効果を奏する。本発明においては、基材とポリシロキサン層とが直接積層された部位を有することにより、基材と接着樹脂層との密着性を向上させ、基板端面から基材と接着樹脂との界面を経由して環境中の水分や酸素が有機活性層へ侵入し劣化することを抑制し、有機電子デバイスの耐久性を向上させることができる。さらに、ポリシロキサン層は、基材や接着樹脂中の未反応モノマーの有機デバイス本体への溶出抑制や帯電防止効果を奏するため、後述する製造方法において、接着樹脂層を塗布する際に、有機デバイス本体が形成された基板のプラズマ処理やUVオゾン処理などを要しないなどの利点がある。
ポリシロキサン層を形成するポリシロキサンとしては、エチルシリケートの加水分解縮合物である環状ポリシロキサンが好ましい。下記構造式(2)で表される構造を有する、Si−O結合を有し、末端にシラノール基を有する一般式SiOで表されるポリマーが好ましい。
Figure 2021061287
ポリシロキサン層の厚みは、100〜300nmが好ましい。ポリシロキサン層の厚みを100nm以上とすることにより、基材と接着樹脂層との密着性をより向上させ、有機電子デバイスの耐久性をより向上させることができる。一方、ポリシロキサン層の厚みを300nm以下とすることにより、環境中の水分や酸素の有機活性層への侵入をより抑制し、有機電子デバイスの耐久性をより向上させることができる。ここで、ポリシロキサン層の厚みは、有機電子デバイスの少なくとも一部について接着樹脂層を除去してポリシロキサン層を露出させ、無作為に選択した1箇所についてさらにポリシロキサン層を除去し、その箇所とポリシロキサン層が露出した箇所との高低差を、共焦点レーザー顕微鏡を用いて測定することにより算出することができる。
接着樹脂層は、有機電子デバイス本体の主たる劣化要因となる環境中の水分や酸素に対して高いバリア性を有する。このため、接着樹脂層を有することにより、有機電子デバイスの耐久性を向上させることができる。
接着樹脂層を形成する樹脂としては、光硬化性材料または熱硬化性材料の硬化物が好ましい。段差被覆性と、有機電子デバイスの厚みを薄くして端部からの水分や酸素の侵入をより抑止する観点から、接着樹脂層形成時の粘度が20mPa・s以下と低粘度である材料が好ましい。
光硬化性材料としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
熱硬化性材料としては、例えば、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
これらの中でも、耐熱性に優れることから、エポキシ樹脂が好ましい。
接着樹脂層の厚みは、0.1〜10μmが好ましい。
さらに、本発明の有機電子デバイスは、有機電子デバイス本体の基材と反対側に、対向基板を有してもよい。対向基板を有することにより、スクラッチ耐性を向上させることができる。対向基板は、例えば、前述の基材と同じ材料から構成されていてもよいし、アルミニウムなどの金属箔などの不透明な材料から構成されていてもよい。対向基板の厚みは0.05mm〜1.0mmが好ましい。
以下、本発明の有機電子デバイスについて、図面を参照して説明する。なお、図面は模式的なものであり、例えば平面寸法と厚みとの関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる場合がある。また、実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図1に、本発明の有機電子デバイスの一態様の要部の拡大断面図を示す。有機電子デバイス10は、基材1上に、引き出し電極5と、透明電極21と有機活性層22と対向電極23を有する有機電子デバイス本体2と、ポリシロキサン層3と、接着樹脂層4と、対向基板6を有し、その端部において、基材1とポリシロキサン層3と接着樹脂層4とが直接積層された部位を有する。ここで、引き出し電極5は有機電子デバイス本体の透明電極21と対向電極23をそれぞれ延伸し、図示しない外部回路と接続する。ポリシロキサン層3は、有機電子デバイス本体2の、基材1と反対側の面の全てを覆っており、接着樹脂層4は、ポリシロキサン層3の、有機電子デバイス本体と反対側の面の全てを覆っている。
次に、本発明の有機電子デバイスの製造方法について説明する。本発明の有機電子デバイスの製造方法は、少なくとも
(a)基材上に、有機電子デバイス本体を形成する工程、(b)ポリシロキサン層を形成する工程、および、(c)接着樹脂層を形成する工程
を有することが好ましい。以下に、有機電子デバイス本体が、有機活性層として電子輸送層/発電層/正孔輸送層を有し、さらに透明電極および対向電極を有する有機薄膜太陽電池である場合を例に説明する。
まず、(a)基材上に、有機薄膜太陽電池を形成する。有機薄膜太陽電池とともに、引き出し電極を形成してもよい。
引き出し電極の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等が挙げられる。
引き出し電極を形成した基材上に、透明電極を形成することが好ましい。透明電極の形成方法としては、引き出し電極の形成方法として例示した方法が挙げられる。
次に、電子輸送層、発電層および正孔輸送層を形成する。電子輸送層、発電層、正孔輸送層の形成方法としては、例えば、スピンコート法、ディップコート法、キャスティング法、バーコート法、スプレー法、スクリーン印刷、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディスペンサー塗布、スリットコート法、インクジェット法等が挙げられる。なお、発電層が電子供与性有機材料および電子受容性有機材料の混合物である場合、これら材料の混合方法としては、例えば、電子供与性有機材料および電子受容性有機材料を所望の比率で溶媒に添加した後、加熱、撹拌および/または超音波照射などの方法により溶媒中に溶解させる方法などが挙げられる。溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられる。
次に、透明電極、電子輸送層、発電層および正孔輸送層が形成された基材上に、対向電極を形成することが好ましい。対向電極の形成方法としては、引き出し電極の形成方法として例示した方法が挙げられる。
次に、基材および有機薄膜太陽電池上に、(b)ポリシロキサン層を形成する。これにより、基材とポリシロキサン層とが直接積層された部位を形成する。
(b)ポリシロキサン層の形成方法は特に制限されない。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着(CVD)法、プラズマCVD法、ポリシロキサン溶液を用いた塗布法などが挙げられる。中でも、欠陥を生じにくく緻密な薄膜形成が容易であることから、プラズマCVD法、ポリシロキサン溶液を用いた塗布法が好ましい。
本発明において、(b)ポリシロキサン層を形成する工程としては、ポリシロキサンが分散した溶液を塗布し、加熱乾燥する方法が好ましい。かかる方法は、プラズマCVDやスパッタなどの真空工程が不要で、常温大気圧下の一般環境下でポリシロキサン層を形成することができるため、ロール・ツー・ロールなどの生産方式への適用も可能である。(b−1)前記基材の少なくとも一部および前記有機電子デバイス本体上に、ポリシロキサン溶液を塗布する工程、および、(b−2)ポリシロキサンを加熱乾燥する工程を有することがより好ましい。
前記工程(b−1)において、ポリシロキサン溶液としては、例えば、“コルコート”(登録商標)PX、“コルコート”N−103X、“コルコート”PS−903、HAS−1、HAS−6、HAS−10(以上商品名、コルコート株式会社製)等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。ポリシロキサン溶液の濃度は、形成するポリシロキサン層の厚みに応じて選択することができるが、0.1〜20質量%が好ましい。ポリシロキサン溶液には、架橋もしくは重合を促進する触媒を含有してもよいが、有機電子デバイスへの影響を低減する観点から、高純度なポリシロキサン膜を形成するため、無触媒のポリシロキサン溶液が好ましい。
ポリシロキサン溶液の塗布方法としては、電子輸送層、発電層、正孔輸送層の形成方法として例示した方法が挙げられる。
前記工程(b−2)において、加熱乾燥により、ポリシロキサン溶液の溶媒を除去することが好ましい。加熱乾燥は、例えば、ホットプレートを用いて行うことができる。加熱温度は100〜140℃が好ましく、加熱時間は0.5〜10分間が好ましい。ポリシロキサン層のさらなる架橋および重合が必要な場合は、アンモニアガスに曝すことにより、シラノール基の脱水反応による架橋を促進することができる。
次に、ポリシロキサン層上に、(c)接着樹脂層を形成する。これにより、基材とポリシロキサン層と接着樹脂層とが直接積層された部位を形成する。
接着樹脂層の形成方法としては、電子輸送層、発電層、正孔輸送層の形成方法として例示した方法が挙げられる。さらに、必要に応じて、接着樹脂層により、対向基板を貼り合わせてもよい。
上記実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施し得るものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
各実施例および比較例における耐久性評価方法について説明する。まず、各実施例および比較例において作製した有機薄膜太陽電池デバイスについて、昼白色LED 200Luxにおける単位面積あたりの発電量を測定し、初期特性とした。評価した有機薄膜太陽電池デバイスを、温度60℃、湿度90%RHの環境下保管し、実施例1および比較例1について、120、288、456、624、768、936、1104、1272、1440時間経過時点において、昼白色LED 200Luxにおける単位面積あたりの発電量を同様に評価し、初期特性に対する比を算出した。
また、実施例2および比較例1について、同様に初期特性および648時間経過時点における昼白色LED 200Luxにおける単位面積あたりの発電量を評価し、初期特性に対する比を算出した。実施例2について求めた比(規格化発電量)の比較例1の規格化発電量に対する比を算出した。
(実施例1)
以下の手順により、図3に示す構造の有機薄膜太陽電池デバイスを作製した。有機電子デバイス10である有機薄膜太陽電池デバイスは、その一部に、基材1/ポリシロキサン層3/接着樹脂層4が直接積層された部位を有する。
(引き出し電極の形成)
厚み0.7mmの無アルカリガラス基板上からなる基材1に、厚み125nmのITOをスパッタ法により成膜し、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行い、引き出し電極5を形成した。
(有機薄膜太陽電池の形成)
引き出し電極を形成した基材1に、厚み125nmのITOをスパッタ法により成膜し、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行い、透明電極を形成した。透明電極を形成した基材を、アルカリ洗浄液(フルウチ化学(株)製、“セミコクリーン”(登録商標)EL56(商品名))を用いて10分間超音波洗浄した後、純水で洗浄し、さらに30分間UV/オゾン処理した。
エタノール溶媒(和光純薬工業(株)製)0.5mLを、酢酸亜鉛2水和物(和光純薬工業(株)製)10mgの入ったサンプル瓶の中に加えて熱溶解し、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(和光純薬工業(株)製)を1.0体積%の割合で添加し、電子輸送層形成用塗布インクを得た。透明電極を形成した基材上に、スピンコート法により、正孔輸送層形成用塗布インクを3000rpmの条件で30秒間塗布した後、ホットプレート上において、温度150℃で30分間加熱して溶媒を除去し、電子輸送層を形成した。乾燥後の電子輸送層の膜厚は、40nmであった。
前記一般式(1)で表される構造を有する共役系重合体(数平均分子量:45,900、重量平均分子量:106,000、Z平均分子量:247,000)12.15mg、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドメチルエステル(PCBM)(フロンティアカーボン社製)14.85mg、3,4,5−トリメトキシトルエン(東京化成工業(株)製)60mg、クロロベンゼン1.114mLをサンプル瓶に入れ、超音波洗浄機(井内盛栄堂製US−2(商品名)、出力120W)中で30分間超音波照射することにより、発電層形成用塗布インクを得た。電子輸送層を形成した基材上に、スピンコート法により、発電層形成用塗布インクを1000rpmの条件で60秒間塗布した後、真空加熱オーブンを用いて、減圧下、温度100℃で1分間加熱して溶媒を除去し、発電層を形成した。乾燥後の発電層の膜厚は、100nmであった。
ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS、Heraeus社製、“Clevios”(登録商標)P AI 4083)40体積%を、純水45体積%、2−プロパノール15体積%で希釈し、界面活性剤(花王(株)製、“エマルゲン”(登録商標)103(商品名))を1.0質量%添加して正孔輸送層形成用塗布インクを得た。発電層を形成した基板上に、スピンコート法により、正孔輸送層形成用塗布インクを、2000rpmの条件で30秒間塗布した後、ホットプレート上において、温度100℃で1分間加熱して溶媒を除去し、正孔輸送層を形成した。乾燥後の正孔輸送層の膜厚は、30nmであった。
引き出し電極と、透明電極と、電子輸送層/発電層/正孔輸送層からなる有機活性層とが形成された基材と電極用マスクを真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が1×10−3Pa以下になるまで排気し、抵抗加熱法によって、厚み200nmの銀層を蒸着により対向電極を形成した。透明電極と対向電極が重なる5mm×5mmが有機薄膜太陽電池の有効発電エリアである。また、基材1上の、透明電極と有機活性層と対向電極からなる有機薄膜太陽電池が、有機電子デバイス本体2である。
(ポリシロキサン層の形成)
次に、基材1、引き出し電極5および有機電子デバイス本体2上に、無触媒のポリシロキサンを2.0質量%含むアルコール溶液(コルコート株式会社製、“コルコート”PX)を、スピンコート法により、500rpmの条件で30秒間塗布した後、ホットプレート上で120℃、1分間の加熱処理を行い、厚み230nmのポリシロキサン層3を形成した。
(接着樹脂層の形成)
次に、基材1、引き出し電極5、有機電子デバイス本体2およびポリシロキサン層3を形成した基材を窒素雰囲気下グローブボックスに移した。一方、20mm×20mmの大きさのカバーガラス(無アルカリガラス)上に、エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、XNR5570)をディスペンス塗布した。エポキシ樹脂を塗布したカバーガラスを、前述の基材のポリシロキサン層3側の中心に貼り付け、紫外光(波長365nm、強度100mW/cm)を1分間照射した後、ホットプレート上において、100℃で30分間熱処理し、エポキシ樹脂を光硬化させ、接着樹脂層を形成し、カバーガラスを貼り合わせ、対向基板とした。
(比較例1)
(ポリシロキサン層の形成)の工程を設けず、(接着樹脂層の形成)において、引き出し電極5および有機電子デバイス本体2を形成した基材に、光硬化性樹脂を塗布したカバーガラスを貼り合わせたこと以外は実施例1と同様にして、図4に示す構造の有機薄膜太陽電池デバイスを作製した。
実施例1および比較例1において作製した有機薄膜太陽電池デバイスについて、前述の方法により耐久性を評価した結果を図2に示す。図2において、横軸は経過時間、縦軸は初期特性により規格化した発電量を示す。符号○、△はそれぞれ実施例1、比較例1の評価結果を示す。
図2のグラフから、基材と接着樹脂層との間にポリシロキサン層を有する実施例1の有機太陽電池デバイスは、耐久性に優れることがわかる。一方、ポリシロキサン層を有しない比較例1の有機太陽電池デバイスは、耐久性が低く、基材と接着樹脂層との密着性が低いためと考えられる。
(実施例2)
ポリシロキサン層3の厚みを120nmに変更したこと以外は実施例1と同様にして有機太陽電池デバイスを作製した。前述の方法により耐久性を評価したところ、648時間経過時点の規格化発電量は、比較例1の1.40倍であった。
1 基材
2 有機電子デバイス本体
3 ポリシロキサン層
4 接着樹脂層
5 引き出し電極
6 対向基板
10 有機電子デバイス
21 透明電極
22 有機活性層
23 対向電極

Claims (3)

  1. 基材上に、有機活性層を有する有機電子デバイス本体、ポリシロキサン層、接着樹脂層をこの順に有する有機電子デバイスであって、基材とポリシロキサン層と接着樹脂層とが直接積層された部位を有する有機電子デバイス。
  2. 前記ポリシロキサン層が有機電子デバイス本体の基材と反対側の全面を被覆し、前記接着樹脂層がポリシロキサン層の有機電子デバイス本体と反対側の全面を被覆する、請求項1記載の有機電子デバイス。
  3. 前記ポリシロキサン層の厚みが100〜300nmである請求項1または2記載の有機電子デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022224893A1 (ja) * 2021-04-21 2022-10-27 住友化学株式会社 インク組成物及びその製造方法

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