≪第1実施形態≫
まず、本発明にかかる第1実施形態について、図1〜図8(c)に基づいて説明する。
図1には、第1実施形態に係る露光装置10Aの構成が概略的に示されている。また、図2は、図1の露光装置10A(一部省略)が有するステージ装置20A及び基板搬送装置100Aの平面図である。また、図3(a)はステージ装置20Aの平面図であり、図3(b)はステージ装置20Aの側面図であり、図3(c)は図3(a)のA−A断面図である。
露光装置10Aは、例えば液晶表示装置(フラットパネルディスプレイ)などに用いられる矩形(角型)のガラス基板P(以下、単に基板Pと称する)を露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。
図1に示すように、露光装置10Aは、照明系12、回路パターン等のパターンが形成されたマスクMを保持するマスクステージ14、投影光学系16、表面(図1で+Z側を向いた面)にレジスト(感応剤)が塗布された基板Pを保持するステージ装置20A、基板搬送装置100A、及びこれらの制御系等を有している。以下、図1に示すように、露光装置10Aに対して互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を設定し、露光時にマスクMと基板Pとが投影光学系16に対してそれぞれX軸方向に沿って相対走査されるものとし、Y軸が水平面内に設定されているものとして説明を行う。また、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。また、X軸、Y軸、及びZ軸方向に関する位置をそれぞれX位置、Y位置、及びZ位置として説明を行う。
照明系12は、例えば米国特許第5,729,331号明細書などに開示される照明系と同様に構成され、露光用照明光(照明光)ILをマスクMに照射する。照明光ILとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)のうち少なくとも1つの波長を含む光が用いられる。また、照明系12で用いられる光源、及び該光源から照射される照明光ILの波長は、特に限定されず、例えばArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。
マスクステージ14は、光透過型のマスクMを保持している。マスクステージ14は、例えばリニアモータを含むマスクステージ駆動系(不図示)により、少なくとも走査方向(X軸方向)に所定のストロークで駆動される。またマスクステージ14は、照明系12、ステージ装置20A、投影光学系16の少なくともいずれかとの相対位置を調整するために、そのX位置やY位置をストロークで移動させる微動駆動系により駆動される。マスクステージ14の位置情報は、例えば、リニアエンコーダシステムや干渉計システムを含むマスクステージ位置計測系(不図示)により求められる。
投影光学系16は、マスクステージ14の下方に配置されている。投影光学系16は、例えば米国特許第6,552,775号明細書などに開示される投影光学系と同様な構成の、いわゆるマルチレンズ型の投影光学系であり、例えば正立正像を形成する両側テレセントリックな複数の光学系を備えている。なお、投影光学系16は、マルチレンズ型でなくてもよい。半導体露光装置に用いられるような、一つの投影光学系により構成されていてもよい。
露光装置10Aでは、照明系12からの照明光ILによる所定の照明領域内に位置するマスクMが照明されると、その照明領域内のマスクMのパターンの投影像(部分的なパターンの像)が投影光学系16によっての露光領域に形成される。そして、照明領域(照明光IL)に対してマスクMが走査方向に相対移動するとともに、露光領域に対して基板Pが走査方向に相対移動することで、基板P上に走査露光が行われ、マスクMに形成されたパターン(マスクMの走査範囲に対応するパターン全体)が転写される。
(ステージ装置20A)
ステージ装置20Aは、定盤22、基板テーブル24、支持装置26、及び基板ホルダ28Aを備えている。
定盤22は、上面(+Z面)がXY平面に平行となるように配置された平面視(+Z側から見て)矩形の板状の部材から成り、不図示の防振装置を介して床F上に設置されている。支持装置26は、定盤22上に非接触状態で載置され、基板テーブル24を下方から非接触で支持している。基板ホルダ28Aは基板テーブル24上に配置され、基板テーブル24と基板ホルダ28Aとは、ステージ装置20Aが備える不図示のステージ駆動系により一体的に駆動される。ステージ駆動系は、例えばリニアモータなどを含み、基板テーブル24をX軸、及びY軸方向に(定盤22の上面に沿って)所定のストロークで駆動可能な粗動系と、例えばボイスコイルモーターを含み、基板テーブル24を6自由度(X軸、Y軸、Z軸、θx、θy、及びθz)方向に微小駆動する微動系とを備える。また、ステージ装置20Aは、例えば光干渉計システムやエンコーダシステムなどを含み、基板テーブル24の上記6自由度方向の位置情報を求めるためのステージ計測系を備えている。
図3(a)に示すように、基板ホルダ28Aは、平面視矩形状の上面TS(+Z側の面)に基板Pが載置される。上面TSは、その縦横比が基板Pとほぼ同じである。一例として、上面TSの長辺及び短辺の長さは、基板Pの長辺及び短辺の長さに対して、それぞれ幾分短く設定されている。
基板ホルダ28Aの上面TSは、全面に渡って平坦に仕上げられている。また、基板ホルダ28Aの上面には、空気吹き出し用の微小な孔部(不図示)、真空吸引用の微小な孔部(不図示)が複数形成されている。なお、空気吹き出し用の微小な孔部と真空吸引用の微小な孔部とは、共通の孔部を併用してもよい。基板ホルダ28Aは、不図示のバキューム装置から供給される真空吸引力を用いて、上記複数の孔部を介して、上面と基板Pとの間の空気を吸引し、上面TSに基板Pを吸着させる(平面矯正する)ことが可能である。基板ホルダ28Aは、いわゆるピンチャック型のホルダであって、複数のピン(直径が、例えば直径1mm程度と非常に小さいピン)がほぼ均等な間隔で配置されている。基板ホルダ28Aは、この複数のピンを有することで、基板Pの裏面にゴミや異物を挟み込んで支持する可能性を低減でき、その異物の挟み込みによる基板Pの変形の可能性が低減できる。基板Pは、複数のピンの上面に保持(支持)される。この複数のピンの上面により形成されるXY平面を、基板ホルダ28Aの上面とする。また、基板ホルダ28Aは、不図示の加圧気体供給装置から供給される加圧気体(例えば空気)を、上記孔部を介して上面TSと基板Pとの間に供給(給気)することによって、基板ホルダ28Aに吸着された基板Pの裏面を上面TSに対して離間(基板Pを浮上)させることが可能である。また、基板ホルダ28Aに形成された複数の孔部のそれぞれで、加圧気体を給気するタイミングに時間差を生じさせたり、真空吸引を行う孔部と加圧気体を給気気する孔部の場所を適宜交換したり、吸引と給気とで空気圧力を適宜変化させたりすることによって、基板Pの接地状態を制御(例えば、基板Pの裏面と基板ホルダ28Aの上面との間に空気溜まりが発生しないように)できる。
なお、基板ホルダ28Aは、基板を上面TSに吸着させず、浮上支持した状態で基板の平面矯正を行うようにしても良い。この場合、基板ホルダ28Aは、不図示の加圧気体供給装置から供給される加圧気体(例えば空気)を、上記孔部を介して基板Pの裏面に供給(給気)することによって、基板Pの下面と基板ホルダ28Aの上面との間に気体を介在させる(すなわち、気体膜を形成する)。また、基板ホルダ28Aは、真空吸引装置を用いて、真空吸引用の孔部を介して基板ホルダ28Aと基板Pとの間の気体を吸引し、基板Pに対して重力方向下向きの力(プリロード)を作用させることにより、上記気体膜に重力方向の剛性を付与する。そして、基板ホルダ28Aは、加圧気体の圧力及び流量と真空吸引力とのバランスにより、基板PをZ軸方向に微小なクリアランスを介して浮上させて非接触で保持(支持)しつつ、基板Pに対してその平面度を制御する力(例えば、平面度を矯正または補正する力)を作用させるようにしてもよい。なお、各孔部は基板ホルダ28Aを加工して形成してもよいし、多孔質材により基板ホルダ28Aを形成することで、空気を供給したり、吸引したりするようにしてもよい。また、基板Pを浮上支持する基板ホルダ28Aにおける、上面TSは、孔部が形成される面ではなく、その面から上記のクリアランス分上方に位置する仮想面、つまり、平面矯正された基板の下面を、上面TSとする。
また、図3(a)に示すように、基板ホルダ28Aの上面TSにおける+X側の端部には、例えば2つの切り欠き28bがY軸方向に離間して形成されている。図3(c)に示すように、切り欠き28bは、基板ホルダ28Aの上面TS及び+X側の側面にそれぞれ開口している。
(基板搬送装置100A)
図1に示すように、基板搬送装置100Aは、ポート部150A、基板搬送部160A、及び搬送装置180Aを有している。ポート部150A及び基板搬送部160Aは、ステージ装置20Aに対して+X側に設置されている。例えば、コータ/デベロッパなどの外部装置(不図示)と露光装置との間における基板Pの受け渡しは、基板搬送装置100Aによって行われる。基板搬送部160Aは、基板ホルダ28Aからポート部150Aへ露光済みの基板P(P1)を搬送し、ポート部150Aから基板ホルダ28Aへ新たに露光する基板P(P2)を搬送するためのものである。なお、基板P2は、未露光(1度も露光されていない)基板であってもよいし、2度目以降の露光を行う基板であってもよい。
また、上述の外部装置と露光装置10Aとの間における基板Pの受け渡しは、照明系12、マスクステージ14、投影光学系16、ステージ装置20A、基板搬送装置100Aなどを収容する不図示のチャンバの外側に配置された外部搬送装置300により行われる。外部搬送装置300は、フォーク状のロボットハンドを有しており、載置された基板Pを外部装置から露光装置10A内のポート部150Aへ運ぶことができる。そして、先述したとおり、基板搬送部160Aは、基板Pをポート部150Aから基板ホルダ28Aへ搬送する。外部搬送装置300は、基板搬送装置100Aによりポート部150Aへ搬送された露光済み基板Pをチャンバ内から外部装置へ運ぶことができる。
図2に示すように、ポート部150Aは、Y軸方向に所定間隔で配置された複数(本第1実施形態では、例えば8本)のビーム153により構成されたビームユニット152を有している。各ビーム153の上面には、空気吹き出し用の微小な孔部(不図示)が複数形成されている。ビームユニット152は、不図示の加圧気体供給装置から供給される加圧気体(例えば空気)を、上記孔部を介して基板Pの裏面とビームユニット152の上面との間に供給(給気)することによって、基板Pの裏面をビームユニット152の上面に対して離間(基板Pを浮上)させることが可能である。複数のビーム153のY軸方向の間隔は、ビームユニット152により基板Pを下方から支持でき、且つ、外部搬送装置300のロボットハンドをビームユニット152と同一高さに配置したときに、該ロボットハンドが有する複数の指部310が複数のビーム153の間に配置(挿脱)可能なように設定されている。
各ビーム153の長手方向(X軸方向)の長さは、基板Pの長手方向の長さよりも若干長く、幅方向(Y軸方向)の長さは、基板Pの幅方向の長さの、例えば1/50程度、あるいは基板Pの厚さの、例えば10〜50倍程度に設定されている。
図1に示すように、複数のビーム153(図1では紙面奥行き方向に重なっている)それぞれは、複数(例えば2本)の棒状の脚154によって、X軸方向の両端部よりも内側の位置で下方から支持されている。各ビーム153を支持する複数の脚154は、それぞれ下端部がジョイント部155aを介してベース部157に連結され、上端部がジョイント部155bを介してビーム153に連結されている。基板搬送装置100Aでは、ビーム153、脚154、ジョイント部155a,155b、及びベース部157により構成されるリンク機構により、ビームユニット152のX軸方向及びZ軸方向の位置を一体的に変更できるようになっている。リンク機構は、ビームユニット152が、基板ホルダ28Aとの基板受け渡し位置で停止した場合に、基板ホルダ28Aの上面TS、後述するオフセットビーム185aの上面、及びビームユニット152の上面が略同一平面内に含まれるように構成されている。
図2に戻り、基板搬送部160Aは、上述した外部搬送装置300(図1及び図2参照)と同様の、フォーク状のハンド161A(以下、基板搬入ハンド161Aと称する)を有している。基板搬入ハンド161Aは、複数(本第1実施形態では、例えば7本)の指部162Aを有しており、複数の指部162Aが、基板Pを保持する保持面(以下、基板保持面と記載する)を形成する。
複数の指部162Aは、+X側の端部近傍が連結部材163Aにより互いに連結されている。これに対し、複数の指部162Aの−X側(基板ホルダ28A(図2など参照)側)の端部は、自由端となっており、隣接する指部162A間は、基板ホルダ28A側に開いている。
図1に示すように、複数の指部162Aにより形成される基板保持面は、基板ホルダ28Aが基板を保持する保持面(以後、ホルダ基板保持面と記載する)に対して傾斜している。すなわち、基板搬入ハンド161Aは、基板ホルダ28Aのホルダ基板保持面に対し傾斜し、基板P(P2)を保持する基板保持面を有する。このため、基板搬入ハンド161Aは、基板P2の+X側端部を、基板P2の−X側端部よりも高い位置(+Z側)で保持する。基板搬入ハンド161AのZ位置は、基板搬入ハンド161Aの−X側端部が+X側端部よりも基板ホルダ28Aにより近くなっている。また、複数の指部162Aの先端部(−X側)の近傍では、先端部に近づくほど指部162Aの厚さが薄くなっている。換言すると、指部162Aは、先端部にテーパーがつけられ、テーパー形状を有している。複数の指部162Aがテーパー形状を有しているため、指部162Aの厚さが均一なものと比較すると、基板P2の−X側端部をより基板ホルダ28Aの上面TSに近づけることができる。また、基板搬入ハンド161Aのうち、Z位置が基板ホルダ28Aに接近している面積を小さくできるため、基板搬入ハンド161Aと基板ホルダ28Aとが接触する恐れを低くすることができる。
基板搬入ハンド161Aが有する各指部162Aは、上述した外部搬送装置300のロボットハンド(図2参照)と同様に、Y軸方向において、平面視においてビームユニット152のビーム153と位置が重ならないに配置されている。また、各指部162Aには、基板Pの裏面を支持するための支持パッド164Aが複数取り付けられ、その支持パッド164Aにより、基板搬入ハンド161Aの基板保持面が形成される。基板Pは、その裏面の全面が支持パッド164Aに支持されていなくてもよい。基板保持面は、支持パッド164Aの支持面を仮想的に連結した面で形成されている。
図2に示すように、連結部材163Aは、平面視矩形で、厚さの薄い中空部材でできており、複数のビーム153が配列された方向であるY軸方向に延びている。連結部材163AのY軸方向の両端部は、基板搬入ハンド161AをX軸方向に関して移動させるための一対のX軸駆動装置164に連結されている。なお、一対のX軸駆動装置164は、それぞれ独立に駆動されてもよいし、歯車、あるいはベルトで機械的に連結し、1つの駆動モータによって同時駆動されてもよい。もしくは、連結部材163Aは、Y軸方向に関して一対に限らず片側のX軸駆動装置164のみにより移動されるように構成してもよい。また、一対のX軸駆動装置164は、不図示のZ軸駆動装置によって上下動が可能になっている。これにより、基板搬入ハンド161Aは、ビームユニット152の上面よりも高い位置(+Z側)と、ビームユニット152より低い位置(−Z側)との間で移動することが可能となっている。
また、基板搬送部160Aは、1又は複数(本第1実施形態では、例えば2つ)の基板搬出ハンド170Aを備える。本第1実施形態においては、2つの基板搬出ハンド170AがY軸方向に離間して配置されている。
各基板搬出ハンド170Aは、保持パッド171Aを備える。保持パッド171Aは、不図示のバキューム装置から供給される真空吸引力により、基板Pの下面を吸着保持することができるようになっている。
基板搬出ハンド170Aは、例えば多関節ロボットあるいはパラレルリンクロボットとして構成され、保持パッド171AのX位置、Y位置、及びZ位置を変更できるようになっている。
(搬送装置180A)
搬送装置180Aは、基板交換時において、基板搬送部160Aと協働する装置である。換言すると、露光装置10Aでは、基板搬送部160Aと搬送装置180Aとを用いて基板ホルダ28Aに対する基板Pの搬入および搬出が行われる。また、搬送装置180Aは、基板Pを基板ホルダ28A上に載置する際に、該基板Pの位置決めにも用いられる。搬送装置180Aについて図3(a)〜図3(c)を用いて詳細に説明する。
搬送装置180Aは、図3(a)〜図3(c)に示すように、一対の基板搬入ベアラ装置182A、一対の基板搬出ベアラ装置183A、及びオフセットビーム部185を備えている。
基板搬入ベアラ装置182Aは、図3(b)に示すように、保持パッド184a、Xアクチュエータ186x、及びZアクチュエータ186zを備えている。
保持パッド184aは、平面視矩形の板状の部材から成り、不図示のバキューム装置から供給される真空吸引力により、基板Pの下面を吸着保持することができるようになっている。また、図3(b)に示すように、保持パッド184aは、Zアクチュエータ186zによりZ軸方向に駆動可能となっている。また、保持パッド184a及びZアクチュエータ186zは、基板テーブル24に取り付けられたXアクチュエータ186xにより、一体的にX軸方向に駆動可能となっている。
基板搬出ベアラ装置183Aは、図3(c)に示すように、保持パッド184b、Xアクチュエータ186x、及びZアクチュエータ186zを備えている。図3(c)に示すように、一方(+Y側)の基板搬出ベアラ装置183Aの保持パッド184bは、基板ホルダ28Aに形成された、例えば2つの切り欠き28bのうち、一方(+Y側)の切り欠き28b内に一部が挿入されている。また、他方(−Y側)の基板搬出ベアラ装置183Aの保持パッド184bは、他方(−Y側)の切り欠き28b内に一部が挿入されている。
保持パッド184bは、平面視矩形の板状の部材から成り、不図示のバキューム装置から供給される真空吸引力により、基板Pの下面を吸着保持することができるようになっている。
図3(c)に示すように、保持パッド184bは、Zアクチュエータ186zによりZ軸方向に駆動可能となっている。また、保持パッド184b及びZアクチュエータ186zは、基板テーブル24に取り付けられたXアクチュエータ186xにより、一体的にX軸方向に駆動可能となっている。Zアクチュエータ186zは、保持パッド184bを支持する支柱を含み、該支柱は、基板ホルダ28Aの外側に配置されている。保持パッド184bは、Zアクチュエータ186zにより切り欠き28b内で駆動されることにより、基板Pの下面に接触して保持可能な位置と、基板Pの下面から離間する位置との間で移動可能となっている。また、保持パッド184bは、Zアクチュエータ186zによって、切り欠き28b内に一部が収容された位置と、基板ホルダ28Aの上面よりも高い位置との間で移動可能になっている。また、保持パッド184bは、Xアクチュエータ186xによりZアクチュエータ186zと一体的に駆動されることにより、X軸方向に移動可能となっている。
オフセットビーム部185は、Y軸方向に所定間隔で配置された複数(本第1実施形態では、例えば8本)のオフセットビーム185aを有している。オフセットビーム185aは、基板テーブル24に取り付けられた支持部材185bにより支持され、その上面と基板ホルダ28Aの上面TSとが略同一平面内に含まれるように配置されている。オフセットビーム185aの上面には、空気吹き出し用の微小な孔部(不図示)が複数形成されている。オフセットビーム185aは、不図示の加圧気体供給装置から供給される加圧気体(空気)を、上記孔部を介してオフセットビーム185aの上面と基板Pの裏面との間に供給(給気)する。これにより、基板Pの裏面をオフセットビーム185aの上面に対して離間(基板Pを浮上)させることが可能である。
搬送装置180Aの動作の詳細については後述する。
なお、基板搬入ベアラ装置182A及び基板搬出ベアラ装置183Aの構成は、適宜変更が可能である。例えば各ベアラ装置182A,183Aは、本実施形態では、基板テーブル24に取り付けられたが、これに限定されず、例えば基板ホルダ28A、あるいは基板テーブル24をXY平面内で駆動するためのXYステージ装置(不図示)に取り付けられていても良い。また、各ベアラ装置182A,183Aの位置、及び数も、これに限定されず、例えば基板テーブル24の+Y側、及び−Y側の側面に取り付けられても良い。
上述のようにして構成された露光装置10A(図1参照)では、不図示の主制御装置の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクステージ14上へのマスクMのロードが行われるとともに、基板搬送装置100Aによって、基板ホルダ28A上への基板Pの搬入が行なわれる。その後、主制御装置により、不図示のアライメント検出系を用いてアライメント計測が実行され、そのアライメント計測の終了後、基板P上に設定された複数のショット領域に逐次ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。この露光動作は従来から行われているステップ・アンド・スキャン方式の露光動作と同様であるので、X方向をスキャン方向とする。なお、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作に関する詳細な説明は省略するものとする。そして、露光処理が終了した基板P(P1)が基板搬送装置100Aにより基板ホルダ28A上から搬出されるとともに、次に露光される別の基板P(P2)が基板ホルダ28Aに搬入されることにより、基板ホルダ28A上の基板Pの交換が行われ、複数の基板Pに対する一連の露光動作が行われる。
(基板交換動作)
以下、露光装置10Aにおける基板ホルダ28A上の基板Pの交換動作について、図4〜図8を用いて説明する。以下の基板交換動作は、不図示の主制御装置により制御される。なお、基板交換動作を説明するための図4〜図8における各側面図では、基板搬送部160Aの動作の理解を容易にするため、X軸駆動装置164等の図示が適宜省略されている。
また、以下の説明では、ステージ装置20Aの基板ホルダ28Aには、あらかじめ露光済みの基板P1が載置されており、該露光済みの基板P1を搬出しつつ、基板P1とは別の基板P2を基板ホルダ28Aに載置する搬入動作について説明する。なお、図4〜図8の各図面において、理解を容易にするため、構成要素の動作方向が模式的に白抜矢印で示されている。また、気体を吸引または供給(給気)する状態が一群の黒矢印によって模式的に示されている。
図4(a)及び図4(b)に示すように、基板搬入ハンド161Aは、外部搬送装置300によって基板P2がポート部150Aへ搬送されるまでに、基板搬入ハンド161Aの上面が、ビームユニット152の下方に位置するように、移動される。このとき、ポート部150Aは、脚154がθy方向に回転駆動される。これによって、基板搬入ハンド161Aは、Z方向に関して、ビームユニット152と基板搬入ハンド161Aとの間に、外部搬送装置300のロボットハンドを配置可能なように、ビームユニット152の下方に配置される。
なお、ポート部150Aの、この位置が外部搬送装置300との基板受け渡し位置となる。
基板P2を保持した外部搬送装置300のロボットハンドは、基板P2がビームユニット152の上空(+Z側)に位置するように、−X方向に移動される。このとき、外部搬送装置300が有するフォーク状のロボットハンドの各指部が、平面視でY軸方向において互いに隣接するビームユニット152同士の隙間に位置するように、外部搬送装置300のロボットハンドとビームユニット152とのY位置が位置決めされている。
次に、図4(c)に示すように、外部搬送装置300のロボットハンドが降下駆動され、このロボットハンドの各指部がビームユニット152の複数のビームの隙間を通過することにより、外部搬送装置300は基板P2がビームユニット152上に受け渡す。ビームユニット152の下方で待機している基板搬送部160Aと接触しないように、外部搬送装置300のロボットハンドのZ位置が制御される。この後、外部搬送装置300のロボットハンドは+X方向に駆動されることにより、露光装置10A内から退出する。
基板搬送部160Aは、上昇移動(+Z方向に移動)され、基板搬出ハンド170Aの保持パッド171Aがビームユニット152上の基板P2の下面を吸着把持する。この後、図5(a)に示すように、ポート部150Aのビームユニット152が有する複数のビーム153それぞれに対して加圧気体が供給され、該加圧気体が複数のビーム153それぞれの上面から基板P2の下面に向けて給気(噴出)される。これにより、基板P2が基板搬送部160Aに吸着支持されつつ、基板P2がビームユニット152に対して、微小な(例えば、数十マイクロメートルから数百マイクロメートルの)隙間を介して浮上する。また、ビームユニット152は、ポート部150Aの脚154がθy方向に関して回転駆動されることで、−X方向及び−Z方向に移動される。
基板P2の下面を吸着把持した基板搬出ハンド170Aの保持パッド171Aは、適宜X軸、Y軸、及びθz方向(水平面内3自由度方向)に微小駆動され、これにより基板搬入ハンド161Aに対する基板P2の位置調整(アライメント)が行われる。基板P2は、ビームユニット152により非接触支持されているので、基板P2の水平面内3自由度方向の位置調整(微小量の移動)を、低摩擦の状態で行うことができる。なお、ここで述べた基板P2の位置調整(アライメント)は、省略することができ、必要に応じて実施するように制御してもよい。
この後、図5(b)に示す位置まで、基板搬送部160Aが+Z方向へ上昇駆動される。これにより、ビームユニット152上の基板P2が基板搬入ハンド161Aに受け渡される。換言すると、ビームユニット152上の基板P2が、基板搬入ハンド161Aにより下方から掬い取られる。
ビームユニット152は、脚154がθy方向に関してさらに回転駆動されることで、さらに−X方向に駆動され、基板ホルダ28Aから基板P1を搬出するための、基板ホルダ28Aに対する基板受け渡し位置(図5(c)に図示された位置)へと移動する。
また、上述した外部搬送装置300から基板搬入ハンド161Aへのポート部150Aを介した基板P2の受け渡し動作(適宜アライメント動作を含む)と並行して、ステージ装置20Aでは、露光済みの基板P1を載置した基板ホルダ28Aが所定の基板交換位置(ポート部150Aに対する基板受け渡し位置)に配置するように、基板テーブル24が+X方向に移動される。本第1実施形態において、基板ホルダ28Aの基板交換位置は、ポート部150Aに対して−X側の位置である。なお、理解を容易にするために、図4(a)〜図5(b)では基板ホルダ28Aが同一位置に図示されているが、露光装置10Aの通常の稼働時には、上記基板P2の外部搬送装置300から基板搬入ハンド161Aへの受け渡し動作と並行して基板P1に対する露光動作が行われており、その際に基板ホルダ28Aは、X方向およびY方向に関して適宜移動している。
また、基板ホルダ28Aの基板交換位置への移動動作と並行して、一対の基板搬出ベアラ装置183Aそれぞれの保持パッド184bが上昇駆動される。保持パッド184bは、基板ホルダ28Aの上面に真空吸着保持されている基板P1の一部(切り欠き28b(図3(a)及び図3(c)参照)上に配置された部分)を、裏面から吸着把持する。
この後、図5(c)に示すように、基板P2を支持した基板搬入ハンド161Aが、−X方向に移動される。これにより、基板搬入ハンド161Aは、基板交換位置に位置決めされた基板ホルダ28Aの上空へ移動される。一方、ビームユニット152の上面のZ位置と、基板ホルダ28Aの上面のZ位置とは、ほぼ同じ高さに設定されている。なお、これらをほぼ同じ高さに設定するにあたって、基板ホルダ28AをZ軸方向に駆動して、高さを調整しても良い。
オフセットビーム部185では、オフセットビーム185aの上面から加圧気体が噴出される。
また、ステージ装置20Aでは、基板ホルダ28Aの上面から基板P1の下面に対して加圧気体が給気(噴出)される。これにより、基板P1が基板ホルダ28Aの上面TSから浮上し、基板P1の下面と基板ホルダ28Aの上面TSとの間の摩擦が低摩擦状態となる。
さらに、ステージ装置20Aでは、基板搬出ベアラ装置183Aの保持パッド184bが、上記基板P1の浮上動作に追従するように+Z方向にわずかに上昇駆動されるとともに、基板P1の一部を吸着把持した状態で、+X方向(ポート部150A側)に、所定のストロークで移動される。保持パッド184b(すなわち基板P1)の移動量は、例えば50mm〜100mm程度に設定される。これにより、基板P1の+X側の端部がオフセットビーム185aに非接触支持され、基板P1の位置がX方向に関して基板ホルダ28Aから+X方向側へ所定量オフセットされる。
さらに、ステージ装置20Aでは、一対の基板搬入ベアラ装置182Aの保持パッド184aが、所定のストロークで+X方向に移動される。
図6(a)に示すように、基板P2を支持した基板搬入ハンド161Aは、基板ホルダ28Aの上空における所定位置に配置される。これにより、基板P2は、基板交換位置に位置決めされた基板ホルダ28Aのほぼ真上に位置する。このとき、基板搬入ハンド161Aと基板ホルダ28Aとは、基板P1のY位置と基板P2のY位置とが、ほぼ一致するように、位置決めされる。これに対し、X方向に関しては、基板P1と基板P2とが異なる位置に配置される。具体的には、上述したように基板P1が+X側へ基板ホルダ28Aからオフセットしている分だけ、基板P1及びP2のX位置が相対的に異なっており、基板P2の−X側の端部は、基板P1の−X側の端部よりも−X側に配置されている(突き出している)。なお、このとき、基板搬入ハンド161A上の基板P2は、基板搬出ハンド170Aによってその下面を吸着把持されていてもよいし、指部162Aによって吸着把持もしくは摩擦力によって保持されていてもよい。なお、基板ホルダ28Aに切り欠き28bを形成しなくてもよい。上述のとおり、基板ホルダ28Aの上面の長辺及び短辺の長さは、基板Pの長辺及び短辺の長さに対して、それぞれ幾分短く設定されている場合、基板ホルダ28Aからはみ出した基板Pを保持パット184bが保持した状態で+X軸方向へ移動し、基板Pを基板ホルダ28Aの上面TSから+X側へオフセットさせることができるのであれば、切り欠き28bを基板ホルダ28A上に形成しなくてもよい。この場合、基板Pの端部においても基板ホルダ28A上の平面矯正が行えるようになる。
その後、図6(b)に示すように、基板搬入ハンド161Aは、基板ホルダ28Aと接触しない位置まで−Z方向に駆動される。基板搬入ハンド161Aは、基板P2の−X側端部(基板P2の一部)を、基板搬入ベアラ装置182Aの保持パッド184aに接触させる。そして、保持パッド184aは、基板搬入ハンド161A上の基板P2の一部を下方から吸着保持する。保持パッド184aは、Z軸方向の位置が、基板ホルダ28Aの上面と基板搬入ハンド161Aの基板保持面との間の位置で、基板P2の一部を吸着保持する。保持パッド184aは、基板P2を吸着保持すると、基板P2のX位置とY位置とを拘束する。これにより、基板P2が基板搬入ハンド161A外へ移動されることを防ぐことができる。基板搬入ベアラ装置182Aは、基板P2の−X側端部の狭い面積を保持する。より具体的には、基板搬入ベアラ装置182Aだけでは基板P2全体を支持することができない程度の面積である。なお、基板搬入ハンド161Aの指部のX方向の寸法は基板P2のX方向の寸法より短いと説明したが、同程度の寸法でも良いし、基板搬入ハンド161Aの指部のX方向の寸法のほうが長くてもよい。その場合は、保持パッド184aは、基板搬入ハンド161Aの指部と指部との間の領域を保持するようにすればよい。
また、保持パッド184aによる基板P2の吸着保持動作と並行して、基板P2の吸着把持を解放した基板搬出ハンド170Aが駆動され、基板P1のうち、基板ホルダ28Aから+X側にオフセットされた部分の下面を吸着把持する。また、ビームユニット152は、加圧気体を噴出させる。
その後、図6(c)に示すように、基板搬入ベアラ装置182Aの保持パッド184aが、基板P2の一部(−X側端部)を吸着把持した状態で、基板搬送部160Aが搬出方向(+X方向)に移動される。なお、このとき、基板搬入ハンド161Aの指部162Aから基板P2の下面に対して加圧気体を給気(噴出)して、接触摩擦を低減するとよい。
基板搬送部160Aが搬出方向(+X方向)に駆動されるとともに、基板P1を保持した基板搬出ハンド170Aが+X方向へ駆動される。これにより、基板P1が基板ホルダ28A上から、ポート部150A(ビームユニット152)上へ移動する。このとき、ビームユニット152が有するビーム153それぞれの上面からは加圧気体が噴出されているので、基板P1は、基板ホルダ28A及びポート部150Aに対して非接触状態(浮上した状態)で基板ホルダ28Aから搬出される。また、一対の基板搬出ベアラ装置183Aそれぞれの保持パッド184bは、基板ホルダ28Aの切り欠き28b(図3(a)及び図3(c)参照)内に一部が収容されるように、−Z方向及び−X方向に駆動される。
また、図6(c)及び図7(a)〜図7(c)に示すように、基板搬入ハンド161Aが+X方向へ移動されることにより、保持パッド184aによって一部が保持された基板P2に対して基板搬入ハンド161AがX方向に関して相対移動される。そして、図7(c)に示すように、基板搬入ハンド161Aが、X方向に関して基板ホルダ28Aよりも+X側まで移動されることで、基板搬入ハンド161Aは、基板ホルダ28Aの上空(+Z側の空間)および基板P2の下方(−Z側の空間)から退避される。換言すると、基板搬入ハンド161Aは、基板ホルダ28Aよりも+X側へ移動されることにより、保持パッド184aにより一部が保持された基板P2と基板ホルダ28Aとの間の空間から退避される。基板搬入ハンド161Aは、基板ホルダ28Aよりも+X側へ移動する際、基板ホルダ28Aの上空、つまり、基板ホルダ28Aの上面よりもZ位置が高い位置を移動する。このように、基板P2と基板ホルダ28Aとの間の空間から基板搬入ハンド161Aが退避されることで、基板P2が基板搬入ハンド161Aから基板ホルダ28Aに受け渡される。すなわち、基板搬入ハンド161Aから基板ホルダ28Aへ基板P2が搬入される。基板P2のうち、基板搬入ハンド161Aと保持パッド184aとの間の領域が、基板ホルダ28Aにより保持される。
ここで、保持パッド184aは、基板P2の一部を吸着保持することにより、基板ホルダ28Aに対する基板P2の相対位置を、X方向およびY方向に関して、固定もしくは所定の微小な可動範囲内に制限している。この所定の可動範囲は、基板ホルダ28A(もしくは基板テーブル24)に対する保持パッド184aの駆動範囲により設定される。なお、保持パッド184aは、X方向およびY方向の少なくとも一方に関して、基板ホルダ28Aに対する基板P2の相対位置(相対的な可動範囲)を設定する機能を有していれば、必ずしも基板テーブル24(もしくは基板ホルダ28A)に設置されていなくてもよく、例えば、露光装置10Aの不図示のコラム等の構造体に設けられ、基板ホルダ28Aの上空から吊り下げられた構成としてもよい。なお、この場合は、保持パッド184aが基板P2の上面を保持するようにしてもよい。
上述のように、基板搬入ハンド161Aが、基板ホルダ28Aに対して+X方向、つまり基板ホルダ28Aの基板保持面に沿う方向、基板ホルダ28Aの基板保持面と平行な方向へ相対移動することにより基板P2の下方から退避するにつれて、基板P2の一部が−X側から順次に基板ホルダ28A上に載置されていく。その際、基板搬入ハンド161Aが保持する基板P2の面積が減少し、基板ホルダ28Aのホルダ基板保持面が支持する基板P2の面積が増加する。これにより、基板搬入ハンド161Aの−X側の先端部が基板ホルダ28Aよりも+X側に移動されるまでの期間(すなわち、基板ホルダ28Aと基板P2との間の空間から基板搬入ハンド161Aがすべて退避されるまでの期間)の少なくとも一部の期間において、基板搬入ハンド161Aと基板ホルダ28Aと保持パッド184aとは、それぞれ基板P2の互いに異なる部分を同時に支持(もしくは保持)することになる。換言すると、その少なくとも一部の期間において、基板P2のほぼ全面が基板搬入ハンド161A、基板ホルダ28Aおよび保持パッド184aによって支持される(基板P2の任意の部分が基板搬入ハンド161A、基板ホルダ28Aおよび保持パッド184aのいずれかによって支持される)ことになる。なお、基板搬入ハンド161Aと基板ホルダ28Aとによる基板P2の支持(もしくは保持)は、接触した状態に限らず、気体(エアギャップ)を介した非接触状態での支持(もしくは保持)であってもよい。
また、上述のように基板搬入ハンド161Aの−X側の先端部が基板ホルダ28Aよりも+X側に移動されるまでの期間に、基板搬入ハンド161Aによる基板P2の被支持部分のZ軸方向(基板ホルダ28Aのホルダ基板保持面と垂直な方向)に関する位置(Z位置)は、基板P2のうち保持パッド184aが保持している部分のZ位置よりも高くなっている。また、上述のように基板搬入ハンド161Aを基板P2と基板ホルダ28Aとの間の空間から+X方向へ退避させるにつれて、基板ホルダ28Aに支持された基板P2の被支持部分のZ軸方向の位置(Z位置)は次第に低下する。なお、基板P2の可撓性が低い(剛性を有し、撓み難い)場合には、基板搬入ハンド161Aを退避させるにつれて、基板P2が保持パッド184aに保持された部分を軸にθy方向に関して円運動をするように基板ホルダ28A上に着地するようになるが、この場合にも基板搬入ハンド161Aによる基板P2の被支持部分のZ位置は漸次に低下する。さらに、基板ホルダ28Aに支持された基板P2の被支持部分のX軸方向に関する位置(X位置)は、次第に+X方向へ移動される。
また、上述のように基板搬入ハンド161Aが基板P2の下方から退避するに伴い、基板P2が−X側から順々に基板ホルダ28A上に載置されていく際に、不図示の位置計測装置によって、基板ホルダ28Aに対する基板P2の位置が計測される。その計測結果に基づいて、一対の基板搬入ベアラ装置182Aそれぞれの保持パッド184aが、X軸方向およびY軸方向の少なくとも一方に駆動される。これにより、基板ホルダ28Aに対する基板P2のX軸方向位置、Y軸方向位置、及びθz方向の角度が調整される。θz方向の回転調整を行う場合は、それぞれの保持パッド184aを互いに異なる量だけ駆動すればよい。なお、不図示の位置計測装置は、例えば、ステージ装置20A(例えば、基板ホルダ28A、基板テーブル24)あるいは露光装置10Aが備える不図示のコラム等の構造体の少なくとも一方に配置するとよい。
基板搬入ハンド161Aから基板ホルダ28Aに受け渡された基板P2は、図8(a)に示すように、保持パッド184aにより吸着把持されている部分を除き、基板ホルダ28A上に載置される。なお、保持パッド184aをZ軸方向へ駆動し、基板P2を基板ホルダ28Aへ受け渡す動作を補助するようにしてもよい。このとき、基板ホルダ28Aからの加圧気体の給気(噴出)が空気抵抗となり、基板P2が直接基板ホルダ28Aに衝突されることを防ぐことができ、基板P2の破損を防ぐことができる。また基板ホルダ28Aからの加圧気体の給気(噴出)を行われなくとも、基板ホルダ28Aの上面と基板P2との間の空気が空気抵抗となり、上述の効果が得られる。その後、基板ホルダ28Aからの加圧気体の給気(噴出)を停止することで、基板P2は基板ホルダ28Aの上面TSに着地し、上面TSに接触した状態となる。これにより、基板ホルダ28Aに対する基板P2のX軸方向位置、Y軸方向位置、及びθz方向の角度が変化されなくなる。
また、ビームユニット152は、基板P1に対する加圧気体の噴出を停止する。基板搬出ハンド170Aは、基板P1の把持を解放する。
基板搬出ハンド170Aが基板P1の把持を解放した後、基板搬送部160Aが上昇駆動される。基板P1が載置されたビームユニット152は、外部搬送装置300に対する基板受け渡し位置へと移動される。
図8(b)に示すように、基板ホルダ28A上に基板P2が載置されると、保持パッド184aは基板P2の吸着把持を解除し、基板P2の下方から退避するよう−X方向へ移動する。これにより、基板P2のうち、保持パッド184aに保持されていた部分が、基板ホルダ28Aの上面に載置される。
外部搬送装置300のロボットハンドは、ビームユニット152よりも低いZ位置で−X方向に駆動され、ビームユニット152の下方に配置される。
その後、図8(c)に示すように、ステージ装置20Aは、基板ホルダ28Aにより基板P2を吸着保持したまま所定の露光開始位置へと移動する。基板P2に対する露光動作時のステージ装置20Aの動作については、説明を省略する。
一方、外部搬送装置300のロボットハンドは上昇移動され、ビームユニット152上の基板P1を下から掬い取る。露光済みの基板P1を保持した外部搬送装置300のロボットハンドは、+X方向へ移動され露光装置10A内から退出する。
その後、ポート部150Aでは、基板搬入ハンド161Aとの接触を避けるためにビームユニット152が−X方向へ移動され、基板搬入ハンド161Aが+X方向へ移動される。
露光済みの基板P1が、例えばコータ/デベロッパなどの外部装置(不図示)に受け渡された後、外部搬送装置300のロボットハンドは、基板P2の次に露光が行われる予定の基板P3を保持してポート部150Aに向けて移動される。
そして、図4(a)で説明したように、外部搬送装置300によって新しい基板P3がポート部150Aへ運ばれてくるまでに、基板搬入ハンド161Aの上面が、ビームユニット152の下面よりも下方に位置するように、基板搬送部160Aは降下移動(−Z方向に移動)される。このように、図4(a)〜図8(c)に示す動作を繰り返すことにより、複数の基板Pに対し、露光動作などを連続して行うことができる。
以上詳細に説明したように、基板P2は、基板搬入ハンド161Aのみに保持されていた状態から、基板搬入ハンド161Aと保持パッド184aとに保持された状態となる。そして、基板P2は、基板搬入ハンド161Aが基板ホルダ28Aに対して相対移動するにつれて、基板搬入ハンド161Aと基板搬入ベアラ装置182Aと基板ホルダ28Aとに保持される。そして、図7(c)に示すように、基板搬入ハンド161AのX軸方向位置が基板ホルダ28Aと重ならない位置まで基板搬入ハンド161Aが移動されると、基板P2は、基板搬入ベアラ装置182Aと基板ホルダ28Aとにより保持され、最後には、基板ホルダ28Aにのみ支持される。基板P2は、基板搬入ハンド161Aと基板ホルダ28Aと保持パッド184aとのいずれかにより保持された状態で、基板ホルダ28Aへ搬入される。
以上詳細に説明したように、基板ホルダ28Aから基板P1を搬出する動作と、基板ホルダ28Aへ基板P2を搬入する動作とを、少なくとも一部並行して行うことができ、基板ホルダ28Aに対する基板交換の時間を短くすることができる。また、基板ホルダ28Aへ基板P2を搬入する際に、基板搬入ハンド161Aは、基板ホルダ28Aの上空(+Z側の空間)を移動するため、その移動経路上に干渉するものがなく、すばやく基板搬入ハンド161Aを駆動させることができる。これにより、基板ホルダ28Aへ基板P2を搬入する動作を迅速に行えるため、基板交換時間を短くすることができる。また、基板搬入ハンド161Aを、基板ホルダ28Aの上空で+X側へ移動させる動作により、基板ホルダ28Aから基板P1を搬出しつつ、基板ホルダ28Aへ基板P2を搬入することができる。つまり、基板搬入時と基板搬出時とで共通の駆動系が用いられるため、基板搬入時と基板搬出時とにそれぞれ別の駆動系を設ける必要がなく、駆動系の数を減らすことができる。
以上詳細に説明したように、本第1実施形態によれば、基板P2を基板ホルダ28Aに搬送する基板搬送装置100Aにおいて、基板ホルダ28Aの上方で基板P2を保持する基板搬入ハンド161Aと、基板搬入ハンド161Aに保持された基板P2の一部を保持する基板搬入ベアラ装置182Aと、基板搬入ハンド161Aが基板ホルダ28Aの上方から退避されるように、基板ホルダ28A及び基板搬入ベアラ装置182Aと基板搬入ハンド161Aとの一方を他方に対して相対移動させるX軸駆動装置164と、を備え、基板ホルダ28Aと基板搬入ハンド161Aと基板搬入ベアラ装置182Aとは、X軸駆動装置164による相対移動中に基板P2を保持する。これにより、基板P2が−X側(ポート部150Aとは反対側)の端部から順に基板ホルダ28Aに載置されていくため、基板ホルダ28Aや基板P2に傷がつきにくく、接触による発塵が減少する。また、基板ホルダ28Aと基板P2との間に空気溜まりが発生しにくく、基板P2がしわになりにくい。また、基板P2が基板ホルダ28A上で移動してしまう事態を抑制できる。さらに、基板搬入ハンド161Aの退避状況(速度・位置)に応じて、基板P2の基板ホルダ28Aの載置をコントロール(例えば、途中で載置を停止させる)ことができる。そのため、基板搬入ハンド161Aから基板P2に対して摩擦を低減するために、加圧気体を噴出しなくてもよい。また、基板搬入ベアラ装置182Aを上下に駆動させる機構を省略することができる。
また、本第1実施形態によれば、基板P2を基板ホルダ28Aのホルダ基板保持面へ搬送する基板搬送装置100Aにおいて、ホルダ基板保持面の上方に設けられ、基板P2の一部とホルダ基板保持面との距離が基板P2の他部とホルダ基板保持面との距離よりも短い状態の基板P2を保持する基板搬入ハンド161Aと、基板搬入ハンド161Aに保持された基板P2の他部を保持する基板搬入ベアラ装置182Aと、基板搬入ハンド161Aが基板ホルダ28Aの上方から退避されるように、基板ホルダ28A及び基板搬入ベアラ装置182Aと基板搬入ハンド161Aとをホルダ基板保持面へ沿った方向へ相対移動させるX軸駆動装置164と、を備える。これにより、基板P2を−X側(ポート部150Aとは反対側)の端部から順に基板ホルダ28Aに載置していくことができるため、基板ホルダ28Aや基板P2に傷がつきにくく、接触による発塵が減少する。また、基板ホルダ28Aと基板P2との間に空気溜まりが発生しにくく、基板P2がしわになりにくい。また、基板P2が基板ホルダ28A上で移動してしまう事態を抑制できる。さらに、基板搬入ハンド161Aの退避状況(速度・位置)に応じて、基板P2の基板ホルダ28Aの載置をコントロール(例えば、途中で載置を停止させる)ことができる。そのため、基板搬入ハンド161Aから基板P2に対して摩擦を低減するために、加圧気体を噴出しなくてもよい。また、基板搬入ベアラ装置182Aを上下に移動させる機構を省略することができる。
また、本第1実施形態によれば、基板P2を保持可能な基板ホルダ28Aのホルダ基板保持面へ基板P2を搬送する基板搬送装置100Aにおいて、基板ホルダ28Aの上方で基板P2を保持する基板保持面を有する基板搬入ハンド161Aと、上下方向に関してホルダ基板保持面と基板保持面との間の位置で、基板搬入ハンド161Aに保持された基板P2の一部を保持する基板搬入ベアラ装置182Aと、基板搬入ハンド161Aが基板ホルダ28Aの上方から退避されるように、基板搬入ベアラ装置182Aが基板P2の一部を保持した状態で、基板ホルダ28A及び基板搬入ベアラ装置182Aと基板搬入ハンド161Aとを相対移動させるX軸駆動装置164と、を備える。これにより、基板P2を−X側(ポート部150Aとは反対側)の端部から順に基板ホルダ28Aに載置していくことができるため、基板ホルダ28Aや基板P2に傷がつきにくく、接触による発塵が減少する。また、基板ホルダ28Aと基板P2との間に空気溜まりが発生しにくく、基板P2がしわになりにくい。また、基板P2が基板ホルダ28A上で移動してしまう事態を抑制できる。さらに、基板搬入ハンド161Aの退避状況(速度・位置)に応じて、基板P2の基板ホルダ28Aの載置をコントロール(例えば、途中で載置を停止させる)ことができる。そのため、基板搬入ハンド161Aから基板P2に対して摩擦を低減するために、加圧気体を噴出しなくてもよい。また、基板搬入ベアラ装置182Aを上下に移動させる機構を省略することができる。
また、本第1実施形態によれば、基板P2を基板ホルダ28Aのホルダ基板保持面に搬送する基板搬送装置100Aにおいて、基板ホルダ28Aの上方で基板P2を保持する基板搬入ハンド161Aと、基板搬入ハンド161Aに保持された基板P2の一部を保持する基板搬入ベアラ装置182Aと、基板搬入ハンド161Aが基板ホルダ28Aの上方から退避されるように、基板ホルダ28A及び基板搬入ベアラ装置182Aと基板搬入ハンド161Aとを、ホルダ基板保持面に沿う所定方向へ相対移動させるX軸駆動装置164と、を備え、基板搬入ハンド161Aは、X軸駆動装置164による相対移動中に、基板P2のうち基板搬入ハンド161Aに保持された領域の上下方向の位置が基板ホルダ28Aに近づくよう、基板P2を保持する。これにより、基板P2を−X側(ポート部150Aとは反対側)の端部から順に基板ホルダ28Aに載置していくことができるため、基板ホルダ28Aや基板P2に傷がつきにくく、接触による発塵が減少する。また、基板ホルダ28Aと基板P2との間に空気溜まりが発生しにくく、基板P2がしわになりにくい。また、基板P2が基板ホルダ28A上で移動してしまう事態を抑制できる。さらに、基板搬入ハンド161Aの退避状況(速度・位置)に応じて、基板P2の基板ホルダ28Aの載置をコントロール(例えば、途中で載置を停止させる)ことができる。そのため、基板搬入ハンド161Aから基板P2に対して摩擦を低減するために、加圧気体を噴出しなくてもよい。また、基板搬入ベアラ装置182Aを上下に移動させる機構を省略することができる。
また本第1実施形態において、基板搬入ハンド161Aの基板保持面は、ホルダ基板保持面に対して傾斜して設けられる。これにより、基板搬入ハンド161Aが基板P2と基板ホルダ28Aとの間から退避する場合、基板搬入ハンド161Aは傾斜した基板P2の下面から離れる方向(基板P2の下面の接線方向とは異なる方向)に退避するため、接触摩耗を低減することができる。
また、本第1実施形態において、X軸駆動装置164は、基板ホルダ28Aが基板P2を保持する保持面に沿った方向へ、基板ホルダ28A及び基板搬入ベアラ装置182Aと基板搬入ハンド161Aとの一方を他方に対して相対移動させる。これにより、基板搬入ハンド161Aは傾斜した基板P2の下面から離れる方向(基板P2の下面の接線方向とは異なる方向)に退避するため、接触摩耗を低減することができる。
また、本第1実施形態において、X軸駆動装置164は、基板搬入ハンド161Aを基板ホルダ28Aのホルダ基板保持面と平行な方向に移動する。これにより、基板搬入ハンド161Aは傾斜した基板P2の下面から離れる方向(基板P2の下面の接線方向とは異なる水平方向)に退避するため、接触摩耗を低減することができる。
(第1変形例)
第1変形例は、基板搬送装置の構成を変更した例である。具体的には、第1変形例に係る露光装置10Bの基板搬送装置100Bは、基板搬入ハンド161Aの上面が基板ホルダ28Aのホルダ基板保持面と平行な状態と、基板搬入ハンド161Aの上面が基板ホルダ28Aのホルダ基板保持面に対して傾斜した状態とを切り替える駆動系を備えている。
第1変形例に係る基板搬送装置100Bを用いた、基板ホルダ28A上の基板Pの交換動作について、図9(a)〜図9(c)を用いて説明する。
なお、図9(a)の状態は、第1実施形態における図5(a)の後、ステージ装置20Aがポート部150Aとの基板受け渡し位置に配置された状態を示している。
図9(a)に示すように、基板搬入ハンド161A上に基板P2が載置されている。このとき、基板搬入ハンド161Aの上面は、基板ホルダ28Aのホルダ基板保持面と平行な状態となっている。
その後、図9(b)に示すように、基板搬入ハンド161Aの上面を基板ホルダ28Aのホルダ基板保持面と略平行に保ったまま、基板P2を下方から支持した基板搬入ハンド161Aが、−X方向に駆動される。なお、ステージ装置20A、基板搬入ベアラ装置182A、基板搬出ベアラ装置183A、及びオフセットビーム185aの各動作は、図5(c)で説明した動作と同様であるため、説明を省略する。
その後、基板P2を下方から支持した基板搬入ハンド161Aは、基板ホルダ28Aの上空における所定位置に配置される。
そして、図9(c)に示すように、基板搬入ハンド161Aは上昇駆動されながら、その先端が下方に傾くよう駆動される。つまり、基板搬入ハンド161Aは、基板搬入ハンド161Aの上面が基板ホルダ28Aのホルダ基板保持面に対して傾斜した状態となるよう駆動される。これにより、基板P2の先端が、基板搬入ベアラ装置182Aの保持パッド184aに接触する。保持パッド184aは、該基板P2の−X側の端部近傍を吸着保持する。なお、基板搬入ハンド161Aは、その先端が下方に傾くよう駆動されたとしても、その先端が基板ホルダ28Aの上面と接触する恐れがないZ位置で、基板ホルダ28Aのホルダ基板保持面と平行に保ったまま−X方向に移動するようにしてもよい。
以降の動作は、第1実施形態とほぼ同様であるため、説明を省略する。
第1変形例によれば、ポート部150Aと基板搬入ハンド161Aとの基板P2の受け渡し時に、ポート部150Aの基板載置面と基板搬入ハンド161Aの上面とが平行の状態で基板P2を一方から他方へ受け渡すことができるため、基板受け渡し時における基板P2の破損の可能性を少なくすることができる。
また、基板P2を下方から支持した基板搬入ハンド161Aが、−X方向に移動される際に、ポート部150A及び基板ホルダ28Aと基板搬入ハンド161AとのZ方向の距離を長くすることができる。その結果、基板搬入ハンド161Aが−X方向へ移動されているときに、ポート部150A及び/又は基板ホルダ28Aと基板搬入ハンド161Aとが接触する恐れが低くなる。
なお、基板搬入ハンド161Aの上面と基板ホルダ28Aのホルダ基板保持面との傾斜角度を徐々に変更させながら、基板搬入ハンド161Aを、基板ホルダ28Aに対して、+X方向へ相対移動させてもよい。
第1変形例のように、基板搬入ハンド161Aを傾けることにより、基板搬入ハンド161Aの基板保持面が基板ホルダ28Aのホルダ基板保持面に対して傾斜するようにしてもよい。
(第2変形例)
第2変形例は、基板搬入ハンドの指部の形状を変えた例である。図10(a)は第2変形例に係る基板搬入ハンド161Cの斜視図であり、図10(b)は第2変形例に係る基板搬入ハンド161Cの側面図である。
図10(a)及び図10(b)に示すように、第2変形例に係る基板搬入ハンド161Cにおいて、指部162Cは、+X側端部が厚く−X側端部に近づくほど薄くなるXZ断面三角形状を有する。
なお、基板ホルダ28A上の基板の交換動作については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
第2変形例のように、基板搬入ハンドの指部の形状を+X側端部が厚く−X側端部に近づくほど薄くなるXZ断面三角形状としてもよい。これにより、基板搬入ハンドの指部の剛性が向上することで、基板搬入ハンド161Cを移動させるときに基板搬入ハンド161Cがふらつくことと、またそのふらつきによって基板搬入ハンド161Cと基板ホルダ28Aとが接触する恐れとを低減することができる。また、第1変形例のような基板搬入ハンド161Aを基板ホルダ28Aに対して傾斜させる(図9(c)参照)駆動機構を省略することができる。
(第3変形例)
第1実施形態では、基板搬入ハンドが基板ホルダ28A上空の所定位置まで移動された後、降下移動されることによって基板P2の先端を、基板搬入ベアラ装置182Aの保持パッド184aに接触させていた。第3変形例では、基板搬出ハンド170Aを用いて、基板P2の先端を、基板搬入ベアラ装置182Aの保持パッド184aに接触させる。
第3変形例に係る基板搬送装置100Dを用いた、基板ホルダ28A上の基板Pの交換動作について、図11(a)及び図11(b)を用いて説明する。なお、図11(a)は第1実施形態の図6(a)の状態と対応し、図11(b)は第1実施形態の図6(b)の状態と対応する。
図11(a)及び図11(b)に示すように、第3変形例に係る基板搬送装置100Dにおいて、基板搬送部160Dは、第2変形例に係る基板搬入ハンド161Cと、基板搬出ハンド170Aと、を備える。
図11(a)に示すように、第3変形例では、基板搬入ハンド161Cのステージ装置20Aとの基板受け渡し位置が、図6(a)における基板搬入ハンド161Aの基板受け渡し位置よりも+X側の位置となっている。
そして、基板搬入ハンド161Cが基板受け渡し位置に到達すると、基板P2の下面を吸着把持した基板搬出ハンド170Aは、図11(b)に示すように、腕を伸ばすように駆動される。これにより、基板P2が基板搬入ハンド161Cに沿って滑り下り、基板P2の先端が、基板搬入ベアラ装置182Aの保持パッド184aに接触する。
なお、このとき、基板搬入ハンド161Cの指部162Cの上面に取り付けられている支持パッド164Dは、基板の動きをスムーズにするために、指部162Cの延伸方向に延びる棒状であることが好ましい。また、基板P2を滑らせるときに、支持パッド164Dから加圧気体を噴出するようにしてもよい。
なお、基板搬送部160Dは、基板搬出ハンド170Aを複数備えるようにしてもよい。複数の基板搬出ハンド170Aのうちその一部により、基板P2の先端を保持パッド184aに接触させつつ、残りの基板搬出ハンド170Aにより、基板ホルダ28A上の露光済み基板P1を保持するようにしてもよい。これにより、基板P2の先端が保持パッド184aに保持され、残りの基板搬出ハンド170Aにより露光済み基板P1が保持されると、基板搬入ハンド161Cを+X方向に移動させ 、基板搬入動作と基板搬出動作とを並列して行うことができる。
第3変形例によれば、基板搬送部160D全体を動かすのではなく、基板搬出ハンド170Aにより基板P2のみを降下させるので、基板搬送部160D全体を動かすよりも位置決めを容易かつ正確に行うことができる。また、基板搬送部160DのX軸方向のストロークを短縮することができる。また、基板P2は重力の作用により撓むため、基板搬入ハンド161CのX軸方向の移動距離を基板搬入ハンド161Cの勾配による基板P2の水平移動成分よりも短くしても、基板P2の先端を基板搬入ベアラ装置182Aの保持パッド184aに接近させることができる。
なお、図11(a)及び図11(b)の説明では、第2変形例に係る基板搬入ハンド161Cを用いているが、第1実施形態に係る基板搬入ハンド161Aを用いてもよい。
(第4変形例)
第4変形例は、基板搬入ハンドの構成を変えた例である。図12(a)は、第4変形例に係る基板搬入ハンド161Eの上面図、図12(b)は図12(a)のA−A断面図である。
図12(a)に示すように、基板搬入ハンド161Eは、複数の指部162Eのうち、Y軸方向の両端の指部162E1がベルト部166を備える。図12(b)に示すように、ベルト部166は、ベルト166aと、一対のプーリ166bとを備える。ベルト166aは基板P2の裏面と接触するように、その上面が指部162E1に設置された支持パッド164Eの上面と略同一面を形成するように、指部162E1の上面とほぼ平行に配置されている。ベルト166aは、滑り難い摩擦係数の大きな材料からなり、例えばステンレス鋼にウレタンコーティングしたものやシリコン、ゴム、又は軟質PVC(ポリ塩化ビニル)などから選ばれる。
図13(a)及び図13(b)は、基板搬入ハンド161Eを用いた基板P2の基板ホルダ28Aへの搬入動作を示す図である。
図13(a)に示すように、基板P2の先端を、基板搬入ベアラ装置182Aの保持パッド184aに接触させた後、保持パッド184aが基板P2の先端を保持した状態で、基板搬入ハンド161Eを基板ホルダ28Aに対して+X方向に相対移動させる。すると、ベルト166aが摩擦係数の大きな材料からできているため、図13(b)に示すように、基板P2と接触しているベルト166aは基板P2の基板搬入ハンド161Eに対する相対移動と共に一対のプーリ166bによって循環移動する。これにより、ベルト166aは、基板P2のY軸方向位置を拘束した状態のまま基板搬入ハンド161E上を斜めに降下する。したがって、基板P2は、基板P2全体が基板搬入ハンド161Eから離れる直前まで、ベルト166aにより拘束された状態で、基板ホルダ28Aに搬入される。
第1実施形態及び第1〜第3変形例では、基板P2の−X側端部を基板搬入ベアラ装置182Aの保持パッド184aが保持した状態で、基板搬入ハンドを+X方向に移動(退避)させる(例えば、図6(c)等)。このとき、基板P2の−X側端部以外の部分は、基板ホルダ28Aに支持されるまで、Y軸方向の動きが拘束されていない状態にある。
一方、第4変形例では、基板P2の−X側端部を保持パッド184aが保持した状態で、基板搬入ハンド161Eを+X方向に移動している間、+X側端部を基板搬入ハンド161Eで把持してY軸方向の動きを拘束したまま、基板P2を基板ホルダ28Aに載置する。したがって、第4変形例によれば、基板P2全体が基板搬入ハンド161Eから離れる直前まで基板P2を拘束しておくことができるため、基板P2の載置ずれを防ぐことができる。
なお、ベルト部166はモータ等によって送りを制御するようにしてもよい。この場合、基板搬入ハンド161Eを後退させるタイミングと同期してベルト166aを送り出すようにすればよい。また、この場合、ベルト166aはエンドレスベルトでなくてもよい。また、両端の指部162E1が備える各ベルト166aをそれぞれ独立に移動すれば、基板搬入ハンド161E上で、基板ホルダ28Aに対する基板P2の相対位置調整(アライメント)を行うことができる。
(第5変形例)
第5変形例は、基板搬入ハンドの指部の構成を変更するものである。図14(a)及び図14(b)は、第5変形例に係る基板搬入ハンド161Fを概略的に示す断面図である。
図14(a)に示すように、基板搬入ハンド161Fの指部162Fは、第1指部162F1と、第2指部162F2とを有する。第1指部162F1は中空となっており、内部に第2指部162F2を移動するためのワイヤロープ169Aが配置されている。第2指部162F2は、ピン169B等を介してY軸まわりに回転可能に第1指部162F1に連結されている。また、第2指部162F2には、ワイヤロープ169Aが接続されている。不図示の駆動装置によってワイヤロープ169Aを移動することにより、第2指部162F2は、ピン169Bを支点としてY軸まわりに回転する。これにより、第2指部162F2に保持された基板P2の一部の領域のみを、基板ホルダ28Aのホルダ基板保持面に対して傾斜させることができる。
その他の構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
なお、基板搬入ハンド161Fは、ワイヤロープ169Aによる駆動機構を有さず、第2指部162F2が第1指部162F1に対して常に傾斜していてもよい。
第5変形例によれば、第1変形例のような基板搬入ハンド161Aを傾斜させる(図9(c)参照)駆動機構を省略することができる。また、第2指部162F2の先端部を薄くすることができる。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態に係る露光装置ついて、図15(a)〜図25(b)を用いて説明する。第2実施形態に係る露光装置10Gの構成は、基板搬送装置の一部の構成及び動作が異なる点を除き、上記第1実施形態と同じであるので、以下、相違点についてのみ説明し、上記第1実施形態と同じ構成及び機能を有する要素については、上記第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
図15(a)及び図15(b)はそれぞれ、第2実施形態に係る露光装置10Gの上面図及び側面図である。また、図16(a)及び図16(b)は、第2実施形態に係る基板搬入ハンド161Gの斜視図である。
(ステージ装置20G)
上記第1実施形態では、基板ホルダ28Aは、基板搬出ベアラ装置183Aの保持パッド184bを収納する切り欠き28bを備えていた(図3(a)及び図3(c)参照)。第2実施形態に係る基板ホルダ28Gは、図15(a)に示すように、切り欠き28bに加え、基板搬入ベアラ装置182Gの保持パッド184aを収納する切り欠き28aを備える。
(基板搬送装置100G)
第2実施形態に係る基板搬送装置100Gにおいて、ビームユニット152が備える複数のビーム153それぞれは、Z軸方向に延びる複数(例えば2本)の棒状の脚154によって、X軸方向の両端部よりも内側の位置で下方から支持されている。各ビーム153を支持する複数の脚154は、それぞれ下端部近傍がベース板156により連結されている。基板搬送装置100Gでは、ベース板156が不図示のXアクチュエータによりX軸方向へ所定のストロークで移動されることにより、ビームユニット152が一体的にX軸方向に所定のストロークで移動するようになっている。また、ベース板156がZアクチュエータ158によりZ軸方向へ移動されることにより、ビームユニット152が一体的にZ軸方向に上下動可能となっている。なお、図15(a)及び以降の上面図においては、ベース板156の図示を省略している。
第2実施形態に係る基板搬送部160Gにおいて、図15(a)に示すように、基板搬入ハンド161Gは、複数(本実施形態では、例えば8本)の指部162Gを有している。複数の指部162Gは、−X側の端部近傍が連結部材163Gにより互いに連結されている。連結部材163Gは、基板搬入ハンド161Gに保持された基板Pの裏面へ気体を供給(給気)することによって基板Pを浮上支持させることができる構成になっている。これに対し、複数の指部162Gの+X側の端部は、自由端となっており、隣接する指部162G間は、ポート部150G側に開いている。また、各指部162Gは、図15(a)に示すように、平面視においてビームユニット152が有する複数のビームとY軸方向における位置が重ならないような配置になっている。
図16(a)及び図16(b)に示すように、複数の指部162Gのうち、Y軸方向の両端の指部162G1は、側面視において−X側(基板ホルダ28G側)の厚みが薄く、+X側(ポート部150G側)が厚くなる三角形状を有する。一方、内側の指部162G2は、ポート部側の厚みが、両端の指部162G1よりも薄くなっている。
また、図16(a)及び図16(b)両端の指部162G1には、基板搬入ハンド161Gのアーム168が取り付けられている。図15(a)に示すように、アーム168の両端部は、X軸駆動装置164に連結されている。
基板搬入ハンド161Gは、図15(a)及び図15(b)に示すように、Y軸方向の両端の指部162G1に設けられた一対の基板ピックハンド167Gを有している。基板ピックハンド167Gは不図示の駆動装置によって、X軸方向及びZ軸方向に所定のストロークで移動可能となっている。
また、基板ピックハンド167Gは、不図示のバキューム装置から供給される真空吸引力により、基板Pの下面を吸着保持することができるようになっている。
(搬送装置180G)
基板搬入ベアラ装置182Gは、Xアクチュエータ186xを省略している点が、第1実施形態の基板搬入ベアラ装置182Aと異なる。図15(b)に示すように、基板搬入ベアラ装置182Gの保持パッド184aは、Zアクチュエータ186zにより切り欠き28a内で移動されることにより、基板Pの下面に接触する位置と、基板Pの下面から離間する位置との間で移動可能となっている。また、保持パッド184aは、Zアクチュエータ186zによって、切り欠き28a内に一部が収容された位置と、基板ホルダ28Gの上面よりも高い位置との間で移動が可能になっている。
(基板交換動作)
以下、第2実施形態に係る露光装置10Gにおける、基板ホルダ28G上の基板Pの交換動作について、図17(a)〜図24(b)を用いて説明する。
図17(a)及び図17(b)に示すように、ステージ装置20Gが露光処理を行っている間、外部搬送装置300が−Z方向に移動されてビームユニット152に基板P2を載置する。その後、外部搬送装置300は、+X方向に移動され露光装置内から退出する。
基板搬入ハンド161Gは、+X方向に駆動され、ビームユニット152の下に−X側(基板ホルダ28G側)から進入する。
その後、図18(a)及び図18(b)に示すように、露光処理を終えたステージ装置20Gは、基板搬送部160Gとの基板受け渡し位置へと移動する。
ビームユニット152は、Zアクチュエータ158により、基板P2を保持したまま降下駆動(−Z方向に駆動)される。このとき、基板搬入ハンド161Gの基板ピックハンド167Gにビームユニット152上の基板P2の一部が接触する。基板ピックハンド167Gは、基板P2の下面を吸着把持する。
その後、図19(a)及び図19(b)に示すようにステージ装置20Gでは、基板ホルダ28G上の基板P1を、基板搬出ベアラ装置183Aによって+X方向にオフセットする。このとき、基板ホルダ28G及びオフセットビーム185aは、基板Pが浮上された状態で移動されるよう、基板P1の裏面に気体を供給(給気)する。
ビームユニット152の各ビーム153からは加圧気体が噴出される。また、ビームユニット152は、徐々に降下を続ける。
基板搬入ハンド161Gは、ビームユニット152上の基板P2を基板ピックハンド167Gで吸着把持したまま、−X方向に徐々に移動される。基板P2は、基板搬入ハンド161Gの−X方向の移動に伴い−X方向に移動する。
その後、図20(a)及び図20(b)に示すように、基板搬入ハンド161Gは、指部162Gの股部とビームユニット152とが平面視において重ならないX位置まで−X方向に移動される。
ビームユニット152は、基板搬入ハンド161Gの下方まで降下移動され、新しい基板P2を完全に基板搬入ハンド161Gに受け渡す。このとき、基板搬入ハンド161G上において、一対の基板ピックハンド167Gによって基板搬入ハンド161Gに対する基板P2の相対位置の調整を行ってもよい。
その後、図21(a)及び図21(b)に示すように、基板搬入ハンド161Gは、基板P2を保持したまま−X方向に移動され、基板ホルダ28Gの上空における所定位置に配置させる。
ステージ装置20Gでは、基板搬入ベアラ装置182Gの保持パッド184aがZアクチュエータ186zにより上昇駆動される。基板搬入ハンド161Gは基板ピックハンド167Gにより、基板P2を斜め下に押し出す。これにより、基板P2の−X側の端部が保持パッド184aに接触する。これにより、保持パッド184aは、基板ホルダ28Gの上方で待機している基板搬入ハンド161G上の基板P2に下方から接触し、該基板P2の−X側の端部近傍を吸着保持する。なお、このタイミングで、基板ピックハンド167Gは、基板ホルダ28Gに対する基板P2の位置調整を行ってもよい。
また、保持パッド184aによる基板P2の吸着保持動作と並行して、基板搬出ハンド170Aが移動され、基板P1のうち、基板ホルダ28Gから+X側にオフセットされた部分の下面を吸着把持する。
ビームユニット152は、−X方向及び−Z方向に移動され、基板ホルダ28Gとの基板受け渡し位置で停止する。またビームユニット152の各ビーム153から、加圧気体を噴出させる。これにより、ビームユニット152は、基板ホルダ28Gから搬出される基板P1を支持するガイドとなる。
その後、基板搬入ハンド161Gの基板ピックハンド167Gによる基板P2の把持を解放し、図22(a)及び図22(b)に示すように、基板搬入ベアラ装置182Gの保持パッド184aが、基板P2の−X側端部を吸着把持した状態で、基板搬送部160Gが搬出方向(+X側)に駆動される。基板搬送部160Gが搬出方向(+X側)に駆動されると、基板P1を保持した基板搬出ハンド170Aも+X方向へ駆動される。
これにより、基板P1が基板ホルダ28G上から、ポート部150G(ビームユニット152)上へ移動する。このとき、ビームユニット152の上面からは加圧気体が噴出されているので、基板P1が基板ホルダ28G、及びポート部150G上を、非接触状態(基板搬出ハンド170Aにより保持されている部分を除く)で浮上搬送される。
その後、図23(a)及び図23(b)に示すように、基板搬出ハンド170Aは基板P1の把持を解放して、基板搬入ハンド161Gと共に−X方向へ移動される。ポート部150Gは、ビームユニット152上に基板P2を保持したまま+X方向へ移動される。
ステージ装置20Gでは、基板搬入ベアラ装置182Gが基板ホルダ28Gに対する基板P2の位置調整を行った後、Zアクチュエータ186zにより−Z方向に移動され、その一部が切り欠き28a内に収容される。これにより、基板P2が基板ホルダ28Gのホルダ基板保持面に吸着する。なお、ここで述べた基板P2の位置調整(アライメント)は、省略することができ、必要に応じて実施するように制御してもよい。
その後、図24(a)及び図24(b)に示すように、基板搬入ハンド161Gが基板P1に干渉しない位置まで移動すると、ビームユニット152は+Z方向に移動され、外部搬送装置300との基板受け渡し位置まで移動する。
外部搬送装置300はビームユニット152上の基板P1を回収した後、新たな基板P3をポート部150Aに搬送する。
以上、詳細に説明したように、第2実施形態によれば、基板搬入ハンド161Gの、隣接する指部162G間は、ポート部150G側が開いている。これにより、基板搬入ハンド161Gは、基板ホルダ28G側から直接ビームユニット152の下方に入り込み、ビームユニット152の上方へと駆動されることにより、ビームユニット152上の基板P2を掬い取って、基板ホルダ28G側に移動することができる。そのため、ビームユニット152上に基板P2が載置されている状態でも、基板搬入ハンド161Gは、X軸方向において短い移動距離で基板P2の下方に入り込むことができる。つまり、基板搬入ハンド161Gは、ポート部150Gの+X側の位置まで移動しなくとも、ビームユニット152上の基板P2を受け取ることができる。また、基板搬入ハンド161Gは、露光済み基板P1を、ポート部150Gの+X側の位置まで移動しなくとも、ビームユニット152上へ受け渡すことができる。つまり、外部搬送装置300とポート部150Gと基板搬入ハンド161Gと基板ホルダ28GとのX方向に関する位置関係を変えずに、基板P2の搬入および基板P1の搬出の一連の動作を行うことができる。さらに、基板搬入ハンド161Gがポート部150Gの+X側の位置まで移動する空間を設けるようにチャンバを設置する必要がないため、露光装置のフットプリント、つまり露光装置10Gの設置面積を小さくすることができる。また、露光装置内で不具合が発生した場合や、初期設定等の作業を行う場合等において、外部搬送装置300がなくても、ポート部150G(ビームユニット152)まで搬出した基板Pを再度基板搬入ハンド161Gに受け渡して、基板ホルダ28Gに搬入することができる。
また、本第2実施形態によれば、基板搬入ハンド161Gの複数の指部162Gは、−X側(基板ホルダ28G側)の端部近傍が連結部材163Gにより互いに連結されている。これにより、第2実施形態に係る基板搬入ハンド161Gは、基板搬入ハンド161Aと比較して基板P2を基板ホルダ28G上に歪みなく設置することができる。
具体的には、図25(a)に示すように、第1実施形態に係る基板搬入ハンド161Aにおいては、−X側において指部162Aの間が開いている。そのため、基板ホルダ28Aに設置する直前の基板P2の−X側の縁は、図25(a)に示すように指部162Aにより支持されている領域と支持されていない領域とがあるため微小量ではあるが波打っており、基板P2を基板ホルダ28Aに歪みなく設置するのが難しい場合がある。一方、図16(a)及び図16(b)に示すように、第2実施形態に係る基板搬入ハンド161Gは、−X側において隣接する指部162Gの間が開いておらず連続しており、基板P2の−X側の端を面で支持することができる。これにより、図25(b)に示すように、基板ホルダ28Gに設置する直前の基板P2の−X側の縁は、波打ちづらくなる。そのため、第2実施形態に係る基板搬入ハンド161Gは、基板搬入ハンド161Aと比較して基板P2を基板ホルダ28G上に歪みなく設置することができる。
また、本第2実施形態によれば、基板搬送部160G(基板搬入ハンド161G)とステージ装置20G(基板ホルダ28G)とを逆方向に移動することによって、基板搬入ハンド161Gを基板P2と基板ホルダ28Gとの間から退避させる。これにより、基板P2の基板ホルダ28Gへの搬入時間を短縮することができる。
また、本第2実施形態によれば、基板搬入ハンド161Gの指部162Gにおいて、両端の指部162G1以外の内側の指部162G2は、ポート部側の厚みが、両端の指部162G1よりも薄くなっている(例えば、図16(b)参照)。これにより、基板搬入ハンド161Gの重量を軽くすることができる。
また、本第2実施形態によれば、基板搬入ハンド161Gのアーム168は、両端の指部162G1に取り付けられているので、基板搬入ハンド161Gは基板P2の中央部を支持することができ、基板搬入ハンド161Gを小さくすることができる。さらに、基板搬入ハンド161Gのアーム168は、両端の指部162G1に取り付けられているので、基板搬入ハンド161G全体の重心を支持するため、基板搬入ハンド161Gが撓むのを抑制できる。
(第1変形例)
上記第2実施形態では、外部搬送装置300とポート部150Gのビームユニット152との間で基板を受け渡すZ位置(パスライン)は、基板ホルダ28Gの上面よりも高い位置に設定されていたが、当該パスラインの高さは自由に設定できる(制限がない)。
図26(a)及び図26(b)は、第1変形例における基板交換動作について説明するための図である。
図26(a)及び図26(b)に示すように、外部搬送装置300は、基板ホルダ28Gの上面TSよりも低い位置で停止したビームユニット152上に基板P2を載置する。
その後、上記第2実施形態の図17(a)及び図17(b)に示すように、ビームユニット152が基板搬入ハンド161Gの最高部よりも高い位置まで上昇すれば、基板搬入ハンド161Gを上下に移動する駆動装置がない場合でも、基板P2を基板搬入ハンド161Gに受け渡すことができる。これにより、例えば、露光装置内で不具合が発生した場合や、初期設定等の作業を行う場合等において、外部搬送装置300がなくても、ポート部150G(ビームユニット152)まで搬出した基板を再度基板搬入ハンド161Gに受け渡して、基板ホルダ28Gに搬入することができる。
(第2変形例)
第2変形例は、基板搬送装置の構成を変えた例である。
第2変形例に係る基板搬送装置100Iにおいて、基板搬送部160Iは、基板搬入ハンド161IをY軸周りに回転移動させる駆動系を備えている。すなわち、基板搬入ハンド161Iは、駆動系により基板保持面をY軸周りに傾けることが可能となっている。
また、第2変形例では、図27(a)に示すように、基板搬入ハンド161Iが備える基板ピックハンド167Iのストロークが、第2実施形態の基板ピックハンド167Gよりも長くなっている。なお、第2変形例では、図27(a)に示すように、基板搬入ハンド161Iの−X側端部から指部162Iの付け根までの距離、すなわち、連結部材163IのX軸方向における幅が、第2実施形態の連結部材163Gよりも長くなっている。
第2変形例に係る基板搬送装置100Iを用いた基板交換動作について、図27(a)〜図30(b)を用いて説明する。なお、図27(a)及び図27(b)の状態は、第2実施形態における図17(a)及び図17(b)の状態にそれぞれ対応する。
図27(a)及び図27(b)に示すように、ステージ装置20Gが露光処理を行っている間、外部搬送装置300は−Z方向に移動されてビームユニット152上に新しい基板P2を載置し、その後、+X方向に移動され露光装置10I内から退出する。
基板搬入ハンド161Iは、+X方向に移動され、ビームユニット152の下に−X側(基板ホルダ28G側)から進入する。そして、基板搬入ハンド161Iの指部162Iの股部がビームユニット152の−X側端部と平面視において重複しない位置で停止される。
その後、図28(a)及び図28(b)に示すように、露光処理を終えたステージ装置20Gは、ポート部150Gとの基板受け渡し位置へと移動する。
基板搬入ハンド161Iは、基板搬入ハンド161Iの基板保持面がビームユニット152上の基板P2と略平行となるように、Y軸周りに回転駆動される。ビームユニット152は、基板P2を保持したまま降下移動(−Z方向に移動)され、基板搬入ハンド161Iの基板ピックハンド167Iにビームユニット152上の基板P2の一部が接触する位置で停止する。基板ピックハンド167Iは、基板P2の裏面を吸着把持する。
その後、図29(a)及び図29(b)に示すように、ステージ装置20Gでは、基板ホルダ28G上の基板P1を、基板搬出ベアラ装置183Aによって+X方向にオフセットする。
基板搬入ハンド161Iの基板ピックハンド167Iは、ビームユニット152上の基板P2を把持したまま−X方向に移動される。これにより、基板P2は、基板搬入ハンド161Iとビームユニット152とに保持された状態で、基板搬入ハンド161I上へ移動される。このとき、ビームユニット152上、及び、基板搬出ハンド161I上から加圧気体が噴出される。基板ピックハンド167Iが、基板P2を吸着保持しているため、基板P2が、ビームユニット152上や基板搬出ハンド161I上から、落下する恐れがない。基板P2は、基板搬入ハンド161Iとビームユニット152とに保持されているため、基板搬入ハンド161Iがビームユニット152に対して+Z方向へ移動してビームユニット152から基板P2が基板搬入ハンド161Iに載置されるよりも、基板P2への負荷が少ない。よって、基板搬入ハンド161Iとビームユニット152間の基板P2の受け渡し時に、基板P2が破損する恐れを少なくすることができる。
その後、図30(a)及び図30(b)に示すように、ビームユニット152は基板搬入ハンド161Iの下方まで降下駆動され、基板P2を完全に基板搬入ハンド161Iに受け渡す。基板P2が基板搬入ハンド161Iに載置されると、基板搬入ハンド161IはY軸周りに回転駆動され、基板搬入ハンド161Iの基板保持面が、基板ホルダ28Gのホルダ基板保持面よりに対して傾斜された状態(図27(b)の状態)となる。
以後の動作は、第2実施形態と同様であるため説明を省略する。
第2変形例によれば、基板搬入ハンド161Iの基板保持面がビームユニット152上の基板P2と略平行となるように、基板搬入ハンド161IをY軸周りに回転駆動した後、ビームユニット152条の基板P2を基板搬入ハンド161Iに受け渡す。これにより、基板P2を撓ませることなく確実に基板搬入ハンド161Iに受け渡すことができる。
また、第2変形例によれば、連結部材163IのX軸方向の幅が広い。これにより、基板搬入ハンド161Iの指部162Iの長さを短くし、基板搬入ハンド161I全体の剛性を上げることができる。
(第3変形例)
第2変形例では、ビームユニット152から基板搬入ハンド161Iへの基板P2への移動を、基板搬入ハンド161Iを傾けることによって行なったが、第3変形例では、ビームユニット152を傾けることによって行う。
図31(a)に示すように、第3変形例に係る基板搬送装置100Jにおいて、ポート部150Jは、上端がビームユニット152のビーム153に接続された脚154a及び154bを備える。また、ポート部150Jは、脚154a及び脚154bを独立してZ軸方向に伸縮可能なZアクチュエータ158a及び158bを備えている。当該Zアクチュエータ158a及び158bが、脚154a及び154bの伸縮量を変更することにより、ビームユニット152の上面の傾きを変更することができる。なお、図31(a)においては、両端の指部162I1と内側の指部162I2との間に配置されているビームユニット152を図示している。
次に、ビームユニット152から基板搬入ハンド161Iへの基板P2の受け渡しについて説明する。
図31(a)は、外部搬送装置300によって、基板P2がビームユニット152上に設置された状態を示している。このとき、基板搬入ハンド161Iは、ビームユニット152の−X側から+X方向に移動され、平面視において指部162Gの股部がビームユニット152の−X側端部と平面視で重ならない位置で停止される。
次に、図31(b)に示すように、Zアクチュエータ158a及び158bにより、脚154a及び154bの伸縮量を変えて、ビームユニット152の上面が基板搬入ハンド161Iの基板保持面と略同一面を形成するよう、ビームユニット152を傾斜させる。
次に、ビームユニット152によって保持されていた基板P2は、ビームユニット152の降下と共に基板ピックハンド167Iによって把持され、基板ピックハンド167Iの移動によって基板位置をずらしながら基板搬入ハンド161Iに受け渡される。
第3変形例のように、ビームユニット152を傾けることによって、ビームユニット152から基板搬入ハンド161Iへ基板P2を移動させてもよい。
(第4変形例)
第4変形例は、基板搬入ハンドの指部の構成を変えた例である。
図32(a)及び図33(a)に示すように、第4変形例に係る基板搬入ハンド161Kは、X軸方向において、基板寸法とほぼ同じ長さの指部162Kを有する。また、図32(b)等に示すように、基板搬入ハンド161Kの形状は、側面視において、両先端が尖ったひし形のような形をしており、中央部分の厚みのある場所にアーム168が取り付けられている。
第4変形例におけるビームユニット152から基板搬入ハンド161Kへの基板の受け渡しについて、図32(a)〜図33(b)を用いて説明する。
図32(a)及び図32(b)に示すように、基板搬入ハンド161Kは、指部162Kの股部がビームユニット152の−X側端部と平面視において重ならない位置に配置される。
その後、外部搬送装置300がビームユニット152上に基板P2を受け渡すと、図33(a)及び図33(b)に示すように、ビームユニット152は−Z方向へ移動される。基板搬入ハンド161Kの指部162Kの長さが基板P2の長さとほぼ同じであるため、ビームユニット152の−Z軸方向への移動により、基板P2は基板搬入ハンド161K上に載置される。その後、基板ピックハンド167Kによって、基板P2を斜面側にスライドさせる。これにより、基板P2の一部は、基板ホルダ28Gのホルダ基板保持面に対して傾斜した状態となる。以降の動作は、第2実施形態とほぼ同様である詳細な説明を省略する。
第4変形例によれば、基板搬入ハンド161Kの指部162Kの長さ(X軸方向の長さ)が基板の長さとほぼ同じであるため、ビームユニット152上に載置された基板P2を基板搬入ハンド161Kで受取る場合に、基板搬入ハンド161Kをビームユニット152の下から上に通過させるだけで、基板P2を掬い取ることができる。そのため、動作が単純で、基板P2の損傷や発塵が起こり難いという効果がある。
(第5変形例)
第5変形例は、外部搬送装置300から基板搬入ハンド161Kに直接基板を受け渡す例である。
第5変形例において、外部搬送装置300のフォークは、図34(a)に示すように、基板搬入ハンド161Kの指部162KとY軸方向における位置が平面視において重ならないように配置されている。また、ビームユニット152のビーム153は、外部搬送装置300のフォークと平面視において重ならないように配置されている。その結果、第5変形例において、基板搬入ハンド161Kの指部162Kとビームユニット152のビーム153とは、平面視において重なる位置に配置されている。
以下、第5変形例における外部搬送装置300から基板搬入ハンド161Kへの基板の受け渡しについて、図34(a)〜図35(b)を用いて説明する。
図34(a)及び図34(b)に示すように、基板搬入ハンド161Kは、外部搬送装置300との基板受け渡し位置に配置されるよう+X方向に駆動される。外部搬送装置300は、基板P2を保持したまま、基板搬入ハンド161Kとの基板受け渡し位置に到達するまで、−X方向に移動される。
その後、図35(a)及び図35(b)に示すように露光処理を終えたステージ装置20Gは、ビームユニット152との基板受け渡し位置へと移動する。また、ステージ装置20Gでは、基板ホルダ28G上の基板P1を、基板搬出ベアラ装置183Aによって+X方向にオフセットする。
外部搬送装置300が−Z方向に移動されると、基板P2の下面が基板ピックハンド167Kに接触する。基板ピックハンド167Kは、基板P2の下面を吸着把持する。
基板P2の下面を吸着把持した基板ピックハンド167Kは、−X方向に駆動される。これにより、外部搬送装置300上の基板P2が基板搬入ハンド161Kへと移動する。外部搬送装置300は、そのまま下降駆動され基板搬入ハンド161K上に基板P2を完全に受け渡すと、+X方向に駆動され露光装置10L内から退出する。
ビームユニット152は、−Z方向及び−X方向に移動され、ステージ装置20Gとの基板受け渡し位置へと向かう。
その後の動作は、第2実施形態とほぼ同様であるため、その詳細な説明を省略する。
以上説明したように、第5変形例によれば、基板P2の搬入に際しては、基板搬入ハンド161Kがポート部150Gを介さず外部搬送装置300から基板P2を直接受け取ることができる。これにより、これまで外部搬送装置300からポート部150Gへの基板P2の受け渡し、ポート部150Gから基板搬入ハンド161Kへの基板P2の受け渡しという2回の受け渡し動作が必要であったのに対し、外部搬送装置300から基板搬入ハンド161Kへ受け渡しという1回の受け渡しだけで良く、基板P2の受け渡し回数が削減されるため、基板P2の搬入にかかる時間の短縮と基板P2の損傷や発塵を防ぐことができる。
なお、第5変形例において、基板P1の回収(搬出)については、第2実施形態と同様に、基板P1をビームユニット152から外部搬送装置300へと受け渡す。
なお、第5変形例では、ビームユニット152と外部搬送装置300のロボットハンドの指部が平面視において重ならないようにするために、ビームユニット152のビーム153と基板搬入ハンド161Kの指部162Kが平面視において重なるように配置したが、これに限られるものではない。ビームユニット152のビーム153と基板搬入ハンド161Kの指部162Kも平面視において重ならないようにしてもよい。この場合、ビームユニット152はY軸方向に1つの指部162K分シフトできるようになっていてもよい。これにより、基板ホルダ28Gからポート部150Gまで搬出された基板を再び基板搬入ハンドで掬い取ることができる。
基板を受け渡しする場合に、ビーム153が指部162Kと平面視において重ならないようにするために、ビームユニット152がY軸方向にシフトするのではなく、外部搬送装置300がY軸方向にシフトしてもよいし、基板搬入ハンド161KがY軸方向にシフトしてもよい。
(第6変形例)
第6変形例は、基板搬入ハンドの構成を変えたものである。
図36は、第6変形例に係る基板搬入ハンド161Lを示す斜視図である。図36に示すように、基板搬入ハンド161Lは、XZ断面が三角形状の板部263と、板部263を支持するアーム部265と、を有する。板部263の上面は、XY面に対して傾斜している。
第6変形例に示すように、基板搬入ハンドは指部を有さなくてもよい。すなわち、基板搬入ハンドはフォーク形状を有さなくてもよい。
なお、図37(a)に示すように、基板搬入ハンド161Lの板部263の上面を湾曲させてもよい。このように、板部263の上面(ホルダ基板保持面)を湾曲させることで、基板の断面係数を大きくすることができる。すなわち、基板の撓みに対して、基板の厚みが実際よりも数倍から数百倍大きくなったのと同じ効果を得ることができる。
このようにすることで、図37(b)のように−X端部が飛び出した状態で基板Pを基板搬入ハンド161L上に載置しても、基板Pの−X端部に撓み(垂れ)が発生するのを抑制することができる。また、基板Pの撓み(垂れ)の発生が抑制されているため、基板Pを基板ホルダに接触させるときに、基板Pを−X側の辺のY軸方向中央部から接触させることができるので、基板Pの−X端部に皺を生じにくくさせることができる。
また、図38に示すように、基板搬送部160A〜160Lはカバー199が設けられていてもよい。カバー199を設けることにより、基板Pへのゴミの付着を防止することができるとともに、基板Pの温度を一定にすることができる。
なお、上記第2実施形態及びその変形例において、ステージ装置20Gに代えて、第1実施形態に係るステージ装置20Aを用いてもよい。また、ステージ装置20Gを第1実施形態およびその変形例に適用してもよい。
また、第1及び第2実施形態並びにその変形例において、図39に示すように、投影光学系16やマスクステージ14等を支持する、上コラムと呼ばれる定盤30の、+X側端部付近を、基板搬入ハンドと干渉しないように一部面取り(30a)してもよい。なお、図39では基板搬入ハンドが第2実施形態に係る基板搬入ハンド161Gの場合を示している。これにより、露光装置全体の高さを低減することができる。
また、上記第1及び第2実施形態並びにその変形例において、先述の基板位置計測装置として、ステージ装置20A,20Gは、図40(a)及び図40(b)に示すように、基板Pのエッジを検出するためのCCDカメラ31x及び31y(画像処理エッジ検出)を備えている。CCDカメラ31xは基板ホルダ28A,28Gに載置される前の基板Pの−X側の辺2箇所を観察できるように配置されている。CCDカメラ31yは、基板Pの−Y側(又は+Y側)の辺の1箇所を下から観察できるように配置されている。これにより、ステージ装置20A,20Gに対する基板PのX位置、Y位置、θz位置を知ることができる。これらの情報は、載置前の基板P2の位置の修正や、載置後の基板P2の位置情報としてステージ制御に用いられる。なお、基板Pのエッジは検出するCCDカメラ31x及び31yでなく、たとえば、光源と、受光部とを備えた公知のエッジセンサを用いるようにしてもよい。光源は、CCDカメラ31x及び31yと同じ位置に配置され、受光部は、基板Pを挟んで光源に対向するように配置される。光源から照射される計測光の光軸に直交する断面はライン状であり、受光部は、該計測光を受光することにより基板Pの端部を検出する。このようにして、基板PのX軸方向の端部とY軸方向の端部とを計測した検出結果に基づいて、ステージ装置20A,20Gに対する基板PのX位置、Y位置、θz位置を検出するようにしてもよい。
また、上記第1及び第2実施形態並びにその変形例において、図41(a)〜図41(c)に示すステージ装置20Mを用いてもよい。
ステージ装置20Mにおいて、図41(a)に示すように、基板搬入ベアラ装置182Mは基板ホルダ28Mの−X側端部に2箇所設けられている。基板搬入ベアラ装置182Mは、図41(b)に示すように、基板ホルダ28Mの−X側端部に形成された切り欠き28aにその一部が収納された状態において、保持パッド184aの上面の高さが、基板ホルダ28Mの上面とほぼ同一の高さとなるように設定されている。このため、基板P2の載置後にも、保持パッド184aは−X方向へ移動して基板ホルダ28Mから退避しなくてよい。
また、図41(c)に示すように、基板搬入ベアラ装置182Mは斜めに搬入される基板P2の裏面を確実に吸着固定できるように傾斜できるようになっている。また、基板搬入ベアラ装置182Mは、基板ホルダ28Mに対する基板P2の相対位置調整(アライメント)ができるように水平方向(X軸方向又はX軸及びY軸方向)に移動できるようになっている。
ステージ装置20Mによれば、保持パッド184aを傾斜させることができるため、基板P2の裏面を確実に吸着固定できる。
また、上記第1及び第2実施形態並びにその変形例において、図42(a)及び図42(b)に示すステージ装置20Nを用いてもよい。
ステージ装置20Nは、独立して移動する、第1及び第2実施形態で説明した基板搬入ベアラ装置を持たない。ステージ装置20Nにおいては、基板ホルダ28Nの上面の一部が搬入基板の先端部を吸着把持する保持パッド184aの役目を兼ねるよう、基板ホルダの−X側端面付近の1箇所又は複数個所に搬入基板の先端部を吸着把持するための吸着領域(ベアラ領域)187が設けられている。
なお、ステージ装置20Nは、独立移動する基板搬入ベアラ装置を持たないため、基板搬入ベアラ装置によって搬入基板Pの基板ホルダ28Nに対する相対位置調整(アライメント)を行うことができないが、例えば、ベアラ領域187で基板を吸着する前に、一対の基板搬出ハンドを用いて、基板搬入ハンド上で基板Pの位置調整を行えばよい。また、基板Pを基板ホルダ28Nに載置したのち、基板ホルダ28Nに対する基板Pの相対位置調整(アライメント)を行ないたい場合には、基板搬出ベアラ装置183Aを使って行えばよい。
また、ステージ装置が独立移動する基板搬入ベアラ装置を持たない場合、図43(a)〜図43(c)に示すように、例えば基板搬入ハンド161Aを基板Pと基板ホルダ28Nとの間から退避させつつ、基板ホルダ28N上に基板P2を載置する場合、基板ホルダ28Nは、空気を吸い込むことにより、基板P2をホルダ基板保持面に吸着することで、安定して基板P2の搬入を行うことができる。
なお、上記第1及び第2実施形態並びにその変形例において、基板搬入ハンドの指部上の支持パッドは省略してもよい。
また、上記各実施形態では、投影光学系16として、等倍系が用いられたが、これに限られず、縮小系、あるいは拡大系を用いても良い。
露光装置の用途としては、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば有機EL(Electro―Luminescence)パネル製造用の露光装置、半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも適用できる。
また、露光対象となる基板はガラスプレートに限られず、例えばウエハ、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。また、露光対象物がフラットパネルディスプレイ用の基板である場合、その基板の厚さは特に限定されず、例えばフィルム状(可撓性を有するシート状の部材)のものも含まれる。なお、本実施形態の露光装置は、一辺の長さ、又は対角長が500mm以上の基板が露光対象物である場合に特に有効である。また、露光対象の基板が可撓性を有するシート状である場合には、該シートがロール状に形成されていても良い。
《デバイス製造方法》
次に、上記各実施形態に係る露光装置10A〜10Lをリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法について説明する。上記実施形態の露光装置10A〜10Lでは、基板上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることができる。
〈パターン形成工程〉
まず、上述した各実施形態に係る露光装置を用いて、パターン像を感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に形成する、いわゆる光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成される。
〈カラーフィルタ形成工程〉
次に、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列された、又はR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルタを形成する。
〈セル組み立て工程〉
次に、パターン形成工程にて得られた所定パターンを有する基板、及びカラーフィルタ形成工程にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。例えば、パターン形成工程にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
〈モジュール組立工程〉
その後、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。
この場合、パターン形成工程において、上記各実施形態に係る露光装置を用いて高スループットかつ高精度で基板の露光が行われるので、結果的に、液晶表示素子の生産性を向上させることができる。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。