JP2021060260A - レーダ装置、信号処理装置、および方法 - Google Patents

レーダ装置、信号処理装置、および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の実施形態が解決しようとする課題は、信号の送信中において送信信号が受信信号に対して与える干渉を低減させるレーダ装置を提供することである。【解決手段】上記課題を解決するために、実施形態のレーダ装置は、パルス信号を送信する送信部と、前記パルス信号が観測対象によって反射された第1信号およびこのパルス信号に応じて与えられる干渉信号を含む受信信号を受信する受信部と、前記パルス信号に基づいて生成された第1参照信号を用いて、前記受信信号から前記第1信号に対応する第1成分および前記干渉信号に対応する干渉成分を時間軸上で分離した分離信号を生成し、前記干渉成分を低減する処理部を備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、レーダ装置、信号処理装置、および方法に関する。
信号の送信中でも信号の受信が可能なSTAR(Simultaneous Transmit and Receive)技術が研究されている。信号の送信中でも信号の受信を行う場合、受信する信号に対して送信する信号が干渉となる場合がある。この干渉を低減させるSTAR技術が望まれる。この干渉を低減させる方法として、送信信号のレプリカ信号を生成し、受信信号からこのレプリカ信号を減算する方法がある。
特許第6367160号公報
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、信号の送信中において送信信号が受信信号に対して与える干渉を低減させるレーダ装置、信号処理装置、および方法を提供することである。
上記課題を解決するために、実施形態のレーダ装置は、パルス信号を送信する送信部と、前記パルス信号が観測対象によって反射された第1信号およびこのパルス信号に応じて与えられる干渉信号を含む受信信号を受信する受信部と、前記パルス信号に基づいて生成された第1参照信号を用いて、前記受信信号から前記第1信号に対応する第1成分および前記干渉信号に対応する干渉成分を時間軸上で分離した分離信号を生成し、前記干渉成分を低減する処理部を備える。
第1の実施形態におけるレーダ装置の構成図。 受信信号の受信から復元信号の生成までの信号を説明する図。 第1の実施形態におけるレーダ装置が第1参照信号を生成するフローチャート。 第1の実施形態におけるレーダ装置のフローチャート。 第1の実施形態の変形例における受信信号の受信から復元信号の生成までの信号を説明する図。 第1の実施形態、レプリカ信号を減算する方法、および低減処理なしにおける干渉信号の強度を比較する図。 第2の実施形態におけるレーダ装置の構成図。 FFTのスペクトル解析を用いたグランドクラッタ成分の低減を説明する図。 第2の実施形態におけるレーダ装置のフローチャート。 変形例におけるグランドクラッタ成分の低減を説明する図。 第2の実施形態に適用可能なレーダ装置の構成図。 第2の実施形態に適用可能なレーダ装置のフローチャート。
以下、発明を実施するための実施形態について図面を参照して説明する。開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態におけるレーダ装置100の構成を表す。レーダ装置100は、信号Aを自ら送信中でも外部からの信号Bの受信が可能な、STAR(Simultaneous Transmit and Receive)化したレーダ装置である。信号Aの送信中でも信号Bの受信を行う場合、受信する信号B(以降、受信信号とも称する)に対して送信する信号A(以降、送信信号とも称する)が干渉となる場合がある。
レーダ装置100の受信信号には、受信の対象である、観測対象によって反射されたパルス信号(以降、所望信号とも称される)と、干渉となる干渉信号が含まれている。この干渉信号はレーダ装置100が送信したパルス信号自身によるものが含まれる。レーダ装置100は、干渉信号を含む受信信号から、所望信号に相当する成分(以降、所望成分とも称する)および干渉信号に相当する成分(以降、干渉成分とも称する)を分離した分離信号を生成する。レーダ装置100は、この分離信号をデータ修正することで干渉成分を取り除き、低減させる。このようにすることで、本実施形態のレーダ装置100は、従来のようにレプリカ信号を用いていないが、レプリカ信号を用いる方法よりも、より大きく干渉成分を低減させることができる。
レーダ装置100は、パルス信号生成部101、送信部102、アンテナ103、レドーム104、受信部105、出力部106、処理部110を備える。処理部110は、第1参照信号生成部111、分離部112、第1低減部113、復元部114、第2参照信号生成部115、出力信号生成部116を含む。
パルス信号生成部101は、パルス信号を生成する。このパルス信号は送信部102における送信に使われる他、第2参照信号生成部115において出力信号の生成に用いられる信号(以降、第2参照信号とも称される)の生成に使われる。また、このパルス信号に基づく干渉信号は、第1参照信号生成部111において、受信信号から所望成分および干渉成分を分離する際に用いられる信号(以降、第1参照信号とも称される)の生成に使われる。パルス信号に基づく干渉信号については後述する。
送信部102は、パルス信号生成部101から送られたパルス信号を、アンテナ103を通じて送信する。アンテナ103は、送信部102から送られたパルス信号を、観測対象領域をカバーするように放射する。放射されたパルス信号は、観測対象領域内の観測対象によって反射される。アンテナ103は、受信部105による受信信号の受信に使われる。受信信号には所望信号として、観測対象によって反射されたパルス信号が含まれている。観測対象とは例えば、雲、雨などである。保護部104は、アンテナ103を保護する構造物である。例えば保護部104はレドームであり、アンテナ103を風、雨、雪などから保護する。
受信部105は、アンテナ103を通じて受信信号を受信し、デジタルデータとして分離部112に送る。図1では、受信信号はx(t)と表されている。受信部105は、パルス信号に基づく干渉信号を受信し、デジタルデータとして第1参照信号生成部111に送る。パルス信号に基づく干渉信号とは、パルス信号自身に起因する干渉信号である。パルス信号に基づく干渉信号としては例えば、パルス信号生成部101で生成されたパルス信号が送信部102および受信部105などのアナログ回路を経由した信号や、アンテナ103を終端した場合において受信部105に送られたパルス信号や、保護部104で反射して受信部105に受信された信号である。
パルス信号に基づく干渉信号は、第1参照信号生成部111において第1参照信号の生成に使われる。図1では、パルス信号に基づく干渉信号はx(t)と表されている。パルス信号に基づく干渉信号は、パルス信号生成部101が生成したパルス信号が、レーダ装置100の内部において回り込んだ信号である。例えば、観測対象領域内に反射するものが存在しない場合にパルス信号を送信して得られた受信信号が、パルス信号に基づく干渉信号に相当する。また、送信したパルス信号が、保護部104に反射して得られた受信信号も、パルス信号に基づく干渉信号に相当する。また、アンテナ103を終端した場合に、送信部102から終端したアンテナ103を経由して得られた受信信号も、パルス信号に基づく干渉信号に相当する。本実施形態では一例として、パルス信号に基づく干渉信号はアンテナ103を終端した場合において受信部105に送られたパルス信号であるとし、あらかじめ取得されているものとする。受信部105は、第1参照信号を生成する場合において、受信したパルス信号に基づく干渉信号を第1参照信号生成部111に送る。受信部105は、干渉成分の低減を行う場合は、受信信号を分離部112に送る。
第1参照信号生成部111は、受信部105から送られたパルス信号に基づく干渉信号から、あらかじめ第1参照信号を生成しておき、分離部112に送る。第1参照信号は、パルス信号に基づく干渉信号に基づき、信号処理に用いられることで、受信信号から所望成分および干渉成分を分離することができる信号である。第1参照信号は、図1では、第1参照信号はr(t)と表されている。なお、本実施形態では一例として、第1参照信号の生成は、受信信号が届く前にあらかじめ行われている。
分離部112は、第1参照信号生成部111から送られた第1参照信号を用いて、受信信号x(t)から所望成分および干渉成分を分離した、分離信号を生成する。信号の分離においてはパルス圧縮を利用する。パルス圧縮および干渉信号の分離方法については後述する。分離信号は、所望成分および干渉成分が時間軸上で分離されている。図1では、分離信号はy(t)と表されている。
第1低減部113は、分離部112から送られた分離信号のうち、干渉成分を低減させる。具体的には、第1低減部113は干渉成分として表されるデータを修正することで、干渉成分を低減させる。このデータの修正については後述する。第1低減部113は、干渉成分を低減させた分離信号を復元部114に送る。干渉成分を低減させた分離信号は、復元部114において信号の復元に使われる。図1では、干渉成分を低減させた分離信号はy(t)と表されている。
復元部114は、第1参照信号生成部111から送られた第1参照信号を用いて、第1低減部113から送られた干渉成分を低減させた分離信号から、所望信号を含む信号に復元する。この信号を復元信号とも称する。復元信号は所望信号を含み、受信信号と比較して干渉信号は低減されている。このようなパルス圧縮された信号をパルス圧縮前の信号に復元することをここでは逆パルス圧縮と呼ぶ。第1低減部113において干渉成分を低減させた後、復元部114において復元信号を生成することにより、信号のS/N比の劣化を抑制することができる。図1では、復元信号はx(t)と表されている。
第2参照信号生成部115は、パルス信号生成部101から送られたパルス信号に基づいて、第2参照信号を生成し、出力信号生成部116に送る。第2参照信号は出力信号生成部116において、出力信号の生成に使われる。図1では、第2参照信号はr(t)と表されている。
出力信号生成部116は、第2参照信号生成部115から送られた第2参照信号を用いて、復元部114から送られた復元信号から出力信号を生成する。具体的には、出力信号生成部116は、復元信号に対して第2参照信号を用いたパルス圧縮を行うことにより、出力信号を生成する。出力信号生成部116は、出力信号を出力部106に送る。図1では、出力信号はy(t)と表されている。 出力信号は、パルス圧縮した状態の信号であり、所望成分を表すデータが含まれている。この出力信号は例えば、レーダ装置100と接続されるデータの分析装置に送られる。
出力部106は、出力信号生成部116から送られた出力信号を出力する。出力信号の出力先および形態は任意であり、例えば、出力信号に含まれるデータを分析する装置や、視覚的に表示する装置、保持する装置などである。これらの装置は、レーダ装置100内部の図示しない要素であってもよいし、レーダ装置100の外部に設けられていてもよい。出力信号の形態は、所定のデータ形式(フォーマット)で表されている。
以上に説明した第1参照信号生成部111、分離部112、第1低減部113、復元部114、第2参照信号生成部115、出力信号生成部116の少なくとも一部は、処理部110にて実現される。処理部110は、制御装置と演算装置を含む電子回路である。電子回路の例としては、汎用目的プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、FPGA、およびその組み合わせが可能である。
以上にレーダ装置100の構成要素を説明した。この構成要素間における接続は有線であってもよいし、無線であってもよい。また、レーダ装置100の構成要素は、1チップ上にまとめて実装されてもよいし、一部の構成要素が別のチップ上に実装されてもよい。
受信信号、分離信号、分離信号における干渉成分の低減、復元信号を図2および数式を用いて説明する。図2は受信信号が信号処理によって、分離信号、干渉成分が低減された分離信号、復元信号と変化する様子を模式的に表した図である。図2(a)に表されるように、受信信号(x(t))は干渉信号および所望信号が含まれている。干渉信号は所望信号の一部と重なり、干渉を与えている。干渉信号は、送信部102が送信したパルス信号による干渉を含んでいるため、観測対象によって反射された所望信号よりも早く受信される。したがって、受信信号は、時間軸上では干渉信号が主体の部分と、干渉信号と所望信号が混在した部分と、所望信号が主体の部分とが存在する。干渉信号および所望信号の分離の精度を高めるために、受信信号に含まれるデータ長は所定の長さが必要となる。本実施形態では一例として、受信信号に含まれるデータ長は、送信されるパルス信号に含まれるデータ長の2倍以上であるとする。受信信号に含まれるデータ長が送信されるパルス信号に含まれるデータ長の2倍以上であれば、パルス信号を送信している間の観測で必要な所望信号をすべて含むことができる。
受信信号は、図2(b)に表されるように、第1参照信号を用いたパルス圧縮により、干渉成分と所望成分に分離された分離信号(y(t))となる。この第1参照信号(r(t))は、第1参照信号生成部111においてパルス信号に基づく干渉信号(x(t))から生成される。この第1参照信号は式(1)で表される。
Figure 2021060260

なお、
Figure 2021060260

であり、
Figure 2021060260

はフーリエ変換を表す。すなわち、第1参照信号(r(t))は、パルス信号に基づく干渉信号をフーリエ変換し、複素共役を取って逆数としたものを逆フーリエ変換することにより得られる。この第1参照信号(r(t))は、受信信号を干渉成分と所望成分に分離する信号である。
パルス信号に基づく干渉信号(x(t))に対して第1参照信号を用いたパルス圧縮を行った場合の信号(y(t))は、式(2)に表される。以下の式(2)の処理は、パルス圧縮とも称される。
Figure 2021060260

なお、
Figure 2021060260

であり、
Figure 2021060260

はデルタ関数を表す。式(2)から、信号y(t)はt=0においてパルス信号に基づく干渉信号(x(t))に含まれる干渉成分を持つ信号となる。このように、干渉成分を所定の時刻に集中させた信号は、インパルス状に積分された信号とも呼ばれる。式(1)は第1参照信号の本実施形態における一例であり、信号y(t)がt=0においてパルス信号に基づく干渉信号(x(t))に含まれる干渉成分をインパルス状に積分された信号となるならば任意である。例えば、第1参照信号はガウス関数などでもよい。なお、tの基準も任意であるが、本実施形態では一例として、t=0とは送信部102がパルス信号を送信する時刻であるとする。すなわち、第1参照信号を用いてパルス圧縮を行うことにより、t=0においてパルス信号に基づく干渉信号(x(t))に含まれる干渉成分をインパルス状に積分された信号を生成することができる。
受信信号(x(t))は所望信号および干渉信号を含んでいる。式(2)に表されるように、パルス圧縮を行うことにより、干渉信号に含まれる干渉成分はt=0にまとめることが可能となる。この場合、t=0以降には干渉成分が含まれないか、誤差として扱えるほど小さくなるため、所望成分と干渉成分を時間軸上で分離することができる。式(1)に表される第1参照信号(r(t))を用いて、受信信号(x(t))にパルス圧縮を行う場合、所望成分および干渉成分が時間軸上で分離された分離信号(y(t))は式(3)に表される。
Figure 2021060260

なお、
Figure 2021060260

である。
図2(b)に分離信号(y(t))の図を表す。干渉成分および所望成分は、分離部112にあらかじめ設定された時間幅で並ぶ。図2(b)に表される干渉成分および所望成分は数値の配列(データ)として表される。この並べられた配列の各要素は、ビンとも称される。干渉成分と所望成分は、時間軸上で分離されて表される。すなわち、干渉成分のビンと所望成分のビンは異なる時刻であり、干渉成分のビンの方が所望成分のビンより時間軸上で早く並ぶ。なお、これらのビンはレーダ装置100からの距離におけるビンを表し、時間軸上で遅いビンほどレーダ装置100からの離れた観測対象におけるビンを表す。
分離信号における干渉成分の低減を、図2(c)に表す。分離信号(y(t))では、干渉成分が時間軸上で分離されるため、干渉成分として表されるデータの値を修正することにより、干渉成分は低減される。データの値の修正は任意であるが、データの値はレーダ装置100にあらかじめ設定される範囲で低減される。例えば、分離信号のビンのうち、干渉成分のビンの値は、第1低減部113にあらかじめ設定された最小値(準最小値を含む)、雑音レベル、0などに書き換えられる。これにより、分離信号は干渉成分が低減された分離信号(y(t))となる。
干渉成分が低減された分離信号(y(t))は、第1参照信号を用いて、所望信号が含まれる復元信号(x(t))に復元される。復元信号は、干渉成分が低減された分離信号から復元されたため、受信信号に含まれていた干渉信号が低減された信号となる。復元信号(x(t))は、以下の式(4)で表わされる。以下の式(4)の処理は、逆パルス圧縮と呼ぶ。
Figure 2021060260

なお、
Figure 2021060260

である。
すなわち、復元信号(x(t))は干渉成分が低減された分離信号をフーリエ変換し、第1参照信号をフーリエ変換して複素共役を取ったものの逆数を乗算したものを逆フーリエ変換することにより生成される。復元信号(x(t))から、第2参照信号を用いて出力信号(y(t))が生成される。復元信号から第2参照信号を用いることで、S/N比の劣化を抑制した出力信号とすることができる。出力信号(y(t))は以下の式(5)で表わされる。以下の式(5)の処理は、パルス圧縮とも称される。
Figure 2021060260

なお、
Figure 2021060260

である。
以上に、受信信号から出力信号までに行われる信号処理を、図2および数式を用いて説明した。以下、この信号処理におけるレーダ装置100の動作を、図3および図4を用いて説明する。レーダ装置100は、受信信号を受信する前にあらかじめ第1参照信号を生成している。まず、第1参照信号の生成におけるレーダ装置100の動作を説明する。本実施形態では、レーダ装置100が第1参照信号の生成を行う場合、アンテナ103は終端されているものとする。
パルス信号生成部101はパルス信号を生成し、送信部102はアンテナ103にこのパルス信号を伝達する(ステップS001)。アンテナ103は終端しているため、伝達されたパルス信号はパルス信号に基づく干渉信号として受信部105に受信される(ステップS002)。受信部105は、このパルス信号に基づく干渉信号をデジタルデータとして、第1参照信号生成部111に送る。第1参照信号生成部111は、送られたパルス信号に基づく干渉信号から、第1参照信号を生成する(ステップS003)。第1参照信号生成部111は、生成した第1参照信号を、分離部112および復元部114に送る。この第1参照信号は、分離部112における受信信号のパルス圧縮および復元部114における逆パルス圧縮による復元信号の生成に使われる。
以上に第1参照信号生成部111による第1参照信号の生成を説明した。以下、パルス信号を送信して受信信号を受信してから、出力信号を出力するまでのレーダ装置100の動作を、図4を用いて説明する。なお、以下の説明では、アンテナ103は終端していないものとする。
パルス信号生成部101はパルス信号を生成し、送信部102はアンテナ103を通じてこのパルス信号を送信する(ステップS101)。パルス信号生成部101が生成するパルス信号はあらかじめ設定されたパルス信号であり、任意に設定可能である。パルス信号生成部101は、このパルス信号を第2参照信号生成部115にも送る。第2参照信号生成部はパルス信号に基づいて第2参照信号を生成し、出力信号生成部116に送る。
受信部105は、受信信号を受信する(ステップS102)。受信信号には、観測対象によって反射されたパルス信号(所望信号)および干渉信号が含まれている。受信部105は、この受信信号を分離部112に送る。
分離部112は、第1参照信号生成部111からあらかじめ送られた第1参照信号を用いて、受信信号を分離し、分離信号を生成する(ステップS103)。分離信号には、時間軸上で分離した所望成分および干渉成分が含まれる。具体的には、分離部112は受信信号および第1参照信号を式(3)に適用し、分離信号を生成する。この分離信号の生成はパルス圧縮を利用する。分離部112は、生成した分離信号を第1低減部113に送る。
第1低減部113は、分離信号のうち、干渉成分を低減させる(ステップS104)。具体的には、干渉成分および所望成分は時間軸上で分離されるため、第1低減部113は、干渉成分として表されるデータの値を修正することにより、干渉成分を低減する。例えば第1低減部113は、分離信号のビンのうち、干渉成分のビンの値を、第1低減部113にあらかじめ設定された最小値(準最小値を含む)、雑音レベル、0などに書き換える。第1低減部113は、干渉成分を低減させた分離信号を復元部114に送る。
復元部114は、第1参照信号生成部111からあらかじめ送られた第1参照信号を用いて、復元信号を生成する(ステップS105)。復元信号には所望信号が含まれており、干渉信号は受信信号よりも低減されている。式(4)に表されるように、復元部114は、逆パルス圧縮によって復元信号を生成する。復元部114は、復元信号を出力信号生成部116に送る。
出力信号生成部116は、第2参照信号生成部116から送られた第2参照信号を用いて、復元信号から出力信号を生成する(ステップS106)。一度第1参照信号を用いて逆パルス圧縮を行い、復元信号としてから出力信号を生成することで、出力信号のS/N比の劣化を抑制することができる。式(5)に表されるように、出力信号生成部116は、パルス圧縮によって出力信号を生成する。出力信号生成部116は、出力信号を出力部106に送る。
出力部106は、出力信号生成部116から送られた出力信号を出力する(ステップS107)。先に説明したように、出力部106は任意の出力先に出力信号を出力する。
処理部110は、レーダ装置100の動作を終了させる終了指令が届いているか否かを確認する(ステップS108)。この終了指令は、レーダ装置100の動作を本フローで終了させる指令である。この終了指令は、ユーザによるレーダ装置100への入力や、終了指令を含んだ信号をレーダ装置100が取得するなどして処理部110に伝えられる。この終了指令は、直ちにレーダ装置100の動作を終了させる指令であってもよい。
処理部110にこの終了指令が届いていない場合(ステップS108:No)、ステップS101に戻る。一方、処理部110にこの終了指令が届いている場合(ステップS107:Yes)、フローは終了し、レーダ装置100は動作を終了する。
以上に本実施形態のレーダ装置100を説明した。本実施形態での説明は一例であり、変形例は様々に実装、実行可能である。以下に本実施形態の変形例を説明する。
(変形例1)
本実施形態では、パルス信号に基づく干渉信号はアンテナ103を終端した場合において、受信部105に受信されたパルス信号として説明したが、他にも様々に考えられる。例えば、第1参照信号生成部111は、レーダ装置100周辺における天候を示す信号を取得する。この信号の取得元は任意である。第1参照信号生成部111は、この天候が晴天であり、アンテナ103の仰角が条件を満たした場合、パルス信号を送信してから所定の時間における受信信号をパルス信号に基づく干渉信号として送るように受信部105に指令する。アンテナ103の仰角の条件は任意に設定可能であるが、干渉信号以外の成分となる地面や森林、建造物からの反射信号を低減する必要がある。一例としては、アンテナ103の仰角の条件は水平以上である。また、第1参照信号生成部111は、レーダ装置100周辺における温度(気温)を示す信号を取得するようにしてもよい。第1参照信号生成部111は、生成する第1参照信号に対して、取得した温度に応じて温度補償を施すあるいは事前に生成した温度テーブルから取得温度に該当する参照信号を選択したものを第1参照信号として分離部112に送ってもよい。
この場合、第1参照信号生成部111は、あらかじめ第1参照信号を生成するだけでなく、天候や温度などの気象条件、およびアンテナの仰角に応じてパルス信号に基づく干渉信号を取得し、第1参照信号を生成することができる。これにより、第1参照信号生成部111は、レーダ装置100周辺の環境の変化に追随した第1参照信号を生成することができる。
本変形例に限らず、本実施形態で説明したパルス信号に基づく干渉信号の場合でも、第1参照信号生成部はあらかじめ設定された時間ごとや指示により、最新のパルス信号に基づく干渉信号を取得して第1参照信号を生成するようにしてもよい。
また、パルス信号に基づく干渉信号は、第1参照信号生成部111が推定するようにしてもよい。例えば、第1参照信号生成部111は、パルス信号生成部101からパルス信号を受け取り、パルス信号に基づく干渉信号を推定するようにしてもよい。第1参照信号生成部111はあらかじめパルス信号生成部101が生成するパルス信号に関する情報を取得し、パルス信号に基づく干渉信号を推定するようにしてもよい。第2参照信号生成部115も同様に、あらかじめパルス信号生成部101が生成するパルス信号に関する情報を取得し、第2参照信号を生成するようにしてもよいし、パルス信号を推定して第2参照信号を生成するようにしてもよい。
(変形例2)
本実施形態で説明した式(2)から式(5)は、パルス圧縮および逆パルス圧縮を周波数上で行う計算式である。式(2)から式(5)の一部は、時間軸上で表すこともできる。以下、時間軸上におけるパルス圧縮の数式を説明する。式(2)のパルス信号に基づく干渉信号(x(t))に対して第1参照信号を用いたパルス圧縮を行った場合の信号(y(t))は、時間軸上では以下の式(6)に表される。

Figure 2021060260
式(1)に表される第1参照信号(r(t))を用いて、受信信号(x(t))を所望成分および干渉成分に分離する場合、所望成分および干渉成分が時間軸上で分離された分離信号(y(t))は式(7)に表される。以下の式(7)の処理も、パルス圧縮とも称される。

Figure 2021060260
復元信号(x(t))から、第2参照信号を用いて出力信号(y(t))が生成される。出力信号(y(t))は以下の式(8)で表わされる。以下の式(8)の処理も、パルス圧縮とも称される。

Figure 2021060260
以上のように、パルス圧縮は周波数上だけでなく時間軸上でも表すことができる。
(変形例3)
本実施形態では、第1低減部113は分離信号の干渉成分を、干渉成分を表すデータを修正することにより低減させていた。本実施形態では、図2(b)に表されるように最初のビンを干渉成分のビンとしたが、干渉成分の一部は、所望成分のビンに漏れこむことがある。図5に干渉成分が漏れこむ場合の受信信号から復元信号までのフローを表す。本変形例の一例として図5(b)では、干渉成分のビンの隣は、干渉成分が漏れこんだ所望成分のビンである。第1低減部113は、干渉成分が漏れこむ可能性があるビンの情報をあらかじめ取得、または推定する。第1低減部113は、干渉成分のビンだけでなく、干渉成分が漏れこむ可能性があるビンを修正する。このようにすることで、干渉成分をさらに低減させることができる。
なお、干渉成分が漏れこむ可能性がビンは、干渉成分のビンに近い。すなわち、レーダ装置100からの距離が近い観測対象におけるビンを表す。レーダ装置100の極近傍における観測は行われていない場合があるため、干渉成分が漏れこむ可能性がある複数のビンを修正あるいは削除しても、データの解析には差し支えない。例えば、レーダ装置から150m程度以内の観測データに該当するビンを修正あるいは削除しても、データの解析には問題とならない。
(変形例4)
本実施形態は、レーダ装置を例として説明したが、無線通信にも適用することができる。本実施形態で説明したパルス信号は、無線通信に用いる無線信号にも適用可能である。この場合、本実施形態で説明したレーダ装置100は、通信先の無線通信装置Aから無線信号aを受信している間に無線信号bを送信する無線通信装置Bに対応する。無線通信装置Bは、送信する無線信号bに応じて与えられた干渉信号を含む無線信号aを受信する。この干渉信号は無線信号bに基づく干渉信号であり、本実施形態で説明したパルス信号に基づく干渉信号に対応する。本実施形態で説明した所望信号および干渉信号への分離(分離信号の生成)は無線信号aに対して適用可能であるし、分離信号に含まれる、干渉成分の低減も本実施形態で説明した方法が適用可能である。干渉成分を低減させた分離信号から復元信号への復元も本実施形態で説明した方法が適用可能である。復元信号から出力信号の生成も本実施形態で説明した方法が適用可能である。以上の分離信号の作成、干渉成分の低減、復元信号への復元、出力信号の生成は、本実施形態の処理部110と同様の信号処理装置によって行われる。
以上に、レーダ装置100の変形例を説明した。本実施形態のレーダ装置100は、受信信号に含まれる干渉信号および所望信号を時間軸上で分離した分離信号を生成する。分離するに含まれる干渉成分および所望成分が時間軸上で分離することにより、干渉成分を表すデータを低減させるように修正する。これにより、送信信号のレプリカ信号を生成し、受信信号から送信信号のレプリカ信号を減算する方法より大きく、受信信号に与えられる干渉を低減させることができる。本実施形態、受信信号から送信信号のレプリカ信号を減算する方法、低減なしの3つの場合における干渉信号の強度を、図6に表す。本実施形態は実線、受信信号から送信信号のレプリカ信号を減算する方法は破線、低減なしの場合は点線で表されている。図6から、本実施形態は受信信号から送信信号のレプリカ信号を減算する方法よりも大きく受信信号に与えられる干渉を低減させることができる。
(第2の実施形態)
受信信号への干渉は、第1の実施形態で説明した、送信後のパルス信号よるものの他にグランドクラッタによるものがある。グランドクラッタとは、観測対象ではない静止している物体にパルス信号が反射された反射波である。この静止している物体とは例えば、地面、森林、山、建造物などである。干渉信号には、このグランドクラッタも含まれている。第2の実施形態では、このグランドクラッタを考慮した干渉を低減させることにより、受信信号に対する干渉を低減させる。
図7は、本実施形態におけるレーダ装置200の構成図である。レーダ装置200は、第1の実施形態で説明したレーダ装置100の構成要素の処理部110が、処理部210に変更されている。処理部210は、処理部110に含まれる構成要素の他に、第2低減部211および選択部212を備える。
第1の実施形態で説明した構成要素には、同じ番号を付して説明を省略する。第2の実施形態では、第1の実施形態との差異を説明する。
受信部105は、受信信号を分離部112だけでなく第2低減部211にも送る。第2低減部211は、受信信号に含まれる、グランドクラッタによる干渉成分(以降、グランドクラッタ成分とも称される)を低減させる。具体的なグランドクラッタ成分の低減方法は後述する。第2低減部211は、グランドクラッタ成分を低減させた受信信号を選択部212に送る。復元部114は、生成した復元信号を出力信号生成部116ではなく第2低減部211に送る。
選択部212は、第2低減部211から送られたグランドクラッタ成分を低減させた受信信号と、復元部114から送られた復元信号のうち、一方を選択する。選択された信号は出力信号生成部116に送られ、選択された信号に基づいて出力信号が生成される。選択部212が信号を選択する基準は任意である。例えば、信号のS/N比、アンテナ103の仰角、受信信号および復元信号に含まれる観測に関するパラメータなどである。アンテナ103の仰角は、仰角が小さい場合(アンテナ103が地面に向けられた場合)グランドクラッタによる干渉の影響が大きくなる。一例として選択部212は、アンテナ103の仰角に関する情報を取得し、アンテナ103があらかじめ設定された仰角を下回る場合は、第2低減部211から送られた信号を選択し、アンテナ103があらかじめ設定された仰角以上の場合は、復元部114から送られた復元信号を選択するようにしてもよい。
第2低減部211における、受信信号に含まれるグランドクラッタ成分の低減について図8を用いて説明する。第2低減部211は、受信部105から送られる受信信号を、観測対象の距離ごとにヒット(送信パルスの送信から受信信号の受信までを表す)間の時間差に応じて各ヒットにより得られたデータを時間軸上に並べ、FFT(Fast Fourier Transform)によるスペクトル解析を行う。その結果が図8(a)である。図8(a)はレーダ装置100が観測した物体の速度が周波数として横軸に表され、受信信号の受信電力が縦軸に表される。受信信号のFFTは、所望成分および干渉成分としてグランドクラッタ成分が含まれる。グランドクラッタ成分は速度が0m/s付近に分布する。図8(b)に表されるように、第2低減部211は、速度0m/sからあらかじめ設定された範囲におけるデータを修正する。例えば第2低減部211は、グランドクラッタ成分を表すデータの値を、第2低減部211にあらかじめ設定された最小値(準最小値を含む)、雑音レベル、0などに書き換える。このようにすることで、第2低減部211は受信信号に含まれる干渉のうち、グランドクラッタによる干渉を低減させることができる。
なお、第2低減部211がグランドクラッタ成分を低減させることにより、送信部102が送信したパルス信号による干渉も低減される場合がある。また、グランドクラッタ成分が主体の速度0m/s付近においても、所望成分が一部含まれる場合がある。第2低減部211は、グランドクラッタ成分を表すデータの値を最小値に書き換えた場合、速度0m/s付近における所望成分も低減する可能性がある。そこで、第2低減部211は、このグランドクラッタ成分を、あらかじめ設定された成分に修正するようにしてもよい。例えば第2低減部211は、あらかじめ速度0m/s付近における所望成分を推定し、この所望成分の推定値となるようにグランドクラッタ成分を修正するようにしてもよい。このようにすることで、第2低減部211は、所望成分への影響を抑制しつつグランドクラッタによる干渉を低減させることができる。
以上に第2低減部211における、受信信号に含まれるグランドクラッタによる干渉成分の低減を説明した。本実施形態におけるレーダ装置200の動作を、図9を用いて説明する。レーダ装置200はレーダ装置100と類似するため、第1の実施形態で説明したレーダ装置100の差異を主に説明する。
ステップS102の後、第2低減部211は上記に説明したように受信信号からグランドクラッタ成分を低減させる(ステップS201)。このステップS201は、第1の実施形態で説明したステップS103からS105と並行して行われる。第2低減部211は、グランドクラッタ成分を低減させた受信信号を選択部212に送る。ステップS105において、復元部114は生成した復元信号を選択部212に送る。
選択部212は、第2低減部211から送られたグランドクラッタ成分を低減させた受信信号および復元部114から送られた復元信号から、一方を選択する(ステップS202)。選択部212は、上記に説明したように任意の選択基準を適用して信号を選択することができる。選択部212に選択された信号は出力信号生成部116に送られ、選択された信号に基づいて出力信号が生成される。
以上に本実施形態のレーダ装置200を説明した。本実施形態での説明は一例であり、変形例は様々に実装、実行可能である。例えば、第1の実施形態で説明した変形例は、本実施形態にも適用可能である。以下に本実施形態の変形例を説明する。
(変形例1)
本実施形態では、第2低減部211はFFTによるスペクトル解析を行い、グランドクラッタ成分を修正して低減させた。第2低減部211は他の方法によりグランドクラッタ成分を低減させるようにしてもよい。例えば、レーダ装置200は同様の観測対象へのパルス信号の送信を複数回行う。この複数回のパルス信号の送信に応じて受信された複数の受信信号を信号処理することにより、第2低減部211はグランドクラッタ成分を低減させることができる。信号処理の一例として、第2低減部211はMTI(Moving Target Indicator)処理を用いることができる。
このMTI処理の一例を、図10に説明する。図10は、MTI処理の一例を適用した第2低減部211である。第2低減部211には、パルス信号の送信周期Tごとに受信信号が送られる。すなわち、第2低減部211には、複数の受信信号(x(t)、x(t−T)、・・・x(t−NT):Nは2以上の自然数)が送られる。第2低減部211は、時間的に隣り合う受信信号を差し引くことで、受信信号からグランドクラッタ成分を低減させる。例えば、受信信号x(t)が送られた場合、第2低減部212は受信信号x(t)から先に送られた受信信号x(t−T)を差し引く(差し引いた後の信号を差分信号xMTIとも称する)。この差分信号xMTI(t)は、式(9)で表される。
Figure 2021060260
第2低減部211は、この差分信号を、グランドクラッタ成分を低減させた受信信号として、選択部212に送る。なお、図10では2つの受信信号を差し引く処理は一回であるが、同様の処理を複数回設けるようにしてもよい。この処理の回数が増えるほど、よりグランドクラッタ成分を低減させることができる。
(変形例2)
本実施形態は、受信信号を受信してから、復元信号を生成するまでの処理(ステップS103〜105)およびグランドクラッタ成分を低減する処理(ステップS201)は並列であるとして説明したが、これらの処理は並列に限られない。例えば、直列であってもよい。このようなレーダ装置250の構成図を、図11に表す。レーダ装置250は、第1の実施形態で説明したレーダ装置100に、第2の実施形態で説明した第2低減部211をさらに備えた装置である。復元部114は生成した復元信号を第2低減部211に送り、第2低減部211は復元信号のグランドクラッタ成分を低減する。第2低減部211はグランドクラッタ成分を低減した復元信号を出力信号生成部116に送る。出力信号生成部116は第2参照信号を用いて、グランドクラッタ成分を低減した復元信号から出力信号を生成する。
本変形例のレーダ装置250の動作を、図12を用いて説明する。グランドクラッタ成分を低減する処理(ステップS201)が、ステップS105およびS106の間に含まれる。ステップS201では、第2低減部211がグランドクラッタ成分を低減する対象は復元信号である。グランドクラッタ成分を低減する方法は、第2実施形態で説明した方法が適用可能である。
以上説明したように、レーダ装置250は、復元信号のグランドクラッタ成分を低減することにより、干渉成分をより低減させることができる。
以上に、レーダ装置200の変形例を説明した。本実施形態のレーダ装置200は、干渉成分としてグランドクラッタ成分を低減させる。レーダ装置200は、復元信号の生成とグランドクラッタ成分を低減させる処理を並列に行う場合、復元信号とグランドクラッタ成分を低減させた受信信号とで選択基準に適合した信号から出力信号を生成することができる。レーダ装置200は、復元信号の生成とグランドクラッタ成分を低減させる処理を直列に行う場合、復元信号の干渉成分をより低減させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100:レーダ装置
101:パルス信号生成部
102:送信部
103:アンテナ
104:保護部
105:受信部
106:出力部
110:処理部
111:第1参照信号生成部
112:分離部
113:第1低減部
114:復元部
115:第2参照信号生成部
116:出力信号生成部
200:レーダ装置
210:処理部
211:第2低減部
212:選択部
250:レーダ装置

Claims (17)

  1. パルス信号を送信する送信部と、
    前記パルス信号が観測対象によって反射された第1信号および前記パルス信号に応じて与えられる干渉信号を含む受信信号を受信する受信部と、
    前記パルス信号に基づいて生成された第1参照信号を用いて、前記受信信号から前記第1信号に対応する第1成分および前記干渉信号に対応する干渉成分を時間軸上で分離した分離信号を生成し、
    前記干渉成分を低減する処理部と、
    を備える、
    レーダ装置。
  2. 前記処理部は、前記パルス信号よりも前に送信した第1パルス信号に基づいて前記受信部から得られたパルス信号に基づく干渉信号から、前記第1参照信号を生成する、
    請求項1または2に記載のレーダ装置。
  3. 前記パルス信号に基づく干渉信号は、前記パルス信号が前記レーダ装置内において回り込み、前記受信部から得られた信号である、
    請求項2に記載のレーダ装置。
  4. 前記処理部は、前記分離信号に含まれ、前記干渉成分を示すデータを低減するように修正する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のレーダ装置。
  5. 前記処理部は、前記データの値を、0、雑音レベル、設定可能な最小値のうち少なくとも1つに修正することで、前記干渉成分を低減する
    請求項4に記載のレーダ装置。
  6. 前記送信部から送られた前記パルス信号を放射し、前記受信信号を受信して受信部に送るアンテナ部をさらに備え、
    前記処理部は、前記アンテナ部を終端させた場合において、送信された前記パルス信号に基づいて前記受信信号から得られた信号から、前記第1参照信号をあらかじめ生成する、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のレーダ装置。
  7. 前記送信部から送られた前記パルス信号を放射し、前記受信信号を受信して受信部に送出するアンテナ部をさらに備え、
    前記処理部は、前記レーダ装置における現在の天候を示す第2信号を取得し、
    前記第2信号および前記アンテナ部の仰角に基づいて、送信された前記パルス信号に基づいて前記受信部から得られた信号から、前記第1参照信号を生成する、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のレーダ装置。
  8. 前記処理部は、前記第1参照信号を用いて、前記干渉成分を低減した前記分離信号から、前記第1信号を含む復元信号に変換する、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載のレーダ装置。
  9. 前記処理部は、前記パルス信号から第2参照信号を生成し、
    前記第2参照信号を用いて、前記復元信号から出力信号に変換し、
    前記出力信号を出力する出力部をさらに備える、
    請求項8に記載のレーダ装置。
  10. 前記干渉信号はグランドクラッタによる第2干渉成分を含み、
    前記処理部は、前記復元信号から前記第2干渉成分を低減する、
    請求項8または9に記載のレーダ装置。
  11. 前記干渉信号はグランドクラッタによる第2干渉成分を含み、
    前記処理部は、前記受信信号から前記第2干渉成分を低減し、
    前記第2干渉成分を低減した前記受信信号および前記復元信号のうち、いずれか一方を選択する、
    請求項8または9に記載のレーダ装置。
  12. 前記受信信号に含まれるデータの長さは、前記パルス信号に含まれるデータの長さの2倍以上である、
    請求項1乃至11のいずれか一項に記載のレーダ装置。
  13. 前記処理部は、前記パルス信号に基づく干渉信号をフーリエ変換して複素共役を取ったものの逆数を逆フーリエ変換することにより、前記第1参照信号を生成する、
    請求項1乃至12のいずれか一項に記載のレーダ装置。
  14. 前記処理部は、前記分離信号をフーリエ変換し、前記第1参照信号をフーリエ変換して複素共役を取ったものの逆数を乗算し、逆フーリエ変換することにより、前記復元信号に変換する、
    請求項8乃至11のいずれか一項に記載のレーダ装置。
  15. パルス信号を送信および受信するレーダ装置に用いられる信号処理装置であって、
    前記パルス信号が観測対象によって反射された第1信号および前記パルス信号に応じて与えられる干渉信号を含む受信信号を取得し、
    前記パルス信号に基づいて生成された第1参照信号を用いて、前記受信信号から前記第1信号に対応する第1成分および前記干渉信号に対応する干渉成分を時間軸上で分離した分離信号を生成し、
    前記干渉成分を低減する処理部と、
    を備える、
    信号処理装置。
  16. 無線信号を送信および受信する無線通信装置に用いられる信号処理装置であって、
    通信先が送信する第1信号および前記無線通信装置の送信信号に応じて与えられる干渉信号を含む受信信号を取得し、
    前記送信信号に基づいて生成された第1参照信号を用いて、前記受信信号から前記第1信号に対応する第1成分および前記干渉信号に対応する干渉成分を時間軸上で分離した分離信号を生成し、
    前記干渉成分を低減する、
    信号処理装置。
  17. パルス信号を送信し、
    前記パルス信号が観測対象によって反射された第1信号および前記パルス信号に応じて与えられる干渉信号を含む受信信号を受信し、
    前記パルス信号に基づいて生成された第1参照信号を用いて、前記受信信号から前記第1信号に対応する第1成分および前記干渉信号に対応する干渉成分を時間軸上で分離した分離信号を生成し、
    前記干渉成分を低減する、
    方法。
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鈴木 信弘 他: "所望パルスと強相関の干渉パルスを抑圧するエコーキャンセラ", 電子情報通信学会論文誌, vol. 第J81-B-II巻 第4号, JPN6022037683, 25 April 1998 (1998-04-25), JP, pages 306 - 314, ISSN: 0004964884 *

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