JP2021056254A - パララックスバリア、3次元表示装置、3次元表示システム、ヘッドアップディスプレイ、および移動体 - Google Patents

パララックスバリア、3次元表示装置、3次元表示システム、ヘッドアップディスプレイ、および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】利用者の眼が、本来、視認すべき対象となる視差画像を快適に視認する。【解決手段】パララックスバリア6は、視差方向に沿って互いに視差を有する第1画像および第2画像を含む視差画像を表示する複数のサブピクセルPを有する表示パネル5から出射された、視差画像の画像光の光線方向を規定するように構成されている。パララックスバリアは、複数の減光部61と、複数の透光部62と、を備える。複数の減光部61は、第1値未満の透過率で画像光を透過させるように構成されている。複数の透光部62は、減光部61によって区画され、互いに離間している。複数の透光部62は、第1値より大きい第2値以上の透過率で画像光を透過させるように構成されている。複数の透光部62は、それぞれの重心が視差方向に沿う第1方向に並ぶように位置する。複数の透光部62は、第1方向に交差する方向である第2方向に並ぶように位置する。【選択図】図3

Description

本発明は、パララックスバリア、3次元表示装置、3次元表示システム、ヘッドアップディスプレイ、および移動体に関する。
従来、3次元表示装置において、ディスプレイが表示する画像の一部を利用者の一方の眼に視認させ、残りの一部を他方の眼に視認させるために、パララックスバリアが用いられている。特許文献1のパララックスバリアは、一方向に延在する遮光部と透光部とによって構成されている。
特開2001−166259号公報
しかしながら、パララックスバリアは、一方向に延在する複数の遮光部と透光部とによって構成されている場合、当該一方向に延在する透光部によって射出される光によって、複数のスジ状の明るい部分(バリアスジ)が利用者の眼に視認されることがある。このバリアスジによって、利用者の眼が、本来、視認すべき対象となる視差画像を快適に視認しにくくなることがある。
本開示は、利用者の眼が、本来、視認すべき対象となる視差画像を快適に視認することができるパララックスバリア、3次元表示装置、3次元表示システム、ヘッドアップディスプレイ、および移動体を提供する。
本開示のパララックスバリアは、視差方向に沿って互いに視差を有する第1画像および第2画像を含む視差画像を表示する複数のサブピクセルを有する表示パネルから出射された、前記視差画像の画像光の光線方向を規定するように構成されている。前記パララックスバリアは、複数の減光部と、複数の透光部と、を備える。前記複数の減光部は、第1値未満の透過率で前記画像光を透過させるように構成されている。前記複数の透光部は、前記減光部によって区画され、互いに離間している。前記複数の透光部は、前記第1値より大きい第2値以上の透過率で前記画像光を透過させるように構成されている。前記複数の透光部は、それぞれの重心が前記視差方向に沿う第1方向に並ぶように位置する。前記複数の透光部は、前記第1方向に交差する方向である第2方向に並ぶように位置する。
本開示の3次元表示装置は、表示パネルと、パララックスバリアと、を備える。前記表示パネルは、視差方向に沿って互いに視差を有する第1画像および第2画像を含む視差画像を表示する複数のサブピクセルを有する。前記パララックスバリアは、前記表示パネルから出射された、前記視差画像の画像光の光線方向を規定するように構成されている。前記パララックスバリアは、複数の減光部と、複数の透光部と、を含む。前記複数の減光部は、第1値未満の透過率で前記画像光を透過させるように構成されている。前記複数の透光部は、前記第1値より大きい第2値以上の透過率で前記画像光を透過させるように構成されている。前記複数の透光部は、前記複数の減光部によって区画されて互いに離間して配置されている。前記複数の透光部は、それぞれの重心が前記視差方向に沿う第1方向に並ぶ。前記複数の透光部は、前記第1方向に交差する方向である第2方向に並ぶように位置する。
本開示の3次元表示システムは、検出装置と、3次元表示装置とを備える。前記検出装置は、利用者の眼の位置を検出する。前記3次元表示装置は、表示パネルと、パララックスバリアと、コントローラと、を含む。前記表示パネルは、視差方向に沿って互いに視差を有する第1画像および第2画像を含む視差画像を表示する複数のサブピクセルを有する。前記パララックスバリアは、前記表示パネルから出射された、前記視差画像の画像光の光線方向を規定するように構成されている。前記パララックスバリアは、複数の減光部と、複数の透光部と、を含む。前記複数の減光部は、第1値未満の透過率で前記画像光を透過させるように構成されている。前記複数の透光部は、前記第1値より大きい第2値以上の透過率で前記画像光を透過させるように構成されている。前記複数の透光部は、前記複数の減光部によって区画されて互いに離間して配置されている。前記複数の透光部は、それぞれの重心が前記視差方向に沿う第1方向に並ぶ。前記複数の透光部は、前記第1方向に交差する方向である第2方向に並ぶように位置する。前記コントローラは、前記検出装置によって検出された前記眼の位置に基づいて、前記表示パネルを制御する。
本開示のヘッドアップディスプレイは、3次元表示装置と、被投影部材と、を備える。前記3次元表示装置は、表示パネルと、パララックスバリアとを含む。前記表示パネルは、視差方向に沿って互いに視差を有する第1画像および第2画像を含む視差画像を表示する複数のサブピクセルを有する。前記パララックスバリアは、前記表示パネルから出射された、前記視差画像の画像光の光線方向を規定するように構成されている。前記パララックスバリアは、複数の減光部と、複数の透光部と、を含む。前記複数の減光部は、第1値未満の透過率で前記画像光を透過させるように構成されている。前記複数の透光部は、前記第1値より大きい第2値以上の透過率で前記画像光を透過させるように構成されている。前記複数の透光部は、前記複数の減光部によって区画されて互いに離間して配置されている。前記複数の透光部は、それぞれの重心が前記視差方向に沿う第1方向に並ぶ。前記複数の透光部は、前記第1方向に交差する方向である第2方向に並ぶように位置する。前記被投影部材は、前記3次元表示装置から射出された前記画像光を、利用者の眼の方向に反射させる。
本開示の移動体は、ヘッドアップティスプレイを備える。前記ヘッドアップディスプレイは、3次元表示装置と、被投影部材とを含む。前記表示パネルは、視差方向に沿って互いに視差を有する第1画像および第2画像を含む視差画像を表示する複数のサブピクセルを有する。前記パララックスバリアは、前記表示パネルから出射された、前記視差画像の画像光の光線方向を規定するように構成されている。前記パララックスバリアは、複数の減光部と、複数の透光部と、を含む。前記複数の減光部は、第1値未満の透過率で前記画像光を透過させるように構成されている。前記複数の透光部は、前記第1値より大きい第2値以上の透過率で前記画像光を透過させるように構成されている。前記複数の透光部は、前記複数の減光部によって区画されて互いに離間して配置されている。前記複数の透光部は、それぞれの重心が前記視差方向に沿う第1方向に並ぶ。前記複数の透光部は、前記第1方向に交差する方向である第2方向に並ぶように位置する。前記被投影部材は、前記3次元表示装置から射出された前記画像光を、利用者の眼の方向に反射させる。
本開示の一実施形態によれば、利用者の眼が、本来、視認すべき対象となる視差画像を快適に視認することが可能となる。
本開示の一実施形態に係る3次元表示システムの概略構成を示す図である。 図1に示す表示パネルを奥行方向から見た例を示す図である。 図1に示すパララックスバリアを奥行方向から見た例を示す図である。 図1に示す表示パネルおよびパララックスバリアをパララックスバリア側から左眼で見た例を示す図である。 図1に示す表示パネルおよびパララックスバリアをパララックスバリア側から右眼で見た例を示す図である。 図4および図5に示すAA線による断面で見た、瞳の位置と可視領域との関係を説明するための図である。 瞳の位置に応じた左可視領域を説明するための図である。 瞳の位置に応じた右可視領域を説明するための図である。 図3に示すパララックスバリアの他の実施形態を示す図である。 図9に示すパララックスバリアの拡大模式図である。 図3に示すパララックスバリアの拡大模式図である。 図1に示す3次元表示システムを搭載したHUDの例を示す図である。 図12に示すHUDを搭載した移動体の例を示す図である。 従来のパララックスバリアの例を示す図である。
本開示の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明で用いられる図は模式的なものである。したがって、図面上の寸法比率等は現実のものと必ずしも一致していない。
本開示の一実施形態にかかる3次元表示システム10は、図1に示すように、検出装置1と、3次元表示装置2とを含む。
検出装置1は、利用者の左眼(第1眼)および右眼(第2眼)の位置を検出するように構成される。検出装置1は、検出した位置を3次元表示装置2に出力するように構成される。検出装置1は、例えば、カメラを備えてよい。検出装置1は、カメラによって利用者の顔を撮影するように構成してよい。検出装置1は、カメラの利用者の顔の像を含む撮影画像から左眼および右眼の位置を検出するように構成してよい。検出装置1は、1つのカメラの撮影画像から、左眼および右眼の位置を3次元空間の座標として検出するように構成してよい。検出装置1は、2個以上のカメラの撮影画像から、左眼の位置および右眼の位置を3次元空間の座標として検出するように構成してよい。
検出装置1は、カメラを備えず、装置外のカメラに接続されてよい。検出装置1は、装置外のカメラからの信号を入力するように構成された入力端子を備えてよい。装置外のカメラは、入力端子に直接的に接続されてよい。装置外のカメラは、共有のネットワークを介して入力端子に間接的に接続されてよい。カメラを備えない検出装置1は、カメラが映像信号を入力するように構成された入力端子を備えてよい。カメラを備えない検出装置1は、入力端子に入力された映像信号から左眼および右眼の位置を検出するように構成してよい。
検出装置1は、例えば、一または複数のセンサを備えてよい。センサは、超音波センサまたは光センサ等であってよい。検出装置1は、センサによって利用者の頭部の位置を検出するように構成してよい。センサは、頭部の位置に基づいて左眼および右眼の位置を検出するように構成してよい。検出装置1は、1個または2個以上のセンサによって、左眼および右眼の位置を3次元空間の座標として検出するように構成してよい。
3次元表示システム10は、検出装置1を備えなくてよい。3次元表示システム10が検出装置1を備えない場合、3次元表示装置2は、装置外の検出装置からの信号を入力するように構成された入力端子を備えてよい。装置外の検出装置は、入力端子に接続されてよい。装置外の検出装置は、入力端子に対する伝送信号として、電気信号および光信号を用いてよい。装置外の検出装置は、共有のネットワークを介して入力端子に間接的に接続されてよい。3次元表示装置2には、装置外の検出装置から取得した左眼および右眼の位置を示す位置座標が入力されてよい。
3次元表示装置2は、取得部3と、照射器4と、表示パネル5と、光学素子としてのパララックスバリア6と、コントローラ7とを含みうる。
取得部3は、検出装置1によって検出された左眼の位置および右眼の位置を取得するように構成される。
照射器4は、表示パネル5に向かって照射光を面的に照射するように構成される。照射器4は、光源、導光板、拡散板、拡散シート等を含みうる。照射器4は、例えば、光源により照射光を射出し、導光板、拡散板、拡散シート等により照射光を表示パネル5の面方向に均一化するように構成されうる。そして、照射器4は均一化された光を表示パネル5の方に出射するように構成されうる。
表示パネル5は、例えば透過型の液晶表示パネルなどの表示パネルを採用しうる。図2に示すように、表示パネル5は、面状に形成されたアクティブエリアA上に複数の区画領域を有する。アクティブエリアAは、コントローラ7の制御によって、視差画像を表示可能に構成される。視差画像は、左眼画像(第1画像)と、左眼画像に対して視差を有する右眼画像(第2画像)とを含む。左眼画像を第2画像としてもよく、この場合、右眼画像を第1画像とする。複数の区画領域は、第1方向と、アクティブエリアAの面内で第1方向に直交する方向とに区画された領域である。第1方向は、例えば、水平方向であってよい。第1方向に直交する方向は、例えば、鉛直方向であってよい。水平方向および鉛直方向に直交する方向は奥行方向と称されてよい。図面において、水平方向はx軸方向として表され、鉛直方向はy軸方向として表され、奥行方向はz軸方向として表される。
複数の区画領域の各々には、1つのサブピクセルが対応する。したがって、アクティブエリアAは、水平方向および鉛直方向に沿って格子状に配列された複数のサブピクセルを備える。
各サブピクセルは、R(Red),G(Green),B(Blue)のいずれかの色に対応し、R,G,Bの3つのサブピクセルを一組として1ピクセルを構成することができる。1ピクセルは、1画素と称されうる。1ピクセルを構成する複数のサブピクセルは、水平方向に並んでよい。同じ色の複数のサブピクセルは、鉛直方向に並んでよい。複数のサブピクセルPそれぞれの水平方向の長さHpxは、互いに同一としてよい。複数のサブピクセルPそれぞれの鉛直方向の長さHpyは、互いに同一としてよい。
表示パネル5としては、透過型の液晶パネルに限られず、有機EL等他の表示パネルを使用しうる。透過型の表示パネルは、液晶パネルの他に、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)シャッター式の表示パネルを含む。自発光型の表示パネルは、有機EL(electro-luminescence)、および無機ELの表示パネルを含む。表示パネル5が自発光型の表示パネルである場合、3次元表示装置2は照射器4を備えなくてよい。
上述したようにアクティブエリアAに連続して配列された複数のサブピクセルPは、1つのサブピクセル群Pgを構成する。例えば、1のサブピクセル群Pgは、水平方向および鉛直方向にそれぞれ所定数の複数のサブピクセルを含む。1のサブピクセル群Pgは、鉛直方向にny個、水平方向にnx個、連続して配列された(2×nx×ny)個のサブピクセルP1〜P(2×nx×ny)を含む。複数のサブピクセルPは、複数のサブピクセル群Pgを構成する。複数のサブピクセル群Pgは、水平方向に繰り返して配列されている。複数のサブピクセル群Pgは、鉛直方向においては、水平方向にj(j≦nx)サブピクセル分ずれた位置に隣接して繰り返して配列されている。本実施形態では、一例として、j=1、nx=4、ny=1の場合について説明する。本例では、図2に示すように、アクティブエリアAには、鉛直方向に1行、水平方向に8列、連続して配列された8個のサブピクセルP1〜P8を含む複数のサブピクセル群Pgが配置される。P1〜P8を複数のサブピクセルの識別情報と呼ぶ。図2には、一部のサブピクセル群Pgに符号を付している。
全てのサブピクセル群Pgにおける、対応する位置にある複数のサブピクセルPは、同じ種別の画像を表示し、同じタイミングで表示する画像の種別を切り替える。画像の種別は、左眼画像および右眼画像のいずれであるかを表す種別である。1のサブピクセル群Pgを構成する複数のサブピクセルPは、左眼画像と右眼画像とを切り替えて表示可能である。例えば、全てのサブピクセル群Pgにおける複数のサブピクセルP1に表示される画像は同じタイミングで切り替えられる。全てのサブピクセル群Pgにおける他の識別情報を有する複数のサブピクセルPに表示された画像は同じタイミングで切り替えられる。
1のサブピクセル群Pgを構成する複数のサブピクセルPに表示される画像の種別は互いに独立している。サブピクセル群Pgを構成する複数のサブピクセルPは、左眼画像と右眼画像とを切り替えて表示可能である。例えば、複数のサブピクセルP1が左眼画像と右眼画像とを切り替えるタイミングは、複数のサブピクセルP2が左眼画像と右眼画像とを切り替えるタイミングと同じであってもよいし、異なっていてもよい。互いに異なる識別情報を有する、他の2つの複数のサブピクセルPが左眼画像と右眼画像とを切り替えるタイミングは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
パララックスバリア6は、表示パネル5から出射された視差画像の画像光の光線方向を規定するように構成される。パララックスバリア6は、図1に示したように、アクティブエリアAに沿う面を有する。パララックスバリア6は、アクティブエリアAから所定距離(ギャップ)g、離れている。パララックスバリア6は、表示パネル5に対して照射器4の反対側に位置してよい。パララックスバリア6は、表示パネル5の照射器4側に位置してよい。
図3に示すように、パララックスバリア6は、複数の減光部61と、複数の透光部62とを備える。図3の例では、透光部6211から透光部6214、透光部6221から透光部6224、および透光部6231から透光部6234の合計12個の透光部62が示されているが、透光部62の数は12個に限られず、任意の数であってよい。
複数の減光部61は、第1値未満の透過率で画像光を透過させる。複数の減光部61は、第1値未満の透過率を有するフィルムまたは板状部材で構成されてよい。フィルムは、樹脂で構成されてよいし、他の材料で構成されてよい。板状部材は、樹脂または金属等で構成されてよいし、他の材料で構成されてよい。複数の減光部61は、フィルムまたは板状部材に限られず、他の種類の部材で構成されてよい。複数の減光部61の基材は減光性を有してよいし、減光部61の基材に減光性を有する添加物が含有されてよい。
複数の透光部62は、第1値より大きい第2値以上の透過率で画像光を透過させるように構成される。複数の透光部62は、複数の減光部61を構成する材料の開口で構成される。複数の透光部62は、第1値以上の透過率を有するフィルムまたは板状部材で構成されてよい。フィルムは、樹脂で構成されてよいし、他の材料で構成されてよいし、他の材料で構成されてよい。また、複数の透光部62は、何らの部材を用いられずに構成されてもよい。この場合、複数の透光部62の透過率は、略100%となる。
このように、パララックスバリア6は、減光部61および複数の透光部62を備える。これによって、表示パネル5のアクティブエリアAから射出された画像光の一部がパララックスバリア6を透過して利用者の眼に到達し、画像光の残りの一部がパララックスバリア6によって減光されて利用者の眼に到達し難くなる。利用者の眼は、アクティブエリアAの一部の領域を視認し、残りの一部の領域を視認し難くなる。
複数の透光部62は、互いに離隔している。複数の透光部62それぞれの重心は、第1方向dr1(本例では水平方向)に並んでいる。図3の例では、透光部6211の重心CG11は、透光部6212の重心CG12、透光部6213の重心CG13、および透光部6214の重心CG14それぞれと第1方向dr1に並んでいる。
複数の透光部62それぞれの重心は、第2方向dr2に並んでいる。1の透光部62は、第1方向dr1に並ぶ複数の透光部62と異なる、複数の透光部62と第2方向dr2に並んでよい。第2方向dr2は、パララックスバリア6の面内で第1方向dr1と交差する所定の方向であってよい。第2方向dr2は、aおよびbをそれぞれ整数としたときに、第1方向の成分がサブピクセルの水平方向の長さHpxのa倍、第1方向に直交する方向の成分が当該長さHpxのb倍となる方向であってよい。図3の例では、透光部6211の重心CG11は、透光部6221の重心CG21および透光部6231の重心CG31と第2方向dr2に並んでいる。透光部6212の重心CG12は、透光部6222および透光部6232それぞれの重心CG22およびCG32と第2方向dr2に並んでいる。
複数の透光部62それぞれの重心は、第3方向dr3に並んでいてもよい。1の透光部62は、第1方向dr1又は第2方向dr2に並ぶ複数の透光部62と異なる、複数の透光部62と第3方向dr3に並んでよい。第3方向dr3は、第1方向dr1および第2方向dr2に交差する所定の方向であってよい。図3の例では、透光部6213の重心CG13は、透光部6222の重心CG22および透光部6231の重心CG31と第3方向dr3に並んでいる。透光部6214の重心CG11は、透光部6223の重心CG23および透光部6232の重心CG32と第3方向dr3に並んでいる。
例えば、図14に示す従来例のパララックスバリア600のように、減光部601が一方向にのみ伸びる場合、利用者の眼は、一方向のみに伸びる減光部601によって画定される複数の透光部602を透過する画像光によって形成される筋(バリアスジ)を視認され得る。これに対して、本例では、第2方向dr2に配列される複数の透光部62によるバリアスジが視認し難くなる。複数の透光部62が複数の方向に繰り返して配列されることによって、利用者の眼に視認され得るバリアスジが多くなり、それぞれの方向に伸びるバリアスジのいずれかのみが目立って視認されることが少なくなる。このため、利用者の眼は、本来、視認すべき対象となる視差画像を快適に視認することができる。
利用者の各眼が視認する、アクティブエリアAの領域は、各眼の位置、複数の透光部62の位置、および適視距離Dに依存する。以降において、利用者の眼の位置に伝播する画像光を射出するアクティブエリアA内の領域は可視領域5aと称される。利用者の左眼の位置に伝播する画像光を射出するアクティブエリアAの領域は左可視領域5aL(第1可視領域)と称される。利用者の右眼の位置に伝播する画像光を射出するアクティブエリアAの領域は右可視領域5aR(第2可視領域)と称される。利用者の左眼の方に伝播し、減光部62によって減光される画像光を射出するアクティブエリアA内の領域は左減光領域5bLと称される。利用者の右眼の方に伝播し、減光部62によって減光される画像光を射出するアクティブエリアA内の領域は右減光領域5bRと称される。
図4の例では、それぞれの左可視領域5aLの鉛直上方側の半分には複数のサブピクセルP3の全部と、複数のサブピクセルP2およびP4のそれぞれ半分とが含まれている。左可視領域5aLの鉛直下方側の半分には複数のサブピクセルP2の全部と、複数のサブピクセルP1およびP3のそれぞれ半分とが含まれている。左減光領域5bLは、左可視領域5aLを除く領域である。図4において、左眼画像を表示する複数のサブピクセルには符号「L」が付され、右眼画像を表示する複数のサブピクセルには符号「R」が付されている。
図5の例では、それぞれの右可視領域5aRの鉛直上方側の半分には、複数のサブピクセルP7の全部と、複数のサブピクセルP6およびP8のそれぞれ半分とが含まれている。右可視領域5aRの鉛直下方側の半分には、複数のサブピクセルP6の全部と、複数のサブピクセルP5およびP7のそれぞれ半分とが含まれている。右減光領域5bRは、右可視領域5aRを除く領域である。図5において、左眼画像を表示する複数のサブピクセルには符号「L」が付され、右眼画像を表示する複数のサブピクセルには符号「R」が付されている。
図4および図5の例では、表示パネル5の各サブピクセル群Pgに含まれる複数のサブピクセルP1〜P4に左眼画像が表示され、複数のサブピクセルP5〜P8に右眼画像が表示されている。このため、左可視領域5aLに左眼画像を表示する複数のサブピクセルPが含まれ、右可視領域5aRに右眼画像を表示する複数のサブピクセルPが含まれる。これにより、利用者の左眼は左眼画像を視認し、右眼は右眼画像を視認する。このため、利用者は、3次元画像を視認することができる。
複数の透光部62の形状および大きさは、眼が原点位置EP0にあるときに、クロストークの量が3次元表示装置2に要求されている最低量となるように規定されてよい。原点位置EP0は、基準状態において、左可視領域5aLに含まれる右眼画像が最も少なく、右可視領域5aRに含まれる左眼画像が最も少なくなる眼の位置である。基準状態は、サブピクセル群Pgにそれぞれ含まれる、連続する所定のm個(m≦nx)のサブピクセルに左眼画像が表示され、異なるm個のサブピクセルに右眼画像が表示されている状態である。
図4および図5の例では、複数の透光部62の形状および大きさは、左可視領域5aLに左眼画像を表示するサブピクセルPのみが含まれ、右可視領域5aRに右眼画像を表示するサブピクセルPのみが含まれるように、規定されている。このような構成において、3次元表示装置2は、眼が原点位置EP0にあるときに、クロストークの最低量が0であるという要求を満たすことができる。眼の位置と、可視領域5aに含まれるサブピクセルPに表示される画像の種別との関係については、追って詳細に説明する。
複数の透光部62の形状は、鉛直方向の対象軸に対して線対称であってよい。具体的には、複数の透光部62は、互いに対向する2つの第1辺と、互いに対向する2つの第2辺とを含む複数の辺によって区画されている。例えば、複数の透光部62は、図3から図5に示すように、互いに対向する2つの第1辺sd1と、互いに対向する2つの第2辺sd2と、互いに対向する2つの第3辺sd3とによって構成される六角形によって区画されてよい。第1辺sdは、第1方向dr1に伸びている。第2辺sd2は、第2方向dr2に伸びている。2つの第3辺sd3は、2つの第2辺sd2それぞれと、第1方向に直交する方向(水平方向)の対象軸に対して対称であってよい。
第1辺sd1の長さL1は、サブピクセルPの水平方向の長さHpx、適視距離D、およびギャップgと、式(1)に示す関係を満たす長さであってよい。適視距離Dは、利用者の左眼および右眼それぞれとパララックスバリア6との間の距離である。ギャップgは、パララックスバリア6と表示パネル5との間の距離である。
D:L1=D+g:Hpx (1)
第2辺sd2を鉛直方向に投影した線分の長さL2は、サブピクセルPの鉛直方向の長さHpy、適視距離D、およびギャップgと、式(2)に示す関係を満たす長さであってよい。
D:L2=D+g:Hpy (2)
2つの第3辺sd3は、2つの第2辺sd2それぞれと鉛直方向の対象軸(y軸)に対して対称としてよい。第3辺sd3の長さは、第2辺sd2の長さと同じであってよい。
ただし、各辺が延びる方向、および各辺の長さは上述したものとは限らない、各辺の長さは、所望されるクロストークの許容量および開口率に応じて適宜設計されうる。各辺の長さが短いほど、1の透光部62と、当該1の透光部62に隣り合って配列されている他の1の透光部62との間の距離が長くなり、利用者の眼は複数の透光部62によるバリアスジを視認しにくくなる。一方、各辺の長さが長いほど、1の透光部62と、当該1の透光部62に隣り合って配列されている他の1の透光部62との間の距離が短くなり、複数の透光部62の面積を大きくできる。これによりパララックスバリア6における開口率が高くなり、利用者の眼に視認されうる画像光の光量が増加し、利用者が視差画像を視認しやすくなる。
コントローラ7は、3次元表示システム10の各構成要素に接続され、各構成要素を制御しうる。コントローラ7によって制御される構成要素は、表示パネル5を含む。コントローラ7は、例えばプロセッサとして構成される。コントローラ7は、1以上のプロセッサを含んでよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。コントローラ7は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、およびSiP(System In a Package)のいずれかであってよい。コントローラ7は、記憶部を備え、記憶部に各種情報、または3次元表示システム10の各構成要素を動作させるためのプログラム等を格納してよい。記憶部は、例えば半導体メモリ等で構成されてよい。記憶部は、コントローラ7のワークメモリとして機能してよい。
ここで、コントローラ7が実行する処理について、図6から図8を参照して詳細に説明する。コントローラ7は、取得部3によって取得された瞳の位置に基づいて、表示パネル5の各サブピクセルPに表示させる画像の種別を制御する。
コントローラ9は、取得部3によって取得した瞳の位置EPの、原点位置EP0からの水平方向における距離dを算出する。上述したように、原点位置EP0は、基準状態において、左可視領域5aLに含まれる右眼画像が最も少なく、右可視領域5aRに含まれる左眼画像が最も少なくなる眼の位置である。基準状態は、表示パネル5が、サブピクセル群Pgにそれぞれ含まれる、連続する所定のm個(m≦nx)のサブピクセルに左眼画像を表示し、異なるm個のサブピクセルに右眼画像を表示した状態である。
ここで、基準状態が、表示パネル5が、サブピクセルP1〜P4に左眼画像が表示され、サブピクセルP5〜P8に右眼画像が表示されている状態である例について説明する。図6から図8において、基準状態において、左眼画像を表示するサブピクセルには符号「L」が付され、右眼画像を表示するサブピクセルには符号「R」が付されている。
眼が、図6に示すような原点位置EP0にあるときの左可視領域5aL0の鉛直上方側の半分には、図7に示すように、サブピクセルP3の全部と、サブピクセルP2およびP4のそれぞれ半分とが含まれている。左可視領域5aL0の鉛直下方側の半分にはサブピクセルP2の全部と、サブピクセルP1およびP3のそれぞれ半分とが含まれている。図8に示すように、眼が原点位置EP0にあるときの右可視領域5aR0の鉛直上方側の半分には、サブピクセルP7の全部と、サブピクセルP6およびP8のそれぞれ半分とが含まれている。右可視領域5aR0の鉛直下方側の半分には、サブピクセルP6の全部と、サブピクセルP5およびP7のそれぞれ半分とが含まれている。
コントローラ9は、距離dが、式(3)を満たすようなkを判定する。コントローラ9は、基準状態において各サブピクセルに表示されていた画像と同じ種別の画像を、当該サブピクセルPから、瞳の変位方向とは反対方向にk個ずれた位置に配置されているサブピクセルPに表示させる。
(2k−1)×E/2nx≦d<(2k+1)×E/2nx (3)
図6〜図8の例では、距離dがE/8未満である場合、すなわち、瞳が原点位置EP0から境界位置EP1までの間に位置する場合、コントローラ9は、k=0であると判定する。境界位置EP1は、原点位置EP0から水平方向に距離E/8ずれた位置である。
瞳が原点位置EP0から水平方向に変位するにつれて、左可視領域5aLは、瞳の変位方向と反対方向に移動する。これに伴い、左可視領域5aLの鉛直上方側の半分に含まれる右眼画像を表示するサブピクセルP5の部分は増加し、鉛直下方側の半分に含まれる左眼画像を表示するサブピクセルP1の部分は減少する。コントローラ9は、左可視領域5aLの面積全体における、右眼画像を表示しているサブピクセルP5の面積の割合が所定値未満であり、左眼画像を表示しているサブピクセルP1の面積の割合が所定値以上である限り、画像の種別を変更しない。図7の例では、所定値は3.125%である。
このとき、瞳が水平方向に変位するにつれて、右可視領域5aRは、瞳の変位方向と反対方向に移動する。これに伴い、右可視領域5aR1の鉛直上方側の半分に含まれる左眼画像を表示するサブピクセルP1の部分が増加し、鉛直下方側の半分に含まれる右眼画像を表示するサブピクセルP5の部分が減少する。したがって、コントローラ9は、右可視領域5aRの面積全体における、左眼画像を表示しているサブピクセルP1の面積の割合が所定値未満であり、右眼画像を表示しているサブピクセルP5の面積の割合が所定値以上である限り、画像の種別を変更しないことになる。
これにより、原点位置EP0から境界位置EP1までの各位置において、コントローラ9が画像の種別を制御しうる範囲内で、左眼の瞳が視認する右眼画像は最も少なく、右眼の瞳が視認する左眼画像は最も少なくなっている。したがって原点位置EP0から境界位置EP1までの各位置において、瞳はクロストークが最も低減されている状態で視差画像を視認しうる。
距離dが、E/8以上であり、3E/8未満である場合、すなわち、瞳が境界位置EP1から境界位置EP2までの間に位置する場合、コントローラ9は、k=1であると判定する。境界位置EP2は、原点位置EP0から水平方向に距離3E/8ずれた位置である。図7に示すように、瞳が境界位置EP1に位置する場合の左可視領域5aL1の鉛直上方側の半分には、サブピクセルP3およびP4それぞれの87.5%と、サブピクセルP2およびP5のそれぞれ12.5%とが含まれる。左可視領域5aL1の鉛直下方側の半分には、サブピクセルP2およびP3のそれぞれ87.5%と、サブピクセルP1およびP4のそれぞれ12.5%とが含まれる。図8に示すように、瞳が境界位置EP1に位置する場合の右可視領域5aR1の鉛直上方側の半分には、サブピクセルP7およびP8のそれぞれ87.5%と、サブピクセルP6およびP1のそれぞれ12.5%とが含まれる。右可視領域5aR1の鉛直下方側の半分には、サブピクセルP6およびP7のそれぞれ87.5%と、サブピクセルP5およびP8のそれぞれ12.5%とが含まれる。
瞳が境界位置EP1を超えて原点位置EP0からさらに離れる方向に変位すると、左可視領域5aLに、左可視領域5aLの鉛直上方側の半分に含まれる右眼画像を表示するサブピクセルP5の部分はさらに増加し、鉛直下方側の半分に含まれる左眼画像を表示するサブピクセルP1の部分はさらに減少する。右可視領域5aR1の鉛直上方側の半分に含まれる左眼画像を表示するサブピクセルP1の部分が増加し、鉛直下方側の半分に含まれる右眼画像を表示するサブピクセルP5の部分が減少する。
ここで、コントローラ9は、瞳が原点位置EP0に位置するときに各サブピクセルに表示させていた画像と同じ種別の画像を、当該サブピクセルPから、瞳の変位方向とは反対方向に1個ずれた位置に配置されているサブピクセルPに表示させる。すなわち、コントローラ9は、サブピクセルP1〜P8に表示されていた種別の画像を、それぞれサブピクセルP2〜P8、およびP1に表示させる。本例では、コントローラ9は、サブピクセルP2〜P5に左眼画像を表示させ、サブピクセルP6〜P8、およびP1に右眼画像を表示させる。これにより、境界位置EP1から境界位置EP2までの各位置において、コントローラ9が画像の種別を制御する範囲内で、左眼が視認する右眼画像は最も少なく、右眼の瞳が視認する左眼画像が最も少なくなり、これによりクロストークが低減されうる。
距離dが、3E/8以上であり、5E/8未満である場合、すなわち、瞳が、境界位置EP2と、境界位置EP3との間に位置する場合、コントローラ9は、k=2であると判定する。境界位置EP3は、原点位置EP0から水平方向に距離5E/8ずれた位置である。図7に示すように、瞳が境界位置EP2に位置する場合の左可視領域5aL2の鉛直上方側の半分には、サブピクセルP4およびP5それぞれの87.5%と、サブピクセルP3およびP6のそれぞれ12.5%とが含まれる。左可視領域5aL1の鉛直下方側の半分には、サブピクセルP3およびP4のそれぞれ87.5%と、サブピクセルP2およびP5のそれぞれ12.5%とが含まれる。図8に示すように、瞳が境界位置EP2に位置する場合の右可視領域5aR2の鉛直上方側の半分には、サブピクセルP8およびP1のそれぞれ87.5%と、サブピクセルP7およびP2のそれぞれ12.5%とが含まれる。右可視領域5aR2の鉛直上方側の半分には、サブピクセルP7およびP8のそれぞれ87.5%と、サブピクセルP6およびP1のそれぞれ12.5%とが含まれる。
瞳が境界位置EP2を超えて原点位置EP0からさらに離れる方向に変位すると、左可視領域5aLに、左可視領域5aLの鉛直上方側の半分に含まれる右眼画像を表示するサブピクセルP6の部分はさらに増加し、鉛直下方側の半分に含まれる左眼画像を表示するサブピクセルP2の部分はさらに減少する。右可視領域5aR1の鉛直上方側の半分に含まれる左眼画像を表示するサブピクセルP2の部分が増加し、鉛直下方側の半分に含まれる右眼画像を表示するサブピクセルP6の部分が減少する。
ここで、コントローラ9は、瞳が原点位置EP0に位置するときに各サブピクセルに表示させていた画像と同じ種別の画像を、当該サブピクセルPから、瞳の変位方向とは反対方向に2個ずれた位置に配置されているサブピクセルPに表示させる。すなわち、コントローラ9は、サブピクセルP1〜P8に表示されていた種別の画像を、それぞれサブピクセルP3〜P8、P1、およびP2に表示させる。本例では、コントローラ9は、サブピクセルP3〜P6に左眼画像を表示させ、サブピクセルP7、P8、P1、およびP2に右眼画像を表示させる。これにより、境界位置EP2から境界位置EP3までの各位置において、コントローラ9が画像の種別を制御する範囲内で、左眼が視認する右眼画像は最も少なく、右眼の瞳が視認する左眼画像が最も少なくなり、これによりクロストークが低減されうる。
以上のように、本実施形態によれば、複数の透光部62の重心それぞれは、他の複数の透光部62のうちの一部の複数の透光部の重心と、視差の方向に沿う第1方向dr1に並ぶ。複数の透光部の重心それぞれは、一部の複数の透光部とは異なる、他の複数の透光部のうちの一部の複数の透光部の重心と第2方向dr2に並ぶ。これにより、複数の透光部62が複数の方向に繰り返して配列され、利用者の眼に視認されるバリアスジが多くなる。したがって、それぞれの方向に伸びるバリアスジのいずれかのみが目立って視認されることが少なくなる。このため、利用者の眼は、本来、視認すべき対象となる視差画像を快適に視認することができる。
本実施形態における複数の透光部62は、2つの第1辺sd1と、2つの第2辺sd2と、2つの第3辺sd3とによって区画されている。これにより、複数の透光部が6つより多い数の辺によって区画されている場合に比べて、パララックスバリア6を容易に製造することができる。
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨および範囲内で、多くの変更および置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形および変更が可能である。例えば、実施形態および実施例に記載の複数の構成ブロックを1つに組合せたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
上述した実施形態では、パララックスバリア6は、2つの第1辺sd1と、2つの第2辺sd2と、2つの第3辺sd3とを含む複数の辺によって区画される複数の透光部62を備える。しかし、図9に示すように、パララックスバリア6は、2つの第1辺sd1と、2つの第2辺sd2と、2つの第3辺sd3のみによっては区画されない複数の透光部63を備えてよい。
ここで、他の実施形態における複数の透光部63について、図10および図11を参照しながら、説明する。
図10に示す本実施形態の複数の透光部63は、上述した実施形態の複数の透光部62(図11参照)に相当する基本部631に加えて、拡大部632を含む。拡大部632は、基本部631に隣接している領域であって、利用者の眼が基準位置にあるときにクロストークが最低量となるように複数の透光部63が構成されるような領域である。図10の例では、拡大部632は、破線で囲まれる部分である。複数の透光部63が、基本部631に加えて、拡大部632を含むことにより、複数の透光部63の面積を大きく構成することができ、これによりパララックスバリア6における開口率が高くなる。したがって、利用者の眼に視認できる画像光の光量が増加し、利用者が視差画像を視認しやすくなる。
拡大部632は、複数の透光部62に対して、第2方向dr2で隣接する領域であることが好ましい。仮に、図10の一点鎖線に示すように、第2方向dr2でない方向で複数の透光部62に隣接する領域を拡大部632とした場合、眼の位置が水平方向に僅かに変位することによって、右眼画像を表示しているサブピクセルP5が左可視領域5aLに含まれやすくなる。これにより、クロストークが発生しやすくなる。これに対して、既に説明した、破線で示したような、第2方向dr2で複数の透光部62に隣接する領域を拡大部632とした場合、眼の位置が水平方向に変更しても、左可視領域5aLに含まれる、右眼画像を表示しているサブピクセルP5の面積は、第2方向dr2ではない方向で複数の透光部62に隣接する領域を拡大部632とした場合に比べて、小さい。したがって、クロストークの発生を低減させることができる。
図12に示すように、3次元表示装置2は、ヘッドアップディスプレイ100に搭載されうる。ヘッドアップディスプレイ100は、HUD(Head Up Display)100ともいう。HUD100は、3次元表示装置2と、光学部材110と、被投影面130を有する被投影部材120とを備える。光学部材110は、3次元表示装置2から射出される画像光を、被投影部材120の方向に反射させる。被投影部材120は、3次元表示装置2から射出され、光学部材110にて反射された画像光を利用者の眼の方向に反射する。これにより、画像光は、利用者の眼に到達される。つまり、HUD100は、破線で示される光路140に沿って、3次元表示装置2から利用者の左眼および右眼まで画像光を進行させる。利用者は、光路140に沿って到達した画像光を、虚像150として視認しうる。3次元表示装置2は、利用者の左眼および右眼の位置に応じて表示を制御することによって、利用者の動きに応じて立体視を提供しうる。
図13に示すように、3次元表示装置2およびHUD100は、移動体20に搭載されてよい。HUD100の構成の一部は、移動体20が備える他の装置または部品と兼用されてよい。例えば、移動体20は、ウインドシールドを被投影部材120として兼用してよい。HUD100の構成の一部として兼用される、該移動体20が備える他の装置または部品は、HUDモジュールと称されることがある。
本開示における「移動体」には、車両、船舶、航空機を含む。本開示における「車両」には、自動車および産業車両を含むが、これに限られず、鉄道車両および生活車両、滑走路を走行する固定翼機を含めてよい。自動車は、乗用車、トラック、バス、二輪車、およびトロリーバス等を含むがこれに限られず、道路上を走行する他の車両を含んでよい。産業車両は、農業および建設向けの産業車両を含む。産業車両には、フォークリフト、およびゴルフカートを含むがこれに限られない。農業向けの産業車両には、トラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、および芝刈り機を含むが、これに限られない。建設向けの産業車両には、ブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、およびロードローラを含むが、これに限られない。車両は、人力で走行するものを含む。なお、車両の分類は、上述に限られない。例えば、自動車には、道路を走行可能な産業車両を含んでよく、複数の分類に同じ車両が含まれてよい。本開示における船舶には、マリンジェット、ボート、タンカーを含む。本開示における航空機には、固定翼機、回転翼機を含む。
1 検出装置
2 3次元表示装置
3 取得部
4 照射器
5 表示パネル
6 パララックスバリア
7 コントローラ
10 3次元表示システム
20 移動体
5a 可視領域
5aL 左可視領域
5aR 右可視領域
5bL 左減光領域
5bR 右減光領域
61 減光部
62、63 透光部
100 ヘッドアップディスプレイ
110 光学部材
120 被投影部材
130 被投影面
140 光路
150 虚像
A アクティブエリア

Claims (8)

  1. 視差方向に沿って互いに視差を有する第1画像および第2画像を含む視差画像を表示する複数のサブピクセルを有する表示パネルから出射された、前記視差画像の画像光の光線方向を規定するように構成されたパララックスバリアであって、
    第1値未満の透過率で前記画像光を透過させるように構成された複数の減光部と、
    前記第1値より大きい第2値以上の透過率で前記画像光を透過させるように構成され、前記複数の減光部によって区画されて互いに離間している複数の透光部と、を備え、
    前記複数の透光部は、それぞれの重心が前記視差方向に沿う第1方向に並び、かつ、前記第1方向に交差する方向である第2方向に並ぶように位置する、パララックスバリア。
  2. 前記透光部は、前記第1方向に伸びる2つの第1辺と、前記第2方向に伸びる2つの第2辺とを含む複数の辺によって区画されている、請求項1に記載のパララックスバリア。
  3. 前記透光部は、前記2つの第1辺と、前記2つの第2辺と、2つの第3辺とによって区画される領域を含み、
    前記2つの第3辺の各々は、前記第1方向に直交する方向を対象軸として、前記2つの第2辺のいずれかと対称である、請求項2に記載のパララックスバリア。
  4. 前記第2方向は、aおよびbをそれぞれ整数としたときに、前記第1方向の成分が前記サブピクセルの水平方向の長さのa倍、前記第1方向に直交する方向の成分が当該長さのb倍となる方向であり、
    前記透光部は、前記第1辺、前記第2辺、および前記第3辺によって区画される領域に前記第2方向で隣接する領域をさらに含む、請求項3に記載のパララックスバリア。
  5. 表示パネルと、パララックスバリアと、を備える3次元表示装置であって、
    前記表示パネルは、視差方向に沿って互いに視差を有する第1画像および第2画像を含む視差画像を表示する複数のサブピクセルを有し、
    前記パララックスバリアは、前記表示パネルから出射された、前記視差画像の画像光の光線方向を規定するように構成されたパララックスバリアであって、第1値未満の透過率で前記画像光を透過させるように構成された複数の減光部と、前記第1値より大きい第2値以上の透過率で前記画像光を透過させるように構成され、前記複数の減光部によって区画されて互いに離間している複数の透光部と、を含み、前記複数の透光部は、それぞれの重心が前記視差の方向に沿う第1方向に並び、かつ、前記一部の透光部とは異なる、他の前記透光部のうちの一部の透光部の重心と、前記第1方向に交差する方向である第2方向に並ぶように位置する、3次元表示装置。
  6. 検出装置と、3次元表示装置とを備える3次元表示システムであって、
    前記検出装置は、利用者の眼の位置を検出し、
    前記3次元表示装置は、表示パネルと、パララックスバリアと、コントローラと、を含み、
    前記表示パネルは、視差方向に沿って互いに視差を有する第1画像および第2画像を含む視差画像を表示する複数のサブピクセルを有し、
    前記パララックスバリアは、前記表示パネルから出射された、前記視差画像の画像光の光線方向を規定するように構成されたパララックスバリアであって、第1値未満の透過率で前記画像光を透過させるように構成された複数の減光部と、前記第1値より大きい第2値以上の透過率で前記画像光を透過させるように構成され、前記複数の減光部によって区画されて互いに離間している複数の透光部と、を含み、前記複数の透光部は、それぞれの重心が前記視差の方向に沿う第1方向に並び、かつ、前記一部の透光部とは異なる、他の前記透光部のうちの一部の透光部の重心と、前記第1方向に交差する方向である第2方向に並ぶように位置し、
    前記コントローラは、前記検出装置によって検出された前記眼の位置に基づいて、前記表示パネルを制御する、3次元表示システム。
  7. 3次元表示装置と、被投影部材と、を備えるヘッドアップティスプレイであって、
    前記3次元表示装置は、表示パネルと、パララックスバリアとを含み、
    前記表示パネルは、視差方向に沿って互いに視差を有する第1画像および第2画像を含む視差画像を表示する複数のサブピクセルを有し、
    前記パララックスバリアは、前記表示パネルから出射された、前記視差画像の画像光の光線方向を規定するように構成されたパララックスバリアであって、第1値未満の透過率で前記画像光を透過させるように構成された複数の減光部と、前記第1値より大きい第2値以上の透過率で前記画像光を透過させるように構成され、前記複数の減光部によって区画されて互いに離間している複数の透光部と、を含み、前記複数の透光部は、それぞれの重心が前記視差の方向に沿う第1方向に並び、かつ、前記一部の透光部とは異なる、他の前記透光部のうちの一部の透光部の重心と、前記第1方向に交差する方向である第2方向に並ぶように位置し、
    前記被投影部材は、前記3次元表示装置から射出された前記画像光を、利用者の眼の方向に反射させる、ヘッドアップティスプレイ。
  8. 3次元表示装置と、被投影部材とを含むヘッドアップティスプレイを備える移動体であって、
    前記3次元表示装置は、表示パネルと、パララックスバリアと、を備え、
    前記表示パネルは、視差方向に沿って互いに視差を有する第1画像および第2画像を含む視差画像を表示する複数のサブピクセルを有し、
    前記パララックスバリアは、前記表示パネルから出射された、前記視差画像の画像光の光線方向を規定するように構成されたパララックスバリアであって、第1値未満の透過率で前記画像光を透過させるように構成された複数の減光部と、前記第1値より大きい第2値以上の透過率で前記画像光を透過させるように構成され、前記複数の減光部によって区画されて互いに離間している複数の透光部と、を含み、前記複数の透光部は、それぞれの重心が前記視差の方向に沿う第1方向に並び、かつ、前記一部の透光部とは異なる、他の前記透光部のうちの一部の透光部の重心と、前記第1方向に交差する方向である第2方向に並ぶように位置し、
    前記被投影部材は、前記3次元表示装置から射出された前記画像光を、利用者の眼の方向に反射させる、移動体。
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