JP2021056206A - シンチレータパネルおよび放射線検出器 - Google Patents

シンチレータパネルおよび放射線検出器 Download PDF

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Abstract

【課題】特殊な設備を必要とすることなく、輝度の高いシンチレータパネルを提供する。【解決手段】基板4、および、蛍光体13とバインダー樹脂14を含有する蛍光体層6を有するシンチレータパネル2であって、前記バインダー樹脂14が、フッ素およびアルコキシ基を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、シンチレータパネルおよび放射線検出器に関する。
従来、医療現場において、フィルムを用いた放射線画像が広く用いられてきた。しかし、フィルムを用いた放射線画像はアナログ画像情報であるため、近年、コンピューテッドラジオグラフィ(computed radiography:「CR」)や平板放射線検出器(flat panel detector;以下、「FPD」)等のデジタル方式の放射線検出器が開発されている。
FPDにおいては、放射線を可視光に変換するために、シンチレータパネルが使用される。シンチレータパネルは、基板上に、酸硫化ガドリニウム(以下、「GOS」)やヨウ化セシウム(以下、「CsI」)等の放射線蛍光体を含有する蛍光体層を有し、照射された放射線に応じて、蛍光体が可視光を発光して、その発光をTFTやCCDを用いて電気信号に変換することにより、放射線の情報をデジタル画像情報に変換する。ここで、照射する放射線のエネルギーを高めれば、蛍光体の発光強度も高まり、鮮明な画像が得られる。しかしながら、被験者等の放射線による被爆量を低減するためには、照射する放射線のエネルギーを過度に高めずに鮮明な画像を得ることが必要であり、そのためには、蛍光体層の蛍光体含有量を多くして輝度を向上させることが有効である。
蛍光体層における蛍光体の密度を高める方法として、例えば、支持体と蛍光体含有樹脂層とから実質的に構成されているシートを圧縮処理することにより、該蛍光体含有樹脂層の空隙率を圧縮処理以前の空隙率の90%以下とすることを特徴とする放射線像変換パネルの製造法(例えば、特許文献1参照)、少なくとも支持体と、複数枚の蛍光体シートを積層してなる蛍光体層とからなる放射線像変換パネルの製造方法において、前記複数枚の蛍光体シートに張力をかけながら該複数枚の蛍光体シートを同時に、張力をかけた前記支持体と重ね合わせ、重ね合わせた前記蛍光体シートと前記支持体とを熱圧縮ロールで加熱圧縮して、前記蛍光体シートを前記支持体上に接合させることを特徴とする放射線像変換パネルの製造方法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。また、より高感度で鮮鋭度が高く、耐久性に優れた放射線変換スクリーンとして、異なる粒子径分布をもった2種類の蛍光体の混合蛍光体を結合剤樹脂中に分散させてなる第1の蛍光体層と、単一の粒子径分布をもった蛍光体を結合剤樹脂中に分散させてなる第2の蛍光体層とがこの順序で支持体上に設けられた放射線像変換スクリーンであって、上記第1の蛍光体層における上記混合蛍光体を構成する各蛍光体の平均粒子径の比が1.4〜3.0の範囲にあり、上記第2の蛍光体層における上記蛍光体の粒子径分布の標準偏差(σ)が2.5以下であって、かつ、上記第2の蛍光体層における上記蛍光体の平均粒子径が上記第1の蛍光体層における上記混合蛍光体の平均粒子径より大であることを特徴とする(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
特開昭59−126300号公報 特開2001−33596号公報 特開2000−155198号公報
特許文献1〜2に記載された技術は、圧縮処理を行うための設備や工程を要することに加え、圧縮処理により蛍光体が破壊されやすいことから、輝度がなお不十分である課題があった。一方、特許文献3に記載された技術は、小粒径の蛍光体の分散や多層化のための設備や工程を要することに加え、小粒径の蛍光体を用いることから、輝度がなお不十分である課題があった。
そこで、本発明は、特殊な設備を必要とすることなく、輝度の高いシンチレータパネルを提供することを課題とする。
本発明は、基板、および、蛍光体とバインダー樹脂を含有する蛍光体層を有するシンチレータパネルであって、前記バインダー樹脂が、フッ素およびアルコキシ基を有するシンチレータパネルである。
本発明によれば、特殊な設備を必要とすることなく、輝度の高いシンチレータパネルを提供することができる。
本発明のシンチレータパネルを含む放射線検出器用部材の一態様を模式的に表した断面図である。 隔壁を有するシンチレータパネルを含む放射線検出器用部材の一態様を模式的に表した断面図である。
以下、図面を用いて本発明の一実施形態のシンチレータパネルの具体的な構成について説明する。
図1は、本実施形態のシンチレータパネルを含む放射線検出器用部材を模式的に表した断面図である。放射線検出器用部材1は、シンチレータパネル2、出力基板3を有する。シンチレータパネル2は、基板4と蛍光体層6を有する。蛍光体層6は、図示しない蛍光体とバインダー樹脂を含有する。出力基板3は、基板10と、基板10上に形成された出力層9と、出力層9上に形成されたフォトダイオードを有する光電変換層8とを有する。光電変換層8上には、隔膜層7が設けられてもよい。シンチレータパネル2の出光面と出力基板3の光電変換層8とは、隔膜層7を介して接着または密着されていることが好ましい。蛍光体層6で発光した光は、光電変換層8に到達して光電変換され、出力される。
図2は、隔壁を有するシンチレータパネルを含む放射線検出器用部材の一態様を模式的に表した断面図である。シンチレータパネル2は、基板4と、隔壁5と、隔壁5によって区画されたセル内の蛍光体層6を有し、蛍光体層6は、蛍光体13およびバインダー樹脂14を含有する。隔壁5の表面には、反射層11や有機樹脂層12を有してもよい。
次に、本発明のシンチレータパネルについて説明する。本発明のシンチレータパネルは、基板上に蛍光体層を有する。蛍光体層は、入射されたX線等の放射線のエネルギーを吸収して、波長300nm〜800nmの範囲の電磁波、すなわち、可視光を中心に紫外光から赤外光にわたる範囲の任意の光を発光する。蛍光体層は、少なくとも蛍光体とバインダー樹脂を含有する。蛍光体は、X線等の放射線のエネルギーを吸収し、可視光を中心に紫外光から赤外光にわたる範囲の任意の光を発光する作用を有する。バインダー樹脂は、複数の蛍光体を相互に結合し、蛍光体層における蛍光体の相対的な位置を固定する作用を有する。基板上に格子状の隔壁を有し、隔壁によって区画されたセル内に蛍光体層を有することが好ましい。
基板を構成する材料としては、放射線透過性を有するものが好ましく、例えば、各種のガラス、高分子材料、金属等が挙げられる。ガラスとしては、例えば、石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどが挙げられる。高分子材料としては、例えば、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、トリアセテート、ポリカーボネート、炭素繊維強化樹脂などが挙げられる。金属としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅などが挙げられる。これを2種以上用いてもよい。これらの中でも、特に放射線の透過性が高い高分子材料が好ましい。また、平坦性および耐熱性に優れる材料が好ましい。
基板の厚みは、シンチレータパネルの軽量化の観点から、例えば、ガラス基板の場合は2.0mm以下が好ましく、1.0mm以下がより好ましい。また、高分子材料からなる基板の場合は、3.0mm以下が好ましい。
蛍光体層は、少なくとも蛍光体とバインダー樹脂を含有する。
蛍光体としては、例えば、無機蛍光体としては、硫化物系蛍光体、ゲルマン酸塩系蛍光体、ハロゲン化物系蛍光体、硫酸バリウム系蛍光体、リン酸ハフニウム系蛍光体、タンタル酸塩系蛍光体、タングステン酸塩系蛍光体、希土類ケイ酸塩系蛍光体、希土類酸硫化物系蛍光体、希土類リン酸塩系蛍光体、希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、アルカリ土類金属リン酸塩系蛍光体、アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系蛍光体が挙げられる。希土類ケイ酸塩系蛍光体としては、セリウム賦活希土類ケイ酸塩系蛍光体が挙げられ、希土類酸流化物系蛍光体としては、プラセオジム賦活希土類酸硫化物系蛍光体、テルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体、ユウロピウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体が挙げられ、希土類リン酸塩系蛍光体としては、テルビウム賦活希土類リン酸塩系蛍光体が挙げられ、希土類オキシハロゲン蛍光体としては、テルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体が挙げられ、アルカリ土類金属リン酸塩系蛍光体としては、ユウロピウム賦活アルカリ土類金属リン酸塩系蛍光体が挙げられ、アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系蛍光体としては、ユウロピウム賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系蛍光体が挙げられる。有機蛍光体としては、p−ターフェニル、p−クアテルフェニル、2,5−ジフェニルオキサゾール、2,5−ジフェニル−1,3,4−オキソジアゾール、ナフタレン、ジフェニルアセチレン、スチルベンゼンなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、密に充填されやすく、輝度をより向上させることができることから、ハロゲン化物系蛍光体や希土類酸硫化物系蛍光体が好ましく、希土類酸硫化物系蛍光体としては、酸硫化ガドリニウムが特に好ましい。酸硫化ガドリニウムとしては、発光波長がフォトダイオードの感度に適していることからテルビウム賦活酸硫化ガドリニウム(GOS:Tb)がより好ましい。
蛍光体の形状としては、例えば、粒子状、柱状、鱗片状などが挙げられる。これらの中でも、粒子状が好ましい。蛍光体の形状を粒子状にすることにより、蛍光体層中において蛍光体がより均一に分散されることから、蛍光体層中における蛍光体の発光の偏りを抑制し、均一に発光させることができる。
蛍光体の平均粒子径は、0.5〜50μmが好ましい。蛍光体の平均粒子径が0.5μm以上であると、放射線から可視光への変換効率がより向上し、輝度をより向上させることができる。また、蛍光体の凝集を抑制することができる。蛍光体の平均粒子径は、3μm以上がより好ましく、4μm以上がさらに好ましい。一方、蛍光体の平均粒子径が50μm以下であると、蛍光体層表面の平滑性に優れ、画像への輝点の発生を抑制することができる。蛍光体の平均粒子径は、40μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。
本発明において、バインダー樹脂は、フッ素およびアルコキシ基を有する。フッ素およびアルコキシ基をともに有することにより、蛍光体との親和性が向上し、蛍光体を密に充填することができる。このため、特殊な設備を必要とすることなく、輝度を向上させることができる。
バインダー樹脂としては、例えば、フッ素とアルコキシ基を有する、フッ化アルキレン/ビニルエーテル共重合体などが挙げられる。中でも、フッ化アルキレン/ビニルエーテル交互共重合体が好ましい。バインダー樹脂としては、例えば、“ルミフロン”(登録商標)(AGC(株)製)などが挙げられる。
フッ素およびアルコキシ基を有するバインダー樹脂は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有することが好ましく、蛍光体をより密に充填し、輝度をより向上させることができる。
Figure 2021056206
上記一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素、フッ素、水酸基または有機基を表す。ただし、R〜Rのうち少なくとも一つはフッ素であり、R〜Rのうち少なくとも一つはアルコキシ基である。各繰り返し単位におけるR〜Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよい。有機基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルケニル基、アリール基、ニトロ基、アミノ基などが挙げられる。これらの中でも、アルキル基、アルコキシ基が好ましい。これらの基の水素の少なくとも一部が置換されていてもよい。置換基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン基、ニトロ基などが挙げられ、水酸基が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、アルコキシ基の炭素数は、1〜6が好ましい。
フッ素およびアルコキシ基を有するバインダー樹脂は、水酸基を有することが好ましく、蛍光体をより密に充填し、輝度をより向上させることができる。水酸基を有するバインダー樹脂としては、前記一般式(1)において、R〜Rの少なくとも一つが水酸基である場合、その水素の少なくとも一部が水酸基により置換されたアルキル基またはアルコキシ基である場合、バインダー樹脂の末端に水酸基を有する場合などが挙げられる。
蛍光体層におけるフッ素およびアルコキシ基を有するバインダー樹脂の含有量は、蛍光体100体積部に対して、10〜200体積部が好ましい。バインダー樹脂の含有量を10体積部以上とすることにより、蛍光体層の膜剥がれを抑制することができる。バインダー樹脂の含有量は、20体積部以上がより好ましく、25体積部以上がさらに好ましい。一方、バインダー樹脂の含有量を200体積部以下とすることにより、相対的に蛍光体の含有量を高め、輝度をより向上させることができる。バインダー樹脂の含有量は、190体積部以下が好ましく、150体積部以下がさらに好ましい。
蛍光体層には、必要に応じて、フッ素およびアルコキシ基を有するバインダー樹脂に加えて、さらに他のバインダー樹脂を含有してもよいし、分散剤や可塑剤などの添加剤を含有してもよい。
本発明のシンチレータパネルは、基板上に格子状の隔壁を有し、隔壁によって区画されたセル内に蛍光体層を有することが好ましい。シンチレータパネルが隔壁を有する場合、隔壁によって区画されたセルの大きさおよびピッチと、光電変換層の大きさおよびピッチとを一致させることにより、蛍光体によって光が散乱されてもその散乱光が隣のセルに到達することを抑制することができる。これによって光散乱による画像のボケを低減することができ、鮮鋭度を向上させることができる。
隔壁は、耐久性および耐熱性の観点から、ガラスを主成分とする材料により構成されることが好ましく、アルカリ金属酸化物を2〜20質量%含有する低融点ガラスを主成分とする材料により構成されることがより好ましい。かかる低融点ガラスを主成分とする材料は、適切な屈折率と軟化温度とを有し、細幅の隔壁を大面積に高精度に形成するために適している。ここで、低融点ガラスとは、軟化温度が700℃以下のガラスを言う。また、低融点ガラスを主成分とするとは、隔壁を構成する材料の50〜100質量%が低融点ガラスであることを言う。
軟化温度は、示差熱分析装置(例えば、差動型示差熱天秤TG8120;株式会社リガク製)を用いて、サンプルを測定して得られるDTA曲線から、吸熱ピークにおける吸熱終了温度を接線法により外挿して求めることができる。より具体的には、まず、示差熱分析装置を用いて、アルミナ粉末を標準試料として、室温から20℃/分で昇温して、測定サンプルとなる無機粉末を測定し、DTA曲線を得る。そして得られたDTA曲線より、吸熱ピークにおける吸熱終了温度を接線法により外挿して求めた軟化点Tsを、軟化温度とすることができる。
隔壁の表面に、波長550nmにおける光の反射率が80%以上の反射層を有することが好ましい。反射層を有することにより、蛍光を効率的に出力基板に導くことができ、輝度をより向上させることができる。
反射層を構成する材料としては、例えば、チタニアなどの金属酸化物や、銀、アルミニウムなどの金属などが挙げられる。反射層を薄膜化することにより、隔壁内の容積を大きくして蛍光体の含有量を増量し、輝度をより向上させることができるため、反射層としては、金属薄膜が好ましく、銀、アルミニウム、これらを含む合金の薄膜がより好ましい。
隔壁と蛍光体層との間または反射層と蛍光体層との間には、バインダー樹脂とは異なる構造の樹脂を含有する有機樹脂層を有することが好ましい。有機樹脂層を有することにより、隔壁や隔壁表面の反射層を保護することができ、耐候性を向上させることができる。なかでも、隔壁の表面に、反射層と、後述するフッ素含有樹脂を主成分とする有機樹脂層とをこの順に有することがより好ましい。
有機樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、シロキサン系樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素含有樹脂などが挙げられる。なかでも、屈折率が低いほど反射層表面の反射率が向上するため、フッ素含有樹脂が好ましい。
フッ素含有樹脂は下記一般式(2)で表される構造を繰り返し単位として有することが好ましい。フッ素含有樹脂は、下記一般式(2)で表される構造と他の構造とを有する共重合体であってもよい。フッ素含有樹脂が、下記一般式(2)で表される互いに異なる2種の構造を有する共重合体の場合、交互共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれでもよい。
Figure 2021056206
上記一般式(2)中、R〜R12は、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、水酸基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、シアノ基、アルデヒド基、置換もしくは無置換のエステル基、アシル基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のアミノ基、ニトロ基、または、置換もしくは無置換のエポキシ基を表す。また、R〜R12のうちの2つにより1つの環構造を形成してもよい。ただし、R〜R12のうち、少なくとも1つはフッ素、またはフッ素を有する基である。R〜R12のうち、1つ以上がフッ素であることが好ましく、2つ以上がフッ素であることがより好ましい。これらの基が置換されている場合の置換基としては、たとえば、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基などが挙げられる。なお、R〜R12は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。
上記一般式(2)で表される構造は、飽和環構造を有することが好ましい。飽和環構造を有するフッ素含有樹脂は、前記一般式(2)で表される構造が、下記一般式(3)で表される構造であることが好ましい。
Figure 2021056206
上記一般式(3)において、Xは酸素を表し、sおよびuはそれぞれ独立に0または1を表し、tは1以上の整数を表す。
上記一般式(3)において、R13〜R16は水素、ハロゲン、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、水酸基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、シアノ基、アルデヒド基、置換もしくは無置換のエステル基、アシル基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のアミノ基、ニトロ基、または、置換もしくは無置換のエポキシ基を表す。R13〜R14の少なくとも1つは、フッ素であることが好ましい。また、R15〜R16の少なくとも1つは、フッ素であることが好ましい。
上記一般式(3)において、sおよびuは酸素の数を表す。ただし、sまたはuが0の場合、XsまたはXuは単結合である。sとuの少なくともいずれかが1であると、ガラス転移温度が適切となるため好ましい。
上記一般式(3)において、tは繰り返し数を表し、1〜4であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。また、tが2以上の場合、複数のR15およびR16は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
次に、本発明のシンチレータパネルの製造方法について説明する。例えば、基板上に、蛍光体、フッ素およびアルコキシ基を有するバインダー樹脂、および必要に応じてその他添加剤や有機溶媒を含む蛍光体ペーストを塗布し、必要に応じて加熱乾燥や露光を行うことにより蛍光体層を形成する方法などが挙げられる。
有機溶媒は、フッ素およびアルコキシ基を有するバインダー樹脂や、必要に応じて含有する添加剤などに対して、良溶媒であることが好ましい。有機溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールフェニルエーテル、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テルピネオール、ベンジルアルコール、テトラヒドロフラン、ジヒドロターピネオール、γ−ブチロラクトン、ジヒドロターピニルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキシレングリコールなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
蛍光体ペーストの塗布方法としては、例えば、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーターなどを用いた塗布方法などが挙げられる。
基板上に格子状の隔壁を有し、隔壁によって区画されたセル内に蛍光体層を有するシンチレータパネルの場合は、まず、基板上に格子状の隔壁を形成し、必要に応じてさらに反射層や有機樹脂層を形成してセルを区画した後、セル内に、前記方法により蛍光体層を形成することが好ましい。
基板上に格子状の隔壁を形成する方法としては、例えば、(1)基板上に、低融点ガラス粉末と感光性有機成分とを含有する感光性ペーストを塗布し、感光性ペースト塗布膜を形成する塗布工程、(2)得られた感光性ペースト塗布膜の所定の位置に、活性光線を照射する露光工程、(3)露光後の感光性ペースト塗布膜の現像液に可溶な部分を溶解除去する現像工程、(4)現像後の感光性ペースト塗布膜パターンを高温に加熱して有機成分を除去すると共に低融点ガラスを軟化および焼結させ、隔壁を形成する焼成工程、(5)焼成後隔壁をガラス基板上から剥離させ、粘着剤が塗布された基板上に接着する接着工程、を備える方法などが挙げられる。
(1)塗布工程において、感光性ペーストに用いる感光性有機成分としては、例えば、活性光線の照射により、光架橋または光重合等の反応を起こして化学構造が変化するモノマー、オリゴマー、ポリマーなどが挙げられる。
また、感光性ペーストの塗布工程に先立ち、基板の表面に剥離補助層を形成しておくことにより、後の(5)接着工程における剥離に際し、基板から焼成後隔壁パターンを容易に剥離することができる。剥離補助層は、例えば、非焼結ペーストを塗布することにより得られる。ここで非焼結ペーストとは、焼成工程において焼結しない無機粉末(以下、「非焼結無機粉末」)を、無機成分中の主成分として含有するペーストを言う。
(2)露光工程は、露光により塗布膜の必要な部分を光硬化させて、または、塗布膜の不要な部分を光分解させて、塗布膜の任意の部分を、現像液に可溶とする工程である。所定の開口部を有するフォトマスクを介して露光してもよいし、フォトマスクを用いずに、レーザー光等を用いて任意のパターンを直接描画しても構わない。
(3)現像工程おける現像の方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ブラシ法などが挙げられる。
(4)焼成工程は、空気、窒素または水素雰囲気の焼成炉において行うことが好ましい。焼成温度は、550℃以上650℃以下が好ましく、感光性ペーストの組成や基板の材質に応じて適宜選択することができる。焼成時間は10〜60分間が好ましい。
隔壁表面に反射層を形成する場合、その形成方法としては、例えば、金属酸化物を含有する高反射粒子ペーストを隔壁表面に塗布し、その後焼成して溶媒を除去する方法や、金属の蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDまたはレーザーアブレーション等の真空成膜法などが挙げられる。
隔壁表面や反射層表面にさらに有機樹脂層を形成する場合、その形成方法としては、例えば、シロキサン系樹脂などの有機樹脂を、真空下、隔壁表面または反射層表面に塗布した後、乾燥して溶媒を除去する方法などが挙げられる。
次に、本発明の放射線検出器について説明する。本発明の放射線検出器は、前述の本発明のシンチレータパネルと光電変換層を有する。基板上に、光電変換層および出力層を有する出力基板上に、前述のシンチレータパネルを有することが好ましい。光電変換層としては、フォトセンサとTFTを有する画素を2次元状に形成したものが一般的である。
本発明の放射線検出器は、例えば、前述のシンチレータパネルを含む放射線検出器用部材をケース中に配置することにより作製することができる。また、市販の放射線検出器のシンチレータを取り外し、代わりに前述のシンチレータパネル2を配置することにより作製することができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。まず、各実施例および比較例において用いた材料を以下に示す。
(蛍光体層用ペースト原料)
蛍光体1:GOS:Tb((株)日亜化学製;平均粒子径11μm)
バインダー樹脂1:LF200F(AGC製;フッ素、アルコキシ基および水酸基含有樹脂、比重1.4。一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂。)
バインダー樹脂2:LF916F(AGC製;フッ素、アルコキシ基および水酸基含有樹脂、比重1.4。一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂。)
バインダー樹脂3:LF710F(AGC製;フッ素、アルコキシ基および水酸基有樹脂、比重1.4。一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂。)
バインダー樹脂4:M5001(根上工業(株)製;フッ素およびアルコキシ基非含有アクリル系樹脂、比重1.2)
バインダー樹脂5:BL−1(積水化学(株)製;フッ素非含有ビニルブチラール樹脂、比重1.1)
バインダー樹脂6:BL−S(積水化学(株)製;フッ素非含有ビニルブチラール樹脂、比重1.1)
バインダー樹脂7:“エトセル”(登録商標)(The Dow Chemical Company製:フッ素非含有エチルセルロース樹脂、比重1.1)
溶媒1:ベンジルアルコール
溶媒2:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
溶媒3:テルピネオール
溶媒4:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
溶媒5:ジエチレングリコールモノブチルエーテル。
(隔壁用ペーストの原料)
感光性モノマーM−1:トリメチロールプロパントリアクリレート
感光性モノマーM−2:テトラプロピレングリコールジメタクリレート
感光性ポリマー:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=40/40/30の質量比からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させたもの(重量平均分子量43,000、酸価100mgKOH/g)
光重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(IC369;BASF社製)
重合禁止剤:1,6−ヘキサンジオール−ビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])
紫外線吸収剤溶液:スダンIV(東京応化工業(株)製)のγ−ブチロラクトン0.3質量%溶液
熱重合開始剤:1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)
バインダーポリマー:エチルセルロース(ハーキュレス社製)
粘度調整剤:“フローノン”(登録商標)EC121(共栄社化学(株)製)
溶媒:γ−ブチロラクトン
低融点ガラス粉末A:SiO 27質量%、B 31質量%、ZnO 6質量%、LiO 7質量%、MgO 2質量%、CaO 2質量%、BaO 2質量%、Al 23質量%、屈折率(ng)1.56、軟化温度588℃、熱膨張係数68×10−7、平均粒子径2.3μm
高融点ガラス粉末A:SiO 30質量%、B 31質量%、ZnO 6質量%、MgO 2質量%、CaO 2質量%、BaO 2質量%、Al 27質量%、屈折率(ng)1.55、軟化温度790℃、熱膨張係数32×10−7、平均粒子径2.3μm。
(製造例1:隔壁用ペーストの作製)
4質量部の感光性モノマーM−1、6質量部の感光性モノマーM−2、24質量部の感光性ポリマー、6質量部の光重合開始剤、0.2質量部の重合禁止剤および12.8質量部の紫外線吸収剤溶液を、38質量部の溶媒に、温度80℃で加熱溶解した。得られた溶液を冷却した後、9質量部の粘度調整剤を添加して、有機溶液1を得た。有機溶液1の塗布膜の屈折率(ng)は、1.555であった。
60質量部の有機溶液1に、30質量部の低融点ガラス粉末Aおよび10質量部の高融点ガラス粉末Aを添加して、3本ローラー混練機により混練し、隔壁用ペーストを作製した。
(製造例2:非焼結ペーストの作製)
製造例1に記載の方法により得られた60質量部の有機溶液1に、40質量部の高融点ガラス粉末を添加した後、3本ローラー混練機により混練し、非焼結ペーストを作製した。
(製造例3:反射層および有機樹脂層を有する隔壁基板1の作製)
500mm×500mmのガラス基板(PD−200;旭硝子(株)製;熱膨張係数83×10−7、厚み1.8mm)上に、製造例2により得られた非焼結ペーストを、ダイコーターを用いて乾燥厚みが50μmとなるように塗布して乾燥し、剥離補助層を形成した。
剥離補助層の表面に、製造例1により得られた隔壁用ペーストを、ダイコーターを用いて乾燥後の厚みが300μmになるように塗布し、乾燥して、隔壁用ペースト塗布膜を形成した。次に、所望の隔壁パターンに対応する開口部を形成したフォトマスク(縦横ともピッチ127μm、線幅20μmの格子状開口部を有するクロムマスク)を介して、隔壁用ペースト塗布膜を超高圧水銀灯(400mJ/cm)により露光した。露光後の隔壁用ペースト塗布膜を、0.5質量%のエタノールアミン水溶液中で現像し、未露光部分を除去して、格子状のパターンを形成した。さらに、空気中、585℃で15分間パターンを焼成した後、ガラス基板上から隔壁を剥離することにより、隔壁ピッチ127μm、隔壁頂部幅25μm、隔壁底部幅35μm、隔壁高さ200μmの格子状隔壁を有する部材を得た。基板の表面に接着剤を塗布し、剥離した格子状の隔壁パターンを載置した後、接着し、基板上に格子状の焼成後隔壁パターンを固設して隔壁基板を得た。
市販のスパッタ装置およびスパッタターゲットを用いて、隔壁基板の近傍にガラス平板を配置し、ガラス平板上における金属厚みが300nmとなる条件でスパッタを実施し、隔壁表面に反射層を形成した。スパッタターゲットには、パラジウムおよび銅を含有する銀合金であるAPC((株)フルヤ金属製)を用いた。
トリプルイオンミリング装置 EM TIC 3X(LEICA社製)を用いて隔壁断面を露出させ、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)Merlin(Zeiss社製)で撮像して測定した、隔壁基板における隔壁の高さ方向中央部側面の金属反射層厚みは、70nmであった。
シロキサン系樹脂“SYLGARD”(登録商標)184(東レ・ダウコーニング(株)製)5質量部に対し、溶媒としてデカン(富士フイルム和光純薬(株)製)95質量部を混合して有機樹脂層用の樹脂溶液を作製した。この樹脂溶液を、反射層を形成した隔壁基板に真空印刷した後、90℃で1時間乾燥し、さらに190℃で1時間キュアして有機樹脂層1を形成した。反射層の厚みと同様にして測定した、隔壁基板における隔壁の高さ方向中央部側面の有機樹脂層厚みは、1μmであった。
(製造例4:反射層および有機樹脂層を有する隔壁基板2の作製)
製造例3と同様の方法により隔壁表面に反射層を形成した隔壁基板を得た。その後、フッ素含有樹脂である“CYTOP(登録商標) CTL−809M(サイトップMタイプ(飽和環構造を有し、主鎖の原子に直接結合するフッ素原子を有し、末端にシリル基を有する非晶性フッ素含有樹脂。一般式(3)において、s:1、u:0、t:2、R13〜R16:F。)をCT−SOLV180で4.5質量%に希釈した溶液、AGC(株)製)を、反射層を有する隔壁基板に真空印刷した後、90℃で1時間乾燥し、さらに190℃で1時間キュアして有機樹脂層2を形成した。反射層の厚みと同様にして測定した、隔壁基板における隔壁の高さ方向中央部側面の有機樹脂層厚みは、1μmであった。
各実施例および比較例における評価方法を以下に示す。
(蛍光体1の平均粒子径)
粒度分布測定装置(MT3300;日機装(株)製)の水を満たした試料室に蛍光体1を投入し、300秒間超音波処理を行った後に粒度分布を測定し、累積分布に対して50%となる粒子径を平均粒子径とした。
(シンチレータ層の膜密度)
実施例1〜14および比較例1〜4において作製したシンチレータパネルの重量を測定し、あらかじめ測定しておいた基板の重量を減算することにより、シンチレータ層の重量を求めた。一方、実施例1〜14および比較例1〜4において作製したシンチレータ層の面積と膜厚をそれぞれ測定して積算して体積を求めた。シンチレータ層の重量を体積で除算することにより膜密度を算出し、比較例1の膜密度を100%として、相対比較を行った。
(X線吸収率)
国際電気標準会議(IEC)で定める規格IEC62220−1において、デジタル画像システムの画質を評価する管電圧50kVpの放射線を、EMF123型スペクトロメータ(EMFジャパン(株)製)に照射し、入射X線量を測定した。次に、照射されたX線が、シンチレータパネルを介してEMF123型スペクトロメータへ届くように、各実施例および比較例により得られたシンチレータパネルを、EMF123型スペクトロメータ上に設置し、各シンチレータパネルのX線透過量を測定した。入射X線量から各シンチレータパネルのX線透過量を減算することによりX線吸収量を算出し、X線吸収量を入射X線量で除算することにより各シンチレータパネルのX線吸収率を算出した。実施例1〜14および比較例2〜4については、比較例1のX線吸収率を100%として、相対比較を行った。実施例15〜20および比較例6〜8については、比較例5のX線吸収率を100%として相対比較を行った。
(輝度)
各実施例および比較例により得られたシンチレータパネルを、FPD(PaxScan2520V(Varian社製))にセットして、放射線検出器を作製した。国際電気標準会議(IEC)で定める規格IEC62220−1において、デジタル画像システムの画質を評価する管電圧50kVpの放射線を、シンチレータパネルの基板側から照射して、シンチレータパネルの輝度をFPDにより検出した。輝度は、入射線量と画像のデジタル値のグラフの傾きから算出した。実施例1〜14および比較例2〜4については、比較例1の輝度を100%として、相対比較を行った。実施例15〜20および比較例6〜8については、比較例5の輝度を100%として相対比較を行った。
(実施例1)
バインダー樹脂1を26.5体積部、溶媒1を281.0体積部撹拌用容器に入れ、60℃で8時間加熱撹拌してバインダー樹脂溶液を得た。得られたバインダー樹脂溶液に蛍光体1を100体積部混合し、遊星式撹拌脱泡装置(“マゼルスター”(登録商標)KK−400;倉敷紡績(株)製)を用いて、回転数1000rpmで20分間撹拌脱泡して、蛍光体ペーストを得た。基板のPETフィルム上に、得られた蛍光体ペーストを、ダイコーターを用いて、乾燥後の膜厚が200μmになるように塗布し、80℃で4時間乾燥し、PETフィルム上にシンチレータ層が形成されたシンチレータパネルを得た。
(実施例2)
バインダー樹脂1の代わりにバインダー樹脂2を用いた以外は、実施例1と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例3)
バインダー樹脂1の代わりにバインダー樹脂3を用いた以外は、実施例1と同様にシンチレータパネルを作製した。
(比較例1)
バインダー樹脂1の代わりにバインダー樹脂4を用いた以外は、実施例1と同様にシンチレータパネルを作製した。
(比較例2)
バインダー樹脂1の代わりにバインダー樹脂5を用いた以外は、実施例1と同様にシンチレータパネルを作製した。
(比較例3)
バインダー樹脂1の代わりにバインダー樹脂6を用いた以外は、実施例1と同様にシンチレータパネルを作製した。
(比較例4)
バインダー樹脂1の代わりにバインダー樹脂7を用いた以外は、実施例1と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例4)
バインダー樹脂3 26.5体積部の代わりにバインダー樹脂3を185.4体積部、溶媒1 281.0体積部の代わりに溶媒2を432.0体積部用いて得られたバインダー樹脂溶液を用いた以外は、実施例3と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例5)
バインダー樹脂3を150.0体積部、溶媒2を349.0体積部用いて得られたバインダー樹脂溶液を用いた以外は、実施例4と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例6)
バインダー樹脂3を75.0体積部、溶媒2を175.0体積部用いて得られたバインダー樹脂溶液を用いた以外は、実施例4と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例7)
バインダー樹脂3を53.8体積部、溶媒2を125.0体積部用いて得られたバインダー樹脂溶液を用いた以外は、実施例4と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例8)
バインダー樹脂3を38.9体積部、溶媒2を90.7体積部用いて得られたバインダー樹脂溶液を用いた以外は、実施例4と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例9)
バインダー樹脂3を26.5体積部、溶媒2を61.9体積部用いて得られたバインダー樹脂溶液を用いた以外は、実施例4と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例10)
溶媒1の代わりに溶媒3を用いた以外は、実施例1と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例11)
溶媒1の代わりに溶媒2を用いた以外は、実施例1と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例12)
溶媒2の代わりに溶媒1を用いた以外は、実施例7と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例13)
溶媒2の代わりに溶媒4を用いた以外は、実施例7と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例14)
溶媒2の代わりに溶媒5を用いた以外は、実施例7と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例15)
PETフィルムの代わりに製造例3により得られた反射層および有機樹脂層1を有する隔壁基板1を用いた。実施例1において得られた蛍光体ペーストを、隔壁基板1に真空印刷し、150℃で15分間乾燥してシンチレータ層を形成し、基板上に隔壁を有するシンチレータパネルを得た。
(実施例16)
バインダー樹脂1の代わりにバインダー樹脂3を用いた以外は、実施例15と同様にシンチレータパネルを作製した。
(比較例5)
バインダー樹脂1の代わりにバインダー樹脂4を用いた以外は、実施例15と同様にシンチレータパネルを作製した。
(比較例6)
バインダー樹脂1の代わりにバインダー樹脂5を用いた以外は、実施例15と同様にシンチレータパネルを作製した。
(比較例7)
バインダー樹脂1の代わりにバインダー樹脂6を用いた以外は、実施例15と同様にシンチレータパネルを作製した。
(比較例8)
バインダー樹脂1の代わりにバインダー樹脂7を用いた以外は、実施例15と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例17)
バインダー樹脂1を53.8体積部、溶媒1を125.0体積部用いて得られたバインダー樹脂溶液を用いた以外は、実施例15と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例18)
バインダー樹脂1の代わりにバインダー樹脂3を用いた以外は、実施例17と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例19)
隔壁基板1の代わりに製造例4により得られた反射層および有機樹脂層2を有する隔壁基板2を用いた以外は、実施例15と同様にシンチレータパネルを作製した。
(実施例20)
隔壁基板1の代わりに製造例4により得られた反射層および有機樹脂層2を有する隔壁基板2を用いた以外は、実施例17と同様にシンチレータパネルを作製した。
各実施例および比較例の主な組成と評価結果を表1〜4に示す。
Figure 2021056206
Figure 2021056206
Figure 2021056206
Figure 2021056206
1 放射線検出器用部材
2 シンチレータパネル
3 出力基板
4 基板
5 隔壁
6 蛍光体層
7 隔膜層
8 光電変換層
9 出力層
10 基板
11 反射層
12 有機樹脂層
13 蛍光体
14 バインダー樹脂

Claims (8)

  1. 基板、および、蛍光体とバインダー樹脂を含有する蛍光体層を有するシンチレータパネルであって、前記バインダー樹脂が、フッ素およびアルコキシ基を有するシンチレータパネル。
  2. 前記バインダー樹脂が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する請求項1に記載のシンチレータパネル。
    Figure 2021056206
    (上記一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素、フッ素、水酸基または有機基を表す。ただし、R〜Rのうち少なくとも一つはフッ素であり、R〜Rのうち少なくとも一つはアルコキシ基である。各繰り返し単位におけるR〜Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよい。)
  3. 前記バインダー樹脂がさらに水酸基を有する請求項1または2に記載のシンチレータパネル。
  4. 前記蛍光体が、酸硫化ガドリニウムを含有する請求項1〜3のいずれかに記載のシンチレータパネル。
  5. 基板上に格子状の隔壁を有し、前記隔壁によって区画されたセル内に前記蛍光体層を有する請求項1〜4のいずれかに記載のシンチレータパネル。
  6. 前記隔壁の表面に、反射層と、フッ素含有樹脂を主成分とする有機樹脂層とをこの順に有する、請求項5のに記載のシンチレータパネル。
  7. 前記フッ素含有樹脂が、下記一般式(3)で表される構造を繰り返し単位として有する請求項6に記載のシンチレータパネル。
    Figure 2021056206
    (上記一般式(3)中、Xは酸素を表し、sおよびuはそれぞれ独立に0または1を表し、tは1以上の整数を表す。R13〜R16は水素、ハロゲン、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、水酸基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、シアノ基、アルデヒド基、置換もしくは無置換のエステル基、アシル基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のアミノ基、ニトロ基、または、置換もしくは無置換のエポキシ基を表す。)
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のシンチレータパネルおよび光電変換層を有する放射線検出器。
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