JP2021056092A - 放射線撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放射線撮像装置の完成後に部品の欠陥が発生した場合であっても、その修復作業を容易に行える仕組みを提供する。【解決手段】入射した放射線を光に変換するシンチレータ層112を含むシンチレータ板110と、シンチレータ層112で発生した光を電気信号に変換するセンサパネル130と、センサパネル130に接続された配線部材140と、シンチレータ板110とセンサパネル130の周囲に設けられた保護部材150と、配線部材140における保護部材150の側に位置する第1面141と保護部材150とを接着させる第1のシール材161と、配線部材140における第1面141とは反対側に位置する第2面142とセンサパネル130とを接着させる第2のシール材162を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、放射線を用いて被検体を撮像する放射線撮像装置に関するものである。特に、本発明に係る放射線撮像装置は、医療画像診断装置や非破壊検査装置、分析装置等に用いて好適なものである。
現在、一般的に流通している単結晶半導体ウエハは、ガラス基板に比べて小型である。そのため、例えば、単結晶半導体ウエハを用いて大面積のセンサパネルを形成する際には、検出素子を形成した単結晶半導体ウエハを分割して複数のセンサチップ(撮像素子チップ)を形成し、所望の面積となるような数のセンサチップを並べて形成している。この技術に関し、特許文献1には、低コスト化のため、複数の撮像素子チップを装置の一部となるベース基板である基台に接着する前に、撮像素子チップの検査と、欠陥が発見された撮像素子チップの交換とを行うことが記載されている。また、特許文献1には、検査と交換の後、撮像素子チップと基台とを接着固定し、更に、シンチレータ層が形成されたシンチレータ板を撮像素子チップ上に形成した後にも、撮像素子チップ及びシンチレータ板の欠陥の有無のための検査を行うことも記載されている。そして、特許文献1には、欠陥が発見された場合に、各所を剥離する様子が記載されており、より詳細には、工程を経るたびに欠陥の有無を判別する検査を実施して欠陥部品の交換(修復作業)をその都度行う様子が記載されている。また、特許文献1には、工程の最後に、シンチレータの劣化防止等のための封止部材を塗布する様子も記載されている。
特許文献1に記載のような、製作工程/検査工程を繰り返し、各所で個々に修復する手法は、工程の歩留りを向上させるものの、欠陥の発生が少ない製作工程においては、検査時間のコストが大きく嵩んでしまう。また、特許文献1において、最終工程である封止部材の塗布を施してからの欠陥発生については、撮像素子チップと接続される配線や基板であるフレキが封止部材で凝固に固着されているので、例えば修復時にシンチレータ板を取り外す際にフレキや撮像チップとの接続が破損することや、各所に付着した封止部材を除去するのに多大な時間を費やすことになる。即ち、特許文献1に記載の技術では、放射線撮像装置の完成後に部品の欠陥が発生した場合に、その修復作業を容易に行えないという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、放射線撮像装置の完成後に部品の欠陥が発生した場合であっても、その修復作業を容易に行える仕組みを提供することを目的とする。
本発明の放射線撮像装置は、入射した放射線を光に変換するシンチレータ層を含むシンチレータ板と、前記光を電気信号に変換するセンサパネルと、前記センサパネルに接続された配線部材と、前記シンチレータ板と前記センサパネルの周囲に設けられた保護部材と、前記配線部材における前記保護部材の側に位置する第1面と、前記保護部材とを接着させる第1のシール材と、前記配線部材における前記第1面とは反対側に位置する第2面と、前記センサパネルとを接着させる第2のシール材と、を有する。
本発明によれば、放射線撮像装置の完成後に部品の欠陥が発生した場合であっても、その修復作業を容易に行うことができる。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。なお、以下に記載する本発明の各実施形態においては、本発明に係る放射線撮像装置として、医療画像診断装置や分析装置等に用いられる装置を想定した例について説明する。また、以下に記載する本発明の各実施形態においては、光は、可視光及び赤外線を含み、放射線は、X線、α線、β線及びγ線を含むものとする。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮像装置の概略構成の一例を示す平面図である。具体的に、図1は、例えば、第1の実施形態に係る放射線撮像装置100を、放射線(被検体を透過した放射線を含む)の入射方向から見た平面図である。
また、図2は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮像装置を示し、図1に示すA−A断面及びB−B断面の内部構成の一例を示す図である。具体的に、第1の実施形態に係る放射線撮像装置において、図2(a)は、図1に示すA−A断面の内部構成の一例を示し、図2(b)は、図1に示すB−B断面の内部構成の一例を示している。なお、図2において、図1に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、以下に記載する図2の説明によって、図1の説明も併せて行うものとする。
まず、図2(a)の説明を行う。
図2(a)は、上述したように、第1の実施形態に係る放射線撮像装置100において、図1に示すA−A断面の内部構成の一例を示している。この図2(a)に示すように、第1の実施形態に係る放射線撮像装置100は、シンチレータ板110、接着層120、センサパネル130、配線部材140、保護部材150、第1のシール材161、及び、第2のシール材162を有して構成されている。
図2(a)は、上述したように、第1の実施形態に係る放射線撮像装置100において、図1に示すA−A断面の内部構成の一例を示している。この図2(a)に示すように、第1の実施形態に係る放射線撮像装置100は、シンチレータ板110、接着層120、センサパネル130、配線部材140、保護部材150、第1のシール材161、及び、第2のシール材162を有して構成されている。
シンチレータ板110は、基板111、シンチレータ層112、及び、シンチレータ保護層113を含み構成されている。
基板111は、シンチレータ板110のベース基板である。この基板111は、例えばa−CやAl、樹脂などが用いられる。
シンチレータ層112は、基板111に接して形成されており、入射したX線などの放射線を光に変換する蛍光体である。より具体的に、シンチレータ層112は、入射した放射線をセンサチップ133が感知可能な光に変換するCsI:Tlなどの柱状結晶やGOSなどの粒子状結晶が用いられる。
シンチレータ保護層113は、基板111及びシンチレータ層112の周囲を覆うように形成されており、主としてシンチレータ層112を保護する層である。このシンチレータ保護層113は、例えば外部からの水分や衝撃からシンチレータ層112を保護するため、例えばポリパラキシリレンやホットメルト樹脂などが用いられる。
接着層120は、センサパネル130とシンチレータ板110とを接着固定するための層であり、例えば接着樹脂や接着フィルムで構成されている。
センサパネル130は、シンチレータ層112で発生した光を電気信号に変換する光電変換装置である。このセンサパネル130は、基台131、接着層132、及び、複数のセンサチップ133を含み構成されている。
基台131は、センサパネル130のベース基板である。この基台131としては、例えばガラスを用いることを想定しているが、他に、石英、アクリルなどの樹脂、セラミック、金属などを用いることも可能である。
接着層132は、センサパネル130の基台131上に複数のセンサチップ133を配置固定するための層であり、例えば接着樹脂や接着フィルムで構成されている。この接着層132及び上述した接着層120としては、例えば、熱可塑性、熱硬化性の硬化型接着剤や圧着のみで接着できる粘着剤を用いることができる。
センサチップ133は、シンチレータ層112で発生した光を電気信号に変換する光電変換部である。このセンサチップ133には、撮像素子と不図示の外部回路との間を接続し、その間で信号の転送や電源の供給及び受給をするための配線部材140が電気的に且つ物理的に接続固定されている。また、図1では、放射線撮像装置100に、4つのセンサチップ133が設けられている例を示している。そして、本実施形態では、図1に示すように、4つのセンサチップ133の各センサチップ133は、相互に接触した際の電気的且つ機械的な影響を低減するために間隔を設けて、基台131上に配置されている。なお、基台131上に配置されるセンサチップ133の数は、図1に示す4つに限定されず、1つまたは複数配置されていればよい。センサチップ133は、センサ部に相当する光電変換素子とスイッチ素子とを含む画素が複数設けられた撮像素子を有する。例えば、センサチップ133は、CMOSセンサ、CCDセンサ、非晶質シリコン(以下、a−Siと略記)を用いたPIN型やMIS型のセンサ部に相当する光電変換素子とTFTで形成されたスイッチ素子とを含む画素を有するa−Siセンサ、SOI(Silicon on insulator)センサ等である。
配線部材140は、センサパネル130(図2(a)に示す例では、センサチップ133)に電気的に且つ物理的に接続されている配線部材である。この配線部材140としては、フレキシブル配線板(FPC)が好適に用いられるが、例えばリジッド配線板を用いることもできる。
保護部材150は、例えば外部からの水分などの浸入を低減するために、シンチレータ板110とセンサパネル130(より詳細には、基台131)の周囲に設けられている。具体的に、本実施形態においては、保護部材150は、図2(a)に示すように、シンチレータ板110とセンサパネル130(より詳細には、基台131)との隙間に設けられたブロック状の保護部材である。この保護部材150としては、例えば、非透湿性の部材でAlなどの金属やガラスなどの無機物を用いることができる。また、保護部材150は、その一部に金属もしくは無機質の薄膜を備えるようにしてもよい。
第1のシール材161は、配線部材140における保護部材150の側に位置する第1面141(配線部材140の第1面141)と、保護部材150とを接着させる部材である。
第2のシール材162は、配線部材140における第1面141とは反対側に位置する第2面142(配線部材140の第2面142)と、センサパネル130(より詳細には、基台131)とを接着させる部材である。さらに、第2のシール材162は、保護部材150とシンチレータ板110とを接着させる。
次に、図2(b)の説明を行う。
図2(b)は、上述したように、第1の実施形態に係る放射線撮像装置100において、図1に示すB−B断面の内部構成の一例を示している。この図2(b)において、図2(a)に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。図1に示すB−B断面は、配線部材140が存在しない断面であるため、図2(b)に示す内部構成では、配線部材140が存在していない。即ち、図2(b)に示す内部構成では、保護部材150が、第1のシール材161を介してセンサパネル130の基台131に接着され、第2のシール材162を介してシンチレータ板110に接着されている。
図2(b)は、上述したように、第1の実施形態に係る放射線撮像装置100において、図1に示すB−B断面の内部構成の一例を示している。この図2(b)において、図2(a)に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。図1に示すB−B断面は、配線部材140が存在しない断面であるため、図2(b)に示す内部構成では、配線部材140が存在していない。即ち、図2(b)に示す内部構成では、保護部材150が、第1のシール材161を介してセンサパネル130の基台131に接着され、第2のシール材162を介してシンチレータ板110に接着されている。
本実施形態では、図2(a)に示すように、センサパネル130に接続の配線部材140は、第1面141が保護部材150と第1のシール材161で接着固定され、第2面142がセンサパネル130の基台131と第2のシール材162で接着固定されている。このように接着固定することにより、シンチレータ板110とセンサパネル130の基台131と保護部材150とによって、シンチレータ層112及びセンサチップ133等を封止する封止構造を形成している。
第1のシール材161及び第2のシール材162は、保護部材150と放射線撮像装置100とを接着固定するためのシール材であり、例えば、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系等のホットメルト樹脂を用いることができる。これら有機物系の樹脂は、透湿性に劣るものの接着(シール)厚さを薄くし(好ましくは100μm以下とし)、接着長さ(シール幅)をある程度長くする(好ましくは1mm以上とする)ことで、保護部材150の透湿性と同等に確保することができる。
また、第1のシール材161及び第2のシール材162は、互いに溶融温度が異なる特性のものを用いることが好適である。具体的に、本実施形態では、第1のシール材161は、第2のシール材162よりも、溶融温度が低いものを用いる。即ち、本実施形態では、第1のシール材161及び第2のシール材162は、同環境温度においてにおいて接着力が異なり、より詳細には、第1のシール材161は、第2のシール材162よりも接着力が小さいものを用いている。このように、第1のシール材161は、第2のシール材162よりも、溶融温度が低いまたは接着力が小さいものを用いることにより、第1のシール材161の部分で剥がしやすい構成にしている。そして、このような構成にすることにより、放射線撮像装置100の完成後に部品(例えば、シンチレータ板110やセンサパネル130)の欠陥が発生した場合であっても、その修復作業(リペア作業)を容易に行うことができる。具体的には、シンチレータ板110や保護部材150を剥離する際に、配線部材140がセンサパネル130の基台131に安定して固定された状態で第1のシール材161とともに容易に剥離することができる。この際、配線部材140がセンサパネル130の基台131に第2のシール材162で安定して固定されているので、配線部材140を破損(キレ、折れ、ヨレ)せずに修復作業(例えば、シンチレータ板110の剥離・交換)をすることが可能である。また、接着層120を、第1のシール材161と同じ材料で溶融温度が同じものを用いることによって、シンチレータ板110とセンサパネル130との剥離を容易に、且つ、同時に行うことが可能である。さらに、本実施形態によれば、放射線撮像装置100の完成後に部品の欠陥が発生した場合であっても、その修復作業を容易に行えることから、放射線撮像装置100の製造工程において途中の検査工程を省略もしくは簡易化することができ、検査コストを抑え、低コストの放射線撮像装置100を提供することもできる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第2の実施形態の説明では、上述した第1の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1の実施形態と異なる事項について説明を行う。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第2の実施形態の説明では、上述した第1の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1の実施形態と異なる事項について説明を行う。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮像装置を示し、図1に示すA−A断面の内部構成の一例を示す図である。なお、この図3において、図2に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。
図3に示す第2の実施形態に係る放射線撮像装置において、図2(a)に示す第1の実施形態に係る放射線撮像装置と異なる点は、図2(a)のブロック状の保護部材150に換えて、図3に示すシート状の保護部材170を設けた点である。
保護部材170は、シンチレータ板110とセンサパネル130の周囲であって、シンチレータ板110を覆うように設けられたシート状の保護部材である。この保護部材170は、図3に示すように、基材171と、基材171に接して設けられた防湿層172とを含み構成されている。
そして、第2の実施形態では、第1のシール材161は、配線部材140における保護部材170の側に位置する第1面141(配線部材140の第1面141)と、保護部材170(より詳細には、防湿層172)とを接着させる部材である。
本実施形態では、図3に示すように、シート状の保護部材170の周辺を第1のシール材161で接着固定している。そのため、シンチレータ板110の基板111の耐湿性能を無視することができ、材料選択の幅が広がり、より軽量な樹脂板を用いることができる。
次に、図3に示す第2の実施形態に係る放射線撮像装置の製造方法について説明する。
図4〜図6は、図3に示す本発明の第2の実施形態に係る放射線撮像装置の製造方法の一例を工程順に示す図である。この図4〜図6において、図3に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。
図4〜図6は、図3に示す本発明の第2の実施形態に係る放射線撮像装置の製造方法の一例を工程順に示す図である。この図4〜図6において、図3に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。
まず、図4(a)の工程を開始する前に、配線部材140を接続したセンサチップ133を複数準備することと、接着層132が所定の位置に載置された基台131を準備することと、更には、シンチレータ板110を準備することを行う。本実施形態の製造方法では、センサチップ133は、シリコン基板を用いたCMOSセンサを適用し、基台131は、ガラス基板を適用し、シンチレータ板110のシンチレータ層112は、CsI:Tlの蛍光体を適用する。
図4(a)の工程は、接着層132が所定の位置に載置された基台131上(接着層132上)に、センサチップ133を配置し固定する工程である。具体的に、図4(a)の工程では、まず、ステージ401上に、接着層132が所定の位置に載置された基台131を載置する。続いて、配線部材140が接続されたセンサチップ133を搬送手段402により吸着搬送し、隣接するセンサチップ133との距離を確認しながら、搬送手段402によって吸着搬送しているセンサチップ133を所定の位置に配置し、接着層132により基台131に順次固定させていく。なお、図4(a)に示す例では、固定部材となる接着層132を、予め基台131側に準備したが、本実施形態においてはこれに限らず、例えば、予めセンサチップ133側に準備してもよい。
続く、図4(b)の工程は、センサチップ133上に、接着層120が付されたシンチレータ板110を配置し固定する工程である。即ち、図4(b)の工程は、シンチレータ板110を接着層120を介してセンサパネル130を接着する固定工程である。具体的に、図4(b)の工程では、まず、シンチレータ板110におけるシンチレータ層112の形成面側に、予め、接着層120を配置し準備しておく。この際、本実施形態の製造方法では、接着層120は、第1のシール材161と同じ材料を用いている。続いて、ステージ403を用いて、接着層120が付されたシンチレータ板110を、接着層120がセンサチップ133に接着するように移動させて、センサチップ133上に接着層120が付されたシンチレータ板110を配置し固定する。なお、図4(b)に示す例では、固定部材となる接着層120を、予めシンチレータ板110側に準備したが、本実施形態においてはこれに限らず、例えば、予めセンサチップ133側に準備してもよい。
続く、図5(a)の工程は、センサチップ133に接続された配線部材140を第2のシール材162によってセンサパネル130の基台131に固定する工程である。具体的に、図5(a)の工程では、まず、図4(b)に示す基台131を含む構造物を、ステージ401に換えて、基台131の下側からステージ501及びバックアップ502で支持する。その後、予め、基台131の上面の所定位置に、第2のシール材162をヒーターヘッド等を用いて加熱圧着して仮配置(接着)しておく。続いて、配線部材140の第1面141側からヒーターヘッド503を押し当ててバックアップ502との間で加熱圧着し、第2のシール材162の溶融によって、配線部材140の第2面142とセンサパネル130の基台131との接着固定を行う。
続く、図5(b)の工程は、図5(a)に示す配線部材以外の配線部材140についても、第2のシール材162によってセンサパネル130の基台131に固定する工程である。この図5(a)及び図5(b)の工程を経ることにより、配線部材140が固定された、シンチレータ板110付のセンサパネル130が形成される。なお、配線部材140のセンサパネル130への本固定は、配線部材140を1つずつ行うことも、配線部材140が配置される1辺を一括で行うことも可能である。
続く、図6(a)の工程は、シンチレータ板110をシート状の保護部材170で覆って、シンチレータ板110等を封止する封止工程である。具体的に、図6(a)の工程では、まず、予め、保護部材170における防湿層172の形成面の外周端部に第1のシール材161を配置しておく。その後、シート状の保護部材170を、シンチレータ板110における基板111側から覆うように配置する。続いて、第1のシール材161が付された保護部材170の外周端部を、保護部材170の上面側からヒーターヘッド503を押し当てて、第1のシール材161の溶融によって、配線部材140の第1面141と保護部材170(より詳細には、防湿層172)との接着固定を行う。なお、第1のシール材161の下方には、第2のシール材162が存在しているが、本実施形態においても、第1のシール材161の方が第2のシール材162よりも溶融温度が低いため、例えばヒーターヘッド503の設定温度を第2のシール材162の溶融温度よりも低温とすることによって、配線部材140を接着固定した状態のまま保護部材170を接着固定することができる。この図6(a)の工程の終了によって加工に関する製造工程は完了である。
続く、図6(b)の工程は、第2の実施形態に係る放射線撮像装置の完成後に行われる検査工程である。具体的に、図6(b)の工程では、シンチレータ板110に放射線を入射させて、配線部材140に接続したプローブ601から電気信号を読み取って検査を行う。この時点で、例えば欠陥を有するセンサチップ133であるか否を確認し、欠陥を有するセンサチップ133であると判断されれば、当該センサチップ133を含むセンサパネル130を交換する。さらに、シンチレータ板110の検査も行われる。例えば、シンチレータ板110の欠陥による画質への影響があると判断されれば、シンチレータ板110を交換する。
次に、センサパネル130やシンチレータ板110の交換による修復作業を行う際のセンサパネル130とシンチレータ板110との分離(シンチレータ板110の剥離)について説明する。
図7は、図3に示す本発明の第2の実施形態に係る放射線撮像装置において、センサパネル130とシンチレータ板110とを加熱によって分離する加熱分離工程の一例を示す図である。この図7において、図3に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。
第2の実施形態に係る放射線撮像装置は、図7(a)に示すように、センサパネル130の基台131の下面が、加熱用のヒーター等を内蔵するステージ701上に載置されている。図7(a)に示す例では、放射線撮像装置の加熱は、ステージ701上の基台131からの熱伝導により行われる。なお、加熱方法は、他の方法でもよく、例えば、シンチレータ板110の上側を加熱用のヒーターを配置したラバーシートで覆い、放射線撮像装置の上側からの熱伝導により加熱してもよい。また、放射線撮像装置の周囲の雰囲気温度を制御できるオーブンを用いて加熱してもよい。この際、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、第1のシール材161の方が、第2のシール材162よりも溶融温度が低いものとする。即ち、本実施形態では、第1のシール材161及び第2のシール材162は、同環境温度においてにおいて接着力が異なり、より詳細には、第1のシール材161は、第2のシール材162よりも接着力が小さいものを用いている。このように、第1のシール材161は、第2のシール材162よりも、溶融温度が低いまたは接着力が小さいものを用いることにより、第1のシール材161の部分で剥がしやすい構成となっている。さらに、センサパネル130とシンチレータ板110との配置を固定をしている接着層120については、第1のシール材161と同じ材料で溶融温度が同じものを用いる。
以上のことから、ステージ701に内蔵されたヒーター等の加熱によって、第2のシール材162よりも先に第1のシール材161及び接着層120が溶融すると、センサパネル130とシンチレータ板110との接着力が低下する。その結果、図7(b)に示すように、センサパネル130とシンチレータ板110との分離(シンチレータ板110の剥離)を容易に、且つ、同時に行うことが可能である。そして、分離後(剥離後)は、上述した図4(a)〜図6(b)と同様の工程を経て、新たな接着層120及び第1のシール材161を用いて、新たなセンサパネル130もしくはシンチレータ板110を固定し、本実施形態に係る放射線撮像装置の完成及び完成後の検査を行う。
また、本実施形態においては、第1のシール材161及び第2のシール材162を、剥離性接着剤から構成し、相互に剥離温度または剥離手法が異なる態様を採用し、センサパネル130とシンチレータ板110との分離を行うようにしてもよい。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第3の実施形態の説明では、上述した第1及び第2の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1及び第2の実施形態と異なる事項について説明を行う。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第3の実施形態の説明では、上述した第1及び第2の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1及び第2の実施形態と異なる事項について説明を行う。
図8は、本発明の第3の実施形態に係る放射線撮像装置を示し、図1に示すA−A断面の内部構成の一例を示す図である。なお、この図8において、図3に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。
図8に示す第3の実施形態に係る放射線撮像装置において、図3に示す第2の実施形態に係る放射線撮像装置と異なる点は、図3の基台131、接着層132及び複数のセンサチップ133を含み構成されたセンサパネル130に換えて、図8に示す大判のセンサチップから構成されたセンサパネル330を設けた点である。そして、第3の実施形態では、配線部材140は、このセンサパネル330に電気的に且つ物理的に接続され、第2のシール材162は、配線部材140の第2面142とセンサパネル330とを接着させる。
第3の実施形態に係る放射線撮像装置によれば、より軽量で簡易な構成のセンサパネルを含む放射線撮像装置を製造することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第4の実施形態の説明では、上述した第1〜第3の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1〜第3の実施形態と異なる事項について説明を行う。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第4の実施形態の説明では、上述した第1〜第3の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1〜第3の実施形態と異なる事項について説明を行う。
図9は、本発明の第4の実施形態を示し、第1〜第3の実施形態のいずれかの実施形態に係る放射線撮像装置を含むX線診断システム(放射線撮像システム)への応用例を示す図である。この図9では、放射線としてX線を適用した例を示している。
X線チューブ210(放射線源)で発生した放射線としてのX線211は、被検体である患者220の胸部221を透過し、上述した第1〜第3の実施形態のいずれかの実施形態に係る放射線撮像装置100に入射する。この入射したX線211には、患者220の体内部の情報が含まれている。放射線撮像装置100では、X線の入射に対応してシンチレータ層112が発光し、発生した光をセンサパネル130において光電変換して、電気的情報を得る。この情報は、デジタル信号に変換されて信号処理手段となるイメージプロセッサ230により画像処理されてX線画像(放射線画像)が生成され、コントロールルームの表示手段となるディスプレイ240で観察できる。
また、このX線画像(放射線画像)は、電話回線等の伝送処理手段250により遠隔地へ転送でき、別の場所にあるドクタールームの表示手段となるディスプレイ241に表示することや光ディスク等の記録手段に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。また、このX線画像(放射線画像)は、記録手段となるフィルムプロセッサ260により、記録媒体となるフィルム261に記録することもできる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100:放射線撮像装置、110:シンチレータ板、111:基板、112:シンチレータ層、113:シンチレータ保護層、120:接着層、130:センサパネル、131:基台、132:接着層、133:センサチップ、140:配線部材、141:配線部材の第1面、142:配線部材の第2面、150:保護部材、161:第1のシール材、162:第2のシール材、170:保護部材、171:基材、172:防湿層
Claims (9)
- 入射した放射線を光に変換するシンチレータ層を含むシンチレータ板と、
前記光を電気信号に変換するセンサパネルと、
前記センサパネルに接続された配線部材と、
前記シンチレータ板と前記センサパネルの周囲に設けられた保護部材と、
前記配線部材における前記保護部材の側に位置する第1面と、前記保護部材とを接着させる第1のシール材と、
前記配線部材における前記第1面とは反対側に位置する第2面と、前記センサパネルとを接着させる第2のシール材と、
を有することを特徴とする放射線撮像装置。 - 前記第1のシール材は、前記第2のシール材よりも、溶融温度が低いまたは接着力が小さいことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
- 前記第1のシール材および前記第2のシール材は、ホットメルト樹脂からなることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線撮像装置。
- 前記第1のシール材および前記第2のシール材は、剥離性接着剤からなり、相互に剥離温度または剥離手法が異なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
- 前記保護部材は、前記シンチレータ板と前記センサパネルとの隙間に設けられたブロック状の保護部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
- 前記保護部材は、前記シンチレータ板と前記センサパネルの周囲であって、前記シンチレータ板を覆うように設けられたシート状の保護部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
- 前記シート状の保護部材は、基材と、前記基材に接して設けられた防湿層と、を含み構成されていることを特徴とする請求項6に記載の放射線撮像装置。
- 前記保護部材は、非透湿性の金属またはガラスからなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
- 前記保護部材は、その一部に金属もしくは無機質の薄膜を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
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WO2022137843A1 (ja) * | 2020-12-23 | 2022-06-30 | 浜松ホトニクス株式会社 | 放射線検出器、放射線検出器の製造方法、及びシンチレータパネルユニット |
-
2019
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