JP2021055151A - ボンド磁石用粉末およびボンド磁石 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮成形時の鉄基希土類合金粉の割れを抑制する。【解決手段】ボンド磁石は、希土類元素を含む板状の鉄基希土類合金粉と、バインダーとを有するボンド磁石用粉末から形成される。鉄基希土類合金粉として、異なるメディアン粒径を有する大径粒子1と小径粒子2を使用する。小径粒子2の配合割合は、大径粒子1よりも少ない。【選択図】図2
Description
本発明は、ボンド磁石用粉末およびボンド磁石に関する。
ボンド磁石として、希土類元素を含む鉄基合金粉(以下、鉄基希土類合金粉と呼ぶ)、バインダー、および滑剤を混合した粉末(コンパウンド)を調製し、これを成形した後、熱処理を施して硬化させた希土類系ボンド磁石が広く知られている。鉄基希土類合金粉の代表例として、Nd−Fe−B系やNd−Fe−B−Nb系を挙げることができる。これらの粉末は酸化され易いため、粒子表面に被膜処理を施す場合が多い。また、耐候性を高めるため、ボンド磁石の表面を塗装する場合もある。
IoT技術やM2M技術の普及に伴い、自動車や産業機器におけるセンサの適用範囲が広がっている。これに伴い、希土類系ボンド磁石に対して耐熱性が要求されるケースが増えている。希土類系ボンド磁石の耐熱性向上には、バインダー、滑剤、および表面塗装材の耐熱性を向上させることに加え、鉄基希土類合金粉の固有保磁力を高める必要がある。固有保磁力は、外部磁界を変動させてJH曲線を描いた際に得られる保磁力であって、JH曲線上で磁気分極(磁化)がゼロになる磁場の強さを意味する。固有保磁力の数値が高いほど耐熱性が高い、と判断することができる。150℃以上での長期耐熱性を得るためには、固有保磁力が680kA/mであることが望まれる。
磁性粉末の結晶粒径が交換結合長よりも大きい範囲では、結晶粒径が小さいほど固有保磁力が多くなる。結晶粒径を小さくするため、鉄基希土類合金粉の多くは、単ロール法(主にメルトスピニング法)で製造される。これは冷却ロールに、所定の元素組成に調整した合金溶湯を接触させることで、急冷凝固合金を形成する手法である(下記特許文献1)。この方法であれば、ガスアトマイズ法等の手法に比べて溶湯の冷却速度が速いため、微細な結晶粒径を有する粉末を得ることができる。そのため、この粉末を用いてボンド磁石を製作することにより、高い固有保磁力を得ることが可能となる。
メルトスピニング法では、冷却ロールに溶湯を注いで急冷し、薄帯を形成した後、これを粉砕することで粉末を得ている。そのため、メルトスピニング法で製造した鉄基希土類合金粉は板状(薄片状)の形態となる。
そのためコンパウンドを圧縮成形した際には、圧縮荷重により鉄基希土類合金粉が割れる(あるいは折れる)という問題がある。これは、圧粉体の断面観察を行うと、成形前の合金粉よりもアスペクト比の低い合金粉が多数現れることからも理解できる。粉末の割れによって生じた新生面(破断面)には、高耐候性の被膜や酸化被膜が存在しないため、熱処理時や実使用時に新生面が酸化する。従って、ボンド磁石の磁気特性が低下する問題がある。
以上の課題に鑑み、本発明は、圧縮成形時の鉄基希土類合金粉の割れを抑制したボンド磁石用粉末、並びにこれを用いたボンド磁石を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明は、希土類元素を含む板状の鉄基希土類合金粉と、バインダーとを有するボンド磁石用粉末において、前記鉄基希土類合金粉が、異なるメディアン粒径を有する大径粒子と小径粒子とからなり、前記小径粒子の配合割合が前記大径粒子よりも少ないことを特徴とするものである。
配合割合が多いか少ないかは体積分率(全粒子の合計の体積に対する小径粒子の合計の体積の割合)で判断する。例えば、100μmを閾値として、100μm以下の粒子の体積分率と100μmを超える粒子の体積分率を比較した際、その大小関係で評価できる。
配合割合が多いか少ないかは体積分率(全粒子の合計の体積に対する小径粒子の合計の体積の割合)で判断する。例えば、100μmを閾値として、100μm以下の粒子の体積分率と100μmを超える粒子の体積分率を比較した際、その大小関係で評価できる。
このように本発明では、板状の鉄基希土類合金粉として、大径粒子に加えて小径粒子も使用しているため、圧縮成形時には大径粒子の間の隙間に小径粒子が入り込む。この小径粒子が圧縮荷重を受ける支持体として機能するため、圧縮成形時に大径粒子は割れ難くなる。そのため、鉄基希土類合金粉の割れによる、新生面の出現を抑制することができ、鉄基希土類合金粉の酸化による磁気特性の低下を回避することができる。
鉄基希土類合金粉のアスペクト比は、1よりも大きく20以下にするのが好ましい。また、鉄基希土類合金粉の各粒子の長軸長さは500μm以下とするのが好ましい。
前記鉄基希土類合金粉の体積基準のメディアン径は200μm以上270μm以下とし、粒度分布は100μm以上の粒子群の合計が70%以上90%以下とすることが望ましい。なお、メディアン径および粒度分布は、レーザ回析式粒度分布測定装置を用い、体積基準に換算した場合の結果とする。
ボンド磁石用粉末において、バインダーは重量比で1.0〜2.0wt%含めるのが好ましい。バインダーの含有量が1.0wt%を下回ると高温時の強度低下(圧環強度の低下)を招き、2.0wt%を超えると、飽和磁束密度が低下する。
バインダーとしてはエポキシ樹脂を使用するのが好ましい。
前記鉄基希土類合金粉としては、例えばNd−Fe−Be系もしくはNd−Fe−B−Nb系を使用することができる。
前記鉄基希土類合金粉としては、例えばNd−Fe−Be系もしくはNd−Fe−B−Nb系を使用することができる。
以上に説明したボンド磁石用粉末を成形し、熱処理により硬化させてなるボンド磁石は、圧縮成形に伴う鉄基希土類合金粉の割れが抑制されているため、耐熱性に優れたものとなる。
ボンド磁石の密度は6.20〜6.35g/cm3が好ましい。この密度を下回ると、成形圧が低すぎるため、飽和磁束密度が低下する。また、この密度を上回ると、高温で使用した際の減磁率が増大する。
以上述べたように、本発明のボンド磁石用粉末によれば、圧粉成形時の鉄基希土類合金粉の割れを抑制することができる。そのため、鉄基希土類合金粉の酸化を抑えて、ボンド磁石の耐熱性を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明におけるボンド磁石用粉末は、鉄基希土類合金粉およびバインダー(必要に応じて後述する潤滑剤を加えてもよい)を加熱混合した後、解砕し、さらに篩分けしたものである。
鉄基希土類合金粉としては、市販のNd−Fe−B系あるいはNd−Fe−B−Nb系の硬磁性粉末を使用することができる。Nd−Fe−B−Nb系硬磁性粉末は、Nd−Fe−B系硬磁性粉末の合金組成にNbを1.5〜2.0mass%加えたものであり、Nbを含まないNd−Fe−B系硬磁性粉末に比べて、より高い固有保磁力を得ることができる。
この鉄基希土類合金粉は、メルトスピニング法で作製されており、板状(薄片状)をなしている。鉄基希土類合金粉のアスペクト比、すなわち各粒子の最短軸に対する最長軸の長さの比は、1よりも大きく、20以下である。アスペクト比は走査型電子顕微鏡等から得た顕微鏡像から求めることができる。また、鉄基希土類合金粉の最大粒径(最長軸長さ)は500μm以下である。この鉄基希土類合金粉の表面には、Niメッキ、Alイオンプレーティング等により被膜が形成される(被膜が省略される場合もある)。
鉄基希土類合金粉としては、メディアン粒径の異なる大径粒子と小径粒子とが使用される。大径粒子および小径粒子は、それぞれ粒度分布(例えば正規分布)を有する粒子の集合体である。メディアン粒径は、積算%の分布曲線が50%の横軸と交差するポイントの粒子径(50%粒子径またはD50)を意味する。大径粒子としては、メディアン粒径が100μm以上〜300μm以下のもの、小径粒子としては、メディアン粒径が50μm以上、〜100μm未満のものを使用するのが好ましい。
大径粒子と小径粒子を混合した後の粉末は、そのメディアン粒径が200μm〜270μmを示し、粒度分布は100μm以上の粒子群の合計が70%以上90%以下とすることが好ましい。なお、メディアン粒径は、レーザ回析式粒度分布測定装置(例えば株式会社島津製作所のSALD−3100)により求めることができる。
バインダーとしては、鉄基希土類合金粉との密着性の良い樹脂が使用され、例えば熱硬化性のエポキシ樹脂が使用される。高耐熱性を有する樹脂であれば、他の熱硬化性樹脂を使用することもできる。バインダーの配合量は、鉄基希土類合金粉とバインダーの総量に対して1〜2wt%が好ましい。配合量が少なすぎると磁性粉同士の結着力が低下して圧粉体に十分な強度が得られず、硬化処理前の圧粉体のハンドリング時に割れや欠けを生じる懸念がある。配合量が多すぎるとボンド磁石の残留磁束密度が低くなり、小型化には不適合となる。
金型の長寿命化の観点から、原料粉には潤滑剤(固体潤滑剤)を配合してもよい。潤滑剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸鉄、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ベヘン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、モンタン酸アミド、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、スターチ、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン、ラウロイルリシン、シアヌル酸メラミン等を使用することが可能である。列挙した潤滑剤は単独で使用してもよいし、数種類を組み合わせて使用してもよい。
また、潤滑剤は、圧縮成型前に原料粉に配合してもよい。この場合の配合量は、鉄基希土類合金粉に対して0.1〜1.0wt%程度が好ましい。この他、潤滑剤を金型の壁面に付着させる、いわゆる金型潤滑法を採用してもよい。
鉄基希土類合金粉およびバインダー(さらに必要に応じて潤滑剤)の混合は、加圧と加熱を同時に加えながら攪拌する加圧ニーダ法を使用するのが望ましい。ヘンシェル型ミキサ等の無負荷の混合方式を採用してもよい。但し、混合時の加熱は必ず必要である。
解砕した粉末を篩にかけて粗大粒子(最大粒径が300μmを超えるもの)を取り除くことでボンド磁石用粉末が得られる。このボンド磁石用粉末を金型にて所定の圧力で圧縮成形することにより圧粉体が得られる。その後、バインダーの硬化条件に合わせて圧粉体の熱処理を行い、バインダーを硬化させることで硬化体が得られる。熱処理時の雰囲気ガスに特に制限はない。その後、必要に応じて硬化体の表面に耐候性向上のための表面塗装を施す。塗膜の材質に制限はないが硬磁性粉末の酸化に影響するガスを透過しにくい組成が望まれる。その後、硬質体に着磁を行うことで、ボンド磁石が完成する。このボンド磁石は680kA/m以上の固有保磁力を有し、150℃以上の温度における耐熱性を有する。
板状の鉄基希土類合金粉(大径粒子のみを使用したと仮定する)を使用して圧粉体を成形すると、図1に示すように、合金粉1の間に隙間が形成されるため、圧縮荷重Pを負荷した際に合金粉1が割れやすくなる。この手法では、圧縮成形時に鉄基希土類合金粉が割れることで高密度化が達成され、そのため、むしろ割れやすい(アスペクト比の大きい)合金粉を使用する方が高密度化の面では有利となる。その一方で、既に述べたとおり、圧縮成形時の割れにより被膜のない新生面が多数形成されるため、新生面が酸化しやすく、そのために高温時に磁気特性が低下する問題を抱える。
これに対し、本実施形態では、図2に示すように、板状の鉄基希土類合金粉として、大径粒子1に加えて小径粒子2も使用しているため、大径粒子1の間の隙間に小径粒子2が入り込む。この小径粒子2が圧縮荷重Pを受ける支持体として機能するため、圧縮成形時に大径粒子2は割れ難くなる。そのため、鉄基希土類合金粉の割れによる、新生面の出現を抑制することができ、鉄基希土類合金粉の酸化による磁気特性の低下を回避することができる。また、低圧成形でも必要な密度が得られるため、圧縮時の成形圧を小さくすることができる。そのため、鉄基希土類合金粉がより一層割れにくくなる利点も得られる。
以上に述べた鉄基希土類合金粉について、種々の因子を変更した場合の諸特性を評価する試験を行ったので、以下にその詳細を説明する。
評価の基準となる実施例1の試験片は以下の手順で製作した。
・メディアン粒径の異なるNd−Fe−B−Nb系の硬磁性粉末を準備し、小径粒子と大径粒子の重量比がそれぞれ30wt%、70wt%となるように配合した。小径粒子のメディアン径は75μmとし、大径粒子のメディアン径は250μmとした。この混合粉末のメディアン粒径は220μmであり、100μm以上の粒子の割合は70%である。小径粒子および大径粒子の最長軸長さがは500μm以下であり、アスペクト比は1よりも大きく20以下である。
・このNd−Fe−B−Nb系の硬磁性粉末にエポキシ樹脂を重量比で2wt.%、ステアリン酸カルシウムを重量比で0.1wt.%配合し、よく混ぜ合わせた。
・混合粉は所定条件で加熱混錬実施した後、解砕を施し、次いで、篩分けにより粒径300μm以下の粉末を取り出した。
・解砕後の粉末を所定の成形圧で冷間成形しリング状の圧粉体を得た。
・圧粉体は所定の条件で熱処理を施し、エポキシ樹脂を硬化させた。
・硬化後の圧粉体に表面塗装を施し、膜厚20μmの塗膜を形成した。
・メディアン粒径の異なるNd−Fe−B−Nb系の硬磁性粉末を準備し、小径粒子と大径粒子の重量比がそれぞれ30wt%、70wt%となるように配合した。小径粒子のメディアン径は75μmとし、大径粒子のメディアン径は250μmとした。この混合粉末のメディアン粒径は220μmであり、100μm以上の粒子の割合は70%である。小径粒子および大径粒子の最長軸長さがは500μm以下であり、アスペクト比は1よりも大きく20以下である。
・このNd−Fe−B−Nb系の硬磁性粉末にエポキシ樹脂を重量比で2wt.%、ステアリン酸カルシウムを重量比で0.1wt.%配合し、よく混ぜ合わせた。
・混合粉は所定条件で加熱混錬実施した後、解砕を施し、次いで、篩分けにより粒径300μm以下の粉末を取り出した。
・解砕後の粉末を所定の成形圧で冷間成形しリング状の圧粉体を得た。
・圧粉体は所定の条件で熱処理を施し、エポキシ樹脂を硬化させた。
・硬化後の圧粉体に表面塗装を施し、膜厚20μmの塗膜を形成した。
この塗装体を実施例1として、以下にて種々の因子を変更した場合の諸特性を評価する。ここでいう諸特性は、残留飽和磁束密度、初期と180℃×100h後の空間磁束密度の変化量(減磁率)、および圧環強さである。残留磁束密度はメトロン技研株式会社製のBHトレーサーにて、空間磁束密度はガウスメータにて、圧環強さは株式会社島津製作所製のオートグラフ精密万能試験機を用いて測定した。空間磁束密度とは、ボンド磁石から所定距離離れた位置での磁束密度を指す。飽和磁束密度は680mT以上、減磁率は10%未満、圧環強さは50MPa以上を合格水準とした。実施例1はすべての項目で目標水準以上を示した。
<100μm以上の粒子の割合の影響>
実施例1に対し、100μm以上の粒子の割合を変化させた。図3に結果を示す。
実施例1に対し、100μm以上の粒子の割合を変化させた。図3に結果を示す。
100μm以上の粒子の割合が70〜85%の範囲では、他の実験結果(比較例1、2)よりも高密度で高い飽和磁束密度のボンド磁石を得ることができた。180℃×100h静置後の減磁率については、100μm以上の粒子の割合が95%の場合には目標水準を下回る結果となったが、100μm以上の粒子の割合が85%以下の範囲では目標水準を満たした。以上から、100μm以上の粒子の割合は70〜90%が適正範囲であることが判明した。
<成形面圧の影響>
実施例1に対し、成形面圧(密度)を変化させた。図4に結果を示す。
実施例1に対し、成形面圧(密度)を変化させた。図4に結果を示す。
高面圧にすることで高密度の成形体を得ることができるが、密度が高すぎる場合、180℃の耐熱試験後の減磁率が悪化した。これは、割れた硬磁性粉末の割合が多くなったためと考えられる。密度が低すぎる場合、所望の飽和磁束密度を得ることができないことが判明した。この結果から、ボンド磁石の密度は、6.20〜6.45g/cm3が適正範囲となる。
<バインダー配合量の影響>
実施例1に対し、バインダー配合量を0.5〜3.0wt。%の範囲で変化させた。図5に結果を示す。
実施例1に対し、バインダー配合量を0.5〜3.0wt。%の範囲で変化させた。図5に結果を示す。
バインダーの配合量が1.0〜2.0wt.%の場合、各種特性は目標水準を満たした。その一方で、バインダーの配合量が0.5wt.%では、圧環強さが低いという問題を生じた。3.0wt.%では十分な磁束密度が得られなかった。従って、バインダーの配合比はボンド磁石に対して重量比で1.0〜2.0wt.%が適正範囲となる。
1 大径粒子
2 小径粒子
2 小径粒子
Claims (9)
- 希土類元素を含む板状の鉄基希土類合金粉と、バインダーとを有するボンド磁石用粉末において、
前記鉄基希土類合金粉が、異なるメディアン粒径を有する大径粒子と小径粒子とからなり、前記小径粒子の配合割合が前記大径粒子よりも少ないことを特徴とするボンド磁石用磁性粉末。 - 前記鉄基希土類合金粉のアスペクト比が、1よりも大きく20以下である請求項1に記載のボンド磁石用粉末。
- 前記鉄基希土類合金粉の各粒子の長軸長さが500μm以下である請求項1または2に記載のボンド磁石用磁性粉末。
- 前記鉄基希土類合金粉の体積基準のメディアン粒径が200μm以上270μm以下であり、100μm以上の粒子の割合が70%以上90%以下である請求項1〜3の何れか1項に記載のボンド磁石用磁性粉末。
- 前記バインダーを重量比で1.0〜2.0wt%含む請求項1〜4に記載のボンド磁石用粉末。
- 前記バインダーとしてエポキシ樹脂を使用した請求項1〜5の何れか1項に記載のボンド磁石用粉末。
- 前記鉄基希土類合金粉が、Nd−Fe−B系もしくはNd−Fe−B−Nb系である請求項1〜6何れか1項に記載のボンド磁石用粉末。
- 請求項1〜7の何れか1項に記載のボンド磁石用粉末を成形し、熱処理により硬化させてなるボンド磁石。
- 密度が6.20〜6.35g/cm3である請求項8に記載のボンド磁石。
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