JP2021055034A - 樹脂粒子、導電性粒子、導電材料及び接続構造体 - Google Patents

樹脂粒子、導電性粒子、導電材料及び接続構造体 Download PDF

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啓太 有村
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Abstract

【課題】接着層との密着性を効果的に高めることができ、表面上に導電部を形成した導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、めっき剥がれの発生を効果的に抑制することができる樹脂粒子を提供する。【解決手段】本発明に係る樹脂粒子は、孔を有する樹脂粒子であり、前記孔における開口部の径が、0.05μm以上1μm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂により形成された樹脂粒子に関する。また、本発明は、上記樹脂粒子を用いた導電性粒子、導電材料及び接続構造体に関する。
異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム等の異方性導電材料が広く知られている。上記異方性導電材料では、バインダー樹脂中に導電性粒子が分散されている。
上記異方性導電材料は、フレキシブルプリント基板(FPC)、ガラス基板、ガラスエポキシ基板及び半導体チップなどの様々な接続対象部材の電極間を電気的に接続し、接続構造体を得るために用いられている。また、上記導電性粒子として、基材粒子と、該基材粒子の表面上に配置された導電層とを有する導電性粒子が用いられることがある。上記基材粒子として、樹脂粒子等が用いられることがある。
下記の特許文献1では、アクリル系樹脂を含むコア粒子と、上記コア粒子の表面上に直接設けられた又はニッケル層を介して設けられた銀層とを有する導電性微粒子が開示されている。上記銀層の表面被覆率は70%以上である。
また、2つの接続対象部材等(被着体)を接着するために、様々な接着剤が用いられている。該接着剤により形成される接着層の厚みを均一にし、2つの接続対象部材等(被着体)の間隔(ギャップ)を制御するために、接着剤にギャップ材(スペーサ)が配合されることがある。上記ギャップ材(スペーサ)として、樹脂粒子等が用いられることがある。
特開2017−126463号公報
従来の樹脂粒子では、樹脂粒子の表面上に、めっきにより導電部(めっき層)を形成して導電性粒子として用いられることがある。従来の樹脂粒子を導電性粒子として用いる場合には、電極間を電気的に接続すると、電極間の接続抵抗が高くなることがある。この原因としては、導電性粒子において、めっき剥がれが発生すること等が挙げられる。
また、従来の樹脂粒子では、樹脂粒子を接着剤中に配合して、ギャップ材(スペーサ)として用いられることがある。従来の樹脂粒子をギャップ材(スペーサ)として用いる場合には、接着剤により形成された接着層との密着性を十分に高めることが困難なことがある。
本発明の目的は、接着層との密着性を効果的に高めることができ、表面上に導電部を形成した導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、めっき剥がれの発生を効果的に抑制することができる樹脂粒子を提供することである。また、本発明の目的は、上記樹脂粒子を用いた導電性粒子、導電材料及び接続構造体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、孔を有する樹脂粒子であり、前記孔における開口部の径が、0.05μm以上1μm以下である、樹脂粒子が提供される。
本発明に係る樹脂粒子のある特定の局面では、前記孔の個数が、5個以下である。
本発明に係る樹脂粒子のある特定の局面では、前記孔における開口部の径の、前記孔の深さに対する比が、4.0以下である。
本発明に係る樹脂粒子のある特定の局面では、前記孔における開口部の円形度が、0.1以上である。
本発明に係る樹脂粒子のある特定の局面では、10%圧縮したときの圧縮弾性率が、200N/mm以上5000N/mm以下である。
本発明に係る樹脂粒子のある特定の局面では、30%圧縮したときの圧縮弾性率が、200N/mm以上6000N/mm以下である。
本発明に係る樹脂粒子のある特定の局面では、30%圧縮変形させた際の圧縮回復率が、45%以上90%以下である。
本発明に係る樹脂粒子のある特定の局面では、前記樹脂粒子が、重合性官能基を4個有する第1の重合性化合物と、重合性官能基を2個有する第2の重合性化合物との重合体である。
本発明に係る樹脂粒子のある特定の局面では、前記第1の重合性化合物に由来する構造の含有量の、前記第2の重合性化合物に由来する構造の含有量に対する重量比が、0.1以上100以下である。
本発明に係る樹脂粒子のある特定の局面では、スペーサとして用いられるか、又は、表面上に導電部が形成されることで、前記導電部を有する導電性粒子を得るために用いられる。
本発明の広い局面によれば、上述した樹脂粒子と、前記樹脂粒子の表面上に配置された導電部とを備える、導電性粒子が提供される。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性粒子は、前記導電部の外表面上に配置された絶縁性物質をさらに備える。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性粒子は、前記導電部の外表面に突起を有する。
本発明の広い局面によれば、導電性粒子と、バインダー樹脂とを含み、前記導電性粒子が、上述した樹脂粒子と、前記樹脂粒子の表面上に配置された導電部とを備える、導電材料が提供される。
本発明の広い局面によれば、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、前記接続部が、導電性粒子により形成されているか、又は前記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されており、前記導電性粒子が、上述した樹脂粒子と、前記樹脂粒子の表面上に配置された導電部とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極とが前記導電性粒子により電気的に接続されている、接続構造体が提供される。
本発明に係る樹脂粒子は、孔を有する。本発明に係る樹脂粒子では、上記孔における開口部の径が、0.05μm以上1μm以下である。本発明に係る樹脂粒子では、上記の構成が備えられているので、接着層との密着性を効果的に高めることができ、表面上に導電部を形成した導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、めっき剥がれの発生を効果的に抑制することができる。
図1は、本発明に係る樹脂粒子の一例を示す断面図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図3は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図4は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図5は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体の一例を示す断面図である。 図6は、本発明に係る樹脂粒子を用いた電子部品装置の一例を示す断面図である。 図7は、図6に示す電子部品装置における接合部部分を拡大して示す断面図である。 図8は、本発明の実施形態の樹脂粒子のSEM画像である。 図9は、本発明の実施形態の樹脂粒子のSEM画像である。
以下、本発明の詳細を説明する。
(樹脂粒子)
本発明に係る樹脂粒子は、孔を有する。本発明に係る樹脂粒子では、上記孔における開口部の径が、0.05μm以上1μm以下である。
本発明に係る樹脂粒子では、上記の構成が備えられているので、接着層との密着性を効果的に高めることができ、表面上に導電部を形成した導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、めっき剥がれの発生を効果的に抑制することができる。
従来の樹脂粒子では、樹脂粒子の表面上に、めっきにより導電部(めっき層)を形成して導電性粒子として用いられることがある。従来の樹脂粒子を導電性粒子として用いる場合には、電極間を電気的に接続すると、電極間の接続抵抗が高くなることがある。この原因としては、導電性粒子において、めっき剥がれが発生すること等が挙げられる。
また、従来の樹脂粒子では、樹脂粒子を接着剤中に配合して、ギャップ材(スペーサ)として用いられることがある。従来の樹脂粒子をギャップ材(スペーサ)として用いる場合には、接着剤により形成された接着層との密着性を十分に高めることが困難なことがある。
本発明に係る樹脂粒子は、孔を有するため、樹脂粒子の表面に凹凸が形成されている。このため、本発明に係る樹脂粒子を導電性粒子として用いる場合には、樹脂粒子の表面に配置された導電部が樹脂粒子の孔に入り込むので、樹脂粒子と導電部との密着性をアンカー効果により高めることができ、めっき剥がれの発生を効果的に抑制することができる。また、本発明に係る樹脂粒子を用いた導電性粒子では、電極間の接続抵抗を効果的に低くすることができ、電極間の接続信頼性を効果的に高めることができる。例えば、本発明に係る樹脂粒子を用いた導電性粒子により電極間が電気的に接続された接続構造体を高温及び高湿条件下で長時間放置しても、接続抵抗の上昇がより一層抑えられ、導通不良がより一層生じ難くなる。
また、本発明に係る樹脂粒子をギャップ材(スペーサ)として用いる場合には、樹脂粒子の周囲に存在する接着剤が樹脂粒子の孔に入り込むので、樹脂粒子と、接着剤により形成された接着層との密着性をアンカー効果により高めることができ、樹脂粒子と接着層との密着性を効果的に高めることができる。また、樹脂粒子を接続対象部材等に十分に接触させることができ、十分なギャップ制御効果を得ることができる。
図1は、本発明に係る樹脂粒子の一例を示す断面図である。
図1に示す樹脂粒子1は、孔1Aを有する。樹脂粒子1では、孔1Aにおける開口部の径は、0.05μm以上1μm以下である。上記樹脂粒子において、上記孔の位置は特に限定されない。上記孔は、上記樹脂粒子の表面に形成されていることが好ましい。上記樹脂粒子において、上記孔は貫通していてもよく、貫通していなくてもよい。上記樹脂粒子において、上記孔は、樹脂粒子全体を貫通する貫通孔であってもよい。
上記孔における開口部の径は、好ましくは0.07μm以上、より好ましくは0.1μm以上であり、好ましくは0.8μm以下、より好ましくは0.6μm以下である。上記孔における開口部の径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、接着層との密着性をより一層効果的に高めることができる。上記孔における開口部の径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、表面上に導電部を形成した導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、めっき剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。
上記孔における開口部の径は、例えば、任意の樹脂粒子を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察することにより算出することができる。上記孔における開口部の径は、上記開口部の外周の2点を直線で結んだ距離が最大となる寸法であることが好ましい。
上記孔における開口部の径は、任意の樹脂粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、任意の樹脂粒子50個の開口部の径を算術平均して平均値を算出することにより求めることが好ましい。
上記樹脂粒子では、上記孔の個数は、好ましくは5個以下であり、より好ましくは3個以下である。上記孔の個数の下限は特に限定されない。上記孔の個数は1個であってもよい。上記孔の個数が、上記上限以下であると、接着層との密着性をより一層効果的に高めることができる。上記孔の個数が、上記上限以下であると、表面上に導電部を形成した導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、めっき剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。
上記孔の個数は、任意の樹脂粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、任意の樹脂粒子50個の孔の個数を算術平均して平均値を算出することにより求めることが好ましい。
上記樹脂粒子では、上記孔における開口部の径の、上記孔の深さに対する比(孔における開口部の径/孔の深さ)は、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.0以下、更に好ましくは2.0以下である。上記比(孔における開口部の径/孔の深さ)の下限は特に限定されない。上記比(孔における開口部の径/孔の深さ)は0.5以上であってもよく、1.0以上であってもよく、4.0を超えていてもよい。上記比(孔における開口部の径/孔の深さ)が、上記上限以下であると、接着層との密着性をより一層効果的に高めることができる。上記比(孔における開口部の径/孔の深さ)が、上記上限以下であると、表面上に導電部を形成した導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、めっき剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。
上記孔の深さは、例えば、任意の樹脂粒子を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察することにより算出することができる。
上記孔の深さは、任意の樹脂粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、任意の樹脂粒子50個の孔の深さを算術平均して平均値を算出することにより求めることが好ましい。
上記樹脂粒子では、上記孔における開口部の円形度は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上である。上記孔における開口部の円形度の上限は特に限定されない。上記孔における開口部の円形度は0.1未満であってもよい。上記孔における開口部の円形度が、上記下限以上であると、接着層との密着性をより一層効果的に高めることができる。上記孔における開口部の円形度が、上記下限以上であると、表面上に導電部を形成した導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、めっき剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。
上記孔における開口部の円形度は、例えば、任意の樹脂粒子を電子顕微鏡画像又は光学顕微鏡にて観察することにより算出することができる。具体的には、任意に選択された樹脂粒子の孔における開口部の面積(S)及び周囲長(L)を測定し、下記の式(1)により算出することができる。上記円形度は円らしさを表す値であり、上記円形度が1に近くなるにつれて、円に近くなることを意味する。
円形度=[4πS/L] 式(1)
上記樹脂粒子を10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)は、好ましくは200N/mm以上、より好ましくは1000N/mm以上であり、好ましくは5000N/mm以下、より好ましくは3500N/mm以下である。上記樹脂粒子の10%K値が、上記下限以上及び上記上限以下であると、接着層との密着性をより一層効果的に高めることができる。上記樹脂粒子の10%K値が、上記下限以上及び上記上限以下であると、表面上に導電部を形成した導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、めっき剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。
上記樹脂粒子を30%圧縮したときの圧縮弾性率(30%K値)は、好ましくは200N/mm以上、より好ましくは1000N/mm以上であり、好ましくは6000N/mm以下、より好ましくは4000N/mm以下である。上記樹脂粒子の30%K値が、上記下限以上及び上記上限以下であると、接着層との密着性をより一層効果的に高めることができる。上記樹脂粒子の30%K値が、上記下限以上及び上記上限以下であると、表面上に導電部を形成した導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、めっき剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。
上記樹脂粒子における上記圧縮弾性率(10%K値又は30%K値)は、以下のようにして測定できる。
微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径50μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、圧縮速度0.3mN/秒、及び最大試験荷重20mNの条件下で1個の樹脂粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記樹脂粒子の圧縮弾性率(10%K値又は30%K値)を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。上記樹脂粒子における上記圧縮弾性率(10%K値又は30%K値)は、任意に選択された50個の樹脂粒子の上記圧縮弾性率(10%K値又は30%K値)を算術平均することにより、算出することが好ましい。
10%K値又は30%K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
F:樹脂粒子が10%又は30%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:樹脂粒子が10%又は30%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:樹脂粒子の半径(mm)
上記圧縮弾性率は、樹脂粒子の硬さを普遍的かつ定量的に表す。上記圧縮弾性率の使用により、樹脂粒子の硬さを定量的かつ一義的に表すことができる。
上記樹脂粒子を30%圧縮変形させた際の圧縮回復率は、好ましくは45%以上、より好ましくは65%以上であり、好ましくは90%以下、より好ましくは70%以下である。上記樹脂粒子の圧縮回復率が、上記下限以上及び上記上限以下であると、接着層との密着性をより一層効果的に高めることができる。上記樹脂粒子の圧縮回復率が、上記下限以上及び上記上限以下であると、表面上に導電部を形成した導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、めっき剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。
上記樹脂粒子における上記圧縮回復率は、以下のようにして測定できる。
試料台上に樹脂粒子を散布する。散布された1個の樹脂粒子について、微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径50μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃で、樹脂粒子の中心方向に、樹脂粒子が30%圧縮変形するまで負荷(反転荷重値)を与える。その後、原点用荷重値(0.40mN)まで除荷を行う。この間の荷重−圧縮変位を測定し、下記式から圧縮回復率を求めることができる。なお、負荷速度は0.33mN/秒とする。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
圧縮回復率(%)=[L2/L1]×100
L1:負荷を与えるときの原点用荷重値から反転荷重値に至るまでの圧縮変位
L2:負荷を解放するときの反転荷重値から原点用荷重値に至るまでの除荷変位
上記樹脂粒子の用途は特に限定されない。上記樹脂粒子は、様々な用途に好適に用いることができる。上記樹脂粒子は、スペーサとして用いられるか、又は、表面上に導電部が形成されることで、上記導電部を有する導電性粒子を得るために用いられることが好ましい。上記導電性粒子において、上記導電部は、上記樹脂粒子の表面上に形成される。上記樹脂粒子は、表面上に導電部が形成されることで、上記導電部を有する導電性粒子を得るために用いられることが好ましい。上記導電性粒子は、電極間を電気的に接続するために用いられることが好ましい。上記導電性粒子は、ギャップ材(スペーサ)として用いられてもよい。上記樹脂粒子は、ギャップ材(スペーサ)として用いられることが好ましい。上記ギャップ材(スペーサ)の使用方法としては、液晶表示素子用スペーサ、ギャップ制御用スペーサ、及び応力緩和用スペーサ等が挙げられる。上記ギャップ制御用スペーサは、スタンドオフ高さ及び平坦性を確保するための積層チップや電子部品装置のギャップ制御、並びに、ガラス面の平滑性及び接着剤層の厚みを確保するための光学部品のギャップ制御等に用いることができる。上記応力緩和用スペーサは、センサチップ等の応力緩和、及び2つの接続対象部材を接続している接続部の応力緩和等に用いることができる。また、上記樹脂粒子をギャップ材(スペーサ)として用いる場合には、接続対象部材等に十分に接触させることができ、十分なギャップ制御効果を得ることができる。
上記樹脂粒子は、液晶表示素子用スペーサとして用いられることが好ましく、液晶表示素子用周辺シール剤に用いられることが好ましい。上記液晶表示素子用周辺シール剤において、上記樹脂粒子は、スペーサとして機能することが好ましい。上記樹脂粒子は、良好な圧縮変形特性及び良好な圧縮破壊特性を有するので、上記樹脂粒子をスペーサとして用いて基板間に配置したり、表面に導電部を形成して導電性粒子として用いて電極間を電気的に接続したりした場合に、スペーサ又は導電性粒子が、基板間又は電極間に効率的に配置される。さらに、上記樹脂粒子では、液晶表示素子用部材等の傷付きを抑えることができるので、上記液晶表示素子用スペーサを用いた液晶表示素子及び上記導電性粒子を用いた接続構造体において、接続不良及び表示不良が生じ難くなる。
さらに、上記樹脂粒子は、無機充填材、トナーの添加剤、衝撃吸収剤又は振動吸収剤としても好適に用いられる。例えば、ゴム又はバネ等の代替品として、上記樹脂粒子を用いることができる。
以下、樹脂粒子の他の詳細を説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」との一方又は双方を意味し、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」との一方又は双方を意味する。
(樹脂粒子の他の詳細)
上記樹脂粒子は、重合性官能基を4個有する第1の重合性化合物と、重合性官能基を2個有する第2の重合性化合物との重合体であることが好ましい。
上記樹脂粒子では、樹脂粒子の中心部と樹脂粒子の表面部とが同一の上記重合体で構成されていることが好ましい。上記樹脂粒子の中心部における重合性化合物の配合比と、上記樹脂粒子の表面部における重合性化合物の配合比とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。上記樹脂粒子の中心部における構成成分の構成比と、上記樹脂粒子の表面部における構成成分の構成比とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記樹脂粒子では、樹脂粒子の中心部が中心部形成材料により形成されており、樹脂粒子の表面部が表面部形成材料により形成されていることが好ましい。上記樹脂粒子では、上記中心部形成材料の成分と上記表面部形成材料の成分とは、同一であることが好ましい。上記樹脂粒子では、上記中心部形成材料の成分比と上記表面部形成材料の成分比とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、上記樹脂粒子では、上記中心部形成材料と上記表面部形成材料との双方を含む領域が存在することが好ましい。上記樹脂粒子では、上記中心部形成材料を含み、かつ上記表面部形成材料を含まないか又は上記表面部形成材料を25%未満で含む領域を、樹脂粒子が中心部に有することが好ましい。上記樹脂粒子では、上記表面部形成材料を含み、かつ上記中心部形成材料を含まないか又は上記中心部形成材料を25%未満で含む領域を、樹脂粒子が表面部に有することが好ましい。
上記樹脂粒子は、コアと、該コアの表面上に配置されたシェルとを備えるコアシェル粒子ではないことが好ましく、樹脂粒子内で、コアとシェルとの界面を有さないことが好ましい。上記樹脂粒子は、樹脂粒子内で、界面を有さないことが好ましく、異なる面同士が接触している界面を有さないことがより好ましい。上記樹脂粒子は、表面が存在する不連続部分を有さないことが好ましく、構造表面が存在する不連続部分を有さないことが好ましい。
上記樹脂粒子が、上記の好ましい態様を満足すると、接着層との密着性をより一層効果的に高めることができる。上記樹脂粒子が、上記の好ましい態様を満足すると、表面上に導電部を形成した導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、めっき剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。
上記樹脂粒子では、上記第1の重合性化合物は、重合性官能基(第1の重合性官能基)を4個有することが好ましい。上記重合性官能基(第1の重合性官能基)としては特に限定されず、例えば、ビニル基、アクリロイル基及びメタクリロイル基等が挙げられる。上記第1の重合性化合物としては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート及びペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。上記第1の重合性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記樹脂粒子では、上記第2の重合性化合物は、重合性官能基(第2の重合性官能基)を2個有することが好ましい。上記重合性官能基(第2の重合性官能基)としては特に限定されず、例えば、ビニル基、アクリロイル基及びメタクリロイル基等が挙げられる。上記第2の重合性化合物としては、ジビニルベンゼン、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール#1000ジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート及びトリシクロデカンジメタノールジアクリレート等が挙げられる。上記第2の重合性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記樹脂粒子では、上記第1の重合性化合物に由来する構造の含有量(WT)の、上記第2の重合性化合物に由来する構造の含有量(WD)に対する重量比(WT/WD)は、好ましくは0.43以上、より好ましくは0.67以上であり、好ましくは100以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは4以下である。上記重量比(WT/WD)が、上記下限以上及び上記上限以下であると、接着層との密着性をより一層効果的に高めることができる。上記重量比(WT/WD)が、上記下限以上及び上記上限以下であると、表面上に導電部を形成した導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、めっき剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。
上記第1の重合性化合物に由来する構造の含有量(WT)及び上記第2の重合性化合物に由来する構造の含有量(WD)を求める方法としては、以下の方法が挙げられる。重合体を得る際に用いた第1,第2の重合性化合物の配合量及び重合後の第1,第2の重合性化合物の残存量から、重合した第1,第2の重合性化合物の量を求め、重合した第1,第2の重合性化合物の量から算出する。
また、樹脂粒子から上記第1の重合性化合物に由来する構造の含有量(WT)及び上記第2の重合性化合物に由来する構造の含有量(WD)を求める方法としては、以下の方法が挙げられる。重合体を得る際に用いた第1,第2の重合性化合物のそれぞれの樹脂粒子における官能基の量や、重合体を得る際に用いた第1,第2の重合性化合物のそれぞれの樹脂粒子における官能基が反応した基の量から算出する。
上記樹脂粒子は、上記第1の重合性化合物と上記第2の重合性化合物とを重量比で、好ましくは0.43以上、より好ましくは0.67以上で重合させて得ることが好ましい。上記樹脂粒子は、上記第1の重合性化合物と上記第2の重合性化合物とを重量比で、好ましくは9以下、より好ましくは4以下で重合させて得ることが好ましい。上記樹脂粒子は、上記第1の重合性化合物と上記第2の重合性化合物とを上記の好ましい範囲の重量比で重合させて得ることにより、接着層との密着性をより一層効果的に高めることができる。また、表面上に導電部を形成した導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、めっき剥がれの発生をより一層効果的に抑制することができる。
上記樹脂粒子は、シード重合法により重合させて得ることが好ましい。上記樹脂粒子は、シード重合法により重合させるときに、オートクレーブ等を用いて加圧下で重合させて得ることが好ましい。上記の好ましい態様で、上記樹脂粒子を重合させることで、孔を有する樹脂粒子を容易に得ることができる。
上記樹脂粒子の粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下である。上記樹脂粒子の粒子径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、樹脂粒子を導電性粒子及びスペーサの用途により一層好適に使用可能になる。スペーサとして用いる観点からは、上記樹脂粒子の粒子径は、1μm以上80μm以下であることが好ましい。導電性粒子として用いる観点からは、上記樹脂粒子の平均粒子径は、1μm以上20μm以下であることが好ましい。
上記樹脂粒子の粒子径は、上記樹脂粒子が真球状である場合には直径を意味し、上記樹脂粒子が真球状以外の形状である場合には、その体積相当の真球と仮定した際の直径を意味する。上記樹脂粒子の粒子径は、平均粒子径であることが好ましく、数平均粒子径であることがより好ましい。上記樹脂粒子の粒子径は、任意の粒度分布測定装置により測定することができる。例えば、レーザー光散乱、電気抵抗値変化、撮像後の画像解析等の原理を用いた粒度分布測定装置等を用いて測定することができる。さらに具体的には、樹脂粒子の粒子径の測定方法として、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「Multisizer4」)を用いて、約100000個の樹脂粒子の粒子径を測定し、平均値を算出する方法が挙げられる。
上記樹脂粒子の粒子径の変動係数(CV値)は、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下である。上記CV値が、上記上限以下であると、樹脂粒子を導電性粒子及びスペーサの用途により一層好適に使用可能になる。
上記CV値は、下記式で表される。
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
ρ:樹脂粒子の粒子径の標準偏差
Dn:樹脂粒子の粒子径の平均値
上記樹脂粒子のアスペクト比は、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.2以下である。上記アスペクト比は、長径/短径を示す。上記アスペクト比は、任意の樹脂粒子10個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、最大径と最小径をそれぞれ長径、短径とし、各樹脂粒子の長径/短径の平均値を算出することにより求めることが好ましい。
(導電性粒子)
上記導電性粒子は、上述した樹脂粒子と、上記樹脂粒子の表面上に配置された導電部とを備える。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図2に示す導電性粒子11は、樹脂粒子1と、樹脂粒子1の表面上に配置された導電部2とを有する。導電部2は、樹脂粒子1の表面を被覆している。導電性粒子11は、樹脂粒子1の表面が導電部2により被覆された被覆粒子である。導電性粒子11では、樹脂粒子1の孔1Aの内部に導電部2が配置されている。導電部2は、樹脂粒子1の孔1Aの内部に配置されている。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図3に示す導電性粒子21は、樹脂粒子1と、樹脂粒子1の表面上に配置された導電部22とを有する。図3に示す導電性粒子21では、導電部22のみが、図2に示す導電性粒子11と異なる。導電部22は、内層である第1の導電部22Aと外層である第2の導電部22Bとを有する。樹脂粒子1の表面上に、第1の導電部22Aが配置されている。第1の導電部22Aの表面上に、第2の導電部22Bが配置されている。導電性粒子21では、樹脂粒子1の孔1Aの内部に導電部22Aが配置されている。導電部22Aは、樹脂粒子1の孔1Aの内部に配置されている。
図4は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図4に示す導電性粒子31は、樹脂粒子1と、導電部32と、複数の芯物質33と、複数の絶縁性物質34とを有する。
導電部32は、樹脂粒子1の表面上に配置されている。導電性粒子31では、樹脂粒子1の孔1Aの内部に導電部32が配置されている。導電部32は、樹脂粒子1の孔1Aの内部に配置されている。導電性粒子31は導電性の表面に、複数の突起31aを有する。導電部32は外表面に、複数の突起32aを有する。このように、上記導電性粒子は、導電性粒子の導電性の表面に突起を有していてもよく、導電部の外表面に突起を有していてもよい。複数の芯物質33が、樹脂粒子1の表面上に配置されている。複数の芯物質33は導電部32内に埋め込まれている。芯物質33は、突起31a,32aの内側に配置されている。導電部32は、複数の芯物質33を被覆している。複数の芯物質33により導電部32の外表面が隆起されており、突起31a,32aが形成されている。
導電性粒子31は、導電部32の外表面上に配置された絶縁性物質34を有する。導電部32の外表面の少なくとも一部の領域が、絶縁性物質34により被覆されている。絶縁性物質34は絶縁性を有する材料により形成されており、絶縁性粒子である。このように、上記導電性粒子は、導電部の外表面上に配置された絶縁性物質を有していてもよい。
上記導電部を形成するための金属は特に限定されない。上記金属としては、金、銀、パラジウム、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、タリウム、ゲルマニウム、カドミウム、ケイ素、タングステン、モリブデン及びこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)及びはんだ等が挙げられる。電極間の接続信頼性をより一層高める観点からは、上記金属は、錫を含む合金、ニッケル、パラジウム、銅又は金であることが好ましく、ニッケル又はパラジウムであることが好ましい。
導電性粒子11,31のように、上記導電部は、1つの層により形成されていてもよい。導電性粒子21のように、上記導電部は、複数の層により形成されていてもよい。すなわち、上記導電部は、2層以上の積層構造を有していてもよい。導電部が複数の層により形成されている場合には、最外層は、金層、ニッケル層、パラジウム層、銅層又は錫と銀とを含む合金層であることが好ましく、金層であることがより好ましい。最外層がこれらの好ましい導電部である場合には、電極間の接続信頼性をより一層高めることができる。また、最外層が金層である場合には、耐腐食性をより一層高めることができる。
上記樹脂粒子の表面上に導電部を形成する方法は特に限定されない。上記導電部を形成する方法としては、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的蒸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストを樹脂粒子の表面にコーティングする方法等が挙げられる。導電部をより一層容易に形成する観点からは、無電解めっきによる方法が好ましい。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。
上記導電性粒子の粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上であり、好ましくは500μm以下、より好ましくは450μm以下、より一層好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下、特に好ましくは20μm以下である。導電性粒子の粒子径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子を用いて電極間を接続した場合に、導電性粒子と電極との接触面積が十分に大きくなり、かつ導電部を形成する際に凝集した導電性粒子が形成され難くなる。また、導電性粒子を介して接続された電極間の間隔が大きくなりすぎず、かつ導電部が樹脂粒子の表面から剥離し難くなる。また、導電性粒子の粒子径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子を導電材料の用途に好適に用いることができる。
上記導電性粒子の粒子径は、導電性粒子が真球状である場合には直径を意味し、導電性粒子が真球状以外の形状である場合には、その体積相当の真球と仮定した際の直径を意味する。
上記導電性粒子の粒子径は、平均粒子径であることが好ましく、数平均粒子径であることがより好ましい。上記導電性粒子の粒子径は、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することや、レーザー回折式粒度分布測定を行うことにより求められる。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察では、1個当たりの導電性粒子の粒子径は、円相当径での粒子径として求められる。電子顕微鏡又は光学顕微鏡での観察において、任意の50個の導電性粒子の円相当径での平均粒子径は、球相当径での平均粒子径とほぼ等しくなる。レーザー回折式粒度分布測定では、1個当たりの導電性粒子の粒子径は、球相当径での粒子径として求められる。上記導電性粒子の粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定により算出することが好ましい。
上記導電部の厚みは、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.3μm以下である。上記導電部の厚みは、導電部が多層である場合には導電部全体の厚みである。導電部の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、十分な導電性が得られ、かつ導電性粒子が硬くなりすぎずに、電極間の接続の際に導電性粒子が十分に変形する。
上記導電部が複数の層により形成されている場合に、最外層の導電部の厚みは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。上記最外層の導電部の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、最外層の導電部による被覆が均一になり、耐腐食性が十分に高くなり、かつ電極間の接続信頼性をより一層高めることができる。また、上記最外層が金層である場合に、金層の厚みが薄いほど、コストが低くなる。
上記導電部の厚みは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、導電性粒子の断面を観察することにより測定できる。上記導電部の厚みについては、任意の導電部の厚み5箇所の平均値を1個の導電性粒子の導電部の厚みとして算出することが好ましく、導電部全体の厚みの平均値を1個の導電性粒子の導電部の厚みとして算出することがより好ましい。上記導電部の厚みは、任意の導電性粒子10個について、各導電性粒子の導電部の厚みの平均値を算出することにより求めることが好ましい。
上記導電性粒子は、導電部の外表面に突起を有することが好ましい。上記導電性粒子は、導電性の表面に突起を有することが好ましい。上記突起は複数であることが好ましい。導電部の表面並びに導電性粒子により接続される電極の表面には、酸化被膜が形成されていることが多い。突起を有する導電性粒子を用いた場合には、電極間に導電性粒子を配置して圧着させることにより、突起により上記酸化被膜が効果的に排除される。このため、電極と導電性粒子の導電部とをより一層確実に接触させることができ、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができる。さらに、導電性粒子が表面に絶縁性物質を備える場合に、又は導電性粒子がバインダー樹脂中に分散されて導電材料として用いられる場合に、導電性粒子の突起によって、導電性粒子と電極との間の絶縁性物質又はバインダー樹脂をより一層効果的に排除できる。このため、電極間の接続信頼性をより一層高めることができる。
上記導電性粒子の表面に突起を形成する方法としては、樹脂粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電部を形成する方法、及び樹脂粒子の表面に無電解めっきにより導電部を形成した後、芯物質を付着させ、さらに無電解めっきにより導電部を形成する方法等が挙げられる。また、突起を形成するために、上記芯物質を用いなくてもよい。
上記突起を形成する方法としては、以下の方法等も挙げられる。樹脂粒子の表面に無電解めっきにより導電部を形成する途中段階で芯物質を添加する方法。無電解めっきにより芯物質を用いずに突起を形成する方法として、無電解めっきにより金属核を発生させ、樹脂粒子又は導電部の表面に金属核を付着させ、さらに無電解めっきにより導電部を形成する方法。
上記導電性粒子は、上記導電部の外表面上に配置された絶縁性物質をさらに備えることが好ましい。この場合には、導電性粒子を電極間の接続に用いると、隣接する電極間の短絡を防止できる。具体的には、複数の導電性粒子が接触したときに、複数の電極間に絶縁性物質が存在するので、上下の電極間ではなく横方向に隣り合う電極間の短絡を防止することができる。なお、電極間の接続の際に、2つの電極で導電性粒子を加圧することにより、導電性粒子の導電部と電極との間の絶縁性物質を容易に排除できる。導電性粒子が上記導電部の表面に突起を有する場合には、導電性粒子の導電部と電極との間の絶縁性物質をより一層容易に排除できる。上記絶縁性物質は、絶縁性樹脂層又は絶縁性粒子であることが好ましく、絶縁性粒子であることがより好ましい。上記絶縁性粒子は、絶縁性樹脂粒子であることが好ましい。
上記導電部の外表面、及び絶縁性粒子の表面はそれぞれ、反応性官能基を有する化合物によって被覆されていてもよい。導電部の外表面と絶縁性粒子の表面とは、直接化学結合していなくてもよく、反応性官能基を有する化合物によって間接的に化学結合していてもよい。導電部の外表面にカルボキシル基を導入した後、該カルボキシル基がポリエチレンイミン等の高分子電解質を介して絶縁性粒子の表面の官能基と化学結合していても構わない。
(導電材料)
上記導電材料は、上述した導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。上記導電性粒子は、バインダー樹脂中に分散され、導電材料として用いられることが好ましい。上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。上記導電材料は、電極の電気的な接続に好適に用いられる。上記導電材料は、回路接続材料であることが好ましい。
上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂として、公知の絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダー樹脂は、熱可塑性成分(熱可塑性化合物)又は硬化性成分を含むことが好ましく、硬化性成分を含むことがより好ましい。上記硬化性成分としては、光硬化性成分及び熱硬化性成分が挙げられる。上記光硬化性成分は、光硬化性化合物及び光重合開始剤を含むことが好ましい。上記熱硬化性成分は、熱硬化性化合物及び熱硬化剤を含むことが好ましい。上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
上記導電材料は、上記導電性粒子及び上記バインダー樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を分散させる方法は、従来公知の分散方法を用いることができ特に限定されない。上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を分散させる方法としては、例えば、以下の方法等が挙げられる。上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を添加した後、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法。上記導電性粒子を水又は有機溶剤中にホモジナイザー等を用いて均一に分散させた後、上記バインダー樹脂中に添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法。上記バインダー樹脂を水又は有機溶剤等で希釈した後、上記導電性粒子を添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法。
上記導電材料の25℃での粘度(η25)は、好ましくは30Pa・s以上、より好ましくは50Pa・s以上であり、好ましくは400Pa・s以下、より好ましくは300Pa・s以下である。上記導電材料の25℃での粘度が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続信頼性をより一層効果的に高めることができる。上記粘度(η25)は、配合成分の種類及び配合量により適宜調整することができる。
上記粘度(η25)は、例えば、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)等を用いて、25℃及び5rpmの条件で測定することができる。
上記導電材料は、導電ペースト及び導電フィルム等として使用され得る。本発明に係る導電材料が、導電フィルムである場合には、導電性粒子を含む導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。上記導電ペーストは異方性導電ペーストであることが好ましい。上記導電フィルムは異方性導電フィルムであることが好ましい。
上記導電材料100重量%中、上記バインダー樹脂の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上であり、好ましくは99.99重量%以下、より好ましくは99.9重量%以下である。上記バインダー樹脂の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間に導電性粒子が効率的に配置され、導電材料により接続された接続対象部材の接続信頼性がより一層高くなる。
上記導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは60重量%以下、より一層好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗を効果的に低くすることができ、かつ、電極間の接続信頼性を効果的に高めることができる。
(接続構造体)
上述した導電性粒子、又は上述した導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料を用いて、接続対象部材を接続することにより、接続構造体を得ることができる。
上記接続構造体は、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備える。上記接続構造体では、上記接続部が、導電性粒子により形成されているか、又は上記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されている。上記導電性粒子は、上述した樹脂粒子と、上記樹脂粒子の表面上に配置された導電部とを備える。上記接続構造体では、上記第1の電極と上記第2の電極とが上記導電性粒子により電気的に接続されている。
上記導電性粒子が単独で用いられた場合には、接続部自体が導電性粒子である。即ち、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材とが上記導電性粒子により接続される。上記接続構造体を得るために用いられる上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体の一例を示す断面図である。
図5に示す接続構造体41は、第1の接続対象部材42と、第2の接続対象部材43と、第1の接続対象部材42と第2の接続対象部材43とを接続している接続部44とを備える。接続部44は、導電性粒子11とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されている。図5では、図示の便宜上、導電性粒子11は略図的に示されている。導電性粒子11にかえて、導電性粒子21,31の他の導電性粒子を用いてもよい。
第1の接続対象部材42は表面(上面)に、複数の第1の電極42aを有する。第2の接続対象部材43は表面(下面)に、複数の第2の電極43aを有する。第1の電極42aと第2の電極43aとが、1つ又は複数の導電性粒子11により電気的に接続されている。従って、第1,第2の接続対象部材42,43が導電性粒子11により電気的に接続されている。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例として、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。上記加圧時の圧力は、好ましくは40MPa以上、より好ましくは60MPa以上であり、好ましくは90MPa以下、より好ましくは70MPa以下である。上記加熱時の温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上であり、好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下である。
上記第1の接続対象部材及び第2の接続対象部材は、特に限定されない。上記第1の接続対象部材及び第2の接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、半導体パッケージ、LEDチップ、LEDパッケージ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びに樹脂フィルム、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル、リジッドフレキシブル基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板等の電子部品等が挙げられる。上記第1の接続対象部材及び第2の接続対象部材は、電子部品であることが好ましい。
上記導電材料は、電子部品を接続するための導電材料であることが好ましい。上記導電ペーストはペースト状の導電材料であり、ペースト状の状態で接続対象部材上に塗工されることが好ましい。
上記導電性粒子、上記導電材料及び上記接続材料は、タッチパネルにも好適に用いられる。従って、上記接続対象部材は、フレキシブル基板であるか、又は樹脂フィルムの表面上に電極が配置された接続対象部材であることも好ましい。上記接続対象部材は、フレキシブル基板であることが好ましく、樹脂フィルムの表面上に電極が配置された接続対象部材であることが好ましい。上記フレキシブル基板がフレキシブルプリント基板等である場合に、フレキシブル基板は一般に電極を表面に有する。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極、銀電極、SUS電極、及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極、銀電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
また、上記樹脂粒子は、液晶表示素子用スペーサとして好適に用いることができる。上記第1の接続対象部材は、第1の液晶表示素子用部材であってもよい。上記第2の接続対象部材は、第2の液晶表示素子用部材であってもよい。上記接続部は、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材とが対向した状態で、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材との外周をシールしているシール部であってもよい。
上記樹脂粒子は、液晶表示素子用周辺シール剤に用いることもできる。液晶表示素子は、第1の液晶表示素子用部材と、第2の液晶表示素子用部材とを備える。液晶表示素子は、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材とが対向した状態で、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材との外周をシールしているシール部と、上記シール部の内側で、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材との間に配置されている液晶とをさらに備える。この液晶表示素子では、液晶滴下工法が適用され、かつ上記シール部が、液晶滴下工法用シール剤を熱硬化させることにより形成されている。
上記液晶表示素子において1mmあたりの液晶表示素子用スペーサの配置密度は、好ましくは10個/mm以上であり、好ましくは1000個/mm以下である。上記配置密度が10個/mm以上であると、セルギャップがより一層均一になる。上記配置密度が1000個/mm以下であると、液晶表示素子のコントラストがより一層良好になる。
(電子部品装置)
上述した樹脂粒子又は導電性粒子は、第1のセラミック部材と第2のセラミック部材との外周部において、第1のセラミック部材と第2のセラミック部材との間に配置され、ギャップ制御材及び導電接続材として用いることもできる。
図6は、本発明に係る樹脂粒子を用いた電子部品装置の一例を示す断面図である。図7は、図6に示す電子部品装置における接合部部分を拡大して示す断面図である。
図6,7に示す電子部品装置81は、第1のセラミック部材82と、第2のセラミック部材83と、接合部84と、電子部品85と、リードフレーム86とを備える。
第1,第2のセラミック部材82,83はそれぞれ、セラミック材料により形成されている。第1,第2のセラミック部材82,83はそれぞれ、例えば、筐体である。第1のセラミック部材82は、例えば、基板である。第2のセラミック部材83は、例えば蓋である。第1のセラミック部材82は、外周部に、第2のセラミック部材83側(上側)に突出した凸部を有する。第1のセラミック部材82は、第2のセラミック部材83側(上側)に、電子部品85を収納するための内部空間Rを形成する凹部を有する。なお、第1のセラミック部材82は、凸部を有していなくてもよい。第2のセラミック部材83は、外周部に、第1のセラミック部材82側(下側)に突出した凸部を有する。第2のセラミック部材83は、第1のセラミック部材82側(下側)に、電子部品85を収納するための内部空間Rを形成する凹部を有する。なお、第2のセラミック部材83は、凸部を有していなくてもよい。第1のセラミック部材82と第2のセラミック部材83とによって、内部空間Rが形成されている。
接合部84は、第1のセラミック部材82の外周部と第2のセラミック部材83の外周部とを接合している。具体的には、接合部84は、第1のセラミック部材82の外周部の凸部と、第2のセラミック部材83の外周部の凸部とを接合している。
接合部84により接合された第1,第2のセラミック部材82,83によってパッケージが形成されている。パッケージによって、内部空間Rが形成されている。接合部84は、内部空間Rを液密的及び気密的に封止している。接合部84は、封止部である。
電子部品85は、上記パッケージの内部空間R内に配置されている。具体的には、第1のセラミック部材82上に、電子部品85が配置されている。本実施形態では、2つの電子部品85が用いられている。
接合部84は、複数の樹脂粒子1とガラス84Bとを含む。接合部84は、ガラス粒子とは異なる複数の樹脂粒子1とガラス84Bとを含む接合材料を用いて形成されている。この接合材料は、セラミックパッケージ用接合材料である。上記接合材料は、上記樹脂粒子の代わりに、上述した導電性粒子を含んでいてもよい。
接合材料は、溶剤を含んでいてもよく、樹脂を含んでいてもよい。接合部84では、ガラス粒子等のガラス84Bが溶融及び結合した後に固化している。
電子部品としては、センサ素子、MEMS及びベアチップ等が挙げられる。上記センサ素子としては、圧力センサ素子、加速度センサ素子、CMOSセンサ素子、CCDセンサ素子及び上記各種センサ素子の筐体等が挙げられる。
リードフレーム86は、第1のセラミック部材82の外周部と第2のセラミック部材83の外周部との間に配置されている。リードフレーム86は、パッケージの内部空間R側と外部空間側とに延びている。電子部品85の端子とリードフレーム86とがワイヤーを介して、電気的に接続されている。
接合部84は、第1のセラミック部材82の外周部と第2のセラミック部材83の外周部とを部分的に直接に接合しており、部分的に間接に接合している。具体的には、接合部84は、第1のセラミック部材82の外周部と第2のセラミック部材83の外周部との間のリードフレーム86がある部分において、第1のセラミック部材82の外周部と第2のセラミック部材83の外周部とをリードフレーム86を介して間接に接合している。第1のセラミック部材82の外周部と第2のセラミック部材83の外周部との間のリードフレーム86がある部分において、第1のセラミック部材82がリードフレーム86と接しており、リードフレーム86が第1のセラミック部材82と接合部84とに接している。さらに、接合部84がリードフレーム86と第2のセラミック部材83とに接しており、第2のセラミック部材83が接合部84と接している。接合部84は、第1のセラミック部材82の外周部と第2のセラミック部材83の外周部との間のリードフレーム86がない部分において、第1のセラミック部材82の外周部と第2のセラミック部材83の外周部とを直接に接合している。第1のセラミック部材82の外周部と第2のセラミック部材83の外周部との間のリードフレーム86がない部分において、接合部84が、第1のセラミック部材82と第2のセラミック部材83とに接している。
第1のセラミック部材82の外周部と第2のセラミック部材83の外周部との間のリードフレーム86がある部分において、第1のセラミック部材82の外周部と第2のセラミック部材83の外周部との隙間の距離は、接合部84に含まれる複数の樹脂粒子1により制御されている。
接合部は、第1のセラミック部材の外周部と第2のセラミック部材の外周部とを直接又は間接に接合していればよい。なお、リードフレーム以外の電気的接続方法を採用してもよい。
電子部品装置81のように、電子部品装置は、例えば、セラミック材料により形成されている第1のセラミック部材と、セラミック材料により形成されている第2のセラミック部材と、接合部と、電子部品とを備えていてもよい。上記電子部品装置では、上記接合部が、上記第1のセラミック部材の外周部と上記第2のセラミック部材の外周部とを直接又は間接に接合していてもよい。上記電子部品装置では、上記接合部により接合された上記第1,第2のセラミック部材によってパッケージが形成されていてもよい。上記電子部品装置では、上記電子部品が、上記パッケージの内部空間内に配置されており、上記接合部が、複数の樹脂粒子とガラスとを含んでいてもよい。
また、電子部品装置81で用いた接合材料のように、上記セラミックパッケージ用接合材料は、上記電子部品装置において、上記接合部を形成するために用いられ、樹脂粒子と、ガラスとを含む。なお、樹脂粒子のみを含み、ガラスを含まない電気的接続方法を採用してもよい。また、上記接合部は、上記樹脂粒子の代わりに、上述した導電性粒子を含んでいてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)樹脂粒子の作製
種粒子として平均粒子径0.7μmのポリスチレン粒子を用意した。上記ポリスチレン粒子2.0重量部と、イオン交換水220重量部と、ポリビニルアルコールの5重量%水溶液75重量部とを混合し、混合液を調製した。上記混合液を超音波により分散させた後、オートクレーブに入れて、均一に撹拌した。
また、重合性官能基を4個有する第1の重合性化合物としてペンタエリスリトールテトラアクリレートを用意し、重合性官能基を2個有する第2の重合性化合物としてポリテトラメチレングリコールジアクリレートを用意した。
次に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート40重量部と、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート60重量部とを混合し、混合物を得た。得られた混合物に、過酸化ベンゾイル(日油社製「パーブチルZ」)2.0重量部を添加し、さらに、イオン交換水700重量部を添加し、乳化液を調製した。
オートクレーブ中の上記混合液に、上記乳化液をさらに添加し、16時間撹拌し、種粒子にモノマーを吸収させて、モノマーが膨潤した種粒子を含む懸濁液を得た。
その後、ポリビニルアルコールの5重量%水溶液400重量部を添加し、加熱を開始して140℃及び0.4MPaの条件で8時間反応させ、樹脂粒子を得た。
(2)導電性粒子の作製
パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、得られた樹脂粒子10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、樹脂粒子を取り出した。次いで、樹脂粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、樹脂粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された樹脂粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、分散液を得た。
また、硫酸ニッケル0.35mol/L、ジメチルアミンボラン1.38mol/L及びクエン酸ナトリウム0.5mol/Lを含むニッケルめっき液(pH8.5)を用意した。
得られた分散液を60℃にて攪拌しながら、上記ニッケルめっき液を分散液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。その後、分散液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、樹脂粒子の表面にニッケル−ボロン導電層が形成され、導電部を表面に有する導電性粒子を得た。
(3)導電材料(異方性導電ペースト)の作製
得られた導電性粒子7重量部と、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂25重量部と、フルオレン型エポキシ樹脂4重量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂30重量部と、SI−60L(三新化学工業社製)とを配合して、3分間脱泡及び攪拌することで、導電材料(異方性導電ペースト)を得た。
(4)接続構造体の作製
L/Sが10μm/10μmであるIZO電極パターン(第1の電極、電極表面の金属のビッカース硬度100Hv)が上面に形成された透明ガラス基板(第1の接続対象部材)を用意した。また、L/Sが10μm/10μmであるAu電極パターン(第2の電極、電極表面の金属のビッカース硬度50Hv)が下面に形成された半導体チップ(第2の接続対象部材)を用意した。上記透明ガラス基板上に、得られた異方性導電ペーストを厚さ30μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層上に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電ペースト層の温度が100℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、55MPaの圧力をかけて異方性導電ペースト層を100℃で硬化させ、接続構造体を得た。
(実施例2)
樹脂粒子の作製の際に、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの配合量を60重量部に変更し、ポリテトラメチレングリコールジアクリレートの配合量を40重量部に変更した。上記の変更以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例3)
樹脂粒子の作製の際に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート40重量部をジトリメチロールプロパンテトラアクリレート70重量部に変更し、ポリテトラメチレングリコールジアクリレートの配合量を30重量部に変更した。上記の変更以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例4)
樹脂粒子の作製の際に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート40重量部をジトリメチロールプロパンテトラアクリレート80重量部に変更し、ポリテトラメチレングリコールジアクリレートの配合量を20重量部に変更した。上記の変更以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(比較例1)
樹脂粒子の作製の際に、種粒子を平均粒子径1.5μmのポリスチレン粒子に変更し、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの配合量を60重量部に変更し、ポリテトラメチレングリコールジアクリレートの配合量を40重量部に変更した。上記の変更以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(比較例2)
樹脂粒子の作製の際に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート40重量部と、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート60重量部との代わりに、ジビニルベンゼン100重量部を用いた。上記の変更以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(比較例3)
樹脂粒子の作製の際に、ペンタエリスリトールテトラアクリレートを配合しないように変更した。また、ポリテトラメチレングリコールジアクリレートの配合量を5重量部に変更し、イソボルニルアクリレート95重量部を配合した。上記の変更以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(評価)
(1)孔の個数
得られた樹脂粒子の孔の個数を、上述した方法で算出した。
(2)孔における開口部の径及び孔の深さ
得られた樹脂粒子において、孔における開口部の径を、上述した方法で算出した。また、得られた樹脂粒子において、孔の深さを、上述した方法で算出した。得られた結果から、孔における開口部の径の、孔の深さに対する比を算出した。
(3)孔の円形度
得られた樹脂粒子において、孔の円形度を、上述した方法で算出した。
(4)圧縮弾性率及び圧縮回復率
得られた樹脂粒子について、樹脂粒子を10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)、樹脂粒子を30%圧縮したときの圧縮弾性率(30%K値)、及び樹脂粒子を30%圧縮変形させた際の圧縮回復率を、上述した方法により、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて測定した。
(5)粒子径
得られた樹脂粒子の粒子径を、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「Multisizer4」)を用いて、約100000個の樹脂粒子の粒子径を測定し、平均値を算出することにより求めた。
(6)第1の重合性化合物に由来する構造の含有量(WT)及び第2の重合性化合物に由来する構造の含有量(WD)
重合体を得る際に用いた第1,第2の重合性化合物の配合量及び重合後の第1,第2の重合性化合物の残存量から、重合した第1,第2の重合性化合物を求め、得られた樹脂粒子の第1の重合性化合物に由来する構造の含有量(WT)及び第2の重合性化合物に由来する構造の含有量(WD)を算出した。第1の重合性化合物に由来する構造の含有量(WT)の、第2の重合性化合物に由来する構造の含有量(WD)に対する重量比(WT/WD)を算出した。
(7)めっき剥がれ
得られた導電性粒子1gと、トルエン20gと、直径0.5mmのジルコニアボール45gとを混合し、直径3cmの攪拌羽根で400rpmの条件で2分間撹拌した。固液分離した粒子を乾燥した後、SEM観察を行った。導電性粒子1000個中、めっき剥がれが生じた導電性粒子の個数をカウントして、めっき剥がれを下記の基準で判定した。
[めっき剥がれの判定基準]
○○:めっき剥がれが生じた導電性粒子の個数の割合が、10%未満
○:めっき剥がれが生じた導電性粒子の個数の割合が、10%以上20%未満
△:めっき剥がれが生じた導電性粒子の個数の割合が、20%以上30%未満
×:めっき剥がれが生じた導電性粒子の個数の割合が、30%以上
(8)接続強度
マウント強度測定装置を用いて、得られた接続構造体の260℃での接続強度を測定した。接続強度を以下の基準で判定した。
[接続強度の判定基準]
○○:シェア強度が150N/cm以上
〇:シェア強度が100N/cm以上、150N/cm未満
×:シェア強度が100N/cm未満
Figure 2021055034
Figure 2021055034
Figure 2021055034
(9)ギャップ制御用スペーサとしての使用例
セラミックパッケージ用接合材料の作製:
実施例1〜4において、得られた粒子30重量部とガラス(組成:Ag−V−Te−W−P−W−Ba−O、融点264℃)70重量部とを含むセラミックパッケージ用接合材料を得た。
電子部品装置の作製:
得られた接合材料を用いて、図6に示す電子部品装置を作製した。具体的には、接合材料を第1のセラミック部材の外周部にスクリーン印刷法によって塗布した。その後、第2のセラミック部材を対向して設置し、接合部に半導体レーザーを照射して焼成し、第1のセラミック部材と第2のセラミック部材とを接合した。
得られた電子部品装置では、第1のセラミック部材と第2のセラミック部材との間隔が良好に規制されていた。また、得られた電子部品装置は良好に作動した。また、パッケージ内部の気密性も良好に保たれていた。第1のセラミック部材と第2のセラミック部材とは良好に接着していた。
また、図8及び図9に、本発明の実施形態の樹脂粒子のSEM画像を示した。
1…樹脂粒子
1A…孔
2…導電部
11…導電性粒子
21…導電性粒子
22…導電部
22A…第1の導電部
22B…第2の導電部
31…導電性粒子
31a…突起
32…導電部
32a…突起
33…芯物質
34…絶縁性物質
41…接続構造体
42…第1の接続対象部材
42a…第1の電極
43…第2の接続対象部材
43a…第2の電極
44…接続部
81…電子部品装置
82…第1のセラミック部材
83…第2のセラミック部材
84…接合部
84B…ガラス
85…電子部品
86…リードフレーム
R…内部空間

Claims (15)

  1. 孔を有する樹脂粒子であり、
    前記孔における開口部の径が、0.05μm以上1μm以下である、樹脂粒子。
  2. 前記孔の個数が、5個以下である、請求項1に記載の樹脂粒子。
  3. 前記孔における開口部の径の、前記孔の深さに対する比が、4.0以下である、請求項1又は2に記載の樹脂粒子。
  4. 前記孔における開口部の円形度が、0.1以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂粒子。
  5. 10%圧縮したときの圧縮弾性率が、200N/mm以上5000N/mm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂粒子。
  6. 30%圧縮したときの圧縮弾性率が、200N/mm以上6000N/mm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂粒子。
  7. 30%圧縮変形させた際の圧縮回復率が、45%以上90%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂粒子。
  8. 前記樹脂粒子が、重合性官能基を4個有する第1の重合性化合物と、重合性官能基を2個有する第2の重合性化合物との重合体である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂粒子。
  9. 前記第1の重合性化合物に由来する構造の含有量の、前記第2の重合性化合物に由来する構造の含有量に対する重量比が、0.1以上100以下である、請求項8に記載の樹脂粒子。
  10. スペーサとして用いられるか、又は、表面上に導電部が形成されることで、前記導電部を有する導電性粒子を得るために用いられる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂粒子。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂粒子と、
    前記樹脂粒子の表面上に配置された導電部とを備える、導電性粒子。
  12. 前記導電部の外表面上に配置された絶縁性物質をさらに備える、請求項11に記載の導電性粒子。
  13. 前記導電部の外表面に突起を有する、請求項11又は12に記載の導電性粒子。
  14. 導電性粒子と、バインダー樹脂とを含み、
    前記導電性粒子が、請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂粒子と、前記樹脂粒子の表面上に配置された導電部とを備える、導電材料。
  15. 第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、
    第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、
    前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、
    前記接続部が、導電性粒子により形成されているか、又は前記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されており、
    前記導電性粒子が、請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂粒子と、前記樹脂粒子の表面上に配置された導電部とを備え、
    前記第1の電極と前記第2の電極とが前記導電性粒子により電気的に接続されている、接続構造体。
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