JP2021054774A - 好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制剤 - Google Patents

好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、好中球遊走促進因子の遺伝子発現を抑制し、好中球の遊走を阻害する新たな抑制剤を提供することを課題とする。【解決手段】有効成分としてシクロヘキシルグリセリン、及び/又はスギナエキスを含む、好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制剤。【選択図】図1

Description

本発明は、好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制剤、及びこれを利用した好中球エラスターゼ活性阻害剤の補助剤、組成物の設計方法に関する。
好中球は、白血球の一種であり、主に生体内に侵入してきた細菌、真菌類、及び微生物を貪食、殺菌する重要な原子免疫細胞である。
その一方で、好中球は様々な炎症病態に関わることが注目されている。
好中球は、殺菌に際して各種分解酵素、及び活性酸素を放出するが、この機能は生体内で制御を受けるため、通常は問題とならない。しかし、血管内皮細胞による活性化や、過剰なサイトカイン、及び接着分子の産生により、これらの酵素や活性酸素が過剰に放出され、炎症性疾患や、臓器障害の原因となる。
好中球は血管内を流れる免疫細胞の一種であるが、組織内に炎症性サイトカインが分泌されると、血管内壁を形成する血管内皮細胞に接着後、血管外へ浸潤し、組織内へ遊走することが知られている(走化性)。
すなわち、好中球は、皮膚組織内で好中球エラスターゼを分泌する前に、血管内皮細胞に接着後、血管外へ浸潤し、皮膚組織内へ遊走する必要がある。
特許文献1には、特定のオリゴヌクレオチドを使用した浮腫を予防、治療、又は軽減するための医薬組成物が記載されており、前記オリゴヌクレオチドが、好中球遊走または活性化の阻害または低下を達成するのに有効な量で投与するオリゴヌクレオチドの使用方法が記載されている。
特許文献2には、GPR84アゴニストが好中球走化性を誘導すること、及び炎症性疾患に関与するプロセスであるGPRアゴニスト刺激性総丘性を阻害する化合物の同定のための方法が記載されている。
特許文献3には、好中球の遊走を促進するIL−8と結合する、抗IL−8抗体が記載されている。
特開2014−204722号公報 特表2015−502166号公報 特開2018−085988号公報
上記のように、好中球の遊走を抑制することで、種々の疾患を改善する技術が知られている。
本発明は、好中球遊走促進因子の遺伝子発現を抑制し、好中球の遊走を阻害する新たな抑制剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、ある特定の成分が、好中球遊走促進因子の遺伝子発現を抑制する作用を有することを見出した。
すなわち、前記課題を解決する本発明は、シクロヘキシルグリセリン、及び/又はスギナエキスを有効成分とする、好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制剤である。
本発明の好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制剤は、好中球の皮膚内への遊走を抑制する作用を有する。
本発明の好ましい形態では、前記好中球遊走促進因子が、真皮線維芽細胞における好中球遊走促進因子である。
本発明の好ましい形態では、前記好中球遊走促進因子が、
ケモカイン(C−X−Cモチーフ)配位子(chemokine(C−X−C motif)ligand,CXCL−1)、インターロイキン−8(interleukin−8,IL−8)である。
また、本発明の好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制剤は、好中球エラスターゼの活性を阻害する成分を有する抗シワ剤、及び/又は抗たるみ剤の補助剤として用いることができる。
真皮の構成成分であるエラスチンは、同じく皮膚の構造を維持するコラーゲンと共に肌のハリや弾力性を保つ働きを有する。しかしながら、加齢や紫外線などの諸々の原因によって、エラスチン分解酵素(好中球エラスターゼ)や、エラスチン及びコラーゲン等を分解するマトリックスメタロプロテアーゼといったタンパク質分解酵素が過剰に誘導されると、真皮においてエラスチン及びコラーゲン等の分解が進み、肌のシワやタルミの原因となることが知られている。
このような、近年解明されてきたシワ形成のメカニズムに基づいて、エラスターゼやマトリクッスメタロプロテアーゼといったタンパク質分解酵素を阻害することによりシワ・タルミの形成を予防したり改善したりする研究がなされている。
上記エラスターゼに着目したシワ・たるみの形成の予防は、好中球が真皮に到達した後に誘導されるタンパク質分解酵素を阻害するものであるが、本発明の好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制剤を、好中球エラスターゼの活性を阻害する成分を含む抗シワ剤、抗たるみ剤の補助剤として用いることで、好中球が真皮に到達すること自体を抑制でき、相乗的な抗シワ作用、及び抗タルミ作用が期待できる。
また、前記課題を解決する本発明は、シクロヘキシルグリセリン、及び/又はスギナエキス及び好中球エラスターゼの活性を阻害する成分を含む組成物である。
本発明の組成物は、好中球エラスターゼの活性阻害作用に加え、好中球の皮膚組織内への遊走を抑制する作用を有するため、好中球エラスターゼの活性阻害作用と併せて、相乗的なシワ及び/又はたるみの予防及び改善作用を有する。
また、前記課題を解決する本発明は、好中球遊走促進因子のタンパク質をコードする遺伝子の発現量を指標とする、組成物の設計方法であって、被験物質を添加した細胞における前記遺伝子の発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における該遺伝子の発現量と比較して小さい場合に、前記被験物質は抗シワ作用、及び/又は抗たるみ作用を有すると判定する工程と、抗シワ作用、及び/又は抗たるみ作用を有すると判定された物質を組成物に配合する工程を備える、組成物の設計方法であることを特徴とする。
本発明の組成物の設計方法によれば、好中球遊走促進因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量を指標とすることで、抗シワ作用、及び/又は抗タルミ作用を有する組成物を、簡便に設計することができる。
本発明の好ましい形態では、前記細胞が、真皮線維芽細胞である。
真皮線維芽細胞では、シワやたるみの原因となる外部刺激等により、前記好中球遊走促進遺伝子の発現量が増加することが知られているため、真皮線維芽細胞における前記遺伝子の発現量を指標とすることで、抗シワ作用、及び/又は抗タルミ作用の評価をより正確に行うことができる。
本発明の好ましい形態では、前記組成物が、化粧料である。
本発明の好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制剤は、好中球の皮膚組織内への遊走を抑制する。
本発明の組成物は、好中球エラスターゼの活性を阻害する成分及び好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制成分の相乗効果により、より優れた、シワ及び/又はたるみの形成予防、又は改善作用を有する。
本発明の設計方法によれば、好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制作用を有する組成物を、簡便に設計することができる。
シクロヘキシルグリセリン、及び/又はスギナエキスを真皮線維芽細胞に添加した場合の、CXCL−1のmRNA発現量を示すグラフである。 シクロヘキシルグリセリン、及び/又はスギナエキスを真皮線維芽細胞に添加した場合の、IL−8のmRNA発現量を示すグラフである。
<1>好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制剤
(1)好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制作用を有する成分
(A)シクロヘキシルグリセリンを含む形態
本発明の好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制剤(以下、単に遺伝子発現抑制剤という)の一態様としては、好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制作用を有する成分(以下、単に遺伝子発現抑制作用成分という)として、シクロヘキシルグリセリンを含む。
本発明者らは、シクロヘキシルグリセリンが好中球遊走促進因子の遺伝子発現を抑制する作用を有することを見出した。
シクロヘキシルグリセリンは、IUPAC名で3−(シクロヘキシルオキシ)−1,2−プロパンジオールと呼ばれるジオール化合物である。
シクロヘキシルグリセリンは、低刺激性であって、防腐効果、保湿効果を有することが知られている。しかし、シクロヘキシルグリセリンが、好中球遊走因子の遺伝子発現を抑制する効果があることは今まで知られていなかった。
シクロヘキシルグリセリンとしては、市販のものを用いることができ、例えば、「アデカノール CHG(株式会社ADEKA製)」を用いることができる。
本発明の遺伝子発現抑制剤全量に対し、前記シクロヘキシルグリセリンの含有量は、好ましくは乾燥質量で0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.05〜2質量%である。
(B)スギナエキスを含む形態
本発明の遺伝子発現抑制剤の一態様としては、遺伝子発現抑制作用成分としてスギナエキスを含む。
本明細書中においてスギナエキスとは、スギナの抽出物自体、抽出物の分画、精製した分画、及びこれら溶媒除去物等の総称を意味する。
スギナエキスは、化粧品等に配合されることがある成分であるが、好中球遊走因子の遺伝子発現を抑制する効果があることは今まで知られていなかった。
前記スギナエキスの、スギナの抽出部位は、植物体、地上部、木幹部及びその乾燥物を用いることができる。好ましくは、全草を抽出部位とする。
抽出物は、上述した抽出部位1質量部に対して、上述した抽出溶媒を1〜30質量部加え、室温で数日間、又は溶媒の沸点付近の温度で数時間浸漬することで得ることができる。
抽出後は、必要に応じて不溶物を除去する工程、及び減圧濃縮する工程を備えてもよい。
また、シリカゲルやイオン交換樹脂を充填したカラムクロマトグラフィー等によって分画精製してもよい。
本発明の遺伝子発現抑制剤全量に対し、前記スギナエキスの含有量は、好ましくは乾燥質量で0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.05〜2質量%である。
(C)シクロヘキシルグリセリン及びスギナエキスを含む形態
また、本発明の遺伝子発現抑制剤は、上述したシクロヘキシルグリセリン及びスギナエキスを何れも含む形態が好ましい。
上記2つの成分を含む遺伝子発現抑制剤は、それぞれ単体で含む遺伝子発現抑制剤と比して、より優れた好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制効果を奏する。
シクロヘキシルグリセリン及びスギナエキスの何れの成分も含む場合、それぞれの成分の好ましい含有量として、上述したシクロヘキシルグリセリンの好ましい含有量、及びスギナエキスの好ましい含有量を採用することができる。
スギナエキス1質量部に対するシクロヘキシルグリセリンの質量比は、好ましくは、0.01〜1質量部であり、より好ましくは0.02〜0.5質量部であり、特に好ましくは0.04〜0.2質量部である。
(2)好中球遊走促進因子
好中球遊走促進因子とは、好中球が組織内に遊走することを促進する因子である。
好中球遊走促進因子としては、上述したCXCL−1及びIL−8に代表される、ELR(Glu−Leu−Arg)モチーフを有するCXCケモカイン等が挙げられる。
本発明の遺伝子発現抑制剤は、特にCXCL−1、及びIL−8の遺伝子発現抑制作用に優れる。
また、シクロヘキシルグリセリン、及びスギナエキスの何れも含む遺伝子発現抑制剤においては、CXCL−1の遺伝子発現抑制作用が顕著に増大する。
本発明のシクロヘキシルグリセリン、及び/又はスギナエキスを含む遺伝子発現抑制剤は、特に真皮線維芽細胞における好中球遊走促進因子に適用することが好ましい。
真皮線維芽細胞は、好中球が真皮組織内へ遊走するための遊走促進因子を分泌するため、当該細胞における好中球遊走促進因子の遺伝子発現を抑制することで、効果的な好中球遊走阻害作用を得ることができる。
(3)剤形
本発明の遺伝子発現抑制剤は、製剤化に用いられる任意の成分と適宜組み合わせて、外用剤又は経口剤の形態とすることが好ましい。
外用剤としては、皮膚外用剤が好ましく、例えば、化粧料、医薬部外品、皮膚外用医薬等の形態が挙げられる。また、それらの剤形は特に制限されない。
また、本発明の遺伝子発現抑制剤を、経口剤として利用する場合には、本発明の遺伝子発現抑制剤を有効成分として含む食品用組成物の形態とすることが好ましい。より具体的には、一般食品、錠剤、顆粒剤、ドリンク剤等の剤形を有するサプリメントの形態とすることが好ましい。
本発明の遺伝子発現抑制剤は、継続的に使用可能な化粧料の形態が好ましい。
化粧料としては、水性化粧料、水中油(O/W)型の化粧料、油中水(W/O)型の化粧料、又は油性化粧料が好ましく例示できる。
(4)用途
本発明の遺伝子発現抑制剤は、好中球遊走に起因する種々の症状、疾患に対する予防、又は改善剤として用いることができる。
例えば、皮膚炎、胃腸炎、関節炎等の各種臓器の炎症や自己免疫疾患に対する抗炎症剤、抗シワ剤、抗たるみ剤、抗潰瘍剤、抗リウマチ剤、抗アレルギー剤として用いることができる。
また、本発明の遺伝子発現抑制剤は、好中球エラスターゼの活性を阻害する成分を含む抗シワ剤及び/又は抗たるみ剤と併用する、抗シワ剤及び/又は抗たるみ剤の補助剤として用いることが好ましい。
抗シワ剤及び/又は抗たるみ剤の補助剤として用いる場合も、継続的に使用可能な化粧料の形態が好ましい。
例えば、皮膚の中でも、目尻、頬等のシワやたるみが気になる箇所に、好中球エラスターゼの活性を阻害する成分を含む抗シワ剤及び/又は抗たるみ剤を塗布する。次いで、本発明の遺伝子発現抑制剤を、同様の箇所に塗布する。皮膚に塗布する順序は、逆であっても構わない。
このように、好中球エラスターゼの活性を阻害する成分を含む抗シワ剤及び/又は抗たるみ剤と、本発明の遺伝子発現抑制剤とを併用することで、好中球が皮膚組織内に遊走することを抑制することができ、皮膚組織内に到達した好中球においては、好中球エラスターゼの活性が阻害されるため、相乗的なシワやたるみの形成予防、及び改善作用を得ることができる。
(5)その他の成分
本発明の遺伝子発現抑制剤を化粧料として用いる場合には、前述した成分に加え、美白成分、シワ及び/又はたるみ改善成分、抗炎症成分等を配合することができる。
美白成分としては、一般的に化粧料に用いられているものであれば特に限定はない。
水溶性の美白成分としては、例えば、4−n−ブチルレゾルシノール、アスコルビン酸グルコシド、3−О−エチルアスコルビン酸、トラネキサム酸、エラグ酸、アルブチン、ニコチン酸アミド、パントテニルアルコール等が挙げられる。
油溶性の美白成分としては、1−トリフェニルメチルピペリジン、1−トリフェニルメチルピロリジン、2−(トリフェニルメチルオキシ)エタノール、2−(トリフェニルメチルアミノ)エタノール、2−(トリフェニルメチルオキシ)エチルアミン、トリフェニルメチルアミン、トリフェニルメタノール、トリフェニルメタン及びアミノジフェニルメタン、N−(o−トルオイル)システイン酸、N−(m−トルオイル)システイン酸、N−(p−トルイル)システイン酸、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸等が挙げられる。更にその他の美白成分として、N−ベンゾイル−セリン、N−(p−メチルベンゾイル)セリン、N−(p−エチルベンゾイル)セリン、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(2−ナフトイル)セリン、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン、N−(p−メチルベンゾイル)セリンメチルエステル、N−(p−メチルベンゾイル)セリンエチルエステル、N−(2−ナフトイル)セリンメチルエステル、N−ベンゾイル−O−メチルセリン、N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン等が好ましく例示できる。
他の抗シワ成分としては、一般的に化粧料に用いられているものであれば特に限定はない。例えば、ビタミンA又はその誘導体としてレチノール、レチナール、レチノイン酸、トレチノイン、イソトレチノイン、レチノイン酸トコフェロール、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノールが挙げられる。また、ウルソール酸ベンジルエステル、ウルソール酸リン酸エステル、ベツリン酸ベンジルエステル、ベンジル酸リン酸エステル、及びニコチン酸アミドが挙げられる。化粧料における好中球遊走因子の遺伝子発現抑制剤の他のシワ改善成分の含有量は、通常0.0001〜30質量%であり、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい(抽出物の場合は乾燥質量)。
抗炎症成分としては、クラリノン、グラブリジン、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸アルキル、及びパントテニルアルコール等が挙げられる。
化粧料中における抗炎症成分の含有量は、通常0.01〜30質量%であり、0.1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい(抽出物の場合は乾燥質量)。
また、一般的に医薬品、化粧料、食品等に用いられている動植物由来の抽出物を用いることが好ましい。例えば、アケビエキス、アスナロエキス、アスパラガスエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アーモンドエキス、アルニカエキス、アロニアエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウドエキス、エゾウコギエキス、エンメイソウエキス、オウバクエキス、オタネニンジンエキス、オドリコソウエキス、カキョクエキス、カッコンエキス、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カンゾウエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、グアバエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クルミエキス、黒米エキス、クロレラエキス、クワエキス、ケイケットウエキス、ゲットウヨウエキス、ゲンチアナエキス、ゲンノショウコエキス、コメエキス、コメ発酵エキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンシャエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、ショウキョウエキス、ショウブ根エキス、ステビアエキス、ステビア発酵物、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ソウハクヒエキス、ダイオウエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、タンポポエキス、チョウジエキス、トウガラシエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、バーチエキス、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ヒノキエキス、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、マツエキス、ミズバショウエキス、メリッサエキス、モズクエキス、モモ葉エキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユリエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、ルイボス茶エキス、レイシエキス、レタスエキス、レンギョウエキス、レンゲソウエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、ワレモコウエキス等のエキスが好ましいものとして挙げられる。
化粧料中における前記任意の動植物由来抽出物の含有量(乾燥質量)は、通常0.01〜30質量%であり、0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましい。
食品中における前記任意の動植物抽出物の含有量(乾燥質量)は、通常0.01〜80質量%であり、0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
また、化粧料には、前述した成分以外に通常化粧料で使用される任意成分としては、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等のポリオール、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、表面処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面処理されていても良い、酸化コバルト、群青、紺青、酸化亜鉛の無機顔料類、表面処理されていても良い、酸化鉄二酸化チタン焼結体等の複合顔料、表面処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類が挙げられる。
<2>組成物の設計方法
本発明は、好中球が炎症性因子による刺激に応答し皮膚組織内へ到達する際、皮膚組織内を遊走するという特徴に着目し、好中球遊走促進因子の遺伝子発現量を好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制作用の指標とする、組成物の設計方法にも関する。
本発明の組成物の設計方法には、まず、被験物質が添加された細胞の好中球遊走促進因子の遺伝子発現量を測定する。
好中球遊走促進因子をコードする遺伝子の発現量は、任意の方法を用いて測定することができる。例として、好中球遊走促進因子の遺伝子配列に特異的なプライマーを用いて、mRNA発現量を定量的に測定する方法が挙げられる。mRNA発現量の測定方法としては、リアルタイムPCR法を用いた定量方法が好適に例示できる。
次いで、測定した好中球遊走促進因子の発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における好中球遊走促進因子の発現量と比して小さい場合に、前記被験物質が好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制作用を有すると判定する。
そして、好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制作用を有すると判定された物質を組成物に配合する。
遺伝子発現量を測定する対象となる前記好中球遊走促進因子としては、<1>好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制剤の(2)好中球遊走促進因子で述べた事項が適用できる。
本発明の設計方法によれば、簡便に、好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制作用を有する組成物を設計することが可能である。
好中球遊走促進因子の遺伝子発現量を測定する細胞は、真皮線維芽細胞であることが好ましい。
真皮線維芽細胞では、外部刺激によって、前記好中球遊走促進因子のCXCL−1、及びIL−8が顕著に増加する。したがって、真皮線維芽細胞におけるCXCL−1、及びIL−8のmRNA発現量を測定することで、好中球の遊走抑制作用について、より正確に評価することができる。
<3>シクロヘキシルグリセリン、及び/又はスギナエキス、及び好中球エラスターゼ活性阻害成分を含む組成物
(1)好中球エラスターゼ活性阻害成分
また、本発明は、上述したシクロヘキシルグリセリン、及び/又はスギナエキス、並びに好中球エラスターゼ活性阻害成分を含む組成物に関する。
本発明の組成物は、シクロヘキシルグリセリン、及び/又はスギナエキスの好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制作用、及び好中球エラスターゼ活性阻害成分の作用が相乗的に発現し、各成分を単独で含む組成物と比して、より優れたシワ及び/又はたるみの形成予防、又は改善作用を有する。
本発明の組成物におけるシクロヘキシルグリセリン、及び/又はスギナエキスの詳細は、上述した通りである。
好中球エラスターゼ活性阻害成分は、好中球エラスターゼ活性阻害作用を有する成分であれば、特に限定されない。
好中球エラスターゼ活性阻害成分としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が例示できる。
Figure 2021054774
[式中、Rは、カルボキシル基により置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルキル鎖を有するカルボン酸エステル基により置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。]
前記Rに関し好ましいものを具体的に例示すれば、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、メトキシカルボニルプロピル基、メトキシカルボニルブチル基、エトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルプロピル基、エトキシカルボニルブチル基、プロピルオキシカルボニルメチル基、プロピルオキシカルボニルエチル基、プロピルオキシカルボニルプロピル基、プロピルオキシカルボニルブチル基、ブチルオキシカルボニルメチル基、ブチルオキシカルボニルエチル基、ブチルオキシカルボニルプロピル基、ブチルオキシカルボニルブチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、カルボキシメチル基が例示できる。
前記R及びRは、それぞれ独立に、好ましいものを具体的に挙げれば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、イソプロピル基が好適に例示できる。
より具体的に好ましい化合物としては、3−[[4−(カルボキシメチルアミノカルボニル)フェニルカルボニル]−バリル−プロリル]アミノ−1,1,1−トリフルオロ−4−メチル−2−オキソペンタン、3(RS)−[[4−(カルボキシメチルアミノカルボニル)フェニルカルボニル]−L−バリル−L−プロリル]アミノ−1,1,1−トリフルオロ−4−メチル−2−オキソペンタン又はそのナトリウム塩(KSK32)、N−[4−[[(カルボキシメチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−アラニル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシエチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−アラニル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシプロピル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−アラニル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシブチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−アラニル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシメチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−アラニル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−エチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシエチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−アラニル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−エチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシプロピル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−アラニル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−エチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシブチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−アラニル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−エチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシメチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−アラニル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシエチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−アラニル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシプロピル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−アラニル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシブチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−アラニル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシメチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−バリル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシエチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−バリル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシプロピル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−バリル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシブチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−バリル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシメチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−バリル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−エチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシエチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−バリル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−エチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシプロピル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−バリル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−エチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシブチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−バリル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−エチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシメチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−バリル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド(3(RS)−N−[4−[[(カルボキシメチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−バリル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド)、N−[4−[[(カルボキシエチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−バリル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシプロピル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−バリル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシブチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−バリル−N−[3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、N−[4−[[(カルボキシメチル)アミノ]カルボニル]ベンゾイル]−L−バリル−N−[(RS)−3,3,3−トリフルオロ−1−(1−メチルエチル)−2−オキソプロピル]−L−プロリンアミド、並びにその異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が例示できる。
好中球エラスターゼ活性阻害成分の含有量は、組成物全量に対し、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.05〜2質量%であり、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。
本発明の組成物における好ましい剤形、及びその他の成分については、<1>好中球遊走促進因子遺伝子発現抑制剤の(3)剤形、及び(4)その他の成分で述べた事項を適用することができる。
<試験例1>シクロヘキシルグリセリン及びスギナエキスによる真皮由来繊維芽細胞における好中球遊走促進因子の遺伝子発現量への影響
ヒト正常真皮線維芽細胞を、10%FBS/DMEM培地で24穴プレートに1000μL/ウェルとなるように播種し、37℃、5%CO環境下で24時間培養した。
播種24時間後、シクロヘキシルグリセリン(「アデカノール CHG」株式会社ADEKA製)及びスギナエキス(「スギナ抽出液UK−P」丸善製薬株式会社製)をそれぞれ添加したサンプル(シクロヘキシルグリセリン:最終濃度0.05質量%、スギナエキス:最終濃度1質量%)と、両成分を添加したサンプル(シクロヘキシルグリセリン:最終濃度0.05質量%、スギナエキス:最終濃度1質量%)を調製した。
24時間後、培地を除きPBSで洗浄し、RNeasy Mini QiAcube kit(QIAGEN株式会社製)を用いて細胞を回収し、QIAcube(QIAGEN株式会社製)を用いてRNAを抽出した。
QuantiTecT SYBR Green RT−PCR Kit(QIAGEN株式会社製)を用いてRT−PCRを行い、各サンプルにおいて、CXCL−1のmRNA発現量、及びIL−8のmRNA発現量、並びに、内在性コントロールであるTBPのmRNA発現量を測定した。
各サンプルにおける、CXCL−1、及びIL−8のmRNA発現量を、TBPのmRNA発現量で除した値を求め、各サンプルのmRNA発現量とした。結果を図1、及び図2に示す。
図1に示す通り、シクロヘキシルグリセリンを添加したサンプルは、CXCL−1の発現量が無添加群と比べて約57%まで減少し、スギナエキスを添加したサンプルは、CXCL−1の発現量が無添加群と比べて約43%まで減少することがわかる。
さらに、図1に示す通り、シクロヘキシルグリセリン及びスギナエキスを添加したサンプルは、CXCL−1の発現量が無添加群と比べて約18%まで減少することがわかる。
この結果から、シクロヘキシルグリセリン及びスギナエキスは、何れも好中球遊走促進因子であるCXCL−1の遺伝子発現を抑制する効果を有しており、これらの成分を組み合わせることで、相乗的な遺伝子発現抑制効果を奏することがわかる。
また、図2に示す通り、シクロヘキシルグリセリンを添加したサンプル、スギナエキスを添加したサンプル、及び両成分を添加したサンプルは、IL−8の発現量が無添加群と比べて、約72%、約69%及び約70%まで減少することがわかる。
この結果から、シクロヘキシルグリセリン、及びスギナエキスは何れも好中球遊走促進因子であるIL−8の遺伝子発現を抑制する効果を有しているが、これらの成分を組み合わせても、相乗的な効果が得られないことがわかる。
以上の結果から、シクロヘキシルグリセリン、及びスギナエキスは好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制作用を有することが認められ、好中球の遊走を抑制する作用を有することが認められる。
また、シクロヘキシルグリセリン、及びスギナエキスは、何れもCXCL−1、及びIL−8の遺伝子発現抑制効果を有するにも関わらず、これらの成分を組み合わせて添加した場合には、相乗的なCXCL−1の遺伝子発現抑制効果を奏するのに対し、IL−8に対しては、各成分を単独で添加した場合と比して、有意な差は認められなかった。
この結果から、好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制効果を有する成分を単に2種以上組み合わせるだけでは、当業者が期待する相乗効果を得ることはできず、上記効果を有する成分の中から、相乗効果を奏する成分を適切に選択する必要があることが示唆された。
シクロヘキシルグリセリン、及びスギナエキスに代表される好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制作用を有する成分は、好中球エラスターゼの活性を阻害する成分を含む抗シワ剤、又は抗たるみ剤と組み合わせることで、好中球の働きによるシワ形成メカニズムの上流、及び下流において効果を発揮し、より高い抗シワ作用を有することが期待される。
本発明は、医薬品、化粧料及び食品等に応用できる。

Claims (8)

  1. シクロヘキシルグリセリン、及び/又はスギナエキスを有効成分とする、好中球遊走促進因子の遺伝子発現抑制剤。
  2. 前記好中球遊走促進因子が、真皮線維芽細胞における好中球遊走促進因子であることを特徴とする、請求項1に記載の遺伝子発現抑制剤。
  3. 前記好中球遊走促進因子が、ケモカイン(C−X−Cモチーフ)配位子(chemokine(C−X−C motif)ligand,CXCL−1)、インターロイキン−8(interleukin−8,IL−8)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の遺伝子発現抑制剤。
  4. 好中球エラスターゼの活性を阻害する成分を含む抗シワ剤及び/又は抗たるみ剤の補助剤として用いることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の遺伝子発現抑制剤。
  5. シクロヘキシルグリセリン、及び/又はスギナエキス、並びに好中球エラスターゼの活性を阻害する成分を含むことを特徴とする、組成物。
  6. 細胞における好中球遊走促進因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量を指標とする、組成物の設計方法であって、
    被験物質を添加した細胞における前記遺伝子の発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における該遺伝子の発現量と比較して小さい場合に、前記被験物質は抗シワ作用、及び/又は抗たるみ作用を有すると判定する工程と、抗シワ作用、及び/又は抗たるみ作用を有すると判定された物質を組成物に配合する工程を備える、組成物の設計方法。
  7. 前記細胞が、真皮線維芽細胞であることを特徴とする、請求項6に記載の設計方法。
  8. 前記組成物が化粧料である、請求項6又は7に記載の設計方法。

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