JP2021054739A - ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲート - Google Patents

ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲート Download PDF

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求 金井
健三 山次
Kenzo Yamatsugu
健三 山次
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Toshifumi TATSUMI
俊文 巽
和希 高橋
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和希 高橋
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龍彦 児玉
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暁 杉山
雄史 山下
Yushi Yamashita
雄史 山下
雅信 塚越
Masanobu TSUKAGOSHI
雅信 塚越
雄三 戸田
Yuzo Toda
雄三 戸田
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Junji Nishigaki
純爾 西垣
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Abstract

【課題】光免疫療法において使用するための、ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲートの提供。【解決手段】式10に代表されるコンジュゲート化合物を含む、特定の化学構造を有する化合物又はその塩。前記コンジュゲートを含む治療剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲート、並びにその利用に関する。
アビジンとビオチン、あるいはストレプトアビジンとビオチンの間の親和性は非常に高く(Kd=10-15 から10-14M)、生体二分子間の相互作用としては、最も強い相互作用の一つである。現在、アビジン/ストレプトアビジン-ビオチン相互作用は、生化学、分子生物学、あるいは医学の分野で広く応用されている。アビジン/ストレプトアビジンとビオチンの高い結合能と抗体分子とを組み合わせたドラッグデリバリーの方法およびプレターゲティング法が考案されている。これらの研究に関連し、特許文献1には、天然ビオチンに対する親和性を低減させたストレプトアビジン変異体、並びにこの天然ビオチンに対する低親和性のストレプトアビジン変異体に対して高い親和性を有するビオチン改変二量体が報告されている。
一方、 光免疫療法とは、体内で特定の細胞を破壊するために光増感剤及び照射光を使用する治療法である。光増感剤は、特異的な波長の光に晒されるとき、付近の細胞のアポトーシス、ネクローシス、及び/又は自食作用を誘発できる細胞傷害性の活性酸素種を生じる。例えば、特許文献2には、細胞を死滅させる方法であって、 細胞表面タンパク質を含む細胞を、治療有効量の1または複数の抗体−IR700分子と接触させるステップであって、該抗体が該細胞表面タンパク質に特異的に結合するステップと;該細胞に、660〜740nmの波長で、かつ少なくとも1Jcm−2の線量で照射するステップと;該細胞に照射した約0〜8時間後に、該細胞を1または複数の治療剤と接触させ、これにより、該細胞を死滅させるステップとを含む方法が記載されている。特許文献3には、疾患又は病態を患っている対象において細胞毒性を誘発する方法であって、(a)対象の細胞に特異的に結合するプローブにコンジュゲートしたIRDye(登録商標)700DXなどのフタロシアニン染料を包含する治療的に有効な薬剤を該対象に投与し;そして、(b)細胞死を誘発するのに有効な量で適切な励起光を前記細胞に照射することを含む、方法が記載されている。
国際公開WO2015/125820 特許6127045号公報 特表2017−524659号公報
本発明は、光免疫療法において使用するための、ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲートを提供することを解決すべき課題とした。さらに本発明は、上記したビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲート、並びにストレプトアビジン変異体−分子プローブコンジュゲートの組み合わせを用いた治療キットを提供することを解決すべき課題とした。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲートを用いた光免疫療法により、がん細胞の増殖を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] 下記式(1)で示される化合物又はその塩。
Figure 2021054739
(式中、
Xは、親水性基、カチオン基又はアミノ基を末端に有する置換基、あるいは−OHである。
X1a、X1b、X2a及びX2bはそれぞれ独立にO又はNHを示し、
及びYはそれぞれ独立にC又はSを示し、
及びZはそれぞれ独立にO、S又はNHを示し、
及びVはそれぞれ独立にS又はS−Oを示し、n1及びn2はそれぞれ独立に0又は1の整数を示し、
及びLはそれぞれ独立に、2価の連結基を示し、
は、3価の連結基を示し、
、L、及びLはそれぞれ独立に、2価の連結基を示す。)
[2] 下記式(2)で示される、[1]に記載の化合物又はその塩。
Figure 2021054739
(式中の各記号の意味は[1]と同義である。)
[3] X1a、X1b、X2a及びX2bがNHを示し、Y及びYがCを示し、Z及びZがNHを示し、V及びVがSを示す、[1]又は[2]に記載のコンジュゲート。
[4] L及びLがそれぞれ独立に、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO―、−CO−、−O−、及び炭素数1から10のアルキレン基から選択される基の組み合わせからなる2価の連結基である、[1]から[3]の何れか一に記載のコンジュゲート。
[5] Lが、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−NH−、及び炭素数1から10のアルキレン基から選択される基の組み合わせからなる基である、[1]から[4]の何れか一に記載のコンジュゲート。
[6] Lが、
Figure 2021054739
トリアゾール基、−S−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−NH−、炭素数1から10のアルキレン基、またはこれらの組み合わせからなる基である、[1]から[5]の何れか一に記載のコンジュゲート。
[7] Lが、−Si(R)(R)−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−NH−、炭素数1から10のアルキレン基、またはこれらの組み合わせからなる基である、[1]から[6]の何れか一に記載のコンジュゲート。
[8] Xで示される親水性基、カチオン基又はアミノ基を末端に有する置換基が、下記の何れかである、[1]から[7]の何れか一に記載のコンジュゲート。
Figure 2021054739
[9] 以下の何れかの化合物。
Figure 2021054739
Figure 2021054739
Figure 2021054739
[10] [1]から[9]の何れか一に記載のコンジュゲートを含む、治療剤。
[11] (1)[1]から[9]の何れか一に記載のコンジュゲート、及び(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列(ただし、C末端のヒスチジンタグの一部又は全部は欠失していてもよい)を含むストレプトアビジン変異体と分子プローブとのコンジュゲート:を含む治療キット。
[12] 分子プローブが、抗EREG抗体、抗CEA抗体、または抗HER2抗体である、[11]に記載の治療キット。
本発明によるビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲートを用いた光免疫療法により、がん細胞の増殖を抑制することができる。
図1は、CEA−V2122の構造図を示す。 図2は、精製物の電気泳動像を示す。 図3は、CEA−Cupidの抗原(CEACAM5)との結合性能評価を示す。 図4は、CEA−Cupidのビオチン改変体との結合性評価を示す。 図5は、FITC標識CEA−V2122による細胞染色像を示す。 図6は、FITC標識CEA−Cupidによる細胞染色像(MKN45細胞)の時系列データを示す。 図7は、CEA−V2122 と光活性化化合物標識ビオチン改変体を用いた in vitro 細胞傷害性試験の結果を示す。 図8は、CEA−V2122 と光活性化化合物標識ビオチン改変体を用いた in vitro 細胞傷害性試験の結果を示す。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
(1)ビオチン改変二量体
本発明は、ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲートに関するものであり、下記式(1)で示される化合物又はその塩であり、好ましくは下記式(2)で示される化合物又はその塩である。
Figure 2021054739
Figure 2021054739
ビオチン改変二量体部分は、下記式(11)で示される化合物又はその塩であり、好ましくは下記式(12)で示される化合物又はその塩である。ビオチン改変二量体は、国際公開WO2015/125820号に記載されている化合物を使用することができる。
Figure 2021054739
Figure 2021054739
式中、X1a、X1b、X2a及びX2bはそれぞれ独立にO又はNHを示し、
及びYはそれぞれ独立にC又はSを示し、
及びZはそれぞれ独立にO、S又はNHを示し、
及びVはそれぞれ独立にS又はS−Oを示し、n1及びn2はそれぞれ独立に0又は1の整数を示し、
及びLはそれぞれ独立に、2価の連結基を示し、
は、3価の連結基を示し、
は、2価の連結基を示す。
上記式において、下記構造:
Figure 2021054739
で示される部分は好ましくは、
Figure 2021054739
の何れかであるが、これらに限定はされない。
X1a、X1b、X2a及びX2bがNHを示すことが好ましく、Y及びYがCを示すことが好ましく、Z及びZがNHを示すことが好ましく、V及びVがSを示すことが好ましい。
及びLはそれぞれ独立に、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO―、−CO−、−O−、及び炭素数1から10のアルキレン基から選択される基の組み合わせからなる2価の連結基であることが好ましい。
及びLはそれぞれ独立に、−CONH−、−NHCO−、−O−、及び炭素数1から10のアルキレン基から選択される基の組み合わせからなる2価の連結基であることが好ましい。
、及びLはそれぞれ独立に、−CONH−、−NHCO−、及び炭素数1から10のアルキレン基から選択される基の組み合わせからなる2価の連結基であることが好ましい。
は、3価の連結基を示し、好ましくは、
Figure 2021054739
又は、
Figure 2021054739
である(ベンゼンに由来する3価の連結基または窒素原子)。
は、好ましくは、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−NH−、及び炭素数1から10のアルキレン基から選択される基の組み合わせからなる基である。
は、好ましくは、
Figure 2021054739
トリアゾール基、−S−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−NH−、炭素数1から10のアルキレン基、またはこれらの組み合わせからなる基である。
は、好ましくは、−Si(R)(R)−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−NH−、炭素数1から10のアルキレン基、またはこれらの組み合わせからなる基である。
Xで示される親水性基、カチオン基又はアミノ基を末端に有する置換基は、好ましくは下記の何れかである。
Figure 2021054739
(2)フタロシアニン染料
フタロシアニン染料は、好ましくはシリコンフタロシアニン染料である。IRDye(登録商標)700DXのようなフタロシアニン染料の具体例は、例えば、米国特許第7,005,518号に記載されている。フタロシアニン染料としては、IRDye(登録商標)700DXなどの市販品を使用することができる。
フタロシアニン染料としては、下記式で示される染料を使用することができる。星印はビオチン改変二量体を連結するための連結基との結合部位を示す。
Figure 2021054739
本発明の化合物は、実施例の製造例1〜5に記載した方法に準じて合成することができる。
(3)ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲートを用いた治療キット
本発明によれば、本発明のビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲートと、ストレプトアビジン変異体―分子プローブコンジュゲートとを組み合わせた治療キットが提供される。
ストレプトアビジン変異体としては、国際公開WO2014/129446及び国際公開WO2015/125820に記載のストレプトアビジン変異体を使用することができる。特に好ましくは、国際公開WO2015/125820の実施例3(国際公開WO2015/125820の配列番号4)(本願明細書の配列番号1)に記載されているストレプトアビジン変異体LISA314-V2122を使用することができる。
分子プローブとしては、例えば抗体、ペプチド、核酸、アプタマー等を挙げることができ、具体的には、癌に特異的に発現する以下の抗原を標的とした抗体、ペプチド、核酸、アプタマー等を用いることができる。
エピレギュリン(EREG)、ROBO1,2,3,4、1-40-β-アミロイド, 4-1BB, 5AC, 5T4, ACVR2B, 腺がん抗原, α-フェトプロテイン, アンギオポエチン2, 炭疽毒素, AOC3 (VAP-1), B-リンパ腫細胞, B7-H3, BAFF, βアミロイド, C242抗原, C5, CA-125, カルボニックアンヒドラーゼ9 (CA-IX), 心臓ミオシン, CCL11 (eotaxin-1), CCR4, CCR5, CD11, CD18, CD125, CD140a, CD147 (basigin), CD147 (basigin), CD15, CD152, CD154 (CD40L), CD154, CD19, CD2, CD20, CD200, CD22, CD221, CD23 (IgE受容体), CD25(IL-2受容体のα鎖), CD28, CD3, CD30 (TNFRSF8), CD33, CD37, CD38(サイクリックADPリボースヒドロラーゼ), CD4, CD40, CD41(インテグリンα-IIb), CD44 v6, CD5, CD51, CD52, CD56, CD6, CD70, CD74, CD79B, CD80, CEA, CFD, ch4D5, CLDN18.2, クロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difficile),クランピング因子A, CSF2, CTLA-4, サイトメガロウイルス, サイトメガロウイルス糖タンパク質B, DLL4, DR5, E. coli 志賀毒素1型, E. coli志賀毒素2型、EGFL7, EGFR, エンドトキシン, EpCAM, エピシアリン(episialin), ERBB3, 大腸菌(Escherichia coli), 呼吸器合胞体{こきゅうき ごうほうたい}ウイルス(respiratory syncytial virus)のFタンパク質, FAP, フィブリンIIβ鎖, フィブロネクチンエクストラドメイン-B, 葉酸受容体1, Frizzled 受容体, GD2, GD3ガングリオシド, GMCSF受容体α鎖, GPNMB, B型肝炎表面抗原, B型肝炎ウイルス、HER1, HER2/neu, HER3, HGF, HIV-1, HLA-DRβ, HNGF, Hsp90, ヒトβアミロイド,ヒト分散因子(scatter factor)受容体キナーゼ, ヒトTNF, ICAM-1 (CD54), IFN-α, IFN-γ, IgE, IgE Fc 領域, IGF-1受容体, IGF-I, IgG4, IGHE, IL-1β, IL-12, IL-13, IL-17, IL-17A, IL-22, IL-23, IL-4, IL-5, IL-6, IL-6受容体, IL-9, ILGF2, インフルエンザA ヘマグルチニン, インスリン様増殖因子I受容体, インテグリンα4, インテグリンα4β7, インテグリンα5β1, インテグリンα7 β7, インテグリンαIIbβ3, インテグリンαvβ3, インテグリンγ誘導タンパク質,インターフェロン受容体, インターフェロンα/β受容体, ITGA2, ITGB2 (CD18), KIR2D, L-セレクチン(CD62L), Lewis-Y抗原, LFA-1 (CD11a), リポタイコ酸, LOXL2, LTA, MCP-1, メソテリン、MS4A1, MUC1, ムチンCanAg, ミオスタチン, N-グリコリルノイラミン酸, NARP-1, NCA-90 (顆粒球抗原), NGF, NOGO-A, NRP1, Oryctolagus cuniculus, OX-40, oxLDL, PCSK9, PD-1, PDCD1, PDGF-R α, フォスファチジルセリン,前立腺がん細胞、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa),狂犬病{きょうけんびょう}ウイルス糖タンパク質、RANKL, 呼吸器合胞体{こきゅうき ごうほうたい}ウイルス, RHD, Rh(Rhesus)因子, RON, RTN4, スクレロスチン, SDC1, セレクチンP, SLAMF7, SOST, スフィンゴシン-1-ホスフェート, TAG-72, TEM1, テネイシンC, TFPI, TGFβ1, TGFβ2, TGF-β, TNF-α, TRAIL-R1, TRAIL-R2, 腫瘍抗原CTAA16.88,MUC1の腫瘍特異的グリコシル化, TWEAK受容体, TYRP1(グリコプロテイン75), VEGF-A, VEGFR-1, VEGFR2, ビメンチン, VWF
上記の中でも、エピレギュリン(EREG)、CEA、およびHER2が好ましい。
癌抗原特異的抗体分子などの分子プローブとストレプトアビジン変異体との融合体を調製し、患者に投与することで、癌細胞に特異的にストレプトアビジン変異体を集積させることができる。次に、上記ストレプトアビジン変異体に親和性を有するビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲートを患者に投与することによって、癌細胞へ的確にフタロシアニン染料を集積させることが可能になる。
あるいはまた、本発明においては、癌抗原特異的抗体分子などの分子プローブとストレプトアビジン変異体とのコンジュゲートと、ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲートとを結合させた複合体を調製し、この複合体を患者に投与することもできる。
ストレプトアビジン変異体に結合させる抗体は種々の分子を用いることができる。ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体はどちらも使用することができる。抗体のサブクラスは特に問わないが、好ましくはIgG、特にIgG1が好適に用いられる。また、「抗体」は改変抗体および抗体断片の全てを含む。ヒト化抗体、ヒト型抗体、ヒト抗体、マウス、ウサギ、ラット、モルモット、サル等の各種動物由来抗体、ヒト抗体と各種動物由来抗体とのキメラ抗体、diabody、scFv、Fd、Fab、Fab‘、F(ab)’2が挙げられるが、これらに限らない。
ストレプトアビジン変異体と抗体の結合物は、当業者に公知の方法を用いて得ることができる。例えば、化学的結合方法(US5,608,060)によって得ることもできるし、ストレプトアビジン変異体をコードするDNAと抗体をコードするDNAを連結し、発現ベクター等を用いて宿主細胞に発現させることにより、融合タンパクとして得ることもできる。ストレプトアビジン変異体をコードするDNAと抗体をコードするDNAとの連結は、リンカーと呼ばれる適当なペプチドをコードするDNAを介しても良い。ストレプトアビジン変異体―抗体結合物は、抗体と標的分子との特異的結合力を残して作製されることが望ましい。
(4)光免疫療法
本発明によるビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲートを対象に投与し、細胞増殖の抑制または細胞死を誘発するのに有効な量で励起光を細胞に照射することによって、細胞増殖の抑制または細胞死を誘発し、対象を治療することができる。
好ましくは、本発明によるビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲートと、ストレプトアビジン変異体―分子プローブコンジュゲートとの複合体を対象に投与し、細胞増殖の抑制または細胞死を誘発するのに有効な量で励起光を細胞に照射することによって、細胞増殖の抑制または細胞死を誘発し、対象を治療することができる。
対象としては、ヒトおよび非ヒト哺乳動物を包含し、ヒト、またはマウスなどの実験動物が挙げられる。対象としては、細胞増殖の抑制または細胞死の誘発が望まれる疾患を患っている対象が好ましく、例えば、がん又は固形腫瘍を有する対象を挙げることができる。
「がん」とは、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病又は悪性リンパ腫が挙げられる。がんの具体例としては、扁平上皮癌(例えば、上皮性扁平細胞癌)、小細胞肺癌を含めた肺癌、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、肺腺癌及び肺の扁平上皮癌、腹膜の癌、肝細胞性癌、消化器癌を含めた胃体又は胃癌、膵臓癌、神経膠芽腫、子宮頚癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝細胞癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜又は子宮癌腫、唾液腺癌腫、腎臓又は腎臓部癌、前立腺癌、外陰部癌、甲状腺癌、肝細胞癌腫、肛門癌腫、陰茎癌腫、並びに頭頚部癌が挙げられる。
固形腫瘍とは、良性でも悪性でも、通常包嚢を含まない細胞の異常な塊を指す。固形腫瘍としては、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、希突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、及び網膜芽細胞腫が挙げられる。
光免疫療法においては、「ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲート」、又は「ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲートと、ストレプトアビジン変異体―分子プローブコンジュゲートとの複合体」を対象に投与し、その後に、光を照射することにより、対象を処置することができる。
対象への投与方法としては、局所経路、注射(皮下注射、筋肉内注射、皮内注射、腹腔内注射、腫瘍内注射、および静脈内注射など)、経口経路、眼経路、舌下経路、直腸経路、経皮経路、鼻腔内経路、膣経路、および吸入経路などが挙げられるが、これらに限定されない。
「ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲート」、又は「ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲートと、ストレプトアビジン変異体―分子プローブコンジュゲートとの複合体」は、治療有効量で投与することが好ましい。治療有効量は、60キログラム当たり少なくとも0.5ミリグラム(mg/60kg)、少なくとも5mg/60kg、少なくとも10mg/60kg、少なくとも20mg/60kg、少なくとも30mg/60kg、少なくとも50mg/60kgである。例えば、静脈内投与される場合、1mg/60kg、2mg/60kg、5mg/60kg、20mg/60kg、または50mg/60kgの用量など、例えば、0.5〜50mg/60kgである。別の例では、治療有効量は、少なくとも100μg/kg、少なくとも500μg/kgまたは少なくとも500μg/kgなど、少なくとも10μg/kg、例えば、腫瘍内投与または腹腔内投与される場合、100μg/kg、250μg/kg、約500μg/kg、750μg/kg、または1000μg/kgの用量など、例えば、10μg/kg〜1000μg/kgである。一例では、治療有効量は、局所用溶液で投与される10μg/ml、20μg/ml、30μg/ml、40μg/ml、50μg/ml、60μg/ml、70μg/ml、80μg/ml、90μg/ml、または100μg/mlなど、20μg/ml〜100μg/mlの間など、少なくとも500μg/mlなど、少なくとも1μg/mlである。
上記した投与量を、1回もしくは複数回にわたる分割用量(2、3、または4回の用量など)または単一の製剤で投与することができる。
「ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲート」、又は「ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲートと、ストレプトアビジン変異体―分子プローブコンジュゲートとの複合体」は、単独で投与することもでき、薬学的に許容されるキャリアの存在下で投与することもでき、他の治療剤(他の抗がん剤など)の存在下で投与することもできる。
「ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲート」、又は「ビオチン改変二量体とフタロシアニン染料とのコンジュゲートと、ストレプトアビジン変異体―分子プローブコンジュゲートとの複合体」は、循環している腫瘍細胞又は固形腫瘍の細胞などの標的細胞又は標的組織に結合することができる。その後に、光を照射すると、上記コンジュゲート又は複合体は、光を吸収し、標的細胞又は組織を損傷又は破壊することができる。
光免疫療法において照射光の波長は、好ましくは660〜740nmであり、例えば660nm、670nm、680nm、690nm、700nm、710nm、720nm、730nm、又は740nmの波長を有する。光の照射は、近赤外(NIR)発光ダイオードを備えたデバイスを使用することによって行ってもよい。
光の照射量は、少なくとも1J/cm、例えば、少なくとも4J/cm、少なくとも10J/cm、少なくとも15J/cm、少なくとも20J/cm、少なくとも50J/cm、または少なくとも100J/cm、例えば、1〜500J/cmである。光照射は、複数回(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回)実施してもよい。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
<製造例1:化合物10の合成>
Figure 2021054739
Psyche J 1 (4.5 mg, 3.4 μmol) に(1R,8S,9S)-Bicyclo[6.1.0]non-4-yn-9-ylmethyl N-succinimidyl carbonate 2 (1.0 mg, 3.4 μmol)、Et3N (1.7 mg, 17 μmol)と脱水DMF (500 μL) を加え、室温で15時間攪拌した。水で2000 μLに希釈したものを逆相HPLC (グラジエント:10% for 5 min; 10-60% for 20 min CH3CN in 0.1% trifluoroacetic acid 水溶液, 保持時間 = 19.0 min, YMC-Triart C18, flow rate = 3.5 mL/min)で精製することで標的化合物 3 (3.2 mg, 75%, 無色) を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD):δ 4.72 (m, 2H), 4.52 (m, 2H), 4.12 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 3.97 (s, 4H), 3.79 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 3.62 (s, 4H), 3.53 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.39 (brs, 2H), 3.30-3.23 (m, 8H), 3.17 (t, J = 6.0 Hz, 4H), 2.98 (dd, J= 13.7, 4.6 Hz, 2H), 2.81 (d, J = 13.7 Hz, 2H), 2.25-2.10 (m, 10H), 1.81-1.30 (m, 23H), 0.92 (t, J = 10.1 Hz, 2H).
LRMS (ESI): m/z 1031.55 [M+H]+, 516.35 [M+2H]2+, 344.75 [M+3H]3+
Figure 2021054739
Silicon phthalocyanine dihydride 4 (50 mg, 87 μmol) に(3-Aminopropyl)dimethylethoxysilane (113 mg, 700 μmol) と 脱水ピリジン(30 mL) を加え、5時間攪拌、加熱還流した。溶媒を減圧留去したものをカラムクロマトグラフィー (グラジエント: 1% for 3 min; 1-10% for 15min; 10-20% for 10 min CH3OH in CH2Cl2, Yamazen Corporation UniversalTM Column Amino 40 mm 60Å 2.3×12.3 cm, 16 g, flow rate = 10 mL/min) で精製することで標的化合物 5 (62 mg, 77 μmol, 88%, 深青色) を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 9.65 (dd, J = 2.8 Hz, 5.7 Hz, 8H), 8.34 (dd, J = 2.8 Hz, 5.7 Hz, 8H), 1.18 (t, J= 7.6 Hz, 4H), -1.23 (m, 4H), -2.30 (m, 4H), -2.86 (s, 12H).
LRMS (ESI): m/z 805.30 [M+H] +
Figure 2021054739
化合物 5 (29 mg, 36 μmol) を溶解した脱水ジクロロメタン (3 mL) 溶液を攪拌し、そこに化合物 6 (12 mg, 38 μmol) の脱水ジクロロメタン(2 mL) 溶液を室温で少しずつ加え、アルミホイルで光を遮蔽し室温で16時間攪拌した。溶媒を減圧留去したものをカラムクロマトグラフィー (グラジエント: 1% for 3 min; 1-5% for 15 min CH3OH in CH2Cl2, Yamazen Corporation UniversalTMColumn Amino 40 mm 60Å 2.3×12.3 cm, 16 g, flow rate = 10 mL/min) で精製することで標的化合物 7 (12 mg, 12 μmol, 33%, 深青色) を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 9.65 (dd, J = 2.8 Hz, 5.7 Hz, 8H), 8.35 (d, J = 2.8 Hz, 5.7 Hz, 8H), 4.08 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.73-3.60 (m, 8H), 3.39 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 1.76 (m, 2H), 1.18 (t, J = 6.7 Hz, 2H), -1.23 (m, 4H), -2.30 (m, 4H), -2.86 (s, 12H).
LRMS (ESI): m/z 1006.85 [M+H] +
Figure 2021054739
化合物 7 (4.8 mg, 4.8 μmol) に1,3-Propanesultone (19 mg, 0.16 μmol)、DIPEA (30 mg, 0.23 μmol) とメタノール (500 μL) を加え、アルミホイルで光を遮蔽し50 ℃で60時間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、水/アセトニトリル 1:1で3000 μLに希釈したものを逆相HPLC (グラジエント:50% for 5 min; 50-80% for 25 min; 80-100% for 10 min CH3CN in 50 mM triethylammonium acetate 水溶液 (pH 7.0), 保持時間 = 15.8 (化合物 8), 23.0 (化合物 9) min, YMC-Triart C18, flow rate = 3.5 mL/min)で精製することで標的化合物 8(1.3 mg, 0.94 μmol, 20%, 深青色) と 9 (2.4 mg, 1.9 μmol, 40%, 深青色)を得た。
化合物 8: 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 9.72 (dd, J = 2.8 Hz, 5.7 Hz, 8H), 8.46 (dd, J = 2.8 Hz, 5.7 Hz, 8H), 3.97 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.63-3.58 (m, 8H), 3.32 (m, 2H), 2.80-2.70 (m, 12H), 1.99 (t, J= 6.7 Hz, 2H), 1.70 (m, 6H), 1.60 (t, J= 6.7 Hz, 2H), -1.07 (m, 2H), -1.14 (m, 2H), -2.12 (m, 2H), -2.28 (m, 2H), -2.82 (s, 6H), -2.89 (s, 6H).
LRMS (ESI): m/z 1372.55 [M+H] +
化合物 9: 1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 9.70 (dd, J = 2.8 Hz, 5.7 Hz, 8H), 8.46 (dd, J = 2.8 Hz, 5.7 Hz, 8H), 3.97 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.63-3.58 (m, 8H), 3.32 (m, 2H), 2.75 (t, J = 6.7 Hz, 4H), 2.56 (brs, 4H), 1.71 (m, 6H), 1.60 (t, J= 6.7 Hz, 2H), -1.00 (m, 2H), -1.14 (m, 2H), -2.15 (m, 2H), -2.27 (m, 2H), -2.83 (s, 6H), -2.89 (s, 6H).
LRMS (ESI): m/z 1249.80 [M+H] +
Figure 2021054739
化合物 8 (1.6 mg, 1.0 μmol) に化合物 3 (1.3 mg, 1.0 μmol)、メタノール (500 μL) を加えアルミホイルで光を遮蔽し室温で5時間攪拌した。水/アセトニトリル3:1で3000 μLに希釈したものを逆相HPLC (グラジエント:30% for 5 min; 30-80% for 30 min; 80-100% for 8 min CH3CN in 50 mM triethylammonium acetate 水溶液 (pH 7.0), 保持時間 = 26.5 min, YMC-Triart C18, flow rate = 3.5 mL/min)で精製することで標的化合物 10 (1.3 mg, 0.55 μmol, 55%, 深青色)を得た。化合物 10をコンパウンド1とも称する。
LRMS (ESI): m/z 1202.50 [M+2H]2+
<製造例2:化合物11の合成>
Figure 2021054739
化合物 9 (1.5 mg, 1.1 μmol) に化合物 3 (1.5 mg, 1.1 μmol)、メタノール (500 μL) を加えアルミホイルで光を遮蔽し室温で5時間攪拌した。水/アセトニトリル 3:1で3000 μLに希釈したものを逆相HPLC (グラジエント:30% for 5 min; 30-80% for 30 min; 80-100% for 8 min CH3CN in 50 mM triethylammonium acetate 水溶液 (pH 7.0), 保持時間 = 28.8 min, YMC-Triart C18, flow rate = 3.5 mL/min)で精製することで標的化合物 11 (1.6 mg, 0.68 μmol, 62%, 深青色)を得た。化合物 11をコンパウンド2とも称する。
LRMS (ESI): m/z 1141.65 [M+2H]2+, 760.90 [M+3H]3+
<製造例3:化合物13の合成>
Figure 2021054739
化合物 7 (2.8 mg, 2.8 μmol) にMethyl iodide (22.8 mg, 161 μmol)、K2CO3(22.2 mg, 161 μmol) とジメチルホルムアミド (500 μL) を加え、アルミホイルで光を遮蔽し50 ℃で60時間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、水/アセトニトリル 1:1で1000 μLに希釈したものを逆相HPLC (グラジエント:70% for 5 min; 70-100% for 25 min; CH3CN in 50 mM triethylammonium acetate 水溶液 (pH 7.0), 保持時間 = 21.5 min, YMC-Triart C18, flow rate = 3.5 mL/min)で精製することで標的化合物 12 (2.1 mg, 2.0 μmol, 71%, 深青色) を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 9.68 (dd, J = 2.8 Hz, 5.7 Hz, 8H), 8.44 (dd, J = 2.8 Hz, 5.7 Hz, 8H), 3.96 (t, J = 4.6 Hz, 2H), 3.63-3.58 (m, 8H), 3.31 (m, 2H), 2.44 (s, 9H), 1.94 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 1.59 (t, J = 6.7 Hz, 2H), -1.16 (m, 4H), -2.14 (m, 2H), -2.28 (m, 2H), -2.84 (s, 6H), -2.89 (s, 6H).
LRMS (ESI): m/z 1048.30 [M] +
Figure 2021054739
化合物 12 (1.0 mg, 1.0 μmol) に化合物 3 (1.3 mg, 1.0 μmol)、メタノール (500 μL) を加えアルミホイルで光を遮蔽し室温で5時間攪拌した。溶媒を減圧留去したものをカラムクロマトグラフィー (グラジエント: 25% for 5 min; 50-100% for 20 min CH3OH in CH2Cl2, Yamazen Corporation UniversalTMColumn Amino 40 mm 60Å 1.8×11.4 cm, 7 g, flow rate = 8 mL/min)で精製することで標的化合物 13 (0.92 mg, 0.43 μmol, 43%, 深青色) を得た。化合物 13をコンパウンド4とも称する。
LRMS (ESI): m/z 694.05 [M+2H]3+, 520.90 [M+3H]4+
<製造例4:化合物14の合成>
Figure 2021054739
化合物 7 (2.7 mg, 2.7 μmol) に化合物 3 (3.6 mg, 2.7 μmol)、メタノール (500 μL) を加えアルミホイルで光を遮蔽し室温で5時間攪拌した。溶媒を減圧留去したものをカラムクロマトグラフィー (グラジエント: 25% for 5 min; 50-100% for 20 min CH3OH in CH2Cl2, Yamazen Corporation UniversalTMColumn Amino 40 mm 60Å 1.8×11.4 cm, 7 g, flow rate = 8 mL/min) で精製することで標的化合物 14 (3.5 mg, 1.7 μmol, 63%, 深青色) を得た。化合物 10をコンパウンド5とも称する。
LRMS (ESI): m/z 1019.25 [M+2H]2+, 679.65 [M+3H]3+, 510.00 [M+4H]4+
<製造例5:化合物17の合成>
Figure 2021054739
化合物 5 (19.0 mg, 23.0 μmol) にTrifluoroacetic acid (18.4 mg, 161 μmol)、ジクロロメタン (1.0 mL) を加えアルミホイルで光を遮蔽し室温で4 時間攪拌した。ジクロロメタン (10 mL)、ピリジン (1.0 mL) と水 (10 mL) を加え、有機層を抽出し、溶媒を減圧留去したものをカラムクロマトグラフィー (2% CH3OH in CH2Cl2, Yamazen Corporation UniversalTM Column Amino 40 mm 60Å 1.8×11.4 cm, 7 g, flow rate = 8 mL/min) で精製することで標的化合物 15 (6.1 mg, 6.1 μmol, 39%, 深青色) を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 9.16 (m, 8H), 8.22 (d, J = 1.9 Hz, 4.7 Hz, 8H), 0.98 (t, J = 7.6 Hz, 2H), -1.47 (m, 2H), -2.51 (t, J = 8.6 Hz, 2H), -2.86 (s, 6H).
Figure 2021054739
化合物 15 (2.6 mg, 3.8 μmol) に化合物 6 (1.2 mg, 3.8 μmol)、脱水ジクロロメタン(1.0 mL) を加えアルミホイルで光を遮蔽し室温で4 時間攪拌した。溶媒を減圧留去したものをカラムクロマトグラフィー (グラジエント: 50-100% AcOEt in n-hexane, Yamazen Corporation UniversalTM Premium Silica Gel 30 mm 60Å 1.8×11.4 cm, 7 g, flow rate = 8 mL/min) で精製することで標的化合物 16 (3.3 mg, 3.7 μmol, 98%, 深青色) を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 9.28 (brs, 8H), 8.25 (m, 8H), 4.00 (m, 2H), 3.67 (m, 8H), 3.37 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 1.73 (m, 2H), -1.38 (m, 2H), -2.30 (m, 2H), -2.86 (s, 6H).
Figure 2021054739
化合物 16 (1.9 mg, 2.1 μmol) に化合物 3 (2.5 mg, 1.9 μmol)、メタノール (500 μL) を加えアルミホイルで光を遮蔽し室温で5 時間攪拌した。溶媒を減圧留去したものをカラムクロマトグラフィー (グラジエント: 10% for 5min; 25% for 7 min CH3OH in CH2Cl2, Yamazen Corporation UniversalTMColumn Amino 40 mm 60Å 1.8×11.4 cm, 7 g, flow rate = 8 mL/min) で精製することで標的化合物 17 (3.3 mg, 1.7 μmol, 89%, 深青色) を得た。化合物 17をコンパウンド3とも称する。
LRMS (ESI): m/z 952.55 [M-H2O+2H]2+, 635.85 [M-H2O+3H]3+, 476.80 [M-H2O+4H]4+
<実施例1:CEA-V2122タンパク質の発現と精製>
V2122は、国際公開WO2015/125820の実施例3(国際公開WO2015/125820の配列番号4)に記載されているストレプトアビジン変異体である。V2122のアミノ酸配列(C末端に6×Hisタグを有する配列)を配列表の配列番号1に記載する。
scFv-V2122は、上記のV2122に、CEACAM5に対する一本鎖抗体(scFv)を結合したものである。このscFv型の抗CEACAM5抗体は特許文献US7626011B2に記載されているscFv配列である。scFv型の抗CEACAM5抗体のアミノ酸配列を配列表の配列番号2に記載する。また、scFv型の抗CEACAM5抗体とV2122とをアミノ酸リンカー(GGGGSGGGG)(配列番号7)で結合したCEA-V2122のアミノ酸配列を配列表の配列番号3に記載する。
CEA-V2122融合タンパク質の発現のために、大腸菌にて分泌発現するためのpelBシグナルをN末端に、また6xHis-Tag配列をC末端に組み込んだCEA-V2122遺伝子配列のDNAコドンを大腸菌に最適化し人工遺伝子合成を行なった。このアミノ酸配列を配列表の配列番号4、DNA配列を配列表の配列番号5に記載する。また、ドメイン構造の概略を図1に示す。
具体的なタンパク質発現ベクターは、pETDuet1ベクターのMCS2にシャペロンskp遺伝子が組み込まれたベクターを使用した。skp遺伝子は配列表の配列番号6に記載されたアミノ酸配列を元にコドンを大腸菌に最適化したDNAの人工遺伝子合成を行った。合成されたskp遺伝子はプライマー(AAGGAGATATACATATGGATAAAATTGCCATTGTTAATAT(配列番号8), TTGAGATCTGCCATATGTTATTTCACTTGTTTCAGAACG(配列番号9))を使用しPCRで増幅し、制限酵素NdeIで直鎖化されたpETDue1ベクターのMCS2にIn-Fusion HD Cloning Kitをもちいてクローニングを行いpETDuet_skp とした。次に、 pETDuet_skp のMCS1にCEA-V2122遺伝子を組み込んだ。具体的には、人工合成されたCEA-V2122遺伝子をプライマー(AGAAGGAGATATACCATGAAATATCTGCTGCCGAC(配列番号10)、CGCCGAGCTCGAATTTTAATGATGGTGATGATGATG(配列番号11))を用いPCRにて増幅した。また、pETDuet_skp をプライマー(GGTATATCTCCTTCTTAAAGTTAAAC(配列番号12)、AATTCGAGCTCGGCGCGCCTGCAG(配列番号13))を使用しPCRにて直鎖化した。PCRにより増幅された CEA-V2122と直鎖化された pETDuet_skp を In-Fusion HD Cloning Kit をもちいてクローニングを行った。クローニングされたベクターはシーケンスにより組み込まれた遺伝子配列の確認を行い pETDuet_CEA-V2122_skp とした。
タンパク質発現のために、pETDuet_CEA-V2122_skpをBL21(DE3)(ニッポン・ジーン社)に形質転換し 2xYT培地(SIGMA-ADLRICH社)、37℃にて一晩、前培養を行った。前培養を行った培地を新しい培地に100倍希釈になるように添加し、OD(600nm) = 0.5〜2.0になるまで37℃で培養を行った。次に最終濃度0.5mM IPTGを添加し37℃で4時間培養し培養上清を回収した後、4℃で保存した。
CEA-V2122タンパク質は、C末端に付加されている6xHis-Tagを利用し バッチ法で粗精製を行った。具体的にはバッファーA(50mM TrisHCl, 0.2M NaCl, 1mM ED TA, 5mM Imidazole, pH8.0)で平衡化したcOmplete His-Tag Purification Resin を4℃で保存した培養上清へ添加し、2時間から一晩、4℃にて撹拌しレジンへのタンパク質結 合処理を行った。次にレジンをカラムに回収し、バッファーAで20カラム容量の洗浄作業 を行った。その後、バッファーB(50mM TrisHCl, 0.2M NaCl, 1mM EDTA, 400mM Imidazol e, pH8.0)で溶出しCEA-V2122の粗精製物の回収を行った。
次に、粗精製物についてProtein L カラムによる精製を行った。具体的にはCapto L (GE Healthcare Life Sciences) 1mLをPD-10カラムに充填し、10カラムボリュームのPBSで平衡化後、上述の粗精製物をアプライし、10カラムボリュームのPBSで洗浄後、10mM グリシン塩酸pH2.0で溶出しVivaspin Turbo 15 (MWCO 100,000) による遠心濃縮を行なった。さらに PD-10 (GE Healthcare Life Sciences社) を用いてPBSへバッファー置換を行い、さらに Vivaspin Turbo 4 (MWCO 100,000) による遠心濃縮を行い最終精製物とした。SDS-PAGE電気泳動後、CBB染色により4量体CEA-V2122の純度の検定を行なった結果を図2に示す。SDS-PAGEゲルは Mini-PROTEAN TGX 4-15% (Bio-Rad社) を使用し CBB染色液はBullet CBB Stain One(Ready To Use) (ナカライテスク社)を使用した。
図2より精製されたCEA-V2122は約150kDaの4量体を主たる成分であることが確認された。
<実施例2:CEA-V2122のSPRでの性能評価>
CEA-V2122と抗原CEACAM5との親和性を表面プラズモン共鳴(SPR)測定装置:Biacore T200 (GE Healthcare Life Sciences社) を用いて実施した。具体的には Recombinant Human CEACAM-5/CD66e Protein, CF (R&D SYSTEMS社) を Sensor Chip CM5 (GE Healthcare Life Sciences社) にアミンカップリングキット (GE Healthcare Life Sciences社) を用いて固定化操作を行い、リガンドの最終固定化量は279RUとなった。また、精製されたCEA-V2122は 1E-08 M から 6.25E-10 M までの2倍希釈系列をアナライトとして調整した。相互作用解析は Single-Cycle Kinetics 解析にてデータの取得を行った。得られたデータを Biacore T200 Evaluation Software, version 2.0 にて Bivalent Analyze モードによるカーブフィッティングを実施しka1=3.208E+5, kd1=3.461E-7の値を得た。また、Bivalent AnalyzeではKD=kd1/ka1で評価できることからKD=kd1/ka1= 3.461E-7/3.208E+5=1.078E-12の評価値を得た。それらの結果を図3に示す。
図3に示されるセンサーグラム、KD値よりCEA-V2122はCEACAM5に強く結合することが確認された。
また、CEA-V2122とビオチン改変体との相互作用解析も Biacore T200 を用いて実施した。具体的なビオチン改変体は国際公開WO2018/07239の実施例1に記載されている標題化合物14である。また具体的な解析方法は以下の通りである。アミンカップリングキットを使用し、Sensor Chip CM5 に目標値 5000RUとなるように設定し、精製された CEA-V2122 の固定化を行なった。アナライトの濃度は 1E-08 M から 6.25E-10 M までの2倍希釈系列5種類を使用した。相互作用解析は Single-Cycle Kinetics 解析にてデータの取得を行った。得られたデータを Biacore T200 Evaluation Software, version 2.0 にて Bivalent Analyze モードによるカーブフィッティングを実施しka1=3.792E+4, kd1=4.424E-6の値を得た。また、Bivalent AnalyzeではKD=kd1/ka1で評価できることからKD=kd1/ka1= 3.792E+4/4.424E-6=1.167E-10の評価値を得た。それらの結果を図4に示す。
図4に示されるセンサーグラム、KD値よりCEA-V2122はビオチン改変体に強く結合することが確認された。
<実施例3:FITC標識CEA-V2122 を用いたCEACAM5発現細胞株の細胞染色>
CEACAM5発現陽性のがん細胞株の染色のために、精製された CEA-V2122 タンパク質を100 μg 使用しFITC標識を行なった。具体的には、Fluorescein Labeling Kit - NH2 (同仁化学研究所) を用いて操作手順書の用法用量に従い標識を実施し、得られた産物を CEA-V2122-FITC とした。具体的なCEACAM5発現陽性のがん細胞株の染色は次のとおりである。 CELLSTAR, μClear, 96ウエルプレート (Greiner社) に2.0x104cell/well となるようにCEACAM5陽性のヒト胃がん由来MKN-45細胞とCEACAM5陰性のヒト結腸がん由来DLD1細胞を播種し一晩培養した。次に 20 nM CEA-V2122-FITCと1μM Hoechist を含む培養液を100 μL/well となるように添加し4℃にて30分間反応ののち、In Cell Analyzer 6000 (GE Healthcare Life Sciences社) にて画像の取得を行なった。その結果を図5および図6に示す。
図5に示された結果より、CEA-V2122-FITCは細胞膜表面のCEACAM5を特異的に認識することが確認された。また、図6に示された結果より、CEACAM5はCEA-V2122-FITC結合後、細胞膜表面に滞留することが確認された。
<実施例4:CEA-V2122 と光活性化化合物標識ビオチン改変体を用いた in vitro 細胞傷害性試験>
光活性化化合物標識ビオチン改変体(コンパウンド1(化合物10)、コンパウンド2(化合物11)、コンパウンド3(化合物17)、コンパウンド4(化合物13)およびコンパウンド5(化合物14))を用いて細胞傷害性試験を実施した。具体的には図5に示されるように、CEA陽性MKN45細胞とCEA陰性DLD1細胞を細胞培養用96ウェルプレートに細胞数が 5x103 cells/well、培養液が 100 μL/well となるように播種し一晩培養した。CEA-V2122と光活性化化合物標識ビオチン改変体の複合体溶液は、CEA-V2122と各コンパウンドとのモル比が1:2となるように混合し室温で10分間インキュベーションをおこない、CEA-V2122の最終濃度5 μg/mLとなるように培養液で濃度調製を行なった。希釈系列は5 μg/mLを開始濃度とし、5倍希釈系列(5.0 μg/mL, 1.0 μg/mL, 0.2 μg/mL)を調製した。また、複合体を含まない培地のみをコントロールとした。
次に、一晩培養した細胞の培養液を廃棄し、調製した複合体希釈系列液(5.0μg/mL, 1.0 μg/mL, 0.2 μg/mL)を100 μL/well となるように添加した。複合体添加、24時間後に 690 ± 10 nm の波長の光を出すLEDを用い、100 J/cm2 となるように細胞に光を照射した。その後、24時間培養し Cell Counting Kit-8 (同仁化学社) を用いて生細胞数の比較を行なった。用法用量は取扱説明書に従い試薬添加1時間半37℃、CO2 インキュベーターでインキュベーションしたのち、吸光度450nmを測定し、平均値を計算しバックグラウンド補正後、コントロールを100%として各条件のコントロールに対する細胞増殖の割合を計算した。MKN45細胞の結果を図7、DLD1細胞の図8に示す。また、図中のエラーバーは標準偏差を示す。これらの結果より、コンパウンド5(5μg/mL)の反応以外は、抗原特異的、抗体濃度依存的な反応であることが確認された。
配列番号1
AEAGITGTWSDQLGDTFIVTAGADGALTGTYENAVGGAESRYVLTGRYDSAPATDGSGTALGWTVAWKNNSKNAHSATTWSGQYVGGADAKINTQWLLTSGTTNANAWKSTLVGHDTFTKVKPSAASHHHHHH
配列番号2(sm3E-scFv配列)
QVKLEQSGAEVVKPGASVKLSCKASGFNIKDSYMHWLRQGPGQRLEWIGWIDPENGDTEYAPKFQGKATFTTDTSANTAYLGLSSLRPEDTAVYYCNEGTPTGPYYFDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSENVLTQSPSSMSVSVGDRVNIACSASSSVPYMHWLQQKPGKSPKLLIYLTSNLASGVPSRFSGSGSGTDYSLTISSVQPEDAATYYCQQRSSYPLTFGGGTKLEIK
配列番号3
QVKLEQSGAEVVKPGASVKLSCKASGFNIKDSYMHWLRQGPGQRLEWIGWIDPENGDTEYAPKFQGKATFTTDTSANTAYLGLSSLRPEDTAVYYCNEGTPTGPYYFDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSENVLTQSPSSMSVSVGDRVNIACSASSSVPYMHWLQQKPGKSPKLLIYLTSNLASGVPSRFSGSGSGTDYSLTISSVQPEDAATYYCQQRSSYPLTFGGGTKLEIKGGGGSGGGGAEAGITGTWSDQLGDTFIVTAGADGALTGTYENAVGGAESRYVLTGRYDSAPATDGSGTALGWTVAWKNNSKNAHSATTWSGQYVGGADAKINTQWLLTSGTTNANAWKSTLVGHDTFTKVKPSAASHHHHHH
配列番号4
MKYLLPTAAAGLLLLAAQPAMAQVKLEQSGAEVVKPGASVKLSCKASGFNIKDSYMHWLRQGPGQRLEWIGWIDPENGDTEYAPKFQGKATFTTDTSANTAYLGLSSLRPEDTAVYYCNEGTPTGPYYFDYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSENVLTQSPSSMSVSVGDRVNIACSASSSVPYMHWLQQKPGKSPKLLIYLTSNLASGVPSRFSGSGSGTDYSLTISSVQPEDAATYYCQQRSSYPLTFGGGTKLEIKGGGGSGGGGAEAGITGTWSDQLGDTFIVTAGADGALTGTYENAVGGAESRYVLTGRYDSAPATDGSGTALGWTVAWKNNSKNAHSATTWSGQYVGGADAKINTQWLLTSGTTNANAWKSTLVGHDTFTKVKPSAASHHHHHH
配列番号5
ATGAAATATCTGCTGCCGACCGCAGCAGCGGGTCTGCTGCTGCTGGCAGCACAGCCTGCAATGGCACAGGTTAAACTGGAACAGAGCGGTGCCGAAGTTGTTAAACCGGGTGCAAGCGTTAAACTGAGCTGTAAAGCAAGCGGCTTTAACATCAAAGATAGCTATATGCATTGGCTGCGTCAGGGTCCGGGTCAGCGTCTGGAATGGATTGGTTGGATTGATCCGGAAAATGGTGATACCGAATATGCACCGAAATTTCAGGGTAAAGCAACCTTTACCACCGATACCAGCGCAAATACCGCATATCTGGGTCTGAGCAGCCTGCGTCCGGAAGATACCGCAGTGTATTATTGTAATGAAGGCACCCCGACCGGTCCGTATTATTTCGATTATTGGGGTCAGGGCACCCTGGTTACCGTTAGCAGCGGTGGTGGTGGTAGTGGTGGCGGTGGTTCAGGCGGTGGCGGTAGCGAAAATGTTCTGACCCAGAGCCCGAGCAGCATGAGCGTTAGCGTTGGTGATCGTGTTAATATTGCATGTAGCGCAAGCAGCAGCGTTCCGTACATGCACTGGCTGCAGCAGAAACCGGGTAAAAGCCCGAAACTGCTGATTTATCTGACCAGCAATCTGGCAAGCGGTGTTCCGAGCCGTTTTAGCGGTAGCGGTAGTGGCACCGATTATAGCCTGACCATTAGCAGCGTGCAGCCTGAAGATGCAGCAACCTATTATTGTCAGCAGCGTAGCAGTTATCCGCTGACCTTTGGTGGTGGCACCAAACTGGAAATTAAAGGGGGTGGTGGCTCAGGTGGCGGAGGTGCAGAAGCAGGTATTACCGGTACATGGTCAGATCAGCTGGGTGATACCTTTATTGTTACCGCAGGCGCAGATGGTGCACTGACCGGCACCTATGAAAATGCAGTTGGTGGTGCAGAAAGCCGTTATGTGCTGACCGGTCGTTATGATAGCGCACCGGCAACCGATGGTAGCGGCACCGCACTGGGTTGGACCGTTGCATGGAAAAATAACAGCAAAAATGCACATAGCGCAACCACCTGGTCAGGTCAGTATGTGGGTGGTGCCGATGCCAAAATTAACACCCAGTGGCTGCTGACCAGCGGTACAACCAATGCAAATGCCTGGAAAAGTACCCTGGTTGGTCATGATACATTCACCAAAGTTAAACCGAGCGCAGCAAGCCATCATCATCACCATCATTAA
配列番号6
MDKIAIVNMGSLFQQVAQKTGVSNTLENEFKGRASELQRMETDLQAKMKKLQSMKAGSDRTKLEKDVMAQRQTFAQKAQAFEQDRARRSNEERGKLVTRIQTAVKSVANSQDIDLVVDANAVAYNSSDVKDITADVLKQVK
配列番号7
GGGGSGGGG
配列番号8
AAGGAGATATACATATGGATAAAATTGCCATTGTTAATAT
配列番号9
TTGAGATCTGCCATATGTTATTTCACTTGTTTCAGAACG
配列番号10
AGAAGGAGATATACCATGAAATATCTGCTGCCGAC
配列番号11
CGCCGAGCTCGAATTTTAATGATGGTGATGATGATG
配列番号12
GGTATATCTCCTTCTTAAAGTTAAAC
配列番号13
AATTCGAGCTCGGCGCGCCTGCAG

Claims (12)

  1. 下記式(1)で示される化合物又はその塩。
    Figure 2021054739
    (式中、
    Xは、親水性基、カチオン基又はアミノ基を末端に有する置換基、あるいは−OHである。
    X1a、X1b、X2a及びX2bはそれぞれ独立にO又はNHを示し、
    及びYはそれぞれ独立にC又はSを示し、
    及びZはそれぞれ独立にO、S又はNHを示し、
    及びVはそれぞれ独立にS又はS−Oを示し、n1及びn2はそれぞれ独立に0又は1の整数を示し、
    及びLはそれぞれ独立に、2価の連結基を示し、
    は、3価の連結基を示し、
    、L、及びLはそれぞれ独立に、2価の連結基を示す。)
  2. 下記式(2)で示される、請求項1に記載の化合物又はその塩。
    Figure 2021054739
    (式中の各記号の意味は請求項1と同義である。)
  3. X1a、X1b、X2a及びX2bがNHを示し、Y及びYがCを示し、Z及びZがNHを示し、V及びVがSを示す、請求項1又は2に記載のコンジュゲート。
  4. 及びLがそれぞれ独立に、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO―、−CO−、−O−、及び炭素数1から10のアルキレン基から選択される基の組み合わせからなる2価の連結基である、請求項1から3の何れか一項に記載のコンジュゲート。
  5. が、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−NH−、及び炭素数1から10のアルキレン基から選択される基の組み合わせからなる基である、請求項1から4の何れか一項に記載のコンジュゲート。
  6. が、
    Figure 2021054739
    トリアゾール基、−S−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−NH−、炭素数1から10のアルキレン基、またはこれらの組み合わせからなる基である、請求項1から5の何れか一項に記載のコンジュゲート。
  7. が、−Si(R)(R)−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−NH−、炭素数1から10のアルキレン基、またはこれらの組み合わせからなる基である、請求項1から6の何れか一項に記載のコンジュゲート。
  8. Xで示される親水性基、カチオン基又はアミノ基を末端に有する置換基が、下記の何れかである、請求項1から7の何れか一項に記載のコンジュゲート。
    Figure 2021054739
  9. 以下の何れかの化合物。
    Figure 2021054739
    Figure 2021054739
    Figure 2021054739
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載のコンジュゲートを含む、治療剤。
  11. (1)請求項1から9の何れか1項に記載のコンジュゲート、及び(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列(ただし、C末端のヒスチジンタグの一部又は全部は欠失していてもよい)を含むストレプトアビジン変異体と分子プローブとのコンジュゲート:を含む治療キット。
  12. 分子プローブが、抗EREG抗体、抗CEA抗体、または抗HER2抗体である、請求項11に記載の治療キット。
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