JP2021054196A - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャニスターの取り付けにあたって部品点数の減少および組み立て作業性の向上に寄与することができる鞍乗り型車両を提供する。【解決手段】鞍乗り型車両は、燃料タンク14を覆って、燃料タンク14の左右から下方に向かって広がる壁体66を有する車体カバー13と、燃料タンク14の下方に配置され、車体前後方向に設定される回転軸線Rx回りで回転自在にクランクシャフトを支持し、左右一方の壁体66から遠ざかるように回転軸線Rx回りで鉛直方向Vpから傾いたシリンダー軸線Cxを有する内燃機関41と、内燃機関41および壁体66の間に形成される空間68に配置され、壁体66の内側に支持され、燃料タンク14内で発生した蒸発燃料を吸着するキャニスター71とを備える。【選択図】図4
Description
本発明は、燃料タンクを覆って、燃料タンクの左右から下方に向かって広がる壁体を有する車体カバーと、燃料タンクの下方に配置され、車体前後方向に設定される回転軸線回りで回転自在にクランクシャフトを支持し、左右一方の壁体から遠ざかるように回転軸線回りで鉛直方向から傾いたシリンダー軸線を有する内燃機関と、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を吸着するキャニスターとを備える鞍乗り型車両に関する。
特許文献1には、前二輪および後二輪で懸架される車体フレームを有する鞍乗り型車両すなわち全地形対応車(ATV)が開示される。全地形対応車は、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を吸着するキャニスターを備える。この全地形対応車では、燃料タンクの下方で車両前後方向に沿った姿勢で上下に並んで2つのキャニスターが設置される。
車体フレームには支持プレートが固定される。支持プレートは、上向きに延びる1対の平板片と、水平方向に延びる1対の平板片とを有する。キャニスターには、マウントステーの差し込みを受け入れる孔を有するマウントラバーが取り付けられる。マウントラバーにマウントステーが差し込まれることでキャニスターは車体フレームに取り付けられる。とはいえ、キャニスターに固有の支持プレートが車体フレームに固定されることから、部品点数が増加してしまい、組み立ての作業性も落ちてしまう。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、キャニスターの取り付けにあたって部品点数の減少および組み立て作業性の向上に寄与することができる鞍乗り型車両を提供することを目的とする。
本発明の第1側面によれば、燃料タンクを覆って、前記燃料タンクの左右から下方に向かって広がる壁体を有する車体カバーと、前記燃料タンクの下方に配置され、回転軸線回りで回転自在にクランクシャフトを支持し、左右の前記壁体の間で、前記回転軸線回りに鉛直方向から傾いたシリンダー軸線を有する内燃機関と、前記燃料タンク内で発生した蒸発燃料を吸着するキャニスターとを備える鞍乗り型車両において、前記キャニスターは、前記内燃機関の傾きに応じて広がった空間に配置され、前記壁体の内側に支持される。
第2側面によれば、第1側面の構成に加えて、前記車体カバーは、湾曲域の形成に基づき高められた剛性を有する。
第3側面によれば、第1または第2側面の構成に加えて、鞍乗り型車両は、前記内燃機関の前側に配置される排気ポートに接続されて、前記内燃機関を挟んで前記空間から反対側の空間を通って前記内燃機関のシリンダーブロックに沿って車両後方に延びる排気管を備える。
第4側面によれば、第3側面の構成に加えて、前記クランクシャフトの前記回転軸線は車体前後方向に設定され、前記キャニスターは、前記排気管で前記内燃機関の前記排気ポートから前方に延びる領域に並列に配置される。
第5側面によれば、第1〜第4側面のいずれか1の構成に加えて、鞍乗り型車両は、前記燃料タンクを支持し、車両前後方向に延びるメインフレームをさらに備え、前記キャニスターは、前記メインフレームに並列に前後方向に延びる中心軸を有する円筒形に形成される。
第6側面によれば、第5側面の構成に加えて、前記キャニスターは、前上がり傾斜に配置され、後端にドレインチューブに接続されるドレイン口を有する。
第7側面によれば、第1〜第6側面のいずれか1の構成に加えて、鞍乗り型車両は、前記内燃機関に向かって前記壁体の内面から内向きに延びる板片で形成されるマウントステーと、前記キャニスターに取り付けられて、前記マウントステーの差し込みを受け入れる孔を有するマウントラバーとを備える。
第8側面によれば、第1〜第7側面のいずれか1の構成に加えて、前記壁体は、前記内燃機関のシリンダーヘッドへのアクセスを許容するアクセス路を確保する下縁を有する。
第1側面によれば、内燃機関はクランクシャフトの回転軸線回りに傾くことから、左右の壁体の間には、内燃機関の傾斜で広げられた空間が形成される。こうした空間にキャニスターは配置される。したがって、キャニスターの配置にあたって車体カバー内の空間は有効に利用されることができる。車両の大型化は回避されることができる。しかも、キャニスターは車体カバーに支持されるので、キャニスター向けのフレームやキャニスター専用の保護カバーを設けることなくキャニスターは燃料タンクに近い位置に配置されることができる。
第2側面によれば、湾曲域の働きで車体カバーの剛性は単純な平板に比べて高められることができる。したがって、壁体にキャニスターが支持されても、車体カバーは良好に原形を維持することができる。キャニスターは良好に定位置に保持されることができる。
第3側面によれば、キャニスターは内燃機関を挟んで排気管の反対側に配置されることから、排気管は内燃機関の傾きに応じて形成される空間に効率的に配置されることができる。その結果、車幅方向に排気管の出っ張りは抑制されることができる。車両の大型化は回避されることができる。
第4側面によれば、キャニスターには排気管から輻射熱が伝達されることができる。排気管の熱に応じてキャニスターではパージは促進されることができる。キャニスターの性能は向上することができる。
第5側面によれば、キャニスターはメインフレームに並列に延びることから、キャニスターはメインフレームの周辺に集中的に配置されることができる。車体カバーの内側では効率的に空間は占有されることができる。車体カバーの内側では集約的にまとまった空き空間は確保されることができる。
第6側面によれば、キャニスターはドレイン口に向かって下降することから、キャニスターでは良好なドレイン性能が得られることができる。キャニスター内の容積は効果的に活用されることができる。キャニスターの性能は向上する。
第7側面によれば、車体カバーの内面ではマウントラバーにマウントステーが差し込まれることでキャニスターは車体カバーに取り付けられることができる。キャニスターは容易に車体カバーの内側に取り付けられることができる。
第8側面によれば、例えばメンテナンスの作業者など、アクセス路からキャニスターに簡単にアクセスすることができる。したがって、メンテナンス作業は簡単に実現されることができる。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。ここで、車体の上下前後左右は鞍乗り型車両(全地形対応車)に乗車した乗員の目線に基づき規定される。
図1は本発明の一実施形態に係る鞍乗り型車両すなわち全地形対応車(ATV)の全体構成を概略的に示す。全地形対応車11は、地面に着地する左右の前輪WFと、前輪WFよりも決められた距離で後方に離れた位置で地面に着地する左右の後輪WRと、前輪WFおよび後輪WRに懸架装置で連結されて、地面の上方に支持される車体フレーム12と、車体フレーム12に取り付けられて、車体フレーム12を覆う車体カバー13とを備える。車体フレーム12には、燃料タンク14の後方で予め決められた地上高さに配置される乗員シート15が結合される。乗員は乗員シート15に跨がる。乗員シート15は、前輪WFおよび後輪WRの4輪にバランスよく重量が作用する位置に配置される。
燃料タンク14の前方で車体フレーム12には操舵系16が連結される。操舵系16は、左右の前輪WFに連結されて、車両の旋回にあたって軸心Sx回りで回転自在に支持されるステアリングシャフト17を備える。ステアリングシャフト17の上端には、ステアリングシャフト17から左右に延びるハンドルバー18が固定される。走行にあたって、乗員シート15に跨がる乗員は、ハンドルバー18の左右端に取り付けられるグリップ19を把持することができる。
車体カバー13は、燃料タンク14を覆うタンクカバー13aと、タンクカバー13aから連続して、燃料タンク14の左右から下方に向かって広がる左右のサイドカバー13bと、タンクカバー13aから前方に連続して、個々に個別に前輪WFに覆い被さるフロントフェンダー21を相互に接続するフロントカバー13cと、乗員シート15の後方に配置されて、個々に個別に後輪WRに覆い被さるリアフェンダー22を相互に接続するリアカバー13dとを備える。サイドカバー13bの下方には、水平面に沿って前後方向に広がってフロントフェンダー21およびリアフェンダー22に接続されるステップ23が配置される。タンクカバー13aの外面は滑らかに乗員シート15に連続する。
フロントカバー13cには、ハンドルバー19の前方で、水平面に沿って搭載面を規定するフロントキャリアラック24が固定される。フロントキャリアラック24の搭載面には荷物その他が搭載されることができる。リアカバー13dには、乗員シート15の後方で、水平面に沿って搭載面を規定するリアキャリアラック25が固定される。リアキャリアラック25の搭載面には荷物その他が搭載されることができる。
フロントカバー13cの前方にはフロントプロテクター26が配置される。フロントプロテクター26は前方からフロントカバー13cに固定される。フロントプロテクター26は、前方から衝突する物体(例えば動物など)から車両の前端を保護する。
図2に示されるように、車体フレーム12は、燃料タンク14の前端に沿って湾曲する湾曲域27aの両端から、燃料タンク14の左右両側に沿って車両前後方向に後ろ下がりに延びるメインフレーム27と、メインフレーム27の湾曲域27aの両端付近から前下りに延びるフロントダウンフレーム28と、フロントダウンフレーム28の下端から水平方向に後方に延びて、メインフレーム27の下端域に接続されるロワーフレーム29とを備える。メインフレーム27、フロントダウンフレーム28およびロワーフレーム29は相互に溶接されて左右の枠体を構成する。メインフレーム27、フロントダウンフレーム28およびロワーフレーム29は例えばアルミニウムのパイプ材から形成される。燃料タンク14はメインフレーム27に支持される。
枠体は、フロントダウンフレーム28の中間位置からロワーフレーム29の中間位置まで下降するサブダウンフレーム31と、サブダウンフレーム31の中間位置から前方に延びて、フロントダウンフレーム28に結合されるフロントサブフレーム32とで補強される。サブダウンフレーム31の結合およびフロントサブフレーム32の結合は例えば溶接で実現される。サブダウンフレーム31およびフロントサブフレーム32は例えばアルミニウムのパイプ材から形成される。
左右の枠体は、車幅方向に水平方向に延びる複数のクロスメンバー33で相互に接続される。クロスメンバー33には、フロントダウンフレーム28同士を相互に結合するクロスメンバー33aや、ロワーフレーム29同士を相互に結合するクロスメンバー33b、フロントサブフレーム32同士を相互に結合するクロスメンバー33cが含まれる。クロスメンバー33は例えばアングル材やパイプ材から形成されることができる。
サブダウンフレーム31およびメインフレーム27には保護部材34が結合される。保護部材34は、サブダウンフレーム31の中間位置に結合される前端から後上がりに延び、後端でメインフレーム27に結合される。保護部材34は例えばアルミニウムの板材から形成される。
メインフレーム27には、燃料タンク14左右のメインフレーム27から水平方向に後方に向かって延びるリアアッパーフレーム35が結合される。リアアッパーフレーム35は、その中間位置で車幅方向に水平方向に延びる連結部材36で相互に連結される。連結部材36には、連結部材36上で左右に離れた位置から個別にメインフレーム27の下端に向かって延びるリアダウンフレーム37が結合される。リアダウンフレーム37は連結部材36およびメインフレーム27にそれぞれ溶接される。リアダウンフレーム37は例えばアルミニウムのパイプ材から形成される。
リアアッパーフレーム35の後端にはリアサブフレーム38が結合される。リアサブフレーム38は、リアアッパーフレーム35の後端から前下がりに延びて、連結部材36よりも下方でリアダウンフレーム37に結合される。いずれの結合も例えば溶接で確立されることができる。リアサブフレーム38は例えばアルミニウムのパイプ材から形成される。リアアッパーフレーム35に乗員シート15は支持される。
車体フレーム12には、燃料タンク14の下方に配置され、前輪WFおよび後輪WRに伝達される動力を生成する内燃機関41が支持される。図3に示されるように、内燃機関41は、車体前後方向に設定される回転軸線Rx回りで回転自在にクランクシャフト42を支持するクランクケース43と、クランクケース43に結合されて、シリンダー軸線Cxに沿ってピストン44の線形往復運動を案内するシリンダーブロック45と、シリンダ−ブロック45に結合されて、ピストン44との間に燃焼室46を区画するシリンダーヘッド47と、シリンダーヘッド47に結合されて、燃焼室46の吸排気を制御する動弁機構に覆い被さるヘッドカバー48とを備える。ピストン44はコネクティングロッド49でクランクシャフト42のクランクに連結される。ピストン44の線形往復運動はクランクシャフト42の回転運動に変換される。
シリンダーヘッド47には、後面から前方に延びて、燃焼室46の天井面に開口する吸気ポート51と、前面から後方に延びて、燃焼室46の天井面に開口する排気ポート52とが形成される。動弁機構は、軸方向に変位自在にシリンダーヘッド47に支持されて、燃焼室46内に配置される弁体53aで吸気ポート51の開閉を制御する吸気バルブ53と、軸方向に変位自在にシリンダーヘッド47に支持されて、燃焼室46内に配置される弁体54aで排気ポート52の開閉を制御する排気バルブ54とを備える。吸気ポート51は内燃機関41の後側に配置される。排気ポート52は内燃機関41の前側に配置される。
内燃機関41の吸気行程では、吸気バルブ53は開弁し燃焼室46に吸気ポート51を接続する。排気バルブ54は閉弁のまま燃焼室46から排気ポート52を隔てる。ピストン44の下降に応じて燃焼室46内に混合気は導入される。圧縮行程では、吸気バルブ53および排気バルブ54はともに閉弁し燃焼室46は隔離される。ピストン44の上昇に応じて燃焼室46の容積は減少し混合気は圧縮される。燃焼行程では、燃焼室46内で混合気に点火プラグから着火される。混合気の燃焼に応じてピストン44は下降し燃焼室46の容積は増大する。動力は生成される。排気行程では、吸気バルブ53は閉弁状態に維持される一方で、排気バルブ54は開弁して燃焼室46は排気ポート52に接続される。ピストン44の上昇に応じて排気ガスは燃焼室46から排出される。
内燃機関41には、燃焼室46に混合気を供給する吸気装置55と、燃焼室46から燃焼後の排気ガスを排気する排気装置56とが接続される。吸気装置55は、シリンダーヘッド47の後面に結合されて、吸気ポート51に接続される気道を形成するスロットルボディ57と、スロットルボディ57に結合されてスロットルボディ57から後方に延びる吸気管58と、吸気管58の後端に結合されて、外気を濾過するエアクリーナー59とを備える。外気は、エアクリーナー59に流入し、濾過された後に吸気管58からスロットルボディ57の気道に供給される。
スロットルボディ57には気道を開閉するスロットルバルブ61が支持される。スロットルバルブ61は気道を流通する空気の流量を調整する。スロットルボディ57にはスロットルバルブ61の下流で燃料噴射装置62が取り付けられる。スロットルボディ57の気道を流通する空気に燃料噴射装置62から燃料が噴射される。こうして混合気は生成される。吸気行程で混合気は燃焼室46に導入される。
排気装置56は、シリンダーヘッド47の前面に結合されて、前方に向かって延びるとともにU字状に折り返されて車両後方に向かって延びる排気管63と、排気管63の後端に接続されて、内燃機関41の排気音を抑制するサイレンサー64とを備える。排気管63は、シリンダーヘッド47の排気ポート52から水平方向に前方に延びる前管63aと、前管63aの前端に接続される屈曲域63bから水平方向に後方に延びる後管63cとを有する。後管63cには排気ガスを浄化する触媒65が組み込まれる。燃焼室46から排気される排気ガスは排気管63からサイレンサー64を経て車両後方に排出される。
図4に示されるように、内燃機関41は、左右一方のサイドカバー13b(ここでは左サイドカバー66)から遠ざかるようにクランクシャフト42の回転軸線Rx回りで鉛直方向Vpから傾いたシリンダー軸線Cxを有する。クランクケース43はシリンダーブロック45に比べて車幅方向に膨らむ。シリンダーブロック45は、回転軸線Rx回りの傾きに応じて左右他方のサイドカバー13b(右サイドカバー67)に近づくものの、後輪WRの車軸に直交しつつクランクケース43に左右方向外側から接する仮想鉛直面Pvよりも内側に配置される。排気管63は、クランクケース43の上方でシリンダーブロック45に沿って車両後方に延びる。
全地形対応車11は、内燃機関41および左サイドカバー66の間に形成される空間68(以下「拡張された空間」という)に配置され、左サイドカバー66の内側に支持されるキャニスター71を備える。排気管63は、内燃機関41のシリンダーブロック45を挟んで、拡張された空間68の反対側の空間を通る。キャニスター71は、車両前後方向に延びるメインフレーム27に並列に前後方向に延びる中心軸Xcを有する円筒形の筐体71aを備える。筐体71aは前上がり傾斜に配置される。筐体71a内には、燃料タンク14から発生する燃料揮発ガスを吸着する活性炭が収容される。図5に示されるように、サイドカバー13bには、壁体の外側への出っ張りや内側への凹みといった湾曲域72の形成に応じて、車体前後方向に走る稜線73aや、車体前後方向に直交する鉛直方向に走る稜線73b、その他の稜線が確立される。これら稜線73a、73bの働きでサイドカバー13bの剛性は高められる。
図6に示されるように、左サイドカバー66の内面には、内燃機関41に向かって内向きに水平方向に延びる板片で形成されるマウントステー74が配置される。マウントステー74は例えば樹脂製の左サイドカバー66に一体成型されることができる。ここでは、前後に2つのマウントステー74が設置される。マウントステー74は共通の水平面に沿って広がる。
キャニスター71の筐体71aには、個々にマウントステー74の差し込みを受け入れる孔75aを有する前後2つのマウントラバー75が取り付けられる。マウントラバー75は、筐体71aの円筒面に巻き付けられる環状体75bと、環状体75bから外側に膨らんで差し込みの孔75aを形成する拡大片75cとを有する。孔75aにマウントステー74が差し込まれると、ゴム材の弾性に基づきマウントラバー75はマウントステー74を拘束する。こうしてキャニスター71は左サイドカバー66の内側に取り付けられる。キャニスター71は、排気管63で排気ポート52から前方に延びる領域すなわち前管63aに並列に配置される。
図7に示されるように、キャニスター71の前端では、チャージチューブ76の一端に差し込まれて、チャージチューブ76に接続されるチャージ口を区画するチャージ用ニップル77と、パージチューブ78の一端に差し込まれて、パージチューブ78に接続されるパージ口を区画するパージ用ニップル79とが筐体71aに形成される。チャージチューブ76は他端で燃料ポンプ(図示されず)の支持板81に接続される。支持板81は燃料タンク14の天井面に組み込まれる。支持板81には、燃料タンク14内の空間に配置される燃料ポンプが支持される。チャージチューブ76には燃料タンク14内の空間から支持板81を通過して燃料揮発ガスが流入する。パージチューブ78の他端は吸気装置55に接続される。キャニスター71内の燃料揮発ガスはエアクリーナー59で濾過された外気に混合される。
キャニスター71の後端では、外気導入チューブ82の一端に差し込まれて、外気導入チューブ82に接続される外気口を区画する外気導入用ニップル83と、ドレインチューブ84の一端に差し込まれて、ドレインチューブ84に接続されるドレイン口を区画するドレイン用ニップル85とが筐体71aに形成される。外気導入チューブ82の他端は燃料タンク14のキャップ86に近接する位置で開放される。外気導入チューブ82の他端はタンクカバー13aの内側に配置される。タンクカバー13aの内側の空気は必要に応じてキャニスター71に流入することができる。ドレインチューブ84の他端はドレイン受けなどに開放される。
図1に示されるように、サイドカバー13bには、内燃機関41のシリンダーヘッド47へのアクセスを許容するアクセス路87を確保する下縁88が形成される。サイドカバー13bの下方であってステップ23の上方ではクランクケース43の外面にプロテクター89が取り付けられる。図4に示されるように、キャニスター71は右サイドカバー66の下縁88に沿って配置される。
次にキャニスター71の動作を説明する。燃料タンク14では燃料の気化に基づき燃料揮発ガスが発生する。燃料揮発ガスは燃料タンク14の上方に溜まる。キャニスター71に負圧が作用すると、燃料揮発ガスはチャージチューブ76に吸い込まれる。チャージチューブ76から燃料揮発ガスはキャニスター71に流入する。活性炭の働きで筐体71a内に燃料揮発ガスは蓄えられる。したがって、燃料タンク14のキャップ86が開放されても、燃料タンク14の外側に向かって燃料揮発ガスの漏れは防止される。
内燃機関41の作動中にパージバルブが開放されると、吸気ポート51の負圧は筐体71a内の空間に作用する。負圧に応じて筐体71a内の空間には外気導入チューブ82から外気が導入される。活性炭に吸着した燃料は外気の働きで気化する。キャニスター71でパージガスが生成される。パージガスはパージチューブ78から例えばシリンダーヘッド47の吸気ポート51に放出される。パージガスは、燃料噴射装置62の働きで生成される混合気に混ざって燃焼室46に導入される。こうして燃料揮発ガスは内燃機関41の作動に寄与する。
本実施形態に係る全地形対応車11では、キャニスター71は、内燃機関41および左サイドカバー66の間で拡張された空間68に配置され、左サイドカバー66の内側に支持される。内燃機関41はクランクシャフト42の回転軸線Rx回りに傾くことから、内燃機関41と左サイドカバー66との間には、内燃機関41の傾斜で広げられた空間68が形成される。こうした空間68にキャニスター71は配置される。したがって、キャニスター71の配置にあたって車体カバー13内の空間は有効に利用されることができる。車両の大型化は回避されることができる。しかも、キャニスター71は車体カバー13に支持されるので、キャニスター71向けのフレームやキャニスター71専用の保護カバーを設けることなくキャニスター71は燃料タンク14に近い位置に配置されることができる。
本実施形態では、車体カバー13は、湾曲域72の形成に基づき高められた剛性を有する。湾曲域72の働きで車体カバー13の剛性は単純な平板に比べて高められる。したがって、左サイドカバー66にキャニスター71が支持されても、車体カバー13は良好に原形を維持することができる。キャニスター71は良好に定位置に保持されることができる。
本実施形態に係る排気管63は、内燃機関41の前側に配置される排気ポート52に接続されて、内燃機関41を挟んで拡張された空間68から反対側の空間を通って内燃機関41のシリンダーブロック45に沿って車両後方に延びる。キャニスター71は内燃機関41を挟んで排気管63の反対側に配置されることから、排気管63は内燃機関41の傾きに応じて形成される空間68に効率的に配置されることができる。その結果、車幅方向に排気管63の出っ張りは抑制される。車両の大型化は回避される。
本実施形態に係るキャニスター71は、排気管63で内燃機関41の排気ポート52から前方に延びる領域(前管63a)に並列に配置される。キャニスター71には排気管63から輻射熱が伝達されることができる。排気管63の熱に応じてキャニスター71ではパージは促進されることができる。キャニスター71の性能は向上することができる。
キャニスター71は、メインフレーム27に並列に前後方向に延びる中心軸Xcを有する円筒形に形成される。キャニスター71はメインフレーム27に並列に延びることから、キャニスター71はメインフレーム27の周辺に集中的に配置されることができる。車体カバー13の内側では効率的に空間は占有される。車体カバー13の内側では集約的にまとまった空き空間は確保されることができる。
本実施形態では、キャニスター71は、前上がり傾斜に配置され、後端にドレインチューブ84に接続されるドレイン口を有する。キャニスター71はドレイン口に向かって下降することから、キャニスター71では良好なドレイン性能が得られることができる。キャニスター71内の容積は効果的に活用されることができる。キャニスター71の性能は向上する。
キャニスター71には、マウントステー74の差し込みを受け入れる孔75aを有するマウントラバー75が取り付けられる。車体カバー13の内面ではマウントラバー75にマウントステー74が差し込まれることでキャニスター71は車体カバー13に取り付けられることができる。キャニスター71は容易に車体カバー13の内側に取り付けられることができる。
サイドカバー13b(左サイドカバー66)は、内燃機関41のシリンダーヘッド47へのアクセスを許容するアクセス路87を確保する下縁88を有する。例えばメンテナンスの作業者など、アクセス路87からキャニスター71に簡単にアクセスすることができる。したがって、メンテナンス作業は簡単に実現されることができる。
本実施形態では、外気導入チューブ82の他端は燃料タンク14のキャップ86に近接する位置で開放される。外気導入チューブ82の他端はタンクカバー13aで覆われることから、キャニスター71は埃の少ない空気を吸入することができる。加えて、キャニスター71と外気の吸い口とが左右に離間して配置されることから、外気導入チューブ82には十分な管長が確保されることができ、通路抵抗を最適化させてパージを緩和し、エンジン性能を向上することができる。
11…鞍乗り型車両(全地形対応車)、13…車体カバー、13b…壁体(サイドカバー)、14…燃料タンク、27…メインフレーム、41…内燃機関、42…クランクシャフト、52…排気ポート、63…排気管、63a…前方に延びる領域(前管)、66…壁体(左サイドカバー)、68…空間(拡張された空間)、71…キャニスター、72…湾曲域、74…マウントステー、75…マウントラバー、84…ドレインチューブ、87…アクセス路、88…(壁体の)下縁、Cx…シリンダー軸線、Rx…(クランクシャフトの)回転軸線、Xc…(キャニスター)の中心軸。
Claims (8)
- 燃料タンク(14)を覆って、前記燃料タンク(14)の左右から下方に向かって広がる壁体(13b)を有する車体カバー(13)と、
前記燃料タンク(14)の下方に配置され、回転軸線(Rx)回りで回転自在にクランクシャフト(42)を支持し、左右の前記壁体(66)の間で、前記回転軸線(Rx)回りに鉛直方向から傾いたシリンダー軸線(Cx)を有する内燃機関(41)と、
前記燃料タンク(14)内で発生した蒸発燃料を吸着するキャニスター(71)と
を備える鞍乗り型車両(11)において、
前記キャニスター(71)は、前記内燃機関(41)の傾きに応じて広がった空間(68)に配置され、前記壁体(66)の内側に支持される
ことを特徴とする鞍乗り型車両。 - 請求項1に記載の鞍乗り型車両において、前記車体カバー(13)は、湾曲域(72)の形成に基づき高められた剛性を有することを特徴とする鞍乗り型車両。
- 請求項1または2に記載の鞍乗り型車両において、前記内燃機関(41)の前側に配置される排気ポート(52)に接続されて、前記内燃機関(41)を挟んで前記空間(68)から反対側の空間を通って前記内燃機関(41)のシリンダーブロック(47)に沿って車両後方に延びる排気管(63)を備えることを特徴とする鞍乗り型車両。
- 請求項3に記載の鞍乗り型車両において、前記クランクシャフト(42)の前記回転軸線(Rx)は車体前後方向に設定され、前記キャニスター(71)は、前記排気管(63)で前記内燃機関(41)の前記排気ポート(52)から前方に延びる領域(63a)に並列に配置されることを特徴とする鞍乗り型車両。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両において、前記燃料タンク(14)を支持し、車両前後方向に延びるメインフレーム(27)をさらに備え、前記キャニスター(71)は、前記メインフレーム(27)に並列に前後方向に延びる中心軸(Xc)を有する円筒形に形成されることを特徴とする鞍乗り型車両。
- 請求項5に記載の鞍乗り型車両において、前記キャニスター(71)は、前上がり傾斜に配置され、後端にドレインチューブ(84)に接続されるドレイン口を有することを特徴とする鞍乗り型車両。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両において、前記内燃機関(41)に向かって前記壁体(66)の内面から内向きに延びる板片で形成されるマウントステー(74)と、前記キャニスター(71)に取り付けられて、前記マウントステー(74)の差し込みを受け入れる孔を有するマウントラバー(75)とを備えることを特徴とする鞍乗り型車両。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両において、前記壁体(66)は、前記内燃機関(41)のシリンダーヘッド(47)へのアクセスを許容するアクセス路(87)を確保する下縁(88)を有することを特徴とする鞍乗り型車両。
Priority Applications (1)
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JP2019177969A JP2021054196A (ja) | 2019-09-27 | 2019-09-27 | 鞍乗り型車両 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019177969A JP2021054196A (ja) | 2019-09-27 | 2019-09-27 | 鞍乗り型車両 |
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Family Applications (1)
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JP2019177969A Pending JP2021054196A (ja) | 2019-09-27 | 2019-09-27 | 鞍乗り型車両 |
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- 2019-09-27 JP JP2019177969A patent/JP2021054196A/ja active Pending
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