JP2021052684A - 移植機 - Google Patents

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和宏 石山
Kazuhiro Ishiyama
和宏 石山
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Abstract

【課題】施肥作業の後の排出作業において、排出時に発生する肥料の粉を作業者に向けて飛ばないようにする移植機を提供することを目的とする。【解決手段】動力を発生するエンジン(20)と、前記エンジン(20)により発生された動力を利用して施肥作業を行う施肥装置(70)と、前記施肥装置(70)のホッパー(240)に貯留されている作業資材を搬送するための電動ブロアー(270)を備え、前記ホッパー(240)に貯留されている作業資材を排出する排出経路(HK)を設け前記排出経路(HK)に、作業資材を排出する排出口(HD)と、電動ブロアー(270)から発生する搬送風を排出する排風口(HF)を備えたことを特徴とする移植機である。【選択図】図17

Description

本発明は、田植機などのような移植機に関する。
動力を発生するエンジンと、エンジンにより発生された動力を利用して施肥作業を行う施肥装置と、を有する移植機が、知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2018−99101号公報
ところで、施肥作業の後には、ホッパー内の肥料を排出するため、排出経路が備えられている。
しかしながら、上述された従来の移植機に関しては、肥料を排出する際に、肥料の粉が肥料を排出する袋等から舞い上がり、吸ってしまうと人体に悪影響を及ぼす問題がある。
本発明は、上述された従来の課題を考慮し、施肥作業の後の排出作業において、排出時に発生する肥料の粉を作業者に向けて飛ばないようにする移植機を提供することを目的とする。
第1の本発明は、動力を発生するエンジン(20)と、
前記エンジン(20)により発生された動力を利用して施肥作業を行う施肥装置(70)と、
前記施肥装置(70)のホッパー(240)に貯留されている作業資材を搬送するための電動ブロアー(270)を備え、
前記ホッパー(240)に貯留されている作業資材を排出する排出経路(HK)を設け 前記排出経路(HK)に、作業資材を排出する排出口(HD)と、電動ブロアー(270)から発生する搬送風を排出する排風口(HF)を備えたことを特徴とする移植機である。
第2の本発明は、前記排出口(HD)は、前記排風口(HF)より搬送方向下手側に位置すると共に、前記排出口(HD)は前記排風口(HF)より、機体下方に位置することを特徴とする請求項1に記載の移植機である。
第3の本発明は、前記排出経路(HK)は、略一直線であり、前記電動ブロアー(270)を排出経路(HK)の一方側に設け、前記排風口(HF)を前記排出経路(HK)の他方側に設け、前記電動ブロアー(270)と前記排風口(HF)の間に前記電動ブロアー(270)から前記排風口(HF)へ案内する経路と、前記排出口(HD)へ案内する経路とに分岐させる分岐部(BB)を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の移植機である。
第4の本発明は、前記電動ブロアー(270)と前記排風口(HF)は、前記排出経路(HK)の略直線部(TB)に備え、前記排風口(HF)、前記施肥装置(70)の側部から排風され、前記分岐部(BB)により前記施肥装置(70)の下方へ排出経路を延長させて、搬送風と作業資材の自重で落下させることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の移植機である。
第5の本発明は、前記施肥装置(70)へ動力を供給する第一モーター(200)と、施肥作業の前の肥料試し繰出しを行う場合において前記第一モーター(200)を駆動させるコントローラー(400)とを備え、前記コントローラー(400)は、施肥作業の開始時におけるエンジン動力アシストを行う場合においても前記第一モーター(200)を駆動させることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の移植機である。
第1の本明により、排出口とは別に排風口を備えることにより、例えば、肥料排出時に排風口から肥料の粉を排出することで、排出口には、粉が舞う量を減らすことができるため、排出口付近で作業している作業者に粉が飛びにくい。
第2の本発明により、第1の本発明の効果に加えて、排出口を排風口よりも搬送方向下手側に設けることで、先に肥料の粉を排出することで、排出口に肥料の粉が排出される量を少なくすることができる。
第3の本発明により、第1または第2の本発明の効果に加えて、分岐部を備えることで、例えば、肥料排出時に排風口から肥料の粉を排出することで、排出口には、粉が舞う量を減らすことができるため、排出口付近で作業している作業者に粉が飛びにくい。
第4の本発明により、第1から第3の何れか1項に記載の本発明の効果に加えて、排出経路の略直線部に、電動ブロアーと排風口を設け。分岐部により下方へ分岐させた排出経路に排出口を設けることで、電動ブロアーから排風口に向かって肥料の粉が飛び、分岐部によって肥料の自重と電動ブロアーの搬送風で、排出口に肥料を搬送することができる。
第5の本発明により、第1から第4の何れか1項に記載の本発明の効果に加えて、第2の本発明により、第1の本発明の効果に加えて、施肥作業の開始時におけるエンジン動力アシストに関する効率性を向上することが可能である。
本発明における実施の形態の田植機の左側面図 本発明における実施の形態の田植機の平面図 本発明における実施の形態の動力伝達系および制御系のブロック図 本発明における実施の形態の田植機の施肥装置近傍の部分正面図 本発明における実施の形態の田植機の第一モーター近傍の部分正面図 本発明における実施の形態の田植機の第一モーター近傍の部分右側面図 本発明における実施の形態の田植機の肥料繰出しロール部材近傍の部分断面図 本発明における実施の形態の田植機の肥料試し繰出し手動ハンドル近傍の部分正面図(その一) 本発明における実施の形態の田植機の肥料試し繰出し手動ハンドル近傍の部分正面図(その二) 本発明における実施の形態の田植機の肥料試し繰出しスイッチ近傍の部分右側面図 本発明における実施の形態の田植機の第二モーター近傍の部分正面図 本発明における実施の形態の田植機の第二モーター近傍の部分左側面図 本発明における実施の形態の田植機のモニターパネル近傍の部分平面図 本発明における実施の形態の田植機の施肥量表示ラベルプレート近傍の部分左側面図 本発明における実施の形態の田植機の施肥量表示ラベルプレート近傍の部分平面図 本発明における別の実施の形態の田植機の施肥量表示ラベルプレート近傍の部分左側面図 本発明における実施の形態の田植機の施肥装置の排出口近傍の正面図
以下、図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
(A)はじめに、図1から3を参照しながら、本実施の形態の田植機の構成および動作について具体的に説明する。
ここに、図1は本発明における実施の形態の田植機の左側面図であり、図2は本発明における実施の形態の田植機の平面図であり、図3は本発明における実施の形態の動力伝達系および制御系のブロック図である。
図1および2においては、8条植えの乗用型ポット苗用田植機が示されており、植付け装置(100)は4個の植付けユニット(110)を有し、各々の植付けユニット(110)は左右一対の2個の植付け具(111)を有する。理解を容易にするために、車体左側のマーカー(80)については、二つの状態が同時に示されている。
本実施の形態の田植機は、本発明における移植機の一例である。
もちろん、田植機は、8条植えの乗用型ポット苗用田植機に限らず、たとえば、10条植えの乗用型マット苗用田植機であってもよい。
最初に説明されるのは、本実施の形態の田植機の基本的な構成および動作である。したがって、第一モーター(200)などについては、後に詳細に説明する。
運転ユニット(50)は、エンジンカバー(21)の上方に設けられた座席(52)を有する。
座席(52)の前方には、前輪(31)を操作するための操舵ハンドル(51)が設けられている。そして、エンジンカバー(21)の左右両側には、水平なステップフロア(53)が設けられている。さらに、操舵ハンドル(51)の左右両側には、予備苗載台(101)が設けられている。
走行装置(30)は、車体(10)を走行させる装置である。
整地装置(60)は、整地ローター(61)で圃場を整地する装置である。
マーカー(80)は、つぎの植付け作業の目安となるマークを圃場へ形成する、車体(10)へ収納可能に取付けられたマーカーである。
植付け装置(100)は、植付け装置昇降装置(90)を介して車体(10)の後側へ取付けられている。施肥装置(70)の本体は、車体(10)の上側へ取付けられている。
メインフレーム(11)へ取付けられたエンジン(20)の回転動力は、HST(Hydro Static Transmission)機構(41)などを介してトランスミッション機構(42)などへ伝達される。トランスミッション機構(42)において変速された回転動力は、走行装置(30)の前輪(31)および後輪(32)などにおいて利用される走行動力と、植付け装置(100)の植付けユニット(110)などにおいて利用される外部取出動力と、に分離される。
走行動力の一部は左右の前輪ファイナルケースへ伝達されて左右一対の前輪(31)を駆動し、走行動力の残りが左右の後輪ギヤケース(43)へ伝達されて左右一対の後輪(32)を駆動する。そして、後輪ギヤケース(43)へ伝達された走行動力の一部は、整地装置(60)および施肥装置(70)へ伝達される。
(B)つぎに、図3から7を主として参照しながら、本実施の形態の田植機の構成および動作についてより具体的に説明する。
ここに、図4は本発明における実施の形態の田植機の施肥装置(70)近傍の部分正面図であり、図5は本発明における実施の形態の田植機の第一モーター(200)近傍の部分正面図であり、図6は本発明における実施の形態の田植機の第一モーター(200)近傍の部分右側面図であり、図7は本発明における実施の形態の田植機の肥料繰出しロール部材(231)近傍の部分断面図である。
第一モーター(200)は、動力を発生するエンジン(20)により発生された動力を利用して施肥作業を行う施肥装置(70)へ動力を供給するモーターである。
施肥装置(70)の施肥駆動軸部材(230)は、通常の施肥作業においてはエンジン(20)により発生された動力により駆動されるが、肥料試し繰出し作業においては第一モーター(200)により発生された動力により駆動される。施肥駆動軸部材(230)から各々の肥料繰出しロール部材(231)への動力伝達は、植付け作業を行う植付けユニット(110)を選択するための部分条クラッチのオンオフと連動してオンオフされる。
第一モーター(200)は、肥料カプセルとも呼ばれる肥料ホッパー(240)の中に残っている肥料を施肥作業後に手動で排出するための肥料排出レバー(250)と干渉しないように肥料排出レバー(250)のレバー支点の下方に取付けられている。
肥料の比重などは肥料の種類に依存するので、たとえば、肥料が有機肥料である場合において、肥料繰出しロール部材(231)の回転速度が小さすぎると、肥料が肥料繰出しロール部材(231)の凹部(231a)へ十分に充填されないことがある。したがって、施肥作業における現実の施肥量が設定された施肥量数値より過度に小さくならないように、肥料試し繰出し作業における第一モーター(200)のモーター速度は、施肥作業における肥料繰出しロール部材(231)の回転速度などを考慮し、小さすぎないことが望ましい。
コントローラー(400)は、施肥作業の前の肥料試し繰出しを行う場合において第一モーター(200)を駆動させる。
駆動ギヤ部(221)、従動ギヤ部(222)およびカウンターギヤ部(223)を介して伝達された第一モーター(200)の動力は、施肥駆動軸部材(230)および肥料繰出しロール部材(231)と同軸で入力される。
図8および9に示されているように、肥料試し繰出し手動ハンドル(260)は、第一モーター(200)が故障している場合において施肥駆動軸部材(230)の延長された六角軸部材(230a)へ取付けられる、カウンターギヤ部(223)と噛合する鍔部材(261)を有するハンドルである。
ここに、図8および9は、本発明における実施の形態の田植機の肥料試し繰出し手動ハンドル(260)近傍の部分正面図(その一および二)である。
作業者が肥料試し繰出し手動ハンドル(260)により毎分60回転の理想的な回転速度で施肥駆動軸部材(230)を正確に回転させることは必ずしも容易ではないが、たとえば、非接触式の近接センサーとして設けられた回転センサー(225)を利用することにより、第一モーター(200)に理想的な回転速度で施肥駆動軸部材(230)を正確に回転させることは容易である。
第一モーター(200)と、駆動ギヤ部(221)、従動ギヤ部(222)およびカウンターギヤ部(223)と、ワンウェイクラッチ(224)と、回転センサー(225)と、は、めっきボルトのようなボルト部材(251a)および差込み部材(251b)などを利用して取付けられる単一の第一モーターユニットとして、肥料排出レバー(250)を設けるための肥料排出レバーガイド(251)へ取外し可能に取付けられている。したがって、第一モーター(200)が故障している場合において、このような第一モーターユニットはユニット取外しなどにより無効化され、肥料試し繰出し手動ハンドル(260)は施肥駆動軸部材(230)などへ容易に取付けられる。
コントローラー(400)は、施肥作業の開始時におけるエンジン動力アシストを行う場合においても第一モーター(200)を駆動させる。
施肥作業の開始時においては、肥料ホッパー(240)における肥料圧縮などにともなう大きな最大駆動開始負荷が発生することがある。このため、第一モーター(200)によるエンジン動力アシストが行われなければ、施肥駆動軸部材(230)がエンジン(20)により発生された動力のみによりスムーズに駆動されないことがあり、大きな最大駆動開始負荷に対処するために、エンジン(20)の側から第一モーター(200)の側への動力伝達を抑制する比較的に大きなワンウェイクラッチ(224)がしばしば必要である。
本実施の形態においては、施肥作業の開始時における数秒間は、第一モーター(200)によるエンジン動力アシストが行われるので、施肥駆動軸部材(230)はスムーズに駆動され、大きな最大駆動開始負荷に対処するためのワンウェイクラッチ(224)はもちろん不要である。このようなハイブリッド駆動はワンウェイクラッチ(224)の摩耗抑制、および動力伝達系の駆動部品サイズのコンパクト化によるコストダウンを実現するので、ユーザーアピール効果も期待される。
エンジン(20)の側から第一モーター(200)の側への動力伝達を抑制するワンウェイクラッチ(224)のみならず、第一モーター(200)の側からエンジン(20)の側への動力伝達を抑制するワンウェイクラッチも利用されることが望ましい。
施肥装置(70)は、4個の肥料繰出しユニット(71)を有する。
4個の肥料繰出しユニット(71)は、車体左右方向において並んで設けられている。
4個の肥料繰出しユニット(71)の各々は、左右一対の2個の肥料ホッパー(240)、および施肥ホース出口(HD)から肥料を繰出すための左右一対の2個の肥料繰出しロール部材(231)を有する。
施肥作業の前の肥料試し繰出しを行う場合において、コントローラー(400)は、4個の肥料繰出しユニット(71)の内、最も右の肥料繰出しユニット(71)のみに肥料を繰出させるための設定を実行する。
最も右の肥料繰出しユニット(71)の近傍には、肥料試し繰出しのための肥料試し繰出しスイッチ(210)が設けられている。
最も右の肥料繰出しユニット(71)は、本発明における所定の肥料繰出しユニットの一例である。
なお、変形例の実施の形態においては、施肥作業の前の肥料試し繰出しを行う場合において、コントローラー(400)は、4個の肥料繰出しユニット(71)の内、最も左の肥料繰出しユニット(71)のみに肥料を繰出させるための設定を実行してもよく、最も左の肥料繰出しユニット(71)の近傍には、肥料試し繰出しのための肥料試し繰出しスイッチ(210)が設けられていてもよい。
図10に示されているように、肥料試し繰出しスイッチ(210)は、降車して肥料試し繰出しスイッチ(210)を操作する作業者の手の高さなどを考慮し、高い操作性および視認性を有するように肥料排出レバーガイド(251)の車体左右方向における外側面に設けられている。
ここに、図10は、本発明における実施の形態の田植機の肥料試し繰出しスイッチ(210)近傍の部分右側面図である。
肥料試し繰出しスイッチ(210)には、たとえば、肥料試し繰出し作業の実行時においてオンされ、肥料試し繰出し作業の非実行時においてオフされるパイロットランプ(211)が内蔵されている。
最も右の肥料繰出しユニット(71)のみに肥料を繰出させるために、第一モーター(200)の負担が増大しないように、最も右の肥料繰出しユニット(71)の2個の肥料繰出しロール部材(231)のみが回転させられてもよいし、8個の肥料繰出しロール部材(231)の全てが回転させられるが、最も右の肥料繰出しユニット(71)の2個の施肥ホース出口シャッターのみが閉止されずに開放されてもよい。
施肥ホース出口(HD)に装着された肥料受け袋により受けられた肥料の量は、作業者の目視により認識されてもよいし、重量センサーなどを利用して自動的に測定されてモニターパネル(410)などに表示されてもよい。最も右の肥料繰出しユニット(71)のみに肥料を繰出させる場合においても、4個の肥料繰出しユニット(71)の全てに肥料を繰出させる場合における肥料の量が肥料繰出しユニット総数との乗算により算出されて表示されることが望ましい。
肥料試し繰出しスイッチ(210)が一回操作されると、コントローラー(400)は肥料試し繰出しの肥料充填処理のために第一モーター(200)を駆動させる。
より具体的には、作業者がモニターパネル(410)などを利用することにより肥料試し繰出しモードの選択を行うと、最も右の植付けユニット(110)を選択するための部分条クラッチのみがオンされ、パイロットランプ(211)は0.9秒のオン期間および0.1秒のオフ期間を有する点滅周期でゆっくり点滅する。そして、降車した作業者が肥料試し繰出しスイッチ(210)を一回操作すると、パイロットランプ(211)は連続的にオンされ、肥料が肥料繰出しロール部材(231)の表面に設けられた多数の凹部(231a)へ確実に充填されて肥料繰出し精度が向上するように、肥料繰出しロール部材(231)が1回転された後、パイロットランプ(211)は第一モーター(200)の駆動停止にともない毎分3回の点滅周期で再び点滅する。
作業者は、施肥ホース出口(HD)に装着された肥料受け袋により受けられた少しの肥料を、たとえば、肥料ホッパー(240)へ戻す。
肥料試し繰出しスイッチ(210)がさらに一回操作されると、コントローラー(400)は肥料試し繰出しのために第一モーター(200)を駆動させる。
より具体的には、作業者が肥料試し繰出しスイッチ(210)をさらに一回操作すると、パイロットランプ(211)は連続的にオンされ、肥料繰出しロール部材(231)があらかじめ定められた回転速度で10回転された後、パイロットランプ(211)は第一モーター(200)の駆動停止にともないオフされる。
肥料試し繰出しのための第一モーター(200)の駆動後に、コントローラー(400)は、全ての肥料繰出しユニット(71)に肥料を繰出させるための設定を実行する。
なお、変形例の実施の形態においては、肥料試し繰出しのための第一モーター(200)の駆動後に、コントローラー(400)は、肥料試し繰出しスイッチ(210)が操作される前の肥料繰出しユニット(71)に肥料を繰出させるための設定を復元してもよい。
肥料試し繰出しモードが終了された後、後述される施肥量調節が必要ならば行われ、肥料試し繰出しモードの選択がさらに行われる。
誤動作および事故の発生を抑制するために、肥料試し繰出し命令は、つぎの第一から第七の条件が満足される場合において実行される。
第一の条件は、HST主変速レバーの手動レバー操作を無効化するための条件である。つまり、HST機構(41)においては、HSTトラニオン軸の回転角度はゼロであるように設定され、HST斜板の状態はニュートラル状態に固定される。したがって、肥料試し繰出し命令が実行されるとき、車体(10)は走行させられない。
第二の条件は、植付け装置(100)の動作を禁止するための条件である。つまり、肥料試し繰出し命令が実行されるとき、最も右の植付けユニット(110)においてのみならず、残りの植付けユニット(110)においても、植付け具(111)は駆動されない。
第三の条件は、部分条クラッチの手動オンオフ操作を無効化するための条件である。つまり、電動モーターによるワイヤ牽引などを利用することにより、肥料繰出しロール部材(231)への動力伝達は部分条クラッチのオンオフと連動してオンオフされるので、部分条クラッチの手動オンオフ操作にかかわらず、最も右の植付けユニット(110)を選択するための部分条クラッチは自動的にオンされ、残りの植付けユニット(110)を選択するための部分条クラッチは自動的にオフされる。
第四の条件は、植付け装置昇降装置(90)の動作を禁止するための条件である。つまり、肥料試し繰出し命令が実行されるとき、植付け装置昇降装置(90)は上昇させられず下降もさせられない。
第五の条件は、停車ペダルのペダル位置がロック位置であることを保証するための条件である。つまり、肥料試し繰出しスイッチ(210)が操作されても、停車ペダル位置検出スイッチなどにより検出された停車ペダルのペダル位置がロック位置でなければ、ブザー鳴動などが行われ、肥料試し繰出し命令は実行されない。
第六の条件は、電動ブロアー(270)の動作を保証するための条件である。つまり、肥料試し繰出しスイッチ(210)が操作されても、電動ブロアー(270)が送風していなければ、肥料試し繰出し命令は実行されない。
第七の条件は、エンジン(20)の動作を保証するための条件である。つまり、肥料試し繰出しスイッチ(210)が操作されても、エンジン(20)が動力を発生していなければ、肥料試し繰出し命令は実行されない。
たとえば、第七の条件は必須条件ではなく、肥料試し繰出し命令は第一から第七の条件の一部が満足される場合において実行されてもよい。
施肥作業を行う肥料繰出しユニット(71)を選択するための施肥クラッチが設けられている構成においては、肥料試し繰出し命令が実行されるとき、施肥クラッチオンオフ手動ハンドルなどを利用することにより、少なくとも最も右の肥料繰出しユニット(71)の施肥クラッチはオンされていなければならない。
(C)つぎに、図11から13を主として参照しながら、本実施の形態の田植機の構成および動作についてさらにより具体的に説明する。
ここに、図11は本発明における実施の形態の田植機の第二モーター(300)近傍の部分正面図であり、図12は本発明における実施の形態の田植機の第二モーター(300)近傍の部分左側面図であり、図13は本発明における実施の形態の田植機のモニターパネル(410)近傍の部分平面図である。
施肥装置(70)の施肥駆動軸部材(230)は、上述されたように、通常の施肥作業においてはエンジン(20)により発生された動力により駆動される。
エンジン(20)により発生された動力は、施肥量調節機構(72)の施肥量調節ボールねじ(72a)へ取付けられた施肥量調節揺動アーム支点(350a)の周りにクランクアームとしての施肥量調節揺動アーム(350)を揺動させることにより、直線往復運動を発生させ、直線往復運動はワンウェイクラッチ(351)を介して間欠的な回転運動へ変換される。したがって、施肥駆動軸部材(230)は、このような間欠的な回転運動により間欠的に駆動される。
運転ユニット(50)には、施肥量調節機構(72)を利用して行われる施肥量調節のための施肥量調節スイッチ装置(310)が設けられている。
たとえば、モニターパネル(410)の液晶表示部においてキログラム単位で表示される、4個の肥料繰出しユニット(71)の全てに肥料を繰出させる場合における施肥量数値は、いわゆるジョグダイアルとして設けられた施肥量調節スイッチ装置(310)の施肥量調節ダイアル(311)により設定される。
施肥量調節スイッチ装置(310)が操作されると、コントローラー(400)は施肥量調節のための第二モーター(300)を駆動させる。
第二モーター(300)が駆動し、施肥量調節ボールねじ(72a)が駆動ギヤ部(321)、従動ギヤ部(322)およびカウンターギヤ部(323)を介して供給される動力により回転され車体前後方向においてスライドし、施肥量調節ボールねじ(72a)へ取付けられた施肥量調節揺動アーム支点(350a)の位置がポテンショメーター(324)を利用して調節される。このため、作業者が降車しなくても、施肥量調節揺動アーム(350)の揺動量は第二モーター(300)の駆動による施肥量調節揺動アーム支点(350a)の位置調節で調節されるので、施肥量調節は自動的に行われる。
第二モーター(300)のモーター速度はカウンターギヤ部(323)を利用して増大され、10から80キログラムの施肥量調節を実現するための施肥量調節揺動アーム支点(350a)の位置調節はおよそ30秒以内に完了する。
車体(10)が走行していても、作業者による施肥量調節スイッチ装置(310)の手動操作、またはGPS(Global Positioning System)などを利用する自動設定に基づいて第二モーター(300)を駆動させることにより、施肥量調節は容易に行われる。
たとえば、枕地においては、施肥量が大きすぎると苗倒伏が発生しやすいので、施肥量は小さいことが望ましい。
そして、過去の収穫量と位置とが組み合わされた履歴データに応じて、過去の収穫量がより少ない位置における施肥量がより多くなるように、施肥量調節が自動的に行われる。第二モーター(300)の性能などを考慮し、負荷に応じたモーター速度で第二モーター(300)を駆動させ、施肥量調節が間に合わなくならないように、施肥量調節が行われているときの車速は大きくなりすぎないように調節されることが望ましい。
モニターパネル(410)には、GPSのアンテナ感度、および施肥量調節の実行状態に関する情報などが表示されてもよい。いわゆる本機モニターではないタブレット端末装置が作業者の手元にない場合において、施肥作業などが終了された後、本機側に記録されたデータはタブレット端末装置に転送されることが望ましい。
図14および15に示されているように、一端がポテンショメーター検出回転支点(331)へ取付けられた検出アーム(332)には、施肥量調節ボールねじ(72a)へ取付けられた検出ピン(332b)がスライド可能に嵌込まれている検出ピンスライド孔(332a)が形成されている。
ここに、図14は本発明における実施の形態の田植機の施肥量表示ラベルプレート(341)近傍の部分左側面図であり、図15は本発明における実施の形態の田植機の施肥量表示ラベルプレート(341)近傍の部分平面図である。
検出ピン(332b)の初期位置をキログラム単位で表現された施肥量表示ラベルプレート(341)の目盛りと整合させるために、施肥量表示ラベルプレート(341)の位置は工場出荷時において調節される。
施肥量表示ラベル(340)が貼られている施肥量表示ラベルプレート(341)の取付けは、2個の施肥量表示ラベルプレート取付け長孔(341a)へそれぞれ差込まれる2個の施肥量表示ラベルプレート取付け螺子(341b)を利用して行われている。したがって、このような施肥量表示ラベルプレート(341)の位置は、施肥量表示ラベル(340)のガイド取外しなく、容易に調節される。
第二モーター(300)は、上述されたように、運転ユニット(50)に設けられた施肥量調節スイッチ装置(310)を利用することにより駆動可能であるのみならず、第二モーター(300)近傍に設けられた施肥量調節器(360)を利用することにより駆動可能である。機種仕様に応じて、施肥量調節スイッチ装置(310)および施肥量調節器(360)の両方が設けられていてもよいし、施肥量調節スイッチ装置(310)および施肥量調節器(360)の一方のみが設けられていてもよい。
そして、肥料ホッパー(240)の間のスペースを利用してコンパクトに配置された第二モーター(300)は、第二モーターユニットとして取外し可能に取付けられている。したがって、第二モーター(300)が故障している場合において、このような第二モーターユニットはユニット取外しなどにより無効化され、肥料試し繰出し手動ハンドル(260)のような施肥量調節手動ハンドルが施肥量調節ボールねじ(72a)などへ容易に取付けられる。手動ハンドル位置ずれを防止するためのいわゆる位置決めプレートは施肥量表示ラベル(340)の採用により不要になるので、このような位置決めプレートとの干渉が発生せず、緊急時における手動ハンドル操作にともなう作業者の負担が抑制される。
運転ユニット(50)のモニターパネル(410)近傍に設けられた施肥量調節スイッチ装置(310)は、施肥量調節ダイアル(311)のみならず、施肥量アップ調節ボタン(312)および施肥量ダウン調節ボタン(313)も有する。
施肥量アップ調節ボタン(312)および施肥量ダウン調節ボタン(313)の機能は第二モーター(300)近傍に設けられた施肥量調節器(360)の機能に類似しているが、作業者は降車しないでこれらのボタンを操作することができる。
施肥量調節ダイアル(311)のダイアル位置が連続調節位置に設定されている場合において、施肥量は、施肥量アップ調節ボタン(312)が押下げられると連続的に増大させられ、施肥量ダウン調節ボタン(313)が押下げられると連続的に減少させられる。
施肥量アップ調節ボタン(312)または施肥量ダウン調節ボタン(313)が継続的に押下げられているとき、施肥量数値がモニターパネル(410)の液晶表示部において表示され、いわゆる苗レール警報音のような断続音による警報音を利用することにより、ブザーの鳴動が行われる。
検出ピン(332b)の位置と施肥量表示ラベルプレート(341)の上極限値または下極限値の目盛り位置との間の極限値距離がおよそ8ミリメートルを下回ったとき、より短い周期の断続音による警報音を利用することにより、ブザーの鳴動が行われる。
施肥量アップ調節ボタン(312)または施肥量ダウン調節ボタン(313)が継続的に押下げられてもブザーの鳴動は行われず、このような極限値距離がおよそ8ミリメートルを下回ったとき、ブザーの鳴動が断続音による警報音を利用して初めて行われてもよい。
極限値距離がゼロになると、ブザーの鳴動が連続音による警報音を利用して行われるが、施肥量アップ調節ボタン(312)または施肥量ダウン調節ボタン(313)が検出ピン(332b)の折返し移動のために押下げられると、ブザーの鳴動が断続音による警報音を利用して再び行われる。
施肥量表示ラベルプレート(341)の目盛りは、施肥量調節ボールねじ(72a)の下方に設けられているポテンショメーター検出回転支点(331)を基準としたポテンショメーター検出角度としてのポテンショメーター(324)の開度と比例関係を有する、等間隔ピッチ目盛りではない。
ポテンショメーター検出回転支点(331)を基準としたポテンショメーター検出角度は、施肥量表示ラベルプレート(341)の目盛りとできるだけ整合することが望ましい。
したがって、ポテンショメーター検出回転支点(331)が施肥量表示ラベルプレート(341)の目盛り方向における中央位置と比べて右側に位置する場合において、施肥量表示ラベルプレート(341)の目盛りピッチは右側で小さく左側で大きい。
図16に示されているように、ポテンショメーター検出回転支点(331)が施肥量表示ラベルプレート(341)の目盛り方向における中央位置と比べて左側に位置する場合において、施肥量表示ラベルプレート(341)の目盛りピッチは左側で小さく右側で大きい。
図17に示されているように、施肥装置(70)のホッパー(240)に貯留された肥料を排出する排出経路(HK)を備え、排出経路(HK)に肥料を搬送するための搬送風を発生させる電動ブロアー(270)が設けられている。
電動ブロアー(270)は、排出経路(HK)の略直線部(TB)の一方側に設けおり、他方側には、肥料の粉を排出するための排風口(HF)が構成されている。電動ブロアー(270)から発生する搬送風を略直線部(TB)によって、直線的に搬送することができるため、肥料より軽い粉末状の粉は、排風口(HF)から排出される。
排風口(HF)と電動ブロアー(270)の間に粉末状の粉を排出する排風口(HF)と肥料を排出する排出口(HD)とに排出経路(HK)を分岐させる分岐部(BB)を設けている。分岐部(BB)は、排出経路(HK)を2方向に分岐させることができ、排風口(HF)を施肥装置(70)の側方(機体の左右方向)に設け、排出口(HD)を、施肥装置(70)の下方(機体の下方)に設けるように、排出経路(HK)を構成したことにより、肥料排出時に、排出口(HD)から粉末状の粉が排出される量を減少させることができ、肥料を排出する袋等で粉が舞いにくいため、作業者に向けて粉が飛ぶことを防ぐことができる。
また、排出口(HD)に向かう排出経路(HK)は、施肥装置(70)の下方に向かうため、肥料は、排風口(HF)へ向かう手前で、肥料の自重と排出口(HD)側に向かう搬送風によって肥料が排出口(HD)へ案内される。
また、排風口(HF)の先端に、排出方向を切り替えれる切替部を備えることで、作業者により粉が飛ばないようにすることができる。例えば、切替部を蛇腹のホースで構成すすることで、方向や、機体からの距離を取ることができる。
20 エンジン
21 エンジンカバー
70 施肥装置
71 肥料繰出しユニット
200 第一モーター
210 肥料試し繰出しスイッチ
240 ホッパー
400 コントローラー
HK 排出経路
HD 排出口
270 電動ブロアー
HF 排風口
BB 分岐部
TB 略直線部

Claims (5)

  1. 動力を発生するエンジン(20)と、
    前記エンジン(20)により発生された動力を利用して施肥作業を行う施肥装置(70)と、
    前記施肥装置(70)のホッパー(240)に貯留されている作業資材を搬送するための電動ブロアー(DB)を備え、
    前記ホッパー(240)に貯留されている作業資材を排出する排出経路(HK)を設け
    前記排出経路(HK)に、作業資材を排出する排出口(HD)と、電動ブロアー(DB)から発生する搬送風を排出する排風口(HF)を備えたことを特徴とする移植機。
  2. 前記排出口(HD)は、前記排風口(HF)より搬送方向下手側に位置すると共に、前記排出口(HD)は前記排風口(HF)より、機体下方に位置することを特徴とする請求項1に記載の移植機。
  3. 前記排出経路(HK)は、略一直線であり、前記電動ブロアー(DB)を排出経路(HK)の一方側に設け、前記排風口(HF)を前記排出経路(HK)の他方側に設け、前記電動ブロアー(DB)と前記排風口(HF)の間に前記電動ブロアー(DB)から前記排風口(HF)へ案内する経路と、前記排出口(HD)へ案内する経路とに分岐させる分岐部(BB)を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の移植機。
  4. 前記電動ブロアー(DB)と前記排風口(HF)は、前記排出経路(HK)の略直線部(TB)に備え、前記排風口(HF)、前記施肥装置(70)の側部から排風され、前記分岐部(BB)により前記施肥装置(70)の下方へ排出経路を延長させて、搬送風と作業資材の自重で落下させることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の移植機。
  5. 前記施肥装置(70)へ動力を供給する第一モーター(200)と、施肥作業の前の肥料試し繰出しを行う場合において前記第一モーター(200)を駆動させるコントローラー(400)とを備え、前記コントローラー(400)は、施肥作業の開始時におけるエンジン動力アシストを行う場合においても前記第一モーター(200)を駆動させることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の移植機。
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