JP2021052613A - メダカ飼育用水槽の仕切構造体、及びメダカ飼育用水槽 - Google Patents

メダカ飼育用水槽の仕切構造体、及びメダカ飼育用水槽 Download PDF

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Abstract

【課題】狭いスペースであってもメダカを飼育するための複数の飼育空間を確保でき、水質の悪化や周囲環境による水温等の影響を受けにくく、成長過程毎等に棲み分けてメダカの飼育を行うことを可能とするメダカ飼育用水槽の仕切構造体の提供を課題とする。【解決手段】メダカ飼育用水槽2の仕切構造体1は、飼育空間3の一方の壁面4a及び他方の壁面4bの間を接続可能に形成され、飼育空間3を第一飼育空間3a及び第二飼育空間3bに区画する区画枠体5a,5b、及び区画枠体5a,5bに設けられ、第一飼育空間3a及び第二飼育空間3bの間のメダカSの移動を規制するともに、第一飼育空間3a及び第二飼育空間3bの間の水7の流通を可能とするメダカ移動規制部を備える仕切板9と、仕切板9をメダカ飼育用水槽2に固定するための仕切板固定部15a等を具備する。【選択図】図1

Description

本発明は、メダカ飼育用水槽の仕切構造体、及びメダカ飼育用水槽に関する。更に詳しくは、メダカを飼育するための水槽内の飼育空間を区画し、複数の飼育空間を形成するためのメダカ飼育用水槽の仕切構造体(以下、単に「仕切構造体」と称す。)、及び当該仕切構造体を備え、複数の飼育空間を有するメダカ飼育用水槽に関する。
従来、金魚や熱帯魚等の鑑賞魚の飼育を趣味とすることが行われている。特に、近年において、大掛かりな設備を必要とせず、比較的飼育が容易で手軽に始められる等の理由から、メダカを室内や室外で飼育する人々が増えている。
メダカは、一般的には、春から秋にかけての水温が高く、かつ日照時間が長い時期に繁殖期を迎えることが知られている。そのため、ヒーター等を用いて水槽内の水温を適切に管理し、またLED照明装置等を用いて日照時間と同じになるように調整して光を照射することで、冬期を含め、一年中メダカを産卵させることができる。そのため、金魚や熱帯魚等よりも容易にメダカの産卵やメダカの繁殖をさせることが可能なため、単に鑑賞魚としての楽しみ以外に、メダカを殖やすこと、或いは、異なる品種同士を掛け合わせ、新しい品種のメダカを創り出すなど、ブリーダーとして楽しむこともできるため、メダカの飼育が一種のブームとなっている。
上記に示した通り、メダカは水温や日照時間が産卵に適した条件(例えば、水温:20〜25℃、日照時間:13時間以上等)に達すると、水草や藻、或いは水槽内に設けられた人工的な産卵床等に卵を産み付けることを行う。そして、産み付けられた卵が孵化すると、仔魚(針子)→稚魚→幼魚→若魚→成魚と、徐々に成長過程を変化させながら次第に大きくなって成長する。
このとき、互いに異なる成長過程のメダカ及び卵が同じ水槽内で混在して飼育されていると、生育期間の長いメダカが生育期間の短いメダカ或いは卵が餌として食べられることがある。すなわち、産卵後の卵を親メダカが食べたり、或いは成魚のメダカが自分よりも小さな稚魚等のメダカを食べたりする共食いが発生するおそれがあった。そのため、産卵床等に産み付けられた卵を親メダカから保護するため、速やかに水槽から回収し、別の水槽に移し替える作業や、成魚や稚魚等の成長過程の異なるメダカが混在しないように、それぞれ別の水槽に分けて飼育する必要がある。
なお、メダカは、現在では500種類以上の品種があることが知られている。そして、メダカの正統な血統の品種を維持し、他品種のメダカとの交雑を避けるため、異なる品種のメダカを同じ水槽内で飼育することを避ける場合もある。
更に、メダカの雌雄の確認のためには、網で一匹ずつ掬い、その都度雌雄の特徴を判別する作業が必要であり、かかる作業がメダカを傷つけたり、過度なストレスをメダカに与える可能性があった。そのため、かかる作業を一度で済ますため、雌雄の確認が完了したメダカを雄と雌とに分けて別の水槽で飼育することもあった。
このように、成長過程別、品種別、或いは雌雄別等に細かく分けてメダカを管理し、飼育することが行われている。ここで、メダカの飼育に使用される水槽(飼育容器)は、例えば、ガラス製やアクリル樹脂等のプラスチック製等の金魚や熱帯魚等の飼育にも使用される透明の水槽を用いたり、断熱効果の高い発泡スチロール製の箱を飼育容器の代替として使用したり、プラスチック製の衣装ケース等を飼育容器として流用したりすることが行われている。
すなわち、所定量の水を貯水し、メダカの飼育可能な空間(飼育空間)を確保することが可能であり、水の貯水された飼育空間からの当該水の漏出のない水密性を保つことができるのであれば、特に限定されることなく、メダカの飼育容器として使用することができる。なお、本明細書において、このようなメダカの飼育が可能な飼育容器全体として、以下「メダカ飼育用水槽(以下、単に「水槽」)」と称する。これらの「水槽」についての構成は、上記の通り、既に周知のものであるため、ここでは詳細な説明は省略する。
ここで、メダカの飼育のためには、上記の水槽以外に、メダカの飼育環境(生育環境)を整えるために各種構成や各種付帯設備が必要となることがある。例えば、水の貯水された飼育空間には、自然界に生息するメダカの環境に合わせ、川砂等の底砂を底面に敷き詰めたり、卵の産み付けのために水草や藻、或いは産卵床等を設置したりすることがある。
一方、飼育空間に貯水された水の酸素量を調整し、メダカの飼育に適したものに管理するための「エアーポンプ」や、メダカの排泄物や餌の残滓やゴミを水中から回収し、水を清浄な状態に保つ「フィルタ」、及び産卵等に適した条件に水温を調整するための「ヒーター」や上述の日照時間を調整するための「照明装置」などが水槽に付帯設備として付設されることがある。かかる付帯設備についても、従来から既に周知のものであるため、ここでは詳細な説明は省略するとともに、水槽及び付帯設備についての先行技術文献の提示についても省略するものとする。
上記の通り、メダカの飼育のためには、成長過程毎等に多くの水槽を設置することが必要であった。しかしながら、多くの水槽を設置するための十分な設置スペース(メダカの飼育スペース)を一般家庭等で確保することは困難であった。
加えて、水槽以外に、上記した付帯設備をそれぞれの水槽毎に設置する必要があり、水槽の設置スペースの問題とともに、水槽及び付帯設備の設置コストが嵩む問題があった。
更に、多くの水槽を設置した場合でも、水槽毎に飼育されているメダカに餌を与えたり、水槽毎に水質や水温を管理したり、当該水質の調整のために薬剤を投与したりするなどの作業が必要となるなど、設置した水槽の数に応じて必要な作業が飛躍的に増加し、メダカの飼育のために過度な負担が強いられることがあった。そのため、メダカの繁殖や新品種の創出を趣味として楽しもうとする人であっても、上記のような過度な負担のために飼育を断念したり、メダカの飼育を限定的に行ったりすることがあった。すなわち、メダカの飼育を十分に楽しむことができない可能性があった。
なお、小さな容器等をメダカの飼育のための水槽として利用することも行われている。しかしながら、ヒーターやフィルター等の上記付帯設備をそれぞれの容器(水槽)毎に設置することが困難であり、水質が悪化したり、貯水量が少ないために周囲の温度変化に対して水温が影響を受け、変動しやすい等の問題があった。そのため、単純に水槽自体を小さくしたものは、メダカの生育環境を十分に整えたものとすることができない場合があった。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、狭いスペースであってもメダカを飼育するための複数の飼育空間を確保でき、水質の悪化や周囲環境による水温等の影響を受けにくく、成長過程毎、品種毎、或いは雌雄毎等に棲み分けてメダカの飼育を行うことを可能とするメダカ飼育用水槽の仕切構造体、及び当該仕切構造体を備えたメダカ飼育用水槽の提供を課題とするものである。
本発明によれば、上記課題を解決した仕切構造体、及びメダカ飼育用水槽が提供される。
[1] 周囲を壁面で囲まれた飼育空間を区画するためのメダカ飼育用水槽の仕切構造体であって、前記飼育空間の一方の壁面及び前記一方の壁面に相対する他方の壁面の間を接続可能に形成され、前記飼育空間を第一飼育空間及び第二飼育空間に区画する四角枠形状を呈する区画枠体、及び前記区画枠体の内枠部に設けられ、前記第一飼育空間及び前記第二飼育空間の間のメダカの移動を規制するともに、前記第一飼育空間及び前記第二飼育空間の間の水の流通を可能とするメダカ移動規制部を備える仕切板と、前記仕切板を前記メダカ飼育用水槽に固定するための仕切板固定手段とを具備するメダカ飼育用水槽の仕切構造体。
[2] 少なくとも一対の前記区画枠体が長手方向に沿って連設され、互いに隣り合う前記区画枠体の間に連結部を有する前記[1]に記載のメダカ飼育用水槽の仕切構造体。
[3] 複数の前記仕切板を備えて構成され、一方の前記仕切板に対して、他方の仕切板を直交させ、前記第一飼育空間及び/または前記第二飼育空間を更に区画する前記[1]または[2]に記載のメダカ飼育用水槽の仕切構造体。
[4] 前記仕切板固定手段は、前記仕切板及び前記壁面の間に介設される前記[1]〜[3]のいずれかに記載のメダカ飼育用水槽の仕切構造体。
[5] 前記仕切板固定手段は、断面コの字形状を呈し、互いの凹溝部を相対するようにして、前記一方の壁面及び前記他方の壁面にそれぞれ取設された一対の仕切板固定部として形成され、互いの前記凹溝部の間に前記区画枠体の枠側辺部を挿し込み、前記仕切板を前記飼育空間に固定する前記[4]に記載のメダカ飼育用水槽の仕切構造体。
[6] 前記仕切板固定手段は、前記区画枠体のそれぞれの枠側辺部の上部から延設され、前記メダカ飼育用水槽の上縁部に引っ掛け、前記仕切板を前記飼育空間に固定する一対の鉤状のハンガー部を有する前記[1]〜[3]のいずれかに記載のメダカ飼育用水槽の仕切構造体。
[7] メダカを飼育する、周囲を壁面で囲まれた飼育空間を区画するためのメダカ飼育用水槽の仕切構造体であって、前記飼育空間を容器内空間及び容器外空間に区画する、四角枠形状の区画枠体で側面が形成された容器側面、及び前記区画枠体の内枠部に設けられ、前記容器内空間及び前記容器外空間の間の前記メダカの移動を規制するとともに、前記容器内空間及び前記容器外空間の間の水の流通を可能とするメダカ移動規制部を備え、前記飼育空間に沈めた状態で設置される仕切容器を具備するメダカ飼育用水槽の仕切構造体。
[8] 前記メダカ移動規制部は、網目構造を有するメッシュ状素材で形成されたメッシュ構造部、複数の細孔を有する細孔構造部、及び、複数のスリットを有するスリット構造部のいずれか一つで構成される前記[1]〜[7]のいずれかに記載のメダカ飼育用水槽の仕切構造体。
[9] 前記[1]〜[8]のいずれかに記載のメダカ飼育用水槽の仕切構造体を備えるメダカ飼育用水槽であって、周囲を壁面で囲まれた飼育空間を有する水槽本体と、一方の壁面、及び前記一方の壁面に相対する他方の壁面の間を接続可能に形成され、前記飼育空間を第一飼育空間及び第二飼育空間に区画する四角枠形状を呈する区画枠体、及び前記区画枠体の内枠部に設けられ、前記第一飼育空間及び前記第二飼育空間のメダカの移動を規制するとともに、前記第一飼育空間及び前記第二飼育空間の間の水の流通を可能とするメダカ移動規制部を備える仕切板及び前記仕切板を前記水槽本体に固定するための仕切板固定手段を有する、または、前記飼育空間を容器内空間及び容器外空間に区画する、四角枠形状の区画枠体で側面が形成された容器側面、及び前記区画枠体の内枠部に設けられ、前記容器内空間及び前記容器外空間の間の前記メダカの移動を規制するとともに、前記容器内空間及び前記容器外空間の間の水の流通を可能とするメダカ移動規制部を備え、前記飼育空間に沈めた状態で設置される仕切容器を有する仕切構造体とを具備するメダカ飼育用水槽。
本発明の仕切構造体によれば、飼育空間を複数の区画することが可能となり、成長過程や品種等の異なるメダカを一つの水槽で飼育することができる。これにより、多くの水槽を設置する必要がなく、設置スペースの問題や設置コストを抑えることができる。
また、仕切構造体によってメダカ(卵を含む)の飼育空間間の移動は規制されるものの、水の流通は可能であり、ヒーターやフィルター等の付帯設備を共有化することができる。そのため、かかる付帯設備についての設置コストを抑えるとともに、水質や水温を共有化して管理することができ、メダカの飼育環境を安定したものとすることができる。
本発明のメダカ飼育用水槽は、上記の仕切構造体を備えたメダカ飼育用の水槽とすることができ、上記効果を奏することができる。
仕切板の概略構成を示す平面図である。 仕切板の概略構成を示す正面図である。 本実施形態の仕切構造体を有するメダカ飼育用水槽の概略構成を示す上方から視た説明図である。 仕切板の固定の一例を示す説明図である。 仕切板固定部による仕切板の固定の一例を示す上方から視た説明図である。 スリット構造部を有する仕切板の一例を示す正面図である。 角孔の細孔構造部を有する仕切板の一例を示す正面図である。 楕円孔の細孔構造部を有する仕切板の一例を示す正面図である。 シール部材を貼着した仕切板の一例を示す正面図である。 シール部材の貼着した仕切板の固定の一例を示す上方から視た説明図である。 ハンガー部の取設された仕切板の一例を示す正面図である。 仕切板の固定の一例を示す説明図である。 仕切板の固定の一例を示す説明図である。 仕切板の固定の一例を示す説明図である。 仕切板の固定の一例を示す説明図である。 水槽に設置される仕切容器の一例を示す説明図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の仕切構造体、及びメダカ飼育用水槽の実施の形態について詳述する。なお、本実施形態の仕切構造体、及びメダカ飼育用水槽は、以下の実施の形態に、特に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の設計の変更、修正、及び改良等を加え得るものである。
1.仕切構造体
本発明の一実施形態の仕切構造体1は、図1〜図4に主として示されるように、メダカSやメダカの卵Eを飼育するためのメダカ飼育用水槽2(以下、単に「水槽2」と称す。)に固定して設置され、水槽2の飼育空間3を複数の飼育空間3a等(詳細は後述する)に区画し、かつ、それぞれ区画された飼育空間3a等でメダカSや卵Eの飼育を可能とするために使用されるものである。ここで、水槽2は、ガラス製或いはアクリル樹脂等のプラスチック製の素材で形成された周知のものを使用することができる。
本実施形態の仕切構造体1、区画前は一つの飼育空間3として構成されていたものを、本実施形態の仕切構造体1を用いることで、当初の飼育空間3よりも面積が狭く、或いは容量が小さくなった複数の飼育空間3a等に分割することができるものである。
ここで、本実施形態の仕切構造体1において、使用を想定する水槽2の飼育空間3の容量は、特に限定されるものではない。例えば、60リットルや30リットル程度の一般的な容量の水槽の使用を想定することができる。すなわち、本実施形態の仕切構造体1によって、60リットル容量の飼育空間を30リットル容量の2つの飼育空間に、或いは15リットル容量の4つの飼育空間などに区画することができる。なお、水槽2の飼育空間3を必ずしも等分に区画する必要はなく、任意の容量になるようにそれぞれ区画するものであっても構わない。
これにより、成長過程毎、品種毎、或いは雌雄毎に異なるメダカS(卵Eを含む。以下、同じ)が同一の飼育空間3に混在して飼育することを避け、かつ、一つの水槽2で水7を共有して飼育することができる。
本実施形態の仕切構造体1の具体的構成について説明すると、飼育空間3の周囲を形成する壁面において、一方の壁面4a及び当該一方の壁面4aに相対して位置する他方の壁面4bの間を接続可能に形成され、飼育空間3を第一飼育空間3a及び第二飼育空間3bに区画する四角形の平枠形状を呈する一対の区画枠体5a,5bと、当該区画枠体5a,5bの内枠部6に設けられ、第一飼育空間3a及び第二飼育空間3bの間のメダカSの移動を規制するとともに、第一飼育空間3a及び第二飼育空間3bの間の水7の流通を可能とするメダカ移動規制部8a,8bとを備えた仕切板9と、仕切板9を水槽2に固定し、設置するための仕切板固定手段(詳細は後述する)とを具備して主に構成されている。
ここで、仕切構造体1の仕切板9及び仕切板固定手段を構成する素材は、特に限定されるものではない。例えば、仕切板9をアルミニウム等の金属材料を用いたり、水槽2を構成するガラス製やアクリル樹脂、ゴムやその他のプラスチック材料を用いたりするものであっても構わない。但し、後述するメダカ移動規制部8a,8bを形成するための加工が容易な材質を使用することが有用である。更に、仕切板9(または仕切構造体1)自体が水7によって浮くことがないように、水7よりも比重の大きな素材を用いて形成することが好適である。
(1)仕切板
本実施形態の仕切構造体1を構成する仕切板9は、図1及び図2等に示されるように、一対の区画枠体5a,5bを有し、当該区画枠体5a,5bを長手方向(図1における紙面左右方向に相当)に沿って並設するとともに、区画枠体5a,5bの互いに相対する辺の間を連結する連結部11を有して構成されている。すなわち、本実施形態の仕切構造体1における仕切板9は、中央に連結部11を有し、その左右にそれぞれ区画枠体5a,5bが配置された構成となっている。
上記構成にすることで、長手方向に連設された複数の区画枠体5a等を備えた仕切板9を構築することができる。これにより、飼育空間3の一方の壁面4a及び他方の壁面4bの間の壁間距離W(図3参照)が長い場合であっても、複数の区画枠体5a等をつなぐことで、一方の壁面4a及び他方の壁面4bの間を接続するような仕切板9を構成することができる。なお、壁間距離Wが短い場合には、上記のような複数の区画枠体5a等をつなげる必要はなく、一つの区画枠体のみを有して仕切板9を構築することもできる。
その結果、水槽2の飼育空間3を当該仕切板9の長手方向に沿って二つの飼育空間(第一飼育空間3a及び第二飼育空間3b)に区画することができる。なお、仕切板9(区画枠体5a,5b)等の高さ(図1における紙面高さ方向に相当)は、特に限定されるものではないが、飼育空間3に貯留される水7の水面よりも仕切板9の上部が高くなるように設定される。仕切板9の上方を通って、メダカSが第一飼育空間3a及び第二飼育空間3bの間を移動することを避けるためである。
上記の通り、本実施形態の仕切構造体1は、図3に示すように、仕切板9の長手方向(図3における紙面左右方向に相当)に沿って飼育空間3を区画し、仕切板9の上側に第一飼育空間3a及び仕切板9の下側に第二飼育空間3bを設けることができる。更に区画枠体5a,5bの内枠部6に設けられたメダカ移動規制部8a,8bによって第一飼育空間3a及び第二飼育空間3bの間におけるメダカSの移動を規制しつつ、かつ水7の流通を可能とすることができる。ここで、メダカ移動規制部8a,8bの具体的な構成については後述するため、ここでは詳細な説明は省略する。
更に、本実施形態の仕切構造体1は、図3に示すように、飼育空間3を仕切板9の長手方向に沿って二つの第一飼育空間3a及び第二飼育空間3bに区画するとともに、仕切板9の長手方向に直交する方向に沿ってそれぞれ一対の仕切板12a,12bが配設されている。これにより、第一飼育空間3a及び第二飼育空間3bが仕切板12a(または仕切板12b)によってそれぞれ更に二つの飼育空間に区画されている。すなわち、図3に示すように、水槽2の当初の飼育空間3が仕切板9,12a,12bによって四分割され、飼育空間A,B,C,Dを備えたものとなる。
これにより、飼育空間A,B,C,Dを利用して、成長過程の異なる四つのメダカSを飼育したり、或いは品種の異なる四種類のメダカSを同一の水槽2で飼育することができる。図3は、成長過程の異なるメダカSの飼育の一例を示したものであり、左上の飼育空間Aで卵の孵化をさせ、右上の飼育空間Bで卵から孵化した稚魚を飼育し、右下の飼育空間Cで幼魚を飼育し、左したの飼育空間Dで成魚を飼育するものを示している。なお、図3は本実施形態の仕切構造体1の使用の一例を示したものであり、実際の飼育とは相違することがある。
ここで、仕切板9は、一対の区画枠体5a,5b及び連結部11によって中央付近に凹溝部13が形成されており、かかる凹溝部13の幅と、一対の仕切板12a,12bの板幅とがそれぞれ略一致するように設けられている。そのため、図3に示すように、仕切板9の二箇所の凹溝部13にそれぞれ仕切板12a及び仕切板12bを嵌め合わせることで、仕切板9及び仕切板12a,12bによって十字の形状を構成することができ、かかる状態で仕切板9,12a,12bが水槽2に固定される。なお、上記の凹溝部13及び仕切板12a,12bの嵌合は、本実施形態の仕切構造体1における仕切板固定手段の一部として機能する(詳細は後述する)。
このようにして水槽2の飼育空間3を十字形状の仕切板9,12a,12bによって区画することで、上記の通り、4つの飼育空間A,B,C,Dを構築することができる。ここで、図3において、仕切板9及び一対の仕切板12a,12bの飼育空間3における配置を、略四角形状の飼育空間3の縦方向及び横方向(図3における紙面上下方向及び紙面左右方向に相当)の略中央位置に合わせて設置するものを示したが、これに限定されるものではなく、飼育するメダカSの大きさや飼育数等に応じて仕切板9等の位置を適宜調整するものであっても構わない。すなわち、仕切構造体1における仕切板9の位置の調整により、飼育空間A,B,C,Dの面積や容量等を任意のものに設定することができる。
(2)仕切板固定手段
本実施形態の仕切構造体1において、上記の仕切板9,12a,12bを水槽2に固定し、設定するための仕切板固定手段が水槽2に予め設けられている。仕切板固定手段の構成について、具体的に説明すると、図3、図4、及び図5に示すように、仕切板9及び壁面4a,4bの間に介設され、断面コの字形状を呈し、互いの凹溝部14a,14bを相対させ、一方の壁面4a及び他方の壁面4bにそれぞれ取設された一対の仕切板固定部15a,15bから構成されている。ここで、凹溝部14a,14bの幅と、仕切板9の板幅(区画枠体5a,5bの幅)とが略一致するように構成されている。そのため、図4に示すように、互いの凹溝部14a,14bの間に、区画枠体5a,5bの枠側辺部16a,16bを上方から挿し込むことによって、仕切板9が水槽2の飼育空間3に固定される。
かかる構成を採用することで、例えば、仕切板9を水槽2に簡易な操作で固定することができる。また、前述したように、仕切板9を水7よりも比重の重い素材で形成することにより、凹溝部14a,14bの間に挿し込まれた仕切板9は自重によって沈み、浮き上がることがない。そのため、飼育空間3を仕切板9によって区画することができる。なお、仕切板9の取り外し、すなわち、飼育空間3の区画を解除する場合も、仕切板固定部15a,15bの間から仕切板9を上方に引き出す簡易な操作で完了する。これにより、区画された第一飼育空間3a及び第二飼育空間3bを、再び、一つの飼育空間3に戻すことができる。
一方、仕切板9に直交する方向に配される仕切板12a,12bは、それぞれの仕切板12a,12bの一端側が、飼育空間3を形成する壁面4c,4dに、仕切板固定部15a,15bと直交する位置に、互いの凹溝部(図示しない)を相対させて設けられた一対の仕切板固定部15c,15bが設けられ、かかる凹溝部に沿ってそれぞれ嵌め合され、他端側が、前述の仕切板9の区画枠体5a,5b及び連結部11によって構成された凹状部分(凹溝部13)に嵌合される。なお、前述の通り、仕切板9の凹溝部13が本願発明における仕切板固定手段としての一部機能を奏することになる。
ここで、本発明の仕切構造体において採用される仕切板固定手段は、上記の仕切板固定部15a,15b,15c,15dに限定されるものではなく、その他種々の仕切板固定手段を用いることができる。その他の仕切板固定手段の別例構成及び詳細については後述する。
(3)メダカ移動規制部
本実施形態の仕切構造体1におけるメダカ移動規制部8a,8bは、仕切板9等によって区画された第一飼育空間3a及び第二飼育空間3bの間等の、各飼育空間の間のメダカSの移動を規制しつつ、かつ水7の流通を阻害することなく可能とする機能を備えるものである。例えば、本実施形態の仕切構造体1の場合、図1に示すように、複数の網目構造を有するメッシュ状素材で形成されたメッシュ構造部とすることができる。
第一飼育空間3a及び第二飼育空間3b等の間が網目構造のメッシュ状素材で区画されていることにより、当該網目(メッシュ)よりも大きな卵EやメダカSは飼育空間の間を移動若しくは流通することができず、一方で、網目よりも小さい水7は流通することができる。そのため、水槽2の飼育空間3で水質や水温を調整するためのエアーポンプやフィルター等の付帯設備を共有化し、これらの管理を水槽2の全体でまとめて実施することができる。そのため、メダカの生育環境を安定した状態に保ったままで、かつ成長過程毎等のメダカSを分けて飼育することができる。
本発明の仕切構造体におけるメダカ移動規制部は、上記したメッシュ構造部のメダカ移動規制部8a,8bに係る構成に限定されるものではない。メダカ移動規制部の別例構成としては、例えば、図6に示すように、複数の細長形状のスリット17が所定間隔で設けられたスリット構造部18を備えた仕切構造体1a、図7に示すように、複数の横長の角孔19を規則正しく配列させた角孔構造部20を備えた仕切構造体1b、或いは、図8に示すように、複数の楕円孔21を規則正しく配列させた楕円孔構造部22を備えた仕切構造体1cを形成するものであってもかまわない。ここで、角孔構造部20及び楕円孔構造部22が本発明における細孔構造部に相当する。
なお、上記のスリット構造部18におけるスリット、角孔構造部20における角孔19、及び楕円孔構造部22における楕円孔21は、いずれもそれぞれの長さや幅、高さ等のサイズが、予め調製され、各成長過程におけるメダカSの移動(通過)を規制するものである。なお、図7〜図9にかかるメダカ移動規制部を備えた本発明のそれぞれの仕切構造体1a,1b,1cを構築する場合、本実施形態の仕切構造体1において示した仕切板9の一部構成をなす区画枠体5a,5bに相当する部材を略平板状の板部材23として代替として用いることができる。なお、図6、図7、及び図8において、説明を簡略化するため、既に説明した本実施形態の仕切構造体1と同一の構成については、同一符号を付し、詳細な説明については省略する。
2.仕切板固定手段の別例構成
本発明の仕切構造体における仕切板固定手段は、上記した断面コの字形状の仕切板固定部15a,15b等で構成されたものに限定されるものではない。例えば、図9及び図10に示すように、仕切板9(区画枠体5a,5b)の枠側辺部16a,16b及び底辺部24に沿って、弾性変形可能なウレタン樹脂等で構成されたスポンジ状のシール固定部25を貼着したものを仕切板固定手段として有する仕切構造体1dを構築するものであっても構わない。
シール固定部25を備えることで、仕切板9及び水槽2の壁面4a,4b及び水槽2の底面(図示しない)の間に当該シール固定部25が介設された状態となり、シール固定部25自体は弾性変形により大きく拡がろうとする弾性反発力を生じている。その結果、シール固定部25が弾性変形することで、仕切板9及び壁面4a等をそれぞれ押し付ける力が作用し、水槽2に仕切板9が強く固定される。
ここで、図9及び図10において示した仕切固定手段の別例構成の説明において、仕切板9は、本実施形態の仕切構造体1を構成するものと同一のものを使用し、同一符号を付したものを示している。但し、仕切板はかかる構成に限定されるものではなく、前述したメダカ移動規制部にかかる作用効果を奏するものであればよい。シール固定部25を仕切固定手段として有する仕切構造体1dによって、上述した仕切板固定部15a,15bの構成を予め水槽2に設ける必要がなく、また仕切板9によって区画する飼育空間3の区画位置を自由に変化させることができる。これにより、区画される飼育空間(第一飼育空間3a及び第二飼育空間3b等)の容量を任意に調整することができる。
一方、本発明の仕切構造体における仕切固定手段の更なる別例構成として、例えば、図11に示すように、仕切板9を構成する区画枠体5a,5bのそれぞれの枠側辺部16a,16bの上端付近から水平方向に延設されるとともに、先端が下方に向かって曲折された鉤状を呈する一対のハンガー部26を仕切板固定手段として有する仕切構造体1eを構築するものであってもよい。すなわち、図11に示すように、水槽2の上縁部2aに一対のハンガー部26を引っ掛け、飼育空間3の一方の壁面4a及び他方の壁面4bの間を架け渡すようにして、飼育空間3に仕切板9を固定するものであっても構わない。
一対のハンガー部26を備えることで、上記の別例構成の場合と同様、仕切板固定部15a,15bの構成を予め水槽2に設ける必要がなく、また仕切板9によって区画する飼育空間3の区画位置を自由に変化させることができる。なお、図9及び図10と同様、図11においても、仕切板9は、本実施形態の仕切構造体1と同一のものが使用され、同一符号を付して示している。
更に、図9、図10、及び図11において、仕切板9のメダカ移動規制部8a,8bとして、メッシュ構造部からなるものを例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、図6〜図8においてそれぞれ示したメダカ移動規制部にかかる構成を採用するものであっても構わない。
更に、その他仕切板固定手段の別例構成として、例えば、図12に示すように、水槽2自体に先に示した仕切板固定部15a,15b等と同様の凹溝部27を一体化して設け、かかる凹溝部27に仕切板9等を挿し込み、嵌合させることで仕切板9の固定を行うもの、図13に示すように、水槽2及び仕切板9を当接させ、嵌め込むもの、換言されば、水槽2の飼育空間3a等の壁面4a等と仕切板9との間に介設されるものがなく、直に水槽2及び仕切板9を接続するもの、図14に示すように、仕切板9の端部に弾性変形可能なゴム製のモール28を介設し、水槽2及び仕切板9をグロメット止めするもの、或いは、図15に示すように、仕切板29の先端部を曲折させ、断面L字形状を呈するものとし、水槽2との間に介設したシール固定部25に曲折させたL字部分を当接させ、仕切板29及びシール固定部25の間の接触面積を大きくしたもの等を示すことができる。これらの構成によって、仕切板9,29及び水槽2の間を強固に固定することが可能である。
なお、図12〜図15は、既に説明した、図5及び図10と同様に、仕切板固定手段によって固定される水槽2、仕切板9,29、及び仕切板固定手段にかかる構成を上方から視た一部拡大の説明図である。
3.仕切構造体(仕切容器)の別例構成
本発明の仕切構造体の別例構成として、図16に示すような仕切容器31を具備する仕切構造体32とするものであっても構わない。すなわち、メダカS(図3参照)を飼育する、周囲を壁面33a,33bで囲まれた飼育空間34を有する水槽2を区画するためのものであり、飼育空間34を容器内空間35a及び容器外空間35bに区画することが可能な仕切容器31を飼育空間34に貯水された水(図示しない)の中に沈めて使用するものである。
ここで、仕切容器31の構成について具体的に示すと、四角枠形状の区画枠体37で側面が形成された容器側面38、及び区画枠体37の内枠部36に設けられ、容器内空間35a及び容器外空間35bの間のメダカSの移動を規制するとともに、容器内空間35a及び容器外空間35bの間の水の流通を可能とするメダカ移動規制部39を備えたものである。図16において、メダカ移動規制部39として、本実施形態の仕切構造体1と同様に、メッシュ構造部を備えるものを示したが、これに限定されるものではなく、上記のメダカSの移動規制及び水の流通可能な機能を奏するものであれば構わない。そのため、図6〜図8において示した種々のメッシュ構造部以外のメダカ移動規制部を用いて、本願発明の仕切構造体の作用効果を奏するものであれば構わない。
仕切容器31を備える仕切構造体32の場合、飼育空間34に貯水された水の中に仕切構造体32を自重によって沈めることができる。そのため、仕切構造体1のように、仕切板9を水槽2に固定するための仕切板固定手段にかかる構成を省略することができる。これにより、飼育空間34の中に、複数の容器内空間35aを形成することが可能となる。なお、容器内空間35aと、第一飼育空間3a及び第二飼育空間3bとは略同一の作用効果を奏するため、ここでは詳細な説明は省略する。
4.仕切構造体のまとめ、及び本発明のメダカ飼育用水槽
上記示したように、本発明の仕切構造体によれば、水槽の飼育空間等を複数の飼育空間等に区画することができる。これにより、成長過程の違いによるメダカの共食いを防ぐことが可能となる。更に区画された飼育空間等によって品種毎に飼育するメダカを分け、メダカの品種の交雑を防いだり、雌雄別にメダカを飼育したりすることができる。このように、仕切構造体等を用いることで、物理的にメダカの飼育空間等の移動を規制することができる。
一方、本発明の仕切構造体におけるメダカ移動規制部は、区画された飼育空間の間での水の流通は可能とするため、各飼育空間において水を共有化することができる。そのため、一つの水槽に対し、従来から既知のエアーポンプやフィルター等の付帯設備をそれぞれ一つずつ設置することで、水質や飽和溶存酸素量、及び水温等をまとめて管理することができる。その結果、従来のような、小さな容器でメダカを飼育する場合と比べ、周囲環境による水温の影響、及び水質の影響を抑えることができる。その結果、水槽の数を増やすことなく、狭いスペースでのメダカの飼育が可能となるとともに、かつ、メダカの生育環境を安定させた状態での飼育が可能となる。
本発明のメダカ飼育用水槽は、上記した本発明の仕切構造体(仕切板、または仕切容器)と、従来から周知の水槽(本発明における水槽本体に相当)とを組合わせて構築することができる。これにより、既に本発明の仕切構造体において説明した、メダカの飼育にかかる優れた作用効果を奏するメダカ飼育用水槽とすることができる(図4及び図16等参照)。
5.飼育空間の容量の違いにおける水温、飽和溶存酸素量の変化の影響について
本発明の仕切構造体、及びメダカ飼育用水槽による影響及び効果を明らかにするため、メダカ飼育用水槽の飼育空間の容量の違いによる水温の影響、及びそれに伴う飽和溶存酸素量を検討するための水温測定実験を実施した。
容量の異なる三種類の容器(容器A、容器B、容器C)を用意し、それぞれ室外に3月初旬の3日間静置した場合の24時間の温度変化を計測し、1日の間の最高温度、最低温度、及び温度差(=最高温度−最低温度)を測定した。水温測定実験に使用した容器A、容器B、及び容器Cの寸法、及び容器容量を下記の表1に、水温測定実験の結果を下記の表2にそれぞれ示す。なお、温度計測は、一般的な温度計測センサを用いたものであり、詳細な機器等についての説明は省略する。
Figure 2021052613
Figure 2021052613
上記の表2に示されるように、容量の大きい容器Aと容量の小さい容器Cとの間では、最高温度及び最低水温に大きな差が認められる。具体的に示すと、容器Aにおける3日間の平均は、最高温度が32.1℃、最低温度が10.0℃であり、温度差が22.1℃であるのに対し、容器Cにおける3日間の平均は、最高温度が37.2℃、最低温度が4.5℃、温度差が32.7℃である。一方、容器A及び容器Cの間の中間の容量の容器Bは、それぞれの値において容器A及び容器Cの間の値を示している。これにより、水槽の容量が小さくなる程、周囲環境による水温の変動が大きいことが明らかであることが示される。
更に、メダカの飼育の場合、水温の激しい温度差による影響に加え、メダカの飼育にとって重要な溶存酸素量も大きく変動することが知られている。例えば、水温が5℃のときに飽和溶存酸素量が12.37mg/Lに対し、37℃の場合は、6.86mg/Lに減少することが知られている。そのため、容器Cの場合は水中の溶存酸素量の点においてもメダカの飼育に影響を及ぼす可能性が高い。
これに対し、容器Aの場合、32℃の溶存酸素量が7.32mg/Lであるため、容器Cよりも状態が良いと認められる。更に、メダカにとって有害なアンモニアは温度変化に起因して大きく変動することが知られており、例えば、総アンモニア量が2.0mg/L、pHが7の場合、水温が4.5℃の時点では0.002mg/Lのアンモニアは、37.2℃の時点では0.026mg/Lと約13倍に増加する。このように、水槽の容量の大小によってメダカの飼育に大きな影響があるため、水槽の飼育空間を複数に区画する場合であっても、本発明の仕切構造体等のように、各飼育空間で水を共有化することで、メダカに対する水温、溶存酸素量、アンモニア量等の影響を抑えることができる。その結果、メダカの飼育を安定した環境で行うことができ、本発明の仕切構造体、及びメダカ飼育用水槽の有用性が明らかに示される。
本発明の仕切構造体、及びメダカ飼育用水槽は、特に、メダカの繁殖及び新しいメダカの品種を創出するために、複数の水槽が必要となるメダカの飼育において特に好適に使用することができる。
1,1a,1b,1c,1d,1e,32:仕切構造体(メダカ飼育用水槽の仕切構造体)、2:水槽(メダカ飼育用水槽)、2a:上縁部、3,34,A,B,C,D:飼育空間、3a:第一飼育空間、3b:第二飼育空間、4a,4b,4c,4d,33a,33b:壁面、5a,5b,37:区画枠体、6,36:内枠部、7:水、8a,8b,39:メダカ移動規制部、9,12a,12b,29:仕切板、11:連結部、13,14a,14b,27:凹溝部、15a,15b,15c,15d:仕切板固定部(仕切板固定手段)、16a,16b:枠側辺部、17:スリット、18:スリット構造部(メダカ移動規制部)、19:角孔、20:角孔構造部(細孔構造部、メダカ移動規制部)、21:楕円孔、22:楕円孔構造部(細孔構造部、メダカ移動規制部)、23:板部材、24:底辺部、25:シール固定部(仕切板固定手段)、26:ハンガー部(仕切板固定手段)、28:モール(仕切板固定手段)、31:仕切容器、35a:容器内空間、35b:容器外空間、38:容器側面、E:卵、S:メダカ、W:壁間距離。

Claims (9)

  1. 周囲を壁面で囲まれた飼育空間を区画するためのメダカ飼育用水槽の仕切構造体であって、
    前記飼育空間の一方の壁面及び前記一方の壁面に相対する他方の壁面の間を接続可能に形成され、前記飼育空間を第一飼育空間及び第二飼育空間に区画する四角枠形状を呈する区画枠体、及び前記区画枠体の内枠部に設けられ、前記第一飼育空間及び前記第二飼育空間の間のメダカの移動を規制するともに、前記第一飼育空間及び前記第二飼育空間の間の水の流通を可能とするメダカ移動規制部を備える仕切板と、
    前記仕切板を前記メダカ飼育用水槽に固定するための仕切板固定手段と
    を具備するメダカ飼育用水槽の仕切構造体。
  2. 前記仕切板は、
    少なくとも一対の前記区画枠体が長手方向に沿って連設され、
    互いに隣り合う前記区画枠体の間に連結部を有する請求項1に記載のメダカ飼育用水槽の仕切構造体。
  3. 複数の前記仕切板を備えて構成され、
    一方の前記仕切板に対して、他方の仕切板を直交させ、前記第一飼育空間及び/または前記第二飼育空間を更に区画する請求項1または2に記載のメダカ飼育用水槽の仕切構造体。
  4. 前記仕切板固定手段は、
    前記仕切板及び前記壁面の間に介設される請求項1〜3のいずれか一項に記載のメダカ飼育用水槽の仕切構造体。
  5. 前記仕切板固定手段は、
    断面コの字形状を呈し、互いの凹溝部を相対するようにして、前記一方の壁面及び前記他方の壁面にそれぞれ取設された一対の仕切板固定部として形成され、
    互いの前記凹溝部の間に前記区画枠体の枠側辺部を挿し込み、前記仕切板を前記飼育空間に固定する請求項4に記載のメダカ飼育用水槽の仕切構造体。
  6. 前記仕切板固定手段は、前記区画枠体のそれぞれの枠側辺部の上部から延設され、前記メダカ飼育用水槽の上縁部に引っ掛け、前記仕切板を前記飼育空間に固定する一対の鉤状のハンガー部を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のメダカ飼育用水槽の仕切構造体。
  7. メダカを飼育する、周囲を壁面で囲まれた飼育空間を区画するためのメダカ飼育用水槽の仕切構造体であって、
    前記飼育空間を容器内空間及び容器外空間に区画する、四角枠形状の区画枠体で側面が形成された容器側面、及び前記区画枠体の内枠部に設けられ、前記容器内空間及び前記容器外空間の間の前記メダカの移動を規制するとともに、前記容器内空間及び前記容器外空間の間の水の流通を可能とするメダカ移動規制部を備え、前記飼育空間に沈めた状態で設置される仕切容器を具備するメダカ飼育用水槽の仕切構造体。
  8. 前記メダカ移動規制部は、
    網目構造を有するメッシュ状素材で形成されたメッシュ構造部、複数の細孔を有する細孔構造部、及び、複数のスリットを有するスリット構造部のいずれか一つで構成される請求項1〜7のいずれか一項に記載のメダカ飼育用水槽の仕切構造体。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のメダカ飼育用水槽の仕切構造体を備えるメダカ飼育用水槽であって、
    周囲を壁面で囲まれた飼育空間を有する水槽本体と、
    一方の壁面、及び前記一方の壁面に相対する他方の壁面の間を接続可能に形成され、前記飼育空間を第一飼育空間及び第二飼育空間に区画する四角枠形状を呈する区画枠体、及び前記区画枠体の内枠部に設けられ、前記第一飼育空間及び前記第二飼育空間のメダカの移動を規制するとともに、前記第一飼育空間及び前記第二飼育空間の間の水の流通を可能とするメダカ移動規制部を備える仕切板及び前記仕切板を前記水槽本体に固定するための仕切板固定手段を有する、または、前記飼育空間を容器内空間及び容器外空間に区画する、四角枠形状の区画枠体で側面が形成された容器側面、及び前記区画枠体の内枠部に設けられ、前記容器内空間及び前記容器外空間の間の前記メダカの移動を規制するとともに、前記容器内空間及び前記容器外空間の間の水の流通を可能とするメダカ移動規制部を備え、前記飼育空間に沈めた状態で設置される仕切容器を有する仕切構造体と
    を具備するメダカ飼育用水槽。


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