JP2021052063A - 電磁波シールド付きカバーレイフィルム及びその製造方法、並びに電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

電磁波シールド付きカバーレイフィルム及びその製造方法、並びに電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電磁波シールド付きプリント配線板の生産効率をより向上できる電磁波シールド付きカバーレイフィルム、その製造方法及びフレキシブルプリント配線板の提供。【解決手段】絶縁樹脂層(10)と、導電層を含むシールド層(20)と、シールド層(20)の絶縁樹脂層(10)とは反対側に設けられたカバーレイフィルム(40)とを備える電磁波シールド付きカバーレイフィルムであって、カバーレイフィルム(40)は、カバーレイフィルム本体(41)と、カバーレイフィルム本体(41)のシールド層(20)とは反対側の表面に設けられたカバーレイ接着剤層(42)とを備える、電磁波シールド付きカバーレイフィルム(1)及びその製造方法、並びに電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板及びその製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波シールド付きカバーレイフィルム及びその製造方法、並びに電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板及びその製造方法に関する。
フレキシブルプリント配線板(FPC:Flexible Printed Circuit)は、携帯機器、ネットワーク機器、サーバー、テスター等の電子機器に多用されている。そして、このFPCは電子機器への回路、ケーブル、コネクター機能等が付与された複合部品としてもその用途を拡大している。また、FPCは、その屈曲性を活かして、例えばOA機器類、各種コンピュータ類、自動車のような民生用/産業用の機器の可動部配線において、あるいは同軸ケーブル、ワイヤーハーネスのような伝送用配線の替りとして使用される。
ところで、データ処理が高速化する半導体デバイスのような電子部品が搭載される電子機器では、その小型化と共に動作周波数の高周波化が進む。そのため、FPCは、高周波信号における、安定したインピーダンス及び低い伝送損失による優れた電気信号の伝送特性が求められる。例えば電気信号の周波数が数GHz〜数十GHz帯の高速デジタル信号の使用において、その周波特性を損なうことのない高速伝送が要求される。そのため、例えば画質が高精細化した画像を伝送するような電子機器に用いられるFPCの場合、その特定インピーダンスあるいは差動インピーダンスの安定化が強く求められる。
このような要求に対して、絶縁性樹脂からなるフィルム状の基材と、導電層と、オリゴフェニレンエーテルとスチレンブタジエン系のエラストマーを含有する絶縁性接着層とがこの順に積層されてなる電磁波シールド付きカバーレイフィルムが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2013−193253号公報
近年、スマートフォン等の通信機器や次世代TV等の電子機器では、より大容量のデータをより高速に送受信する事が要求されており、これに伴い電気信号の高周波数化が検討されている。例えば、無線通信分野においては2020年頃に5G(第五世代移動通信システム)の導入が見込まれている。5Gでは、通信速度が前世代の数十倍以上となり、これを実現するために電気信号は10GHz以上の高周波領域が検討されている。また、自動車分野においては車載レーダーシステムとして、ミリ波と呼ばれる60GHz以上の高周波領域の電気信号の使用が検討されている。このように将来の情報通信には、高周波数帯の電気信号を扱う事が必要不可欠であるが、一方で、高周波数化することで伝送損失が増大するというデメリットがある。伝送損失の増大を抑制するためには、絶縁体の誘電率の低減が必要である。そこで、絶縁体の誘電率を低減することで、伝送損失の増大を抑制することが必要となる。
しかし、特許文献1に記載された電磁波シールド付きカバーレイフィルムは、フレキシブルプリント配線板のカバーレイ上に貼付するものであり、工程数が多く、電磁波シールド付きプリント配線板の生産効率をより向上できなかった。
そこで、本発明は、電磁波シールド付きプリント配線板の生産効率をより向上できる電磁波シールド付きカバーレイフィルム及びその製造方法、並びに電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板及びその製造方法を提供することを課題とする。
[1] 絶縁樹脂層と、導電層を含むシールド層と、前記シールド層の前記絶縁樹脂層とは反対側に設けられたカバーレイフィルムとを備える電磁波シールド付きカバーレイフィルムであって、
前記カバーレイフィルムは、カバーレイフィルム本体と、前記カバーレイフィルム本体の前記シールド層とは反対側の表面に設けられたカバーレイ接着剤層とを備える、電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
[2] 前記カバーレイフィルムは、芳香族ポリエーテルケトンを含む、[1]に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
[3] 前記芳香族ポリエーテルケトンが、ポリエーテルエーテルケトン又はポリエーテルケトンケトンである、[2]に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
[4] 前記カバーレイ接着剤層が比誘電率3.5未満、誘電正接0.010以下である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
[5] 前記シールド層が、さらに、前記導電層の前記カバーレイフィルム側の表面に設けられたシールド層接着剤層を含む、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
[6] 前記シールド層接着剤層が比誘電率3.5未満、誘電正接0.010以下である、[5]に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
[7] 前記導電層の厚みが0.2〜3μmである、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
[8] 前記カバーレイフィルム本体の熱膨張率が2×10−5〜30×10−5−1である、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
[9] さらに、前記絶縁樹脂層の前記シールド層とは反対側の表面に設けられた保護フィルムを備える、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
[10] 前記保護フィルムが、保護フィルム本体と、前記保護フィルム本体の前記絶縁樹脂層側の表面に設けられた保護フィルム粘着剤層と、を有する、[9]に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
[11] さらに、前記カバーレイ接着剤層の前記カバーレイフィルム本体とは反対側の表面に設けられたセパレータフィルムを備える、[1]〜[10]のいずれか1つに記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
[12] 前記セパレータフィルムが、セパレータフィルム本体と、前記セパレータフィルムの前記カバーレイ接着剤層側の表面に設けられたセパレータフィルム粘着剤層と、を有する、[11]に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
[13] [1]〜[12]のいずれか1つに記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルムの製造方法であって、
芳香族ポリエーテルケトンを含むカバーレイフィルム本体の一方の表面に、導電層を含むシールド層を設ける工程と、
前記シールド層の前記カバーレイフィルム本体とは反対側の表面に、絶縁樹脂層を設ける工程と、
前記カバーレイフィルム本体の前記シールド層とは反対側の表面に、カバーレイ接着剤層を設ける工程と、
を備える、電磁波シールド付きカバーレイフィルムの製造方法。
[14] 基材と、前記基材の少なくとも一方の表面に形成された配線とを備えるフレキシブルプリント配線板と、前記一方の面に接着された[1]〜[8]のいずれか1つに記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルムと、を備える電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板であって、
前記電磁波シールド付きカバーレイフィルムのカバーレイ接着剤層が、前記フレキシブルプリント配線板の前記一方の表面に接着されている、電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板。
[15] 基材と前記基材の少なくとも一方の表面に形成された配線とを備えるフレキシブルプリント配線板の前記少なくとも一方の表面に対して、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルムのカバーレイ接着剤層を介して前記電磁波シールド付きカバーレイフィルムを接着する工程を備える、電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板の製造方法。
本発明によれば、電磁波シールド付きプリント配線板の生産効率をより向上できる電磁波シールド付きカバーレイフィルム及びその製造方法、並びに電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板及びその製造方法を提供できる。
図1は、本発明の電磁波シールド付きカバーレイフィルムの一例を示す断面図である。 図2は、本発明の電磁波シールド付きカバーレイフィルムの別の一例を示す断面図である。 図3は、本発明の電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板の一例を示す断面図である。 図4は、本発明の電磁波シールド付きカバーレイフィルムのさらに別の一例を示す断面図である。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「〜」を用いて表される数値範囲には、「〜」の両側の数値を含むものとする。
フィルム(カバーレイフィルム、セパレータフィルム、保護フィルム等)、電磁波シールド付きカバーレイフィルムの各層の厚みは、デジタル測長機(ミツトヨ社製、ライトマチックVL−50−B)を用いて無作為に選ばれた5箇所の厚みを測定し、平均した値である。
導電層の厚みは、渦電流式膜厚計を用いて無作為に選ばれた5箇所の厚みを測定し、平均した値である。
貯蔵弾性率は、測定対象に与えた応力と検出したひずみから算出され、温度又は時間の関数として出力する動的粘弾性測定装置を用いて、粘弾性特性の一つとして測定される。
表面抵抗は、10Ω/□未満の場合は、低抵抗抵抗率計(例えば、三菱ケミカル社製、ロレスタGP、ASPプローブ)を用い、四端子法(JIS K 7194:1994及びJIS R 1637:1998に準拠する方法)で測定される表面抵抗率であり、10Ω/□以上の場合は、高抵抗抵抗率計(例えば、三菱ケミカル社製、ハイレスタUP、URSプローブ)を用い、二重リング法(JIS K 6911:2006に準拠する方法)で測定される表面抵抗率である。
見かけのせん断粘度、相対結晶化度、ガラス転移温度、及び誘電特性は、後述する方法で測定される値である。
[電磁波シールド付きカバーレイフィルム]
本発明の電磁波シールド付きカバーレイフィルムは、絶縁樹脂層と、導電層を含むシールド層と、前記シールド層の前記絶縁樹脂層とは反対側に設けられたカバーレイフィルムと、を備える。
図1に示す電磁波シールド付きカバーレイフィルム1は、絶縁樹脂層10と、導電層を含むシールド層20と、シールド層20の絶縁樹脂層10とは反対側に設けられたカバーレイフィルム40とを備える。
<絶縁樹脂層>
絶縁樹脂層10は、シールド層20の保護層である。
絶縁樹脂層10としては、光硬化性樹脂と光ラジカル重合開始剤とを含む塗料を塗布し、半硬化又は硬化させて形成された塗膜(塗布膜);熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、半硬化又は硬化させて形成された塗膜;熱可塑性樹脂を含む塗料を塗布し、乾燥させて形成された塗膜;熱可塑性樹脂を含む組成物を溶融成形したフィルムからなる層等が挙げられる。はんだリフロー工程に供される際の耐熱性の点から、光硬化性樹脂と光ラジカル重合開始剤とを含む塗料を塗布し、半硬化又は硬化させて形成された塗膜、又は熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、半硬化又は硬化させて形成された塗膜が好ましい。
絶縁樹脂層10がシールド層20に対して塗布することにより形成された塗布膜であると、絶縁樹脂層10のシールド層20に対する接着性が向上するので好ましい。
光硬化性樹脂としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、光硬化性樹脂の種類に応じた公知の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、アミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム、紫外線硬化アクリレート樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、耐熱性に優れる点から、アミド樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
硬化剤としては、熱硬化性樹脂の種類に応じた公知の硬化剤が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、芳香族ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルホン、ポリフェニレンサルフィド、ポリフェニレンサルフィドサルホン、ポリフェニレンサルフィドケトン等が挙げられる。
絶縁樹脂層10は、プリント配線板のプリント回路を隠蔽したり、電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板に意匠性を付与したりするために、着色剤(顔料、染料等)及びフィラーのいずれか一方又は両方を含んでいてもよい。
着色剤及びフィラーのいずれか一方又は両方としては、耐候性、耐熱性、隠蔽性の点から、顔料又はフィラーが好ましく、隠蔽性、意匠性の点から、黒色顔料又は黒色顔料と他の顔料若しくはフィラーとの組み合わせがより好ましい。
絶縁樹脂層10は、本発明の特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、光安定剤、紫外線安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、耐熱向上剤、無機充填剤、有機充填剤等の添加剤を含んでいてもよい。
絶縁樹脂層10の表面抵抗は、電気的絶縁性及び実用上の点から、1.0×10〜1.0×1019Ω/□が好ましい。
絶縁樹脂層10の厚みは、0.1〜30μmが好ましく、0.5〜20μm以下がより好ましく、1〜10μmがさらに好ましい。
絶縁樹脂層10の厚みがこの範囲内であると、絶縁樹脂層10が保護層としての機能をより発揮できる。また、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1をより薄くできる。
<シールド層>
シールド層20は、導電層を含む層である。
導電層は金属のみからなる層であってもよいし、金属以外の成分を含む層であってもよい。導電層に含まれる金属は薄膜状でもよいし、粒子状でもよいし、その他の形状でもよい。金属以外の成分としては、例えば、金属粒子同士を結着させるバインダー樹脂が挙げられる。
前記導電層は、1層の金属薄膜層からなることが好ましい。
前記導電層の厚みは、0.2〜3μmが好ましい。
金属の薄膜からなる金属薄膜層は、面方向に広がるように形成されていることから、面方向に導電性を有し、電磁波をシールドする層として機能する。
前記金属薄膜層としては、物理蒸着(真空蒸着、スパッタリング、イオンビーム蒸着、電子ビーム蒸着等)又は化学蒸着によって形成された蒸着膜、めっきによって形成されためっき膜、金属箔等が挙げられる。
前記金属薄膜層は、面方向の導電性に優れる点では、蒸着膜又はめっき膜が好ましい。
前記金属薄膜層は、シールド層20を薄くでき、かつ厚みが薄くても面方向の導電性に優れ、ドライプロセスにて簡便に形成できる点では、蒸着膜がより好ましく、物理蒸着による蒸着膜がさらに好ましい。
前記金属薄膜層を構成する金属としては、銀、銅、アルミニウム、ニッケル及び金からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、導電性及びコストの点では、銀又は銅がより好ましい。
前記金属薄膜層のなかでも、電磁波遮蔽性が高く、しかも金属薄膜層を容易に形成しやすいことから、金属蒸着層が好ましく、銀蒸着層又は銅蒸着層がより好ましい。
前記金属薄膜層の表面抵抗は、0.001〜1Ω/□が好ましく、0.001〜0.5Ω/□がより好ましく、0.001〜0.1Ω/□がさらに好ましい。
前記金属薄膜層の表面抵抗がこの範囲内であると、前記金属薄膜層をより薄くできる。また、電磁波シールド層としてより十分に機能できる。
前記金属薄膜層の厚みは、0.1〜7μmが好ましく、0.2〜5μmがより好ましく、0.3〜3μmがさらに好ましい。
前記金属薄膜層の厚みがこの範囲内であると、面方向の導電性がより良好になり、電磁波ノイズの遮蔽効果がさらに良好になる。また、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1をより薄くできる。さらに、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1の生産性及び可とう性がより向上する。
シールド層20は、図2に示す電磁波シールド付きカバーレイフィルム1’に表されるように、絶縁樹脂層10側に配置された導電層22と、カバーレイフィルム40側に配置されたシールド層接着剤層24とを含んでもよい。
導電層22は上述したとおりである。
シールド層接着剤層24は、絶縁性接着剤層又は導電性接着剤層が好ましい。
(絶縁性接着剤層)
前記絶縁性接着剤層としては、例えば、上述した絶縁樹脂層10と同様のものが挙げられる。
また、前記絶縁性接着剤層としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、酸変性ポリオレフィン樹脂又はアクリル樹脂等からなる低誘電接着剤を含む低誘電接着剤層も好ましい。
前記低誘電接着剤層の比誘電率εは、3.5未満が好ましく、2.0〜3.0がより好ましい。
カバーレイフィルム本体41の比誘電率εがこの範囲内であると、誘電率が低く、10GHz以上での伝送損失の増大を充分に抑制できる。
ここで、比誘電率εは下記式によって定義される。
ε=ε/ε
式中、εは低誘電接着剤層の誘電率であり、εは真空の誘電率である。
なお、誘電率εは、摂動方式 試料穴閉鎖形 空洞共振器法(ASTM D2520、(JIS C 2565:1992)準拠)により、1GHz、常温環境下での測定で得られる。
前記低誘電接着剤層の比誘電率が低いほど、高周波特性、伝送特性、誘電損失等が優れる。
前記低誘電接着剤層を形成する樹脂の誘電正接は、0.010以下が好ましく、0.005以下がより好ましく、0.003以下がさらに好ましい。
前記低誘電接着剤層の誘電正接が低いほど、高周波特性、伝送特性等が優れる。
前記低誘電接着剤層のガラス転移点は、30〜180℃が好ましく、40〜175℃がより好ましく、45〜160℃がさらに好ましい。
前記低誘電接着剤層のガラス転移点がこの範囲内であると、低誘電接着剤層であるシールド層接着剤層24を加熱して導電層22をカバーレイフィルム本体41に接着する際に、シールド層接着剤層24を上記ガラス転移点程度の低い温度で加熱することにより、容易に接着でき、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含むカバーレイフィルム本体41との接着力をより強くできる。
前記低誘電接着剤層のガラス転移点は、JIS K 7244−2:1998に準拠して、前記低誘電接着剤層の動的粘弾性測定(昇温速度3℃/分、周波数1Hz、引張モード)により得られる損失弾性率E”の変異点温度として求められる。
前記低誘電接着剤層は、着色剤(顔料、染料等)及びフィラーのいずれか一方又は両方を含んでいてもよい。
着色剤及びフィラーのいずれか一方又は両方としては、耐候性、耐熱性、隠蔽性の点から、顔料又はフィラーが好ましく、隠蔽性、意匠性の点から、黒色顔料又は黒色顔料と他の顔料若しくはフィラーとの組み合わせがより好ましい。
前記低誘電接着剤層は、本発明の特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、光安定剤、紫外線安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、耐熱向上剤、無機充填剤、有機充填剤等の添加剤を含んでいてもよい。
前記低誘電接着剤層の表面抵抗は、電気的絶縁性及び実用上の点から、1.0×10〜1.0×1019Ω/□が好ましい。
前記低誘電接着剤層の厚みは、2〜50μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。
前記低誘電接着剤層の厚みがこの範囲内であると、前記低誘電接着剤層が接着層としての機能をより発揮できる。また、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1’をより薄くできる。
(導電性接着剤層)
前記導電性接着剤層は、等方導電性接着剤層であることが望ましい。
前記等方導電性接着剤層は、厚み方向及び面方向に導電性を有し、かつ、接着性を有する。
前記等方導電性接着剤層は、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1’の電磁波遮蔽性をより向上する利点を有する。
前記等方導電性接着剤層としては、硬化後に耐熱性を発揮できる点から、熱硬化性の導電性接着剤層が好ましい。
前記熱硬化性の等方導電性接着剤層は、未硬化の状態であってもよく、Bステージ化された状態であってもよい。
熱硬化性の等方導電性接着剤層は、例えば、熱硬化性接着剤(以下「熱硬化性接着剤(C)」という。)と、導電性粒子(以下「導電性粒子(D)」という。)と、を含む。
前記熱硬化性の等方導電性接着剤層は、必要に応じて難燃剤を含んでいてもよい。
前記熱硬化性接着剤(A)としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム、紫外線硬化アクリレート樹脂等が挙げられる。耐熱性に優れる点から、エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、可とう性付与のためのゴム成分(カルボキシ変性ニトリルゴム、アクリルゴム等)、粘着付与剤等を含んでいてもよい。
前記熱硬化性接着剤(A)は、前記等方導電性接着剤層の強度を高め、打ち抜き特性を向上させるために、セルロース樹脂、ミクロフィブリル(ガラス繊維等)等を含んでいてもよい。前記熱硬化性接着剤(A)は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて他の成分(硬化剤等)を含んでいてもよい。
前記導電性粒子(C)としては、金属(銀、白金、金、銅、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、ハンダ等)の粒子、黒鉛粉、焼成カーボン粒子、めっきされた焼成カーボン粒子等が挙げられる。前記導電性粒子(C)としては、前記等方導電性接着剤層がさらに適度の硬さを有するようになり、熱プレスの際の前記等方導電性接着剤層における圧力損失をさらに低減できる点からは、金属粒子が好ましく、銅粒子がより好ましい。
前記等方導電性接着剤層における前記導電性粒子(D)の平均粒子径は、0.001〜5μmが好ましく、0.002〜1μmがより好ましい。
前記導電性粒子(D)の平均粒子径がこの範囲内であると、前記導電性粒子(D)の接触点数が増えることになり、3次元方向の導通性を安定的に高めることができる。
前記等方導電性接着剤層における前記導電性粒子(D)の割合は、前記等方導電性接着剤層の100体積%のうち、30〜80体積%が好ましく、40〜70体積%がより好ましい。
前記導電性粒子(D)の割合がこの範囲内であると、前記等方導電性接着剤層の導電性がより良好になる。
前記等方導電性接着剤層の180℃における貯蔵弾性率は、1×10〜5×10Paが好ましく、5×10〜1×10Paがより好ましい。
前記等方導電性接着剤層の180℃における貯蔵弾性率がこの範囲内であると、前記等方導電性接着剤層がさらに適度な硬さを有するようになり、熱プレスの際の前記等方導電性接着剤層における圧力損失を低減できる。その結果、前記等方導電性接着剤層とフレキシブルプリント配線板の回路とが十分に接着される。また、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1’の可とう性がより向上する。
前記等方導電性接着剤層の表面抵抗は、0.005〜2.0Ω/□が好ましく、0.001〜1.0Ω/□がより好ましい。
前記等方導電性接着剤層の表面抵抗がこの範囲内であると、前記導電性粒子(D)の含有量をより低く抑えられ、導電性接着剤の粘度が高くなりすぎず、塗布性がさらに良好となる。
前記等方導電性接着剤層の厚みは、0.2〜10μmが好ましく、0.5〜8μmがより好ましく、1〜5がさらに好ましい。
前記等方導電性接着剤層の厚みがこの範囲内であると、前記等方導電性接着剤層の導電性がより良好になり、電磁波シールド層として十分に機能できる。さらに、耐折性もより確保しやすくなり、繰り返し折り曲げても前記等方導電性接着剤層が断裂しにくくなる。また、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1’をより薄くできる。さらに、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1’の可とう性がより向上する。
<カバーレイフィルム>
カバーレイフィルム40は、カバーレイフィルム本体41と、カバーレイフィルム本体41のシールド層20とは反対側の表面に設けられたカバーレイ接着剤層42とを備える。
(カバーレイフィルム本体)
カバーレイフィルム本体41は、高分子フィルムであり、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリフェニレンサルホンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリパラフェニレンテレフタルアミドフィルム、芳香族ポリエーテルケトンフィルム、液晶ポリマーフィルム等が挙げられる。
このうち、誘電率の低い芳香族ポリエーテルケトンフィルム、液晶ポリマーフィルムが好ましく、製造時の成膜性の良い芳香族ポリエーテルケトンが望ましい。
前記芳香族ポリエーテルケトンは、エーテル結合を介してベンゼン環同士を結合した構造と、ケトン基を介してベンゼン環同士を結合した構造とを有するポリマーである。
前記芳香族ポリエーテルケトンとしては、例えば、下記式(P1)で表される化学構造を有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、下記式(P2)で表される化学構造を有するポリエーテルケトン(PEK)、下記式(P3)で表される化学構造を有するポリエーテルケトンケトン(PEKK)、下記式(P4)で表される化学構造を有するポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、下記式(P5)で表される化学構造を有するポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)が挙げられる。前記低誘電接着剤層に含まれる前記芳香族ポリエーテルケトンは1種単独でもよいし、2種以上でもよい。
また、前記芳香族ポリエーテルケトンは、下記式(P1)〜(P5)で表される化学構造を2つ以上有する共重合体であってもよい。
なお、前記芳香族ポリエーテルケトンの両末端は水素原子となっている。
電磁波シールド付きカバーレイフィルム1’に用いられる芳香族ポリエーテルケトンとしては、成膜性、耐熱性、可撓性などの観点からポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトンであることが好ましく、中でも成膜性に優れるポリエーテルエーテルケトンであることが望ましい。
電磁波シールド付きカバーレイフィルム1’により耐熱性が求められる場合には、前記芳香族ポリエーテルケトンのなかでも、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトンが好ましい。
ポリエーテルケトンのガラス転移温度は152℃、ポリエーテルケトンケトンのガラス転移温度は154℃、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトンのガラス転移温度は162℃であり、いずれも、ポリエーテルエーテルケトンのガラス転移温度143℃より高い。そのため、耐熱性が求められる用途に適している。芳香族ポリエーテルケトンのガラス転移温度は、示差熱走査熱量測定(DSC)によって求められる。
Figure 2021052063
前記式(P1)〜(P5)の各々のnは、機械的特性の観点から、10以上が好ましく、20以上がより好ましい。一方、前記芳香族ポリエーテルケトンを容易に製造できる点では、nは5000以下が好ましく、1000以下がより好ましい。すなわち、10〜5000が好ましく、20〜1000がより好ましい。
前記芳香族ポリエーテルケトンが結晶性を有する場合、相対結晶化度は、5%以上80%未満が好ましく、5〜50%がより好ましく、5〜30%がさらに好ましい。
前記相対結晶化度がこの範囲内であると、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1’の剛性がより適度となる。
前記相対結晶化度は、示差走査熱量計を用いて10℃/分の昇温速度で測定した熱分析結果に基づき、以下の式により算出される。
相対結晶化度(%)={1−(ΔHc/ΔHm)}×100
ΔHc:再結晶化ピークの熱量(J/g)
ΔHm:結晶融解ピークの熱量(J/g)
カバーレイフィルム本体41は、芳香族ポリエーテルケトンを含むことにより誘電率を低減し、10GHz以上の高周波領域での伝送損失の増大を抑制する。
カバーレイフィルム本体41が前記ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)及び前記ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)以外の芳香族ポリエーテルケトン(PEK、PEKK、PEEKK、PEKEKK)を含む場合の、前記式(P1)で表されるポリエーテルエーテルケトンの割合は、カバーレイフィルム本体41が含む芳香族ポリエーテルケトンの全モル数を100モル%として、50〜100モル%が好ましく、70〜100モル%がより好ましく、80〜100モル%がさらに好ましく、95〜100モル%が最も好ましい。
前記ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は、本発明の効果を損なわない範囲において、エーテルサルホン等の他の共重合可能な単量体とのブロック共重合体、ランダム共重合体又は変性体であってもよい。
この場合において、前記ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は、前記式(P1)で表されるポリエーテルケトン単位の割合が、前記ポリエーテルエーテルケトンの全ての繰り返し構成単位(100モル%)に対し、50〜100モル%が好ましく、70〜100モル%がより好ましく、80〜100モル%がさらに好ましく、100モル%が最も好ましい。
前記芳香族ポリエーテルケトンの製造方法、とりわけポリエーテルエーテルケトンの製造方法としては、例えば、特開昭50−27897号公報、特開昭51−119797号公報、特開昭52−38000号公報、特開昭54−90296号公報、特公昭55−23574号公報、特公昭56−2091号公報に開示されている。
カバーレイフィルム本体41には、前記ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)及び前記ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)以外の芳香族ポリエーテルケトン以外に他の樹脂が含まれてもよい。他の樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルホン、ポリフェニレンサルフィド、ポリフェニレンサルフィドサルホン、ポリフェニレンサルフィドケトン等が挙げられる。
この場合において、カバーレイフィルム本体41の前記ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)及び前記ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)以外の芳香族ポリエーテルケトンの合計含有量は、50〜100質量%が好ましく、70〜100質量%がより好ましく、80〜100質量%がさらに好ましい。
カバーレイフィルム本体41の熱膨張率(CTE:Coefficient of Thermal Expansion)は、2×10−5〜30×10−5−1が好ましく、2×10−5〜10×10−5−1がより好ましい。
ここで、CTEは、熱機械的分析(TMA)による測定で得られる。
カバーレイフィルム本体41の比誘電率εは、2.0〜5.0が好ましく、2.0〜4.0がより好ましく、2.0〜3.0がさらに好ましい。
カバーレイフィルム本体41の比誘電率εがこの範囲内であると、誘電率が低く、10GHz以上での伝送損失の増大を充分に抑制できる。
ここで、比誘電率εは下記式によって定義される。
ε=ε/ε
式中、εはカバーレイフィルム本体41の誘電率であり、εは真空の誘電率である。
なお、誘電率εは、摂動方式 試料穴閉鎖形 空洞共振器法(ASTM D2520、(JIS C 2565)準拠)により、1GHz、常温環境下での測定で得られる。
前記カバーレイフィルム本体41の誘電正接は、0.010以下が好ましく、0.005以下がより好ましく、0.003以下がさらに好ましい。
前記カバーレイフィルム本体41の誘電正接が低いほど、高周波特性、伝送特性等が優れる。
カバーレイフィルム本体41の表面抵抗は、電気的絶縁性及び実用性の点から、1.0×10〜1.0×1019Ω/□が好ましい。
カバーレイフィルム本体41の厚みは、1〜100μmが好ましく、可とう性の点から、3〜25μmがより好ましい。
(カバーレイ接着剤層)
カバーレイ接着剤層42の材料としては、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン等が挙げられる。
また、カバーレイフィルム40全体の低誘電率化に寄与することから、上述した低誘電接着剤も、カバーレイ接着剤層42の材料として好ましい。
カバーレイ接着剤層の厚みは、1〜100μmが好ましく、1.5〜60μmがより好ましく、5〜30μmがさらに好ましい。
カバーレイ接着剤層42の比誘電率εは、2.0〜5.0が好ましく、2.0〜4.0がより好ましく、2.0〜3.0がさらに好ましい。
カバーレイ接着剤層42の比誘電率εがこの範囲内であると、誘電率が低く、10GHz以上での伝送損失の増大を充分に抑制できる。
前記カバーレイ接着剤層42の誘電正接は、0.010以下が好ましく、0.005以下がより好ましく、0.003以下がさらに好ましい。
前記カバーレイ接着剤層42の誘電正接が低いほど、高周波特性、伝送特性等が優れる。
<保護フィルム>
図4に示す電磁波シールド付きカバーレイフィルム1”に表されるように、本発明の電磁波シールド付きカバーレイフィルムは、絶縁樹脂層10のシールド層20とは反対側の表面に設けられた保護フィルム60をさらに備えていてもよい。
保護フィルム60は、絶縁樹脂層10及びシールド層20を補強及び保護する支持体であり、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1”のハンドリング性を良好にする。特に、絶縁樹脂層10として、薄いフィルム、具体的には厚みが1〜10μmのフィルムを用いた場合には、保護フィルム60を有することによって、絶縁樹脂層10の破断を防ぐことができる。
保護フィルム60は、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1をフレキシブルプリント配線板に貼り付けた後には、絶縁樹脂層10から剥離される。
保護フィルム60の厚みは、25〜125μm以下が好ましく、38〜100μm以下がより好ましい。
保護フィルム60の厚みがこの範囲内であると、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1”のハンドリング性がより良好となる。また、フレキシブルプリント配線板に電磁波シールド付きカバーレイフィルム1”を熱プレスする際に熱が伝わりやすい。
保護フィルム60は、保護フィルム本体61と、保護フィルム本体61の絶縁樹脂層10側の表面に設けられた保護フィルム粘着剤層62とを有する。
(保護フィルム本体)
保護フィルム本体61の樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という。)、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリアセテート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、合成ゴム、液晶ポリマー等が挙げられる。
前記樹脂材料としては、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1”を製造する際の耐熱性(寸法安定性)及び価格の点から、PETが好ましい。
保護フィルム本体61は、着色剤(顔料、染料等)及びフィラーのいずれか一方又は両方を含んでいてもよい。
着色剤及びフィラーのいずれか一方又は両方としては、絶縁樹脂層10と明確に区別でき、熱プレスした後に保護フィルム60の剥がし残しに気が付きやすい点から、絶縁樹脂層10とは異なる色のものが好ましく、白色顔料、フィラー、又は白色顔料と他の顔料もしくはフィラーとの組み合わせがより好ましい。
保護フィルム本体61の180℃における貯蔵弾性率は、8×10〜5×10Paが好ましく、1×10〜8×10Paがより好ましい。
保護フィルム本体61の180℃における貯蔵弾性率がこの範囲内であると、保護フィルム60が適度の硬さを有するようになり、熱プレスの際の保護フィルム60における圧力損失を低減できる。また、保護フィルム60の柔軟性が良好となる。
保護フィルム本体61の厚みは、3〜100μmが好ましく、12〜75μmがより好ましい。
保護フィルム本体61の厚みがこの範囲内であると、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1”のハンドリング性が良好となる。また、フレキシブルプリント配線板に電磁波シールド付きカバーレイフィルム1”を熱プレスする際に熱が伝わりやすい。
(保護フィルム粘着剤層)
保護フィルム粘着剤層62は、例えば、保護フィルム本体61の表面に粘着剤(以下「粘着剤(E)」という。)を含む粘着剤組成物を塗布して形成される。保護フィルム60が保護フィルム粘着剤層62を有することによって、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1”を取り扱う際に、保護フィルム60が絶縁樹脂層10から意図せずに剥離することが抑えられる。その結果として、保護フィルム60が保護フィルムとしての役割を十分に果たすことができる。
前記粘着剤(E)は、熱プレス前には保護フィルム60が絶縁樹脂層10から容易に剥離することなく、熱プレス後には保護フィルム60を絶縁樹脂層10から剥離できる程度の適度な粘着性を保護フィルム粘着剤層62に付与するものが好ましい。
前記粘着剤(E)としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。
前記粘着剤(E)のガラス転移温度は、−100〜60℃が好ましく、−60〜40℃がより好ましい。
保護フィルム粘着剤層62の厚みは、22〜97μm以下が好ましく、26〜88μmがより好ましい。
保護フィルム粘着剤層62の厚みがこの範囲内であると、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1”のハンドリング性がより良好となる。また、フレキシブルプリント配線板に電磁波シールド付きカバーレイフィルム1を熱プレスする際に熱が伝わりやすい。
<セパレータフィルム>
図4に示す電磁波シールド付きカバーレイフィルム1”に表されるように、本発明の電磁波シールド付きカバーレイフィルムは、セパレータフィルム70をさらに備えていてもよい。
セパレータフィルム70は、カバーレイ接着剤層42を保護するものである。セパレータフィルム70は、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1をプリント配線板等に貼り付ける前に、カバーレイ接着剤層42から剥離される。
セパレータフィルム70は、セパレータフィルム本体71のみで構成されても良いし、セパレータフィルム本体71と、セパレータフィルム本体71の融着接着層側の表面に設けられたセパレータフィルム粘着剤層72とを有しても良い。
(セパレータフィルム本体)
セパレータフィルム本体71の樹脂材料としては、保護フィルム本体61の樹脂材料と同様なものが挙げられる。
セパレータフィルム本体71は、着色剤、フィラー等を含んでいてもよい。
セパレータフィルム本体71の厚みは、5〜500μmが好ましく、10〜150μmがより好ましく、25〜100μmがさらに好ましい。
(セパレータフィルム粘着剤層)
セパレータフィルム粘着剤層72は、例えば、セパレータフィルム本体71の表面に粘着剤(以下「粘着剤(F)」という。)を含む粘着剤組成物を塗布して形成される。セパレータフィルム70がセパレータフィルム粘着剤層72を有することによって、セパレータフィルム70をカバーレイ接着剤層42から剥離する際に、セパレータフィルム70を剥離しやすく、カバーレイ接着剤層42が破断しにくくなる。
前記粘着剤(F)は、熱プレス前にはセパレータフィルム70がカバーレイフィルム40から容易に剥離することなく、熱プレス後にはセパレータフィルム70をカバーレイフィルム40から剥離できる程度の適度な粘着性をセパレータフィルム粘着剤層72に付与するものが好ましい。
前記粘着剤(F)としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。
前記粘着剤(F)のガラス転移温度は、−100〜60℃が好ましく、−60〜40℃がより好ましい。
セパレータフィルム粘着剤層72の厚みは、0.05〜30μmが好ましく、0.1〜20μmがより好ましい。
セパレータフィルム粘着剤層72の厚みがこの範囲内であると、セパレータフィルム70をさらに剥離しやすくなる。
[電磁波シールド付きカバーレイフィルムの製造方法]
本発明の電磁波シールド付きカバーレイフィルムは、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含むカバーレイフィルム本体41の一方の表面に、導電層を含むシールド層20を設ける工程(a)と、シールド層20のカバーレイフィルム本体41とは反対側の表面に、絶縁樹脂層10を設ける工程(b)と、カバーレイフィルム本体41のシールド層20とは反対側の表面に、カバーレイ接着剤層42を設ける工程(c)と、を備える、電磁波シールド付きカバーレイフィルムの製造方法によって製造できる。
以下、図1に示す電磁波シールド付きカバーレイフィルム1を製造する方法を例示する。
工程(a):
まず、カバーレイフィルム本体41を構成するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む樹脂フィルムを準備する。PEEKを含む樹脂フィルムは、公知の押出成形法により得られる。
次に、カバーレイフィルム本体41の一方の表面に、例えば、金属蒸着によってシールド層20を形成する。金属蒸着を行う代わりに、金属箔を貼り付けたり、導電性粒子を含む導電性組成物を塗布したりして、シールド層20を形成してもよい。
工程(b):
シールド層20のカバーレイフィルム本体41とは反対側に表面に、例えば、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、半硬化又は硬化させて、絶縁樹脂層を形成する。
工程(c):
カバーレイフィルム本体41の他方の表面(シールド層20を形成した側とは反対側の表面)に、例えば、上述した低誘電接着剤を塗布し、半硬化又は硬化させて、カバーレイ接着剤層42を形成する。
さらに、絶縁樹脂層10のシールド層20とは反対側の表面に保護フィルム60を貼り付ける工程(d)、カバーレイ接着剤層42のカバーレイフィルム本体41とは反対側の表面にセパレータフィルム70を貼り付ける工程(e)を備えていてもよい。得られる電磁波シールド付きカバーレイフィルムのハンドリングが容易になる。
[電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板]
図3に示す本発明の電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板2は、基材52と、基材52の少なくとも一方の表面に形成された配線54とを備えるフレキシブルプリント配線板50と、前記一方の面に接着された電磁波シールド付きカバーレイフィルム1と、を備え、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1のカバーレイ接着剤層42が、フレキシブルプリント配線板50の前記一方の表面に接着されている。
<フレキシブルプリント配線板>
フレキシブルプリント配線板50は、銅張積層板の銅箔を公知のエッチング法により所望のパターンに加工して配線54としたものである。
銅張積層板としては、基材52の片面又は両面に接着剤層を介して銅箔を貼り付けたもの、銅箔の表面に基材52を形成する樹脂溶液等をキャストしたもの等が挙げられる。
前記接着剤層の材料としては、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
前記接着剤層の厚みは、0.5〜50μmが好ましく、1〜30μmがより好ましい。
配線54を構成する銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられ、屈曲性の点から、圧延銅箔が好ましい。配線54は、例えば、信号回路、グランド回路、グランド層等として使用される。
前記銅箔の厚みは、1〜50μmが好ましく、18〜35μmがより好ましい。
配線54の長さ方向の端部(端子)は、ハンダ接続、コネクター接続、部品搭載等のため、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1に覆われず、露出している。
基材52として、比誘電率が低い樹脂からなるフィルムを使用することができる。電磁波シールド付きカバーレイフィルム1のカバーレイ接着剤層42が低誘電率接着剤を含む場合には、低誘電率の樹脂からなる基材52に対する接着性が向上している。
基材52を形成する樹脂の比誘電率は、2.0〜5.0が好ましく、2.0〜4.0がより好ましく、2.0〜3.0がさらに好ましい。
基材52の比誘電率が低いほど、高周波特性、伝送特性、誘電損失等が優れる。
基材52を形成する樹脂の誘電正接は、0.010以下が好ましく、0.005以下がより好ましく、0.003以下がさらに好ましい。
基材52の誘電正接が低いほど、高周波特性、伝送特性等が優れる。
基材52の表面抵抗は、実用的な電気的絶縁性を得る観点から、1×10〜1×1019Ω/□が好ましい。
基材52の厚みは、5〜200μmが好ましく、屈曲性の点から、6〜50μmがより好ましく、10〜25μmがより好ましい。
基材52を形成する樹脂の具体例としては、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン及びポリエーテルケトンケトン等の芳香族ポリエーテルケトン又はポリイミドが挙げられる。
前記樹脂としては、電気絶縁性、耐薬品性、耐熱性、難燃性及び機械的強度が高く、線膨張係数が低いことから、液晶ポリマー又はポリイミドが好ましく、さらに高周波特性がより優れることから、液晶ポリマーが特に好ましい。
前記液晶ポリマーは、熱可塑性ポリマーの一種であり、パラヒドロキシ安息香酸と他のモノマーとを直鎖状にエステル結合させた芳香族ポリエステル系樹脂である。
前記液晶ポリマーの具体例としては、下記式(LCP−1)で表される、エチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体、下記式(LCP−2)で表される、フェノール及びフタル酸とパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体、下記式(LCP−3)で表される、2,6−ヒドロキシナフトエ酸とパラヒドロキシ安息香酸との重縮合等が挙げられる。
Figure 2021052063
式(LCP−1)、式(LCP−2)及び式(LCP−3)において、m、nは、それぞれ独立に、1以上の整数である。
前記ポリイミドは、下記式(1)で示される繰り返し構成単位及び下記式(2)で示される繰り返し構成単位を含み、下記式(1)の繰り返し構成単位と下記式(2)の繰り返し構成単位の合計に対する下記式(1)の繰り返し構成単位の含有比が20〜70モル%であり、かつ、炭素数5〜14の鎖状脂肪族基を末端に有するポリイミドを含むものが好ましい。
Figure 2021052063
式(1)中、Rは少なくとも1つの脂環式炭化水素構造を含む炭素数6〜22の2価の基であり、Xは少なくとも1つの芳香環を含む炭素数6〜22の4価の基である。
式(2)中、Rは炭素数5〜16の2価の鎖状脂肪族基であり、Xは少なくとも1つの芳香環を含む炭素数6〜22の4価の基である。
前記ポリイミドは、特定の異なるポリイミド構成単位を、特定の比率で組み合わせてなり、かつ、特定の構造を末端に有するため、成形加工性及び耐熱性に優れ、さらに耐熱老化性に優れる。
前記式(1)のRは少なくとも1つの脂環式炭化水素構造を含む炭素数6〜22の2価の基である。ここで、脂環式炭化水素構造とは、脂環式炭化水素化合物から誘導される環を意味し、脂環式炭化水素化合物は、飽和であっても不飽和であってもよく、単環であっても多環であってもよい。
脂環式炭化水素構造としては、例えば、シクロヘキサン環等のシクロアルカン環、シクロヘキセン等のシクロアルケン環、ノルボルナン環等のビシクロアルカン環、及びノルボルネン等のビシクロアルケン環等が挙げられる。これらの中でも、シクロアルカン環が好ましく、炭素数4〜7のシクロアルカン環がより好ましく、シクロヘキサン環がさらに好ましい。
の炭素数は6〜22であり、8〜17が好ましい。
が含む脂環式炭化水素構造の数は、少なくとも1つであり、1〜3個が好ましい。
は、下記式(R1−1)又は(R1−2)で表される2価の基が好ましく、下記式(R1−3)で表される2価の基がより好ましい。
Figure 2021052063
式(R1−1)中、m11及びm12は、それぞれ独立に、0〜2の整数である。
式(R1−2)中、m13〜m15は、それぞれ独立に、0〜2の整数である。
Figure 2021052063
前記式(R1−3)で表される2価の基において、2つのメチレン基のシクロヘキサン環に対する位置関係はシスであってもよいし、トランスであってもよいし、シスとトランスの両方が混合していてもよい。シスとトランスの比は任意の比でよい。
前記式(1)のXは少なくとも1つの芳香環を含む炭素数6〜22の4価の基である。前記芳香環は単環でも縮合環でもよく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、及びテトラセン環が挙げられる。これらの中でも、ベンゼン環及びナフタレン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
の炭素数は6〜22であり、6〜18がより好ましい。
が含む芳香環の数は、少なくとも1つであり、1〜3個がより好ましい。
は、下記式(X−1)〜(X−4)のいずれかで表される4価の基が好ましい。
Figure 2021052063
式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基であり、p11〜p13は、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、p14、p15、p16及びp18は、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、p17は0〜4の整数であり、L11〜L13は、それぞれ独立に、単結合、エーテル基、カルボニル基又は炭素数1〜4のアルキレン基である。
は少なくとも1つの芳香環を含む炭素数6〜22の4価の基であるので、式(X−2)におけるR12、R13、p12及びp13は、式(X−2)で表される4価の基の炭素数が6〜22の範囲に入るように選択される。
同様に、式(X−3)におけるL11、R14、R15、p14及びp15は、式(X−3)で表される4価の基の炭素数が6〜22の範囲に入るように選択され、式(X−4)におけるL12、L13、R16、R17、R18、p16、p17及びp18は、式(X−4)で表される4価の基の炭素数が6〜22の範囲に入るように選択される。
は、下記式(X−5)又は(X−6)で表される4価の基が特に好ましい。
Figure 2021052063
前記式(2)のRの2価の鎖状脂肪族基の炭素数は5〜16であり、炭素数5〜14が好ましく、炭素数5〜12がより好ましい。鎖状脂肪族基とは、鎖状脂肪族化合物から誘導される基を意味し、鎖状脂肪族化合物は、飽和であっても不飽和であってもよく、直鎖状であっても分岐状であってもよく、酸素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
のアルキレン基の炭素数は、5〜16が好ましく、5〜14がより好ましく、5〜12がさらに好ましい。これらの中でも、炭素数6〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数6〜10のアルキレン基がより好ましい。前記アルキレン基は、直鎖アルキレン基であっても分岐アルキレン基であってもよく、直鎖アルキレン基が好ましい。
は、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基及びデカメチレン基から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
は、エーテル基を含む炭素数5〜16の2価の鎖状脂肪族基も好ましい。前記炭素数は、5〜14が好ましく、5〜12がより好ましい。
これらのうち、Rは下記式(R2−1)又は(R2−2)で表される2価の基が特に好ましい。
Figure 2021052063
式中、m21及びm22は、それぞれ独立に、1〜15の整数であり、好ましくは1〜13、より好ましくは1〜11、さらに好ましくは2〜6である。m23〜m25は、それぞれ独立に、1〜14の整数であり、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは2〜4である。
の2価の鎖状脂肪族基の炭素数は5〜16であり、5〜14が好ましく、5〜12がより好ましい。したがって、前記式(R2−1)におけるm21及びm22は、前記式(R2−1)で表される2価の基の炭素数が5〜16(好ましくは炭素数5〜14、より好ましくは炭素数5〜12)の範囲に入るように選択される。すなわち、m21+m22は5〜16(好ましくは5〜14、より好ましくは5〜12)である。
同様に、式(R2−2)におけるm23〜m25は、式(R2−2)で表される2価の基の炭素数が5〜16(好ましくは炭素数5〜14、より好ましくは炭素数5〜12)の範囲に入るように選択される。すなわち、m23+m24+m25は5〜16(好ましくは5〜14、より好ましくは5〜12)である。
前記式(2)のXは、前記式(1)におけるXと同様に定義され、好ましい実施形態も同様である。
前記式(1)の繰り返し構成単位と前記式(2)の繰り返し構成単位の合計に対する、前記式(1)の繰り返し構成単位の含有比は20〜70モル%である。
前記式(1)の繰り返し構成単位の含有比がこの範囲内であると、前記ポリイミドを容易に結晶化させることができる。また、成形加工性及び耐熱性が向上する。
前記式(1)の繰り返し構成単位と前記式(2)の繰り返し構成単位の合計に対する、前記式(1)の繰り返し構成単位の含有比は、成形加工性の観点及び結晶化の容易さの観点から、25〜65モル%が好ましく、30〜60モル%がより好ましく、32〜57モル%がさらに好ましい。
前記ポリイミドを構成する全繰り返し単位に対する、前記式(1)の繰り返し構成単位と前記式(2)の繰り返し構成単位の合計の含有比は、50〜100モル%が好ましく、75〜100モル%がより好ましく、80〜100モル%がさらに好ましく、85〜100モル%が特に好ましい。
前記ポリイミドは、さらに、下記式(3)の繰り返し構成単位を含有してもよい。その場合、前記式(1)の繰り返し構成単位と前記式(2)の繰り返し構成単位の合計に対する、下記式(3)の繰り返し構成単位の含有比は、好ましくは25モル%以下である。一方で、下限は特に限定されず、0モル%を超えていればよい。
前記含有比は、耐熱性向上の観点及び結晶化の容易さの観点から、5〜20モル%が好ましく、10〜15モル%がより好ましい。
Figure 2021052063
式中、Rは少なくとも1つの芳香環を含む炭素数6〜22の2価の基であり、Xは少なくとも1つの芳香環を含む炭素数6〜22の4価の基である。
は少なくとも1つの芳香環を含む炭素数6〜22の2価の基である。前記芳香環は単環でも縮合環でもよく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、及びテトラセン環が挙げられる。これらの中でも、好ましくはベンゼン環及びナフタレン環であり、より好ましくはベンゼン環である。
の炭素数は6〜22であり、6〜18が好ましい。
が含む芳香環の数は、少なくとも1つであり、1〜3つがより好ましい。
前記芳香環には1価若しくは2価の電子求引性基が結合していてもよい。1価の電子求引性基としてはニトロ基、シアノ基、p−トルエンスルホニル基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、フェニル基、アシル基などが挙げられる。2価の電子求引性基としては、フッ化アルキレン基(例えば−C(CF−、−(CF−(ここで、pは1〜10の整数である。))のようなハロゲン化アルキレン基のほかに、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−などが挙げられる。
は、下記式(R3−1)又は(R3−2)で表される2価の基が好ましい。
Figure 2021052063
式中、m31及びm32は、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、好ましくは0又は1である。m33及びm34は、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、好ましくは0又は1である。R21、R22、及びR23は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、又は炭素数2〜4のアルキニル基である。p21、p22及びp23は0〜4の整数であり、好ましくは0である。L21は、単結合、エーテル基、カルボニル基又は炭素数1〜4のアルキレン基である。
は少なくとも1つの芳香環を含む炭素数6〜22の2価の基であるので、式(R3−1)におけるm31、m32、R21及びp21は、式(R3−1)で表される2価の基の炭素数が6〜22の範囲に入るように選択される。
同様に、式(R3−2)におけるL21、m33、m34、R22、R23、p22及びp23は、式(R3−2)で表される2価の基の炭素数が12〜22の範囲に入るように選択される。
前記式(3)のXは、前記式(1)におけるXと同様に定義され、好ましい実施形態も同様である。
前記ポリイミドを構成する全繰り返し構成単位に対する、前記式(3)の繰り返し構成単位の含有比は、0モル%超25モル%以下が好ましい。
前記含有比は、耐熱性向上の観点及び結晶化の容易さを維持する観点から、5〜20モル%が好ましく、7〜15モル%がより好ましい。
前記ポリイミドは、さらに、下記式(4)で示される繰り返し構成単位を含有してもよい。
Figure 2021052063
式中、Rは−SO−又は−Si(R)(R)O−を含む2価の基であり、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜3の鎖状脂肪族基又はフェニル基を表し、Xは少なくとも1つの芳香環を含む炭素数6〜22の4価の基である。
前記式(4)のXは、前記式(1)におけるXと同様に定義され、好ましい実施形態も同様である。
前記ポリイミドは、さらに炭素数5〜14の鎖状脂肪族基を末端に有する。
前記鎖状脂肪族基は、飽和であっても不飽和であってもよく、直鎖状であっても分岐状であってもよい。前記ポリイミドは上記特定の基を末端に有するので、耐熱老化性に優れる。具体的には、前記ポリイミドを含むフィルムを200℃以上の高温環境下で数日保存しても分子量保持率の低下が少なく、前記フィルムの機械的強度(靭性)が保持される。
炭素数5〜14の飽和鎖状脂肪族基としては、例えば、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、ラウリル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルペンチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、イソノニル基、2−エチルオクチル基、イソデシル基、イソドデシル基、イソトリデシル基、イソテトラデシル基等が挙げられる。
炭素数5〜14の不飽和鎖状脂肪族基としては、例えば、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−へキセニル基、2−へキセニル基、1−ヘプテニル基、2−ヘプテニル基、1−オクテニル基、2−オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基等が挙げられる。
前記鎖状脂肪族基は飽和鎖状脂肪族基が好ましく、飽和直鎖状脂肪族基がより好ましい。また前記ポリイミドの優れた成型加工性、耐熱性、耐熱老化性を得る観点から、前記鎖状脂肪族基の炭素数は、好ましくは6〜12、より好ましくは7〜10、さらに好ましくは8〜9である。前記鎖状脂肪族基は1種のみでもよく、2種以上でもよい。
前記鎖状脂肪族基は、特に好ましくはn−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、及びイソデシル基から選ばれる少なくとも1種であり、さらに好ましくはn−オクチルアミン、イソオクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ノニルアミン、及びイソノニルアミンから選ばれる少なくとも1種であり、最も好ましくはn−オクチル基、イソオクチル基、及び2−エチルヘキシル基から選ばれる少なくとも1種である。
前記ポリイミドは、耐熱老化性の観点から、末端アミノ基及び末端カルボキシル基以外に、炭素数5〜14の鎖状脂肪族基のみを末端に有することが好ましい。上記以外の基を末端に有する含む場合、その含有量は、好ましくは炭素数5〜14の鎖状脂肪族基に対し10モル%以下、より好ましくは5モル%以下である。
前記ポリイミド中の前記炭素数5〜14の鎖状脂肪族基の含有量は、優れた耐熱老化性を発現する観点及び良好な機械的物性を得るための分子量の確保の観点から、ポリイミド中の全繰り返し構成単位の合計100モル%に対し、0.01〜10モル%が好ましく、0.1〜6モル%がより好ましく、0.2〜3.5モル%がさらに好ましい。
前記ポリイミド中の前記炭素数5〜14の鎖状脂肪族基の含有量は、ポリイミドを解重合することにより求めることができる。
前記ポリイミドは、360℃以下の融点を有し、かつ150℃以上のガラス転移温度を有することが好ましい。
前記ポリイミドの融点は、耐熱性の観点及び成形加工性の観点から、280〜345℃がより好ましく、290〜340℃がさらに好ましい。
前記ポリイミドのガラス転移温度は、耐熱性の観点及び成形加工性の観点から、160〜250℃が好ましく、170〜230℃がより好ましく、170〜200℃がさらに好ましい。
前記ポリイミドの融点、ガラス転移温度は、いずれも示差走査型熱量計により測定することができる。
結晶性、耐熱性、機械的強度、耐薬品性を向上させる観点から、示差走査型熱量計測定により、前記ポリイミドを溶融後、降温速度20℃/分で冷却した際に観測される結晶化発熱ピークの熱量(以下、単に「結晶化発熱量」ともいう)が、5.0mJ/mg以上が好ましく、10.0mJ/mg以上がより好ましく、17.0mJ/mg以上がさらに好ましい。結晶化発熱量の上限値は特に限定されないが、通常、45.0mJ/mg以下である。
前記ポリイミドの融点、ガラス転移温度、結晶化発熱量は、具体的には特許第6037088号公報に記載の方法で測定できる。
前記ポリイミドの5質量%濃硫酸溶液の30℃における対数粘度は、好ましくは0.2〜2.0dL/g、より好ましくは0.3〜1.8dL/gの範囲である。対数粘度が0.2dL/g以上であれば成形体とした際に十分な機械的強度が得られ、2.0dL/g以下であると、成形加工性及び取り扱い性が良好である。対数粘度μは、キャノン・フェンスケ粘度計を使用して、30℃において濃硫酸及び上記ポリイミド溶液の流れる時間をそれぞれ測定し、下記式から求められる。
μ=ln(ts/t)/C
:濃硫酸の流れる時間
ts:ポリイミド溶液の流れる時間
C:0.5(g/dL)
前記ポリイミドの重量平均分子量(Mw)は、10,000〜100,000が好ましく、12,000〜80,000がより好ましく、13,000〜60,000がさらに好ましい。Mwが10,000以上であれば機械的強度が良好であり、100,000以下であれば成形加工性が良好である。
また、前記ポリイミドの数平均分子量(Mn)は、3,000〜80,000が好ましく、4,000〜50,000がより好ましく、5,000〜30,000がさらに好ましい。
前記ポリイミドの分子量(Mw,Mn)は、ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)法により測定できる。
前記ポリイミドは、厚み100μmのフィルム状に成形し、200℃で72時間加熱した後のMwの保持率は、95%以上が好ましく、98%以上がより好ましく、Mnの保持率は、83%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。Mw及びMnの保持率がこの範囲内であると、耐熱老化性が良好であり、金属を含む導電層22に対する接着性が優れる。
上記Mwの保持率は100%を超えてもよく、上限は、通常、120%である。Mwの保持率が100%を超えている場合は、分子内で架橋が生じているものと考えられる。
上記Mnの保持率は、通常、100%である。
上記Mw及びMnの保持率は、下記式から算出できる。
{200℃72時間加熱後の分子量/加熱前の分子量}×100(%)
前記ポリイミドの製造方法は、例えば、特許第6037088号公報に開示されている。
前記ポリイミドの市販品の例としては、例えば、三菱ガス化学株式会社製のサープリム(登録商標)が挙げられる。
[電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板の製造方法]
上述した電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板2は、フレキシブルプリント配線板50の少なくとも一方の表面に対して、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1のカバーレイ接着剤層42を接触させ、カバーレイ接着剤層42を100〜300℃で加熱し、前記一方の表面にカバーレイ接着剤層42を介して電磁波シールド付きカバーレイフィルム1を接着する工程を備える。
図3に示す電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板2は、例えば、下記の工程(α)〜(δ)を有する方法によって製造できる。
工程(α):フレキシブルプリント配線板50の配線54が設けられた側の表面に、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1のカバーレイ接着剤層42を接触させて置く。
工程(β):工程(α)の後、フレキシブルプリント配線板50と、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1とを互いに圧着する。この際、カバーレイ接着剤層42を加熱して、軟化させた状態で圧着させる。加熱及び圧着は、公知の熱プレス機を用いて行う。
工程(γ):工程(β)の後、保護フィルム60が不要になった際に保護フィルム60を剥離する。
工程(δ):必要に応じて、絶縁樹脂層10の一部の領域を除去して、当該領域に露出したシールド層20と、外部のグランド等とに配線して電気的に接続する。
加熱及び圧着(熱プレス)の時間は、20秒間〜60分間が好ましく、30秒間〜30分間がより好ましい。
加熱及び圧着の時間がこの範囲内であると、カバーレイ接着剤層42とフレキシブルプリント配線板50とを容易に接着できる。また、電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板2の製造時間を短縮できる。
熱プレスの温度(プレス機の熱盤の温度)は、160〜280℃が好ましく、180〜260℃がより好ましく、180〜220℃がさらに好ましい。
熱プレスの温度がこの範囲内であると、カバーレイ接着剤層42とフレキシブルプリント配線板50とを容易に接着できる。また、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1、フレキシブルプリント配線板50等の劣化等を充分に抑えることができる。
熱プレスの圧力は、0.5〜20MPaが好ましく、1〜16MPaがより好ましく、2〜10MPaがさらに好ましく、3〜7MPaが特に好ましい。
熱プレスの圧力がこの範囲内であると、カバーレイ接着剤層42とフレキシブルプリント配線板50とを容易に接着できる。また、電磁波シールド付きカバーレイフィルム1、フレキシブルプリント配線板50の破損を充分に防止することができる。
[原材料]
絶縁樹脂層形成用塗料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER(登録商標)828、三菱ケミカル社製)の100質量部、硬化剤(ショウアミンX(登録商標)、昭和電工社製)の20質量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールの2質量部、カーボンブラックの2質量部を溶剤(メチルエチルケトン)の200質量部に溶解した塗料を用意した。
キャリアフィルムとして、厚さ50μmのPETフィルムの片面に厚さ15μmのアクリル系粘着剤を有する粘着フィルムを用意した。
カバーレイフィルムとして厚さ12.5μmのポリエーテルエーテルケトンフィルム(比誘電率2.8、誘電正接0.003、熱膨張率5×10−5−1)を用意した。
カバーレイ接着剤塗料として、ビスマレイミド樹脂の100質量部と硬化剤(ジイソプロピルパーオキシジカーボネート)の20質量部を、溶剤(トルエン)の200質量部に溶解または分散させたものを用意した。(このカバーレイ接着剤塗料を乾燥、硬化させてなるフィルムの比誘電率は2.4、誘電正接は0.002であった。)
プリント配線板は、下記のようにして作製した。
厚み25μmの液晶ポリマーフィルム(基板)の表面に厚み12.5μmの銅箔を有する銅張積層板を用意した。
銅張積層板の銅箔をエッチングして回路を形成し、基板上に回路を形成した回路基板本体を得た。
[実施例1]
カバーレイフィルムの表面に、電子ビーム蒸着法にて銅を物理的に蒸着させ、シールド層(蒸着膜、厚さ:2μm)を形成した。
次いで、シールド層の表面に絶縁樹脂層形成用塗料を塗布し、120℃で5分間加熱し、塗料を乾燥、硬化させて、絶縁樹脂層(厚さ:5μm)を形成した。
絶縁樹脂層の上にキャリアフィルムを粘着剤を介して貼り合わせた。
カバーレイフィルムの絶縁樹脂層とは反対の面にカバーレイ接着剤塗料を塗布し、溶剤を揮発させてBステージ化することによって、カバーレイ接着剤層(接着剤の厚さ:3μm、銅粒子割合:5質量%)を形成し、電磁波シールド付きカバーレイフィルムを得た。
プリント配線板に、電磁波シールド付きカバーレイフィルムを重ねて仮接着した。電磁波シールドフィルムが仮接着されたフレキシブルプリント配線板を、プレス機によって180℃3MPa150秒の条件で本圧着し、高温槽(楠本化成社製、HT210)を用い、温度:180℃で6時間加熱することによって、カバーレイ接着剤層を本硬化させ、電磁波シールド付きカバーレイフィルムを配置したフレキシブルプリント配線板を得た。
1,1’,1” 電磁波シールド付きカバーレイフィルム
2 電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板
10 絶縁樹脂層
20 シールド層
22 導電層
24 シールド層接着剤層
40 カバーレイフィルム
41 カバーレイフィルム本体
42 カバーレイ接着剤層
50 フレキシブルプリント配線板
52 基材
54 配線
60 保護フィルム
61 保護フィルム本体
62 保護フィルム粘着剤層
70 セパレータフィルム
71 セパレータフィルム本体
72 セパレータフィルム粘着剤層

Claims (15)

  1. 絶縁樹脂層と、導電層を含むシールド層と、前記シールド層の前記絶縁樹脂層とは反対側に設けられたカバーレイフィルムとを備える電磁波シールド付きカバーレイフィルムであって、
    前記カバーレイフィルムは、カバーレイフィルム本体と、前記カバーレイフィルム本体の前記シールド層とは反対側の表面に設けられたカバーレイ接着剤層とを備える、電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
  2. 前記カバーレイフィルムは、芳香族ポリエーテルケトンを含む、請求項1に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
  3. 前記芳香族ポリエーテルケトンが、ポリエーテルエーテルケトン又はポリエーテルケトンケトンである、請求項2に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
  4. 前記カバーレイ接着剤層が比誘電率3.5未満、誘電正接0.010以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
  5. 前記シールド層が、さらに、前記導電層の前記カバーレイフィルム側の表面に設けられたシールド層接着剤層を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
  6. 前記シールド層接着剤層が比誘電率3.5未満、誘電正接0.010以下である、請求項5に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
  7. 前記導電層の厚みが0.2〜3μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
  8. 前記カバーレイフィルム本体の熱膨張率が2×10−5〜30×10−5−1である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
  9. さらに、前記絶縁樹脂層の前記シールド層とは反対側の表面に設けられた保護フィルムを備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
  10. 前記保護フィルムが、保護フィルム本体と、前記保護フィルム本体の前記絶縁樹脂層側の表面に設けられた保護フィルム粘着剤層と、を有する、請求項9に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
  11. さらに、前記カバーレイ接着剤層の前記カバーレイフィルム本体とは反対側の表面に設けられたセパレータフィルムを備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
  12. 前記セパレータフィルムが、セパレータフィルム本体と、前記セパレータフィルムの前記カバーレイ接着剤層側の表面に設けられたセパレータフィルム粘着剤層と、を有する、請求項11に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルム。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルムの製造方法であって、
    芳香族ポリエーテルケトンを含むカバーレイフィルム本体の一方の表面に、導電層を含むシールド層を設ける工程と、
    前記シールド層の前記カバーレイフィルム本体とは反対側の表面に、絶縁樹脂層を設ける工程と、
    前記カバーレイフィルム本体の前記シールド層とは反対側の表面に、カバーレイ接着剤層を設ける工程と、
    を備える、電磁波シールド付きカバーレイフィルムの製造方法。
  14. 基材と、前記基材の少なくとも一方の表面に形成された配線とを備えるフレキシブルプリント配線板と、前記一方の面に接着された請求項1〜8のいずれか1項に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルムと、を備える電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板であって、
    前記電磁波シールド付きカバーレイフィルムのカバーレイ接着剤層が、前記フレキシブルプリント配線板の前記一方の表面に接着されている、電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板。
  15. 基材と前記基材の少なくとも一方の表面に形成された配線とを備えるフレキシブルプリント配線板の前記少なくとも一方の表面に対して、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電磁波シールド付きカバーレイフィルムのカバーレイ接着剤層を介して前記電磁波シールド付きカバーレイフィルムを接着する工程を備える、電磁波シールド付きフレキシブルプリント配線板の製造方法。
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