JP2021050109A - ガラス容器成形用の粗型およびガラス容器成形装置 - Google Patents

ガラス容器成形用の粗型およびガラス容器成形装置 Download PDF

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龍 和田
Ryu Wada
龍 和田
邦和 大西
Kunikazu Onishi
邦和 大西
佐藤 明宏
Akihiro Sato
明宏 佐藤
大介 毛塚
Daisuke Kezuka
大介 毛塚
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Abstract

【課題】パリソンを粗型から仕上型へ移送する際にパリソンに発生する反りを抑制することにより、ガラス容器の全周にわたる肉厚のバラツキを小さく抑える。【解決手段】一対の割型20a,20bよりなるガラス容器成形用の粗型2であって、各割型20a,20bは、互いに突き合わされる内側の面に設けられるパリソン成形のための凹部23a,23bを有する。少なくとも一方の割型20bは、凹部23b周辺の本体部f内を通る冷却風通路6bを有する。冷却風通路6bは、パリソンの仕上型3への移送時に伸びを生じさせるパリソンの高温部位に対応する本体部f内の特定の領域を上下方向に貫通する。【選択図】図4

Description

この発明は、ガラスびんなどのガラス容器を成形するためのガラス容器成形用の粗型と、その粗型が用いられたガラス容器成形装置とに関する。
ガラス容器を製造するためのガラス容器成形装置として、「ISマシン」と呼ばれる製びん機がある。典型的な製びん機は、複数のセクションに分かれており、セクション毎に少なくとも1個の粗型と少なくとも1個の仕上型とを含んでいる。各セクションでは、粗型によるパリソン成形工程と、仕上型による最終品成形工程とが順に実施されてガラスびんが成形される。ガラスびんの製法として、例えば、ナロー・ネック・プレス&ブロー方式が知られており、図8には、同方式によるガラスびんの成形手順が示してある(例えば、特許文献1参照)。
まず、溶融ガラスの塊(以下「ゴブ」という。)Gが粗型9の空洞部90に受け入れられると(図8(1))、バッフル91が降下して粗型9の空洞部90を塞ぐ。一方、プランジャ92が上昇を開始し、口型93内を通って粗型9の空洞部90内へ進入する。これによりゴブGは空洞部90内で加圧される(図8(2))。この加圧によってゴブGは空洞部90に行き渡り、空洞部90の形状に対応する形態のパイプ状物(これを「パリソン」という。)Pが成形される(図8(3))。
粗型9、口型93、バッフル91、プランジャ92などにより粗型装置が構成されるもので、製びん機として、1個の粗型装置を含むもの(「シングルゴブタイプの製びん機」という。)、2個の粗型装置を含むもの(「ダブルゴブタイプの製びん機」という。)、3個の粗型装置を含むもの(「トリプルゴブタイプの製びん機」という。)などがある。
粗型9は、開閉可能な一対の割型9A,9Bにより構成される。各割型9A,9Bは内側の面にパリソン成形のための凹部を有し、各割型9A,9Bの凹部の開口部分が互いに合わされることで前記の空洞部90となる。空洞部90内でパリソンPが成形されると、バッフル91と割型9A,9Bとが開き、パリソンPは口型93で支えられた状態でインバート装置95により上下反転されて仕上型96へ移送される(図8(4))。パリソンPは粗型9に接していた表面が硬化しているが、パリソンPの肉厚内部が高温であるため、この温度が伝わってパリソンPの表面の硬化層が軟化する(図8(5))。
仕上型96にブローヘッド97がセットされると、ブローヘッド97よりパリソンPの内部に高圧空気が吹き込まれ、仕上型96および底型98により最終品に成形される(図8(6))。ガラスびん8の成形が完了すると、ブローヘッド97が退き、仕上型96が開放された後、ガラスびん8はその口部がテイクアウトトング99に把持され(図8(7))、宙づり状態でびん搬送コンベヤ上へ運ばれる(図8(8))。
仕上型96、ブローヘッド97、底型93などにより仕上型装置が構成される。シングルゴブタイプの製びん機は1個の仕上型装置を含み、ダブルゴブタイプの製びん機は2個の仕上型装置を含み、トリプルゴブタイプの製びん機では3個の仕上型装置を含む。
特許第5442019号公報
ガラスびん8を成形する過程において、パリソンPがインバート装置95により粗型9から仕上型96へ移送される際、パリソンPは半円を描くようにスイング動作(図8(4)に矢印で示す)を行う。パリソンPには重力、遠心力などの種々の外力が作用する。また、パリソンPのスイング動作が仕上型96内で停止すると、パリソンPに慣性力と逆方向の反力が作用する。粗型9によるパリソンの成形時、粗型9の外面が冷却風を受けて冷却され、パリソンPの外周面も冷やされるが、パリソンPの肉厚内部は高温であり、パリソンPの移送時、パリソンPの表面が軟化し、パリソンPは、外力によって変形し易い状態にある。パリソンPがスイング動作するとき、パリソンPは外力の作用を受けてパリソンPの高温部位が伸び、その伸びによる変形が反りという形態でガラスびん8に出現する。図8(4)において、例えば、インバート装置95の回動中心に対してパリソンPの外側の部位が他の部位より伸び、パリソンPはバナナ状に反る。
仕上型96内に納まった宙づり状態のパリソンPは、重力の作用で反りが徐々に伸ばされるが、移送前の真っ直ぐな状態に戻らず、反りが残った状態でパリソンPの内部に高圧空気が吹き込まれると、成形されたガラスびん8は肉厚が全周にわたって一定とならず、この肉厚のバラツキが原因でガラスびんの強度が低下する。
ところで、ガラスびん8のびん底には、パリソンPの成形工程において、リング形状をなす筋状の跡目(これを「バッフルマーク」という。)が生成される。このバッフルマークは、粗型9とバッフル91との嵌合部位に生成される(図8(3)参照)。最終品の成形工程において、反りが残った状態でパリソンPの内部に高圧空気が吹き込まれると、バッフルマークがずれるので、このバッフルマークのずれの程度を観察することで、肉厚のばらつき具合を把握し得る。
昨今のガラスびんは、環境問題に配慮すべく軽量化が進められ、軽量化に伴って肉厚が薄くなっている。肉厚が薄くなると、全周にわたる肉厚のバラツキを小さく抑えることが望ましく、この肉厚の均一化によってガラスびんの強度を確保する必要がある。
この発明は、上記の問題に着目してなされたもので、パリソンを粗型から仕上型へ移送する際にパリソンに発生する反りを抑制することにより、ガラス容器の全周にわたる肉厚のバラツキを小さく抑えることができるガラス容器成形用の粗型と、その粗型が用いられたガラス容器成形装置とを提供することを目的とする。
この発明によるガラス容器成形用の粗型は、一対の割型よりなる。各割型は、互いに突き合わされる内側の面に設けられるパリソン成形のための凹部を有する。少なくとも一方の割型は、凹部周辺の本体部内を通る冷却風通路を有する。冷却風通路は、パリソンの仕上型への移送時に伸びを生じさせるパリソンの高温部位に対応する本体部内の特定の領域を上下方向に貫通する。
この発明の上記した構成において、割型における「本体部」とは、割型の固体部分、すなわち、中空でない部分を指す。「冷却風通路」は、冷却風を送り込むことにより冷却風が通過し得る通路である。
上記した構成の粗型を用いてガラス容器を製造するとき、割型の冷却風通路に冷却風を通すと、粗型から仕上型へのパリソンの移送時に伸びを生じさせるパリソンの高温部位に対応する本体部内の特定の領域が冷却されるので、伸びを生じさせるパリソンの高温部位は温度が下げられる。その結果、その部位の伸びが抑えられるため、パリソンに外力が作用しても、パリソンに反りが発生しない。仕上型内に納まったパリソンは、反りがない状態でパリソンの内部に高圧空気が吹き込まれるため、ガラス容器の肉厚のバラツキは全周にわたって小さくなり、肉厚のバラツキに起因するガラス容器の強度低下が抑えられる。
好ましい一実施形態においては、冷却風通路は、割型の本体部内を長さ方向に延びる縦孔部と、縦孔部と連通し本体部を径方向へ延びて割型の外面に開口する横孔部とを含む。
他の好ましい実施形態においては、冷却風通路は、縦孔部が割型の外周面に開口する冷却風の導入口と連通しており、導入口には、冷却風通路へ冷却風を送り込む冷却装置を接続するためのアダプタが取り付けられている。
この発明によるガラス容器成形装置は、パリソンを成形するための上記したいずれかの粗型と、パリソンを導入して最終品の形態に仕上げる仕上型と、粗型により成形されたパリソンを粗型から仕上型へ移送するインバート装置とを少なくとも1組含む。粗型には、パリソンの口部を成形するための口型が接続され、口型により支持された状態で、粗型より解放されたパリソンが仕上型へインバート装置により移送される。
この発明によれば、パリソンを粗型から仕上型へ移送する際にパリソンの反りを軽減し、ガラス容器の全周にわたる肉厚のばらつきを小さく抑えることができ、ガラス容器の強度低下を防止できる。
ダブルゴブタイプの製びん機の概略構成を示す説明図である。 ダブルゴブタイプの製びん機における2個の粗型を示す平面図である。 図2の一方の粗型の一方の割型を示し、(A)は平面図、(B)は内側から見た正面図、(C)は外側面図である。 図2の一方の粗型の他方の割型を示し、(A)は平面図、(B)は内側から見た正面図、(C)は外側面図である。 ガラスびんの成形品の肉厚測定結果を示しており、(A)はこの発明の粗型を用いて成形したガラスびんの全周にわたる肉厚測定データを示す説明図、(B)は従来の粗型を用いて成形したガラスびんの全周にわたる肉厚測定データを示す説明図、(C)は肉厚の全周における測定位置と測定データとを示す粗型の平面図である。 この発明の粗型により成形したガラスびんについて複数の高さ位置での肉厚測定結果を示すグラフである。 従来の粗型により成形したガラスびんについて複数の高さ位置での肉厚測定結果を示すグラフである。 ガラスびんの成形手順の一例を示す説明図であ。
図1は、製びん機の概略構成を示している。たとえば図示の製びん機は、10個のセクションS1〜S10を有し、各セクションにおいて成形されたガラスびん(以下「びん」という。)8が搬送コンベヤ100上に次々に送り出される。びん8は搬送コンベヤ100により徐冷工程に送られて冷却され、冷却後のびんは検査工程を経て包装工程まで搬送される。
この実施形態の製びん機は、ダブルゴブタイプの製びん機であり、各セクションは、2個のパリソンを同時に成形するための2個の粗型1,2と、各粗型1,2から図示しないインバート装置によりパリソンが移送される2個の仕上型3,4とを含む。なお、この発明は、ダブルゴブタイプの製びん機に限らず、1個の粗型と1個の仕上型とを含むシングルゴブタイプの製びん機、3個の粗型と3個の仕上型とを含むトリプルゴブタイプの製びん機などにも適用できる。
図2は、ひとつのセクション内の2個の粗型1,2を平面的に見た図である。各粗型1,2は、それぞれが開閉可能な一対の割型10a,10bおよび20a.20bにより構成される。割型10a,10bおよび割型20a,20bは、それぞれ互いに突き合わされる。図中、一点鎖線Y,Zは、各粗型1,2の中心Oにおいて直交する第1、第2の鉛直面を示している。第1の鉛直面Yは、割型10a,10bおよび割型20a,20bの内側の面を突き合わせたときの突き合わせ面に沿う。
2個の粗型1,2は、片側の割型10a,20a同志が一体に連結され、反対側の割型10b,20b同志が一体に連結されている。図中、矢印qは、割型10a,10bおよび割型20a,20bの開く方向を示している。割型開放後に、各粗型1,2で成形されたパリソンが、インバート装置により第1の鉛直面Yに沿う平面内でスイング動作して上下反転し、図中、Sで示す仕上型の設置領域Sへ移送される。
図中、矢印W1は片側の割型10a,20aの外面に作用させる冷却風を、矢印W2は反対側の割型10b,20bの外面に作用させる冷却風を、それぞれ示している。一方の冷却風W1が片側の割型10a,20aの外面に当たり、他方の冷却風W2が反対側の割型10b,20bの外面に当たることで粗型1,2が冷却される。
図3(A)(B)(C)は一方の粗型2の片側の割型20aの構成を示し、図4(A)(B)(C)はその粗型2の反対側の割型20bの構成を示す。ここでは、後述する冷却風通路6bを有する一方の粗型2について各割型20a,20bの構成を説明し、他方の粗型1については各割型10a,10bの図示並びに説明を省略する。
図3(A)および図4(A)は、各割型20a,20bを平面的に見た図であり、各割型20a,20bの上端面には半円形の開放部21a,21bが開口している。開放部21a,21bは、互いに合わさって円形のゴブ投入口21を構成する。ゴブ投入口21は、粗型2の内部の空洞部23に連通し、ゴブ投入口21より投入されたゴブは空洞部23においてパリソンに成形される。
図3(B)および図4(B)は各割型20a,20bを内側から見た図であり、図3(C)および図4(C)は各割型20a,20bを外側から見た図である。各割型20a,20bは、内側に合わせ面22a,22bと凹部23a,23bとを備えている。割型20a,20bが閉じられたとき、合わせ面22a,22bが互いに合わさって密接する。凹部23a,23bが互いに合わさって連通することで、粗型2内にパリソンを成形するための空洞部23が形成される。なお、以下の説明において、各割型20a,20bの中空でない部分は「本体部f」という。一方の割型20bには、本体部fを上下方向から径方向に貫通する冷却風通路6bが、割型20bの上端面から下端面近くまで形成されている。
割型20a,20bの下端面には、半円形の開放部24a,24bが開口している。開放部24a,24bは互いに合わさってプランジャ出入口24が形成される。粗型2内の空洞部23はプランジャ出入口24を介して粗型2に接続された口型5と連通する。空洞部23へゴブが投入されると、ゴブ投入口21がバッフル50により塞がれた後、プランジャ51が口型5内を通りプランジャ出入口24より空洞部23内へ進入する。これにより粗型2の空洞部23においてびんの胴部分が成形され、口型5においてびんの口部分が成形される。
粗型2の一方の割型20bには、凹部23bの周辺の本体部fに、冷却風を通すための1本の冷却風通路6bが形成されている。この実施例では、図2および図4に示されるように、仕上型の設置領域Sに対して遠い側の本体部fの領域の合わせ面22bの近傍を冷却風通路6bが通っている。
図2は、粗型2の中心Oに対して冷却風通路6bが粗型2のどの角度位置に位置するかを示している。図2において、f1,f4は、粗型1の一方の割型20aの本体部fが第2の鉛直面Zによって区分される領域である。f2,f3は、他方の割型20bの本体部fが第2の鉛直面Zによって区分される領域である。また、D1〜D8の角度方向のうち、D1,D5は、中心Oに対して第2の鉛直面Zに沿う正逆の各方向を示し、D3,D7は、中心Oに対して第1の鉛直面Yに沿う正逆の各方向を示す。さらに、第1、第2の各鉛直面Y,Zに対して45度をなす角度方向がD2,D4,D6,D8であり、冷却風通路6bが設けられている領域は、f3の領域であって、D6,D7の各方向によって挟まれる領域の凹部23b寄りの領域である。
粗型1,2により成形されたパリソンを仕上型3,4へ移送するとき、パリソンは半円のスイング動作を行う。このスイング動作およびその停止動作には、パリソンには重力、遠心力などの種々の外力が作用する。パリソンは高温であり、外力を受けると、パリソンの高温部位が伸びてパリソンに反りを生じさせる。
この実施例では、2個の粗型1,2のうち、一方の粗型1により成形されたパリソンに反りが発生することが確認されたので、反りが発生するパリソンの部位、すなわち、伸びを生じさせるパリソンの高温部位を冷却することが可能な割型20bの本体部f内の特定の領域に、その領域を上下方向に貫通するように冷却風通路6bを設けている。具体的には、図2において、D3,D7に沿う方向であって第2の鉛直面Zに対して左右対称の位置が、パリソンの移送時にパリソンに伸びを生じさせる高温部位であり、この実施例では、割型20bにおいて、D6,D7の方向により挟まれる本体部f内の凹部23bに沿う領域に冷却風通路6bを設けている。
冷却風通路6bは、本体部fを上端から開放部24bの近くまで長さ方向に延びる縦孔部60と、本体部fを径方向へ延びて割型20bの外面に開口する横孔部61とを含む。縦孔部60および横孔部61は長さ方向と直交する断面の形状が円形である。縦孔部60は割型20bの長さの3分の2以上の長さを有し、横孔部61は縦孔部60とその下端部において連通している。縦孔部60は、割型20bの上端面に開口するが、この実施例では、上端部が栓体64により塞がれる一方で、栓体64の下方位置で冷却風の導入口62と連通させている。導入口62は割型20a,20bの外周面に開口しており、導入口62には冷却風発生装置を接続するためのアダプタ63が取り付けてある。冷却風を導入口62より導入すると、冷却風は縦孔部60および横孔部61を通過して外部へ抜ける。なお、縦孔部60による冷却範囲は少なくとも割型20bの長さの3分の2が望ましい。
なお、この実施例では、粗型2の周辺の構造上の制約から導入口62を形成して冷却風を導入しているが、縦孔部60の上端の開口または横孔部61の外周面の開口より冷却風を導入することも可能である。
また、この実施例では、粗型2の一方の割型20bにのみ冷却風通路6bを設けているが、粗型2の他方の割型20aにも冷却風通路を設け、さらに、他方の粗型1の双方の割型10a,10bにも冷却風通路を設けておき、いずれかの冷却風通路に冷却装置を接続するようにしてもよい。
上記した構成の粗型1,2によりパリソンを成形するとき、粗型2の割型20bの冷却風通路6bに冷却風を流すと、粗型1,2から仕上型3,4へのパリソンの移送時に、伸びを生じさせるパリソンの高温部位が冷却される結果、その部位の温度が下げられて伸びが抑えられるため、スイング動作時の外力を受けても、パリソンに反りが発生しない。その結果、仕上型3内に納まったパリソンは、移送前の真っ直ぐな状態が維持され、反りがない状態でパリソンの内部に高圧空気が吹き込まれるため、びんの全周にわたる肉厚のバラツキは小さくなり、肉厚のバラツキに起因するびんの強度低下が抑えられる。
図5(A)は、上記した冷却風通路6bを有する粗型(以下「本粗型」いう。)2によって成形されたびんの全周にわたる肉厚測定データを示す。また、図5(B)は、従来の粗型によって成形されたびんの全周にわたる肉厚測定データを示す。図5(C)は、びんの全周にわたる測定角度位置D1〜D8と肉厚の測定データd1〜d8とを示している。
図5(C)において、びんの肉厚測定角度位置D1〜D8は45度毎に設定されており、図5(A)(B)には、びんの第1の高さ位置h1(胴部上部の第1のコンタクトポイントP1)での肉厚の測定データd1〜d8が実線で、第2の高さ位置h2(胴部下部の第2のコンタクトポイントP2)での肉厚の測定データd1〜d8が点線で、第3の高さ位置h3(ガラスびんの底部P3)での肉厚の測定データd1〜d8が一点鎖線で、それぞれ示されている。
45度毎の肉厚の測定データd1〜d8は、理想状態においては、正八角形の分布を呈し、かつ中心Oの周囲にいずれの方向にも偏らずに位置するものであるところ、図5(A)に示される第1〜第3の各高さ位置h1〜h3での肉厚の測定データd1〜d8は、ほぼ正八角形の理想に近い形態の分布を呈し、かつ中心Oの周囲にいずれの方向にも偏らずに位置している。
本粗型2によると、粗型2から仕上型3へパリソンを移送する工程でパリソンに反りが高温部位で抑制され、反りの程度が小さい状態でパリソンの内部に高圧空気が吹き込まれるため、成形したびんの肉厚のバラツキは全周にわたって小さくなったものと考えられる。
これに対して、図5(B)に示される第1〜第3の各高さ位置h1〜h3での肉厚の測定データd1〜d8は、いずれも歪んだ八角形の分布を呈し、かつ肉厚の測定データd2〜d4は肉厚の測定データd6〜d8より大きく、分布に偏りが生じている。
従来の粗型によると、粗型から仕上型へパリソンを移送する工程でパリソンに反りが発生し、反りが残った状態でパリソンの内部に高圧空気が吹き込まれたため、成形したびんの肉厚のバラツキが全周にわたって大きくなったものと考えられる。
図6は、本粗型2を用いて成形されたびん(以下「対象びん」という。)の肉厚の測定結果を示している。同図には、15mm毎の各高さ位置での45度毎の8個の肉厚の測定データd1〜d8の平均値AVEをプロットして得られる折線グラフg1(AVE)が実線で示してある。
また、図7は、従来の粗型を用いて成形されたびん(以下「比較びん」という。)の肉厚の測定結果を示している。同図には、15mm毎の各高さ位置での45度毎の8個の肉厚の測定データd1〜d8の平均値AVEをプロットして得られる折線グラフg2(AVE)が実線で示してある。なお、図6及び図7は、縦軸がびんの高さ(mm)、横軸がびんの肉厚(mm)である。
また、図6には、対象びんから得られた8個の肉厚の測定データd1〜d8の最小値MINと最大値MAXとの範囲が、図7には、比較びんから得られた8個の肉厚測定データd1〜d8の最小値MINと最大値MAXとの範囲が、それぞれ実線で示してある。
さらに、図6には、対象びんから得られた8個の肉厚の測定データd1〜d8のばらつき具合を示すために、標準偏差をσとした場合に、+3σおよび−3σをプロットして得られる折線グラフg3(+3σ)およびg3(−3σ)が点線で示してある。同様に、図7には、比較びんから得られた8個の肉厚の測定データd1〜d8のばらつき具合を示すために、標準偏差をσとした場合に、+3σおよび−3σをプロットして得られる折線グラフg4(+3σ)およびg4(−σ)が点線で示してある。
図6および図7において、本粗型2を用いて成形した対象びんの肉厚の測定データと従来粗型を用いて成形した比較びんの肉厚の測定データとを対比すると、例えば、第1のコンタクトポイントP1において、対象びんの肉厚の測定データd1〜d8の平均値AVEと比較びんの肉厚の測定データの平均値AVEとはほぼ同じであるが、最小値MINと最大値MAXとの差および+3σと−3σとの差は、対象びんの肉厚の測定データの方が比較びんの肉厚の測定データより小さく、対象びんの肉厚の測定データは比較びんの肉厚の測定データよりばらつきが小さくなっている。
また、第2のコンタクトポイントP2における肉厚の測定データやびん底P3における肉厚の測定データ、さらには、その以外に部位における肉厚の測定データについても、対象びんの肉厚の測定データが比較びんの肉厚の測定データよりばらつきが小さいことは図6および図7から明らかである。
1,2 粗型
3,4 仕上型
5 口型
6b 冷却風通路
8 ガラスびん
10a,10b,20a,20b 割型
13a,13b,23a,23b 凹部
60 縦孔部
61 横孔部
62 導入口

Claims (4)

  1. 一対の割型よりなるガラス容器成形用の粗型であって、前記各割型は、互いに突き合わされる内側の面に設けられるパリソン成形のための凹部を有し、少なくとも一方の割型は、前記凹部周辺の本体部内を通る冷却風通路を有しており、前記冷却風通路は、パリソンの仕上型への移送時に伸びを生じさせるパリソンの高温部位に対応する本体部内の特定の領域を上下方向に貫通するガラス容器成形用の粗型。
  2. 前記冷却風通路は、前記割型の本体部を長さ方向に延びる縦孔部と、前記縦孔部と連通し前記本体部を径方向へ延びて割型の外面に開口する横孔部とを含む請求項1に記載のガラス容器成形用の粗型。
  3. 前記冷却風通路は、前記縦孔部が前記割型の外周面に開口する冷却風の導入口と連通しており、前記導入口には、冷却風通路へ冷却風を送り込む冷却装置を接続するためのアダプタが取り付けられている請求項2に記載のガラス容器成形用の粗型。
  4. パリソンを成形するための請求項1〜3のいずれかに記載の粗型と、前記パリソンを導入して最終品の形態に仕上げる仕上型と、前記粗型により成形されたパリソンを粗型から前記仕上型へ移送するインバート装置とを少なくとも1組含み、前記粗型には、パリソンの口部を成形するための口型が接続され、前記口型により支持された状態で、粗型より解放されたパリソンが前記仕上型へ前記インバート装置により移送されるガラス容器成形装置。








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