JP2021049573A - 平角線の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長手方向への過剰な引き伸ばしによる絶縁被膜の割れを防止しつつ、平角線となる導線のコーナー部を低コストに鋭角化し、これにより占積率の向上を図る。【解決手段】平角線1’の製造方法は、平角線素材1の断面形状を矩形化する断面矩形化工程を具備し、断面矩形化工程は、平角線素材1をその長手方向に相対移動させながら平角線素材1の外周面4を第一押圧部31,32で四方向から押圧して、外周面4のうち第一押圧部31,32による四つの被押圧面4a,4bの間に突出変形部1dを生成する突出変形工程S1と、突出変形部1dが生成された平角線素材1の外周面4を、第一押圧部31,32とは押圧面形状の異なる第二押圧部41,42で四方向から押圧して、平角線素材1を断面矩形状に成形する矩形状成形工程S2とを有する。【選択図】図4

Description

本発明は、平角線の製造方法に関し、特に平角線のコーナー部を鋭角化するための技術に関する。
近年、環境問題に鑑み電気自動車やハイブリッド車など、車両の駆動装置やその周辺機器にモータを採用する動きが加速している。上記車両へ搭載されるモータには、搭載可能なスペースの関係上、小型であることが求められる一方で、車両の駆動性能を向上させるべく高出力であることが求められることが多い。
ここで、モータの高出力化のためには、ステータコイルに流す電流値を高める必要がある。その一方で、スペースが制限された条件下で効率よくコイルに流れる電流値を高めるためには、断面がなるべく矩形に近い形状をなし占積率が相対的に高い平角線(平角導線)でコイルを構成することが考えられる。
ここで、平角線は、通常、巻取りドラムにより引出しドラムから断面真円形状の導線を引き出して一対の圧延ロール間に供給することで、上記導線を断面矩形状に成形することによって製造される(例えば、特許文献1を参照)。断面矩形状に成形された導線は、エナメル等の公知の絶縁材料で例えば焼付け等により被覆され、これにより断面矩形状の導線の周囲を絶縁被膜で覆ってなる平角線が製造される。
特開平6−246319号公報
ところで、最近では、更なるモータ性能の向上のために、コイルの占積率をより一層高めるための努力がなされている。平角線に関して言えば、そのコーナー部をより鋭角化する(より直角に近づける)ことによって、占積率の向上を図る手段が検討されている。ここで、平角線は、二対の圧延ロールにより断面矩形状に成形されることから、コーナー部の更なる鋭角化のためには、上述したロールによる圧延を繰り返し行うことが考えられる。しかしながら、圧延作業を繰り返し行うことは、製造コストの高騰を招くため、あまり好ましい方法とはいえない。また、上述のようにロールによる圧延で導線を断面矩形状に成形する場合には、成形後に絶縁被膜を形成する工程が必要になるが、一般に、コーナー部が鋭角であるほど均一な膜厚の絶縁被膜を導線の周囲に形成することは難しくなる。このような理由によっても、均一な絶縁被膜の形成のために加工コストが増大するおそれが生じる。
そこで、例えば廉価な流通材として断面真円状をなす導線又は断面コーナー部に大きな曲率を設けた形状をなす導線の周囲を絶縁被膜で覆ってなる被覆導線を購入し、購入した被覆導線に対して圧延加工を施すことにより、導線を断面矩形状に成形する方法が考えられる。しかしながら、この方法だと、導線だけでなく絶縁被膜もロールにより圧延することになるため、導線と共に絶縁被膜が被覆導線の長手方向に過剰に引き伸ばされる。これでは、導線(多くの場合、銅線)に比べて延性に乏しい絶縁被膜が圧延時又は圧延後の曲げ加工時に割れ等の欠陥を生じる事態が懸念される。
以上の事情に鑑み、本明細書では、長手方向への過剰な引き伸ばしによる絶縁被膜の割れを防止しつつ、平角線となる導線のコーナー部を低コストに鋭角化し、これにより占積率の向上を図ることを、解決すべき技術課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係る平角線の製造方法によって達成される。すなわち、この製造方法は、平角線素材の断面形状を矩形化する断面矩形化工程を具備し、これにより断面矩形状をなす平角線を得る平角線の製造方法において、断面矩形化工程は、平角線素材をその長手方向に相対移動させながら平角線素材の外周面を第一押圧部で四方向から押圧して外周面のうち第一押圧部による四つの被押圧面の間に突出変形を生じさせる突出変形工程と、突出変形を生じた平角線素材の外周面を、第一押圧部とは押圧面形状の異なる第二押圧部で四方向から押圧して、平角線素材を断面矩形状に成形する矩形状成形工程とを有する点をもって特徴付けられる。
このように、本発明に係る平角線の製造方法では、二種類の塑性加工を平角線素材に施すことで、長手方向への伸びを抑制しつつコーナー部の鋭角化を可能とした。すなわち、本発明では、まず平角線素材の外周面を四方向から押圧して上記外周面のうち四つの被押圧面の間に突出変形を生じさせるようにした。これにより、押圧による塑性流動が主として平角線素材の外周面のうち第一押圧部による被押圧面の間に向けて生じ、その結果として被押圧面の間に突出変形が生じる。よって、この突出変形が生じた平角線素材を第二押圧部で断面矩形状に成形することによって、十分な塑性流動代を有する突出変形部が押し潰されて、第二押圧部の押圧面で区画された領域のうち平角線素材の外周面との間の空きスペースを充足する向きに流動する。この結果、押圧面で区画された領域に倣った形状、すなわち四つの平坦面と、各平坦面の間に設けられた鋭角なコーナー部とを有する形状の平角線を成形することが可能となる。また、突出変形工程で平角線素材を一旦四方向に向けて突出変形させた後、当該突出変形部を潰して平坦化するように再成形することで、断面内での塑性流動を積極的に生じさせる一方、長手方向への塑性流動(伸び)を十分に抑制又は可及的に防止することができる。また、二回の塑性加工でコーナー部を高精度に鋭角化できるので、工数の増加による製造コストの増加を抑えることができる。以上より、本発明によれば、長手方向への伸びに起因する絶縁被膜の割れを防止しつつ、低コストに平角線のコーナー部の鋭角化を図ることが可能となる。
また、本発明に係る平角線の製造方法においては、突出変形工程で、何れも押圧面が凸鼓状をなす第一押圧部としての二対のロールで平角線素材の外周面を圧延して、四つの被押圧面の間に突出変形を生じさせると共に、矩形状成形工程で、何れも押圧面が外径一定の円筒状をなす第二押圧部としての二対のロールで平角線素材の外周面を圧延して、平角線素材を断面矩形状に成形してもよい。
このように、突出変形工程で、何れも押圧面が凸鼓状をなす第一押圧部としての二対のロールで平角線素材の外周面を圧延することによって、導線又は絶縁被膜に過度な負荷又は応力集中が生じる事態を回避して、円滑に突出変形部を生成することができる。よって、矩形状成形工程で、何れも押圧面が外径一定の円筒状をなす二対のロールで平角線素材の外周面を圧延することによって、コーナー部の鋭角化を安定的に再現することが可能となる。
また、本発明に係る平角線の製造方法においては、突出変形工程で、平角線素材の外周に設けられた四つの平坦面部を第一押圧部で四方向から押圧して、互いに隣り合う平坦面部の間に位置する計四つのラウンドコーナー部に突出変形を生じさせてもよい。
このように、本発明に係る平角線の製造方法によれば、外周に設けられた四つの平坦面部を四方向から押圧して、互いに隣り合う平坦面部の間に位置する四つのラウンドコーナー部に突出変形を生じさせることにより、非常に効率よく平角線素材の各塑性加工を実施して、矩形化を図ることが可能となる。よって、廉価に流通する平角線を素材として用いて低コストにコーナー部が鋭角化された平角線を製造することができ、これにより占積率の向上を低コストに実現することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、長手方向への過剰な引き伸ばしによる絶縁被膜の割れを防止しつつ、平角線となる導線のコーナー部を低コストに鋭角化し、これにより占積率の向上を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る平角線の製造方法の要部の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る断面矩形化装置の全体構成を示す側面図である。 図2に示す平角線素材のA−A断面図である。 図2に示す突出変形装置のB−B断面図である。 図2に示す矩形状成形装置のC−C断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る平角線の製造方法の内容を図面に基づいて説明する。
図1は、平角線の製造方法の要部の手順を示している。すなわち、本発明に係る平角線の製造方法は、平角線素材の断面形状を矩形化する断面矩形化工程を具備するもので、断面矩形化工程は、本実施形態では、突出変形工程S1と、矩形状成形工程S2とを有する。以下、断面矩形化工程に使用する装置の全体構成を説明した後、各工程S1,S2の詳細を説明する。
断面矩形化装置10は、図2に示すように、平角線素材1を所定方向に搬送する搬送装置20と、搬送装置20により搬送されている状態の平角線素材1に突出変形加工を実施するための突出変形装置30、及び平角線素材1に矩形状成形加工を実施するための矩形状成形装置40とを具備する。この場合、搬送装置20と突出変形装置30とにより突出変形工程S1が実施可能とされ、搬送装置20と矩形状成形装置40とにより矩形状成形工程S2が実施可能とされる。
ここで、搬送装置20は、平角線素材1を所定方向に搬送可能な限りにおいて任意に構成可能であり、本実施形態では、長尺な平角線素材1を巻き取った状態から引出すための引出しドラム21と、巻取りドラム22とで構成される。そして、これら引出しドラム21と巻取りドラム22との間に架け渡された状態の平角線素材1に対して突出変形工程S1と矩形状成形工程S2とを順に実施可能となるように、引出しドラム21と巻取りドラム22、及び突出変形装置30と矩形状成形装置40が所定の位置に配設される。
ここで使用する平角線素材1は、図3に示すように、断面略矩形状をなすもので、互いに相反する向きを指向する二組の平坦面部1a,1bと、互いに隣り合う平坦面部1a,1bの間に設けられるコーナー部1cとを有する。ここで、平角線素材1は、銅などの導体で形成される導線2と、導線2の周囲を覆う絶縁被膜3とを一体的に有する。そのため、上述した平坦面部1a,1bとコーナー部1cは何れも絶縁被膜3により構成される。また、本実施形態では、コーナー部1cは、断面円弧状をなすラウンドコーナー部で、その曲率半径は例えば0.5mm以上でかつ1.0mm以下である。また、平角線素材1の幅方向寸法に対する曲率半径の比は例えば0.1以上でかつ0.5以下であり、厚み方向寸法に対する曲率半径の比は例えば0.1以上でかつ0.5以下である。もちろん、ここで挙げた数値は例示に過ぎず、上記数値範囲外に該当する断面円弧状のコーナー部を、本発明に係るラウンドコーナー部から除外する意図ではない。また、ここでいう幅方向寸法とは、平角線素材1の断面が図3に示すように長方形状(略長方形状を含む)を成す場合、長辺に沿った向きを意味し、厚み方向とは、短辺に沿った向きを意味する。
(S1)突出変形工程
突出変形工程S1では、平角線素材1を搬送装置20によりその長手方向に移動させながら平角線素材1の外周面4を突出変形装置30で四方向から押圧して、外周面4のうち突出変形装置30による四つの被押圧面4a(図4を参照)の間に突出変形を生じさせる。ここで使用する突出変形装置30は、本実施形態では、図4に示すように、平角線素材1の長辺側となる一組の平坦面部1a,1aを挟持して押圧する一対の圧延ロール31,31と、平角線素材1の短辺側となる一組の平坦面部1b,1bを挟持して押圧する一対の圧延ロール32,32とを有する。この場合、二組の圧延ロール31,32が本発明に係る第一押圧部に相当する。
ここで、各圧延ロール31,32の押圧面31a,32aはともに、対応する平坦面部1a,1bの中央(長辺側の平坦面部1aであれば幅方向中央であり、短辺側の平坦面部1bであれば厚み方向中央)で外径寸法が最大となる形状をなす。本実施形態では、各押圧面31a,32aはともに凸鼓状をなしている。また、各圧延ロール31,32の回転軸X1,X2はそれぞれ、対応する平坦面部1a,1bの幅方向又は厚み方向に平行な向きに設定されている。互いに平行な回転軸X1,X1間の距離、及び回転軸X2,X2間の距離は一定に保たれる。
上記構成の突出変形装置30を用いた突出変形工程S1は、例えば以下のようにして行われる。すなわち、図2及び図4に示すように、引出しドラム21から引出された平角線素材1を突出変形装置30の加工領域となる各組の圧延ロール31,32間に供給すると共に、各組の圧延ロール31,32を所定の回転軸X1,X2まわりに回転させる。これにより、平角線素材1が所定方向に移動しながら各組の圧延ロール31,32による圧延を受ける。ここで、各組の圧延ロール31,32の最外径部は何れも、圧延前の平角線素材1の平坦面部1a,1b(図4中、二点鎖線で示す位置)よりも平角線素材1の中心側に位置しているため、各組の圧延ロール31,32間に供給された平角線素材1の各平坦面部1a,1bは、圧延ロール31,32による押圧(圧延)を受けていないコーナー部1cに向けた塑性流動を生じる。その結果、図4に示すように、平坦面部1a,1bは圧延ロール31,32の押圧面31a,32aに応じた形状に塑性変形し、かつ互いに隣り合う平坦面部1a,1bの間に設けられた計四つのコーナー部1c(本実施形態では厚み寸法や幅方向寸法に対して曲率半径の大きなラウンドコーナー部)に突出変形部1dが生成される。なお、この際の各組の圧延ロール31,32による圧延代は、必要とする突出変形部1dの大きさに応じて適宜に設定される。
(S2)矩形状成形工程
矩形状成形工程S2では、四つの突出変形部1dが生成された状態の平角線素材1を搬送装置20によりその長手方向に移動させながら、平角線素材1の外周面4を矩形状成形装置40で押圧して、平角線素材1を断面矩形状に成形する。ここで使用する矩形状成形装置40は、本実施形態では、図5に示すように、平角線素材1の長辺側となる一組の平坦面部1a,1aを挟持して押圧する一対の圧延ロール41,41と、平角線素材1の短辺側となる一組の平坦面部1b,1bを挟持して押圧する一対の圧延ロール42,42とを有する。この場合、二組の圧延ロール41,42が本発明に係る第二押圧部に相当する。
ここで、各圧延ロール41,42の押圧面41a,42aはともに、外径寸法が一定の円筒形状をなし、対応する平坦面部1a,1bの幅方向寸法又は厚み方向寸法よりも大きく設定される。また、各圧延ロール41,42の回転軸X3,X4はそれぞれ、対応する平坦面部1a,1bの幅方向又は厚み方向に平行な向きに設定されている。互いに平行な回転軸X3,X3間の距離、及び回転軸X4,X4間の距離は一定に保たれる。
上記構成の矩形状成形装置40を用いた矩形状成形工程S2は、例えば以下のようにして行われる。すなわち、図2及び図5に示すように、突出変形装置30による塑性加工が施された平角線素材1を矩形状成形装置40の加工領域となる各組の圧延ロール41,42間に供給すると共に、各組の圧延ロール41,42を所定の回転軸X3,X4まわりに回転させる。これにより、平角線素材1が所定方向に移動しながら各組の圧延ロール41,42による圧延を受ける。ここで、長辺側に位置する一組の圧延ロール41の距離D1は、突出変形部1dを含めた平角線素材1の厚み方向寸法T1よりも小さい。また、短辺側に位置する一組の圧延ロール42の距離D2は、突出変形部1dを含めた平角線素材1の幅方向寸法W1よりも小さい。以上の寸法関係より、各組の圧延ロール41,42間に供給された平角線素材1の各突出変形部1dは、圧延ロール41,42に押し潰されて、各圧延ロール41,42の押圧面41a,42aで区画された領域のうち平角線素材1の外周面4(図5中、二点鎖線で示す部分)との間の空きスペース43を充足する向きに流動する。この結果、平角線素材1の外周に、上述した押圧面41a,42aで区画された領域に倣った形状の平坦面部1a,1bが再成形されると共に、各平坦面部1a,1bの間のコーナー部1cが鋭角化された状態(鋭角コーナー部1e)に成形される。以上のようにして、四つの平坦面部1a,1bと、隣り合う平坦面部1a,1bの間に鋭角コーナー部1eとが設けられた形状、すなわち所望の断面矩形状をなす平角線1’が得られる。
以上述べたように、本発明に係る平角線の製造方法では、まず平角線素材1の外周面4を四方向から押圧して外周面4のうち四つの被押圧面4a,4bの間に突出変形部1dを生成した後、突出変形部1dが生成された平角線素材1を断面矩形状に成形するようにした。この方法によれば、十分な塑性流動代を有する突出変形部1dが押し潰されて、押圧面41a,42aで区画された領域のうち平角線素材1の外周面4との間の空きスペース43を充足する向きに流動する。この結果、押圧面41a,42aで区画された領域に倣った断面形状の平角線、すなわち四つの平坦面部1a,1bと、各平坦面部1a,1bの間に鋭角コーナー部1eとを有する平角線1’を成形することが可能となる。言い換えると、平角線素材1の断面形状を矩形状に維持したままでコーナー部1cを鋭角化することができる。また、突出変形工程S1で平角線素材1を一旦四方向に向けて突出変形させた後、突出変形部1dを潰して平坦化するように再成形することで、断面内での塑性流動を積極的に生じさせる一方、長手方向への塑性流動(伸び)を十分に抑制又は可及的に防止することができる。また、二回の塑性加工でコーナー部1cを高精度に鋭角化できるので、工数の増加による製造コストの増加を抑えることができる。以上より、本発明によれば、長手方向への伸びに起因する絶縁被膜3の割れを防止しつつ、低コストに平角線1’のコーナー部1cの鋭角化を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、突出変形工程S1で、何れも押圧面31a,32aが凸鼓状をなす第一押圧部としての二対の圧延ロール31,32で平角線素材1の外周面4を圧延するようにしたので、導線2又は絶縁被膜3に過度な負荷又は応力集中が生じる事態を回避して、円滑に突出変形部1dを生成することができる。よって、矩形状成形工程S2で、何れも押圧面41a,42aが外径一定の円筒状をなす二対の圧延ロール41,42で平角線素材1の外周面4を圧延することによって、コーナー部1cの鋭角化を安定的に再現することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明に係る平角線の製造方法は、その趣旨を逸脱しない範囲において、上記以外の構成を採ることも可能である。
例えば、上記実施形態では、平角線素材1として、コーナー部1cが、各平坦面部1a,1bに比べて大きな曲率半径を示すラウンドコーナー部である平角線素材1に本発明に係る塑性加工(断面矩形化工程)を適用する場合を説明したが、もちろん本発明の適用対象はこれには限定されない。例えば断面真円状又は楕円状をなす被覆導線に本発明を適用することも可能である。
また、上記実施形態では、導線2の周囲を絶縁被膜3で覆った状態の平角線素材1に対して本発明を適用する場合を説明したが、もちろん本発明は、導線2単体に対して適用することも可能である。導線2の矩形化加工に要するコストが低減されるので、仮に絶縁被膜3の形成工程に要するコストを考慮しても、トータルでコストダウンできればよい。
1 平角線素材
1’ 平角線
1a,1b 平坦面部
1c コーナー部
1d 突出変形部
1e 鋭角コーナー部
2 導線
3 絶縁被膜
4 外周面
4a,4b 被押圧面
10 断面矩形化装置
20 搬送装置
21 引出しドラム
22 巻取りドラム
30 突出変形装置
31,32 圧延ロール(第一押圧部)
31a,32a 押圧面
40 矩形状成形装置
41,42 圧延ロール(第二押圧部)
41a,42a 押圧面
43 スペース
D1,D2 圧延ロール間距離
S1 突出変形工程
S2 矩形状成形工程
T1 厚み方向寸法
W1 幅方向寸法
X1,X2 回転軸
X3,X4 回転軸

Claims (3)

  1. 平角線素材の断面形状を矩形化する断面矩形化工程を具備し、これにより断面矩形状をなす平角線を得る平角線の製造方法において、
    前記断面矩形化工程は、前記平角線素材をその長手方向に相対移動させながら前記平角線素材の外周面を第一押圧部で四方向から押圧して、前記外周面のうち前記第一押圧部による四つの被押圧面の間に突出変形を生じさせる突出変形工程と、
    前記突出変形を生じた前記平角線素材の外周面を、前記第一押圧部とは押圧面形状の異なる第二押圧部で四方向から押圧して、前記平角線素材を断面矩形状に成形する矩形状成型工程とを有することを特徴とする、平角線の製造方法。
  2. 前記突出変形工程で、何れも押圧面が凸鼓状をなす前記第一押圧部としての二対のロールで前記平角線素材の前記外周面を圧延して、前記四つの被押圧面の間に突出変形を生じさせると共に、
    前記矩形状成型工程で、何れも押圧面が外径一定の円筒状をなす前記第二押圧部としての二対のロールで前記平角線素材の前記外周面を圧延して、前記平角線素材を断面矩形状に成形する請求項1に記載の平角線の製造方法。
  3. 前記突出変形工程で、前記平角線素材の外周に設けられた四つの平坦面部を前記第一押圧部で四方向から押圧して、互いに隣り合う前記平坦面部の間に位置する計四つのラウンドコーナー部に突出変形を生じさせる請求項1又は2に記載の平角線の製造方法。
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