JP2021047139A - 試験装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、航空機等に搭載される電子機器が故障すると、電子機器を構成する交換可能な複数のモジュールのうち、どのモジュールが故障したかが特定(要因解析)され、特定された故障モジュールの調整、修理又は交換が行われる。
そして、電子機器の機能試験を実施して試験結果が不良であると判定された場合には、作業者が自身の経験等に基づいて要因解析を行い、故障モジュールを推定していた。
そこで、従来、複数のモジュールを備えた機器の試験において、複数の試験結果の良否の組み合わせに基づいて故障モジュールを特定する試験装置が提案されている。
尚、関連する先行技術として、特開2010−271269号公報「試験装置」(特許文献1)、特開2011−163956号公報「試験装置」(特許文献2)がある。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る試験装置(本試験装置)は、交換可能なモジュールを複数備えた機器を1つ又は複数有する複数の被試験器に対して、機器毎に試験を実施する試験装置であって、複数の被試験器について複数の計測を含む試験を実施して、個々の計測結果を取得すると、当該計測結果に基づいて故障要因を分析して、故障モジュールを特定し、故障モジュールに対して交換された良品モジュールが組み込まれた被試験器について再試験を行い、当該再試験の結果が良好となった場合に、被試験器毎に交換前の試験結果と交換されたモジュールの情報をモジュール交換情報テーブルに記憶し、更に、モジュール交換情報テーブルの内容に基づいて故障探求テーブルを更新するものであり、故障要因の推定の精度を向上させることができるものである。
本試験装置の構成について図1を用いて説明する。図1は、本試験装置の概略構成図である。
[試験装置1]
図1に示すように、本試験装置(試験装置1)は、被試験器2とネットワーク等により接続され、各種の試験を実施するものである。
試験装置1は、試験コントローラ20と、各種の計測を行うn台の測定器10-1,10-2,…〜10-n(測定器10と記載することもある)と、切替部30とを備えている。
測定器10-1,10-2,…〜10-nは、試験コントローラ20の指示に従って、切替部30を介して試験信号を被試験器2に出力し、被試験器2からの出力信号を受信して計測し、計測結果を試験コントローラ20に出力する。
切替部30は、試験コントローラ20と切替部制御ラインによって接続され、試験コントローラ20からの切替制御信号に従って、被試験器2に接続する測定器10を切り替える。
試験コントローラ20は、試験全体の制御を行うコンピュータであり、基本的に、処理を行う制御部と、処理プログラムやデータを記憶する記憶部と、ネットワーク等に接続するインタフェース部とを備えている。
後述する実施の形態で説明する各種の処理は、試験コントローラ20内の制御部が、記憶部に記憶された処理プログラムを起動することによって実行されるものである。
また、試験コントローラ20は、試験結果を蓄積するデータベース(図示せず)に接続され、データベース(DB)へのデータの書き込み/読み出しを行う。
被試験器2は、たとえば航空機等に搭載される電子機器であって、試験装置1によって実行される試験の対象となる機器である。
また、被試験器2は、1つ又は複数の機器を備え、更に各機器は、交換可能な複数のモジュールを備えている。
例えば、試験コントローラ20は、被試験器2に各種の試験条件を設定し、被試験器2は、応答を送信する。
本試験装置における故障部位判定例について図2を参照しながら説明する。図2は、故障部位判定例を説明する故障探求テーブルの概略図である。
図2に示す故障探求テーブルは、試験結果を記憶するDBに格納され、被試験器Aの性能試験の試験項目として試験A〜Eがあり、その試験結果の「良」「否」の組合せパターンにより、モジュール1〜4の故障部位の特定を行うためのデータテーブルである。図2では、行を数字で列をアルファベットで表している。
図2の故障探求テーブルは、以下説明するように、故障部位(故障モジュール)を特定するために使用されるもので、試験結果の積み重ねによって予め定められている。
尚、図2で「2」は、故障推定順位2位であり、「0」は、故障の可能性がないことを示している。
更に、以下に説明する本試験装置の特徴部分の処理を行う。
本試験装置の特徴的な処理の概要は、試験結果に不良があって故障と判定した故障モジュールを交換して再試験を行えば、その試験結果は通常良好になり、モジュールの交換が適正であったことになる。その場合、不良となった試験結果と実際に交換したモジュールの情報とを保存することになる。
尚、故障探求テーブル、モジュール交換情報テーブルを試験コントローラ20の記憶部に格納するようにしてもよい。
次に、本試験装置における試験処理について図3を参照しながら説明する。図3は、本試験装置での試験処理フローを示す図である。
本試験装置では、図3に示すように、試験コントローラ20が、機能性能試験を実施し(S1)、試験結果に不良の試験項目があるか否かを判定する(S2)。尚、以下に説明する試験結果は、後述する被試験器毎のモジュール交換情報テーブルに記憶する。
続いて、判定処理S2で不良の試験項目があるか否かを判定し、不良であれば(YESの場合)、再度、処理S3で試験結果を保存し、処理S4で故障推定順位に従い予備モジュールと交換する。
組合せ5,6であれば、故障推定順位2位のモジュールが故障探求テーブルに規定されているので、2位のモジュールとの交換を行えばよいが、2位のモジュールが規定されていない場合には、故障探求テーブルによって交換する予備モジュールを特定できない。
例えば、モジュール交換の試験結果パターンから、これまで不良になった試験と交換されたモジュールとの相関関係(相関性/関連性)を算出し、今回のモジュール交換後の試験で、不良になった試験と相関性が高いモジュールを故障候補のモジュールとして推定する。
モジュール交換後の再試験でなければ(NOの場合)、試験結果を被試験器毎のモジュール交換情報テーブルに記憶して(S6)、処理を終了する。
被試験器毎のモジュール情報について図4を参照しながら説明する。図4は、被試験器毎のモジュール情報テーブルを示す図である。
被試験器毎のモジュール情報テーブルは、図4に示すように、被試験器毎に構成モジュールを記憶し、更に構成モジュールはモジュール管理番号毎に、使用被試験器の情報、状態、そして整備情報ファイルを記憶している。
また、整備情報ファイルは、被試験器名称とモジュール管理番号をインデックスとした当該モジュールの履歴情報となっている。以下、整備情報ファイルの内容を説明する。
次に、整備情報ファイルの内容について図5を参照しながら説明する。図5は、整備情報ファイルの内容を示す図である。
図5では、整備情報ファイル「被試験器A−1−002」の例が示されており、これは、被試験器Aにおけるモジュール管理番号「1−002」の履歴情報であり、具体的には、2018/10/12に新規受け入れられ、被試験器A001で使用されていたが、2019/01/22に試験NGにより交換修理中と履歴情報が記憶されている。修理中であるので、図4のテーブルでは、状態が「修理中」となっている。
尚、当該履歴情報には、モジュール交換時の試験履歴情報が含まれる。
次に、再試験で結果が良好になった際のモジュール交換の情報を記憶するモジュール交換情報テーブルについて図6を参照しながら説明する。図6は、モジュール交換情報テーブルを示す図である。
モジュール交換情報テーブルは、図6に示すように、被試験機器名毎に、交換モジュールの情報、試験結果パターン、そして回数を記憶している。
試験結果パターンは、試験A〜Eごとの良否判定のパターンであり、回数は、そのパターンの発生回数となる。
モジュール交換情報テーブルに保存する際には、交換モジュールと試験結果パターンが一致するものが既にあれば、回数を+1し、一致するものがない場合には、新たにデータを追加する。
モジュール交換情報テーブルは、モジュール交換により結果が良好になった試験情報のみを格納するテーブルで、故障探求テーブルの精度向上を図り、故障探求テーブルに該当しない情報を格納するためのテーブルである。
故障探求テーブルとは異なり、交換実績に基づいて作成されるテーブルである。
図6に示すように、被試験器毎のモジュール交換情報テーブルに、試験結果を含めたモジュールの交換履歴情報を整備情報ファイルとして記憶し、故障モジュールを交換して再試験を行っても試験結果が不良となった場合に、図2の故障探索テーブルに基づいて故障推定順位によりモジュール交換を行って再試験を行い、故障推定順位に従っても再試験で不良になった場合には、整備情報ファイルを参照してモジュールの試験履歴情報から故障候補のモジュールを正確に抽出(推定)して交換できるものである。
更に、故障推定順位にない故障結果の組合せパターンと組合せパターンに対応する故障モジュールの情報を整備情報ファイルから取得して、故障探求テーブルに追加若しくは変更等の更新を行えば、更に故障モジュールを精度よく判別できるようになる。
このようにして、故障探求テーブルを更新することで、故障モジュールの特定を容易にし、故障要因の推定精度を向上させるものである。
本試験装置によれば、交換可能なモジュールを複数備えた機器を1つ又は複数有する複数の被試験器2に対して、機器毎に試験を実施する試験装置1であり、複数の被試験器2について複数の計測を含む試験を実施して、個々の計測結果を取得すると、当該計測結果に基づいて故障要因を分析して、故障モジュールを特定し、故障モジュールに対して交換された良品モジュールが組み込まれた被試験器2について再試験を行い、当該再試験の結果が良好となった場合に、被試験器2毎に交換前の試験結果と交換されたモジュールの情報をモジュール交換情報テーブルに記憶し、更に、モジュール交換情報テーブルの内容に基づいて故障探求テーブルを更新するものであり、故障要因の推定の精度を向上させることができる効果がある。
Claims (4)
- 交換可能なモジュールを複数備えた機器を複数有する被試験器に対して前記被試験器毎に試験を実施する試験装置であって、
試験信号を出力して、前記被試験器からの出力を計測する複数の測定器と、
前記測定器のいずれかと前記被試験器とを接続する切替部と、
前記複数の測定器からの測定結果を入力して解析する制御部とを備え、
前記制御部が、前記機器毎に行われた試験の結果として前記複数の測定器からの計測結果を入力し、前記計測結果に基づいて故障を探求する故障探求テーブルに従い故障のモジュールを特定し、当該特定された故障のモジュールに対して交換された良品のモジュールが組み込まれた被試験器について再試験し、当該再試験の結果が良好となった場合に、前記被試験器毎に交換前の試験結果と前記交換されたモジュールの情報を記憶するモジュール交換情報テーブルに記憶することを特徴とする試験装置。 - 制御部は、故障探求テーブルに従い故障のモジュールを探求し、当該探求によって故障のモジュールを特定できない場合に、モジュール交換情報テーブルを参照して故障候補のモジュールを推定することを特徴とする請求項1記載の試験装置。
- 制御部は、故障探求テーブルによる故障のモジュールの探求より、モジュール交換情報テーブルを参照して故障候補のモジュールの推定を優先して行うことを特徴とする請求項1記載の試験装置。
- 制御部は、モジュール交換情報テーブルに記憶されている試験結果を用いて故障探求テーブルを更新することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の試験装置。
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