JP2021046653A - 衣料用保温材および繊維製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】嵩高く、低密度であるため変形回復性に優れ、適切な通気度を持つため保温性に優れ、素材として一体であるため取り扱い性に優れ、長期間性能を維持できる衣料用保温材を提供すること。【解決手段】合成繊維からなる嵩高性保持層と微多孔膜を有する微多孔膜層が一体化されてなる衣料用保温材であって、前記嵩高性保持層が、少なくとも一部に3次元的な捲縮構造を有する鞘糸および該鞘糸との交錯で鞘糸を固定している芯糸からなり、前記鞘糸が、実質的に破断することなく、連続的にループを形成している嵩高糸を含む衣料用保温材。【選択図】 なし
Description
本発明は嵩高く、低密度であるため変形回復性に優れ、適切な通気度を持つため保温性に優れ、素材として一体であるため取り扱い性に優れ、性能の経時での低下が少ない衣料用保温材および繊維製品に関するものである。
衣料用素材に必要な機能の一つに着て暖かいこと、すなわち着用快適性と保温性の両立がある。着用快適性とは軽さ、動きに対する追従性、肌側からの湿気の放出であり、素材特性としては嵩高さ、低密度、伸び・曲げ・圧縮に対する変形回復、そして適切な通気度が必要となる。一方、保温性の向上のためには肌側から外気への熱移動すなわち空気の移動を抑制する必要があり、素材としては一般的に素材密度が高く、通気度が低くなる傾向にある。
例えばウレタンやポリエチレンの発泡体(フォーム)は内部に空気を閉じ込めた構造であるため保温性に優れ、他の構造材と比較して軽量であるが、衣料素材として考えると、密度が高いため重く、伸びがたく、通気性が極めて低いため衣料素材には適さないことは容易に想像できる。
保温性に優れる衣料品としては保温素材にダウンを用いた衣料品がある。ダウンは嵩高さ、軽量、保温性に優れ、適度に通気性を有しており衣料素材として適している。素材の変形に対しても、ダウンそのものの変形回復、またダウンボール一つ一つの移動によって変形追従性に優れている。しかしダウンはダウンボールの集合体であり、一体とはなっていないため取り扱い性に劣り、かつ使用中に形態が変化して性能が低下する。ダウンを衣料素材として用いるためには、側地を用いて袋状構造体を作り、その内部にダウンを吹き込み、閉じ込める操作が必要となる。この場合でも袋状構造体内部でダウンは移動できるため一体とはなっておらず、キルティング等により袋状構造体を細かく区切ることによってダウンの移動量を小さくすることで衣料素材として使用しているが、性能低下の抑制にも限界があり、デザイン等、衣料品の設計にも制限が生じる。
このような背景から嵩高く、低密度であるため変形回復性に優れ、適切な通気度を持つため保温性に優れ、素材として一体であるため取り扱い性、性能低下の抑制、設計の自由度に優れる衣料用保温材が望まれている。
この課題に対し、不織布、織物及び編物を基布とし、短繊維カード等を繊維ウェブとし、両者を交絡等によって一体化された繊維シートが提案されている(特許文献1)。またフィルムを割繊・延伸したものを経緯積層した網状不織布と短繊維からなる繊維ウェブを水流等により絡合されてなる中綿が提案されている(特許文献2)。
さらに別の技術として、合成繊維からなる花糸を芯糸で一体化した長繊維詰め綿を側地と縫製した詰め物体が提案されている(特許文献3)。また合成繊維からなり2.0〜30.0mmの曲率半径のループを有する鞘糸と芯糸が絡合されてなる詰め綿と側地をキルト縫いした詰め物体が提案されている(特許文献4)。
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、敷布団、ベットバッド、こたつ敷布団、クッション、座布団、椅子布団、及び枕等に有用な詰物体に関するものであって、比較的嵩高く低密度である繊維ウェブと基布を一体化することができるものの、一般的には不織布、織物及び編物は通気性が高く、繊維ウェブは不織布、織物及び編物に比較してさらに通気性が高いために、通気性がともに高い素材同士である繊維ウェブと基布を一体化しても、衣料用保温材として要求されるレベルの保温性は達成することができず、また、特許文献1においても孔サイズに関する記載は見られないため通気性は高過ぎると考えられる。特許文献2も同様に網状不織布を用いており、孔サイズに関する記載は見られないため通気性が高いと考えられる。
また特許文献3、4においても嵩高く低密度である長繊維詰め綿と側地を縫製して固定することができるものの、側地に用いる不織布、織物及び編物は一般的に通気性が高く、長繊維詰め綿はさらに通気性が高いために保温性に劣り、特許文献3、4においても孔サイズに関する記載は見られないため通気性は高いと考えられる。さらに特許文献3、4のように縫製によって固定する手法では、厚みを持った平面状である衣料素材の平面の一部を固定するにすぎず、縫製によって固定した点の間で詰め綿は動くことが出来るため望まれている一体化とは異なる形態である。
これら従来技術は、嵩高性素材の嵩高性には優れるものの、保温性を高めるために必要となる通気度の制御が不十分であり、また素材として一体化する技術が絡合、縫製であるために、平面状である衣料用保温材の平面の一部しか固定できていないという問題がある。
特に、特許文献3、4に記載された長繊維詰め綿である場合には、絡合、縫製によって固定できる点は、特許文献1、2に記載された繊維ウェブのような平面上の衣料用保温材よりも少なく、一体化が不十分となる。そのため、絡合、縫製によって十分な固定を達成するためには、長繊維詰め綿が潰れ易く、嵩高性が不十分となる。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、嵩高く、低密度であるため変形回復性に優れ、適切な通気度を持つため保温性に優れ、素材として一体であるため取り扱い性に優れ、長期間性能を維持できる衣料用保温材を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明の衣料用保温材は、次の構成を有する。すなわち、合成繊維からなる嵩高性保持層と微多孔膜を有する微多孔膜層が一体化されてなる衣料用保温材であって、前記嵩高性保持層が、少なくとも一部に3次元的な捲縮構造を有する鞘糸および該鞘糸との交錯で鞘糸を固定している芯糸からなり、前記鞘糸が、実質的に破断することなく、連続的にループを形成している嵩高糸を含む衣料用保温材、である。
本発明の衣料用保温材は、嵩高性保持層と微多孔膜層が、融着して一体化していることが好ましい。
本発明の衣料用保温材は、前記微多孔膜層に、孔径5.0μm以下の微多孔が80%以上存在していることが好ましい。
本発明の衣料用保温材は、前記嵩高性保持層の厚みが5.0mm以上であり、前記嵩高性保持層のフィルパワーが215cm3/g以上であることが好ましい。
ここで、フィルパワーとは、後述のとおり、嵩高性の指標である。
また本発明の繊維製品は、次の構成を有する。すなわち、
上記衣料用保温材を少なくとも一部に含む繊維製品、である。
上記衣料用保温材を少なくとも一部に含む繊維製品、である。
本発明によれば、嵩高く、低密度であるため変形回復性に優れ、適切な通気度を持つため保温性に優れ、素材として一体であるため取り扱い性に優れ、性能の経時での低下が小さい衣料用保温材が得られ、さらに衣料用保温材を少なくとも一部に含む繊維製品が得られることから、ジャケット、パンツ、防寒服、スポーツ衣料等の一般衣料やクッション、布団、寝袋等の衣料資材に好適に用いることができる。
以下、本発明の衣料用保温材について詳細に説明する。
[嵩高性保持層]
本発明の衣料用保温材は合成繊維からなる嵩高性保持層を有する。嵩高性保持層を有することで保温材の圧縮、引張等の変形に対し低荷重で追従でき、かつ変形回復性を有することができる。
本発明の衣料用保温材は合成繊維からなる嵩高性保持層を有する。嵩高性保持層を有することで保温材の圧縮、引張等の変形に対し低荷重で追従でき、かつ変形回復性を有することができる。
本発明で言う嵩高性保持層とは、繊維が3次元的に配列されてなる繊維構造体である。3次元的な配列とは、繊維の向き(配向)が1次元、2次元ではなく3次元的になっている状態を指す。繊維としては長繊維、短繊維あるいはその混合物を用いることができる。なお3次元配列を小さいサイズで達成するためには繊維に捲縮が施されていることが好ましい。
本発明に用いる嵩高性保持層としては公知のものが使用でき、例として短繊維フェルト、短繊維からなるファイバーボール、長繊維の嵩高加工糸およびそのカットヤーン、スパンレイドまたはスパンボンド不織布等が上げられる。この中で短繊維フェルト、長繊維嵩高加工糸が低密度で嵩高く、かつ連続体であるため好ましく、長繊維嵩高加工糸が嵩高性に優れ、より好ましい。
長繊維嵩高加工糸としては仮撚加工糸、BCF、流体加工糸、モールヤーン、ループヤーン等があるが、嵩高性の点では空気流によって加工した流体加工糸が好ましく、国際公開第2018/51983号等に記載されている、少なくとも一部に3次元的な捲縮構造を有する鞘糸および該鞘糸との交錯で鞘糸を固定している芯糸からなり、前記鞘糸が、実質的に破断することなく、連続的にループを形成している嵩高糸が嵩高性に優れることからより好ましい。
また、本発明に用いる嵩高性保持層は合成繊維からなる。合成繊維からなることで繊維そのものの剛性が高いため変形回復性に優れ、性能の経時での低下が小さい。本発明に用いる嵩高性保持層には合成繊維としての機能を損なわない範囲で他の繊維、例えば植物性繊維、獣毛、化学繊維、無機繊維等を含んでも構わない。この観点から、合成繊維の重量分率が60重量%以上であることで合成繊維の機能が発現でき好ましく、90重量%以上がより好ましい。
合成繊維としては公知のものが使用できるが、入手しやすさ、性能と価格のバランスの点からポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリプロピレンおよびその共重合物、さらにはこれらの混合物が好ましく、変形回復性、性能の経時での低下の抑制の観点からポリエステルがより好ましい。
本発明に用いる嵩高性保持層の嵩高性の指標であるフィルパワーは215cm3/g以上が好ましい。嵩高性保持層のフィルパワーが215cm3/g以上であることで嵩高く、密度が低いため変形追従性、変形回復性に優れる。嵩高性が高いほど変形追従性、変形回復性に優れることから嵩高性保持層のフィルパワーは300cm3/g以上が好ましい。嵩高性保持層のフィルパワーの上限は特に決められるものではないが、本発明で用いられる嵩高性保持層のフィルパワーの上限は1,000cm3/g程度である。なお本発明で言う嵩高性保持層のフィルパワーとは、実施例記載の方法で得られた値を指す。
本発明に用いる嵩高性保持層の厚みは5.0mm以上が好ましい。厚みが5.0mm以上あることで大きな変形に対しても変形回復性を発現し得る。厚みが厚いほど変形回復性に優れるため、厚みは8.0mm以上が好ましい。ただし、厚みが厚すぎると衣料素材として使いにくいため、本発明で用いられる上限は100.0mm程度である。なお、本発明で言う厚みとは、実施例記載の方法で得られた値を指す。
[微多孔膜層]
本発明の衣料用保温材は微多孔膜層を有する。微多孔膜層を有することで通気性を適切な範囲に制御することができ、肌側からの湿気の放出による快適性と、空気移動に伴う熱移動を抑制することによる保温性の高さを両立できる。
本発明の衣料用保温材は微多孔膜層を有する。微多孔膜層を有することで通気性を適切な範囲に制御することができ、肌側からの湿気の放出による快適性と、空気移動に伴う熱移動を抑制することによる保温性の高さを両立できる。
本発明で言う微多孔とは、保温材の少なくとも一部の断面に繊維あるいは樹脂により壁面を形成された空間が複数個存在している状態を指し、具体的には実施例記載の方法により計測される孔が複数個存在していることを表す。
微多孔膜層としては微多孔を有する平面状の公知の素材が使用でき、例えばウレタン系樹脂やポリアクリロニトリル系樹脂の湿式凝固膜、ポリオレフィンやポリウレタンの発泡材(フォーム)、湿式抄紙やメルトブロー不織布が好適に使用できる。この中では孔の数が多く、材料として低密度である観点から湿式抄紙やメルトブロー不織布が好ましく、嵩高性保持層との一体化が容易である点でメルトブロー不織布がより好ましい。
メルトブロー不織布としては公知の原料からなる素材が使用でき、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびそのブレンド物からなるメルトブロー不織布が好ましく、製布性に優れ孔径が均一である点からはポリプロピレンからなるメルトブロー不織布がより好ましい。
本発明で用いる微多孔膜層は、孔径が5.0μm以下の微多孔が80%以上存在していることが好ましい。孔径が5.0μm以下の微多孔が80%以上存在することで、大孔径部分からの熱移動を抑制することができ、通気度を小さくでき、保温性を高めることができる。この観点からは5.0μm以下の微多孔の比率は高い方が好ましく、85%以上がより好ましい。5.0μm以下の微多孔の比率の上限は特に決められるものではないが、本発明で用いられる上限は95%程度である。なお、本発明で言う孔径が5.0μm以下の微多孔の比率とは、実施例記載の方法で得られた値を指す。
また、本発明で用いる微多孔膜層の平均孔径は5.0μm以下であることが好ましい。平均孔径は5.0μm以下であることで大孔径部分からの熱移動を抑制することができ、通気度を小さくでき、保温性を高めることができる。この観点からは平均孔径は小さい方が好ましく、4.0μm以下がより好ましい。本発明において平均孔径の下限は特に決められるものではないが、下限は1.0μm程度である。なお本発明で言う平均孔径とは、実施例記載の方法で得られた値を指す。
[一体化されてなる衣料用保温材]
本発明の衣料用保温材は嵩高性保持層と微多孔膜層が一体化されてなる。嵩高性保持層と微多孔膜層が一体化されることで、衣料品とする際の取り扱い性に優れ、経時での性能低下を抑制でき、さらに縫製等に制限がないため、デザインの自由度が高まる。
本発明の衣料用保温材は嵩高性保持層と微多孔膜層が一体化されてなる。嵩高性保持層と微多孔膜層が一体化されることで、衣料品とする際の取り扱い性に優れ、経時での性能低下を抑制でき、さらに縫製等に制限がないため、デザインの自由度が高まる。
本発明で言う嵩高性保持層と微多孔膜層の一体化とは、保温材の一部を持って全体を持ち上げた際に、構成する素材が剥離、落下しないことを指し、具体的には実施例記載の方法で判定する。この観点からは例えばファイバーボールを袋状構造体に充填した保温材や、長繊維詰め綿を側地と縫製した保温材は側地と内部充填物の間で剥離が起こるため本発明とは異なるものである。構成する素材が剥離、落下しない程度に一体化されていることで、衣料品とする際の加工工程、製品として使用時において形態変化が小さくでき、性能を安定して長期間維持できる。
このような観点から、本発明で言う嵩高性保持層と微多孔膜層の一体化は、単に積層して一体化したものではなく、微多孔膜層として融着可能な繊維ウェブ等の素材を採用することにより、嵩高性保持層と融着して一体化していることが好適である。
ここで、融着して一体化しているとは、嵩高性保持層と微多孔膜層の繊維同士の接点において、当該接点の接触界面が不明瞭な部分が含まれていることを示す。
なお、本発明において融着しているか否かの判定は、実施例記載の方法で行う。
本発明の衣料用保温材の密度は20.0mg/cm3以下が好ましい。密度が20.0mg/cm3以下であることで、嵩高性に優れるため圧縮、引張等の変形に対し低荷重で追従でき、かつ変形回復性を有することができる。この観点からは密度は低い方が好ましく、10.0mg/cm3以下がより好ましい。密度の下限は特に決められるものではないが、本発明で用いられる下限は0.5mg/cm3程度である。なお、本発明で言う衣料用保温材の密度とは、実施例記載の方法で得られた値を指す。
本発明の衣料用保温材の通気度は100cm3/cm2/sec以上1,000cm3/cm2/sec以下が好ましい。通気度がこの範囲にあることで、肌側からの湿気の放出による快適性と、空気移動に伴う熱移動を抑制することによる保温性を両立できる。通気度が高いほど湿気の放出による快適性に優れるため、通気度は200cm3/cm2/sec以上がより好ましい。また通気度が低いほど保温性に優れるため通気度は500cm3/cm2/sec以下がより好ましい。
[繊維製品]
本発明の繊維製品は上記衣料用保温材を少なくとも一部に含む。上記した衣料用保温材を含むことで変形回復性、保温性、性能低下の抑制に優れる。繊維製品の例としては、側地でできた袋状構造体に保温材を充填したもの、側地と保温材を縫製したもの、側地と保温材を積層し絡合もしくは接着したもの等があげられる。
本発明の繊維製品は上記衣料用保温材を少なくとも一部に含む。上記した衣料用保温材を含むことで変形回復性、保温性、性能低下の抑制に優れる。繊維製品の例としては、側地でできた袋状構造体に保温材を充填したもの、側地と保温材を縫製したもの、側地と保温材を積層し絡合もしくは接着したもの等があげられる。
[好適な製造方法]
本発明の衣料用保温材の好適な製造方法としては、まず嵩高性保持層を形成する。嵩高性保持層は上記したように短繊維フェルト、短繊維からなるファイバーボール、長繊維の嵩高加工糸およびそのカットヤーン、スパンレイドまたはスパンボンド不織布等があげられ、公知の手法で形成することができる。中でも好適なものは空気流によって加工した流体加工糸であり、国際公開第2018/51983号等に記載されている手法によって形成できる。
本発明の衣料用保温材の好適な製造方法としては、まず嵩高性保持層を形成する。嵩高性保持層は上記したように短繊維フェルト、短繊維からなるファイバーボール、長繊維の嵩高加工糸およびそのカットヤーン、スパンレイドまたはスパンボンド不織布等があげられ、公知の手法で形成することができる。中でも好適なものは空気流によって加工した流体加工糸であり、国際公開第2018/51983号等に記載されている手法によって形成できる。
微多孔膜層の形成および嵩高性保持層と微多孔膜層を一体化する手法としては、嵩高性保持層を先に形成し、そこに微多孔膜層を形成することが保温材の中での微多孔膜の存在場所を制御することができ、孔径および微多孔の比率を適切な範囲に制御しやすいため好ましい。例としては、長繊維嵩高加工糸を並べたものや短繊維フェルトのような嵩高性保持層に対し、発泡フォームを吹き付ける、ウレタン系樹脂やポリアクリロニトリル系樹脂溶液を含浸させた後に貧溶媒で凝固させる、メルトブロー法によりメルトブロー層を積層する等の手法が好適に採用できる。
本発明において、嵩高性保持層と微多孔膜層は、融着して一体化していることが好ましい。融着して一体化させる手段としては、嵩高性保持層に融着可能な繊維ウェブ等を微多孔膜層として積層した後、微多孔膜層を構成する素材のうち、最も融点が低い成分を乾熱または湿熱による熱処理を施すことで溶融、融着させ、一体化させることが好ましい手法の例として挙げられる。当該熱処理温度は、乾熱処理の場合、最も融点が低い成分の融点+10℃以上の温度、湿熱処理を行う場合は60〜100℃の温度で、融着させる成分以外の保温材を構成する他成分の融点より低い温度で実施することが好ましい。
また、本発明においては、空気流によって加工した流体加工糸を並べたものにメルトブロー層を積層する手法が軽量性(低密度)、嵩高性、微多孔膜層の微多孔の孔径、比率の制御の観点からより好ましい手法である。
前述のメルトブロー法により本発明の衣料用保温材を製造する場合、嵩高性保持層とメルトブロー層からなる微多孔膜層が融着するように、メルトブロー紡糸条件を調整することが好ましい。具体的には、メルトブロー口金からの単孔吐出量、捕集長に加え、吐出温度や熱風温度を適宜調整し、メルトブロー層の構成繊維径、微多孔の孔径および微多孔の比率を適切な範囲に制御することが好ましい。
例えば、単孔吐出量が大きい、捕集長が短い、吐出温度や熱風温度が高い場合、捕集位置すなわち嵩高性保持層との接触位置においてメルトブロー繊維の糸温度を高め易く、融着が容易となる。一方で、単繊維同士が空中で融着し易くなる傾向があるため、得られた積層保温材の一体化の状態を確認しながら、適宜調整することが好ましい。
上記衣料用保温材を少なくとも一部に含む繊維製品は、例えば側地でできた袋状構造体に保温材を充填、側地と保温材を縫製、側地と保温材を積層し絡合もしくは接着といった手法により作製できる。
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、各物性の測定において、特段の記載がないものは、前記の方法に基づいて測定を行ったものである。ただし、本発明はこれらの実施例の記載のみに限定されるものではない。
[A.嵩高性保持層のフィルパワー]
羽毛評価規格IDFB法に準じ、内径288mm、高さ500mmのシリンダーに嵩高性保持層もしくは嵩高性保持層を構成する繊維30gをほぐしつつ投入し、シリンダー内が均一となるように投入後にも棒を用いて嵩高性保持層を攪拌した。次に直径288mmの円盤をシリンダー内に静かに置き、圧力が0.149g/cm2となるように加重を乗せ、3分間静置した後に円盤下面の高さ方向の位置を計測し、充填物の高さ(cm)を求め、これを0.149で除した値をフィルパワーとした。
羽毛評価規格IDFB法に準じ、内径288mm、高さ500mmのシリンダーに嵩高性保持層もしくは嵩高性保持層を構成する繊維30gをほぐしつつ投入し、シリンダー内が均一となるように投入後にも棒を用いて嵩高性保持層を攪拌した。次に直径288mmの円盤をシリンダー内に静かに置き、圧力が0.149g/cm2となるように加重を乗せ、3分間静置した後に円盤下面の高さ方向の位置を計測し、充填物の高さ(cm)を求め、これを0.149で除した値をフィルパワーとした。
[B.嵩高性保持層の厚み]
JIS L 1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」の「8.4 厚さ」の「a)A法(JIS法)」に準じ、嵩高性保持層の厚み方向が垂直となるように無荷重で置き、側面からノギスを用いて嵩高性保持層を押しつぶさないように厚みを計測した。厚み計測は1cm以上離れた場所を5箇所計測し、平均値を厚みとして算出した。
JIS L 1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」の「8.4 厚さ」の「a)A法(JIS法)」に準じ、嵩高性保持層の厚み方向が垂直となるように無荷重で置き、側面からノギスを用いて嵩高性保持層を押しつぶさないように厚みを計測した。厚み計測は1cm以上離れた場所を5箇所計測し、平均値を厚みとして算出した。
[C.微多孔膜層の微多孔の孔径、存在比率]
微多孔膜層表面、あるいは微多孔膜層を含む面を切り出し、キーエンス社製マイクロスコープSEM(VHX−6000、VHX−D510組み込み)にて観察倍率1,500倍で撮像し、繊維あるいは樹脂により囲まれた空孔に対して画像解析にて内接円を描き、内接円の直径を求めた。この空孔観察を20箇所行い、内接円直径の平均を平均孔径とし、孔径5.0μm以下の空孔の個数を20で除したものを孔径5.0μm以下の平均分率とした。切り出し面3箇所について、同様に孔経5.0μm以下の平均分率を求め、その平均分率の平均値を孔径5.0μm以下の存在比率とした。
微多孔膜層表面、あるいは微多孔膜層を含む面を切り出し、キーエンス社製マイクロスコープSEM(VHX−6000、VHX−D510組み込み)にて観察倍率1,500倍で撮像し、繊維あるいは樹脂により囲まれた空孔に対して画像解析にて内接円を描き、内接円の直径を求めた。この空孔観察を20箇所行い、内接円直径の平均を平均孔径とし、孔径5.0μm以下の空孔の個数を20で除したものを孔径5.0μm以下の平均分率とした。切り出し面3箇所について、同様に孔経5.0μm以下の平均分率を求め、その平均分率の平均値を孔径5.0μm以下の存在比率とした。
[D.一体化および融着の評価]
保温材を5cm角に切り取り、頂点から5mm以内の箇所をピンセットでつまみ、保温材が完全に空中に浮くまで持ち上げて10秒間静置した際の剥離、落下を目視判定した。剥離とは5mm以上の隙間が見られること、落下とは落下物の重量が5cm角の保温材の重量の10重量%以上であることとし、剥離、落下が見られないものを良、剥離および/または落下が見られたものを不可とした。
保温材を5cm角に切り取り、頂点から5mm以内の箇所をピンセットでつまみ、保温材が完全に空中に浮くまで持ち上げて10秒間静置した際の剥離、落下を目視判定した。剥離とは5mm以上の隙間が見られること、落下とは落下物の重量が5cm角の保温材の重量の10重量%以上であることとし、剥離、落下が見られないものを良、剥離および/または落下が見られたものを不可とした。
また、融着しているか否かの確認は、微多孔膜層から嵩高性保持層に1mm入った部分までを切り出し、(株)キーエンス製マイクロスコープSEM(VHX−6000、VHX−D510組み込み)にて観察倍率2,000倍で撮像した10画像を用い、嵩高性保持層と微多孔膜層の繊維同士の接点を観察して、接触界面が不明瞭な部分が2箇所以上存在する場合を融着していると判定した。
[E.衣料用保温材の密度]
保温材を5cm角に切り取り、重量とB.項と同様の手法により求めた厚みから密度を算出した。
保温材を5cm角に切り取り、重量とB.項と同様の手法により求めた厚みから密度を算出した。
[F.衣料用保温材の通気度]
JIS L 1913:2010「一般不織布試験方法」の「6.8 通気性(JIS法)」の「6.8.1 フラジール形法」に準じ、5cm角の保温材3枚について、気圧計の圧力125Paで通気度を測定し、その平均値を持って通気度とした。
JIS L 1913:2010「一般不織布試験方法」の「6.8 通気性(JIS法)」の「6.8.1 フラジール形法」に準じ、5cm角の保温材3枚について、気圧計の圧力125Paで通気度を測定し、その平均値を持って通気度とした。
[参考例1]
IVが0.65dl/gのポリエチレンテレフタレートを290℃で溶融後、計量し、紡糸パックに流入させ、3つのスリット(幅0.1mm)が同心扇状に配置された中空断面用吐出孔から吐出した。吐出された糸条に20℃の冷却風を100m/分の流れで片側から吹き付けて冷却固化した。糸条に非イオン系の紡糸油剤を付与し、紡糸速度1,500m/分で未延伸糸を巻き取った。引き続き、巻き取った未延伸糸を90℃と140℃に加熱したローラー間で延伸速度800m/分で3.0倍延伸し、繊度78dtex、フィラメント数12、中空率30%の延伸糸を得た。得られた中空断面糸を示すように、2個の供給ローラーにそれぞれ1本ずつ中空断面糸を供給し、一方の供給ローラーを速度50m/分、他方を速度1,000m/分として、サクションノズルへ吸引した。サクションノズルでは走行糸条に対して20°で気流速度を400m/秒になるように圧縮空気を噴射し、芯糸と鞘糸が交錯しないように随伴気流とともにノズルから糸条を噴出させた。ノズルから噴射した糸条を気流と共に1.0×10−4秒間走行させ、セラミックガイドを利用して糸道を変更し、鞘糸からなるループが形成された加工糸とし、引取ローラーで50m/分で引き取った。引き続き、ローラーを介して加工糸をチューブヒータに導き、150℃の加熱空気で10秒間熱処理し、嵩高糸の形態をセットするとともに、鞘糸に3次元的な捲縮を発現させた。該嵩高糸は、チューブヒータ後に設置された張力制御式巻取り機により、52m/分でドラムに巻き取り、3次元捲縮が施され、鞘糸が連続的にループを形成している流体加工糸を得た。
IVが0.65dl/gのポリエチレンテレフタレートを290℃で溶融後、計量し、紡糸パックに流入させ、3つのスリット(幅0.1mm)が同心扇状に配置された中空断面用吐出孔から吐出した。吐出された糸条に20℃の冷却風を100m/分の流れで片側から吹き付けて冷却固化した。糸条に非イオン系の紡糸油剤を付与し、紡糸速度1,500m/分で未延伸糸を巻き取った。引き続き、巻き取った未延伸糸を90℃と140℃に加熱したローラー間で延伸速度800m/分で3.0倍延伸し、繊度78dtex、フィラメント数12、中空率30%の延伸糸を得た。得られた中空断面糸を示すように、2個の供給ローラーにそれぞれ1本ずつ中空断面糸を供給し、一方の供給ローラーを速度50m/分、他方を速度1,000m/分として、サクションノズルへ吸引した。サクションノズルでは走行糸条に対して20°で気流速度を400m/秒になるように圧縮空気を噴射し、芯糸と鞘糸が交錯しないように随伴気流とともにノズルから糸条を噴出させた。ノズルから噴射した糸条を気流と共に1.0×10−4秒間走行させ、セラミックガイドを利用して糸道を変更し、鞘糸からなるループが形成された加工糸とし、引取ローラーで50m/分で引き取った。引き続き、ローラーを介して加工糸をチューブヒータに導き、150℃の加熱空気で10秒間熱処理し、嵩高糸の形態をセットするとともに、鞘糸に3次元的な捲縮を発現させた。該嵩高糸は、チューブヒータ後に設置された張力制御式巻取り機により、52m/分でドラムに巻き取り、3次元捲縮が施され、鞘糸が連続的にループを形成している流体加工糸を得た。
次に得られた加工糸を平行に、隙間なく、幅が約20cmとなるように並べ嵩高性保持層を形成した。嵩高性保持層のフィルパワー、厚みを表1に示す。
[参考例2]
流体加工に供給するローラー速度を、一方の供給ローラーを速度50m/分、他方を速度250m/分とすること以外は参考例1記載の方法と同様に流体加工を行い、3次元捲縮が施され、鞘糸が連続的にループを形成している流体加工糸を得た。
流体加工に供給するローラー速度を、一方の供給ローラーを速度50m/分、他方を速度250m/分とすること以外は参考例1記載の方法と同様に流体加工を行い、3次元捲縮が施され、鞘糸が連続的にループを形成している流体加工糸を得た。
次に得られた加工糸を平行に、隙間なく、幅が約20cmとなるように並べ嵩高性保持層を形成した。嵩高性保持層のフィルパワー、厚みを表1に示す。
[参考例3]
繊度が14.4dtex、カット長が75mmであり捲縮が施されているポリエチレンテレフタレート短繊維を用い、カード機を用いて短繊維フェルトを作製した。次に得られた短繊維フェルトを幅が約20cmとなるように切り出し嵩高性保持層を形成した。嵩高性保持層のフィルパワー、厚みを表1に示す。
[参考例3]
繊度が14.4dtex、カット長が75mmであり捲縮が施されているポリエチレンテレフタレート短繊維を用い、カード機を用いて短繊維フェルトを作製した。次に得られた短繊維フェルトを幅が約20cmとなるように切り出し嵩高性保持層を形成した。嵩高性保持層のフィルパワー、厚みを表1に示す。
[実施例1]
参考例1で得た嵩高性保持層を捕集コンベア上に連続的に供給しつつ、MFRが1,100のポリプロピレンを押出機で溶融し、孔径φが0.4mmの口金から、紡糸温度が260℃、単孔吐出量が0.053g/分の条件で紡出し、エア温度が300℃、エア圧力が0.11MPaの条件でエアを糸条に噴射し、口金から捕集コンベアまでの距離(捕集長)を200mmとして捕集コンベア速度を調整することによって嵩高性保持層にメルトブロー不織布を積層させて一体化した衣料用保温材を得た。
参考例1で得た嵩高性保持層を捕集コンベア上に連続的に供給しつつ、MFRが1,100のポリプロピレンを押出機で溶融し、孔径φが0.4mmの口金から、紡糸温度が260℃、単孔吐出量が0.053g/分の条件で紡出し、エア温度が300℃、エア圧力が0.11MPaの条件でエアを糸条に噴射し、口金から捕集コンベアまでの距離(捕集長)を200mmとして捕集コンベア速度を調整することによって嵩高性保持層にメルトブロー不織布を積層させて一体化した衣料用保温材を得た。
この保温材ではメルトブロー層が微多孔膜層となっており、表面のSEM観察からポリプロピレン繊維によって囲まれている空孔が多数存在することが確認された。また、嵩高性保持層と微多孔膜層の繊維同士の接点を観察した結果、接触界面が不明瞭な部分が2箇所以上存在しており、融着していることを確認した。
得られた衣料用保温材の特性を表2に示す。
得られた衣料用保温材の特性を表2に示す。
[比較例1]
単孔吐出量を0.026g/分とすること以外は、実施例1と同様の手法で衣料用保温材を得た。しかし、この保温材ではメルトブロー層の繊維がつながっておらず微多孔膜層は形成されなかった。得られた衣料用保温材の特性も表2に示すが、一体化評価では嵩高性保持層の流体加工糸が脱落する状態であり一体化していなかった。
単孔吐出量を0.026g/分とすること以外は、実施例1と同様の手法で衣料用保温材を得た。しかし、この保温材ではメルトブロー層の繊維がつながっておらず微多孔膜層は形成されなかった。得られた衣料用保温材の特性も表2に示すが、一体化評価では嵩高性保持層の流体加工糸が脱落する状態であり一体化していなかった。
[比較例2]
口金から捕集コンベアまでの距離(捕集長)を350mmとすること以外は、実施例1と同様の手法で衣料用保温材を得た。得られた衣料用保温材の特性を表2に併せて示すが、一体化評価ではメルトブロー層と嵩高性保持層の流体加工糸が剥離する状態で、一体化していなかった。また、嵩高性保持層と微多孔膜層の繊維同士の接点を観察したものの、接触界面が不明瞭な部分は無く、観察サンプル調整時点で、接触界面が剥離する状態であった。
口金から捕集コンベアまでの距離(捕集長)を350mmとすること以外は、実施例1と同様の手法で衣料用保温材を得た。得られた衣料用保温材の特性を表2に併せて示すが、一体化評価ではメルトブロー層と嵩高性保持層の流体加工糸が剥離する状態で、一体化していなかった。また、嵩高性保持層と微多孔膜層の繊維同士の接点を観察したものの、接触界面が不明瞭な部分は無く、観察サンプル調整時点で、接触界面が剥離する状態であった。
[実施例2]
単孔吐出量を0.040g/分とすること以外は、実施例1と同様の手法で衣料用保温材を得た。実施例2では実施例1に対し孔径がやや大きくなるものの、空孔が形成されていた。また、嵩高性保持層と微多孔膜層の繊維同士の接点を観察した結果、接触界面が不明瞭な部分が2箇所以上存在しており、融着していることを確認した。得られた衣料用保温材の特性を表2に併せて示す。
単孔吐出量を0.040g/分とすること以外は、実施例1と同様の手法で衣料用保温材を得た。実施例2では実施例1に対し孔径がやや大きくなるものの、空孔が形成されていた。また、嵩高性保持層と微多孔膜層の繊維同士の接点を観察した結果、接触界面が不明瞭な部分が2箇所以上存在しており、融着していることを確認した。得られた衣料用保温材の特性を表2に併せて示す。
[実施例3、4]
参考例2で得た嵩高性保持層を用いること以外は、実施例1と同様の手法で衣料用保温材を得た(実施例3)。また参考例3で得た嵩高性保持層を用いること以外は実施例1と同様の手法で衣料用保温材を得た(実施例4)。いずれの場合でもメルトブロー層が微多孔膜層となっており、空孔が形成されていた。また、実施例3、4ともに、嵩高性保持層と微多孔膜層の繊維同士の接点を観察した結果、接触界面が不明瞭な部分が2箇所以上存在しており、融着していることを確認した。得られた衣料用保温材の特性を表2に併せて示す。
参考例2で得た嵩高性保持層を用いること以外は、実施例1と同様の手法で衣料用保温材を得た(実施例3)。また参考例3で得た嵩高性保持層を用いること以外は実施例1と同様の手法で衣料用保温材を得た(実施例4)。いずれの場合でもメルトブロー層が微多孔膜層となっており、空孔が形成されていた。また、実施例3、4ともに、嵩高性保持層と微多孔膜層の繊維同士の接点を観察した結果、接触界面が不明瞭な部分が2箇所以上存在しており、融着していることを確認した。得られた衣料用保温材の特性を表2に併せて示す。
Claims (5)
- 合成繊維からなる嵩高性保持層と微多孔膜を有する微多孔膜層が一体化されてなる衣料用保温材であって、前記嵩高性保持層が、少なくとも一部に3次元的な捲縮構造を有する鞘糸および該鞘糸との交錯で鞘糸を固定している芯糸からなり、前記鞘糸が、実質的に破断することなく、連続的にループを形成している嵩高糸を含む衣料用保温材。
- 前記嵩高性保持層と前記微多孔膜層が、融着して一体化していることを特徴とする請求項1に記載の衣料用保温材。
- 前記微多孔膜層において、孔径5.0μm以下の微多孔の存在比率が80%以上である請求項1または2に記載の衣料用保温材。
- 前記嵩高性保持層の厚みが5.0mm以上であり、前記嵩高性保持層のフィルパワーが215cm3/g以上である請求項1〜3のいずれかに記載の衣料用保温材。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の衣料用保温材を少なくとも一部に含む繊維製品。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019166930 | 2019-09-13 | ||
JP2019166930 | 2019-09-13 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021046653A true JP2021046653A (ja) | 2021-03-25 |
Family
ID=74877968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020138405A Pending JP2021046653A (ja) | 2019-09-13 | 2020-08-19 | 衣料用保温材および繊維製品 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2021046653A (ja) |
-
2020
- 2020-08-19 JP JP2020138405A patent/JP2021046653A/ja active Pending
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