以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置10について説明をする図である。図1(a)は、印刷装置10の要部の構成の一例を示す。また、以下において説明をする点を除き、印刷装置10は、公知の印刷装置と同一又は同様の特徴を有してよい。例えば、印刷装置10は、図1に示す要部の構成以外にも、公知の印刷装置の同一又は同様の構成を更に備えてよい。
本例において、印刷装置10は、印刷対象の媒体(メディア)50に対してインクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタである。また、印刷装置10は、媒体50に対してインクを吐出して、複数のインクの層を重ねて形成することで、隆起した形状を媒体50上に形成する。この場合、隆起した形状を媒体50上に形成することについては、例えば、媒体50上に立体的な形状を形成すること等と考えることもできる。また、印刷装置10の動作について、例えば、凹凸状に隆起した形状を媒体50上に形成する動作や、2.5D(2.5次元)の印刷を行う動作等と考えることもできる。また、このような印刷の動作を行うために、印刷装置10は、ヘッド部12、台部14、主走査駆動部16、副走査駆動部18、積層方向駆動部20、及び制御部30を備える。
ヘッド部12は、媒体50に対してインクを吐出する構成である。ヘッド部12の特徴については、後に更に詳しく説明をする。台部14は、ヘッド部12と対向させて媒体50を保持する台状部材である。本例において、台部14は、上面に媒体50を載置することで、媒体50を保持する。主走査駆動部16は、ヘッド部12におけるインクジェットヘッドに主走査動作を行わせる駆動部である。副走査駆動部18は、ヘッド部12におけるインクジェットヘッドに副走査動作を行わせる駆動部である。この場合、主走査動作とは、予め設定された主走査方向へ媒体50に対して相対的に移動しつつインクを吐出する動作のことである。副走査動作とは、主走査方向と直交する副走査方向へ媒体50に対して相対的に移動する動作のことである。本例において、主走査方向は、図中に示すY方向と平行な方向である。副走査方向は、Y方向及び以下において説明をする積層方向(Z方向)と直交する方向(X方向)である。
積層方向駆動部20は、媒体50上においてインクの層が積層される積層方向において媒体50に対して相対的にヘッド部12を移動させる駆動部である。また、本例において、積層方向は、鉛直方向と平行な方向であり、X方向及びY方向と直交する。積層方向駆動部20は、例えば、媒体50上に積層されるインクの層の厚みに合わせて台部14の高さを変化させることで、媒体50に対して相対的にヘッド部12を移動させる。
また、より具体的に、媒体50上に複数のインクの層を形成する動作において、積層方向駆動部20は、例えば、予め設定された層数のインクの層が形成される毎にヘッド部12から離れる方向へ台部14を移動させる。このように構成すれば、例えば、形成中のインクの層とヘッド部12におけるインクジェットヘッドとの間の距離を一定の範囲に保つことができる。また、媒体50とヘッド部12との位置関係については、例えば、最終的に積層されるインクの層の高さに合わせて設定すること等も考えられる。この場合、例えば、印刷の動作を開始する前に、最終的に積層されるインクの層の高さに合わせて、積層方向における台部14の位置を調整する。このように構成すれば、例えば、印刷の動作中に台部14の高さを変更しないことで、印刷の動作をより高速化することができる。
制御部30は、例えば印刷装置10のCPUを含む部分であり、印刷装置10の各部の動作を制御する。本例によれば、例えば、印刷の動作を印刷装置10に適切に行わせることができる。また、これにより、例えば、媒体50上に複数のインクの層を重ねて形成することで、隆起した形状を媒体50上に適切に形成することができる。
続いて、本例におけるヘッド部12の特徴について、更に詳しく説明をする。図1(b)は、印刷装置10におけるヘッド部12の構成の一例を示す。本例において、ヘッド部12は、互いに異なる色のインクを吐出する複数のインクジェットヘッド102と、複数の紫外線光源104とを有する。また、複数のインクジェットヘッド102として、図1(b)に示すように、インクジェットヘッド102y、インクジェットヘッド102m、インクジェットヘッド102c、インクジェットヘッド102k(以下、インクジェットヘッド102y〜kという)、及びインクジェットヘッド102wを有する。この場合、インクジェットヘッド102yは、イエロー色(Y色)のインクを吐出する。インクジェットヘッド102mは、マゼンタ色(M色)のインクを吐出する。インクジェットヘッド102cは、シアン色(C色)のインクを吐出する。インクジェットヘッド102kは、ブラック色(K色)のインクを吐出する。また、インクジェットヘッド102wは、白色(ホワイト色、W色)のインクを吐出する。
この場合、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各色のインクを用いることで、様々な色の表現を適切に行うことができる。また、本例において、インクジェットヘッド102y〜kは、図中に示すように、副走査方向における位置を揃えて主走査方向へ並べて配設される。また、インクジェットヘッド102y〜kは、互いに異なる有色のインクをそれぞれが吐出する複数のカラーインク用ヘッドの一例である。イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各色のインクは、カラー印刷用の基本色であるプロセスカラーの一例である。
また、インクジェットヘッド102wは、副走査方向においてインクジェットヘッド102y〜kと隣接する位置において、インクジェットヘッド102y〜kと副走査方向における位置が重ならないように、副走査方向の位置をずらして配設される。本例において、インクジェットヘッド102wは、光反射性のインクを吐出する光反射インク用ヘッドの一例である。また、インクジェットヘッド102wが吐出する白色のインクは、光反射性のインクの一例である。
また、本例において、インクジェットヘッド102y〜k及びインクジェットヘッド102wは、紫外線の照射に応じて硬化するインクである紫外線硬化型インクを吐出する。複数の紫外線光源104のそれぞれは、インクを硬化させるための紫外線を照射する手段であり、インクジェットヘッド102y〜k及びインクジェットヘッド102wに対して主走査方向の一方側及び他方側に配設されることで、主走査動作時において、各インクジェットヘッドから吐出されたインクに紫外線を照射する。紫外線光源104については、例えば、インクを定着させる定着手段等と考えることもできる。
尚、印刷装置10の変形例においては、インクジェットヘッド102y〜k及びインクジェットヘッド102wにおいて、紫外線硬化型インク以外のインクを用いること等も考えられる。この場合、印刷装置10は、インクの特性に応じた定着手段を備えることが好ましい。
また、本例において、ヘッド部12としては、例えば、2次元の画像を印刷する公知のインクジェットプリンタにおいて用いられているヘッド部と同一又は同様の構成を用いることが考えられる。この場合、2次元の画像を印刷する公知のインクジェットプリンタにおいて用いられているヘッド部とは、例えば、インクの層を平坦化するための平坦化手段(例えば、ローラ等)を有さずに、インクジェットヘッド102y〜k、インクジェットヘッド102w、及び複数の紫外線光源104を有する構成のことである。また、ヘッド部12の構成の変形例において、ヘッド部12は、例えば、平坦化手段等を更に有してもよい。この場合、平坦化手段としては、例えば、インクジェット方式で立体的な造形物の造形を行う公知の造形装置(3Dプリンタ)のヘッド部において用いられている平坦化手段と同一又は同様の構成を用いること等が考えられる。
続いて、媒体50に対する印刷の動作により得られる印刷物について、更に詳しく説明をする。この場合、印刷物とは、所定の印刷の動作を行うことで作成される印刷の成果物のことである。また、本例において、印刷物については、例えば、印刷を行った後の媒体50等と考えることもできる。
図2は、印刷物について更に詳しく説明をする図である。上記においても説明をしたように、本例において、印刷装置10は、媒体50に対してインクを吐出して、複数のインクの層を重ねて形成することで、隆起した形状を媒体50上に形成する。そして、この場合、印刷装置10の制御部30(図1参照)によりインクジェットヘッド102y〜k及びインクジェットヘッド102w(図1参照)等の動作を制御することで、印刷装置10は、媒体50上に、隆起領域302、白色層304、及びカラー層306を形成する。
隆起領域302は、媒体50上において複数のインクの層が重なる領域である。この場合、隆起領域302について、例えば、積層方向の形状(Z形状)をつくるための領域等と考えることができる。また、隆起領域302については、例えば、隆起した形状を媒体50に形成するために複数のインクの層を重ねた領域等と考えることもできる。また、隆起領域302について、例えば、指定された高さHまでインクの層を重ねた領域等と考えることもできる。また、本例において、印刷装置10の制御部30は、インクジェットヘッド102y〜kのそれぞれにインクを吐出させることで、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各色のインクを用いて、インクジェットヘッド102y〜kに隆起領域302を形成させる。このように構成した場合、4色用の4個のインクジェットヘッドを用いて隆起領域302を形成することで、例えば1個のインクジェットヘッドで1色のインクのみを吐出して隆起領域302を形成する場合と比べ、隆起領域302を短時間で形成することができる。
また、隆起領域302の形成時において、制御部30は、例えば、インクジェットヘッド102y〜kのそれぞれに対し、同じ印字濃度でインクを吐出させる。この場合、印字濃度については、例えば、単位面積に対して単位時間に吐出するインクの濃度等と考えることができる。また、より具体的に、本例において、制御部30は、インクジェットヘッド102y〜kのそれぞれに対し、100%の印字濃度でのインクの吐出を行わせる。この場合、100%の印字濃度については、例えば、印刷の解像度に応じて設定されるそれぞれの吐出位置へ1回のインクの吐出を行う場合の印字濃度等と考えることができる。また、隆起領域302の形成時にインクジェットヘッド102y〜kのそれぞれに100%の印字濃度でインクを吐出させることについては、例えば、隆起領域302を形成すべき範囲に対し、インクジェットヘッド102y〜kのそれぞれに100%の印字濃度でインクを吐出させること等と考えることができる。このように構成すれば、例えば、隆起領域302を短時間でより適切に形成することができる。
白色層304は、隆起領域302上に白色のインクで形成される領域である。また、本例において、白色層304は、光反射領域の一例である。白色層304の形成時において、制御部30は、インクジェットヘッド102wに白色のインクを吐出させることで、隆起領域302の上面を覆うように、インクジェットヘッド102wに白色層304を形成させる。このように構成した場合、例えば、隆起領域302の上面を白色層304で覆うことで、隆起領域302の色を隠蔽することができる。また、この場合、白色層304について、その上に形成されるカラー層306の背景として機能すると考えることもできる。
カラー層306は、白色層304上においてインクジェットヘッド102y〜kにより画像が描かれる領域である。また、本例において、カラー層306は、画像領域の一例である。カラー層306の形成時において、制御部30は、印刷すべき画像に応じて設定される吐出位置に対し、インクジェットヘッド102y〜kのそれぞれにインクを吐出させる。このように構成すれば、例えば、白色層304上にカラー画像を適切に描くことができる。また、この場合、隆起領域302及び白色層304の上にカラー層306を形成することにより、媒体50の表面から盛り上がった画像を描くことができる。また、図2においても図示しているように、本例において、制御部30は、必要に応じて、媒体50上において隆起領域302及び白色層304が形成されていない部分にも、インクジェットヘッド102y〜kにカラー層306を形成させる。このように構成すれば、例えば、一部分が盛り上がった画像等を媒体50上に描くことができる。
このように、本例によれば、例えば、全体又は一部が盛り上がった画像を媒体50上に適切に描くことができる。また、この場合において、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの4色のインクを用いて隆起領域302を形成することで、隆起領域302の形成を短時間で適切に行うことができる。また、この場合、隆起領域302を短時間で形成することが可能になることで、例えば、隆起領域302の高さをより高くすること等も可能である。
より具体的に、隆起領域302を形成する動作において、制御部30は、同じ位置への主走査動作をインクジェットヘッド102y〜kに繰り返して行わせることで、多数のインクの層を積層して形成させる。そして、この場合、本例のように、4個のインクジェットヘッド(インクジェットヘッド102y〜k)を用いて隆起領域302を形成することで、所定の高さHまでインクの層を積層するために要する時間について、1個のインクジェットヘッドのみを用いる場合と比べ、大幅に短縮することができる。また、上記においても説明をしたように、本例において、インクジェットヘッド102y〜kは、副走査方向における位置を揃えて、主走査方向へ並べて配設されている。そして、この場合、各回の主走査動作において、インクジェットヘッド102y〜kにより、同じ位置へ適切にインクを吐出することができる。また、その結果、隆起領域302の形成に要する時間について、1個のインクジェットヘッドのみを用いる場合と比べ、例えば1/4程度に短縮することができる。また、この場合、隆起領域302の形成のために専用のインクジェットヘッドを用いるのではなく、カラー層306の形成時に必要となるインクジェットヘッド102y〜kを用いて隆起領域302の形成を行うことで、印刷装置10が備えるインクジェットヘッドの数が増えること等も防ぐことができる。
また、この場合、同じ時間で積層できるインクの層の高さ(厚み)に着目すれば、1個のインクジェットヘッドのみを用いる場合と比べ、4倍程度になると考えることができる。そのため、本例によれば、例えば、所定の印刷時間内に形成できる隆起領域302の高さがより高くなると考えることもできる。また、より具体的に、例えば、本例の印刷装置10においてインクの層を重ねる最大高さについては、2.0mm程度(例えば、1.5〜2.5mm程度)にすること等が考えられる。
ここで、図2及び以下において説明をする各図面においては、図示の便宜上、媒体50上に形成するインクの層数について、少なめの場合の例を図示している。しかし、実際の印刷時には、所望の高さに合わせて、より多くのインクの層を重ねることが考えられる。より具体的に、本例において、隆起領域302において重ねられる複数のインクの層のそれぞれの厚みは、例えば100μm程度になることが考えられる。そして、この場合、例えば隆起領域302の高さHを2.0mm程度にするためには、20層程度のインクの層を重ねることになる。また、上記のように、本例においては、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの4色のインクを用いて隆起領域302を形成している。この場合、隆起領域302の色は、濃い黒色になると考えられる。また、この場合、隆起領域302について、4色の色で構成されている4次色の領域等と考えることもできる。
また、隆起領域302の形成に要する時間を短縮する点に着目して、そのために必要な特徴をより一般化して考えた場合、本例の特徴について、例えば、インクジェットヘッド102y〜kのうちの少なくとも2個を用いて隆起領域302を形成していると考えることもできる。この場合、隆起領域302を形成するために行う各回の主走査動作において、制御部30は、インクジェットヘッド102y〜kのうちの少なくとも2個にインクを吐出させることで、1回の主走査動作により吐出されるインクの量の合計について、1個のインクジェットヘッドのみを用いて主走査動作を行う場合よりも多くする。このように構成すれば、例えば、隆起領域302の形成に要する時間を適切に短縮することができる。この場合、インクの量の合計とは、例えば、単位面積に対して1回の主走査動作で吐出されるインクの量の合計のことである。また、1個のインクジェットヘッドのみを用いて主走査動作を行う場合のインクの量については、例えば、1回の主走査動作により1個のインクジェットヘッドで吐出可能なインクの最大量等と考えることができる。また、この場合、本例のように、副走査方向における位置を揃えて主走査方向へ並ぶ複数のインクジェットヘッドで隆起領域302を形成することが好ましいと考えることもできる。
続いて、印刷物の変形例等について、説明をする。図3は、印刷物の変形例を示す。図3(a)は、本変形例において媒体50上に形成されるインクの層の構成を示す。また、以下において説明をする点を除き、図3において、図1、2と同じ符号を付した構成は、図1、2における構成と同一又は同様の特徴を有してよい。
上記においても説明をしたように、図2に示した構成においては、隆起領域302の上面を白色層304で覆うことで、隆起領域302の色を隠蔽している。この点に関し、原理的には、例えば隆起領域302と同じ範囲に白色層304を形成すれば、隆起領域302の色を適切に隠蔽できるようにも思われる。
しかし、インクのドットが定着する位置については、様々な原因により、誤差が生じる場合がある。この場合、インクのドットが定着する位置とは、着弾したインクにより形成されるインクのドットが定着する位置のことである。そして、この場合、設計上で隆起領域302と同じ範囲に白色層304を形成したとしても、両者の間で位置のずれ(版ずれ)が生じる場合がある。そして、この場合、隆起領域302が白色層304により適切に覆われなくなることで、カラー層306に描かれる画像の視認時に隆起領域302の色が目立ってしまい、印刷の品質が低下する場合がある。特に、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの4色のインクを用いて黒色の隆起領域302を形成する場合、隆起領域302の色が目立つと、印刷の品質への影響が大きくなる。
また、本例のように、濃い黒色の隆起領域302を形成する場合、隆起領域302の側面の色が画像の見え方に影響が生じること等も考えられる。また、インクジェットヘッドを用いて複数のインクの層を重ねて形成する場合、例えば、インクの層の外縁部が他の部分と比べて盛り上がった形状になりやすい。特に、隆起領域302の形成時のように、複数のインクジェットヘッドを用いて多くの量のインクを吐出する場合、インクの特性上、表面張力の影響により、このような盛り上がった形状が形成されやすくなる。また、その結果、隆起領域302の側面の形状がテーパー状になる場合がある。そして、このような場合にも、版ずれが生じやすくなると考えられる。
これに対し、本変形例においては、隆起領域302が形成される範囲よりも広い範囲に白色層304を形成することで、隆起領域302の上面をより確実に覆うように白色層304を形成している。より具体的に、図3においては、一部分が盛り上がった画像等を媒体50上に描く場合について、印刷物の構成の例を示している。そして、この場合、白色層304について、隆起領域302の上のみではなく、画像の全体に対応する範囲に形成している。この場合、画像の全体に対応する範囲に白色層304を形成することについては、例えば、カラー層306が形成される範囲の全体において、カラー層306の下に白色層304を形成すること等と考えることができる。また、この場合、図中に示すように、隆起領域302の上のみではなく、媒体50上において隆起領域302が形成されない位置に対しても、白色層304を形成することになる。
このように構成した場合、隆起領域302が形成される範囲を含み、かつ、隆起領域302が形成される範囲よりも広い範囲に白色層304を形成することで、隆起領域302の上面を白色層304でより確実に隠蔽することができる。また、この場合、白色層304の形成時に隆起領域302の側面にも白色のインクが付着することで、隆起領域302の色をより適切に隠蔽することもできる。そのため、本変形例によれば、例えば、白色層304やカラー層306の周囲において隆起領域302の色が視認されることをより適切に防止することができる。また、これにより、例えば、隆起領域302の色の影響で印刷の品質が低下すること等を適切に防ぐことができる。
ここで、上記のように、本変形例の特徴については、隆起領域302や白色層304を形成する範囲に着目して、例えば、白色層304を形成する範囲について、隆起領域302が形成される領域よりも大きくしていると考えることができる。また、このような特徴について、例えば印刷装置10の制御部30(図1参照)の動作に着目すると、白色層304の形成時において、制御部30は、白色領域範囲を隆起領域範囲よりも大きくして、インクジェットヘッド102w(図1参照)に白色のインクを吐出させる。この場合、隆起領域範囲とは、隆起領域302を形成するためにインクジェットヘッド102y〜k(図1参照)のいずれかにインクを吐出させる範囲のことである。また、白色領域範囲とは、白色層304形成するためにインクジェットヘッド102wに白色のインクを吐出させる範囲のことである。また、本変形例において、白色領域範囲は、光反射領域範囲の一例である。また、白色領域範囲を隆起領域範囲よりも大きくすることについては、例えば、隆起領域範囲を内包するように白色領域範囲を設定すること等と考えることもできる。このように構成すれば、例えば、隆起領域302を覆う白色層304を適切に形成することができる。また、これにより、例えば、隆起領域302の色が視認されて印刷の品質が低下すること等を適切に防ぐことができる。
また、本変形例のように白色領域範囲を隆起領域範囲より大きくする構成については、例えば、隆起領域302を内包するように白色層304を形成する構成等と考えることもできる。また、この場合、隆起領域302を内包するように白色層304を形成することについては、例えば、隆起領域302の外縁部の外側にも白色のインクが吐出されるように白色のインクを吐出して白色層304を形成すること等と考えることができる。また、隆起領域302を内包するように白色層304を形成する構成については、例えば、画像において隆起する部分に関し、内部から外部へ向かって、黒、白、カラーの順で色が変化する構成等と考えることもできる。
また、この場合、隆起領域302、白色層304、及びカラー層306を形成する範囲については、例えば図3(b)に示すように、インクの層を形成する範囲に着目して示すこともできる。図3(b)は、隆起領域302、白色層304、及びカラー層306のそれぞれの形成時にインクの層を形成する範囲の例を示す図であり、図3(a)に示すように隆起領域302、白色層304、及びカラー層306を形成する場合について、インクの層を形成する範囲の例を示す。この場合、インクの層を形成する範囲については、例えば、インクの層を形成するために用いるインクジェットヘッドでインクを吐出する範囲等と考えることもできる。また、図3(b)については、例えば、隆起領域302を構成する複数のインク層402を個別に示し、白色層304及びカラー層306について、隆起領域302上に形成される部分とそれ以外の部分とをつなげて示す図等と考えることもできる。
また、本変形例のように白色領域範囲を隆起領域範囲より大きくする場合、隆起領域302の形成時や白色層304の形成時に行う主走査動作でインクを吐出する範囲の幅について、白色領域範囲及び隆起領域範囲に合わせて設定することが考えられる。この場合、例えば、1回の主走査動作においていずれかのインクジェットヘッドにインクを吐出させる範囲の主走査方向における幅をインク吐出範囲幅と定義すれば、白色領域範囲及び隆起領域範囲の主走査方向における幅について、インク吐出範囲幅を異ならせることで大きさを異ならせることが考えられる。また、より具体的に、この場合、制御部30は、例えば、隆起領域302の形成時に行う主走査動作でのインク吐出範囲幅を白色層304の形成時に行う主走査動作でのインク吐出範囲幅よりも小さくする。このように構成すれば、例えば、隆起領域302を内包する白色層304を適切に形成することができる。
また、印刷に求められる品質等によっては、隆起領域302の形状について、様々な変更等を行うことも考えられる。図4は、印刷物の更なる変形例を示す。図4(a)は、本変形例において媒体50上に形成されるインクの層の構成を示す。図4(b)は、隆起領域302、白色層304、及びカラー層306のそれぞれの形成時にインクの層を形成する範囲の例を示す。また、以下に説明をする点を除き、図4において、図1〜3と同じ符号を付した構成は、図1〜3における構成と同一又は同様の特徴を有してよい。
本変形例において、隆起領域302は、上側のインク層402が形成される範囲が下側のインク層402よりも小さくなるように、形成される範囲が異なる複数のインク層402が重ねられることで形成されている。この場合、隆起領域302について、例えば、縁部が階段状になるように形成されていると考えることもできる。隆起領域302の縁部が階段状になるとは、例えば図中に示すように、隆起領域302を構成するそれぞれのインク層402の外縁部の位置について、下の層から上の層へ、段階的に徐々に内側に変化させることである。また、図示した場合においては、一つのインク層402毎に、インク層402の外縁部の位置を変化させている。この場合、隆起領域302の形成時において、印刷装置10の制御部30(図1参照)は、隆起領域302を構成する複数のインク層402のそれぞれが形成される範囲について、下側のインク層402が形成される範囲よりも上側のインク層402が形成される範囲が小さくなるように設定する。
このように構成した場合、積層される複数のインク層402の外縁部の位置が互いにずれることで、白色層304及びカラー層306の形成時において、隆起領域302の側面に対しても、例えば図4(a)において破線で示すように、インクジェットヘッド102w(図1参照)やインクジェットヘッド102y〜k(図1参照)から吐出するインクをより適切に付着させることできる。また、これにより、例えば、隆起領域302の側面において、白色層304の形成時に用いる白色のインクやカラー層306の形成時に用いるカラーインクにより、隆起領域302の色をより適切に隠蔽することができる。また、この場合、白色層304については、例えば、隆起領域302において最も広い範囲に形成されるインク層402の範囲よりも大きくしていると考えることもできる。また、本変形例においても、図3に示した変形例と同様に、白色領域範囲を隆起領域範囲より大きくしていると考えることができる。
また、本変形例においては、隆起領域302を構成するそれぞれのインク層402の外縁部の位置がずれることで、例えば、隆起領域302の側面部分の質感を向上させることもできる。より具体的に、例えば隆起領域302の高さHが高い場合(例えば、1.0mm程度以上の場合、特に、2.0mm程度以上の場合)、隆起領域302を構成する複数のインク層402の重ね方によっては、側面の状態が粗い状態(例えば、ギザギザ状の状態)になり、側面の品質が低下する場合がある。これに対し、本変形例のように隆起領域302を形成する場合、隆起領域302の側面について、より滑らかに形成することができる。また、これにより、例えば、隆起領域302の側面の質感をより適切に高めることができる。
また、更に具体的に、上記においても説明をしたように、複数のインクジェットヘッドを用いて多くの量のインクを吐出することで隆起領域302を形成する場合、隆起領域302を構成するそれぞれのインク層402において、外縁部が他の部分と比べて盛り上がった形状になりやすい。そして、この場合、例えば同じ範囲に形成したインク層402を多数積層させると、隆起領域302の側面の質感への影響が生じやすくなると考えられる。これに対し、本変形例においては、多数のインク層402の外縁部が同じ位置で重なることを適切に防ぐことができる。また、これにより、例えば、隆起領域302の側面をより滑らかにできると考えられる。
尚、多数のインク層402の外縁部が同じ位置で重なることを防ぐためには、本変形例と反対に、隆起領域302を構成するそれぞれのインク層402の外縁部の位置について、下の層から上の層へ、段階的に徐々に外側に変化させてもよいようにも思われる。これに対し、本願の発明者は、実際に実験等を行い、本変形例のように、下側のインク層402の範囲がより大きくなるように隆起領域302を形成することで、隆起領域302の側面の質感をより適切に高め得ることを確認した。
また、本変形例のように隆起領域302を形成する場合、積層方向において連続して重なるインク層402の間での縁部の位置間の距離については、例えばインクのドットの数個分程度(例えば、1〜5ドット分程度、好ましくは、2〜4ドット分程度)にすることが好ましい。この場合、インクのドットとは、印刷の解像度に応じて決まる吐出位置へインクジェットヘッドの一つのノズルからの1回のインクの吐出で形成されるドットのことである。また、積層方向において連続して重なるインク層402の間での縁部の位置間の距離については、例えば、100μm程度(例えば、50〜300μm程度、好ましくは、80〜150μm程度)にすることが好ましいと考えることもできる。
また、本変形例のような隆起領域302の形成の仕方について、より一般化して考えた場合、例えば、所定の数のインク層402が形成される毎に外縁部の位置を変化させる方法等と考えることもできる。また、この場合、制御部30の動作に着目すれば、隆起領域302の形成時において、制御部30は、例えば、隆起領域302を構成する複数のインク層402の少なくとも一部の層が形成される範囲について、下のインク層402が形成されている範囲よりも小さくなるように設定する。また、この場合、隆起領域302におけるインク層402の重なり方について、例えば、上側のインク層402が形成される範囲を下側のインク層402が形成されている範囲よりも小さくしていると考えることもできる。
また、隆起領域302を構成するインク層402を形成する範囲については、例えば図5に示すように、隆起領域302の上面に近い一部のインク層402においてのみ異ならせてもよい。図5は、印刷物の更なる変形例を示す。図5(a)は、本変形例において媒体50上に形成されるインクの層の構成を示す。図5(b)は、隆起領域302、白色層304、及びカラー層306のそれぞれの形成時にインクの層を形成する範囲の例を示す。また、以下に説明をする点を除き、図5において、図1〜4と同じ符号を付した構成は、図1〜3における構成と同一又は同様の特徴を有してよい。
本変形例においては、隆起領域302を構成する複数のインク層402のうち、隆起領域302の上面に近い一部の複数のインク層402についてのみ、形成する範囲を他のインク層402と異ならせている。また、この場合、隆起領域302の上面に近い一部の複数のインク層402のそれぞれについて、図4に示した構成と同様に、上側のインク層402が形成される範囲が下側のインク層402よりも小さくなるように形成している。
このように構成した場合も、隆起領域302の一部において積層される複数のインク層402の外縁部の位置が互いにずれることで、白色層304及びカラー層306の形成時において、隆起領域302の側面に対しても、例えば図5(a)において破線で示すように、インクジェットヘッド102w(図1参照)やインクジェットヘッド102y〜k(図1参照)から吐出するインクをより適切に付着させることできる。また、これにより、例えば、隆起領域302の側面において、隆起領域302の色をより適切に隠蔽することができる。また、この場合も、隆起領域302の一部を構成するそれぞれのインク層402の外縁部の位置がずれることで、例えば全てのインク層402を形成する範囲を同じにする場合等と比べ、隆起領域302の側面部分の質感を向上させることができる。
また、上記においては、主に、一部分が盛り上がった画像等を媒体50上に描く場合における隆起領域302、白色層304、及びカラー層306の形成の仕方について、説明をした。しかし、印刷物の更なる変形例においては、例えば、画像の全体が盛り上がった印刷を行うことも考えられる。この場合、画像の全体が盛り上がった印刷とは、実質的に画像の全体が隆起領域302の上に描かれるような印刷のことである。また、実質的に画像の全体を隆起領域302の上に描くとは、例えば以下において図6を用いて説明をする変形例のように、隆起領域302の上に白色層304及びカラー層306を形成することである。
図6は、印刷物の更なる変形例を示す。図6(a)は、本変形例において媒体50上に形成されるインクの層の構成を示す。図6(b)は、隆起領域302、白色層304、及びカラー層306のそれぞれの形成時にインクの層を形成する範囲の例を示す。また、以下に説明をする点を除き、図6において、図1〜5と同じ符号を付した構成は、図1〜5における構成と同一又は同様の特徴を有してよい。
画像の全体が盛り上がった印刷を行う場合、媒体50の上に直接画像を描くことは行わずに、隆起領域302が形成されている領域に対してのみ、画像を描くことになる。そして、この場合、例えば図6(a)に示すように、媒体50において隆起領域302が形成されていない領域には白色層304及びカラー層306を形成せずに、隆起領域302の上のみに、白色層304及びカラー層306を形成することになる。
また、この場合、カラー層306において表現する画像のサイズ等に合わせて、隆起領域302及び白色層304を形成する範囲を設定することになる。しかし、この場合において、単に画像のサイズに合わせて隆起領域302及び白色層304を形成する範囲を設定すると、隆起領域302と白色層304との間で位置のずれ(版ずれ)が生じて、印刷の品質に影響が生じるおそれがある。
これに対し、本変形例においては、例えば図6(b)に示すように、白色層304及びカラー層306を形成する範囲と比べ、隆起領域302を形成する範囲を少し狭くしている。より具体的に、この場合、隆起領域302を構成するインク層402の縁部の位置について、白色層304の縁部の位置よりも、例えばインクのドットの数個分程度(例えば、1〜5ドット分程度、好ましくは、2〜4ドット分程度)、内側寄りにすることが好ましい。この場合、隆起領域302を構成するインク層402の縁部の位置とは、例えば、隆起領域302を構成するインク層402のうち、最も広い範囲に形成されるインク層402の縁部の位置のことである。また、この場合、インク層402の縁部の位置と、白色層304の縁部の位置との間の距離について、例えば、100μm程度(例えば、50〜300μm程度、好ましくは、80〜150μm程度)にすることが好ましいと考えることもできる。
このように構成すれば、例えば、画像の全体が盛り上がった印刷を行う場合においても、隆起領域302を内包するように白色層304を形成することができる。また、これにより、隆起領域302を白色層304により適切に覆って、隆起領域302の色を隠蔽することができる。そのため、本変形例によれば、例えば、画像の全体が盛り上がった印刷を行う場合においても、カラー層306に描かれる画像の視認時に隆起領域302の色が目立つことを適切に防ぐことができる。
ここで、図6(b)に示すように、本変形例においては、白色層304及びカラー層306を形成する範囲について、隆起領域302を形成する範囲よりも大きくしている。そして、この場合、例えば図3等を用いて説明した場合等のように、媒体50上にも白色層304及びカラー層306が形成されるようにも思われる。しかし、上記においても説明をしたように、本変形例において、白色層304及びカラー層306を形成する範囲と、隆起領域302を形成する範囲との差は、ごくわずかである。そのため、本変形例の構成については、上記のように、画像の全体が盛り上がった構成と考えることができる。
また、媒体50に対しては、互いに独立して認識される複数の画像を印刷すること等も考えられる。そして、この場合、全体が盛り上がった画像について、例えば、媒体50の一部の領域のみに形成すること等も考えられる。この場合、媒体50の一部の領域に形成される隆起領域302、白色層304、及びカラー層306について、本変形例の隆起領域302、白色層304、及びカラー層306に対応すると考えることができる。また、この場合、媒体50の他の領域に対して、一部のみが盛り上がった画像を印刷すること等も考えられる。
また、本変形例を含む上記の各構成において、印刷装置10の制御部30(図1参照)は、例えば、印刷すべき画像を示す印刷データに基づき、インクジェットヘッド102y〜k(図1参照)にカラー層306を形成させる。また、この場合、画像データとしては、隆起領域302の上へインクジェットヘッド102y〜kに画像を描かせる範囲である隆起画像範囲が指定された画像データを用いることが考えられる。この場合、印刷データにおいて隆起画像範囲が指定されていることで、例えば、印刷すべき画像の大きさも決まっていると考えることができる。また、上記の各構成において、隆起領域302の上へインクジェットヘッド102y〜kに画像を描かせるとは、隆起領域302及び白色層304の上に画像を描かせることである。そして、この場合、隆起領域範囲や白色領域範囲については、画像データにおいて指定されている隆起画像範囲に基づいて設定することが考えられる。隆起領域範囲とは、上記においても説明をしたように、隆起領域302を形成するためにインクジェットヘッド102y〜kのいずれかにインクを吐出させる範囲のことである。また、白色領域範囲とは、上記においても説明をしたように、白色層304形成するためにインクジェットヘッド102w(図1参照)に白色のインクを吐出させる範囲のことである。
そして、本変形例においては、画像データにおいて指定されている隆起画像範囲よりも隆起領域範囲が狭くなるような処理を行うことで、図6(b)に示すような範囲で、隆起領域302、白色層304、及びカラー層306を形成する。このような処理については、例えば、4次色の領域である隆起領域302を縮小して細らせる処理等と考えることもできる。
尚、この点に関し、画像の全体が盛り上がった印刷を行う場合等において、隆起領域302を内包するように白色層304を形成するためには、例えば、隆起領域302のサイズを小さくするための処理を行うか、隆起領域302以外の領域を大きくする処理を行うことが考えられる。しかし、この場合、隆起領域302以外の領域を大きくする処理を行うと、画像の見え方への影響が大きくなること等が考えられる。より具体的に、隆起領域302以外の領域を大きくする処理を行う場合、例えば、白色層304及びカラー層306について、画像データにおいて指定されている大きさよりも大きくすることが考えられる。そして、この場合、例えばカラー層306において描かれる画像の大きさが変化することで、画像の見え方への影響が大きくなること等が考えられる。これに対し、例えば隆起領域302のサイズを小さくすることで白色層304に隆起領域302を内包させる場合、このような問題は生じにくい。そのため、隆起領域302を内包するように白色層304を形成する場合には、本変形例のように、隆起領域302のサイズを小さくするための処理を行うことが好ましい。
また、本変形例の特徴について、制御部30の動作に着目して考えた場合、制御部30は、例えば、隆起領域範囲が隆起画像範囲よりも小さくなるように隆起領域範囲を設定する。そして、隆起画像範囲に合わせて白色領域範囲を設定することで、白色領域範囲を隆起領域範囲よりも大きくする。このように構成すれば、例えば、隆起領域302を予め細らせておくことで、隆起領域302を内包するように白色層304を適切に形成することができる。
また、制御部30は、画像データについて、例えば、印刷装置10の外部から受け取る。この場合において、制御部30は、印刷装置10の外部から、白色領域範囲を示すデータである白色領域データを更に受け取ってもよい。この場合、白色領域データは、光反射領域データの一例である。また、白色領域データが示す白色領域範囲については、例えば、隆起画像範囲に合わせてユーザが指定しておくことが考えられる。また、この場合、制御部30は、例えば、白色領域データに基づいて白色領域範囲を設定することで、隆起画像範囲に合わせて白色領域範囲を設定する。更に、制御部30は、例えば、白色領域データに基づき、隆起領域範囲が白色領域範囲よりも小さくなるように隆起領域範囲を設定する。このように構成すれば、例えば、白色領域範囲及び隆起領域範囲の設定を適切に行うことができる。
また、図6においては、画像の全体が盛り上がった印刷を行う場合に関し、隆起領域302を構成する全てのインク層402の範囲(インク層402を形成する範囲)を同じにする場合の例を図示している。しかし、画像の全体が盛り上がった印刷を行う場合の印刷物の更なる変形例においては、隆起領域302を構成する少なくとも一部のインク層402の範囲を他のインク層402の範囲と異ならせてもよい。また、この場合、隆起領域302について、例えば図4や図5等を用いて上記において説明をしたように、上側のインク層402が形成される範囲について、下側のインク層402よりも小さくすること等が考えられる。また、この場合、隆起領域範囲については、例えば、最も広い範囲に形成されるインク層402の範囲等と考えることができる。このように構成した場合も、例えば、隆起領域302を予め細らせておくことで、隆起領域302を内包するように白色層304を適切に形成することができる。
続いて、上記において説明をした各構成に関する補足説明等を行う。図2〜図6においては、図示の便宜上、隆起領域302について、上面が平坦になる形状の隆起領域302を図示している。しかし、隆起領域302としては、例えば図7に示すように、位置によって高さが異なる形状に形成することも考えられる。
図7は、隆起領域302の形状について更に詳しく説明をする図である。この場合、隆起領域302について、例えば、媒体50の位置によって高さが異なる領域等と考えることもできる。また、隆起領域302について、例えば、凹凸状に隆起する領域等と考えることもできる。このような隆起領域302を形成する場合にも、隆起領域302よりも広い範囲に白色層304を形成することで、隆起領域302を内包するように白色層304を適切に形成することができる。また、これにより、例えば、カラー層306に描かれる画像の視認時に隆起領域302の色が目立って印刷の品質が低下すること等を適切に防ぐことができる。
また、図7においては、一部分が盛り上がった画像等を媒体50上に描く場合について、隆起領域302、白色層304、及びカラー層306の構成の例を示している。画像の全体が盛り上がった印刷を行う場合には、図6を用いて上記においても説明をしたように、隆起領域302を構成するインク層402の中で最も広い範囲に形成されるインク層402の範囲等を隆起領域範囲と考えて、隆起領域範囲が白色領域範囲よりも小さくなるように隆起領域範囲及び白色領域範囲を設定することが考えられる。このように構成した場合も、例えば、カラー層306に描かれる画像の視認時に隆起領域302の色が目立って印刷の品質が低下すること等を適切に防ぐことができる。
また、上記においては、隆起領域302について、主に、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの4色のインクを用いて隆起領域302を形成する場合について、説明をした。この場合、インクジェットヘッド102y〜kについて、例えば、カラー層306の形成に用いる少なくとも2個のインクジェットヘッドの一例と考えることができる。また、隆起領域302の形成の仕方の変形例においては、これらの4色以外のインクを更に用いて隆起領域302を形成してもよい。この場合、例えば、白色のインクを更に用いて隆起領域302を形成すること等が考えられる。また、上記においても説明をしたように、隆起領域302の形成時においては、必ずしもイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの4色の全ての色のインクを用いずに、一部の色のインクのみを用いてもよい。この場合も、例えば2色以上のインクを用いて隆起領域302の形成を行うことで、隆起領域302の形成を短時間で適切に行うことができる。