JP2021045817A - エンドミルおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】びびり振動の抑制と切削加工の精度または効率の低下の抑制とを両立することが可能な外周刃を備えるエンドミルを提供する。【解決手段】エンドミル10は、軸心周りに回転する円柱状の工具本体11を備え、工具本体11の外周面には複数の外周刃が設けられている。これら外周刃には、第一外周刃21および第二外周刃22の2種類が含まれている。第一外周刃21は、工具本体11の一方の端面である底面14から当該工具本体11の軸方向に向かって、その逃げ角が徐々に増加する。第二外周刃22は、底面14から軸方向に向かって、その逃げ角が徐々に減少する。【選択図】図2

Description

本発明は、その先端から根元に向かうに伴って外周刃の逃げ角が徐々に変化するエンドミルと、このエンドミルの製造方法に関する。
切削加工用の工具であるエンドミルは、円筒状の工具本体における端面(底面)に底刃を有するとともに、少なくともこの端面に隣接する外周面に外周刃を有している。このようなエンドミルを用いた切削加工においては、切削中にびびり振動と呼ばれる当該エンドミルの振動が発生することが知られている。エンドミルにびびり振動が生じると、被削材(ワーク)の切削面における面粗度の低下、あるいは、被削材の板厚精度の低下等を招くおそれがある。びびり振動は、発生機構より強制びびり振動と自励びびり振動とに分類される。
エンドミルによる切削加工においてびびり振動を抑制するために、従来からさまざまな手法または技術が提案されている。例えば、特許文献1に開示される回転工具(Rotaly cutting tool)は、自励びびり振動の一種である再生型びびり振動(resonant harmonic vibrations)を低減するために、底刃の刃先を端面の円周に沿って均等でない間隔に配置している。さらに、特許文献1では、びびり振動を低減するために、底刃につながる外周刃のねじれ角(helix angle)も変化させている。また、逃げ角の大きさと回転数または一刃送り等の条件によっては、刃先の逃げ面と被削材の表面とが切削過程で一部接触し、再生型びびり振動を減衰させ抑制するプロセスダンピングという現象も知られている。
米国特許第6991409号明細書
エンドミルにおいては、外周刃の逃げ角を敢えて小さくすることによって、再生型びびり振動の抑制が可能である。これにより、外周刃の逃げ面と被削材の仕上げ面とが接触しやすくなるので、逃げ面の接触による減衰効果(プロセスダンピング)により再生型びびり振動の発生が抑制されやすくなる。ただし、この手法では、諸条件によっては、良好な切削加工を実現できないおそれがある。
例えば、薄い(厚さの小さい)立ち壁を加工したりウェブ面を加工したりする際には、逃げ角を小さくすると、外周刃の逃げ面が被削材の仕上げ面を厚さ方向に押圧する力、すなわち、切削抵抗が大きくなる。これにより、例えば、薄い立ち壁加工であれば、切削抵抗により立ち壁自体に強制びびり振動が生じたり、立ち壁が押さえ付けられて湾曲したりするおそれがあるため、切削加工の精度または効率の低下を招く可能性がある。
従来では、びびり振動を抑制するために逃げ角を切れ刃の途中で積極的に変化させることについてはほとんど検討されていなかった。例えば、特許文献1では、逃げ角を不均等(unequal)にすることにより、切削加工の安定性を向上させることが記載されているものの、前記の通り、回転工具の底刃を不均等にする構成が必須である。つまり、この文献では、逃げ角の不均等は、底刃の不均等による作用効果を補足する程度の条件に過ぎず、びびり振動を抑制するために逃げ角そのものを検討しているわけではない。また、この文献では、びびり振動の抑制とともに、切削加工の精度または効率の低下を抑制することについては検討されていない。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、びびり振動の抑制と切削加工の精度または効率の低下の抑制とを両立することが可能な外周刃を備えるエンドミルとその製造方法とを提供することを目的とする。
本発明に係るエンドミルは、前記の課題を解決するために、軸心周りに回転する円柱状の工具本体を備え、前記工具本体の外周面には複数の外周刃が設けられており、前記外周刃には、前記工具本体の一方の端面である底面から当該工具本体の軸方向に向かって、その逃げ角が徐々に増加する第一外周刃と、前記底面から前記軸方向に向かって、その逃げ角が徐々に減少する第二外周刃と、の2種類が含まれている構成である。
前記構成によれば、外周刃として、逃げ角が徐々に増加する第一外周刃と、逃げ角が徐々に減少する第二外周刃とを併用している。これにより、エンドミルから被削材の表面に与えられる切削抵抗が過剰に大きくなることを抑制することができる。そのため、びびり振動を抑制することができるとともに、切削加工の精度または効率の低下を抑制することができる。
前記構成のエンドミルにおいては、前記第一外周刃の逃げ角の連続的な変化と前記第二外周刃の逃げ角の連続的な変化とは、増加および減少が互いに相反する関係にある構成であってもよい。
また、前記構成のエンドミルにおいては、前記外周刃において、前記底面を基準とする前記軸方向の位置を外周刃位置としたときに、当該外周刃位置のいずれにおいても、複数の前記外周刃の逃げ角がそれぞれ異なっている構成であってもよい。
あるいは、前記構成のエンドミルにおいては、前記外周刃において、前記底面を基準とする前記軸方向の位置を外周刃位置としたときに、当該外周刃位置のうち特定位置では、前記第一外周刃の逃げ角と前記第二外周刃の逃げ角とが同一になっており、前記特定位置以外の前記外周刃位置では、複数の前記外周刃の逃げ角がそれぞれ異なっている構成であってもよい。
また、前記構成のエンドミルにおいては、任意の外周刃位置において、前記第一外周刃および前記第二外周刃の逃げ角の和を当該第一外周刃および当該第二外周刃の数で除算した値を逃げ角平均値としたときに、いずれの外周刃位置においても前記逃げ角平均値が同じである構成であってもよい。
また、本発明に係るエンドミルの製造方法は、軸心周りに回転する円柱状の工具本体の外周面に、複数の外周刃が設けられており、複数の前記外周刃を、第一外周刃および第二外周刃の2種類に区分し、前記第一外周刃については、その逃げ角を、前記工具本体の一方の端面である底面から当該工具本体の軸方向に向かって徐々に増加するように設定するとともに、前記第二外周刃については、前記底面から前記軸方向に向かって、その逃げ角を徐々に減少するように設定する構成であればよい。
本発明では、以上の構成により、びびり振動の抑制と切削加工の精度または効率の低下の抑制とを両立することが可能な外周刃を備えるエンドミルとその製造方法とを提供することができる、という効果を奏する。
(A)は、本発明に係るエンドミルの概略構成の一例を示す模式的側面図であり、(B)は、エンドミルが被削材を切削加工している状態を示す模式図であり、(C)は、エンドミルにおける逃げ角等を説明するための模式図である。 本発明に係るエンドミルが備える外周刃と、当該外周刃の逃げ角との対応関係を示す模式図である。 (A)は、本発明に係るエンドミルが備える外周刃の逃げ角が、底面から根元側に向かうに伴って徐々に変化する一例を示すグラフであり、(B)は、従来のエンドミルが備える外周刃の逃げ角が、底面から根元側に向かうに伴って徐々に変化する一例を示すグラフである。 (A)は、本発明に係るエンドミルによる被削材の切削加工の一例を示す模式的斜視図であり、(B)は、従来のエンドミルによる被削材の切削加工の一例を示す模式的斜視図であり、(C)は、従来のエンドミルによる切削加工時に生じるびびり振動の一例を示す模式的斜視図であり、(D)は、従来のエンドミルによるびびり振動の発生を回避するための切削加工の一例を示す模式的斜視図である。
以下、本発明の代表的な実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
[エンドミルの基本構成]
例えば図1(A)に示すように、本開示に係るエンドミル10は、円柱状の工具本体11が刃部12およびシャンク部13を備える構成である。刃部12は、工具本体11の一方の端面(第一端面)側に位置し、シャンク部13は他方の端面(第二端面)側に位置する。説明の便宜上、刃部12が位置する側の端面を底面14と称する。
刃部12には、切削用の刃が設けられている。具体的には、刃部12の底面14には複数の底刃15が設けられており、刃部12の外周面には複数の外周刃20が設けられている。外周刃20同士の間には刃溝16が設けられている。シャンク部13は、エンドミル10の「柄」の部分に相当し、このシャンク部13がホルダーまたは工作機械等の切削装置のチャック部で固定される。これにより、エンドミル10が回転軸Rの軸心周りに回転する。
本開示に係るエンドミル10による切削加工に関して、外周刃20による切削に着目すると、例えば図1(B)に示すように、エンドミル10は、回転軸Rを中心として図中ブロック矢印M1方向に回転しながら、図中ブロック矢印M2の方向に進行する。これに伴い、図1(C)に示すように、外周刃20のすくい面23が被削材30の被削面31を切削し、切屑30aがすくい面23により生成される。これにより、切削後の被削材30には仕上げ面32が形成される。
ここで、図1(C)に示すように、外周刃20におけるすくい面23の反対側の面が逃げ面24である。また、切削方向(例えば図1(B)に示す進行方向M2)に対して垂直な面に対するすくい面23の角度が、図中破線で示すすくい角ψであり、仕上げ面32に対する逃げ面24の角度が、図中実線で示す逃げ角θである。
従来から、すくい角ψは、切削抵抗、切屑30aの排出、切削時に発生する熱、エンドミル10の工具寿命等に大きく影響することが知られており、切削加工の精度または効率を検討する際にはすくい角ψについて検討されてきた。しかしながら、逃げ角θについては、あまり検討されてこなかった。本開示においては、びびり振動の抑制と切削加工の精度または効率の低下の抑制とを両立するために逃げ角θについて検討した。その結果、後述するように、底面14から工具本体11の軸方向に向かって外周刃20の逃げ角θが徐々に変化する(徐変する)構成を具備している。
本開示に係るエンドミル10の基本構成は、図1(A)に示す構成に限定されず、エンドミル分野で公知の様々な構成を適用することができる。例えば、図1(A)に示す構成では、刃部12とシャンク部13とは連続して位置しているが、刃部12とシャンク部13との間には首部が設けられてもよい。また、図1(A)では、刃部12の外径は長手方向に一定であるがテーパが形成されてもよい。あるいは、シャンク部13は、その外径(シャンク径)が長手方向に一定であるストレートシャンクであるが、テーパを有する構成(テーパシャンク)であってもよい。
なお、本開示においては、説明の便宜上、底面14をエンドミル10(工具本体11)の「先端」と称する場合がある。また、先端(底面)14から見て刃部12の後端(図1(A)に示す例ではシャンク部13との境界部)を、説明の便宜上「根元」と称し、図面では符号17を付す。また、本開示においては、図1(A)に示すように、外周刃20における長手方向の位置、すなわち、先端(底面)14を基準とする回転軸Rの軸方向における外周刃20の位置を、説明の便宜上「外周刃位置P」と称する。例えば、先端(底面)14における外周刃位置Pが基準値(例えばP=0)であり、根元17に向かうに伴って外周刃位置Pが増加する(根元17側の方向が正(プラス)である)ように設定すればよい。
本開示においてエンドミル10のより詳細な構成も特に限定されない。例えば、図1(A)に示すように刃部12およびシャンク部13が一体化されているソリッドタイプであるが、刃部12が工具本体11にろう付けされたろう付けタイプ、刃先を交換することができるスローアウェイタイプ等であってもよい。また、エンドミル10の刃数も特に限定されず、2枚以上であればよい。一般的には、2〜9枚の範囲内である。
前述した説明では、底刃15については具体的な説明を省略しているが、底刃15の基本構成も特に限定されない。底刃15としては、スクエアエンド、ボールエンド、ラジアスエンド、コーナ面取り、コーナラウンディング、ドリルノーズ等の公知の様々な構成を採用することができる。外周刃20の基本構成も特に限定されず、平行刃、ラフィング刃、ニック付き刃、テーパ刃、テーパラフィング刃等の公知の様々な構成を採用することができる。
さらに、エンドミル10の材質も特に限定されず、公知の様々な材質を採用することができる。例えば、刃部12の材質としては、高速度工具鋼(HSS)、超硬合金、サーメット、セラミックス、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(cBN)等の公知の材質を採用することができる。あるいは、エンドミル10に対して公知の表面処理がなされてもよい。本開示に係るエンドミル10は、後述するように、外周刃20の長手方向(工具本体11の軸方向)に沿って当該外周刃20の逃げ角θが徐変する以外は、公知の構成を好適に用いることができる。
また、エンドミル10による切削加工方法についても特に限定されず、公知の加工形態、公知の条件等を用いることができる。例えば、エンドミル10の加工パス(ツールパス)は、直線であっても曲線であってもこれらの組合せであってもよい。エンドミル10の切削速度、送り速度、切削深さ、切削方向等も特に限定されない。また、エンドミル10の送り方向または送り量等も特に限定されない。図1(B)に示す例では、エンドミル10の送り方向としては、ブロック矢印で示す進行方向M2のみを挙げているが、この進行方向M2に直交する方向であってもよい。また、エンドミル10は、軸方向(長手方向)に進退移動可能に構成されてもよい。
なお、本開示においては、諸条件に応じて、エンドミル10は、例えば前述した公知の構成から特定の具体的なものに限定されてもよいし、例えば前述した公知の構成から特定の構成を除いたものであってもよい。
[逃げ角の条件]
本開示に係るエンドミル10においては、その外周刃20の逃げ角θが軸方向(長手方向)に沿って徐変するように構成されている。より具体的には、図2に示すように、エンドミル10が備える複数の外周刃20には、底面14から軸方向に向かって、逃げ角θが徐々に増加する第一外周刃21と、底面14から軸方向に向かって、逃げ角θが徐々に減少する第二外周刃22とが含まれている。
図2においては、紙面右側にエンドミル10の刃部12を図示し、紙面左側に刃部12の断面形状の一部を模式的に図示している。例えば、図2左側において下段に図示する模式的断面形状では、第一外周刃21の逃げ角θ=θ1であり、図2左側において中段に図示する模式的断面形状では、第一外周刃21の逃げ角θ=θ2であって、この逃げ角θ2は逃げ角θ1よりも大きい。さらに、図2左側において上段に図示する模式的断面形状では、第一外周刃21の逃げ角θ=θ3であって、この逃げ角θ3は逃げ角θ2よりも大きい。このように、第一外周刃21では、先端14から根元17に向かって、その逃げ角θが徐々に増加するように構成されている。
また、図2左側において下段に図示する模式的断面形状では、第二外周刃22の逃げ角θ=θ4であり、図2左側において中段に図示する模式的断面形状では、第二外周刃22の逃げ角θ=θ5であって、この逃げ角θ5は逃げ角θ4よりも小さい。さらに、図2左側において上段に図示する模式的断面形状では、第二外周刃22の逃げ角θ=θ6であって、この逃げ角θ6は逃げ角θ5よりも小さい。このように、第二外周刃22では、先端14から根元17に向かって、その逃げ角θが徐々に減少するように構成されている。
このように、エンドミル10の外周刃20として、逃げ角θが増加するように徐変する第一外周刃21と、逃げ角θが減少するように徐変する第二外周刃22との2種類が用いられれば、エンドミル10が被削材30の仕上げ面32に与える切削抵抗が過剰に大きくなることを抑制することができる。これにより、後述するようにエンドミル10のびびり振動を抑制することができるとともに、逃げ面24が仕上げ面32を過剰に押圧することも抑制することができる。
ここで、外周刃20における逃げ角θの具体的な徐変の程度は特に限定されず、先端14から根元17に向かって逃げ角θが連続的に変化すれば(逃げ角θが徐変すれば)よい。特に、本開示においては、第一外周刃21の逃げ角θの連続的な変化と、第二外周刃22の逃げ角θの連続的な変化とは、増加および減少が互いに相反する関係にある(増加および減少が相反する一様な比率である)ことが好ましい。
例えば、図3(A)に示す例では、第一外周刃21および第二外周刃22の逃げ角θの変化は、増加および減少が相反する直線的な連続変化となっている。そのため、この例では、第一外周刃21の逃げ角θの連続的な変化と、第二外周刃22の逃げ角θの連続的な変化とは、増加および減少が互いに相反する関係(増加および減少が相反する一定の変化)にある。
図3(A)には、縦軸が逃げ角θの大きさ、横軸が外周刃位置Pの大きさを示すグラフと、このグラフに対応付けたエンドミル10の模式図とを図示している。エンドミル10の模式図は、グラフの上側に図示しており、グラフの横軸に対応させてエンドミル10の刃部12の側面を模式的に図示するとともに、この側面図の紙面右側に、当該刃部12の代表的な模式的断面形状を図示している。
図3(A)における模式的断面形状に示すように、このエンドミル10では、図1(B)等と同様に、4枚の外周刃20を備えており、説明の便宜上、4枚の外周刃20をそれぞれ、外周刃20A,外周刃20B,外周刃20C,および外周刃20Dとする(側面図では、代表として1枚の外周刃20のみ符号を付している)。グラフ横軸の外周刃位置Pは、前記の通り、外周刃20において、底面14すなわち工具本体11の先端を基準とする当該工具本体11の軸方向の位置である。
図3(A)に示すグラフでは、外周刃20Aにおける逃げ角θの変化を破線で示し、外周刃20Bにおける逃げ角θの変化を一点鎖線で示し、外周刃20Cにおける逃げ角θの変化を点線で示し、外周刃20Dにおける逃げ角θの変化を実線で示す。図3(A)に示すように、外周刃20Aおよび外周刃20Bでは、先端(底面)14から根元17に至るに伴って、すなわち、外周刃位置Pが根元17側に移行するに伴って逃げ角θが直線的に増加している。これに対して、外周刃20Cおよび外周刃20Dでは、外周刃位置Pが根元17側に移行するに伴って逃げ角θが直線的に減少している。
したがって、図3(A)に示す例では、エンドミル10が備える4枚の外周刃20のうち、外周刃20A,20Bが第一外周刃21に相当し、外周刃20C,20Dが第二外周刃22に相当する。このように、第一外周刃21および第二外周刃22が混在することによって、仕上げ面32と逃げ面24との間に生じる切削抵抗が過剰に大きくなることを抑制することができる。そのため、被削材30とエンドミル10との強制びびり振動の発生を有効に抑制することが可能となる。
また、第一外周刃21および第二外周刃22が混在することによって、外周刃位置Pの具体的な位置または軸方向の切込量によらず逃げ角θが小さい外周刃が存在することになる。そのため、プロセスダンピング効果は失われておらず、再生型びびり振動の発生を有効に抑制することも可能となる。
なお、第一外周刃21および第二外周刃22の逃げ角θの徐変は、図3(A)に示すような直線的な変化(一定の比率の徐変)に限定されない。第一外周刃21および第二外周刃22の逃げ角θの徐変において、増加および減少が互いに相反する関係にあれば(変化率の絶対値が常に同じであるように互いに増減していれば)、一定周期の曲線的変化であってもよい。このような一定周期の曲線的変化としては、例えば、三角関数に従う変化を挙げることができる。
ここで、図3(A)に示す例では、外周刃20A〜20Dの逃げ角θは、特定の外周刃位置Pを除いて基本的には全て異なる値となっている。例えば、第一外周刃21に相当する外周刃20Aおよび外周刃20Bについて着目すると、外周刃20Bの方が外周刃20Aよりも逃げ角θが大きい。この例では、外周刃20Aおよび外周刃20Bの逃げ角θの徐変は直線的であり、かつ、増加の傾きも同じである。それゆえ、外周刃位置Pに関わらず、外周刃20Aおよび外周刃20Bの逃げ角θは、常に異なる値を示すことになる。
同様に、第二外周刃22に相当する外周刃20Cおよび外周刃20Dについて着目すると、外周刃20Dの方が外周刃20Cよりも逃げ角θが大きい。外周刃20Cおよび外周刃20Dの逃げ角θの徐変も直線的であり、かつ、減少の傾きも同じである。それゆえ、外周刃位置Pに関わらず、外周刃20Cおよび外周刃20Dの逃げ角θは、常に異なる値を示すことになる。
さらに、第一外周刃21の一方である外周刃20A、並びに、2つの第二外周刃22である外周刃20C,20Dについて着目すると、外周刃20Aにおける先端14の逃げ角θの値は、外周刃20C,20Dそれぞれにおける先端14の逃げ角θの値よりも小さい。それゆえ、徐々に増加する外周刃20Aの逃げ角θの変化を示す破線グラフは、徐々に減少する外周刃20Cの逃げ角θの変化を示す点線グラフと、外周刃位置P=P2の位置で交差し、また、この破線グラフは、外周刃20Dの逃げ角θの変化を示す実線グラフと、外周刃位置P=P4で交差する。
したがって、図3(A)に示す例では、外周刃20Aと外周刃20Cとは、特定の外周刃位置P=P2で逃げ角θの値が同一となるが、それ以外の任意の外周刃位置Pでは、逃げ角θの値は異なっている。同様に、外周刃20Aと外周刃20Dとは、特定の外周刃位置P=P4で逃げ角θの値が同一となるが、それ以外の任意の外周刃位置Pでは、逃げ角θの値は異なっている。なお、外周刃20Dの方が外周刃20Cよりも逃げ角θが大きいので、外周刃位置P4は外周刃位置P2よりも根元17側である(根元17側を正とすればP4>P2である)。
あるいは、第一外周刃21の一方である外周刃20B、並びに、2つの第二外周刃22である外周刃20C,20Dについて着目すると、徐々に増加する外周刃20Bの逃げ角θの変化を示す一点鎖線グラフは、外周刃20Cの逃げ角θの変化を示す点線グラフと、外周刃位置P=P1の位置で交差し、また、この一点鎖線グラフは、外周刃20Dの逃げ角θの変化を示す実線グラフと、外周刃位置P=P3で交差する。
したがって、図3(A)に示す例では、外周刃20Bと外周刃20Cとは、特定の外周刃位置P=P1で逃げ角θの値が同一となるが、それ以外の任意の外周刃位置Pでは、逃げ角θの値は異なっている。同様に、外周刃20Bと外周刃20Dとは、特定の外周刃位置P=P3で逃げ角θの値が同一となるが、それ以外の任意の外周刃位置Pでは、逃げ角θの値は異なっている。なお、外周刃20Bの方が外周刃20Aよりも逃げ角θが大きいので、外周刃位置P2は外周刃位置P1よりも根元17側である(根元17側を正とすればP2>P1である)。また、外周刃位置P1〜P4の位置関係は、外周刃位置P1が最も先端(底面)14側であり、P2〜P4の順で根元17側となる(根元17側を正とすればP1<P2<P3<P4である)。
このように、本開示においては、任意の外周刃位置Pにおいて、複数の外周刃20の逃げ角θがそれぞれ異なってもよい。これにより、それぞれの外周刃20において逃げ角θの具体的な値をばらつかせることができるので、逃げ面24と仕上げ面32との間に生じる切削抵抗が過剰に大きくなることをより一層有効に抑制することができる。
また、図3(A)に示す例のように、特定の外周刃位置Pにおいて、少なくとも1つの第一外周刃21の逃げ角θと、少なくとも1つの第二外周刃22の逃げ角θとが同一の値になってもよい。これにより、外周刃位置Pに関わらず、第一外周刃21の逃げ角θと第二外周刃22の逃げ角θとの合計値が所定の範囲内に含まれることになる。そのため、それぞれの外周刃20において逃げ角θのばらつきを適当な範囲内に抑えることができる。それゆえ、外周刃位置Pの具体的な位置または軸方向の切込量によらず、逃げ面24と仕上げ面32との間に生じる切削抵抗が過剰に大きくなることをさらに一層有効に抑制することができる。
ここで、図3(A)に示す例では、任意の外周刃位置における外周刃20の逃げ角θの平均値が実質的に同じになっている。任意の外周刃位置Pにおいて、第一外周刃21の逃げ角θおよび第二外周刃22の逃げ角θの合計値(逃げ角θの和)をこれら第一外周刃21および第二外周刃22の合計数で除算することで「逃げ角平均値」を算出することができる。図3(A)では、任意の外周刃位置P、例えば、P=Px,Py,またはPzにおける逃げ角平均値を黒丸シンボルで示しているが、いずれも同一である。このように、外周刃位置Pに関わらず逃げ角平均値が一定であれば、逃げ面24と仕上げ面32との間に生じる切削抵抗が過剰に大きくなることをさらに一層有効に抑制することができる。
これに対して、従来のエンドミルでは、例えば図3(B)に示すように、外周刃20の逃げ角θが徐変するものも存在するものの、徐々に増加するものと徐々に減少するものとを併用することは知られていない。そのため、びびり振動を有効に抑制できないだけでなく、切削加工の精度または効率の低下を招くおそれがある。
図3(B)は、図3(A)と同様に、逃げ角θ(縦軸)−外周刃位置P(横軸)のグラフ(下側)と、このグラフに対応付けた従来のエンドミル100の模式図(上側)とを図示している。従来のエンドミル100は、図3(A)に示すエンドミル10と同様に、4枚の外周刃120A〜120Dを備えている。図3(B)に示すグラフでは、外周刃120Aにおける逃げ角θの変化を破線で示し、外周刃120Bにおける逃げ角θの変化を一点鎖線で示し、外周刃120Cにおける逃げ角θの変化を点線で示し、外周刃120Dにおける逃げ角θの変化を実線で示す。
図3(B)に示すように、外周刃120A〜120Dの逃げ角θはいずれも外周刃位置Pが根元17側に至るに伴って徐々に減少している。逃げ角θの値については、外周刃120Aが最も小さく、外周刃120B,外周刃120C,および外周刃120Dの順で大きくなっているが、外周刃位置Pに対する逃げ角θの徐変はいずれも同じ傾向を示す。特に、根元17に近づくに伴って逃げ角θの変化の程度が大きくなっているため、外周刃120A〜120Dのいずれも逃げ角θは直線状に徐変していない。
このような従来のエンドミル100では、外周刃120A〜120Dのいずれも第二外周刃22に相当し、第一外周刃21は含まれていない。そのため、外周刃120A〜120Dの逃げ面24と仕上げ面32との間に生じる切削抵抗が、外周刃位置Pの具体的な位置または軸方向の切込量によって過剰に大きくなったり、あるいは、プロセスダンピング効果がほとんどなくなったりするおそれがある。これにより、従来のエンドミル100では、びびり振動が発生しやすくなる。
特に、本開示に係るエンドミル10では、前述したように、第一外周刃21および第二外周刃22を併用するという「基本条件」に加えて、追加条件として、第一外周刃21および第二外周刃22の逃げ角θの変化(徐変)は、増加および減少が互いに相反する関係にある(増加および減少が相反する一様な比率である)という「追加条件1」、任意の外周刃位置Pにおいて、複数の外周刃20の逃げ角θがそれぞれ異なるという「追加条件2」、特定の外周刃位置Pにおいて、第一外周刃21の逃げ角θと第二外周刃22の逃げ角θとが同一になるという「追加条件3」、いずれの外周刃位置Pにおいても逃げ角平均値が同じであるという「追加条件4」を満たしてもよい。従来のエンドミル100では、追加条件2は満たしているものの、基本条件を満たしていないため、びびり振動を有効に抑制できなくなる。
しかも、従来のエンドミル100では、基本条件だけでなく、追加条件1、追加条件3、および追加条件4のいずれも満たしていない。例えば、追加条件1について着目すれば、図3(B)に示す例では、エンドミル100の先端14側については、逃げ角θは部分的に一様な比率で徐変していると見ることができる。しかしながら、根元17付近では明らかに変化率が異なるため、先端14側で切削加工するときにびびり振動が生じない切削条件であっても刃部12の根元17付近で切削加工する場合には、切削抵抗またはプロセスダンピング効果が先端14側を含めて切削したときと異なり、びびり振動が発生する可能性が生じる。
あるいは、追加条件4に着目すれば、図3(B)に示す例では、エンドミル100における任意の外周刃位置Px,Py,およびはPzでは、逃げ角平均値を黒丸シンボルで示す逃げ角平均値は、外周刃位置Pが根元17側に至るに伴って減少している。この場合、刃部12全体において逃げ角平均値のばらつきが大きくなり、適切な逃げ角平均値から乖離する切れ刃長さが長くなると、例えば、びびり振動を抑制可能な切込み深さが限定的となりやすい。その結果、実生産の加工ではびびり振動が発生しやすくなる。
[切削加工の精度または効率の低下抑制]
本開示に係るエンドミル10では、前記の通り、少なくとも、第一外周刃21および第二外周刃22を併用するという基本条件を満たすことによってびびり振動を抑制することができるが、さらに、従来のエンドミル100と比較して、切削加工の精度または効率の低下を抑制することができる。
図4(A)〜図4(D)には、本開示に係るエンドミル10または従来のエンドミル100が被削材30を切削加工して薄肉の立ち壁33を形成する状態を模式的に示している。なお、図4(A)〜図4(D)においては、加工パスを説明する便宜上、図1(B),図1(C)とは異なり、切削されていない被削面31を図示していない。
例えば図4(C)に示すように、従来のエンドミル100であれば、薄い立ち壁33を効率的に切削加工するために、エンドミル100の軸方向の切込み深さap を大きくすると、図中ブロック矢印Fで示すように、立ち壁33の仕上げ面32とエンドミル100との間に切削抵抗が生じる。そのため、図中双方向矢印Vで示すようにびびり振動が発生しやすくなる(図4(C)では、エンドミル100にびびり振動が生じている状況を図示しているが、立ち壁33およびエンドミル100のそれぞれの剛性によっては、立ち壁33にもびびり振動が生じる)。
そこで、図4(D)に示すように、軸方向の切込み深さap を小さくすると、びびり振動の抑制は可能になるものの、1回の加工パスで切削できる量が少なくなる。図4(D)に示す例では、図4(C)に示す切込み深さの場合と比較して、切込み深さが1/4となっている。この場合、図中点線で3段の切削予定部位34として図示するように、同一の加工パスを合計4回繰り返す必要が生じる。そのため、切削加工の効率が低下してしまう。
ここで、前述したように、逃げ角θを敢えて小さくすることにより、逃げ面24と仕上げ面32とを接触しやすくして、びびり振動の発生を抑制することが可能である。そこで、図4(B)に示すように、逃げ角θを小さくしたエンドミル200を用いて、薄い立ち壁33を形成しようとすれば、エンドミル200の外周面による切削抵抗が大きくなり、エンドミル200が仕上げ面32を押圧することになる。これにより、薄い立ち壁33がエンドミル200により板厚方向に強く押圧されるため、図4(B)において破線で強調して図示するように、立ち壁33が湾曲してしまう(符号33a)。立ち壁33が湾曲した状態で切削加工すると、仕上げ面32の精度が低下してしまう(図4(B)では、立ち壁33が湾曲する状況を図示しているが、立ち壁33およびエンドミル200のそれぞれの剛性によっては、エンドミル200の湾曲が精度低下を引き起こす可能性もある)。
これに対して、本開示に係るエンドミル10であれば、図4(A)に示すように、根元17に向かって逃げ角θが増加するように徐変する第一外周刃21と、根元17に向かって逃げ角θが減少するように徐変する第二外周刃22とを併用している(基本条件)。そのため、切込み深さを大きくしても、立ち壁33の仕上げ面32から過剰に大きな切削抵抗を受けることがない(適度な大きさの切削抵抗を受ける)ため、びびり振動を有効に抑制することができる。しかも、本開示に係るエンドミル10であれば、びびり振動を抑制可能な切込み深さを大きくすることができるので、切削加工の効率の低下を有効に抑制することができる。
さらに、本開示に係るエンドミル10では、単に逃げ角θを小さくしただけのエンドミル200と比較して、外周面による切削抵抗が過剰に大きくなることを有効に回避することができる。それゆえ、切削加工時にエンドミル10が仕上げ面32を強く押圧することが十分に抑制されるため、薄い立ち壁33であっても湾曲することが実質的に防止される。その結果、切削加工の被削材30の相対的な位置がずれるようなことが実質的に回避され、切削加工の精度の低下を有効に抑制することができる。
このように、本開示に係るエンドミル10であれば、外周刃20として、逃げ角θが徐々に増加する第一外周刃21と、逃げ角θが徐々に減少する第二外周刃22とが用いられる。これにより、エンドミル10が被削材30の表面(仕上げ面32)に与える切削抵抗が過剰に大きくなることを抑制することができる。そのため、エンドミル10のびびり振動を抑制することができるとともに、切削加工の精度または効率の低下を抑制することができる。
なお、本開示には、前述した構成のエンドミル10だけでなく、このエンドミル10を製造する方法も含まれる。具体的には、本開示に係るエンドミルの製造方法は、円柱状の工具本体の外周面に複数の外周刃が設けられているエンドミルを製造する際に、複数の前記外周刃を、第一外周刃および第二外周刃の2種類に区分する。このうち、第一外周刃については、その逃げ角を、工具本体の一方の端面である底面から当該工具本体の軸方向に向かって徐々に増加するように設定すればよい。また、第二外周刃については、前記底面から前記軸方向に向かって、その逃げ角を徐々に減少するように設定すればよい。それ以外の製造工程または製造条件等については、従来の製造方法と同様であればよい。
また、本開示においては、エンドミルの外周刃としては、第一外周刃および第二外周刃が併用されていればよく、代表的には、複数の外周刃は第一外周刃および第二外周刃で構成されていればよい。しかしながら、びびり振動の抑制、並びに、切削加工の精度または効率の低下の抑制を妨げない限りにおいて、第一外周刃および第二外周刃以外の構成の外周刃が含まれてもよい。また、本実施の形態で例示した構成では、複数の外周刃が偶数(4枚)であり、このうち第一外周刃および第二外周刃がそれぞれ同数(2枚ずつ)であったが、本開示はこれに限定されない。例えば、第一外周刃の数が多くてもよいし第二外周刃の数が多くてもよい。外周刃の枚数も奇数であってもよい。
なお、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、外周刃を備えるエンドミルの分野に広く好適に用いることができる。
10:エンドミル
11:工具本体
12:刃部
13:シャンク部
14:底面(先端、一方の端面)
15:底刃
16:刃溝
17:根元
20:外周刃
21:第一外周刃
22:第二外周刃
23:すくい面
24:逃げ面
30:被削材
30a:切屑
31:被削面
32:仕上げ面
33:立ち壁
33a:湾曲した立ち壁
34:切削予定部位

Claims (6)

  1. 軸心周りに回転する円柱状の工具本体を備え、
    前記工具本体の外周面には複数の外周刃が設けられており、
    前記外周刃には、
    前記工具本体の一方の端面である底面から当該工具本体の軸方向に向かって、その逃げ角が徐々に増加する第一外周刃と、
    前記底面から前記軸方向に向かって、その逃げ角が徐々に減少する第二外周刃と、
    の2種類が含まれていることを特徴とする、
    エンドミル。
  2. 前記第一外周刃の逃げ角の連続的な変化と前記第二外周刃の逃げ角の連続的な変化とは、増加および減少が互いに相反する関係にあることを特徴とする、
    請求項1に記載のエンドミル。
  3. 前記外周刃において、前記底面を基準とする前記軸方向の位置を外周刃位置としたときに、
    当該外周刃位置のいずれにおいても、複数の前記外周刃の逃げ角がそれぞれ異なっていることを特徴とする、
    請求項1または2に記載のエンドミル。
  4. 前記外周刃において、前記底面を基準とする前記軸方向の位置を外周刃位置としたときに、
    当該外周刃位置のうち特定位置では、前記第一外周刃の逃げ角と前記第二外周刃の逃げ角とが同一になっており、
    前記特定位置以外の前記外周刃位置では、複数の前記外周刃の逃げ角がそれぞれ異なっていることを特徴とする、
    請求項1または2に記載のエンドミル。
  5. 任意の外周刃位置において、前記第一外周刃および前記第二外周刃の逃げ角の和を当該第一外周刃および当該第二外周刃の数で除算した値を逃げ角平均値としたときに、
    いずれの外周刃位置においても前記逃げ角平均値が同じであることを特徴とする、
    請求項3または4に記載のエンドミル。
  6. 軸心周りに回転する円柱状の工具本体の外周面に、複数の外周刃が設けられており、
    複数の前記外周刃を、第一外周刃および第二外周刃の2種類に区分し、
    前記第一外周刃については、その逃げ角を、前記工具本体の一方の端面である底面から当該工具本体の軸方向に向かって徐々に増加するように設定するとともに、
    前記第二外周刃については、前記底面から前記軸方向に向かって、その逃げ角を徐々に減少するように設定することを特徴とする、
    エンドミルの製造方法。
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