JP2021044861A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のフィンを有するヒートシンクと流路形成部材とによって画定される冷媒流路を有し、ヒートシンクの鍔部の平面積を十分に小さくしても、ヒートシンクと流路形成部材の間から漏れた冷媒に起因する支障が生じにくい電力変換装置を提供する。【解決手段】複数のフィン22を有するヒートシンク2と、フィン22が収納されることにより冷媒流路が画定される凹状の冷媒収容部31を有する流路形成部材3と、流路形成部材3の端面32とヒートシンク2との間に配置された第1シール部材5と、電力変換回路7が収納され、ヒートシンク2と向かい合う面に開口する回路収納部41を有する筐体4と、筐体4の端面45とヒートシンク2との間に配置された第2シール部材6とを有する電力変換装置1とする。【選択図】図2

Description

本発明は、電力変換装置に関する。
電力変換装置は、ハイブリッドカー、電気自動車などに搭載されている。電力変換装置として、電力変換回路が収納された筐体と、電力変換回路を冷却する冷却器とを備えるものがある。冷却器としては、複数のフィンを有するヒートシンクと流路形成部材とによって画定される冷媒流路に、水などの冷媒を供給するものがある。
例えば、特許文献1には、放熱フィンを備えた放熱板上に搭載された半導体素子と、この半導体素子を覆う第1のケースと、前記フィンを覆い内部に循環する冷却水を有する第2のケースと、この第2のケースと前記放熱板とを締結するボルトを備えた電力変換装置が記載されている。特許文献1の電力変換装置では、放熱板との接合面であって、前記第2のケースの鍔面に溝を設け、この溝に前記半導体素子とは反対方向に開口する貫通穴を設けている。
特許第3960189号公報
しかしながら、従来の電力変換装置では、複数のフィンを有するヒートシンクと流路形成部材との間から冷媒が漏れ出して、電力変換回路に支障を来すことを、より効果的に防ぐことが要求されている。
この要求に対応する方法として、ヒートシンクにおけるフィンの形成されている領域よりも平面視外側の領域と、流路形成部材との対向面に、平面視で二重に環状のシール部材を設けることが考えられる。
ヒートシンクと流路形成部材との対向面に、平面視で二重にシール部材を設けると、ヒートシンクと流路形成部材との間から冷媒が漏れにくくなる。しかし、この場合には、ヒートシンクに、シール部材を二重に設置するための領域を確保する必要がある。ヒートシンクの流路形成部材との対向面は、電力変換回路に接触しない領域であり、電力変換回路との熱交換には直接使用されない。このため、ヒートシンクは、電力変換装置の小型化の観点から平面積を小さくすることが望ましい。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、複数のフィンを有するヒートシンクと流路形成部材とによって画定される冷媒流路を有し、ヒートシンクの流路形成部材との対向面の平面積を十分に小さくしても、ヒートシンクと流路形成部材の間から漏れた冷媒に起因する支障が生じにくい電力変換装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
(1)複数のフィンを有するヒートシンクと、
前記フィンが収納されることにより冷媒流路が画定される凹状の冷媒収容部を有する流路形成部材と、
前記流路形成部材の端面と前記ヒートシンクとの間に配置された第1シール部材と、
前記ヒートシンクの前記流路形成部材と反対側の面に搭載された電力変換回路と、
前記電力変換回路が収納され、前記ヒートシンクと向かい合う面に開口する回路収納部を有する筐体と、
前記筐体の端面と前記ヒートシンクとの間に配置された第2シール部材とを有することを特徴とする電力変換装置。
(2)絶縁材料で保護された端子部を有するコネクタが、前記回路収納部の外に設けられ、
前記電力変換回路は、前記コネクタによって前記回路収納部の外部と電気的に接続されている(1)に記載の電力変換装置。
(3)前記流路形成部材の端面には、前記冷媒収容部を囲む環状の第1溝が設けられ、
前記第1シール部材が、断面の直径が前記第1溝の深さ寸法よりも大きい第1Oリングが、前記第1溝内に収納されたものである(1)または(2)に記載の電力変換装置。
(4)前記筐体の端面には、前記開口縁部を囲む環状の第2溝が設けられ、
前記第2シール部材が、断面の直径が前記第2溝の深さ寸法よりも大きい第2Oリングが、前記第2溝内に収納されたものであり、
前記第1溝と前記第2溝とが前記ヒートシンクを介して対向配置され、
前記第1溝と前記第2溝の断面形状が同じである(3)に記載の電力変換装置。
(5)前記流路形成部材と前記筐体とが、締結部材によって一体化されている(1)〜(4)のいずれかに記載の電力変換装置。
(6)前記締結部材が、平面視で前記第2シール部材よりも外側の位置に配置されている(5)に記載の電力変換装置。
(7)前記流路形成部材は、回転電機の収納される回転電機筐体の外面の一部を兼ねる(1)〜(6)のいずれかに記載の電力変換装置。
(8)前記筐体の端面が、外縁に沿って形成された外側面部と、前記回路収納部の開口縁部を囲む凹部とを有し、
前記流路形成部材の端面と、前記凹部の前記流路形成部材の端面との対向面および側面とに囲まれた空間内に、前記ヒートシンクの外縁部が収納されている(1)〜(7)のいずれかに記載の電力変換装置。
本発明によれば、複数のフィンを有するヒートシンクと流路形成部材とによって画定される冷媒流路を有し、ヒートシンクの平面積を十分に小さくしても、ヒートシンクと流路形成部材の間から漏れた冷媒に起因する支障が生じにくい電力変換装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る電力変換装置を説明するための分解斜視図である。 図1に示す電力変換装置の一部を拡大して示した拡大断面図である。 図1に示す電力変換装置の効果を説明するための図であり、ヒートシンクの鍔部と、流路形成部材との対向面に、平面視で二重に環状のシール部材を設けた電力変換装置の一部を拡大して示した拡大断面図である。 図1および図2に示す電力変換装置を適用可能な車両の一部の一例を示す図である。
以下、本発明の電力変換装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合がある。このため、各構成要素の寸法比率などは、実際とは異なっていることがある。また、以下の説明において例示される材質、寸法等は一例である。したがって、本発明は、以下に示す実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要件を変更しない範囲で適宜変更して実施できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る電力変換装置を説明するための分解斜視図である。図2は、図1に示す電力変換装置の一部を拡大して示した拡大断面図である。
図中に示す方向において、D1方向は、ヒートシンク2の有するフィン22の厚み方向を示し、D2方向は、フィン22の長さ方向を示す。D3方向は、重力方向に沿う上方である。
本実施形態の電力変換装置1は、図1および図2に示すように、ヒートシンク2と、流路形成部材3と、筐体4と、第1シール部材5と、第2シール部材6と、電力変換回路7と、締結部材8と、回転電機筐体9とを有する。
ヒートシンク2は、図2に示すように、板状部材21と、板状部材21の厚み方向に延びる複数のフィン22とを有する。板状部材21およびフィン22は、アルミニウム、アルミニウム合金などの伝熱性の良好な金属材により形成されていることが好ましい。板状部材21およびフィン22は、インパクト成形または押出し成形された一体成形品であることが好ましい。
板状部材21は、平面視矩形の板状である。本実施形態では、板状部材21の流路形成部材3側の面が、下面23とされている。また、板状部材21の筐体4側の面が、上面24とされている。図1に示すように、板状部材21の上面24は、略平坦面とされている。
板状部材21のフィン22の形成されている領域よりも平面視で外側の領域は、鍔部26である。鍔部26は、平面視環状であり、図1に示すように、流路形成部材3と筐体4との間に設置され、ヒートシンク2を電力変換装置1に固定するために用いられている。鍔部26は、板状部材21のうちの電力変換回路7に接触しない領域であり、電力変換回路7との熱交換には直接使用されない。
図2に示すように、複数のフィン22は、板状部材21の下面23の中央部に設けられている。各フィン22は、平面視帯状であり、平面視矩形の板状部材21の有する対向する2辺の延在方向(本実施形態ではD2方向)に沿って配置されている。複数のフィン22は、所定のピッチで略並行に並べて配置されている。
本実施形態の電力変換装置1において、フィン22の形状および数は、特に限定されるものではない。具体的には、各フィン22の厚み、板状部材21の厚み方向の長さ、隣接するフィン22、22間の距離(またはピッチ)、フィン22の数などは、電力変換装置1の用途に応じて適宜決定できる。
流路形成部材3は、図1および図2に示すように、冷媒収容部31と、冷媒収容部31の縁部から外方に延在する端面32とを有する。流路形成部材3は、ヒートシンク2と同様に、アルミニウム、アルミニウム合金などの伝熱性の良好な金属材により形成されていることが好ましい。また、流路形成部材3は、インパクト成形または押出し成形された一体成形品であることが好ましい。
冷媒収容部31は、板状部材21の下面23との対向面に設けられている。冷媒収容部31は、ヒートシンク2の有する複数のフィン22が収納されることにより、冷媒流路31c、31dが画定されるものである。冷媒収容部31は、図1および図2に示すように、平面視矩形の凹状である。本実施形態の電力変換装置1では、冷媒収容部31の側面31aは平面視で、フィン22の延在方向と略直交する方向と、フィン22の延在方向とにそれぞれ対向して設けられている。また、冷媒収容部31の深さ寸法は、フィン22の板状部材21の厚み方向の長さ以上の長さとされている。このことにより、本実施形態の電力変換装置1では、板状部材21の下面23と隣接するフィン22、22と冷媒収容部31の底面31bとに囲まれた冷媒流路31cと、板状部材21の下面23とフィン22と冷媒収容部31の側面31aおよび底面31bとに囲まれた冷媒流路31dとが形成されている。
本実施形態の電力変換装置1では、図1に示すように、冷媒収容部31の外面のうちの一つに、冷媒流路31c、31dに冷媒を注入する注入口31eと、冷媒流路31c、31dを通過した冷媒を排出する排出口31fとが設けられている。注入口31eが設けられている面と排出口31fが設けられている面とは、図1に示すように、冷媒収容部31の外面のうちの同じ面であってもよいし、例えば、注入口31eが設けられている面の反対側の面に、排出口31fが設けられていてもよい。
冷媒流路31c、31d内に流通させる冷媒としては、不凍液、水などの液体、または空気、二酸化炭素、窒素などの気体を用いることができ、不凍液を用いることが好ましい。冷媒として不凍液を用いることにより、冷媒流路31c、31d内での冷媒の凍結を防止できる。このため、特に、本実施形態の電力変換装置1を車両に適用した場合に好ましい。
流路形成部材3の端面32は、図1および図2に示すように、冷媒収容部31の縁部から外方に延在している。端面32は、平面視矩形の枠状であり、冷媒収容部31の縁部に沿って帯状に設けられている。端面32の板状部材21の下面23との対向面には、冷媒収容部31を囲む環状の第1溝32aが設けられている。
また、図1および図2に示すように、端面32のうち、板状部材21の下面23との対向面であって、第1溝32aよりも外側の位置に、締結部材8が取り付けられる凹部からなる有底の取付穴33が設けられている。取付穴33は、図1に示すように、平面視矩形の端面32の四つの隅部にそれぞれ設けられている。取付穴33の深さおよび形状は、締結部材8の長さおよび形状に応じて、適宜決定される。
本実施形態の電力変換装置1は、図1に示すように、回転電機の収納される箱状の回転電機筐体9を有する。回転電機筐体9内には、回転電気として、駆動用モータTRCと発電用モータGENとが収納されている。回転電機筐体9は、トランスミッションの収納されるミッションケースの一部であってもよい。
本実施形態の電力変換装置1では、図1に示すように、回転電機筐体9の上面に流路形成部材3が形成されている。したがって、流路形成部材3は、回転電機筐体9の外面の一部を兼ねている。このことにより、本実施形態の電力変換装置1は、例えば、流路形成部材3と回転電機筐体9とが、それぞれ別々に設けられている場合と比較して、小型化できるとともに、部品点数を少なくでき、好ましい。
電力変換回路7は、ヒートシンク2の流路形成部材3と反対側の面(板状部材21の上面24)上に搭載されている。電力変換回路7は、被冷却体である複数のスイッチング素子を備えている。
本実施形態の電力変換装置1では、電力変換回路7が、図1に示すように、コネクタ71によって、筐体4の回路収納部41の外部と電気的に接続されていることが好ましい。コネクタ71は、図1に示すように、回路収納部41の外に設けられている。コネクタ71は、筐体4の端面45と反対側の面45cに配置されている。コネクタ71は、絶縁材料で保護された端子部を有するものであり、耐水性を有することが好ましい。コネクタ71の数は、特に限定されるものではなく、電力変換回路7に応じて適宜決定される。コネクタ71には、例えば、バッテリーと電気的に接続されたケーブルなどが接続される。コネクタ71に接続されるケーブルは、耐水性を有することが好ましい。
筐体4は、図1に示すように、回路収納部41と、回路収納部41の開口縁部49から外方に延在する端面45とを有する。
筐体4は、ヒートシンク2と同様に、アルミニウム、アルミニウム合金などの伝熱性の良好な金属材により形成されていることが好ましい。
回路収納部41は、図1および図2に示すように、枠部材42とカバー部材43とに囲まれた箱状の形状を有する。回路収納部41には、図2に示すように、電力変換回路7が収納される。回路収納部41は、ヒートシンク2と向かい合う面(板状部材21の上面24との対向面)に開口している。
枠部材42は、平面視矩形の枠状の形状を有する。カバー部材43は、平面視矩形の板状の形状であり、枠部材42のヒートシンク2と反対側の端面を覆っている。本実施形態の電力変換装置1では、図2に示すように、枠部材42のヒートシンク2と反対側の端面(図2における上側の端面)に沿って、環状にシール部材44(図1においては不図示)が配置されている。これにより、枠部材42とカバー部材43との間が密閉(シール)されている。
シール部材44は、例えば、液体ガスケットを枠部材42の端面に塗布して形成した皮膜であってもよいし、枠部材42の端面に形成された溝に収納されたOリングであってもよい。
筐体4のヒートシンクと向かい合う端面45は、回路収納部41の開口縁部49から外方に延在している。端面45は、図1および図2に示すように、平面視矩形の枠状である。本実施形態の電力変換装置1では、端面45は、図2に示すように、平面視で枠部材42の内面および外面に沿って、それぞれ帯状に設けられている。なお、端面45は、平面視で枠部材42の内面より内側に設けられた領域を有さず、枠部材42の外面より外側に設けられた領域のみを有するものであってもよい。
本実施形態の電力変換装置1では、筐体4の端面45は、図2に示すように、外側面部46と、凹部47とを有している。
外側面部46は、端面45の外縁45aに沿って形成されている。また、図1および図2に示すように、外側面部46における流路形成部材3の端面32との対向面であって、端面32に設けられた取付穴33と平面視で重なる位置に、締結部材8が取り付けられる貫通孔45bが設けられている。貫通孔45bは、図1および図2に示すように、筐体4の平面視矩形の端面45の四つの隅部にそれぞれ設けられている。
筐体4の端面45の有する凹部47は、回路収納部41の開口縁部49を囲むように回路収納部41に向かって凹状に形成されている。本実施形態では、凹部47の側面48は、平面視矩形であり、平面視で枠部材42の外側に設けられている。なお、凹部47の側面48は、平面視で枠部材42の内側に設けられていてもよいし、平面視で枠部材42と重なる位置に設けられていてもよい。
本実施形態の電力変換装置1では、図2に示すように、流路形成部材3の端面32と、凹部47の板状部材21の上面24との対向面および凹部47の側面48とに囲まれた空間内に、ヒートシンク2(板状部材21)の外縁部25が収納されている。
凹部47の板状部材21の上面24との対向面には、回路収納部41の開口縁部49を囲む環状の第2溝47aが設けられている。
第1シール部材5は、冷媒収容部31の端面32と、ヒートシンク2の下面23との間を密閉(シール)する。第1シール部材5は、図2に示すように、端面32とヒートシンク2の下面23との間に環状配置されている。図2に示すように、端面32に、冷媒収容部31を囲む環状の第1溝32aが設けられている場合、第1シール部材5は、断面の直径が第1溝32aの深さ寸法よりも大きい第1Oリングが、第1溝32a内に収納されたものであることが好ましい。このことにより、冷媒収容部31内の冷媒が所定の圧力で圧送されている場合であっても、端面32とヒートシンク2の下面23との間から、冷媒が漏れることを効果的に防止できる。
第1シール部材5は、端面32とヒートシンク2の下面23との間から冷媒が漏れないようにできればよく、第1溝32a内に配置された第1Oリングに限定されるものではない。
第2シール部材6は、筐体4の端面45における凹部47と、ヒートシンク2の上面24との間を密閉(シール)する。第2シール部材6は、図2に示すように、凹部47とヒートシンク2の上面24との間に環状配置されている。図2に示すように、凹部47に、開口縁部49を囲む環状の第2溝47aが設けられている場合、第2シール部材6は、断面の直径が第2溝47aの深さ寸法よりも大きい第2Oリングが、第2溝47a内に収納されたものであることが好ましい。このことにより、筐体4の回路収納部41内を効果的に密閉でき、回路収納部41に収納された電力変換回路7の汚染を防止できる。また、冷媒収容部31とヒートシンク2の下面23との間から冷媒が漏れた場合における冷媒と電力変換回路7との接触を防止できる。
第2シール部材6は、図2に示すように、第2溝47a内に配置された第2Oリングからなるものに限定されない。例えば、液体ガスケットを凹部47に塗布して形成した皮膜であってもよい。この場合においても、回路収納部41に収納された電力変換回路7の汚染を防止できる。
本実施形態の電力変換装置1では、第1溝32aと第2溝47aとが、ヒートシンク2を介して対向配置されている。言い換えると、第1溝32aと第2溝47aとが、平面視で重なる位置に形成されている。このため、本実施形態の電力変換装置1では、第1溝32aと第2溝47aとが、平面視で異なる位置に形成されている場合と比較して、ヒートシンク2の平面積を小さくできる。
さらに、本実施形態の電力変換装置1では、第1溝32aの断面形状と、第2溝47aの断面形状とが、同じ形状とされている。したがって、第1溝32a内に配置される第1Oリングと、第2溝47a内に配置される第2Oリングとを、同じものとすることができる。第1Oリングと第2Oリングとが、同じものである場合、それぞれ異なる場合と比較して、部品種類を少なくでき、好ましい。
締結部材8としては、ボルトなどを用いることができる。図2に示すように、締結部材8は、平面視で第2シール部材6よりも外側の位置に配置されている。締結部材8は、図1および図2に示すように、筐体4の端面45における外側面部46に設けられた貫通孔45bを上方から貫通して、流路形成部材3の端面32に設けられた取付穴33に取り付けられている。本実施形態の電力変換装置1では、締結部材8によって、流路形成部材3と筐体4とが一体化されている。
本実施形態の電力変換装置1は、複数のフィン22を有するヒートシンク4と、流路形成部材3の冷媒収容部31とによって画定される冷媒流路31c、31dを有するものであり、以下に示す理由により、ヒートシンク4と流路形成部材3の間から漏れた冷媒に起因する支障が生じにくい。
すなわち、図1に示すように、流路形成部材3の端面32と、ヒートシンク2の下面23との間に、第1シール部材5が環状配置されていることにより、端面32とヒートシンク2の下面23との間から、冷媒流路31c、31d内に流通させる冷媒が漏れることを防止できる。
さらに、本実施形態の電力変換装置1では、流路形成部材3の端面32と、筐体4の凹部47における流路形成部材3の端面32との対向面および凹部47の側面48とに囲まれた空間内に、ヒートシンク2の外縁部25が収納されている。したがって、仮に流路形成部材3の端面32とヒートシンク2の下面23との間から第1シール部材5を介して、上記空間内におけるヒートシンク2の外縁部25よりも外側の領域にまで冷媒が漏れたとしても、上記空間内に貯留されている冷媒は、電力変換回路7に接触せず、本実施形態の電力変換装置1に支障を来さない。
また、本実施形態の電力変換装置1では、凹部47とヒートシンク2の上面24との間に、第2シール部材6が環状配置されているので、流路形成部材3の端面32とヒートシンク2の下面23との間から仮に冷媒が漏れたとしても、冷媒が筐体4の回路収納部41内に侵入することが防止される。よって、回路収納部41に冷媒が侵入して、回路収納部41に収納された電力変換回路7に悪影響を及ぼすことを防止できる。
さらに、本実施形態の電力変換装置1では、冷媒が流路形成部材3の端面32と筐体4の外側面部46との間から筐体4の外に漏れたとしても、冷媒が回路収納部41に収納されている電力変換回路7に接触することはない。また、冷媒が、仮に筐体4の外に漏れたとしても、回路収納部41の外に設けられ、絶縁材料で保護された端子部を有するコネクタ71によって、電力変換回路7と回路収納部41の外部とが電気的に接続されているため、冷媒が電力変換回路7に悪影響を及ぼすことを効果的に防止できる。
しかも、本実施形態の電力変換装置1は、以下に示すように、ヒートシンクの鍔部と、流路形成部材との対向面に、平面視で二重に環状のシール部材を設けた電力変換装置と比較して小型化できる。
図3は、図1に示す電力変換装置1の効果を説明するための図であり、ヒートシンクの鍔部と、流路形成部材との対向面に、平面視で二重に環状のシール部材を設けた電力変換装置の一部を拡大して示した拡大断面図である。
図3に示す電力変換装置10において、図1および図2に示す電力変換装置1と同じ部材については、同じ符号を付し、説明を省略する。
図3に示す電力変換装置10は、図1および図2に示す電力変換装置1と同様のヒートシンク2および冷媒収容部31、電力変換回路7を有する。しかし、図3に示す電力変換装置10では、図1および図2に示す電力変換装置1と異なり、筐体140に流路形成部材が一体化されている。
図3に示すように、筐体140内には、ヒートシンク2、冷媒収容部31、電力変換回路7が収納されている。そして、図3に示す電力変換装置10では、図1および図2に示す電力変換装置1と異なり、ヒートシンク2におけるフィンの形成されている領域よりも平面視外側の領域である鍔部120が、流路形成部材上に設置され、鍔部120の電力変換回路7側の面が筐体140内に露出している。
図3に示す電力変換装置10では、図1および図2に示す電力変換装置1と異なり、筐体140内における冷媒収容部31とヒートシンク2の下面23との間から、冷媒が漏れることを防止するために、二重に環状のシール部材が設けられている。具体的には、図3に示す電力変換装置10は、ヒートシンク2の鍔部120と流路形成部材との対向面に、内側シール部材150と、平面視で内側シール部材150の外側に設けられた外側シール部材160とを有している。さらに、図3に示す電力変換装置10には、内側シール部材150と外側シール部材160との間の領域に、冷媒収容部31とヒートシンク2の下面23との間から漏れた冷媒を排出するための排出口170が設けられている。
図3に示す電力変換装置10では、筐体140内に、ヒートシンク2、冷媒収容部31、電力変換回路7が収納されている。このため、例えば、外側シール部材160および排出口170を設けずに、ヒートシンク2の鍔部120の平面積を小さくすると、何らかの理由により、冷媒収容部31とヒートシンク2の下面23との間から冷媒が漏れた場合に、冷媒が電力変換回路7と接触してしまう。したがって、図3に示す電力変換装置10では、外側シール部材160および排出口170が必須であり、外側シール部材160および排出口170を設けずにヒートシンク2の鍔部120の平面積を小さくして、電力変換装置の小型化を図ることは困難である。
これに対し、本実施形態の電力変換装置1では、図2に示すように、第1シール部材5が、流路形成部材3の端面32とヒートシンク2の下面23との間に配置され、第2シール部材6が、筐体4の端面45とヒートシンク2の上面24との間に配置されている。すなわち、第1シール部材5と第2シール部材6とが、ヒートシンク2の下面23と上面24とにそれぞれ配置されている。したがって、本実施形態の電力変換装置1では、例えば、図2に示すように、第1シール部材5と第2シール部材6とを、平面視で重なる位置に形成できる。よって、本実施形態の電力変換装置1では、平面視で二重に環状のシール部材150、160が設けられている図3に示す電力変換装置10と比較して、ヒートシンク2の平面積を小さくできる。
しかも、本実施形態の電力変換装置1では、冷媒収容部31とヒートシンク2の下面23との間から冷媒が漏れることを第1シール部材5によって防止でき、冷媒収容部31とヒートシンク2の下面23との間から冷媒が漏れた場合における冷媒と電力変換回路7との接触を第2シール部材6によって防止できる。
また、本実施形態の電力変換装置1では、平面視で第2シール部材6よりも外側の位置に締結部材8が配置されており、筐体4に設けられた貫通孔45bを貫通して取付穴33に取り付けられた締結部材8によって、流路形成部材3と筐体4とが一体化されている。そして、ヒートシンク2の鍔部26が流路形成部材3と筐体4との間に設置されることにより、ヒートシンク2が電力変換装置1に固定されている。したがって、鍔部26には、ヒートシンク2を流路形成部材3および/または筐体4に固定するための取付穴が設けられていない。よって、本実施形態の電力変換装置1では、例えば、ヒートシンクの鍔部に取付穴が設けられている場合と比較して、鍔部26の平面積を小さくできる。
また、ヒートシンクの鍔部に、ヒートシンクを流路形成部材および/または筐体に固定する締結部材が設置される取付穴が設けられている電力変換装置では、取付穴が冷媒の流路になって冷媒が漏れる恐れがある。これに対し、本実施形態の電力変換装置1では、ヒートシンク2の鍔部26に取付穴が設けられていないため、取付穴が冷媒の流路になって冷媒が漏れることがなく、好ましい。
本発明の電力変換装置は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、流路形成部材3が、冷媒収容部31の縁部から外方に延在する端面32を有する場合を例に挙げて説明したが、流路形成部材3の端面32は、第1シール部材5を配置可能な面積を有していればよく、例えば、流路形成部材3の端面32の縁部が、平面視でヒートシンクの縁部と重なり合う形状とされていてもよい。
また、上述した実施形態では、筐体4が、回路収納部41の開口縁部49から外方に延在する端面45を有する場合を例に挙げて説明したが、筐体4の端面45は、第2シール部材6を配置可能な面積を有していればよく、例えば、筐体4の端面45は、平面視で回路収納部41の枠部材42の外面よりも内側の領域にのみ形成されていてもよい。
<適用例>
以下、本発明の電力変換装置1の適用例について添付図面を参照しながら説明する。
図4は、図1および図2に示す電力変換装置1を適用可能な車両の一部の一例を示す図である。
図4に示す車両100では、図1に示す電力変換装置1の有するヒートシンク2によって、被冷却体である第1電力変換回路部131、第2電力変換回路部132、第3電力変換回路部133が冷却される。
図4に示すように、第1電力変換回路部131は、スイッチング素子UH、UL、VH、VL、WH、WLを有する。第2電力変換回路部132は、スイッチング素子UH、UL、VH、VL、WH、WLを有する。第3電力変換回路部133は、スイッチング素子S1、S2を有する。
図4に示す車両100は、電力変換装置1に加えて、バッテリ11(BATT)と、走行駆動用の第1モータ12(MOT)と、発電用の第2モータ13(GEN)とを備えている。
バッテリ11は、バッテリケースと、バッテリケース内に収容される複数のバッテリモジュールとを備えている。バッテリモジュールは、直列に接続される複数のバッテリセルを備えている。バッテリ11は、電力変換装置1の直流コネクタ1aに接続される正極端子PB及び負極端子NBを備えている。正極端子PB及び負極端子NBは、バッテリケース内において直列に接続される複数のバッテリモジュールの正極端及び負極端に接続されている。
第1モータ12は、バッテリ11から供給される電力によって回転駆動力(力行動作)を発生させる。第2モータ13は、回転軸に入力される回転駆動力によって発電電力を発生させる。ここで、第2モータ13には、内燃機関の回転動力が伝達可能に構成されている。例えば、第1モータ12及び第2モータ13の各々は、3相交流のブラシレスDCモータである。3相は、U相、V相、及びW相である。第1モータ12及び第2モータ13の各々は、インナーロータ型である。第1モータ12及び第2モータ13は、界磁用の永久磁石を有する回転子と、回転子を回転させる回転磁界を発生させるための3相のステータ巻線を有する固定子とをそれぞれ備えている。第1モータ12の3相のステータ巻線は、電力変換装置1の第1の3相コネクタ1bに接続されている。第2モータ13の3相のステータ巻線は、電力変換装置1の第2の3相コネクタ1cに接続されている。
図4に示すに示す車両100に適用された電力変換装置1には、パワーモジュール121と、リアクトル122と、コンデンサユニット123と、抵抗器124と、第1電流センサ125と、第2電流センサ126と、第3電流センサ27と、電子制御ユニット28(MOT GEN ECU)と、ゲートドライブユニット29(G/D VCU ECU)とが備えてられている。
パワーモジュール121は、第1電力変換回路部131と、第2電力変換回路部132と、第3電力変換回路部133とを備えている。
第1電力変換回路部131の出力側導電体51は、まとめられて、第1の3相コネクタ1bに接続されている。すなわち、第1電力変換回路部31の出力側導電体51は、第1の3相コネクタ1bを介して第1モータ12の3相のステータ巻線に接続されている。
第1電力変換回路部131の正極側導電体PIは、まとめられて、バッテリ11の正極端子PBに接続されている。
第1電力変換回路部131の負極側導電体NIは、まとめられて、バッテリ11の負極端子NBに接続されている。
つまり、第1電力変換回路部131は、バッテリ11から第3電力変換回路部133を介して入力される直流電力を3相交流電力に変換する。
第2電力変換回路部132の出力側導電体52は、まとめられて、第2の3相コネクタ1cに接続されている。すなわち、第2電力変換回路部132の出力側導電体52は、第2の3相コネクタ1cを介して第2モータ13の3相のステータ巻線に接続されている。
第2電力変換回路部132の正極側導電体PIは、まとめられて、バッテリ11の正極端子PBと、第1電力変換回路部131の正極側導電体PIとに接続されている。
第2電力変換回路部132の負極側導電体NIは、まとめられて、バッテリ11の負極端子NBと、第1電力変換回路部131の負極側導電体NIとに接続されている。
第2電力変換回路部132は、第2モータ13から入力される3相交流電力を直流電力に変換する。第2電力変換回路部132によって変換された直流電力は、バッテリ11及び第1電力変換回路部131の少なくとも一方に供給することが可能である。
第1電力変換回路部131のU相スイッチング素子UH、V相スイッチング素子VH、W相スイッチング素子WH、および、第2電力変換回路部132のU相スイッチング素子UH、V相スイッチング素子VH、W相スイッチング素子WHが、正極バスバーPIに接続されている。正極バスバーPIは、コンデンサユニット123の正極バスバー50pに接続されている。
第1電力変換回路部131のU相スイッチング素子UL、V相スイッチング素子VL、W相スイッチング素子WL、および、第2電力変換回路部132のU相スイッチング素子UL、V相スイッチング素子VL、W相スイッチング素子WLが、負極バスバーNIに接続されている。負極バスバーNIは、コンデンサユニット123の負極バスバー50nに接続されている。
第1電力変換回路部131の出力側導電体(第1バスバー)51が、第1入出力端子Q1に接続されている。第1入出力端子Q1は、第1の3相コネクタ1bに接続されている。第1電力変換回路部131の各相の接続点TIは、出力側導電体(第1バスバー)51、第1入出力端子Q1、及び第1の3相コネクタ1bを介して第1モータ12の各相のステータ巻線に接続されている。
第2電力変換回路部132の出力側導電体(第2バスバー)52は、第2入出力端子Q2に接続されている。第2入出力端子Q2は、第2の3相コネクタ1cに接続されている。第2電力変換回路部132の各相の接続点TIは、出力側導電体(第2バスバー)52、第2入出力端子Q2、及び第2の3相コネクタ1cを介して第2モータ13の各相のステータ巻線に接続されている。
第1電力変換回路部131のU相スイッチング素子UH、ULと、V相スイッチング素子VH、VLと、W相スイッチング素子WH、WLとが、フライホイールダイオードを備えている。
同様に、第2電力変換回路部132のU相スイッチング素子UH、ULと、V相スイッチング素子VH、VLと、W相スイッチング素子WH、WLとが、フライホイールダイオードを備えている。
ゲートドライブユニット29が、第1電力変換回路部131のU相スイッチング素子UH、ULと、V相スイッチング素子VH、VLと、W相スイッチング素子WH、WLとにゲート信号を入力する。同様に、ゲートドライブユニット29は、第2電力変換回路部32のU相スイッチング素子UH、ULと、V相スイッチング素子VH、VLと、W相スイッチング素子WH、WLとにゲート信号を入力する。
第1電力変換回路部131は、バッテリ11から第3電力変換回路部133を介して入力される直流電力を3相交流電力に変換し、第1モータ12の3相のステータ巻線に交流のU相電流、V相電流、及びW相電流を供給する。第2電力変換回路部132は、第2モータ13の回転に同期がとられた第2電力変換回路部132のU相スイッチング素子UH、ULと、V相スイッチング素子VH、VLと、W相スイッチング素子WH、WLとのオン(導通)/オフ(遮断)駆動によって、第2モータ13の3相のステータ巻線から出力される3相交流電力を直流電力に変換する。
第3電力変換回路部133は、電圧コントロールユニット(VCU)である。第3電力変換回路部133は、1相分のスイッチング素子S1、S2を備えている。
スイッチング素子S1の正極側の電極は、正極バスバーPVに接続されている。正極バスバーPVは、コンデンサユニット123の正極バスバー50pに接続されている。スイッチング素子S2の負極側の電極は、負極バスバーNVに接続されている。負極バスバーNVは、コンデンサユニット123の負極バスバー50nに接続されている。コンデンサユニット123の負極バスバー50nは、バッテリ11の負極端子NBに接続されている。スイッチング素子S1の負極側の電極は、スイッチング素子S2の正極側の電極に接続されている。スイッチング素子S1と、スイッチング素子S2とは、フライホイールダイオードを備えている。
第3電力変換回路部133のスイッチング素子S1とスイッチング素子S2との接続点を構成する第3バスバー53は、リアクトル122の一端に接続されている。リアクトル122の他端は、バッテリ11の正極端子PBに接続されている。リアクトル122は、コイルと、コイルの温度を検出する温度センサとを備えている。温度センサは、信号線によって電子制御ユニット28に接続されている。
第3電力変換回路部133は、ゲートドライブユニット29からスイッチング素子S1のゲート電極とスイッチング素子S2のゲート電極とに入力されるゲート信号に基づき、スイッチング素子S1とスイッチング素子S2とのオン(導通)/オフ(遮断)を切り替える。
第3電力変換回路部133は、昇圧時において、スイッチング素子S2がオン(導通)及びスイッチング素子S1がオフ(遮断)に設定される第1状態と、スイッチング素子S2がオフ(遮断)及びスイッチング素子S1がオン(導通)に設定される第2状態とを交互に切り替える。第1状態では、順次、バッテリ11の正極端子PB、リアクトル122、スイッチング素子S2、バッテリ11の負極端子NBへと電流が流れ、リアクトル122が直流励磁されて磁気エネルギーが蓄積される。第2状態では、リアクトル122に流れる電流が遮断されることに起因する磁束の変化を妨げるようにしてリアクトル122の両端間に起電圧(誘導電圧)が発生する。リアクトル122に蓄積された磁気エネルギーによる誘導電圧はバッテリ電圧に重畳されて、バッテリ11の端子間電圧よりも高い昇圧電圧が第3電力変換回路部133の正極バスバーPVと負極バスバーNVとの間に印加される。
第3電力変換回路部133は、回生時において、第2状態と、第1状態とを交互に切り替える。第2状態では、順次、第3電力変換回路部133の正極バスバーPV、スイッチング素子S1、リアクトル122、バッテリ11の正極端子PBへと電流が流れ、リアクトル122が直流励磁されて磁気エネルギーが蓄積される。第1状態では、リアクトル122に流れる電流が遮断されることに起因する磁束の変化を妨げるようにしてリアクトル122の両端間に起電圧(誘導電圧)が発生する。リアクトル122に蓄積された磁気エネルギーによる誘導電圧は降圧されて、第3電力変換回路部133の正極バスバーPV及び負極バスバーNV間の電圧よりも低い降圧電圧がバッテリ11の正極端子PBと負極端子NBとの間に印加される。
コンデンサユニット123は、第1平滑コンデンサ141と、第2平滑コンデンサ142と、ノイズフィルタ143とを備えている。
第1平滑コンデンサ141は、バッテリ11の正極端子PBと負極端子NBとの間に接続されている。第1平滑コンデンサ141は、第3電力変換回路部133の回生時におけるスイッチング素子S1及びスイッチング素子S2のオン/オフの切換動作に伴って発生する電圧変動を平滑化する。
第2平滑コンデンサ142は、第1電力変換回路部131及び第2電力変換回路部132の各々の正極バスバーPI及び負極バスバーNI間、並びに第3電力変換回路部133の正極バスバーPV及び負極バスバーNV間に接続されている。第2平滑コンデンサ142は、正極バスバー50p及び負極バスバー50nを介して、複数の正極バスバーPI及び負極バスバーNI、並びに正極バスバーPV及び負極バスバーNVに接続されている。第2平滑コンデンサ142は、第1電力変換回路部131及び第2電力変換回路部132のU相スイッチング素子UH、UL、V相スイッチング素子VH、VL、W相スイッチング素子WH、WLのオン/オフの切換動作に伴って発生する電圧変動を平滑化する。第2平滑コンデンサ142は、第3電力変換回路部133の昇圧時におけるスイッチング素子S1及びスイッチング素子S2のオン/オフの切換動作に伴って発生する電圧変動を平滑化する。
ノイズフィルタ143は、第1電力変換回路部131及び第2電力変換回路部132の各々の正極バスバーPI及び負極バスバーNI間、並びに第3電力変換回路部133の正極バスバーPV及び負極バスバーNV間に接続されている。ノイズフィルタ143は、直列に接続される2つのコンデンサを備えている。2つのコンデンサの接続点は、車両100のボディグラウンド等に接続されている。
抵抗器124は、第1電力変換回路部131及び第2電力変換回路部132の各々の正極バスバーPI及び負極バスバーNI間、並びに第3電力変換回路部133の正極バスバーPV及び負極バスバーNV間に接続されている。
第1電流センサ125は、第1電力変換回路部131の各相の接続点TIを成し、第1入出力端子Q1と接続される出力側導電体(第1バスバー)51に配置され、U相、V相、及びW相の各々の電流を検出する。第2電流センサ126は、第2電力変換回路部132の各相の接続点TIを成すとともに第2入出力端子Q2と接続される出力側導電体(第2バスバー)52に配置され、U相、V相、及びW相の各々の電流を検出する。第3電流センサ27は、第1トランジスタS1及び第2トランジスタS2の接続点を成すとともにリアクトル122と接続される第3バスバー53に配置され、リアクトル122に流れる電流を検出する。
第1電流センサ125、第2電流センサ126、及び第3電流センサ27の各々は、信号線によって電子制御ユニット28に接続されている。
電子制御ユニット28は、第1モータ12及び第2モータ13の各々の動作を制御する。例えば、電子制御ユニット28は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能するソフトウェア機能部である。ソフトウェア機能部は、CPU等のプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、及びタイマー等の電子回路を備えるECU(Electronic Control Unit)である。なお、電子制御ユニット28の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路であってもよい。例えば、電子制御ユニット28は、第1電流センサ125の電流検出値と第1モータ12に対するトルク指令値に応じた電流目標値とを用いる電流のフィードバック制御等を実行し、ゲートドライブユニット29に入力する制御信号を生成する。例えば、電子制御ユニット28は、第2電流センサ126の電流検出値と第2モータ13に対する回生指令値に応じた電流目標値とを用いる電流のフィードバック制御等を実行し、ゲートドライブユニット29に入力する制御信号を生成する。制御信号は、第1電力変換回路部131及び第2電力変換回路部132のU相スイッチング素子UH、UL、V相スイッチング素子VH、VL、W相スイッチング素子WH、WLをオン(導通)/オフ(遮断)駆動するタイミングを示す信号である。例えば、制御信号は、パルス幅変調された信号等である。
ゲートドライブユニット29は、電子制御ユニット28から受け取る制御信号に基づいて、第1電力変換回路部131及び第2電力変換回路部132のU相スイッチング素子UH、UL、V相スイッチング素子VH、VL、W相スイッチング素子WH、WLを実際にオン(導通)/オフ(遮断)駆動するためのゲート信号を生成する。例えば、ゲートドライブユニット29は、制御信号の増幅及びレベルシフト等を実行して、ゲート信号を生成する。
ゲートドライブユニット29は、第3電力変換回路部133のスイッチング素子S1及びスイッチング素子S2の各々をオン(導通)/オフ(遮断)駆動するためのゲート信号を生成する。例えば、ゲートドライブユニット29は、第3電力変換回路部133の昇圧時における昇圧電圧指令又は第3電力変換回路部133の回生時における降圧電圧指令に応じたデューティー比のゲート信号を生成する。デューティー比は、スイッチング素子S1及びスイッチング素子S2の比率である。
図1および図2に示す電力変換装置1は、図4に示すように車両100に適用してもよいし、例えば、エレベータ、ポンプ、ファン、鉄道車両、空気調和機、冷蔵庫、洗濯機などの車両100以外のものに対して適用してもよい。
1、10…電力変換装置、1a…直流コネクタ、1b…第1の3相コネクタ、1c…第2の3相コネクタ、2…ヒートシンク、3…流路形成部材、4、140…筐体、5…第1シール部材、6…第2シール部材、7…電力変換回路、8…締結部材、9…回転電機筐体、11…バッテリ11(BATT)、12…第1モータ(MOT)と、13…第2モータ(GEN)、21…板状部材、22…フィン、23…下面、24…上面、25…外縁部、26、120…鍔部、27…第3電流センサ、28…電子制御ユニット(MOT GEN ECU)、29…ゲートドライブユニット(G/D VCU ECU)、31…冷媒収容部、31a…側面、31b…底面、31c、31d…冷媒流路、31e…注入口、31f…排出口、32…端面、32a…第1溝、33…取付穴、41…回路収納部、42…枠部材、43…カバー部材、44…シール部材、45…端面、45a…外縁、45b…貫通孔、46…外側面部、47…凹部、47a…第2溝、48…側面、49…開口縁部、51…出力側導電体、52…出力側導電体、71…コネクタ、100…車両、121…パワーモジュール、122…リアクトル、123…コンデンサユニット、124…抵抗器、125…第1電流センサ、126…第2電流センサ、131…第1電力変換回路部、132…第2電力変換回路部、133…第3電力変換回路部、141…第1平滑コンデンサ、142…第2平滑コンデンサ、143…ノイズフィルタ、150…内側シール部材、160…外側シール部材、170…排出口、TRC…駆動用モータ、GEN…発電用モータ。

Claims (8)

  1. 複数のフィンを有するヒートシンクと、
    前記フィンが収納されることにより冷媒流路が画定される凹状の冷媒収容部を有する流路形成部材と、
    前記流路形成部材の端面と前記ヒートシンクとの間に配置された第1シール部材と、
    前記ヒートシンクの前記流路形成部材と反対側の面に搭載された電力変換回路と、
    前記電力変換回路が収納され、前記ヒートシンクと向かい合う面に開口する回路収納部を有する筐体と、
    前記筐体の端面と前記ヒートシンクとの間に配置された第2シール部材とを有することを特徴とする電力変換装置。
  2. 絶縁材料で保護された端子部を有するコネクタが、前記回路収納部の外に設けられ、
    前記電力変換回路は、前記コネクタによって前記回路収納部の外部と電気的に接続されている請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記流路形成部材の端面には、前記冷媒収容部を囲む環状の第1溝が設けられ、
    前記第1シール部材が、断面の直径が前記第1溝の深さ寸法よりも大きい第1Oリングが、前記第1溝内に収納されたものである請求項1または請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記筐体の端面には、前記回路収納部の開口縁部を囲む環状の第2溝が設けられ、
    前記第2シール部材が、断面の直径が前記第2溝の深さ寸法よりも大きい第2Oリングが、前記第2溝内に収納されたものであり、
    前記第1溝と前記第2溝とが前記ヒートシンクを介して対向配置され、
    前記第1溝と前記第2溝の断面形状が同じである請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記流路形成部材と前記筐体とが、締結部材によって一体化されている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  6. 前記締結部材が、平面視で前記第2シール部材よりも外側の位置に配置されている請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 前記流路形成部材は、回転電機の収納される回転電機筐体の外面の一部を兼ねる請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  8. 前記筐体の端面が、外縁に沿って形成された外側面部と、前記回路収納部の開口縁部を囲む凹部とを有し、
    前記流路形成部材の端面と、前記凹部の前記流路形成部材の端面との対向面および側面とに囲まれた空間内に、前記ヒートシンクの外縁部が収納されている請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の電力変換装置。
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