JP2021042815A - Power transmission device - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、動力伝達装置に関する。 The present invention relates to a power transmission device.
特許文献1には、内燃機関本体の下部に貯留されたオイルに一部が油没した第1スプロケットと、第2スプロケットと、第1及び第2スプロケットに掛け渡されたチェーンと、チェーンと摺接するチェーンガイドと、を備える内燃機関の動力伝達機構が開示されている。
この動力伝達機構のチェーンガイドは、チェーンの外周面に摺接するガイド部と、ガイド部からチェーンの内周方向に向かって延びる延出部と、延出部に形成されて第2スプロケットと対向するオイル落とし部と、を有する。 The chain guide of this power transmission mechanism has a guide portion that is in sliding contact with the outer peripheral surface of the chain, an extension portion that extends from the guide portion toward the inner peripheral direction of the chain, and an extension portion that faces the second sprocket. It has an oil drop part.
しかしながら、特許文献1のオイル落とし部ではチェーンの内周からのオイルの飛散を抑制することはできるがチェーンの外周ではオイルが飛散する。その結果、オイルが動力伝達機構内に飛散し、貯留されたオイルの油面の高さが変化するおそれがあった。
However, although the oil dropping portion of
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、動力伝達装置におけるオイルバスの油面の高さの変化を抑制することを目的とする。 The present invention has been made in view of such technical problems, and an object of the present invention is to suppress a change in the oil level of an oil bath in a power transmission device.
本発明のある態様によれば、動力伝達装置であって、潤滑油が溜められるオイルバスを形成するケースと、前記オイルバス内の潤滑油に少なくとも一部が浸される第1スプロケットと、前記第1スプロケットとの間に巻き掛けられるチェーンによって前記第1スプロケットとの間で動力が伝達される第2スプロケットと、を有する動力伝達機構と、前記チェーンの外周面と摺接するチェーンガイドと、を備え、前記チェーンガイドは、前記チェーンの進行方向に向かって前記チェーンの外周側から徐々に前記チェーンの外周面に近接するように傾斜する第1の油落とし面を有する、ことを特徴とする動力伝達装置が提供される。 According to an aspect of the present invention, the power transmission device includes a case of forming an oil bath in which lubricating oil is stored, a first sprocket in which at least a part of the lubricating oil is immersed in the lubricating oil in the oil bath, and the above. A power transmission mechanism having a second sprocket in which power is transmitted to and from the first sprocket by a chain wound around the first sprocket, and a chain guide that is in sliding contact with the outer peripheral surface of the chain. The power of the chain guide is characterized by having a first oil dropping surface that gradually inclines from the outer peripheral side of the chain toward the outer peripheral surface of the chain toward the traveling direction of the chain. A transmission device is provided.
上記態様では、チェーンの外周から飛散する潤滑油を、第1の油落とし面によって捕集する。第1の面は、チェーンの進行方向に向かってチェーンの外周側から傾斜しているため、捕集した潤滑油を第1の油落とし面に沿って移動させてオイルバスに戻すことができる。その結果、チェーンの外周からの潤滑油の飛散を充分に抑制するとともに、オイルバスの油面の変化を抑制することができる。 In the above aspect, the lubricating oil scattered from the outer periphery of the chain is collected by the first oil drop surface. Since the first surface is inclined from the outer peripheral side of the chain toward the traveling direction of the chain, the collected lubricating oil can be moved along the first oil dropping surface and returned to the oil bath. As a result, it is possible to sufficiently suppress the scattering of the lubricating oil from the outer periphery of the chain and suppress the change in the oil level of the oil bath.
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
以下、図1から図3を参照して、本発明の実施形態に係る動力伝達装置30、及び動力伝達装置30が適用されるハイブリッド車両(以下、単に「車両」と称する。)100について説明する。
Hereinafter, with reference to FIGS. 1 to 3, the
まず、図1を参照して、車両100の全体構成について説明する。図1は、動力伝達装置30が適用される車両100の概略構成図である。
First, the overall configuration of the
車両100は、低電圧バッテリ1と、高電圧バッテリ2と、エンジン3と、モータジェネレータ4(以下、「MG4」という。)と、エンジン3の始動に用いられるスタータモータ5(以下、「SM5」という。)と、発電とエンジン3のアシスト及び始動とに用いられるスタータジェネレータ6(以下、「SG6」という。)と、DC−DCコンバータ7と、インバータ8と、油圧発生源としてのメカオイルポンプ9及び電動オイルポンプ10と、変速機を構成するトルクコンバータ11、前後進切替機構12、及び無段変速機構13(以下、「CVT13」という。)と、ディファレンシャル機構14と、駆動輪18と、コントローラ20と、を備える。
The
低電圧バッテリ1は、出力電圧がDC12Vの鉛酸バッテリである。低電圧バッテリ1は、SM5、12Vで動作する電装品15(自動運転用カメラ15a及びセンサ15b、ナビゲーションシステム15c、オーディオ15d、エアコン用ブロワ15e等)とともに低電圧回路16に接続される。低電圧バッテリ1は出力電圧が12Vのリチウムイオンバッテリであってもよい。
The
高電圧バッテリ2は、低電圧バッテリ1よりも出力電圧が高いDC48Vのリチウムイオンバッテリである。高電圧バッテリ2の出力電圧はこれよりも低くても高くてもよく、例えば30Vや100Vであってもよい。高電圧バッテリ2は、MG4、SG6、インバータ8、電動オイルポンプ10等とともに高電圧回路17に接続される。
The high-voltage battery 2 is a DC48V lithium-ion battery having a higher output voltage than the low-
低電圧回路16と高電圧回路17とは、DC−DCコンバータ7を介して接続される。DC−DCコンバータ7は、低電圧回路16の12Vを48Vに昇圧して高電圧回路17に48Vを出力する昇圧機能と、高電圧回路17の48Vを12Vに降圧して低電圧回路16に12Vを出力する降圧機能と、を有している。これにより、DC−DCコンバータ7は、エンジン3が運転中か停止中かに関わらず、低電圧回路16に12Vの電圧を出力することができる。また、高電圧バッテリ2の残容量が少なくなった場合は、低電圧回路16の12Vを48Vに昇圧して高電圧回路17に出力し、高電圧バッテリ2を充電することができる。
The low-
エンジン3は、ガソリン、軽油等を燃料とする内燃機関であり、コントローラ20からの指令に基づいて回転速度、トルク等が制御される。
The
トルクコンバータ11は、エンジン3と前後進切替機構12との間の動力伝達経路上に設けられ、流体を介して動力を伝達する。また、トルクコンバータ11は、車両100が所定のロックアップ車速以上で走行している場合にロックアップクラッチ11aを締結することで、エンジン3からの駆動力の動力伝達効率を高めることができる。
The
前後進切替機構12は、トルクコンバータ11とCVT13との間の動力伝達経路上に設けられ、遊星歯車機構12aと、前進クラッチ12bと、後退ブレーキ12cと、によって構成される。前進クラッチ12bが締結され後退ブレーキ12cが解放されると、トルクコンバータ11を介して前後進切替機構12に入力されるエンジン3の回転が、回転方向を維持したまま前後進切替機構12からCVT13に出力される。逆に、前進クラッチ12bが解放され後退ブレーキ12cが締結されると、トルクコンバータ11を介して前後進切替機構12に入力されるエンジン3の回転が、減速かつ回転方向を反転されて前後進切替機構12からCVT13に出力される。前後進切替機構12で必要とされる油圧は、メカオイルポンプ9又は電動オイルポンプ10が発生した油圧を元圧として図示しない油圧回路によって生成される。
The forward / backward
CVT13は、前後進切替機構12とディファレンシャル機構14との間の動力伝達経路上に配置され、車速やアクセルペダルの操作量であるアクセル開度等に応じて変速比を無段階に変更する。CVT13は、プライマリプーリ13aと、セカンダリプーリ13bと、両プーリに巻き掛けられたベルト13cと、を備える。CVT13は、プライマリプーリ13aとセカンダリプーリ13bの溝幅を油圧によって変更し、プーリ13a,13bとベルト13cとの接触半径を変化させることで、変速比を無段階に変更することができる。CVT13で必要とされる油圧は、メカオイルポンプ9又は電動オイルポンプ10が発生した油圧を元圧として図示しない油圧回路によって生成される。
The
MG4は、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型回転電機である。MG4は、プライマリプーリ13aの軸に設けられた第1スプロケットとしてのスプロケット31とMG4の軸に設けられた第2スプロケットとしてのスプロケット32との間に巻きつけられるチェーン21を介してプライマリプーリ13aの軸に接続される。
The MG4 is a synchronous rotary electric machine in which a permanent magnet is embedded in a rotor and a stator coil is wound around a stator. The MG4 is of the
MG4は、エンジン3と駆動輪18とを結ぶ動力伝達経路にセカンダリプーリ13bよりもエンジン3側で分岐接続される。また、MG4は、当該動力伝達経路のエンジン3及びプライマリプーリ13a間に設けられたクラッチを含む前後進切替機構12よりも駆動輪18側で当該動力伝達経路に分岐接続される。ベルト13cを間に挟んでエンジン3とは反対側からプライマリプーリ13aの軸に接続されることは、当該動力伝達経路に分岐接続されることに含まれる。
The MG 4 is branched and connected to the power transmission path connecting the
MG4は、コントローラ20からの指令に基づいてインバータ8により作り出された三相交流を印加することにより制御される。MG4は、高電圧バッテリ2からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作する。また、MG4は、ロータがエンジン3や駆動輪18から回転エネルギーを受ける場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、高電圧バッテリ2を充電することができる。
The MG 4 is controlled by applying a three-phase alternating current generated by the
MG4の軸に設けられたスプロケット32とプライマリプーリ13aの軸に設けられたスプロケット31とは、後者の歯数が多くなるように構成され(例えば、歯数=1:3)、MG3の出力回転が減速してプライマリプーリ13aに伝達されるようにする。これにより、MG4に要求されるトルクを下げてMG4を小型化し、MG4の配置自由度を向上させる。
The
SM5は、直流モータであり、エンジン3のフライホイール3aの外周ギヤ3bにピニオンギヤ5aを噛み合わせ可能に配置される。エンジン3を冷機状態から初めて始動(以下、「初回始動」という。)する場合は、低電圧バッテリ1からSM5に電力が供給され、ピニオンギヤ5aが外周ギヤ3bに噛み合わされ、フライホイール3a、更にはクランク軸が回転される。エンジン3を初回始動するときにSM5を用いるのは、低電圧バッテリ1が鉛酸バッテリであるので、極低温時であっても低電圧バッテリ1からSM5に電力を安定して供給することができ、エンジン3を初回始動するのに必要なトルク、出力をSM5によって発生できるからである。
The SM5 is a DC motor, and is arranged so that the
なお、エンジン3を始動するのに必要なトルク、出力は、初回始動時が一番大きく、暖機状態からの始動、すなわち、再始動時は初回始動時よりも小さくなる。これは、初回始動時はエンジンオイルの温度が低く、エンジンオイルの粘度が高いのに対し、初回起動後はエンジンオイルの温度が上昇し、エンジンオイルの粘度が低下するためである。
The torque and output required to start the
SG6は、同期型回転電機であり、Vベルト22を介してエンジン3のクランク軸に接続され、エンジン3から回転エネルギーを受ける場合には発電機として機能する。このようにして発電された電力は、インバータ8を通じて高電圧バッテリ2に充電される。また、SG6は、高電圧バッテリ2からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作し、エンジン3の駆動力をアシストする。更に、SG6は、アイドリングストップ状態からエンジン3を再始動するときに、エンジン3のクランク軸を回転駆動してエンジン3を再始動するために用いられる。
The SG6 is a synchronous rotary electric machine, which is connected to the crankshaft of the
メカオイルポンプ9は、エンジン3の回転がチェーン23を介して伝達されることによって動作するオイルポンプである。メカオイルポンプ9は、図示しないオイルパンに貯留される作動油を吸い上げ、図示しない油圧回路を介してロックアップクラッチ11a、前後進切替機構12、及びCVT13に油を供給する。
The
電動オイルポンプ10は、高電圧バッテリ2から供給される電力によって動作するオイルポンプである。電動オイルポンプ10は、EVモード、アイドリングストップ状態等、エンジン3が停止しておりエンジン3でメカオイルポンプ9を駆動できない場合に動作する。電動オイルポンプ10は、メカオイルポンプ9と同様に、オイルパンに貯留される作動油を吸い上げ、図示しない油圧回路を介してロックアップクラッチ11a、前後進切替機構12、及びCVT13に油を供給する。特に、CVT13で必要な油圧を確保することで、ベルト13cの滑りを抑制する。
The
コントローラ20は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えた単一又は複数のマイクロコンピュータで構成される。コントローラ20は、制御部に対応し、ROM又はRAMに格納されたプログラムをCPUによって実行することで、エンジン3、インバータ8(MG4、SG6、電動オイルポンプ10)、DC−DCコンバータ7、SM5、ロックアップクラッチ11a、前後進切替機構12、CVT13等を統合的に制御する。
The
コントローラ20は、車両100の運転モードとして、高電圧バッテリ2から供給される電力によってMG4を駆動し、MG4のみの駆動力によって走行するEVモードと、エンジン3のみの駆動力によって走行するエンジン走行モードと、エンジン3の駆動力とMG4の駆動力によって走行するHEVモードと、を切り換える。
As the operation mode of the
EVモードでは、車両100は、前進クラッチ12b及び後退ブレーキ12cを解放した状態で、高電圧バッテリ2からの電力によってMG4のみを駆動して走行する(以下、この状態を「EV走行」という。)。EVモードは、車両100の要求出力が低いときであって、高電圧バッテリ2の残容量が充分にあるときに選択される。
In the EV mode, the
エンジン走行モードでは、車両100は、前進クラッチ12b及び後退ブレーキ12cのいずれかを締結した状態で、エンジン3のみを駆動して走行する。エンジン走行モードは、車両100の要求出力が比較的高いときに選択される。
In the engine running mode, the
HEVモードでは、車両100は、前進クラッチ12b及び後退ブレーキ12cのいずれかを締結した状態で、エンジン3とMG4とを駆動して走行する。HEVモードは、車両100の要求出力が高いとき、具体的には、車両100の要求出力がエンジン3による出力のみでは補えないときに選択される。
In the HEV mode, the
コントローラ20は、アクセル開度とブレーキペダルの踏力と車速とに基づき、図示しない走行モード選択マップを参酌して走行モードを選択し、選択された走行モードが実現されるようエンジン3及びMG4の駆動を制御する。
The
次に、図2及び図3を参照して、動力伝達装置30について説明する。
Next, the
図2は、動力伝達装置30の外観を示す図である。図2の上下方向は、鉛直方向に対応し、左右方向は、車両100の前後方向(左方向が前方向)に対応し、紙面垂直方向は、車両100の左右方向(紙面奥行き方向が右方向)に対応する。図3は、動力伝達装置30におけるチェーンガイド50の延出部53近傍の拡大斜視図である。
FIG. 2 is a diagram showing the appearance of the
動力伝達装置30は、チェーン21と、スプロケット31と、スプロケット32と、ケース40と、チェーンガイド50と、を有する。チェーン21と、スプロケット31と、スプロケット32と、は、動力伝達機構30aを構成する。
The
チェーン21は、スプロケット31及びスプロケット32に巻き掛けられる。チェーン21は、スプロケット31とスプロケット32との間で動力を伝達する。チェーン21は、正転方向及び逆転方向に駆動される。チェーン21は、車両100が前進する場合には、正転方向(図2では反時計回り方向)に駆動される。一方、チェーン21は、車両100が後退する場合には、逆転方向(図2では時計回り方向)に駆動される。
The
スプロケット31は、プライマリプーリ13a(図1参照)の軸に設けられ、スプロケット32は、MG4(図1参照)の軸に設けられる。MG4が電動機として動作する場合には、スプロケット32は駆動側スプロケットを構成し、スプロケット31は従動側スプロケットを構成する。MG4が発電機として機能する場合には、スプロケット31は駆動側スプロケットを構成し、スプロケット32は従動側スプロケットを構成する。つまり、スプロケット31及びスプロケット32の一方が駆動側スプロケットを構成する場合に、他方が従動側スプロケットを構成する。
The
回転方向が正転方向の場合、チェーン21及びスプロケット32は、第1噛合い開始部P1で噛み合いを開始する。回転方向が逆転方向の場合、チェーン21及びスプロケット32は、第2噛合い開始部P2で噛み合いを開始する。正転時の第1噛合い開始部P1は、逆転時の第2噛合い開始部P2よりも上方に位置する。
When the rotation direction is the forward rotation direction, the
回転方向が正転方向の場合、チェーン21及びスプロケット31は、第3噛合い開始部P3で噛み合いを開始し、第4噛合い開始部P4で噛み合いを終了する。回転方向が逆転方向の場合、チェーン21及びスプロケット31は、第4噛合い開始部P4で噛み合いを開始し、第3噛合い開始部P3で噛み合いを終了する。
When the rotation direction is the forward rotation direction, the
ケース40は、動力伝達装置30のケース部材である。ケース40は、潤滑油が溜められるオイルバス41を形成する。ケース40は、供給孔としての油供給穴42と、排出孔としての油排出穴43と、を有する。
The
油供給穴42は、メカオイルポンプ9若しくは電動オイルポンプ10からの潤滑油を、チェーン21及びスプロケット32に供給する。油供給穴42は、第1噛合い開始部P1及び第2噛合い開始部P2のうち上方に形成される噛合い開始部である第1噛合い開始部P1に油を供給する。油供給穴42は、ケース40のうちチェーン21の内側の部分に開口するように設けられる。
The
油排出穴43は、ケース40の壁面40aに形成される。油排出穴43は、オイルバス41における潤滑油の油面高さが設定高さを超えると潤滑油を外部に排出する。具体的には、油面Oの高さが油排出穴43にかかると潤滑油が外部(例えば、オイルパン)に排出される。即ち、油面Oの高さは、油排出穴43の下端と同じ高さを維持するようになっている。
The
チェーンガイド50は、ケース40内に設けられる。チェーンガイド50は、ガイド部51と、延出部53、54と、を有する。チェーンガイド50は、スプロケット31、32の間であってチェーン21の外周面と摺接する位置に設けられる。図2では、チェーンガイド50は、スプロケット31、32間に掛かるチェーン21のうち上側のチェーン21の外周面と摺接する位置に設けられる。
The
ガイド部51は、チェーン21の外周面と摺接することで、動力伝達機構30a駆動時のチェーン21の振動を抑制しつつ、チェーン21を回転方向へ導く。また、ガイド部51は、チェーン21の外周面と摺接することで、チェーン21を付勢し、チェーン21の緩みを抑制する。ガイド部51は、スプロケット31側の端部に、第1の油落とし面としての油落とし面52を有する。
The
図3に示すように、油落とし面52は、面部52aと、摺接部52bと、連続部52c、52dと、を有する。面部52aは、チェーン21が正転回転するときの進行方向に向かって、チェーン21の外周側から徐々にチェーン21の外周面に近接するように傾斜する面である。面部52aの幅は、チェーン21の幅よりも広い幅となるように設けられる。本実施形態では、面部52aの幅は、ケース40の内部空間いっぱいに亘る幅となっている。すなわち、面部52aは、ケース40の内部空間の側面と接している。
As shown in FIG. 3, the
面部52aは、チェーン21の外周側に配置されることで、チェーン21の外周から飛散する潤滑油を捕集することができる。特に、チェーン21の正転回転時にチェーン21とスプロケット31の噛み合いが終了する第4噛合い開始部P4近傍から飛散する潤滑油を捕集することができる。
By arranging the
また、面部52aは、幅がチェーン21の幅よりも広く、かつ、チェーン21が正転回転するときの進行方向に向かってチェーン21の外周側から徐々にチェーン21の外周面に近接するように傾斜することによって、捕集した潤滑油を面部52aに沿って移動させてオイルバス41に戻すことができる。また、面部52aは、ケース40の内部空間いっぱいの幅であるため、ケース40の側面を伝って流れる潤滑油も捕集して、オイルバス41に戻すことができる。
Further, the
つまり、面部52a(油落とし面52)は、チェーン21の外周から掻き上げられてチェーン21の外周側に飛散する潤滑油を捕集してオイルバス41に戻すことにより、オイルバス41の油面Oの高さの変化(低下)を抑制することができる。
That is, the
面部52aは、チェーン21が正転回転するときの進行方向に向かってチェーン21の外周側から徐々にチェーン21の外周面に近接するように傾斜していれば、その傾斜角度は適宜設定可能である。例えば、動力伝達装置30の構造や動力伝達機構30aの回転速度設定などに基づいて、動力伝達機構30aの回転速度に応じた潤滑油の飛散範囲や飛散角度を予測して、飛散する潤滑油を最大限捕集でき、かつ、オイルバス41に戻せる角度が面部52aの角度として設定される。
If the
図3に示すように、面部52aのチェーン21側の辺は、チェーン21と摺接する摺接部52bと、油落とし面53a、54aと連続する連続部52c、52dと、を有する。なお、連続部52c、52dは、本実施形態の説明にあたり仮想的に設けたものである。
As shown in FIG. 3, the side of the
摺接部52bは、チェーン21と摺接することで、動力伝達機構30aの駆動時のチェーン21の振動を抑制しつつ、チェーン21と油落とし面52との間を潤滑油が通過することを抑制することができる。
By sliding contact with the
ガイド部51のスプロケット31側には、チェーン21の外周方向からチェーン21の内周方向に向かって延出し、チェーン21を幅方向に覆う延出部53、54が設けられる。
On the
延出部53、54は、チェーン21の外周側からチェーン21の内周側に向かって延出する。延出部53、54は、油落とし面52から連続して形成される第2の油落とし面としての油落とし面53a、54aを有する。
The extending
油落とし面53a、54aは、油落とし面52の連続部52c、52dから連続する面である。油落とし面53a、54aは、スプロケット31の外周に沿うように屈曲する。また、油落とし面53a、54aは、チェーン21を挟むように設けられる。
The oil dropping surfaces 53a and 54a are surfaces continuous from the
油落とし面53a、54aは、チェーン21を挟むように設けられることで、チェーン21の側面及び内周やスプロケット31から飛散する潤滑油を捕集することができる。油落とし面53a、54aは、捕集した潤滑油をオイルバス41に案内し、オイルバス41に戻すことができる。油落とし面53a、54aは、スプロケット31の外周に沿うように屈曲することで、捕集した潤滑油をオイルバス41へ案内し、オイルバス41に戻す効率が向上する。
By providing the oil dropping surfaces 53a and 54a so as to sandwich the
また、油落とし面53a、54aは、油落とし面52から連続することで、油落とし面52で捕集した潤滑油をオイルバス41へ案内し、オイルバス41に戻すことができる。
Further, since the oil dropping surfaces 53a and 54a are continuous from the
つまり、油落とし面53a、54aは、飛散する潤滑油を捕集しオイルバス41に戻すことができるとともに、油落とし面52で捕集した潤滑油もオイルバス41に戻すことができる。その結果、オイルバス41の油面Oの高さの変化(低下)を抑制することができる。
That is, the oil dropping surfaces 53a and 54a can collect the scattered lubricating oil and return it to the
なお、延出部53、54は、チェーン21の側面と摺接する構成にしてもよい。当該構成によれば、動力伝達機構30a駆動時のチェーン21の振動を抑制しつつ、チェーン21と延出部53,54との間から潤滑油が通過することを抑制することができる。
The extending
ここで、油落とし面52、53a、54aを有するチェーンガイド50がない場合には、動力伝達機構30aの高速回転時に、チェーン21によってオイルバス41の潤滑油が掻き上げられることで、潤滑油は壁面40aに付着してゆく。これにより、オイルバス41の油面Oの高さが低下する。油面Oの高さが低下すると、油面Oの高さは油排出穴43の設定高さ未満となり、オイルバス41の潤滑油が油排出穴43から排出されなくなる。
Here, when there is no
その後、動力伝達機構30aの回転速度が高速回転から低速回転に変化すると、チェーン21による潤滑油の掻き上げ量が減少する。ここで、壁面40aに付着していた潤滑油がオイルバス41に戻ると、オイルバス41の潤滑油の総量が増えて油面Oの高さが上昇する場合がある。オイルバス41の潤滑油の量が増えると、相対的にオイルバス41に含むことができる空気の量が増える。結果、回転するチェーン21によってオイルバス41の潤滑油が攪拌されると、潤滑油の空気含有量が増える。潤滑油の空気含有量が増えてしまうと、メカオイルポンプ9や電動オイルポンプ10でのポンプ圧の低下や、プーリ13a(13b)圧の低下などが生じるおそれがある。
After that, when the rotation speed of the
これに対し、本実施形態は、油落とし面52、53a、54aを有するチェーンガイド50を有することで、チェーン21から飛散する潤滑油を捕集してオイルバス41に戻すことができる。これにより、オイルバス41の油面Oの高さの変化を抑制するとともに、飛散する潤滑油がケース内に付着することを抑制する。これにより、ケース40内の潤滑油の総量が増加することを抑制する。結果、油面Oの高さの上昇を抑制し、潤滑油の空気含有量の増加を抑制することができる。
On the other hand, in the present embodiment, by having the
以上の実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。 According to the above embodiment, the following effects are exhibited.
動力伝達装置30は、潤滑油が溜められるオイルバス41を形成するケース40と、オイルバス内の潤滑油に少なくとも一部が浸されるスプロケット31と、スプロケット31との間に巻き掛けられるチェーン21によってスプロケット31との間で動力が伝達されるスプロケット32と、を有する動力伝達機構30aと、チェーン21の外周面と摺接するチェーンガイド50と、を備え、チェーンガイド50は、正転回転時のチェーン21の進行方向に向かってチェーン21の外周側から徐々にチェーン21の外周面に近接するように傾斜する油落とし面52を有する。
The
この構成によれば、油落とし面52は、チェーン21の外周から飛散する潤滑油や、ケース40の側面を伝って流れる潤滑油を捕集して、面部52aに沿って移動させてオイルバス41に戻すことができる。したがって、チェーン21の外周から飛散した潤滑油をオイルバス41に戻すことで、結果としてチェーン21の外周からの潤滑油の飛散を充分に抑制するとともに、オイルバス41の油面Oの高さの変化を抑制することができる(請求項1に対応する効果)。
According to this configuration, the
また、この構成によれば、潤滑油がケース40内に付着することを抑制することにより、ケース40内の潤滑油の総量が増加することを抑制する。結果、油面Oの高さの上昇を抑制し、潤滑油の空気含有量の増加を抑制することができる(請求項1に対応する効果)。
Further, according to this configuration, by suppressing the lubricating oil from adhering to the inside of the
また、チェーンガイド50は、チェーン21の外周方向からチェーン21の内周方向に向かって延出する延出部53、54を有し、延出部53、54は、油落とし面52から連続して形成され潤滑油をオイルバス41に案内する油落とし面53a、54aを有する。
Further, the
この構成によれば、油落とし面53a、54aは、飛散する潤滑油を捕集しオイルバス41に戻すことができるとともに、油落とし面52で捕集した潤滑油もオイルバス41に戻すことができる。その結果、オイルバス41の油面Oの高さの変化を更に抑制することができる(請求項2に対応する効果)。
According to this configuration, the oil dropping surfaces 53a and 54a can collect the scattered lubricating oil and return it to the
また、油落とし面53a、54aは、スプロケット31の外周に沿うように屈曲する。
Further, the oil dropping surfaces 53a and 54a are bent along the outer circumference of the
この構成によれば、捕集した潤滑油をオイルバス41に案内し、オイルバス41に戻す効率が向上する。その結果、オイルバス41の油面Oの高さの変化を更に抑制することができる(請求項3に対応する効果)。
According to this configuration, the efficiency of guiding the collected lubricating oil to the
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。 Although the embodiments of the present invention have been described above, the above embodiments are only a part of the application examples of the present invention, and the technical scope of the present invention is limited to the specific configurations of the above embodiments. Absent.
例えば、図4に示すように、チェーンガイド50に加えて、チェーンガイド60を有する構成としてもよい。図4の上下方向は、鉛直方向に対応し、左右方向は、車両100の前後方向(左方向が前方向)に対応し、紙面垂直方向は、車両100の左右方向(紙面奥行き方向が右方向)に対応する。図4では、チェーンガイド60は、スプロケット31、32間に掛かるチェーン21のうち下側のチェーン21の外周面と摺接する位置に設けられる。ここで、チェーンガイド60の油落とし面62は、チェーン21が逆転回転するときの進行方向に向かってチェーン21の外周側から徐々にチェーン21の外周面に近接するように傾斜する構成である。油落とし面62以外のチェーンガイド60の構成は、チェーンガイド50と同様であるため、説明を割愛する。
For example, as shown in FIG. 4, a
この構成によれば、動力伝達機構30aが逆転方向に回転するときにチェーン21やスプロケット31から飛散する潤滑油を捕集し、オイルバス41に戻すことができる。
According to this configuration, the lubricating oil scattered from the
また、チェーンガイド50、60を有する構成では、チェーンガイド50の延出部53とチェーンガイド60の延出部63とを連結し、チェーンガイド50の延出部54とチェーンガイド60の延出部64とが連結した構成としてもよい。この構成によれば、潤滑油を捕集する面積が拡大し、飛散する潤滑油の捕集性能を向上させることができる。また、捕集した潤滑油をオイルバス41に戻す効率が向上する。
Further, in the configuration having the chain guides 50 and 60, the
100 車両
21 チェーン
30 動力伝達装置
31 スプロケット(第1スプロケット)
32 スプロケット(第2スプロケット)
40 ケース
50 チェーンガイド
52 油落とし面(第1の油落とし面)
100
32 sprocket (second sprocket)
40
Claims (3)
潤滑油が溜められるオイルバスを形成するケースと、
前記オイルバス内の潤滑油に少なくとも一部が浸される第1スプロケットと、前記第1スプロケットとの間に巻き掛けられるチェーンによって前記第1スプロケットとの間で動力が伝達される第2スプロケットと、を有する動力伝達機構と、
前記チェーンの外周面と摺接するチェーンガイドと、
を備え、
前記チェーンガイドは、前記チェーンの進行方向に向かって前記チェーンの外周側から徐々に前記チェーンの外周面に近接するように傾斜する第1の油落とし面を有する、
ことを特徴とする動力伝達装置。 It is a power transmission device
A case that forms an oil bath in which lubricating oil is stored, and
A first sprocket in which at least a part is immersed in the lubricating oil in the oil bath, and a second sprocket in which power is transmitted between the first sprocket by a chain wound between the first sprocket and the first sprocket. With a power transmission mechanism that has,
A chain guide that is in sliding contact with the outer peripheral surface of the chain,
With
The chain guide has a first oil dropping surface that gradually inclines from the outer peripheral side of the chain toward the outer peripheral surface of the chain in the traveling direction of the chain.
A power transmission device characterized by that.
前記チェーンガイドは、前記チェーンの外周側から前記チェーンの内周側に向かって延出する延出部を有し、
前記延出部は、第1の油落とし面から連続して形成され前記潤滑油を前記オイルバスに案内する第2の油落とし面を有する、
ことを特徴とする動力伝達装置。 The power transmission device according to claim 1.
The chain guide has an extending portion extending from the outer peripheral side of the chain toward the inner peripheral side of the chain.
The extending portion has a second oil dropping surface that is continuously formed from the first oil dropping surface and guides the lubricating oil to the oil bath.
A power transmission device characterized by that.
前記第2の油落とし面は、前記第1スプロケットの外周に沿うように屈曲する、
ことを特徴とする動力伝達装置。 The power transmission device according to claim 2.
The second oil drop surface bends along the outer circumference of the first sprocket.
A power transmission device characterized by that.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019165667A JP2021042815A (en) | 2019-09-11 | 2019-09-11 | Power transmission device |
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ID=74863011
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JP (1) | JP2021042815A (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023181471A1 (en) * | 2022-03-23 | 2023-09-28 | ジヤトコ株式会社 | Speed change device |
-
2019
- 2019-09-11 JP JP2019165667A patent/JP2021042815A/en active Pending
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