JP2021042753A - エンジンブロワの防振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】身体に伝わるブロワのエンジン振動を簡単な構成で効果的に低減させる技術を提供することによって、作業者の振動による疲労を軽減すること。【解決手段】遠心ファンを駆動するエンジンと前記遠心ファンを収容するボリュートケースからなるエンジンブロワ本体をエンジンの発生する慣性力方向と直交して弾性支持するようにした。【選択図】図3
Description
本発明は、エンジンブロワに係りエンジンからの振動防止装置に関する。
公園や寺社などの刈った草や落ち葉などを、エンジンによって駆動する遠心ブロワから吹き出す送風によって吹き集める携帯型のエンジンブロワが知られている。この携帯型の手持ち式エンジンブロワにあっては、ブロワを吊り下げるハンドルにブロワの重量とエンジンの発する振動が加わるため、長時間の作業では作業者の手や腕が疲労を発生する原因となっている。また携帯型の背負い式エンジンブロワにあっては、肩ベルトを通してブロワの重量とエンジンの発する振動が加わるため、長時間の作業では作業者の肩や背中が疲労を発生する原因となっている。
そのため、手持ち式エンジンブロワにあっては、携帯型ブロワを作業姿勢となるように前傾させたときに鉛直方向を向くヒダを備えて、ヒダによってグリップと手の接触面積が小さくされ、手に伝わる振動が低減されて作業者の疲労が軽減されるようにしたものとして下記特許文献1がある。
また、背負い式エンジンブロワにあっては、フレームの架台部にハの字状に配置したゴムマウントに遠心ブロワを載せ、ブロワの上部にコイルばねを取り付けて、遠心ブロワからフレームに伝達される振動が低減されるようになったものとして下記特許文献2がある。
しかしながら、上記特許文献1に記載のグリップにあっては、作業時のブロワの姿勢によってはヒダが潰されて手に振動が伝わってしまう欠点があり、また幅広い周波数や振幅の生じる広い運転範囲での振動軽減効果を得るには十分でない。
上記特許文献2に記載の振動低減の構造にあっては、振動低減のために柔らかいゴムをボリュートケースの下部に用いているため、突発的な強い荷重が作用した時に遠心ブロワが大きく倒れて支持部に所定以上の過大な荷重が加わってしまう欠点があり、そのために背当て部の係止部に複雑な構成を要している。
また、上記いずれの文献も振動を緩衝するために柔らかいヒダやゴムを用いているが、加振力方向を考慮せずに単に緩衝部材を配置しただけでは新たな振動モードが発生するために、緩衝する方向とは別の方向に振れる新たな振動が発生することによって効果的な振動低減効果が得られないという問題があるが、そのための技術思想は示されていない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、身体に伝わるブロワのエンジン振動を簡単な構成で効果的に低減させる技術を提供することによって、作業者の振動による疲労を軽減することである。
上記課題を達成するために、本願請求項1記載の発明によるエンジンブロワの防振装置は、遠心ファンを駆動するエンジンと前記遠心ファンを収容するボリュートケースからなるエンジンブロワ本体をエンジンの発生する慣性力方向と直交して弾性支持したことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、エンジンブロワ本体の重心を通る水平方向等距離に弾性材を配置したことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、弾性材をクランク軸回転面上に2点配置してエンジンブロワ本体を支持したことを特徴としている。
請求項4記載の発明は、上下に離れて配置した弾性材の間をつないだ延長材とブロワ本体のブラケットの一端をピンにて係合するようにしたことを特徴としている。
請求項5記載の発明は、弾性材は支持面が菊形や山形形状などとされたゴム材からなることを特徴としている。
請求項6記載の発明は、略コの字形ハンドルの下端に弾性材を配置して手持ち式エンジンブロワを支持したことを特徴としている。
請求項7記載の発明は、L字形背負い架台の左右に備えたステーに弾性材を介して背負い式エンジンブロワを支持したことを特徴としている。
上記請求項1記載の発明によると、エンジンの慣性力方向と直交した弾性材によって支持するので変位が一方向となり新たな振動モードを発生することがないのでエンジンブロワの振動を効果的に低減でき、振動による作業者の疲労が軽減される。
上記請求項2記載の発明によると、慣性力によるブロワ本体の振動を上下方向のみにすることができるので、弾性材によって振動を効果的に低減できる。
上記請求項3記載の発明によると、エンジンの回転変動に伴う振動も上下方向にすることができるので効果的に低減できる。
上記請求項4記載の発明によると、軸方向に短い制約のあるブロワ本体の構成においても弾性材を配置できるので設計の融通性を高めることができ適用範囲が拡がる。
上記請求項5記載の発明によると、通常運転中の振動を柔らかく吸収し衝撃など大きな荷重に対してはしっかりと支えて減衰させることができるため、簡単な構成で効果的な振動低減と確実なブロワの支持ができる。
上記請求項6記載の発明によると、手持ち式エンジンブロワへの適用が効果的に実施できる。
上記請求項7記載の発明によると、背負い式エンジンブロワへの適用が効果的に実施できる。
以上のように、本発明はエンジンの慣性力による振動を一方向にのみ発生させて一方向の変位となるようにし、更に回転変動による振動も同じ方向となるようにすることで、弾性材による効果的な振動低減を実現したものである。そのため、作業に伴うブロワの姿勢やエンジン回転数などの変化に関わらずブロワからの振動を効果的に低減でき、作業者の手や腕の疲労を軽減できるので効率的な吹き集め作業を可能とするものである。
以下、本発明の実施形態である手持ち型エンジンブロワの防振装置を図面に基づいて説明する。
図1のエンジンブロワの使用状態を示す説明図に示すように、作業者Mはエンジンブロワ1のハンドル2を手に下げながらブロワ本体3によって発生する送風を吹管4先端から吹き出しながら左右前後に移動させて、刈った草や落ち葉を吹き集める。
図2に示すように、ブロワ本体3はエンジン5と遠心ブロワ6とからなっている。エンジン5はシリンダ11内に配置されたピストン12が上下に往復動してクランク軸13から動力を発生する。クランク軸13の一端にはリコイル式始動装置14が、他端には冷却ファンを兼ねるフライホイールマグネトウ15を備えている。シリンダ11を取り付けたクランクケース16は冷却ファンケースを兼ねており、リコイル式始動装置14とで燃料タンク17を挟んで取り付けている。18は点火のためのイグナイタである。
遠心ブロワ6はフライホイールマグネトウ15に固着された遠心ファン20を収容するボリュートケース21の一端をクランクケース16に取り付けており、他端に衣服の吸いつきを防止するガード22を取り付けている。なお、ボリュートケース21は左右に分割した合成樹脂製のものを組み合わせ一体としている。Gはエンジン5と遠心ブロワ6を組み合わせたブロワ本体3の重心を示し、重心Gを通る線上真上にハンドル2の中心がある。ハンドル2は左右に分割した合成樹脂製のものを組み合わせ一体とされている。
図3に示すように、エンジンは回転方向左右の一端側にキャプレタとエアクリーナからなる吸気系装置23と、他端側に排気系装置であるマフラ24を備えている。
ボリュートケース21のエンジン取り付け部近くの左右にはステー25、26が一体に形成され、ブラケット27をボルト28によって固着している。
弾性材30は図5に示すように、外径が菊形の円筒形状になっており、長さ方向中央にフランジ部30aを備えている。
図4に示したように、ハンドル2の左右分割面にフランジ部30aを収容する凹部を設けてあるので、ハンドル2を左右一体に組み合わせると左右の中心に弾性材30が配置されるので、図2に示したようにハンドル2の中心真上に重心Gが一致する。
図3に示すように、ハンドル2は略コの字形をして下端に弾性材30が配置されており、2つの弾性材30はピストン12の往復動方向と直交して配置されている。なお、33はスロットルレバーである。
次に、上記構成の防振装置の作用について説明する。
リコイル式始動装置14によってエンジンを始動し、ハンドル2を握ってスロットルレバー33を引き上げるとエンジン回転数が上昇し、遠心ファン20が図3において時計方向に回転してボリュートケース21外周から吹管4を通って送風される。
エンジンはピストンやコンロッドの往復質量部分などの慣性力が加振源となって振動を発生させるのであるが、往復質量によって発生するエンジンの慣性力はクランクバランスによってベクトル方向を設定できることは公知である。そのため、慣性力をピストン往復動方向にのみ発生するようにすると加振力は往復動方向、即ち上下方向にしか発生しない。
図2に示したように加振力を発生するピストン12中心と重心Gとが軸方向に離れているため、重心Gで支持されたブロワ本体3には加振力による上下方向の並進加速度とモーメントによる上下方向の回転加速度が働くが、いずれも変位としては上下方向のみとできる。
図3に示したようにクランク軸13中心と重心Gとの左右方向のズレは大きくないので、
同じ大きさの荷重が作用する。慣性力による並進加速度と回転加速度によってブロワ本体3は上下方向にのみ変位するので左右の弾性材30は同じ変形量で上下にのみの変位をする。このため、慣性力によるブロワの振動は新たな振動モードを発生することがない。
同じ大きさの荷重が作用する。慣性力による並進加速度と回転加速度によってブロワ本体3は上下方向にのみ変位するので左右の弾性材30は同じ変形量で上下にのみの変位をする。このため、慣性力によるブロワの振動は新たな振動モードを発生することがない。
そのため、弾性材30の外径を菊形形状として柔らかくすることで共振周波数をエンジンの使用回転数よりも低く設定することが容易となり、ゴム材とすることで減衰効果を持った特性が得られるので効果的に振動が低減できる。
エンジンは急加速時や減速時の不整燃焼などによって大きなトルク変動により揺動を発生する場合があるが、この場合でも弾性材30は水平方向に結ぶ線hの線上で等距離に配置されているためブラケット27に加わるモーメントを上下の荷重として受け止めることができる。このとき、弾性材30は外径が菊形となっているので変形によってバネ定数が変化するため、エンジンの運転に伴う慣性力による振動は柔らかく緩衝でき、一方、不整燃焼などの突発的な大きな荷重に対してはしっかり支えることができる。そのため、大きなトルク変動が生じてもブロワ本体3に大きな振れを生じることはない。
以上説明したように、略コの字形ハンドル2の下端に弾性材30を配置してブロワ本体3を吊り下げ支持したので、作業状況によってエンジン回転数が変化し振動周波数が変化しても手持ち式エンジンブロワのハンドル2に加わる振動を効果的に低減できるので、作業者の手や腕の疲労を軽減できる。また、緩衝材30は小さな変形には柔らかいが作業時のハンドル操作には十分硬いのでハンドル2とブロワ本体3との一体感を持って作業できる。また、軸方向の重心Gの真上にハンドル2中心があるので吊り下げたときに左右に傾くことがなく、図3のハンドルのように回転方向の重心Gの真上よりも少しハンドル2の後ろを持つことで吹管4の先端が前下がりとなって作業しやすくできる。
また、ボリュートケース21の左右にステー25、26を一体に形成してブラケット27をボルト28によって固着するようにしたが、これによってエンジン5に変更を加えることなく実施できるためエンジンの汎用性を高める効果が得られるようにしたものであるが、クランクケース16にブラケットを取り付けるようにしても良いことは勿論である。
なお、弾性材30はピストン12の往復動方向と直交して配置と説明したが、使用されるエンジンは一般的にシリンダが直立した姿勢であるためであり、図6に示したようにシリンダが傾斜して配置されるようになったエンジンの場合、ピストン12の移動は傾いたシリンダ方向であっても慣性力Fは吊り下げたときの上下方向に発生するようにするということであり、加振力方向と弾性支持方向を直交させるということである。
なお、クランクバランスはエンジンの加振力がエンジンを吊り下げた上下方向のみに発生させるように設定するのが望ましいが、エンジンの共通化や部品管理上などの理由から100%上下方向に発生させたものでなくても本発明の効果が得られることは明らかで、本発明の技術的思想を異にするものではない。
弾性材30は重心を通る水平方向等距離が望ましいが、設計的制約で位置がズレたとしても技術的思想を異にするものでなく、また、軸方向の重心Gの真上にハンドル2中心があるのが望ましいが、必ずしも正確に一致していなくても構わないことは勿論である。
次に、手持ち型エンジンブロワの防振装置の他の実施例について説明する。
図7に示したように、ボリュートケース51の下側に断面コの字型をした左右一体のブラケット52がボルト53によって固着されている。
ブラケット52の左右端には2段の円筒形状を有する上側弾性材54と下側弾性材55の小径の円筒部を収容してブロワ本体の重心Gを水平方向に結ぶ線hの線上で等距離sの位置に上下弾性材を同じ高さに挟んで取り付けている。
上側弾性材54及び下側弾性材55の内径にはカラー56が挿入されており、コの字形をしたハンドル57の下端部にボルト59とナット60によって上側弾性材54及び下側弾性材55をワッシャ58を介して取り付けている。
ナット60はハンドル57内に収容され回り止めされているので、ボルト59を回すことによってカラー56の長さまで上側弾性材54及び下側弾性材55に所定の変形量を与えてブラケット52とハンドル57とを弾性的に取り付けている。
上側弾性材54及び下側弾性材55は、図8に示すようにハンドル57とワッシャ58との当接面が山形の形状とされており、小さな荷重には柔らかく大きな荷重にはしっかりと支えることができるように変形によってバネ定数が変化する。
なお、上側弾性材54及び下側弾性材55は同じものであっても構わないが、下側弾性材55はブロワ本体の質量を支えるため初期荷重を硬くしておく設定とすることも可能である。なお、それぞれ左右の上側弾性材54と54、下側弾性材55と55については同一のものである。
なお、上側弾性材54及び下側弾性材55は同じものであっても構わないが、下側弾性材55はブロワ本体の質量を支えるため初期荷重を硬くしておく設定とすることも可能である。なお、それぞれ左右の上側弾性材54と54、下側弾性材55と55については同一のものである。
上記のように弾性材の形状や取り付けなどが異なるのみで、他は第1実施例と同様であり、図2で示したと同様に軸方向の重心Gを通る線上真上にハンドル57の中心がある。
次に、上記構成の防振装置の作用について説明する。
軸方向の重心Gで支持されたブロワ本体3には上下方向の加振力による上下方向の並進加速度とモーメントによる上下方向の回転加速度が働くが、いずれも変位としては上下方向のみとなる。加振力方向と直交して支持している重心からsの等距離にある上側弾性材54及び下側弾性材55には左右に同じ大きさの荷重が作用するため、慣性力による並進加速度と回転加速度によってブロワ本体3は上下方向にのみ変位する。このため、慣性力によるブロワの振動は新たな振動モードを発生することがない。このとき、上側弾性材54及び下側弾性材55は円形状であるため並進方向、回転方向ともに同じ上下方向の変形で緩衝できる。
エンジンの急加速時や減速時の不整燃焼などによって発生する大きなトルク変動によって揺動が発生する場合があるが、等距離に配置された上側弾性材54及び下側弾性材55によってブラケット52に加わるモーメントを上下の荷重として受け止めることができる。このとき、上側弾性材54及び下側弾性材55は当接面が山形となっているので変形によってバネ定数が変化するため、エンジンの運転に伴う慣性力による振動は柔らかく緩衝でき、一方、不整燃焼などの突発的な大きな荷重に対してはしっかり支えることができる。そのため、大きなトルク変動が生じてもブロワ本体3に大きな振れを生じることはなく、また、ボルト59には引張り荷重として加わるため、小径ボルトでも強度的に十分な強度が得られる。
次に、本発明の実施形態である背負い型エンジンブロワの防振装置を図面に基づいて説明する。
図9に示すように、作業者Mは背負い型エンジンブロワ101をL字形の背負架台102に載せ、背負ベルト104で背負いながらブロワ本体103によって発生する送風を空気噴出口105に連結された曲がり管106から蛇腹状のフレキシブル管107を経て吹管108先端から吹き出しながらハンドル109を持って前後左右に移動させて、刈った草や落ち葉を吹き集める。
図10に示すように、ブロワ本体103はエンジン110と遠心ブロワ111とからなっている。エンジン110はシリンダ112内に配置されたピストン113が上下に往復動してクランク軸114から動力を発生する。115はクランクケースである。
遠心ブロワ111はフライホイールマグネトウ116に固着された遠心ファン117を収容するボリュートケース118の一端をエンジン110に取り付けている。ボリュートケース118は左右に分割した合成樹脂製のものを組み合わせ一体としており、空気吸い込み側にストレーナ119を取り付けている。
ボリュートケース118上方にはエアクリーナ120が配置され、背負い架台102下部には燃料タンク121が取り付けられている。
Gはブロワ本体103における重心を示している。
ボリュートケース118上方にはエアクリーナ120が配置され、背負い架台102下部には燃料タンク121が取り付けられている。
Gはブロワ本体103における重心を示している。
図11に示すように、エンジンは回転方向左右の一端側に吸気系装置であるキャプレタ122を備えエアクリーナ120からの清浄空気をジョイント123によって導き、他端側に排気系装置であるマフラ124を備えている。
クランクケース115下方に設けたボス125にはボルト126によって左右に延びた断面コの字形のブラケット127が固着されている。
ブラケット127の一端には2段の円筒形状を有する上側弾性材130及び下側弾性材131の小径の円筒部を収容して上下に取り付けている。
背負い架台102の左側面には図12に示すように、左ステー132がボルト133及び134によって固着されている。左ステー132はT形断面として剛性を高めてあり、ブロワ本体の重心Gを通る線の上部にボルト135の中心が通るボス136を設けている。
上側弾性材130及び下側弾性材131の内径にはカラー137が挿入されており、ボルト135とナット138によって上側弾性材130及び下側弾性材131をワッシャ139を介して取り付けている。ナット139を回すことによってカラー137の長さまで上側弾性材130及び下側弾性材131に所定の変形量を与えてブラケット127を弾性的に取り付けている。ナット138は上部が円筒形状となっており左ステー132に設けたガイド部140によってボルト135を真っ直ぐに保持している。
背負い架台102の右側面には図13に示すように、右ステー142がボルト143及び144によって固着されている。右ステー142はT形断面によって剛性を高めてあり、重心Gを通る上下の線にボルト145、146の中心が通るボス147、148にねじ止め固着されている。
ブラケット127にはホルダ150が融着などで一体に固着されており、ホルダ150の内径部には耐摩性の合成樹脂や含油合金などからなるブッシユ151が固着されている。なお、ホルダ150はブラケット127に一体に成形されていても構わない。
ブッシユ151内径にはピン152が嵌まっており、ピン152はコの字形をした延長材153に融着などで一体に固着されている。延長材153の上下端はボス154、155を有しており、ボス154上部には円筒形の上側弾性材156をボス147との間に挟んでボルト145の軸部に挿入され、ボス155下部には円筒形の下側弾性材157をボス148との間に挟んでボルト146の軸部に挿入されている。延長材153の上下長は上側弾性材156及び下側弾性材157をボス147、148との間で所定の変形量を与える長さに設定されており、断面はI形で強度と剛性を確保しながらボルト145、146の軸部をガイドにして上下に摺動可能となっている。
上記の構成によって、空気噴出口105と重心Gが接近していて重心Gの近くに弾性材が配置できない場合でも、十分な容量を持った弾性材を配置することができている。なお、延長材153はI形断面としブラケット127はコの字形断面として強度と剛性を持たせた軽量化設計をして、樹脂材の使用を可能としている。
なお、図11に示すように、ブロワ本体の重心Gを水平方向に結ぶ線hの線上で一側の距離mの位置に上側弾性材130及び下側弾性材131が中心及び高さを同一にして取り付けられ、線hの線上で他側の距離mの位置にピン152の中心が配置されている。
上側弾性材130と下側弾性材131及び上側弾性材156と下側弾性材157は、図8に示したものと同様に当接面が山形の形状とされており、小さな荷重には柔らかく大きな荷重にはしっかりと支えることができるように変形によってバネ定数が変化する。
なお、上側弾性材130と下側弾性材131は同じものであっても良く、上側弾性材156と下側弾性材157も同じものであっても構わないが、上側弾性材130と156は同じバネ定数であり、下側弾性材131と157も同じバネ定数となるように設定されている。また、下側弾性材131、157はブロワ本体の質量を支えるため上側弾性材130、156に比べて初期荷重を硬くしておく設定とすることも可能である。
なお、上側弾性材130と下側弾性材131は同じものであっても良く、上側弾性材156と下側弾性材157も同じものであっても構わないが、上側弾性材130と156は同じバネ定数であり、下側弾性材131と157も同じバネ定数となるように設定されている。また、下側弾性材131、157はブロワ本体の質量を支えるため上側弾性材130、156に比べて初期荷重を硬くしておく設定とすることも可能である。
次に、上記構成の防振装置の作用について説明する。
エンジンの往復質量による慣性力は上下方向にのみ発生するようにクランクバランスが設定されているため、重心Gで支持されたブロワ本体3には加振力による上下方向の並進加速度とモーメントによる上下方向の回転加速度が働くが、いずれも変位としては上下方向のみとなる。
加振力方向と直交して支持している重心からmの等距離にある左右の弾性材には同じ大きさの荷重が作用するが、このとき、ブラケット127の左側面側は弾性材130、131によって直接緩衝され、右側面側はピン152によって延長材153を上下に移動させることによって弾性材156、157で緩衝する。左右に取り付けた上側弾性材130と156は同じバネ定数であり、下側弾性材131と157は同じバネ定数であるためブロワ本体は上下方向にのみ変位する。
加振力方向と直交して支持している重心からmの等距離にある左右の弾性材には同じ大きさの荷重が作用するが、このとき、ブラケット127の左側面側は弾性材130、131によって直接緩衝され、右側面側はピン152によって延長材153を上下に移動させることによって弾性材156、157で緩衝する。左右に取り付けた上側弾性材130と156は同じバネ定数であり、下側弾性材131と157は同じバネ定数であるためブロワ本体は上下方向にのみ変位する。
また、エンジンの急加速時や減速時の不整燃焼などによって大きなトルク変動によって揺動が発生する場合があるが、mの等距離に左右に配置された弾性材によってブラケット27に加わるモーメントを上下の荷重として受け止めることができる。このとき、揺動によるブラケット127の傾きについて、左側面側は弾性材130、131の変形で吸収するが右側面側はピン152の位置の変化をブッシユ151の内径を長円としてあることによって許容する。
このとき、上側弾性材130と下側弾性材131及び上側弾性材156と下側弾性材157は当接面が山形となっているので変形によってバネ定数が変化するため、エンジンの運転に伴う慣性力による振動は柔らかく緩衝でき、一方、不整燃焼などの突発的な大きな荷重に対してはしっかり支えることができる。そのため、特別な振れ止めを設ける必要がなく、振れによる燃料タンク121との隙間も小さくできるので燃料タンクの容量を確保しやすくできる。
このとき、上側弾性材130と下側弾性材131及び上側弾性材156と下側弾性材157は当接面が山形となっているので変形によってバネ定数が変化するため、エンジンの運転に伴う慣性力による振動は柔らかく緩衝でき、一方、不整燃焼などの突発的な大きな荷重に対してはしっかり支えることができる。そのため、特別な振れ止めを設ける必要がなく、振れによる燃料タンク121との隙間も小さくできるので燃料タンクの容量を確保しやすくできる。
背負い型エンジンブロワは、空気噴出口105が重心Gと軸方向に近いために、空気噴出口105側はブラケット127に直接弾性材を配置することができないという設計上の制約があるが、弾性材156と157の間を上下に離れて配置し、その間を延長材153でつないでブロワ本体のブラケット127の一端とをピン152にて係合するようにしたため、ブロワ本体の設計に変更を加えることなく振動を低減することを実現した。
以上詳述したように、本発明はエンジンブロワ本体をエンジンの発生する慣性力方向と直交して弾性支持するようにしたので、加振力による変位を一方向とでき新たな振動モードを発生することもなく、手持ち型エンジンブロワにも背負い型エンジンブロワにも適用でき、簡単な構成でエンジンブロワの振動を効果的に低減でき振動による作業者の疲労を軽減できるものである。
Claims (7)
- 遠心ファンを駆動するエンジンと前記遠心ファンを収容するボリュートケースからなるエンジンブロワ本体をエンジンの発生する慣性力方向と直交して弾性支持したことを特徴とするエンジンブロワの防振装置。
- エンジンブロワ本体の重心を通る水平方向等距離に弾性材を配置した請求項1のエンジンブロワの防振装置。
- 弾性材をクランク軸回転面上に2点配置してエンジンブロワ本体を支持した請求項2のエンジンブロワの防振装置。
- 上下に離れて配置した弾性材の間をつないだ延長材とブロワ本体のブラケットの一端をピンにて係合するようにした請求項3のエンジンブロワの防振装置。
- 弾性材は支持面が菊形や山形形状などとされたゴム材からなる請求項3または4のエンジンブロワの防振装置。
- 略コの字形ハンドルの下端に弾性材を配置して手持ち式エンジンブロワを支持した請求項3のエンジンブロワの防振装置。
- L字形背負い架台の左右に備えたステーに弾性材を介して背負い式エンジンブロワを支持した請求項4のエンジンブロワの防振装置。
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2019
- 2019-09-11 JP JP2019181727A patent/JP2021042753A/ja active Pending
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