JP2021042705A - ポンプ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステータおよび回路基板を覆う樹脂封止部材を備えるポンプ装置において、回路基板の一方の面に比較的厚さの厚い電子部品が実装されていても、また、樹脂封止部材を形成する際に金型内に注入される樹脂材料の注入圧が高くなっても、比較的厚さの厚い電子部品の回路基板からの浮きを抑制することが可能なポンプ装置を提供する。【解決手段】このポンプ装置は、ステータ6および回路基板4を覆う樹脂製の樹脂封止部材12を備えており、回路基板4は、回路基板4の厚さ方向とZ方向とが一致した状態で配置されている。樹脂封止部材12の外周面のY1方向端には、ゲート跡12aが形成され、回路基板4のZ2方向側の面には、モータの制御およびモータの駆動の少なくともいずれか一方を行うための電子部品29が実装されている。電子部品29は、X方向においてゲート跡12aからずれた位置に配置されている。【選択図】図3
Description
本発明は、ステータおよび回路基板が樹脂封止部材で覆われているポンプ装置に関する。
従来、ポンプ室の中に配置される羽根車およびロータと、ポンプ室の外側に配置されるステータおよび回路基板とを備えるポンプ装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のポンプ装置では、ステータおよび回路基板とポンプ室との間に、ステータおよび回路基板の配置箇所への流体の流入を防止する有底円筒状の隔壁部材が配置されている。ステータおよび回路基板は、樹脂封止部材に覆われている。ステータは、略円筒状に形成されている。ロータは、ステータの内周側に配置されている。
特許文献1に記載のポンプ装置では、ステータは、複数の駆動用コイルと、複数のインシュレータと、インシュレータを介して駆動用コイルが巻回されるステータコアとを備えている。回路基板は、隔壁部材の底部よりも下側に配置されている。回路基板は、隔壁部材に固定されている。回路基板の下面には、IC(Integrated Circuit)が実装されている。ICは、ロータとステータとから構成されるモータを制御するための制御回路と、モータを駆動するための駆動回路とを備えている。ICの厚さは、回路基板に実装される他の電子部品と比較して厚くなっている。
特許文献1に記載のポンプ装置では、樹脂封止部材の外周面の前端にゲート跡が形成されている。ゲート跡の下端は、回路基板の下面よりも下側に配置されている。回路基板の下面に実装されるICの一部分は、ゲート跡の後ろ側に配置されている。また、ゲート跡の上端は、ステータコアの下端よりも上側に配置されている。特許文献1に記載のポンプ装置の製造時には、ステータの内周側に隔壁部材を挿入するとともに回路基板を隔壁部材に固定した状態で、隔壁部材、ステータおよび回路基板を金型内に配置し、ステータの前側から金型内に樹脂材料を注入して硬化させることで、ステータおよび回路基板を覆う樹脂封止部材を形成する。樹脂封止部材を形成する際に使用される金型のゲートの跡が、樹脂封止部材の外周面の前端に形成されるゲート跡になる。
特許文献1に記載のポンプ装置では、回路基板の下面に実装されるICの一部分がゲート跡の後ろ側に配置されているため、金型のゲートから流れ込む樹脂材料がICの一部分に直接当たるおそれがある。このポンプ装置の場合、ICの厚さが他の電子部品と比較して厚くなっているため、樹脂封止部材を形成する際に金型内に注入される樹脂材料の注入圧が高くなると、ゲートから流れ込む樹脂材料がICの一部分に直接当たったときに、ICが回路基板から浮いてICと回路基板との半田付け部分に損傷が生じる等の問題が生じるおそれがある。
そこで、本発明の課題は、ステータおよび回路基板を覆う樹脂封止部材を備えるポンプ装置において、回路基板の一方の面に比較的厚さの厚い電子部品が実装されていても、また、樹脂封止部材を形成する際に金型内に注入される樹脂材料の注入圧が高くなっても、比較的厚さの厚い電子部品の回路基板からの浮きを抑制することが可能なポンプ装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のポンプ装置は、ロータおよび筒状に形成されロータの外周側に配置されるステータを有するモータと、ロータに取り付けられる羽根車と、ロータとステータとの間に配置される略有底円筒状の隔壁を有する隔壁部材と、ロータの軸方向における隔壁の外側で隔壁に固定される平板状の回路基板と、ステータおよび回路基板を覆う樹脂製の樹脂封止部材とを備え、軸方向のうちの隔壁に対して回路基板が配置される方向を第1方向とし、軸方向に直交する所定の方向を前後方向とし、前後方向の一方を前方向とし、軸方向と前後方向とに直交する方向を左右方向とすると、回路基板は、回路基板の厚さ方向と軸方向とが一致した状態で隔壁に固定され、樹脂封止部材の外周面の前端には、ゲート跡が形成され、回路基板の第1方向側の面には、モータの制御およびモータの駆動の少なくともいずれか一方を行うための電子部品が実装され、電子部品は、左右方向においてゲート跡からずれた位置に配置されていることを特徴とする。
本発明のポンプ装置では、樹脂封止部材の外周面の前端にゲート跡が形成されており、樹脂封止部材を形成する際には、前側から金型内に樹脂材料が注入される。また、一般に、モータの制御およびモータの駆動の少なくともいずれか一方を行うための電子部品の厚さは比較的厚くなっている。しかしながら、本発明では、回路基板に実装される電子部品であって、モータの制御およびモータの駆動の少なくともいずれか一方を行うための電子部品は、左右方向においてゲート跡からずれた位置に配置されている。
そのため、本発明では、金型のゲートから流れ込む樹脂材料が比較的厚さの厚い電子部品に直接当たりにくくなる。したがって、本発明では、回路基板の一方の面に比較的厚さの厚い電子部品が実装されていても、また、樹脂封止部材を形成する際に金型内に注入される樹脂材料の注入圧が高くなっても、比較的厚さの厚い電子部品の回路基板からの浮きを抑制することが可能になる。
また、本発明では、金型のゲートから流れ込む樹脂材料が比較的厚さの厚い電子部品に直接当たりにくくなるため、金型のゲートから流れ込む樹脂材料の流れが電子部品によって妨げられるのを抑制することが可能になる。したがって、本発明では、樹脂封止部材の成形不良の発生を防止することが可能になる。
本発明において、たとえば、回路基板には、モータを制御するとともに駆動するための1個の電子部品が実装されている。また、本発明において、回路基板には、電子部品として、モータを制御するための第1電子部品と、モータを駆動するための第2電子部品とが実装され、第1電子部品は、ゲート跡よりも左右方向の一方側に配置され、第2電子部品は、ゲート跡よりも左右方向の他方側に配置されていても良い。
本発明において、たとえば、第1方向側から見たときの電子部品の形状は、長方形状となっており、第1方向側から見たときに、長方形状に形成される電子部品の長辺は、前後方向または左右方向と平行になっている。
以上のように、本発明では、ステータおよび回路基板を覆う樹脂封止部材を備えるポンプ装置において、回路基板の一方の面に比較的厚さの厚い電子部品が実装されていても、また、樹脂封止部材を形成する際に金型内に注入される樹脂材料の注入圧が高くなっても、比較的厚さの厚い電子部品の回路基板からの浮きを抑制することが可能になる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(ポンプ装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるポンプ装置1の断面図である。以下の説明では、図1等のZ方向を「上下方向」とし、上下方向の一方である図1等のZ1方向を「上方向」とし、上方向の反対方向である図1等のZ2方向を「下方向」とする。
図1は、本発明の実施の形態にかかるポンプ装置1の断面図である。以下の説明では、図1等のZ方向を「上下方向」とし、上下方向の一方である図1等のZ1方向を「上方向」とし、上方向の反対方向である図1等のZ2方向を「下方向」とする。
本形態のポンプ装置1は、キャンドポンプ(キャンドモータポンプ)と呼ばれるタイプの遠心ポンプであり、羽根車2と、羽根車2を回転させるモータ3と、モータ3を駆動制御するための回路基板4とを備えている。モータ3は、ロータ5とステータ6とを備えている。羽根車2、モータ3および回路基板4は、ハウジング7と、ハウジング7の上部を覆う上ケース8とによって構成されるケース体の内部に配置されている。ハウジング7と上ケース8とは、図示を省略するネジによって互いに固定されている。
上ケース8には、流体の吸入部8aと、流体の吐出部8bとが形成されている。ハウジング7と上ケース8との間には、吸入部8aから吸入された流体が吐出部8bに向かって通過するポンプ室9が形成されている。また、ハウジング7と上ケース8との接合部分には、ポンプ室9の密閉性を確保するためのシール部材(Oリング)10が配置されている。ハウジング7は、ポンプ室9とステータ6とを隔てるようにポンプ室9とステータ6との間に配置される隔壁11aを有する隔壁部材11と、隔壁部材11の下面および側面を覆う樹脂製の樹脂封止部材12とを備えている。
ロータ5は、駆動用磁石14と、円筒状のスリーブ15と、駆動用磁石14およびスリーブ15を保持する保持部材16とを備えている。保持部材16は、鍔付きの略円筒状に形成されている。駆動用磁石14は、保持部材16の外周側に固定され、スリーブ15は、保持部材16の内周側に固定されている。上側に配置される保持部材16の鍔部16aには、羽根車2が固定されている。すなわち、羽根車2は、ロータ5に取り付けられている。羽根車2およびロータ5は、ポンプ室9に配置されている。以下の説明では、ロータ5の径方向を「径方向」とし、ロータ5の周方向(円周方向)を「周方向」とする。
ロータ5は、固定軸17に回転可能に支持されている。固定軸17は、固定軸17の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。すなわち、上下方向は、ロータ5の軸方向である。固定軸17の上端は、上ケース8に保持され、固定軸17の下端は、ハウジング7に保持されている。固定軸17は、スリーブ15の内周側に挿通されている。また、固定軸17には、スリーブ15の上端面に当接するスラスト軸受部材18が取り付けられている。本形態では、スリーブ15がロータ5のラジアル軸受として機能し、スリーブ15およびスラスト軸受部材18がロータ5のスラスト軸受として機能している。
ステータ6は、駆動用コイル23と、ステータコア24と、インシュレータ25とを備えており、全体として筒状に形成されている。具体的には、ステータ6は、略円筒状に形成されている。ステータ6は、隔壁11aを介して、ロータ5の外周側に配置されている。すなわち、ロータ5とステータ6との間には隔壁11aが配置されている。また、ステータ6は、ステータ6の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。また、ステータ6は、駆動用コイル23の端部が絡げられて電気的に接続される複数の端子ピン26を備えている。
ステータコア24は、磁性材料からなる薄い磁性板が積層されて形成された積層コアである。ステータコア24は、環状に形成される外周環部24aと、外周環部24aから径方向の内側に向かって突出する複数の突極部とを備えている。外周環部24aの外周面は、ステータコア24の外周面を構成している。突極部の先端部を構成する突極先端部は、隔壁11aの一部を構成する後述の円筒部11bを介して駆動用磁石14の外周面と対向している。本形態のステータコア24は、いわゆるカーリングコアであり、帯状コアと、この帯状コアの一方の面から立ち上がる複数の突極部とから構成されるコアの端部同士を繋ぐことで、環状に形成されている。なお、ステータコア24は、周方向において複数に分割されたコアが組み合わされることで形成されるいわゆる分割コアであっても良い。
インシュレータ25は、絶縁性を有する樹脂材料で形成されている。インシュレータ25は、ステータコア24の突極部ごとに取り付けられている。また、インシュレータ25は、両端に鍔部を有する鍔付きの筒状に形成されており、筒状に形成されるインシュレータ25の軸方向とステータ6の径方向とが一致するように突極部に取り付けられている。駆動用コイル23は、アルミニウム合金または銅合金からなる導線によって構成されている。駆動用コイル23は、インシュレータ25を介してステータコア24の突極部に巻回されている。端子ピン26は、インシュレータ25に固定されている。具体的には、端子ピン26の上端部がインシュレータ25の下端部に固定されている。
上述のように、隔壁部材11は、隔壁11aを備えている。隔壁11aは、鍔付きの略有底円筒状に形成されており、円筒部11bと底部11cと鍔部11dとを備えている。円筒部11bは、円筒状に形成されており、駆動用磁石14の外周面を覆うように配置されている。底部11cは、円筒部11bの下端を塞ぐ円板状に形成されている。鍔部11dは、円筒部11bの上端から径方向の外側へ広がるように形成されている。図1に示すように、隔壁11aの内側および上側がポンプ室9となっており、羽根車2およびロータ5は、隔壁11aの内側および上側に配置されている。隔壁11aは、ステータ6および回路基板4の配置箇所へのポンプ室9内の流体の流入を防止する機能を果たしている。
底部11cの上面には、固定軸17の下端側を保持する軸保持部11gが形成されている。軸保持部11gは、底部11cの上面から上側に突出している。底部11cの下面には、回路基板4を隔壁部材11に固定するための固定用突起11eと、回路基板4を位置決めするための位置決め用突起11fとが形成されている。固定用突起11eは、底部11cの下面の中心に形成されている。固定用突起11eおよび位置決め用突起11fは、底部11cの下面から下側に突出している。
回路基板4は、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、平板状に形成されている。回路基板4は、回路基板4の厚さ方向と上下方向とが一致した状態で隔壁11aに固定されている。また、回路基板4は、隔壁11aの下端側部分に固定されている。具体的には、回路基板4は、固定用突起11eと位置決め用突起11fとによって位置決めされた状態で、固定用突起11eにねじ込まれるネジ27によって固定されており、底部11cよりも下側で底部11cに固定されている。
すなわち、回路基板4は、上下方向における隔壁11aの外側で隔壁11aに固定されており、ポンプ室9の外側に配置されている。また、回路基板4は、駆動用コイル23およびステータコア24よりも下側に配置されている。回路基板4には、端子ピン26の下端側部分が半田付けされて固定されている。本形態の下方向(Z2方向)は、ロータ5の軸方向のうちの隔壁11aに対して回路基板4が配置される方向である第1方向となっている。回路基板4の具体的な構成については後述する。
樹脂封止部材12は、BMC(Bulk Molding Compound)によって形成されている。樹脂封止部材12は、ステータ6および回路基板4を覆っている。樹脂封止部材12は、回路基板4および駆動用コイル23等を流体から保護する機能を果たしている。また、樹脂封止部材12は、全体として略有底円筒状に形成されており、回路基板4、ステータ6、円筒部11bおよび底部11cを完全に覆っている。また、樹脂封止部材12は、鍔部11dの下面を覆っている。樹脂封止部材12の具体的な構成については後述する。
(回路基板および樹脂封止部材の構成)
図2は、図1に示す回路基板4、ステータ6および隔壁部材11の斜視図である。図3は、図2に示す回路基板4、ステータ6および隔壁部材11の底面図である。以下の説明では、上下方向(ロータ5の軸方向)に直交する所定の方向である図2等のY方向を「前後方向」とし、上下方向と前後方向とに直交する図2等のX方向を「左右方向」とする。また、前後方向の一方である図2等のY1方向を「前方向」とし、前方向の反対方向である図2等のY2方向を「後ろ方向」とする。
図2は、図1に示す回路基板4、ステータ6および隔壁部材11の斜視図である。図3は、図2に示す回路基板4、ステータ6および隔壁部材11の底面図である。以下の説明では、上下方向(ロータ5の軸方向)に直交する所定の方向である図2等のY方向を「前後方向」とし、上下方向と前後方向とに直交する図2等のX方向を「左右方向」とする。また、前後方向の一方である図2等のY1方向を「前方向」とし、前方向の反対方向である図2等のY2方向を「後ろ方向」とする。
樹脂封止部材12は、後述のように、回路基板4およびステータ6が固定された隔壁部材11を金型内に配置し、この金型内に樹脂材料を注入して硬化させることで形成されている。樹脂封止部材12の外周面の前端には、樹脂封止部材12の形成時に使用される金型のゲートの跡であるゲート跡12aが形成されている(図3参照)。ゲート跡12aは、左右方向における樹脂封止部材12の中心位置に形成されている。ゲート跡12aは、上下方向に細長い長方形状に形成されている。ゲート跡12aの下端は、回路基板4の下面よりも下側に配置され、ゲート跡12aの上端は、ステータコア24の下端面よりも上側に配置されている。
上述のように、回路基板4は、平板状に形成されており、回路基板4の厚さ方向は、上下方向と一致している。また、回路基板4は、略小判型に形成されている。回路基板4の左右方向の両端面は、左右方向に直交する平面となっている。回路基板4には、駆動用磁石14の磁力に基づいてロータ5の回転角度を検知するためのホール素子28と、モータ3を駆動制御するためのIC(Integrated Circuit)29とが実装されている。また、回路基板4には、コネクタ31およびヒューズ32が実装されている。なお、図1では、ホール素子28、IC29、コネクタ31およびヒューズ32の図示を省略している。
本形態のモータ3は、三相モータである。そのため、回路基板4には、3個のホール素子28が実装されている。回路基板4には、ホール素子28が配置される貫通穴が形成されている。この貫通穴は、上下方向で回路基板4を貫通している。検知面(感磁面)となるホール素子28の上面は、回路基板4の上面よりも上側に配置されている。ホール素子28の上面は、底部11cを介して、駆動用磁石14の下端面と対向している。ホール素子28の下面は、回路基板4の下面よりもわずかに下側に配置されている。3個のホール素子28は、下側から見たときに、ロータ5の回転中心に対して同心円状に配置されている。
IC29は、モータ3を制御するための制御回路と、モータ3を駆動するための駆動回路とを備えている。IC29は、回路基板4の下面に実装されている。本形態では、回路基板4の下面に1個のIC29が実装されている。IC29の厚さ(上下方向の厚さ)は、比較的厚くなっており、IC29は、回路基板4の下面から下側に突出している。本形態のIC29は、モータ3を制御するとともに駆動するための電子部品である。
図3に示すように、下側から見たときのIC29の形状は、長方形状となっている。下側から見たときに、長方形状に形成されるIC29の長辺は、前後方向と平行になっている。IC29は、回路基板4の前後方向の中心位置に実装されている。また、IC29は、左右方向においてゲート跡12aからずれた位置に配置されている。具体的には、IC29の全体が左右方向においてゲート跡12aからずれた位置に配置されている。たとえば、IC29の全体は、ゲート跡12aよりも図3の左側に配置されており、下側から見ると、IC29の全体とゲート跡12aとが前後方向において重なっていない。
コネクタ31は、回路基板4の後端側部分に実装されている。回路基板4の左右方向の一方の端面には、左右方向の内側に向かって切り欠かれた切欠き部が形成されている。ヒューズ32は、ヒューズ32が回路基板4よりも左右方向の外側へ突出しないように、この切欠き部に配置されている。
(ポンプ装置の製造方法)
本形態では、環状のステータコア24になる前の帯状のコアにインシュレータ25および端子ピン26を取り付けてから駆動用コイル23を巻回し、その後、帯状のコアの端部同士を繋いで、環状のステータコア24を形成する。環状のステータコア24が形成されてステータ6が完成すると、ステータ6の内周側に隔壁部材11の円筒部11bを挿入して、隔壁部材11にステータ6を取り付ける。その後、固定用突起11eと位置決め用突起11fとによって回路基板4を位置決めした状態で、固定用突起11eにねじ込まれるネジ27によって、回路基板4を隔壁部材11に固定する。また、端子ピン26を回路基板4に半田付けして固定する。
本形態では、環状のステータコア24になる前の帯状のコアにインシュレータ25および端子ピン26を取り付けてから駆動用コイル23を巻回し、その後、帯状のコアの端部同士を繋いで、環状のステータコア24を形成する。環状のステータコア24が形成されてステータ6が完成すると、ステータ6の内周側に隔壁部材11の円筒部11bを挿入して、隔壁部材11にステータ6を取り付ける。その後、固定用突起11eと位置決め用突起11fとによって回路基板4を位置決めした状態で、固定用突起11eにねじ込まれるネジ27によって、回路基板4を隔壁部材11に固定する。また、端子ピン26を回路基板4に半田付けして固定する。
その後、回路基板4およびステータ6が固定された隔壁部材11を金型内に配置し、この金型内に樹脂材料を注入して硬化させることで樹脂封止部材12を形成する。すなわち、樹脂封止部材12は、回路基板4およびステータ6が固定された状態の隔壁部材11に対して、樹脂材料を射出することで形成される。本形態では、樹脂封止部材12を射出成形で形成する際に、前側から金型内に樹脂材料を注入する。そのため、樹脂封止部材12の外周面の前端にゲート跡12aが形成される。
その後、円筒部11bの内周側にロータ5を配置してから、保持部材16に羽根車2を固定した後、ハウジング7に上ケース8を固定すると、ポンプ装置1が完成する。なお、回路基板4およびステータ6が固定された隔壁部材11が金型内に配置された状態では、コネクタ31および隔壁部材11等が金型に把持されている。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、樹脂封止部材12の外周面の前端にゲート跡12aが形成されており、樹脂封止部材12を形成する際には、前側から金型内に樹脂材料が注入されるが、回路基板4に実装されるIC29は、左右方向においてゲート跡12aからずれた位置に配置されている。そのため、本形態では、金型のゲートから流れ込む樹脂材料が比較的厚さの厚いIC29に直接当たりにくくなる。したがって、本形態では、回路基板4の下面に比較的厚さの厚いIC29が実装されていても、また、樹脂封止部材12を形成する際に金型内に注入される樹脂材料の注入圧が高くなっても、比較的厚さの厚いIC29の回路基板4からの浮きを抑制することが可能になる。
以上説明したように、本形態では、樹脂封止部材12の外周面の前端にゲート跡12aが形成されており、樹脂封止部材12を形成する際には、前側から金型内に樹脂材料が注入されるが、回路基板4に実装されるIC29は、左右方向においてゲート跡12aからずれた位置に配置されている。そのため、本形態では、金型のゲートから流れ込む樹脂材料が比較的厚さの厚いIC29に直接当たりにくくなる。したがって、本形態では、回路基板4の下面に比較的厚さの厚いIC29が実装されていても、また、樹脂封止部材12を形成する際に金型内に注入される樹脂材料の注入圧が高くなっても、比較的厚さの厚いIC29の回路基板4からの浮きを抑制することが可能になる。
また、本形態では、金型のゲートから流れ込む樹脂材料が比較的厚さの厚いIC29に直接当たりにくくなるため、金型のゲートから流れ込む樹脂材料の流れがIC29によって妨げられるのを抑制することが可能になる。したがって、本形態では、樹脂封止部材12の成形不良の発生を防止することが可能になる。
(電子部品の変形例)
図4は、本発明の他の実施の形態にかかる回路基板4、ステータ6および隔壁部材11の斜視図である。図5は、図4に示す回路基板4、ステータ6および隔壁部材11の底面図である。なお、図4、図5では、上述した形態の構成と同様の構成には、同一の符号を付している。
図4は、本発明の他の実施の形態にかかる回路基板4、ステータ6および隔壁部材11の斜視図である。図5は、図4に示す回路基板4、ステータ6および隔壁部材11の底面図である。なお、図4、図5では、上述した形態の構成と同様の構成には、同一の符号を付している。
上述した形態では、モータ3を制御するための制御回路とモータ3を駆動するための駆動回路とを備えるIC29が回路基板4に実装されているが、図4、図5に示すように、モータ3を制御するための制御回路を備えるIC39と、モータ3を駆動するための駆動回路を備えるトランジスタ40とが回路基板4に実装されていても良い。図4、図5に示す例では、回路基板4に、レギュレータ41も実装されている。
IC39、トランジスタ40およびレギュレータ41は、回路基板4の下面に実装されている。この変形例では、回路基板4の下面に1個のIC39と1個のレギュレータ41とが実装されている。また、上述のように、モータ3は三相モータであるため、回路基板4の下面には、3個のトランジスタ40が実装されている。IC39、トランジスタ40およびレギュレータ41の厚さ(上下方向の厚さ)は、比較的厚くなっており、IC39、トランジスタ40およびレギュレータ41は、回路基板4の下面から下側に突出している。
下側から見たときのIC39の形状、トランジスタ40の形状およびレギュレータ41の形状は、長方形状となっている。図5に示すように、下側から見たときに、長方形状に形成されるIC39の長辺は、前後方向と平行になっており、長方形状に形成されるトランジスタ40の長辺は、前後方向と平行になっている。また、下側から見たときに、長方形状に形成されるレギュレータ41の長辺は、左右方向と平行になっている。
IC39、トランジスタ40およびレギュレータ41は、左右方向においてゲート跡12aからずれた位置に配置されている。具体的には、IC39およびレギュレータ41は、ゲート跡12aよりも左右方向の一方側に配置され、3個のトランジスタ40は、ゲート跡12aよりも左右方向の他方側に配置されている。たとえば、IC39およびレギュレータ41は、ゲート跡12aよりも図5の右側に配置され、3個のトランジスタ40は、ゲート跡12aよりも図5の左側に配置されている。また、IC39の全体、トランジスタ40の全体およびレギュレータ41の全体が左右方向においてゲート跡12aからずれた位置に配置されており、下側から見ると、IC39の全体、トランジスタ40の全体およびレギュレータ41の全体と、ゲート跡12aとが前後方向において重なっていない。
図4、図5に示す変形例において、IC39およびトランジスタ40は、モータ3の制御およびモータ3の駆動の少なくともいずれか一方を行うための電子部品である。また、この変形例において、IC39は、モータ3を制御するための第1電子部品であり、トランジスタ40は、モータ3を駆動するための第2電子部品である。
なお、この変形例では、ステータ6は、端子ピン26を備えておらず、駆動用コイル23を構成する導線23aの端部が回路基板4に直接半田付けされている。また、この変形例では、回路基板4にコネクタ31が実装されておらず、リード線(図示省略)が回路基板4の後端部に直接半田付けされている。また、この変形例では、図5に示すように、インシュレータ25に、回路基板4の下面に接触して回路基板4を支持する溶着部25fが形成されている。図4では、溶着部25fとなる前の突起25eが図示されている。
(他の実施の形態)
上述した形態および変形例は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態および変形例は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態において、下側から見たときに、長方形状に形成されるIC29の長辺は、左右方向と平行になっていても良い。また、上述した形態において、下側から見たときに、長方形状に形成されるIC29の長辺は、左右方向および前後方向に対して傾いていても良い。さらに、上述した変形例において、下側から見たときに、長方形状に形成されるIC39の長辺は、左右方向と平行になっていても良いし、長方形状に形成されるトランジスタ40の長辺は、左右方向と平行になっていても良い。また、上述した変形例において、下側から見たときに、長方形状に形成されるIC39の長辺は、左右方向および前後方向に対して傾いていても良いし、長方形状に形成されるトランジスタ40の長辺は、左右方向および前後方向に対して傾いていても良い。
上述した形態および変形例において、モータ3を駆動制御するための2個以上のICが回路基板4に実装されていても良い。たとえば、モータ3を駆動制御するための2個のICが回路基板4に実装されていても良い。この場合には、たとえば、2個のICのうちの一方のICは、ゲート跡12aよりも右側に配置され、他方のICは、ゲート跡12aよりも左側に配置されている。また、上述した形態において、羽根車2は、ロータ5と一体で形成されていても良い。たとえば、羽根車2は、保持部材16と一体で形成されていても良い。
1 ポンプ装置
2 羽根車
3 モータ
4 回路基板
5 ロータ
6 ステータ
11 隔壁部材
11a 隔壁
12 樹脂封止部材
12a ゲート跡
29 IC(電子部品)
39 IC(電子部品、第1電子部品)
40 トランジスタ(電子部品、第2電子部品)
X 左右方向
Y 前後方向
Y1 前方向
Z 軸方向
Z2 第1方向
2 羽根車
3 モータ
4 回路基板
5 ロータ
6 ステータ
11 隔壁部材
11a 隔壁
12 樹脂封止部材
12a ゲート跡
29 IC(電子部品)
39 IC(電子部品、第1電子部品)
40 トランジスタ(電子部品、第2電子部品)
X 左右方向
Y 前後方向
Y1 前方向
Z 軸方向
Z2 第1方向
Claims (4)
- ロータおよび筒状に形成され前記ロータの外周側に配置されるステータを有するモータと、前記ロータに取り付けられる羽根車と、前記ロータと前記ステータとの間に配置される略有底円筒状の隔壁を有する隔壁部材と、前記ロータの軸方向における前記隔壁の外側で前記隔壁に固定される平板状の回路基板と、前記ステータおよび前記回路基板を覆う樹脂製の樹脂封止部材とを備え、
前記軸方向のうちの前記隔壁に対して前記回路基板が配置される方向を第1方向とし、前記軸方向に直交する所定の方向を前後方向とし、前後方向の一方を前方向とし、前記軸方向と前後方向とに直交する方向を左右方向とすると、
前記回路基板は、前記回路基板の厚さ方向と前記軸方向とが一致した状態で前記隔壁に固定され、
前記樹脂封止部材の外周面の前端には、ゲート跡が形成され、
前記回路基板の第1方向側の面には、前記モータの制御および前記モータの駆動の少なくともいずれか一方を行うための電子部品が実装され、
前記電子部品は、左右方向において前記ゲート跡からずれた位置に配置されていることを特徴とするポンプ装置。 - 前記回路基板には、前記モータを制御するとともに駆動するための1個の前記電子部品が実装されていることを特徴とする請求項1記載のポンプ装置。
- 前記回路基板には、前記電子部品として、前記モータを制御するための第1電子部品と、前記モータを駆動するための第2電子部品とが実装され、
前記第1電子部品は、前記ゲート跡よりも左右方向の一方側に配置され、
前記第2電子部品は、前記ゲート跡よりも左右方向の他方側に配置されていることを特徴とする請求項1記載のポンプ装置。 - 第1方向側から見たときの前記電子部品の形状は、長方形状となっており、
第1方向側から見たときに、長方形状に形成される前記電子部品の長辺は、前後方向または左右方向と平行になっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポンプ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019164764A JP2021042705A (ja) | 2019-09-10 | 2019-09-10 | ポンプ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019164764A JP2021042705A (ja) | 2019-09-10 | 2019-09-10 | ポンプ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021042705A true JP2021042705A (ja) | 2021-03-18 |
Family
ID=74863897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019164764A Withdrawn JP2021042705A (ja) | 2019-09-10 | 2019-09-10 | ポンプ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2021042705A (ja) |
-
2019
- 2019-09-10 JP JP2019164764A patent/JP2021042705A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220901 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20230117 |