JP2021042454A - 金属部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属炭化物粉末の隙間への金属の充填不足を抑制可能な金属部材の製造方法を提供すること。【解決手段】一実施の形態に係る金属部材の製造方法では、金属粉末に樹脂結着剤を混合して成形した第2のシート22が、金属炭化物粉末に樹脂結着剤を混合して成形した第1のシート21よりも鉛直上側に位置する状態において、第1及び第2のシート21、22が積層された金属基材10を加熱し、金属粉末を溶融させる。その後、金属基材10を冷却し、金属基材10上に耐摩耗層30を形成する。【選択図】図1
Description
本発明は金属部材の製造方法に関する。
耐摩耗層が金属基材上にコーティングされた金属部材は、例えば刃具等に広く利用されている。耐摩耗層を金属基材上にコーティングする方法として、熱間等方加圧(HIP:Hot Isostatic Pressing)法、溶浸法、ろう付け法、溶射法等が知られているが、大型装置や手間を要する等の問題を有していた。
これに対し、特許文献1には、金属炭化物粉末に樹脂結着剤を混合したシートと、金属粉末に樹脂結着剤を混合したシートと、を金属基材上に重ねて積層し、金属粉末を溶融させることによって金属基材上に耐摩耗層を形成する手法が開示されている。
発明者は、金属中に金属炭化物粒子が分散した耐摩耗層を金属基材上にコーティングする金属部材の製造方法に関し、以下の問題を見出した。
特許文献1に記載の手法では、金属粉末シートを金属基材上に積層し、金属粉末シート上に金属炭化物粉末シートを積層している。そのため、金属粉末が溶融した際、毛細管現象によって、溶融金属が重力に逆らって金属炭化物粉末の隙間に吸い上げられる必要がある。従って、特許文献1に記載の手法では、金属炭化物粉末の隙間に金属を充分に充填できない問題があった。
その他の課題と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
特許文献1に記載の手法では、金属粉末シートを金属基材上に積層し、金属粉末シート上に金属炭化物粉末シートを積層している。そのため、金属粉末が溶融した際、毛細管現象によって、溶融金属が重力に逆らって金属炭化物粉末の隙間に吸い上げられる必要がある。従って、特許文献1に記載の手法では、金属炭化物粉末の隙間に金属を充分に充填できない問題があった。
その他の課題と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態に係る金属部材の製造方法では、金属粉末に樹脂結着剤を混合して成形した第2のシートが、金属炭化物粉末に樹脂結着剤を混合して成形した第1のシートよりも鉛直上側に位置する状態において、第1及び第2のシートが積層された金属基材を加熱し、金属粉末を溶融させた後、金属基材を冷却し、金属基材上に耐摩耗層を形成する。
他の一実施の形態に係る金属部材の製造方法では、金属炭化物粉末と金属粉末と樹脂結着剤とを混合して成形したシートが積層された金属基材を加熱し、金属粉末を溶融させた後、金属基材を冷却し、金属基材上に前記耐摩耗層を形成する。シートにおける金属炭化物粉末の含有量を50質量%以下とする。
前記一実施の形態によれば、金属炭化物粉末の隙間への金属の充填不足を抑制可能な金属部材の製造方法を提供することができる。
以下、具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜簡略化されている。
(第1の実施形態)
<金属部材の製造方法>
図1を参照して、第1の実施形態に係る金属部材の製造方法について説明する。図1は、第1の実施形態に係る金属部材の製造方法を示す断面図である。第1の実施形態に係る金属部材の製造方法は、金属中に金属炭化物粒子が分散した耐摩耗層を金属基材上にコーティングする金属部材の製造方法である。金属部材は、例えば刃具である。マトリクスである金属及び硬質粒子である金属炭化物粒子は特に限定されないが、図1の例では、マトリクスであるニッケル基合金中に硬質粒子である炭化タングステン粒子が分散している。
<金属部材の製造方法>
図1を参照して、第1の実施形態に係る金属部材の製造方法について説明する。図1は、第1の実施形態に係る金属部材の製造方法を示す断面図である。第1の実施形態に係る金属部材の製造方法は、金属中に金属炭化物粒子が分散した耐摩耗層を金属基材上にコーティングする金属部材の製造方法である。金属部材は、例えば刃具である。マトリクスである金属及び硬質粒子である金属炭化物粒子は特に限定されないが、図1の例では、マトリクスであるニッケル基合金中に硬質粒子である炭化タングステン粒子が分散している。
なお、当然のことながら、図1及び他の図面に示した右手系xyz直交座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。通常、z軸正向きが鉛直上向き、xy平面が水平面である。
まず、図1上段に示すように、炭化タングステン粉末(WC粉末)に樹脂結着剤を混合して成形したWC粉末シート(第1のシート)21を金属基材10上に積層する。そして、ニッケル基合金粉末(Ni基合金粉末)に樹脂結着剤を混合して成形したNi基合金粉末シート(第2のシート)22をWC粉末シート21上に積層する。WC粉末シート21及びNi基合金粉末シート22における樹脂結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE:polytetrafluoroethylene)を用いることができる。
ここで、WC粉末シート21においてPTFEの含有量が多くなると、加熱中にPTFEが分解することによって、WC粉末シート21にひび割れが発生する。そこで、PTFEの含有量を0.6質量%、1質量%、5質量%、10質量%の4段階に変化させ、WC粉末シート21を作製した。メジアン径(D50)7.5〜12μmのWC粉末を使用し、WC粉末シート21の厚さは2mmとした。
これら4枚のWC粉末シート21を真空中において1000℃に加熱し、ひび割れの発生を調査した。その結果、5質量%、10質量%のWC粉末シート21については、ひび割れが発生し、0.6質量%、1質量%のWC粉末シート21については、ひび割れが発生しなかった。すなわち、WC粉末シート21におけるPTFEの含有量は、例えば1質量%以下であることが好ましい。
同様に、Ni基合金粉末シート22におけるPTFEの含有量も、例えば1質量%以下であることが好ましい。
同様に、Ni基合金粉末シート22におけるPTFEの含有量も、例えば1質量%以下であることが好ましい。
また、WC粉末シート21を金属基材10上に樹脂系接着剤によって接着し、Ni基合金粉末シート22をWC粉末シート21上に樹脂系接着剤によって接着してもよい。樹脂系接着剤としては、アクリル系接着剤やシアノアクリレート系接着剤を使用することができる。これらの樹脂系接着剤を使用すると、加熱後に形成される耐摩耗層30中に残渣が残留しないため好ましい。
次に、図1下段に示すように、Ni基合金粉末シート22がWC粉末シート21よりも鉛直上側(z軸正方向側)に位置する状態において、WC粉末シート21及びNi基合金粉末シート22が積層された金属基材10を加熱する。そして、Ni基合金粉末シート22におけるNi基合金粉末を溶融させた後、金属基材10を冷却し、金属基材10上に耐摩耗層30を形成する。WC粉末シート21のWC粉末の隙間に溶融したNi基合金が浸透し、充填されることによって、耐摩耗層30が形成される。
上述の通り、特許文献1では、Ni基合金粉末シート上にWC粉末シートを積層する。そのため、Ni基合金粉末シートにおけるNi基合金粉末が溶融した際、毛細管現象によって、溶融したNi基合金が重力に逆らってWC粉末の隙間に吸い上げられる必要がある。従って、WC粉末の隙間にNi基合金を充分に充填できない。
これに対し、第1の実施形態に係る金属部材の製造方法では、図1に示すように、WC粉末シート21上にNi基合金粉末シート22を積層する。そして、Ni基合金粉末シート22がWC粉末シート21よりも鉛直上側に位置する状態において、金属基材10を加熱し、Ni基合金粉末シート22におけるNi基合金粉末を溶融させる。そのため、溶融したNi基合金が重力によって下方向に移動しながらWC粉末シート21のWC粉末の隙間に浸透する。従って、WC粉末の隙間にNi基合金を充分に充填できる。
<第1の実施形態に係る金属部材の製造方法の実施例>
以下、第1の実施形態に係る金属部材の製造方法を、実施例を挙げて詳細に説明する。しかしながら、第1の実施形態に係る金属部材の製造方法は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
以下、第1の実施形態に係る金属部材の製造方法を、実施例を挙げて詳細に説明する。しかしながら、第1の実施形態に係る金属部材の製造方法は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
まず、表1に示すように、PTFEとWC粉末とを混合し、実施例1〜3に係るWC粉末シート21を作製した。WC粉末シート21の厚さはいずれも2mmとした。表1には、PTFEとWC粉末との配合比(質量%)、及び作製したWC粉末シート21の密度(g/cm3)を示した。表1に示すように、PTFEの配合比はいずれも0.6質量%とし、残り99.4質量%をWC粉末とした。
WC粉末シート21の密度を高めるために、実施例1〜3に係るWC粉末シート21において、いずれも異なる粒径のWC粉末を略1:1の割合で混合した。表1に示すように、メジアン径(D50)53〜106μm、メジアン径7.5〜12μm、メジアン径3〜4μmの3種類のWC粉末を用いた。
その結果、表1に示すように、メジアン径7.5〜12μmのWC粉末とメジアン径3〜4μmのWC粉末とを混合した実施例2に係るWC粉末シート21の密度が最も高かった。ここで、図2は、実施例2に係るWC粉末シート21の表面の走査型電子顕微鏡写真である。図2に示すように、結着剤であるPTFEがWC粉末を保持している。
次に、PTFEとメジアン径45〜106μmのNi基合金粉末とを0.6:99.4の質量比で混合し、厚さ2mmのNi基合金粉末シート22を作製した。そして、JIS規格SS400からなる金属基材10上に、実施例2に係るWC粉末シート21をアクリル系接着剤によって接着した。さらに、WC粉末シート21上にNi基合金粉末シート22をアクリル系接着剤によって接着した。
その後、Ni基合金粉末シート22及びWC粉末シート21を上側にした状態で、金属基材10を真空加熱炉に入れ、真空中において1050℃で加熱した。Ni基合金粉末シート22におけるNi基合金粉末が溶融し、WC粉末シート21のWC粉末の隙間に浸透することによって、金属基材10上に耐摩耗層30が形成された。得られた耐摩耗層30におけるWCの濃度は、60質量%であった。また、耐摩耗層30のロックウェル硬さは、67HRCであった。このロックウェル硬さの値は、3点での測定値の平均値である。
ここで、図3は、加熱前と加熱後とにおける実施例2に係る金属部材の上面マクロ写真及び側面マクロ写真である。図3に示すように、加熱前には、金属基材10にWC粉末シート21及びNi基合金粉末シート22が積層されている。加熱後には、Ni基合金粉末シート22におけるNi基合金粉末が溶融し、WC粉末シート21のWC粉末の隙間に浸透することによって、金属基材10上に耐摩耗層30が形成されている。すなわち、WC粉末シート21の形状が維持されたまま、耐摩耗層30が形成されている。
ここで、図4は、耐摩耗層30全体の断面ミクロ写真、及び耐摩耗層30と金属基材10との界面部の拡大断面ミクロ写真である。図4に示すように、WC粉末の隙間にNi基合金が略完全に充填されており、ボイドは確認されなかった。また、耐摩耗層30と金属基材10との接合状態も極めて良好であった。
以上の通り、第1の実施形態に係る金属部材の製造方法によって、WC粉末の隙間にNi基合金が充分に充填されることが確認できた。
以上の通り、第1の実施形態に係る金属部材の製造方法によって、WC粉末の隙間にNi基合金が充分に充填されることが確認できた。
(第2の実施形態)
<金属部材の製造方法>
次に、図5を参照して、第2の実施形態に係る金属部材の製造方法について説明する。図5は、第2の実施形態に係る金属部材の製造方法を示す断面図である。
まず、図5上段に示すように、WC粉末とNi基合金粉末と樹脂結着剤とを混合して成形した混合粉末シート20を金属基材10上に積層する。ここで、混合粉末シート20におけるWC粉末の含有量を50質量%以下とする。WC粉末の含有量が50質量%を超えると、Ni基合金をWC粉末の隙間に充分に充填させることができなくなる。他方、WC粉末の含有量が小さ過ぎると、充分な耐摩耗性が得られないため、WC粉末の含有量は例えば30質量%以上とする。
<金属部材の製造方法>
次に、図5を参照して、第2の実施形態に係る金属部材の製造方法について説明する。図5は、第2の実施形態に係る金属部材の製造方法を示す断面図である。
まず、図5上段に示すように、WC粉末とNi基合金粉末と樹脂結着剤とを混合して成形した混合粉末シート20を金属基材10上に積層する。ここで、混合粉末シート20におけるWC粉末の含有量を50質量%以下とする。WC粉末の含有量が50質量%を超えると、Ni基合金をWC粉末の隙間に充分に充填させることができなくなる。他方、WC粉末の含有量が小さ過ぎると、充分な耐摩耗性が得られないため、WC粉末の含有量は例えば30質量%以上とする。
第1の実施形態と同様に、樹脂結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE:polytetrafluoroethylene)を用いることができる。混合粉末シート20におけるPTFEの含有量は、例えば0.6〜1質量%であることが好ましい。また、混合粉末シート20を金属基材10上に樹脂系接着剤によって接着してもよい。樹脂系接着剤としては、アクリル系接着剤やシアノアクリレート系接着剤を使用することができる。
次に、図5下段に示すように、混合粉末シート20が積層された金属基材10を加熱する。そして、混合粉末シート20におけるNi基合金粉末を溶融させた後、金属基材10を冷却し、金属基材10上に耐摩耗層30を形成する。混合粉末シート20のWC粉末の隙間に溶融したNi基合金が浸透し、充填されることによって、耐摩耗層30が形成される。
上述の通り、特許文献1では、Ni基合金粉末シート上にWC粉末シートを積層する。そのため、Ni基合金粉末シートにおけるNi基合金粉末が溶融した際、毛細管現象によって、溶融したNi基合金が重力に逆らってWC粉末の隙間に吸い上げられる必要がある。従って、WC粉末の隙間にNi基合金を充分に充填できない。
これに対し、第2の実施形態に係る金属部材の製造方法では、図5に示すように、WC粉末とNi基合金粉末とを予め混合して成形した混合粉末シート20を金属基材10上に積層する。ここで、混合粉末シート20におけるWC粉末の含有量を50質量%以下とする。このように、WC粉末の含有量を50質量%以下として、WC粉末とNi基合金粉末とを予め混合しておくことによって、加熱によって溶融したNi基合金をWC粉末の隙間に充分に充填させることができる。
<第2の実施形態に係る金属部材の製造方法の実施例>
以下、第2の実施形態に係る金属部材の製造方法を、実施例を挙げて詳細に説明する。しかしながら、第2の実施形態に係る金属部材の製造方法は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
以下、第2の実施形態に係る金属部材の製造方法を、実施例を挙げて詳細に説明する。しかしながら、第2の実施形態に係る金属部材の製造方法は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
まず、表2に示すように、PTFEとNi基合金粉末とWC粉末とを混合し、実施例及び比較例に係る混合粉末シート20を作製した。混合粉末シート20の厚さはいずれも2mmとした。表2には、PTFEとNi基合金粉末とWC粉末との配合比(質量%)を示した。表2に示すように、PTFEの配合比はいずれも0.6質量%とした。残り99.4質量%のうち、実施例についてはWC粉末の配合比を50質量%とし、比較例についてはWC粉末の配合比を60質量%とした。実施例及び比較例のいずれについても、メジアン径45〜106μmのNi基合金粉末を用いた。
WC粉末の密度を高めるために、表2に示すように、実施例及び比較例に係る混合粉末シート20において、メジアン径7.5〜12μm及びメジアン径3〜4μmのWC粉末を1:1の割合で混合した。ここで、図6は、実施例に係る混合粉末シート20の表面の走査型電子顕微鏡写真である。図6に示すように、結着剤であるPTFEがWC粉末及びNi基合金粉末を保持している。
次に、実施例及び比較例に係る混合粉末シート20をそれぞれJIS規格SS400からなる金属基材10上にアクリル系接着剤によって接着した。その後、混合粉末シート20を上側にした状態で、金属基材10を真空加熱炉に入れ、真空中において1050℃で加熱した。混合粉末シート20におけるNi基合金粉末が溶融し、WC粉末の隙間に浸透することによって、金属基材10上に耐摩耗層30が形成された。耐摩耗層30のロックウェル硬さは、66HRCであった。このロックウェル硬さの値は、3点での測定値の平均値である。
ここで、図7は、加熱前と加熱後とにおける実施例に係る金属部材の上面マクロ写真及び側面マクロ写真である。図7に示すように、加熱前には、金属基材10に混合粉末シート20が積層されている。加熱後には、混合粉末シート20におけるNi基合金粉末が溶融し、WC粉末の隙間に浸透することによって、金属基材10上に耐摩耗層30が形成されている。すなわち、混合粉末シート20の形状が維持されたまま、耐摩耗層30が形成されている。
ここで、図8は、実施例及び比較例における耐摩耗層30全体の断面ミクロ写真、及び耐摩耗層30の拡大断面ミクロ写真である。図8に示すように、WC粉末の含有量が50質量%の実施例では、多少のボイドは確認されたが、WC粉末の隙間にNi基合金が充分に充填されている。また、耐摩耗層30と金属基材10との接合状態も良好であった。一方、WC粉末の含有量が60質量%の比較例では、ボイドが多数確認され、WC粉末の隙間にNi基合金が充分に充填されなかった。
以上の通り、WC粉末の含有量を50質量%以下として、WC粉末とNi基合金粉末とを予め混合しておく第2の実施形態に係る金属部材の製造方法によっても、WC粉末の隙間にNi基合金が充分に充填されることが確認できた。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
10 金属基材
20 混合粉末シート
21 WC粉末シート
22 Ni基合金粉末シート
30 耐摩耗層
20 混合粉末シート
21 WC粉末シート
22 Ni基合金粉末シート
30 耐摩耗層
Claims (10)
- 金属中に金属炭化物粒子が分散した耐摩耗層を金属基材上にコーティングする金属部材の製造方法であって、
(a)金属炭化物粉末に樹脂結着剤を混合して成形した第1のシートを前記金属基材上に積層すると共に、金属粉末に樹脂結着剤を混合して成形した第2のシートを前記第1のシート上に積層する工程と、
(b)前記第2のシートが第1のシートよりも鉛直上側に位置する状態において、前記第1及び第2のシートが積層された前記金属基材を加熱し、前記金属粉末を溶融させた後、前記金属基材を冷却し、前記金属基材上に前記耐摩耗層を形成する工程と、を備えた、
金属部材の製造方法。 - 前記金属粉末が、ニッケル基合金粉末であり、
前記金属炭化物粉末が、炭化タングステン粉末である、
請求項1に記載の金属部材の製造方法。 - 前記第1のシートは、前記樹脂結着剤であるポリテトラフルオロエチレンを0.6〜1.0質量%含有する、
請求項1に記載の金属部材の製造方法。 - 前記工程(a)において、
前記第1のシートを前記金属基材上に樹脂系接着剤によって接着し、
前記第2のシートを前記第1のシート上に樹脂系接着剤によって接着する、
請求項1に記載の金属部材の製造方法。 - 前記樹脂系接着剤は、アクリル系接着剤である、
請求項4に記載の金属部材の製造方法。 - 金属粉末中に金属炭化物粒子が分散した耐摩耗層を金属基材上にコーティングする金属部材の製造方法であって、
(a)金属炭化物粉末と金属粉末と樹脂結着剤とを混合して成形したシートを前記金属基材上に積層する工程と、
(b)前記シートが積層された前記金属基材を加熱し、前記金属粉末を溶融させた後、前記金属基材を冷却し、前記金属基材上に前記耐摩耗層を形成する工程と、を備え、
前記シートにおける前記金属炭化物粉末の含有量を50質量%以下とする、
金属部材の製造方法。 - 前記金属粉末が、ニッケル基合金粉末であり、
前記金属炭化物粉末が、炭化タングステン粉末である、
請求項6に記載の金属部材の製造方法。 - 前記シートは、前記樹脂結着剤であるポリテトラフルオロエチレンを0.6〜1.0質量%含有する、
請求項6に記載の金属部材の製造方法。 - 前記工程(a)において、
前記シートを前記金属基材上に樹脂系接着剤によって接着する、
請求項6に記載の金属部材の製造方法。 - 前記樹脂系接着剤は、アクリル系接着剤である、
請求項9に記載の金属部材の製造方法。
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