JP2021040027A - 横型ダイオードの製造方法及びバイポーラトランジスタの製造方法 - Google Patents

横型ダイオードの製造方法及びバイポーラトランジスタの製造方法 Download PDF

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Katsuhiko Fujita
克彦 藤田
猛壮 筒井
Takemasa Tsutsui
猛壮 筒井
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【課題】製造コストを低減可能な横型ダイオードの製造方法を提供すること。【解決手段】本開示の一側面は、基板と、上記基板上の所定領域に設けられた第一の導電層及び上記第一の導電層上に設けられた支持体と、を有する基材を用意する工程と、上記基板上の第一の導電層が設けられていない領域に、上記第一の導電層と離間させて第二の導電層を設ける工程と、上記第二の導電層と、上記基板の上記第一の導電層及び上記第二の導電層の間の領域の少なくとも一部と、を覆うように第一の有機半導体層を設ける工程と、上記支持体をはく離する工程と、上記第一の導電層と、上記第一の有機半導体層の少なくとも一部と、を覆うように第二の有機半導体層を設ける工程と、を備え、上記第一の有機半導体層及び上記第二の有機半導体層を設ける工程が、ホスト有機半導体、ドーパント及び溶媒を含む分散液をエアロゾル化し、上記エアロゾル中の溶媒量を低減し微粒子化させて対象に付着させることで行われる、横型ダイオードの製造方法を提供する。【選択図】図1

Description

本開示は、横型ダイオードの製造方法及びバイポーラトランジスタの製造方法に関する。
有機半導体を用いたダイオード及びトランジスタは、フレキシビリティを有するデバイスを製造可能であることから注目されている。また、近年のデバイスの小型化の要請から横型pn接合ダイオードの検討が行われている。横型pn接合ダイオードは蒸着等の乾式プロセスを使用して製造されることが多い。上述のとおり、フレキシビリティを有するデバイスの製造には高分子材料等の使用が適しているが、蒸着で使用できる材料が限られており、材料選択の幅が少なく、製造コストが上昇する傾向にあることかが、実用化された例はない。
湿式プロセスを利用して横型pn接合ダイオードを製造することも考えられる。この場合、マスクを利用して電極間(ソース電極及びドレイン電極間)のギャップ調整を図る必要がある。マスクを利用しての微細な調整は極めて困難であり、電極間ギャップを広く(例えば、数十μm以上)設けざるを得ない。一方、有機半導体は無機半導体に比べて導電率が低いために、上述のような湿式プロセスで製造されるダイオード又はトランジスタでは大きな電流を取り出すことは困難である。そこで、ドーパントを使用して、有機半導体の導電率を向上させることも考えられるが、有機半導体へのn型ドープは困難と考えられている。
ところで、ポリマー濃度が数ppmである超希薄溶液から高分子膜を製膜可能な方法として、超稀薄溶液気相濃縮スプレイ法(Evaporated Spray Deposition using Ultra dilute Solution(ESDUS)法)が知られている(例えば、特許文献1)。当該ESDUS法を応用し、ホスト有機半導体にn型ドーパントをドープして、有機n型半導体膜を製造する技術が検討されている(例えば、特許文献2)。
特開2002−075641号公報 特開2018−129453号公報
本開示は、製造コストを低減可能な横型ダイオードの製造方法を提供することを目的とする。本開示はまた、製造コストを低減可能なバイポーラトランジスタの製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一側面は、基板と、上記基板上の所定領域に設けられた第一の導電層及び上記第一の導電層上に設けられた支持体と、を有する基材を用意する工程と、上記基板上の第一の導電層が設けられていない領域に、上記第一の導電層と離間させて第二の導電層を設ける工程と、上記第二の導電層と、上記基板の上記第一の導電層及び上記第二の導電層の間の領域の少なくとも一部と、を覆うように第一の有機半導体層を設ける工程と、上記支持体をはく離する工程と、上記第一の導電層と、上記第一の有機半導体層の少なくとも一部と、を覆うように第二の有機半導体層を設ける工程と、を備え、上記第一の有機半導体層及び上記第二の有機半導体層を設ける工程が、ホスト有機半導体、ドーパント及び溶媒を含む分散液をエアロゾル化し、上記エアロゾル中の溶媒量を低減し微粒子化させて対象に付着させることで行われる、横型ダイオードの製造方法を提供する。
上記横型ダイオードの製造方法は、有機半導体層を、所定の分散液をエアロゾル化することを含む手段で形成していることから、製造コストを低減可能である。また、半導体層を有機半導体で形成していることから、得られる横型ダイオードは優れたフレキシビリティを発揮し得る。
上述の横型ダイオードの製造方法において、支持体及び上記支持体上に設けられた導電層を有するドライフィルムを、上記基板上の所定領域に上記導電層側から貼り付けることによって、上記基材を用意してもよい。あらかじめ調製されたドライフィルムの転写によって、上記基材を調製することによって、より簡便に横型ダイオードを製造することができる。
上述の横型ダイオードの製造方法において、支持体及び上記支持体上に設けられた導電層を有する積層シートを上記導電層側から切断具によって切断しドライフィルムを得て、当該ドライフィルムを上記基板上の所定領域に上記導電層側から貼り付けることによって、上記基材を用意してもよい。上述のように調整されたドライフィルムを用いて基材を調製することによって、電極間の距離の調整がより容易なものとなる。
上述の横型ダイオードの製造方法において、上記第二の導電層を設ける工程が、導電体を上記基材上に斜め蒸着させることによって行われてもよい。斜め蒸着させることによって、電極間の距離の調整がより容易なものとなる。
上述の横型ダイオードの製造方法において、上記第二の導電層を設ける工程が、支持体及び上記支持体上に設けられた導電層を有する積層シートを上記導電層側から切断具を用いて切断しドライフィルムを得て、上記基板上の上記第一の導電層が設けられていない領域に当該ドライフィルムを上記導電層側から貼り付けることによって行われてもよい。
上述の横型ダイオードの製造方法において、上記第一の導電層と上記第二の導電層との上記基板上における離間距離が10μm以下であってよい。従来の湿式法では電極間距離を小さくすることは困難であるが、上述の横型ダイオードの製造方法であれば、10μm以下の離間距離とすることができる。
本開示の一側面は、基板と、上記基板上の所定領域に設けられた第一の導電層及び上記第一の導電層上に設けられた支持体と、を有する基材を用意する工程と、上記基板上の第一の導電層が設けられていない領域に、上記第一の導電層と離間させて第二の導電層を設ける工程と、上記第二の導電層と、上記基板の上記第一の導電層及び上記第二の導電層の間の領域の少なくとも一部と、を覆うように第一の有機半導体層を設ける工程と、上記支持体をはく離する工程と、上記第一の導電層と、上記第一の有機半導体層の少なくとも一部と、を覆うように第二の有機半導体層を設ける工程と、上記第二の有機半導体層上に第三の有機半導体層を設ける工程と、上記第三の有機半導体層上に第三の導電層を設ける工程と、を備え、上記第一の有機半導体層、上記第二の有機半導体層及び上記第三の有機半導体層を設ける工程が、ホスト有機半導体、ドーパント及び溶媒を含む分散液をエアロゾル化し、上記エアロゾル中の溶媒量を低減し微粒子化させて対象に付着させることで行われる、バイポーラトランジスタの製造方法を提供する。
上述のバイポーラトランジスタの製造方法は、有機半導体層を、所定の分散液をエアロゾル化することを含む手段で形成していることから、製造コストを低減可能である。また、半導体層を有機半導体で形成していることから、得られるバイポーラトランジスタは優れたフレキシビリティを発揮し得る。
本開示によれば、製造コストを低減可能な横型ダイオードの製造方法を提供することができる。本開示によればまた、製造コストを低減可能なバイポーラトランジスタの製造方法を提供することができる。
図1は、横型ダイオードの製造方法の一例を説明するための模式図である。 図2は、横型ダイオードの製造方法の一例を説明するための模式図である。 図3は、ドライフィルムの一例を示す模式断面図である。 図4は、図2で用いるドライフィルムの調製方法の一例を説明するための模式図である。 図5は、横型ダイオードの製造方法の一例を説明するための模式図である。 図6は、バイポーラトランジスタの製造方法の一例を説明するための模式図である。
以下、場合によって図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。各要素の寸法比率は図面に図示された比率に限られるものではない。
本明細書において例示する材料は特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中の各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
横型ダイオードの製造方法の一実施形態は、基板と、上記基板上の所定領域に設けられた第一の導電層及び上記第一の導電層上に設けられた支持体と、を有する基材を用意する工程と、上記基板上の第一の導電層が設けられていない領域に、上記第一の導電層と離間させて第二の導電層を設ける工程と、上記第二の導電層と、上記基板の上記第一の導電層及び上記第二の導電層の間の領域の少なくとも一部と、を覆うように第一の有機半導体層を設ける工程と、上記支持体をはく離する工程と、上記第一の導電層と、上記第一の有機半導体層の少なくとも一部と、を覆うように第二の有機半導体層を設ける工程と、を備える。本実施形態において、上記第一の有機半導体層及び上記第二の有機半導体層を設ける工程が、ホスト有機半導体、ドーパント及び溶媒を含む分散液をエアロゾル化し、上記エアロゾル中の溶媒量を低減し微粒子化させて対象に付着させることで行われる。
図1は、横型ダイオードの製造方法の一例を説明するための模式図である。図1の(a)は、基材100の断面図を示している。基材100は、基板10と、基板10上に設けられたドライフィルム50を有する。ドライフィルム50は、接着剤を介して基板10に接着されていてもよい。ドライフィルム50は、第一の導電層20と、第一の導電層20上に接着層30を介して設けられた支持体40とを有する。ドライフィルム50は、第一の導電層20を基板10上に設けると共に、第二の導電層25を設ける工程から第一の有機半導体層60を設ける工程において、第一の導電層20を保護する役割も担う。
上記基材100は、支持体40及び上記支持体40上に設けられた導電層(第一の導電層20となる層)を有するドライフィルム50を、上記基板10上の所定領域に上記導電層側から貼り付けることによって用意してもよい。
基板10は、例えば、ガラス基板、及びプラスチック基板等であってよい。基板10は、好ましくはフレキシビリティを有するものである。プラスチック基板としては、例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。
第一の導電層20は、例えば、金、銀、銅、及びアルミニウムからなる群より選択される少なくとも一種を含んでもよい。第一の導電層20は、第一の半導体がn型半導体の場合は好ましくは金を含み、より好ましくは金からなる、第一の半導体がp型半導体の場合は、好ましくはアルミニウムを含み、より好ましくはアルミニウムからなる。
第一の導電層20の厚さの上限値は、120nm以下、110nm以下、100nm以上、又は90nm以下であってよい。第一の導電層20の厚さの上限値が上記範囲内とすることによって、後工程で、接着層30及び支持体40をはく離する際の導電層の欠損を十分に抑制することができる。第一の導電層20の厚さの下限値は、40nm以上、30nm以上、20nm以上、又は10nm以上であってよい。第一の導電層20の厚さの下限値を上記範囲内とすることによって、第一の導電層20の導電性をより向上させることができる。第一の導電層20の厚さは、上述の範囲内で調整することができ、例えば、120〜90nm、又は100〜70nmであってよい。
接着層30は後工程で第一の導電層20からはく離される。接着層30としては、第一の導電層20からはく離される際に、第一の導電層20上に接着層30の構成成分が残らないようにすることが好ましい。接着層30は、例えば、加熱はく離型粘着層、又は冷却はく離型粘着層であってよい。
接着層30は、例えば、ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、ビニルアルキルエーテル系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ウレタン系接着剤、フッ素系接着剤、及びスチレン−ジエンブロック共重合体系等のポリマー等の接着剤を含んでもよい。
上記接着剤は、より具体的には、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体ゴム、再生ゴム、ブチルゴム、アクリル酸及びメタクリル酸アルキルエステルの重合体であるアクリル系重合体をベースポリマーとするアクリル系粘着剤などが挙げられる。
接着層30の厚さの上限値は、30μm以下、25μm以下、20μm以上、又は15μm以下であってよい。接着層30の厚さの上限値が上記範囲内とすることによって、後工程で、接着層30及び支持体40を第一の導電層20からより容易にはく離することができ、接着層残りを十分に抑制することができる。接着層30の厚さの下限値は、3μm以上、5μm以上、8μm以上、又は10μm以上であってよい。接着層30の厚さの下限値を上記範囲内とすることによって、第一の導電層20との接着性をより十分なものとすることができる。接着層30の厚さは、上述の範囲内で調整することができ、例えば、3〜30μm、又は5〜15μmであってよい。
支持体40は、例えば、高分子フィルム等からなってよい。高分子フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、及びフッ素系ポリマーフィルム等が挙げられる。フッ素系ポリマーは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びクロロトリフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等が挙げられる。
支持体40の厚さの上限値は、300μm以下、150μm以下、100μm以上、90μ以下、又は80μm以下であってよい。支持体40の厚さの上限値が上記範囲内とすることによって、後工程で、接着層30及び支持体40を第一の導電層20からより容易にはく離することができる。支持体40の厚さの下限値は、30μm以上、40μm以上、50μm以上、又は60μm以上であってよい。支持体40の厚さの下限値を上記範囲内とすることによって、接着層30及び支持体40を第一の導電層20からはく離する際に接着層30の残渣を少なくすることができる。支持体40の厚さは、上述の範囲内で調整することができ、例えば、30〜300μm、又は40〜150μmであってよい。
接着層30及び支持体40は、例えば、加熱はく離型粘着シート等であってよい。加熱はく離型粘着シートとしては、例えば、電子部品工程用熱はく離シート(日東電工株式会社製、商品名:リバアルファ)等を用いることができる。
図1の(b)は、上記基板10上の第一の導電層20が設けられていない領域に、上記第一の導電層20と離間させて第二の導電層25を設ける工程を示している。図1の(b)では、第一の導電層20と離間距離Lだけ離間させて第二の導電層25を設けている。
第二の導電層25は、第一の導電層20と同じ材料で構成されていてもよく、第一の導電層20と異なる材料で構成されていてもよい。第二の導電層25は、例えば、金、銀、銅及びアルミニウムからなる群より選択される少なくとも一種を含んでもよい。第二の導電層25は、第一の半導体がn型半導体の場合は好ましくはアルミニウムを含み、より好ましくはアルミニウムからなる。第一の半導体がp型半導体の場合は、好ましくは金を含み、より好ましくは金からなる。
第二の導電層25は、例えば、蒸着、印刷、及び、あらかじめ調製された導電膜を転写すること等によって形成してもよい。例えば、上述の横型ダイオードの製造方法においては、上記第二の導電層25を設ける工程が、導電体を上記基材上に斜め蒸着させることによって行われてもよい。より具体的には、まず、基材100を真空装置内に、水平から角度θだけ傾けて固定する。この際、ドライフィルム50が上方に位置するように調整する。その後、ドライフィルム50側から導電体を基板10上に蒸着させることによって、ドライフィルム50の陰になる位置に蒸着膜を形成せず、第一の導電層20と所定距離だけ離れた位置に第二の導電層25を設けることができる。
第一の導電層20と第二の導電層25との離間距離Lは、横型ダイオードの性能及び用途に応じて調整することができる。第一の導電層20と第二の導電層25との離間距離Lの上限値は、例えば、100μm以下、50μm以下、20μm以下、又は10μm以下であってよい。第一の導電層20と第二の導電層25との離間距離Lの上限値が上記範囲内とすることによって、有機半導体でのpn接合でありながら、取り出す電流値をより向上させることができる。第一の導電層20と第二の導電層25との離間距離Lの下限値は、例えば、10nm以上、50nm以上、100nm以上、又は200nm以上であってよい。第一の導電層20と第二の導電層25との離間距離Lの下限値が上記範囲内とすることによって、ダイオードの製造がより容易なものとなる。第一の導電層20と第二の導電層25との離間距離Lは上述の範囲内で調整することができ、例えば、10nm〜1μm、又は200nm〜10μmであってよい。第一の導電層20と第二の導電層25との離間距離Lは、斜め蒸着によって第二の導電層25を設ける場合には、例えば、支持体40の厚さ及び蒸着の角度調整等によって、制御することができる。なお、離間距離Lは光学顕微鏡写真又は原子間力顕微鏡写真で測定される値である。
図1の(c)は、上記第二の導電層25と、上記基板10の上記第一の導電層20及び上記第二の導電層25の間の領域の少なくとも一部と、を覆うように第一の有機半導体層60を設ける工程を示している。第一の有機半導体層60がn型有機半導体層である例で説明する。上記第一の有機半導体層60を設ける工程は、ホスト有機半導体、n型ドーパント及び溶媒を含む分散液をエアロゾル化し、上記エアロゾル中の溶媒量を低減し微粒子化させて対象に付着させることで行われる。換言すれば、第一の有機半導体層60は、ESDUS法を用いて形成される。
第一の有機半導体層60の厚さは、横型ダイオードの性能及び用途に応じて調整することができる。第一の有機半導体層60の厚さの上限値は、例えば、500nm以下、450nm以下、400nm以下、又は350nm以下であってよい。第一の有機半導体層60の厚さを上記範囲内とすることで、pn接合に流れる電流を向上させることができる。第一の有機半導体層60の厚さの下限値は、例えば、10nm以上、20nm以上、30nm以上、又は40nm以上であってよい。第一の有機半導体層60の厚さを上記範囲内とすることで、後工程で、接着層30及び支持体40を第一の導電層20からはく離する際に第一の有機半導体層60の一部が支持体40と共に引きはがされるが、はく離後においても十分に第二の導電層25上に第一の有機半導体層62を維持することができる。第一の有機半導体層60の厚さは上述の範囲内で調整することができ、例えば、20〜500nm、又は10〜350nmであってよい。第一の有機半導体層60の厚さは、ESDUS法における分散液のスプレイ量及び時間を調整することで制御できる。なお、第一の有機半導体層60の厚さは、第二の導電層25上の厚さを意味し、原子間力顕微鏡又は表面プロファイラーで測定される値である。
n型有機半導体層を形成するためのホスト有機半導体は、電子輸送性を有する有機半導体である。ホスト有機半導体は、例えば、電子輸送性を有するポリマー(例えば、共役系ポリマー)等が挙げられる。電子輸送性を有するポリマーの重量平均分子量は、例えば、1万以上であってよい。ホスト有機半導体は、具体的に、メトキシ−エチルヘキソキシ−ポリフェニレンビニレン(MEH−PPV)等のポリフェニレンビニレン、ポリフルオレン共重合体、ポリオキシジアゾール、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−alt−ベンゾチアジアゾール)(F8BT)、ポリベンゾビスイミダゾベンゾフェナントロリン、ポリ[(1,4−ジビニレンフェニレン)(フェニルボラン)]等の高分子半導体、並びに、フラーレン、ペンタセン、フルオロペンタセン、及びペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の低分子半導体などを挙げることができる。
n型ドーパントは、ホスト有機半導体との間で電荷移動錯体を形成できる化合物であってよい。n型ドーパントは、例えば、アルカリ金属塩を含んでよい。アルカリ金属塩は、好ましくはアルカリ金属炭酸塩を含む。n型ドーパントは、具体的には、炭酸セシウム(CsCO)、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸ラジウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、及び炭酸フランシウム等の炭酸塩、並びに、酸化バリウム、酸化カルシウム酸化セシウム、及び酸化ナトリウム等の酸化物などを挙げることができる。これらの中でも、空気中での安定性を高める観点から、n型ドーパントは、好ましくは炭酸セシウムを含む。
溶媒は、好ましくは分散液を噴霧しエアロゾル化した後に容易に気化できる化合物である。溶媒はまた、分散液中で原料(ホスト有機半導体、及びn型ドーパント等)が0.001質量%以上の濃度で、分散できるように原料に合わせて選択することができる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム、塩化メチレン、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルモルホリン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及び水等が挙げられる。
上記分散液は、ホスト有機半導体、n型ドーパント及び溶媒に加えて、更に他の成分を含んでもよい。他の成分としては、例えば、補助剤等が挙げられる。適切な補助剤を更に含有することによって、第一の有機半導体層60に補助剤を含有させることができる。これによって、ドーピング効率を向上させることができる。補助剤としては、LUMOエネルギー準位が、ホスト有機半導体のLUMOエネルギー準位とn型ドーパントのLUMOエネルギー準位の間にあるような化合物を用いることができる。LUMOエネルギー準位が、n型ドーパント、補助剤、及びホスト有機半導体の順になるように材料を選択することによって、n型ドーパントからの電子移動が、補助剤、ホスト有機半導体へと引き続いて起こり、ドーピング効率が向上するものと考えられる。
補助剤の表面自由エネルギーは、好ましくは、ホスト有機半導体の表面自由エネルギーとn型ドーパントの表面自由エネルギーの間にある。すなわち、補助剤の親水性は、好ましくは、ホスト有機半導体の親水性とn型ドーパントの親水性の間にあることが好ましい。表面自由エネルギーの相違によって、第一の有機半導体層60内で補助剤をn型ドーパントの周囲に局在させることができ、補助剤の周囲をホスト有機半導体が取り囲む配置とすることができる。このような配置とすることで、n型ドーパントと補助剤の間で酸化還元反応が生じて電荷移動が起こり、さらにホスト有機半導体に電子が移動することで、電荷分離が促進され得る。なお、表面自由エネルギーの大小の判定は、表面自由エネルギーの値自体を必ずしも求める必要はなく、水に対する接触角を比較することでも判断できる。水に対する接触角が小さいものは、表面自由エネルギーが大きいと判断できる。
補助剤は、高分子化合物、又は分子量が1000以下の低分子化合物を含んでよい。補助剤は、好ましくは、分子量が1000以下の低分子化合物を含む。補助剤としては、例えば、バソフェナントロリン(Bphen)、2,9−Dimethyl−4,7−diphenyl−1,10−phenanthroline(BCP)、2,2’,2”−(1,3,5−Benzinetriyl)−tris(1−phenyl−1−H−benzimidazole)(TPBi)、2−(4−Biphenyl)−5−(4−tert−butylphenyl)−1,3,4−oxadiazole、2,2’−(1,3−Phenylene)bis「5−(4−tert−butylphenyl)−1,3,4−oxadiazole」、8−Hydroxyquinolinolato−lithium、1,3,5−Tri(p−pyrid−3−yl−phenyl)benzene、及び1,3,5−Tri(p−pyrid−3−yl−phenyl)benzene等が挙げられる。
図1の(d)は、上記支持体40をはく離する工程を示している。本工程において、支持体40及び接着層30を第一の導電層20からはく離する。この際、上記工程(図1の(c)に示す工程)で形成された第一の有機半導体層60の一部が共に除去され、第二の導電層25の少なくとも一部に第一の有機半導体層62が維持される。第一の有機半導体層60の一部が除去されることによって、第一の導電層20と第一の有機半導体層62との間に空隙が設けられる。この空隙に、後工程でp型有機半導体層を設けることによって、pn接合が形成されることになる。
支持体40及び接着層30をはく離することによって設けられる第一の導電層20と第一の有機半導体層62との間の間隔は特に制限されるものでは無いが、pn接合を形成するために、第一の導電層20と第一の有機半導体層62との間に所定の距離が隔てられていることが好ましい。例えば、第一の導電層20と第二の導電層25との間の距離の半分程度であってよい。
図1の(e)は、上記第一の導電層20と、上記第一の有機半導体層62の少なくとも一部と、を覆うように第二の有機半導体層70を設ける工程を示している。本工程によって横型ダイオード200が得られる。第一の有機半導体層60がn型有機半導体層であることから、第二の有機半導体層70は逆極性のp型半導体層を形成する。上記第二の有機半導体層70を設ける工程は、ホスト有機半導体、p型ドーパント及び溶媒を含む分散液をエアロゾル化し、上記エアロゾル中の溶媒量を低減し微粒子化させて対象に付着させることで行われる。換言すれば、第二の有機半導体層70は、ESDUS法を用いて形成される。第二の有機半導体層70の形成をESDUS法によって行うことによって、湿式法でありながら既に形成されている第一の有機半導体層62の表面を溶解等させることなく、第二の有機半導体層70を形成することが可能となる。
p型半導体層を形成するための分ホスト有機半導体は、例えば、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(P3HT)等のポリ(3−ヘキシルチオフェン)ポリマー、メトキシ−エチルヘキソキシ−ポリフェニレンビニレン(MEH−PPV)等のポリフェニレンビニレン、ポリフルオレン共重合体等の高分子半導体、並びに、ペンタセン、チエノベンゾチエノベンゾチオフェン、及び銅フタロシアニン等の低分子半導体などを用いることができる。
p型ドーパントとしては、例えば、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノ−キノジメタン(F−TCNQ)、FeCl,Mo,及びAgO等を用いることができる。
第二の有機半導体層70の厚さは、横型ダイオードの性能及び用途に応じて調整することができる。第二の有機半導体層70の厚さの上限値は、例えば、300nm以下、250nm以下、200nm以下、又は150nm以下であってよい。第二の有機半導体層70の厚さを上記範囲内とすることで、材料コストを低減することができる。第二の有機半導体層70の厚さの下限値は、例えば、10nm以上、20nm以上、30nm以上、又は40nm以上であってよい。第二の有機半導体層70の厚さを上記範囲内とすることで、pn接合に流れる電流を向上させることができることができる。第二の有機半導体層70の厚さは上述の範囲内で調整することができ、例えば、20〜300nm、又は10〜250nmであってよい。なお、第二の有機半導体層70の厚さは、第一の有機半導体層62上の厚みを意味し、電子顕微鏡写真又は原子間力顕微鏡写真で測定される値である。
上記説明では、第一の有機半導体層60,62がn型有機半導体層、第二の有機半導体層70がp型有機半導体層となる例で説明したが、n型有機半導体層及びp型有機半導体層は逆であってもよく、第一の有機半導体層60,62がp型有機半導体層、第二の有機半導体層70がn型有機半導体層であってもよい。
横型ダイオードの製造方法の変形例として、基材を、支持体及び上記支持体上に設けられた導電層を有する積層シートを上記導電層側から切断具によって切断しドライフィルムを得て、当該ドライフィルムを上記基板上の所定領域に上記導電層側から貼り付けることによって、上記基材を用意してもよい。上述の実施形態と共通する部分の説明は割愛し、上述の実施形態と異なる点を以下に説明する。
図2は、横型ダイオードの製造方法の一例を説明するための模式図である。図2の(a)では、基材102の断面図を示している。基材102は、基板10と、基板10上に設けられたドライフィルム52を有する。ドライフィルム52は、接着剤を介して基板10に接着されていてもよい。本実施形態におけるドライフィルム52は、第一の導電層22と、第一の導電層22上に接着層32を介して設けられた支持体42とを有する。本実施形態におけるドライフィルム52では、第一の導電層22の幅が、接着層32及び支持体42の幅よりも小さい。これによって、接着層32及び支持体42と基板10との間に挟まれる空隙が設けられる(図2の(a)に示す領域C)。
図2の(a)に示すドライフィルム52は、例えば、図1の(a)にも示されたようなドライフィルム50から形成することができる。まず、図3に示すドライフィルム50を用意する。図3は、ドライフィルムの一例を示す模式断面図である。ドライフィルム50は、支持体40と、接着層30と、導電層(第一の導電層20となる層)とを有する。次に、ドライフィルム50を導電層側から切断することによってドライフィルム52を調製することができる。図4は、図2で用いるドライフィルムの調製方法の一例を説明するための模式図である。
図4の(a)は、ドライフィルム50の断面図を示している。図4の(b)は、ドライフィルム50を導電層側から切断具N(例えば、ナイフ等)で切断する工程を示している。導電層(第一の導電層22)は、比較的薄く且つ剛直であることから、切断具Nによって切断が容易である。しかし、接着層32及び支持体42は、導電層に比べ比較的柔軟であり、弾性率が大きな材料で構成されることから、切断具Nに追従し、変形する。図4の(c)は切断後のドライフィルム52を示す。ドライフィルム52は、接着層32及び支持体42の変形が残り、導電層(第一の導電層22)の幅が、接着層32及び支持体42よりも狭くなっていることを示している。こうして得られるドライフィルム52を導電層(第一の導電層22)側から、基板10上に張り付けることによって、図2の(a)に示す基材102を調製することができる。
図2の(b)は、上記基板10上の第一の導電層22が設けられていない領域に、上記第一の導電層22と離間させて第二の導電層25を設ける工程を示している。
図2の(c)は、上記第二の導電層25と、上記基板10の上記第一の導電層22及び上記第二の導電層25の間の領域の少なくとも一部と、を覆うように第一の有機半導体層60を設ける工程を示している。本工程は、ESDUS法を用いて第一の有機半導体層60を設ける工程であってよい。ESDUS法を用いる場合、基板10のドライフィルム52が設けられている側からスプレイによってエアロゾルが基板10表面へと吹き付けられることから、接着層32及び支持体42の影となる基板10上の空隙(図2の(a)に示す領域C)を維持したまま、第一の有機半導体層60が形成される。つまり、図1で説明した態様よりも第一の導電層22と第二の導電層25との間の離間距離Lを広く形成することができる。斜め蒸着の角度調整等の手段よりもより簡便に第一の導電層22と第二の導電層25との間の離間距離Lを大きく設定することができる。
図2の(d)及び(e)に示される工程は、それぞれ図1の(d)及び(e)に示される工程と共通である。かかる工程を経ることによって、横型ダイオード202を得ることができる。
また、横型ダイオードの製造方法の別の変形例では、図4で説明したようなドライフィルム52を複数用いて、上記基材を用意してもよい。上述の実施形態と共通する部分の説明は割愛し、上述の実施形態と異なる点を以下に説明する。
図5は、横型ダイオードの製造方法の一例を説明するための模式図である。図5の(a)は、基材103の断面図を示している。基材103は、基板10と、基板10上に設けられたドライフィルム52a及びドライフィルム52bを有する。ドライフィルム52a及びドライフィルム52bは、接着剤を介して基板10に接着されていてもよい。ドライフィルム52a及びドライフィルム52bは、同じであってもよく、異なってもよい。横型ダイオードの性質及び用途に応じて第一の導電層22bと第二の導電層22aとを選択して組み合わせてもよい。
図5の(b)は、上記基板10上の第一の導電層22bが設けられていない領域に、上記第一の導電層22bと離間させて第二の導電層22aを設ける工程を示している。本実施形態においては、支持体42a及び接着層32aを第二の導電層22aからはく離することによって、第二の導電層22aを設けている。ドライフィルム52を基板10上に張り付ける方法を使用して、第二の導電層22aを形成する本実施形態の場合、斜め蒸着が不要であり、本実施形態に係る横型ダイオードの製造方法は、乾式プロセスである蒸着を経ずに横型ダイオードを製造できるため、横型ダイオードの製造コストをより低減することができる。
図5の(c)、(d)及び(e)に示される工程は、それぞれ図2の(c)、(d)及び(e)に示される工程と共通である。かかる工程を経ることによって、横型ダイオード203を得ることができる。
上述の横型ダイオードの製造方法を応用することによって、バイポーラトランジスタを製造することもできる。バイポーラトランジスタの製造方法の一実施形態は、基板と、上記基板上の所定領域に設けられた第一の導電層及び上記第一の導電層上に設けられた支持体と、を有する基材を用意する工程と、上記基板上の第一の導電層が設けられていない領域に、上記第一の導電層と離間させて第二の導電層を設ける工程と、上記第二の導電層と、上記基板の上記第一の導電層及び上記第二の導電層の間の領域の少なくとも一部と、を覆うように第一の有機半導体層を設ける工程と、上記支持体をはく離する工程と、上記第一の導電層と、上記第一の有機半導体層の少なくとも一部と、を覆うように第二の有機半導体層を設ける工程と、上記第二の有機半導体層上に第三の有機半導体層を設ける工程と、上記第三の有機半導体層上に第三の導電層を設ける工程と、を備える。上記第一の有機半導体層、上記第二の有機半導体層及び上記第三の有機半導体層を設ける工程が、ホスト有機半導体、ドーパント及び溶媒を含む分散液をエアロゾル化し、上記エアロゾル中の溶媒量を低減し微粒子化させて対象に付着させることで行われる。
上記バイポーラトランジスタの製造方法は、上述の横型ダイオードの製造方法を応用するものであることから、上記バイポーラトランジスタの製造方法及び上記横型ダイオードの製造方法についての説明は、互いに適用することができる。
上記バイポーラトランジスタの製造方法は、上記横型ダイオードの製造方法によって得られる横型ダイオード200を構成する第二の有機半導体層70上に更に第三の有機半導体層80及び第三の導電層28を設ける方法である。
図6は、バイポーラトランジスタの製造方法の一例を説明するための模式図である。図6の(a)は、横型ダイオード200の断面図を示している。横型ダイオード200は、基板10と、基板10上に互いに離間して設けられた第一の導電層20及び第二の導電層25と、第二の導電層25並びに上記基板10の上記第一の導電層20及び上記第二の導電層25の間の領域の少なくとも一部を覆うように設けられた第一の有機半導体層62と、第一の導電層20及び上記第一の有機半導体層62の少なくとも一部を覆うように設けられた第二の有機半導体層70と、を有する。
図6の(b)は、上記第二の有機半導体層70上に第三の有機半導体層80を設ける工程を示している。また図6の(c)は、上記第三の有機半導体層80上に第三の導電層28を設ける工程を示している。上述の工程を経ることによって、バイポーラトランジスタ500を得ることができる。
以上、幾つかの実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。また、上述した実施形態についての説明内容は、互いに適用することができる。
以下、実施例及び比較例を参照して本開示の内容をより詳細に説明する。ただし、本開示は、下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<ドライフィルムの調製>
ガラス板(2.5cm×2.5cm)の一方の主面上の一部に、厚さが60nmとなるように金(Au)を真空蒸着し金属層を形成した。得られた金属層上に加熱はく離性フィルム(日東電工株式会社製、商品名:電子部品工程用熱はく離シート リバアルファ、厚さ:100μm)を接着し金属層を上記ガラス板から加熱はく離性フィルムの粘着層面に金属層を転写した。金属層の転写後、金属層側から、加熱はく離性フィルムごとナイフで長方形(幅:5mm)にカットすることでドライフィルムを得た。得られたドライフィルムにおいて、切断面を観察したところ、金属層の幅よりも加熱はく離性粘着フィルムの幅の方が大きくなっていることが確認された。
<横型ダイオードの調製>
別途洗浄したガラス基板に接着剤溶液(セメダインとジメチルホルムアミドを質量比で1対3となるように混合した溶液)を2000rpmで20秒の条件でスピンコートすることで、接着剤の膜を形成し、ここに上記で調製したドライフィルムを金属層側から直ちに貼り付け十分に乾燥させ、基材を得た。
基材を水平面から1°傾けた状態で、真空蒸着機にセットした。この際、傾ける軸がドライフィルムの長辺と垂直となるようにした。傾けた基材に対し厚さが10nmの金(Au)層、続いて厚さが50nmのアルミニウム(Al)層を順次蒸着することによって第二の金属層を形成した。次に、この基材上にESDUS法によってn型ドービング膜(F8BT:CsCO(0.02質量%))を、厚さが60nmとなるように成膜して、第一の有機半導体層を形成した。その後、ホットプレート上に移して130℃で加熱し、加熱はく離性フィルムをその上に積層している第一の有機半導体層ごと剥離して、第一の金属層(金層)をガラス基板上に露出させた。続いて、ESDUS法でp型ドーピング膜(P3HT:F4TCNQ(0.02質量%))を厚さが60nmとなるように成膜して、第二の有機半導体層を形成した。上述のようにして横型ダイオード(横型pn接合ダイオード)を調製した。なお、真空蒸着機内以外の工程は、窒素雰囲気のグローブボックス中で行った。
<横型ダイオードの性能評価>
上述のようにして得られた横型ダイオードを電気計測用プローバーにセットし、アルミニウム(第二の金属層)が負極、金(第一の金属層)が正極となるよう結線し、ソースメジャーユニット(製品名:Keythley 238)を用いて電流−電圧特性を測定した。また、上述と同様にし、得られた横型ダイオードについて、インピーダンスアナライザ(製品名:solartron)を用いて電気容量−電圧特性を測定した。
(実施例2)
実施例1で得られた横型ダイオードの第二の有機半導体層の上面に5mm×18mmの穴の空いたシャドウマスクを通してESDUS法によってn型ドービング膜(F8BT:CsCO(0.02質量%))を厚さが60nmとなるように積層し、第三の有機半導体層を形成した。その後、基材を真空蒸着機内に移して4mm×20mmの穴の空いたシャドウマスクを通じて、上記第三の有機半導体層上にアルミニウム(Al)を厚さが60nmとなるように蒸着し、第三の金属層を形成した。上述のようにしてバイポーラトランジスタを調製した。
上述のようにして得られたバイポーラトランジスタを電気計測用プローバーにセットし、下面のアルミニウム(第二の金属層)がコレクタ、金(第一の金属層)がベース、上面のアルミニウム(第三の金属層)がエミッタとなるように結線し、半導体パラメータアナライザ(製品名:Agilent)を用いてトランジスタ特性を測定した。
以下に、より具体的な例を表1〜表25に示す。
本開示によれば、製造コストを低減可能な横型ダイオードの製造方法を提供することができる。本開示によればまた、製造コストを低減可能なバイポーラトランジスタの製造方法を提供することができる。
10…基板、20,22,22b…第一の導電層、22a,25…第二の導電層、28…第三の導電層、30,32,32a…接着層、40,42,42a…支持体、50,52,52a,52b…ドライフィルム、60,62…第一の有機半導体層、70…第二の有機半導体層、80…第三の有機半導体層、100,102,103…基材、200,202,203…横型ダイオード、500…バイポーラトランジスタ。

Claims (7)

  1. 基板と、前記基板上の所定領域に設けられた第一の導電層及び前記第一の導電層上に設けられた支持体と、を有する基材を用意する工程と、
    前記基板上の第一の導電層が設けられていない領域に、前記第一の導電層と離間させて第二の導電層を設ける工程と、
    前記第二の導電層と、前記基板の前記第一の導電層及び前記第二の導電層の間の領域の少なくとも一部と、を覆うように第一の有機半導体層を設ける工程と、
    前記支持体をはく離する工程と、
    前記第一の導電層と、前記第一の有機半導体層の少なくとも一部と、を覆うように第二の有機半導体層を設ける工程と、を備え、
    前記第一の有機半導体層及び前記第二の有機半導体層を設ける工程が、ホスト有機半導体、ドーパント及び溶媒を含む分散液をエアロゾル化し、前記エアロゾル中の溶媒量を低減し微粒子化させて対象に付着させることで行われる、横型ダイオードの製造方法。
  2. 支持体及び前記支持体上に設けられた導電層を有するドライフィルムを、前記基板上の所定領域に前記導電層側から貼り付けることによって、前記基材を用意する、請求項1に記載の横型ダイオードの製造方法。
  3. 支持体及び前記支持体上に設けられた導電層を有する積層シートを前記導電層側から切断具によって切断しドライフィルムを得て、当該ドライフィルムを前記基板上の所定領域に前記導電層側から貼り付けることによって、前記基材を用意する、請求項1に記載の横型ダイオードの製造方法。
  4. 前記第二の導電層を設ける工程が、導電体を前記基材上に斜め蒸着させることによって行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の横型ダイオードの製造方法。
  5. 前記第二の導電層を設ける工程が、支持体及び前記支持体上に設けられた導電層を有する積層シートを前記導電層側から切断具を用いて切断しドライフィルムを得て、前記基板上の前記第一の導電層が設けられていない領域に当該ドライフィルムを前記導電層側から貼り付けることによって行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の横型ダイオードの製造方法。
  6. 前記第一の導電層と前記第二の導電層との前記基板上における離間距離が10nm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の横型ダイオードの製造方法。
  7. 基板と、前記基板上の所定領域に設けられた第一の導電層及び前記第一の導電層上に設けられた支持体と、を有する基材を用意する工程と、
    前記基板上の第一の導電層が設けられていない領域に、前記第一の導電層と離間させて第二の導電層を設ける工程と、
    前記第二の導電層と、前記基板の前記第一の導電層及び前記第二の導電層の間の領域の少なくとも一部と、を覆うように第一の有機半導体層を設ける工程と、
    前記支持体をはく離する工程と、
    前記第一の導電層と、前記第一の有機半導体層の少なくとも一部と、を覆うように第二の有機半導体層を設ける工程と、
    前記第二の有機半導体層上に第三の有機半導体層を設ける工程と、
    前記第三の有機半導体層上に第三の導電層を設ける工程と、を備え、
    前記第一の有機半導体層、前記第二の有機半導体層及び前記第三の有機半導体層を設ける工程が、ホスト有機半導体、ドーパント及び溶媒を含む分散液をエアロゾル化し、前記エアロゾル中の溶媒量を低減し微粒子化させて対象に付着させることで行われる、バイポーラトランジスタの製造方法。
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