JP2021039338A - 表示パネル及び連成表示パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】導電膜の設置を容易に行う。【解決手段】表示パネル11は、画像が表示される表示領域AAと、表示領域AAを取り囲む非表示領域NAAと、に区分される表示面11Aを有するものであって、表示領域AAに配されて表示に利用される電界を発する表示電極24,25と、表示電極24,25が設置される電極基板21と、電極基板21に対して対向する形で貼り合わせられて表示電極24,25が非設置とされる対向基板20と、非表示領域NAAにて対向基板20における電極基板21と対向する内面側に設けられる導電膜33と、を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、表示パネル及び連成表示パネルに関する。
従来、液晶表示装置の一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1に記載された液晶表示装置は、透明基板の一方の面上に着色層であるカラーフィルタを配し、且つ、他方の面上に除電膜としての透明導電膜を配しているカラーフィルタ形成基板とTFT基板とを貼り合わせたIPS方式の液晶パネルを有する。前記除電膜としての透明導電膜が非晶質である。更に、前記除電膜としての透明導電膜がインジウム亜鉛酸化膜である。
上記した特許文献1によれば、カラーフィルタ形成基板における他方の面上に配した除電膜によって帯電防止が図られている。しかしながら、カラーフィルタ形成基板の製造に際しては、カラーフィルタ形成基板における一方の面上にカラーフィルタなどを形成する必要があり、その他方に除電膜を具備するにはカラーフィルタ形成前にカラーフィルタ形成基板を表裏反転させ、カラーフィルタ形成基板の他方の面上に除電膜を形成することになる。従って、カラーフィルタ形成基板を表裏反転させてから導電膜を形成する、という特殊な生産設備を導入しなければならず、大幅な設備の改変を要していた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、導電膜の設置を容易に行うことを目的とする。
(1)本発明の一実施形態は、画像が表示される表示領域と、前記表示領域を取り囲む非表示領域と、に区分される表示面を有する表示パネルであって、前記表示領域に配されて表示に利用される電界を発する表示電極と、前記表示電極が設置される電極基板と、前記電極基板に対して対向する形で貼り合わせられて前記表示電極が非設置とされる対向基板と、前記非表示領域にて前記対向基板における前記電極基板と対向する内面側に設けられる導電膜と、を備える表示パネルである。
(2)また、本発明のある実施形態は、上記(1)の構成に加え、前記非表示領域にて前記対向基板における前記内面側に設けられて前記導電膜と重畳するよう配される遮光部を備えており、前記導電膜は、前記遮光部よりも前記電極基板側に配されている表示パネルである。
(3)また、本発明のある実施形態は、上記(2)の構成に加え、前記対向基板における前記内面側にて少なくとも一部が前記導電膜と重畳し且つ前記遮光部よりも前記電極基板側に配されるオーバーコート膜を備えており、前記導電膜は、前記オーバーコート膜よりも前記電極基板側に配されている表示パネルである。
(4)また、本発明のある実施形態は、上記(1)から上記(3)のいずれか1つの構成に加え、前記導電膜は、前記表示領域を取り囲むよう枠状に延在している表示パネルである。
(5)また、本発明のある実施形態は、上記(4)の構成に加え、前記導電膜は、前記表示領域の外周端に対して間隔を空けて配される表示パネルである。
(6)また、本発明のある実施形態は、上記(4)または上記(5)の構成に加え、前記導電膜は、前記対向基板の外周端に対して間隔を空けて配される表示パネルである。
(7)また、本発明のある実施形態は、上記(1)から上記(6)のいずれか1つの構成に加え、前記非表示領域にて前記電極基板及び前記対向基板の間に介在して前記電極基板及び前記対向基板の間の内部空間を取り囲むシール部であって、前記導電膜の少なくとも一部と重畳するよう配されていて前記導電膜に導通される導電材を含有するシール部と、前記電極基板における前記対向基板と対向する内面側にて前記シール部と重畳する位置に配されて前記導電材に導通される導電材パッド部と、を備える表示パネルである。
(8)また、本発明のある実施形態は、上記(7)の構成に加え、前記電極基板は、前記対向基板とは非重畳となるよう前記対向基板の外端よりも側方に延出する延出部を有するのに対し、前記導電材パッド部は、前記延出部に配されるよう延在しており、前記対向基板における前記内面とは反対側の外面側に配される第2の導電膜と、前記延出部と前記対向基板とに跨るよう配されて前記導電材パッド部と前記第2の導電膜とに導通される導電性ペースト部と、を備える表示パネルである。
(9)また、本発明の一実施形態は、上記(1)から上記(8)のいずれか1つの表示パネルが複数連ねられてなる連成表示パネルであって、前記電極基板が複数連ねられてなる連成電極基板と、前記対向基板が複数連ねられてなり且つ前記連成電極基板に対して貼り合わせられる連成対向基板と、隣り合う前記対向基板の間に介在してこれらを繋ぐ対向基板間部と、前記対向基板間部における前記連成電極基板と対向する内面側に配されていて前記導電膜に連なる基板間部導電膜と、を備える連成表示パネルである。
(10)また、本発明のある実施形態は、上記(9)の構成に加え、前記連成対向基板は、複数の前記対向基板を一括して取り囲む外周部を有するとともに、前記外周部における前記内面側に前記導電膜及び前記基板間部導電膜に連なる外周部導電膜が設けられており、前記連成対向基板は、前記連成電極基板に対して前記外周部導電膜の少なくとも一部が非重畳となるよう貼り合わせられている連成表示パネルである。
本発明によれば、導電膜の設置を容易に行うことができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1から図5によって説明する。液晶表示装置10に備わる液晶パネル(表示パネル)11について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、上下方向については、図3及び図4を基準とし、且つ同図上側を表側とするとともに同図下側を裏側とする。
本発明の実施形態1を図1から図5によって説明する。液晶表示装置10に備わる液晶パネル(表示パネル)11について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、上下方向については、図3及び図4を基準とし、且つ同図上側を表側とするとともに同図下側を裏側とする。
液晶表示装置10は、図1に示すように、横長の方形状をなしていて画像を表示可能な液晶パネル(表示装置、表示パネル)11と、液晶パネル11に対して表示に利用するための光を照射する外部光源であるバックライト装置(照明装置)と、を少なくとも備える。本実施形態では、液晶パネル11の画面サイズが例えば12インチ程度とされる。バックライト装置は、液晶パネル11に対して裏側(背面側)に配置され、白色の光(白色光)を発する光源(例えばLEDなど)や光源からの光に光学作用を付与することで面状の光に変換する光学部材などを有する。
液晶パネル11は、図1に示すように、表示面11Aの中央側部分が、画像が表示される表示領域(図1において一点鎖線により囲った範囲)AAとされる。これに対し、液晶パネル11の表示面11Aにおける表示領域AAを取り囲む方形の枠状(額縁状)の外周側部分が、画像が表示されない非表示領域NAAとされる。本実施形態では、非表示領域NAAにおける幅寸法(額縁幅)が例えば3mmとされる。液晶パネル11は、一対の基板20,21を貼り合わせてなる。一対の基板20,21のうち表側(正面側)がCF基板(対向基板)20とされ、裏側(背面側)がアレイ基板(電極基板)21とされる。CF基板20及びアレイ基板21は、いずれもガラス基板の内面側に各種の膜が積層形成されてなる。なお、両基板20,21の外面側には、それぞれ偏光板が貼り付けられている。
CF基板20は、図1に示すように、短辺寸法がアレイ基板21の短辺寸法よりも短くされるのに対し、アレイ基板21に対して短辺方向(Y軸方向)についての一方の端部が揃う形で貼り合わせられている。従って、アレイ基板21における短辺方向についての他方の端部は、CF基板20の外端よりも側方に延出していてCF基板20とは非重畳となる延出部21Aとされる。この延出部21Aには、ドライバ(信号供給部)12及びフレキシブル基板(信号伝送部)13が実装されている。ドライバ12は、内部に駆動回路を有するLSIチップからなり、アレイ基板21に対してCOG(Chip On Glass)実装されており、フレキシブル基板13によって伝送される各種信号を処理する。フレキシブル基板13は、絶縁性及び可撓性を有する合成樹脂材料(例えばポリイミド系樹脂等)からなる基材上に多数本の配線パターンを形成した構成とされる。フレキシブル基板13は、その一端側が延出部21Aに、他端側がコントロール基板(信号供給源)に、それぞれ接続されている。コントロール基板から供給される各種信号は、フレキシブル基板13を介して液晶パネル11に伝送され、非表示領域NAAにおいてドライバ12による処理を経て表示領域AAへ向けて出力される。また、アレイ基板21の非表示領域NAAには、表示領域AAをX軸方向について両側から挟み込む形で一対のゲート回路部(信号供給部)14が設けられている。ゲート回路部14は、後述するゲート配線26に走査信号を供給するためのものであり、アレイ基板21にモノリシックに設けられている。また、非表示領域NAAにおいて両基板20,21の間に介在して両基板20,21間の内部空間をシールするシール部15が設けられている。シール部15は、両基板20,21間の内部空間を取り囲むよう方形の枠状(無端環状)に形成されている。
液晶パネル11を構成するアレイ基板21におけるアレイ基板21と対向する内面側の表示領域AAには、図2に示すように、TFT(スイッチング素子、薄膜トランジスタ)23及び画素電極24が設けられている。TFT23及び画素電極24は、複数ずつX軸方向及びY軸方向に沿って間隔を空けて並んでマトリクス状(行列状)に設けられている。これらTFT23及び画素電極24の周りには、互いに直交(交差)する複数ずつのゲート配線(走査配線)26及びソース配線(信号配線、データ配線)27が配設されている。ゲート配線26及びソース配線27は、絶縁膜を介して異なる層に配される金属膜からなり、ゲート配線26がX軸方向に沿って延在するのに対し、ソース配線27がY軸方向に沿って延在している。ゲート配線26とソース配線27とがそれぞれTFT23のゲート電極とソース領域とに接続され、画素電極24がTFT23のドレイン領域に接続されている。TFT23は、ゲート配線26及びソース配線27にそれぞれ供給される各種信号に基づいて駆動され、その駆動に伴って画素電極24への電位の供給を制御する。画素電極24は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極膜からなり、平面形状が縦長の長方形状とされていて複数のスリット24Aを有している。なお、ゲート配線26及びソース配線27を構成する各金属膜の間や、各金属膜と後述する共通電極25の間や、共通電極25と画素電極24との間には、それぞれ絶縁膜INが介設されており、これらの絶縁膜INによって絶縁性が担保されている。
液晶パネル11は、図3及び図4に示すように、一対の基板20,21間の内部空間に充填されて電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層(媒質層)22を有している。液晶層22は、一対の基板20,21間の内部空間を取り囲むシール部15によって封止されている。アレイ基板21の表示領域AAにおける内面側には、全ての画素電極24と重畳する形で共通電極25が画素電極24よりも下層側に形成されている。共通電極25は、画素電極24と同様にITOなどの透明電極膜からなる。共通電極25には、共通配線30によって一定の共通電位(基準電位)が供給されており、表示領域AAのほぼ全域にわたって延在するとともに、一部が非表示領域NAAに延出していて共通配線30に接続されている。共通配線30は、アレイ基板21の非表示領域NAAにおける内面側に設けられていてゲート配線26またはソース配線27と同じ金属膜からなるものであり、フレキシブル基板13から共通電位の供給を受ける。画素電極24が充電されるのに伴って互いに重畳する画素電極24と共通電極25との間に電位差が生じると、画素電極24におけるスリット24Aの開口縁と共通電極25との間には、アレイ基板21の板面に沿う成分に加えて、アレイ基板21の板面に対する法線方向の成分を含むフリンジ電界(斜め電界)が生じる。従って、このフリンジ電界を利用することで液晶層22に含まれる液晶分子の配向状態を制御することができ、この液晶分子の配向状態に基づいて所定の表示がなされる。つまり、本実施形態に係る液晶パネル11は、動作モードがFFS(Fringe Field Switching)モードとされている。このように、画素電極24及び共通電極25は、表示に利用される電界を発する「表示電極」を構成している。表示電極である画素電極24及び共通電極25は、専らアレイ基板21に設置されていてCF基板20には非設置とされている。なお、図4では、ゲート回路部14を模式的に図示しているが、これはゲート配線26やソース配線27を構成する金属膜などを用いてアレイ基板21にモノリシックに形成されている。
液晶パネル11を構成するCF基板20におけるアレイ基板21と対向する内面側の表示領域AAには、図3及び図4に示すように、青色(B)、緑色(G)及び赤色(R)を呈する3色のカラーフィルタ28が設けられている。カラーフィルタ28は、絶縁性材料からなり、アレイ基板21側の画素電極24と平面に視て重畳するようX軸方向及びY軸方向について複数ずつマトリクス状に並んで配列されている。カラーフィルタ28は、互いに異なる色を呈するものがソース配線27(X軸方向)に沿って繰り返し並んでおり、同色を呈するものがゲート配線26(Y軸方向)に沿って続けて並んでいる。この液晶パネル11においては、X軸方向に沿って並ぶR,G,Bのカラーフィルタ28と、各カラーフィルタ28と対向する3つの画素電極24と、が3色の画素部PXをそれぞれ構成している。そして、この液晶パネル11においては、Y軸方向に沿って隣り合うR,G,Bの3色の画素部PXによって所定の階調のカラー表示を可能な表示画素が構成されている。
CF基板20の内面側には、図3及び図4に示すように、ブラックマトリクス29が設けられている。ブラックマトリクス29は、絶縁性及び遮光性を有する遮光材料(例えばチタン(Ti)など)からなり、光の殆どを吸収することで遮光性能を発揮するものである。ブラックマトリクス29は、表示領域AAと非表示領域NAAとに跨がる形で配されており、表示領域AAに配される表示領域側遮光部(画素間遮光部)29Aと、非表示領域NAAに配される非表示領域側遮光部(遮光部、外周側遮光部)29Bと、から構成される。表示領域側遮光部29Aは、マトリクス状に平面配置された複数の画素部PXの間を仕切るよう平面に視て格子状をなしているので、隣り合う画素部PXの間で行き交おうとする光を遮ることができ、それにより各画素部PXの表示独立性が担保される。表示領域側遮光部29Aは、複数ずつのゲート配線26及びソース配線27に対して平面に視て重畳するよう配されている。非表示領域側遮光部29Bは、非表示領域NAAのほぼ全域にわたってベタ状に配されており、平面に視て表示領域AAを取り囲む方形の枠状をなしている。非表示領域側遮光部29Bは、その幅寸法が非表示領域NAAの幅寸法と等しい。非表示領域側遮光部29Bは、非表示領域NAAにおける光漏れを防ぐことで表示品位を担保している。カラーフィルタ28及びブラックマトリクス29の上層側(アレイ基板21側)には、CF基板20のほぼ全域にわたってベタ状に配されるオーバーコート膜(平坦化膜)31が設けられている。オーバーコート膜31は、有機絶縁材料からなり、CF基板の内面側において表示領域AAと非表示領域NAAとに跨がって配されている。このオーバーコート膜31により、CF基板20の内面においてカラーフィルタ28及びブラックマトリクス29に起因する段差が平坦化されるようになっている。なお、両基板20,21のうち液晶層22に接する最内面には、液晶層22に含まれる液晶分子を配向させるための配向膜32がそれぞれ形成されている。
さて、本実施形態に係るCF基板20の非表示領域NAAにおける内面側には、図3及び図4に示すように、導電膜33が設けられている。導電膜33は、画素電極24及び共通電極25と同様に、ITOなどの透明電極膜からなり、導電性を有している。このような構成によれば、画素電極24及び共通電極25が非設置とされるCF基板20に局所的な帯電が生じても、帯電に伴う電荷を導電膜33によってその形成範囲内に拡散させることができる。これにより、CF基板20において帯電に伴う電荷から生じる電界に起因して表示領域AAに表示される画像の表示品位が悪化する事態が生じ難くなる。また、導電膜33をグランド接続すれば、帯電に伴う電荷の放電を図ることも可能となる。そして、導電膜33は、CF基板20におけるアレイ基板21と対向する内面側に設けられているので、既存の生産設備を利用してCF基板20に導電膜33を設けることが可能となる。従って、従来のようにCF基板20の外面に導電膜33を設けるために必要な特殊な生産設備の導入をせずに済む。しかも、導電膜33は、CF基板20において非表示領域NAAに設けられているから、仮に表示領域AAにも導電膜を設けた場合に比べると、導電膜33と表示領域AAに配された画素電極24との間に電界が生じ難くなる。これにより、導電膜33を設置することに起因する表示品位の悪化が抑制される。
導電膜33は、図3及び図4に示すように、CF基板20の非表示領域NAAにおいてブラックマトリクス29の非表示領域側遮光部29Bに対して重畳するよう配されている。導電膜33は、Z軸方向(CF基板20の板厚方向)について非表示領域側遮光部29Bよりもアレイ基板21側(液晶層22側)に配されている。ここで、仮に導電膜がZ軸方向について非表示領域側遮光部29BよりもCF基板20側に配されると、CF基板20の外面に入射した光が導電膜33により反射されることになる。その点、導電膜33がZ軸方向について非表示領域側遮光部29Bよりもアレイ基板21側に配されていれば、CF基板20の外面に入射した光は非表示領域側遮光部29Bにより遮光されて導電膜33に到達することが避けられる。これにより、液晶パネル11の外観が優れたものとなる。さらには、導電膜33は、Z軸方向についてオーバーコート膜31よりもアレイ基板21側に配されている。このようにすれば、非表示領域側遮光部29Bと導電膜33との間にオーバーコート膜31が介在する位置関係となる。従って、導電膜33をパターニングする際に、非表示領域側遮光部29Bをオーバーコート膜31によって保護することができる。
導電膜33は、図1に示すように、CF基板20の非表示領域NAAにおいて表示領域AAを取り囲むよう平面に視て方形の枠状をなしている。つまり、導電膜33は、非表示領域NAAの全周にわたって延在している。なお、図1では、導電膜33の形成範囲を網掛け状にして図示している。このようにすれば、CF基板20に局所的な帯電が生じた場合でも、帯電に伴う電荷は、表示領域AAを取り囲むよう枠状に延在する導電膜33の形成範囲内に広く拡散することになる。これにより、CF基板20において帯電に伴う電荷から生じる電界に起因して表示領域AAに表示される画像の表示品位が悪化する事態がより生じ難くなる。導電膜33は、幅寸法が非表示領域NAA及び非表示領域側遮光部29Bの各幅寸法よりも小さく、例えば2.8mm程度とされる。また、導電膜33は、周方向についての沿面距離が例えば814.6mm程度とされる。導電膜33は、図3及び図4に示すように、CF基板20の外周端に対して例えば1つの画素部PXの短辺寸法よりも大きい間隔を空けて配される。このようにすれば、導電膜33と表示領域AAに配された画素電極24との間に電界がより生じ難くなる。これにより、導電膜33を設置することに起因する表示品位の悪化がより好適に抑制される。また、導電膜33は、表示領域AAの外周端に対して例えば0.2mm程度の間隔を空けて配されている。CF基板20の製造に際しては、大型のマザー基板からCF基板20を分断する場合がある。この場合でも、導電膜33がCF基板20の外周端に対して間隔を空けて配されているから、導電膜33が分断に起因するダメージを受け難くなる。
続いて、本実施形態のようにCF基板20の非表示領域NAAにおける内面側に導電膜33を設けることの優位性を検証するため、以下の比較実験を行った。比較実験では、導電膜33が非設置とされたCF基板を備える液晶パネルを比較例とし、導電膜33が設置されたCF基板20を備える液晶パネル11を実施例としている。比較例及び実施例は、導電膜33の有無を除いては、本段落以前に説明した液晶パネル11と同じ構成を有している。そして、この比較実験では、比較例及び実施例におけるCF基板の非表示領域に対して絶縁材料からなるパッドを一旦当接させてから剥離し、そのときに発生する剥離帯電に係る電圧を測定した。その上で、比較例及び実施例の各構成部位における静電容量の値に基づいて、剥離帯電に係る電圧が比較例及び実施例の各構成部位にどのような分布で印加されるか、を算出した。
詳しくは、上記したパッドは、平面に視て長方形状をなしていてその短辺寸法が3mm、長辺寸法が80mmとされるとともに、比較例及び実施例におけるCF基板の非表示領域のうちの一短辺部に対して当接・剥離される。パッドを剥離させたときに発生する剥離帯電に係る電圧は、比較例及び実施例共に3kVであった。比較例及び実施例の各構成部位には、アレイ基板の配向膜、液晶層、CF基板の配向膜、オーバーコート膜、ブラックマトリクス及びCF基板のガラス基板が含まれている。比較例及び実施例の各構成部位における静電容量は、各構成部位の比誘電率、厚み、剥離帯電に伴う電荷が存在する部分の面積(以下では、「帯電面積」という)に基づいて算出される。このうちの比誘電率及び厚みに関しては、比較例と実施例とで共通するものの、帯電面積に関しては、比較例と実施例とで異なる。比較例では、剥離帯電に伴う電荷がCF基板のうちのパッドが当接した範囲に限定的に存在することから、帯電面積はパッドの面積と等しくなる。具体的には、比較例の帯電面積は、パッドの短辺寸法(3mm)に長辺寸法(80mm)を掛け合わせて得られる240mm2となっている。これに対し、実施例では、剥離帯電に伴う電荷が導電膜33によってその形成範囲内に拡散されることから、帯電面積は導電膜33の面積と等しくなる。具体的には、実施例の帯電面積は、導電膜33の幅寸法(2.8mm)に、導電膜33の周方向についての沿面距離(814.6mm)を掛け合わせて得られる2280.88mm2とされる。従って、実施例の帯電面積は、比較例の帯電面積の10倍弱にまで広がっている、と言える。そして、静電容量を「C」とし、比誘電率を「ε」とし、真空誘電率を「ε0」とし、帯電面積を「S」とし、厚みを「d」としたとき、式「C=ε0・ε・S/d」に基づいて静電容量の値を算出することができる。なお、真空誘電率ε0は、「8.854・10−12」である。比較例及び実施例の各構成部位に対して剥離帯電に伴って印加される電圧については、次のように計算している。すなわち、パッドを剥離させたときに発生する剥離帯電に係る電圧(3kV)に対し、比較例に係る各構成部位の合成静電容量を乗ずることで、剥離帯電に伴って生じる電荷が得られる。この電荷は、比較例及び実施例にて共通している。この電荷を比較例及び実施例における各構成部位の静電容量によって除することで、各構成部位に印加される電圧が得られる。
上記した比較実験の実験結果は、図5の表に示される通りである。図5には、比較例及び実施例における静電容量(単位は「F」)及び電圧(単位は「V」)の値が示されている。また、図5には、比較例及び実施例の各構成部位における比誘電率(無単位)及び厚み(単位は「μm」)の値が示されている。図5によれば、各構成部位における静電容量の値に関しては、実施例が比較例の10倍程度となっている。これは、実施例は、比較例に比べると、帯電面積が10倍弱であることに因る。一方、各構成部位の電圧の値に関しては、実施例が比較例よりも概して低くなっている。そして、液晶層の電圧の値については、比較例が「34.2V」であるのに対し、実施例が「3.6V」と1/10程度の大きさとなっている。このように、実施例では、剥離帯電に伴って液晶層22に印加される電圧が、比較例の1/10程度と低くなっているので、液晶層22に含まれる液晶分子に影響を及ぼし難くなっている。これにより、実施例では、剥離帯電が発生した場合でも、表示領域AAに表示される画像の表示品位が悪化する事態が生じ難くなっている、と言える。
以上説明したように本実施形態の液晶パネル(表示パネル)11は、画像が表示される表示領域AAと、表示領域AAを取り囲む非表示領域NAAと、に区分される表示面11Aを有する液晶パネル(表示パネル)11であって、表示領域AAに配されて表示に利用される電界を発する表示電極である画素電極24及び共通電極25と、表示電極である画素電極24及び共通電極25が設置されるアレイ基板(電極基板)21と、アレイ基板21に対して対向する形で貼り合わせられて表示電極である画素電極24及び共通電極25が非設置とされるCF基板(対向基板)20と、非表示領域NAAにてCF基板20におけるアレイ基板21と対向する内面側に設けられる導電膜33と、を備える。
このような構成によれば、表示領域AAに配された表示電極である画素電極24及び共通電極25から発せられる電界を利用して表示領域AAに画像が表示される。この表示電極である画素電極24及び共通電極25は、専らアレイ基板21に設置されていてアレイ基板21に対して対向する形で貼り合わせられるCF基板20には非設置とされる。表示電極である画素電極24及び共通電極25が非設置とされるCF基板20には、導電膜33が設けられているので、CF基板20に局所的な帯電が生じても、帯電に伴う電荷を導電膜33によってその形成範囲内に拡散させることができる。これにより、CF基板20において帯電に伴う電荷から生じる電界に起因して表示領域AAに表示される画像の表示品位が悪化する事態が生じ難くなる。また、導電膜33をグランド接続すれば、帯電に伴う電荷の放電を図ることも可能となる。そして、導電膜33は、CF基板20におけるアレイ基板21と対向する内面側に設けられているので、既存の生産設備を利用してCF基板20に導電膜33を設けることが可能となる。従って、従来のようにCF基板20の外面に導電膜33を設けるために必要な特殊な生産設備の導入をせずに済む。しかも、導電膜33は、CF基板20において非表示領域NAAに設けられているから、仮に表示領域AAにも導電膜を設けた場合に比べると、導電膜33と表示領域AAに配された表示電極である画素電極24及び共通電極25との間に電界が生じ難くなる。これにより、導電膜33を設置することに起因する表示品位の悪化が抑制される。
また、非表示領域NAAにてCF基板20における内面側に設けられて導電膜33と重畳するよう配される非表示領域側遮光部(遮光部)29Bを備えており、導電膜33は、非表示領域側遮光部29Bよりもアレイ基板21側に配されている。仮に導電膜が非表示領域側遮光部29BよりもCF基板20側に配されると、CF基板20の外面に入射した光が導電膜33により反射されることになる。その点、導電膜33が非表示領域側遮光部29Bよりもアレイ基板21側に配されていれば、CF基板20の外面に入射した光は非表示領域側遮光部29Bにより遮光されて導電膜33に到達することが避けられる。これにより、当該液晶パネル11の外観が優れたものとなる。
また、CF基板20における内面側にて少なくとも一部が導電膜33と重畳し且つ非表示領域側遮光部29Bよりもアレイ基板21側に配されるオーバーコート膜31を備えており、導電膜33は、オーバーコート膜31よりもアレイ基板21側に配されている。このようにすれば、非表示領域側遮光部29Bと導電膜33との間にオーバーコート膜31が介在する位置関係となる。従って、導電膜33をパターニングする際に、非表示領域側遮光部29Bをオーバーコート膜31によって保護することができる。
また、導電膜33は、表示領域AAを取り囲むよう枠状に延在している。このようにすれば、CF基板20に局所的な帯電が生じた場合でも、帯電に伴う電荷は、表示領域AAを取り囲むよう枠状に延在する導電膜33の形成範囲内に広く拡散することになる。これにより、CF基板20において帯電に伴う電荷から生じる電界に起因して表示領域AAに表示される画像の表示品位が悪化する事態がより生じ難くなる。
また、導電膜33は、表示領域AAの外周端に対して間隔を空けて配される。このようにすれば、導電膜33と表示領域AAに配された表示電極である画素電極24及び共通電極25との間に電界がより生じ難くなる。これにより、導電膜33を設置することに起因する表示品位の悪化がより好適に抑制される。
また、導電膜33は、CF基板20の外周端に対して間隔を空けて配される。CF基板20の製造に際しては、大型のマザー基板からCF基板20を分断する場合がある。この場合でも、導電膜33がCF基板20の外周端に対して間隔を空けて配されているから、導電膜33が分断に起因するダメージを受け難くなる。
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図6によって説明する。この実施形態2では、連成液晶パネル40について示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本発明の実施形態2を図6によって説明する。この実施形態2では、連成液晶パネル40について示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態では、液晶パネル111の製造過程において取り扱われる連成液晶パネル40について説明する。連成液晶パネル40は、図6に示すように、複数の液晶パネル111を連ねてなるものである。本実施形態では、液晶パネル111がX軸方向及びY軸方向について2つずつ間隔を空けて並ぶ形で連なる構成の連成液晶パネル40を例示している。連成液晶パネル40は、アレイ基板121が複数連ねられてなる連成アレイ基板(連成電極基板)41と、CF基板120が複数連ねられてなる連成CF基板(連成対向基板)42と、を貼り合わせてなる。連成アレイ基板41は、アレイ基板121がX軸方向及びY軸方向について2つずつ間隔を空けて並ぶ形で連なる構成とされる。連成CF基板42は、CF基板120がX軸方向及びY軸方向について2つずつ間隔を空けて並ぶ形で連なる構成とされる。これら連成アレイ基板41及び連成CF基板42は、いずれも「マザー基板」と呼ばれるものである。液晶パネル111は、上記のような構成の連成液晶パネル40を分断線に沿って分断することで得られるようになっている。
連成CF基板42は、図6に示すように、隣り合うCF基板120の間に介在してこれらを繋ぐCF基板間部(対向基板間部)42Aと、複数のCF基板120を一括して取り囲む外周部42Bと、を有する。CF基板間部42Aは、X軸方向について隣り合うCF基板120の間に介在していてY軸方向に沿って延在する部分と、Y軸方向について隣り合うCF基板120の間に介在していてX軸方向に沿って延在する部分と、を連ねてなり、平面に視て十字型をなしている。外周部42Bは、平面に視て方形の枠状をなしている。そして、CF基板間部42Aには、連成アレイ基板41と対向する内面側に配されていて導電膜133に連なる基板間部導電膜43が設けられている。図6では、導電膜133に加えて基板間部導電膜43の形成範囲を網掛け状にして図示している。基板間部導電膜43は、CF基板間部42Aの全域にわたって延在するよう配されており、4つのCF基板120に備わる各導電膜133のそれぞれに対して連ねられている。CF基板120に備わる導電膜133は、その外周端部の一部がCF基板120の外端に達するよう形成範囲が拡張されており、その拡張部分133Aが基板間部導電膜43に連ねられている。このようにすれば、連成CF基板42に局所的な帯電が生じた場合でも、帯電に伴う電荷を、各CF基板120の導電膜133に加えて、これらの導電膜133に連なる基板間部導電膜43の形成範囲内に広く拡散させることができる。
さらには、外周部42Bには、図6に示すように、連成アレイ基板41と対向する内面側に配されていて導電膜133及び基板間部導電膜43に連なる外周部導電膜44が設けられている。図6では、導電膜133及び基板間部導電膜43に加えて外周部導電膜44の形成範囲を網掛け状にして図示している。外周部導電膜44は、外周部42Bの全域にわたって延在するよう配されており、導電膜133の拡張部分133A及び基板間部導電膜43のそれぞれに対して連ねられている。このようにすれば、連成CF基板42に局所的な帯電が生じた場合でも、帯電に伴う電荷を、各CF基板120の導電膜133及び基板間部導電膜43に加えて、これらの導電膜133及び基板間部導電膜43に連なる外周部導電膜44の形成範囲内に広く拡散させることができる。
その上で、連成CF基板42は、図6に示すように、連成アレイ基板41に対して外周部導電膜44の一部が非重畳となるよう貼り合わせられている。具体的には、連成アレイ基板41及び連成CF基板42は、X軸方向及びY軸方向についての外寸がほぼ同じとされているものの、X軸方向及びY軸方向について所定寸法ずつ長辺及び短辺の各外端がオフセットした状態で貼り合わせられている。これに伴って連成CF基板42における外周部42Bに配された外周部導電膜44は、一方の短辺部における外端部と一方の長辺部における外端部とがそれぞれ連成アレイ基板41に対して非重畳の位置関係となっている。外周部導電膜44における連成アレイ基板41に対する非重畳部分44Aは、連成アレイ基板41により覆われることなく外部に露出しているので、外部のアースを容易に接続することが可能となっている。従って、外周部導電膜44の非重畳部分44Aをアースに接続することで、連成CF基板42の除電を容易に行うことができる。
以上説明したように本実施形態の連成液晶パネル(連成表示パネル)40は、液晶パネル111が複数連ねられてなるものであって、アレイ基板121が複数連ねられてなる連成アレイ基板(連成電極基板)41と、CF基板120が複数連ねられてなり且つ連成アレイ基板41に対して貼り合わせられる連成CF基板(連成対向基板)42と、隣り合うCF基板120の間に介在してこれらを繋ぐCF基板間部(対向基板間部)42Aと、CF基板間部42Aにおける連成アレイ基板41と対向する内面側に配されていて導電膜133に連なる基板間部導電膜43と、を備える。このような連成液晶パネル40によれば、既存の生産設備を利用して連成CF基板42に含まれる複数のCF基板120のそれぞれに導電膜133を設けるとともに、隣り合うCF基板120の間に介在してこれらを繋ぐCF基板間部42Aにおける連成アレイ基板41と対向する内面側に、導電膜133に連なる基板間部導電膜43を設けることが可能となる。しかも、連成CF基板42に局所的な帯電が生じた場合でも、帯電に伴う電荷を、各CF基板120の導電膜133に加えて、これらの導電膜133に連なる基板間部導電膜43の形成範囲内に広く拡散させることができる。
また、連成CF基板42は、複数のCF基板120を一括して取り囲む外周部42Bを有するとともに、外周部42Bにおける内面側に導電膜133及び基板間部導電膜43に連なる外周部導電膜44が設けられており、連成CF基板42は、連成アレイ基板41に対して外周部導電膜44の少なくとも一部が非重畳となるよう貼り合わせられている。このようにすれば、連成アレイ基板41と連成CF基板42とを貼り合わせると、連成CF基板42の外周部42Bにおける内面側に設けられた外周部導電膜44の少なくとも一部が連成アレイ基板41に対して非重畳の位置関係となる。従って、外周部導電膜44のうちの連成アレイ基板41に対して非重畳となる部分を、外部のアースに対して容易に接続することが可能となる。これにより、連成CF基板42の除電を容易に行うことができる。
<実施形態3>
本発明の実施形態3を図7または図8によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態1から液晶パネル211の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本発明の実施形態3を図7または図8によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態1から液晶パネル211の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る液晶パネル211に備わる導電膜233は、図7及び図8に示すように、シール部215の一部に対して重畳するよう配されるシール重畳部233Bを有している。これに対し、シール部215には、導電膜233のシール重畳部233Bと重畳するよう配されていて導電膜233に導通される導電材34が含有されている。導電材34は、樹脂製の粒子の表面に金メッキなどの導電性メッキ処理を施してなる導電性粒子からなり、シール部215の材料中に分散配合されている。そして、アレイ基板221におけるCF基板220と対向する内面側には、シール部215と重畳する位置に導電材パッド部35が設けられている。導電材パッド部35は、導電材34に導通されている。従って、CF基板220に備わる導電膜233は、シール部215の導電材34を介してアレイ基板221に備わる導電材パッド部35に導通されている。導電材パッド部35は、アレイ基板221のうち、延出部221Aが配される長辺部分において4つが間隔を空けて並んで配されている。各導電材パッド部35は、Y軸方向について延出部221A側に延在しており、その延在部分35AがCF基板220及びシール部215に対して非重畳となる配置となっている。なお、導電材パッド部35の延在部分35Aは、アレイ基板221の延出部221Aに設けられた接続配線を介してフレキシブル基板213に備わるアース端子に接続することも可能であり、そうすれば導電膜233をアース接続して電荷を逃がすことが可能となる。
液晶パネル211を構成するCF基板220及びアレイ基板221における外面には、図8に示すように、それぞれ偏光板16,17が取り付けられている。これら一対の偏光板16,17のうち、CF基板220の外面に取り付けられた偏光板(第2の導電膜)16は、導電性を有している。そして、液晶パネル211には、アレイ基板221の延出部221AとCF基板220とに跨るよう配されて導電材パッド部35の延在部分35Aと偏光板16とに導通される導電性ペースト部36が設けられている。導電性ペースト部36は、銀ペースト材料などからなり、導電性を有している。以上により、CF基板220の内面側に配される導電膜233は、シール部215の導電材34と、アレイ基板221の内面側に配される導電材パッド部35と、導電性ペースト部36と、を介してCF基板220の外面側に配される偏光板16に導通されるので、帯電に伴って導電膜233に蓄積された電荷を偏光板16に拡散させることができる。これにより、CF基板220において帯電に伴う電荷から生じる電界に起因して表示領域AAに表示される画像の表示品位が悪化する事態が一層生じ難くなる。
以上説明したように本実施形態によれば、非表示領域NAAにてアレイ基板221及びCF基板220の間に介在してアレイ基板221及びCF基板220の間の内部空間を取り囲むシール部215であって、導電膜233の少なくとも一部と重畳するよう配されていて導電膜233に導通される導電材34を含有するシール部215と、アレイ基板221におけるCF基板220と対向する内面側にてシール部215と重畳する位置に配されて導電材34に導通される導電材パッド部35と、を備える。このようにすれば、アレイ基板221及びCF基板220の間の内部空間は、非表示領域NAAにてアレイ基板221及びCF基板220の間に介在するシール部215によりシールされる。シール部215に含有される導電材34は、シール部215に対して少なくとも一部が重畳する導電膜233に対して導通されるとともに、アレイ基板221における内面側に設けられてシール部215に対して重畳する導電材パッド部35に対して導通される。従って、アレイ基板221に備わる導電材パッド部35を利用することで、帯電に伴って導電膜233に蓄積された電荷を容易に放電することが可能となる。
また、アレイ基板221は、CF基板220とは非重畳となるようCF基板220の外端よりも側方に延出する延出部221Aを有するのに対し、導電材パッド部35は、延出部221Aに配されるよう延在しており、CF基板220における内面とは反対側の外面側に配されて導電性を有する偏光板(第2の導電膜)16と、延出部221AとCF基板220とに跨るよう配されて導電材パッド部35と偏光板16とに導通される導電性ペースト部36と、を備える。このようにすれば、アレイ基板221の延出部221Aに配されるよう延在する導電材パッド部35は、延出部221AとCF基板220とに跨がるよう配された導電性ペースト部36によりCF基板220の外面に配された偏光板16に導通される。従って、帯電に伴って導電膜233に蓄積された電荷は、シール部215の導電材34、導電材パッド部35及び導電性ペースト部36を介して偏光板16にまで拡散される。これにより、CF基板220において帯電に伴う電荷から生じる電界に起因して表示領域AAに表示される画像の表示品位が悪化する事態が一層生じ難くなる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)導電膜33,133,233は、CF基板20,120,220の非表示領域NAAにおいて全周にわたって延在しない構成であっても構わない。例えば、導電膜33,133,233が非表示領域NAAを構成する4つの辺部のうちの3つ以下の辺部に限定的に形成されていても構わない。また、導電膜33,133,233が非表示領域NAAを構成する4つの辺部にわたって形成されるものの、有端環状をなしていても構わない。
(2)導電膜33,133,233は、CF基板20,120,220の外周端に至る範囲に形成されていても構わない。
(3)導電膜33,133,233は、表示領域AAの外周端に至る範囲に形成されていても構わない。
(4)導電膜33,133,233は、透明電極膜以外にも金属膜により構成されていても構わない。
(5)実施形態2に記載された構成において、連成液晶パネル40に含まれる液晶パネル111の具体的な数や平面配置は適宜に変更可能である。
(6)実施形態3に記載された構成において、アレイ基板221の外面に取り付けられる偏光板17を、CF基板220側の偏光板16と同一部品とすることも可能である。
(7)実施形態3に記載された構成において、導電材パッド部35の具体的な設置数や平面配置は適宜に変更可能である。
(8)液晶パネル11,111,211の表示モードは、FFSモード以外にも、IPSモードなどであっても構わない。
(9)液晶パネル11,111,211は、透過型以外にも、反射型や半透過型でもよい。
(10)表示パネルは、液晶パネル11,111,211以外にも、有機EL表示パネルであっても構わない。
11,111,211…液晶パネル(表示パネル)、11A…表示面、15,215…シール部、16…偏光板(第2の導電膜)、20,120,220…CF基板(対向基板)、21,121,221…アレイ基板(電極基板)、21A,221A…延出部、24…画素電極(表示電極)、25…共通電極(表示電極)、29B…非表示領域側遮光部(遮光部)、31…オーバーコート膜、33,133,233…導電膜、34…導電材、35…導電材パッド部、36…導電性ペースト部、40…連成液晶パネル(連成表示パネル)、41…連成アレイ基板(連成電極基板)、42…連成CF基板(連成対向基板)、42A…CF基板間部(対向基板間部)、42B…外周部、43…基板間部導電膜、44…外周部導電膜、AA…表示領域、NAA…非表示領域
Claims (10)
- 画像が表示される表示領域と、前記表示領域を取り囲む非表示領域と、に区分される表示面を有する表示パネルであって、
前記表示領域に配されて表示に利用される電界を発する表示電極と、
前記表示電極が設置される電極基板と、
前記電極基板に対して対向する形で貼り合わせられて前記表示電極が非設置とされる対向基板と、
前記非表示領域にて前記対向基板における前記電極基板と対向する内面側に設けられる導電膜と、を備える表示パネル。 - 前記非表示領域にて前記対向基板における前記内面側に設けられて前記導電膜と重畳するよう配される遮光部を備えており、
前記導電膜は、前記遮光部よりも前記電極基板側に配されている請求項1記載の表示パネル。 - 前記対向基板における前記内面側にて少なくとも一部が前記導電膜と重畳し且つ前記遮光部よりも前記電極基板側に配されるオーバーコート膜を備えており、
前記導電膜は、前記オーバーコート膜よりも前記電極基板側に配されている請求項2記載の表示パネル。 - 前記導電膜は、前記表示領域を取り囲むよう枠状に延在している請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示パネル。
- 前記導電膜は、前記表示領域の外周端に対して間隔を空けて配される請求項4記載の表示パネル。
- 前記導電膜は、前記対向基板の外周端に対して間隔を空けて配される請求項4または請求項5記載の表示パネル。
- 前記非表示領域にて前記電極基板及び前記対向基板の間に介在して前記電極基板及び前記対向基板の間の内部空間を取り囲むシール部であって、前記導電膜の少なくとも一部と重畳するよう配されていて前記導電膜に導通される導電材を含有するシール部と、
前記電極基板における前記対向基板と対向する内面側にて前記シール部と重畳する位置に配されて前記導電材に導通される導電材パッド部と、を備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の表示パネル。 - 前記電極基板は、前記対向基板とは非重畳となるよう前記対向基板の外端よりも側方に延出する延出部を有するのに対し、前記導電材パッド部は、前記延出部に配されるよう延在しており、
前記対向基板における前記内面とは反対側の外面側に配される第2の導電膜と、
前記延出部と前記対向基板とに跨るよう配されて前記導電材パッド部と前記第2の導電膜とに導通される導電性ペースト部と、を備える請求項7記載の表示パネル。 - 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の表示パネルが複数連ねられてなる連成表示パネルであって、
前記電極基板が複数連ねられてなる連成電極基板と、
前記対向基板が複数連ねられてなり且つ前記連成電極基板に対して貼り合わせられる連成対向基板と、
隣り合う前記対向基板の間に介在してこれらを繋ぐ対向基板間部と、
前記対向基板間部における前記連成電極基板と対向する内面側に配されていて前記導電膜に連なる基板間部導電膜と、を備える連成表示パネル。 - 前記連成対向基板は、複数の前記対向基板を一括して取り囲む外周部を有するとともに、前記外周部における前記内面側に前記導電膜及び前記基板間部導電膜に連なる外周部導電膜が設けられており、
前記連成対向基板は、前記連成電極基板に対して前記外周部導電膜の少なくとも一部が非重畳となるよう貼り合わせられている請求項9記載の連成表示パネル。
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