JP2021038817A - パラメータの設定方法、及び、制御装置 - Google Patents

パラメータの設定方法、及び、制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】除振装置に載置されている装置における振動を抑制することができるパラメータの設定方法を提供する。【解決手段】アクティブダンパ10の稼働中において、可動部の指令位置と実位置との差である偏差の大きさが所定値以上である場合に、複数組の候補値の中から未選択の1組の候補値を選択して、アクティブダンパ10の各種のパラメータの値を選択された1組の候補値に変更し、偏差の大きさが所定値未満である場合に、各種のパラメータの値の変更を行わないパラメータ値変更ステップと、を有し、パラメータ値変更ステップの処理が終了した後に、偏差の大きさが所定値未満となるまで、パラメータ値変更ステップを繰り返す。【選択図】図2

Description

本発明は、制御装置による除振装置の除振特性を調整するパラメータの設定方法、及び、除振装置に載置された軸上においてサーボモータにより駆動される可動部を有する装置の制御装置に関する。
従来から、除振装置のパラメータの値を変更して、除振特性を調整するものが開示されている(例えば、下記特許文献1)。
特開2014−043946号公報
しかしながら、従来では、除振装置において検出した振動を抑制するようにパラメータを設定しているため、除振装置に載置されている装置における振動が十分に抑制できないことがあった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、除振装置に載置されている装置における振動を抑制することができるパラメータの設定方法、及び、制御装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、制御装置による除振装置の除振特性を調整するパラメータの設定方法であって、前記除振装置には、少なくとも1つの軸と、前記軸上においてサーボモータにより駆動される可動部とを有する装置が載置され、前記制御装置は、前記装置を制御し、前記制御装置は、除振装置の除振特性を調整する各種のパラメータの候補値を1つの組とし、複数組の候補値を記憶する記憶部を有し、前記可動部を指令位置に位置させるように前記サーボモータを制御するサーボモータ制御ステップと、前記除振装置の稼働中において、前記可動部の前記指令位置と実位置との差である偏差の大きさが所定値以上である場合に、前記複数組の候補値の中から未選択の1組の候補値を選択して、前記除振装置の前記各種のパラメータの値を選択された前記1組の候補値に変更し、前記偏差の大きさが所定値未満である場合に、前記各種のパラメータの値の変更を行わないパラメータ値変更ステップと、を有し、前記パラメータ値変更ステップの処理が終了した後に、前記偏差の大きさが所定値未満となるまで、前記パラメータ値変更ステップを繰り返す。
本発明の第2の態様は、除振装置に載置された少なくとも1つの軸と、前記軸上においてサーボモータにより駆動される可動部とを有する装置の制御装置であって、前記除振装置の除振特性を調整する各種のパラメータのそれぞれの候補値の組み合わせを1つの組とし、複数組の候補値を記憶する記憶部と、前記可動部を指令位置に位置させるように前記サーボモータを制御するサーボモータ制御部と、前記除振装置の稼働中において、前記可動部の前記指令位置と実位置との差である偏差の大きさが所定値以上である場合に、前記複数組の候補値の中から未選択の1組の候補値を選択して、前記除振装置の前記各種のパラメータの値を選択された前記1組の候補値に変更し、前記偏差の大きさが所定値未満である場合に、前記各種のパラメータの値の変更を行わないパラメータ値設定部と、を有し、前記パラメータ値設定部は、前記偏差の大きさが所定値未満となるまで、前記パラメータの値の変更を繰り返す。
本発明により、除振装置に載置されている装置における振動を抑制することができる。
アクティブダンパに載置された精密加工機の模式図である。 精密加工機、アクティブダンパ及び数値制御装置の制御ブロック図である。 パラメータ値設定処理の流れを示すフローチャートである。 アクティブダンパに載置された精密測定器の模式図である。 精密測定器、アクティブダンパ及び測定制御装置の制御ブロック図である。
〔第1実施形態〕
[全体構成]
図1は、アクティブダンパ10に載置された精密加工機12の模式図である。
精密加工機12は、100nm以下の精度でワーク14の加工を行う加工機である。精密加工機12は、ワーク14を着脱自在に固定する主軸16、及び、工具18を着脱可能に固定する工具台20を有している。
主軸16は、X軸可動部22に支持されている。X軸可動部22は、X軸サーボモータ21により、台座24に固定されたX軸ガイド26に沿ってX軸方向に駆動される。X軸ガイド26とX軸可動部22との間には流体軸受が設けられており、X軸ガイド26とX軸可動部22との間の摩擦は僅少である。主軸16は真空チャック28を有しており、真空チャック28によりワーク14が固定される。主軸16は、R軸サーボモータ29により、R軸を中心とする回転方向に駆動される。X軸可動部22と主軸16との間には流体軸受が設けられており、X軸可動部22と主軸16との間の摩擦は僅少である。
工具台20は、Z軸可動部30に支持されている。Z軸可動部30は、Z軸サーボモータ32により、台座24に固定されたZ軸ガイド34に沿ってZ軸方向に駆動される。Z軸ガイド34とZ軸可動部30との間には流体軸受が設けられており、Z軸ガイド34とZ軸可動部30との間の摩擦は僅少である。
アクティブダンパ10は、除振装置であり、床面36から精密加工機12に伝わる振動を低減する。
図2は、精密加工機12、アクティブダンパ10及び数値制御装置(以下、CNC)38の制御ブロック図である。
精密加工機12は、前述の構成要素の他、X軸リニアスケール40、Z軸リニアスケール42及びR軸エンコーダ44を有している。X軸リニアスケール40は、X軸ガイド26上におけるX軸可動部22の位置を検出する装置である。Z軸リニアスケール42は、Z軸ガイド34上におけるZ軸可動部30の位置を検出する装置である。R軸エンコーダ44は、主軸16のR軸回りの回転位置を検出する装置である。X軸リニアスケール40及びZ軸リニアスケール42の分解能は10nm以下であって、R軸エンコーダ44の分解能は1万分の1度以下である。
アクティブダンパ10は、下部振動検知部54、上部振動検知部56及び除振制御装置58を有している。下部振動検知部54は、床面36からアクティブダンパ10に伝達される振動を検知する装置である。上部振動検知部56は、アクティブダンパ10から台座24に伝達される振動を検知する装置である。除振制御装置58は、アクティブダンパ10の除振制御を行う装置である。
CNC38は、加工プログラムにしたがって、精密加工機12を数値制御する装置である。CNC38は、アクティブダンパ10の除振制御装置58と有線又は無線により通信可能に接続されている。CNC38は、サーボモータ制御部46、パラメータ値設定部48、記憶部50及び報知部52を有している。
サーボモータ制御部46は、X軸ガイド26上の指令位置にX軸可動部22を位置させるようにX軸サーボモータ21を制御する。また、サーボモータ制御部46は、Z軸ガイド34上の指令位置にZ軸可動部30を位置させるようにZ軸サーボモータ32を制御する。さらに、サーボモータ制御部46は、R軸回りの指令位置に主軸16を位置させるようにR軸サーボモータ29を制御する。なお、X軸サーボモータ21、Z軸サーボモータ32及びR軸サーボモータ29には、それぞれのサーボモータを駆動するサーボアンプが含まれる。
パラメータ値設定部48は、アクティブダンパ10の除振特性を調整する各種のパラメータの値を変更する。各種のパラメータの値を変更することにより、アクティブダンパ10の除振特性を調整することができる。アクティブダンパ10が設置される床面36の状況の変化、アクティブダンパ10に載置される精密加工機12の重量や重心の変化、又は、周辺の振動環境の変化に応じた各種のパラメータの値が設定されることにより、アクティブダンパ10の除振特性が調整される。除振特性を調整するための各種のパラメータは、例えば、浮上位置目標値、制御のフィードバックゲイン、フィルタに関する設定値等である。
記憶部50は、各種のパラメータの候補値を1つの組として、N組(N≧2の自然数)の候補値を記憶している記憶媒体である。
報知部52は、音声を出力する音響装置、画像や文字等を表示する表示装置、または、音響装置と表示装置の両方である。報知部52は、パラメータ値設定部48の指令にしたがって、精密加工機12のオペレータに報知を行う。
なお、サーボモータ制御部46及びパラメータ値設定部48は、記憶媒体に記憶されたプログラムがコンピュータのCPU等のプロセッサにより実行されることによって実現される。
[パラメータ値設定処理]
図3は、CNC38において行われるパラメータ値設定処理の流れを示すフローチャートである。パラメータ値設定処理は、アクティブダンパ10が設置される床面36の状況の変化、アクティブダンパ10に載置される精密加工機12の重量や重心の変化、又は、周辺の振動環境の変化が生じた場合に実行される。精密加工機12のオペレータが、図示しない入力部等を操作して、パラメータ値設定処理を実行するようにCNC38に指令するようにしてもよい。
パラメータ値設定処理は、X軸ガイド26に対するX軸可動部22の振動、Z軸ガイド34に対するZ軸可動部30の振動、及び、R軸に対する主軸16の振動に応じて設定されるが、以下では説明を簡単にするため、X軸ガイド26に対するX軸可動部22の振動に応じてパラメータ値設定処理を行う例を用いて説明する。また、工場出荷時状態のアクティブダンパ10であっても、各種のパラメータの値は設定されているものとする。
ステップS1において、パラメータ値設定部48は、変数nに「1」を代入して、ステップS2へ移行する。
ステップS2において、パラメータ値設定部48は、アクティブダンパ10の除振制御装置58にアクティブダンパ10を稼働させるように指令して、ステップS3へ移行する。
ステップS3において、パラメータ値設定部48は、サーボモータ制御部46にX軸可動部22をX軸ガイド26上の指令位置において停止させるようにX軸サーボモータ21を制御するように指令して、ステップS4へ移行する。このX軸サーボモータ21の制御は、パラメータ値設定処理が終了するまで継続される。
ステップS4において、パラメータ値設定部48は、X軸可動部22のX軸ガイド26上の指令位置と実位置との差である偏差の大きさが所定値以上であるか否かを判定する。偏差の大きさが所定値以上である場合にはステップS5へ移行し、偏差の大きさが所定値未満である場合にはパラメータ値設定処理を終了する。
ステップS5において、パラメータ値設定部48は、変数nがN以下であるか否かを判定する。変数nがN以下である場合、つまり、記憶部50に記憶されているN組の候補値の中に未選択の1組の候補値がある場合には、ステップS6へ移行する。一方、変数nがNより大きい場合、つまり、記憶部50に記憶されているN組の候補値の中に未選択の1組の候補値がない場合にはステップS8へ移行する。
ステップS6において、パラメータ値設定部48は、記憶部50に記憶されているN組の候補値の中から未選択の1組を選択して、各種のパラメータの値を選択された1組の候補値に変更して、ステップS7に移行する。
ステップS7において、パラメータ値設定部48は、変数nをインクリメントして、ステップS4へ移行する。
ステップS8において、パラメータ値設定部48は、過去に選択したN組の候補値の中から、偏差の大きさが最小であった1組の偏差値を選択して、各種のパラメータの値を選択された1組の候補値に変更して、ステップS9に移行する。
ステップS9において、パラメータ値設定部48は、オペレータにアクティブダンパ10の除振特性の調整が最適となっていない旨を報知するように報知部52を制御して、パラメータ値設定処理を終了する。
[作用効果]
精密加工機12では、X軸ガイド26とX軸可動部22との間の摩擦が僅少であるため、X軸可動部22をX軸ガイド26上の指令位置で停止させるためには、常にX軸サーボモータ21によりX軸可動部22を駆動させなければならない。そのため、台座24の振動を低減するようにアクティブダンパ10の除振特性が設定されたとしても、X軸ガイド26に対するX軸可動部22の振動は十分に低減できないことがある。従来では、アクティブダンパ10の除振制御装置58は、精密加工機12のX軸リニアスケール40からの情報が入力されないため、X軸ガイド26に対するX軸可動部22の振動を十分に低減できるような除振特性に調整することができなかった。
そのため、精密加工機12のオペレータが、手動で各種のパラメータの値を設定していたが、パラメータの種類は多数あるため、適切な除振特性に調整するためには、時間と経験を要していた。精密加工機12のオペレータの負担を軽減するために、精密加工機12とアクティブダンパ10の両方と通信を行えるパーソナルコンピュータを設け、このパーソナルコンピュータに各種のパラメータの値を設定させることも考えられる。しかし、実行される頻度が低いパラメータ値設定処理のために、パーソナルコンピュータを用意するのは、高コスト化する問題がある。
そこで、本実施形態では、精密加工機12を制御するCNC38においてパラメータ値設定処理を行う。本実施形態では、パラメータ値設定処理を行うためにCNC38をアクティブダンパ10の除振制御装置58と通信可能に接続するようにした。また、本実施形態では、CNC38にパラメータ値設定部48を設けた。パラメータ値設定部48は、アクティブダンパ10の稼働中において、X軸可動部22のX軸ガイド26上の指令位置と実位置との差である偏差の大きさが所定値以上である場合であって、記憶部50に記憶されているN組の候補値の中から未選択の1組の候補値を選択して、各種のパラメータの値を選択された1組の候補値に変更する。また、パラメータ値設定部48は、アクティブダンパ10の稼働中において、X軸可動部22のX軸ガイド26上の指令位置と実位置との差である偏差の大きさが所定値未満である場合に、各種のパラメータの値の変更を行わない。これにより、X軸ガイド26に対するX軸可動部22の振動を十分に低減できるように、アクティブダンパ10の除振特性を調整することができる。
さらに、本実施形態では、パラメータ値設定部48は、アクティブダンパ10の稼働中において、X軸可動部22のX軸ガイド26上の指令位置と実位置との差である偏差の大きさが所定値以上である場合であっても、記憶部50に記憶されているN組の候補値の中に未選択の1組の候補値がない場合には、過去に選択したN組の候補値の中から、偏差の大きさが最小であった1組の候補値を選択して、各種のパラメータの値を選択された1組の候補値に変更する。これにより、アクティブダンパ10の除振特性が最適に調整できないながらも、X軸ガイド26に対するX軸可動部22の振動をできるだけ低減できるように、アクティブダンパ10の除振特性を調整することができる。
また、本実施形態では、パラメータ値設定部48は、過去に選択したN組の候補値の中から、偏差の大きさが最小であった1組の偏差値を選択して、各種のパラメータの値を選択された1組の候補値に変更した場合には、精密加工機12のオペレータに報知を行うように報知部52を制御する。アクティブダンパ10の除振特性が最適ではない旨を、オペレータに認識させることができる。
〔第2実施形態〕
図4は、アクティブダンパ10に載置された精密測定器60の模式図である。
精密測定器60は、10nm以下の精度でワーク14の形状を三次元計測する装置である。精密測定器60は、ワーク14を着脱自在に固定する回転テーブル62、及び、三次元測定時にワーク14に接触するプローブ64を有している。
回転テーブル62は、台座24に支持されている。回転テーブル62は真空チャック66を有しており、真空チャック66によりワーク14が固定される。回転テーブル62は、Q軸サーボモータ68により、Q軸を中心とする回転方向に駆動される。台座24と回転テーブル62との間には流体軸受が設けられており、台座24と回転テーブル62との間の摩擦は僅少である。
プローブ64は、Y軸可動部70、Y軸ガイド72、Z軸可動部74及びZ軸ガイド76により支持されている。Y軸可動部70は、Y軸サーボモータ78により、台座24に固定されたY軸ガイド72に沿ってY軸方向に駆動される。Z軸可動部74は、Z軸サーボモータ80により、Y軸可動部70に固定されたZ軸ガイド76に沿ってZ軸方向に駆動される。Z軸可動部74にプローブ64が固定されている。Y軸ガイド72とY軸可動部70との間には流体軸受が設けられており、Y軸ガイド72とY軸可動部70との間の摩擦は僅少である。Z軸ガイド76とZ軸可動部74との間には流体軸受が設けられており、Z軸ガイド76とZ軸可動部74との間の摩擦は僅少である。
アクティブダンパ10は、除振装置であり、床面36から精密測定器60に伝わる振動を低減する。
図5は、精密測定器60、アクティブダンパ10及び測定制御装置82の制御ブロック図である。
精密測定器60は、前述の構成要素の他、Y軸リニアスケール84、Z軸リニアスケール86及びQ軸エンコーダ88を有している。Y軸リニアスケール84は、Y軸ガイド72上におけるY軸可動部70の位置を検出する装置である。Z軸リニアスケール86は、Z軸ガイド76上におけるZ軸可動部74の位置を検出する装置である。Q軸エンコーダ88は、回転テーブル62のQ軸回りの回転位置を検出する装置である。Y軸リニアスケール84及びZ軸リニアスケール86の分解能は10nm以下であって、Q軸エンコーダ88の分解能は1万分の1度以下である。
アクティブダンパ10は、第1実施形態のアクティブダンパ10と同じものが用いられる。測定制御装置82は、第1実施形態のCNC38と同様のサーボモータ制御部46、パラメータ値設定部48、記憶部50及び報知部52を有する。
本実施形態では、測定制御装置82において、第1実施形態のパラメータ値設定処理と同様の処理を行うことにより、各種のパラメータの値を設定する。
〔他の実施形態〕
第1実施形態及び第2実施形態では、サーボモータ制御部46により、可動部(主軸16、X軸可動部22、Z軸可動部30、回転テーブル62、Y軸可動部70、Z軸可動部74)を指令位置で停止させるように制御した状態で、パラメータ値設定処理を行う。これを、可動部を移動させるように制御した状態で、パラメータ値設定処理を行うようにしてもよい。可動部を移動させるように制御する場合も、可動部の各軸に対する指令位置と実位置との偏差が所定値未満となるように各種のパラメータを設定するようにすればよい。精密加工機12及び精密測定器60がワーク14の加工や測定を行うときには、可動部は移動している。そのため、可動部を移動させるように制御した状態で、パラメータ値設定処理を行うことにより、加工時や測定時の軸に対する可動部の振動をより低減することができるように、アクティブダンパ10の除振特性を設定することができる。
また、第2実施形態の精密測定器60のように、Z軸可動部74が、Y軸ガイド72とZ軸ガイド76の複数の直線軸上を移動する場合には、各直線軸上の指令位置の合成と、各直線軸上のZ軸可動部74の実位置の合成との差を偏差として用いてもよい。
さらに、第1実施形態の精密加工機12において、ワーク14を加工時に、X軸可動部22及びZ軸可動部30がX軸ガイド26及びZ軸ガイド34上を移動する範囲に、X軸可動部22及びZ軸可動部30が位置するときに、パラメータ値設定処理を行うようにしてもよい。例えば、X軸可動部22やZ軸可動部30の位置制御において、ワーク14の加工時には高い位置精度が求められるが、ワーク14や工具18の交換時にはそれほど高い位置精度は求められない。ワーク14を加工時に、X軸可動部22及びZ軸可動部30がX軸ガイド26及びZ軸ガイド34上を移動する範囲にX軸可動部22及びZ軸可動部30が位置するときに、パラメータ値設定処理を行うことにより、ワーク14を加工時の振動をより低減することができる。
また、アクティブダンパ10が設置される箇所の振動環境の良否や、アクティブダンパ10の除振特性の良否を判断するために、下部振動検知部54及び上部振動検知部56により検知された振動を用いてもよい。さらに、アクティブダンパ10が設置される箇所の振動環境の良否や、アクティブダンパ10の除振特性の良否を判断するために、下部振動検知部54及び上部振動検知部56により検知された振動と、各軸に対する各可動部の振動を組み合わせて用いてもよい。
〔実施形態から得られる技術的思想〕
上記実施形態から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。
制御装置(38、82)による除振装置(10)の除振特性を調整するパラメータの設定方法であって、前記除振装置には、少なくとも1つの軸と、前記軸上においてサーボモータ(21、29、32、68、78、80)により駆動される可動部とを有する装置(12、60)が載置され、前記制御装置は、前記装置を制御し、前記制御装置は、除振装置の除振特性を調整する各種のパラメータの候補値を1つの組とし、複数組の候補値を記憶する記憶部(50)を有し、前記可動部を指令位置に位置させるように前記サーボモータを制御するサーボモータ制御ステップと、前記除振装置の稼働中において、前記可動部の前記指令位置と実位置との差である偏差の大きさが所定値以上である場合に、前記複数組の候補値の中から未選択の1組の候補値を選択して、前記除振装置の前記各種のパラメータの値を選択された前記1組の候補値に変更し、前記偏差の大きさが所定値未満である場合に、前記各種のパラメータの値の変更を行わないパラメータ値変更ステップと、を有し、前記パラメータ値変更ステップの処理が終了した後に、前記偏差の大きさが所定値未満となるまで、前記パラメータ値変更ステップを繰り返す。これにより、軸に対する可動部の振動を十分に低減できるように、除振装置の除振特性に調整することができる。
上記のパラメータの設定方法であって、前記パラメータ値変更ステップは、前記偏差の大きさが所定値以上であって、且つ、未選択の1組の候補値がない場合には、前記除振装置の前記各種のパラメータの値を前記偏差が最小であった1組の候補値に変更する。これにより、除振装置の除振特性が最適に調整できないながらも、軸に対する可動部の振動をできるだけ低減できるように、除振装置の除振特性を調整することができる。
上記のパラメータの設定方法であって、前記偏差の大きさが所定値以上であって、且つ、未選択の1組の候補値がない場合には、報知を行う報知ステップを有する。これにより、装置のオペレータに、除振装置の除振特性が最適ではない旨を認識させることができる。
上記のパラメータの設定方法であって、前記軸は、前記可動部が前記軸の延びる方向に駆動される直線軸、又は、前記可動部が前記軸を中心とする回転方向に駆動される回転軸であり、前記偏差の精度は10nm以下、又は、1万分の1度以下である。これにより、精密加工機や精密測定器等の装置に対しても、十分に振動を低減することができる。
上記のパラメータの設定方法であって、前記装置は、ワーク(14)を加工する加工機であり、前記偏差は、前記加工機が前記ワークを加工するときに前記可動部が前記軸上を移動する範囲内に前記可動部が位置するときの前記指令位置と前記実位置との差である。これにより、加工機の加工時における軸に対する可動部の振動を低減できるように、除振装置の除振特性を調整することができる。
上記のパラメータの設定方法であって、前記軸は、前記可動部が前記軸が延びる方向に駆動される直線軸であり、前記偏差は、前記可動部を前記直線軸の範囲内の前記指令位置で停止させるように前記サーボモータが制御されているときの前記指令位置と前記実位置との差である。これにより、精度の高い偏差を用いて、軸に対する可動部の振動を十分に低減できるように、除振装置の除振特性を調整することができる。
上記のパラメータの設定方法であって、前記軸は、前記可動部が前記軸が延びる方向に駆動される直線軸であり、前記可動部は、複数の直線軸上で駆動され、前記偏差は、前記可動部を各直線軸上の前記指令位置に移動させるように前記サーボモータが制御されているときの前記各直線軸上の前記指令位置と前記実位置との差である。これにより、可動部が移動しているときの軸に対する可動部の振動を低減できるように、除振装置の除振特性を調整することができる。
上記のパラメータの設定方法であって、前記軸は、前記可動部が前記軸が延びる方向に駆動される直線軸であり、前記可動部は、複数の直線軸上で駆動され、前記偏差は、前記可動部を各直線軸上の前記指令位置に移動させるように前記サーボモータが制御されているときの前記各直線軸上の前記指令位置の合成と前記各直線軸上の前記実位置の合成との差である。これにより、可動部が移動しているときの軸に対する可動部の振動を低減できるように、除振装置の除振特性を調整することができる。
除振装置(10)に載置された少なくとも1つの軸と、前記軸上においてサーボモータ(21、29、32、68、78、80)により駆動される可動部とを有する装置(12、60)の制御装置(38、82)であって、前記除振装置の除振特性を調整する各種のパラメータのそれぞれの候補値の組み合わせを1つの組とし、複数組の候補値を記憶する記憶部(50)と、前記可動部を指令位置に位置させるように前記サーボモータを制御するサーボモータ制御部(46)と、前記除振装置の稼働中において、前記可動部の前記指令位置と実位置との差である偏差の大きさが所定値以上である場合に、前記複数組の候補値の中から未選択の1組の候補値を選択して、前記除振装置の前記各種のパラメータの値を選択された前記1組の候補値に変更し、前記偏差の大きさが所定値未満である場合に、前記各種のパラメータの値の変更を行わないパラメータ値設定部(48)と、を有し、前記パラメータ値設定部は、前記偏差の大きさが所定値未満となるまで、前記パラメータの値の変更を繰り返す。これにより、軸に対する可動部の振動を十分に低減できるように、除振装置の除振特性を調整することができる。
上記の制御装置であって、前記パラメータ値設定部は、前記偏差の大きさが所定値以上であって、且つ、未選択の1組の候補値がない場合には、前記除振装置の前記各種のパラメータの値を前記偏差が最小であった1組の候補値に変更する。これにより、除振装置の除振特性が最適に調整できないながらも、軸に対する可動部の振動をできるだけ低減できるように、除振装置の除振特性を調整することができる。
上記の制御装置であって、前記偏差の大きさが所定値以上であって、且つ、未選択の1組の候補値がない場合には、報知を行う報知部(52)を有する。これにより、装置のオペレータに、除振装置の除振特性が最適ではない旨を認識させることができる。
上記の制御装置であって、前記軸は、前記可動部が前記軸が延びる方向に駆動される直線軸、又は、前記可動部が前記軸を中心とする回転方向に駆動される回転軸であり、前記偏差の精度は10nm以下、又は、1万分の1度以下である。これにより、精密加工機や精密測定器等の装置に対しても、十分に振動を低減することができる。
上記の制御装置であって、前記装置は、ワーク(14)を加工する加工機であり、前記偏差は、前記加工機が前記ワークを加工するときに前記可動部が前記軸上を移動する範囲内に前記可動部が位置するときの前記指令位置と前記実位置との差である。これにより、加工機の加工時における軸に対する可動部の振動を低減できるように、除振装置の除振特性を調整することができる。
上記の制御装置であって、前記軸は、前記可動部が前記軸が延びる方向に駆動される直線軸であり、前記偏差は、前記可動部を前記直線軸の範囲内の前記指令位置で停止させるように前記サーボモータが制御されているときの前記指令位置と前記実位置との差である。これにより、精度の高い偏差を用いて、軸に対する可動部の振動を十分に低減できるように、除振装置の除振特性を調整することができる。
上記の制御装置であって、前記軸は、前記可動部が前記軸が延びる方向に駆動される直線軸であり、前記可動部は、複数の直線軸上で駆動され、前記偏差は、前記可動部を各直線軸上の前記指令位置に移動させるように前記サーボモータが制御されているときの前記各直線軸上の前記指令位置の合成と前記各直線軸上の前記実位置の合成との差である。これにより、可動部が移動しているときの軸に対する可動部の振動を低減できるように、除振装置の除振特性を調整することができる。
10…アクティブダンパ(除振装置) 12…精密加工機(装置)
21…X軸サーボモータ(サーボモータ) 29…R軸サーボモータ(サーボモータ)
32、80…Z軸サーボモータ(サーボモータ)
38…数値制御装置(制御装置) 46…サーボモータ制御部
48…パラメータ値設定部 50…記憶部
60…精密測定器(装置) 68…Q軸サーボモータ(サーボモータ)
78…Y軸サーボモータ(サーボモータ) 82…測定制御装置(制御装置)

Claims (15)

  1. 制御装置による除振装置の除振特性を調整するパラメータの設定方法であって、
    前記除振装置には、少なくとも1つの軸と、前記軸上においてサーボモータにより駆動される可動部とを有する装置が載置され、
    前記制御装置は、前記装置を制御し、
    前記制御装置は、除振装置の除振特性を調整する各種のパラメータの候補値を1つの組とし、複数組の候補値を記憶する記憶部を有し、
    前記可動部を指令位置に位置させるように前記サーボモータを制御するサーボモータ制御ステップと、
    前記除振装置の稼働中において、前記可動部の前記指令位置と実位置との差である偏差の大きさが所定値以上である場合に、前記複数組の候補値の中から未選択の1組の候補値を選択して、前記除振装置の前記各種のパラメータの値を選択された前記1組の候補値に変更し、前記偏差の大きさが所定値未満である場合に、前記各種のパラメータの値の変更を行わないパラメータ値変更ステップと、
    を有し、
    前記パラメータ値変更ステップの処理が終了した後に、前記偏差の大きさが所定値未満となるまで、前記パラメータ値変更ステップを繰り返す、パラメータの設定方法。
  2. 請求項1に記載のパラメータの設定方法であって、
    前記パラメータ値変更ステップは、前記偏差の大きさが所定値以上であって、且つ、未選択の1組の候補値がない場合には、前記除振装置の前記各種のパラメータの値を前記偏差が最小であった1組の候補値に変更する、パラメータの設定方法。
  3. 請求項2に記載のパラメータの設定方法であって、
    前記偏差の大きさが所定値以上であって、且つ、未選択の1組の候補値がない場合には、報知を行う報知ステップを有する、パラメータの設定方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のパラメータの設定方法であって、
    前記軸は、前記可動部が前記軸の延びる方向に駆動される直線軸、又は、前記可動部が前記軸を中心とする回転方向に駆動される回転軸であり、
    前記偏差の精度は10nm以下、又は、1万分の1度以下である、パラメータの設定方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のパラメータの設定方法であって、
    前記装置は、ワークを加工する加工機であり、
    前記偏差は、前記加工機が前記ワークを加工するときに前記可動部が前記軸上を移動する範囲内に前記可動部が位置するときの前記指令位置と前記実位置との差である、パラメータの設定方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のパラメータの設定方法であって、
    前記軸は、前記可動部が前記軸が延びる方向に駆動される直線軸であり、
    前記偏差は、前記可動部を前記直線軸の範囲内の前記指令位置で停止させるように前記サーボモータが制御されているときの前記指令位置と前記実位置との差である、パラメータの設定方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のパラメータの設定方法であって、
    前記軸は、前記可動部が前記軸が延びる方向に駆動される直線軸であり、
    前記可動部は、複数の直線軸上で駆動され、
    前記偏差は、前記可動部を各直線軸上の前記指令位置に移動させるように前記サーボモータが制御されているときの前記各直線軸上の前記指令位置と前記実位置との差である、パラメータの設定方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のパラメータの設定方法であって、
    前記軸は、前記可動部が前記軸が延びる方向に駆動される直線軸であり、
    前記可動部は、複数の直線軸上で駆動され、
    前記偏差は、前記可動部を各直線軸上の前記指令位置に移動させるように前記サーボモータが制御されているときの前記各直線軸上の前記指令位置の合成と前記各直線軸上の前記実位置の合成との差である、パラメータの設定方法。
  9. 除振装置に載置された少なくとも1つの軸と、前記軸上においてサーボモータにより駆動される可動部とを有する装置の制御装置であって、
    前記除振装置の除振特性を調整する各種のパラメータのそれぞれの候補値の組み合わせを1つの組とし、複数組の候補値を記憶する記憶部と、
    前記可動部を指令位置に位置させるように前記サーボモータを制御するサーボモータ制御部と、
    前記除振装置の稼働中において、前記可動部の前記指令位置と実位置との差である偏差の大きさが所定値以上である場合に、前記複数組の候補値の中から未選択の1組の候補値を選択して、前記除振装置の前記各種のパラメータの値を選択された前記1組の候補値に変更し、前記偏差の大きさが所定値未満である場合に、前記各種のパラメータの値の変更を行わないパラメータ値設定部と、
    を有し、
    前記パラメータ値設定部は、前記偏差の大きさが所定値未満となるまで、前記パラメータの値の変更を繰り返す、制御装置。
  10. 請求項9に記載の制御装置であって、
    前記パラメータ値設定部は、前記偏差の大きさが所定値以上であって、且つ、未選択の1組の候補値がない場合には、前記除振装置の前記各種のパラメータの値を前記偏差が最小であった1組の候補値に変更する、制御装置。
  11. 請求項10に記載の制御装置であって、
    前記偏差の大きさが所定値以上であって、且つ、未選択の1組の候補値がない場合には、報知を行う報知部を有する、制御装置。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項に記載の制御装置であって、
    前記軸は、前記可動部が前記軸が延びる方向に駆動される直線軸、又は、前記可動部が前記軸を中心とする回転方向に駆動される回転軸であり、
    前記偏差の精度は10nm以下、又は、1万分の1度以下である、制御装置。
  13. 請求項9〜12のいずれか1項に記載の制御装置であって、
    前記装置は、ワークを加工する加工機であり、
    前記偏差は、前記加工機が前記ワークを加工するときに前記可動部が前記軸上を移動する範囲内に前記可動部が位置するときの前記指令位置と前記実位置との差である、制御装置。
  14. 請求項9〜13のいずれか1項に記載の制御装置であって、
    前記軸は、前記可動部が前記軸が延びる方向に駆動される直線軸であり、
    前記偏差は、前記可動部を前記直線軸の範囲内の前記指令位置で停止させるように前記サーボモータが制御されているときの前記指令位置と前記実位置との差である、制御装置。
  15. 請求項9〜13のいずれか1項に記載の制御装置であって、
    前記軸は、前記可動部が前記軸が延びる方向に駆動される直線軸であり、
    前記可動部は、複数の直線軸上で駆動され、
    前記偏差は、前記可動部を各直線軸上の前記指令位置に移動させるように前記サーボモータが制御されているときの前記各直線軸上の前記指令位置の合成と前記各直線軸上の前記実位置の合成との差である、制御装置。
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