JP2021038684A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回スクロールを過不足なく固定スクロールに押し付けるようにしてコストアップを抑制しつつ性能及び信頼性を向上させたスクロール圧縮機を提供する。【解決手段】旋回スクロール120の端板にラップ底面と前記旋回スクロールの背面を連通する背圧導入経路125を設け、前記背圧導入経路の旋回スクロールのラップ底面側に背圧ポート入口127、旋回スクロールの背面側に背圧ポート出口128を設け、背圧ポート入口は、圧力が吐出圧になる圧縮室150(A圧縮室)と、圧縮途中の圧力になる圧縮室150(B圧縮室)に交互に開口し、背圧ポート入口127がA圧縮室に開口しているときに背圧ポート出口128が高圧付与領域251に開口し、背圧ポート入口がB圧縮室に開口しているときに背圧ポート出口が中圧付与領域252に開口する構成として、一つの圧力導入経路で二つの背圧室に圧力の違う圧縮室の圧力を導入する構成とする。【選択図】図2

Description

本発明は、スクロール圧縮機に関する。
特許文献1は、密閉容器内低圧型のスクロール圧縮機を開示する。このスクロール圧縮機は、図8に示すよう、その旋回スクロール301の背面に圧縮室302内の圧縮途中の中圧を付与する背圧室303を設け、その背圧室303の圧力で旋回スクロール301を固定スクロール304に押し付けて旋回スクロール301が固定スクロール304から離れないようにし性能低下を抑制している。
特許第5601404号公報
本開示は、固定スクロールへの旋回スクロールの押し付けを過不足なく行うようにしてコストアップを抑制しつつ性能及び信頼性を向上させたスクロール圧縮機を提供する。
本開示のスクロール圧縮機は、旋回スクロールの端板にラップ底面と前記旋回スクロールの背面を連通する背圧導入経路を設け、前記背圧導入経路の前記旋回スクロールのラップ底面側に背圧ポート入口、前記旋回スクロールの背面側に背圧ポート出口を設け、前記背圧ポート入口は、圧力が吐出圧になる圧縮室(A圧縮室)と、圧縮途中の圧力になる圧縮室(B圧縮室)に交互に開口し、前記背圧ポート入口が前記A圧縮室に開口しているときに前記背圧ポート出口が高圧付与領域に開口し、前記背圧ポート入口が前記B圧縮室に開口しているときに前記背圧ポート出口が中圧付与領域に開口する構成として、一つの圧力導入経路で二つの背圧室に圧力の違う圧縮室の圧力を導入する構成としてある。
本開示のスクロール圧縮機は、密閉容器内低圧型圧縮機においても、コストを抑えながら、旋回スクロールを固定スクロールに適正に押し付け、摺動損失の増加による性能低下を抑制し、高性能かつ高信頼性のスクロール圧縮機を提供できる。
実施の形態1におけるスクロール圧縮機の縦断面図 実施の形態1におけるスクロール圧縮機の要部断面図 実施形態1におけるスクロール圧縮機の固定スクロールを示す下面図 実施形態1におけるスクロール圧縮機の旋回スクロールを示す上面斜視図 実施形態1におけるスクロール圧縮機の旋回スクロールを示す断面図 実施形態1におけるスクロール圧縮機の主軸受を示す断面図 実施形態1におけるスクロール圧縮機において、背圧ポート入口がA圧縮室に開口し、背圧ポート出口が高圧付与領域に開口している時の固定スクロールと旋回スクロールの相関図 図6Aの縦断面図 実施形態1におけるスクロール圧縮機において、背圧ポート入口がB圧縮室に開口し、背圧ポート出口が中圧付与領域に開口している時の固定スクロールと旋回スクロールの相関図 図7Aの縦断面図 従来のスクロール圧縮機の縦断面図
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、密閉容器内低圧型のスクロール圧縮機は、特許文献1(図8)に示すように、圧縮途中の一区間の圧縮室302内の圧力を背圧室303に導入し、その圧力で旋回スクロール301を固定スクロール304に押し付けているが、そのため運転条件によって、背圧室303の圧力が変わり、過不足が生じる。その結果、運転条件によっては、旋回スクロール301を固定スクロール304に押し付ける力が過剰になり、摺動損失の増加による性能低下や信頼性の悪化が生じる課題があった。また、運転条件によらず、旋回スクロール301を固定スクロール304に押し付ける力を適正にするために、複数の背圧室を設け、その各背圧室にそれぞれ別の圧縮室の圧力を導入するようにしたものがみられるが、この場合、圧力を導入する経路が2系統必要となり、コストがかかるという課題があった。
このように従来のスクロール圧縮機は、性能、信頼性及びコスト面に課題があり、発明者らはこのような課題を把握し、これを解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1〜図7Bを用いて、実施の形態1を説明する。
[1−1.構成]
図1は、本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の縦断面図である。
図2は、同スクロール圧縮機の要部断面図である。
図1および図2において、圧縮機10は、上下方向に長手方向を有する円筒状の密閉容器20を、外殻として備えている。なお、本明細書において、上下方向とは、各図におけるZ軸方向である。
圧縮機10は、密閉容器20の内部に、冷媒を圧縮するための圧縮機構部30と、圧縮機構部30を駆動するための電動機40を備えた密閉型スクロール圧縮機である。
密閉容器20の内部上方には、密閉容器20の内部を上下に仕切る仕切板50が設けられている。仕切板50は、密閉容器20の内部を、高圧空間60と低圧空間70とに区画している。高圧空間60は、圧縮機構部30で圧縮された後の高圧の冷媒で満たされる空間であり、低圧空間70は、圧縮機構部30で圧縮される前の低圧の冷媒で満たされる空間である。
密閉容器20は、密閉容器20の外部と低圧空間70とを連通させる冷媒吸込管80と、密閉容器20の外部と高圧空間60とを連通させる冷媒吐出管90とを備えている。圧縮機10は、冷媒吸込管80を介して、密閉容器20の外部に設けられた冷凍サイクル回路(図示せず)から、低圧空間70に低圧の冷媒を導入する。また、圧縮機構部30で圧縮された高圧の冷媒は、まず、高圧空間60に導入される。その後、高圧空間60から冷媒吐出管90を介して、冷凍サイクル回路に吐出される。
低圧空間70の底部には、潤滑油が貯留される油溜まり100が形成されている。
圧縮機10は、低圧空間70に圧縮機構部30と、電動機40を備えている。
圧縮機構部30は、少なくとも、固定スクロール110、旋回スクロール120、主軸受130及びオルダムリング140で構成されている。
固定スクロール110、旋回スクロール120、オルダムリング140は、仕切板50と主軸受130との間に配置されている。
仕切板50及び主軸受130は、密閉容器20に固定されている。
固定スクロール110は、仕切板50の下方に隣接して配置され、主軸受130にボルト等で締結されている。
旋回スクロール120は、固定スクロール110の下方に、固定スクロール110と噛み合わされて、固定スクロール110と主軸受130との間を軸方向に移動自在に設けられている。
オルダムリング140は、固定スクロール110と旋回スクロール120の間に設けられ、旋回スクロール120の自転を防止し、旋回運動をする。
固定スクロール110は、円板状の固定スクロール端板111と、固定スクロール端板111の下面に立設された渦巻状の固定渦巻きラップ112とを備えている。固定スクロール端板111の略中心部には、第1吐出ポート113が形成され、周壁114には、冷媒を圧縮室150に取り込むための吸入部115が形成されている。
固定スクロール110の上面(仕切板50側の面)には、中央に上方ボス部116が設けられている。上方ボス部116は、固定スクロール110の上面から突出する円柱状の突起である。第1吐出ポート113は、上方ボス部116の上面で開口する。上方ボス部116の上面側は、仕切板50との間に吐出空間110Hが形成される。第1吐出ポート113は、吐出空間110Hと連通する。
仕切板50の中心部には、第2吐出ポート51が設けられている。仕切板50の上面には、第2吐出ポート51を開閉自在とする吐出逆止弁160と、吐出逆止弁160の過度な変形を防止する吐出逆止弁ストップ170とが設けられている。
吐出空間110Hは、第1吐出ポート113によって、圧縮室150と連通し、第2吐出ポート51によって、高圧空間60と連通する。
第2吐出ポート51の断面積は、第1吐出ポート113の断面積よりも大きい。これによって、圧縮室150から吐出される冷媒の圧力損失を低減できる。
また、第2吐出ポート51の流入側にテーパを形成してもよい。これによって、より圧力損失を低減できる。
仕切板50の下面には、第2吐出ポート51の周りに、凹部52が設けられている。凹部52には固定スクロール110の上方ボス部116が挿入され、シール部材180により低圧空間70とシールされ、吐出空間110Hを形成している。
旋回スクロール120は、図2に示すように、円板状の旋回スクロール端板121と、旋回スクロール端板121の上面に立設された渦巻状の旋回渦巻きラップ122と、下方ボス部123とを備えている。下方ボス部123は、旋回スクロール端板121の下面121bの略中央に形成された円筒状の突起である。
旋回スクロール120の旋回渦巻きラップ122と固定スクロール110の固定渦巻きラップ112とを噛み合わせることで、旋回スクロール120と固定スクロール110との間に、圧縮室150が形成される。圧縮室150は、旋回渦巻きラップ122の内壁(後述する)側と、外壁(後述する)側とに形成される。
固定スクロール110及び旋回スクロール120の下方には、旋回スクロール120を支持する主軸受130が設けられている。主軸受130は、上面の略中央に設けられたボス収容部131と、ボス収容部131の下方に設けられた軸受部132とを備えている。ボス収容部131は、下方ボス部123を収納するため凹部である。軸受部132は、上端がボス収容部131で開口し、下端が低圧空間70に開口する貫通孔である。
主軸受130は、上面で旋回スクロール120を支持するとともに、軸受部132で回転軸190を軸支する。
回転軸190は、上下方向に長手方向を有する軸である。回転軸190の一端側は、軸受部132により軸支され、他端側は、副軸受200で軸支される。副軸受200は、低圧空間70の下方、望ましくは、油溜まり100内に設けられた軸受である。回転軸190の上端には、回転軸190の軸心に対して偏心した偏心軸191が設けられている。偏心軸191は、スイングブッシュ210及び旋回軸受124を介して、下方ボス部123に摺動自在に挿入されている。下方ボス部123は、偏心軸191によって、旋回駆動される。
回転軸190の内部には、潤滑油が通過する油路192が形成されている。油路192は、回転軸190の軸方向に形成された貫通孔である。油路192の一端は、回転軸190の下端に設けられた吸込口193として、油溜まり100内に開口している。吸込口193の上部には、吸込口193から油路192に潤滑油を汲み上げるパドル220が設けられている。
また、回転軸190の内部には、第1分岐油路194と、第2分岐油路195とが形成されている。第1分岐油路194の一端は、第1給油口196として、軸受部132の軸受面で開口し、他端側は油路192に連通する。また、第2分岐油路195の一端は、第2給油口197として、副軸受200の軸受面で開口し、他端側は油路192に連通する。
さらに、油路192の上端は、第3給油口198として、ボス収容部131の内部に開口する。主軸受130には、一端がボス収容部131に開口し、他端が主軸受130の下面で開口する返送経路134を形成されている。
回転軸190は、電動機40に連結されている。電動機40は、主軸受130と副軸受200の間に配置されている。電動機40は、密閉容器20に固定されたステータ41と、このステータ41の内側に配置されたロータ42とを備えている。
回転軸190は、ロータ42に固定されている。回転軸190は、ロータ42の上方に設けられたバランスウェイト230aと、下方に設けられたバランスウェイト230bとを備えている。バランスウェイト230aとバランスウェイト230bとは、回転軸190の周方向に180°ずれた位置に配置されている。
回転軸190は、バランスウェイト230a及びバランスウェイト230bによる遠心力と、旋回スクロール120の公転運動により発生する遠心力とで、バランスを取って回転する。なお、バランスウェイト230a及びバランスウェイト230bは、ロータ42に設けてもよい。
圧縮機10の詳細な構成について、さらに説明する。
図3は、本実施の形態にかかるスクロール圧縮機の固定スクロールの下面図である。
図3に示すように、固定渦巻きラップ112は、固定スクロール端板111の中心側に位置する始端112aを巻き始めとし、外周側に位置する終端112cに向けて徐々に半径を拡大する、インボリュート曲線状の断面を備える壁である。固定渦巻きラップ112は、所定の高さ(上下方向の長さ)と所定の壁厚(固定渦巻きラップ112の径方向の長さ)とを備えている。
固定渦巻きラップ112は、始端112aから中間部112bにかけては、内壁(中心側の壁面)と外壁(外周側の壁面)とを備え、中間部112bから終端112cにかけては、内壁のみを備えている。
図4Aは、本実施の形態にかかるスクロール圧縮機の旋回スクロールの上面斜視図、図4Bは同旋回スクロールの断面図である。
図4A、図4Bに示すように、旋回渦巻きラップ122は、旋回スクロール端板121の中心側に位置する始端122aを巻き始めとし、外周側に位置する終端122bに向けて徐々に半径を拡大する、インボリュート曲線状の断面を備える壁である。旋回渦巻きラップ122は、固定渦巻きラップ112と等しい所定の高さ(上下方向の長さ)と所定の壁厚(旋回渦巻きラップ122の径方向の長さ)とを備えている。
旋回スクロール端板121には、端板外周面121aから旋回スクロール端板121の中心に向かって半径直線上に背圧導入経路125が形成され、端板外周面121a側は、止栓126により塞がれている。旋回スクロール120のラップ底面には背圧ポート入口127が形成され、背圧導入経路125に連通している。また、旋回スクロール端板121の下面121bには、背圧ポート出口128が形成され、背圧導入経路125に連通している。
背圧ポート入口127は、旋回運動に伴い、外壁側の第1吐出ポート113に連通する圧縮室(A圧縮室室)と内壁側の圧縮途中の圧縮室(B圧縮室室)に交互に開口する。
図5は、本実施の形態にかかるスクロール圧縮機の主軸受の断面図である。
主軸受130のボス収容部131の外側の旋回スクロール120を支持する面には、3本の環状溝133a(外)、133b(中)、133c(内)、が形成され、環状溝133a、133b、133cには図2に示すようにそれぞれシール部材240a(外)、240b(中)、240c(内)が挿入されている。シール部材240a(外)、240b(中)、240c(内)は旋回スクロール120の下面121bに接することで空間を形成し、この空間には、低圧空間70よりも高い圧力が導入され、圧力付与領域250が形成されている。
圧力付与領域250はシール部材240bにより高圧付与領域251と中圧付与領域252に仕切られている。(図2参照)
図6Aは背圧ポート入口127がA圧縮室に開口し、背圧ポート出口128が高圧付与領域251に開口している時の固定スクロールと旋回スクロールの相関図、図6Bはその時の縦断面図である。
また、図7Aは背圧ポート入口127がB圧縮室に開口し、背圧ポート出口128が中圧付与領域252に開口している時の固定スクロールと旋回スクロールの相関図、図7Bはその時の縦断面図である。
[1−2.動作]
以上のように構成された圧縮機10について、以下その動作、作用について説明する。
電動機40の駆動により、ロータ42とともに回転軸190が回転し、回転軸190の回転に伴い、偏心軸191とオルダムリング140とによって、旋回スクロール120は自転することなく、回転軸190の中心軸を中心に旋回運動し、冷媒吸込管80から低圧空間70へと導入された冷媒は、電動機40を冷却し、固定スクロール110の吸入部115から圧縮室150へ吸入され、圧縮室150の容積が縮小し、圧縮室150の冷媒は圧縮される。
圧縮途中の中間圧力の冷媒は、背圧ポート入口127がB圧縮室に開口している区間で背圧導入経路125を通って旋回スクロール120の下面121bに設けられた中圧付与領域252に導入される。このとき、開口している区間で、B圧縮室の圧力は、圧縮の進行により変化する。それに伴って中圧付与領域252の圧力も変動する。背圧ポート入口127はB圧縮室開口後、一旦固定スクロール110のラップの上面112dにより塞がれ、その後A圧縮室に開口し、吐出圧力の冷媒が高圧付与領域251に導入される。
このように旋回スクロール120の下面121bの中圧付与領域252、高圧付与領域251に付与された圧力により、旋回スクロール120は、固定スクロール110に押し付けられる。このとき、背圧ポート入口127が開口する圧縮室を調整することで中圧付与領域252に付与する圧力を調整できる。また、高圧付与領域251や中圧付与領域252の面積を調整することで、旋回スクロール120を固定スクロール110に押し付ける力を調整することができるため、種々の運転条件で適正な力で旋回スクロール120を固定スクロール110に押し付けるように設定することが可能になり、過剰な押付力による摺動損失や信頼性悪化を抑えることができる。
ここで、背圧ポート入口127がA圧縮室に開口する時間を、B圧縮室に開口する時間より長くすることで、B圧縮室に開口する区間が短くなり、その区間で変化するB圧縮室の圧力変化量が抑えられ、その圧力が導入される中圧付与領域252の圧力変動が低減できるため、安定した力で旋回スクロール120を固定スクロール110に押し付けることができる。
また、背圧導入経路125が半径直線上に形成されているので、それに連通する背圧ポート入口127と背圧ポート出口128も略同一半径直線上に位置することになる。そのため、旋回スクロール120の旋回渦巻きラップ122を形成するインボリュート曲線の中心が旋回スクロール端板121の中心と略同一の場合、背圧ポート入口127がA圧縮室に開口するタイミングと背圧ポート出口128が高圧付与領域251に開口するタイミングがほぼ同一になる。同様に背圧ポート入口127がB圧縮室に開口するタイミングと背圧ポート出口128が中圧付与領域252に開口するタイミングもほぼ同一になる。そのため、A圧縮室と中圧付与領域252が連通することや、B圧縮室と高圧付与領域251が連通することを防止できる。
また、背圧ポート入口127の径を固定スクロール110のラップ厚さより小さくすることで、背圧ポート入口127がA圧縮室とB圧縮室に同時に開口することがないため、A圧縮室からB圧縮室への漏れを防止できる。同様に、背圧ポート出口128の径をシール部材240bのシール幅より小さくすることで、背圧ポート出口128が高圧付与領域251と中圧付与領域252に同時に開口することがない。そのため、高圧付与領域251から中圧付与領域252への漏れを防止することができる。
また、背圧導入経路125の径を旋回スクロール端板121の厚さの半分以下にすることで、旋回スクロール端板121の剛性が確保でき、旋回スクロール120の変形を抑制することができる。
また、背圧導入経路125を、背圧ポート入口127と背圧ポート出口128を連通する一直線の孔で形成することで、加工工数が削減でき、止栓126も不要になるため、コストが削減できる。
[1−3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、スクロール圧縮機は、旋回スクロール120の端板にラップ底面と前記旋回スクロール120の背面を連通する背圧導入経路125を設け、前記背圧導入経路125の前記旋回スクロール120のラップ底面側に背圧ポート入口127、前記旋回スクロール120の背面側に背圧ポート出口128を設け、前記背圧ポート入口127は、圧力が吐出圧になる圧縮室(A圧縮室)と、圧縮途中の圧力になる圧縮室(B圧縮室)に交互に開口し、前記背圧ポート入口127が前記A圧縮室に開口しているときに前記背圧ポート出口128が高圧付与領域251に開口し、前記背圧ポート入口127が前記B圧縮室に開口しているときに前記背圧ポート出口128が中圧付与領域252に開口する構成としたことにより、一つの背圧導入経路125で高圧付与領域251及び中圧付与領域252に圧力を付与することができる。よって、コストを増加することなく、しかも、運転条件によらず、旋回スクロール120を固定スクロール110に適正に押し付けることができて、摺動損失の増加による性能低下や信頼性の悪化を防ぐことができる。
また、上記背圧ポート入口127が前記A圧縮室に開口する時間を、前記背圧ポート入口127が前記B圧縮室に開口する時間より長くしたことにより、前記背圧ポート入口127が前記B圧縮室に開口している間に変化する前記B圧縮室の圧力変化量が抑えられるので、前記中圧付与領域252の圧力変動が抑制され、前記旋回スクロール120を前記固定スクロール110に安定した圧力で押し付けることができる。
また、上記背圧ポート入口127と背圧ポート出口128が、前記旋回スクロール120の端板の略同一半径直線上に位置することになるため、前記背圧ポート入口127と前記背圧ポート出口128の開口タイミングをほぼ同一にすることができる。
また、上記固定スクロール110のラップ厚さを、高圧付与領域251と中圧付与領域252とを区切るシール部材180のシール幅と略同一としたことにより、前記背圧ポート入口127が前記固定スクロール110のラップで塞がれているタイミングと前記背圧ポート出口128がシール部材180で塞がれているタイミングをほぼ同期させることができる。
また、上記背圧ポート入口127の径を前記固定スクロール110のラップ厚さより小さく、前記背圧ポート出口128の径を前記シール部材180のシール幅より小さくしたことにより、前記背圧ポート入口127が前記A圧縮室と前記B圧縮室に同時に開口することが無く、また、前記背圧ポート出口128が前記高圧付与領域251と前記中圧付与領域252に同時に開口することが無いため、背圧を適正に制御することができる。
また、上記背圧導入経路125の径を前記旋回スクロール120の前記端板の厚さの略半分以下にしたことにより、前記端板の剛性を維持することができ、前記旋回スクロール120の剛性を確保することができる。
また、背圧導入経路125を、前記背圧ポート入口127と前記背圧ポート出口128を連通する一直線の孔で形成したことにより、加工工数が削減でき、コストダウンを図ることができる。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
以上のように、本開示にかかるスクロール圧縮機は、密閉容器内低圧型圧縮機においても、旋回スクロールを固定スクロールに適正な力で押し付けることで、摺動損失の増加による性能低下や信頼性の悪化を防ぐことが可能となるので、給湯機、温水暖房装置、空気調和装置などの電気製品に利用する冷凍サイクル装置のスクロール圧縮機に有用である。
10 圧縮機
20 密閉容器
30 圧縮機構部
40 電動機
41 ステータ
42 ロータ
50 仕切板
51 第2吐出ポート
52 凹部
60 高圧空間
70 低圧空間
80 冷媒吸込管
90 冷媒吐出管
100 油溜まり
110 固定スクロール
110H 吐出空間
111 固定スクロール端板
112 固定渦巻きラップ
112a 始端
112b 中間部
112c 終端
112d 上面
113 第1吐出ポート
114 周壁
115 吸入部
116 上方ボス部
120 旋回スクロール
121 旋回スクロール端板
121a 端板外周面
121b 下面
122 旋回渦巻きラップ
122a 始端
122b 終端
123 下方ボス部
124 旋回軸受
125 背圧導入経路
126 止栓
127 背圧ポート入口
128 背圧ポート出口
130 主軸受
131 ボス収容部
132 軸受部
133a、133b、133c 環状溝
134 返送経路
140 オルダムリング
150 圧縮室
160 吐出逆止弁
170 吐出逆止弁ストップ
180 シール部材
190 回転軸
191 偏心軸
192 油路
193 吸込口
194 第1分岐油路
195 第2分岐油路
196 第1給油口
197 第2給油口
198 第3給油口
200 副軸受
210 スイングブッシュ
220 パドル
230a、230b バランスウェイト
240a、240b、240c シール部材
250 圧力付与領域
251 高圧付与領域
252 中圧付与領域

Claims (7)

  1. 密閉容器内を仕切板で高圧空間と低圧空間に区画し、前記低圧空間に圧縮機構部と前記圧縮機構部を駆動するための電動機を配置し、前記圧縮機構部は、前記仕切板に隣接する固定スクロールと、前記固定スクロールと噛み合わされて圧縮室を形成する旋回スクロールと、前記旋回スクロールの自転を防止するオルダムリングと、前記旋回スクロールを支持する主軸受とを有し、前記旋回スクロールの背面に密閉容器内低圧空間の低圧より高い圧力を付与する圧力付与領域を設け、その圧力により前記旋回スクロールを前記固定スクロールに押し付ける構成のスクロール圧縮機において、前記圧力付与領域をシール部材により、吐出圧を付与する高圧付与領域と、圧縮途中の圧力を付与する中圧付与領域に区切り、前記旋回スクロールの端板にラップ底面と前記旋回スクロールの背面を連通する背圧導入経路を設け、前記背圧導入経路の前記旋回スクロールのラップ底面側に背圧ポート入口、前記旋回スクロールの背面側に背圧ポート出口を設け、前記背圧ポート入口は、圧力が吐出圧になる圧縮室(A圧縮室)と、圧縮途中の圧力になる圧縮室(B圧縮室)に交互に開口し、前記背圧ポート入口が前記A圧縮室に開口しているときに前記背圧ポート出口が前記高圧付与領域に開口し、前記背圧ポート入口が前記B圧縮室に開口しているときに前記背圧ポート出口が前記中圧付与領域に開口するスクロール圧縮機。
  2. 前記背圧ポート入口が前記A圧縮室に開口する時間を、前記背圧ポート入口が前記B圧縮室に開口する時間より長くした請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記背圧ポート入口と背圧ポート出口を、前記旋回スクロールの端板の略同一半径直線上に配置した請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記固定スクロールのラップ厚さと前記シール部材のシール幅を略同一とした請求項3記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記背圧ポート入口の径が前記固定スクロールのラップ厚さより小さく、前記背圧ポート出口の径が前記シール部材のシール幅より小さい請求項1〜4のいずれか1項記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記背圧導入経路の径を前記旋回スクロールの前記端板の厚さの略半分以下にした請求項1〜5のいずれか1項記載のスクロール圧縮機。
  7. 前記背圧導入経路を、前記背圧ポート入口と前記背圧ポート出口を連通する一直線の孔で形成した請求項1〜6のいずれか1項記載のスクロール圧縮機。
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