JP2021038336A - 蛍光色素 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高い蛍光強度を有する蛍光色素を提供すること。【解決手段】本発明の蛍光色素は、一般式(I)で表されるトリアゾール縮合環化合物からなる。一般式(I)中、R1、R2は、それぞれ独立に、それぞれ独立に、置換または非置換のアリール基あるいは置換または非置換のヘテロアリール基を示し、A1は、−(CH=CRa)n−(nは1〜6の整数)、−(CH2)n−(nは1〜6の整数)、−(AO)n−(AOは炭素数2〜6のアルキレンオキサイドで、nは1〜10の整数)、−NHCOO−、−CONH−、−CONH(Rb)−、−COO−、−SO2NH−、−HN−C(=NH)−NH−、−O−、−S−、−NRb−、−Ar−(Arはアリール基またはヘテロアリール基)、−CO−Ar−NRb−、からなる群から選択された1種以上の官能基を示し、Raは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rbは炭素数1〜4のアルキル基であり、B1は、アルキルエステル基、アルキルエーテル基、アルキルアミド基、またはそれらのアルキレンオキサイド(炭素数2〜6)付加体、またはA1との連結基を有してもよい生体分子との反応性基を示す。【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光色素に関し、さらに詳しくは核酸、タンパク質、ペプチド類、そして糖類等の生体分子の検出に用いる蛍光色素に関する。
ニューバイオケミストリー分野では、現在特定遺伝子解析、遺伝子治療、テーラーメイド医療を目的とした研究が盛んに行われている。この分野では有機蛍光試薬を用いる研究が殆どであり蛍光色素が存在しなければ、DNA解析や抗体を含むタンパク質を用いた解析技術は完成しなかったと言われている。これらの分野で主に使用されている既存の蛍光試薬として、シアニン骨格を有するCy色素やローダミン骨格を有するAlexa Fluorなどの有機蛍光色素が多く用いられている(例えば、非特許文献1)。
しかしながら、上記の既存の蛍光色素は、固体状態でも発光する利点を有するが、非常に高価であるため、生体分子の検出方法が高コストにならざるを得ないという問題がある。これに対し、本出願人は、アゾール誘導体からなる有機EL色素を蛍光色素として用いることを提案しており、これによれば、検出方法の低コスト化が可能で、固体状態でも高い蛍光強度を得ることが可能である(特許文献1)。
国際公開第2005/062046号
Science 283,1,January,1999,83-87
しかしながら、より一層の検出感度向上のために、より高い蛍光強度を有する蛍光色素が必要とされている。
そこで、本発明は、より高い蛍光強度を有する蛍光色素を提供することを目的とした。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、特定構造を有するトリアゾール縮合環化合物からなる蛍光色素が高い蛍光強度を有することを見出して本発明を完成させたものである。
本発明の一態様に係る蛍光色素は、以下の一般式(I)で表されるトリアゾール縮合環化合物からなることを特徴とするものである。
ここで、一般式(I)中、R、Rは、それぞれ独立に、置換または非置換のアリール基あるいは置換または非置換のヘテロアリール基を示し、Aは、−(CH=CR−(nは1〜6の整数)、−(CH−(nは1〜6の整数)、−(AO)−(AOは炭素数2〜6のアルキレンオキサイドで、nは1〜10の整数)、−NHCOO−、−CONH−、−CONH(R)−、−COO−、−SONH−、−HN−C(=NH)−NH−、−O−、−S−、−NR−、−Ar−(Arはアリール基またはヘテロアリール基)、−CO−Ar−NR−、からなる群から選択された1種以上の官能基を示し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Bは、アルキルエステル基、アルキルエーテル基、アルキルアミド基、またはそれらのアルキレンオキサイド(炭素数2〜6)付加体、またはAとの連結基を有してもよい生体分子との反応性基を示す。
また、本発明の別の態様に係る蛍光色素は、以下の一般式(II)で表されるトリアゾール縮合環化合物からなることを特徴とするものである。
ここで、一般式(II)中、R、Rは、それぞれ独立に、置換または非置換のアリール基あるいは置換または非置換のヘテロアリール基を示し、Rは、中心ピリジン環との連結基を有してもよい生体分子との反応性基を示し、Aは、−(CH=CR−(nは1〜6の整数)、−(CH−(nは1〜6の整数)、−(AO)−(AOは炭素数2〜6のアルキレンオキサイドで、nは1〜10の整数)、−NHCOO−、−CONH−、−CONH(R)−、−COO−、−SONH−、−HN−C(=NH)−NH−、−O−、−S−、−NR−、−Ar−(Arはアリール基またはヘテロアリール基)、−CO−Ar−NR−、からなる群から選択された1種以上の官能基を示し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはカチオンを示す。
さらに、本発明の別の態様に係る蛍光色素は、以下の一般式(III)で表されるトリアゾール縮合環化合物からなることを特徴とするものである。
ここで、一般式(III)中、R、Rは、それぞれ独立に、中心ベンゼン環との間に1種以上の連結基を有してもよい置換または非置換の、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアミノアリール基またはジアリールアミノヘテロアリール基、アリール基またはジアリールアミノアリール基を示し、Aは、−(CH=CR−(nは1〜6の整数)、−(CH−(nは1〜6の整数)、−(AO)−(AOは炭素数2〜6のアルキレンオキサイドで、nは1〜10の整数)、−NHCOO−、−CONH−、−CONH(R)−、−COO−、−SONH−、−HN−C(=NH)−NH−、−O−、−S−、−NR−、−Ar−(Arはアリール基またはヘテロアリール基)、−CO−Ar−NR−、からなる群から選択された1種以上の官能基を示し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Bは、アルキルエステル基、アルキルエーテル基、アルキルアミド基、またはそれらのアルキレンオキサイド(炭素数2〜6)付加体、またはAとの連結基を有してもよい生体分子との反応性基を示す。
本発明によれば、より高い蛍光強度を有する蛍光色素を提供することが可能となる。
本発明の蛍光色素を用いた細胞染色の一例を示す顕微鏡写真である。 従来の蛍光色素を用いた細胞染色の一例を示す顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書で用いる「トリアゾール縮合環化合物」とは、2個以上の環が2個またはそれ以上の原子を共有して結合している化合物であり、その2個以上の環の内の1個の環がトリアゾールである化合物をいう。
(実施の形態1)
本実施の形態に係る蛍光色素は、以下の一般式(I)で表されるトリアゾール縮合環化合物からなることを特徴とする。
ここで、一般式(I)中、R、Rは、それぞれ独立に、置換または非置換のアリール基あるいは置換または非置換のヘテロアリール基を示す。アリール基は、単環でも多環でもよく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基を挙げることができ、好ましくはフェニル基である。また、ヘテロアリール基としては、単環でも多環でもよく、例えば、チエニル基、フラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアジアゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、キノリル基を挙げることができ、好ましくはチエニル基である。上記のアリール基または上記のヘテロアリール基の置換基としては、直鎖状または分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルキニル基、アルケニル基、アルキルエステル基、アミノアリール基、アリールアミノアリール基、ジアリールアミノアリール基、リン酸エステル基、硫酸エステル基、ニトリル基、ヒドロキシ基、シアノ基、またはスルホニル基を挙げることができる。好ましい置換基としては、アルコキシ基、アミノアリール基、アリールアミノアリール基、ジアリールアミノアリール基を挙げることができる。また、R、Rは、それぞれ独立に、アミノアリール基、アリールアミノアリール基、ジアリールアミノアリール基でもよい。
また、上記のアリール基またはヘテロアリール基の置換基に関し、アルキル基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状または分岐状のアルキル基である。また、アルケニル基は、好ましくはビニル基、アリル基、クロチル基、チグリル基またはプレニル基である。また、アルキニル基は、好ましくはエチニル基またはプロパルギル基である。また、アルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基またはフェノキシ基である。また、アルキルエステル基は、好ましくはメチルエステル基、エチルエステル基、プロピルエステル基、イソプロピルエステル基、ブチルエステル基またはイソブチルエステル基である。アミノアリール基は、好ましくはp−ジメチルアミノフェニル基、p−ジエチルアミノフェニル基、またはp−ジプロピルアミノフェニル基である。アリールアミノアリール基は、好ましくはジメチルアミノフェニルアミノフェニル基、アミノフェニルアミノフェニル基、メトキシフェニルアミノフェニル基、ヒドロキシフェニルアミノフェニル基、クロロフェニルアミノフェニル基、ブロモフェニルアミノフェニル基、ヨードフェニルアミノフェニル基である。ここで、ジメチルアミノフェニルアミノフェニル基に対応する化合物の一例としてはジメチルアミノジフェニルアミン、アミノフェニルアミノフェニル基に対応する化合物の一例としては、アミノジフェニルアミン、メトキシフェニルアミノフェニル基に対応する化合物の一例としてはメトキシジフェニルアミン、ヒドロキシフェニルアミノフェニル基に対応する化合物の一例としてはヒドロキシジフェニルアミン、クロロフェニルアミノフェニル基に対応する化合物の一例としてはクロロジフェニルアミン、ブロモフェニルアミノフェニル基に対応する化合物の一例としてはブロモジフェニルアミン、ヨードフェニルアミノフェニル基に対応する化合物の一例としては、ヨードジフェニルアミンを挙げることができる。上記のジアリールアミノアリール基は、好ましくはジフェニルアミノフェニル基である。
、Rの具体例としては、フェニル基や、p−メトキシフェニル基、p−エトキシフェニル基、p−プロポキシフェニル基、p−ブトキシフェニル基、p−ペントキシフェニル基、p−ヘキシルオキシフェニル基、p−ヘプチルオキシフェニル基、p−オクチルオキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、ジエトキシフェニル基、ジプロポキシフェニル基、ジブトキシフェニル基、ジペントキシフェニル基、ジヘキシルオキシフェニル基等のアルコキシフェニル基や、p−メチルフェニル基、p−エチルフェニル基、p−プロピルフェニル基、p−ブチルフェニル基、p−ペンチルフェニル基、p−ヘキシルフェニル基、p−ヘプチルフェニル基、p−オクチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ジプロピルフェニル基、ジブチルフェニル基、ジペンチルフェニル基、ジヘキシルフェニル基等のアルキルフェニル基や、p−ジメチルアミノフェニル基、ジフェニルアミノフェニル基等のアミノフェニル基を挙げることができる。好ましくは、アルコキシフェニル基やアミノフェニル基である。
は、−(CH=CR−(nは1〜6の整数)、−(CH−(nは1〜6の整数)、−(AO)−(AOは炭素数2〜6のアルキレンオキサイドで、nは1〜10の整数)、−NHCOO−、−CONH−、−CONH(R)−、−COO−、−SONH−、−HN−C(=NH)−NH−、−O−、−S−、−NR−、−Ar−(Arはアリール基又はヘテロアリール基)、−CO−Ar−NR−、からなる群から選択された1種以上の官能基を示し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。好ましくは、Aは、−(CH−(nは1〜6の整数)、−(AO)−(AOは炭素数2〜6のアルキレンオキサイドで、nは1〜10の整数)である。
また、Aは、−(CH−L−(CH−、または−(AO)−L−(AO)−、で表されるように、アルキレン鎖同士またはアルキレンオキサイド鎖同士が、連結基Lで連結された構造をとることもできる。ここで、Lは、−NHCOO−、−CONH−、−CONH(R)−、−COO−、−SONH−、−HN−C(=NH)−NH−、−O−、−S−、−NR−、−Ar−(Arはアリール基)、−CO−Ar−NR−、からなる群から選択された1種、好ましくは、−NHCOO−、−CONH−、−CONH(R)−、−COO−である。
は、アルキルエステル基、アルキルエーテル基、アルキルアミド基、またはそれらのアルキレンオキサイド(炭素数2〜6)付加体、またはAとの連結基を有してもよい生体分子との反応性基を示す。アルキルエステル基は、例えば、メチルエステル基、エチルエステル基、プロピルエステル基、イソプロピルエステル基、ブチルエステル基又はイソブチルエステル基を挙げることができるが、好ましくはメチルエステル基、エチルエステル基である。また、上記のアルキレンオキサイド付加体の例としては、Rc−CONH−(AO)n−、Rc−COO−(AO)n−、Rc−O−(AO)n−を挙げることができる。ここで、Rcは炭素数1〜8のアルキル基、AOは炭素数2〜6のアルキレンオキサイドで、nは1〜10の整数である。
上記の反応性基は共有結合により生体分子と結合する。共有結合として、例えばアミド結合、イミド結合、ウレタン結合、エステル結合、またはグアニジン結合を形成する場合、反応性基には、生体分子のアミノ基、イミノ基、チオール基、カルボキシル基またはヒドロキシル基と反応可能な官能基が好ましい。その官能基には、例えば、イソチオシアネート基、イソシアネート基、無水マレイン酸基、エポキシ基、ハロゲン化スルホニル基、塩化アシル基、ハロゲン化アルキル基、グリオキザル基、アルデヒド基、トリアジン基、カルボジイミド基、および活性エステル化したカルボニル基(以下、活性エステル基ともいう)等を用いることができる。好ましくは、イソチオシアネート基、イソシアネート基、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基、トリアジン基、カルボジイミド基、および活性エステル基から選択されたいずれか1種を用いることが好ましい。より好ましくは、イソチオシアネート基、イソシアネート基、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基、トリアジン基、カルボジイミド基、および活性エステル基から選択されたいずれか1種である。さらに好ましくはトリアジン基、カルボジイミド基、または活性エステル基である。例えば、活性エステル基には、N−ヒドロキシ−スクシンイミドエステルやマレイミドエステルを用いることができる。N−ヒドロキシ−スクシンイミドを用い、縮合剤としてDCCを用いることによりN−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル体を経由してアミド結合により生体分子と結合する。また、カルボジイミド基には、N,N‘−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)や1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド等のカルボジイミド試薬を用いることができる。カルボジイミド体を経由してアミド結合により生体分子と結合することができる。
なお、Bに関し、上記のAとの連結基は、エステル基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、スルホンアミド基等を挙げることができる。
本実施の形態に係る蛍光色素は、高い蛍光強度を有する。特に、R、Rに、置換または非置換のアリール基あるいは置換または非置換のヘテロアリール基を用いることで、無置換の場合(RとRが水素原子の場合)に比べ、モル吸光係数、輝度の向上や蛍光波長の長波長化という効果を有する。
(実施の形態2)
本実施の形態に係る蛍光色素は、以下の一般式(II)で表されるトリアゾール縮合環化合物からなることを特徴とする。
ここで、一般式(II)中、R、Rは、それぞれ独立に、置換または非置換のアリール基あるいは置換または非置換のヘテロアリール基を示し、Rは、中心ピリジン環との連結基を有してもよい生体分子との反応性基を示し、Aは、−(CH=CR−(nは1〜6の整数)、−(CH−(nは1〜6の整数)、−(AO)−(AOは炭素数2〜6のアルキレンオキサイドで、nは1〜10の整数)、−NHCOO−、−CONH−、−CONH(R)−、−COO−、−SONH−、−HN−C(=NH)−NH−、−O−、−S−、−NR−、−Ar−(Arはアリール基またはヘテロアリール基)、−CO−Ar−NR−、からなる群から選択された1種以上の官能基を示し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはカチオンを示す。
、Rとしては、一般式(I)のR、Rに用いたものと同様のものを用いることができる。
は、中心ピリジン環との間に連結基を有してもよい生体分子との反応性基を示し、一般式(I)のBに用いたものと同様のものを用いることができる。すなわち、イソチオシアネート基、イソシアネート基、無水マレイン酸基、エポキシ基、ハロゲン化スルホニル基、塩化アシル基、ハロゲン化アルキル基、グリオキザル基、アルデヒド基、トリアジン基、カルボジイミド基、および活性エステル基からなる群から選択される1種であり、好ましくは、イソチオシアネート基、イソシアネート基、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基、トリアジン基、カルボジイミド基、および活性エステル基から選択されたいずれか1種、より好ましくはトリアジン基、カルボジイミド基、または活性エステル基である。なお、上記のAとの連結基は、エステル基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、スルホンアミド基等を挙げることができる。
は、好ましくは、−(CH−(nは1〜6の整数)、−(AO)−(AOは炭素数2〜6のアルキレンオキサイドで、nは1〜10の整数)である。
は、カチオンを示し、Na、K、Li等のアルカリ金属イオンやアンモニウムカチオンを挙げることができる。好ましくはアンモニウムカチオン、より好ましくは、ジアルキルアンモニウムカチオンまたはトリアルキルアンモニウムカチオンである。ジアルキルアンモニウムカチオンとしては、ジイソプロピルアンモニウムカチオンを挙げることができる。また、トリアルキルアンモニウムカチオンとしては、トチメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオンを挙げることができる。
本実施の形態に係る蛍光色素は、スルホン酸基を有しているので、水溶性を向上させることができる。これにより、高い蛍光強度を得ることが可能となる。
(実施の形態3)
本実施の形態に係る蛍光色素は、以下の一般式(III)で表されるトリアゾール縮合環化合物からなることを特徴とする。
ここで、一般式(III)中、R、Rは、それぞれ独立に、中心ベンゼン環との間に1種以上の連結基を有してもよい置換または非置換の、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアミノアリール基またはジアリールアミノヘテロアリール基、アリール基、アミノアリール基、アリールアミノアリール基またはジアリールアミノアリール基を示し、Aは、−(CH=CR−(nは1〜6の整数)、−(CH−(nは1〜6の整数)、−(AO)−(AOは炭素数2〜6のアルキレンオキサイドで、nは1〜10の整数)、−NHCOO−、−CONH−、−CONH(R)−、−COO−、−SONH−、−HN−C(=NH)−NH−、−O−、−S−、−NR−、−Ar−(Arはアリール基またはヘテロアリール基)、−CO−Ar−NR−、からなる群から選択された1種以上の官能基を示し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Bは、アルキルエステル基、アルキルエーテル基、アルキルアミド基、またはそれらのアルキレンオキサイド(炭素数2〜6)付加体、またはAとの連結基を有してもよい生体分子との反応性基を示す。
、Rが置換または非置換のアリール基である場合、R、Rには、一般式(I)のR、Rに用いたものと同様のものを用いることができる。
また、R、Rが、置換または非置換のジアリールアミノアリール基である場合、ジアリールアミノアリール基は、ジフェニルアミノフェニル基である。また、アリールアミノアリール基である場合、好ましくはジメチルアミノフェニルアミノフェニル基、アミノフェニルアミノフェニル基、メトキシフェニルアミノフェニル基、ヒドロキシフェニルアミノフェニル基、クロロフェニルアミノフェニル基、ブロモフェニルアミノフェニル基、ヨードフェニルアミノフェニル基である。また、アミノアリール基である場合、p−ジメチルアミノフェニル基、p−ジエチルアミノフェニル基、またはp−ジプロピルアミノフェニル基である。置換基としては、直鎖状または分岐状のアルキル基や、アルコキシ基を挙げることができる。上記のアルキル基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状または分岐状のアルキル基である。また、上記のアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基またはフェノキシ基である。
、Rは、中心ベンゼン環との間に1種以上の連結基を有していてもよい。連結基には、アルキニル基、アルケニル基、置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基を用いることができる。アルケニル基は、好ましくはビニル基、アリル基、クロチル基、チグリル基またはプレニル基、より好ましくはビニル基である。また、アルキニル基は、好ましくはエチニル基またはプロパルギル基、より好ましくはエチニル基である。また、置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基は、好ましくは置換または非置換のアリール基であり、その置換基としては、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルキニル基、アルケニル基、アルキルエステル基、リン酸エステル基、硫酸エステル基、ニトリル基、ヒドロキシ基、またはシアノ基を挙げることができる。また、2種以上の連結基を用いる場合、アルキニル基、アルケニル基、置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基の中から、2種以上を選択して、適宜組み合わせて用いることができる。例えば、2種の連結基を用いる場合、アルキニル基と、置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基との組み合わせや、アルケニル基と、置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基との組み合わせを挙げることができる。また、2種以上の連結基を用いる場合、中心ベンゼン環側の連結基は、特に限定されないが、アルキニル基またはアルケニル基が好ましい。
は、好ましくは、−(CH−(nは1〜6の整数)、−(AO)−(AOは炭素数2〜6のアルキレンオキサイドで、nは1〜10の整数)である。
には、一般式(I)中のBに用いたものと同様のものを用いることができる。
本実施の形態に係る蛍光色素は、高い蛍光強度を有する。また、中心ベンゼン環を有することで、pHによる影響を受けにくいという効果が得られる。
一般式(III)で表されるトリアゾール縮合環化合物の一例としては、以下の一般式(IV)で表される化合物を挙げることができる。
ここで、一般式(IV)の化合物は、一般式(III)のR、Rとして、中心ベンゼン環との連結基としてビニル基を有する置換または非置換の、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアミノアリール基またはジアリールアミノヘテロアリール基、アリール基、アリールアミノアリール基またはジアリールアミノアリール基を用いた以外は、一般式(III)の場合と同様のものを用いることができる。そのため、一般式(IV)のBとAには、一般式(III)に用いたものと同様のものを用いることができる。また、R、Rには、一般式(III)に用いたものと同様の、置換または非置換の、アリール基、アリールアミノアリール基またはジアリールアミノアリール基を用いることができる。
ここで、一般式(IV)の化合物の一例として、以下の一般式(IV−1)の化合物を挙げることができる。一般式(IV−1)の化合物は、一般式(IV)の化合物のR、Rに、フェノキシアルキルスルホン酸塩を用い、Aには−(CH−を用い、Bには生体分子との反応性基を用いたものである。なお、式中、アルキル基の炭素数nは、1〜8である。また、Xは、実施の形態2の場合と同様に、カチオンを示し、Na、K、Li等のアルカリ金属イオンやアンモニウムカチオンを挙げることができる。好ましくはアンモニウムカチオン、より好ましくは、ジアルキルアンモニウムカチオンまたはトリアルキルアンモニウムカチオンである。
また、一般式(IV)の化合物の別の例として、以下の一般式(IV−2)の化合物を挙げることができる。一般式(IV−2)の化合物は、一般式(IV)の化合物のR、Rに、ビニル基との連結基Arを含むフェノキシアルキルスルホン酸塩を用い、Aには−(CH−を用い、Bには生体分子との反応性基を用いたものである。なお、式中、アルキル基の炭素数nは、1〜8である。また、Xは、実施の形態2の場合と同様に、カチオンを示し、Na、K、Li等のアルカリ金属イオンやアンモニウムカチオンを挙げることができる。好ましくはアンモニウムカチオン、より好ましくは、ジアルキルアンモニウムカチオンまたはトリアルキルアンモニウムカチオンである。なお、連結基Arは、置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基を意味し、好ましくは置換または非置換のアリール基である。アリール基は、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基を挙げることができ、好ましくはフェニル基である。ヘテロアリール基としては、例えば、チエニル基、フラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアジアゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、キノリル基を挙げることができ、好ましくはチエニル基である。その置換基としては、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルキニル基、アルケニル基、アルキルエステル基、リン酸エステル基、硫酸エステル基、ニトリル基、ヒドロキシ基、またはシアノ基を挙げることができるが、好ましくはアルコキシ基である。
また、一般式(IV)の化合物の別の例として、以下の一般式(IV−3)の化合物を挙げることができる。一般式(IV−3)の化合物は、一般式(IV)の化合物のR、Rに、二置換アミノ基を有するアリール基を用いたものである。アリール基としては、フェニル基が好ましい。R14は、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシジフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、またはヨードフェニル基を挙げることができるが、好ましくはフェニル基またはメトキシフェニル基、より好ましくはフェニル基である。
また、一般式(IV)の化合物の別の例として、以下の一般式(IV−4)の化合物を挙げることができる。一般式(IV−4)の化合物は、一般式(IV)の化合物のR、Rに、二置換アミノ基を有するヘテロアリール基を用いたものである。R15は、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、アルコキシフェニル基、ヒドロキシジフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、またはヨードフェニル基を挙げることができるが、好ましくはフェニル基またはアルコキシフェニル基、より好ましくはフェニル基である。また、Yは、酸素原子、窒素原子、または硫黄電子であり、好ましくは、硫黄原子である。
また、一般式(IV)の化合物の別の例として、一般式(IV)の化合物のR、Rに、
p−メトキシフェニル基、p−エトキシフェニル基、p−プロポキシフェニル基、p−ブトキシフェニル基、p−ペントキシフェニル基、p−ヘキシルオキシフェニル基、p−ヘプチルオキシフェニル基、p−オクチルオキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、ジエトキシフェニル基、ジプロポキシフェニル基、ジブトキシフェニル基、ジペントキシフェニル基、ジヘキシルオキシフェニル基等のアルコキシフェニル基を用いたものも挙げることができる。
また、一般式(III)で表されるトリアゾール縮合環化合物の別の例としては、以下の一般式(V)で表される化合物を挙げることができる。
ここで、一般式(V)の化合物は、一般式(III)のR、Rとして、中心ベンゼン環との連結基としてエチニル基を有する置換または非置換のヘテロアリール基、ヘテロアリールアミノアリール基またはジアリールアミノヘテロアリール基、アリール基、ジアリールアミノアリール基を用いた以外は、一般式(III)の場合と同様のものを用いることができる。そのため、一般式(V)のBとAには、一般式(III)に用いたものと同様のものを用いることができる。R10、R11には、置換または非置換のヘテロアリール基、ヘテロアリールアミノアリール基またはジアリールアミノヘテロアリール基、アリール基、またはジアリールアミノアリール基を用いることができる。
ここで、一般式(V)の化合物の一例として、以下の一般式(V−1)の化合物を挙げることができる。一般式(V−1)の化合物は、一般式(V)の化合物のR10、R11に、置換基を有するアリール基として、フェノキシアルキルスルホン酸塩を用い、Aには−(CH−を用い、Bには生体分子との反応性基を用いたものである。なお、式中、フェノキシアルキルスルホン酸塩のアルキル基の炭素数nは、1〜8である。また、Xは、実施の形態2の場合と同様に、カチオンを示し、Na、K、Li等のアルカリ金属イオンやアンモニウムカチオンを挙げることができる。好ましくはアンモニウムカチオン、より好ましくは、ジアルキルアンモニウムカチオンまたはトリアルキルアンモニウムカチオンである。
また、一般式(V)の化合物の別の例として、以下の一般式(V−2)の化合物を挙げることができる。一般式(V−2)の化合物は、一般式(V)の化合物のR10、R11に、エチニル基との連結基Arを含むフェノキシアルキルスルホン酸塩を用い、Aには−(CH−を用い、Bには生体分子との反応性基を用いたものである。なお、式中、フェノキシアルキルスルホン酸塩のアルキル基の炭素数nは、1〜8である。また、Xは、実施の形態2の場合と同様に、カチオンを示し、Na、K、Li等のアルカリ金属イオンやアンモニウムカチオンを挙げることができる。好ましくはアンモニウムカチオン、より好ましくは、ジアルキルアンモニウムカチオンまたはトリアルキルアンモニウムカチオンである。なお、連結基Arは、置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基を意味し、好ましくは置換または非置換のアリール基である。その置換基としては、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルキニル基、アルケニル基、アルキルエステル基、リン酸エステル基、硫酸エステル基、ニトリル基、ヒドロキシ基、またはシアノ基を挙げることができるが、好ましくはアルコキシ基である。
また、一般式(V)の化合物の別の例として、以下の一般式(V−3)の化合物を挙げることができる。一般式(V−3)の化合物は、一般式(V)の化合物のR10、R11に、二置換アミノ基を有するアリール基を用いたものである。R14は、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシジフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、またはヨードフェニル基を挙げることができるが、好ましくは、フェニル基またはメトキシフェニル基、より好ましくはフェニル基である。
また、一般式(V)の化合物の別の例として、以下の一般式(V−4)の化合物を挙げることができる。一般式(V−4)の化合物は、一般式(V)の化合物のR10、R11に、二置換アミノ基を有するヘテロアリール基を用いたものである。R15は、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシジフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、またはヨードフェニル基を挙げることができるが、好ましくはフェニル基またはメトキシフェニル基、より好ましくはフェニル基である。また、Yは、酸素原子、窒素原子、または硫黄電子であり、好ましくは、硫黄原子である。
また、一般式(III)で表されるトリアゾール縮合環化合物の別の例としては、以下の一般式(VI)で表される化合物を挙げることができる。
ここで、一般式(VI)の化合物は、一般式(III)のR、Rとして、中心ベンゼン環と直接結合する、置換または非置換の、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアミノアリール基またはジアリールアミノヘテロアリール基、アリール基、アリールアミノアリール基またはジアリールアミノアリール基を用いた以外は、一般式(III)の場合と同様のものを用いることができる。そのため、一般式(V)のBとAには、一般式(III)に用いたものと同様のものを用いることができる。R12、R13には、置換または非置換の、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアミノアリール基またはジアリールアミノヘテロアリール基、アリール基、アリールアミノアリール基またはジアリールアミノアリール基を用いることができる。
一般式(VI)の化合物の一例として、以下の一般式(VI−1)の化合物を挙げることができる。一般式(VI−1)の化合物は、一般式(VI)の化合物のR12、R13に、置換基を有するアリール基としてフェノキシアルキルスルホン酸塩を用い、Aには−(CH−を用い、Bには生体分子との反応性基を用いたものである。なお、式中、フェノキシアルキルスルホン酸塩のアルキル基の炭素数nは、1〜8である。また、Xは、実施の形態2の場合と同様に、カチオンを示し、Na、K、Li等のアルカリ金属イオンやアンモニウムカチオンを挙げることができる。好ましくはアンモニウムカチオン、より好ましくは、ジアルキルアンモニウムカチオンまたはトリアルキルアンモニウムカチオンである。
また、一般式(VI)の化合物の別の例として、以下の一般式(VI−2)の化合物を挙げることができる。一般式(VI−2)の化合物は、一般式(VI)の化合物のR12、R13に、中心ベンゼン環との1種以上の連結基Arを含むフェノキシアルキルスルホン酸塩を用い、Aには−(CH−を用い、Bには生体分子との反応性基を用いたものである。なお、式中、フェノキシアルキルスルホン酸塩のアルキル基の炭素数nは、1〜8である。また、Xは、実施の形態2の場合と同様に、カチオンを示し、Na、K、Li等のアルカリ金属イオンやアンモニウムカチオンを挙げることができる。好ましくはアンモニウムカチオン、より好ましくは、ジアルキルアンモニウムカチオンまたはトリアルキルアンモニウムカチオンである。なお、連結基Arは、置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基を意味し、好ましくは置換または非置換のアリール基である。アリール基は、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基を挙げることができ、好ましくはフェニル基である。ヘテロアリール基としては、例えば、チエニル基、フラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアジアゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、キノリル基を挙げることができ、好ましくはチエニル基である。その置換基としては、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルキニル基、アルケニル基、アルキルエステル基、リン酸エステル基、硫酸エステル基、ニトリル基、ヒドロキシ基、またはシアノ基を挙げることができるが、好ましくは、アルコキシ基である。

また、一般式(III)で表されるトリアゾール縮合環化合物の一例としては、以下の一般式(VII)で表される化合物を挙げることができる。
ここで、一般式(VII)の化合物は、一般式(III)のR、Rとして、二置換アミノ基を有するアリール基を用いたものである。R14は、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、アルコキシフェニル基、ヒドロキシジフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、またはヨードフェニル基を挙げることができるが、好ましくは、アルキル基またはアルコキシフェニル基である。また、アリール基はさらに置換基を有してもよく、その置換基としては、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルキニル基、アルケニル基、アルキルエステル基、リン酸エステル基、硫酸エステル基、ニトリル基、ヒドロキシ基、またはシアノ基を挙げることができるが、好ましくは、アルキル基またはアルコキシ基である。
また、一般式(III)で表されるトリアゾール縮合環化合物の一例としては、以下の一般式(VIII)で表される化合物を挙げることができる。
ここで、一般式(VIII)の化合物は、一般式(III)のR、Rとして、二置換アミノ基を有するヘテロアリール基を用いたものである。R15は、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、アルコキシフェニル基、ヒドロキシジフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、またはヨードフェニル基を挙げることができるが、好ましくは、アルキル基、アルコキシフェニル基である。また、ヘテロアリール基はさらに置換基を有してもよく、その置換基としては、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルキニル基、アルケニル基、アルキルエステル基、リン酸エステル基、硫酸エステル基、ニトリル基、ヒドロキシ基、またはシアノ基を挙げることができるが、好ましくは、アルキル基またはアルコキシ基である。また、Yは、酸素原子、窒素原子、または硫黄電子であり、好ましくは、硫黄原子である。
(用途)
本発明の蛍光色素は、標識された固体あるいは半固体状態の生体分子の蛍光を測定する検出方法であれば、あらゆる生体分子の検出方法に適用することができる。従来の蛍光色素に代えて用いることにより、高感度で、化学的に安定で操作性に優れ、さらに低コストの検出方法を提供することができる。本発明の蛍光色素は、生体分子試料に蛍光色素を直接反応させて標識しても良く、あるいは生体分子試料と、本発明の蛍光色素で標識されたプローブとを反応させて標識する方法を用いることもできる。さらに、本発明の蛍光色素で標識した生体分子試料を電気泳動によりサイズ分離する方法を用いることもできる。例えば、核酸を検出対象とするDNAマイクロアレイ法や、プライマーやターミネータを用いるPCR法に用いることができる。
また、タンパク質を検出対象とする場合、通常、電気泳動後のタンパク質の検出には染色色素が用いられている。泳動後のゲル中に、染色色素、例えばクーマシーブリリアントブルー(CBB)を浸透させてタンパク質を染色し、UVを照射して発光させる方法が用いられる。しかしながら、従来の染色色素を用いる方法は簡便であるが、感度が100ng程度と低く微量のタンパク質の検出には適さない。また、ゲルを介して染色色素を浸透させるため、染色に長時間を要するという問題もある。これに対し、本発明の蛍光色素を用いると高感度であり、微量タンパク質の検出には好適である。さらに、サイズ分離したタンパク質を質量分析して同定することもできる。
ここで、タンパク質には、アルブミン、グロブリン、グルテリン、ヒストン、プロタミン、そしてコラーゲン等の単純タンパク質、核タンパク質、糖タンパク質、リボタンパク質、リンタンパク質、金属タンパク質等の複合タンパク質のいずれも検出対象とすることができる。例えば、リンタンパク質、糖タンパク質、総タンパク質の染色色素に対応させて3種の蛍光色素を用い、二次元電気泳動で分離したタンパク質試料において、リンタンパク質、糖タンパク質及び総タンパク質を染色することができる。また、TOF−Mass等の質量分析を行うことにより、タンパク質を同定できるので、特殊なタンパク質を生成させる、ガンやウィルスによる感染症などの疾病の診断や治療に応用することが可能である。また、コラーゲンは、動物の結合組織を構成するタンパク質であり、独特の繊維状構造をとる。すなわち、3本のポリペプチド鎖からなり、そのペプチド鎖が寄り集まって三重鎖を形成する。コラーゲンは、一般に極めて免疫原性が低いタンパク質であり、食品、化粧品、医薬品等の分野で広く利用されている。しかし、コラーゲンのペプチド鎖に蛍光色素を導入しても、従来の蛍光色素ではその安定性が十分とは言えず、より安定な蛍光色素が必要とされている。そこで、本発明の蛍光色素を用いてコラーゲンを標識することにより、安定かつ高感度な検出を行うことが可能となる。
また、タンパク質と特異的に結合する抗体を本発明の蛍光色素で標識することにより、タンパク質を標識することもできる。例えば、IgG抗体をペプシンで処理するとF(ab’)2と呼ばれるフラグメントが得られる。このフラグメントをジチオスレイトール等で還元するとFab’と呼ばれるフラグメントが得られる。Fab’フラグメントは1つもしくは2つのチオール基(−SH)を有している。このチオール基に対してマレイミド基を作用させて特異的な反応を行うことができる。すなわち、本発明の蛍光色素に反応性基としてマレイミド基を導入し、フラグメントのチオール基と反応させることにより抗体を標識することができる。この場合、抗体の生理活性(抗原捕捉能)を失うことがない。
なお、本発明の蛍光色素でアプタマーを標識することもできる。アプタマーはオリゴ核酸からなり、塩基配列に依存して種々の特徴ある立体構造をとることができるので、その立体構造を介してタンパク質を含むあらゆる生体分子に結合することができる。この性質を利用し、本発明の蛍光色素で標識したアプタマーを特定のタンパク質に結合させ、被検出物質との結合によるそのタンパク質の構造変化に伴う蛍光変化から間接的に被検出物質を検出することができる。
また、本発明の蛍光色素を用いて、細胞内のシグナル観察を行うこともできる。内部シグナルや環境情報に対する細胞の応答には、イオンから酵素へと多大な分子が関与している。シグナル伝達過程では特殊なプロテインキナーゼが活性化し、特殊な細胞タンパク質のリン酸化を導くことで様々な細胞応答の初期応答を担っていることが知られている。ヌクレオチドの結合と加水分解はこれらの活性に重大な役割を果たしており、ヌクレオチド誘導体を用いることで、シグナル伝達挙動を素早く観察することが出来る。例えば、プロテインキナーゼC(PKC)は細胞膜におけるシグナル伝達において重要な役割を果たしている。このCa2+依存セリン/スレオニンプロテインキナーゼはジアシルグリセロールやフォスファティジルセリンの様な膜構成脂質上で活性化され、イオンチャネルや細胞骨格タンパク質に存在するセリンやスレオニンをリン酸化することで膜表面電化を変えシグナル伝達を行っている。これらを生細胞において動的に観察することで細胞のシグナル伝達の観察を行うことができる。
ここで、ヌクレオチド誘導体は酵素の基質や阻害剤として供給され、孤立性タンパク質の構造と力学の探査、膜結合タンパク酵素の再構成、ミトコンドリアのようなオルガネラ、除膜筋線維のような組織のヌクレオチド結合タンパク質部分に、結合してその調節を行っている。また、最近ではG−タンパク質の阻害剤や活性体のようなシグナル伝達に影響を与える化合物の存在も解ってきている。このヌクレオチド誘導体に本発明の蛍光色素を導入することで、これらの細胞内シグナル伝達の動的観察を高感度で、かつ取り扱い容易に行うことが可能となる。
また、本発明の蛍光色素を、組織または細胞試料中の標的核酸や標的タンパク質の発現レベルの検討に用いる組織または細胞の染色色素としても用いることができる。すなわち、本発明の染色色素を真核細胞の染色に用いると、乾燥状態でも蛍光を発することから標識後の保存などの点で従来の色素よりも優れた性能を示す。また、真核細胞のみならず、細胞骨格用色素としても十分に用いることが可能である。この他、ミトコンドリア、ゴルジ体、小胞体、ソリゾーム、脂質二重膜などの標識に用いることが可能である。これら、標識された細胞等は、湿潤及び乾燥のあらゆる条件下で観測が可能であるため、汎用性が大きい。観測に際しては、蛍光顕微鏡などを用いることができる。
また、臨床段階で人体より採取された組織は、ミクロトームなどの機器を用いて薄膜にスライスした後、染色されている。ここでは、Cy色素及びAlexa色素が用いられている。しかしながら、既存の色素は安定性が非常に悪く、再診断の際には、再びサンプルを作製する必要がある。また、作製されたサンプルは標本として保存することが不可能である。しかし、上記の従来の色素に比べ本発明の蛍光色素は、非常に安定な色素であるので、染色した組織を標本として保存することが可能である。
なお、病理診断は、生体標本の形態観察のみならず、免疫組織染色法やin−situ hybridization法により標的物質を可視化する解析方法によっても行われている。免疫組織染色法は、組織上の特定の抗原を、その抗原を特異的に認識する抗体によって検出する方法であり、特定の抗原を認識させる抗体を組織と反応させ、反応した抗体の有無から抗原の存在を判断するが、組織と反応させる抗体を蛍光色素で標識し、組織上の抗原の分布を解析する方法である。抗原に対する特異的抗体である一次抗体に蛍光色素を直接結合させて可視化する直接法と、一次抗体に対する抗体である二次抗体を用いて可視化する間接法が含まれる。また、in−situ hybridization法は、目標遺伝子とハイブリダイズするオルゴヌクレオチドプローブやDNAプローブを用いて、組織又は細胞中に目標遺伝子が存在するか否かを判別する方法である。プローブにも蛍光色素を用いている。本発明の蛍光色素を、蛍光顕微鏡と電子顕微鏡の両方で観察できるプローブとして用いることで、より高精度のクレム観察が可能となる。そのプローブとしては、金コロイド標識二次抗体に本発明の蛍光色素を結合させたものを用いることができる。例えば、タンパク質(抗体)としてストレプトアビジンが標識された金ナノ粒子(例えば、金ナノゴールドという名称で市販されているもの)に、本発明の蛍光色素を結合させることができる。この二次抗体を間接蛍光抗体法に用いることで、より高精度のクレム観察が可能となる。また、本発明の蛍光色素を使用することでサンプル基盤作成の際のオスミウム処理を行っても蛍光が残るため、クレム観察などの際には有用である。
また、ガンや感染症等の診断には、抗体の特異的認識能を利用したイムノアッセイが用いられている。イムノアッセイは、標識抗体を用いて目的の抗原を検出する方法であり、標識物質に酵素を用いる酵素イムノアッセイ(ELISA法)や標識物質に蛍光色素を用いる蛍光イムノアッセイ(FIA法)等が用いられている。ELISA法は、最終的な検出は標識物質である酵素の反応によって生じるさまざまなシグナル(発色、発光、化学発光等)を検出及び定量することにより行う。一方、FIA法は、標識物質である蛍光色素に励起光を照射し、それによる蛍光を検出及び定量することにより行う。FIA法は蛍光色素を用いるため鮮明なコントラストを有し定量性に優れ、またELISA法に比べ、より短時間での検出が可能でかつ操作も簡便であるという特徴を有している。本発明の蛍光色素を用いることにより、より高感度の検出を行うことが可能となる。
また、本発明の蛍光色素を化粧用組成物に用いることもできる。蛍光色素を含む化粧用組成物は、夜間や室内における演出用の化粧としてだけでなく、蛍光色素の明色化効果を利用して、ファンデーションや毛髪の染色剤等に用いられている。ここで、明色化効果とは、蛍光色素が紫外光を吸収して可視光を放出して、皮膚や毛髪に明るさや鮮やかさを与える効果をいう。日本の室内照明には、昼光色や白色の蛍光灯が使われているが、これらの蛍光灯からの光は、青や緑が主であり赤が少ない。そのため、女性の化粧肌は青白くくすんで見えるという問題がある。これに対し、本発明の蛍光色素を用いることにより、例えば、橙色の光を放出する蛍光色素を用い、鮮やかな赤味の色を発色させてくすみの解消を図ることが可能である。また、毛髪の染色に用いると、蛍光色素は可視領域の放出光線により毛髪の色を変えるだけでなく、毛髪の輝きを増加させることも可能である。
また、本発明の蛍光色素をマーキング剤に用いることもできる。本発明の蛍光色素を含むマーキング剤は、通常の可視光下では不可視であるが、紫外線等の励起光を照射することにより蛍光色素を発光させて視認することができる。この性質を利用し、犯罪防止や犯罪捜査を目的として、物品や人体等の識別や物質の検出等に使用することができる。マーキング剤の対象物には、偽造や盗難等の犯罪の防止や犯罪捜査の対象となる物品や人体が含まれる。例えば、紙幣、小切手、株券、各種証明書等の重要文書や、自動車、オートバイ、自転車、美術品、家具、ブランド品、衣服等の物品、人体の皮膚、頭髪、爪等の身体表面部分、潜在指紋等の遺留物質等を挙げることができる。さらに、対象物を構成する材料に関しては、上質紙、OCR紙、ノーカーボン紙、アート紙等の紙や、塩化ビニル、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のプラスチックや、金属や、ガラスや、セラミックスや、羊毛、木綿、絹、麻等の天然繊維や、再生セルロース繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維や、人体皮膚や体液中のタンパク質等を挙げることができる。
以下、実施例を用いて本発明についてさらに詳細に説明する。
(合成例1)
本合成例では、一般式(I)に包含される、以下のトリアゾロピリジン化合物10を合成した。



ここで、Scheme 1中の置換基Zには、以下の置換基a,b,c,d,eを用いた。以下、置換基を区別するため、化合物8は8a、8b、8c、8d、8eで示し、化合物9は9a、9b、9c、9d、9eで示し、化合物10は10a、10b、10c、10d、10eで示す。
化合物2の合成
100mLのナスフラスコに化合物1を1.5g(4.2mmol)入れ、エタノール70.0mL中、80℃に設定したオイルバスで撹拌した。水酸化カリウム0.5g(8.4mmol)を蒸留水20.0mLに溶かした溶液を作り、添加後、3時間反応を行った。TLC(クロロホルム100%)シートにて反応が終了したことを確認し、500mLのビーカーに反応溶液を移して、蒸留水を約300mL加えて撹拌し、塩酸10〜15mLを加えpH=1の酸性にし、蒸留水を約100mL加えて1晩撹拌した。吸引濾過で回収し、デシケーターで減圧乾燥して化合物2を得た。収量は1.34g、収率は97%であった。
化合物3の合成
500mLのナスフラスコに化合物2を1.0g(3.0mmol)入れ、150℃に設定したTSF458−100(シリコンオイル:MOMENTIYE LOT.15BJPA062)で加熱し、5分後に温度を270℃まで上げて1時間反応を行った。1時間後、室温になるまで冷まし、TLC(クロロホルム100%)シートにて反応が終了したことを確認し、シリカゲル(KANTO 60N,クロロホルム)カラムクロマトグラフィーで分離精製し、単離した溶媒をエバポレーターで減圧留去した。エタノール溶媒約200mLで再結晶を行い、吸引濾過で回収し、デシケーターで減圧乾燥して化合物3を得た。収量は0.65g、収率は75%であった。
化合物4の合成
100mLのナスフラスコに化合物3を0.65g(2.3mmol)、水素化ホウ素ナトリウムを2.6g(69mmol)入れ、エタノール70.0mL中、80℃に設定したオイルバスで3時間半、反応を行った。TLC(クロロホルム:タノール=8:2)にて反応が終了したことを確認して反応溶液を室温まで冷却した。1000mLのビーカーに飽和重曹水を700.0mL入れ、反応溶液を加え1晩撹拌した。生成物を吸引濾過で回収した後、デシケーターで減圧乾燥して化合物4を得た。収量は0.54g、収率は87%であった。
化合物5の合成
200mLのナスフラスコに化合物4を0.54g(2.0mmol)、塩酸を30.0mL、蒸留水を50.0mL入れ、常温で撹拌を行い溶解させた。溶解後、亜硝酸ナトリウム0.62g(9.0mmol)を蒸留水50.0mLに溶かした溶液を作り、滴下ロートでゆっくり滴下し、滴下後5分間反応を行った。TLC(クロロホルム:エタノール=9:1)シートにて反応が終了したことを確認し、1000mL三角フラスコに反応溶液を移して、蒸留水を約200.0mL加えて撹拌し、炭酸水素ナトリウムを少しずつ加えpH=7〜8の中性にして、蒸留水を約600.0mL加え1晩撹拌した。吸引濾過で回収し、デシケーターで減圧乾燥して化合物5を得た。収量は0.55g、収率は98%であった。
化合物6の合成
50mLの三つ口フラスコに化合物5を4.0g(14.0mmol)入れ、N,N−ジメチルホルムアミド35mL中、常温で撹拌した。トリエチルアミン2.9mL(21.0mmol)添加後、1時間撹拌した。5−ブロモ吉草酸エチル(NBS)2.2mL(14.0mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド5.0mLの混合液を滴下ロートでゆっくり滴下し、滴下後2日間反応を行った。その際、酸素を取り除くためにアルゴン充填し、脱気を行った。TLC(クロロホルム:酢酸エチル=9:1)シートにて反応が終了したことを確認し、エバポレーターでN,N−ジメチルホルムアミドを減圧留去した。分液ロートにて蒸留水を約200mL、塩酸10〜15mL加えてクロロホルムで抽出を3回、飽和重曹水を約200mL加えてクロロホルムで抽出を2回、蒸留水を約150mL加えてクロロホルムで抽出を2回行った。硫酸マグネシウムを加え、桐山漏斗を用いて吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲル(wakogel c300)カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=8:2)で分離精製し、単離した溶媒をエバポレーターで減圧留去した。デシケーターで減圧乾燥して化合物6を得た。収量は4.8g、収率は84%であった。
化合物7の合成
200mLの三つ口フラスコに化合物6を3.1g(7.5mmol)入れ、クロロホルム100mL中、常温で撹拌した。これにNBS 2.66g(15mmol)を添加後、18時間反応を行った。TLC(クロロホルム:ヘキサン=7:3)シートにて反応が進行したことを確認した後、原料若しくはモノ体が多い場合は臭化水素水(47%)を10滴程加えて30分〜2時間程反応させた。TLCにて反応が進行したことを確認した後、反応溶液を分液ロートに入れて重曹水、水の順に洗浄を行った。これに硫酸マグネシウムを加えて桐山漏斗を用いて吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去を行った。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム:ヘキサン=7:3)で精製して、主留をエバポレーターで減圧留去し、デシケーターで減圧乾燥して化合物7を得た。収量は2.73g、収率は63%であった。
化合物8aの合成
100mLのナスフラスコに化合物7を0.5g(0.876mmol)、フェニルボロン酸0.32g(2.62mmol)を入れてトルエン40mL、エタノール20mLの混合溶媒中で90℃に設定したオイルバスで撹拌した。これに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.1g(0.0876mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液5mLを添加後、アルゴン雰囲気下で4時間反応させた。TLC(クロロホルム)にて反応が終了したことを確認して、分液ロートに反応溶液を移し、蒸留水とクロロホルムを適量加えて抽出した。有機層を蒸留水で2回程洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、桐山ロートで吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム)で精製して主留をエバポレーターで減圧留去し、デシケーターで減圧乾燥して化合物8aを得た。収量は0.448g、収率は90%であった。
化合物8bの合成
100mLのナスフラスコに化合物7を0.3g(0.526mmol)、4−メトキシフェニルボロン酸0.23g(1.57mmol)を入れてトルエン30mL、エタノール15mLの混合溶媒中で90℃に設定したオイルバスで撹拌した。これに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.06g(0.0526mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液3mLを添加後、アルゴン雰囲気下で4時間反応させた。TLC(クロロホルム)にて反応が終了したことを確認して、分液ロートに反応溶液を移し、蒸留水とクロロホルムを適量加えて抽出した。有機層を蒸留水で2回程洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、桐山ロートで吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム)で精製して主留をエバポレーターで減圧留去し、デシケーターで減圧乾燥して化合物8bを得た。収量は0.243g、収率は73%であった。
化合物8cの合成
100mLのナスフラスコに化合物7を0.3g(0.526mmol)、2,4−ジメトキシフェニルボロン酸0.23g(1.57mmol)を入れてトルエン30mL、エタノール15mLの混合溶媒中で90℃に設定したオイルバスで撹拌した。これに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.06g(0.0526mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液3mLを添加後、アルゴン雰囲気下で4時間反応させた。TLC(クロロホルム)にて反応が終了したことを確認して、分液ロートに反応溶液を移し、蒸留水とクロロホルムを適量加えて抽出した。有機層を蒸留水で2回程洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、桐山ロートで吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム:アセトニトリル=9.5:0.5)で精製して主留をエバポレーターで減圧留去し、デシケーターで減圧乾燥して化合物8cを得た。収量は0.226g、収率は62%であった。
化合物8dの合成
100mLのナスフラスコに化合物7を0.5g(0.876mmol)、4−ジフェニルアミノフェニルボロン酸0.75g(2.62mmol)を入れてトルエン40mL、エタノール20mLの混合溶媒中で90℃に設定したオイルバスで撹拌した。これに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.1g(0.0876mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液5mLを添加後、アルゴン雰囲気下で4時間反応させた。TLC(クロロホルム)にて反応が終了したことを確認して、分液ロートに反応溶液を移し、蒸留水とクロロホルムを適量加えて抽出した。有機層を蒸留水で2回程洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、桐山ロートで吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム:アセトニトリル=9.5:0.5)で精製して主留をエバポレーターで減圧留去し、デシケーターで減圧乾燥して化合物8dを得た。収量は0.42g、収率は53%であった。
化合物8eの合成
100mLのナスフラスコに化合物7を0.5g(0.876mmol)、4−ジメチルアミノフェニルボロン酸0.43g(2.62mmol)を入れてトルエン40mL、エタノール20mLの混合溶媒中で90℃に設定したオイルバスで撹拌した。これに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.1g(0.0876mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液5mLを添加後、アルゴン雰囲気下で4時間反応させた。TLC(クロロホルム)にて反応が終了したことを確認して、分液ロートに反応溶液を移し、蒸留水とクロロホルムを適量加えて抽出した。有機層を蒸留水で2回程洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、桐山ロートで吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム:アセトニトリル=9.5:0.5)で精製して主留をエバポレーターで減圧留去し、デシケーターで減圧乾燥して化合物8eを得た。収量は0.46g、収率は80%であった。
化合物9aの合成
100mLのナスフラスコに化合物8aを0.44g(0.779mmol)、1,4−ジオキサン40mLを入れ90℃に設定したオイルバスで撹拌した。水酸化カリウム0.1g(1.94mmol)を蒸留水13mLに溶かした溶液を添加後、4時間反応を行った。TLC(クロロホルム)にて反応が終了したことを確認した。蒸留水約300mLが入った500mLの三角フラスコに反応溶液を加えて室温で撹拌した。これにpH=1になるまで塩酸を加えて1時間ほど撹拌した後、吸引濾過で回収し、デシケーターで減圧乾燥して化合物9aを得た。収量は0.4g、収率は95%であった。
化合物9bの合成
100mLのナスフラスコに化合物8bを0.22g(0.352mmol)、1,4−ジオキサン40mLを入れ90℃に設定したオイルバスで撹拌した。水酸化カリウム0.049g(0.88mmol)を蒸留水10mLに溶かした溶液を添加後、4時間反応を行った。TLC(クロロホルム)にて反応が終了したことを確認した。蒸留水約300mLが入った500mLの三角フラスコに反応溶液を加えて室温で撹拌した。これにpH=1になるまで塩酸を加えて1時間ほど撹拌した後、吸引濾過で回収し、デシケーターで減圧乾燥して化合物9bを得た。収量は0.19g、収率は90%であった。
化合物9cの合成
100mLのナスフラスコに化合物8cを0.2g(0.304mmol)、1,4−ジオキサン30mLを入れ90℃に設定したオイルバスで撹拌した。水酸化カリウム0.042g(0.76mmol)を蒸留水10mLに溶かした溶液を添加後、4時間反応を行った。TLC(クロロホルム)にて反応が終了したことを確認した。蒸留水約300mLが入った500mLの三角フラスコに反応溶液を加えて室温で撹拌した。これにpH=1になるまで塩酸を加えて1時間ほど撹拌した後、吸引濾過で回収し、デシケーターで減圧乾燥して化合物9cを得た。収量は0.12g、収率は63%であった。
化合物9dの合成
100mLのナスフラスコに化合物8dを0.42g(0.467mmol)、1,4−ジオキサン40mLを入れ100℃に設定したオイルバスで撹拌した。水酸化カリウム0.065g(1.16mmol)を蒸留水13mLに溶かした溶液を添加後、4時間反応を行った。TLC(クロロホルム)にて反応が終了したことを確認した。蒸留水約300mLが入った500mLの三角フラスコに反応溶液を加えて室温で撹拌した。これにpH=1になるまで塩酸を加えて1時間ほど撹拌した後、吸引濾過で回収し、デシケーターで減圧乾燥して化合物9dを得た。収量は0.39g、収率は95%であった。
化合物9eの合成
100mLのナスフラスコに化合物8eを0.46g(0.706mmol)、1,4−ジオキサン40mLを入れ100℃に設定したオイルバスで撹拌した。水酸化カリウム0.098g(1.76mmol)を蒸留水13mLに溶かした溶液を添加後、4時間反応を行った。TLC(クロロホルム)にて反応が終了したことを確認した。蒸留水約300mLが入った500mLの三角フラスコに反応溶液を加えて室温で撹拌した。これにpH=1になるまで塩酸を加えて1時間ほど撹拌した後、吸引濾過で回収し、デシケーターで減圧乾燥して化合物9eを得た。収量は0.42g、収率は95%であった。
化合物10aの合成
100mLのナスフラスコに化合物9aを0.4g(0.745mmol)、N−ヒドロキシコハク酸イミド0.127g(1.11mmol)、テトラヒドロフラン40mLを入れて常温で撹拌した。水溶性カルボジイミド(WSC)0.212g(1.11mmol)とクロロホルム20mLの混合溶液をゆっくり滴下して、滴下後4時間反応を行った。TLC(クロロホルム)にて反応が進行したことを確認して、分液ロートに反応溶液と蒸留水を約200.0mL加えてクロロホルムで抽出を行った。クロロホルム層を蒸留水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させて桐山漏斗を用いて吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム)で精製して、主留をエバポレーターで減圧留去した後、デシケーターで減圧乾燥して化合物10aを得た。収量は0.37g、収率は76%であった。
化合物10bの合成
100mLのナスフラスコに化合物9bを0.19g(0.318mmol)、N−ヒドロキシコハク酸イミド0.054g(0.477mmol)、テトラヒドロフラン40mLを入れて常温で撹拌した。WSC 0.091g(0.477mmol)とクロロホルム20mLの混合溶液をゆっくり滴下して、滴下後4時間反応を行った。TLC(クロロホルム)にて反応が進行したことを確認して、分液ロートに反応溶液と蒸留水を約200.0mL加えてクロロホルムで抽出を行った。クロロホルム層を蒸留水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させて桐山漏斗を用いて吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム)で精製して、主留をエバポレーターで減圧留去した後、デシケーターで減圧乾燥した。これを少量のクロロホルムを加えてヘキサン中で撹拌しながら再沈殿を行った。桐山ロートで吸引濾過後、デシケーターで減圧乾燥して化合物10bを得た。収量は0.16g、収率は72%であった。
化合物10cの合成
100mLのナスフラスコに化合物9cを0.12g(0.182mmol)、N−ヒドロキシコハク酸イミド0.031g(0.273mmol)、テトラヒドロフラン25mLを入れて常温で撹拌した。WSC 0.052g(0.273mmol)とクロロホルム10mLの混合溶液をゆっくり滴下して、滴下後4時間反応を行った。TLC(クロロホルム)にて反応が進行したことを確認して、分液ロートに反応溶液と蒸留水を約200.0mL加えてクロロホルムで抽出を行った。クロロホルム層を蒸留水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させて桐山漏斗を用いて吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム:アセトニトリル=9.5:0.5)で精製して、主留をエバポレーターで減圧留去した後、デシケーターで減圧乾燥した。これを少量のクロロホルムを加えてヘキサン中で撹拌しながら再沈殿を行った。桐山ロートで吸引濾過後、デシケーターで減圧乾燥して化合物10cを得た。収量は0.037g、収率は26%であった。
化合物10dの合成
100mLのナスフラスコに化合物9dを0.5g(0.573mmol)、N−ヒドロキシコハク酸イミド0.098g(0.859mmol)、テトラヒドロフラン50mLを入れて常温で撹拌した。WSC 0.164g(0.859mmol)とクロロホルム30mLの混合溶液をゆっくり滴下して、滴下後4時間反応を行った。TLC(クロロホルム)にて反応が進行したことを確認して、分液ロートに反応溶液と蒸留水を約200.0mL加えてクロロホルムで抽出を行った。クロロホルム層を蒸留水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させて桐山漏斗を用いて吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム)で精製して、主留をエバポレーターで減圧留去した後、デシケーターで減圧乾燥した。これを少量のクロロホルムを加えてヘキサン中で撹拌しながら再沈殿を行った。桐山ロートで吸引濾過後、デシケーターで減圧乾燥して化合物10dを得た。収量は0.49g、収率は88%であった。
化合物10eの合成
100mLのナスフラスコに化合物9eを0.42g(0.674mmol)、N−ヒドロキシコハク酸イミド0.116g(1.01mmol)、テトラヒドロフラン50mLを入れて常温で撹拌した。WSC 0.193g(1.01mmol)とクロロホルム30mLの混合溶液をゆっくり滴下して、滴下後反応溶液にDMSOを5mL添加して60℃に設定したオイルバスで4時間反応を行った。TLC(クロロホルム)にて反応が進行したことを確認して、分液ロートに反応溶液と蒸留水を約200.0mL加えてクロロホルムで抽出を行った。クロロホルム層を蒸留水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させて桐山漏斗を用いて吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム:アセトニトリル=9.5:0.5)で精製して、主留をエバポレーターで減圧留去した後、デシケーターで減圧乾燥して化合物10eを得た。収量は0.265g、収率は54%であった。
(合成例2)
本合成例では、一般式(II)に包含される、以下のトリアゾロピリジン化合物15を合成した。

化合物11の合成
300mLのナスフラスコに化合物1を3.0g(8.4mmol)、水素化ホウ素ナトリウム0.79gを入れ、エタノール200.0mL中、80℃に設定したオイルバスで撹拌して3時間反応を行った。TLC(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=5:25:1)にて反応が終了したことを確認し、室温になるまで冷却した。500mLの三角フラスコに反応溶液を移して、クロロホルムを約150mL、蒸留水を約100mL加え、常温で撹拌した。水相と有機相に分かれたら、分液ロートにて蒸留水を約150mL加え、クロロホルムで抽出を3回行った。硫酸マグネシウムを加え、桐山漏斗を用いて吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲル(KANTO 60N 粒径63〜210μm)カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=8:2)で分離精製し、単離した溶媒をエバポレーターで減圧留去した。デシケーターで減圧乾燥して化合物11を得た。収量は1.87g、収率は65%であった。
化合物12の合成
200mLのナスフラスコに化合物11を1.87g(5.41mmol)、塩酸を30.0mL、蒸留水50mLを入れ、常温で撹拌を行い溶解させた。溶解後、亜硝酸ナトリウム1.68g(24.3mmol)を蒸留水50.0mLに溶かした溶液を作り、滴下ロートでゆっくり滴下し、滴下後5分間反応を行った。TLC(ジクロロメタン:酢酸エチル=8:2)シートにて反応が終了したことを確認し、1000mL三角フラスコに反応溶液を移して、蒸留水を約200mL加えて撹拌し、炭酸水素ナトリウムを少しずつ加えpH=7〜8の中性にして、蒸留水を約600mL加え1晩撹拌した。吸引濾過で回収し、デシケーターで減圧乾燥して化合物12を得た。収量は1.92g、収率は99%であった。
化合物13の合成
200mLのナスフラスコに化合物12を1.87g(5.4mmol)入れ、エタノール100.0mL中、80℃に設定したオイルバスで加熱還流しながら撹拌した。水酸化カリウム0.62g(11.0mmol)を蒸留水30.0mLに溶かした溶液を作り、添加後、3時間反応を行った。TLC(クロロホルム100%)シートにて反応が終了したことを確認し、500mLのビーカーに反応溶液を移して、蒸留水を約200mL加えて撹拌し、塩酸10~15mLを加えpH=1の酸性にして、蒸留水を約100mL加えて1晩撹拌した。吸引濾過で回収し、デシケーターで減圧乾燥して化合物13を得た。収量は1.71g、収率は96%であった。
化合物14の合成
100mLのナスフラスコに化合物13を1.72g(5.23mmol)、N−ヒドロキシコハク酸イミドを0.9g(7.85mmol)入れ、テトラヒドロフラン40.0mL中、常温で撹拌した。WSC1.5g(7.85mmol)とクロロホルム40.0mLの混合液を滴下ロートでゆっくり滴下し、滴下後4時間反応を行った。TLC(クロロホルム:メタノール=9:1)にて反応が終了したことを確認し、分液ロートにて蒸留水を約200mL加えてクロロホルムで抽出を3回行った。硫酸マグネシウムを加え、桐山漏斗を用いて吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲル(KANTO 60N 粒径63〜210μm)カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:アセトニトリル=9:1)で分離精製し、単離した溶媒をエバポレーターで減圧留去した。デシケーターで減圧乾燥して化合物14を得た。収量は1.66g、収率は74%であった。
化合物15の合成
50mLのナスフラスコに化合物14を0.3g(0.705mmol)入れDMF20mL中、室温で攪拌した。トリエチルアミン0.11mL(0.846mmol)を加えて30分程攪拌した後、1,4−ブタンスルトンを0.09mL(0.916mmol)添加して反応を開始した。TLC(クロロホルム:メタノール=9:1 二度上げ)で反応が進行したことを確認して、桐山漏斗を用いて吸引濾過後、桐山ロート上の固体をクロロホルムで洗浄した。これをデシケーターで減圧乾燥して化合物15を得た。収量は0.073g、収率は16%であった。
(合成例3)
本合成例では、一般式(III)に包含される、以下のトリアゾロピリジン化合物24を合成した。


化合物17の合成
200mLのナスフラスコに化合物16を5.0g(18.3mmol)、メチルトリフェニルホスホニウムヨージド9.6g(23.8mmol)を入れ、DMF100mL中、室温で攪拌した。これに、カリウムtert−ブトキシド40mLを加えて4時間反応させた。TLC(ジクロロメタン:ヘキサン=1:1))で反応が進行したことを確認して、反応溶液を分液ロートに移して水を加えてクロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水で4回洗浄した。これを硫酸マグネシウムで乾燥させて、桐山ロートを用いて吸引濾過桐山漏斗し、エバポレーターで減圧留去を行った。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,ジクロロメタン:ヘキサン=1:1)で精製し、主留をエバポレーターで減圧留去した。これをデシケーターで減圧乾燥して化合物17を得た。収量は3.93g、収率は79%であった。
化合物19の合成
200mLのナスフラスコに化合物18を3.0g(10.2mmol)、テトラヒドロホウ酸ナトリウム1.35g(35.7mmol)を入れ、エタノール100mL中、0〜5℃に冷却しながら攪拌した。0〜5℃で1時間反応、室温で17時間反応させた。TLC(クロロホルム)で反応が進行したことを確認して、反応溶液を三角フラスコに移して水を加えて30分程攪拌した。これを分液ロートに移してクロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水で4回洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させて、桐山ロートを用いて吸引濾過桐山漏斗、エバポレーターで減圧留去を行った。デシケーターで減圧乾燥させて化合物19を得た。収量は1.45g、収率は53%であった。
化合物20の合成
200mLのナスフラスコに化合物19を1.45g(5.45mmol)、塩酸30.0mL、蒸留水50mLを入れ、常温で撹拌を行い溶解させた。溶解後、亜硝酸ナトリウム1.69g(24.5mmol)を蒸留水50.0mLに溶かした溶液を作り、滴下ロートでゆっくり滴下し、滴下後10分間反応を行った。TLC(クロロホルム)にて反応が終了したことを確認し、1000mL三角フラスコに反応溶液を移して、蒸留水を約200mL加えて撹拌し、炭酸水素ナトリウムを少しずつ加えpH=7〜8の中性にして、蒸留水を約600mL加え1晩撹拌した。吸引濾過で回収し、デシケーターで減圧乾燥して化合物20を得た。収量は1.49g、収率は98%であった。
化合物21の合成
100mLのナス型フラスコに化合物20を0.8g(2.88mmol)入れ、N,N−ジメチルホルムアミド35mL中、常温で撹拌した。トリエチルアミン0.59mL(4.32mmol)添加後30分撹拌した後、5−ブロモ吉草酸エチル0.55mL(3.45mmol)を加えて2日間反応を行った。TLC(クロロホルム)にて反応が進行したことを確認して反応溶液を分液ロート移して蒸留水を約200mL、少量の塩酸を加えてクロロホルムで抽出を行った。クロロホルム層を希塩酸水で2回、飽和重曹水で2回、水で1回洗浄を行った。これを硫酸マグネシウムで乾燥させて、桐山漏斗を用いて吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム)で精製し、主留をエバポレーターで減圧留去した。デシケーターで減圧乾燥して化合物21を得た。収量は0.84g、収率は71%であった。
化合物22の合成
50mLの二つ口フラスコに化合物21を0.1g(0.246mmol)、ジフェニルアミノスチレン0.33g(1.23mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.158g(0.492mmol)、炭酸カリウム0.084g(0.615mmol)、酢酸パラジウム0.0011g(0.00492mmol)を入れて、アルゴン置換を行った。これに超脱水グレードのDMF 10mLを加えて110℃に設定したオイルバスで1日間反応させた。TLC(クロロホルム)にて反応が進行したことを確認して、分液ロートに反応溶液を移し、蒸留水とクロロホルムを適量加えて抽出した。有機層を蒸留水で3回程洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、桐山ロートで吸引濾過、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム)で精製して主留をエバポレーターで減圧留去し、デシケーターで減圧乾燥して化合物22を得た。収量は0.125g、収率は64%であった。
化合物23の合成
100mLのナスフラスコに化合物22を0.12g(0.152mmol)入れ、1,4−ジオキサン30mL中、90℃に設定したオイルバスで撹拌した。水酸化カリウム0.021g(0.38mmol)を蒸留水10mLに溶かした溶液を作り、添加後、4時間反応を行った。TLC(クロロホルム100%)にて反応が終了したことを確認し、300mLの三角フラスコに反応溶液を移して、蒸留水を約200mL加えて撹拌し、pH=1になるまで塩酸を加えて撹拌した。これを吸引濾過で回収し、デシケーターで減圧乾燥して化合物23を得た。収量は0.1g、収率は86%であった。
化合物24の合成
100mLのナスフラスコに化合物23を0.1g(0.131mmol)、N−ヒドロキシコハク酸イミドを0.022g(0.196mmol)入れ、テトラヒドロフラン30mL中、常温で撹拌した。WSC 0.037g(0.196mmol)とクロロホルム20mLの混合液を滴下ロートでゆっくり滴下し、滴下後4時間反応を行った。TLC(クロロホルム)にて反応が進行したことを確認し、分液ロートにて蒸留水を約200mL加えてクロロホルムで抽出行った。クロロホルム層を蒸留水で3回洗浄を行い硫酸マグネシウムで乾燥させて、桐山漏斗を用いて吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去を行った。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム)で精製して、主留をエバポレーターで減圧留去した後、デシケーターで減圧乾燥した。これを少量のクロロホルムを加えてヘキサン中で撹拌しながら再沈殿を行った。桐山ロートで吸引濾過後、デシケーターで減圧乾燥して化合物24を得た。収量は0.049g、収率は43%であった。
(合成例4)
本合成例では、一般式(III)に包含される、以下のトリアゾロピリジン化合物27を合成した。
化合物25の合成
50mLの二つ口フラスコに化合物21を0.3g(0.74mmol)、4−メトキシスチレン0.99g(7.4mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.476g(1.48mmol)、炭酸カリウム0.255g(1.85mmol)、酢酸パラジウム0.0066g(0.0296mmol)を入れて、アルゴン置換を行った。これに超脱水グレードのDMF 20mLを加えて110℃に設定したオイルバスで1日間反応させた。TLC(クロロホルム)にて反応が進行したことを確認して、分液ロートに反応溶液を移し、蒸留水とクロロホルムを適量加えて抽出した。有機層を蒸留水で3回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、桐山ロートで吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム)で精製して主留をエバポレーターで減圧留去し、デシケーターで減圧乾燥して化合物25を得た。収量は0.263g、収率は69%であった。
化合物26の合成
100mLのナスフラスコに化合物25を0.26g(0.508mmol)入れ、1,4−ジオキサン40mL中、100℃に設定したオイルバスで撹拌した。水酸化カリウム0.076g(1.27mmol)を蒸留水13mLに溶かした溶液を作り、添加後、3時間反応を行った。TLC(クロロホルム100%)にて反応が終了したことを確認し、300mLの三角フラスコに反応溶液を移して、蒸留水を約200mL加えて撹拌し、pH=1になるまで塩酸を加えて撹拌した。これを吸引濾過で回収し、デシケーターで減圧乾燥して化合物26を得た。収量は0.23g、収率は94%であった。
化合物27の合成
100mLのナスフラスコに化合物26を0.23g(0.475mmol)、N−ヒドロキシコハク酸イミドを0.081g(0.712mmol)入れ、テトラヒドロフラン30mL中、常温で撹拌した。WSC 0.136g(0.712mmol)とクロロホルム30mLの混合液を滴下ロートでゆっくり滴下し、滴下後3時間反応を行った。TLC(クロロホルム)にて反応が進行したことを確認し、分液ロートにて蒸留水を約200mL加えてクロロホルムで抽出行った。クロロホルム層を蒸留水で3回洗浄を行い硫酸マグネシウムで乾燥させて、桐山漏斗を用いて吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去を行った。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム)で精製して、主留をエバポレーターで減圧留去した後、デシケーターで減圧乾燥して化合物27を得た。収量は0.158g、収率は57%であった。
(合成例5)
本合成例では、一般式(III)に包含される、以下のトリアゾロピリジン化合物30を合成した。

化合物28の合成
100mLの二つ口フラスコに化合物21を0.3g(0.74mmol)、4−エチニルトリフェニルアミン0.89g(3.33mmol)、トリエチルアミン10mL、テトラヒドロフラン30mLを入れて、80℃に設定したオイルバスで溶解させた。これに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.085g(0.074mmol)、ヨウ化銅0.014g(0.074mmol)を加えてアルゴン置換下で4時間反応させた。TLC(クロロホルム)にて反応が進行したことを確認して、分液ロートに反応溶液を移し、蒸留水とクロロホルムを適量加えて抽出した。有機層を希塩酸水で3回、飽和重曹水で2回、蒸留水で2回程洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、桐山ロートで吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム)で精製して主留をエバポレーターで減圧留去し、デシケーターで減圧乾燥して化合物28を得た。収量は0.4g、収率は69%であった。
化合物29の合成
100mLのナスフラスコに化合物28を0.46g(0.511mmol)入れ、1,4−ジオキサン40mL中、100℃に設定したオイルバスで撹拌した。水酸化カリウム0.071g(1.27mmol)を蒸留水13mLに溶かした溶液を作り、添加後、3時間反応を行った。TLC(クロロホルム100%)にて反応が終了したことを確認し、300mLの三角フラスコに反応溶液を移して、蒸留水を約200mL加えて撹拌し、pH=1になるまで塩酸を加えて撹拌した。これを吸引濾過で回収し、デシケーターで減圧乾燥して化合物29を得た。収量は0.38g、収率は98%であった。
化合物30の合成
100mLのナスフラスコに化合物29を0.38g(0.504mmol)、N−ヒドロキシコハク酸イミドを0.087g(0.756mmol)入れ、テトラヒドロフラン40mL中、常温で撹拌した。WSC 0.14g(0.756mmol)とクロロホルム20mLの混合液を滴下ロートでゆっくり滴下し、滴下後4時間反応を行った。TLC(クロロホルム)にて反応が進行したことを確認し、分液ロートにて蒸留水を約200mL加えてクロロホルムで抽出を行った。クロロホルム層を蒸留水で2回洗浄を行い硫酸マグネシウムで乾燥させて、桐山漏斗を用いて吸引濾過し、エバポレーターで減圧留去を行った。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(wako C300,クロロホルム)で精製して、主留をエバポレーターで減圧留去した。残渣をアセトニトリルで再結晶した後、桐山ロートで吸引濾過後、デシケーターで減圧乾燥して化合物30を得た。収量は0.345g、収率は80%であった。
(合成例6)
比較のため、以下の構造を有するジアゾロピリジン化合物34(4,7−ジ(メトキシフェニル)−1,2,5−オキサジアゾロピリジンのピリジニウム体の活性エステル体)を合成した。
4−メトキシアセトフェノン31を出発原料として用いて、酢酸中、硝酸と亜硝酸ナトリウムの存在下、30℃で2日間反応を行い、N−オキシド体32を収率78%で得た。次に、アセトニトリル中、塩化第一銅次亜リン酸ナトリウムの存在下、80℃で14時間の還元反応を、行いジケトン体33を収率62%で得た。さらに、エタノール中、4−ピコリルアミンの存在下、80℃で2日間の反応を行い、ピリジニウム体を収率70%で得た。トルエン中、100℃で3日間、5−ブロモペンタン酸スクシンイミジルエステルと反応させ、ピリジニウム体の活性エステル体34を収率78%で得た。
(吸収スペクトルおよび蛍光スペクトル測定)
合成した化合物について、溶媒にDMSOを用いて、蛍光波長の測定および吸収波長の測定を行った。化合物濃度は0.001mMとしその結果を表1に示す。
(光学特性結果)
本発明の蛍光色素である化合物10a〜10e、15、24、27、30は、比較としても用いた化合物34に比べ、高い蛍光強度と輝度を有していた。
(細胞染色)
検体から採取した組織切片を染色し、包埋剤により包埋して包埋体となし、包埋体を薄切りして切片として観察用の生体標本を作製した。作成した生体標本をFL−SEMで観察した。
(金ナノ粒子標識二次抗体の調製)
以下の手順で、金ナノ粒子標識二次抗体を調製した。
1.ストレプトアビジン・Nanogold(登録商標)(Nano probes社製)をHEPES・炭酸緩衝液に溶解した。ストレプトアビジン濃度は、80μg/mlである。
2.本発明の蛍光色素として化合物15のDMSO溶液(濃度5mM)を調製した。
3.ストレプトアビジン・Nanogold溶液と化合物10bのDMSO溶液を、37℃、1000rpmで90分間、混合攪拌した。これにより、化合物15をアミド結合によりストレプトアビジン・Nanogoldに結合させた。
4.この混合液をNAPSカラムに流し、精製して、蛍光色素−ストレプトアビジン・Nanogold二次抗体を得た。
細胞染色は、以下の手順で行った。
材料:Rat腎臓
1.4%PFA+0.05%GA(4℃、1時間)、過ヨウ素酸−リジン−パラホルムアルデヒド(4℃、3時間)で浸漬固定した。
2.ビブラトーム切片(100μm厚)を作製した。
3.過酸化水素水で内因性ペルオキシダーゼのブロッキングを行った。
4.セミカルバジド塩酸塩処理
5.抗CathepsinD ウサギポリクローナル抗体(20μg/ml)で反応(4℃、7日間)。
6.ビオチン標識抗ウサギ抗体(1:500)で反応(4℃、18時間)。
7.TSAビオチン検出キットで免疫染色の増強。
8.蛍光色素−ストレプトアビジン・Nanogold二次抗体(1:100)で反応(4℃、18時間)。
9.1%GAで再固定(室温、10分間)
10.GoldenhanceTMEMキットで金増感反応(30〜60秒)
11.0.5%OsO4で後固定・染色(室温、5分間)
12.エタノール上昇系列で脱水
13.Durcupan(エポキシ系樹脂)包埋(60℃、24時間)
(顕微鏡観察)
化合物15ではマウスの腎臓のパラフィン切片を使用して腎臓がんの際に多く発現する膜タンパクCD10をターゲットとして免疫染色を行った。一方、化合物34ではラットの十二指腸のパラフィン切片を使用してDNAの修復などに関与しているタンパク質PCNA(proliferating cell nuclear antigen)をターゲットとして免疫染色を行った。染色を行ったターゲットは異なるが、化合物15の方がより明確にターゲットを染色出来ていることを確認した。

Claims (12)

  1. 以下の一般式(I)で表されるトリアゾール縮合環化合物からなる蛍光色素。
    (ここで、一般式(I)中、R、Rは、それぞれ独立に、それぞれ独立に、置換または非置換のアリール基あるいは置換または非置換のヘテロアリール基を示し、Aは、−(CH=CR−(nは1〜6の整数)、−(CH−(nは1〜6の整数)、−(AO)−(AOは炭素数2〜6のアルキレンオキサイドで、nは1〜10の整数)、−NHCOO−、−CONH−、−CONH(R)−、−COO−、−SONH−、−HN−C(=NH)−NH−、−O−、−S−、−NR−、−Ar−(Arはアリール基またはヘテロアリール基)、−CO−Ar−NR−、からなる群から選択された1種以上の官能基を示し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Bは、アルキルエステル基、アルキルエーテル基、アルキルアミド基、またはそれらのアルキレンオキサイド(炭素数2〜6)付加体、またはAとの連結基を有してもよい生体分子との反応性基を示す。)
  2. 前記反応性基は、イソチオシアネート基、イソシアネート基、無水マレイン酸基、エポキシ基、ハロゲン化スルホニル基、塩化アシル基、ハロゲン化アルキル基、グリオキザル基、アルデヒド基、トリアジン基、カルボジイミド基、および活性エステル基からなる群から選択される1種である、請求項1記載の蛍光色素。
  3. 以下の一般式(II)で表されるトリアゾール縮合環化合物からなる蛍光色素。
    (ここで、一般式(II)中、R、Rは、それぞれ独立に、置換または非置換のアリール基あるいは置換または非置換のヘテロアリール基を示し、Rは、中心ピリジン環との連結基を有してもよい生体分子との反応性基を示し、Aは、−(CH=CR−(nは1〜6の整数)、−(CH−(nは1〜6の整数)、−(AO)−(AOは炭素数2〜6のアルキレンオキサイドで、nは1〜10の整数)、−NHCOO−、−CONH−、−CONH(R)−、−COO−、−SONH−、−HN−C(=NH)−NH−、−O−、−S−、−NR−、−Ar−(Arはアリール基またはヘテロアリール基)、−CO−Ar−NR−、からなる群から選択された1種以上の官能基を示し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはカチオンを示す。)
  4. 前記反応性基は、イソチオシアネート基、イソシアネート基、無水マレイン酸基、エポキシ基、ハロゲン化スルホニル基、塩化アシル基、ハロゲン化アルキル基、グリオキザル基、アルデヒド基、トリアジン基、カルボジイミド基、および活性エステル基からなる群から選択される1種である、請求項3記載の蛍光色素。
  5. 以下の一般式(III)で表されるトリアゾール縮合環化合物からなる蛍光色素。
    (ここで、一般式(III)中、R、Rは、それぞれ独立に、中心ベンゼン環との間に1種以上の連結基を有してもよい置換または非置換の、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアミノアリール基またはジアリールアミノヘテロアリール基、アリール基、アリールアミノアリール基またはジアリールアミノアリール基を示し、Aは、−(CH=CR−(nは1〜6の整数)、−(CH−(nは1〜6の整数)、−(AO)−(AOは炭素数2〜6のアルキレンオキサイドで、nは1〜10の整数)、−NHCOO−、−CONH−、−CONH(R)−、−COO−、−SONH−、−HN−C(=NH)−NH−、−O−、−S−、−NR−、−Ar−(Arはアリール基またはヘテロアリール基)、−CO−Ar−NR−、からなる群から選択された1種以上の官能基を示し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Bは、アルキルエステル基、アルキルエーテル基、アルキルアミド基、またはそれらのアルキレンオキサイド(炭素数2〜6)付加体、またはAとの連結基を有してもよい生体分子との反応性基を示す。)
  6. 前記反応性基は、イソチオシアネート基、イソシアネート基、無水マレイン酸基、エポキシ基、ハロゲン化スルホニル基、塩化アシル基、ハロゲン化アルキル基、グリオキザル基、アルデヒド基、トリアジン基、カルボジイミド基、および活性エステル基からなる群から選択される1種である、請求項5記載の蛍光色素。
  7. 以下の一般式(IV)で表される請求項5に記載の蛍光色素。
    (ここで、一般式(IV)中、R、Rは、それぞれ独立に、ビニル基との間に1種以上の連結基を有してもよい、置換または非置換の、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアミノアリール基またはジアリールアミノヘテロアリール基、アリール基、アリールアミノアリール基またはジアリールアミノアリール基を示す。)
  8. 前記反応性基は、イソチオシアネート基、イソシアネート基、無水マレイン酸基、エポキシ基、ハロゲン化スルホニル基、塩化アシル基、ハロゲン化アルキル基、グリオキザル基、アルデヒド基、トリアジン基、カルボジイミド基、および活性エステル基からなる群から選択される1種である、請求項7記載の蛍光色素。
  9. 以下の一般式(V)で表される請求項5に記載の蛍光色素。
    (ここで、一般式(V)中、R10、R11は、それぞれ独立に、エチニル基との間に1種以上の連結基を有してもよい、置換または非置換のヘテロアリール基、ヘテロアリールアミノアリール基またはジアリールアミノヘテロアリール基、アリール基、ジアリールアミノアリール基を示す。)
  10. 前記反応性基は、イソチオシアネート基、イソシアネート基、無水マレイン酸基、エポキシ基、ハロゲン化スルホニル基、塩化アシル基、ハロゲン化アルキル基、グリオキザル基、アルデヒド基、トリアジン基、カルボジイミド基、および活性エステル基からなる群から選択される1種である、請求項9記載の蛍光色素。
  11. 以下の一般式(VI)で表される請求項5に記載の蛍光色素。

    (ここで、一般式(VI)中、R12、R13は、中心ベンゼン環と直接結合する、置換または非置換の、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアミノアリール基またはジアリールアミノヘテロアリール基、アリール基、アリールアミノアリール基またはジアリールアミノアリール基を示す。)
  12. 前記反応性基は、イソチオシアネート基、イソシアネート基、無水マレイン酸基、エポキシ基、ハロゲン化スルホニル基、塩化アシル基、ハロゲン化アルキル基、グリオキザル基、アルデヒド基、トリアジン基、カルボジイミド基、および活性エステル基からなる群から選択される1種である、請求項11記載の蛍光色素。
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