JP2017057355A - 有機蛍光体及びその錯形成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外域から可視域にかけて幅広い太陽光を吸収可能で、その領域で高い発光量子効率を有する新規な有機蛍光体及びその錯形成物の提供。【解決手段】式(I)で表されるベンゾトリアゾール誘導体部位とジベンゾフラン誘導体部位とからなるビス(ジベンゾフラン)ベンゾトリアゾール構造を有する化合物。【選択図】なし

Description

本発明は、有機蛍光体及びその錯形成物に関する。
波長変換材料は、特定の波長の光の光子を吸収し、別の波長の光の光子として放出する機能を有する材料である。波長変換材料は、例えば、太陽電池におけるスペクトルミスマッチを是正するために用いられる。太陽光のうち、太陽電池による光電変換効率の低い波長域の光を、光電変換効率の高い波長域の光へと変換することで、太陽電池の発電効率を向上させることができる。
波長変換材料には、有機蛍光体又は無機蛍光体が用いられる。このうち有機蛍光体は、無機蛍光体に比べて毒性が低く、環境への負荷が少ない。また、有機蛍光体は、無機蛍光体に比べて太陽光の透過率が高いため、太陽電池用の波長変換材料として用いた場合に、発電効率をより向上する効果が期待できる(例えば、特許文献1参照)。このような理由から、太陽電池用の波長変換材料として、有機蛍光体の研究及び開発が盛んに行われている。
特開2014−156412号公報
ところで、太陽電池用の波長変換材料に用いられる有機蛍光体としては、紫外域から可視域にかけて幅広く太陽光を吸収可能であることが望ましく、また、高い発光量子効率が求められる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、新規な有機蛍光体及びその錯形成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> 下記一般式(I)で表される有機蛍光体。

(式中、R〜R17は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、−CN、場合により置換されるアルキル、場合により置換されるシクロアルキル、−SO−アルキル、場合により置換されるアルケニル、場合により置換されるアルキニル、場合により置換されるアリール、場合により置換されるヘテロアリール、場合により置換されるアルキルアリール、場合により置換されるアリールアルキル、場合により置換されるアルコキシ、場合により置換されるアリールオキシ、場合により置換されるアシルオキシ、場合により置換されるカルバモイル、場合により置換されるカルボキシ、場合により置換されるエステル、場合により置換されるアミノ、場合により置換される環状アミノ、場合により置換されるアミド、又は、場合により置換される環状イミドを示す。)
<2> 250nm〜500nmの波長域に極大吸収波長を有する<1>に記載の有機蛍光体。
<3> <1>又は<2>に記載の有機蛍光体と、前記有機蛍光体に配位した金属元素とを含む錯形成物。
<4> 前記金属元素が、アルカリ土類金属元素及び遷移金属元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素である<3>に記載の錯形成物。
<5> 前記金属元素が、Mg、Ca、Sr、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Hf、Ir、Pt、Au、Pb、Bi、Eu、Tb、Er、Yb、Nd、及びSmからなる群より選択される少なくとも1種の元素である<3>に記載の錯形成物。
本発明によれば、新規な有機蛍光体及びその錯形成物を提供することができる。
実施例1及び比較例1〜3の有機蛍光体の励起波長と発光量子効率との関係を示す図である。
以下、本発明を適用した有機蛍光体及びその錯形成物の実施形態の一例について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
<有機蛍光体>
本実施形態の有機蛍光体は、下記一般式(I)で表される。

(式中、R〜R17は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、−CN、場合により置換されるアルキル、場合により置換されるシクロアルキル、−SO−アルキル、場合により置換されるアルケニル、場合により置換されるアルキニル、場合により置換されるアリール、場合により置換されるヘテロアリール、場合により置換されるアルキルアリール、場合により置換されるアリールアルキル、場合により置換されるアルコキシ、場合により置換されるアリールオキシ、場合により置換されるアシルオキシ、場合により置換されるカルバモイル、場合により置換されるカルボキシ、場合により置換されるエステル、場合により置換されるアミノ、場合により置換される環状アミノ、場合により置換されるアミド、又は、場合により置換される環状イミドを示す。)
上記一般式(I)に示すとおり、本実施形態の有機蛍光体は、ベンゾトリアゾール誘導体部位とジベンゾフラン誘導体部位とからなるビス(ジベンゾフラン)ベンゾトリアゾール構造を有する化合物(以下、「ビス(ジベンゾフラン)ベンゾトリアゾール誘導体」ともいう。)である。
従来、π共役系分子を連結してπ共役を拡張することで、有機蛍光体の吸収波長が長波長化することが知られている。しかし、π共役を拡張しても、例えば、吸収波長が紫外域から可視域に変更されるだけであり、幅広い波長域の光を吸収できないものが殆どである。特に、幅広い波長域の光を吸収した上で、高い発光量子効率を示す有機蛍光体の報告例は皆無である。
本実施形態の有機蛍光体は、ベンゾトリアゾール誘導体とジベンゾフラン誘導体とを連結した構造を有し、予想外に幅広い波長域において高い発光量子効率を示す。このため、例えば、本実施形態の有機蛍光体を太陽電池用の波長変換材料として用いることで、太陽電池の発電効率をより高めることが可能となる。また、本実施形態の有機蛍光体は、幅広い波長域に吸収帯を有するため、紫外線吸収剤としても有用である。なお、本実施形態の有機蛍光体は、簡便な合成手法で製造可能であり、製造上の利点も大きい。
本明細書中に開示されるベンゾトリアゾール誘導体部位における原子の位置番号を以下に示す。式中、*は結合位置を示す。
また、本明細書中に開示されるジベンゾフラン誘導体部位における原子の位置番号を以下に示す。式中、*は結合位置を示す。
本明細書中で使用される用語「アルキル」は、直鎖状又は分岐鎖状の飽和した非環式脂肪族炭化水素基(すなわち、炭素原子及び水素原子から構成され、二重結合又は三重結合を有しない)を示す。アルキルの炭素数は、例えば、1〜20であり、1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。アルキルとしては、特に限定されず、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2−エチルヘキシル、及びオクチルが挙げられる。
本明細書中で使用される用語「シクロアルキル」は、飽和した環式脂肪族炭化水素基を示す。シクロアルキルの炭素数は、例えば、3〜20であり、5〜15であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。シクロアルキルとしては、特に限定されず、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルが挙げられる。
本明細書中で使用される用語「アルケニル」は、炭素の二重結合を有する直鎖状又は分岐鎖状の非環式脂肪族炭化水素基を示す。アルケニルの炭素数は、例えば、2〜20であり、3〜15であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。アルケニルとしては、特に限定されず、例えば、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、及びオクテニルが挙げられる。
本明細書中で使用される用語「アルキニル」は、炭素の三重結合を有する直鎖状又は分岐鎖状の非環式脂肪族炭化水素基を示す。アルキニルの炭素数は、例えば、2〜20であり、3〜15であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。アルキニルとしては、特に限定されず、例えば、1−プロピニル、1−ブチニル、及び2−ブチニルが挙げられる。
本明細書中で使用される用語「アリール」は、単環又は多環(縮合環)の同素環式の芳香族基を示す。アリールの炭素数は、例えば、6〜24であり、6〜20であることが好ましく、6〜16であることがより好ましい。アリールとしては、特に限定されず、例えば、フェニル、ビフェニレニル、ターフェニレニル、ナフチル、アントラセニル、テトラセニル、フェナントレニル、ジヒドロフェナントレニル、フルオレニル、及びピレニルが挙げられる。
本明細書中で使用される用語「ヘテロアリール」は、1個又は複数個のヘテロ原子を含む単環又は多環(縮合環)の芳香族基を示す。2個以上のへテロ原子が存在する場合、これらのヘテロ原子は同一であっても異なっていてもよい。縮合環においては、ヘテロ原子が1つの環のみに存在していてもよく、2つ以上の環に存在していてもよい。ヘテロアリールの炭素数は、例えば、2〜23であり、4〜19であることが好ましく、4〜15であることがより好ましい。ヘテロアリールとしては、特に限定されず、例えば、カルバゾリル、チエニル、ピリジル、ピラジル、キノリル、イソキノリル、キノキサリル、アクリジル、ジアザフェナントレニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、及びベンゾチリアゾリルが挙げられる。
本明細書中で使用される用語「ヘテロ原子」は、硫黄原子、窒素原子、及び酸素原子を示す。
本明細書中で使用される用語「アルキルアリール」は、アルキルで置換されたアリールを示す。アルキルアリールとしては、特に限定されず、例えば、エチルフェニル及び9,9−ジヘキシル−9H−フルオレニルが挙げられる。
本明細書中で使用される用語「アリールアルキル」は、アリールで置換されたアルキルを示す。アリールアルキルとしては、特に限定されず、例えば、フェニルプロピル及びフェニルエチルが挙げられる。
本明細書中で使用される用語「アルコキシ」は、親分子に−O−連結を介して共有結合で結合する直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を示す。アルコキシとしては、特に限定されず、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、オクチルオキシ、1−プロペニルオキシ、2−プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、ヘキセニルオキシ、ヘプテニルオキシ、及びオクテニルオキシが挙げられる。
本明細書中で使用される用語「アリールオキシ」は、親分子に−O−連結を介して共有結合で結合するアリール基を示す。
本明細書中で使用される用語「アシルオキシ」は、−OC(=O)Rで表される基を示す。式中、Rは、ハロゲン原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルを示す。
本明細書中で使用される用語「カルバモイル」は、−C(=O)NHで表される基を示す。
本明細書中で使用される用語「カルボニル」は、−C(=O)−で表される基を示す。
本明細書中で使用される用語「カルボキシ」は、−COOHで表される基を示す。
本明細書中で使用される用語「エステル」は、−C(=O)ORで表される基を示す。式中、Rは、ハロゲン原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルを示す。
本明細書中で使用される用語「アミノ」は、−NRR’で表される基を示す。式中、R及びR’は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルを示す。
本明細書中で使用される用語「環状アミノ」は、環状の第二級アミノ又は第三級アミノを示す。環状アミノとしては、特に限定されず、例えば、アジリジニル、ピペリジニル、及びN−メチルピペリジニルが挙げられる。
本明細書中で使用される用語「アミド」は、−NRC(=O)R’で表される基を示す。式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルを示し、R’は、ハロゲン原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルを示す。
本明細書中で使用される用語「環状イミド」は、2つのカルボニル炭素が炭素鎖によって連結されたイミドを示す。環状イミドとしては、特に限定されず、例えば、1,8−ナフタルイミド、ピロリジン−2,5−ジオン、及び1H−ピロール−2,5−ジオンが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、置換された基とは、これに対応する基において、1個又は複数個の水素原子が別の原子又は基と交換されている基を示す。置換されるとき、当該置換基としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル(これは、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、カルボキシ、ハロアルキル(例えば、−CF)、−CN、−SO−アルキル、及び−OCFからなる群より選択される少なくとも1種の基により場合により置換される)、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル(これは、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、カルボキシ、−CN、−SO−アルキル、−CF、及び−OCFからなる群より選択される少なくとも1種の基により場合により置換される)、アリール(これは、ハロゲン原子、アルキル、アルキルにより場合により置換されるアリール、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、イミド、アミド(例えば、−NH−C(=O)−アルキル)、カルバモイル、場合により置換される環状イミド、環状アミド、−CN、−CF、及び−OCFからなる群より選択される少なくとも1種の基により場合により置換される)、アリールアルキル(これは、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、アリール、カルボキシ、−CN、−SO−アルキル、−CF、及び−OCFからなる群より選択される少なくとも1種の基により場合により置換される)、ヘテロアリール(これは、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、カルボキシ、−CN、−SO−アルキル、−CF、及び−OCFからなる群より選択される少なくとも1種の基により場合により置換される)、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、又はフッ素原子)、シアノ、ヒドロキシ、場合により置換される環状イミド、アミノ(例えば、モノアルキルアミノ又はジアルキルアミノ)、イミド、アミド、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、スルフヒドリル(メルカプト)、ハロアルキル(例えば、−CF)、アルキルチオ、アリールチオ、第四級アンモニウム塩、アミノアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、アミノアルキルチオ、シアノアミノ、ニトロ、カルバモイル、カルボニル、カルボキシ、グリコリル、グリシル、ヒドラジノ、グアニル、スルファミル、スルホニル、スルフィニル、チオカルボニル、チオカルボキシ、スルホンアミド、エステル、C−アミド、N−アミド、N−カルバマート、O−カルバマート、及びウレアからなる群より選択される少なくとも1種の基が挙げられる。但し、置換基はこれらに限定されない。
本実施形態の有機蛍光体は、一般式(I)中のR〜R17によってπ共役が拡張された化合物であってもよい。π共役を拡張することにより、吸収波長及び発光波長を任意の波長域に変更することができる。具体的に、R〜R17のうち隣接する炭素原子に結合する2つの基が一体となって、以下の式で表されるアリール構造を形成していてもよい。式中、R18〜R23は、一般式(I)中のR〜R17と同義である。*は結合位置を示す。
本実施形態の有機蛍光体は、合成の容易さの観点から、2つのジベンゾフラン誘導体部位が対称な化合物であることが好ましい。ある実施態様では、一般式(I)中、R及びRが水素原子を示し、Rがアルキル又はハロアルキルを示し、R〜R17が水素原子を示す。
本実施形態の有機蛍光体は、例えば、250nm〜500nmの波長域に極大吸収波長を有することが好ましく、280nm〜400nmの波長域に極大吸収波長を有することがより好ましい。250nm〜500nmの波長域に極大吸収波長を有すると、着色せず、光透過率の高い材料となる傾向にある。
また、本実施形態の有機蛍光体は、例えば、300nm〜1100nmの波長域に極大発光波長を有することが好ましく、300nm〜800nmの波長域に極大発光波長を有することがより好ましい。300nm〜1100nmの波長域に極大発光波長を有すると、例えば、波長変換による太陽電池の発電効率向上効果が高まる傾向にある。
本実施形態の有機蛍光体の製造方法は特に制限されない。例えば、4位及び7位に臭素原子を有するベンゾトリアゾール誘導体と、4位にボロニル基を有するジベンゾフラン誘導体との間の鈴木・宮浦カップリング反応により、本実施形態の有機蛍光体を得ることができる。
<錯形成物>
本実施形態の錯形成物は、前述した本実施形態の有機蛍光体と、有機蛍光体に配位した金属元素とを含む。本実施形態の有機蛍光体を錯形成物とすることで、重原子効果により耐光性が向上する傾向にある。また、本実施形態の有機蛍光体を錯形成物とすることで、金属元素の特異なエネルギー準位に由来する鋭利な発光波形が得られ易くなるため、光学分野の産業にとって有用である。
金属元素としては、特に限定されず、例えば、Mg、Ca、Sr、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Hf、Ir、Pt、Au、Pb、Bi、Eu、Tb、Er、Yb、Nd、及びSmからなる群より選択される少なくとも1種の元素が挙げられる。好ましい金属元素としては、アルカリ土類金属元素及び遷移金属元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は質量基準である。
[実施例1]
以下に示すように、下記式で表される4,7−ビス(ジベンゾフラン)−2−(6−ブロモヘキシル)ベンゾトリアゾールを合成した。
4,7−ジブロモ−2−(6−ブロモヘキシル)ベンゾトリアゾール(東京化成工業(株)製、100mg、0.23mmol)、4−ジベンゾフランボロン酸((株)和光ケミカル製、96mg、0.44mmol)、及び炭酸カリウム(和光純薬工業(株)製、94mg、0.68mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)と水(1mL)との混合溶媒中に窒素雰囲気下で仕込み、ビストリフェニルフォスフィンパラジウム(II)ジクロリド(東京化成工業(株)製、16mg、0.023mmol)を添加して、90℃で4時間加熱撹拌した。反応後、酢酸エチル(100mL)及び水(100mL)を加えて抽出し、有機層を回収した。有機層をエバポレータで乾固し、アルミナを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製を行った。精製物を乾燥することで、黄色固体状の4,7−ビス(ジベンゾフラン)−2−(6−ブロモヘキシル)ベンゾトリアゾール(74.6mg、0.12mmol、収率:53%)を得た。
4,7−ビス(ジベンゾフラン)−2−(6−ブロモヘキシル)ベンゾトリアゾールの極大吸収波長は350nmであり、極大発光波長は420nmであった。
[比較例1]
以下に示すように、下記式で表される4,7−ビス(オクチロキシフェニル)−2−(6−ブロモヘキシル)ベンゾトリアゾールを合成した。
4,7−ジブロモ−2−(6−ブロモヘキシル)ベンゾトリアゾール(東京化成工業(株)製、343.4mg、0.78mmol)、4−オクチロキシフェニルボロン酸(Fluorochem社製、407.7mg、1.63mmol)、及び炭酸カリウム(和光純薬工業(株)製、501.2mg、3.63mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)と水(1mL)との混合溶媒中に窒素雰囲気下で仕込み、ビストリフェニルフォスフィンパラジウム(II)ジクロリド(東京化成工業(株)製、60.4mg、0.086mmol)を添加して、90℃で4時間加熱撹拌した。反応後、酢酸エチル(100mL)及び水(100mL)を加えて抽出し、有機層を回収した。有機層をエバポレータで乾固し、アルミナを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製を行った。精製物を乾燥することで、黄色固体状の4,7−ビス(オクチロキシフェニル)−2−(6−ブロモヘキシル)ベンゾトリアゾール(291.1mg、0.42mmol、収率:54%)を得た。
[比較例2、3]
市販の有機蛍光体として、セントラルテクノ(株)製のLumisis B−1400(比較例2)及びLumisis E−400(比較例3)を準備した。
[評価]
(発光量子効率の測定)
実施例1及び比較例1〜3の有機蛍光体について、発光量子効率を測定した。発光量子効率の測定には、浜松ホトニクス(株)製の絶対PL量子収率測定装置を用い、固体用の円盤型石英セル中に実施例1及び比較例3の化合物を30mg、比較例1〜3の化合物を50mg採取した。励起波長を250nm〜550nmとし、10nm毎に吸光度と発光量子収率とを測定し、得られた(吸光度)×(発光量子収率)の値を発光量子効率として評価した。結果を図1に示す。
図1に示すとおり、実施例1の有機蛍光体は、幅広い波長域において高い発光量子効率を示し、特に、波長460nm〜530nmの可視域において、比較例1〜3の有機蛍光体よりも発光量子効率に優れていた。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で表される有機蛍光体。

    (式中、R〜R17は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、−CN、場合により置換されるアルキル、場合により置換されるシクロアルキル、−SO−アルキル、場合により置換されるアルケニル、場合により置換されるアルキニル、場合により置換されるアリール、場合により置換されるヘテロアリール、場合により置換されるアルキルアリール、場合により置換されるアリールアルキル、場合により置換されるアルコキシ、場合により置換されるアリールオキシ、場合により置換されるアシルオキシ、場合により置換されるカルバモイル、場合により置換されるカルボキシ、場合により置換されるエステル、場合により置換されるアミノ、場合により置換される環状アミノ、場合により置換されるアミド、又は、場合により置換される環状イミドを示す。)
  2. 250nm〜500nmの波長域に極大吸収波長を有する請求項1に記載の有機蛍光体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の有機蛍光体と、前記有機蛍光体に配位した金属元素とを含む錯形成物。
  4. 前記金属元素が、アルカリ土類金属元素及び遷移金属元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素である請求項3に記載の錯形成物。
  5. 前記金属元素が、Mg、Ca、Sr、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Hf、Ir、Pt、Au、Pb、Bi、Eu、Tb、Er、Yb、Nd、及びSmからなる群より選択される少なくとも1種の元素である請求項3に記載の錯形成物。
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