JP2021038305A - 樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、(B)主鎖が分岐構造を有するオルガノポリシロキサンを0.8〜4.0質量部含み、さらに、ワックスを含む、樹脂組成物であって、前記樹脂組成物を2mmの厚さの平板に成形したときのヘイズが5.0%以下であり、かつ、水の接触角が87°以上である、樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、水接触角が大きく、かつ、透明性に優れた樹脂組成物および成形品を提供することを目的とする。
<1>(A)ポリカーボネート樹脂と(B)オルガノポリシロキサンを含む樹脂組成物であって、前記樹脂組成物を2mmの厚さの平板に成形したときのヘイズが5.0%以下であり、かつ、水の接触角が87°以上である、樹脂組成物。
<2>前記(B)オルガノポリシロキサンの主鎖が分岐構造を有する、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>前記(B)オルガノポリシロキサンの分子量分布(Mw/Mn)が1.01〜1.4である、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4>(A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、(B)オルガノポリシロキサンを0.8〜4.0質量部含む、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5>前記(A)ポリカーボネート樹脂が、式(1)で表される構造単位および式(2)で表される構造単位の少なくとも1種を含む、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
式(1)
式(2)
<6>前記(A)ポリカーボネート樹脂が、式(1)で表される構造単位の少なくとも1種を含む、<5>に記載の樹脂組成物。
<7>前記(A)ポリカーボネート樹脂における式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位の質量比が、10:90〜100:0である、<5>に記載の樹脂組成物。
<8>前記樹脂組成物から形成される成形品のISO 15184に従って測定した鉛筆硬度がHB以上である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<9>(B)オルガノポリシロキサンの重量平均分子量が500以上2000以下である、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<10>さらに、ワックスを含む、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<11><1>〜<10>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された成形品。
<12>ディスプレイ用部品、携帯情報端末部品、家庭用電気製品用部品または室内調度品用部品である、<11>記載の成形品。
オルガノポリシロキサンを用いることにより、従来とは異なる材料にて、水接触角が大きく、かつ、透明性に優れた樹脂組成物の提供に成功したものである。さらに、本発明の樹脂組成物は、油接触角を高くし、鉛筆硬度を高くすることも可能になる。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明で用いる(A)ポリカーボネート樹脂は、式(1)で表される構造単位および式(2)で表される構造単位の少なくとも1種を含み、式(1)で表される構造単位の少なくとも1種を含むことが好ましい。
式(1)
式(2)
本発明で用いるポリカーボネート樹脂(A)は、式(1)で表される構造単位を含むことが好ましい。(A)ポリカーボネート樹脂が式(1)で表される構造単位を含むことにより、得られる成形品の表面硬度を向上させることができる。
式(1)
式(1)中の2つのR2は、それぞれ同一でも、異なっていてもよく、好ましくは同一である。R2は水素原子であることが好ましい。
またX1が、
式(1)中、X1は下記構造が好ましい。
i)2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンから構成される構造単位、すなわち、R1がメチル基、R2が水素原子、X1が−C(CH3)2−である構造単位、
ii)2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンから構成される構造単位、すなわち、R1がメチル基、R2がメチル基、X1が−C(CH3)2−である構造単位、
iii)2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンから構成される構造単位、すなわち、R1がメチル基、R2が水素原子、X1がシクロヘキシリデン基である構造単位、
iv)2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカンから構成される構造単位、すなわち、R1がメチル基、R2が水素原子、X1がシクロドデシリデン基である構造単位である。
これらの中で、上記i)、ii)およびiii)が好ましく、上記i)およびiii)がより好ましく、上記i)がさらに好ましい。
本発明で用いるポリカーボネート樹脂(A)は、式(2)で表される構造単位を含むことが好ましい。(A)ポリカーボネート樹脂が式(2)で表される構造単位を含むことにより、得られる成形品のヘイズをより低くすることができる。
式(2)
(A0)式(1)で表される構造単位を含むポリカーボネート樹脂、特に、式(1)で表される構造単位を95質量%以上の割合で含むポリカーボネート樹脂
(A1)式(1)で表される構造単位を含むポリカーボネート樹脂と、式(2)で表される構造単位を含むポリカーボネート樹脂のブレンド物
(A2)式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位を含むポリカーボネート樹脂
(A3)式(1)で表される構造単位を含むポリカーボネート樹脂と、式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位を含むポリカーボネート樹脂のブレンド物
(A4)式(2)で表される構造単位を含むポリカーボネート樹脂と、式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位を含むポリカーボネート樹脂のブレンド物
(A5)式(1)で表される構造単位を含むポリカーボネート樹脂と、式(2)で表される構造単位を含むポリカーボネート樹脂と、式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位を含むポリカーボネート樹脂のブレンド物
(A6)上記(A0)〜(A5)において、ポリカーボネート樹脂またはそのブレンド物を構成するポリカーボネート樹脂が式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位以外の他の構造単位を含むポリカーボネート樹脂である形態
(A7)上記(A0)〜(A6)のポリカーボネート樹脂またはブレンド物と、他の構造単位とからなるポリカーボネート樹脂とのブレンド物
粘度平均分子量を上記下限値以上とすることにより、成形性が向上し、かつ、機械的強度の高い成形品が得られる。また、上記上限値以下とすることにより、成形品の流動性が向上し、薄肉の成形品なども効率的に製造することができる。
粘度平均分子量(Mv)は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。2種以上の(A)ポリカーボネート樹脂を含む場合は、各ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量に質量分率をかけた値の合計とする。以下、粘度平均分子量について同様に考える。
本発明の樹脂組成物は、(A)ポリカーボネート樹脂を、1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、(B)オルガノポリシロキサンを含有する。
(B)オルガノポリシロキサンは、ケイ素原子が酸素を介して他のケイ素原子と結合した部分を持つ構造に有機基が付加している高分子物質を指す。(B)オルガノポリシロキサンは、通常、シロキサン結合を主鎖とする有機重合体をいい、例えば以下に示す一般組成式(B1)で表される化合物や、その混合物が挙げられる。
(R1R2R3SiO1/2)M(R4R5SiO2/2)D(R6SiO3/2)T(SiO4/2)Q(O1/2R7)E1(O1/2H)E2・・・(1)
(式(B1)中、R1〜R6は、それぞれ独立に、有機官能基または水素原子から選択される。R7は有機基であり、M、D、TおよびQは、それぞれ独立に、0以上1未満であり、M+D+T+Q=1を満足する数である。E1≧0、E2≧0かつ0<E1+E2≦4である。)
より具体的には、M単位は末端封止に用いられ、M単位を使用することにより、末端にトリオルガノシロキシ基が導入される。また、D単位を導入することによってオルガノポリシロキサン中に直鎖成分が導入されるため、多くの場合でD単位量が多いほど低粘度化する。また、T単位および/またはQ単位を導入することによってオルガノポリシロキサン中に分岐成分が導入される。
本発明の樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記以外の他成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、上記したポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂(例えば、アクリル樹脂等)、各種樹脂添加剤などが挙げられる。
樹脂添加剤としては、例えば、ワックス等の滑剤(オルガノポリシロキサンに該当するものを除く)、安定剤(熱安定剤、酸化防止剤等)、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、染料、顔料、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせおよび比率で含有されていてもよい。
本発明の樹脂組成物は、滑剤を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。滑剤は、高級脂肪族炭化水素、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、パラフィンワックス等の高級脂肪族炭化水素が例示され、パラフィンワックスが特に好ましい。滑剤の詳細は、特開2019−059813号公報の段落0105〜0113に「離型剤」として記載された内容を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
特に、ワックスを含むことにより、水接触角および油接触角をより高くし、動摩擦係数をより低くすることが可能となる。
本発明の樹脂組成物が滑剤(好ましくは、ワックス)を含む場合、その含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、また、好ましくは2質量部以下、より好ましくは1質量部以下である。滑剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、離型性がより効果的に向上し、滑剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染などをより効果的に抑制できる。
また、ポリオルガノシロキサンと滑剤の質量比率(ポリオルガノシロキサン/滑剤)が2〜7であることが好ましく、3〜6であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、動摩擦係数をより低くすることが可能になる。
滑剤は、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
安定剤としては、熱安定剤や酸化防止剤が挙げられる。
安定剤としては、フェノール系安定剤、アミン系安定剤、リン系安定剤、チオエーテル系安定剤などが挙げられる。中でも本発明においては、リン系安定剤およびフェノール系安定剤が好ましい。
リン系安定剤としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜リン酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられるが、有機ホスファイト化合物が特に好ましい。
このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、ADEKA社製「アデカスタブ(登録商標。以下同じ)1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP−10」、城北化学工業社製「JP−351」、「JP−360」、「JP−3CP」、BASF社製「イルガフォス(登録商標。以下同じ)168」等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤が好ましいものとして挙げられ、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
紫外線吸収剤は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。2種以上含まれる場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
帯電防止剤としては、特開2016−216534号公報の段落0063〜0067の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
難燃剤としては、特開2016−216534号公報の段落0068〜0075の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の樹脂組成物を用いて得られる成形品は、大きな水接触角を有している。前記樹脂組成物を2mmの厚さの平板に成形したときの水接触角は、87°以上であり、88°以上がより好ましく、89°以上がさらに好ましく、90°以上が一層好ましく、91°以上がより一層好ましい。水接触角の上限値としては、特に限定はないが105°以下とすることができ、100°以下とすることもでき、98°以下とすることもできる。
本発明の樹脂組成物を用いて得られる成形品は、油接触角も大きくすることができる。前記樹脂組成物を2mmの厚さの平板に成形したときの油接触角は、6°超であり、7°以上がより好ましく、8°以上がさらに好ましく、9°以上が一層好ましい。油接触角の上限値としては、特に限定はないが20°以下とすることができ、15°以下とすることもできる。水接触角の測定方法は、後述する実施例の記載に従う。
尚、鉛筆硬度は、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3Hの順に硬くなる。
本発明の樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知の樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、上記(A)ポリカーボネート樹脂および(B)オルガノポリシロキサン、ならびに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240〜320℃の範囲である。
上記した樹脂組成物(例えば、ペレット)は、各種の成形法で成形して成形品とされる。すなわち、本発明の成形品は、本発明の樹脂組成物から成形される。成形品の形状としては、特に制限はなく、成形品の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルム状、ロッド状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状、ボタン状のもの等が挙げられる。中でも、フィルム状、枠状、パネル状、ボタン状のものが好ましく、厚さは例えば、枠状、パネル状の場合1mm〜5mm程度である。
<製造例1:ポリカーボネート樹脂A1の製造>
ビスフェノールC(BPC)26.14モル(6.75kg)と、ジフェニルカーボネート26.79モル(5.74kg)を、撹拌機および留出凝縮装置付きのSUS製反応器(内容積10リットル)内に入れ、反応器内を窒素ガスで置換後、窒素ガス雰囲気下で220℃まで30分間かけて昇温した。
次いで、反応器内の反応液を撹拌し、溶融状態下の反応液にエステル交換反応触媒として炭酸セシウム(Cs2CO3)を、BPC1モルに対し1.5×10-6モルとなるように加え、窒素ガス雰囲気下、220℃で30分、反応液を撹拌醸成した。次に、同温度下で反応器内の圧力を40分かけて100Torrに減圧し、さらに、100分間反応させ、フェノールを留出させた。
次に、反応器内の温度を60分かけて284℃まで上げるとともに3Torrまで減圧し、留出理論量のほぼ全量に相当するフェノールを留出させた。次に、同温度下で反応器内の圧力を1Torr未満に保ち、さらに60分間反応を続け重縮合反応を終了させた。このとき、撹拌機の撹拌回転数は38回転/分であり、反応終了直前の反応液温度は289℃、撹拌動力は1.00kWであった。
次に、溶融状態のままの反応液を二軸押出機に送入し、炭酸セシウムに対して4倍モル量のp−トルエンスルホン酸ブチルを二軸押出機の第1供給口から供給し、反応液と混練し、その後、反応液を二軸押出機のダイを通してストランド状に押し出し、カッターで切断してポリカーボネート樹脂A1のペレットを得た。
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での極限粘度(η)(単位:dL/g)を求め、以下のSchnellの粘度式から算出した。
η=1.23×10-4Mv0.83
ポリカーボネート樹脂ペレットを100℃で5時間乾燥した後、射出成形機((株)日本製鋼所製「J55−60H」)を用い、シリンダー設定温度280℃、金型温度70℃にて、スクリュー回転数100rpm、射出速度25mm/sの条件下にて、平板状試験片(90mm×50mm×2mm厚)を射出成形した。この平板状試験片について、ISO 15184に準拠し、鉛筆硬度試験機を用いて、1000g荷重にて測定した鉛筆硬度を求めた。鉛筆硬度試験機は、東洋精機製作所社製を用いた。
各オルガノポリシロキサンの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて下記条件で測定し、標準ポリスチレン換算値として示した。試料は約10質量%のテトラヒドロフラン溶液を用いて溶解し、測定前に0.45μmのフィルターで濾過して用いた。
装置:TOSOH HL−8220 GPC(東ソー社製)
カラム:KF−G、KF−402.5HQ、KF−402HQ、KF−401HQ(いずれも昭和電工社製)、カラム温度40℃
溶離液:テトラヒドロフラン、流量0.3mL/分
<樹脂組成物ペレットの製造>
上記表1に記載した各成分を、下記の表2〜4に示す割合(全て質量部にて表示)にて配合し、タンブラーミキサーにて均一に混合した後、二軸押出機((株)日本製鋼所製TEX30α)を用いて、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数180rpm、吐出量30kg/hrにて押出機上流部のバレルより押出機にフィードし、溶融混練して樹脂組成物ペレットを得た。
上記樹脂組成物ペレットを100℃で5時間乾燥した後、射出成形機((株)日本製鋼所製「J55−60H」)を用い、シリンダー設定温度280℃、金型温度70℃にて、スクリュー回転数100rpm、射出速度25mm/sの条件下にて、3段型プレート(90mm×50mm×厚みがゲート側から3mm(長さ20mm)、2mm(長さ45mm)、1mm(長さ25mm))を射出成形した。
得られた3段型プレートの厚み2mmの部分について、静電気除去し、表面温度を23℃に調整したのち、マイクロシリンジを用いて、液滴直径1.0mmのイオン交換水を滴下し、接触角(水接触角)(単位:°)を測定した。
測定装置には、協和界面科学製固液界面解析装置DropMaster 300を用いた。
ポリカーボネート樹脂ペレットを100℃で5時間乾燥した後、射出成形機((株)日本製鋼所製「J55−60H」)を用い、シリンダー設定温度280℃、金型温度70℃にて、スクリュー回転数100rpm、射出速度25mm/sの条件下にて、3段型プレート(90mm×50mm×厚みがゲート側から3mm(長さ20mm)、2mm(長さ45mm)、1mm(長さ25mm))を射出成形した。
得られた3段型プレートの厚み2mmについて、静電気除去したのち、マイクロシリンジを用いて、液滴直径0.5mmのオレイン酸(東京化成工業社製、品番:O0180)を滴下し、接触角を測定した。
測定装置には、協和界面科学製固液界面解析装置DropMaster 300を用いた。油接触角が5°以下のものは、測定不可と示した。
上記樹脂組成物ペレットを100℃で5時間乾燥した後、射出成形機((株)日本製鋼所製「J55−60H」)を用い、シリンダー設定温度280℃、金型温度70℃にて、スクリュー回転数100rpm、射出速度25mm/sの条件下にて、3段型プレート(90mm×50mm×厚みがゲート側から3mm(長さ20mm)、2mm(長さ45mm)、1mm(長さ25mm))を射出成形した。
得られた3段型プレートの厚み2mmの部分について、ヘイズメーターを用いてヘイズ(単位:%)および全光線透過率(単位:%)を測定した。
ヘイズメーターは、日本電色工業(株)製のNDH−2000型ヘイズメーターを用いた。
上記樹脂組成物ペレットを100℃で5時間乾燥した後、射出成形機((株)日本製鋼所製「J55−60H」)を用い、シリンダー設定温度280℃、金型温度70℃にて、スクリュー回転数100rpm、射出速度25mm/sの条件下にて、平板状試験片(90mm×50mm×2mm厚)を射出成形した。
この平板状試験片について、ISO 15184に準拠し、鉛筆硬度試験機を用いて、1000g荷重にて測定した鉛筆硬度を求めた。
鉛筆硬度試験機は、東洋精機製作所社製を用いた。
上記樹脂組成物ペレットを100℃で5時間乾燥した後、射出成形機を用い、シリンダー設定温度280℃、金型温度70℃にて、スクリュー回転数100rpm、射出速度25mm/sの条件下にて、平板状試験片(100mm×100mm×2mm厚)を射出成形した。
ISO19252に準拠し、スクラッチテスターを用いて、直径1mmの球状の端子にて、試験速度100mm/秒、試験距離100mmの間を垂直荷重1Nから50Nまで可変させながら走査し、荷重30Nの地点にて、水平荷重と垂直荷重を測定し、動摩擦係数(水平荷重/垂直荷重)を求めた。動摩擦係数は、小さい方が好ましい。
射出成形機は、(株)日本製鋼所製「J55−60H」を、スクラッチテスターは、カトーテック(株)製のものを用いた。
一方、比較例の樹脂組成物は、水接触角および透明性の少なくとも一方が劣っていた。
Claims (12)
- (A)ポリカーボネート樹脂と(B)オルガノポリシロキサンを含む樹脂組成物であって、
前記樹脂組成物を2mmの厚さの平板に成形したときのヘイズが5.0%以下であり、かつ、水の接触角が87°以上である、樹脂組成物。 - 前記(B)オルガノポリシロキサンの主鎖が分岐構造を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記(B)オルガノポリシロキサンの分子量分布(Mw/Mn)が1.01〜1.40である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- (A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、(B)オルガノポリシロキサンを0.8〜4.0質量部含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記(A)ポリカーボネート樹脂が、式(1)で表される構造単位および式(2)で表される構造単位の少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
式(1)
式(2)
- 前記(A)ポリカーボネート樹脂が、式(1)で表される構造単位の少なくとも1種を含む、請求項5に記載の樹脂組成物。
- 前記(A)ポリカーボネート樹脂における式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位の質量比が、10:90〜100:0である、請求項5に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物から形成される成形品のISO 15184に従って測定した鉛筆硬度がHB以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- (B)オルガノポリシロキサンの重量平均分子量が500以上2000以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- さらに、ワックスを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成された成形品。
- ディスプレイ用部品、携帯情報端末部品、家庭用電気製品用部品または室内調度品用部品である、請求項11記載の成形品。
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