JP2021038160A - 紫外線防御用化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線吸収剤内包微小カプセルを含有し、肌へ塗布した際にすばやく肌になじみ、べたつきを感じ難く、乾燥感をほとんど与えない紫外線防御用化粧料を提供する。【解決手段】シリル化ペプチド又はシリル化アミノ酸とシラン化合物の共重合を壁膜とする紫外線吸収剤内包微小カプセル1種又は2種以上、エステル油、シリコーン油を含有させて紫外線防御用化粧料を構成する。紫外線吸収剤としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、オクトクリレン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル及び4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンから選ばれる1種又は2種以上、エステル油としてはイソノナン酸イソノニル、パルミチン酸エチルヘキシル、乳酸オクチルドデシルから選ばれ、シリコーン油としてはデカメチルシクロペンタシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコンから選ばれることが好ましい。【選択図】 なし
Description
本発明は、有機紫外線吸収剤内包微小カプセル(マイクロカプセル)を含有する化粧料に関し、さらに詳しくは、肌へ塗布した際にすばやく肌になじみ、べたつきを感じ難く、乾燥感をほとんど与えないことを特徴とする紫外線防御用化粧料に関する。
従来から日焼け防止を目的とした化粧料には、紫外線防御成分として酸化チタンや酸化亜鉛などの紫外線散乱剤や有機の紫外線吸収剤が用いられている。日焼けは、太陽光線中の波長が290nm〜315nmの紫外線B領域と言われる領域(以下、UVBと言う)の紫外線と、315nm〜400nmの紫外線A領域と言われる領域(以下、UVAと言う)の紫外線によって引き起こされ、UVBは皮膚に紅斑を引き起こして炎症後黒化をもたらすと言われている。また、UVAは紅斑をほとんど起こさず、皮膚を黒化すると言われていたが、近年、UVAは皮膚の深部にまで到達し、皮膚の老化や皮膚癌を誘発する原因になると言われている。
紫外線防御成分である有機紫外線吸収剤は、化粧料に広く使用されているが、皮膚に対して刺激性のあるものが多く、紫外線吸収剤によってはその防御能を十分発揮できないという問題があり、さらに、二次付着によって衣服を汚染するという問題もあった。そのため、紫外線吸収剤をカプセル中に封じて化粧料に配合し、皮膚や衣服に直接紫外線吸収剤が接触するのを避ける試みがなされている(特許文献1)。本発明者らもシリル化ペプチドとシラン化合物の共重合体からなるマイクロカプセル、又はシリル化アミノ酸とシラン化合物の共重合体からなるマイクロカプセルを開発し、そのカプセル内に紫外線吸収剤を封じ込めた紫外線吸収剤内包マイクロカプセルを利用した紫外線防御用化粧料(特許文献2)やUVA、UVBのいずれに対しても紫外線防御能が高いマイクロカプセルを用いた化粧料を提案してきた(特許文献3)。
これらの紫外線防御用化粧料では、紫外線吸収剤がカプセルに内包されることにより、皮膚への直接的な接触を回避する利点の他に、化粧料を安定化するために乳化剤を多量に配合する必要がないこと、紫外線吸収剤特有のべたつきや油性感を抑制することができることから、塗布時の使用感に優れた化粧料を提供できることが可能となる。一方、近年消費者の化粧品に対する意識の高まりにより、これまでよりさらに優れた使用感を有する化粧料が要求されている。
本発明は、シリル化ペプチドとシラン化合物の共重合体を壁膜とする紫外線吸収剤内包微小カプセル又はシリル化アミノ酸とシラン化合物の共重合体を壁膜とする紫外線吸収剤内包微小カプセルを配合することで、肌へ塗布した際にすばやく肌になじみ、べたつきを感じ難く、乾燥感をほとんど与えない紫外線防御用化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解消するために鋭意研究を重ねたところ、シリル化ペプチドとシラン化合物の共重合体を壁膜とする紫外線吸収剤内包微小カプセル、又はシリル化アミノ酸とシラン化合物の共重合体を壁膜とする紫外線吸収剤内包微小カプセルと、他の特定の成分を組み合わせて配合することで目的とする化粧料が得られ、さらには凝集や分離を起こさない安定性の高い紫外線防御用化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の紫外線防御用化粧料は、(a)シリル化ペプチドとシラン化合物の共重合体を壁膜とする紫外線吸収剤内包微小カプセル又はシリル化アミノ酸とシラン化合物の共重合体を壁膜とする紫外線吸収剤内包微小カプセル1種又は2種以上、(b)エステル油、(c)シリコーン油を含有することを特徴とする紫外線防御用化粧料である(請求項1)。
請求項2の発明は、前記(a)の微小カプセルに内包される紫外線吸収剤が、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、オクトクリレン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、4−tert−ブチル−4’ −メトキシジベンゾイルメタンから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1の紫外線防御用化粧料である。これらの紫外線吸収剤は化粧料によく用いられており、紫外線吸収能が高く、工業的に入手しやすいことから好ましい様態となる。
請求項3の発明は、前記(b)のエステル油が、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸エチルヘキシル、乳酸オクチルドデシルから選ばれる1種又は2種以上であり、(c)のシリコーン油が、デカメチルシクロペンタシロキサン又はジフェニルシロキシフェニルトリメチコンから選ばれることを特徴とする請求項1又は2の紫外線防御用化粧料である。これらは化粧料によく用いられており、特に肌へ塗布した際の使用感に優れることから好ましい様態となる。
本発明の化粧料は、紫外線吸収剤内包微小カプセル、エステル油、シリコーン油を組み合わせて配合することで、高い紫外線防御能や安定性を示すとともに、肌へ塗布した際にすばやく肌になじみ、べたつきを感じ難く、乾燥感をほとんど与えない使用感を提供する。
以下に本発明の実施形態を説明する。本発明の紫外線防御用化粧料に配合される、(a)シリル化ペプチドとシラン化合物の共重合体を壁膜とする紫外線吸収剤内包微小カプセル、又はシリル化アミノ酸とシラン化合物の共重合体を壁膜とする紫外線吸収剤内包微小カプセル、(b)エステル油、(c)シリコーン油についてそれらの実施形態を説明する。
[紫外線吸収剤内包微小カプセル]
本発明の紫外線防御用化粧料に用いられる(a)成分は、シリル化されたペプチド又はシリル化されたアミノ酸とシラン化合物の共重合体を壁膜とし、紫外線吸収能を有する物質を内包したマイクロカプセルである。
本発明の紫外線防御用化粧料に用いられる(a)成分は、シリル化されたペプチド又はシリル化されたアミノ酸とシラン化合物の共重合体を壁膜とし、紫外線吸収能を有する物質を内包したマイクロカプセルである。
上記のマイクロカプセルは、水性媒体の連続相中に内包物となる紫外線吸収剤、必要な場合はその溶解剤を含む油性物質の分散相が分散している分散液中で、シリル化ペプチド又はシリル化アミノ酸とシラン化合物を共縮重合させて製造するが、シリル化ペプチド又はシリル化アミノ酸の製造方法やマイクロカプセルの製造方法については、特許第4562050号公報、特開2017−218392号公報に詳しく記載されている。
前記マイクロカプセルに内包される紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、パラメトキシケイ皮酸エチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸ナトリウム、パラメトキシケイ皮酸カリウム、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ミリスチル、サリチル酸メチル、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−(2’ −ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メチル、オクチルトリアゾン、オクトクレリン、2,4−ビス[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その中でも、UVA吸収剤としてジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル及び/又は4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、UVB吸収剤としてパラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル及び/又はオクトクリレンを使用することが好ましく、UVA吸収剤とUVB吸収剤を組み合わせてカプセル中に含有させることがより好ましい。
シリル化ペプチドとシラン化合物の共重合体を壁膜とする紫外線吸収剤内包微小カプセル、又はシリル化アミノ酸とシラン化合物の共重合体を壁膜とする紫外線吸収剤内包微小カプセルに内包される紫外線吸収剤の含有量は、マイクロカプセルの全質量に対して、20〜93質量%が好ましく、40〜90質量%がより好ましい。このような紫外線吸収剤内包微小カプセルは市販品を使用することができ、例えば、株式会社成和化成製の「Silasoma MEA」や「Silasoma SP」等を用いることができる。
[エステル油]
本発明の紫外線防御用化粧料に用いられる(b)成分は、エステル油であり、液状エステル油、固形状エステル油のいずれでもよい。
本発明の紫外線防御用化粧料に用いられる(b)成分は、エステル油であり、液状エステル油、固形状エステル油のいずれでもよい。
(b)成分のエステル油として、例えば、カプリル酸セチル、カプリン酸セチル、カプロン酸セチル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸‐n−ブチル、カプリル酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸ヘプチルウンデシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ラウリル、リノール酸エチル、リノール酸ステアリル、オレイン酸オレイル、エイコセン酸エイコセニル、エイコセン酸ドコセニル、ドコセン酸エイコセニル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸イソプロピル、ピバリン酸トリデシル、ピバリン酸ミリスチル、2‐エチルヘキサン酸ステアリル、2‐エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸ヘキシル、イソノナン酸セトステアリル、イソステアリン酸オレイル、ピバリン酸2‐オクチルドデシル、ピバリン酸イソステアリル、2‐エチルヘキサン酸ヘキシルデシル、2‐エチルヘキサン酸イソステアリル、イソノナン酸2‐エチルヘキシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソパルミチン酸エチルヘキシル、イソパルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸オクチルドデシル、ジオレイン酸エチレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリオレイン酸グリセリル、トリリノール酸グリセリル、ジイソステアリン酸エチレングリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、アボガド油、オリーブ油、ゴマ油、サザンカ油、サフラワー油、シア脂、トウモロコシ油、ナタネ油、ツバキ油、パーシック油、パーム核油、ヒマワリ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、大豆油、綿実油、ホホバ油、オレンジラフィー油、サメ肝油、ミンク油、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸ミリシル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、セロリン酸ミリシル、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸プロピレングリコール、トリパルミチン酸グリセリド、トリステアリン酸グリセリド、トリベヘン酸グリセリル、ステアリン酸コレステリル、ステアリン酸フィトステリル、イソステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、イソステアリン酸シトステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸フィトステリル、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、モンタンロウ、ミツロウ、モクロウ、オクタン酸セチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジステアリン酸グリコール、イソデシルベンゾエート、ジカプリル酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリット、トリオクタノイン、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、テトラオクタン酸ペンタエリスリット、テトラ2‐エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、トリ2‐エチルヘキサン酸グリセリル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、2−エチルヘキサン酸―2−ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸―2−ヘキシルデシル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、イソステアリン酸―2−ヘキシルデシル、カプリル酸グリセリル、乳酸オクチルドデシル、パルミチン酸エチルヘキシルなどが挙げられる。その中でも、特にべたつき感を感じ難い点から、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸エチルヘキシル、乳酸オクチルドデシルから選ばれる1種又は2種以上を使用することが好ましい。
(b)成分のエステル油は、化粧品原料として市販されている製品を使用することができる。具体的な製品としては、イソノナン酸イソノニルでは日清オイリオグループ株式会社製の「サラコス99」や高級アルコール工業株式会社製の「KAK99」が挙げられ、パルミチン酸エチルヘキシルでは株式会社成和化成製の「Matlube 2EHP」や日光ケミカルズ株式会社製の「NIKKOL IOP」などが挙げられ、乳酸オクチルドデシルでは日清オイリオグループ株式会社製の「コスモール13」などが挙げられる。
[シリコーン油]
本発明の紫外線防御用化粧料に用いられる(c)成分は、通常の化粧料によく用いられるシリコーン油であり、揮発性シリコーン油、不揮発性シリコーン油のいずれでもよく、25℃で液状のものが好ましい。
本発明の紫外線防御用化粧料に用いられる(c)成分は、通常の化粧料によく用いられるシリコーン油であり、揮発性シリコーン油、不揮発性シリコーン油のいずれでもよく、25℃で液状のものが好ましい。
揮発性シリコーン油としては、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシロキサン;ジメチルポリシロキサン(1cs)、ジメチルポリシロキサン(1.5cs)、ジメチルポリシロキサン(2cs)等の直鎖状ジメチルポリシロキサン;メチルトリメチコン、トリス(トリメチルシリル)メチルシラン、テトラキス(トリメチルシリル)シラン等の分岐状シロキサンなどが挙げられる。その中でも、使用時の肌へのなじみの点から、デカメチルシクロペンタシロキサンを含むことが好ましい。
不揮発性シリコーン油において、不揮発性とは、25℃で5mm2/s以上の動粘度を有するものである。
不揮発性シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン;フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコン、ジフェニルジメチコン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン等のフェニル変性シリコーン;ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、高級アルコキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、架橋型オルガノポリシロキサン等の変性シリコーン油等が挙げられる。その中でも、肌へのなじみの点から、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコンを使用することが好ましい。
不揮発性シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン;フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコン、ジフェニルジメチコン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン等のフェニル変性シリコーン;ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、高級アルコキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、架橋型オルガノポリシロキサン等の変性シリコーン油等が挙げられる。その中でも、肌へのなじみの点から、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコンを使用することが好ましい。
(c)成分であるシリコーン油は、紫外線防御用化粧料に0.1〜15質量%、好ましくは1〜13質量%、さらに好ましくは2〜10質量%の割合で含まれる。0.1質量%未満の場合は、使用時の感触が重く、肌なじみが遅くなり、15質量%を超える場合には、乾燥感を与えてしまう。
本発明の紫外線防御用化粧料では、安定性を向上させるために水溶性増粘剤を使用することができ、例えば、粘土鉱物、多糖類、アクリル系増粘剤、カチオン性又はアルカリ性増粘タイプの水性ゲル化剤などを用いることができる。
粘土鉱物としては、ケイ酸(Al/Mg)、ベントナイト、スメクタイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ケイ酸(Na/Mg)、変性ベントナイト、合成ヘクトライトなどが挙げられる。
多糖類としては、キサンタンガム、セルロースガム、ローカストビーンガム、グァーガム、カラギーナン、ジェランガム、デンプン、デキストリン、アルギン酸、ペクチン、スクレログルカン、アラビアガム、ガティガム、カラヤガム、トラガカントガム、カラゲナンガム、カンテン、キャロブガム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどが挙げられる。
アクリル酸系増粘剤としては、カルボマー、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、架橋型ポリアクリル酸、架橋型ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリルアミド、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)共重合体、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)共重合体、ポリアクリレート−13、ポリアクリレートクロスポリマー−6などが挙げられる。
アクリル酸系増粘剤は、化粧品原料として市販されている製品を使用することができる。具体的な製品としては、ポリアクリルアミドでは、SEPPIC社製の「SEPIGEL 305」や「SIMULGEL 600」などが挙げられ、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)共重合体では、SEPPIC社製の「SIMULGEL EG」などが挙げられ、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)共重合体では、SEPPIC社製の「SIMULGEL NS」や「SEPIPLUS S」などが挙げられ、ポリアクリレート−13では、SEPPIC社製の「SEPIPLUS 400」などが挙げられ、ポリアクリレートクロスポリマー−6では、SEPPIC社製の「SEPIMAX ZEN」などが挙げられる。
カチオン性増粘タイプの水性ゲル化剤としては、4級化ポリビニルピロリドン共重合体等の合成高分子、例えば、ポリオクタニウム‐86(ビニルピロリドン、塩化‐1‐メチル‐3‐ビニルイミダゾリン、ビニルイミダゾール及びメタクリル酸の共重合体)などが挙げられる。
カチオン性増粘タイプの水性ゲル化剤であるポリオクタニウム‐86は、化粧品原料として市販されている製品を使用することができる。具体的な製品としては、BASFジャパン株式会社製の「ルビジェルアドバンス」が挙げられる。
アルカリ性増粘タイプの水性ゲル化剤としては、カルボキシビニルポリマーやアルキル変性カルボキシビニルポリマーなどの合成高分子が挙げられる。
アルカリ性増粘タイプの水性ゲル化剤であるカルボキシビニルポリマー又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、化粧品原料として市販されている製品を使用することができ、具体的な製品としては、カルボキシビニルポリマーでは、住友精化株式会社製の「AQUPEC HV−505E」、Lubrizol Advanced Materials社製の「カーボポール940」「カーボポール941」、3Vシグマ社製の「シンタレンK」「シンタレンL」等が挙げられ、アルキル変性カルボキシビニルポリマーでは、住友精化株式会社製の「AQUPEC HV−501ER」、Lubrizol Advanced Materials社製の「カーボポール1342」「カーボポールETD2020」等が挙げられる。カルボキシビニルポリマーおよびアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、それぞれ1種又は2種以上を用いることができ、またカルボキシビニルポリマーとアルキル変性カルボキシビニルポリマーを併用することもできる。
本発明の紫外線防御用化粧料には、上記の成分に加え、通常化粧料に用いられる成分を必要に応じて適宜配合することができる。このような成分としては、例えば、保湿剤、乳化剤、油剤、pH調整剤、界面活性剤、酸化防止剤、キレート剤、防腐剤、美白成分、金属酸化物などの紫外線散乱剤、顔料、着色料、香料等が挙げられる。
本発明の紫外線防御用化粧料は、必要に応じた剤型を採ることができる。剤型の例としては、ローション、分散液、乳液、クリーム、ジェル、スティック状、ケーキ型、粉体状、スプレー、エアゾール等が挙げられる。乳化製剤の場合には、油中水型、水中油型、油中水中油型、水中油中水型のいずれであってもよい。これらの製剤は、前記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び前記その他の通常使用される成分を用い、常法にて製造することができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例中などで表記されている%は、特に単位を付記しない限り、いずれも質量%である。
実施例1〜7及び比較例1〜2
(a)紫外線吸収剤内包微小カプセル、(b)エステル油、(c)シリコーン油を表1に示す割合で紫外線防御用化粧料を調製し、肌に塗布した場合の使用感について評価を行った。
(a)紫外線吸収剤内包微小カプセル、(b)エステル油、(c)シリコーン油を表1に示す割合で紫外線防御用化粧料を調製し、肌に塗布した場合の使用感について評価を行った。
※1「Silasoma MEA」(株式会社成和化成製)
※2「Silasoma SP」(株式会社成和化成製)
※3「サラコス99」(日清オイリオグループ株式会社製)
※4「Matlube 2EHP」(株式会社成和化成製)
※5「コスモール13」(日清オイリオグループ株式会社製)
※6「KF−995」(信越化学工業株式会社製)
※7「KF−56A」(信越化学工業株式会社製)
※8「カーボポール941」(Lubrizol Advanced Materials社製)
※2「Silasoma SP」(株式会社成和化成製)
※3「サラコス99」(日清オイリオグループ株式会社製)
※4「Matlube 2EHP」(株式会社成和化成製)
※5「コスモール13」(日清オイリオグループ株式会社製)
※6「KF−995」(信越化学工業株式会社製)
※7「KF−56A」(信越化学工業株式会社製)
※8「カーボポール941」(Lubrizol Advanced Materials社製)
15名のパネラー(25歳〜50歳)に実施例1〜7及び比較例1〜2で調製したサンスクリーンジェルを1週間使用してもらい、肌に塗布した際の(1)肌へのなじみ、(2)べたつき感、(3)肌の乾燥感について下記の基準で判定してもらい、評価を行った。
(1)肌へのなじみ
2点:肌へのなじみが良いと感じる
1点:肌へのなじみがやや良いと感じる
0点:肌へのなじみが良くないと感じる
2点:肌へのなじみが良いと感じる
1点:肌へのなじみがやや良いと感じる
0点:肌へのなじみが良くないと感じる
15名の合計点を求め、以下のように評価を行った。
◎:合計点が25点以上
肌へのなじみが非常に良いサンスクリーンジェルである。
○:合計点が20点以上、25点未満
肌へのなじみが良いサンスクリーンジェルである。
△:合計点が15点以上、20点未満
肌へのなじみがやや良いサンスクリーンジェルである。
×:合計点が15点未満
肌へのなじみがあまり良くない紫外線防御用化粧料である。
◎:合計点が25点以上
肌へのなじみが非常に良いサンスクリーンジェルである。
○:合計点が20点以上、25点未満
肌へのなじみが良いサンスクリーンジェルである。
△:合計点が15点以上、20点未満
肌へのなじみがやや良いサンスクリーンジェルである。
×:合計点が15点未満
肌へのなじみがあまり良くない紫外線防御用化粧料である。
(2)べたつき感
2点:肌へ塗布した後、べたつきを感じなかった
1点:肌へ塗布した後、ほぼべたつきを感じなかった
0点:肌へ塗布した後、べたつきを感じた
2点:肌へ塗布した後、べたつきを感じなかった
1点:肌へ塗布した後、ほぼべたつきを感じなかった
0点:肌へ塗布した後、べたつきを感じた
15名の合計点を求め、以下のように評価を行った。
◎:合計点が25点以上
べたつきを感じないサンスクリーンジェルである。
○:合計点が20点以上、25点未満
ほとんどべたつきを感じないサンスクリーンジェルである。
△:合計点が15点以上、20点未満
ややべたつきを感じるサンスクリーンジェルである。
×:合計点が15点未満
べたつきを感じるサンスクリーンジェルである。
◎:合計点が25点以上
べたつきを感じないサンスクリーンジェルである。
○:合計点が20点以上、25点未満
ほとんどべたつきを感じないサンスクリーンジェルである。
△:合計点が15点以上、20点未満
ややべたつきを感じるサンスクリーンジェルである。
×:合計点が15点未満
べたつきを感じるサンスクリーンジェルである。
(3)乾燥感
2点:乾燥感を感じなかった
1点:乾燥感をほとんど感じなかった
0点:乾燥感を感じた
2点:乾燥感を感じなかった
1点:乾燥感をほとんど感じなかった
0点:乾燥感を感じた
15名の合計点を求め、以下のように評価を行った。
◎:合計点が25点以上
乾燥感を感じないサンスクリーンジェルである。
○:合計点が20点以上、25点未満
乾燥感をほとんど感じないサンスクリーンジェルである。
△:合計点が15点以上、20点未満
乾燥感をあまり感じないサンスクリーンジェルである。
×:合計点が15点未満
やや乾燥感を感じるサンスクリーンジェルである。
◎:合計点が25点以上
乾燥感を感じないサンスクリーンジェルである。
○:合計点が20点以上、25点未満
乾燥感をほとんど感じないサンスクリーンジェルである。
△:合計点が15点以上、20点未満
乾燥感をあまり感じないサンスクリーンジェルである。
×:合計点が15点未満
やや乾燥感を感じるサンスクリーンジェルである。
表1の評価結果に示すように、紫外線吸収剤内包微小カプセル、エステル油、シリコーン油を配合したサンスクリーンジェル(実施例1〜7)は肌へ塗布したときにすばやく肌になじみ、使用後にべたつきを感じ難く、肌に乾燥感をほとんど与えないという効果が得られたが、エステル油又はシリコーン油が含まれていない比較例1〜2では充分な効果が得られなかった。
肌へ塗布したときにすばやく肌になじみ、使用後にべたつきを感じ難く、肌に乾燥感をほとんど与えない紫外線防御用化粧料を提供できる。
Claims (3)
- (a)シリル化ペプチドとシラン化合物の共重合体を壁膜とする微小カプセル又はシリル化アミノ酸とシラン化合物の共重合体を壁膜とする紫外線吸収剤内包微小カプセル1種又は2種以上、
(b)エステル油、
(c)シリコーン油、
を含有することを特徴とする紫外線防御用化粧料。 - (a)の紫外線吸収剤内包微小カプセルが、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、オクトクリレン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル及び4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンから選ばれる紫外線吸収剤1種又は2種以上を内包する微小カプセルであることを特徴とする請求項1記載の紫外線防御用化粧料。
- (b)のエステル油が、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸エチルヘキシル及び乳酸オクチルドデシルから選ばれる1種又は2種以上であり、(c)のシリコーン油がデカメチルシクロペンタシロキサン又はジフェニルシロキシフェニルトリメチコンから選ばれることを特徴とする請求項1又は2記載の紫外線防御用化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019159458A JP2021038160A (ja) | 2019-09-02 | 2019-09-02 | 紫外線防御用化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019159458A JP2021038160A (ja) | 2019-09-02 | 2019-09-02 | 紫外線防御用化粧料 |
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
CN115304940A (zh) * | 2022-08-30 | 2022-11-08 | 上海宜瓷龙新材料股份有限公司 | 一种长效不粘涂料及其制备和施工方法 |
-
2019
- 2019-09-02 JP JP2019159458A patent/JP2021038160A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN115304940A (zh) * | 2022-08-30 | 2022-11-08 | 上海宜瓷龙新材料股份有限公司 | 一种长效不粘涂料及其制备和施工方法 |
CN115304940B (zh) * | 2022-08-30 | 2023-06-13 | 上海宜瓷龙新材料股份有限公司 | 一种长效不粘涂料及其制备和施工方法 |
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